(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144583
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ガラス物品の製造方法
(51)【国際特許分類】
C03B 17/04 20060101AFI20231003BHJP
C03C 3/085 20060101ALI20231003BHJP
C03C 3/087 20060101ALI20231003BHJP
C03C 3/091 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
C03B17/04 A
C03C3/085
C03C3/087
C03C3/091
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051634
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168550
【弁理士】
【氏名又は名称】友廣 真一
(72)【発明者】
【氏名】愛 陸朗
(72)【発明者】
【氏名】深田 睦
【テーマコード(参考)】
4G062
【Fターム(参考)】
4G062AA01
4G062BB01
4G062DA06
4G062DA07
4G062DB03
4G062DB04
4G062DC01
4G062DC02
4G062DC03
4G062DC04
4G062DD01
4G062DE01
4G062DF01
4G062EA01
4G062EA02
4G062EA03
4G062EA04
4G062EB01
4G062EB02
4G062EB03
4G062EB04
4G062EC01
4G062EC02
4G062EC03
4G062EC04
4G062ED01
4G062ED02
4G062ED03
4G062ED04
4G062EE01
4G062EE02
4G062EE03
4G062EE04
4G062EF01
4G062EF02
4G062EF03
4G062EF04
4G062EG01
4G062EG02
4G062EG03
4G062EG04
4G062FA01
4G062FB02
4G062FB03
4G062FC01
4G062FD01
4G062FE02
4G062FE03
4G062FF01
4G062FG01
4G062FH01
4G062FJ01
4G062FK01
4G062FL01
4G062GA01
4G062GA10
4G062GB01
4G062GC01
4G062GD01
4G062GE01
4G062HH01
4G062HH03
4G062HH05
4G062HH07
4G062HH09
4G062HH11
4G062HH13
4G062HH15
4G062HH17
4G062HH20
4G062JJ01
4G062JJ04
4G062JJ05
4G062JJ07
4G062KK01
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM01
4G062NN33
(57)【要約】
【課題】ダウンドロー法を用いてガラスリボンを成形する際に、成形体に含まれるイットリウムに由来する失透物が発生するのを確実に低減する。
【解決手段】
ダウンドロー法により、イットリウム含有酸化物を含む成形体15の表面に沿って、TiO
2を含む第一溶融ガラスGm1を流下させてガラスリボンGを成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、成形体15は、その表面にマグネシウムを含むMgリッチ層MRを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダウンドロー法により、イットリウム含有酸化物を含む成形体の表面に沿って、TiO2を含む第一溶融ガラスを流下させてガラスリボンを成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、
前記成形体は、前記成形体の表面にマグネシウムを含むMgリッチ層を有することを特徴とするガラス物品の製造方法。
【請求項2】
前記成形体は、アルミナ系成形体であり、
前記Mgリッチ層は、スピネルを主成分として含む請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記第一溶融ガラスが、MgOを含む請求項1又は2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記成形工程の前工程として、MgOを含む第二溶融ガラスを前記成形体の表面に沿って流下させることにより、前記成形体の表面に前記Mgリッチ層を形成する形成工程を更に備える請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記第一溶融ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~80%、Al2O3 3~25%、B2O3 0~20%、Li2O3+Na2O+K2O 0~25%、MgO 0~20%、CaO 0~20%、SrO 0~20%、BaO 0~20%、As2O3 0~1%、SnO2 0.0001~2%、TiO2 0.001~10%を含有し、質量比SnO2/(As2O3+SnO2)が0.001~1である請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス板やガラスロールなどのガラス物品の製造工程では、例えば、ダウンドロー法により、成形体の表面に沿って溶融ガラスを流下させてガラスリボンを連続成形する。