(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144489
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20231003BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231003BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051481
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 和志
(72)【発明者】
【氏名】家氏 策
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC24
5H181DD09
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5L049CC13
(57)【要約】
【課題】駐車スペース毎の駐車状況を把握することができる駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】駐車管理装置は、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する受信部と、撮影情報に含まれるマーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて駐車スペースの駐車状況を判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する受信部と、
前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定する判定部と、
を備える駐車管理装置。
【請求項2】
前記マーカの形状は、一方向に延びる棒形状であり、
前記判定部は、前記駐車スペースが空いている場合の前記マーカの長さに対する、前記マーカのうち前記撮影部によって撮影された部分の長さの比であるマーカ識別比が、所定の閾値以下であるかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定する、
請求項1に記載の駐車管理装置。
【請求項3】
前記マーカが車両によって遮蔽されて画像上前記マーカの延びる一方向において前記マーカが複数箇所に存在する場合に、画像上存在する複数の前記マーカの長さの和を、前記マーカのうち前記撮影部によって撮影された部分の長さとして前記マーカ識別比を算出する識別比算出部をさらに備える、
請求項2に記載の駐車管理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記マーカ識別比が空き判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースが空いていると判定する空き判定部を有する、
請求項2又は3に記載の駐車管理装置。
【請求項5】
前記空き判定部の判定結果に基づいて前記駐車場内の前記駐車スペースの空き数を算出する空き数算出部をさらに備える請求項4に記載の駐車管理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記マーカ識別比が違反判定閾値以下ある場合、前記駐車スペースが違反駐車されていると判定する違反駐車判定部を有する、
請求項2から5の何れか一項に記載の駐車管理装置。
【請求項7】
前記違反駐車判定部の判定結果に基づいて前記駐車場内の前記駐車スペースの違反駐車数を算出する違反駐車数算出部をさらに備える請求項6に記載の駐車管理装置。
【請求項8】
前記駐車スペースは、矩形状の駐車枠によって囲われたスペースであり、
前記マーカの長さは、前記駐車スペースの対応車種毎に設定され、
前記判定部は、前記駐車枠のアスペクト比が所定の車種判定閾値以下である場合、前記駐車スペースの対応車種は普通車両であると判定し、前記アスペクト比が前記車種判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースの対応車種は大型車両であると判定する対応車種判定部を有し、
前記対応車種判定部が前記駐車スペースの対応車種を大型車両と判定した場合、前記違反駐車判定部は、前記マーカ識別比と前記違反判定閾値とを比較して、前記マーカ識別比が前記違反判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースが違反駐車されていると判定し、
前記対応車種判定部が前記駐車スペースの対応車種を普通車両と判定した場合、前記違反駐車判定部は、前記駐車スペースが正常駐車されていると判定する、
請求項6又は7に記載の駐車管理装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の駐車管理装置と、
前記マーカと、
前記撮影部と、
を備える駐車管理システム。
【請求項10】
前記駐車管理装置からの情報を表示する表示部をさらに備える請求項9に記載の駐車管理システム。
【請求項11】
駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、
前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、
を有する駐車管理方法。
【請求項12】
駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、
前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、
を駐車管理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体側方から車幅方向に駐車スペースが二列ある場合に、自車両に搭載されたカメラを用いて、一列奥の駐車スペースへの駐車可否を検出することができる車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駐車場の空き数管理もカメラを用いた入退出管理によって行われる。入退出管理は入庫車両数の加算と出庫車両数の減算によるため、入庫時や出庫時に誤検知が生じると、駐車場の空き数を正確に把握することは困難となる。また、入退出管理では、大型車両用の駐車スペースに普通車両が駐車する違反駐車を検出することができない。
