(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144639
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20231003BHJP
F04D 25/08 20060101ALI20231003BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A41D13/005 103
F04D25/08 301A
A41D13/002 105
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051720
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】518369350
【氏名又は名称】株式会社ACB
(74)【代理人】
【識別番号】100184789
【弁理士】
【氏名又は名称】宮▲崎▼ 浩充
(72)【発明者】
【氏名】松井 正和
【テーマコード(参考)】
3B011
3H130
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB60
3H130AC25
3H130BA33A
3H130CA21
3H130EB01A
(57)【要約】
【課題】空調衣服に効率的に装着可能な送風装置を提供する。
【解決手段】空調衣服100に形成される挿通孔102に挿通させて装着可能な送風装置1であって、空調衣服100の内側に配設可能なファン7を有する送風部2と、空調衣服100の外側に配設され、送風部2に電源供給可能な電源部3と、ファン7の回転軸から外方向に延びるとともに、挿通孔102の周縁の布地に当接可能に構成される第1係止部4と、挿通孔102の周縁の布地を挟んで第1係止部4の反対側に配置されるとともに、挿通孔102の周縁の布地に当接可能に構成される第2係止部5とを備え、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止する第1の状態と、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調衣服に形成される挿通孔に挿通させて装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、
前記空調衣服の外側に配設され、前記送風部に電源供給可能な電源部と、
前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、
前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部と、
を備え、
前記第2の係止部は、前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される送風装置。
【請求項2】
前記第1の係止部は、前記空調衣服の外側に配置され、
前記送風部は、前記挿通孔を挿通可能に構成される請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記第2の係止部は、前記送風部に係合し、前記第2の状態において前記送風部とともに前記挿通孔に挿通可能である請求項1又は2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記第2の係止部は、前記送風部から外方向に伸長可能に構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の送風装置。
【請求項5】
前記第2の係止部は、複数の方向に伸縮可能に構成される請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
前記第2の係止部は、前記第1の係止部に当接する場合に、前記第1の状態に設定される請求項1乃至5のいずれかに記載の送風装置。
【請求項7】
前記電源部は、前記第1の係止部に当接し、下端が前記第1の係止部の下端と同じ位置に構成される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項8】
前記電源部は、正面視前記ファンの回転軸が通る位置に配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項9】
前記電源部は、正面視前記ファンの外周より内側に配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項10】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
モータの駆動により送風可能なファンと、前記ファンに電源供給可能な電源部とを一の筐体内に有する本体部と、
前記本体部の外側に環状に配置される第3の係止部と、
前記第3の係止部より後方に配置されるとともに、前記本体部の外側に環状に配置される第4の係止部と、
を備え、
前記本体部は、側面視前記挿通孔内に前記ファンおよび前記電源部が配置される送風装置。
【請求項11】
前記第3の係止部は、前記本体部より外方向に伸縮可能である請求項10に記載の送風装置。
【請求項12】
前記第4の係止部は、前記本体部より外方向に伸縮可能である請求項10又は11に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調衣服の挿通孔に挿通させることにより装着可能な送風装置が提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において開示される送風装置は、空調衣服の外側と内側にフロントガードとリアガードを配置して、フロントガードを挿通孔に挿通させるとともにリアガードに螺合させることにより、フロントガードとリアガードで挿通孔周縁の布地を挟持して装着される。
【0005】
上記特許文献1において開示される送風装置は、空調衣服に装着される際に、フロントガードを空調衣服の外側に配置し、リアガードを空調衣服の内側に配置した上で、フロントガードを挿通孔に挿通させ、フロントガードとリアガードとを螺合させて装着する必要がある。そのため、装着する際の作業効率を向上させるという点において改良の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するべく、空調衣服に効率的に装着可能な送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、挿通孔を有する空調衣服に取り付け可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、前記空調衣服の外側に配設され、前記送風部に電源供給可能な電源部と、前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部とを備え、前記第2の係止部は、前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される送風装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明における送風装置によると、空調衣服に効率的に装着することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図12】本発明の第3実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図13】本発明の第4実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図14】本発明の第4実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図15】本発明の第4実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図16】本発明の第5実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図17】本発明の第5実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図18】本発明の第5実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の第5実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図20】本発明の第6実施形態における空調衣服の構成の一例を示す図である。
【
図21】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図22】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図23】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図24】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図25】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図26】本発明の第7実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図27】本発明の第8実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図28】本発明の第8実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図29】本発明の第8実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図30】本発明の第8実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【
図31】本発明の第8実施形態における送風装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明者は、送風装置および空調衣服について鋭意検討した結果、以下の知見を得るに至った。
【0011】
本発明の一態様である送風装置は、挿通孔を有する空調衣服に取り付け可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、前記空調衣服の外側に配設され、前記送風部に電源供給可能な電源部と、前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部とを備え、前記第2の係止部は、前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される送風装置である。
