(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144606
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20231003BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20231003BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231003BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G03G21/00 378
B41J29/00 E
B41J29/38 104
B41J29/38 801
H04N1/00 912
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051671
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】増田 正利
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061CG02
2C061CG15
2C061HK11
2C061HN15
2C061HT06
2C061HT07
2H270KA13
2H270KA22
2H270KA23
2H270KA54
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA61
2H270KA62
2H270KA70
2H270LA01
2H270LA58
2H270LA79
2H270LD03
2H270LD05
2H270MB02
2H270MF01
2H270MF08
2H270MH01
2H270NA01
2H270ND02
2H270PA56
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC08
2H270ZD02
2H270ZD05
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC51
5C062AC58
(57)【要約】
【課題】受信強度とユーザーによるジョブの処理態様の履歴とに基づいた好適な特定処理態様でジョブが出力される画像形成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】
画像形成システム1は、BLEビーコン発信部20と、BLEビーコン受信部30と、測定部10と、記憶部11と、特定部12と、切替部13とを備える。BLEビーコン発信部20は、アドバタイズを発信する。BLEビーコン受信部30は、アドバタイズを受信する。測定部10は、アドバタイズの受信強度を測定する。記憶部11は、受信強度と、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴とを関連付けて記憶する。特定部12は、受信強度に基づいて、受信強度と対応付けられた処理態様を特定処理態様として特定する。切替部13は、特定処理態様に基づいてジョブを画像処理するモードを切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドバタイズを発信するBLEビーコン発信部と、
前記アドバタイズを受信するBLEビーコン受信部と、
前記アドバタイズの受信強度を測定する測定部と、
前記受信強度と、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記受信強度に基づいて、前記受信強度または前記履歴に対応付けられた特定処理態様を特定する特定部と、
前記特定処理態様に基づいて前記ジョブを画像処理するモードを切り替える切替部と
を備える、画像形成システム。
【請求項2】
前記特定処理態様に応じて、前記ジョブを画像処理するために使用する資源の使用量を調節する調節部と、
前記使用量で前記ジョブを画像処理する前記モードを設定する設定部と
を備える、請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記ジョブが画像形成されたシートを排出する排出部と、
前記排出部に排出された前記シートを検出する検出部と、
前記排出部から前記シートが回収されないことを前記BLEビーコン発信部に通知する通知部と
を備える、請求項1または請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記BLEビーコン発信部は、発信端末が有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記発信端末は、IDカード、または、スマートウォッチである、請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記BLEビーコン受信部は、受信端末が有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記受信端末は、画像形成装置である、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記受信端末は、PC端末である、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記測定部は、画像形成装置に配置される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記記憶部、または、前記特定部は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