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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014462
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】電子黒板
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20230124BHJP
   H04N 23/66 20230101ALI20230124BHJP
   H04N 23/69 20230101ALI20230124BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20230124BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20230124BHJP
   B43L 1/00 20060101ALI20230124BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20230124BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230124BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20230124BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G06F3/0484
H04N5/232 030
H04N5/232 960
H04N5/222 300
G06F3/0488 160
B43L1/00 Z
G09G5/36 520M
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/00 550X
G09G5/00 510X
G09G5/36 520E
G09G5/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118402
(22)【出願日】2021-07-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1. テクノホライゾン株式会社公式ホームページ、ニュース欄における2021年6月発表の新製品・サービスに係るプレスリリース ウェブサイトの掲載日 令和3年6月2日 ウェブサイトのアドレス https://www.technohorizon.co.jp/news/ 2. テクノホライゾン株式会社令和3年6月2日発表のプレスリリース 電子黒板「xSync Board」2021年度モデル発売開始のお知らせ
(71)【出願人】
【識別番号】521126427
【氏名又は名称】テクノホライゾン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】新田 洋次
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙
【テーマコード(参考)】
5C122
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C122DA28
5C122EA63
5C122FD02
5C122FE05
5C122FH01
5C122FK37
5C122FK38
5C122FK40
5C122GC53
5C122HB01
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB06
5C182AB08
5C182AB13
5C182AC01
5C182AC03
5C182AC12
5C182AC43
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA65
5C182BA66
5C182BB13
5C182BC01
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CA02
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB32
5C182CB42
5C182CB47
5C182CB57
5C182CC02
5C182CC21
5C182CC26
5C182DA33
5C182DA34
5C182DA35
5C182DA52
5C182DA64
5C182DA65
5E555AA02
5E555AA11
5E555AA16
5E555BA28
5E555BB28
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB33
5E555CB34
5E555CB74
5E555CC01
5E555DB11
5E555DB18
5E555DB20
5E555DC09
5E555DC21
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】電子黒板のディスプレイ部に外部機器の操作アイコンを表示して、電子黒板側から外部機器に係る所定の操作を遠隔操作可能に構成し、利便性を向上させた電子黒板を提供する。
【解決手段】電子黒板10に、特定の識別子を有する特定書画カメラ50を接続したとき、ディスプレイ部の描画エリア11にホームアイコン列30、主操作アイコン列35と併せて特定書画カメラを遠隔操作可能なメニューをアイコン状で表示する副操作アイコン列40を所定の手順で展開表示可能に構成した。これによって、特定書画カメラから電子黒板が離れているときに、ユーザーが電子黒板に相対して説明する場合であっても、特定書画カメラのもとへ戻らずに電子黒板側で副操作アイコンをタッチ操作して、特定書画カメラのズームを調整し、自動で合焦し、又は明度を調整して撮像することができるので、電子黒板へ高精細な撮像画像を送信し、描画エリア11へ表示することができる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の所定画像を階層状に重ね合わせて表示可能な描画エリアを備え、当該描画エリア内にタッチパネル機能を設けたディスプレイ部と、
一の主操作に対して所定の第1応答動作が割り当てられた複数個の主操作アイコンが、前記描画エリア内の所定位置に配置された主操作画像を備えた主操作部と、
外部機器を接続可能な複数個の入出力端子を備え、前記外部機器から所定の信号が入力され、若しくは当該外部機器へ前記信号を出力する入出力部と、
前記ディスプレイ部、前記主操作部、及び前記入出力部間を伝送する前記信号を制御する制御部とを有し、
前記外部機器内で形成された或いは保存された外部画像に係る画像信号が、前記外部機器から前記入出力部へ入力されたとき、
前記制御部で、前記画像信号に基づく外部画像に前記主操作画像を重ね合わせて、前記ディスプレイ部の前記描画エリアへ表示するとともに、
前記主操作アイコンを操作して、前記描画エリア上に表示されている前記外部画像に対して前記第1応答動作に係る所定の画像処理を行うようにした電子黒板において、
前記制御部に、
前記外部機器に含まれる外部画像入力装置を識別可能な一般情報を備えた一般識別子と、当該外部画像入力装置に含まれる特定外部画像入力装置を識別可能な特定情報を備えた特定識別子が記憶された記憶手段と、
前記一般識別子又は前記特定識別子を備えた識別信号が、前記入出力部へ入力されたことを検知する検知手段と、
当該検知手段で検知された前記一般識別子と前記特定識別子が、前記記憶手段に記憶された前記一般識別子或いは前記特定識別子であるかを照合判定する判定手段とを設け、
