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特開2023-144679コイルスプリングの圧縮治具とそれを用いた方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144679
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】コイルスプリングの圧縮治具とそれを用いた方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/30 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
B25B27/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051780
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 秀典
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昂大
【テーマコード(参考)】
3C031
【Fターム(参考)】
3C031EE27
3C031EE43
(57)【要約】
【課題】 コイルスプリングの圧縮作業においてコイルスプリングの脱落を防止する。
【解決手段】 車体と車体に対して揺動可能に連結されたアームとの間に配置されたコイルスプリングを圧縮するための治具が開示される。治具は、コイルスプリングの内部に挿通され、その先端が車体とアームとの一方に係止されるメインシャフトと、メインシャフトに沿って移動可能に設けられており、コイルスプリングとは反対側から、車体とアームとの他方を押圧する押圧機構とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、前記車体に対して揺動可能に連結されたアームとの間に配置されたコイルスプリングを圧縮するための治具であり、
前記コイルスプリングの内部に挿通され、その先端が前記車体と前記アームとの一方に対して係止されるメインシャフトと、
前記メインシャフトに沿って移動可能に設けられており、前記コイルスプリングとは反対側から、前記車体と前記アームとの他方を押圧する押圧機構と、
を備える治具。
【請求項2】
前記押圧機構は、
前記車体と前記アームとの前記他方に当接するシート部材と、
前記車体と前記アームとの前記他方とは反対側から前記シート部材に当接するとともに、前記メインシャフトに形成されたねじ溝に螺合しているナット部材と、を有する、
請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記シート部材と前記ナット部材との互いに当接する各当接面は、球面状に湾曲している、請求項2に記載の治具。
【請求項4】
前記ナット部材に連結されるとともに、作業者によって回転操作されるクランクハンドルをさらに備える、請求項2又は3に記載の治具。
【請求項5】
前記シート部材には、前記作業者が一方の手で前記クランクハンドルを操作するときに、他方の手で把持するためのグリップが設けられている、請求項4に記載の治具。
【請求項6】
前記押圧機構は、
前記車体と前記アームとの前記他方に当接するシート部材と、
前記車体と前記アームとの前記他方とは反対側から前記シート部材に当接するとともに、前記コイルスプリングの反力に抗して前記シート部材の位置を保持するストッパ部材と、
前記メインシャフトに対して揺動可能に取り付けられ、作業者によって揺動操作されることにより、前記ストッパ部材を前記シート部材に向けて押圧するレバー部材と、を有する、
請求項1に記載の治具。
【請求項7】
前記コイルスプリングは、車軸を懸架するサスペンションのコイルスプリングである、請求項1から6のいずれか一項に記載の治具。
【請求項8】
前記アームは、前記車軸よりも前方に位置するトレーリングアームである、請求項7に記載の治具。
【請求項9】
前記サスペンションは、左右一対の前記トレーリングアームをトーションビームで連結したトーションビーム式サスペンションである、請求項8に記載の治具。
【請求項10】
車体と、車体に対して揺動可能に連結されたアームとの間に配置されたコイルスプリングを、請求項1から9のいずれか一項に記載の治具を用いて圧縮する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、車両の製造においてコイルスプリングを圧縮するための治具及びそれを用いた方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車両の製造に用いられる治具が記載されている。この治具は、車体にサスペンションを組み付ける際に、コイルスプリングを圧縮するために用いられる。コイルスプリングは、車体とトレーリングアームとの間に配置されている。治具は、ワイヤを用いて車体から吊り下げられる棒状の本体を有する。作業者は、車体から吊り下げられた治具の先端部をトレーリングアームに連結した上で、その反対側に位置する基端部を下方へ押し下げる。その結果、治具の本体はてこの原理で揺動し、その先端部が、コイルスプリングを圧縮しながらトレーリングアームを上方へ押し上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-62749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した治具では、コイルスプリングを圧縮する際に、車体とトレーリングアームとの間からコイルスプリングが脱落するおそれがある。