記切替部は、画像形成装置に配置される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記調節部、または、前記設定部のいずれかは、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置される、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記排出部、前記検出部、または、前記通知部のいずれかは、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置される、請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記記憶部、または、前記特定部は、PC端末に配置される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記調節部、または、前記設定部は、PC端末に配置される、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記資源は、電力、トナー、インク、または、シートのいずれかである、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記モードは、OFFモード、SLEEPモード、または、READYモードのいずれかである、請求項2に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、無駄な電力消費を低減できる画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、ユーザーによるジョブの処理履歴に基づいてジョブを処理するモードを切り替える画像形成システムを開示していない。
【0005】
本発明は、アドバタイズの受信強度、または、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴に基づいた好適な特定処理態様でジョブを画像処理するモードが切り替えられる画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る画像形成システム1は、BLEビーコン発信部と、BLEビーコン受信部と、測定部と、記憶部と、特定部と、出力部とを備える。前記BLEビーコン発信部は、アドバタイズを発信する。前記BLEビーコン受信部は、前記アドバタイズを受信する。前記測定部は、前記アドバタイズの受信強度を測定する。前記記憶部は、前記受信強度と、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴とを関連付けて記憶する。前記特定部は、前記受信強度に基づいて、前記受信強度に対応付けられた特定処理態様を特定する。前記切替部は、前記特定処理態様に基づいて前記ジョブを画像処理するモードを切り替える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成システムによれば、アドバタイズの受信強度、または、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴に基づいた好適な特定処理態様でジョブを画像処理するモードが切り替えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】受信強度と距離との関係の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る画像形成システムの制御を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る画像形成システムの制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については、同一の参照符号を付して、重複する説明を繰り返さない。
【0010】
図1および
図2を参照して、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を示す図である。
図1で説明される本実施形態は、本発明のすべての実施形態および具体例に適用され得る。
図2は、本実施形態に係る画像形成システム1の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、画像形成システム1は、発信端末2と、受信端末3とを備える。発信端末2と、受信端末3とは、無線通信により接続され得る。
【0012】
また、
図2に示すように、画像形成システム1は、BLEビーコン発信部20(Bluetooth Low Energy)と、BLEビーコン受信部30と、測定部10と、記憶部11と、特定部12と、切替部13と、調節部14と、設定部15と、排出部16と、検出部17と、通知部18とを備える。
【0013】
測定部10、特定部12、切替部13、調節部14、設定部15、および、通知部18は、一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現され得る。
【0014】
記憶部11は、半導体記憶デバイス、および磁気記憶デバイス等の任意の記憶デバイスを含んでよい。記憶部11は、複数の種類の記憶デバイスを含んでもよい。記憶部11は、メモリーカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。
【0015】
排出部16は、画像形成装置の構成において説明する。
【0016】