前記外部機器が前記入出力部へ接続されたときに、
前記検知手段が、前記識別信号に基づいて、接続された前記外部機器が前記外部画像入力装置又は前記特定外部画像入力装置であることを検知したとき、
前記制御部が、前記外部画像入力装置又は前記特定外部画像入力装置で撮像形成し、又は保存している前記外部画像を前記描画エリアへ表示した場合に、当該外部画像に対して所定の前記画像処理を操作できるように、前記主操作アイコンを前記描画エリア内へ表示可能に制御し、
前記判定手段が、前記検知手段で検知した前記一般識別子又は前記特定識別子と、前記記憶手段に記憶された前記特定識別子を照合して、前記入出力部に接続されている前記外部画像入力装置が、前記特定外部画像入力装置であると判定したとき、
前記制御部が、前記特定識別子の前記特定情報に基づいて、一の副操作に対して前記特定外部画像入力装置が所定の第2応答動作を行うように割り当てた複数個の副操作アイコンを、前記描画エリアの所定位置に配置した副操作画像を備えた副操作部を起動させるように構成して、
前記描画エリアに表示された前記副操作アイコンが操作されたとき、
前記制御部が、前記入出力部を介して前記第2応答動作に係る一の操作信号を出力し、
前記特定外部画像入力装置が、取得した前記操作信号に基づいて所定の前記第2応答動作を行うようにして、
前記副操作部から前記特定外部画像入力装置を遠隔操作するようにしたことを特徴とする電子黒板。
【請求項2】
前記描画エリア内で、前記主操作画像上の前記主操作アイコンと前記副操作画像上の前記副操作アイコンとが、互いに重なり合わない位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子黒板。
【請求項3】
前記主操作アイコンと前記副操作アイコンが、前記描画エリアの周縁部近傍に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電子黒板。
【請求項4】
前記第2応答動作が、前記特定外部画像入力装置のフォーカス、拡大・縮小、明度の少なくともいずれか一つに係る動作であることを特徴とする請求項1に記載の電子黒板。
【請求項5】
前記主操作部及び前記副操作部が、前記ディスプレイ部近傍に複数個の操作スイッチを有していることを特徴とする請求項1に記載の電子黒板。
【請求項6】
前記外部機器並びに前記外部画像入力装置及び前記特定外部画像入力装置が、有線又は無線の双方向通信回線、又は当該双方向通信回線から構成された所定の通信網を介して前記入出力部に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子黒板。
【請求項7】
前記特定外部画像入力装置が、書画カメラであることを特徴とする請求項1に記載の電子黒板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子黒板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子黒板とは、ディスプレイ表面に指又はスタイラスペン等を用いて描いた文字、線図が電子的に変換されて表示されるようにした液晶モニタ装置であって、文字等とともに電子黒板に接続した外部機器、たとえば、パソコン端末装置、デジタルカメラ、書画カメラ、USBメモリ装置から取り込んだ動画又は静止画からなる画像を表示することができるように構成されている。
そして、いくつかの資料や写真を表示したパソコン端末装置の画面をそのまま電子黒板に表示すことができ、さらに任意の写真を指定し、当該写真を拡大又は縮小して表示することができる。また、電子黒板上の板書を画像データとして記録保存し、当該データをパソコン端末装置又はUSBメモリ装置へ保存することができ、当該板書を静止画のデータではなく動画として録画保存することも可能であるので、授業の記録或いは会議の議事録を容易に形成することができる。
【0003】
特開2018-67018号公報に開示されている電子黒板は、無線通信回線を使用して上記の外部機器、特にパソコン端末装置と接続し、電子黒板側のディスプレイに表示されたパソコン端末装置の画面に対してクリック等の操作をすることによって、パソコン端末装置側を遠隔操作するようにしている。これによって、有線ケーブルの距離以上に離れた位置にあるパソコン端末装置の画面を表示し、有線ケーブルを差替えなくとも一の端末装置と他の端末装置の接続を切り替え可能に構成している。
【0004】
上記した外部機器のうち、書画カメラとは、撮像テーブル上に載置した物、書類、見開き表示した本を俯瞰するようにカメラで撮像し、撮像した画像を接続した電子黒板又はモニタ装置へ表示することができるようにしたカメラである。
出願人は、書画カメラについて、たとえば、特許第6754816号等の特許権を有し、当該書画カメラについて製造販売等の実施をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-67018号公報
【特許文献2】特許第6754816号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、電子黒板が急速に普及するにあたって、下記のような問題が明らかになった。
第1の問題は、教室等における電子黒板の一般的なレイアウトに関するものである。
一般的なレイアウトとは、たとえば、図8に示すように、教室内において、従来の黒板前または当該黒板前の教壇上に電子黒板を配置し、電子黒板の脇に設置された教卓上に外部機器、たとえば、パソコンと書画カメラを載置し、当該外部機器と電子黒板を接続するものである。
この場合に、教師は、教卓上の外部機器を操作して授業を進めるほか、従来の黒板を使用した授業のように電子黒板に文字等を書き込んだりする場合があり、さらには、図8に示すように、生徒を前に立たせて電子黒板に表示した問題に対して解答等を書き込ませる場合がある。
後者の場合、教師の立ち位置が、図8に示すように、生徒を挟んで教卓から離れているとき、接続した外部機器からの画面を切り替える等、外部機器を操作するときに生徒と電子黒板を横切って教卓まで移動しなければならない。
このように主として電子黒板と外部機器を操作する教師、ユーザーが、遠く離れた位置の外部機器を操作する必要が生じたとき、その都度外部機器のもとへ戻るのは授業の進行の妨げとなり、生徒の集中力を削ぐおそれがある。
第2の問題は、電子黒板が外部機器から取り込んでディスプレイ部へ映し出す画像に関するものである。
電子黒板は、外部機器から取得した画像信号に基づく画像をディスプレイに表示している。このとき、電子黒板は、ディスプレイに表示している画像に対して拡大または縮小したり、回転させたりといった画像処理を実行可能に構成されており、外部機器が出力する画像信号を処理しているものでは無い。そのため、ディスプレイに表示されている画像を拡大したとき、拡大画像の粗さが目立ったり、逆に縮小したとき、画像内の線、文字が潰れて見難くなったりして画像が荒れるおそれがある。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、電子黒板のディスプレイ部に外部機器の操作アイコンを表示して、電子黒板側から外部機器に係る所定の操作を遠隔操作可能に構成し、利便性を向上させた電子黒板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の電子黒板は、複数枚の所定画像を階層状に重ね合わせて表示可能な描画エリアを備え、当該描画エリア内にタッチパネル機能を設けたディスプレイ部と、
