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特開2023-144670情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144670
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20231003BHJP
   B43K 7/02 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/20
B43K7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051766
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 裕
(72)【発明者】
【氏名】牧 貴之
【テーマコード(参考)】
2C350
5L049
【Fターム(参考)】
2C350GA03
2C350KC05
2C350NA15
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】ユーザの筆記具リフィルの使用量の情報を得ることができ、また、筆記具リフィルの使用によるユーザの学習意欲を醸成し得る情報処理装置を提供する。
【解決手段】ユーザ識別情報が記憶される記憶部と、ユーザ識別情報とともに画像データが入力される入力部と、筆記具リフィルのインク収容管の表面に筆記具リフィルごとに特有に表示された識別コードが、前記入力部を介して入力された前記画像データ中に含まれているか否かを識別する記号識別部と、前記識別コードが前記記号識別部に識別された場合、前記入力部を介して入力された前記ユーザ識別情報と、前記識別コードとを関連づけて前記記憶部に記憶させる関連付け部と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ識別情報が記憶される記憶部と、
ユーザ識別情報とともに画像データが入力される入力部と、
筆記具リフィルのインク収容管の表面に筆記具リフィルごとに特有に表示された識別コードが、前記入力部を介して入力された前記画像データ中に含まれているか否かを識別する記号識別部と、
前記識別コードが前記記号識別部に識別された場合、前記入力部を介して入力された前記ユーザ識別情報と、前記識別コードとを関連づけて前記記憶部に記憶させる関連付け部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記識別コードは、筆記具リフィルの使用を記録するサーバへのアクセスコードと、当該筆記具リフィルの使用終了を確認する入力コードとを備え、
前記入力コードは、前記インク収容管において外部からインクが視認される部位における筆記先端側に表示されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ識別情報と関連付けられた前記識別コードに基づいて、前記ユーザ識別情報により識別されるユーザに付与されるポイントを算出する算出部と、
前記ポイントが所定のしきい値を超えたか否かを判定して、前記ポイントが前記所定のしきい値を超えた場合、前記ユーザ識別情報により識別されるユーザに対して、特典を提供する特典提供部と、を有する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ識別情報及び前記画像データを送信する端末と、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の情報処理装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
ユーザ識別情報とともに画像データが入力される段階と、
筆記具リフィルのインク収容管の表面に筆記具リフィルごとに特有に表示された識別コードが、前記画像データに含まれているか否かを識別する段階と、
前記識別コードが前記画像データに含まれている場合、前記ユーザ識別情報と、前記識別コードとを関連づけて記憶する段階と、
をプロセッサに実行させることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具リフィルに表示された画像を識別する情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記具リフィルにはインクを視認可能な透明又は半透明の合成樹脂製のインク収容管が用いられていることがほとんどである。
【0003】
しかし、筆記の際にどのくらいのインクを消費したのかが目視だけでは容易にわからず、使用状況を把握しにくい課題があった。
【0004】
そこで特許文献1に示すような筆記具リフィルの表面に表示部を設けて容易にインク消費量やインク残量を目視で容易に把握することが可能なボールペンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-213533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の発明のようなボールペンでは、インクが消費し尽くされるとほとんどの場合は廃棄されるため、どれくらいのボールペンを使用したかについての情報を蓄積することができない。また、ボールペンを学習に使用し続けた場合でも、ボールペンの使用量によるある種の達成感の醸成を増進することができない。
