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特開2023-144649O-RANの運用を効率化する通信装置、監視装置、制御方法、及びプログラム
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  • 特開-O-RANの運用を効率化する通信装置、監視装置、制御方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144649
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】O-RANの運用を効率化する通信装置、監視装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20231003BHJP
   H04W 76/18 20180101ALI20231003BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20231003BHJP
   H04W 36/24 20090101ALI20231003BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20231003BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W76/18
H04W92/14
H04W36/24
H04W36/08
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051735
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 勝博
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ39
5K067LL14
(57)【要約】
【課題】Open-Radio Access Network(O-RAN)の運用を効率化すること。
【解決手段】Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)によって監視されるO-RANの機能を実装した通信装置は、その機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、SMOが実装された他の装置へ、正常に動作する第2の状態へと機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の通知を行う。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)によって監視される前記O-RANの機能を実装した通信装置であって、
前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、前記SMOが実装された他の装置へ、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の通知を行う通知手段を有する、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記他の装置へ、さらに、前記機能が前記第1の状態となった原因を示す情報の通知を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通知手段は、前記SMOによって監視される前記O-RANの第2の機能を実装した第2の他の装置において、当該第2の機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、前記SMOが実装された前記他の装置へ、正常に動作する第2の状態へと前記第2の機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の通知を行う、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記他の装置へ、さらに、前記第2の機能が前記第1の状態となった原因を示す情報の通知を行う、ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記機能は、O-RAN Radio Unit(O-RU)、O-RAN Distributed Unit(O-DU)、O-RAN Central Unit(O-CU)、又は、Near Real Time RAN Intelligent Controller(Near-RT RIC)のいずれかであり、
前記通知手段は、前記機能と前記SMOとの間で確立されるO1インタフェースを介して、前記他の装置への前記通知を行う、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記機能は、O-RAN Radio Unit(O-RU)であり、
前記通知手段は、前記O-RUと前記SMOとの間で確立されるOpen FronthaulのM-planeインタフェースを介して、前記他の装置への前記通知を行う、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記機能は、O-Cloud上で動作する仮想化アプリケーションによって実装されており、
前記通知手段は、前記O-Cloudと前記SMOとの間で確立されるO2インタフェースを介して、前記他の装置への前記通知を行う、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)として、前記SMOによって監視される対象の前記O-RANにおける機能を実装した他の装置を監視する監視装置であって、