一の主操作に対して所定の第1応答動作が割り当てられた複数個の主操作アイコンが、前記描画エリア内の所定位置に配置された主操作画像を備えた主操作部と、
外部機器を接続可能な複数個の入出力端子を備え、前記外部機器から所定の信号が入力され、若しくは当該外部機器へ前記信号を出力する入出力部と、
前記ディスプレイ部、前記主操作部、及び前記入出力部間を伝送する前記信号を制御する制御部とを有し、
前記外部機器内で形成された或いは保存された外部画像に係る画像信号が、前記外部機器から前記入出力部へ入力されたとき、
前記制御部で、前記画像信号に基づく外部画像に前記主操作画像を重ね合わせて、前記ディスプレイ部の前記描画エリアへ表示するとともに、
前記主操作アイコンを操作して、前記描画エリア上に表示されている前記外部画像に対して前記第1応答動作に係る所定の画像処理を行うようにした電子黒板において、
前記制御部に、
前記外部機器に含まれる外部画像入力装置を識別可能な一般情報を備えた一般識別子と、当該外部画像入力装置に含まれる特定外部画像入力装置を識別可能な特定情報を備えた特定識別子が記憶された記憶手段と、
前記一般識別子又は前記特定識別子を備えた識別信号が、前記入出力部へ入力されたことを検知する検知手段と、
当該検知手段で検知された前記一般識別子と前記特定識別子が、前記記憶手段に記憶された前記一般識別子或いは前記特定識別子であるかを照合判定する判定手段とを設け、
前記外部機器が前記入出力部へ接続されたときに、
前記検知手段が、前記識別信号に基づいて、接続された前記外部機器が前記外部画像入力装置又は前記特定外部画像入力装置であることを検知したとき、
前記制御部が、前記外部画像入力装置又は前記特定外部画像入力装置で撮像形成し、又は保存している前記外部画像を前記描画エリアへ表示した場合に、当該外部画像に対して所定の前記画像処理を操作できるように、前記主操作アイコンを前記描画エリア内へ表示可能に制御し、
前記判定手段が、前記検知手段で検知した前記一般識別子又は前記特定識別子と、前記記憶手段に記憶された前記特定識別子を照合して、前記入出力部に接続されている前記外部画像入力装置が、前記特定外部画像入力装置であると判定したとき、
前記制御部が、前記特定識別子の前記特定情報に基づいて、一の副操作に対して前記特定外部画像入力装置が所定の第2応答動作を行うように割り当てた複数個の副操作アイコンを、前記描画エリアの所定位置に配置した副操作画像を備えた副操作部を起動させるように構成して、
前記描画エリアに表示された前記副操作アイコンが操作されたとき、
前記制御部が、前記入出力部を介して前記第2応答動作に係る一の操作信号を出力し、
前記特定外部画像入力装置が、取得した前記操作信号に基づいて所定の前記第2応答動作を行うようにして、
前記副操作部から前記特定外部画像入力装置を遠隔操作するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の電子黒板は、請求項1に記載の発明において、前記描画エリア内で、前記主操作画像上の前記主操作アイコンと前記副操作画像上の前記副操作アイコンとが、互いに重なり合わない位置に配置されていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の電子黒板は、請求項2に記載の発明において、前記主操作アイコンと前記副操作アイコンが、前記描画エリアの周縁部近傍に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の電子黒板は、請求項1に記載の発明において、前記第2応答動作が、前記特定外部画像入力装置のフォーカス、拡大・縮小、明度の少なくともいずれか一つに係る動作であることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の電子黒板は、請求項1に記載の発明において、前記主操作部及び前記副操作部が、前記ディスプレイ部近傍に複数個の操作スイッチを有していることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の電子黒板は、請求項1に記載の発明において、前記外部機器並びに前記外部画像入力装置及び前記特定外部画像入力装置が、有線又は無線の双方向通信回線、又は当該双方向通信回線から構成された所定の通信網を介して前記入出力部に接続されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の電子黒板は、請求項1に記載の発明において、前記特定外部画像入力装置が、書画カメラであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電子黒板によれば、識別信号に基づいて、接続された外部機器が外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置であることを検知したとき、制御部が、外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置で撮像形成し、又は保存している外部画像を描画エリアへ表示した場合に、当該外部画像に対して所定の画像処理を操作できるように、主操作アイコンを描画エリア内へ表示可能に制御するようにした。
これによって、従来の電子黒板と同様に外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置を接続したとき、外部画像を表示し、描画エリアに表示した主操作アイコンから所定の画像処理に係る操作を行うことができる。
さらに、識別信号が備える外部画像入力装置に係る一般識別子又は特定外部画像入力装置に係る特定識別子と、電子黒板側に記憶された特定識別子を照合して、入出力部に接続されている外部画像入力装置が、特定外部画像入力装置であると判定したとき、制御部が、特定識別子の特定情報に基づいて、一の副操作に対して特定外部画像入力装置が所定の第2応答動作を行うように割り当てた複数個の副操作アイコンを描画エリアの所定位置に配置した副操作画像を備えた副操作部を起動させるように構成して、描画エリアに表示された副操作アイコンが操作されたとき、制御部が、入出力部を介して第2応答動作に係る一の操作信号を出力し、特定外部画像入力装置が、取得した操作信号に基づいて所定の第2応答動作を行うようにして、副操作部から特定外部画像入力装置を遠隔操作するようにした。
これによって、特定外部画像入力装置で撮像する外部画像を描画エリアに表示する場合に、副操作部から特定画像入力装置を遠隔操作し、たとえば、カメラをズームイン又はズームアウトさせて撮像した画像に係る画像信号を出力させることができるので、描画エリアに文字、図形等が潰れていない高精細な拡大又は縮小画像を表示させることができる。
加えて、電子黒板に予め登録された特定外部画像入力装置のみ遠隔操作可能にして、電子黒板と特定外部画像入力装置をセットで使用したときの利便性を向上させることができ、これによって、電子黒板のユーザーに対して特定外部画像入力装置を販売し、当該ユーザーを囲い込むことができる。
【0016】
また好ましくは、描画エリア上に重ね合わされて表示される主操作画像と副操作画像において、主操作画像に含まれる主操作アイコンと、副操作画像に含まれる副操作アイコンが互いに重なり合わないようにした。これによって、外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置を接続したときに表示される主操作アイコンに妨げられることなく、接続された特定外部画像入力装置に係る副操作アイコンをディスプレイ上に表示することができ、遠隔操作の際の利便性を向上させることができる。