成形されたガラスリボンは、下流側に搬送されながら室温付近まで冷却された後、ガラス板を得るために所定長さ毎に切断されたり、ガラスロールを得るためにロール状に巻き取られたりする(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の成形体では、機械的強度を向上させる観点から、成形体の構成成分にイットリウム含有酸化物(例えばイットリウムとアルミニウムの複合酸化物であるY3Al5O12)を添加する場合がある。
【0005】
本願発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、このようなイットリウム含有酸化物を含む成形体を用いて、TiO2を含むガラスリボンを成形すると、成形体の添加物であるイットリウム含有酸化物から酸化イットリウム(Y2O3)が溶融ガラス中に溶出するなどして拡散し、失透物が発生するという問題を初めて知見するに至った。このようなイットリウム含有酸化物に由来する失透物は、ガラスリボン及び/又はガラス物品の欠陥になり得るため、生産効率や品質向上の観点からも、その発生量を低減させることが重要となる。なお、イットリウム含有酸化物に由来する失透物は、溶融ガラス中に拡散した酸化イットリウムと、溶融ガラスのTiO2とが反応して発生すると考えられる。つまり、イットリウム含有酸化物に由来する失透物は、酸化イットリウムとTiO2とを含む失透物(Y2O3-TiO2結晶)であると考えられる。
【0006】
本発明は、ダウンドロー法を用いてガラスリボンを成形する際に、成形体に含まれるイットリウム含有酸化物に由来する失透物が発生するのを確実に低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 上記の課題を解決するために創案された本発明は、ダウンドロー法により、イットリウム含有酸化物を含む成形体の表面に沿って、TiO2を含む第一溶融ガラスを流下させてガラスリボンを成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、成形体は、成形体の表面にマグネシウムを含むMgリッチ層を有することを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、成形体の表面には、Mgリッチ層が形成される。Mgリッチ層は、イットリウム含有酸化物の拡散を抑制する拡散抑制層として機能する。そのため、成形体に含まれるイットリウム含有酸化物が第一溶融ガラスに拡散するのを確実に抑制できる。したがって、成形体に含まれるイットリウム含有酸化物と、第一溶融ガラスに含まれるTiO2との反応が生じにくくなり、イットリウム含有酸化物に由来する失透物が発生するのを確実に低減できる。
【0009】
(2) 上記(1)の構成において、成形体は、アルミナ系成形体であり、Mgリッチ層は、スピネルを主成分として含むことが好ましい。
【0010】
このようにすれば、アルミナ系成形体がアルミナを含むため、成形体の表面にスピネル(MgAl2O4)を主成分とするMgリッチ層を形成しやすくなる。
【0011】
(3) 上記(1)又は(2)の構成において、第一溶融ガラスが、MgOを含むことが好ましい。
【0012】
このようにすれば、成形体の表面にMgリッチ層を形成したり、維持しやすくなる。
【0013】
(4) 上記(1)~(3)の構成において、成形工程の前工程として、MgOを含む第二溶融ガラスを成形体の表面に沿って流下させることにより、成形体の表面にMgリッチ層を形成する形成工程を更に備えていてもよい。
【0014】
このようにすれば、成形工程の前に、成形体の表面にMgリッチ層を予め十分に形成できる。
【0015】
