(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014449
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法
(51)【国際特許分類】
A01K 45/00 20060101AFI20230124BHJP
A01K 23/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A01K45/00 C
A01K23/00 Z
A01K23/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118373
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】521317771
【氏名又は名称】渡▲辺▼ 一史
(71)【出願人】
【識別番号】521318479
【氏名又は名称】渡▲辺▼ 美奈
(74)【代理人】
【識別番号】100158023
【弁理士】
【氏名又は名称】牛田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】渡▲辺▼ 一史
(72)【発明者】
【氏名】渡▲辺▼ 美奈
(57)【要約】
【課題】
簡易に装着し鳥の糞尿を回収することができる鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法の提供。
【解決手段】
鳥用おむつ1は、本体部2と、ベルト部3と、袋体と、を有する。本体部2は、鳥の脚部の周囲を覆い、係合部21と、係合部に係合可能な被係合部と、を有し、脚部を通すための脚挿入孔2aが形成される。脚挿入孔2aには、一部が開放されることにより脚部を通過させる開放部2bが規定される。係合部21と被係合部との係合によって開放部2bが閉じられ、係合部21と被係合部の係合が解除されることにより開放部2bが開放される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥の脚部の周囲を覆い、係合部と、前記係合部に係合可能な被係合部と、を有し、前記脚部を通すための脚挿入孔が形成された本体部と、
前記本体部に接続されるベルト部と、
前記本体部及びベルト部の少なくとも一方に着脱可能に接続され前記鳥の糞尿を受けとめる袋体と、を有し、
前記脚挿入孔には、一部が開放されることにより前記本体部を前記鳥に装着する時に前記脚部を通過させる開放部が規定され、
前記係合部と前記被係合部との係合によって前記開放部が閉じられ、前記係合部と前記被係合部の係合が解除されることにより前記開放部が開放されることを特徴とする鳥用おむつ。
【請求項2】
前記ベルト部は前記本体部に着脱可能に接続され、
前記本体部は、前記ベルト部の一端部又は他端部が取付可能な第1ベルト取付部と、前記一端部又は前記他端部が取付可能であって前記第1ベルト取付部と同一平面上に位置する第2ベルト取付部と、をさらに有し、
前記一端部が前記第1ベルト取付部に取り付けられたとき、前記他端部は前記第2ベルト取付部に取り付けられることにより、前記本体部及び前記ベルト部が前記鳥に装着され、
前記一端が前記第2ベルト取付部に取り付けられたとき、前記他端部は前記第1ベルト取付部に取り付けられることにより、前記本体部及び前記ベルト部が前記鳥に装着されることを特徴とする請求項1に記載の鳥用おむつ。
【請求項3】
前記本体部は、前記脚挿入孔の間に設けられた袋取付部をさらに有し、
前記袋体は、前記ベルト部と、前記袋取付部と、に取り付けられ、
前記袋体には、前記糞尿を吸収する吸収材と、前記吸収材の周囲を覆う防水材と、が挿入されることを特徴とする請求項2に記載の鳥用おむつ。
【請求項4】
前記本体部及び前記ベルト部は、展開すると平面状となり、
前記係合部と、前記被係合部と、は異なる面に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の鳥用おむつ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の鳥用おむつを準備する工程と、
前記開放部を介して前記脚部を前記脚挿入孔に挿入する工程と、
前記係合部と前記被係合部とを係合する工程と、
前記ベルト部と前記本体部とを接続することにより、前記鳥の腰部の周囲に前記ベルト部と前記本体部を取り付ける工程と、
前記袋体の内部に前記糞尿を吸収する吸収材を挿入する工程と、