さらに好ましくは、主操作アイコン及び副操作アイコンが、描画エリア周縁部近傍に表示されるようにした。これによって、電子黒板、並びに特定外部画像入力装置又は外部画像入力装置のレイアウトに応じて、ユーザーが操作しやすい場所に主操作アイコンと副操作アイコンを展開表示させることができ、遠隔操作の際の利便性を向上させることができる。
そして好ましくは、特定外部画像入力装置を接続したときに表示される副操作アイコンを操作したとき、特定外部画像入力装置のフォーカス、拡大・縮小、明度の少なくともいずれか一つが遠隔操作できるように構成した。これによって、特定外部画像入力装置を接続したとき、描画エリアへ画像を高精細に表示することができ、粗さの無い拡大画像、或いは縮小画像内の線、文字を鮮明に表示し、適切な明るさで画像を表示することができ、遠隔操作の際の利便性を向上させることができる。
また、主操作アイコン、副操作アイコンの操作に替えて、ディスプレイ部近傍に設けた操作スイッチを操作するようにしても良い。このように、描画エリアに表示した仮想的なアイコンからの操作に加えて、物理的な操作スイッチからも操作可能とすることによって、遠隔操作の際の利便性を向上させることができる。
【0017】
また好ましくは、前記外部機器並びに前記外部画像入力装置及び前記特定外部画像入力装置が、有線又は無線の双方向通信回線、又は当該双方向通信回線から構成された所定の通信網を介して前記入出力部へ直接又は間接的に接続されるようにした。
これによって、電子黒板と外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置との距離が離れている場合であっても両者を接続させることができ、電子黒板側から外部画像入力装置又は特定外部画像入力装置を遠隔操作することができる。
【0018】
さらにまた好ましくは、特定外部画像入力装置を書画カメラとした。当該書画カメラに係る特定情報を備えた特定識別子を電子黒板へ予め登録することによって、書画カメラを接続した電子黒板の利便性を向上させるとともに、ユーザーを囲い込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施例に係る電子黒板の構成の概略を示した説明図である。
図2】第1実施例に係る電子黒板の描画エリアの仮想的構成の概略を示した説明図である。
図3】第1実施例に係る電子黒板の制御構成の概略を示したブロック図である。
図4】第1実施例に係る電子黒板に外部画像入力装置を接続したときの制御部内の構成の概略を示したブロック図である。
図5】第1実施例に係る電子黒板の描画エリアにおける主操作部の操作アイコンを示した部分拡大図である。
図6】第1実施例に係る電子黒板の描画エリアにおける主操作部及び副操作部の操作アイコンを示した部分拡大図である。
図7】第1実施例に係る電子黒板に外部画像入力装置を接続したときの検知手段、判定手段の構成の概要を示したチャート図である。
図8】第1実施例に係る電子黒板の使用例を示した説明図である。
【実施例0020】
本発明に係る電子黒板の実施例を、添付した図面にしたがって説明する。図1は本実施例に係る電子黒板の構成の概略を示した説明図、図2は本実施例に係る電子黒板の描画エリアの仮想的な構成の概略を示した説明図、図3は本実施例に係る電子黒板の制御に係る構成の概略を示すブロック図である。
【0021】
電子黒板10は、図1に示すように、ディスプレイ部と、入出力端子部12と、操作スイッチ部13を有している。
ディスプレイ部は、所定の枠体に囲橈された描画エリア11を有している。描画エリア11は、公知の液晶パネル、有機ELパネル等から構成されているので詳細な説明は省略する。
描画エリア11は、図2に示すように、第1レイヤー画面から第4レイヤー画面が仮想的に重ね合わされた、いわゆるレイヤー(layer:層、階層)状に構成されている。
第1レイヤー画面11aは、背景画像又は外部画像が表示される。これによって、電子黒板をあたかもホワイトボードのように使用したり、或いは外部画像を表示するモニタ画面のように使用したりすることができる。
第2レイヤー画面11bと第3レイヤー画面11cは、描画エリア11に表示した外部画像に対して所定の処理に係る操作コマンドを入力可能なユーザーインターフェイス(UI)画像が表示される。第2レイヤー画面11bには、後述する主操作部22に係る主操作画像と、基本的な操作に関するホームアイコン30が表示され、第3レイヤー画面11cには、後述する副操作部23に係る副操作画像が表示される。
第4レイヤー画面11dは、指又はスタイラスペンで入力した文字、線図等の描画画像が表示される。これによって、従来の黒板或いはホワイトボードのように描画エリア11へ描画した線、文字、図形等を自在に入力し、表示させることができる。
このように、各レイヤー画面は、それぞれ所定の画像を表示するように割り当てられている。これによって、それぞれのレイヤー画面に所定の画像を表示して、たとえば、教科書の画像の上に説明文、図形等を書き込んで描画した画像を重ね合わせることができ、また重ね合わせた画像から所定のレイヤー画面に表示した画像のみを容易に消すことができる。
また、描画エリア11の表面はタッチセンサを備えたタッチパネルで構成されている。これによって、各レイヤー画面に割り当てた表示画像に対して、所定の入力操作を行うことができる。タッチパネル及びタッチセンサは、公知の構成であるので詳細な説明は省略する。
所定の入力操作とは、指又はスタイラスペンによる描画入力操作の他、例えばタッチパネルに触れた指を使ったジェスチャー操作、UI画像に表示したアイコンに触れるタッチ操作、またはこれらの操作の他、複数の入力操作方法が設定されている。そして、ジェスチャー操作は、たとえば、タッチパネルをタップするタップ操作、タッチパネルを長時間指先で触れる長押し操作、アイコン或いは外部画像等をタッチした指をそのまま引き摺ってアイコン或いは外部画像等を移動させるドラッグ操作、タッチパネルの離間した2点に触れて、当該2点間の距離を近づけ又は遠ざけるピンチイン/ピンチアウト操作等である。これらのジェスチャー操作方法については公知であるから詳細な説明は省略する。
そして、上記のような複数の入力操作のうち、一の入力操作に対して電子黒板10側は所定の応答動作を行うように構成されている。
【0022】
入出力端子部12は、図1に示すように、ディスプレイ部の枠体10aの所定位置に配置されている。入出力端子部12には、公知の規格に準拠した複数個の入力端子、出力端子、入出力端子が外部機器を接続可能に配置されている。入力端子に外部機器を接続したとき、電子黒板10は、外部機器から所定の信号を取得するように構成されている。出力端子に外部機器を接続したとき、外部機器は、電子黒板10から所定の信号を取得するように構成されている。入出力端子に外部機器を接続したとき、電子黒板10と外部機器との間で双方向に信号を伝送し、互いに信号を取得するように構成されている。これによって、各端子に外部機器を接続したとき、当該外部機器と電子黒板10との間で所定の通信を行うことができる。
ここで、外部機器のうち、特に電子黒板10へ外部画像を入力可能な装置を外部画像入力装置という。当該外部画像入力装置は、たとえば、書画カメラ、デジタルカメラ、USBメモリ装置であり、さらにはパソコン端末装置、並びにタブレット型端末装置、スマートホン、携帯電話等の携帯型端末装置等を含めても良い。外部画像入力装置は、当該外部画像入力装置で撮像した画像、又は当該外部画像入力装置内に保存されている画像をエンコードして画像信号を形成し、当該画像信号を電子黒板10へ出力するように構成されている。外部画像入力装置を入出力端子部12の入力端子又は入出力端子へ接続したとき、電子黒板10は、外部画像入力装置から所定の画像信号を取得する。電子黒板10は、当該画像信号をデコードして、外部画像入力装置が出力した外部画像を復号し、静止画として、または、単位時間あたりに所定の枚数の静止画を順次映し出す動画として描画エリア11の第1レイヤー画面11aに当該外部画像を表示するように構成されている。