検出部17の一例は、超音波発信装置、および、超音波受信装置である。超音波発信装置から発信された超音波が後述する排出部16に排出されたシートに反射して、超音波受信装置で受信される。超音波受信装置が超音波を受信するか、または、受信した超音波の強度に基づいて、排出部16にシートがあることを検出する。
【0017】
次に、発信端末2は、BLEビーコン発信部20を有する。
【0018】
受信端末3は、BLEビーコン受信部30を有する。
【0019】
BLEは、Bluetooth(登録商標)の通信方式である。
【0020】
Bluetoothは、近距離無線通信の規格のひとつである。Bluetoothは、一例として、キーボード、マウスその他の周辺機器と、端末との無線通信に利用される。
【0021】
Bluetoothは、一例として、Bluetooth Classicと、BLEとに分類される。BLEは、Bluetoothの規格のなかで特に省電力に特化して規定された規格である。
【0022】
図1に示すように、BLEは、発信端末2と、受信端末3とにより構成される。
【0023】
発信端末2は、一般に、ペリフェラル、または、子機と称されることがある。
【0024】
発信端末2の一例は、IDカード、または、スマートウォッチである。
【0025】
受信端末3は、一般に、親機、または、セントラルと称されることがある。
【0026】
受信端末3の一例は、画像形成装置であってもよい。
【0027】
受信端末3の一例は、PC端末(PC:Personal Computer)であってもよい。
【0028】
画像形成システム1は、一例として、PC端末と、クラウドと、サーバーと、画像形成装置とを有する。
【0029】
PC端末は、ユーザーに割り当てられたコンピューターである。PC端末の一例は、デスクトップPC、ノートPC、タブレット、または、スマートフォンである。PC端末は、ジョブを生成してもよい。PC端末は、生成したジョブを、サーバー、クラウド、または、画像形成装置に送信してもよい。PC端末は、画像形成装置を制御してもよい。PC端末は、画像形成装置に指示して、ジョブを画像形成させることができる。
【0030】
クラウドは、インターネットなどのコンピューターネットワークを経由して、コンピューター資源を提供する利用形態であり、一例として、アプリケーションと、プラットフォームと、インフラストラクチャーとを有する。
【0031】
サーバーは、データを保管し、通信回線経由でリクエストがあったときに、対応するデータを提供する。
【0032】
画像形成装置は、複合機であってもよい。複合機は、画像読取装置による画像読取機能と、画像形成装置による画像形成機能とを複合した装置である。複合機は、一例として、スキャナー、プリンター、コピー機、電話機、印刷機、ファクシミリなどの機能を有する。
【0033】
画像読取装置は、原稿トレイと、原稿搬送装置と、原稿読取部と、原稿排出トレイとを有する。
【0034】
画像読取装置は、原稿に記載された画像を読み取り、画像情報を出力する。画像読取装置の一例は、スキャナーである。画像読取装置は、原稿搬送装置を取り付けることができる。原稿搬送装置の一例は、ADF(Auto Document Feeder)である。
【0035】
原稿トレイは、原稿を収納する。
【0036】
原稿読取部は、原稿トレイから搬送された原稿から画像を読み取る。
【0037】
原稿読取部は、読み取った画像から画像データを生成する。原稿読取部には、CIS(Contact Image Sensor)方式またはCCD(Charge Coupled Devices)方式がある。
【0038】
原稿排出トレイは、画像を読み取られた原稿を収容する。
【0039】
画像形成装置は、画像形成機能として、給送部と、搬送部と、画像形成部と、定着部と、排出部16とを有する。
【0040】
給送部は、シートトレイと、ピックアップローラーとを有する。シートトレイは、シートを収納する。ピックアップローラーは、シートトレイに収納されたシートを1枚ずつピックアップして、搬送部に給送する。
【0041】
画像形成部は、トナーまたはインクにより、シートに画像を形成する。画像形成装置が電子写真方式である場合、画像形成部は、感光体と、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置とを含む。
【0042】
感光体は、一例として、感光体ドラムである。感光体ドラムは、外周面に感光層を有する。感光体ドラムの一例は、セレンドラム、OPC(有機光導電体:Organic Photoconductor)である。
【0043】
帯電装置は、感光体の感光層を所定の電位に帯電する。帯電装置の一例は、コロナ放電器である。
【0044】
露光装置は、感光体の感光層にレーザー光を照射して露光する。露光装置は、画像データに基づいて感光体の感光層を露光する。この結果、感光体に静電潜像が形成される。露光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。
【0045】
現像装置は、一例として、磁性体からなるキャリアおよびトナーを含む二成分現像剤を収容する。そして、現像装置は、トナーによって感光体に形成された静電潜像を現像して、感光体にトナー画像を形成する。転写装置は、感光体上のトナー画像をシートに転写する。クリーニング装置は、転写後に感光体に残留している残留トナーを除去する。除電装置は、感光体を除電する。
【0046】
画像形成装置がインクジェットプリンターである場合、画像形成部は、インクカートリッジと、インクタンクと、ポンプと、ヘッドと、ノズルと、電極と、搬送ベルトとを有する。
【0047】
