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特開2023-144692スリット刃ブロックおよび電気かみそり
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144692
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】スリット刃ブロックおよび電気かみそり
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/04 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
B26B19/04 N
B26B19/04 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051797
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】近藤 美咲
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中川 武大
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056BB14
3C056BC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得る。
【解決手段】スリット刃ブロック30は、第1方向に延在し、第1方向と交差する第2方向に沿って離間配置される複数の外刃片415を有するスリット外刃40を備えている。また、スリット刃ブロック30は、スリット外刃40よりも第1方向の外側に設けられ、第2方向に沿って離間配置される複数のコーム72を備えている。そして、コーム72には、第1方向の外側に突出する突起部74が設けられており、突起部74は、第2方向に並ぶ2個以上のコーム72を跨ぐように延在する第1突起部741を有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って離間配置される複数の外刃片を有するスリット外刃と、
前記スリット外刃よりも前記第1方向の外側に設けられ、前記第2方向に沿って離間配置される複数のコームと、
を備え、
前記第2方向で隣り合う外刃片の間にはスリットが形成されており、
前記第2方向で隣り合うコームの間には、前記スリットに連通する溝部が形成されており、
前記コームには、前記第1方向の外側に突出する突起部が設けられており、
前記突起部は、前記第2方向に並ぶ2個以上のコームを跨ぐように延在する第1突起部を有している、
スリット刃ブロック。
【請求項2】
前記溝部の前記第2方向の位置と前記スリットの前記第2方向の位置とが同じである、
請求項1に記載のスリット刃ブロック。
【請求項3】
前記溝部の前記スリット側における前記第2方向の幅が、前記スリットの前記溝部側における前記第2方向の幅と同じである、
請求項1または請求項2に記載のスリット刃ブロック。
【請求項4】
前記溝部の前記スリット側とは反対側における前記第2方向の幅が、前記溝部の前記スリット側における前記第2方向の幅よりも大きい、
請求項3に記載のスリット刃ブロック。
【請求項5】
前記第1方向の一端の外刃片と他端の外刃片とが前記第2方向にずれている、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項6】
前記コームは、前記第1方向の両側に設けられており、
前記第1方向の一方側のコームは、前記第2方向の位置が前記外刃片の前記第1方向の一端と同じとなるように形成されており、前記第1方向の他方側のコームは、前記第2方向の位置が前記外刃片の前記第1方向の他端と同じとなるように形成されている、
請求項5に記載のスリット刃ブロック。
【請求項7】
前記第1突起部は、前記第2方向の一端に位置するコームから前記第2方向の他端に位置するコームにかけて延在するように形成されている、
請求項1~6のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項8】
前記第2方向で隣り合うコームの間には隔壁が形成されており、
前記隔壁における前記第1方向の内側の内面が、前記溝部の前記第1方向の外側を画成しており、
前記内面が、前記スリット外刃側に向かうにつれて前記溝部の深さが深くなるように傾斜している、
請求項1~7のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項9】
前記内面は、前記第2方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側の端部がR状に湾曲している、
請求項8に記載のスリット刃ブロック。
【請求項10】
前記スリット外刃は、肌に接触することが可能な肌接触面を有する第1壁部と、前記第1壁部に連設される第2壁部と、を備えており、
前記スリットは、前記第1壁部に形成される第1スリットと、前記第1スリットに連通するように前記第2壁部に形成される第2スリットと、を有しており、
前記溝部は、開口側が上方を向くようにした状態で、前記第2スリットの下端以下の深さとなるように形成されている、
請求項1~9のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項11】
前記突起部は、前記第2方向に沿って見た状態で、前記第1方向の外側に凸となるように湾曲した形状をしている、
請求項1~10のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項12】
前記コームは、前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第2方向に沿って見た状態で、前記第1方向の外側に凸となる湾曲面と、前記湾曲面の上端に連設されて水平に延在する平坦面と、を有しており、
前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第2方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側における前記第1方向の外側の端部が前記平坦面上に位置している、
請求項1~11のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項13】
前記コームは、前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第2方向に沿って見た状態で、前記第1方向の外側に凸となる湾曲面と、前記湾曲面の上端に連設されて水平に延在する平坦面と、を有しており、
前記溝部の開口側が上方を向くようにしつつ前記第2方向に沿って見た状態で、前記溝部の開口側における前記第1方向の外側の端部が、頂部よりも上側の前記湾曲面上に位置している、
請求項1~11のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロック。
【請求項14】
請求項1~13のうちいずれか1項に記載のスリット刃ブロックを備える電気かみそり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スリット刃ブロックおよび電気かみそりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下の特許文献1に示すように、複数の外刃片を有するスリット外刃と、複数の内刃片を有するスリット内刃と、を備え、長さがある程度長いヒゲを短くする粗剃りを行うためのスリット刃ブロックが知られている。
【0003】
この特許文献1では、スリット外刃の外刃片間の間隔の大きさを変えずにヒゲの導入性を向上させるため、スリット刃ブロックが、スリット外刃の外側に設けられるコームを備えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-195475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなコームを備えるスリット刃ブロックにおいては、効率よく体毛を剃ることができるだけでなく、肌に与える刺激を抑制できるようにするのが好ましい。
【0006】
そこで、本開示は、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかるスリット刃ブロックは、第1方向に延在し、前記第1方向と交差する第2方向に沿って離間配置される複数の外刃片を有するスリット外刃と、前記スリット外刃よりも前記第1方向の外側に設けられ、前記第2方向に沿って離間配置される複数のコームと、を備え、前記第2方向で隣り合う外刃片の間にはスリットが形成されており、前記第2方向で隣り合うコームの間には、前記スリットに連通する溝部が形成されており、前記コームには、前記第1方向の外側に突出する突起部が設けられており、前記突起部は、前記第2方向に並ぶ2個以上のコームを跨ぐように延在する第1突起部を有している。
【0008】
また、本開示の一態様にかかる電気かみそりは、前記スリット刃ブロックを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能なスリット刃ブロックおよび電気かみそりを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる電気かみそりを一部分解して示す斜視図である。
図2】実施の形態にかかるスリット刃ブロックを示す分解斜視図である。
図3】実施の形態にかかるスリット刃ブロックのスリット外刃およびスリット内刃を拡大して示す断面図である。