【0023】
操作スイッチ部13は、図1に示すように、ディスプレイ部の枠体10aの所定の位置に配置した複数個の物理スイッチから構成されている。当該物理スイッチは、たとえば、押しボタンスイッチ、ロータリースイッチ等である。各物理スイッチには、それぞれ所定の操作が割り当てられている。これによって、たとえば、描画エリア11の各レイヤー画面を切り替えて、いずれかのレイヤー画面に対して、ジェスチャー操作、タッチ操作、又は描画入力操作を行うことができる。
また、ディスプレイ部の枠体10aには、複数個の物理スイッチを備え、操作スイッチ部13と同様の操作を各物理スイッチに割り当てた取り外し可能なリモコン装置13aが係止されている。当該リモコン装置13aからもまた、操作スイッチ部13と同様の操作を入力することができる。
【0024】
さらに、電子黒板10は、図3に示すように、制御部20、入出力部21、主操作部22及び副操作部23を有している。
制御部20は、電子黒板10の各動作をそれぞれ総合的に制御する制御手段を有している。そして、制御部20は、電子黒板10と、当該電子黒板10に接続された外部機器とを制御することに関して、図4に示すように、記憶部25と、検知部26と、判定部27を有している。
記憶部25は、検知部26及び判定部27で用いる外部画像入力装置に係る一般識別子と、特定外部画像入力装置に係る特定識別子が予め記録された記憶媒体25aを備え、それら一般識別子に係る一般情報又は特定識別子に係る特定情報の記録、読み出しに係る処理を実行する記憶手段を有している。
外部画像入力装置係る一般識別子は、たとえば、USB規格に準拠した、デジタルカメラ、USBメモリ装置、携帯型端末装置、書画カメラ等の装置を識別可能な一般情報を備えた識別子である。
特定外部画像入力装置に係る特定識別子は、一般識別子に係る一般情報に所定の情報を書き加えて、特定外部画像入力装置を識別可能な特定情報を備えた識別子である。ここで、特許第6754816号に開示されているような、本出願人が実施している特定外部画像入力装置である書画カメラを以下「特定書画カメラ50」とする。
このように記憶部25には、一般識別子に紐付けられた外部画像入力装置と、特定識別子に紐付けられた特定書画カメラ50が記録されている。
【0025】
検知部26は、入出力部21を介して、外部機器が出力している信号を取得するように構成されている。当該検知部26は、取得した信号が、一般識別子又は特定識別子を備えた識別信号である場合は、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が接続されたことを検知する検知手段を有している。当該検知手段はまた、判定手段を起動する処理を実行する。検知部26が識別信号を検知したとき、制御部20は、主操作部22を起動させる制御を行う。
これによって、電子黒板10に接続された、又は接続されている外部機器が外部画像入力装置又は特定書画カメラ50であることを検知することができる。
【0026】
判定部27は、検知部26で識別信号に基づいて検知された外部画像入力装置又は特定書画カメラ50について、当該識別信号の備えている識別子が一般識別子であるか、或いは特定識別子であるかを記憶部25に記録された特定識別子を照合して、特定書画カメラ50が接続されていることを判定する処理を行う判定手段を有している。
判定部27が、入力された識別信号が備えている特定識別子と記憶部25に記録されている特定識別子を照合し、特定書画カメラ50が接続されていると判定した場合は、制御部20は、副操作部23を起動させる制御を行う。
これによって、電子黒板10に外部画像入力装置又は特定書画カメラ50のいずれか一方が接続されたとき、識別信号に基づいて外部画像入力装置又は特定書画カメラ50の接続を検知し、さらに、識別信号が備える識別子を照合判定することによって、特定書画カメラ50の接続を認証し、外部画像入力装置と特定書画カメラ50を判別することができる。
【0027】
入出力部21は、入出力端子部12と接続され、電子黒板10へ入力される信号、又は電子黒板10が出力する信号を入出力端子部12と送受信するように構成されている。これによって、入出力端子部12を介して外部画像入力装置、又は特定書画カメラ50を含む外部機器と電子黒板10は互いに双方向通信を行うことができる。
また、入出力部21に無線通信端末を設けるようにしても良い。これによって、電子黒板10と外部機器を無線通信回線で接続して双方向通信を行うことができ、また無線通信回線を介して、電子黒板10をネットワークへ接続させることができる。
【0028】
主操作部22は、検知部26の検知した信号が、外部機器のうち、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50を示す識別信号であった場合に起動するように構成されている。これによって、電子黒板10に外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が接続されたとき、或いは、電子黒板10に接続されていた外部画像入力装置又は特定書画カメラ50の電源が入れられたとき、主操作部22を起動させることができる。起動した主操作部22は、一の主操作に対して所定の第1応答動作が行われるように構成されている。
主操作部22は、操作スイッチ部13又はリモコン装置13aの他、図2に示した第2レイヤー画面11bの主操作画像にも紐付けられている。これによって、主操作部22が起動したとき、図5に示すように、枠体10a側へ一列に配置したホームアイコン列30の側方に主操作アイコン列35が展開可能にスタンバイされる。ホームアイコン列30又は主操作アイコン列35を構成する各アイコンには、当該アイコンをタッチ操作したときに応答する所定の第1応答動作がそれぞれ割り当てられている。所定の第1応答動作とは、たとえば、ホーム画面に遷移する操作であったり、接続された外部画像入力装置又は特定書画カメラ50から入力され、描画エリア11へ表示する外部画像に対する所定の画像処理を行ったりする操作である。
外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が検知され、主操作部22が起動しているとき、図5に示すように、ホームアイコン列30のうち、USBカメラアイコン30aが点灯するように構成されている。そして、USBカメラアイコン30aをタッチ操作したとき、スタンバイ状態の主操作アイコン列35がホームアイコン列30の側方に展開するように構成されている。これによって、電子黒板10に接続した外部画像入力装置又は特定書画カメラ50から取得した画像信号をデコードして形成した外部画像に対して、主操作アイコン列35の各アイコンをタッチ操作して、描画エリア11上で所定の画像処理に係る第1応答動作を行うことができる。
なお、主操作画像上のホームアイコン列30と主操作アイコン列35を描画エリア11に向かって右側の枠体10a近傍に配置した図を例示したが、これに限定されるものでは無く、枠体10aの左側、上側、又は下側の任意の位置へ展開させることができるよう構成されている。これによって、ユーザーは、自身が操作しやすい位置からホームアイコン列30と主操作アイコン列35を展開して操作することができる。