(5) 上記(1)~(4)の構成において、第一溶融ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~80%、Al2O3 3~25%、B2O3 0~20%、Li2O3+Na2O+K2O 0~25%、MgO 0~20%、CaO 0~20%、SrO 0~20%、BaO 0~20%、As2O3 0~1%、SnO2 0.0001~2%、TiO2 0.001~10%を含有し、質量比SnO2/(As2O3+SnO2)が0.001~1であることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、TiO2を含むため失透物が発生する可能性があるが、本発明を適用すれば、これを確実に抑制し、高品質なガラス物品を提供できる。そして、上記のガラス組成からなるガラス物品であれば、紫外線による着色を防止しつつ紫外線の透過率を抑制でき、例えば宇宙空間で使用される太陽電池のカバーガラス(宇宙太陽光発電用ガラス基板)等として好適に利用できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ダウンドロー法を用いてガラスリボンを成形する際に、成形体に含まれるイットリウム含有酸化物に由来する失透物が発生するのを確実に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るガラス物品の製造装置の縦断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るガラス物品の製造装置の成形体周辺を拡大して示す縦断面図である。
【
図3】
図2の成形体の表面にMgリッチ層を形成する工程を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図中において、X方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態に係るガラス物品の製造装置は、ガラス物品としてのガラス板Gpを製造するための装置である。本製造装置は、ガラスリボンGの処理装置1と、切断装置2と、検査装置3とを備えている。
【0021】
処理装置1は、ガラスリボンGを連続成形する成形ゾーン11と、ガラスリボンGを熱処理(徐冷)する熱処理ゾーン12と、ガラスリボンGを室温付近まで冷却する冷却ゾーン13と、成形ゾーン11、熱処理ゾーン12及び冷却ゾーン13のそれぞれに上下複数段に設けられたローラ対14とを備えている。
【0022】
成形ゾーン11及び熱処理ゾーン12は、ガラスリボンGの搬送経路の周囲が壁部で囲まれた炉により構成されており、ガラスリボンGの温度を調整するヒータ等の加熱装置が炉内の適所に配置されている。一方、冷却ゾーン13は、ガラスリボンGの搬送経路の周囲が壁部に囲まれることなく常温の外部雰囲気に開放されており、ヒータ等の加熱装置は配置されていない。熱処理ゾーン12及び冷却ゾーン13を通過することで、ガラスリボンGに所望の熱履歴が付与される。
【0023】
成形ゾーン11の内部空間には、オーバーフローダウンドロー法により第一溶融ガラスGm1からガラスリボンGを成形する成形体15が配置されている。ここで、第一溶融ガラスGm1は、製品となるガラスリボンGを成形するための溶融ガラスを意味する。成形体15に供給された第一溶融ガラスGm1は成形体15の頂部15aに形成された溝部(図示省略)から溢れ出るようになっており、その溢れ出た第一溶融ガラスGm1が成形体15の断面楔状を呈する両側面15bを伝って下端15cで合流(融合一体化)することで、板状のガラスリボンGが連続成形される。成形されるガラスリボンGは、縦姿勢(好ましくは鉛直姿勢)である。なお、ガラスリボンG及びガラス板Gpは、第一溶融ガラスGm1と実質的に同じガラス組成である。上記合流(融合一体化)に伴ってガラスリボンG及びガラス板Gpの内部(例えば厚み方向の中央部)には合わせ面が形成される。
【0024】
成形体15は、機械的強度を確保するために、イットリウム含有酸化物(例えばイットリウムとアルミニウムの複合酸化物であるY3Al5O12)を含む。本実施形態では、成形体15は、イットリウム含有酸化物を含むアルミナ系成形体である。イットリウム含有酸化物を含むアルミナ系成形体は、アルミナの含有量が90~98質量%であり、イットリウム含有酸化物の含有量が2~10質量%であることが好ましい。なお、成形体15は、ジルコン系成形体などであってもよい。ただし、ジルコン系成形体の場合、特定の強化ガラス組成の第一溶融ガラスGm1を流下させた場合に、成形体15に由来するジルコニアが第一溶融ガラスGm1中に混入し、ガラスリボンG及び/又はガラス板Gpの欠陥となるおそれがある。したがって、このようなジルコニアによる欠陥の発生を防止する観点から、成形体15は、アルミナ系成形体であることがより好ましい。
【0025】
熱処理ゾーン12の内部空間は、下方に向かって所定の温度勾配を有している。縦姿勢のガラスリボンGは、熱処理ゾーン12の内部空間を下方に向かって移動するに連れて、温度が低くなるように熱処理(徐冷)される。この熱処理によって、ガラスリボンGの内部歪を低減する。熱処理ゾーン12の内部空間の温度勾配は、例えば熱処理ゾーン12の壁部内面に設けた加熱装置により調整できる。
【0026】
複数のローラ対14は、縦姿勢のガラスリボンGの幅方向の両端部を表裏両側から挟持するようになっている。複数のローラ対14のうち、最上段に配置されたローラ対は、内部に冷却機構を備えた冷却ローラ14aである。なお、熱処理ゾーン12の内部空間などでは、複数のローラ対14の中に、ガラスリボンGの幅方向の両端部を挟持しないものが含まれていてもよい。つまり、ローラ対14の対向間隔をガラスリボンGの幅方向の両端部の板厚よりも大きくし、ローラ対14の間をガラスリボンGが通過するようにしてもよい。