【0012】
このような構成により、挿通孔周縁の布地を第1の係止部と第2の係止部とが挿通孔周縁の布地を挟んで配置されるため、送風装置が脱落するのを抑制可能となる。このような構成により、第2の係止部の切り替え操作を行うことにより、送風装置を空調衣服から簡便に着脱可能となる。
【0013】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記第1の状態において、前記挿通孔の周縁の布地に当接し、前記第2の状態において、前記挿通孔の周縁の布地に当接しない状態に設定されてもよい。
【0014】
このような構成により、第2の係止部は、第1の係止部とともに挿通孔の周縁の布地に当接し、空調衣服に送風装置を係止可能である。このような構成により、第2の係止部が挿通孔の周縁の布地に当接しない第2の状態に設定されると、送風装置を空調衣服から離脱させることが可能となる。
【0015】
本発明の一態様である送風装置において、前記第1の係止部は、前記空調衣服の外側に配置され、前記送風部は、前記挿通孔を挿通可能に構成されてもよい。
【0016】
このような構成により、送風部を挿通孔に挿通させて第2の係止部を挿通孔周縁の布地に当接する第2の状態に制御することにより、送風装置の脱落を抑制し、空調衣服に簡便に装着可能となる。
【0017】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記送風部に係合してもよい。
【0018】
このような構成により、送風部を空調衣服内に配置すると、第2の係止部を第1の状態および第2の状態のいずれかに切り替え可能となる。このような構成により、送風装置を効率的に空調衣服に装着可能となる。
【0019】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記第2の状態において前記送風部とともに前記挿通孔に挿通可能であってもよい。
【0020】
このような構成により、第2の係止部と送風部とを挿通孔に挿通させた後、第2の係止部を第1の状態に切り替えて装着することができる。
【0021】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記送風部に回動可能に係合し、回動させて前記第1の状態および前記第2の状態のいずれかに切り替え可能であってもよい。
【0022】
このような構成により、空調衣服への着脱を簡便に行うことができる。
【0023】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記送風部に摺動可能に係合し、摺動させて前記第1の状態および前記第2の状態のいずれかに切り替え可能であってもよい。
【0024】
このような構成により、空調衣服への着脱を簡便に行うことができる。
【0025】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記送風部より外方向に伸縮可能に構成されてもよい。
【0026】
このような構成により、第2の係止部を伸縮させることにより、第1の状態と第2の状態とを切り替えることが可能となる。
【0027】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記送風部より外方向に展開可能に構成されてもよい。
【0028】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、アーム状に構成されるとともに、前記送風部より外方向に伸縮可能に構成されてもよい。
【0029】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、アーム状に構成されるとともに、前記送風部より外方向であり、かつ複数の方向に伸縮可能に構成されてもよい。
【0030】
本発明の一態様である送風装置において、前記第2の係止部は、前記ファンの回転軸に対して直交方向であり、かつ複数の方向に伸縮可能に構成されてもよい。
【0031】
このような構成により、第2の係止部は挿通孔周縁の布地における複数個所に当接し、送風装置が空調衣服から脱落するのを良好に抑制可能となる。
【0032】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記第1の係止部の下方に配設されてもよい。
【0033】
このような構成により、電源部の重量により送風部が上方に傾斜するため、空調衣服内において良好に気流を循環させることが可能となる。
【0034】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記第1の係止部に当接して配置され、下端が前記第1の係止部の下端と略同じ位置にあってもよい。
【0035】
このような構成により、電源部の下端が第1の係止部より突出するのを抑制可能となる。
【0036】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記第1の係止部の下端から外方に当接して配置されるとともに、側面視前記第1の係止部の厚さ方向のサイズと略同じサイズに構成されてもよい。
【0037】
このような構成により、電源部が空調衣服の外側に突出するのを抑制可能となる。
【0038】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、正面視前記ファンの外周より外側に配置されてもよい。
【0039】
このような構成により、電源部が気体の流動の障害となるのを抑制可能となる。
【0040】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、正面視前記ファンの内周より内側に配置されてもよい。
【0041】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、正面視前記ファンの回転軸が通る位置に配置されてもよい。
【0042】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、正面視ファンの外周より外側に配置されてもよい。
【0043】
このような構成により、電源部が気体の流動の障害となるのを抑制可能となる。
【0044】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記第1の係止部の上方に配設されてもよい。
【0045】
このような構成により、電源部の重量が空調衣服の外方にかかるため、ファンの回転軸が上方に傾斜する。
【0046】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記第1の係止部に当接して配置され、上端が前記第1の係止部の上端と略同じ位置にあってもよい。
【0047】
このような構成により、電源部の上端が第1の係止部より突出するのを抑制可能となる。
【0048】
本発明の一態様である送風装置は、挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、モータの駆動により送風可能なファンと、前記ファンと同一の筐体内に配置されるとともに、前記モータに電源供給可能な電源部とを備え、前記筐体は、前記空調衣服に形成される挿通孔内に配置されるとともに、前記挿通孔の下端の布地により支持される送風装置であってもよい。
【0049】
このような構成により、送風装置は、空調衣服に装着される際に、空調衣服の内側にも外側にも突出するのを抑制可能となる。
【0050】
本発明の一態様である送風装置において、前記電源部は、前記筐体内において前記ファンより下方に配置されてもよい。
【0051】
このような構成により、電源部の重量が送風装置の下方にかかることから、送風装置を安定して配置することが可能となる。
【0052】
本発明の一態様である送風装置において、前記ファンは、前記筐体内において前記電源部より下方に配置されてもよい。
【0053】
このような構成により、空調衣服に装着される場合に、送風装置は、より下方から気体を空調衣服内に送出可能となる。
【0054】
本発明の一態様である送風装置は、挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、前記送風部を前記空調衣服に係止可能であり、前記空調衣服の外側における前記挿通孔の周縁に当接可能な第1の係止部と、前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置され、前記挿通孔の周縁の布地を保持可能な凹部とを備え、前記凹部は、前記空調衣服に装着される際に、前記挿通孔の下端の布地に当接し、幅方向のサイズが、前記布地の厚さより大きく構成される送風装置であってもよい。
【0055】
本発明の一態様である送風装置は、挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、前記送風部を前記空調衣服に係止可能であり、前記空調衣服の外側における前記挿通孔の周縁に当接可能な第1の係止部と、前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置される凹部とを備え、前記空調衣服に装着される際に、予め配置される前記凹部に前記挿通孔の周縁の布地を収容させて装着される送風装置であってもよい。
【0056】
本発明の一態様である送風装置は、前記送風部に接合されるとともに、前記第1の係止部より気体の流動方向における下流側に配置される第2の係止部をさらに備え、前記凹部は、前記第1の係止部と前記第2の係止部との間に形成され、前記第1の係止部は、前記凹部に前記挿通孔の周縁の布地の一部が収容された状態において、前記挿通孔に挿通可能に構成されてもよい。
【0057】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。なお、同一の構成部材に対しては同一の符号を付し、これに関する重複する説明は省略する。また、第1実施形態以外の実施形態において、第1実施形態とは異なる旨の特段の説明がない限り、第1実施形態において行われる説明と同じであるとする。
【0058】
本発明における空調衣服100は、本発明における送風装置1を挿通可能な挿通孔102を備える衣服であり、作業用衣服、運動用衣服、衣料用衣服など用途を限定することなく衣服全般を含む。
