(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144554
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20231003BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231003BHJP
G06Q 10/083 20230101ALI20231003BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q30/06
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051593
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】湊川 賢太
(72)【発明者】
【氏名】河合 俊和
(72)【発明者】
【氏名】舩坂 淳平
(72)【発明者】
【氏名】高島 玲
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 貴司
(72)【発明者】
【氏名】柳橋 哲男
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049BB72
5L055BB61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】事業者に対して、生じた損害を迅速に補償するシステムを提供する。
【解決手段】補償システム10において、仲介補償サーバ100は、生鮮品の販売事業者及び運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得する第1取得部(取得部120)と、購入情報に基づいて、所定の金額または予め定められた金額である積立金額を特定する金額特定部と、特定した積立金額に相当する価値情報を積み立てる積立部と、仕入事業者、販売事業者及び運搬事業者の何れかによって発生する、仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得する第2取得部(取得部120)と、それに基づいて、積み立てられた価値情報のうちの一部を、販売事業者及び運搬事業者に支払うか否かを判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得する第1取得部と、
前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定する金額特定部と、
前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てる積立部と、
前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得する第2取得部と、
前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方から、前記生鮮品の価値を損する事象が発生したことを示す前記補償発生情報を取得する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2取得部は、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方から、前記生鮮品の価値を損する事象に対する損害額の支払いが完了したことの証明に関する情報である証明情報を取得し、
前記判定部は、前記補償発生情報と、前記証明情報と、に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記判定部において前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を支払うと判定された場合、前記証明情報に含まれる損害額を示す情報に基づいて、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を付与する処理を実行する支払実行部を、さらに備える請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
過去における生鮮品の価値を損する事象の発生履歴を示す情報である履歴情報に基づいて、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方の信用度を特定する信用度特定部をさらに備え、
前記判定部は、前記補償発生情報と、前記信用度と、に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記金額特定部は、前記購入情報と、前記信用度と、に基づいて、前記生鮮品に対する前記積立金額を特定する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記積立部は、前記生鮮品に対する前記仕入事業者の前記所定の金額の支払いが完了したことを示す情報である決済情報を取得した場合、前記価値情報を積み立てる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2取得部は、前記生鮮品の価値を損する事象が生じたことを示す画像を含む前記補償発生情報を取得する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記判定部は、
前記販売事業者および前記運搬事業者のうち少なくとも一方への前記仕入事業者による前記生鮮品に対する支払いが支払いの予定の日に未払いとなっているか否かを判定し、
未払いとなっていると判定した場合、前記仕入事業者に前記所定の金額の支払いを催促する催促情報を送信する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記判定部において前記予定の日に未払いとなっていると判定された場合、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に、前記所定の金額に相当する価値情報を支払う処理を実行する支払実行部を、さらに備える請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記第1取得部は、前記生鮮品である活魚を仕入れる前記仕入事業者から前記購入情報を取得し、
前記第2取得部は、前記活魚が写る画像を含む前記補償発生情報を取得し、
前記情報処理システムは、
前記補償発生情報に含まれる画像に基づいて、前記活魚の死滅割合を特定する欠損状況特定部をさらに備え、
前記判定部は、前記活魚の死滅割合に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータが、
生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得することと、
前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定することと、
前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てることと、
前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得することと、
前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項13】
生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得することと、
前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定することと、
前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てることと、
前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得することと、
前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客から預託された電子データを保管する事業を行う受託業者の落ち度なく、預託情報に何らかの損害が生じた場合に、顧客への損害補償を行うシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムは、顧客から預託された電子データである預託情報に損害が生じたときに損害の程度に応じて支払われる損害保険金に関する保険金規定を記憶している。そして、当該システムは、保険金規定に基づいて、損害に対して支払われるべき損害保険金の額を算出する。これにより、当該システムは、顧客に対して速やかに損害額を通知することができる。