【0027】
本実施形態では、処理装置1で得られたガラスリボンGの幅方向の両端部は、成形過程の収縮等の影響により、幅方向の中央部に比べて板厚が大きい部分(以下、「耳部」ともいう)を含む。
【0028】
切断装置2は、スクライブ線形成装置21と、折割装置22とを備え、処理装置1から降下してきた縦姿勢のガラスリボンGを所定の長さ毎に幅方向に切断するように構成されている。これにより、ガラスリボンGからガラス板Gpが順次切り出される。
【0029】
ガラス板Gpは、1枚又は複数枚の製品ガラス板が採取されるガラス原板(マザーガラス板)である。ガラス板Gpの板厚は、例えば0.2mm~10mmであり、ガラス板Gpのサイズは、例えば700mm×700mm~3000mm×3000mmである。ガラス板Gpは、例えばディスプレイや太陽電池において、基板やカバーガラスとして利用される。なお、基板やカバーガラスは、平面形状に限定されることなく、湾曲形状であってもよい。
【0030】
スクライブ線形成装置21は、処理装置1の下方に設けられたスクライブ線形成位置P1で、ガラスリボンGの表裏面の一方の面にスクライブ線Sを形成する装置である。本実施形態では、スクライブ線形成装置21は、ガラスリボンGの表裏面の一方にその幅方向に沿ってスクライブ線Sを形成するホイールカッター23と、ホイールカッター23に対応する位置でガラスリボンGの表裏面の他方の面を支持する支持部材24(例えば支持バーや支持ローラ)とを備えている。
【0031】
ホイールカッター23及び支持部材24は、降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、ガラスリボンGの幅方向の全域又は一部にスクライブ線Sを形成する構成となっている。本実施形態では、相対的に板厚が大きい耳部を含む幅方向の両端部にもスクライブ線Sが形成される。なお、スクライブ線Sはレーザの照射等によって形成してもよい。
【0032】
折割装置22は、スクライブ線形成位置P1の下方に設けられた折割位置P2で、スクライブ線Sに沿ってガラスリボンGを折り割ってガラス板Gpを得る装置である。本実施形態では、折割装置22は、スクライブ線Sの形成領域にスクライブ線Sが形成されていない面側から当接する折割部材25と、折割位置P2よりも下方でガラスリボンGの下部領域を把持するチャック26とを備えている。
【0033】
折割部材25は、降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、ガラスリボンGの幅方向の全域又は一部と接触する平面を有する板状体(定盤)から構成されている。折割部材25の接触面は、幅方向に湾曲した曲面であってもよい。
【0034】
チャック26は、ガラスリボンGの幅方向の両端部のそれぞれにおいて、ガラスリボンGの長手方向に間隔を置いて複数設けられている。幅方向のそれぞれの端部に設けられた複数のチャック26は、これら全てが同一のアーム(図示しない)によって保持されている。各々のアームの動作により、複数のチャック26が降下中のガラスリボンGに追従降下しつつ、折割部材25を支点としてガラスリボンGを湾曲させるための動作を行う。これにより、スクライブ線S及びその近傍に曲げ応力を付与し、ガラスリボンGをスクライブ線Sに沿って幅方向に折り割る。その結果、ガラスリボンGからガラス板Gpが切り出される。切り出されたガラス板Gpは、チャック26から別の搬送装置27のチャック28に受け渡された後、縦姿勢の状態のまま幅方向(ガラス板Gpの表面に沿った左右方向)に沿って搬送される。なお、搬送装置27によるガラス板Gpの搬送方向は、幅方向に限定されず、任意の方向に設定できる。チャック26,28は、負圧吸着などの他の保持形態に変更してもよい。ガラスリボンGの切断方法は、スクライブ割断に限定されず、レーザ割断やレーザ溶断などの他の方法を用いてもよい。
【0035】
検査装置3は、欠陥の有無を検査する装置である。欠陥には、例えばイットリウム含有酸化物に由来する失透物が含まれる。なお、検査装置3は、イットリウム含有酸化物に由来する失透物以外にも、例えば、ガラス板Gpの偏肉(板厚)、筋(脈理)、欠陥の種類(例えば、泡、異物など)・位置(座標)・大きさなどを測定するように構成されていてもよい。
【0036】
検査装置3は、ガラスリボンGから切り出されたガラス板Gpを検査対象としている。本実施形態では、検査装置3は、ガラス板Gpの表裏面の一方の面側の定位置に配置された光源31と、ガラス板Gpの表裏面の他方の面側の定位置に配置されたセンサ32とを備えている。光源31は、ガラス板Gpに向けて光を照射し、センサ32は、光源31から照射されてガラス板Gpを透過した光を受光する。検査装置3は、センサ32で受光した光量の変化に基づいて欠陥の有無を検出する。