インクカートリッジおよびインクタンクは、一例として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色の水性インクを貯蔵する。
【0048】
ポンプは、インクタンクからヘッドにインクを供給する。
【0049】
ヘッドには、画素を構成する多数のノズルが配置される。ヘッドには、画像データに基づいて、画像データに対応する色のインクがインクタンクから供給される。ノズルからは、インクがシートに向けて吐出される。
【0050】
電極は、一例として、帯電電極と、偏向電極とを有する。帯電電極は、ノズルから吐出されたインクを帯電させる。偏向電極は、帯電されたインクの飛翔方向を制御する。
【0051】
搬送ベルトは、ヘッドのノズルと対向して配置され、シートを搬送する。搬送ベルトに搬送されるシートには、ヘッドのノズルから吐出されたインクにより画像が形成される。
【0052】
次に、画像形成装置が電子写真方式である場合、定着装置は、シートに現像されたトナー画像を加熱および加圧して、シートにトナー画像を定着させる。定着装置は、例えば、定着ローラーと、ヒーターと、プレスローラーとを有する。
【0053】
定着ローラーは、中空円筒状のローラーである。定着ローラーは、プレスローラーに圧着される。プレスローラーと定着ローラーとは、ニップ部を形成する。プレスローラーは、図示しない駆動部により回転駆動され、定着ローラーとニップ部を形成することにより、定着ローラーを回転させる。
【0054】
ヒーターは、図示しない電源から電力を供給されて定着ローラーを加熱する。ヒーターは、定着ローラーの内周面に近接して配置される。定着装置に搬送されたシートは、ニップ部を通過することにより、ヒーターに加熱され、トナー画像が定着される。
【0055】
画像形成装置がインクジェットプリンターである場合、定着装置は必要ない。
【0056】
排出部16は、画像形成装置6の本体の外部にシートを排出する。排出部16は、シート排出ローラーと、シート排出トレイとを有する。シート排出ローラーは、定着装置から搬送装置で搬送されたシートをシート排出トレイに排出する。シート排出トレイは、排出されたシートを収納する。
【0057】
次に、BLEビーコン発信部20は、アドバタイズを発信する。
【0058】
BLEビーコン受信部30は、アドバタイズを受信する。
【0059】
測定部10は、アドバタイズの受信強度を測定する。
【0060】
発信端末2のBLEビーコン発信部20は、電波、赤外線などの信号を発信する。BLEビーコン受信部30は、BLEビーコン発信部20から発信された電波、赤外線などの信号を受信する。
【0061】
BLEでは、受信端末3からの接続待ちをアドバタイズまたはアドバタイズ信号と称することがある。アドバタイズは、ブロードキャスト通信である。アドバタイズは、発信端末2が自端末の位置または存在を受信端末3に知らせるための無線信号である。発信端末2のBLEビーコン発信部20は、定期的にアドバタイズを発信してもよい。
【0062】
アドバタイズは、発信端末2を特定する情報、ユーザーのID情報、属性データ、その他、発信端末2またはユーザーに関するあらゆる情報を含んでもよい。アドバタイズは、発信端末2から受信端末3に複数の信号を発信できるマルチアドバタイズであってもよい。
【0063】
受信端末3のBLEビーコン受信部30は、周辺をスキャンして、アドバタイズを受信する。スキャンにより、受信端末3の周辺に発信端末2が存在することを検知する。
【0064】
受信端末3がアドバタイズを受信すると、アドバタイズの受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を得る。
【0065】
すなわち、測定部10は、アドバタイズの受信強度を測定する。
【0066】
測定部10は、画像形成装置に配置されてもよい。
【0067】
本実施形態によれば、画像形成装置の測定部10が、画像形成装置の周辺に存在する受信端末3が受信するアドバタイズの強度を測定することができる。
【0068】
ここで、
図3を参照して、測定部10が受信するアドバタイズの受信強度と、発信端末2と受信端末3の距離との関係の一例を説明する。
図3は、受信強度と距離との関係の一例を示す図である。
図2の縦軸は、測定部10が受信するアドバタイズの受信強度を示す。受信強度は負の数で表わされ、単位は(dBm)である。横軸は、発信端末2と受信端末3の距離であり、単位は(m)である。
【0069】
図3に示すように、例えば、距離が0.3mのとき、受信強度は-40dBmである。距離が1mのとき、受信強度は-45dBmである。距離が5mのとき、受信強度は-55dBmである。距離が30mを超えると、一般にアドバタイズは受信できない。
【0070】
次に、記憶部11は、受信強度と、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴とを関連付けて記憶する。
【0071】
記憶部11は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0072】
特定部12は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0073】
記憶部11は、PC端末に配置されてもよい。
【0074】
特定部12は、PC端末に配置されてもよい。
【0075】
特定部12は、受信強度に基づいて、受信強度と対応付けられた特定処理態様を特定する。
【0076】
特定処理態様は、ジョブデータ入力機能、画像形成機能、または、原稿読取機能のいずれかの機能を発揮させる態様であってもよい。
【0077】