【0059】
第1実施形態において、空調衣服100の外側は、ユーザーが空調衣服100を着用した場合に外部に露出する側であり、空調衣服100の内側は、この反対側を指す。また、第1実施形態において、前方とは、送風装置1を駆動させた場合に気体の流動方向における下流側を示し、後方とは、送風装置1を駆動させた場合に気体の流動方向における上流側を示す。また、第1実施形態において、正面とは、ファン7の回転軸に沿って前方から後方を見た場合の面を示す。第1実施形態において、上方とは、送風装置1を空調衣服100に装着した場合における上方向を示し、下方とは、送風装置1を空調衣服100に装着した場合における下方向を示す。
【0060】
図1は、本発明の第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第1実施形態における送風装置1は、挿通孔102を備える空調衣服100に装着可能な装置である。第1実施形態における送風装置1は、空調衣服100の内側に配設可能な送風部2と、空調衣服100の外側に配置され、送風部2に電源供給可能な電源部3とを備える。
【0061】
第1実施形態において、電源部3は、一次電池や二次電池により構成されてもよいし、燃料電池により構成されてもよい。また、電源部3は、送風装置1に対し着脱可能であってもよいし、一体形成されてもよい。電源部3は、単数又は複数の電池により構成されてもよい。
【0062】
送風部2は、ファン7をさらに備える。ファン7は、回転軸と、回転軸から外側に配置される回転翼とを備える。ファン7を回転させることにより、送風装置1は、挿通孔102を通じて気体を空調衣服100の外側から内側へ移動させることが可能である。
図1に示される例において、送風部2は、正面視略円形状に構成される。送風部2は、椀形の形状に構成されてもよい。正面視送風部2の直径は、挿通孔102の直径より小さく構成される。このような構成により、送風部2は、挿通孔102を通って空調衣服100の外側から内側に進入することが可能となる。
【0063】
送風装置1は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な第1係止部4と、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な第2係止部5とをさらに備える。
図1に示される例において、第1係止部4は、送風部2の後方に配置される正面視円形状の部材であり、第1係止部4の直径は、挿通孔102の直径より大きく構成される。このような構成により、第1係止部4は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能となる。
【0064】
第2係止部5は、送風部2の前方に配置される。第1実施形態において、第2係止部5は、送風部2の側面視形状に対応して湾曲する形状を有する線状部材である。第2係止部5は、端部が送風部2に回動可能に係合する。
図1に示される例において、第2係止部5は、端部が送風部2の後方端部に回動可能に係合してもよい。
【0065】
第2係止部5は、中間領域に突出して形成される頂部を備えてもよい。第2係止部5は、頂部が板状に構成されてもよい。このような構成により、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地に当接する第1の状態に設定される場合に、布地との当接面積を増やすことができる。
【0066】
第2係止部5は、基端部を軸として、送風部2の外周の外側を回動可能に構成される。第2係止部5は、基端部を軸として、平面視送風部2の外縁に沿って回動可能であってもよい。第2係止部5は、基端部を軸として回動することにより、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止する第1の状態と、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態のいずれかに切り替え可能である。
図1に示される例において、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定されている。
【0067】
なお、第1の状態の一例として、上述のように第2係止部5が、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止する状態を指してもよく、第2の状態の一例として、第2係止部5が、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止しない状態を指してもよい。或いは、第1の状態の一例として、第2係止部5が挿通孔102の周縁の布地に当接する状態を指してもよく、第2の状態の一例として、第2係止部5が挿通孔102の周縁の布地に当接しない状態を指してもよい。
【0068】
さらに、第1の状態の一例として、複数の第2係止部5同士における2点間の距離が挿通孔102の直径より大きい状態を指してもよく、第2の状態の一例として、第2係止部5における2点間の距離が挿通孔102の直径より小さい状態を指してもよい。一例として示された第1の状態および第2の状態の例は、互いに排斥し合うものではない。
【0069】
第2係止部5が第1の状態に設定される場合、第2係止部5は、挿通孔102を通過困難又は不能である。このような状態において、第2係止部5は、送風装置1を空調衣服100に係止可能となる。第2係止部5が第2の状態に設定される場合、第2係止部5は、挿通孔102を通過可能である。このような状態において、第2係止部5は、送風装置1を空調衣服100に係止することなく、したがって、送風装置1は空調衣服100から離脱可能である。
【0070】
図2は、第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図2に示される例において、第2係止部5は、第1の状態に設定されている。
【0071】
複数の第2係止部5が送風部2に回動可能に係合してもよい。複数の第2係止部5は、ファン7の回転軸を挟んで互いに反対方向に回動してもよい。
図2に示される例において、第2係止部5は、基端を軸として、送風部2の頂部から第1係止部4に向かって、送風部2に沿って回動し、第1係止部4に当接して停止する。
【0072】
図3は、第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図3は、第1実施形態における送風装置1の側面断面図の一例である。
図3に示される例において、第2係止部5は第1の状態に設定されている。
【0073】
第1係止部4は、空調衣服100の外側における挿通孔102の周縁の布地に当接し、第2係止部5は、空調衣服100の内側における挿通孔102の周縁の布地に当接する。このような構成により、送風装置1は、空調衣服100における挿通孔102周縁の布地を第1係止部4および第2係止部5により挟持し、或いは、挿通孔102の周縁の布地を第1係止部4と第2係止部5との間に収容することにより、脱落するのを抑制可能となる。
【0074】
図3に示される例において、第2係止部5は、第1の状態に設定されると、挿通孔102の周縁の布地に当接する。第2係止部5が第1の状態に設定される場合に、互いに離間する第2係止部5同士の2点間の最長距離は、挿通孔102の直径より大きい。このような構成により、送風部2が挿通孔102を通って空調衣服100の外側に脱落することを抑制可能となる。一例として、ファン7の回転軸を中心として対称に配置される2つの第2係止部5の頂部同士の距離は、挿通孔102の直径より大きく構成されてもよい。
【0075】
第1実施形態において、送風装置1は、空調衣服100の外側から挿通孔102に送風部2を挿通させて装着されてもよい。第2係止部5が第2の状態に設定されると、第2係止部5は挿通孔102の周縁の布地に当接しない位置に配置されてもよい。第2係止部5が第2の状態に設定されると、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止しない。
【0076】
第2係止部5が側面から見て送風部2の頂部を通過する位置に配置される場合、第2係止部5は、送風部2とともに挿通孔102に挿通されて空調衣服100の内側に進入する。
【0077】
送風部2と第2係止部5は、挿通孔102を通過して空調衣服100の内側に進入すると、第1係止部4が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止するまで進む。第1係止部4が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止すると、第2係止部5を第2の状態から第1の状態に切り替えて、送風装置1を空調衣服100に装着することができる。
【0078】
図3に示される例において、第2係止部5を送風部2に沿って第1係止部4に向かって回動させ、挿通孔102の周縁の布地に当接するまで回動させる。第2係止部5が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止すると、第1係止部4と第2係止部5の間に挿通孔102の周縁の布地が挟持され、或いは保持される。
【0079】
第1実施形態において、電源部3は、空調衣服100の外側に配設される。
図3に示される例において、電源部3は、第1係止部4に当接して配置される。電源部3の下端は、第1係止部4の下端と側面視略同じ位置に配置されてもよい。このような構成により、電源部3が第1係止部4より下方に突出するのを抑制可能となる。
【0080】
電源部3は、第1係止部4に着脱可能に係合してもよい。
図4は、第1実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図4は、
図3に示された例とは異なる位置に電源部3が配置される場合の一例を示す。
【0081】
図4(a)に示すように、電源部3は、ファン7の回転軸が通る位置に配置されてもよい。電源部3は、正面視ファン7の内周の内側に配置されてもよい。ファン7の内周とは、回転軸から回転翼までの最も近い点を環状につないだ円周を示し、ファン7の外周とは、回転軸から回転翼までの最も遠い点を環状につないだ円周を示す。このような構成により、電源部3が気体の流動の障害となるのを抑制することが可能となる。
【0082】
電源部3は、正面視最長長さがファン7の内径より小さく構成されてもよい。ファン7の内径とは、回転軸から回転翼の基端までの距離を示す。このような構成により、ファンが回転する場合に電源部3が気体の流動の障害となるのを抑制することが可能となる。電源部3は、正面視円形状に構成されてもよい。