前記袋体を前記本体部及び前記ベルト部の少なくとも一方に取り付ける工程と、を有することを特徴とする鳥用おむつの装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鶏、アヒル、鴨、シチメンチョウなどの鳥類がペットとして屋内で飼育されている。鳥類は、通常の犬猫と異なりトイレのしつけができないため、糞尿が垂れ流しとなってしまい床面が汚れてしまっていた。そこで、鳥に装着するための鳥ペット用おむつによって糞尿の飛散を防いでいる(特開2015-112093号公報)。従来の鳥ペット用おむつでは、2つの穴に鳥の脚を通して装着する本体部と、取り外し可能なおむつから構成される。おむつには芯が設けられていて、内部に適度な空間を作るとともに垂れ下がりを防止している。
【0003】
他の鳥用オムツでは、前身頃と、背あてと、両者を繋ぐ肩ひもと、を有している(実用新案登録第3123328号)。鳥用オムツは、鳥の頭部を肩ひもの間に内側から通し、前身頃を鳥の腹側に沿わせ、背あてを留めることにより鳥に装着される。肩ひもの長さが調節可能となっているため、鳥の体形に合わせたサイズ調整が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-112093号公報
【特許文献2】実用新案登録第3123328号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の鳥ペット用おむつは穴に脚を通すことで装着するため、鳥を一度持ち上げなければならず、装着時の負担があった。特に、鶏やシチメンチョウなどのサイズの大きな鳥類に装着する場合は、持ち上げる際に暴れるなどの問題があった。また、脚は鳥の急所であるため脚を穴に通す際におむつが脚に触れることにより鳥が嫌がって暴れていた。
【0006】
特許文献2の鳥用オムツでは、鳥の頭部を肩ひもの内側から通すように装着するため、鶏冠がある鳥の場合は、鶏冠が障害となっていた。また、インコ等の小型の鳥類には装着可能だが、鳥類には適していなかった。
【0007】
そこで、本発明は、簡易に装着し鳥の糞尿を回収することができる鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために第1の発明は、鳥の脚部の周囲を覆い、係合部と、前記係合部に係合可能な被係合部と、を有し、前記脚部を通すための脚挿入孔が形成された本体部と、前記本体部に接続されるベルト部と、前記本体部及びベルト部の少なくとも一方に着脱可能に接続され前記鳥の糞尿を受けとめる袋体と、を有し、前記脚挿入孔には、一部が開放されることにより前記本体部を前記鳥に装着する時に前記脚部を通過させる開放部が規定され、前記係合部と前記被係合部との係合によって前記開放部が閉じられ、前記係合部と前記被係合部の係合が解除されることにより前記開放部が開放されることを特徴とする鳥用おむつを提供している。
【0009】
第2の発明では、第1の発明に記載された鳥用おむつであって、前記ベルト部は前記本体部に着脱可能に接続され、前記本体部は、前記ベルト部の一端部又は他端部が取付可能な第1ベルト取付部と、前記一端部又は前記他端部が取付可能であって前記第1ベルト取付部と同一平面上に位置する第2ベルト取付部と、をさらに有し、前記一端部が前記第1ベルト取付部に取り付けられたとき、前記他端部は前記第2ベルト取付部に取り付けられることにより、前記本体部及び前記ベルト部が前記鳥に装着され、前記一端が前記第2ベルト取付部に取り付けられたとき、前記他端部は前記第1ベルト取付部に取り付けられることにより、前記本体部及び前記ベルト部が前記鳥に装着されることを特徴としている。
【0010】
第3の発明では、第2の発明に記載された鳥用おむつであって、前記本体部は、前記脚挿入孔の間に設けられた袋取付部をさらに有し、前記袋体は、前記ベルト部と、前記袋取付部と、に取り付けられ、前記袋体には、前記糞尿を吸収する吸収材と、前記吸収材の周囲を覆う防水材と、が挿入されることを特徴としている。
【0011】
第4の発明では、第1の発明から第3の発明のいずれかに記載された鳥用おむつであって、前記本体部及び前記ベルト部は、展開すると平面状となり、前記係合部と、前記被係合部と、は異なる面に設けられていることを特徴としている。
【0012】