【0005】
しかし、当該システムでは、保険契約による損害保険金の支払いを前提としているため、顧客に対して損害を迅速に補償することができないという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、事業者に損害が生じたときに、事業者に対して損害を迅速に補償することができるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得する第1取得部と、前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定する金額特定部と、前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てる積立部と、前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得する第2取得部と、前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得することと、前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定することと、前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てることと、前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得することと、前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得することと、前記購入情報に基づいて、前記所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定することと、前記特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てることと、前記仕入事業者、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、前記仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得することと、前記補償発生情報に基づいて、前記積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、前記販売事業者および前記運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、事業者に損害が生じたときに、事業者に対して損害を迅速に補償することができるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】補償システムの処理の概要および機能部を示す図である。
【
図6】補償システムにおける積立処理を示すフローチャートである。
【
図7】補償システムにおける運搬事業者の事故時の補償処理を示すフローチャートである。
【
図8】補償システムにおける仕入事業者が未払い時の補償処理を示すフローチャートである。
【
図9】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態における補償システム10について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形し、または各実施例を組み合わせるなどして実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0013】
また、以下の実施形態において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されていてもよいし、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されていてもよい。
【0014】
===補償システム10の概要===
<<構成>>
図1を参照して、補償システム10の構成の概要について説明する。
図1は、補償システム10の構成の概要を示す図である。
【0015】
補償システム10は、例えば、生鮮品を発注した仕入事業者に、生鮮品が届けられるまでに補償対象となり得る事象(以下、「補償対象事象」という。)が発生した場合、補償対象事象における損害を、所定の事業者に価値情報によって補償するシステムである。
【0016】
補償システム10は、例えば、仕入事業者への生鮮品の金額のうち所定の割合の金額、又は予め定められた金額を積立金額として特定する。補償システム10は、例えば、特定した積立金額を、資金移動業者などとの間で価値情報と交換する。補償システム10は、交換した価値情報を積み立てる。補償システム10は、補償対象事象を発生させた所定の事業者が所定の条件を満たす場合、積み立てた価値情報のうちの少なくとも一部を当該事業者に付与する。すなわち、補償システム10は、事業者が積み立てた価値情報によって、補償対象事象により損害を受けた事業者に対して損害金額のうちの少なくとも一部を補償するシステムである。
【0017】
仕入事業者とは、例えば、生鮮品を店舗などで加工して顧客に提供したり、生鮮品を用いて顧客にサービスを提供する事業を行う事業者である。生鮮品には、例えば、食用・展示用・鑑賞用・イベント用の動物(魚介類を含む)、野菜などが含まれていてもよい。所定の事業者には、例えば、仕入事業者に生鮮品を販売する販売事業者、販売事業者から生鮮品の運搬を委託される運搬事業者が含まれていてもよい。販売事業者および運搬事業者のそれぞれは複数の事業者であってもよい。また、販売事業者は、販売事業および運搬事業を行う事業者であってもよい。また、運搬事業者は、販売事業および運搬事業を行う事業者であってもよい。なお、以下において、便宜上、「販売事業者および運搬事業者」というときには、販売事業者および運搬事業者の少なくとも一方の事業者という意味を含むこととする。
【0018】
補償対象事象には、例えば、仕入事業者が受領する生鮮品について、仕入事業者が提供する事業に使用できない程度に劣化させた事象が含まれていてもよい。具体的には、例えば、仕入事業者に劣化した生鮮品を発送した事象、仕入事業者に生鮮品を届けるまでに車両事故などによって生鮮品の鮮度を落とした事象などが含まれていてもよい。なお、生鮮品が活魚である場合、補償対象事象には、一部または全部の活魚を死滅させた事象が含まれていてもよい。また、補償対象事象には、例えば、仕入事業者に生鮮品を届けるまでに用いる資機材の故障に関する事象が含まれていてもよい。具体的には、例えば、運搬車両を故障させた事象、生鮮品を保存する機材を故障させた事象が含まれていてもよい。さらに、補償対象事象には、例えば、仕入事業者が受領した生鮮品について所定の事業者への未払いによって、所定の事業者に損害が発生する事象が含まれていてもよい。
【0019】
価値情報には、例えば、電子マネー、仮想通貨、ポイントなどが含まれていてもよい。これにより、補償システム10は、所定の事業者に対して簡易な手順によって迅速に補償することができる。
【0020】
図1に示すように、補償システム10は、例えば、仲介補償サーバ100と、仕入事業者端末200と、販売事業者端末300と、運搬事業者端末400とを含んでいてもよい。
【0021】
仲介補償サーバ100は、仕入事業者、販売事業者および運搬事業者との間で生鮮品の売買の仲介を行うサーバ装置である。また、仲介補償サーバ100は、仕入事業者および販売事業者に発生した損害を価値情報によって補償する。仲介補償サーバ100は、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400と通信可能に接続されている。
【0022】
仕入事業者端末200は、仕入事業者によって操作される端末装置である。仕入事業者端末200は、例えば、仕入事業者による操作入力を受け付けることによって各種情報を生成する。仕入事業者端末200は、仲介補償サーバ100との間で各種情報を送受信する。
【0023】
販売事業者端末300は、販売事業者によって操作される端末装置である。販売事業者端末300は、例えば、販売事業者による操作入力を受け付けることによって各種情報を生成する。販売事業者端末300は、仲介補償サーバ100との間で各種情報を送受信する。
【0024】
運搬事業者端末400は、運搬事業者によって操作される端末装置である。運搬事業者端末400は、例えば、運搬事業者による操作入力を受け付けることによって各種情報を生成する。運搬事業者端末400は、仲介補償サーバ100との間で各種情報を送受信する。