【0037】
検査装置3の光源31及びセンサ32による検査可能エリアは、Z方向に延びるライン状である。光源31及びセンサ32による検査エリアは、搬送装置27でガラス板Gpを移動させることによって、ガラス板Gpの表裏面のそれぞれ全面に亘って走査される。これにより、ガラス板Gpの欠陥の有無が検査される。
【0038】
本実施形態では、第一溶融ガラスGm1(ガラスリボンG)は、例えば、TiO2を含むアルミノシリケートガラス又は無アルカリガラスである。第一溶融ガラスGm1におけるTiO2の含有量は、例えば、質量%で0.001%以上である。
【0039】
具体的には、第一溶融ガラスGm1は、ガラス組成として、質量%で、SiO2 50~80%、Al2O3 3~25%、B2O3 0~20%、Li2O+Na2O+K2O 0~25%、MgO 0~20%、CaO 0~20%、SrO 0~20%、BaO 0~20%、As2O3 0~1%、SnO2 0.0001~2%、TiO2 0.001~10%を含有し、質量比SnO2/(As2O3+SnO2)が0.001~1であることが好ましい。このようなガラス組成の第一溶融ガラスGm1から製造されるガラス板Gpであれば、紫外線による着色を防止しつつ紫外線の透過率を抑制でき、例えば宇宙空間で使用される太陽電池のカバーガラス(宇宙太陽光発電用ガラス基板)等として好適に利用できる。
【0040】
上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を以下に説明する。なお、以下の%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を指す。
【0041】
SiO2は、ネットワークを形成する成分であり、その含有量は、好ましくは50~80%、より好ましくは55~75%、更に好ましくは55~70%、特に好ましくは55~65%である。SiO2の含有量が多くなると、高温粘性が高くなり、溶融性が低下すると共に、クリストバライトの失透ブツが析出し易くなる傾向にある。一方、SiO2の含有量が少なくなると、耐候性が低下したり、ガラス化し難くなったりする。
【0042】
Al2O3は、歪点やヤング率を高めたり、クリストバライトの失透ブツの析出を抑えたりする成分であり、その含有量は、好ましくは3~25%、より好ましくは5~23%、更に好ましくは7~21%、更に好ましくは9~18%、特に好ましくは11~17%、最も好ましくは13~17%である。Al2O3の含有量が多くなると、液相温度が上昇して薄板に成形し難くなる傾向にある。一方、Al2O3の含有量が少なくなると、歪点やヤング率が低下したり、高温粘性が高くなって溶融性が低下したりする傾向にある。
【0043】
B2O3は、融剤として作用し、粘性を下げて、溶融性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは5~20%、より好ましくは7~15%、更に好ましくは8~13%、特に好ましくは8~12%、最も好ましくは8~11%である。B2O3の含有量が多くなると、歪点やヤング率が低下したり、耐候性が低下したりする傾向にある。一方、B2O3の含有量が少なくなると、液相温度が高くなって薄板に成形し難くなる。また高温粘性が高くなって溶融性が低下する傾向にある。
【0044】
Li2O、Na2O、K2Oは、熱膨張係数を調整したり、高温粘性を低下させる成分である。これらの成分の合量(Li2O+Na2O+K2O)は、好ましくは0~25%、より好ましくは1~20%、更に好ましくは10~18%、最も好ましくは12~18%である。これらの成分の合量が多くなると、歪点が低下して、耐熱性が低下し易くなる。また熱膨張係数が大きくなり過ぎて、周辺部材との整合性が損なわれるおそれもある。なお、Li2Oの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、最も好ましくは0~0.5%である。Na2Oの含有量は、好ましくは0~25%、より好ましくは5~20%、更に好ましくは10~18%、最も好ましくは12~16%である。K2Oの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、最も好ましくは0~0.5%である。
【0045】
MgOは、歪点を低下させずに、溶融性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは0~20%、より好ましくは0~7%、更に好ましくは0~5%、特に好ましくは0~3%、最も好ましくは0~2%である。MgOの含有量が多くなると、液相温度が高くなって薄板に成形し難くなったり、熱膨張係数が高くなって周辺部材との整合性が損なわれたり、密度が高くなったりする。一方、MgOの含有量が少なくなると、歪点やヤング率が低下したり、高温粘性が高くなって溶融し難くなったりする。なお、成形体15の表面にMgリッチ層MR(詳細は後述)を形成・維持する観点からは、MgOの含有量は、0.3%以上であることが好ましい。