これらの問題の対策として、駐車スペース毎の駐車状況を把握することが求められていた。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、駐車スペース毎の駐車状況を把握することができる駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る駐車管理装置は、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する受信部と、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定する判定部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る駐車管理システムは、上記駐車管理装置と、前記マーカと、前記撮影部と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、本開示に係る駐車管理方法は、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、を有する。
【0009】
上記課題を解決するために、本開示に係るプログラムは、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカが、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、を駐車管理装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラムによれば、駐車スペース毎の駐車状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る駐車管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る駐車管理システムの全体構成、及び駐車管理装置の機能構成を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る駐車管理装置のプロセッサの機能構成を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る駐車スペース内のマーカが、駐車車両によって遮蔽されて、画像上マーカが複数箇所に存在する状態を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第1のフローチャート図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第2のフローチャート図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第3のフローチャート図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第4のフローチャート図である。
【
図9】本開示の実施形態に係るマーカ識別比に基づく空き判定の基準を示すグラフである。
【
図10】本開示の実施形態に係るマーカ識別比に基づく違反駐車判定の基準を示すグラフである。
【
図11】本開示の変形例に係る駐車スペース内のマーカを示す図である。
【
図12】本開示の変形例に係る駐車スペース内のマーカを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の位置実施形態に係る駐車管理システム1及び駐車管理装置10について、図を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る駐車管理システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、駐車管理システム1は、駐車スペースSと、駐車枠2と、マーカ3と、撮影部4と、駐車管理装置10と、制御装置5と、外部装置6とを備えている。
【0013】
駐車管理システム1、及び駐車管理装置10は、駐車場Fを備えた施設の車両V管理に用いられる。駐車管理システム1、及び駐車管理装置10が用いられる施設とは、例えば高速道路の無料休憩施設である。高速道路の無料休憩施設の例として、例えばパーキングエリア(PA)やサービスエリア(SA)、ハイウェイオアシス(HO)等が挙げられる。
駐車場Fには、駐車スペースSが複数設けられている。
【0014】
各駐車スペースSには、通常、車両Vが1台ずつ駐車される。複数の駐車スペースSは、普通車両駐車スペースS1と、大型車両駐車スペースS2とを含む。
【0015】
普通車両駐車スペースS1は、対応車種が普通車両V1の駐車スペースSである。
大型車両駐車スペースS2は、対応車種が大型車両V2の駐車スペースSである。ここでいう大型車両V2は、普通車両V1よりも前後方向に長い車両V全般である。本実施形態では、大型車両V2の例として、トラックを例に説明する。
【0016】
前後方向とは、各駐車スペースS内に駐車される各車両Vの前後方向である。
本実施形態の駐車スペースSは、矩形状の駐車枠2によって囲われたスペースである。
【0017】
駐車枠2は、駐車場F内に複数設けられている。駐車枠2は、駐車場F内の路面に描かれた矩形状の白線である。駐車枠2内のスペースが、車両Vの駐車スペースSとなる。
複数の駐車枠2は、普通車両駐車枠2aと、大型車両駐車枠2bとを含む。
【0018】
普通車両駐車枠2aは、駐車場Fに普通車両駐車スペースS1を区画する駐車枠2である。
大型車両駐車枠2bは、駐車場Fに大型車両駐車スペースS2を区画する駐車枠2である。
【0019】
以下では、各駐車スペースS内に駐車される各車両Vの前後方向、かつ、水平方向を「縦方向」と称し、縦方向に垂直な方向、かつ、水平方向を「横方向」と称して説明する場合がある。さらに、駐車枠2の横方向の寸法を単に「横幅A」と称し、駐車枠2の縦方向の寸法を単に「縦幅B」と称し、駐車枠2の「横幅A」に対する「縦幅B」の比を「アスペクト比」(=B/A)と称して説明する場合がある。
【0020】
本実施形態では、普通車両駐車枠2aの横幅Aは、例えば2.5mmであり、普通車両駐車枠2aの縦幅Bは、例えば5.0mmである。
大型車両駐車枠2bの横幅Aは、例えば3.3mmであり、大型車両駐車枠2bの縦幅Bは、例えば13.0mmである。
各駐車枠2内には、マーカ3が設けられている。すなわち、マーカ3は、各駐車スペースS内に設けられている。
【0021】
マーカ3は、駐車場F内に複数設けられている。マーカ3は、駐車スペースS上の車両Vが駐車される位置に設けられ、撮影部4の視野において車両Vの駐車時に車両Vによって少なくとも一部が遮蔽される。本実施形態では、マーカ3の形状は、一方向に延びる棒形状である。マーカ3は、駐車場Fの路面上に描かれた矩形状の白線である。マーカ3は、駐車枠2の横方向中央部に位置し、縦方向に延びている。
【0022】
以下、マーカ3の縦方向の寸法を、「マーカ3の長さ」と称して説明する場合がある。
マーカ3の長さは、駐車スペースSの対応車種毎に設定されている。具体的には、マーカ3の長さは、マーカ3の縦方向の両端が駐車枠2に接近しつつ、駐車枠2に接続しない程度の長さに設定されている。
【0023】
複数のマーカ3は、普通車両マーカ3aと、大型車両マーカ3bとを含む。
普通車両マーカ3aは、普通車両駐車スペースS1に設けられたマーカ3である。