【0025】
なお、販売事業者が販売事業と運搬事業を行う場合、運搬事業者端末400の機能は販売事業者端末300に包含されていてもよい。
【0026】
<<処理>>
次に、
図2を参照して、補償システム10の処理の概要について説明する。
図2は、補償システム10の処理の概要および機能部を示す図である。以下、便宜上、補償システム10において、価値情報を積み立てる処理を「積立処理」といい、所定の事業者の損害を補償する処理を「補償処理」という。
【0027】
まず、補償システム10の積立処理の概要について説明する。
【0028】
ステップS10において、仕入事業者端末200は、例えば、生鮮品を購入するための情報(以下、「購入情報」という。)を、仲介補償サーバ100に送信する。購入情報は、例えば、生鮮品に関する品名、数量、納期などの情報を含んでいてもよい。
【0029】
ステップS11において、仲介補償サーバ100は、例えば、購入情報に基づいて、販売事業者および運搬事業者が積み立てる金額(以下、「積立金額」という。)を特定する処理(以下、「金額特定処理」という。)を実行する。積立金額は、例えば、仕入事業者が購入依頼した生鮮品の金額に対して、販売事業者および運搬事業者が負担して積み立てる金額である。
【0030】
ステップS12において、仲介補償サーバ100は、例えば、購入情報を取得した場合、仕入事業者端末200に生鮮品を仕入れるための要求(以下、「仕入れ要求」という。)を送信する。
【0031】
ステップS13において、仲介補償サーバ100は、例えば、生鮮品を運搬するための要求(以下、「運搬要求」という。)を販売事業者端末300に送信する。
【0032】
その後、生鮮品が運搬事業者の運搬車両により仕入事業者に運搬されて納品される。
【0033】
ステップS14において、仕入事業者端末200は、例えば、生鮮品に対する決済を完了したことを示す情報(以下、「決済情報」という。)を仲介補償サーバ100に送信する。
【0034】
ステップS15において、仲介補償サーバ100は、例えば、決済情報に基づいて、積立金額に相当する価値情報(例えば、電子マネー、仮想通貨、ポイントなど)を積み立てる処理(以下、「積立処理」という。)を実行する。
【0035】
次に、補償システム10の補償処理の概要について説明する。以下では、一例として、運搬事業者が事故を起こして生鮮品に損害が生じた場合について説明する。なお、販売事業者が契約不適合な生鮮品を納品したような補償対象事象についても同様の補償処理が実行されることとする。この場合、以下において、運搬事業者端末400を販売事業者端末300に読み替えることとする。
【0036】
ステップS20において、運搬事業者端末400は、補償対象事象が発生したことを示す情報(以下、「補償発生情報」という。)を仲介補償サーバ100に送信する。
【0037】
補償発生情報には、例えば、補償対象事象が発生したことを示すテキストデータ、補償対象事象が発生した状況が写る静止画像、補償対象事象が発生したことが写る動画像(例えば、運搬車両のドライブレコーダの動画像)、生鮮品に対応付けられる識別情報などが含まれていてもよい。なお、以下において、単に「画像」というときには静止画像と動画像のうちの少なくともいずれかを含むものとする。識別情報は、例えば、生鮮品を収めるケース(例えば、生鮮品が活魚の場合は水槽)に張り付けられる識別コード(例えば、QRコード(登録商標))であってもよい。
【0038】
ステップS21において、仲介補償サーバ100は、補償発生情報に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの、運搬事業者が被った損害に相当する価値情報を支払うか否かを判定する処理(以下、「判定処理」という。)を実行する。
【0039】
ステップS22において、仲介補償サーバ100は、例えば、価値情報を支払うと判定された場合、運搬事業者端末400から補償対象事象に対する損害額の支払いが完了したことの証明に関する情報(以下、「証明情報」という。)を取得する。仲介補償サーバ100は、証明情報を取得したときに、運搬事業者に対して、損害額に相当する価値情報を付与する処理(以下、「補償処理」という。)を実行してもよい。
【0040】
これにより、補償システム10は、販売事業者および運搬事業者が生鮮品を仕入事業者に届けるまでに不測の損害を被る場合や、仕入事業者が支払いをしないことによる損害を被る場合などにおいて、販売事業者および運搬事業者が被る損害を価値情報で簡易な手順で迅速に補償する、従来(例えば、損害補償契約などによる現金での補償)とは異なるビジネスモデルを実現することができる。
【0041】
なお、補償システム10では、例えば、仲介補償サーバ100が、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運送事業者端末400の一部の機能を備えていてもよい。また、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運送事業者端末400の少なくともいずれかが、仲介補償サーバ100の一部の機能を備えていてもよい。さらに言うと、仲介補償サーバ100が備える以下で説明する各機能部は、仲介補償サーバ100、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運送事業者端末400のいずれかが備えていればよい。
【0042】
===仲介補償サーバ100===
図2を参照して、仲介補償サーバ100の構成について説明する。
【0043】
図2に示すように、仲介補償サーバ100は、例えば、記憶部110と、取得部120と、信用度特定部130と、金額特定部140と、積立部150と、判定部160と、支払実行部170と、出力部180との機能部を含む。
【0044】
記憶部110は、事業者情報D111と、履歴情報D112と、積立情報D113とを含む。
【0045】
図3を参照して、事業者情報D111について説明する。
図3は、事業者情報D111を示す図である。
図3に示すように、事業者情報D111は、例えば、[事業者ID]、[事業者名]、[事業者区分]、[信頼度]の項目を含んでいてもよい。[事業者ID]は各事業者を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[事業者区分]は各事業者の区分を記憶する。区分には、例えば、仕入事業者、販売事業者、運搬事業者などを含む。[信頼度]は各事業者の信頼度を記憶する。信頼度については後述する。
【0046】
図4を参照して、履歴情報D112について説明する。
図4は、履歴情報D112を示す図である。
図4に示すように、履歴情報D112は、例えば、[事業者ID]、[損害履歴]、[補償履歴]の項目を含んでいてもよい。[事業者ID]は各事業者を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[損害履歴]は各事業者が過去に起こした損害に関する履歴を記憶する。損害に関する履歴には、例えば、仕入事業者については生鮮品に対する未払い、販売事業者については契約不適合となり得る生鮮品の納品、運搬事業者については車両事故などによる生鮮品への損害を含んでいてもよい。[補償履歴]は損害履歴に対する補償に関する履歴を記憶する。補償に関する履歴には、例えば、補償を受けたか否かの履歴、損害金額に対してどの程度の補償を受けたかについての履歴を含んでいてもよい。
【0047】
図5を参照して、積立情報D113について説明する。
図5は、積立情報D113を示す図である。
図5に示すように、積立情報D113は、例えば、[積立ID]、[事業者ID]、[積立金額]、[積立合計]の項目を含んでいてもよい。[積立ID]は積立金額が積み立てられた実績を一意に特定可能な積立IDを記憶する。[事業者ID]は各事業者を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[積立金額]は各事業者が積み立てた積立金額を記憶する。[積立合計]は積立金額の合計金額を記憶する。
【0048】
取得部120は、例えば、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400などの他の装置から各種情報を取得する。具体的には、取得部120は、例えば、仕入事業者端末200から購入情報を取得してもよい。また、取得部120は、例えば、仕入事業者端末200、販売事業者端末300または運搬事業者端末400から、補償発生情報を取得してもよい。また、取得部120は、例えば、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方から、証明情報を取得してもよい。