このような問題は、トレーリングアームのためのスプリングにかぎられず、車体と各種のアーム(又はリンク)との間に配置されたコイルスプリングを圧縮する作業において、同様に起こり得る。本明細書は、そのようなコイルスプリングの脱落を回避するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、車体と、車体に対して揺動可能に連結されたアーム(又はリンクとも称される)との間に配置されたコイルスプリングを圧縮するための治具に具現化される。この治具は、前記コイルスプリングの内部に挿通され、その先端が前記車体と前記アームとの一方に係止されるメインシャフトと、前記メインシャフトに沿って移動可能に設けられており、前記コイルスプリングとは反対側から、前記車体と前記アームとの他方を押圧する押圧機構とを備える。
【0006】
上記した治具では、そのメインシャフトが、コイルスプリングの内部に挿通されるとともに、その先端が車体(又はアーム)に対して係止される。そして、メインシャフトの基端側から、メインシャフトに設けられた押圧機構が、アーム(又は車体)をコイルスプリングとともに押圧する。このような構成によると、コイルスプリングを圧縮する作業の間、治具のメインシャフトは、コイルスプリングの内部に配置されるとともに、コイルスプリングの反力を受けることにより、車体及びアームに対して強く固定される。これにより、コイルスプリングを圧縮する際に、車体とアームとの間からコイルスプリングが脱落することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例の治具30、130、230が使用される車両の構成を模式的に示す。
図2】車両に実施例1の治具30が取り付けられた様子を示す。
図3】実施例1の治具30を単体で示す。
図4】アッパシート22の開口23の形状を示す。
図5】実施例2の治具130の要部を示す。
図6】実施例2の治具230の要部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の一実施形態において、前記押圧機構は、前記車体と前記アームとの前記他方に当接するシート部材と、前記車体と前記アームとの前記他方とは反対側から前記シート部材に当接するとともに、前記メインシャフトに形成されたねじ溝に螺合しているナット部材とを有してもよい。このような構成によると、作業者は、ナット部を回転させることによって、ナット部をシート部材に向けて移動させることができる。また、コイルスプリングの反力によって、シート部材が押し戻されることを防ぐこともできる。なお、作業者がナット部を回転させるときは、動力工具を利用してもよいし、動力源を有しない手工具を利用してもよいし、それらの工具を利用しなくてもよい。なお、ここでいうシート部材の「シート」とは、その形状を意図するものではなく、「座」を意図するものである。
【0009】
上記の実施形態において、前記シート部材と前記ナット部材との互いに当接する各当接面は、球面状に湾曲していてもよい。このような構成によると、メインシャフトに対してナットが回転したり、アームの揺動に応じてメインシャフトに対するシート部材の姿勢(角度)が変化した場合でも、シート部材とナット部材との間で面接触を維持することができる。
【0010】
上記の実施形態において、治具は、前記ナット部材に連結されるとともに、作業者によって回転操作されるクランクハンドルをさらに備えてもよい。このような構成によると、作業者は、動力工具や手工具を必要とすることなく、ナット部材を回転させることができる。即ち、コイルスプリングを圧縮することができる。
【0011】
上記の実施形態において、前記シート部材には、前記作業者が一方の手で前記クランクハンドルを操作するときに、他方の手で把持するためのグリップが設けられていてもよい。このような構成によると、作業者はクランクハンドルを操作しやすい。
【0012】
本技術の一実施形態において、前記押圧機構は、前記車体と前記アームとの前記他方に当接するシート部材と、前記車体と前記アームとの前記他方とは反対側から前記シート部材に当接するとともに、前記コイルスプリングの反力に抗して前記シート部材の位置を保持するストッパ部材と、前記メインシャフトに対して揺動可能に取り付けられ、作業者によって揺動操作されることにより、前記ストッパ部材を前記シート部材に向けて押圧するレバー部材とを有してもよい。このような構成によっても、作業者は、レバー部材を揺動操作することによって、コイルスプリングを圧縮することができる。
【0013】
本技術の一実施形態において、前記コイルスプリングは、車軸を懸架するサスペンションのコイルスプリングであってもよい。この場合、特に限定されないが、前記アームは、前記車軸よりも前方に位置するトレーリングアームであってもよい。この場合はさらに、特に限定されないが、前記サスペンションは、左右一対の前記トレーリングアームをトーションビームで連結したトーションビーム式サスペンションであってもよい。但し、本明細書で開示される技術は、サスペンションのスプリングに限られず、車両に組み付けられる様々なコイルスプリングを圧縮するための治具にも、同様に採用することができる。