【0083】
図4(b)に示される例において、電源部3は、第1係止部4の上端に接して配置される。電源部3は、第1係止部4の上端近傍に配置されてもよい。このような構成により、第1係止部4に当接する挿通孔102の下端を支点として、電源部3の重量が空調衣服100の外側方向にかかるため、ファン7の回転軸が前方にかけて上方に傾斜する。あるいは、送風部2に当接する挿通孔102の下端を支点として、電源部3の重量が空調衣服100の外側方向にかかるため、ファン7の回転軸が前方にかけて上方に傾斜する。これにより、空調衣服100の内側において、気体を上方に向けて流動させることが可能となる。
【0084】
図4(b)に示される例において、電源部3の上端は、側面視第1係止部4の上端と略同じ位置に配置されてもよい。このような構成により、電源部3の上端が第1係止部4より上方に突出するのを回避可能となる。
【0085】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態において、第1実施形態とは相違する説明が行われない限り、第1実施形態における説明と同じであるとする。以下の実施形態においても同様である。
【0086】
図5は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第2実施形態において、第1係止部10は、第2係止部12より前方に配置される。
【0087】
送風部2は、後方に吸気口9を備える。ファン7が駆動すると、吸気口9から空調衣服100の外側から気体が吸引され、吸引された気体は空調衣服100の内側に排出される。第2係止部12は、吸気口9の後方に配置される。
図5に示される例において、送風部2は、吸気口9から前方に立ち上がり、第1係止部10に接続するまで円筒状に伸びる。送風部2は、吸気口9から第1係止部10に接続するまでの正面視直径が、挿通孔102の直径より小さく構成される。
【0088】
第2実施形態において、送風装置1が空調衣服100に装着される場合、第1係止部10は空調衣服100の内側に配置され、第2係止部12は空調衣服100の外側に配置される。
【0089】
図5に示される例において、第2係止部12は、吸気口9の周縁に回動可能に係合する。第2係止部12は、アーチ状に湾曲する線状部材であってもよい。あるいは、第2係止部12のアーチの頂部は、板状に構成されてもよい。
【0090】
図5に示される例において、第2係止部12は、吸気口9の周縁に複数配置される。第2係止部12は、正面視線対称に配置されてもよい。第2係止部12は、基端が各々回動可能に吸気口9の周縁に係合する。
【0091】
第2実施形態において、第2係止部12は、正面視吸気口9の周縁の内側に、回動可能に係合されてもよい。このような構成により、
図5に示される例のように、第2係止部12の頂部が吸気口9の周縁の内側に配置される状態において、第2係止部12は、挿通孔102に良好に挿通可能となる。
【0092】
これとは異なり、第2係止部12は、正面視吸気口9の周縁の外側に、回動可能に係合されてもよい。このような構成により、第2係止部12が後述する
図6に例示されるように吸気口9の外側に展開する場合に、第2係止部12は、気体の流動の障害となるのを抑制可能となる。
【0093】
第2実施形態において、送風装置1が空調衣服100に装着される場合、ユーザーは、送風装置1を空調衣服100の内側から挿通孔102に挿通させて装着する。送風装置1の後方から挿通孔102に挿通され、第1係止部10が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止するまで挿通孔102を通じて空調衣服100の外側へ進む。
【0094】
第2係止部12は、正面視吸気口9の周縁の内側に配置可能である。このような構成によると、第2係止部12は、挿通孔102に挿通可能となる。一例として、送風装置1が空調衣服100に装着される場合、第2係止部12が挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定され、第2係止部12は、吸気口9とともに挿通孔102に挿通可能である。
【0095】
第2係止部12が第2の状態に設定されている場合、送風部2は、空調衣服100の内側から挿通孔102に吸気口9から挿通され、第1係止部10が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止するまで進入する。
【0096】
第1係止部10が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止すると、第2係止部12を回動させることにより、第2係止部12は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能となる。
【0097】
図6は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図6に示される例において、第2係止部12は、第1係止部10とともに、挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態に設定されている。第2係止部12は、吸気口9の周縁に係合する基端を中心に回動可能に構成される。
【0098】
第2係止部12は、第1の状態に設定される場合に、ファン7の回転軸に対して直交方向に外方に展開可能である。第2係止部12は、基端を中心に回動して、正面視吸気口9の周縁より外側に配置されることが可能である。第2実施形態における第1の状態の一例として、第2係止部12が正面視吸気口9より外側に配置され、挿通孔102の周縁の布地に当接可能である状態を含んでもよい。
【0099】
第2実施形態において、第2係止部12は、第1の状態に設定される場合に、正面視ファン7の回転軸からの最長長さが、挿通孔102の半径より大きく構成される。このような構成により、送風装置1は、空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0100】
第2実施形態において、第2係止部12は、挿通孔102の周縁の布地が第1係止部10に当接すると、第1の状態に設定されてもよい。一例として、第1係止部10への接触を検知するセンサが配置され、センサが接触を検知すると、第2係止部12は、第1の状態に制御されてもよい。
【0101】
図7は、第2実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図7は、送風装置1が空調衣服100に装着される場合における側面視断面の一例を示す。
図7において、挿通孔102の周縁の布地は、第1係止部10と第2係止部12との間に収容される。挿通孔102の下端の布地が送風部2の筒状に構成される領域に当接する。これにより、送風装置1が挿通孔102の下端において支持される。
【0102】
図7に示される例において、第2係止部12は第1の状態に設定され、挿通孔102の周縁の布地に当接可能となる。第1係止部10と第2係止部12との距離は、空調衣服100の挿通孔102の周縁の布地厚さと略同じであってもよい。或いは、第1係止部10と第2係止部12との距離は、挿通孔102の周縁の布地厚さより大きく構成されてもよい。このような構成により、第1係止部10と第2係止部12との間に挿通孔102の周縁の布地を収容可能となる。
【0103】
第2係止部12の基端は、正面視吸気口9より外側に配置されてもよい。このような構成により、第2係止部12が気体の流動の障害となるのを抑制することができる。
【0104】
第2実施形態において、送風装置1が空調衣服100に配置される場合、電源部3は、空調衣服100の内側に配置される。このような構成により、電源部3が空調衣服100の外側に露出することを回避でき、衝撃による損耗や劣化を抑制することが可能となる。
【0105】
図7に示される例において、電源部3は、送風部2の下方に配置される。電源部3は、送風部2の下端に当接して配設されてもよい。電源部3は、第1係止部10に当接してもよい。
【0106】
電源部3は、前後方向におけるサイズが上下方向におけるサイズより小さく構成されてもよい。このような構成により、空調衣服100の内側において、電源部3が突出してユーザーの身体に接触し、ユーザーに不快感を与えるのを抑制可能となる。
【0107】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態における送風装置1は、送風部2より外方向に伸縮可能な第2係止部22を備える。
【0108】
図8は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。送風装置1は、空調衣服100の外側に配置可能な第1係止部20と、空調衣服100の内側に配置可能な第2係止部22とを備える。
【0109】
第1係止部20の正面視最大長さは、挿通孔102の直径より大きく構成される。このような構成により、第1係止部20は、挿通孔102の周縁の布地に当接して送風装置1が脱落するのを抑制可能となる。
図8に示される例において、第1係止部20は、正面視円形状に構成される。
【0110】
第3実施形態において、第2係止部22は、送風部2から外方向に伸びる。
図8に示される例において、第2係止部22は、正面視送風部2の外周に沿って複数配置される。
【0111】
第2係止部22は、送風部2から外方向に伸びると、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な第1の状態に設定される。他方、第2係止部22が縮むと、挿通孔102の周縁の布地に当接しない第2の状態に設定される。
【0112】
図9は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図9は、送風装置1の正面視断面図の一例である。第2係止部22は、送風部2の外縁より外側に配置される。
【0113】
図9に示される例において、第2係止部22は、正面視ファン7の回転軸から放射状に延びる線方向に対して交わる方向に伸縮可能である。第2係止部22は、送風部2の外周の周方向に形成される収容部24に収容可能に構成される。
【0114】
収容部24は、送風部2の外周の周方向に形成される中空構造を備え、第2係止部22が外側に露出可能な開口を備える。第2係止部22は、開口から露出して外方に延びると、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な第1の状態に設定される。