特定処理態様は、ジョブデータ入力機能、画像形成機能、または、原稿読取機能のいずれかの機能の稼働比率であってもよい。
【0078】
特定処理態様の具体例については、
図4~
図9を参照して後述する。
【0079】
切替部13は、特定処理態様に基づいてジョブを画像処理するモードを切り替える。
【0080】
切替部13は、画像形成装置に配置されてもよい。
【0081】
すなわち、切替部13は、画像形成装置の給送部、画像形成部、搬送部、電子写真方式における定着部、または、排出部16の動作モードを切り替えるよう構成されてもよい。
【0082】
本実施形態によれば、BLEビーコン発信部20が発信したアドバタイズをBLEビーコン受信部30が受信し、受信強度とユーザーによるジョブの処理態様の履歴とに基づいて特定処理態様が特定される。そのため、ユーザーに関する履歴に基づいた好適な特定処理態様で、ジョブが出力される。
【0083】
本実施形態によれば、記憶部11または特定部12が、画像形成装置に配置されることにより、画像形成装置が単独でジョブを処理することができる。
【0084】
本実施形態によれば、記憶部11または特定部12が、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されことにより、画像形成装置の構成が簡素になり、画像形成装置の処理負担が軽減される。
【0085】
本実施形態によれば、切替部13が画像形成装置に配置されることにより、画像形成装置は、ジョブを特定処理態様で画像処理するようモードを切り替えることができる。そのため、ユーザーと画像形成装置との距離、ジョブの処理態様の履歴に応じて、必要な画像処理機能を稼働させることができる。
【0086】
本実施形態によれば、記憶部11または特定部12が、PC端末に配置されることにより、画像形成装置の構成が簡素になり、画像形成装置の処理負担が軽減される。
【0087】
次に、調節部14は、特定処理態様に応じて、ジョブを画像処理するために使用する資源の使用量を調節する。
【0088】
資源は、電力、トナー、インク、または、シートのいずれかであってもよい。
【0089】
設定部15は、資源の使用量でジョブを画像処理するモードを設定する。
【0090】
モードは、OFFモード、SLEEPモード、または、READYモードのいずれかであってもよい。
【0091】
OFFモードは、一例として、ディスプレイを非表示にするモードである。OFFモードは、さらに、電子写真方式の画像形成装置において、定着部への電力供給を停止するモードであってもよい。
【0092】
SLEEPモードは、一例として、ディスプレイを非表示にするモードである。
【0093】
READYモードは、ディスプレイを表示させ、ディスプレイに情報を表示し、ユーザーによる指示を受け付けるモードである。READYモードは、原稿読取機能、画像形成機能の稼働が準備されているモードであってもよい。
【0094】
すなわち、一例として、調節部14は、OFFモードにおいて、ディスプレイを非表示にするよう調節する。調節部14は、OFFモードにおいて、電子写真方式の画像形成装置における定着部への電力供給を停止するよう調節する。
【0095】
また、一例として、調節部14は、SLEEPモードにおいて、ディスプレイを非表示にするよう調節する。
【0096】
また、一例として、調節部14は、READYモードにおいて、ディスプレイを表示させ、情報の表示、ユーザーによる指示を受け付けるよう調節する。調節部14は、READYモードにおいて、原稿読取機能、画像形成機能の稼働を準備するよう調節する。
【0097】
調節部14は、画像形成装置に配置されてもよい。
【0098】
調節部14は、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0099】
設定部15は、画像形成装置に配置されてもよい。
【0100】
設定部15は、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0101】
調節部14は、PC端末に配置される。
【0102】
設定部15は、PC端末に配置される。
【0103】
本実施形態によれば、必要な機能の稼働に資源を集中的に投入することができ、画像形成装置の省エネルギーを実現できる。
【0104】
本実施形態によれば、調節部14および設定部15が画像形成装置に配置されることにより、画像形成装置が単独でジョブを画像処理することができる。
【0105】
本実施形態によれば、調節部14および設定部15が、サーバーまたはクラウドのいずれかに配置されることにより、画像形成装置の構成が簡素になり、画像形成装置の画像処理負担が軽減される。
【0106】
本実施形態によれば、調節部14または設定部15が、PC端末に配置されることにより、画像形成装置の構成が簡素になり、画像形成装置の画像処理負担が軽減される。
【0107】
本実施形態によれば、電力、トナー、インク、または、シートなどの資源を有効利用することができ、省エネルギーを実現することができる。
【0108】
本実施形態によれば、OFFモード、SLEEPモード、または、READYモードに切り換えることにより、受信強度と、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴とに基づいて、効率的に電力供給することができ、省エネルギーを実現できる。
【0109】
排出部16は、ジョブが画像形成されたシートを排出する。
【0110】
検出部17は、排出部16に排出されたシートを検出する。
【0111】
通知部18は、排出部16からシートが回収されないことをBLEビーコン発信部20に通知する。
【0112】