図4】実施の形態にかかるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を示す斜視図である。
図5】実施の形態にかかるコーム部品を示す斜視図である。
図6】実施の形態にかかるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を一部拡大して示す斜視図である。
図7】実施の形態にかかるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態を一部拡大して示す平面図である。
図8】スリット外刃のスリットとコーム部品の溝部との配置パターンの複数例を模式的に示す図である。
図9図8に示すパターンBの具体的な構成を示す平面図である。
図10図8に示すパターンCの具体的な構成を示す平面図である。
図11】実施の形態にかかるコーム部品の第1変形例を示す斜視図である。
図12】実施の形態にかかるコーム部品の第1変形例を示す平面図である。
図13】実施の形態にかかるコーム部品の第2変形例を示す斜視図である。
図14】実施の形態にかかるコーム部品の第2変形例を示す平面図である。
図15】実施の形態にかかるスリット外刃本体をコーム部品に取り付けた状態で、溝部に対応する部位でスリット外刃本体およびコーム部品を切断した断面図である。
図16図15のA-A断面図である。
図17】実施の形態にかかるスリット刃ブロックの溝部内にヒゲが導入された状態を模式的に示す図である。
図18】実施の形態にかかるコーム部品の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
また、以下の実施の形態およびその変形例では、複数の刃ブロックが並設される方向をX方向(第1方向:前後方向:剃り方向)、各刃ブロックが延在する方向をY方向(第2方向:左右方向)として説明する。そして、肌接触面が上方を向くようにヘッド部(電気かみそり)を配置した状態における上下方向をZ方向(第3方向:上下方向)として説明する。また、電気かみそりの電源スイッチが設けられている側をX方向の前方として説明する。
【0014】
また、スリット刃ブロックの方向についても、上記X方向、Y方向およびZ方向を用いて説明する。すなわち、スリット刃ブロックをかみそり本体に取り付けた状態において、スリット刃ブロックのX方向、Y方向およびZ方向に一致する方向を、それぞれスリット刃ブロックのX方向、Y方向およびZ方向と規定する。
【0015】
(実施の形態)
まず、図1を参照して、電気かみそり1の構成について説明する。
【0016】
本実施の形態にかかる電気かみそり1は、図1に示すように、かみそり本体10と、かみそり本体10に、肌接触面(後述する各刃ブロックの外刃の表面)20aが露出した状態で保持される刃ユニット20と、を備えている。
【0017】
かみそり本体10は、手で把持することが可能なグリップ部11と、グリップ部11に支持されるヘッド部12と、を備えている。本実施の形態では、ヘッド部12は、グリップ部11の延在方向を上下方向に略一致させた状態で、上方かつ前方に傾斜した状態でグリップ部11に支持されている。
【0018】
このヘッド部12は、X方向に延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部11に対してY方向に揺動できるようにすることが可能である。また、ヘッド部12は、Y方向に延在する図示せぬ軸部を軸として、グリップ部11に対してX方向に揺動できるようにすることも可能である。さらに、ヘッド部12を、グリップ部11に対してZ方向にフロートできるようにすることも可能である。
【0019】
そして、これらの揺動やフロートを適宜組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、ヘッド部12が、グリップ部11に対して、X方向およびY方向に揺動できるようにしつつ、グリップ部11に対してZ方向にフロートできるようにした構成とすることが可能である。
【0020】
なお、ヘッド部12を、グリップ部11に対して揺動もフロートもさせない構成とすることも可能である。また、ヘッド部12がグリップ部11に対して傾斜していない構成とすることも可能である。
【0021】
グリップ部11は、本体ハウジング111を備えており、この本体ハウジング111の内部には空洞が形成されている。そして、この本体ハウジング111の内部に形成された空洞内に、充電池等の各種電気部品が収容されている。
【0022】
また、本体ハウジング111には、電気かみそり1を動作させる(電源をオン・オフさせる)押圧式の電源スイッチ111aが形成されている。なお、本実施の形態では電源スイッチ111aとして押圧式のスイッチを例示しているが、電源をオン・オフできるスイッチであればスライド式やその他のスイッチであってもよい。
【0023】
本実施の形態では、電源スイッチ111aは、本体ハウジング111の前面、すなわち、電気かみそり1の前面(正面)に形成されている。なお、電気かみそり1の前面とは、通常の使用時に、使用者が電気かみそり1のグリップ部11を把持した状態で、使用者と対向する側の面のことである。
【0024】
また、本体ハウジング111の後部(電気かみそり1の後部)に、トリマーユニットを設けるようにすることも可能である。
【0025】
ヘッド部12は、グリップ部11に取り付けられるヘッド部本体121と、ヘッド部本体121に着脱可能に装着されるヘッドカバー122と、を備えている。本実施の形態では、ヘッド部本体121の左右両端に突没自在に設けられた解除ボタン121aを内側に没入させることで、ヘッドカバー122とヘッド部本体121との装着が解除されるようになっている。
【0026】
また、ヘッド部本体121内には、駆動機構が収容されている。この駆動機構は、複数個の駆動稈13を備えており、この駆動稈13がヘッド部本体121から上方に突出するようにした状態でヘッド部本体121内に収容されている。このような駆動機構としては、例えば、振動型リニアアクチュエータや、回転モータと回転運動を往復直線運動に変換する変換機構とで構成される駆動機構等、従来公知のものを用いることができる。
【0027】
刃ユニット20は、2個の第1刃ブロック21と、2個の第2刃ブロック22と、1個のスリット刃ブロック30と、外刃ケース23と、を備えており、5個の刃ブロックが、長手方向をY方向に一致させた状態でX方向に並ぶように配置されている。
【0028】
このように、本実施の形態では、各刃ブロックが所定の長さと幅を有しており、これらの刃ブロックは、長さ方向を電気かみそり1のY方向(第2方向:左右方向)と略一致させつつ、幅方向を電気かみそり1のX方向(第1方向:前後方向:剃り方向)と略一致させた状態で配置されている。
【0029】
なお、第1刃ブロック21は、主に倒れた状態のヒゲ(体毛)Hを切除する機能を有するものであり、第2刃ブロック22は、主に短く立った状態のヒゲ(体毛)Hを切除する機能を有するものである。そして、スリット刃ブロック30は、主に細い長ヒゲ(体毛)Hを切除する機能を有するものである。
【0030】
本実施の形態では、1個のスリット刃ブロック30がX方向の中央に配置されており、2個の第1刃ブロック21が、スリット刃ブロック30の両隣にそれぞれ配置されている。そして、2個の第2刃ブロック22が、第1刃ブロック21に対してスリット刃ブロック30とは反対側に位置するようにそれぞれ配置されている。すなわち、X方向の両端に2個の第2刃ブロック22が配置されている。
【0031】
なお、刃ユニット20は、少なくとも1個のスリット刃ブロック30を備えていればよく、4個以下の刃ブロックを備える構成とすることも可能であるし、6個以上の刃ブロックを備える構成とすることも可能である。また、各刃ブロックの並び順も適宜設定することが可能である。
【0032】
第1刃ブロック21は、第1ネット刃211と第1内刃212とを備えている。本実施の形態では、第1ネット刃211は、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に湾曲して形成されている。さらに、第1ネット刃211は、正面視(X方向に沿って見た状態)で上方が凸となるようにY方向(外刃長さ方向)に沿って若干湾曲して形成されている。そして、この第1ネット刃211には、例えば、円形の刃穴(図示せず)が多数形成されている。なお、第1ネット刃211を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、第1ネット刃211を正面から見た状態(X方向に沿って見た状態)で、第1ネット刃211の頂部がY方向(外刃長さ方向)に延在する直線となるようにすることが可能である。
【0033】
第1内刃212は、第1ネット刃211の湾曲形状に沿う逆U字状をしており、第1ネット刃211の内方(第1ネット刃211の下側:第1ネット刃211の肌Sに接する側とは反対側)に配置されている。この第1内刃212は、複数個の駆動稈13のうちの1個の駆動稈13に着脱可能に装着されている。そして、第1内刃212を駆動稈13に装着させつつ第1ネット刃211の内方に配置させた状態で電気かみそり1の電源をオンにして駆動稈13を駆動させた際に、第1内刃212が、第1ネット刃211の内面に摺接しながら第1ネット刃211に対して相対的に変位(相対移動:Y方向へ往復動)するようにしている。
【0034】