大型車両マーカ3bは、大型車両駐車スペースS2に設けられたマーカ3である。大型車両マーカ3bの長さは、普通車両マーカ3aの長さよりも短い。
駐車場F内の全てのマーカ3は、撮影部4によって撮影される。
【0024】
撮影部4は、駐車スペースSを撮影範囲に含む。撮影部4は、複数設けられている。本実施形態では、撮影部4は、駐車場Fに設置された固定式のカメラである。撮影部4は、車両Vの車高よりも高い位置に設置されている。
【0025】
撮影部4は、複数の駐車スペースSの組毎に1台ずつ設置されている。撮影部4は、対応する組内の駐車枠2とマーカ3を、駐車スペースS毎に全て撮影する。駐車場F内の全ての駐車枠2とマーカ3は、複数の撮影部4で分担されて漏れなく撮影される。
【0026】
撮影部4は、駐車枠2とマーカ3を撮影することにより、撮影情報を取得する。本実施形態では、撮影部4は、駐車枠2とマーカ3を常時撮影している。撮影情報には、駐車枠2及びマーカ3の画像が含まれる。本実施形態では、撮影部4によって取得される画像は、例えば動画として取得される。
撮影部4によって取得された撮影情報は、駐車管理装置10に送信される。
【0027】
駐車管理装置10は、いわゆるセンタサーバ(コンピュータ)である。駐車管理装置10は、撮影部4から送信された撮影情報を処理し、駐車場情報を取得する。駐車場情報には、各駐車スペースSの空き状況や駐車場F内の駐車スペースSの空き数、各駐車スペースSの違反駐車の状況や駐車場F内の違反駐車数等が含まれる。違反駐車とは、大型車両駐車スペースS2に普通車両V1が駐車されていることを意味する。駐車管理装置10の機能構成については後に詳述する。
駐車管理装置10は、制御装置5に駐車場情報を送信する。
【0028】
制御装置5は、駐車場F内の各システム及び機器を制御する制御室内に設置されている。制御装置5は、入力部5aと、表示部5bとを備える。
入力部5aは、駐車管理装置10の処理に必要な各種パラメータを、駐車管理装置10に入力する。
表示部5bは、駐車管理装置10からの駐車場情報を表示する。すなわち、表示部5bは、各駐車スペースSの空き状況や駐車場F内の駐車スペースSの空き数、各駐車スペースSの違反駐車の状況や駐車場F内の違反駐車数を表示する。表示部5bで表示された駐車場情報は、制御室内のユーザに視認される。
制御装置5は、駐車管理装置10からの駐車場情報や、駐車場情報に基づくその他の情報を外部装置6に送信する。
【0029】
外部装置6として、例えば高速道路本線に設置された本線掲示板、交通システム用のアンテナ等が挙げられる。本線掲示板は、例えば制御装置5からの情報に基づいて、駐車場Fの利用率を表示する。アンテナは、例えば制御装置5からの情報に基づいて、高速道路本線を走行する車両Vのカーナビに駐車場Fの利用率をリアルタイムで送信する。
【0030】
(駐車管理装置の機能構成)
駐車管理装置10の機能構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、本開示の実施形態に係る駐車管理システムの全体構成、及び駐車管理装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、駐車管理装置10は、プロセッサ20と、メインメモリ11と、ストレージ12と、通信インタフェース13とを備えている。
【0031】
プロセッサ20は、例えばCPUであり、駐車管理装置10の各処理を実行する。プロセッサ20の機能について後述する。
【0032】
メインメモリ11は、プロセッサ20の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0033】
ストレージ12は、いわゆる補助記憶装置である。
ストレージ12の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ12は、コンピュータのバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、通信インタフェース13又は通信回線を介して駐車管理装置10(コンピュータ)に接続される外部メディアであってもよい。
【0034】
通信インタフェース13は、駐車管理装置10の外部に設置された撮影部4及び制御装置5と情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0035】
次に、プロセッサ20の機能について説明する。プロセッサ20は、所定のプログラムに従って動作することにより、以下の機能を発揮する。
【0036】
図3は、本開示の実施形態に係る駐車管理装置のプロセッサの機能構成を示す図である。
図3に示すように、プロセッサ20は、受信部21、検出部22、アスペクト比算出部23、識別比算出部24、判定部30、空き数算出部25、違反駐車数算出部26、及び通知部27としての機能を有する。
【0037】
受信部21は、制御装置5の入力部5aから入力された各種パラメータを受信する。
また、受信部21は、撮影部4に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する。撮影情報は、例えばマーカ3の形状や、駐車枠2の横幅A、駐車枠2の縦幅B等を含む。
【0038】
検出部22は、撮影情報から駐車枠2とマーカ3を検出する。
【0039】
アスペクト比算出部23は、駐車枠2のアスペクト比を算出する。
識別比算出部24は、マーカ識別比Yを算出する。
ここで、マーカ識別比Yとは、駐車スペースSが空いている場合のマーカ3の長さXAに対する、マーカ3のうち撮影部4の撮影された部分の長さX0の比である。すなわち、マーカ識別比Yは、Y=X0/XAの式で算出される。
【0040】
例えば、駐車枠2が駐車されていない場合、マーカ3は車両Vによって遮蔽されていないため、マーカ3の全体が撮影部4によって撮影される。このため、XO=XAとなる。したがって、駐車枠2が駐車されていない場合、Y=1となる。対して、駐車枠2が駐車されていない場合だと、XO<XAとなるため、0≦Y<1となる。
【0041】
図4は、本開示の実施形態に係る駐車スペース内のマーカが、駐車車両によって遮蔽されて、画像上マーカ3が複数箇所に存在する状態を示す図である。
図4に示すように、駐車スペースS内のマーカ3が車両Vによって遮蔽されて画像上マーカ3の延びる一方向においてマーカ3が複数箇所に存在する場合に、識別比算出部24は、画像上存在する複数のマーカ3の長さの和を、マーカ3のうち撮影部4の撮影された部分の長さXOとしてマーカ識別比Yを算出する。
例えば、
図4に示す場合だと、画像上、車両Vの前後に存在するマーカ3のうち車両V前方のマーカ3の長さをX1、車両V後方のマーカ3の長さをX2とすると、マーカ3のうち撮影部4の撮影された部分の長さX0をX0=X1+X2として、マーカ識別比Y(=X0/XA)が算出される。
【0042】