前記他の装置から、前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の取得を行う取得手段を有する、
ことを特徴とする監視装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記他の装置から、さらに、前記機能が前記第1の状態となった原因を示す情報の取得を行う、ことを特徴とする請求項8に記載の監視装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記SMOによって監視される前記O-RANの第2の機能を実装した第2の他の装置において、当該第2の機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、前記他の装置から、正常に動作する第2の状態へと前記第2の機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の取得を行う、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の監視装置。
【請求項11】
前記取得手段は、前記他の装置から、さらに、前記第2の機能が前記第1の状態となった原因を示す情報の取得を行う、ことを特徴とする請求項10に記載の監視装置。
【請求項12】
前記機能は、O-RAN Radio Unit(O-RU)、O-RAN Distributed Unit(O-DU)、O-RAN Central Unit(O-CU)、又は、Near Real Time RAN Intelligent Controller(Near-RT RIC)のいずれかであり、
前記取得手段は、前記機能と前記SMOとの間で確立されるO1インタフェースを介して、前記他の装置からの情報の前記取得を行う、ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項13】
前記機能は、O-RAN Radio Unit(O-RU)であり、
前記取得手段は、前記O-RUと前記SMOとの間で確立されるOpen FronthaulのM-planeインタフェースを介して、前記他の装置からの情報の前記取得を行う、ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項14】
前記機能は、O-Cloud上で動作する仮想化アプリケーションによって実装されており、
前記取得手段は、前記O-Cloudと前記SMOとの間で確立されるO2インタフェースを介して、前記他の装置からの情報の前記取得を行う、ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項15】
Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)によって監視される前記O-RANの機能を実装した通信装置によって実行される制御方法であって、
前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、前記SMOが実装された他の装置へ、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の通知を行うことを含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)として、前記SMOによって監視される対象の前記O-RANにおける機能を実装した他の装置を監視する監視装置によって実行される制御方法であって、
前記他の装置から、前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の取得を行うことを含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、請求項8から14のいずれか1項に記載の監視装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Open-Radio Access Network(O-RAN)の運用効率化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスネットワーク(RAN)をオープン化/インテリジェント化するO-RAN(Open-RAN)の標準化が進められている。O-RANでは、無線アクセスインタフェースを提供するO-RU(O-RAN Radio Unit)等の各種機能を実装する装置が、従来よりも多種多様なベンダによって製造され、また、多種多様な環境において配置されることが想定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネットワークを構成する各種機能を実装した装置の種類や配置環境の多様化によって、不具合の発生要因やその解消方法も多様化することが想定される。すなわち、多種多様な不具合が発生し、さらに、同種の不具合であっても、機種によって解消方法が異なりうる。このため、不具合の解消方法が複雑化し、ネットワークの運用が非常に煩雑となりうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、Open-Radio Access Network(O-RAN)の運用の効率化技術を提供する。
【0005】