【実施例0014】
図面を参照して、実施例1の治具30について説明する。ここで、図面における方向FRは、車両の前後方向における前方を示し、方向RRは車両の前後方向における後方を示す。方向UPは車両の上下方向における上方を示し、方向DWは車両の上下方向における下方を示す。方向LHは車両の左右方向における左方を示し、方向RHは車両の左右方向における右方を示す。本明細書では、車両における前方FR、後方RR、上方UP、下方DWを、それぞれ単に前方、後方、左方、右方、上方、下方と称することがある。
【0015】
本実施例の治具30は、車両の製造に用いられる。この治具30は、車体12にサスペンションを組み付ける際に、そのコイルスプリング20を圧縮するために用いられる。図1に示すように、コイルスプリング20は、車体12とトレーリングアーム14との間に配置されている。車体12には、コイルスプリング20の上端を支持するアッパシート22が設けられており、トレーリングアーム14には、コイルスプリング20の下端を支持するロアシート24が設けられている。車両には、左右一対のトレーリングアーム14が設けられおり、それらのトレーリングアーム14は、トーションビーム16によって連結されている。即ち、本実施例におけるサスペンションは、一例ではあるが、トーションビーム式サスペンションである。
【0016】
サスペンションは、車軸を懸架する装置であって、コイルスプリング20の他に、ショックアブソーバ26や、トレーリングアーム14を含む複数のアームを有する。トレーリングアーム14は、車軸から前方に延びており、その前端で車体12と揺動可能に連結されている。サスペンションを組み付ける作業では、ショックアブソーバ26の下端26aを、トレーリングアーム14(又はそこに固定された車軸等)の所定の接続位置14aに接続する必要があり、そのために、治具30を用いてコイルスプリング20が圧縮される。
【0017】
図2図3に示すように、治具30は、メインシャフト40と、押圧機構50、60とを備える。メインシャフト40は、その先端40aから基端40bまで、直線状に延びる棒状の部材である。メインシャフト40は、ロアシート24に形成された開口25を通して、コイルスプリング20の内部に挿通される。メインシャフト40の先端40aは、アッパシート22に形成された開口23に挿入され、アッパシート22に対して(即ち、車体12に対して)係止される。特に限定されないが、メインシャフト40は、例えば金属で構成されることができる。
【0018】
メインシャフト40の先端40aには、係止ピン44が設けられている。係止ピン44は、メインシャフト40と直交するように取り付けられており、メインシャフト40に対して径方向外側に向けて延びている。一方、図4に示すように、アッパシート22に形成された開口23には、係止ピン44に対応する形状のスリット23aが形成されている。このような構成により、メインシャフト40の先端40aは、アッパシート22の開口23に挿入された後に、例えば90度回転させることによって、アッパシート22に係止することができる。なお、ここで説明した構成は、メインシャフト40の先端40aをアッパシート22に対して着脱可能に係止させる構成の一例であり、これに限定されるものではない。
【0019】
メインシャフト40には、ねじ溝42が設けられている。ねじ溝42は、少なくとも、メインシャフト40の基端40bから連続する長さ区間に形成されている。なお、ねじ溝42は、メインシャフト40の一部の長さ区間に形成されていてもよいし、メインシャフト40の全長に亘って形成されていてもよい。
【0020】
図2図3に戻り、押圧機構50、60は、メインシャフト40に沿って移動可能に設けられており、コイルスプリング20とは反対側から、トレーリングアーム14を押圧する。一例ではあるが、本実施例における押圧機構50、60は、シート部材50とナット部材60とを有する。シート部材50は、板状の部材であって、トレーリングアーム14(詳しくは、そのロアシート24)に下方から当接する。シート部材50には、メインシャフト40の通過する孔52が形成されている。シート部材50の孔52は、メインシャフト40の断面よりも十分に大きく、ねじ溝42に係合していない。従って、シート部材50は、メインシャフト40に沿って自由に移動することができるとともに、メインシャフト40に対して自由に揺動することができる。特に限定されないが、シート部材50は、例えば金属で構成されることができる。
【0021】
ナット部材60は、メインシャフト40に形成されたねじ溝42に螺合している。ナット部材60は、シート部材50よりも下方(即ち、メインシャフト40の基端40b側)に位置しており、シート部材50の当接面54に下方から当接している。ナット部材60は、主に、六角柱状の本体部62と、本体部62の上方に位置する頭部64とを有し、頭部64においてシート部材50に当接している。頭部64は、球形状を有しており、シート部材50の孔52にフィットしている。シート部材50の孔52には、ナット部材60の頭部64の球形に合わせて、球面状に湾曲する当接面54が設けられている。このように、シート部材50の当接面54と、それに当接するナット部材60の表面とが球面状に湾曲していると、ナット部材60は、シート部材50に対して自由に回転することができる。また、シート部材50は、ナット部材60に対して自由に揺動することができる。
【0022】