図3に戻り、判定部30は、撮影情報に含まれるマーカ3の画像が所定の条件を満たしているかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定する。駐車状況とは、1つの駐車スペースSについての空き状況や違反駐車状況を意味する。
本実施形態では、判定部30は、マーカ識別比Yが所定の閾値以下であるかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定する。
判定部30は、対応車種判定部31と、マーカ判定部32と、空き判定部33と、違反駐車判定部34とを有する。
【0043】
対応車種判定部31は、駐車枠2のアスペクト比が所定の車種判定閾値以下である場合、駐車スペースSの対応車種は普通車両V1であると判定し、アスペクト比が車種判定閾値以下でない場合、駐車スペースSの対応車種は大型車両V2であると判定する。車種判定閾値は、制御装置5の入力部5aからの入力によって予め設定されている。
【0044】
マーカ判定部32は、撮影情報に基づいて、駐車スペースS内のマーカ3が一本であるか否かを判定する。
【0045】
空き判定部33は、マーカ識別比Yが空き判定閾値以下でない場合、駐車スペースSが空いていると判定する。空き判定値は、制御装置5の入力部5aからの入力によって予め設定されている。
【0046】
違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下ある場合、駐車スペースSが違反駐車されていると判定する。違反判定閾値は、制御装置5の入力部5aからの入力によって予め設定されている。
本実施形態では、対応車種判定部31が駐車スペースSの対応車種を大型車両V2と判定した場合、違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yと違反判定閾値とを比較して、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下でない場合、駐車スペースSが違反駐車されていると判定する。
対応車種判定部31が駐車スペースSの対応車種を普通車両V1と判定した場合、違反駐車判定部34は、駐車スペースSが正常駐車されていると判定する。
【0047】
空き数算出部25は、空き判定部33の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの空き数を算出する。
【0048】
違反駐車数算出部26は、違反駐車判定部34の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの違反駐車数を算出する。
【0049】
通知部27は、制御装置5の表示部5bに駐車場F全体の駐車場情報を通知する。
【0050】
(駐車管理装置の処理フロー)
以下、
図5から
図8を参照しながら、駐車管理装置10の処理の流れについて説明する。
駐車管理装置10の処理を実行する前に、制御装置5の入力部5aが駐車管理装置10に各種パラメータを入力する。入力部5aから入力されたパラメータは、例えばマーカ3の長さや各種閾値(車種判定閾値、空き判定閾値、違反判定閾値等)を含む。
受信部21は、制御装置5の入力部5aから入力された各種パラメータを受信する。これらパラメータは、ストレージ12内に保存される。
パラメータの入力が完了すると、駐車管理装置10の処理が実行可能となる。
【0051】
図5は、本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第1のフローチャート図である。
まず、受信部21が撮影部4から送信された撮影情報を受信する(ステップS10)。受信された撮影情報は、ストレージ12内に保存される。本実施形態では、受信部21は、撮影情報を常時受信している。
【0052】
続いて、判定部30が駐車状況判定処理S20を行う。本実施形態の駐車管理装置10は、一定時間置きに駐車状況判定処理S20を開始する、いわゆるタイマ型である。
【0053】
駐車状況判定処理S20とは、撮影情報に含まれるマーカ3の画像が所定の条件を満たしているかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定するステップである。本実施形態では、駐車状況判定処理S20において、判定部30は、マーカ識別比Yが所定の閾値以下であるかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定する。駐車状況判定処理S20の流れについては、
図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0054】
図6は、本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第2のフローチャート図である。
駐車状況判定処理S20において、まず、検出部22が、駐車スペースS毎に駐車枠2を検出する(ステップS200)。ステップS200では、駐車枠2の横幅A及び縦幅Bが検出される。
本実施形態では、普通車両駐車枠2aの場合、横幅A=2.5m、縦幅B=5.0mと検出される。また、大型車両駐車枠2bの場合、横幅A=3.3m、縦幅B=13.0mと検出される。
【0055】
続いて、アスペクト比算出部23が、駐車枠2の横幅A及び縦幅Bから駐車枠2のアスペクト比を算出する(ステップS201)。
本実施形態では、普通車両駐車枠2aの場合、アスペクト比は、(=B/A=5.0/2.5=)2.0と算出される。また、大型車両駐車枠2bの場合、アスペクト比は、(=B/A=13.0/3.3=)3.9(この例では、小数点第2位以下を四捨五入している。)と算出される。
アスペクト比の算出後、対応車種判定部31が対応車種判定処理S30を行う。対応車種判定処理S30の流れについては、
図7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0056】
図7は、本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第3のフローチャート図である。
対応車種判定処理S30において、まず、対応車種判定部31が、駐車枠2のアスペクト比が予め入力された車種判定閾値以下であるか判定する(ステップS300)。
本実施形態では、車種判定閾値は、例えば2.5である。
【0057】
対応車種判定部31は、駐車枠2のアスペクト比が車種判定閾値以下である場合(ステップS300;YES)、駐車スペースSの対応車種は普通車両V1であると判定する(ステップS301)。本実施形態では、普通車両駐車枠2aのアスペクト比は、2.0であり、車種判定閾値の2.5以下である。このように、普通車両駐車枠2aの対応車種は、普通車両駐車枠2aと正しく判定される。
【0058】
駐車枠2の対応車種が普通車両V1と判定されると、駐車管理装置10は、対応車種判定処理S30を終了して、
図7のフローチャートに戻る。
【0059】