【0049】
信用度特定部130は、例えば、過去における生鮮品の価値を損する事象の発生履歴を示す履歴情報D112を参照して、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方の信用度を特定する。信用度は、例えば、補償発生情報(例えば、画像)が示す補償対象事象が現実に発生したことにつき信用できることの度合いである。具体的には、信用度特定部130は、例えば、信用度について、販売事業者および運搬事業者が過去に虚偽の補償発生情報を報告した実績がある場合に虚偽の報告をした事業者につき低い値を特定し、補償対象事象を起こさずに生鮮品の納品実績を積み上げている事業者につき高い値を特定してもよい。信用度特定部130は、例えば、信用度を示す情報を各事業者に関連付けて事業者情報D111に記憶する。
【0050】
金額特定部140は、例えば、購入情報に基づいて、生鮮品の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定する金額特定処理を実行する。生鮮品の金額は、例えば、生鮮品の仕入れ値であってもよいし、生鮮品の売値であってもよいし、生鮮品の原価と生鮮品の運搬費用の原価との合計金額であってもよい。生鮮品の金額に応じた金額は、例えば、生鮮品の金額に対する所定の割合の金額であってもよいし、生鮮品の金額のレンジに対応する金額であってもよい。具体的には、金額特定部140は、例えば、生鮮品の金額(例えば、1000円の仕入れ値)の1%(例えば、10円)を積立金額として特定してもよい。これにより、補償システム10は、事業者の平等な負担による適切な補償を実現できる。また、金額特定部140は、生鮮品の金額が1000円以上2000円未満のレンジでは積立金額を10円として特定し、生鮮品の金額が2000円以上3000円未満のレンジでは積立金額を20円として特定してもよい。これにより、補償システム10は、簡易な計算で積立金額を特定できるため、システムの情報処理量を減らすことができる。また、予め定められた金額は、例えば、生鮮品の金額にかかわらず設定される金額である。これにより、補償システム10は、より簡易な計算で積立金額を特定できるため、システムの情報処理量を減らすことができる。
【0051】
また、金額特定部140は、例えば、購入情報と信頼度とに基づいて、積立金額を特定する金額特定処理を実行してもよい。具体的には、金額特定部140は、例えば、事業者情報D111を参照して、補償対象となる事業者の信頼度を特定する。金額特定部140は、例えば、信頼度が高い事業者に対しては低い積立金額(生鮮品の金額に対する低い割合)を特定し、信頼度が低い事業者に対しては高い積立金額(生鮮品の金額に対する高い割合)を特定してもよい。具体的には、金額特定部140は、生鮮品の仕入れ値1000円の10円を積立金額として特定した場合、積立金額10円のうち、信頼度が「4」の事業者は2円負担し、信頼度が「1」の事業者は8円負担するよう設定してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、信頼度を高めるよう、より良いサービスを提供する動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0052】
また、金額特定部140は、例えば、購入情報と信頼度とに基づいて、生鮮品の金額に対する、運搬事業者への金額の配分、販売事業者への金額の配分、及び積立金額のうちの少なくともいずれかを特定する金額特定処理を実行してもよい。具体的には、金額特定部140は、例えば、信頼度が高い事業者に対しては仕入事業者の支払い金額のうちの高い金額を配分し、信頼度が低い事業者に対しては仕入事業者の支払い金額のうちの低い金額を配分してもよい。また、金額特定部140は、例えば、積立金額について、信頼度が高い事業者に対しては低い積立金額を特定し、信頼度が低い事業者に対しては高い積立金額を特定してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、信頼度を高めるよう、より良いサービスを提供する動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0053】
また、金額特定部140は、例えば、積み立てられた価値情報に相当する金額に基づいて、積立金額を特定する金額特定処理を実行してもよい。具体的には、金額特定部140は、例えば、積み立てられた価値情報に相当する金額が予め設定された金額(例えば、10,000,000円)を超えた場合、積立金額の全額または一部を免除する金額特定処理を実行してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、補償対象事象を起こさないよう動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0054】
積立部150は、例えば、特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てる積立処理を実行する。具体的には、積立部150は、例えば、積立金額に相当する電子マネーを発行してもらうべく資金移動業者に要求してもよい。また、積立部150は、積立金額に相当する仮想通貨(暗号資産)を発行してもらうべく仮想通貨交換業者に要求してもよい。積立部150は、発行された電子マネーまたは仮想通貨に関する情報を記憶部110に記憶してもよい。また、積立部150は、例えば、積立金額の現金を所定の口座に振り込んで、積立金額に相当するポイントを記憶部に記憶してもよい。これにより、補償システム10は、販売事業者および運搬事業者に損害が発生した際に、簡易かつ迅速に補償することができる。
【0055】
また、積立部150は、例えば、決済情報を取得した場合に価値情報を積み立てる積立処理を実行してもよい。これにより、補償システム10は、仕入事業者が生鮮品に対する決済を完了したことを確認した後に価値情報を積み立てるため、確実かつ適切なタイミングで価値情報を積み立てることができる。
【0056】
また、積立部150は、例えば、積み立てられた価値情報に相当する金額に基づいて、積み立てられた価値情報の少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に還元する処理を実行してもよい。具体的には、金額特定部140は、例えば、積み立てられた価値情報に相当する金額が所定の金額(例えば、1,000,000円)を超えた場合、積み立てられた価値情報の全額または所定の割合、または予め設定された金額を、事業者に還元してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、補償対象事象を起こさないよう動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0057】
判定部160は、例えば、補償発生情報に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、判定部160は、例えば、補償発生情報がテキストデータである場合、当該テキストデータを解析する。判定部160は、解析されたテキストデータ(例えば、「車両事故により活魚が死滅」というテキストデータ)につき補償対象事象が発生したことを示すと判定された場合、価値情報を支払う条件が成立していると判定してもよい。これにより、補償システム10は、簡易な情報に基づいて判定処理を実行することができるため、システムを簡易に構成することができる。さらに、判定部160は、例えば、補償発生情報が生鮮品の損害状況を示す画像である場合、画像処理技術によって解析される、当該画像に写る生鮮品の劣化状況に基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。この場合、判定部160は、例えば、特定された劣化状況を数値化して、数値化された劣化状況と所定の閾値とを比較した結果に基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。判定部160は、例えば、数値化された劣化状況が所定の閾値よりも大きい場合、事象者に価値情報を支払う条件が成立していると判定してもよい。これにより、補償システム10は、損害状況を適切に判断できる情報に基づいて判定処理を実行することができるため、損害状況の判定につき信頼性の高いシステムを構築することができ、適切な補償を実現できる。