【0029】
主操作アイコン列35に含まれている各アイコンは、たとえば、以下のような第1応答動作が割り当てられている。主操作アイコン列35を示した図5にしたがって説明する。
主操作アイコン35aは特定書画カメラ50が接続されているときに点灯するアイコンである。これをタッチ操作したとき、後述する副操作部23が起動し、図6に示すように副操作アイコン列40が主操作アイコン列35の側方で反ホームアイコン列30側に展開するように構成されている。
主操作アイコン35bは、外部画像を回転させる画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。これをタッチ操作したとき、描画エリア11に表示されている外部画像を回転させることができ、たとえば、デジタルカメラで撮影し、描画エリア11に表示している外部画像の天地が逆になっているとき、これを補正することができる。
主操作アイコン35cは、外部画像を一時停止させる画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。外部画像は、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50から連続して取得した画像信号を復号したとき、単位時間あたりに複数枚の静止画を連続表示して形成される動画のように描画エリア11へ表示することができる。主操作アイコン35cをタッチ操作したとき、当該動画を一時停止させる画像処理を行うことができる。
主操作アイコン35dは、描画エリア11に表示されている外部画像を撮影するモードを切り替え可能な第1応答動作が割り当てられたアイコンである。撮影モードは、描画エリア11に表示されている外部画像を静止画で撮影するカメラモードと、動画で撮影するビデオモード、予め設定された所定の周期で静止画を撮影するタイムラプスモードを備えている。これらのモードは主操作アイコン35dをタッチ操作する度に切り替えることができる。そして、撮影された静止画、動画、タイムラプス画像は、記憶媒体25a等へ時系列順にカメラロールとして記録保存されるように構成されている。
主操作アイコン35eは、主操作アイコン35dで設定した撮影モードにしたがって、シャッター又は録画開始ボタンを表示して、撮影に係る画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。これによって、静止画を撮影し、また動画若しくはタイムラプス画像の録画を開始または終了させることができる。
主操作アイコン35fは、外部画像を補正する画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。外部画像入力装置又は特定書画カメラ50で撮像した俯瞰画像が台形状に歪んでいるとき、これを補正して平面画像へ補正する画像処理を行うことができる。これをタッチ操作したとき、第2レイヤー画面11b上に矩形が表示される。当該矩形の角部をジェスチャー操作で移動させると、当該角部と同方向にある第1レイヤー画面上の外部画像を引き伸ばすように構成されている。これによって、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が撮像している画像が台形状に歪んで出力されているとき、これを電子黒板側で補正して表示することができる。
主操作アイコン35gは、描画エリア11を4分割する画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。主操作アイコン35gをタッチ操作したとき、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50で撮像している画像が左上に表示される。この状態でさらに主操作アイコン35eをタッチ操作した場合、右上、左下、右下に静止画が表示されるように構成されている。これによって、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50から取得した外部画像を電子黒板でキャプチャーし、最大4つの場面を並べて比較することができる。
主操作アイコン35hは、記憶媒体25a等へ時系列順に保存したカメラロールを起動する処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。主操作アイコン35hをタッチ操作したとき、描画エリア11上にカメラロール画像が順に並べて表示される。当該カメラロール画像は、主操作アイコン35eで撮影し、電子黒板10の記憶媒体25aに記録保存されている画像の他、電子黒板10に接続されている外部画像入力装置のうち、たとえば、USBメモリ装置、又はパソコン端末装置、或いはタブレット端末、スマートホン、携帯電話等の携帯端末装置に保存されている画像を並べて表示するようにしても良い。
主操作アイコン35iは、描画エリア11の全画面に表示している外部画像を所定の倍率で縮小表示する画像処理に係る第1応答動作が割り当てられたアイコンである。これによって、第1レイヤー画面11aに表示されている外部画像を背景画像上で縮小表示させることができる。このとき、第1レイヤー画面11aをさらに細かく層状に分割して、外部画像の下にホワイトボード状の背景画像を表示させるようにしても良い。これによって、縮小表示させた外部画像を、ジェスチャー操作によって描画エリア11内の所定の位置へ移動させたように表示させることができる。
また、主操作アイコン列35の下方に設定アイコン36と収納アイコン37が表示されている。
設定アイコン36は、これをタッチ操作したとき、描画エリア11に表示した外部画像に対する画像処理に関する設定、又は特定書画カメラ50が接続されているときには、当該特定書画カメラ50の設定を調整する設定画面が展開されるように構成されている。
収納アイコン37は、これをタッチ操作したとき、主操作アイコン列35があたかもホームアイコン列30裏に隠れたかのように主操作アイコン列35を隠す画像処理を行うように構成されている。
【0030】
副操作部23は、判定部27が識別信号に含まれた特定識別子に基づいて、接続された外部画像入力装置が特定書画カメラ50であると判定したときに起動するように構成されている。これによって、電子黒板10に特定書画カメラ50が接続されたとき、或いは、電子黒板10に接続されていた特定書画カメラ50の電源が入れられたとき、副操作部23を起動させることができる。副操作部23が起動したとき、電子黒板10と特定書画カメラ50間の双方向通信回線が開かれる。
副操作部23は、一の副操作に対して所定の第2応答動作が割り当てられており、所定の副操作に係る操作信号を入出力部21から出力するように構成されている。出力された操作信号を取得した特定書画カメラ50は、操作信号に基づく一の副操作に対して所定の第2応答動作を行うように構成されている。これによって、電子黒板10側から特定書画カメラ50を遠隔操作することができる。
副操作部23が起動したとき、主操作アイコン35aが点灯する。これをタッチ操作したとき、図6に示すように、主操作アイコン列35の側方で反ホームアイコン列30側に副操作アイコン列40が図2に示す第3レイヤー画面上に展開表示されるように構成されている。このとき、ホームアイコン列30、主操作アイコン列35、副操作アイコン列40は互いに重なり合わないように、第2レイヤー画面11b、第3レイヤー画面11c上で予め設定された位置にそれぞれが展開するように構成されている。これによって、ユーザーが各アイコンを容易に視認して操作することができる。
【0031】