【0046】
CaOは、歪点を低下させずに、溶融性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは0~20%、より好ましくは0~12%、更に好ましくは3~10%、特に好ましくは3~9%である。CaOの含有量が多くなると、液相温度が高くなって成形し難くなったり、熱膨張係数が高くなって周辺部材との整合性が損なわれたり、密度が高くなったりする。一方、CaOの含有量が少なくなると、歪点やヤング率が低下したり、高温粘性が高くなって溶融し難くなったりする。
【0047】
SrOは、歪点を低下させずに、溶融性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは0~20%、より好ましくは0~9%、更に好ましくは0.5~8%、特に好ましくは0.5~7%である。SrOの含有量が多くなると、液相温度が高くなって成形し難くなったり、熱膨張係数が高くなって周辺部材との整合性が損なわれたり、密度が高くなったりする。一方、SrOの含有量が少なくなると、歪点やヤング率が低下したり、高温粘性が高くなって溶融し難くなったりする。
【0048】
BaOは、歪点を低下させずに、溶融性を改善する成分であり、その含有量は、好ましくは0~20%、より好ましくは0~8%、更に好ましくは0~5%、特に好ましくは0~3%である。BaOの含有量が多くなると、液相温度が高くなって成形し難くなったり、熱膨張係数が高くなって周辺部材との整合性が損なわれたり、密度が高くなったりする。含有量が少なくなると歪点やヤング率が低下したり、高温粘性が高くなって溶融し難くなったりする。
【0049】
MgO、CaO、SrO、BaOのアルカリ土類金属酸化物は、混合して含有させることで、溶融性と耐失透性を高めることができるが、これらの成分が多くなると、密度が上昇する傾向にあり、ガラス基板の軽量化が困難となる。よって、アルカリ土類金属酸化物の合量(MgO+CaO+SrO+BaO)は、好ましくは0~30%、より好ましくは0~20%、更に好ましくは0~15%、特に好ましくは0~10%である。
【0050】
Fe2O3の含有量は0~0.05%、好ましくは0.0001~0.05%、より好ましくは0.0001~0.03%、更に好ましくは0.005~0.02%、最も好ましくは0.005~0.015%である。Fe2O3の含有量が多くなると、可視光透過率が低下し過ぎるおそれがある。Fe2O3の含有量が少なくなると、紫外線透過率が高くなり過ぎるおそれがある。
【0051】
As2O3は、清澄剤であるが、ソラリゼーション(紫外線による変色など、光照射の影響による特性変化)を助長する成分である。その含有量は好ましくは0~1%、より好ましくは0~0.8%、更に好ましくは0~0.5%、特に好ましくは0~0.3%であり、最も好ましくは0~0.005%である。
【0052】
SnO2は、ソラリゼーションを抑制する成分である。その含有量は、好ましくは0.0001~2%、より好ましくは0.001~1.5%、更に好ましくは0.01~1%、特に好ましくは0.05~0.5%、最も好ましくは0.05~0.3%である。SnO2の含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。一方、SnO2の含有量が少なくなると、上記効果を享受し難くなる。なお、SnO2源としてSnO2原料を用いても良いが、他の原料などに含まれる微量成分から含有させても差し支えない。
【0053】
ソラリゼーションを抑制する効果を確実に発現させるためには、質量比SnO2/(As2O3+SnO2)を厳密に規制することが重要であり、その値は、好ましくは0.001~1、0.01~1、0.1~1、0.3~1、0.5~1、0.7~1、0.9~1、特に1である。
【0054】
TiO2は、紫外線透過率を低下させると共に、ソラリゼーションを抑制する効果がある成分である。また、TiO2の含有量が増加すると、イットリウム含有酸化物に由来する失透物が発生しやすくなり、本発明による失透物を抑制する効果が顕著となる。TiO2の含有量は、好ましくは0.001~10%、より好ましくは0.02~8%、更に好ましくは0.5~6%、特に好ましくは1~5%、最も好ましくは2~4.5%である。なお、TiO2の含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。
【0055】
CeO2は、紫外線透過率を低下させると共に、ソラリゼーションを抑制する効果がある成分である。その含有量は、好ましくは0.001~10%、より好ましくは0.02~8%、更に好ましくは0.5~6%、特に好ましくは1~5%、最も好ましくは2~4.5%である。なお、CeO2の含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。
【0056】
上記成分以外にも、必要に応じて他の成分を合量で導入することができる。
【0057】