【0058】
また、判定部160は、例えば、補償発生情報に生鮮品に関連付けられる識別情報が含まれる場合、補償発生情報に含まれる生鮮品の損害状況を示す画像と、当該識別情報とに基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定処理を実行してもよい。具体的には、判定部160は、生鮮品が活魚である場合、活魚が死滅している画像と、活魚が収容される水槽に付された識別情報(例えば、QRコード)とを特定する。判定部160は、識別情報に基づいて、当該生鮮品が補償対象であるか否かを判定する。判定部160は、例えば、当該生鮮品が補償対象であると判定された場合、例えば、上述したように画像に写る生鮮品の劣化状況を示す画像(例えば、活魚が死滅している状況を示す画像)に基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。これにより、補償システム10は、識別情報によって補償対象となり得る事象が発生したか否かを適切に判定することができるため、適切な補償を実現できる。
【0059】
また、判定部160は、例えば、補償発生情報と証明情報とに基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定処理を実行してもよい。例えば、判定部160は、補償発生情報に含まれる生鮮品を示す画像と、仕入事業者に対する損害額の支払いが完了したことの証明に関する証明情報と基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。具体的には、判定部160は、生鮮品である活魚が死滅している画像と、損害額の支払いが完了した証明書(例えば、領収書など)とを特定する。判定部160は、例えば、証明情報を特定した状況において、画像が示す生鮮品の劣化状況を数値化して、数値化された劣化状況が所定の閾値よりも大きい場合、事象者に価値情報を支払う条件が成立していると判定してもよい。これにより、補償システム10は、証明情報によって販売事業者または運搬事業者が損害額の支払いが完了したことを特定でき、支払いが完了したことを確認した後に、価値情報の補償処理を実行させることができるため、適切な補償を実現することができる。
【0060】
なお、判定部160は、例えば、補償発生情報と、識別情報と、証明情報とに基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定処理を実行してもよい。これにより、補償システム10は、識別情報によって補償対象となり得る事象が発生したか否かを適切に判定するとともに、証明情報によって販売事業者または運搬事業者が損害額の支払いが完了したことを特定できるため、より適切な補償を実現することができる。
【0061】
また、判定部160は、例えば、補償発生情報と信用度とに基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定処理を実行してもよい。具体的には、判定部160は、例えば、補償発生情報を取得したことを契機に、事業者情報D111を参照して、補償対象情報を送信した事業者の信頼度を特定する。判定部160は、例えば、信頼度と所定の閾値とを比較した結果に基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。例えば、判定部160は、信頼度が所定の閾値よりも大きい場合、事象者に価値情報を支払う条件が成立していると判定してもよい。これにより、補償システム10は、事業者の過去の実績に応じて判定処理を実行できるため、適切な補償を実現できる。
【0062】
なお、判定部160は、例えば、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払わないと判定した場合、出力部180を通じて、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に、補償しないことを示す情報を送信してもよい。
【0063】
支払実行部170は、例えば、判定部160において積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を支払うと判定された場合、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を付与する支払処理を実行する。ここで、支払実行部170は、例えば、証明情報に含まれる損害額を示す情報に基づいて、支払処理を実行してもよい。具体的には、支払実行部170は、例えば、損害額に相当する価値情報を事業者に付与してもよいし、損害額に対して任意に設定された割合に相当する価値情報を事業者に付与してもよい。これにより、補償システム10は、補償金額を任意に設定できるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0064】
また、支払実行部170は、例えば、証明情報に含まれる損害額を示す情報と、信用度とに基づいて、支払処理を実行してもよい。具体的には、支払実行部170は、事業者情報D111を参照して、補償の対象となる事業者の信頼度を特定する。支払実行部170は、例えば、信頼度が所定の閾値以上の場合、損害額に相当する価値情報を事業者に付与してもよい。また、支払実行部170は、例えば、信頼度が所定の閾値未満の場合、信頼度が小さいほど、損害額に対する割合が小さい価値情報を事業者に付与してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、信頼度を高めるよう、より良いサービスを提供する動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0065】
また、支払実行部170は、例えば、証明情報に含まれる損害額を示す情報と、履歴情報とに基づいて、支払処理を実行してもよい。具体的には、支払実行部170は、履歴情報D112を参照して、補償の対象となる事業者の過去の事故履歴(又は、事故の虚偽報告の履歴)を特定する。支払実行部170は、例えば、当該事業者に事故履歴がない場合、損害額に相当する価値情報を事業者に付与してもよい。また、支払実行部170は、例えば、当該事業者に事故履歴がある場合、事故回数が多いほど、損害額に対する割合が小さい価値情報を事業者に付与してもよい。これにより、補償システム10は、事業者に対して、事故や虚偽報告をしないよう、より良いサービスを提供する動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0066】
出力部180は、例えば、各種情報を仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400などの他の装置に出力する。
【0067】
<<第1の変形例>>
次に、第1の変形例に係る補償システム10について説明する。なお、以下においては、上述した補償システム10の構成と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は上述した補償システム10と同様であるとする。
【0068】
取得部120は、例えば、所定のシステムから、仕入事業者が生鮮品の金額を支払わないことの事象が発生したことを示す補償発生情報を取得してもよい。
【0069】
判定部160は、例えば、販売事業者および運搬事業者のうち少なくとも一方への仕入事業者による生鮮品に対する支払いが支払いの予定の日に未払いとなっているか否かを判定してもよい。判定部160は、例えば、未払いとなっていると判定した場合、仕入事業者に生鮮品の金額の支払いを催促する催促情報を、出力部180を通じて送信してもよい。具体的には、判定部160は、例えば、仕入事業者端末200から生鮮品を受領したことを示す情報(以下、「受領情報」という。)を取得する。判定部160は、例えば、受領情報に含まれる支払い予定日、又は受領情報を取得した日からユーザによって任意に設定された日数(例えば、10日)を経過した日に、仕入事業者が未払いとなっているか否かを判定してもよい。判定部160は、例えば、仕入事業者によって振り込まれる口座を確認することによって、未払いとなっているか否かを判定してもよい。なお、判定部160は、例えば、仕入事業者端末200から支払いが完了したことを示す情報を取得することによって、未払いとなっているか否かを判定してもよい。判定部160は、例えば、支払い予定日、又は設定された日数を経過した日に未払いとなっていると判定した場合、仕入事業者端末200に電子メールにて、支払いを催促するメッセージ情報を送信する。これにより、補償システム10は、販売事業者による未払いを抑制することができるため、販売事業者および運搬事業者の損害を防止し、持続的なサービスを実現できる。