【0115】
図10は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図10は、送風装置1の正面視断面図の一例である。
図10に示される例において、第2係止部22の大部分は収容部24内に収容され、先端部が開口から外方に露出する。第2係止部22の大部分が収容部24内に収容されると、第2係止部22は、挿通孔102の周縁の布地に当接しない第2の状態に設定される。
【0116】
これとは異なり、第2の状態は、第2係止部22が第1係止部20とともに挿通孔102周縁の布地を係止しない状態であってもよい。第2係止部22が第2の状態に設定される場合に、第2係止部22は、送風部2とともに挿通孔102に挿通可能である。
【0117】
第2係止部22は、ファン7の回転軸を中心として収容部24を周方向に回動させることにより、外方に露出する長さを調整可能であってもよい。
図10に示される例において、収容部24を一の周方向に回動させると、第2係止部22は、収容部24の中空領域に進入し、先端部が開口から露出する第2の状態に設定される。収容部24をこれとは反対の周方向に回動させると、第2係止部22は、中空領域を出て開口から外方に延び、第1の状態に設定される。
【0118】
第3実施形態において、送風装置1を空調衣服100に装着する場合、ユーザーは、空調衣服100の外側から送風部2を挿通孔102に挿通させ、空調衣服100の内側に進入させる。送風部2を挿通孔102に挿通させる際に、第2係止部22を第2の状態に設定することにより、第2係止部22は、挿通孔102を通過して空調衣服100の内側に進入することができる。
【0119】
送風部2は、第1係止部20が空調衣服100の外側の布地に当接すると、空調衣服100内への進入を停止する。ユーザーは、収容部24を周方向に回動させて第2係止部22を開口から外方に延ばして第1の状態に設定することができる。これにより、第2係止部22は、挿通孔102の周縁の布地に当接し、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能である。これにより、第2係止部22は、第1係止部20と相俟って、挿通孔102周縁の布地を係止可能となる。
【0120】
図11は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図11に示される例において、第2係止部22が外方に延びて空調衣服100の挿通孔102周縁の布地に当接可能な第1の状態に設定されると、挿通孔102の周縁の布地は、第1係止部20と第2係止部22との間に挟持あるいは収容される。このような構成により、送風装置1を空調衣服100に安定的に装着することができる。
【0121】
第2係止部22が第1の状態に設定される場合に、複数の第2係止部22同士の2点間の距離の最大値は、挿通孔102の直径より大きく構成される。このような構成により、挿通孔102を通って送風装置1が脱落するのを抑制可能となる。
【0122】
図11に示される例において、第1係止部20と第2係止部22との間に、挿通孔102の周縁の布地を収容可能な溝部が形成されてもよい。溝部は、挿通孔102の周縁の布地の厚さと同じかこれより広い幅を備えてもよい。送風部2は、第2係止部22の後方に溝部を備えてもよい。溝部は、正面視円形状に構成され、溝部の直径が挿通孔102の直径より小さく構成されてもよい。
【0123】
図11に示される例において、電源部3は、空調衣服100の外側に配置される。電源部3は、第1係止部20に当接して配置されてもよい。電源部3の下端は、第1係止部20の下端と側面視略同じ位置に配置されてもよい。電源部3は、正面視ファン7の外周より外方に配置されてもよい。電源部3は、正面視ファン7の回転翼の外周より外側に配置されてもよい。
【0124】
図12は、第3実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図12は、
図11に示された例とは異なる電源部3の配置態様の一例を示す図である。
図12(a)に示される例において、電源部3の上端は、第1係止部20の上端と側面視略同じ位置に配置されてもよい。
【0125】
図12(b)に示される例において、電源部3は、ファン7の回転軸が通過する位置に配置されてもよい。電源部3は、正面視ファン7の内周より内側に配置されてもよい。このような構成により、ファン7が駆動する場合に、電源部3が気体の流動の障害となることを抑制できる。
【0126】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態における送風装置1において、送風部2は、ファン7を被覆するとともに着脱可能なカバー部32を備える。
【0127】
図13は、第4実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。送風部2は、ファン7と、ファン7を被覆するカバー部32と、カバー部32と係合する台座部30を備える。
【0128】
カバー部32は、ファン7の前方に配置され、ファン7を被覆可能に構成される。カバー部32は、正面視円形状に構成され、直径が挿通孔102の直径より大きく構成される。カバー部32は、台座部30と係合可能な掛け部34をさらに備える。台座部30は、送風装置1の背面側に配置される部材である。台座部30は、ファン7の後方に配置される。台座部30は、ファン7の基端に当接する基部36と、基部36の後方に配置されるとともに、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な背面カバー40をさらに備える。
【0129】
基部36は、ファン7の後方に配置されるとともにファン7の基端に当接する。基部36は、カバー部32に形成される掛け部34と係合可能に構成される。基部36は、正面視円形状に構成される。基部36の直径は、挿通孔102の直径より小さく構成される。
【0130】
第4実施形態において、送風装置1を空調衣服100に装着する場合に、カバー部32を空調衣服100の内側に配置し、カバー部32以外の構成部材を空調衣服100の外側に配置する。ユーザーは、ファン7から順に挿通孔102に挿通させて、背面カバー40が挿通孔102周縁の布地に当接して停止するまで空調衣服100の内側に進入する。次に、ユーザーは、カバー部32を台座部30に係合させる。これにより、送風装置1を空調衣服100に装着でき、カバー部32と台座部30とが係合するため、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0131】
図14は、第4実施形態における台座部30の構成の一例を示す図である。台座部30は、前方に基部36が配置され、後方に背面カバー40が配置される。基部36と背面カバー40との間に、挿通孔102の周縁の布地を収容可能な溝部42をさらに備えてもよい。
【0132】
図14に示される例において、基部36は、端部が掛け部34に対応する形状を有する。一例として、基部36は、端部が後方に向かって漸次直径が小さく構成されてもよい。このような構成により、掛け部34を基部36の外縁に掛けることにより、カバー部32と台座部30とを係合させることができる。
【0133】
溝部42は、正面視円形状に構成されてもよい。
図14に示される例において、溝部42の直径は、基部36および背面カバー40の直径より小さく構成される。このような構成により、挿通孔102の周縁の布地を収容することが可能となる。側面視溝部42の幅は、挿通孔102の周縁の布地の厚さと同じか、これより大きく構成されてもよい。
【0134】
背面カバー40の直径は、挿通孔102の直径より大きく構成される。これにより、背面カバー40が空調衣服100の外側から挿通孔102の周縁の布地に当接する。
【0135】
図15は、第4実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図15は、側面から見た送風装置1の装着態様の一例を示す図である。送風装置1が空調衣服100に装着される場合、カバー部32と背面カバー40の間に挿通孔102の周縁の布地が挟持又は収容される。
【0136】
ユーザーは、ファン7および基部36を空調衣服100の外側から挿通孔102に挿通させ、空調衣服100の内側から掛け部34を基部36に係合させることにより、送風装置1を空調衣服100に装着することが可能である。
【0137】
送風装置1が空調衣服100に装着されると、挿通孔102の周縁の布地は、溝部42に収容される。カバー部32と背面カバー40との間に挿通孔102の周縁の布地が配置され、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0138】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図16は、第5実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
【0139】
第5実施形態において、第2係止部5は、正面視送風部2より外方向に伸縮可能に構成される。
図16に示される例において、第2係止部5は、送風部2の側面に配置される。複数の第2係止部5は、ファン7の回転軸をはさんで対向して配置されてもよい。或いはこれとは異なり、第2係止部5は、送風部2の一側面に配置されてもよい。
【0140】
図16に示される例において、第2係止部5は、伸縮可能な棒状に構成される。第2係止部5は、上下方向に伸縮可能に構成されてもよい。
図16に示される例において、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定される。或いは、複数の第2係止部5同士の2点間の最大距離が、挿通孔102の直径より小さく構成されてもよい。
【0141】
第2の状態において、第2係止部5は、送風部2とともに挿通孔102に挿通可能に構成される。送風装置1を空調衣服100に装着する場合に、第2係止部5が第2の状態に設定され、送風部2とともに空調衣服100の外側から挿通孔102に挿通可能である。
【0142】