副操作アイコン列40に含まれている各アイコンは、たとえば、以下のような第2応答動作が割り当てられている。副操作アイコン列40を示した図6にしたがって説明する。
副操作アイコン40aは、特定書画カメラ50のカメラをズームイン又はズームアウトさせる第2応答動作が割り当てられたアイコンである。長丸内に配した白丸ポインタを上下にドラッグするジェスチャー操作によって、電子黒板10に接続されている特定書画カメラ50のカメラをズームイン、又はズームアウトさせることができ、撮像した拡大画像又は縮小画像をエンコードした画像信号が特定書画カメラ50から出力される。そして、電子黒板10側で当該画像信号をデコードして形成された外部画像が描画エリア11に表示される。このとき、一般識別子に係る外部画像入力装置から取得した画像信号をデコードして形成した外部画像を描画エリア11上で所定のジェスチャー操作によって引き伸ばし又は縮める従来の方法と異なり、特定書画カメラ50側でカメラをズームイン又はズームアウトして拡大又は縮小させた画像を描画エリア11に表示していることから、表示される画像はカメラの性能に依拠し、より高精細な画像を表示させることができる。
副操作アイコン40bは、特定書画カメラ50のカメラをオートフォーカスさせる第2応答動作が割り当てられたアイコンである。これをタッチ操作したとき、特定書画カメラ50のカメラが撮像している被写体に対してフォーカスを自動で合焦させる第2応答動作を行うように構成されている。
副操作アイコン40cは、特定書画カメラ50のカメラで撮像する画像の明度を調整する第2応答動作が割り当てられたアイコンである。長丸内に配した白丸ポインタを上下にドラッグするジェスチャー操作によって、電子黒板10に接続されている特定書画カメラ50のカメラで撮像する画像の明度を明るく又は暗くさせることができ、撮像した明るい画像又は暗い画像をエンコードした画像信号が特定書画カメラ50から出力される。そして、電子黒板10側で当該画像信号をデコードして形成された外部画像が描画エリア11に表示される。このとき、一般識別子に係る外部画像入力装置から取得した画像信号をデコードして形成した外部画像を描画エリア11上で所定のジェスチャー操作によって明るく又は暗くする従来の方法と異なり、特定書画カメラ50側でカメラの明度を明るく又は暗くして撮像した画像を描画エリア11に表示していることから、表示される画像はカメラの性能に依拠し、より高精細な画像を表示させることができる。
本実施例に示した副操作アイコン列40は、カメラのズーム、フォーカス、明度に係る第2応答動作が割り当てられているものであるが、これに限定されるものでは無く、接続される特定書画カメラ50のモデル別に遠隔操作できる副操作アイコンを増やすように設定しても良い。これによって、たとえば、エントリーモデルの特定書画カメラ50を接続した場合と、高機能モデルの特定書画カメラ50を接続した場合で差別化することができ、またユーザーの需要に合わせて一の副操作に対して最適な所定の第2応答動作を割り当てたアイコンを表示することができる。
なお、既に主操作部22に係る主操作アイコン列35が図5に示したように描画エリア11に展開表示されている場合は、特定書画カメラ50が接続されたとき、自動的に副操作部23に係る副操作アイコン列40が展開するようにしても良い。これによって、主操作アイコン35aのタッチ操作を省略し、特定書画カメラ50を接続したときの利便性を向上させることができる。
また、特定書画カメラ50が接続されているとき、設定アイコン36をタッチ操作して展開される設定画面を通じて、当該特定書画カメラ50に係る所定の設定を遠隔操作で変更できるようにしても良い。
【0032】
本実施例に係る電子黒板10によれば、副操作アイコン例40に係る各アイコンをタッチ操作に係る一の副操作を行うことによって、当該各アイコンに割り当てられた所定の第2応答動作に係る操作信号を出力し、当該操作信号に基づいて電子黒板10側から特定書画カメラ50を遠隔操作することができるようにした。これによって、特定書画カメラ50で、たとえば、ズームによって拡大した画像を外部画像として、電子黒板10へ取り込むことができる。一方、外部画像入力装置から電子黒板へ取り込んだ外部画像は、所定のジェスチャー操作、たとえば、画面の2点を同時に押圧し、そのまま2点間の距離を遠ざける、いわゆるピンチアウト操作で拡大可能に、又は2点間の距離を近づけるピンチイン操作で縮小可能に構成されている。
ここで、特定書画カメラ50で拡大してから取り込んだ特定外部画像と、外部画像入力装置から電子黒板へ取り込んでピンチアウト操作で拡大した一般外部画像とを比較すると、前者は光学的に拡大して撮像された元画像を取り込んでいるのに対して、後者は既に取り込んだ画像を引き伸ばしている。そのため、前者の場合は精細な画像を描画エリア11に表示することができるのに対して、後者の場合は画素が粗く不明瞭な画像が描画エリア11に表示される。すなわち、特定書画カメラ50を接続した場合、外部画像入力装置から取り込んだ画像を描画エリア11に表示するよりも、高精細な画像を表示させることができるので、一般識別子を備えた外部画像入力装置よりも、電子黒板10に予め登録された特定識別子を備えた特定書画カメラ50を使用する利点がある。
また、特定書画カメラ50を接続したとき、電子黒板10側から当該特定書画カメラ50を遠隔操作することができるので、外部画像入力装置を接続するよりも利点がある。これらの利点により、電子黒板10に対して特定書画カメラ50を使用すると、外部画像入力装置を使用するよりも利便性が高いので、電子黒板10を購入するユーザーに対して特定書画カメラ50をセットで購入してもらう等、ユーザーの囲い込みを行うことができる。
【0033】
上記の構成を有する電子黒板10は、次に説明するように動作する。当該動作について添付した図面にしたがって説明する。
【0034】
まず、本実施例に係る電子黒板10と、たとえば、他社の書画カメラ、デジタルカメラ、USBメモリ装置、携帯端末装置等の外部画像入力装置又は特定書画カメラ50を、直接又はネットワークを介して間接的に接続したとき、電子黒板10及び外部画像入力装置又は特定書画カメラ50は、互いに又はネットワーク上へ様々な信号を双方向的に出力する。
すなわち、電子黒板10の入出力端子部12へ外部画像入力装置又は特定書画カメラ50をケーブル等で直接接続した場合に、電子黒板10と外部画像入力装置又は特定書画カメラ50の電源を入れたとき、電子黒板10と外部画像入力装置間、又は電子黒板10と特定書画カメラ50間で所定の信号を双方向で通信し、また、電子黒板10と外部画像入力装置又は特定書画カメラ50がネットワークを介して接続された場合に、電子黒板10の電源を入れたとき、当該電子黒板10はネットワーク上を伝送している信号を取得し、伝送している信号の中に外部画像入力装置又は特定書画カメラ50に係る識別信号があれば、当該識別信号を検知部26で検知する。
電子黒板10が入出力端子部12を介して入出力部21で取得した識別信号は、図3に示すように、入出力部21から制御部20へ送信される。
そして、制御部20に設けた検知部26が当該識別信号を検知する。当該検知部26は判定部27と共に、以下の処理ステップで接続されている外部機器が、外部画像入力装置であるか、又は特定書画カメラ50であるかを判定して動作するように構成されている。図7は、当該処理ステップを示すチャート図である。
【0035】
ステップ100は、電子黒板10に接続された外部機器の電源が入れられたか、または電源がオンとなっている外部機器が接続されたことによって判定処理を開始するステップである。スタートさせる処理を行った後は、ステップ105へ移行する。