また、対応車種判定部31は、アスペクト比が車種判定閾値以下でない場合(ステップS300;NO)、駐車スペースSの対応車種は大型車両V2であると判定する(ステップS302)。本実施形態では、大型車両駐車枠2bのアスペクト比は、3.9であり、車種判定閾値の2.5以下ではない。このように、大型車両駐車枠2bの対応車種は、大型車両駐車枠2bと正しく判定される。
【0060】
駐車枠2の対応車種が大型車両V2と判定されると、対応車種判定部31は、該駐車スペースSの情報に大型車両対応のフラグをつける(ステップS303)。そうすると、駐車管理装置10は、対応車種判定処理S30を終了して、
図6のフローチャートに戻る。
【0061】
対応車種判定処理S30の後、対応車種判定処理S30の対象となった駐車スペースSについて、検出部22がマーカ3を検出する(ステップS202)。その後、マーカ識別比算出処理S40が行われる。マーカ識別比算出処理S40の流れについては、
図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0062】
図8は、本開示の実施形態に係る駐車管理装置の処理の一例を示す第4のフローチャート図である。
マーカ識別比Y算出処理S40において、まず、マーカ判定部32が、撮影情報に基づいて、画像上、駐車スペースS内のマーカ3が一本であるか否かを判定する(ステップS400)。駐車スペースS内のマーカ3が一本である場合(ステップS400;YES)、識別比算出部24がマーカ識別比Yを算出する(ステップS401)。そうすると、駐車管理装置10は、マーカ識別比算出処理S40を終了して、
図6のフローチャートに戻る。
【0063】
駐車スペースS内のマーカ3が一本でない場合(ステップS402;NO)、例えば
図4に示すように、駐車スペースS内のマーカ3が車両Vによって遮蔽されて画像上マーカ3の延びる一方向においてマーカ3が複数箇所に存在している。この場合、画像上存在する複数のマーカ3を1本のマーカ3に統合してマーカ識別比Yを算出する(ステップS402)。すなわち、ステップS402では、識別比算出部24は、画像上存在する複数のマーカ3の長さの和を、マーカ3のうち撮影部4の撮影された部分の長さとしてマーカ識別比Yを算出する。そうすると、駐車管理装置10は、マーカ識別比算出処理S40を終了して、
図6のフローチャートに戻る。
【0064】
マーカ識別比算出処理S40の後、マーカ識別比算出処理S40の対象となったマーカ3について、空き判定部33は、マーカ識別比Yが予め入力された空き判定値以下であるか判定する(ステップS204)。
本実施形態では、空き判定値は、例えば0.7である。
【0065】
図9は、開示の実施形態に係るマーカ識別比に基づく空き判定の基準を示すグラフである。
図9に示すように、空き判定部33は、マーカ識別比Yが空き判定閾値以下でない場合(ステップS203;NO)、駐車スペースSが空いていると判定する(ステップS204)。
【0066】
その後、判定部30は、次の駐車枠2がないかさらに判定する(ステップS205)。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がある場合(ステップS205;NO)、ステップS200に戻り、次の駐車枠2についてステップS200以下の処理を実行する。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がない場合(ステップS205;YES)、駐車状況判定処理S20を終了して、
図5のフローチャートに戻る。
【0067】
また、
図9に示すように、空き判定部33は、マーカ識別比Yが空き判定閾値以下である場合(ステップS203;YES)、駐車スペースSが駐車されていると判定する(ステップS206)。
【0068】
なお、空き判定部33の判定結果は、駐車スペースS毎にストレージ12に保存される。
【0069】
続いて、違反駐車判定部34は、ステップS303で対応車種判定部31によって付与される大型車両対応のフラグの有無に基づいて、駐車スペースSの対応車種が大型車両V2か判定する(ステップS207)。
【0070】
また、大型車両対応のフラグが有り、駐車スペースSの対応車両Vが大型車両V2であると判定された場合(ステップS207;YES)、違反駐車判定部34は、違反判定閾値とを比較して、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下であるか判定する(ステップS208)。
本実施形態では、違反判定閾値は、例えば0.4である。
【0071】
図10は、本開示の実施形態に係るマーカ識別比に基づく違反駐車判定の基準を示すグラフである。
図10に示すように、違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下である場合(ステップS208;YES)、駐車スペースSが正常駐車されていると判定する(ステップS209)。
【0072】
その後、判定部30は、次の駐車枠2がないかさらに判定する(ステップS210)。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がある場合(ステップS210;NO)、ステップS200に戻り、次の駐車枠2についてステップS200以下の処理を実行する。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がない場合(ステップS210;YES)、駐車状況判定処理S20を終了して、
図5のフローチャートに戻る。
【0073】
また、
図10に示すように、違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下でない場合(ステップS208;NO)、駐車スペースSが違反駐車されていると判定する(ステップS211)。
【0074】
その後、判定部30は、次の駐車枠2がないかさらに判定する(ステップS210)。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がある場合(ステップS210;NO)、ステップS200に戻り、次の駐車枠2についてステップS200以下の処理を実行する。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がない場合(ステップS210;YES)、駐車状況判定処理S20を終了して、
図5のフローチャートに戻る。
【0075】
また、大型車両対応のフラグが無く、駐車スペースSの対応車両Vが大型車両V2でない、すなわち普通車両V1と判定された場合(ステップS207;NO)、違反駐車判定部34は、駐車スペースSが正常駐車されていると判定する(ステップS209)。
【0076】
その後、判定部30は、次の駐車枠2がないかさらに判定する(ステップS210)。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がある場合(ステップS210;NO)、ステップS200に戻り、次の駐車枠2についてステップS200以下の処理を実行する。駐車管理装置10は、次の駐車枠2がない場合(ステップS210;YES)、駐車状況判定処理S20を終了して、