排出部16は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0113】
検出部17は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0114】
通知部18は、画像形成装置、サーバー、または、クラウドのいずれかに配置されてもよい。
【0115】
本実施形態によれば、通知部18が、排出部16からシートが回収されていないことを発信端末2に通知するため、画像形成済みのシートの取り忘れを抑制することができる。
【0116】
本実施形態によれば、排出部16、検出部17、および、通知部18が画像形成装置に配置されることにより、画像形成装置が単独で、シートの取り忘れを通知できる。
【0117】
本実施形態によれば、検出部17、および、通知部18が、サーバーまたはクラウドのいずれかに配置されることにより、画像形成装置の構成が簡素になり、画像形成装置の処理負担が軽減される。
【0118】
次に、
図4~
図9を参照して、ユーザーごとの特定処理態様を説明する。
図4~
図9は、特定処理態様の具体例を説明する図である。
【0119】
図4~
図9は、時間帯ごとに、発信端末2と受信端末3との位置関係、画像形成装置の使用履歴、および、特定処理態様の関係を示す。
【0120】
図4は、あるオフィスの平日の午前8時における発信端末2と受信端末3との位置関係、画像形成装置の使用履歴、および、特定処理態様の関係を示す。
【0121】
例えば、平日の午前8時において、ユーザーB~ユーザーJが所持する発信端末2(例えば、IDカード)と、オフィスの受信端末3(例えば、複合機)とは、30m以上の距離がある。ユーザーB~ユーザーJが所持する発信端末2(IDカード)のBLEビーコン発信部20が発信するアドバタイズは、オフィスの受信端末3(複合機)のBLEビーコン受信部30で受信されない。従って、測定部10は、ユーザーB~ユーザーJが所持する発信端末2(IDカード)が送信したアドバタイズを、オフィスの受信端末3(複合機)が受信する受信強度を、ほぼ0と測定する。
【0122】
また、ユーザーB~ユーザーJに割り当てられた受信端末3(PC端末)は非起動状態(非アクティブ状態)である。すなわち、ユーザーB~ユーザーJはまだ出勤していない。
【0123】
識別番号001のユーザーAが所持する発信端末2とオフィスの受信端末3との距離は1mである。ユーザーAが所持する発信端末2が送信したアドバタイズを、オフィスの受信端末3が受信する受信強度は、非常に大きい。測定部10は、非常に大きな受信強度を測定する。また、ユーザーAに割り当てられた受信端末3(PC端末)は起動状態(アクティブ状態)である。すなわち、ユーザーAはすでに出勤している。
【0124】
しかし、ユーザーAの過去30日間における、複合機の画像形成機能、原稿読取機能、コピー機能、およびメモリー機能の使用頻度は、低頻度である。そのため、ユーザーAにより複合機のプリントジョブが実行される可能性は低い。また、ユーザーAにより複合機のスキャナージョブ、コピージョブ、および、メモリージョブが実行される可能性も低い。
【0125】
特定部12は、受信強度が非常に大きいが、使用頻度が低頻度であることに基づいて、複合機の特定処理態様を、OFFモードからSLEEPモードに変更して特定する。別言すれば、特定部12は、複合機の特定処理態様を、OFFモードからいきなりREADYモードに変更して特定しない。
【0126】
以下、
図5~
図9は、簡略に説明する、
図5では、平日の午前10時において、多くのユーザーがすでに出勤している。ユーザーDおよびユーザーFは、複合機を操作していると推測される。さらに、ユーザーFは、画像形成機能を高頻度で使用した履歴を有する。
【0127】
従って、特定部12は、受信強度が非常に大きいユーザーDおよびユーザーFを検知し、使用頻度が高頻度であるユーザーFを検知したことに基づいて、複合機の特定処理態様を、SLEEPモードからREADYモードに変更して特定する。特定部12は、複合機の特定処理態様を、OFFモードからREADYモードに変更して特定してもよい。
【0128】
図6では、平日の午前12時において、すべてのユーザーが、例えば、外出したため不在である。
【0129】
従って、特定部12は、受信強度がほぼ0であることから、使用頻度に関わらず、複合機の特定処理態様を、READYモードからOFFモードに変更して特定する。特定部12は、複合機の特定処理態様を、READYモードからSLEEPモードに変更して特定してもよい。
【0130】
図7では、平日の午後2時において、多くのユーザーが外出し、ユーザーAおよびユーザーGが、例えば、会議等で複合機から離れている。さらに、ユーザーAおよびユーザーGの、複合機の画像形成機能等の使用頻度は、低頻度か、または未使用である。
【0131】
従って、特定部12は、受信強度が非常に弱く、使用頻度が低頻度または未使用であることから、複合機の特定処理態様を、READYモードからSLEEPモードに変更して特定する。
【0132】
図8では、平日の午後4時において、多くのユーザーが会議等で複合機から離れており、ユーザーHが複合機を操作しようとしている。さらに、ユーザーHの、複合機の原稿読取機能等の使用頻度は、高頻度である。
【0133】
従って、特定部12は、受信強度が非常に大きく、使用頻度が高頻度であることから、複合機の特定処理態様を、SLEEPモードからREADYモードに変更して特定する。
【0134】
図9では、平日の午後6時において、すべてのユーザーが退勤している。
【0135】