【0070】
なお、判定部160は、例えば、仕入事業者が生鮮品を受領した日から所定の日数が経過したにもかかわらず未払いとなっているか否かを判定することによって、催促情報を送信してもよい。具体的には、判定部160は、例えば、受領情報を取得した日から、ユーザによって任意に設定された日数(例えば、10日)を経過したか否かと、仕入事業者が未払いとなっているか否かとを判定する。判定部160は、例えば、所定の日数を経過したにもかかわらず未払いとなっていると判定した場合、仕入事業者端末200に電子メールにて、支払いを催促するメッセージ情報を送信する。
【0071】
支払実行部170は、例えば、判定部160において予定の日が経過していると判定された場合、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に、所定の金額に相当する価値情報を支払う処理を実行する。具体的には、支払実行部170は、ユーザによって任意に設定された日(例えば、1月1日)を経過したと判定された場合、販売事業者および運搬事業者のそれぞれに、未払い金額の全額に相当する電子マネー(その他、仮想通貨やポイントなど)を付与してもよいし、未払い金額の一部(例えば、半額)に相当する電子マネーを付与してもよい。これにより、補償システム10は、補償金額を任意に設定できるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0072】
また、支払実行部170は、例えば、信用度に基づいて、所定の金額(例えば、生鮮品の金額の全額や半額など)を決定してもよい。なお、所定の金額の決定方法については、補償システム10の判定部160における処理と同様であるため、その説明を省略する。これにより、補償システム10は、事業者の過去の実績に応じて補償処理を実行できるため、適切な補償を実現できる。
【0073】
<<第2の変形例>>
次に、第2の変形例に係る補償システム10について説明する。第2の変形例に係る補償システム10では、販売事業者および運搬事業者は生鮮品として活魚を扱い、取得部120において補償発生情報として活魚が写る画像を取得する。なお、以下においては、上述した補償システム10の構成と異なる構成についてのみ説明することとし、特に言及しない場合は上述した補償システム10と同様であるとする。
【0074】
仲介補償サーバ100は、欠損状況特定部190をさらに含んでいてもよい。
【0075】
欠損状況特定部190は、例えば、補償発生情報に含まれる画像に基づいて、補償対象事象によって生鮮品が仕入事業者に納品し得ないような状況(例えば、仕入事業者との生鮮品に係る契約条件を満たさないような状況)を特定する。以下、一例として、生鮮品が活魚である場合について説明する。欠損状況特定部190は、例えば、補償発生情報に含まれる画像に基づいて、活魚の死んでいる状況を特定する。具体的には、欠損状況特定部190は、例えば、所定の画像処理技術によって当該画像を解析して、水槽の中の活魚のうち死んでいる魚を特定する。欠損状況特定部190は、例えば、水槽の中の魚の数に対して、死んでいる魚の割合(以下、「死滅割合」という。)を特定してもよい。
【0076】
判定部160は、例えば、欠損状況特定部190で特定される情報に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定してもよい。具体的には、判定部160は、欠損状況特定部190において魚が少なくとも一匹でも死んでいると判定された場合、積み立てられた価値情報の少なくとも一部を支払うと判定してもよい。また、判定部160は、死滅割合に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を支払うと判定してもよい。具体的には、判定部160は、例えば、死滅割合と所定の閾値とを比較した結果に基づいて、価値情報を支払うか否かを判定してもよい。例えば、判定部160は、死滅割合が所定の閾値よりも大きい場合、事象者に価値情報を支払う条件が成立していると判定してもよい。これにより、補償システム10は、活魚が死ぬという鮮度が保証されない状況(例えば、仕入事業者と販売事業者との契約不適合)において補償するという判定処理を実行できるため、適切な補償を実現できる。
===各事業者端末200,300,400===
【0077】
次に、
図2を参照して、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400の構成について説明する。それぞれの端末は、同様の構成を有するものとし、以下では、仕入事業者端末200について説明する。
図2に示すように、仕入事業者端末200は、例えば、記憶部210と、取得部220と、出力部230との機能部を含む。各機能部は、例えば、プロセッサ1001がメモリ1002に格納されているプログラムを読み出して実現される機能である。記憶部210は、例えば各種情報を記憶する。取得部220は、例えば、仲介補償サーバ100などの他の装置から情報を取得する。取得部220で取得された各種情報は、記憶部310に記憶される。出力部230は、例えば、仲介補償サーバ100などの他の装置に情報を出力する。
【0078】
===補償システム10の処理手順===
次に、
図6~
図8を参照して、補償システム10の具体的な処理手順について説明する。
図6は、補償システム10における積立処理を示すフローチャートである。
図7は、補償システム10における運搬事業者の事故時の補償処理を示すフローチャートである。
図8は、補償システム10における仕入事業者が未払い時の補償処理を示すフローチャートである。
【0079】
図6を参照して、補償システム10における積立処理の処理手順について説明する。
【0080】
まず、ステップS100において、仕入事業者端末200は、仕入事業者から発注手続きを受け付けた場合、購入情報を仲介補償サーバ100に送信する。
【0081】
ステップS101において、仲介補償サーバ100は、例えば、購入情報に基づいて、積立金額を特定する。なお、このときに、仲介補償サーバ100は、購入情報と、事業者の信頼度とに基づいて、さらに、運搬事業者への金額の配分、販売事業者への金額の配分を特定してもよい。一例として、仲介補償サーバ100は、運搬事業者への金額の配分を1000円、販売事業者への金額の配分を3000円、積立金額を20円(ここでは、運搬事業者への金額の配分と販売事業者への金額の配分との合計金額(例えば、仕入れ値)に対する0.5%)として特定してもよい。
【0082】
ステップS102において、仲介補償サーバ100は、例えば、購入情報に含まれる生鮮品に関する情報に基づいて、販売事業者端末300に仕入れ要求を送信する。
【0083】
ステップS103において、仲介補償サーバ100は、例えば、購入情報に含まれる生鮮品の運搬元場所および運搬先場所に基づいて、運搬事業者端末400に運搬要求を送信する。
【0084】
ステップS104において、販売事業者端末300は、仕入れ要求に基づいて、生鮮品を準備するための処理(例えば、販売事業者への通知)を実行する。
【0085】
ステップS105において、運搬事業者端末400は、運搬要求に基づいて、生鮮品を販売事業者から積み込んで仕入事業者に運搬するための処理(例えば、運搬事業者への通知、運搬車両の手配など)を実行する。
【0086】
ステップS106において、仕入事業者端末200は、例えば、運搬事業者から仕入事業者に生鮮品の運搬が完了したときに、ユーザの操作入力によって生成される、生鮮品に対する決済(ここでは、運搬事業者の配分と販売事業者の配分と積立金額との合計金額である4020円)が完了したことを示す情報(以下、「決済情報」という。)を、仲介補償サーバ100に送信する。
【0087】
ステップS107において、仲介補償サーバ100は、例えば、決済情報に基づいて、仕入事業者への領収書を発行する処理を実行する。仲介補償サーバ100は、領収書を示す領収書情報を送信する。仕入事業者端末200は、領収書情報を仕入事業者に通知する。
【0088】
ステップS108において、仲介補償サーバ100は、例えば、運搬事業者への金額の配分、販売事業者への金額の配分のそれぞれについて、運搬事業者および販売事業者に送金(例えば、口座振替など)する送金処理を実行する。
【0089】
ステップS109において、仲介補償サーバ100は、例えば、積立金額に相当する価値情報を積み立てるべく、資金移動業者などに価値情報を付与するよう要求する。