【0036】
ステップ105は、外部機器から取得した信号が一般識別子又は特定識別子を備えた識別信号である場合に、これを検知部26で検知する処理を行うステップである。識別信号を検知した場合は、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が接続されていると処理して、ステップ110へ移行する。識別信号を検知しなかった場合は、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50以外の外部機器が接続されていると処理して、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が接続されるまで本ステップを繰り返す処理を行う。
【0037】
ステップ110は、ステップ105で外部画像入力装置又は特定書画カメラ50が接続されたと処理したので、主操作部22を起動する処理を行うステップである。当該処理では、図5に示すように、描画エリア11の第2レイヤー画面11b上に主操作アイコン列35が展開表示可能となり、ホームアイコン列30のUSBカメラアイコン30aがタッチ操作されたとき、当該タッチ操作に係る一の主操作に対して、主操作アイコン列35が描画エリア11のホームアイコン列30の側方に展開表示される第1応答動作に係る処理が行われる。ステップ110で主操作アイコン列35が展開表示された後は、ステップ115へ移行する。
【0038】
ステップ115は、判定部27で識別信号に含まれている一般識別子又は特定識別子を、記憶部25に記憶している特定識別子と照合し、特定識別子が互いに合致しているときは特定書画カメラ50であると判定する処理を行うステップである。特定識別子が互いに合致しているときは、ステップ120へ移行して、主操作アイコン35aを点灯させるとともに副操作部23を起動し、副操作アイコン列40を表示するようスタンバイするバックグラウンド処理を行う。その後、主操作アイコン35aがタッチ操作されたとき、ステップ125において、当該タッチ操作に係る一の主操作に対して、主操作アイコン列35の横へ、当該主操作アイコン列35と重なり合わないように副操作アイコン列40を展開表示する第1応答動作に係る処理を行い、ステップ130へ移行する。このとき、描画エリア11には、図6に示すように、ホームアイコン列30、主操作アイコン列35、副操作アイコン列40が展開表示されている。
特定識別子が互いに合致しないときは、一般識別子を備えた外部画像入力装置であると処理する。このとき、描画エリア11には、図5に示すように、ホームアイコン列30、主操作アイコン列35が展開表示されている。
ステップ130は、外部画像入力装置又は特定書画カメラ50を判定する処理を終了するステップである。
【0039】
上記の処理ステップによって、電子黒板10に特定書画カメラ50の遠隔操作に係る副操作アイコン列40が表示されている場合、次に示すように使用した場合に利点がある。当該利点について添付した図8にしたがって説明する。図8は、教室で使用した場合の一例を示した説明図である。
【0040】
従来の教室の場合、一般的には、正面の壁面に設置された黒板200の手前に教壇(図示略)が配置され、当該黒板200の脇に教卓201が配置されている。このような場面で、電子黒板10は、図8に示すように、従来の黒板200の手前に設置される場合が多く、教卓201上に特定書画カメラ50が載置される。
ここで、図8に示すような授業の一形態を例に挙げると、たとえば、計算問題、漢字書き取り問題等の問題集の1ページを開き、特定書画カメラ50で当該ページを撮像したとき、電子黒板10の描画エリア11にはまず、特定書画カメラ50で撮像している当該ページが表示される。
次に、教師が解答する児童を指名し、解いてもらう問題を図8に示すように、拡大表示して解答を書き込ませる場面を例にとる。
このとき、教壇に立った解答役の児童の背丈にあわせて、教師が描画エリア11を指又はスタイラスペンでタッチ操作し、ドラッグ操作を入力する。それらの入力操作に係る一の主操作に対する第1応答動作に係る画像処理が行われ、撮像された画像の位置を中央下方へ移動させたとする。
そして、解いてもらう問題を拡大表示する段階に至ったとき、教師が特定書画カメラ50を載置した教卓201側へ退くのではなく、図8に示すように、児童を間に挟んだ反特定書画カメラ50側へ退いてしまった場合、特定書画カメラ50を操作するために特定書画カメラ50のもとへ教壇上を移動することが困難である。
この場合は、図8に示すように、描画エリア11に向かって左側の枠体10a近傍へホームアイコン列30、主操作アイコン列35、副操作アイコン列40を展開表示し、図6に示したように副操作アイコン40aをタッチ操作し、当該タッチ操作に係る一の副操作に対して、特定書画カメラ50のカメラをズームインさせる第2応答動作に基づく遠隔操作を行って拡大画像を表示させることができる。
このような場合に、図8に示すように、教師は、教壇上に児童が立っていても、当該児童を避けて特定書画カメラ50側へ移動しなくて済むので、スムーズに所定の画面を拡大表示することができ、解説等があるときはその場に立ったまま解説作業へ移行することができる。
このように、教卓201上に載置した特定書画カメラ50まで態々戻らなくとも当該特定書画カメラ50を電子黒板10側から遠隔操作可能に構成したことで、授業の進行をスムーズにして限られた授業時間を有効に使うことができる。
【0041】
また、図8に図示するとともに上記で説明した教室以外にも、大きな階段教室、講義室、視聴覚室等の特殊教室の場合、或いは企業の会議室、ホール等では、特定書画カメラ50、パソコン端末装置が、電子黒板10から離されて設置されている場合がある。
このような場合においても、特定書画カメラ50側で講師が手元操作せずに、電子黒板10を前にして当該電子黒板10に表示した特定書画カメラ50からの外部画像に相対して発表を行うことができる。
【0042】
なお、本実施例に係る電子黒板10と特定書画カメラ50は直接有線又は無線による双方向通信回線で接続した場合を説明したものであるが、これに限定されるものでは無い。たとえば、教室内で電子黒板10と特定書画カメラ50、並びに複数のタブレット型端末装置をそれぞれ接続して形成したLAN(構内情報網)を使用した場合、またインターネットを介して、一の教室と他の教室を接続し、一の教室に配置した電子黒板10の描画エリア11に他の教室に配置した特定書画カメラ50で撮像した外部画像を表示させる場合等、ネットワークを介して電子黒板10と特定書画カメラ50が接続されている場合であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
10…電子黒板、10a…枠体、11…描画エリア、11a…第1レイヤー画面、11b…第2レイヤー画面、11c…第3レイヤー画面、11d…第4レイヤー画面、
12…入出力端子部、13…操作スイッチ部、13a…リモコン装置、
20…制御部、21…入出力部、22…主操作部、23…副操作部、
25…記憶部、25a…記憶媒体、26…検知部、27…判定部、
30…ホームアイコン列、30a…USBカメラアイコン、
35…主操作アイコン列、35a~35i…主操作アイコン、
36…設定アイコン、37…収納アイコン、
40…副操作アイコン列、40a…ズームアイコン、40b…オートフォーカスアイコン、40c…明度アイコン。
50…特定書画カメラ、
200…黒板、201…教卓。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8