図5のフローチャートに戻る。
【0077】
違反駐車判定部34の判定結果は、駐車スペースS毎にストレージ12に保存される。
【0078】
駐車状況判定処理S20の後、空き数算出部25が空き判定部33の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの空き数を算出する(ステップS11)。
【0079】
続いて、違反駐車数算出部26が違反駐車判定部34の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの違反駐車数を算出する(ステップS12)。
【0080】
その後、通知部27が、制御装置5の表示部5bに駐車場F全体の駐車場情報を通知する(ステップS13)。駐車場情報には、駐車場F内の空き数や違反駐車数の他、各駐車スペースSの空き状況や違反駐車状況が含まれている。
通知部27が駐車場情報を通知すると、駐車管理装置10は、
図5のフローを終了する。
【0081】
駐車管理装置10は、受信部21で撮影情報を常時受信しており、一定時間置きに駐車状況判定処理S20を開始する。このようにして、駐車管理装置10は、一定時間置きに
図6のフローチャートに示す一連の処理を繰り返し実行する。
【0082】
(作用効果)
以上のように、駐車管理装置10は、受信部21と、判定部30とを備える。受信部21は、マーカ3が駐車スペースSを撮影範囲に含む撮影部4に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する。判定部30は、撮影情報に含まれるマーカ3の画像が所定の条件を満たしているかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定する。
【0083】
このようにすることで、駐車管理装置10は、撮影情報に基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定することができる。これにより、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎の駐車状況を把握することができる。
【0084】
また、マーカ3の形状は、一方向に延びる棒形状である。判定部30は、マーカ識別比Yが、所定の閾値以下であるかに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定する。
【0085】
マーカ識別比Yは、2つの長さの比であるため明確に算出される。本実施形態の駐車管理装置10は、この明確なマーカ識別比Yに基づいて、駐車スペースSの駐車状況を判定する。したがって、駐車管理装置10は、駐車スペースSの駐車状況を正確に判定することができる。よって、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎の駐車状況を正確に把握することができる。
【0086】
また、駐車管理装置10は、識別比算出部24をさらに備える。識別比算出部24は、マーカ3が車両Vによって遮蔽されて画像上マーカ3の延びる一方向においてマーカ3が複数箇所に存在する場合に、画像上存在する複数のマーカ3の長さの和を、マーカ3のうち撮影部4によって撮影された部分の長さとしてマーカ識別比Yを算出する。
【0087】
このようにすることで、例えばマーカ3の中央に車両Vが駐車され、画像上マーカ3が車両Vの前後に存在する場合であっても、駐車管理装置10は、マーカ識別比Yに基づいて駐車スペースSの駐車状況を判定することができる。これにより、駐車管理装置10は、車両Vの駐車位置によらず、駐車スペースSの駐車状況を判定することができる。したがって、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎の駐車状況をより正確に把握することができる。
【0088】
また、判定部30は、空き判定部33を有する。空き判定部33は、マーカ識別比Yが空き判定閾値以下でない場合、駐車スペースSが空いていると判定する。
【0089】
このようにすることで、駐車管理装置10は、マーカ識別比Yに基づいて駐車スペースSが空いているか否かを正確に判定することができる。これにより、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎の空き状況を正確に把握することができる。
【0090】
また、駐車管理装置10は、空き数算出部25をさらに備える。空き数算出部25は、空き判定部33の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの空き数を算出する。
【0091】
このようにすることで、駐車管理装置10は、車場内の駐車スペースSの空き数を正確に算出することができる。
【0092】
また、判定部30は、違反駐車判定部34を有する。違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下ある場合、駐車スペースSが違反駐車されていると判定する。
【0093】
このようにすることで、駐車管理装置10は、マーカ識別比Yに基づいて駐車スペースSは違反駐車されているか否かを判定することができる。これにより、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎に違反駐車されているか否かを把握することができる。
【0094】
また、駐車管理装置10は、違反駐車判定部34の判定結果に基づいて駐車場F内の駐車スペースSの違反駐車数を算出する違反駐車数算出部26をさらに備える。
【0095】
このようにすることで、駐車管理装置10は、駐車場F内の駐車スペースSの違反駐車数を算出することができる。
【0096】
また、判定部30は、対応車種判定部31を有する。対応車種判定部31は、駐車枠2のアスペクト比が所定の車種判定閾値以下である場合、駐車スペースSの対応車種は普通車両V1であると判定し、アスペクト比が車種判定閾値以下でない場合、駐車スペースSの対応車種は大型車両V2であると判定する。対応車種判定部31が駐車スペースSの対応車種を大型車両V2と判定した場合、違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yと違反判定閾値とを比較して、マーカ識別比Yが違反判定閾値以下でない場合、駐車スペースSが違反駐車されていると判定する。対応車種判定部31が駐車スペースSの対応車種を普通車両V1と判定した場合、違反駐車判定部34は、駐車スペースSが正常駐車されていると判定する。
【0097】