図17は、第5実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第2係止部5は、中空構造を有し、中空構造に収容可能な延伸部を備えてもよい。延伸部を延ばすことにより、第2係止部5は、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態に設定可能であってもよい。或いは、複数の第2係止部5同士の2点間の最大距離が、挿通孔102の直径より大きい第1の状態に設定されてもよい。或いは、対向し合う第2係止部5の先端部同士の距離は、挿通孔102の直径より大きい第1の状態に設定されてもよい。
【0143】
図17に示される例において、第2係止部5は、ユーザーの操作により伸縮可能に構成されてもよい。或いはこれとは異なり、第2係止部5は、第1係止部4への接触が検知されると延伸部が伸びる構成を備えてもよい。
【0144】
図18は、第5実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図18(a)および
図18(b)は、第2係止部5の伸縮の態様の一例を示す正面図である。
図18に示される例において、2つの第2係止部5は、ファン7の回転軸を中心として点対称に配置される。
図18(a)に示される例において、第2係止部5は、上下方向に延伸部が伸びると、挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態に設定される。
【0145】
図18(a)にて例示される第1の状態において、ファン7の回転軸から第2係止部5までの最大長さL3は、挿通孔102の半径より大きく構成される。このような構成により、第2係止部5は、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止し、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0146】
図18(b)に示される例において、第2係止部5が上下方向において最小長さになると、挿通孔102の周縁の布地に当接しない第2の状態に設定される。あるいは、第2係止部5が上下方向において最小長さになると、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定されてもよい。
【0147】
第2の状態において、ファン7の回転軸から第2係止部5までの最大長さL3は、挿通孔102の半径より小さく構成される。このような構成により、第2係止部5が第2の状態に設定されている状態で、挿通孔102に送風部2および第2係止部5を挿通させて空調衣服100に送風装置1を装着可能となる。
【0148】
送風装置1を空調衣服100に装着する場合に、ユーザーは、送風部2から順に、空調衣服100の外側から挿通孔102に挿通させる。送風部2に続き、第2の状態に設定された第2係止部5が挿通孔102に挿通され、第1係止部4が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止するまで空調衣服100の内側に進入する。
【0149】
第1係止部4が挿通孔102の周縁の布地に当接して停止すると、第2係止部5は、上下方向に延び、第2の状態から第1の状態に切り替えられる。これにより、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止可能となる。
【0150】
図19は、第5実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図19に示される例において、第1係止部4と第2係止部5との間隔に、挿通孔102の周縁の布地を挟持あるいは収容可能に構成される。
【0151】
第2係止部5が第1の状態に設定される場合に、第1係止部4および第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能である。このような構成により、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを良好に抑制可能となる。
【0152】
第5実施形態において、第2係止部5は、正面視ファン7の外周より外側に配置される。第2係止部5は、正面視ファン7の回転翼の先端より外側に配置されてもよい。このような構成により、ファン7が駆動する場合に、第2係止部5が気体の流動の障害となるのを抑制可能となる。
【0153】
図19に示される例において、電源部3は、空調衣服100の外側に配置される。電源部3は、第1係止部4の下端に接して配置されてもよい。電源部3の下端は、第1係止部4の下端と側面視略同じ高さに配置されてもよい。
【0154】
これとは異なり、電源部3は、ファン7の回転軸を通る位置に配置されてもよいし、第1係止部4の上端に接して配置されてもよい。
【0155】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を説明する。
図20は、第6実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。第6実施形態において、送風装置1は、空調衣服100の内側に当接可能な第1係止部10と、空調衣服100の外側に当接可能な第2係止部12とを備える。第6実施形態において、第2係止部12は、吸気口9に接して配置されてもよい。
【0156】
第6実施形態において、第2係止部12は、ファン7の回転軸に対して直交方向に伸縮可能に構成される。
図20に示される例において、第2係止部12は、上下方向に伸縮可能な棒状に構成されてもよい。
【0157】
一例として、第2係止部12は、中空構造を有し、中空内に収容可能な延伸部を備えてもよい。延伸部は上下方向に突出可能であり、延伸部が伸びることにより、第2係止部12は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能な第1の状態に設定されてもよい。
図20に示される例において、第2係止部12の長手方向におけるサイズは、第1の状態に設定される場合に、挿通孔102の直径より大きく構成される。
【0158】
延伸部が中空内に収容されると、第2係止部12は、挿通孔102の周縁の布地に当接しない第2の状態に設定される。第2係止部12の長手方向におけるサイズは、第2の状態に設定される場合に、挿通孔102の直径より小さく構成される。このような構成により、第2係止部12は、第2の状態に設定されている場合に、挿通孔102に挿通可能である。
【0159】
第6実施形態において、送風装置1を空調衣服100に装着する際に、ユーザーは、送風装置1を、吸気口9から順に空調衣服100の内側から挿通孔102に挿通させる。第2係止部12が第2の状態に設定されている場合、第2係止部12は、吸気口9とともに挿通孔102に挿通され、空調衣服100の外側に配置される。
【0160】
そして、第2係止部12が第2の状態から第1の状態に切り替えられると、第2係止部12は、挿通孔102の周縁の布地に当接可能となるため、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを良好に抑制できる。
【0161】
図20に示される例とは異なり、第2係止部12は、左右方向に伸縮可能に構成されてもよい。あるいは、第2係止部12は、伸縮方向を切り替え可能に構成されてもよい。一例として、第2係止部12は、ファン7の回転軸が通る位置に配置され、ファン7の回転軸を中心として、回動可能に送風部2に係合してもよい。
【0162】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態の送風装置1は、側面視挿通孔102内に配設される送風部52を備える。
【0163】
図21は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。送風装置1は、ファン7と電源部3とを格納する本体部50と、本体部50の外周に沿って配置される第3係止部54と、本体部50の外周に沿って第3係止部54より後方に配置される第4係止部56とを備える。
【0164】
本体部50は、正面視挿通孔102の形状に対応する形状を有する。本体部50は、挿通孔102に挿通可能に構成される。本体部50は、電源部3とファン7とを格納可能な中空構造を有してもよい。
【0165】
電源部3は、ファン7より下方に配置されてもよい。このような構成により、本体部50の重心が下方にかかるため、送風装置1を空調衣服100に安定的に装着可能となる。電源部3は、本体部50に対し着脱自在に係合してもよい。
【0166】
第7実施形態において、第3係止部54は、空調衣服100の内側に配置可能である。第3係止部54は、本体部50より外方向に展開可能に構成されてもよい。
図21に示される例において、第3係止部54は、本体部50の外周に沿って、環状に複数配設される。本実施形態において、展開とは、本体部50の中心から第3係止部54の先端までの距離が増加することを示す。後述する第4係止部56についても同様である。
【0167】
第7実施形態において、第4係止部56は、空調衣服100の外側に配置可能である。第4係止部56は、第3係止部54より後方に配置されるとともに、本体部50より外方向に展開可能に構成されてもよい。
【0168】
第7実施形態において、第3係止部54および第4係止部56が各々展開すると、挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態に設定される。他方、第3係止部54および第4係止部56が各々収縮すると、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定される。本実施形態において、収縮とは、本体部50の中心から第3係止部54又は第4係止部56の先端までの距離が減少することを示す。
【0169】
図22は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図22において、第3係止部54および第4係止部56は、各々第2の状態に設定されている。
図22に示される例において、第3係止部54および第4係止部56は、本体部50の外周に沿って環状に配置される。
【0170】
第3係止部54および第4係止部56が第2の状態に設定される場合に、第3係止部54および第4係止部56は、各々挿通孔102の周縁の布地に当接しないものであってもよい。
【0171】
第3係止部54および第4係止部56が各々第2の状態に設定される場合に、送風装置1を挿通孔102に挿通可能である。第7実施形態において送風装置1は、空調衣服100の内側および外側のいずれからでも、挿通孔102に挿通されることにより、空調衣服100に装着可能である。
【0172】