本発明の一態様による通信装置は、Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)によって監視される前記O-RANの機能を実装した通信装置であって、前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、前記SMOが実装された他の装置へ、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の通知を行う通知手段を有する。
【0006】
本発明の一態様による監視装置は、Open-Radio Access Network(O-RAN)におけるService Management and Orchestration(SMO)として、前記SMOによって監視される対象の前記O-RANにおける機能を実装した他の装置を監視する監視装置であって、前記他の装置から、前記機能が正常に動作することができない第1の状態である場合に、正常に動作する第2の状態へと前記機能を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報の取得を行う取得手段を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、Open-Radio Access Network(O-RAN)の運用を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムの構成例を示す図である。
図2】装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】通信装置の機能構成例を示す図である。
図4】監視装置の機能構成例を示す図である。
図5】通信装置によって実行される処理の流れの例を示す図である。
図6】監視装置によって実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(システムの構成)
図1に、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す。本通信システムは、無線アクセスネットワーク(RAN)をオープン化/インテリジェント化するために標準化が進められているOpen-Radio Access Network(O-RAN)を用いて構成される。O-RANは、例えば、SMO101、SMO101内のNon-RT RIC102、Near-RT RIC103、O-CU-CP104、O-CU-UP105、O-DU106、O-RU107を含んで構成される。なお、これらの構成は、O-Cloud108上で動作する仮想化アプリケーションによって実装されてもよい。なお、SMOは、Service Management and Orchestrationの略語である。SMO101は、システム全体の監視、管理、および制御を行う。RICは、RAN Intelligent Controllerの略語であり、RTはReal Timeの略語である。Non-RT RICとNear-RT RICは、制御のリアルタイム性の違いにより区別される。例えば、Non-RT RIC102は、例えば、システム全体の長期的な挙動を制御するためのポリシの決定等の処理を実行する。一方、Near-RT RIC103は、O-CU(O-CU-CP104、O-CU-UP105)、O-DU106、O-RU107の短期的な挙動を制御するように動作しうる。O-CUは、O-RAN Central Unitの略語であり、O-DUは、O-RAN Distributed Unitの略語であり、O-RUは、O-RAN Radio Unitの略語である。O-CUは、さらに、コントロールプレーン(CP)及びユーザプレーン(UP)に分離される。O-CUは、配下に接続されるO-DUやO-RU、及び、端末装置(不図示)との間の接続の確立や切断、通信の制御を行う機能を有する。例えば、O-CU-CP104が、制御シグナリング等の通信制御を実行し、O-CU-UP105は、ユーザプレーンデータを端末装置との間で通信するための転送処理を実行する。なお、一例において、O-CUは、端末装置との通信処理のうちの上位レイヤの処理を実行し、O-DU106が、その通信処理のうちの例えば媒体アクセス制御(MAC)レイヤ以下の下位レイヤの処理を実行しうる。O-RU107は、無線機能(例えば、無線周波数(RF)機能など)を有し、受信した無線信号をベースバンド信号へと変換してO-DU106へ転送し、また、O-DU106から受信された信号をRF信号へと変換してアンテナを介して出力する等の処理を実行しうる。
【0011】
なお、図1に示されているように、例えば、SMO101とNear-RT RIC103、O-CU-CP104、O-CU-UP105、O-DU106、及びO-RU107のそれぞれとの間のインタフェースは、O1インタフェースと呼ばれる。また、SMO101とO-Cloud108との間のインタフェースは、O2インタフェースと呼ばれる。例えば、O-RU107は、SMO101との間で確立されているO1インタフェースによって情報の交換を行うことができるが、O-RU107が例えばO-Cloud108上の仮想化アプリケーションによって実装される場合は、SMO101との間で確立されているO2インタフェースによって情報の交換を行うことができる。なお、O-RU107と、O-DU106との間には、Open Fronthaulインタフェースが確立される。なお、Open Fronthaulインタフェースは、マネジメントプレーン(M-plane)のインタフェースを含み、このM-planeインタフェースは、O-RU107とSMO101との間でも使用されうる。すなわち、O-RU107と、上位の機能との間のインタフェースとして、Open Fronthaulインタフェースが規定されており、SMO101とO-RU107との間には、これに加えてO1インタフェースが規定されている。なお、他の機能間にも、図1に示すような名称が付されたインタフェースが確立される。