このようにすることで、駐車管理装置10は、駐車枠2の対応車種に応じて、駐車スペースSが違反駐車されているか否かを判定することができる。これにより、駐車管理装置10は、駐車スペースS毎に違反駐車されているか否かを正確に把握することができる。また、駐車スペースSの対応車両Vが普通車両V1の場合は、違反駐車判定部34は、マーカ識別比Yと違反判定閾値との比較を行うことなく、駐車スペースSが正常駐車されていると判定することができる。したがって、駐車管理装置10は、判定部30の判定効率を向上させることができる。
【0098】
また、駐車管理システム1は、駐車管理装置10からの情報を表示する表示部5bを備える。
【0099】
このようにすることで、駐車管理システム1は、ユーザに表示部5bに表示される情報を視認させることができる。
【0100】
以上のとおり、本開示に係る実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0101】
なお、上記の実施形態では、普通車両駐車スペースS1と大型車両駐車スペースS2の両方が設けられた駐車場Fに駐車管理システム1、及び駐車管理装置10が用いられる場合について説明したが、これに限られるものではない。駐車管理システム1、及び駐車管理装置10は、1種類の駐車スペースSのみ設けられた駐車場Fに用いられてもよい。この場合、駐車管理装置10は、対応車種判定部31、違反駐車判定部34、アスペクト比算出部23を備えていなくてもよい。
【0102】
なお、上記の実施形態では、マーカ3の形状が一方向に延びる棒形状である場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、マーカ3の形状は、丸型や星型であってもよい。この場合、マーカ識別比Yは算出されず、空き判定部33は、マーカ3の遮蔽の有無に基づいて駐車スペースSの空き判定を行う。
【0103】
また、
図11に示すように、マーカ3は横方向に延びるように設けられていてもよい。本変形例では、マーカ3は縦方向に並んで複数本設けられている。この場合、判定部30は、マーカ識別比Yではなく、駐車によって遮蔽されるマーカ3の本数に基づいて、各駐車スペースSの駐車状況を判定してもよい。
【0104】
また、
図12に示すように、マーカ3は縦方向に対して傾斜するように設けられていてもよい。本変形例では、マーカ3は複数本設けられている。各マーカ3の傾きは、異なっていてもよい。
上述した実施形態及び、
図11、
図12に示す変形例のいずれにおいても、マーカ3の形状及び個数は、適宜変更可能である。
【0105】
なお、上記の実施形態では、撮影部4は、複数の駐車スペースSの組毎に1台ずつ設置され、駐車管理システム1は、複数の撮影部4で分担して駐車場F内の全ての駐車枠2とマーカ3を撮影する場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、撮影部4は、駐車スペースS毎に1個ずつ設けられていてもよい。この場合、撮影部4は、対応する駐車スペースSについてのみ、駐車枠2とマーカ3を撮影する。
また、撮影部4は、駐車場Fに1台のみ設けられていてもよい。この場合、駐車管理システム1は、1台の撮影部4で駐車場F内の全ての駐車枠2とマーカ3を撮影する。
【0106】
なお、上記の実施形態では、撮影部4は、固定式のカメラである場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、撮影部4は、車載式や可搬式のカメラであってもよい。
【0107】
なお、上記の実施形態では、撮影部4は、駐車スペースSを常時撮影し、撮影部4によって取得される画像が例えば動画として取得される場合について説明したが、これに限られることはない。例えば、撮影部4によって取得される画像は、例えば静止画として取得されてもよい。
【0108】
なお、上記の実施形態では、駐車管理装置10が検出部22を有する場合について説明したが、これに限られることはない。撮影部4に検出部22が設けられていてもよい。この場合、撮影情報には、検出部22によって検出される駐車枠2及びマーカ3の情報が含まれる。
【0109】
また、撮影部4に検出部22が設けられている場合、アスペクト比算出部23及び識別比算出部24が撮影部4に設けられていてもよい。この場合、撮影情報には、アスペクト比算出部23で算出されるアスペクト比や識別比算出部24で算出されるマーカ識別比Yが含まれる。
【0110】
なお、上記の実施形態では、判定部30が空き判定部33と違反駐車判定部34の両方を有する場合について説明したが、これに限られることはない。判定部30は、空き判定部33と違反駐車判定部34のいずれか一方のみを備えていてもよい。
【0111】
なお、上記の実施形態では、
図4に示すように、大型車両駐車スペースS2に普通車両V1が1台駐車された場合を例の違反駐車判定部34の機能について説明したが、これに限られることはない。違反駐車判定部34は、大型車両駐車スペースS2に普通車両V1が複数台駐車されている場合に、マーカ3に基づいて違反駐車の疑義あると判定してもよい。
【0112】
なお、上記の実施形態では、駐車管理装置10が一定時間置きに駐車状況判定処理S20を開始する、いわゆるタイマ型である場合について説明したが、これに限られない。駐車管理装置10は、駐車状況判定処理S20は常に実行し、判定結果に変化が生じた際に通知を行う、いわゆるイベント型であってもよい。
【0113】
<付記>
上記の実施形態に記載の駐車管理装置、駐車管理システム、駐車管理方法、及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0114】
本開示の第1の態様によれば、駐車管理装置(10)は、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカ(3)が、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部(4)に撮影されることによって取得される撮影情報を受信する受信部(21)と、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定する判定部(30)と、を備える。
【0115】
このようにすることで、駐車管理装置は、撮影情報に基づいて駐車スペースの駐車状況を判定することができる。これにより、駐車管理装置は、駐車スペース毎の駐車状況を把握することができる。
【0116】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る駐車管理装置(10)において、前記マーカ(3)の形状は、一方向に延びる棒形状であり、前記判定部(30)は、前記駐車スペースが空いている場合の前記マーカの長さに対する、前記マーカのうち前記撮影部(4)によって撮影された部分の長さの比であるマーカ識別比が、所定の閾値以下であるかに基づいて前記駐車スペースSの駐車状況を判定する。
【0117】