図23は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図23は、送風装置1の空調衣服100への装着態様の一例を示す側面図の一例である。第7実施形態において、ファン7は挿通孔102内を通る位置に配置されてもよい。電源部3は、挿通孔102内を通る位置に配置されてもよい。このような構成により、送風装置1が空調衣服100の外側および内側のいずれかの方向に突出するのを抑制可能となる。
【0173】
図23に示される例において、第3係止部54は、本体部50の側面視前半部の外周に沿って配置される。第4係止部56は、本体部50の側面視後半部の外周に沿って配置される。
【0174】
送風装置1が空調衣服100に装着される場合に、第3係止部54は空調衣服100の内側に配置され、第4係止部56は空調衣服100の外側に配置される。第3係止部54および第4係止部56が、各々本体部50より外側に延びて展開すると、第3係止部54および第4係止部56は第1の状態に設定される。
【0175】
第1の状態に設定される場合に、第3係止部54は、空調衣服100の内側における挿通孔102周縁の布地に当接可能となる。第1の状態に設定される場合に、第4係止部56は、空調衣服100の外側における挿通孔102周縁の布地に当接可能となる。
【0176】
第1の状態に設定されると、本体部50の中心から第3係止部54の先端までの最大長さは、挿通孔102の半径より大きく構成される。第1の状態に設定されると、本体部50の中心から第4係止部56の先端までの最大長さは、挿通孔102の半径より大きく構成される。このような構成により、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを抑制可能となる。
【0177】
図23に示される例において、側面視第3係止部54と第4係止部56との間に所定幅の間隔を設けてもよい。第3係止部54と第4係止部56との間隔は、挿通孔102の周縁の布地の厚さと同じかこれより大きく構成されてもよい。このような構成により、送風装置1は、第3係止部54と第4係止部56との間に、挿通孔102の周縁の布地を挟持あるいは収容することが可能となる。
【0178】
図24は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図24は、
図23に示される例とは異なる送風装置1の構成の一例を示すものである。
【0179】
図24に示される例において、電源部3は、空調衣服100の外側に配置される。電源部3は、本体部50内においてファン7より後方に配置される。このような構成により、電源部3がファン7の下方に配置される場合に比べて、本体部50の高さ方向におけるサイズを小さくすることが可能となる。
【0180】
図24に示される例において、側面視電源部3の上端は、ファン7の下端より上方に配置される。電源部3の下端は、側面視ファン7の下端と略同じ高さに配置されてもよい。或いは、
図24に示される例とは異なり、電源部3は、側面視ファン7の回転軸が通る位置に配置されてもよい。
【0181】
図25は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図25は、第3係止部54の展開の態様の一例を示す正面視断面図である。
【0182】
第7実施形態において、送風装置1は、本体部50の外周に沿って、第3係止部54を収容可能な収容部58を備えてもよい。収容部58は、本体部50の外周に沿って環状に形成されるとともに、中空構造を有する。
【0183】
収容部58は、中空領域に第3係止部54を収容可能に構成される。収容部58は、第3係止部54が外方に展開可能な開口を有してもよい。
図25に示される例において、収容部58の開口から第3係止部54が露出する。収容部58の開口から第3係止部54が伸縮可能に構成される。
【0184】
図25に示される例において、収容部58は、周方向に回動可能に構成されてもよい。第3係止部54は、一部が開口から露出した状態で収容部58に収容されるとともに、基端が収容部58内に接続されてもよい。
【0185】
収容部58を周方向に回動させると、開口から露出する第3係止部54の長さが増減する。収容部58を周方向に回動させると、収容部58の回動の態様に応じて、第3係止部54が展開又は収縮する。このような構成により、ユーザーは、収容部58を回動させることによって第3係止部54を展開又は収縮させ、送風装置1を空調衣服100に装着又は離脱させることが可能となる。第4係止部56は、第3係止部54について説明したのと同じ構成を備える収容部60内に収容されてもよい。
【0186】
図26は、第7実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図26は、第3係止部54の収縮の態様の一例を示す正面視断面図である。
【0187】
収容部58を、第3係止部54を展開させる場合とは反対の周方向に回動させると、収容部58に形成される開口から第3係止部54が露出する部分が減少する。これにより、第3係止部54は収縮する。
【0188】
収容部58の回動態様に応じて第3係止部54が収縮すると、第3係止部54は第2の状態に設定される。
図26に示される例では、第2の状態における第3係止部54の先端部が開口から外方に露出する。これとは異なり、第2の状態における第3係止部54は、開口から露出することなく収容部58内に収容されてもよい。第2の状態に設定されると、送風装置1は挿通孔102を挿通可能となる。
【0189】
第4係止部56は、第3係止部54について説明したのと同じ態様で展開および収縮してもよい。
【0190】
第7実施形態において、ファン7の回転軸が本体部50の中心を通るようファン7が配置されてもよい。第7実施形態において、電源部3は、ファン7より上方に配置されてもよい。
【0191】
なお、第7実施形態において、第3係止部54および第4係止部56がいずれも本体部50の中心より外方向に展開および収縮可能な場合を示したが、第3係止部54および第4係止部56の両者又はいずれか一方は、これとは相違する構成であってもよい。例えば、第4係止部56は、正面視円形状に構成されるとともに、挿通孔102の周縁の布地に当接可能に構成されてもよい。
【0192】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を説明する。
図27は、第8実施形態における送風装置1の一例を示す図である。第8実施形態の送風装置1において、第2係止部5は、第1係止部4に当接する場合に、第1の状態に設定されてもよい。第2係止部5は、第1係止部4に当接しない場合に、第2の状態に設定されてもよい。
【0193】
送風装置1は、送風部2の後方端部付近に第2係止部5を備える。第2係止部5は、後述するように、送風部2に対して軸支される。第2係止部5は、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態と、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに設定可能である。
【0194】
第2係止部5は、送風部2の後方端部周縁に複数配置されてもよい。複数の第2係止部5は、ファン7の回転軸を挟んで対称に配置されてもよい。このような構成により、複数の第2係止部5により挿通孔102の周縁の布地が係止可能となるため、送風装置1が空調衣服100から脱落するのを良好に抑制可能となる。
【0195】
図27に示される例において、第2係止部5は、正面視送風部2の外縁より外側に突出する。第2係止部5は、空調衣服100の内側に配置され、第1係止部4は、空調衣服100の外側に配置される。第2係止部5は、正面視送風部2の外縁より外側に突出した部分が挿通孔102の周縁の布地に当接可能である。
【0196】
図28は、第8実施形態における送風装置1の一例を示す図である。
図28に示される例において、第2係止部5は、正面視送風部2の外縁からの突出の程度が
図27に示される場合より小さく構成される。
【0197】
図28に示される例において、第2係止部5は、送風部2とともに挿通孔102を外側から内側に挿通可能に構成される。送風装置1が空調衣服100に装着される際に、ユーザーは、空調衣服100の外側から挿通孔102に送風部2および第2係止部5を挿通させて装着することが可能となる。
【0198】
図29は、第8実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。
図29は、第8実施形態における送風部2、第1係止部4および第2係止部5の断面の一例を示す。
【0199】
第1係止部4は、本体部2に向けて突出する雄ねじ部70をさらに備える。本体部2は、雄ねじ部70に螺合可能な雌ねじ部72をさらに備える。雌ねじ部72は、本体部2の後方側端部に形成される。
【0200】
第2係止部5は、本体部2の雌ねじ部72より前方に軸支される。
図29に示される例において、第2係止部5は、側面視鉤状に構成される。第2係止部5は、側面視くの字状に構成されてもよい。
【0201】
第2係止部5は、側面視屈曲する箇所において本体部2に軸支されてもよい。軸を中心に回動することにより、第2係止部5は、一端が本体部2より外側に突出する状態と、他端が本体部2の内側に突出する状態とのいずれかに設定することが可能となる。
【0202】
図30は、第8実施形態における送風装置1の構成の一例を示す図である。雄ねじ部70は、雌ねじ部72と螺合すると、雄ねじ部70は本体部2の内側を前方に進出する。雄ねじ部70は、雌ねじ部72と螺合する状態において、先端が第2係止部5に到達可能に構成される。
【0203】
図30に示される例において、雄ねじ部70と雌ねじ部72とが螺合すると、雄ねじ部70の先端が第2係止部5に到達する。雄ねじ部70の先端により前方に押圧されると、第2係止部5は軸支部分を中心に回動して、一端が本体部2の外側に突出する。第2係止部5の一端が本体部2の外側に突出すると、突出する第2係止部5は、第1係止部4とともに挿通孔102の周縁の布地を係止可能な第1の状態に設定される。
【0204】
第2係止部5が第1の状態に設定されると、突出する第2係止部5と第1係止部4との間に、挿通孔102周縁の布地を収容可能な溝が形成される。突出する第2係止部5と第1係止部4との間の溝の幅は、挿通孔102周縁の布地の厚さと同じ又はこれより大きく構成される。
【0205】
雄ねじ部70と雌ねじ部72とが分離すると、第2係止部5を本体部2の内側から前方に押圧していた雄ねじ部70の先端が後退する。雄ねじ部70が後退すると、第2係止部5は、軸支部分を中心に回動して、本体部2から外側に突出していた箇所が本体部2の内側方向に回動する。