【0012】
O-RANは、様々なベンダや様々な配置パターンで各機能部が配置・実装される。このため、例えば、O-RU107が、別のO-RUとは異なる特性を有しうる。一例において、O-RU107が配置される位置や使用される環境が、他のO-RUとは全く異なりうる。このため、例えばO-RU107及び他のO-RUにおいて不具合が生じた場合、その不具合の特徴も大きく異なりうる。また、O-RUのベンダが異なると、不具合が発生した第1の状態から、正常に動作する第2の状態へとO-RUを復帰させるために実行される必要のある処理も異なりうる。例えば、同じソフトウェアのエラーが発生した場合であっても、その回復のために、第1のO-RUにおいてはソフトウェアのアップデートが要求され、第2のO-RUにおいてはエラーに関連するユニットの再起動が要求されうる。従来、ネットワークの運用者は、各O-RUにおいて障害が生じたかを、O-RUによる通知によって認識することができるが、その障害の回復のための手順については、各ベンダに問い合わせる必要があった。
【0013】
これに対して、本実施形態では、O-RU107から、SMO101に対して、正常に動作できない第1の状態となった場合に、正常に動作する第2の状態へと自装置を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報を通知するようにする。O-RU107は、例えば、エラーが発生した場合に、自装置内でエラーを解析して、推奨される処理を特定する。所定の処理は、例えば、O-RU107そのものの再起動、ソフトウェアのアップデート、ソフトウェアのアップデートのリトライ、エラーに関連するユニットの再起動、エラーに関連するユニットの取り外し又は再装着、エラーに関連するユニットの置き換え、部品交換等のマニュアル操作、等を含みうる。なお、これらの所定の処理は、事前に定義され、O-RU107は、その事前に定義された処理群の中から実行されるべき(実行が推奨される)1つ以上の処理を特定して、その特定した処理を特定可能な情報をSMO101へ送信しうる。所定の処理は、例えば、データタイプがenumerate型の情報要素として通知されうる。なお、情報の通知形式はこれに限られず、任意の形式の情報でありうる。
【0014】
また、O-RU107は、正常に動作できない第1の状態となった原因を示す情報をSMO101へ通知してもよい。原因は、例えば、ソフトウェアのエラーや、メモリ不足、制御用の管理データの不整合、物理的な部品の故障、O-RU107内の温度の異常上昇、等を含みうる。なお、これらの原因を示す情報は、事前に定義され、O-RU107は、その事前に定義された原因のリストの中から該当する1つ以上の原因を特定して、その特定した原因を示す情報をSMO101へ送信しうる。原因も、例えば、データタイプがenumerate型の情報要素として通知されうる。
【0015】
なお、上述の情報は、例えば、O-RU107から、SMO101へ、O1インタフェースを用いて通知されうる。また、O-RU107は、SMO101へ、Open FronthaulのM-planeインタフェースを介して、上述の情報を通知してもよい。さらに、O-RU107がO-Cloud108上で仮想化アプリケーションによって実装されている場合には、O-RU107は、SMO101へ、O2インタフェースを介して、上述の情報を通知しうる。なお、ここでは、O-RU107からSMO101へ情報が通知される場合の例について説明したが、SMO101の範囲外にO-RU107が正常に動作しているか否かを監視及び管理するシステムが構成されてもよく、その場合には、O-RU107から、そのシステムへ上述の情報の通知が行われるようにしてもよい。この場合、例えば、O-RU107が、O1インタフェース、O2インタフェース、又は、Open FronthaulのM-planeインタフェースを介して、SMO101へ情報を通知後、SMO101が、O-RU107が正常に動作しているか否かを監視及び管理するシステムへ、その情報を転送するようにしうる。また、例えば、O-RU107は、例えばOpen Fronthaulインタフェースを介してO-DU106へ、上述の情報を送信し、O-CUやSMO101による制御の下で、O-DU106から、O-RU107が正常に動作しているか否かを監視及び管理するシステムへの転送が行われてもよい。この場合、その情報は、SMO101を経由してもよいし、SMO101を経由しなくてもよい。また、O-RU107は、少なくともO-DU106を介して(必要に応じてO-CUやRICを介して)、上述の情報をSMO101へ通知するように構成されてもよい。
【0016】