【0007】
また、筆記具の製造者又は販売者にとっては、ユーザがどのような頻度で筆記具リフィルを使用しているのかという情報を得ることは、よりユーザに好まれる筆記具リフィルの開発への一助となる。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザの筆記具リフィルの使用量の情報を得ることができ、また、筆記具リフィルの使用によるユーザの学習意欲を醸成し得る情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の実施態様の情報処理装置は、ユーザ識別情報が記憶される記憶部と、ユーザ識別情報とともに画像データが入力される入力部と、筆記具リフィルのインク収容管の表面に筆記具リフィルごとに特有に表示された識別コードが、前記入力部を介して入力された前記画像データ中に含まれているか否かを識別する記号識別部と、前記識別コードが前記記号識別部に識別された場合、前記入力部を介して入力された前記ユーザ識別情報と、前記識別コードとを関連づけて前記記憶部に記憶させる関連付け部と、を有することを特徴とする。
【0010】
なお、前記識別コードは、筆記具リフィルの使用を記録するサーバへのアクセスコードと、当該筆記具リフィルの使用終了を確認する入力コードとを備え、前記入力コードは、前記インク収容管において外部からインクが視認される部位における筆記先端側に表示されることが好ましい。
【0011】
また、この情報処理装置においては、前記ユーザ識別情報と関連付けられた前記識別コードに基づいて、前記ユーザ識別情報により識別されるユーザに付与されるポイントを算出する算出部と、前記ポイントが所定のしきい値を超えたか否かを判定して、前記ポイントが前記所定のしきい値を超えた場合、前記ユーザ識別情報により識別されるユーザに対して、特典を提供する特典提供部と、を有することが好ましい。
【0012】
また、識別コードは、たとえばQRコード(登録商標)のような二次元コードとすることが好ましい。
【0013】
なお、前記インク収容管は、海洋プラスチックを用いた合成樹脂材料からなる混合材料により形成され、また、この混合材料に占める海洋プラスチックの占める質量割合は10%以上であることが好ましい。
【0014】
本開示の第2の実施態様の情報処理システムは、前記ユーザ識別情報及び前記画像データを送信する端末と、前記した第1の実施態様の情報処理装置のいずれかと、を備えることを特徴とする。
【0015】
本開示の第3の実施態様の情報処理方法は、ユーザ識別情報とともに画像データが入力される段階と、筆記具リフィルのインク収容管の表面に筆記具リフィルごとに特有に表示された識別コードが、前記画像データに含まれているか否かを識別する段階と、前記識別コードが前記画像データに含まれている場合、前記ユーザ識別情報と、前記識別コードとを関連づけて記憶する段階と、をプロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る情報処理装置は、ユーザの筆記具リフィルの使用量の情報を得ることができ、また、筆記具リフィルの使用によるユーザの学習意欲を醸成し得る情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】情報処理装置が実装される情報処理システムの概略構成図である。
図2】ポイント管理のためのポイント管理表を示す模式図である。
図3】情報処理システムにおける情報処理のシーケンス図である。
図4】筆記具リフィルの外観を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、情報処理装置が実装される情報処理システムの概略構成図である。以下、図1を参照しながら、本明細書に開示する情報処理システム1の概要を説明する。
【0019】
本実施形態における情報処理システム1は、少なくとも情報処理装置としてのサーバ10と端末30とを含んで構成される。サーバ10と端末30とは、通信ネットワーク2とゲートウェイ(図示せず)等を介して接続される基地局3にアクセスすることで、相互に接続される。
【0020】
図1では、1つの端末30及び1つの基地局3のみが図示されているが、情報処理システム1は複数の端末30を有してもよいし、複数の基地局3が通信ネットワーク2に接続されていてもよい。
【0021】
端末30のプロセッサ35の撮影制御部41は、ユーザ(図示せず)によるユーザインタフェース(UI)32の操作に応じて、カメラ31を制御して、筆記具リフィル50のインク収容管51(図4参照)に刻印された、識別コード71としての二次元コードを含む画像を撮影する。
【0022】