同様に、第2刃ブロック22は、第2ネット刃221と第2内刃(図示せず)とを備えている。本実施の形態では、第2ネット刃221も、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に湾曲して形成されている。さらに、第2ネット刃221も、正面視(X方向に沿って見た状態)で上方が凸となるようにY方向(外刃長さ方向)に沿って若干湾曲して形成されている。そして、この第2ネット刃221にも、例えば、円形の刃穴(図示せず)が多数形成されている。なお、第2ネット刃221を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、第2ネット刃221を正面から見た状態(X方向に沿って見た状態)で、第2ネット刃221の頂部がY方向(外刃長さ方向)に延在する直線となるようにすることが可能である。
【0035】
第2内刃は、図示省略したが、第1内刃212と同様、第2ネット刃221の湾曲形状に沿う逆U字状をしており、第2ネット刃221の内方(第2ネット刃221の下側:第2ネット刃221の肌Sに接する側とは反対側)に配置されている。この第2内刃は、複数個の駆動稈13のうちの1個の駆動稈13(第1内刃212が装着される駆動稈とは別の駆動稈13)に着脱可能に装着されている。そして、第2内刃を駆動稈13に装着させつつ第2ネット刃221の内方に配置させた状態で電気かみそり1の電源をオンにして駆動稈13を駆動させた際に、第2内刃が、第2ネット刃221の内面に摺接しながら第2ネット刃221に対して相対的に変位(相対移動:Y方向へ往復動)するようにしている。
【0036】
スリット刃ブロック30は、スリット外刃40とスリット内刃50とを備えている。本実施の形態では、スリット外刃40は、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に屈曲して形成されている。さらに、スリット外刃40は、正面視(X方向に沿って見た状態)で上方が凸となるようにY方向(外刃長さ方向)に沿って若干湾曲して形成されている。そして、このスリット外刃40には、スリット状の刃穴(スリット416)が多数形成されている。なお、スリット外刃40を、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、スリット外刃40を正面から見た状態(X方向に沿って見た状態)で、スリット外刃40の頂部がY方向(外刃長さ方向)に延在する直線となるようにすることが可能である。すなわち、後述する天壁411の上面(肌接触面4111)が平坦面(フラットな面)となるようにスリット外刃40を形成することが可能である。
【0037】
スリット内刃50は、スリット外刃40の屈曲形状に沿う逆U字状をしており、スリット外刃40の内方(スリット外刃40の下側:スリット外刃40の肌Sに接する側とは反対側)に配置されている。このスリット内刃50は、複数個の駆動稈13のうちの1個の駆動稈13(第1内刃212および第2内刃が装着される駆動稈とは別の駆動稈13)に着脱可能に装着されている。そして、スリット内刃50を駆動稈13に装着させつつスリット外刃40の内方に配置させた状態で電気かみそり1の電源をオンにして駆動稈13を駆動させた際に、スリット内刃50が、スリット外刃40の内面4112に摺接しながらスリット外刃40に対して相対的に変位(相対移動:Y方向へ往復動)するようにしている。
【0038】
このように、本実施の形態にかかる電気かみそり1は、第1内刃212、第2内刃、スリット内刃50を第1ネット刃211、第2ネット刃221、スリット外刃40に対して往復運動させる往復動式電気かみそりの形態を有するものである。
【0039】
そして、本実施の形態では、5個の刃ブロックのうち2個の第1内刃212を除く部材が、略枠状の外刃ケース23に装着されている。このとき、各部材は、外刃ケース23に着脱可能に装着されていてもよいし、着脱させることができない状態で外刃ケース23に装着されていてもよい。
【0040】
本実施の形態では、2個の第1ネット刃211が、内方に第1内刃212を配置させない状態で外刃ケース23に装着されており、2個の第2ネット刃221が、内方に第2内刃を配置させた状態で外刃ケース23に装着されている。そして、1個のスリット外刃40が、内方にスリット内刃50を配置させた状態で外刃ケース23に装着されている。このとき、2個の第1ネット刃211、2個の第2ネット刃221および1個のスリット外刃40のうちの少なくとも1個の外刃を、Z方向(上下方向)にフロートできるようにした状態で外刃ケース23に装着させるようにするのが好ましい。
【0041】
このように、本実施の形態では、2個の第1ネット刃211、2個の第2刃ブロック22および1個のスリット刃ブロック30を外刃ケース23に装着させることで、外刃カセット200が形成されるようにしている。そして、この外刃カセット200がヘッドカバー122に着脱可能に装着されるようにしている。
【0042】
具体的には、ヘッドカバー122は、上側開口122aおよび下側開口122bが形成される略筒状の周壁部122cを備えている。そして、各外刃が上方を向くようにした外刃カセット200を、ヘッドカバー122の下側開口122b側から挿入することで、外刃カセット200がヘッドカバー122に装着されるようにしている。このとき、外刃カセット200は、各外刃の表面をヘッドカバー122の上側開口122aから露出させた状態でヘッドカバー122に装着されることになる。そのため、本実施の形態では、各外刃の表面のうちヘッドカバー122の上側開口122aから露出した部位が、使用者の肌(肌表面)Sに接触する肌接触面20aとなっている。
【0043】
なお、外刃ケース23の左右両端には解除ボタン23aが形成されており、この解除ボタン23aを操作することで、ヘッドカバー122と外刃カセット200との装着が解除されるようになっている。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態では、2個の第1内刃212をヘッド部本体121から上方に突出する駆動稈13にそれぞれ装着した状態で、外刃カセット200が装着されたヘッドカバー122をヘッド部本体121に装着するようになっている。そして、2個の第1内刃212を駆動稈13にそれぞれ装着した状態で、外刃カセット200が装着されたヘッドカバー122をヘッド部本体121に装着した際に、2個の第1内刃212が対応する第1ネット刃211の内方に配置されるようになっている。
【0045】
こうすることで、電気かみそり1の電源をオンにした際に、各内刃を対応する外刃に対して相対的に変位(相対移動:Y方向へ往復動)させるようにしている。
【0046】
そして、電気かみそり1の電源をオンにし、各内刃を対応する外刃に対して相対的に変位させた状態で、刃ユニット20の肌接触面20aを使用者の肌(肌表面)Sに当て、X方向に滑らせながら移動させることで、各外刃の刃穴内に挿入されたヒゲ(体毛)Hを、外刃と内刃とで切断するようにしている。なお、外刃をZ方向(上下方向)にフロートできるようにした状態で外刃ケース23に装着させるようにすれば、外刃がかみそり本体10に対してフロートすることになる。そのため、外刃(刃ユニット20の肌接触面20a)を、より確実に肌Sの形状に沿わせることができるようになって、より確実にヒゲ(体毛)Hを切断することができるようになる。
【0047】
次に、図2図7を参照して、スリット刃ブロック30の詳細な構成について説明する。
【0048】
スリット刃ブロック30は、図2に示すように、スリット外刃40とスリット内刃50とを備えている。さらに、スリット刃ブロック30は、一対のコイルばね60を備えており、一対のコイルばね60によって、スリット外刃40とスリット内刃50とが、スリット内刃50をスリット外刃40に対してY方向へ往復摺動できるようにした状態で連結されている。
【0049】
本実施の形態では、スリット外刃40は、複数の外刃片415を有するスリット外刃本体410と、スリット外刃本体410に固定されて一対のコイルばね60に連結される外刃継手420と、を備えている。
【0050】
同様に、スリット内刃50は、複数の内刃片515を有するスリット内刃本体510と、スリット内刃本体510に固定されて一対のコイルばね60に連結される内刃継手520と、を備えている。
【0051】
まず、スリット外刃本体410について説明する。
【0052】
スリット外刃本体410は、例えば、金属材料を用いて形成することができ、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に屈曲した形状をしている。すなわち、スリット外刃本体410は、Y方向に細長い略矩形板状の天壁(第1壁部)411と、天壁411のX方向の両端からZ方向の下方に向けてそれぞれ延設される一対の側壁(第2壁部)412と、を備えている。そして、天壁(第1壁部)411の上面が、電気かみそり1の使用時に使用者の肌Sに接触することが可能な肌接触面4111となっている。
【0053】
また、一対の側壁412には、第1溶着固定部4121および第2溶着固定部4122が、それぞれ2個ずつ形成されている。すなわち、スリット外刃本体410には、4個の第1溶着固定部4121と4個の第2溶着固定部4122が形成されている。
【0054】
第1溶着固定部4121は、側壁412のY方向の両端に、Z方向の下方に突出するように形成されており、第1溶着固定部4121の中央部には、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。また、第2溶着固定部4122は、側壁412における第1溶着固定部4121よりもY方向の内側に、Z方向の下方に突出するように形成されている。さらに、本実施の形態では、第2溶着固定部4122は、第1溶着固定部4121よりもZ方向の下方に位置するように形成されており、第2溶着固定部4122の中央部にも、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。