第5の発明では、第1の発明から第4の発明のいずれかに記載の鳥用おむつを準備する工程と、前記開放部を介して前記脚部を前記脚挿入孔に挿入する工程と、前記係合部と前記被係合部とを係合する工程と、前記ベルト部と前記本体部とを接続することにより、前記鳥の腰部の周囲に前記ベルト部と前記本体部を取り付ける工程と、前記袋体の内部に前記糞尿を吸収する吸収材を挿入する工程と、前記袋体を前記本体部及び前記ベルト部の少なくとも一方に取り付ける工程と、を有することを特徴とする鳥用おむつの装着方法を提供している。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によると、本体部を鳥に装着するとき開放部を介して脚部を脚挿入孔に入れるため、鳥を持ち上げることなく本体部を鳥に装着することができる。これにより、鳥が暴れることなく円滑な鳥用おむつの着用が可能となる。特に、鶏、アヒル、鴨といった比較的大きな鳥類の場合には持ち上げることが鳥の負担になるため、鳥を床面に置いた状態で鳥用おむつを装着できるという利点は大きい。また、鳥の急所である脚部に極力触れることなく鳥用おむつを装着することができる。さらに、係合部と被係合部とを離間させ本体部とベルト部とを離間することにより鳥から鳥用おむつを取り外すことができるため、鳥を持ち上げる必要がない。これにより、例えば、鳥が砂浴びを始めた時に即座に鳥用おむつを鳥から取り外すことができる。このときも装着時と同様に、鳥の脚部への接触を抑制できる。また、開放部は係合部と被係合部とによって閉じられるため、脚部が脚挿入孔から外れることを防止できる。さらに、鳥用おむつは鳥の糞尿を受けとめる袋体を有しているため、鳥の糞尿が床面に飛散することを抑制できる。
【0014】
第2の発明によると、ベルト部は第1ベルト取付部と第2ベルト取付部の両方に取り付け可能であるため、使用者の利き手に応じて、ベルト部を第1ベルト取付部に着けるか、第2ベルト取付部に着けるかを選択することができる。また、鳥用おむつを鳥の前側から取り付けるか、後側から取り付けるかによってもベルト部の取り付け位置を選択することができる。
【0015】
第3の発明によると、袋体は本体部の袋取付部とベルト部に取り付けられるため、袋体が落下することを抑制できる。また、袋体の内部には吸収材及び防水材が挿入されるため、袋体の外部に糞尿が漏れ出ることを抑制できる。
【0016】
第4の発明によると、本体部及びベルト部は展開すると平面状になるため、立体的な縫製等が不要となり簡易な方法で鳥用おむつを製造することができる。また、係合部と被係合部とは異なる面に設けられているため、係合部と被係合部とが係合したときに当該箇所が突出することを防止できる。これにより、係合部と被係合部が鳥の動きの障害になることを回避できる。
【0017】
第5の発明によると、本体部を鳥に装着するとき開放部を介して脚部を脚挿入孔に入れることができるため、鳥を持ち上げることなく本体部を鳥に装着することができる。これにより、鳥が暴れることなく円滑な鳥用おむつの着用が可能となる。また、開放部は係合部と被係合部とによって閉じられるため、脚部が脚挿入孔から外れることを防止できる。
【0018】
本発明によると、簡易に装着し鳥の糞尿を回収することができる鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態による鳥用おむつの本体部及びベルト部の表面の平面図。
【
図2】本発明の実施の形態による鳥用おむつの本体部及びベルト部の裏面の平面図。
【
図3】本発明の実施の形態による鳥用おむつの袋体の分解斜視図。
【
図4】本発明の実施の形態による鳥用おむつを鳥に装着する装着方法を説明するための図であって、
図4(a)は鳥用おむつを鳥に装着する前の状態の図、
図4(b)は鳥に本体部及びベルト部を装着したときの図、
図4(c)は鳥に鳥用おむつを装着した状態の図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の実施の形態による鳥用おむつ1を
図1から
図4に基づき説明する。
図1から
図3に示すように、前後上下左右方向を定義する。
【0021】
鳥用おむつ1は、
図4に示すように、ニワトリ、アヒル、鴨、シチメンチョウ、ウズラ等の比較的大きな鳥類の鳥10に装着されるが、インコ等の小型の鳥類に装着してもよい。鳥用おむつ1は、鳥10の脚部11の周囲を覆う本体部2と、本体部2に着脱可能に装着され鳥10の腰部12を覆うベルト部3と、本体部2及びベルト部3に着脱可能に装着される袋体4と、から構成される。本体部2及びベルト部3は、
図1及び
図2に示すように、展開した状態では略平面となる。以下の説明において、各部材の着脱はすべて面ファスナーで行われるが、これに限定されずボタンやバックル等であってもよい。鳥用おむつ1は布製であるが、これに限定されずシリコン等の柔軟性のある樹脂製であってもよい。図中に示す斜線領域は、雄又は雌の面ファスナーである。
【0022】