端末30のプロセッサ35の記号識別部42は、撮影された画像データ中に筆記具リフィル50の識別コード71が表されているか否かを識別する。ここで、識別コード71は、筆記具リフィル50の使用を記録するサーバ10へのアクセスコード73と、筆記具リフィル50の使用終了を確認する入力コード72とを備えている。端末30のプロセッサ35の情報処理部43は、画像データ中に筆記具リフィル50の識別コード71が表されている場合、撮影した識別コード71と、あらかじめ端末30のメモリ34に記憶されている、ユーザを識別するユーザ識別情報(ID)とを、通信インターフェース(I/F)33を用いて、基地局3及び通信ネットワーク2を介して、アクセスコード73が示すアドレスのサーバ10へ送信する。一方、情報処理部43は、画像データ中に筆記具リフィル50の識別コード71が表されていない場合、画像データをサーバ10へは送信しない。
【0023】
サーバ10のプロセッサ13の記号識別部21は、入力部11としての通信インターフェース(I/F)11を介して入力された画像データ中に、筆記具リフィルの識別コード71が含まれているか否かを識別する。
【0024】
サーバ10のプロセッサ13の関連付け部22は、入力された画像データ中に識別コード71が含まれている場合、通信I/F11を介して入力されたユーザIDと、識別コード71の入力コード72とを関連づけてメモリ12に記憶する。これにより、情報処理システム1は、ユーザが所有している筆記具リフィル50の情報を得ることができる。
【0025】
サーバ10のプロセッサ13の算出部23は、ユーザIDと関連付けられた入力コード72に基づいて、ユーザIDにより識別されるユーザに付与されるポイントを算出する。
【0026】
サーバ10のプロセッサ13の特典提供部24は、ポイントが所定のしきい値を超えたか否かを判定して、ポイントが所定のしきい値を超えた場合、ユーザIDにより識別されるユーザに対して、特典を提供する。これにより、ユーザは、筆記具リフィルの使用意欲がさらに高まるので、筆記具の製造者又は販売者は、筆記具の販売を促進することができる。
【0027】
情報処理システム1における、サーバ10及び端末30の構成、サーバ10及び端末30での詳細な処理フローについて、以下に説明する。なお。情報処理システム1では、端末30が複数含まれてもよいが、情報処理に関して各端末30は同じ構成を有し、且つ同じ処理を実行すればよいので、以下では、1つの端末30について説明する。
【0028】
図1には、サーバ10のハードウェア構成図が示されている。サーバ10は、情報処理装置の一例である。サーバ10は、通信I/F11と、メモリ12と、プロセッサ13等とを有する。通信I/F11と、メモリ12と、プロセッサ13とは、信号線14を介して接続されている。サーバ10は、キーボード及びマウスといった入力装置と、液晶ディスプレイといった表示装置とをさらに有してもよい。
【0029】
通信I/F11は、入力部の一例であり、サーバ10を通信ネットワーク2に接続するためのインターフェース回路を有する。そして通信I/F11は、端末30と、通信ネットワーク2及び基地局3を介して通信可能に構成される。
【0030】
メモリ12は、記憶部の一例であり、たとえば、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ12は、情報処理システム1の処理のうちのサーバ10に関連する処理の実行中に生成される各種データ、及び、端末30から受信された画像データといった端末30との通信により取得される各種データ等を一時的に記憶する。たとえば、メモリ12は、図2に示すような、ユーザIDと、ユーザに付与されるポイント(使用本数)とが関連付けて登録されるポイント管理表124を記憶する。ポイント管理表124は、ユーザIDが登録されるユーザID欄125と、ポイントが登録されるポイント欄126とを有する。
【0031】
プロセッサ13は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ13は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットといった他の演算回路をさらに有していてもよい。そしてプロセッサ13は、情報処理のうちのサーバ10に関連する処理を実行する。
【0032】
プロセッサ13は、画像データ中のインク収容管を識別する記号識別部21と、ユーザIDと認証IDとを関連付ける関連付け部22と、ポイントを算出する算出部23と、ユーザに特典を提供する特典提供部24等を有する。プロセッサ13が有するこれらの各部は、たとえば、プロセッサ13上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ13が有するこれらの各部は、プロセッサ13に設けられる、専用の演算回路であってもよい。
【0033】
また、図1には、端末30の概略構成図が示されている。端末30は、カメラ31と、ユーザインタフェース(UI)32と、通信I/F33と、メモリ34と、プロセッサ35等を有する。カメラ31と、UI32と、通信I/F33と、メモリ34と、プロセッサ35とは、信号線36を介して接続されている。
【0034】
カメラ31は、ユーザによるUI32の操作に応じて、筆記具リフィル50等の画像を撮影する。カメラ31は、CCD又はC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。
【0035】