以上のように、本実施例の治具30では、メインシャフト40が、コイルスプリング20の内部に挿通されるとともに、その先端40aが車体12に対して係止される。そして、作業者は、ナット部材60を回転させることによって、ナット部材60をシート部材50に向けて移動させる。このとき作業者は、例えばインパクトレンチといった動力工具を利用することができ、この場合、ナット部材60から突出するメインシャフト40の長さに応じたディープソケットを利用するとよい。これにより、メインシャフト40の基端40b側から、メインシャフト40に設けられたシート部材50及びナット部材60が、トレーリングアーム14をコイルスプリング20とともに押圧する。その結果、コイルスプリング20を圧縮しながら、トレーリングアーム14が上方へ移動していく。
【0023】
コイルスプリング20を圧縮する作業の間、治具30のメインシャフト40が、コイルスプリング20の内部に配置される。そして、そのメインシャフト40は、コイルスプリング20の反力を受けることにより、車体12及びトレーリングアーム14に対して強く固定される。これにより、コイルスプリング20を圧縮する際に、車体12とトレーリングアーム14との間から、コイルスプリング20が脱落することが防止される。
【0024】
本実施例の治具30は、メインシャフト40の先端40aが車体12に対して係止されるように構成されている。しかしながら、他の実施形態として、治具30は、車体12側からコイルスプリング20へ挿入され、メインシャフト40の先端40aが、トレーリングアーム14に対して係止されるように構成されてもよい。この場合、押圧機構50、60は、コイルスプリング20とは反対側から、車体12を押圧するように構成されるとよい。また、本実施例で説明した治具30の構成は、サスペンションのコイルスプリング20に限られず、車両に搭載される各種のコイルスプリングに対しても有効である。これらの点については、下記する実施例2、3についても同様である。
【実施例0025】
図5を参照して、実施例2の治具130について説明する。本実施例の治具130は、クランクハンドル132とグリップ134とをさらに備えており、この点において実施例1の治具30と相違する。その余の構成については、実施例1の治具30と同様であることから、ここでは重複する説明を省略する。クランクハンドル132は、ナット部材60に連結されている。作業者は、クランクハンドル132を回転操作することによって、ナット部材60を回転させることができる。即ち、コイルスプリング20を圧縮することができる。クランクハンドル132は、ナット部材60に対して着脱可能であってもよいし、ナット部材60と一体的に構成されてもよい。
【0026】
グリップ134は、シート部材50に設けられている。グリップ134は、シート部材50から下方に向けて延びており、作業者によって把持されるように構成されている。作業者は、一方の手でクランクハンドル132を操作するときに、他方の手でグリップ134を把持することにより、クランクハンドル132を強く回転操作することができる。なお、本実施例の治具130において、グリップ134は必ずしも必要とされず、適宜省略されてもよい。
【実施例0027】
図6を参照して、実施例3の治具230について説明する。本実施例の治具230は、押圧機構50、232、234の構成が変更されており、この点において実施例1の治具30と相違する。即ち、本実施例の治具230は、押圧機構50、232、234として、シート部材50とストッパ部材232とレバー部材234とを有する。なお、シート部材50については、実施例1の治具30のそれと同様である。
【0028】
ストッパ部材232は、トレーリングアーム14との反対側からシート部材50に当接し、コイルスプリング20の反力に抗してシート部材50の位置を保持するように構成されている。レバー部材234は、メインシャフト40に対して揺動可能に取り付けられ、作業者によって揺動操作される。作業者がレバー部材234を揺動操作すると、レバー部材234はストッパ部材232をシート部材50に向けて押圧する。これを繰り返すことで、ストッパ部材232はメインシャフト40に沿って上方へ移動していき、コイルスプリング20が圧縮されていく。
【0029】
ストッパ部材232及びレバー部材234の具体的な構成については、特に限定されない。一例ではあるが、ストッパ部材232は、メインシャフト40との間に、上方への移動のみが許容される逆止機構を有してもよい。また、レバー部材234は、その先端に、メインシャフト40が挿通される貫通孔234aを有し、その内面に形成される支点Sを中心として揺動可能に構成されてもよい。
【0030】
以上、本技術の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0031】
12:車体
14:トレーリングアーム
16:トーションビーム
20:コイルスプリング
26:ショックアブソーバ
30、130、230:治具
40:メインシャフト
40a:メインシャフトの先端
40b:メインシャフトの基端
42:メインシャフトのねじ溝
50:押圧機構のシート部材
60:押圧機構のナット部材
132:クランクハンドル
134:グリップ
232:押圧機構のストッパ部材
234:押圧機構のレバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6