本体部2は、四隅が面取りされた略矩形をなし、係合部21と、係合部21と係合可能な被係合部22と、右ベルト取付部23と、左ベルト取付部24と、第1袋体取付部25と、を有している。係合部21は、
図1に示すように、本体部2の表面に設けられていて、面取りの傾斜に沿ってある程度の長さを有している。被係合部22は、
図2に示すように、本体部2の裏面に係合部21に対応するように設けられている。右ベルト取付部23及び左ベルト取付部24のいずれか一方が本発明の第1ベルト取付部の一例であって、他方が第2ベルト取付部の一例である。第1袋体取付部25は、本発明の袋取付部の一例である。
【0023】
右ベルト取付部23は、
図1に示すように、略矩形であって上下方向における略中央の右側に設けられ、左ベルト取付部24は略矩形であって上下方向における略中央の左側に設けられている。第1袋体取付部25は、本体部2の表面の略中央下部であって係合部21の間に設けられていて、袋体4が着脱可能に装着される。
【0024】
本体部2には、中央から左右に寄った位置に脚部11を挿入するための2つの脚挿入孔2aが形成されている。脚挿入孔2aは略三角形状であって、下端部に開放された開放部2bが規定されている。脚挿入孔2aの第1袋体取付部25に隣接している内側の辺は、内方に窪むように湾曲している。これにより、鳥10が脚部11を動かすときに鳥用おむつ1が障害となることを抑制できる。開放部2bは、係合部21と被係合部22との係合により閉鎖され、当該係合が解除されると開放される。係合部21は所定の長さを有しているため、被係合部22の取り付ける位置によって脚挿入孔2aの開口面積を微調整することができる。本体部2における全体に対する脚挿入孔2aの大きさは、
図1及び
図2に示す程度であることが望ましい。脚挿入孔2aが全体の面積に対して大きいと鳥用おむつ1が回転してしまい鳥10が暴れる原因となってしまう。なお、脚挿入孔2aの大きさは、鳥10のサイズや種類によって任意に調整することができる。
【0025】
ベルト部3は左右方向に延びる略矩形であって、表面の左右方向端部にそれぞれ設けられた本体取付部31と、裏面の左右方向端部にそれぞれ設けられた第2袋体取付部32と、を有している。ベルト部3は、いずれか一方の本体取付部31を本体部2の右ベルト取付部23又は左ベルト取付部24に取り付けることにより、本体部2に装着される。本体取付部31は、本発明の一端部又は他端部の一例である。
【0026】
使用者の利き手に応じて、ベルト部3を右ベルト取付部23に着けるか、左ベルト取付部24に着けるかを選択することができる。また、鳥用おむつ1を鳥10の前側から取り付けるか、後側から取り付けるかによってもベルト部3の取り付け位置を選択することができる。つまり、右利きの使用者が鳥用おむつ1を前側から取り付ける場合、右利きの使用者が鳥用おむつ1を後側から取り付ける場合、左利きの使用者が鳥用おむつ1を前側から取り付ける場合、左利きの使用者が鳥用おむつ1を後側から取り付ける場合、の4つに対応している。具体的には、右利きの使用者が前側から鳥用おむつ1を装着するときは、右手でベルト部3を把持して左手で本体部2を保持することが一般的であるため、
図4(a)に示すように、一端の本体取付部31を右ベルト取付部23に取り付け、右手でベルト部3を把持しながら左手で本体部2を把持して本体取付部31を右ベルト取付部23に取り付ける。
【0027】
袋体4は、
図3に示すように、糞用受け部41と、第1袋体取付部25に装着される第1装着部42と、第2袋体取付部32に装着される第2装着部43と、を有している。糞用受け部41の内部は受け空間41aが規定されていて、防水材44で周囲を囲まれた吸収材45が設けられている。本実施の形態では、鳥10の糞尿を吸収するための吸収材45として、ティッシュ等のペーパー類を折り畳んだものを用いる。吸収材45を袋体4に設置するときは、食品用ラップフィルム等の防水材44を袋体4の外周に複数回巻回して型取りし、円筒形状の防水材44の一端を閉じ、内部に吸収材45を入れ、当該閉じた箇所を下に向けて受け空間41aに挿入してする。防水材44により、尿等の水分が袋体4に浸み込むことを抑制できる。
【0028】
糞用受け部41の断面は略楕円形であって、その周縁に第1装着部42及び4つの第2装着部43が設けられている。第1装着部42は、楕円の長軸に略平行な長手方向に延び略矩形をなす。第2装着部43は、左右方向の両端にそれぞれ2つ設けられていて、略同一形状である。2つの第2装着部43がいずれか一方の第2袋体取付部32に取り付けられ、残りの2つの第2装着部43が他方の第2袋体取付部32に取り付けられるため、第2装着部43の装着方向によって糞用受け部41の取り付け時の傾斜方向を調整することができる。