UI32は、プロセッサ35に制御されて、処理情報をユーザへ通知し、またユーザからの操作に応じた操作信号を生成する。処理情報としては、たとえば、カメラ31により撮影された画像、及び、後述するポイントの情報等を含む。UI32は、画像等を表示する表示部321を有する。UI32として、たとえば、液晶表示装置にタッチパネルが取り付けられたタッチパネル付き表示装置を用いることができる。
【0036】
通信I/F33は、通信部の一例であり、所定の無線通信規格に準拠した無線通信処理を実行する機器であり、たとえば、基地局3にアクセスすることで、基地局3及び通信ネットワーク2を介してサーバ10と接続される。
【0037】
メモリ34は、記憶部の一例であり、たとえば、不揮発性の半導体メモリ及び揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ34は、情報処理システム1の処理のうちの端末30に関連する処理の実行中に生成される各種データ、並びに、サーバ10から受信された情報といったサーバ10との通信により取得される各種データ等を一時的に記憶する。また、メモリ34は、ユーザIDを記憶する。なお、ユーザIDは、端末30を識別する識別情報等であってもよい。
【0038】
プロセッサ35は、カメラ31を制御する撮影制御部41と、画像データ中に筆記具リフィル50の識別コード71が表されているか否かを識別する記号識別部42と、画像データの送信等を実行する情報処理部43等を有する。プロセッサ35が有するこれらの各部は、たとえば、プロセッサ35上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ35が有するこれらの各部は、プロセッサ35に設けられる、専用の演算回路であってもよい。
【0039】
図3は、情報処理のシーケンス図である。情報処理システム1では、端末30において画像が撮影されるたびに、図3に示すシーケンス図に従って情報処理が繰り返して実行される。
【0040】
端末30のプロセッサ35の撮影制御部41は、ステップS101に示す段階において、ユーザによるUI32の操作に応じて、カメラ31を制御して、筆記具リフィル50のインク収容管51(図4参照)を含む画像を撮影する。
【0041】
端末30のプロセッサ35の記号識別部42は、ステップS102に示す段階において、撮影された画像データ中に筆記具リフィル50の識別コード71が表されているか否かを識別する。
【0042】
記号識別部42は、たとえば、入力された画像データから、その画像データに表された所定の識別コード71を検出するように専用のソフトウェアにより識別される。
【0043】
端末30のプロセッサ35の情報処理部43は、画像データ中に所定の識別コード71が検出された場合、ステップS103に示す段階において、識別コード71のうちアクセスコード73に基づき、識別コード71のうちの入力コード72と、メモリ34にあらかじめ記憶されたユーザIDとを、通信I/F33を用いて、基地局3及び通信ネットワーク2を介してアクセスコード73が示すアドレスのサーバ10へ送信する。一方、情報処理部43は、画像データ中に筆記具リフィル50の所定の識別コード71が表されていない場合、画像データをサーバ10へ送信することは行わない。
【0044】
サーバ10のプロセッサ13の記号識別部21は、ステップS104に示す段階において、通信I/F11を介して受信された画像データ中に、筆記具リフィル50の識別コード71のうち入力コード72が含まれているか否かを識別する。記号識別部21は、画像データ中に入力コード72が識別された場合、入力コード72を識別する認証IDを関連付け部22へ通知する。なお、記号識別部21は、画像データ中に筆記具リフィル50の入力コード72が識別されなかった場合、画像データ中に入力コード72が識別されなかったことを通知する識別不可能通知を、プロセッサ13の算出部23へ通知する。画像データ中に入力コード72が識別されなかった理由として、たとえば不鮮明な画像、又は、識別対象の入力コード72が画像データ中に含まれていないことが考えられる。
【0045】
サーバ10のプロセッサ13の関連付け部22は、入力コード72が識別されている場合、関連付け部22から、当該入力コード72を識別する認証IDが通知される。関連付け部22は、ステップS105に示す段階において、通信I/F11を介して入力されたユーザIDと、関連付け部22から通知された認証IDとを関連づけて、認証ID管理表に登録する。関連付け部22は、記号識別部21により識別された入力コード72が、ユーザIDに対して関連付けられていない場合、ユーザIDと認証IDとを関連づけて、認証ID管理表に登録する。一方、関連付け部22は、記号識別部21により識別された入力コード72が、ユーザIDに対して既に関連付けられて登録されている場合、新たな登録は行わない。これにより、情報処理システム1は、ユーザに対して、識別コード71のある筆記具リフィル50を使い続けたい意欲を促すことができる。
【0046】
サーバ10のプロセッサ13の算出部23は、ステップS106に示す段階において、ユーザIDと関連付けられた使用本数に基づいて、ユーザIDにより識別されるユーザに付与されるポイントを算出する。具体的には、算出部23は、図示しない認証ID管理表を参照して、ユーザIDと関連付けられている使用本数の数を、ポイントとして算出し、このポイントを各ユーザIDと関連付けて、ポイント管理表124に登録する。