なお、SMO101は、正常に動作する状態へとO-RU107を復帰させるために実行することが推奨される所定の処理を特定可能な情報を取得した後に、例えば、ネットワークを管理する事業者へその情報を提示して、その事業者による指示を待ち受けうる。なお、この場合、事業者が操作する情報端末がSMO101の外部に存在する場合には、SMO101は、その外部の情報端末へ情報を転送しうる。また、例えば、推奨される所定の処理を自動で実行することが可能な場合、SMO101は、事業者による指示を受け付けることなく、その所定の処理を実行すべきことを示す指示をO-RAN107へ通知するようにしてもよい。また、例えば、事業者が、特定の処理についてはSMO101によって自動で行われるべきことを示す設定ファイル等を用いてSMO101を事前設定しておき、SMO101において、その特定の処理については自動で実行し、それ以外の処理については、事業者からの指示を待ち受けてもよい。
【0017】
また、SMO101は、例えば、通知された原因の情報を蓄積しうる。なお、SMO101は、この原因の情報と、O-RU107の回復のために実行された処理を示す情報とを関連付けて蓄積してもよい。なお、SMO101は、外部のストレージに情報を蓄積してもよい。ネットワークを管理する事業者は、例えば、その蓄積された情報に基づいて、各O-RU107においてどのような不具合が発生する傾向があるか、また、どのような対処が有効であるかを解析することができる。この結果、事業者は、ネットワークのメンテナンスを適切に計画することができ、また、不具合が発生した場合に、迅速にその不具合を解消することができるようになる。
【0018】
なお、図1は、仮想的な機能構成であり、各ブロックが別個の装置によって実装される必要はない。例えば、1つのブロックが複数の装置によって実装されてもよいし、複数のブロックが1つの装置によって実装されてもよい。なお、本実施形態では、O-RU107の機能を含んだ通信装置と、例えばSMO101の機能のうちのO-RU107の監視を行う監視機能を含んだ監視装置とが別個の装置によって構成される以外に、装置構成についての特段の限定を意図していない。
【0019】
なお、本実施形態では、O-RU107に着目して本実施形態によって提供される各種手法について説明したが、これに限られない。すなわち、本実施形態に係る議論は、O-RU107以外にも適用することができる。すなわち、「O-RU107」は、例えば、Near-RT RIC103、O-CU-CP104、O-CU-UP105、O-DU106、すなわち、SMO101等によって監視される対象となるO-RANの機能として読み替えられてもよい。なお、O-RU107に代えて、Near-RT RIC103、O-CU-CP104、O-CU-UP105、O-DU106が用いられる場合、これらの機能を実装する通信装置と、SMO101が実装された監視装置との間の通信は、O1インタフェースが使用されうる。なお、Near-RT RIC103、O-CU-CP104、O-CU-UP105、O-DU106の機能がO-Cloud108上で仮想化アプリケーションによって実装されている場合には、O2インタフェースを使用して通信が行われてもよい。また、例えば、O-DU106が、O-CU(O-CU-CP104、O-CU-UP105)を介してSMO101と通信する等、各機能において上流側(SMO101側)に接続された上流側の機能を介して、SMO101と通信してもよい。
【0020】
なお、上述の説明では、O-RU107が、自装置が正常に動作できない第1の状態となった場合に、正常に動作する第2の状態へと自装置を復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報等をSMO101へ通知する場合の例について説明したが、これに限られない。例えば、O-DU106が、配下のO-RU107を監視し、O-RU107が正常に動作できない第1の状態となった際に、そのO-RU107を第1の状態から第2の状態へと復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報等をSMO101へ通知してもよい。すなわち、上述の説明において、O-RU107が通知すると説明した情報は、O-RU107と異なる他の機能を実装する装置によって、SMO101へ通知されてもよい。また、O-RU107は、自装置が接続しているO-DU106やその配下の他のO-RU107が第1の状態となった場合に、それらの機能が正常に動作する第2の状態へと復帰させるために実行されることが推奨される所定の処理を特定可能な情報等をSMO101へ通知する能力を有してもよい。
【0021】
(装置構成)
図2は、SMO101によって監視されるO-RANの各機能が実装された通信装置と、そのようなO-RANに関連する各機能を監視する監視機能を含んだSMO101の機能が実装された監視装置のハードウェア構成例を示す図である。各装置は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM202は、装置が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路205は、例えば、他の装置との通信を行うための回路を含んで構成される。なお、図2では、1つの通信回路205が図示されているが、各装置は、複数の通信回路を有しうる。
【0022】
図3は、SMO101によって監視されるO-RANの各機能が実装された通信装置の機能構成例を示す図である。なお、図3は、通信装置が有すべき機能構成について示しており、例えばO-RUの一般的な機能など、通信装置がO-RANの各機能を提供するために必要な各機能については省略している。以下では、通信装置にO-RU107の機能が実装されているものとするが、以下の説明において、「O-RU107」は、O-DU106等のO-RANの他の機能と読み替えられてもよい。なお、図3の各機能は、例えば、プロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されうる。