【0029】
次に、鳥用おむつ1の鳥10への装着方法について、
図4を参照して説明する。
図4(a)に示すように、一端の本体取付部31を右ベルト取付部23に取り付ける。鳥10の両脚部11を、開放部2bを介してそれぞれの脚挿入孔2aに挿入し、係合部21と被係合部22とを係合させることにより開放部2bを閉じる。左ベルト取付部24を他端の本体取付部31に取り付けることにより、
図4(b)に示すように、本体部2及びベルト部3を鳥10の腰部に巻回する。
図4(c)に示すように、第1装着部42を第1袋体取付部25に取り付け、第2装着部43をそれぞれの第2袋体取付部32に取り付ける。このとき、受け空間41aの開口を広く確保しつつ、糞用受け部41が斜め下方を向くように装着することが望ましい。これにより、糞尿が糞用受け部41の下方に溜まるため、吸収材45を長持ちさせることができる。
【0030】
このような構成によると、本体部2を鳥に装着するとき開放部2bを介して脚部11を脚挿入孔2aに入れることができるため、鳥10を持ち上げることなく本体部2を鳥10に装着することができる。これにより、鳥10が暴れることなく円滑な鳥用おむつ1の着用が可能となる。特に、鶏、アヒル、鴨といった比較的大きな鳥10の場合には持ち上げることが負担になるため、鳥10を床面に置いた状態で鳥用おむつ1を装着できるという利点は大きい。また、鳥10の急所である脚部11に極力触れることなく鳥用おむつ1を装着することができる。さらに、係合部21と被係合部22とを離間させ本体部2とベルト部3とを離間することにより鳥10から鳥用おむつ1を取り外すことができるため、鳥10を持ち上げる必要がない。これにより、例えば、鳥10が砂浴びを始めた時に即座に鳥用おむつ1を鳥10から取り外すことができる。このときも装着時と同様に、鳥10の脚部11への接触を抑制できる。また、開放部2bは係合部21と被係合部22とによって閉じられるため、脚部11が脚挿入孔2aから外れることを防止できる。さらに、鳥用おむつ1は鳥10の糞尿を受けとめる袋体4を有しているため、鳥10の糞尿が床面に飛散することを抑制できる。
【0031】
このような構成よると、ベルト部3は右ベルト取付部23と左ベルト取付部24の両方に取り付け可能であるため、使用者の利き手に応じて、ベルト部3を右ベルト取付部23に着けるか、左ベルト取付部24に着けるかを選択することができる。また、鳥用おむつ1を鳥10の前側から取り付けるか、後側から取り付けるかによってもベルト部3の取り付け位置を選択することができる。
【0032】
このような構成によると、袋体4は本体部2の第1袋体取付部25と第2袋体取付部32に取り付けられるため、袋体4が落下することを抑制できる。また、袋体4の内部には吸収材45及び防水材44が挿入されるため、袋体4の外部に糞尿が漏れ出ることを抑制できる。
【0033】
このような構成によると、本体部2及びベルト部3は展開すると平面状になるため、立体的な縫製等が不要となり簡易な方法で鳥用おむつ1を製造することができる。また、係合部21と被係合部22とは異なる面に設けられているため、係合部21と被係合部22とが係合したときに当該箇所が突出することを防止できる。これにより、係合部21と被係合部22が鳥10の動きの障害になることを回避できる。
【0034】
本発明による鳥用おむつ及び鳥用おむつの装着方法は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。
【0035】
上述の実施の形態では、脚挿入孔2aの形状は略三角形状であったが、これに限定されない。開放部が規定されていれば、円形や楕円形であってもよく、矩形や多角形であってもよい。
【0036】
上述の実施の形態では、本体部2とベルト部3とを別体に構成したが、一体的に構成してもよい。
【0037】
上述の実施の形態では、袋体4は本体部2及びベルト部3に着脱可能に設けられていたが、これに限定されず、本体部2及びベルト部3の少なくとも一方に着脱可能であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 鳥用おむつ
2 本体部
2a 脚挿入孔
2b 開放部
3 ベルト部
4 袋体
21 係合部
22 被係合部
23 右ベルト取付部
24 左ベルト取付部
25 第1袋体取付部
31 本体取付部
32 第2袋体取付部
41 糞用受け部
42 第1装着部
43 第2装着部
44 防水材
45 吸収材