【0047】
図2に示す例では、ユーザID001には、ポイントとして4が登録されており、ユーザID002には、ポイントとして1が登録されており、ユーザID003には、ポイントとして1が登録されており、ユーザID004には、ポイントとして10が登録されており、ユーザID003には、ポイントとして6が登録されている。
【0048】
算出部23は、ステップS107に示す段階において、ポイント管理表124を参照して、算出されたポイントを、通信I/F11を用いて、通信ネットワーク2及び基地局3を介して端末30へ送信する。端末30のプロセッサ35の情報処理部43は、ステップS108に示す段階において、受信されたポイントを、UI32に表示する。これにより、ユーザは、自分が保有するポイントを知ることができる。一方、算出部23は、記号識別部21から識別不可能情報通知が通知された場合、ポイントが付与されなかったことを通知する情報を、通信ネットワーク2及び基地局3を介して端末30へ送信する。この場合、算出部23は、再度データを送信することを求める通知を、端末30へ送信するようにしてもよい。
【0049】
サーバ10のプロセッサ13の特典提供部24は、ステップS109に示す段階において、ポイント管理表124を参照して、通信I/F11を介して入力されたユーザIDと関連付けられているポイントが、所定のしきい値(たとえば、3)を超えたか否かを判定する。特典提供部24は、ポイントが所定のしきい値を超えた場合、ユーザIDにより識別されるユーザに対して、特典を提供することを決定し、ステップS110に示す段階において、その旨を通信I/F11を用いて、通信ネットワーク2及び基地局3を介して端末30へ送信する。一方、特典提供部24は、ポイントが所定のしきい値を超えていない場合、ユーザIDにより識別されるユーザに対して、特典を提供することを決定しない。
【0050】
そしてユーザは、特典提供部24から所定の特典を受け取る。特典は新しいリフィルの提供や、新商品のテストサンプルの提供、等の任意のものが挙げられる。
【0051】
図4は、筆記具リフィル50の外観を、インク60が充填されていない状態(A)及びインク60が充填されている状態(B)で、それぞれ模式的に示している。本実施形態の筆記具リフィル50は、内部にインク60を収容する円筒形状のインク収容管51と、インク収容管51の先端に装着される継手52と、継手52の先端に装着されるとともに先端に筆記ボール54を抱持するボールペンチップ53とを有する。
【0052】
インク収容管51は、内部が視認可能な合成樹脂製である。この合成樹脂としては、たとえば、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。また、インク収容管51の表面において、合成樹脂が発泡及び炭化の両方を被って形成された刻印80と、を有する。合成樹脂には反応性添加剤が配合されている。刻印80は、インク収容管51の表面にレーザーマーキングを施すことで形成され、インク収容管51の表面から隆起している。
【0053】
ここで、光線透過性のある合成樹脂材料で形成されたインク収容管にレーザーマーキングを行う場合、波長が10,600nmのCOレーザーマーカーでは刻印を形成することができるが、その刻印は炭化も発泡も生じず凹凸が形成されるのみとなり、十分な視認性は得られない。他方、波長が1,000nm前後の波長のファイバーレーザーマーカーでは、その波長が合成樹脂材料のエネルギー吸収帯ではないので、光透過性のある合成樹脂材料に対しては、レーザー光線が透過するため、刻印を形成することができない。そのため、合成樹脂材料に反応性添加剤を配合することで、合成樹脂材料のエネルギー吸収帯ではない波長域のレーザー光でも文字情報等の刻印の形成が可能となる。すなわち、通常、合成樹脂材料は800~1,500nmの波長のレーザー光に対してはそれ自体では反応しないが、この反応性添加剤がレーザー光のエネルギーを吸収して励起され、合成樹脂を変色させることができる。文字情報等の刻印80は発泡若しくは炭化又はその両方により凸状に隆起する。そのため、文字情報等が表面に対して陥凹する機械的な刻印に比べて視認性が良好である。たとえば、合成樹脂としてポリプロピレン樹脂を使用し、ファイバーレーザーマーカーでレーザーマーキングを行う場合、レーザー光の波長は1,000~1,100nmが望ましい。
【0054】
反応性添加剤としては、銅酸化物及びモリブデン酸化物の混合物、ビスマス酸化物及びガリウム酸化物の混合物、ビスマス酸化物、ガリウム酸化物及びネオジム酸化物の混合物、アンチモン、砒素、ビスマス、銅、ガリウム若しくはゲルマニウム若しくはこれらのいずれかの酸化物をドープした酸化錫で雲母の薄片状基質を被覆した顔料、並びに水酸化銅一燐酸塩若しくは酸化モリブデンを添加した高分子物質を挙げられる。反応性添加剤は、これらのうちの1種類のみを用いてもよいし、また、2種類以上を混合して併用してもよい。
【0055】