【0023】
通信装置は、例えば、自装置におけるO-RU107の機能に不具合が生じ、O-RU107が正常に動作しない状態となった場合に、そのO-RU107を正常に動作する状態に復帰させるために推奨される所定の処理を特定可能な情報をSMO101へ通知する推奨処理通知部301を含む。また、通信装置は、例えば、自装置におけるO-RU107の機能に不具合が生じた際の、その不具合の原因を示す情報をSMO101へ通知する不具合原因通知部302をさらに含む。なお、推奨処理通知部301及び不具合原因通知部302は、例えば、上述のように、O1インタフェース、O2インタフェース、及び、Open FronthaulのM-planeインタフェースを介して、SMO101へ情報を通知しうる。
【0024】
なお、推奨処理通知部301は、自装置と異なる他の装置によって実装されているO-RANの他の機能が正常に動作しない状態となった場合に、その他の機能を正常に動作する状態に復帰させるために推奨される所定の処理を特定可能な情報を、その他の装置に代わってSMO101へ通知してもよい。また、不具合原因通知部302も、自装置と異なる他の装置によって実装されているO-RANの他の機能に不具合が生じた際の、その不具合の原因を示す情報を、その他の装置に代わってSMO101へ通知してもよい。
【0025】
図4は、O-RANの各機能を監視する監視機能を含んだSMO101が実装された監視装置の機能構成例を示す図である。なお、図4は、本実施形態の監視装置の機能構成について示しており、例えばSMOの一般的な機能については省略している。以下では、監視対象がO-RU107である場合について説明するが、以下の説明において、「O-RU107」は、O-DU106等のO-RANの他の機能と読み替えられてもよい。なお、図4の各機能は、例えば、プロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することにより、実現されうる。
【0026】
監視装置は、例えば、監視対象のO-RU107において不具合が発生した場合に、その不具合を解消する(O-RU107を正常に動作する状態に復帰させる)ために推奨される所定の処理を特定可能な情報を、そのO-RU107の機能を有する通信装置又はそのO-RU107の状態を監視可能なO-DU106等の機能を有する通信装置から取得する推奨処理取得部401を含む。また、監視装置は、例えば、O-RU107の機能に不具合が生じた際の、その不具合の原因を示す情報を、そのO-RU107の機能を有する通信装置又はそのO-RU107の状態を監視可能なO-DU106等の機能を有する通信装置から取得する不具合原因取得部402をさらに含む。なお、推奨処理取得部401及び不具合原因取得部402は、例えば、上述のように、O1インタフェース、O2インタフェース、及び、Open FronthaulのM-planeインタフェースを介して、不具合が発生したO-RU107の機能を有する通信装置から情報を取得しうる。
【0027】
(処理の流れ)
続いて、本実施形態に係る、上述の通信装置と監視装置とによって実行される処理の流れの例について説明する。
【0028】
図5は、通信装置によって実行される処理の流れの例を示している。図5の処理において、通信装置は、自装置のO-RU107等の機能において、不具合を検出すると(S501)、その不具合を解消する(その機能を通常の動作を実行可能な状態に戻す)ために推奨される所定の処理を特定可能な情報を、SMO101へ通知する(S502)。なお、通信装置は、これに加えて、不具合の原因を示す情報をSMO101へ通知しうる。なお、不具合の原因を示す情報が送信される場合、その不具合の原因を示す情報と、不具合を解消するために推奨される所定の処理を特定可能な情報とが、SMO101へ一度に通知されてもよいし、それぞれ別個に通知されてもよい。なお、通信装置は、他装置のO-RU107等の機能についての不具合を検出したことに基づいて、S501及びS502の通知を行ってもよい。
【0029】
図6は、監視装置によって実行される処理の流れの例を示している。監視装置は、監視対象のO-RANの各機能(例えばO-RU107)において不具合が発生した場合に、その不具合を解消する(例えばそのO-RU107を通常の動作を実行可能な状態に戻す)ために推奨される所定の処理を特定可能な情報を、その機能が実装されている通信装置から取得する(S601)。なお、監視装置は、これに加えて、不具合が発生した機能が実装されている通信装置から、その不具合の原因を示す情報を取得しうる。なお、監視装置は、監視対象のO-RANの各機能(例えばO-RU107)において不具合が発生した場合に、その機能が実装されている装置とは異なる他の通信装置から、その機能が通常の動作を実行可能な状態に戻すために推奨される所定の処理等の情報を取得してもよい。
【0030】
以上のようにして、O-RANによるネットワークを管理する事業者が、不具合の発生したO-RAN内の各機能を迅速に回復させることができる。また、事業者は、不具合の内容を詳細に解析することにより、例えば、ネットワークのメンテナンスを適切に計画することができるようになる。このようにして、O-RANの運用を効率化することができる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0031】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6