ZnOは、ヤング率を高めたり、溶融性を改善したりする成分である。その含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、特に好ましくは0~1%、最も好ましくは0~0.5%である。ZnOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が上昇し易くなる。また耐失透性や歪点が低下する傾向にある。
【0058】
ZrO2は、耐候性を改善する成分である。その含有量は、好ましくは0~2%、より好ましくは0~1%、更に好ましくは0~0.5%、特に好ましくは0~0.2%、最も好ましくは0~0.1%である。ZrO2の含有量が多くなると、ジルコンの失透ブツが析出する傾向にある。
【0059】
Sb2O3は、清澄剤として働く成分である。その含有量は、好ましくは0~2%、より好ましくは0~1.5%、更に好ましくは0~1%、特に好ましくは0~0.5%である。Sb2O3の含有量が多くなると、密度が上昇する傾向がある。
【0060】
Clは、清澄剤として働く成分である。その含有量は、好ましくは0~1%、より好ましくは0~0.5%である。Clの含有量が多くなると、ガラス融液からの揮発が多くなり、脈理が発生し易くなる。
【0061】
Nb2O5、La2O3等の希土類酸化物は、ヤング率を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また耐失透性を低下させる成分である。よって、希土類酸化物の含有量は、好ましくは3%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
【0062】
図2に示すように、成形体15は、その表面(例えば、頂部15a及び側面15b)に、マグネシウムを含むMgリッチ層MRを有する。Mgリッチ層MRは、成形体15に含まれるイットリウム含有酸化物の拡散を抑制する拡散抑制層として機能する。
【0063】
Mgリッチ層MRは、マグネシウムの濃度が高い層を意味する。Mgリッチ層MRにおけるマグネシウムの含有量は、例えば1質量%以上であることが好ましい。
【0064】
Mgリッチ層MRは、スピネル(MgAl2O4)を主成分として含むことが好ましい。本実施形態のように、成形体15がアルミナ系成形体であれば、成形体15にアルミナが含まれているため、成形体15の表面にスピネルを含むMgリッチ層MRを形成しやすくなる。このようにMgリッチ層MRの主成分をスピネルとする場合、Mgリッチ層MRにおけるMgの含有量の上限は17質量%となる。そのため、Mgリッチ層MRの主成分をスピネルとする場合に限らず、Mgリッチ層MRにおけるMgの含有量は17質量%以下とすることが好ましい。
【0065】
Mgリッチ層MRの厚みは、100μm以下であることが好ましく、20μm~100μmであることがより好ましく、50μm~100μmであることが最も好ましい。
【0066】
次に、本実施形態に係るガラス物品の製造方法を説明する。本製造方法は、上記の製造装置を用いて、ガラス物品としてのガラス板Gpを製造する方法である。
【0067】
図1に示すように、本製造方法は、成形工程と、熱処理工程と、冷却工程と、切断工程と、検査工程とを備えている。
【0068】
成形工程では、成形ゾーン11でガラスリボンGを成形する工程である。
【0069】
熱処理工程は、熱処理ゾーン12で成形工程を経たガラスリボンGに対して熱処理を施す工程である。
【0070】
冷却工程は、冷却ゾーン13で熱処理工程を経たガラスリボンGを冷却する工程である。
【0071】
切断工程は、冷却工程を経たガラスリボンGを搬送しながら、切断装置2によって、ガラスリボンGを幅方向に切断してガラス板Gpを得る工程である。
【0072】
検査工程は、検査装置3等によって、ガラス板Gpにおける欠陥(イットリウム含有酸化物に由来する失透物を含む)の有無を検査する工程である。なお、検査工程の前に、ガラス板Gpの耳部を切断する切断工程を行ってもよい。
【0073】
図2に示すように、成形工程では、イットリウム含有酸化物を含む成形体15の表面に沿って、第一溶融ガラスGm1を流下させることで、ガラスリボンGを連続成形する。
【0074】
成形体15の表面には、成形体15に含まれるイットリウム含有酸化物の拡散を抑制する拡散抑制層としてのMgリッチ層MRが形成されている。つまり、成形工程において、成形体15に含まれるイットリウム含有酸化物が第一溶融ガラスGm1に拡散するのをMgリッチ層MRで確実に抑制できる。その結果、成形体15に含まれるイットリウム含有酸化物から第一溶融ガラスGm1に拡散した酸化イットリウムと、第一溶融ガラスGm1に含まれるTiO2との反応が生じにくくなり、イットリウム含有酸化物に由来する失透物(例えば、Y2O3-TiO2結晶)が発生するのを確実に低減できる。
【0075】