反応性添加剤の含有量は、合成樹脂の量に対して0.01~10質量%の範囲であることが望ましい。反応性添加剤の含有量が0.01質量%以上であることにより、インク収容管51における発泡若しくは炭化又はそれらの両方が良好に発生する。一方、反応性添加剤の含有量が10質量%以下であることにより、インク収容管51の透明性が確保され、インク収容管51内におけるインク60の残量や色の視認が可能となる。
【0056】
合成樹脂は、反応性添加剤がレーザー光のエネルギーを吸収して発熱することで周囲を発泡させることで、その部位が白色を帯びた刻印80となる。また、合成樹脂は、反応性添加剤がレーザー光のエネルギーを吸収して発熱することで周囲を炭化させることで、その部位が黒色を帯びた刻印80となる。さらに、発泡と炭化とが同時に生ずることで、刻印80は、背景色によって白色に見えたり黒色に見えたりすることになる。なお、インク収容管51の表面部分が主に発泡することで刻印80は白色を帯び、合成樹脂の内部に炭化物が存在していることで刻印80は黒色を帯びる。
【0057】
本実施形態の筆記具リフィル50では、反応性添加剤がレーザー光のエネルギーを吸収し、周囲の合成樹脂が発泡及び炭化を被ることで、刻印80が白色及び黒色の両方を帯びている。これにより、インク収容管51内にインク60がある状態でもない状態でも視認性がよい。すなわち、図4(B)に示すように、先端側のインク60がある部分では白色が優ることで、刻印80の文字である「REFILL」の視認性が確保される。一方、後端側のインク60がない部分では黒色が優ることで、刻印80の文字である「2021」の視認性が確保される。
【0058】
本実施形態では、刻印80は、インク収容管51を形成する合成樹脂自体が発泡及び炭化して印字されるレーザーマーキングを用いているが、視認されるインクと略同色であればよいため、インク収容管51の表面へのインクジェット印刷、ホットスタンプ、又は背景が透明のシール等を用いてもよい。
【0059】
そして、本実施形態の筆記具リフィル50では、インク収容管51において外部からインクが視認される部位の表面の先端近傍に、識別コード71として二次元コードが形成されている。この識別コード71は、筆記先端側に位置する入力コード72と、後端寄りに位置するアクセスコード73とからなる。この識別コード71は、インク収容管51に収容されるインク60と同系統の色彩で印字(たとえば、印刷)されている。よって、図4(B)に示すように、インク収容管51にインク60が満たされている状態では、インク収容管51は内蔵するインク60の色彩が外部から視認可能であるため、識別コード71はインク60に紛れて視認困難となっている。ここで同系色である範囲内としては、たとえば、インク収容管51を通じたインク60と識別コード71との2色間の色差(ΔE*ab)が1.6未満であることとしてもよい。
【0060】
なお、インク60がたとえば黒色である場合、識別コード71は、レーザーマーキングによってインク収容管51の表面を炭化させる刻印80として形成してもよい。レーザーマーキングは微細な印字が可能であるため、筆記具リフィル50のような細い物にも二次元コードのような細かい模様を鮮明に印字することが可能である。また、筆記具リフィル50の各々に特有な入力コード72としての二次元コードを変更することも容易で、これにより筆記具リフィル50の個体が識別可能となる。
【0061】
図4(B)に示すように、筆記具リフィル50の使用開始時には識別コード71の色彩と内蔵するインク60の色彩とが同系色であるために二次元コードとしての読み取りは不可能である。しかし、インク60が消費されると、図4(A)に示すように識別コード71の背景が非同系色になり二次元コードとしての読み取りが可能となる。この時点で、前記したように端末30による識別コード71の読み取りが可能となる。
【0062】
上述した本実施形態の情報処理システムによれば、ユーザが所有している筆記具のインク収容管の情報を得ることができる。
【0063】
本発明では、上述した実施形態の情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0064】
なお、上述した実施形態では、入力コードは、筆記具リフィル個別に異なる内容を入力することが不正入力の観点から好ましいが、文字情報量を少なくして識別精度を向上させるために1種類としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、筆記具リフィルに表示された画像を識別する情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理システム 2 通信ネットワーク 3 基地局
10 サーバ(情報処理装置)
11 通信インターフェース(入力部)
12 メモリ(記憶部) 124 ポイント管理表 125 ユーザID欄
126 ポイント欄
13 プロセッサ 14 信号線
21 記号識別部 22 関連付け部 23 算出部
24 特典提供部
30 端末 31 カメラ
32 ユーザインタフェース 321 表示部
33 通信インターフェース 34 メモリ 35 プロセッサ
36 信号線
41 撮影制御部 42 記号識別部 43 情報処理部
50 筆記具リフィル 51 インク収容管 52 継手
53 ボールペンチップ 54 筆記ボール 60 インク
70 刻印 71 識別コード 72入力コード
73 アクセスコード
図1
図2
図3
図4