【0055】
さらに、本実施の形態では、一対の側壁412には、4個の第1爪片4123、1個の第2爪片4124、4個の嵌合孔4125がそれぞれ形成されている。すなわち、スリット外刃本体410には、8個の第1爪片4123、2個の第2爪片4124、8個の嵌合孔4125が形成されている。
【0056】
第1爪片4123は、Z方向の下方に向かうにつれてY方向の寸法が小さくなるテーパ状をしており、正面視(X方向に沿って見た状態)で先端(下端)が下方に凸となるように湾曲した形状をしている。そして、1個の側壁412の下端には、4個の第1爪片4123が、Y方向に離間した状態で下方に突出するように形成されている。具体的には、Y方向で隣り合う第1溶着固定部4121と第2溶着固定部4122との間に位置するように、2個の第1爪片4123が形成されており、Y方向で隣り合う一対の第2溶着固定部4122の間に、2個の第1爪片4123が形成されている。
【0057】
また、第2爪片4124も、Z方向の下方に向かうにつれてY方向の寸法が小さくなるテーパ状をしており、正面視(X方向に沿って見た状態)で先端(下端)が下方に凸となるように湾曲した形状をしている。そして、1個の側壁412の下端には、1個の第2爪片4124が下方に突出するように形成されている。本実施の形態では、1個の第2爪片4124は、Y方向で隣り合う一対の第2溶着固定部4122の間に形成された2個の第1爪片4123の間に、第1爪片4123とはY方向で離間した状態で形成されている。すなわち、1個の側壁412のY方向の中央部の下端に1個の第2爪片4124が形成されている。この第2爪片4124は、Z方向の寸法が、第1爪片4123のZ方向の寸法よりも小さくなっており、下端が第1爪片4123の下端よりもZ方向の上方に位置するように形成されている。
【0058】
嵌合孔4125は、正面視(X方向に沿って見た状態)でY方向に細長い長方形状をしており、X方向に貫通するように形成されている。そして、1個の側壁412の下端には、4個の嵌合孔4125が、Y方向に離間した状態で形成されている。
【0059】
具体的には、Y方向で第1溶着固定部4121と隣り合う第1爪片4123と、この第1爪片4123とY方向で隣り合う第2溶着固定部4122との間に、嵌合孔4125がそれぞれ形成されている。この嵌合孔4125は、4個の嵌合孔4125のうちY方向の両端に配置される2個の嵌合孔4125となっている。そして、Y方向の両端に配置される2個の嵌合孔4125は、第2溶着固定部4122が形成される突片のY方向の外側に連続するように形成された突片にそれぞれ形成されている。
【0060】
また、Y方向で隣り合う第1爪片4123と第2爪片4124との間に、嵌合孔4125がそれぞれ形成されている。この嵌合孔4125は、4個の嵌合孔4125のうちY方向の内側に配置される2個の嵌合孔4125となっている。そして、Y方向の内側に配置される2個の嵌合孔4125は、1個の側壁412の下端から突出し、正面視(X方向に沿って見た状態)でY方向に細長い長方形状をした突片にそれぞれ形成されている。
【0061】
そして、スリット外刃本体410は、外刃片415およびスリット416を有するスリット外刃部413と、スリット外刃部413のY方向の両端にそれぞれ連設される連結部414と、を備えている。
【0062】
スリット外刃部413には、複数個の外刃片415が、X方向に延在した状態でY方向に離間するように形成されている。本実施の形態では、複数個の外刃片415は、Y方向に所定のピッチ(所定間隔)で略等間隔に並ぶように形成されている。また、本実施の形態では、複数個の外刃片415は、一方の側壁412から略平坦な天壁411を通って他方の側壁412に至るまで延在しており、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に屈曲した形状をしている。すなわち、外刃片415は、天壁411に形成される上部外刃片4151と、側壁412に形成され、上部外刃片4151のX方向の端部に連設する一対の側部外刃片4152と、を備えている。
【0063】
そして、Y方向で隣り合う外刃片415の間には、X方向に延在するスリット416が外刃片415に沿うように形成されている。したがって、本実施の形態では、スリット416は、Y方向で隣り合う上部外刃片4151によって画成される上部スリット(第1スリット)4161と、Y方向で隣り合う側部外刃片4152によって画成される一対の側部スリット(第2スリット)4162と、を備えている。このように、本実施の形態では、スリット416のX方向の両端が側壁412に形成されている。
【0064】
さらに、本実施の形態では、一対の側部スリット(第2スリット)4162が内部空間4163によって連通されるようになっており、スリット416が内部空間4163も備えるようにしている。こうすることで、スリット416が上方だけでなくX方向の両側方にも開口するようにし、側部スリット(第2スリット)4162の下端41621よりも上方に、X方向の一端から他端に抜けることができるスリット416が形成されるようにしている。すなわち、スリット416が、スリット外刃40のX方向の一端から他端まで途中で分断されることなく形成されるようにしている。
【0065】
こうすれば、比較的長いヒゲ(体毛)Hであっても、スリット416内により容易に導入させることができるようになる。また、ヒゲ(体毛)Hが外刃片415に引っ掛かったりしてヒゲ(体毛)Hによる抵抗(摩擦力等)が大きくなってしまうことが抑制されるため、剃り心地が悪化してしまうのを抑制することもできるようになる。このように、スリット416は、長ヒゲ(体毛)Hをスリット外刃40内に導入する機能を有するものである。
【0066】
そして、このようなスリット外刃本体410は、一枚の金属平板材をプレス加工することにより形成することができる。具体的には、まず、金属平板材に複数の細長いスリットを、所定間隔で並設されるように穿設することで、隣り合うスリットの間に存在する金属板材の残余部位に外刃片となる部位が形成されるようにする。このとき、貫通孔、切り欠き、突片なども形成されるように一枚の金属平板材を打ち抜き加工する。
【0067】
そして、金属板材におけるスリットの前後方向(スリット長さ方向)の両端よりも内側をそれぞれ同じ方向に折り曲げる。こうすることで、天壁411および一対の側壁412を有するスリット外刃本体410が形成される。
【0068】
なお、スリット外刃本体410の形状は、屈曲部分の上部の屈曲角度が鋭角となるようにした形状であってもよいし、屈曲部分の屈曲角度が略直角(約90°)となるようにした形状であってもよい。本実施の形態では、屈曲部分の屈曲角度が略直角(約90°)となるようにしたスリット外刃本体410を例示している。
【0069】
次に、外刃継手420について説明する。
【0070】
外刃継手420は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができる。この外刃継手420は、同一の形状をした一対の継手本体421を備えており、一対の継手本体421は、Y方向において左右対称に離間配置されている。
【0071】
また、本実施の形態では、継手本体421は、後述するコーム部品70が載置される載置部422を備えている。この載置部422は、平面視で略T字状をしており、継手本体421のY方向の外側の上端部に形成されている。また、本実施の形態では、載置部422は、外方部4221および内方部4222を有しており、外方部4221は、内方部4222のY方向の外側に内方部4222と連続するように形成されている。この外方部4221は、X方向の寸法が内方部4222のX方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。
【0072】
また、外方部4221には、Z方向の上方に突出する突起部423が形成されている。本実施の形態では、平面視でX方向の寸法がY方向の寸法よりも大きい長方形状となる突起部423が外方部4221の中央部に形成されている。
【0073】
また、継手本体421のX方向の両側には、X方向に沿って突出する第1溶着部424および第2溶着部425がそれぞれ1個ずつ形成されている。すなわち、外刃継手420には、4個の第1溶着部424と4個の第2溶着部425が形成されている。そして、1個の継手本体421に設けられる2個の第1溶着部424は、略円筒状をしており、継手本体421の内方部4222よりもY方向の内側に形成されている。この2個の第1溶着部424は、正面視(X方向に沿って見た状態)で重なり合うように、1個の継手本体421に形成されている。
【0074】
また、1個の継手本体421に設けられる2個の第2溶着部425は、略円筒状をしており、Y方向において、継手本体421の載置部422とは反対側(外刃継手420のY方向の内側)となる端部に形成されている。この2個の第2溶着部425も、正面視(X方向に沿って見た状態)で重なり合うように、1個の継手本体421に形成されている。
【0075】
そして、外刃継手420をスリット外刃本体410に固定する際には、第1溶着部424が第1溶着固定部4121の略円形の切り欠きに挿入され、第2溶着部425が第2溶着固定部4122の略円形の切り欠きに挿入されるようにしている。そのため、本実施の形態では、第2溶着部425は、第1溶着部424よりもZ方向の下方に位置するように形成されている。
【0076】