【0090】
ステップS110において、仲介補償サーバ100は、例えば、資金移動業者などから価値情報が付与されたことを示す情報を、記憶部110(ここでは、積立情報D113)に記憶する。
【0091】
なお、上記において、ステップS101の積立金額を特定する処理については、ステップ106の後に行われてもよい。
【0092】
次に、
図7を参照して、運搬事業者の事故時の補償システム10における補償処理の処理手順について説明する。なお、販売事業者による契約不適合となる生鮮品を販売したような状況に対する補償処理についても同様としてその説明を省略する。
【0093】
ステップS200において、運搬事業者端末400は、例えば、運搬者から生鮮品に対する損害が生じたことを示す情報(以下、「事故発生情報」という。)を取得する。
【0094】
ステップS201において、運搬事業者端末400は、例えば、事故発生情報に基づいて、補償発生情報を生成して、補償発生情報(例えば、テキストデータ、事故状況を示す画像など)を仲介補償サーバ100に送信する。
【0095】
ステップS202において、仲介補償サーバ100は、例えば、補償発生情報に基づいて、事故が発生したことの報告に関する事故情報を仕入事業者端末200および販売事業者端末300に送信する。仕入事業者端末200および販売事業者端末300のそれぞれは、事故情報を、仕入事業者および販売事業者のそれぞれに通知する。これにより、補償システム10は、事故情報を迅速に関係者に通知することができる。
【0096】
ステップS203において、仲介補償サーバ100は、例えば、販売事業者に対して、販売事業者への金額の配分に相当する現金を送金する処理を実行する。なお、仲介補償サーバ100は、例えば、販売事業者に対して、販売事業者への金額の配分に相当する価値情報を付与するための処理を実行してもよい。これにより、補償システム10は、事故時において、事故の補償に関係ない者に対する支払いを先行して完了させることができるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0097】
ステップS204において、運搬事業者端末400は、例えば、ユーザの操作入力によって、運搬事業者が仕入事業者に損害賠償金を支払ったことを示す証明情報を取得する。なお、運搬事業者端末400は、例えば、仕入事業者端末200から当該証明情報を取得してもよい。運搬事業者端末400は、証明情報を仲介補償サーバ100に送信する。
【0098】
ステップS205において、仲介補償サーバ100は、例えば、補償発生情報と、証明情報とに基づいて、運搬事業者に価値情報にて事故に対する補償をするか否かの判定処理を実行する。
【0099】
判定処理の結果、補償しない(積み立てられた価値情報を運搬事業者に支払わない)と判定された場合(ステップS205:NO)、ステップS206において、仲介補償サーバ100は、例えば、運搬事業者に判定結果を送信して、処理を終了する。運搬事業者端末400は、判定結果を運搬事業者に通知する。
【0100】
判定処理の結果、補償する(積み立てられた価値情報を運搬事業者に支払う)と判定された場合(ステップS205:YES)、ステップS207において、仲介補償サーバ100は、例えば、記憶部110の積立情報D113を参照して、積み立てられた価値情報を確認する。
【0101】
なお、ステップS204とステップS205との間、またはステップS205とステップS206およびステップS207との間において、各事業者のうちの少なくともいずれかの事業者、補償対象事象を発生させた事業者以外の事業者、又は各事業者とは異なる第三者によって、補償対象事象に対する補償するか否かの判断結果を取得する判断処理が実行されてもよい。具体的には、補償システム10は、第三者に対して補償発生情報を提供する。第三者は、補償発生情報(例えば、画像)を視認して、補償するべきと判断した場合、補償に対する承認を示す情報を補償仲介サーバ100に送信する。補償システム10は、承認を示す情報を取得した場合、ステップS207の処理に移行する。これにより、補償システム10は、補償対象事象に対する客観的で適切な評価を得ることができるため、事業者に対して適切な補償を実現できる。
【0102】
ステップS207において、仲介補償サーバ100は、例えば、積み立てられた価値情報のうち、証明情報に含まれる損害賠償金に相当する価値情報を、運搬事業者に付与する。この場合、例えば、仲介補償サーバ100は、運搬事業者端末400に対応する資金移動業者が発行するアカウントに、損害賠償金に相当する価値情報を付与してもよい。
【0103】
ステップS208において、運搬事業者端末400は、価値情報を取得する。これにより、補償システム10は、迅速に運搬事業者への補償を実現できる。
【0104】
次に、
図8を参照して、仕入事業者による生鮮品の未払い時の補償システム10における補償処理の処理手順について説明する。
【0105】
ステップS300において、仲介補償サーバ100は、例えば、販売事業者および運搬事業者への仕入事業者による生鮮品に対する支払いが支払いの予定日に未払いとなっているか否かを判定する。
【0106】
判定処理の結果、予定日に未払いとなっていないと判定された場合(ステップS300:NO)、仲介補償サーバ100は、処理を終了する。
【0107】
判定処理の結果、予定日に未払いとなっていると判定された場合(ステップS300:YES)、ステップS301において、仲介補償サーバ100は、例えば、仕入事業者による支払い予定日に未払いが発生したことを示す情報(以下、「未払い発生情報」という。)を販売事業者端末300および運搬事業者端末400に送信する。販売事業者端末300および運搬事業者端末400のそれぞれは、未払い発生情報を販売事業者および運搬事業者のそれぞれに通知する。
【0108】
ステップS302において、仲介補償サーバ100は、例えば、仕入事業者端末200に催促情報を送信する。
【0109】
ここで、仲介補償サーバ100は、販売事業者端末300および運搬事業者端末400から未払い発生情報を確認した結果、仕入事業者に催促情報を送ることを要求する返信を受け付けた場合に、仕入事業者に催促情報を送信してもよい。これにより、補償システム10は、販売事業者および運搬事業者が仕入事業者との良好な関係性を維持したいときなどに対応することができる。
【0110】
ステップS303において、仕入事業者端末200は、例えば、催促情報を仕入事業者に通知する。
【0111】
ステップS304において、仲介補償サーバ100は、例えば、催促情報を送信した後に、仕入事業者による決済が実行されたか否かを判定する。
【0112】
判定処理の結果、決済が実行されたと判定された場合(ステップS304:YES)、仲介補償サーバ100は、
図6に示すステップ107の処理に移行する。
【0113】
判定処理の結果、決済が実行されたと判定された場合(ステップS304:NO)、ステップS305において、仲介補償サーバ100は、例えば、記憶部110の積立情報D113を参照して、積み立てられた価値情報を確認する。
【0114】
ステップS305において、仲介補償サーバ100は、例えば、積み立てられた価値情報のうち、販売事業者および運搬事業者のうち少なくとも一方に支払われる金額に相当する価値情報を、販売事業者および運搬事業者のうち少なくとも一方に付与する。
【0115】
ステップS306,307において、販売事業者端末300および運搬事業者端末400は、価値情報を取得する。これにより、補償システム10は、仕入事業者による未払いに対して迅速に販売事業者および運搬事業者への補償を実現できる。
【0116】
===ハードウェア構成===
上述した実施形態に関する機能を実現する仲介補償サーバ100は、例えば、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。なお、仲介補償サーバ100における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータ(限定ではなく例として、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0117】
上述した実施形態に関する機能を実現する仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400は、例えば、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、 デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0118】