第一溶融ガラスGm1がMgOを0.3質量%以上含む場合、マグネシウムイオンがMgリッチ層MRから第一溶融ガラスGm1に拡散するのを抑制できる。つまり、マグネシウムイオンの拡散によりMgリッチ層MRが減少したり、消失したり、変質したりするのを抑制できる。したがって、Mgリッチ層MRを成形体15の表面に安定的に維持できる。なお、第一溶融ガラスGm1がMgOを実質的に含まない場合、Mgリッチ層MRの減少等が発生しやすいが、Mgリッチ層MRが消失するまでの期間は、Mgリッチ層MRによって、成形体15に含まれるイットリウム含有酸化物が第一溶融ガラスGm1に拡散するのを抑制できる。つまり、Mgリッチ層MRは、第一溶融ガラスGm1がMgOを実質的に含まない場合にも、拡散抑制層として適用できる。
【0076】
図3に示すように、本製造方法は、成形工程の前工程として、Mgリッチ層MRを形成する形成工程を更に備える。
【0077】
形成工程では、MgOを含む第二溶融ガラスGm2を成形体15の表面に沿って流下させることにより、Mgリッチ層MRを形成する。
【0078】
詳細には、MgOを含む第二溶融ガラスGm2を成形体15の表面に沿って流下させると、マグネシウムイオンが第二溶融ガラスGm2から成形体15に拡散し、成形体15の表面にMgリッチ層MRが形成される。その後、第二溶融ガラスGm2から成形体15へのマグネシウムイオンの拡散が継続すると、Mgリッチ層MRの厚みが所定の厚みまで増加する。これにより、成形体15の表面にMgリッチ層MRが十分に形成される。この過程で、成形体15の表面に含まれるイットリウム含有酸化物が第二溶融ガラスGm2に拡散し、Mgリッチ層MRのイットリウム含有酸化物の含有量が減少し、例えば0質量%以上0.1質量%以下となる。
【0079】
本実施形態では、成形体15はアルミナ系成形体であるため、上記の形成工程において、成形体15のアルミナと第二溶融ガラスGm2のMgOとが反応し、スピネルを主成分とするMgリッチ層MRが形成される。
【0080】
第二溶融ガラスGm2は、例えば、MgOを含むアルミノシリケートガラス又は無アルカリガラスである。第二溶融ガラスGm2は、製品となるガラスリボンGを成形する際に使用される第一溶融ガラスGm1と同一又は近似したMgOを含むガラス組成であることが好ましい。あるいは、第二溶融ガラスGm2は、TiO2を実質的に含むことなく(例えば、TiO2の含有量が0.001%未満)、MgOを含むガラスであることが好ましい。
【0081】
第二溶融ガラスGm2がTiO2を実質的に含まない場合、形成工程で第二溶融ガラスGm2を成形体15の表面に沿って流下させながら、ガラスリボンを成形しても、得られるガラスリボンにイットリウム含有酸化物に由来する失透物が発生しない。そのため、得られるガラスリボンからもガラス基板を安定して採取することが可能となる。
【0082】
Mgリッチ層MRの形成を促進する観点からは、第二溶融ガラスGm2のMgO含有量は1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。第一溶融ガラスGm1と第二溶融ガラスGm2とのガラス組成が異なる場合、第二溶融ガラスGm2のMgO含有量は、第一溶融ガラスGm1のMgO含有量よりも多いことが好ましい。
【0083】
第一溶融ガラスGm1と第二溶融ガラスGm2とのガラス組成が異なる場合、Mgリッチ層MRを形成した後に、成形体15に供給する溶融ガラスを、第二溶融ガラスGm2から第一溶融ガラスGm1に徐々に変化させる素地替え工程を行うことが好ましい。成形工程は、素地替え工程が完了した後に開始する。
【0084】
なお、Mgリッチ層MRの形成方法はこれに限定されない。例えばスパッタ成膜によってMgリッチ層MRを形成してもよい。
【0085】
本発明の実施形態に係るガラス物品の製造装置及びその製造方法について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を施すことが可能である。
【0086】
上記の実施形態において、成形工程を行っている間に、Mgリッチ層MRが消失等した場合には、Mgリッチ層MRを形成するために再び形成工程を行ってもよい。つまり、形成工程と成形工程とを交互に繰り返してもよい。
【0087】
上記の実施形態において、ガラス板Gpは、アルミノシリケートガラスからなる化学強化用ガラスであってもよい。この場合、例えば客先において、ガラス板Gpを化学強化する強化工程が実施される。
【0088】
上記の実施形態では、ガラス物品がガラス板Gpである場合を説明したが、ガラス物品は、例えばガラスリボンGをロール状に巻き取ったガラスロールなどであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 処理装置
2 切断装置
3 検査装置
11 成形ゾーン
12 熱処理ゾーン
13 冷却ゾーン
14a ローラ対(冷却ローラ)
15 成形体
21 スクライブ線形成装置
22 折割装置
23 ホイールカッター
24 支持部材
25 折割部材
27 搬送装置
G ガラスリボン
Gm1 第一溶融ガラス
Gp ガラス板
MR Mgリッチ層