そして、第1溶着部424を第1溶着固定部4121の略円形の切り欠きに挿入しつつ、第2溶着部425を第2溶着固定部4122の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、第1溶着部424を第1溶着固定部4121に溶着させつつ、第2溶着部425を第2溶着固定部4122に溶着させるようにしている。こうすることで、外刃継手420がスリット外刃本体410に固定されて、スリット外刃40が形成されるようにしている。
【0077】
さらに、本実施の形態では、継手本体421には、ばね取付部426がZ方向の上方に突出するように形成されており、このばね取付部426をコイルばね60の下端に挿入することで、スリット外刃40がコイルばね60に連結されるようにしている。
【0078】
ばね取付部426は、略円錐台状をしており、Y方向において第1溶着部424と第2溶着部425との間に位置するように形成されている。さらに、本実施の形態では、ばね取付部426は、第2溶着部425よりもZ方向の下方に位置するように形成されている。
【0079】
次に、スリット内刃本体510について説明する。
【0080】
スリット内刃本体510も、スリット外刃本体410と同様に、金属材料等を用いて形成することができ、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に屈曲した形状をしている。すなわち、スリット内刃本体510は、Y方向に細長い略矩形板状の天壁511と、天壁511のX方向の両端からZ方向の下方に向けてそれぞれ延設される一対の側壁512と、を備えている。そして、図3に示すように、天壁511の上面5111が天壁411の内面4112に摺接できるようにした状態で、スリット内刃本体510がスリット外刃本体410の内方に配置されている。
【0081】
また、一対の側壁512には、位置決め部5121および溶着固定部5122が、それぞれ2個ずつ形成されている。
【0082】
位置決め部5121は、側壁512のY方向の両側に、Z方向の下方に突出するように形成されており、位置決め部5121の中央部には、下方に開口する略凹状の切り欠きが形成されている。また、溶着固定部5122は、側壁512における位置決め部5121よりもY方向の内側に、Z方向の下方に突出するように形成されている。また、本実施の形態では、溶着固定部5122は、位置決め部5121よりもZ方向の下方に位置するように形成されており、この溶着固定部5122の中央部には、下方に開口する略円形の切り欠きが形成されている。
【0083】
そして、スリット内刃本体510は、内刃片515およびスリット516を有するスリット内刃部513と、スリット内刃部513のY方向の両端にそれぞれ連設される連結部514と、を備えている。
【0084】
スリット内刃部513には、複数個の内刃片515が、X方向に延在した状態でY方向に離間するように形成されている。本実施の形態では、複数個の内刃片515は、Y方向に所定のピッチ(所定間隔)で略等間隔に並ぶように形成されている。また、本実施の形態では、複数個の内刃片515は、一方の側壁512から略平坦な天壁511を通って他方の側壁512に至るまで延在しており、側面視(Y方向に沿って見た状態)で上方が凸となるように逆U字状に屈曲した形状をしている。すなわち、内刃片515は、天壁511に形成される上部内刃片5151と、側壁512に形成され、上部内刃片5151のX方向の端部に連設する一対の側部内刃片5152と、を備えている。
【0085】
そして、Y方向で隣り合う内刃片515の間には、X方向に延在するスリット516が内刃片515に沿うように形成されている。したがって、本実施の形態では、スリット516は、Y方向で隣り合う上部内刃片5151によって画成される上部スリット5161と、Y方向で隣り合う側部内刃片5152によって画成される一対の側部スリット5162と、を備えている。さらに、本実施の形態では、一対の側部スリット5162が内部空間5163によって連通されるようになっており、スリット516が内部空間5163も備えるようにしている。こうすることで、スリット516が上方だけでなくX方向の両側方にも開口するようにし、側部スリット5162の下端よりも上方に、X方向の一端から他端に抜けることができるスリット516が形成されるようにしている。すなわち、スリット516が、スリット内刃50のX方向の一端から他端まで途中で分断されることなく形成されるようにしている。
【0086】
こうすれば、スリット416の側方から導入されるヒゲ(体毛)Hが側壁512に干渉してしまうことを、より確実に抑制することができるようになる。このように、スリット516は、長ヒゲ(体毛)Hの切断される部位をスリット内刃50内に導入する機能を有するものである。
【0087】
このようなスリット内刃本体510も、一枚の金属平板材をプレス加工することにより形成することができる。具体的には、まず、金属平板材に複数の細長いスリットを、所定間隔で並設されるように穿設することで、隣り合うスリットの間に存在する金属板材の残余部位に内刃片となる部位が形成されるようにする。このとき、貫通孔、切り欠き、突片なども形成されるように一枚の金属平板材を打ち抜き加工する。
【0088】
そして、金属板材におけるスリットの前後方向(スリット長さ方向)の両端よりも内側をそれぞれ同じ方向に折り曲げる。こうすることで、天壁511および一対の側壁512を有するスリット内刃本体510が形成される。
【0089】
なお、スリット内刃本体510の形状は、屈曲部分の上部の屈曲角度が鋭角となるようにした形状であってもよいし、屈曲部分の屈曲角度が略直角(約90°)となるようにした形状であってもよい。本実施の形態では、屈曲部分の屈曲角度が略直角(約90°)となるようにしたスリット内刃本体510を例示している。
【0090】
次に、内刃継手520について説明する。
【0091】
内刃継手520は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができ、継手本体521を備えている。
【0092】
継手本体521は、Y方向に細長い形状をしており、この継手本体521のY方向の中央部には、駆動稈13が着脱可能に嵌合する嵌合凹部522がZ方向の下方に開口するように形成されている。
【0093】
また、継手本体521のX方向の両側には、X方向に沿って突出する位置決め部523および溶着部524がそれぞれ2個ずつ形成されている。すなわち、内刃継手520には、4個の位置決め部523と4個の溶着部524が形成されている。
【0094】
そして、継手本体521のX方向の一方側には、2個の位置決め部523が、継手本体521のY方向の端部と嵌合凹部522との間で、X方向の一方側に突出するように形成されている。また、継手本体521のX方向の他方側にも、2個の位置決め部523が、継手本体521のY方向の端部と嵌合凹部522との間で、X方向の他方側に突出するように形成されている。本実施の形態では、4個の位置決め部523は略円柱状をしており、継手本体521のX方向の一方側に形成された2個の位置決め部523は、正面視(X方向に沿って見た状態)で、継手本体521のX方向の他方側に形成された2個の位置決め部523とそれぞれ重なり合うように形成されている。
【0095】
同様に、継手本体521のX方向の一方側には、2個の溶着部524が、位置決め部523と嵌合凹部522との間で、X方向の一方側に突出するように形成されている。また、継手本体521のX方向の他方側にも、2個の溶着部524が、位置決め部523と嵌合凹部522との間で、X方向の他方側に突出するように形成されている。本実施の形態では、4個の溶着部524は略円筒状をしており、継手本体521のX方向の一方側に形成された2個の溶着部524は、正面視(X方向に沿って見た状態)で、継手本体521のX方向の他方側に形成された2個の溶着部524とそれぞれ重なり合うように形成されている。
【0096】
そして、内刃継手520をスリット内刃本体510に固定する際には、位置決め部523が位置決め部5121の略凹状の切り欠きに挿入され、溶着部524が溶着固定部5122の略円形の切り欠きに挿入されるようにしている。そのため、本実施の形態では、位置決め部523は、溶着部524よりもZ方向の上方に位置するように形成されている。
【0097】
そして、位置決め部523を位置決め部5121の略凹状の切り欠きに挿入しつつ、溶着部524を溶着固定部5122の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、位置決め部523および位置決め部5121により位置決めがなされた状態で、溶着部524を溶着固定部5122に溶着させるようにしている。こうすることで、内刃継手520がスリット内刃本体510に固定されて、スリット内刃50が形成されるようにしている。
【0098】
さらに、本実施の形態では、継手本体521には、ばね取付部525がZ方向の下方に突出するように形成されており、このばね取付部525をコイルばね60の上端に挿入することで、スリット内刃50がコイルばね60に連結されるようにしている。
【0099】
ばね取付部525は、略円柱状をしており、継手本体521のY方向の両端に形成されている。
【0100】
なお、スリット刃ブロック30は、長さがある程度長いヒゲ(体毛)Hを短くする粗剃りを目的とするものである。そして、このようなスリット刃ブロック30においては、スリット416内へのヒゲ(体毛)Hの導入性を向上させるようにするのが好ましい。
【0101】
ここで、スリット416内へのヒゲ(体毛)Hの導入性を向上させるためには、スリット外刃40の外刃片415間の間隔を大きくすることが考えられる。しかしながら、スリット外刃40の外刃片415間の間隔を大きくすると、肌Sへの刺激が増加するという課題や、外刃片415の幅が細くなることでスリット外刃40の強度が低下するという課題が生じてしまう。
【0102】