マーカ識別比は、2つの長さの比であるため明確に算出される。本態様の駐車管理装置10は、この明確なマーカ識別比に基づいて、駐車スペースの駐車状況を判定する。したがって、駐車管理装置は、駐車スペースの駐車状況を正確に判定することができる。よって、駐車管理装置は、駐車スペース毎の駐車状況を正確に把握することができる。
【0118】
本開示の第3の態様によれば、第2の態様に係る駐車管理装置(10)において、駐車管理装置は、前記マーカ(3)が車両によって遮蔽されて画像上前記マーカの延びる一方向において前記マーカが複数箇所に存在する場合に、画像上存在する複数の前記マーカの長さの和を、前記マーカのうち前記撮影部(4)によって撮影された部分の長さとして前記マーカ識別比を算出する識別比算出部(24)をさらに備える。
【0119】
このようにすることで、例えばマーカの中央に車両が駐車され、画像上マーカが車両の前後に存在する場合であっても、駐車管理装置は、マーカ識別比に基づいて駐車スペースの駐車状況を判定することができる。これにより、駐車管理装置は、車両の駐車位置によらず、駐車スペースの駐車状況を判定することができる。したがって、駐車管理装置は、駐車スペース毎の駐車状況をより正確に把握することができる。
【0120】
本開示の第4の態様によれば、第2又は第3の態様に係る駐車管理装置(10)において、前記判定部(30)は、前記マーカ識別比が空き判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースが空いていると判定する空き判定部(33)を有する。
【0121】
このようにすることで、駐車管理装置は、マーカ識別比に基づいて駐車スペースが空いているか否かを正確に判定することができる。これにより、駐車管理装置は、駐車スペース毎の空き状況を正確に把握することができる。
【0122】
本開示の第5の態様によれば、第4の態様に係る駐車管理装置(10)において、駐車管理装置は、前記空き判定部(33)の判定結果に基づいて前記駐車場内の前記駐車スペースの空き数を算出する空き数算出部(25)をさらに備える。
【0123】
このようにすることで、駐車管理装置は、車場内の駐車スペースの空き数を正確に算出することができる。
【0124】
本開示の第6の態様によれば、第2から第5の何れか一の態様に係る駐車管理装置10において、前記判定部(30)は、前記マーカ識別比が違反判定閾値以下ある場合、前記駐車スペースが違反駐車されていると判定する違反駐車判定部(34)を有する。
【0125】
このようにすることで、駐車管理装置は、マーカ識別比に基づいて駐車スペースは違反駐車されているか否かを判定することができる。これにより、駐車管理装置は、駐車スペース毎に違反駐車されているか否かを把握することができる。
【0126】
本開示の第7の態様によれば、第6の態様に係る駐車管理装置(10)において、駐車管理装置は、前記違反駐車判定部(34)の判定結果に基づいて前記駐車場内の前記駐車スペースの違反駐車数を算出する違反駐車数算出部(26)をさらに備える。
【0127】
このようにすることで、駐車管理装置は、駐車場内の駐車スペースの違反駐車数を算出することができる。
【0128】
本開示の第8の態様によれば、第6又は第7の態様に係る駐車管理装置(10)において、前記駐車スペースは、矩形状の駐車枠(2)によって囲われたスペースであり、前記マーカ(3)の長さは、前記駐車スペースの対応車種毎に設定され、前記判定部(30)は、前記駐車枠のアスペクト比が所定の車種判定閾値以下である場合、前記駐車スペースの対応車種は普通車両であると判定し、前記アスペクト比が前記車種判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースの対応車種は大型車両であると判定する対応車種判定部(31)を有し、前記対応車種判定部が前記駐車スペースの対応車種を大型車両と判定した場合、前記違反駐車判定部(34)は、前記マーカ識別比と前記違反判定閾値とを比較して、前記マーカ識別比が前記違反判定閾値以下でない場合、前記駐車スペースが違反駐車されていると判定し、前記対応車種判定部が前記駐車スペースの対応車種を普通車両と判定した場合、前記違反駐車判定部は、前記駐車スペースが正常駐車されていると判定する。
【0129】
このようにすることで、駐車管理装置は、駐車枠の対応車種に応じて、駐車スペースが違反駐車されているか否かを判定することができる。これにより、駐車管理装置は、駐車スペース毎に違反駐車されているか否かを正確に把握することができる。また、駐車スペースの対応車両が普通車両の場合は、違反駐車判定部は、マーカ識別比と違反判定閾値との比較を行うことなく、駐車スペースが正常駐車されていると判定することができる。したがって、駐車管理装置は、判定部の判定効率を向上させることができる。
【0130】
本開示の第9の態様によれば、駐車管理システム(1)は、第1から第8の何れか一の態様に記載の駐車管理装置(10)と、前記マーカ(3)と、前記撮影部(4)と、を備える。
【0131】
本開示の第10の態様によれば、第9の態様に係る駐車管理システム(1)において、駐車管理システムは、前記駐車管理装置(10)からの情報を表示する表示部(5b)をさらに備える。
【0132】
このようにすることで、駐車管理システムは、ユーザに表示部に表示される情報を視認させることができる。
【0133】
本開示の第11の態様によれば、駐車管理方法は、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカ(3)が、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部(4)に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、を有する。
【0134】
本開示の第12の態様によれば、プログラムは、駐車場の駐車スペース内に設けられ、駐車時に車両によって遮蔽されるマーカ(3)が、前記駐車スペースを撮影範囲に含む撮影部(4)に撮影されることによって取得される撮影情報を受信するステップと、前記撮影情報に含まれる前記マーカの画像が所定の条件を満たしているかに基づいて前記駐車スペースの駐車状況を判定するステップと、を駐車管理装置(10)のコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0135】
1 駐車管理システム
2 駐車枠
2a 普通車両駐車枠
2b 大型車両駐車枠
3 マーカ
3a 普通車両マーカ
3b 大型車両マーカ
4 撮影部
5 制御装置
5a 入力部
5b 表示部
6 外部装置
10 駐車管理装置
11 メインメモリ
12 ストレージ
13 通信インタフェース
20 プロセッサ
21 受信部
22 検出部
23 アスペクト比算出部
24 識別比算出部
25 空き数算出部
26 違反駐車数算出部
27 通知部
30 判定部
31 対応車種判定部
32 マーカ判定部
33 空き判定部
34 違反駐車判定部