従って、特定部12は、受信強度がほぼ0であることから、使用頻度に関わらず、複合機の特定処理態様を、READYモードからOFFモードに変更して特定する。特定部12は、複合機の特定処理態様を、SLEEPモードからOFFモードに変更して特定してもよい。
【0136】
次に、
図10および
図11を参照して、画像形成システム1の制御を説明する。
【0137】
図10よび
図11は、本実施形態に係る画像形成システム1の制御を示すフローチャートである。
【0138】
図10および
図11のフローチャートは、すべてのステップが処理されてもよい。
図10および
図11のフローチャートは、一部のステップが処理されてもよい。
【0139】
図10および
図11に示すように、フローチャートは、ステップS10からステップS23を含む。具体的には次の通りである。
【0140】
ステップS10において、発信端末2のBLEビーコン発信部20は、アドバタイズを発信する。処理はステップS11に進む。
【0141】
ステップS11において、受信端末3のBLEビーコン受信部30は、アドバタイズを受信する。処理はステップS12に進む。
【0142】
ステップS12において、測定部10は、アドバタイズの受信強度を測定する。受信強度が所定値以上に強い場合、処理はステップS13に進む。受信強度が所定値よりも弱い場合、処理はステップS15に進む。
【0143】
受信強度が所定値以上に強い場合(ステップS12においてYes)、ステップS13において、記憶部11は、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴を読み出す。ユーザーの処理態様の履歴が高頻度の場合(ステップS13においてYes)、処理はステップS14に進む。ユーザーの処理態様の履歴が高頻度ではない場合(ステップS13においてNo)、処理はステップS16に進む。
【0144】
ユーザーの処理態様の履歴が高頻度の場合(ステップS13においてYes)、ステップS14において、特定部12は、受信強度に基づいて、受信強度と対応付けられた処理態様を特定処理態様として特定する。調節部14は、特定処理態様に応じて、ジョブを処理するために使用する資源の使用量を調節する。設定部15は、READYモードを設定する。処理は、
図11に示すステップS18に進む。
【0145】
ユーザーの処理態様の履歴が高頻度ではない場合(ステップS13においてNo)、ステップS16において、設定部15は、SLEEPモードを設定する。処理は、
図11に示すステップS18に進む。
【0146】
受信強度が所定値よりも弱い場合(ステップS12においてNo)、ステップS15において、記憶部11は、ユーザーによるジョブの処理態様の履歴を読み出す。ユーザーの処理態様の履歴が高頻度の場合(ステップS15においてYes)、処理はステップS16に進む。ユーザーの処理態様の履歴が高頻度ではない場合(ステップS15においてNo)、処理はステップS17に進む。
【0147】
ユーザーの処理態様の履歴が高頻度の場合(ステップS15においてYes)、ステップS16において、設定部15は、SLEEPモードを設定する。処理は、
図11に示すステップS18に進む。
【0148】
ユーザーの処理態様の履歴が高頻度ではない場合(ステップS15においてNo)、ステップS17において、設定部15は、OFFモードを設定する。処理は、
図11に示すステップS18に進む。
【0149】
図11に示すステップS18において、切替部13は、特定処理態様に基づいてジョブを画像処理するモードを切り替える。処理はステップS19に進む。
【0150】
ステップS19において、排出部16は、ジョブが画像形成されたシートを排出する。処理はステップS20に進む。
【0151】
ステップS20において、検出部17は、排出部16に排出されたシートを検出する。シートが検出された場合(Yes)、処理はステップS21に進む。シートが検出されなかった場合(No)、処理はステップS22に進む。
【0152】
シートが検出された場合(ステップS20においてYes)、ステップS21において、通知部18は、排出部16からシートが回収されないことを発信端末2に通知する。処理はステップS22に進む。
【0153】
シートが検出されなかった場合(ステップS20においてNo)、ステップS22において、図示しない制御部は、ジョブが終了したか否かを判定する。ジョブが終了した場合(Yes)、処理はステップS23に進む。ジョブが終了していない場合(No)、処理はステップS18に進み、処理が継続される。
【0154】
ジョブが終了した場合(ステップS22においてYes)、ステップS23において、制御部は、電源がOFFされたか否かを判定する。電源がOFFされた場合(Yes)、処理は終了する。電源がOFFされていない場合(No)、処理は
図10に示すステップS12に進み、処理が継続される。
【0155】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示していることがある。図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なってもよい。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明は、画像形成システムの分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0157】
1 画像形成システム
2 発信端末
20 BLEビーコン発信部
3 受信端末
30 BLEビーコン受信部
10 測定部
11 記憶部
12 特定部
13 出力部
14 調節部
15 設定部
16 排出部
17 検出部
18 通知部