そこで、本実施の形態では、スリット刃ブロック30が、スリット外刃40よりもX方向の外側に設けられ、Y方向に沿って離間配置される複数のコーム72を備えるようにしている。そして、Y方向で隣り合うコーム72の間に、スリット416に連通する溝部75が形成されるようにし、コーム72に、X方向の外側に突出する突起部74が設けられるようにしている。
【0103】
こうすることで、スリット外刃40の外刃片415間の間隔の大きさを変えずにスリット416内へのヒゲ(体毛)Hの導入性を向上させることができるようにしている。具体的には、電気かみそり1の使用時に、コーム72に設けられた突起部74の頂部が肌Sに対して倒れた状態の長ヒゲ(体毛)Hと肌Sとの間に挿入されるようにしている。そして、長ヒゲ(体毛)Hを突起部74の頂部に乗り上げさせ、コーム72の移動に伴って長ヒゲ(体毛)Hを突起部74の表面に沿って移動させることによって、ヒゲ(体毛)Hが立ち上げられるようにし、立ち上げられた状態で溝部75からスリット416に導入されるようにしている。
【0104】
本実施の形態では、コーム72が形成されたコーム部品70をスリット外刃40とは個別に形成している。そして、図4に示すように、このコーム部品70をスリット外刃40に取り付けることで、スリット外刃40よりもX方向の外側に、複数のコーム72がY方向に沿って離間配置されるようにしている。
【0105】
コーム部品70は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより形成することができ、スリット外刃40よりも剛性が低くなっている。このコーム部品70は、Z方向に貫通する略枠状をしており、正面視(X方向に沿って見た状態)で上方が凸となるようにY方向(外刃長さ方向)に沿って若干湾曲して形成されている。なお、コーム部品70も、正面視で上方が凸となるように湾曲させない構成とすることも可能である。例えば、コーム部品70を正面から見た状態(X方向に沿って見た状態)で、コーム部品70の頂部(後述するコーム支持壁71の上端)がY方向(外刃長さ方向)に延在する直線となるようにすることが可能である。
【0106】
コーム部品70は、図5に示すように、Y方向およびZ方向に沿って延在し、X方向で対向する一対のコーム支持壁71を備えている。また、コーム部品70は、X方向およびZ方向に沿って延在し、Y方向で対向する一対の端壁77を備えており、一対の端壁77が、一対のコーム支持壁71のY方向の端部にそれぞれ連設されている。
【0107】
一対のコーム支持壁71は、支持壁本体710をそれぞれ備えており、各支持壁本体710の上端には、複数個のコーム72が、Y方向に離間した状態で上方に突出するように形成されている。したがって、本実施の形態では、Y方向に離間した状態で並ぶコーム72の列がX方向に2本並設された構成をしている。
【0108】
また、各支持壁本体710のX方向の内側(互いに対向する側)には、Z方向に貫通する4個の第1貫通孔711、Z方向に貫通する1個の第2貫通孔712、X方向の内側に突出する4個の嵌合突起713が形成されている。すなわち、コーム部品70には、8個の第1貫通孔711、2個の第2貫通孔712、8個の嵌合突起713が形成されている。
【0109】
本実施の形態では、8個の第1貫通孔711は、スリット外刃本体410に形成された8個の第1爪片4123にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体410を略枠状のコーム部品70に上方から挿入して取り付ける際に、8個の第1貫通孔711に8個の第1爪片4123がそれぞれ挿入されるようになっている。
【0110】
また、2個の第2貫通孔712は、スリット外刃本体410に形成された2個の第2爪片4124にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体410を略枠状のコーム部品70に上方から挿入して取り付ける際に、2個の第2貫通孔712に2個の第2爪片4124がそれぞれ挿入されるようになっている。
【0111】
また、8個の嵌合突起713は、スリット外刃本体410に形成された8個の嵌合孔4125にそれぞれ対応する位置に形成されている。そして、スリット外刃本体410を略枠状のコーム部品70に上方から挿入して取り付ける際に、8個の嵌合突起713が8個の嵌合孔4125にそれぞれ嵌合されるようになっている。
【0112】
このように、本実施の形態では、8個の嵌合突起713を8個の嵌合孔4125にそれぞれ嵌合させることで、スリット外刃本体410がコーム部品70に取り付けられるようにしている。
【0113】
コーム端壁77は、スリット刃ブロック30を組み立てた際に、外刃継手420の載置部422の上面に接触する端壁本体771を備えている。本実施の形態では、この端壁本体771は、正面視(X方向に沿って見た状態)で、Y方向の外側に向かうにつれて下方に位置するように湾曲した形状をしており、端壁本体771の下端は、略水平に延在する平坦面になっている。なお、端壁本体771の下端には、スリット刃ブロック30を組み立てた際に、載置部422に形成された突起部423が収容される収容部(図示せず)が形成されている。
【0114】
さらに、コーム端壁77は、端壁本体771のY方向の内側の面からY方向の内側に突出して、スリット刃ブロック30を組み立てた際に、外刃継手420の載置部422の上面に接触する突起部772を備えている。本実施の形態では、突起部772は、平面視(Z方向に沿って見た状態)で略四角形状をしており、上面が略水平に延在する平坦面になっている。そして、スリット外刃本体410をコーム部品70に取り付けた際に、スリット外刃本体410の連結部414(天壁411のY方向の外側の端部)が突起部772の上面に載置されるようにしている。
【0115】
このように、本実施の形態では、スリット刃ブロック30を組み立てた際に、コーム部品70の突起部772がスリット外刃本体410と外刃継手420とで挟み込まれるようにしている。
【0116】
したがって、スリット刃ブロック30を組み立てた際には、コーム部品70は、スリット外刃本体410および外刃継手420に対するZ方向およびY方向への相対移動が規制された状態で、スリット外刃40に取り付けられることになる。
【0117】
また、コーム72は、支持壁本体710の上端に上方に突出するように形成された支持部73を備えている。そして、この支持部73の上端には、X方向の外方に突出するように形成された突起部74が設けられている。このように、本実施の形態では、コーム72は、支持壁本体710の上端に上方に突出するように形成された支持部73と、この支持部73の上端にX方向の外方に突出するように形成された突起部74と、を有している。
【0118】
さらに、本実施の形態では、Y方向(第2方向)に沿って見た状態で、X方向(第1方向)の外側に凸となるように湾曲した形状となるように突起部74を形成している。こうすることで、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、突起部74の湾曲した部分を使用者の肌Sに当てることができるようにし、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようにしている。
【0119】
ここで、本実施の形態では、コーム72の配列ピッチを外刃片415の配列ピッチとほぼ同一となるようにしつつ、スリット外刃本体410をコーム部品70に取り付けた際に、各コーム72が外刃片415とX方向で隣り合うようにしている。こうすることで、Y方向で隣り合うコーム72の間に形成される溝部75がスリット416に連通されるようにし、溝部75が、スリット外刃本体410に形成されたスリット416に長ヒゲ(体毛)Hを導入する機能を有するようにしている。
【0120】
そして、このような形状をしたスリット外刃本体410、外刃継手420、スリット内刃本体510、内刃継手520、コイルばね60、コーム部品70を組み付けて一体化させることで、スリット刃ブロック30を形成している。
【0121】
以下では、スリット刃ブロック30の組立方法の一例を説明する。
【0122】
まず、スリット内刃本体510を内刃継手520に固定してスリット内刃50を形成する。具体的には、位置決め部523を位置決め部5121の略凹状の切り欠きに挿入しつつ、溶着部524を溶着固定部5122の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施し、位置決め部523および位置決め部5121により位置決めがなされた状態で、溶着部524を溶着固定部5122に溶着させる。こうすることで、内刃継手520をスリット内刃本体510に固定してスリット内刃50を形成する。
【0123】
次に、外刃継手420が備える一対の継手本体421のばね取付部426を対応するコイルばね60の下端にそれぞれ挿入して、外刃継手420をコイルばね60に連結させる。なお、この工程は、スリット内刃50の形成工程よりも前に行ってもよいし、スリット内刃50の形成工程と同時に行ってもよい。
【0124】
次に、スリット内刃50に設けられた一対のばね取付部525を対応するコイルばね60の上端にそれぞれ挿入して、スリット内刃50をコイルばね60に連結させる。
【0125】
次に、スリット外刃本体410をコーム部品70に上方から挿入して、スリット外刃本体410をコーム部品70に取り付ける。なお、この工程は、上述した工程のうちの少なくともいずれか1つの工程と同時に行うこともできるし、上述した工程のうちの少なくともいずれか1つの工程よりも先に行うことも可能である。
【0126】