図10を参照して、仲介補償サーバ100、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400をコンピュータ1000により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。なお、仲介補償サーバ100、仕入事業者端末200、販売事業者端末300および運搬事業者端末400の各種機能は、複数台の装置に分けて実現できる。
【0119】
図9は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図9に示すように、コンピュータ1000は、例えば、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006および表示部1007を含む。
【0120】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0121】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0122】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0123】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続されてもよい。
【0124】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0125】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0126】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられてもよい。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0127】
===まとめ===
本実施形態における補償システム10は、生鮮品の販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方を通じて生鮮品を仕入れる仕入事業者から、所定の金額の生鮮品の購入依頼を示す情報である購入情報を取得する取得部120(第1取得部)と、購入情報に基づいて、所定の金額に応じた金額または予め定められた金額である積立金額を特定する金額特定部140と、特定される積立金額に相当する価値情報を積み立てる積立部150と、仕入事業者、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくともいずれかによって発生する事象であって、仕入事業者への生鮮品の納入に関して補償対象となり得る所定の事象が発生したことを示す情報である補償発生情報を取得する取得部120(第2取得部)と、補償発生情報に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する判定部160と、を備える。これにより、補償システム10は、販売事業者および運搬事業者が被る損害を価値情報で簡易な手順で迅速に補償する、従来とは異なるビジネスモデルを実現することができる。
【0128】
また、補償システム10は、取得部120(第2取得部)において、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方から、生鮮品の価値を損する事象が発生したことを示す補償発生情報を取得する。これにより、補償システム10は、販売事業者および運搬事業者が被る損害を価値情報で簡易な手順で迅速に補償することができる。
【0129】
また、補償システム10は、取得部120(第2取得部)において、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方から、生鮮品の価値を損する事象に対する損害額の支払いが完了したことの証明に関する情報である証明情報を取得し、判定部160は、補償発生情報と、証明情報と、に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する。これにより、補償システム10は、支払いが完了したことを確認した後に、価値情報の補償処理を実行させることができるため、適切な補償を実現することができる。
【0130】
また、補償システム10は、判定部160において積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を支払うと判定された場合、証明情報に含まれる損害額を示す情報に基づいて、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を付与する処理を実行する支払実行部170を、さらに備える。これにより、補償システム10は、補償金額を任意に設定できるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0131】
また、補償システム10は、過去における生鮮品の価値を損する事象の発生履歴を示す情報である履歴情報D112に基づいて、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方の信用度を特定する信用度特定部130をさらに備え、判定部160は、補償発生情報と、信用度と、に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する。これにより、補償システム10は、事業者の過去の実績に応じて判定処理を実行できるため、適切な補償を実現できる。
【0132】
また、補償システム10は、金額特定部140において、購入情報と、信用度と、に基づいて、生鮮品に対する積立金額を特定する。これにより、補償システム10は、事業者に対して、信頼度を高めるよう、より良いサービスを提供する動機づけを与えることができるため、サービスの品質を向上させることができる。
【0133】
また、補償システム10は、積立部150において、生鮮品に対する仕入事業者の所定の金額の支払いが完了したことを示す情報である決済情報を取得した場合、価値情報を積み立てる。これにより、補償システム10は、確実かつ適切なタイミングで価値情報を積み立てることができる。
【0134】
また、補償システム10は、取得部120(第2取得部)において、生鮮品の価値を損する事象が生じたことを示す画像を含む補償発生情報を取得する。これにより、補償システム10は、損害状況の判定につき信頼性の高いシステムを構築することができ、適切な補償を実現できる。
【0135】
また、補償システム10は、判定部160において、販売事業者および運搬事業者のうち少なくとも一方への仕入事業者による生鮮品に対する支払いが支払いの予定の日に未払いとなっているか否かを判定し、未払いとなっていると判定した場合、仕入事業者に所定の金額の支払いを催促する催促情報を送信する。これにより、補償システム10は、販売事業者による未払いを抑制することができるため、販売事業者および運搬事業者の損害を防止し、持続的なサービスを実現できる。
【0136】
また、補償システム10は、判定部160において予定の日に未払いとなっていると判定された場合、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に、所定の金額に相当する価値情報を支払う処理を実行する支払実行部170を、さらに備える。これにより、補償システム10は、補償金額を任意に設定できるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0137】
また、補償システム10は、取得部120(第1取得部、第2取得部)において、生鮮品である活魚を仕入れる仕入事業者から購入情報を取得し、活魚が写る画像を含む補償発生情報を取得し、補償発生情報に含まれる画像に基づいて、活魚の死滅割合を特定する欠損状況特定部190をさらに備え、判定部160は、活魚の死滅割合に基づいて、積み立てられた価値情報のうちの少なくとも一部を、販売事業者および運搬事業者のうちの少なくとも一方に支払うか否かを判定する。これにより、補償システム10は、活魚が死ぬという鮮度が保証されない状況において補償するという判定処理を実行できるため、適切な補償を実現できる。
【符号の説明】
【0138】
10…補償システム、100…仲介補償サーバ、110…記憶部、120…取得部、130…信用度特定部、140…金額特定部、150…積立部、160…判定部、170…支払実行部、180…出力部、190…欠損状況特定部、200…仕入事業者端末、300…販売事業者端末、400…運搬事業者端末。