【0206】
本体部2から外側に突出していた箇所が本体部2の内側方向に回動すると、第2係止部5は、挿通孔102の周縁の布地を係止しない第2の状態に設定される。
【0207】
このような構成により、ユーザーは、本体部2を空調衣服100の内側に配置し、係第1係止部4を空調衣服100の外側から挿通孔102に挿通させて本体部2と螺合させることにより、第2係止部5を第1の状態に設定し、送風装置1を空調衣服100に装着させることが可能となる。
【0208】
図31は、第8実施形態における送風装置1が備える雄ねじ部70および雌ねじ部72の構成の一例を示す図である。第8実施形態において、雄ねじ部70および雌ねじ部72は、各々中間領域にねじ山を有しないフラット部74をさらに備えてもよい。
【0209】
フラット部74は、雄ねじ部70および雌ねじ部72の各々の周面に沿って形成されてもよい。
【0210】
図31に示される例において、雄ねじ部70は、雌ねじ部72と螺合する場合に、先端から雌ねじ部72と螺合する。雄ねじ部70および雌ねじ部72のフラット部74に到達すると、雄ねじ部70と雌ねじ部72のねじ山は、各々フラット部72とかみ合うことなく空転する。このような構成により、第1係止部4は、第2係止部5を本体部2の外側に突出させることなく本体部2と係合することが可能となる。
【0211】
雄ねじ部70に形成されるフラット部74は、雌ねじ部72の先端部からフラット部74までの幅と略同じ幅に構成されてもよい。雌ねじ部72に形成されるフラット部74は、雄ねじ部70の先端部からフラット部74までの幅と略同じ幅に構成されてもよい。このような構成により、雄ねじ部70と雌ねじ部72とが互いにかみ合うことなく空転する状態を良好に作出可能となる。
【0212】
雄ねじ部70がさらに本体部2の内側を前方に進むと、フラット部74に続いて再びねじ山に到達し、雄ねじ部70と雌ねじ部72とが螺合する。そうすると、雄ねじ部70は雌ねじ部72と螺合しながら先端が前方に進む。先端が第2係止部5に到達すると、雄ねじ部70は第2係止部5を前方に押圧する。
【0213】
第2係止部5は、雄ねじ部70が雌ねじ部72のフラット部74よりさらに前方に進むと、押圧されて第2の状態から第1の状態に切り替えられる。このような構成により、ユーザーは、第1係止部4を本体部2に係合させる際に、第2係止部5を第2の状態に設定するか、又は第1の状態に設定するかを選択することが可能となる。
【0214】
あるいは、このような構成により、第2係止部5を第2の状態に設定しながら第1係止部4を本体部2に係合させた状態で、本体部2を空調衣服100の外側から挿通孔102に挿通させることが可能となる。
【0215】
そして、第1係止部4が空調衣服100の外側から挿通孔102の周縁の布地に当接して停止した後に、第1係止部4を前方に押圧しながら雄ねじ部70と雌ねじ部72とを螺合させ、雄ねじ部70の先端を前方に進めることにより、第2係止部5を押圧して第1の状態に設定することが可能となる。これにより、送風装置1を空調衣服100に容易に装着可能となる。
【0216】
(変形例)
上記第1実施形態乃至第8実施形態において、本発明が適用される一例を説明した。しかしながら、本発明は、上記の実施形態における場合に限定されるものではなく、種々の変形例への適用が可能である。
【0217】
上記第1実施形態乃至第6実施形態において、電源部3は、空調衣服100の内側および外側のいずれかに配置される場合を示したが、本発明はこれに限られず、空調衣服100の内側および外側のいずれの側に配置されてもよい。或いは、電源部3は、空調衣服100の内側および外側に配置されてもよい。
【0218】
上記各実施形態において、挿通孔102が円形状に形成される例を示したが、本発明はこれに限られず、挿通孔102は、送風装置1を装着可能ないかなる形状に形成されてもよい。
【0219】
上記各実施形態において、挿通孔102の周縁の布地は、空調衣服100における他の部位における布地より厚く構成されてもよい。
【0220】
上記各実施形態において、ファン7の駆動による気体の流動方向が空調衣服100の外側から内側である場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限られず、ファン7の駆動による気体の流動方向は、空調衣服100の内側から外側であってもよい。
【0221】
上記各実施形態において、送風部2が挿通孔102に挿通可能な例を示したが、本発明はこれに限られず、送風部2は、挿通孔102に挿通不能又は挿通困難に構成されてもよい。一例として、送風部2の正面視最大長さは、挿通孔102の直径より大きく構成されてもよい。
【0222】
上記各実施形態において、第2係止部が送風部2の周縁の外側に形成される場合も説明したが、本発明はこれに限られず、第2係止部は、正面視送風部2の内側に配置されてもよい。
【0223】
上記各実施形態において、挿通孔102は、正面視円形状に形成される場合を説明したが、本発明はこれに限られず、挿通孔102は、正面視多角形その他いかなる形状に形成されてもよい。
【0224】
上記各実施形態に例示される各構成は、本発明の作用効果を損なわない限り、全ての実施形態において適用可能である。
【符号の説明】
【0225】
1 送風装置
2 送風部
3 電源部
4 第1係止部(第1の係止部)
5 第2係止部(第2の係止部)
7 ファン
10 第1係止部(第1の係止部)
12 第2係止部(第2の係止部)
20 第1係止部(第1の係止部)
22 第2係止部(第2の係止部)
30 台部
32 カバー部
50 本体部
54 第3係止部(第3の係止部)
56 第4係止部(第4の係止部)
70 雄ねじ部
72 雌ねじ部
74 フラット部
100 空調衣服
102 挿通孔
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調衣服に形成される挿通孔に挿通させて装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、
前記送風部に電源供給可能な電源部と、
前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、
前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部と、
を備え、
前記第2の係止部は、
複数の方向に伸縮可能に構成され、
前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される送風装置。
【請求項2】
前記第1の係止部は、前記空調衣服の外側に配置され、
前記送風部は、前記挿通孔を挿通可能に構成される請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記第2の係止部は、前記送風部に係合し、前記第2の状態において前記送風部とともに前記挿通孔に挿通可能である請求項1又は2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記第2の係止部は、前記送風部から外方向に伸長可能に構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の送風装置。
【請求項5】
空調衣服に形成される挿通孔に挿通させて装着可能な送風装置であって、
前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、
前記送風部に電源供給可能な電源部と、
前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、
前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部と、
を備え、
前記第2の係止部は、
前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成され、
前記第1の係止部に接触する場合に、前記第1の状態に設定される送風装置。
【請求項6】
前記第1の係止部は、前記空調衣服の外側から前記挿通孔に挿通可能な雄ねじ部をさらに備え、
前記雄ねじ部は、前記送風部に形成される雌ねじ部に係合可能に構成され、
前記第2の係止部は、前記雄ねじ部が前記雌ねじ部に係合する際に、前記雄ねじ部に接触するように配置される請求項5に記載の送風装置。
【請求項7】
前記電源部は、前記第1の係止部に当接し、下端が前記第1の係止部の下端と同じ位置に構成される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項8】
前記電源部は、正面視前記ファンの回転軸が通る位置に配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項9】
前記電源部は、正面視前記ファンの外周より内側に配置される請求項1乃至6のいずれかに記載の送風装置。
【請求項10】
挿通孔を有する空調衣服に装着可能な送風装置であって、
モータの駆動により送風可能なファンと、前記ファンに電源供給可能な電源部とを一の筐体内に有する本体部と、
前記本体部の外側に環状に配置される第3の係止部と、
前記第3の係止部より後方に配置されるとともに、前記本体部の外側に環状に配置される第4の係止部と、
を備え、
前記本体部は、側面視前記挿通孔内に前記ファンおよび前記電源部が配置される送風装置。
【請求項11】
前記第3の係止部は、前記本体部より外方向に伸縮可能である請求項10に記載の送風装置。
【請求項12】
前記第4の係止部は、前記本体部より外方向に伸縮可能である請求項10又は11に記載の送風装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、挿通孔を有する空調衣服に取り付け可能な送風装置であって、前記空調衣服の内側に配設可能なファンを有する送風部と、前記送風部に電源供給可能な電源部と、前記ファンの回転軸から外方向に延びるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第1の係止部と、前記挿通孔の周縁の布地を挟んで前記第1の係止部の反対側に配置されるとともに、前記挿通孔の周縁の布地に当接可能に構成される第2の係止部とを備え、前記第2の係止部は、複数の方向に伸縮可能に構成され、前記挿通孔の周縁の布地を係止する第1の状態と、前記挿通孔の周縁の布地を係止しない第2の状態のうち、いずれかに切り替え可能に構成される送風装置である。