そして、スリット外刃本体410をコーム部品70に取り付けつつ、外刃継手420およびスリット内刃50をコイルばね60に連結させた状態で、スリット外刃本体410を外刃継手420に固定してスリット外刃40を形成する。具体的には、第1溶着部424を第1溶着固定部4121の略円形の切り欠きに挿入しつつ、第2溶着部425を第2溶着固定部4122の略円形の切り欠きに挿入した状態で、ヒートシール加工を施すことで、第1溶着部424を第1溶着固定部4121に溶着させつつ、第2溶着部425を第2溶着固定部4122に溶着させる。こうすることで、外刃継手420をスリット外刃本体410に固定してスリット外刃40を形成する。
【0127】
このような工程を行えば、スリット外刃本体410、外刃継手420、スリット内刃本体510、内刃継手520、コイルばね60、コーム部品70を組み付けて、スリット内刃本体510がスリット外刃本体410に対して往復動可能に装着されるように一体化させたスリット刃ブロック30を形成することができる。
【0128】
このとき、内刃継手520および外刃継手420によって、コイルばね60が圧縮された状態で維持されるようにしている。こうすることで、スリット内刃本体510の天壁511の上面5111が、コイルばね60によってスリット外刃本体410の天壁411の内面4112に弾接するようにしている。
【0129】
このように、本実施の形態にかかるスリット刃ブロック30では、スリット内刃50が、スリット内刃本体510の上面5111をスリット外刃本体410の内面4112に弾接させつつY方向に摺動できるようにした状態で、スリット外刃本体410の内部に収納されるようにしている。こうすることで、スリット外刃40およびスリット内刃50の摺動面(内面4112および上面5111)において切断するヒゲ(体毛)Hの良好な切れ味が確保されるようにしている。
【0130】
ここで、本実施の形態では、電気かみそり1の使用時に、肌Sに与える刺激を、より確実に抑制することができるようにしている。
【0131】
具体的には、支持部73の上端からX方向の外方に突出するように形成された突起部74が、Y方向(第2方向)に並ぶ2個以上の支持部73(コーム72)を跨ぐように延在する第1突起部741を有するようにしている。すなわち、支持部73(コーム72)に、Y方向(第2方向)に幅広の第1突起部741が設けられるようにしている。
【0132】
こうすることで、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、Y方向(第2方向)に幅広の第1突起部741を使用者の肌Sに当てることができるようにし、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようにしている。
【0133】
さらに、本実施の形態では、Y方向(第2方向)の一端に位置するコーム72からY方向(第2方向)の他端に位置するコーム72にかけて延在するように形成された一本の細長い第1突起部741が、コーム部品70のX方向の両側にそれぞれ形成されるようにしている。すなわち、Y方向(第2方向)の一端に位置するコーム72からY方向(第2方向)の他端に位置するコーム72にかけて延在するように、第1突起部741を形成している。
【0134】
こうすることで、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、肌Sが外刃片415に接触してしまうことをより確実に抑制することができるようにして、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようにしている。
【0135】
また、本実施の形態では、互いに連通する溝部75とスリット416とのY方向(第2方向)の位置が同じとなるようにしている。こうすることで、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hがスリット外刃40の外刃片415に踏まれてカットできなくなってしまうことをより確実に抑制できるようにしている。
【0136】
さらに、本実施の形態では、図7に示すように、Y方向(第2方向)の幅W2が略一定となるように溝部75を形成し、Y方向(第2方向)の幅W1が略一定となるようにスリット416を形成している。そして、溝部75のY方向(第2方向)の幅W2が、スリット416のY方向(第2方向)の幅W1と同じ大きさとなるようにしている。
【0137】
したがって、本実施の形態では、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の幅W2aが、スリット416の溝部75側におけるY方向(第2方向)の幅W1aと同じ大きさとなっている。
【0138】
さらに、正面視(X方向に沿って見た状態)で、Y方向(第2方向)の一端が同じ位置となるようにしつつ、Y方向(第2方向)の他端が同じ位置となるようにした状態で、溝部75とスリット416とを互いに連通させている。
【0139】
こうすることで、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようにしている。
【0140】
また、本実施の形態では、上部外刃片4151が、X方向の一方側に配置され、X方向に延在する第1片部41511と、X方向の他方側において、第1片部41511とはY方向にずれた位置に配置され、X方向に延在する第2片部41512と、を備えるようにしている。そして、上部外刃片4151が、X方向と交差する斜めの方向に延在し、第1片部41511と第2片部41512とを連結する連結片部41513を備えるようにしている。
【0141】
すなわち、外刃片415が、X方向(第1方向)の一端415aと他端415bとがY方向(第2方向)にずれた形状となるようにしている。このように、本実施の形態では、X方向(第1方向)の一端の外刃片415と他端の外刃片415とがY方向(第2方向)にずれている。
【0142】
したがって、本実施の形態では、Y方向で互いに隣り合う外刃片415によって画成されるスリット416も、X方向(第1方向)の一端と他端とがY方向(第2方向)にずれた形状をしている。
【0143】
こうすることで、X方向(第1方向)に往復させながらヒゲ(体毛)Hを剃る際に、一方向への移動の際に外刃片415に踏まれてスリット416に導入できなかったヒゲ(体毛)Hを、他方向への移動の際にスリット416に導入させることができるようにしている。すなわち、X方向(第1方向)に往復させながらヒゲ(体毛)Hを剃る際に、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようにしている。
【0144】
また、本実施の形態では、X方向(第1方向)の一方側のコーム72が、Y方向(第2方向)の位置が外刃片415のX方向(第1方向)の一端415aと同じとなるように形成されている。そして、X方向(第1方向)の他方側のコーム72が、Y方向(第2方向)の位置が外刃片415のX方向(第1方向)の他端415bと同じとなるように形成されている。
【0145】
したがって、本実施の形態では、1つのスリット416に連通する溝部75も、X方向(第1方向)の一端側と他端側とで、Y方向(第2方向)にずれた位置に形成されることになる。こうすることで、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようにしている。
【0146】
なお、溝部75をスリット416に連通させるように配置する方法としては、例えば、図8に示すように、パターンA、パターンB、パターンC、パターンD、パターンEの方法で配置することが考えられる。図8では、各パターンの上段の実線部分がコーム72、上段の破線部分が溝部75、下段の実線部分が外刃片415、下段の破線部分がスリット416をそれぞれ示している。
【0147】
本実施の形態では、図7に示すように、パターンAの方法で配置したものを例示している。しかしながら、溝部75をスリット416に連通させるように配置する方法は、パターンAの方法で配置する必要はなく、図9に示すように、パターンBの方法で配置することも可能である。
【0148】
パターンBの方法では、図9に示すように、Y方向(第2方向)の幅W2が略一定となるように溝部75を形成し、Y方向(第2方向)の幅W1が略一定となるようにスリット416を形成している。そして、溝部75のY方向(第2方向)の幅W2が、スリット416のY方向(第2方向)の幅W1よりも小さくなるようにしている。さらに、正面視(X方向に沿って見た状態)で、溝部75のY方向の両端が、スリット416のY方向の一端と他端との間に位置するようにした状態で、溝部75とスリット416とを互いに連通させている。
【0149】
こうすることでも、溝部75に導入されたヒゲ(体毛)Hを、より確実にスリット416に導入することができるようになる。
【0150】
また、図10に示すように、パターンCの方法で配置することも可能である。
【0151】
パターンCの方法では、図10に示すように、Y方向(第2方向)の幅W2がX方向の一端と他端とで異なるように溝部75を形成している。具体的には、溝部75のスリット416側とは反対側におけるY方向(第2方向)の幅W2bが、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の幅W2aよりも大きくなるようにしている。
【0152】
また、Y方向(第2方向)の幅W1が略一定となるようにスリット416を形成している。そして、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の幅W2aが、スリット416の溝部75側におけるY方向(第2方向)の幅W1aと同じ大きさとなるようにしている。
【0153】
さらに、正面視(X方向に沿って見た状態)で、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の一端と、スリット416の溝部75側におけるY方向(第2方向)の一端とが同じ位置となるようにしつつ、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の他端と、スリット416の溝部75側におけるY方向(第2方向)の他端とが同じ位置となるようにした状態で、溝部75とスリット416とを互いに連通させている。
【0154】
こうすることでも、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入効率を高めつつ、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようになる。
【0155】
また、パターンDの方法で配置することも可能である。
【0156】
パターンDの方法では、Y方向(第2方向)の幅W2が略一定となるように溝部75を形成し、Y方向(第2方向)の幅W1が略一定となるようにスリット416を形成している。そして、溝部75のY方向(第2方向)の幅W2が、スリット416のY方向(第2方向)の幅W1よりも大きくなるようにしている。さらに、正面視(X方向に沿って見た状態)で、スリット416のY方向の両端が、溝部75のY方向の一端と他端との間に位置するようにした状態で、溝部75とスリット416とを互いに連通させている。
【0157】
また、パターンEの方法で配置することも可能である。
【0158】
パターンEの方法では、Y方向(第2方向)の幅W2が略一定となるように溝部75を形成し、Y方向(第2方向)の幅W1が略一定となるようにスリット416を形成している。そして、溝部75のY方向(第2方向)の幅W2が、スリット416のY方向(第2方向)の幅W1と同じ大きさとなるようにしている。さらに、正面視(X方向に沿って見た状態)で、スリット416の一部が溝部75の一部と重なり合うようにした状態で、溝部75とスリット416とを互いに連通させている。
【0159】
なお、パターンA~パターンE以外の方法で、溝部75をスリット416に連通させるように配置することも可能である。
【0160】
また、本実施の形態では、スリット外刃部413のY方向の一端から他端にかけて延在する第1突起部741をコーム72に設けたものを例示したが、第1突起部741をコーム72に設ける方法は、このような方法に限られるものではなく、様々な方法で第1突起部741をコーム72に設けることが可能である。
【0161】
例えば、図11および図12に示すように、支持部73の上端からX方向の外方に突出するように形成された突起部74が、Y方向(第2方向)に並ぶ2個の支持部73(コーム72)を跨ぐように延在する複数個の第1突起部741を有するようにしてもよい。
【0162】
こうすることでも、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0163】
また、図11および図12では、Y方向(第2方向)で隣り合う第1突起部741の間に、溝部75のX方向(第1方向)の外側を画成する隔壁76が形成されたものを例示したが、図13および図14に示すように、Y方向(第2方向)で隣り合う第1突起部741の間に溝部75のX方向(第1方向)の外側を画成する隔壁76が形成されないようにすることも可能である。
【0164】
図13および図14に示す構成とすれば、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入効率が低下してしまうことを抑制することができるようになる。
【0165】
なお、Y方向の長さが異なる複数種類の第1突起部741を支持部73(コーム72)に設けることも可能であるし、X方向の一方側と他方側とで第1突起部741の形状や配置位置を異ならせるようにすることも可能である。
【0166】
次に、本実施の形態にかかる溝部75の具体的な構成について説明する。
【0167】
本実施の形態では、図15に示すように、Y方向(第2方向)で隣り合うコーム72の間に隔壁76が形成されるようにしている。こうすることで、コーム72の剛性が高められるようにしている。また、隔壁76におけるX方向(第1方向)の内側の内面761が、溝部75のX方向(第1方向)の外側を画成するようにしている。そして、内面761を、スリット外刃40側に向かうにつれて溝部75の深さが深くなるように傾斜させている。
【0168】
このように、本実施の形態では、側面視(Y方向に沿って見た状態)で、X方向(第1方向)の外側が斜辺となる略直角三角形となるように溝部75を形成している。
【0169】
こうすることで、溝部75の開口751の面積を確保しつつ、溝部75の容積が小さくなるようにしている。こうすれば、ヒゲ(体毛)Hの溝部75への導入性を向上させつつ、コーム72の剛性が低下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0170】
また、本実施の形態では、Y方向(第2方向)に沿って見た状態で、隔壁76の内面761における溝部75の開口751側の端部7611をR状に湾曲させている。
【0171】
こうすることで、溝部75にヒゲ(体毛)Hを導入する際に肌Sに当たりやすい部位である内面761の開口751側の端部7611にエッジが形成されてしまうことが抑制されるようにし、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようにしている。
【0172】
また、図15および図16に示すように、溝部75は、下端752が側部スリット(第2スリット)4162の下端41621よりも下方に位置するように形成されている。すなわち、開口751側が上方を向くようにした状態で、側部スリット(第2スリット)4162の下端41621以下の深さとなるように溝部75を形成している。
【0173】
さらに、本実施の形態では、図16に示すように、溝部75の下端752が、Y方向の一端から他端にかけて側部スリット(第2スリット)4162の下端41621以下の深さとなるようにしている。
【0174】
そして、正面視(X方向に沿って見た状態)で、コーム72が側部スリット(第2スリット)4162に露出しないようにしている。
【0175】
こうすることで、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に導入する際に、側部スリット(第2スリット)4162の空間を有効に使用できるようにし、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入できるようにしている。
【0176】
また、本実施の形態では、コーム72が、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、X方向(第1方向)の外側に凸となる湾曲面722と、湾曲面722の上端に連設されて水平に延在する平坦面721と、を有するようにしている。
【0177】
そして、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、溝部75の開口751側におけるX方向(第1方向)の外側の端部753が平坦面721上に位置するように、溝部75を形成している。
【0178】
このような溝部75は、例えば、平坦面721と交わる平面に含まれるように内面761を形成することで得ることができる。
【0179】
こうすることで、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に使用者の肌Sに当たる部分である湾曲面722の面積を大きくしたままで、溝部75を形成できるようにし、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入性能の低下を極力抑制しつつ、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようにしている。
【0180】
なお、図18に示すように、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、溝部75の開口751側におけるX方向(第1方向)の外側の端部753が、頂部7221よりも上側の湾曲面722上に位置するように、溝部75を形成してもよい。
【0181】
このような溝部75は、例えば、頂部7221よりも上側の湾曲面722と交わる平面に含まれるように内面761を形成することで得ることができる。
【0182】
こうすれば、溝部75の開口面積を大きくしつつ、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に使用者の肌Sに当たる部分である湾曲面722を確保することができるようになって、肌Sに与える刺激を極力抑制しつつ、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入性能を向上させることができるようになる。
【0183】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロックおよび電気かみそりの特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0184】
上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロック30は、X方向(第1方向)に延在し、X方向(第1方向)と交差するY方向(第2方向)に沿って離間配置される複数の外刃片415を有するスリット外刃40を備えている。また、スリット刃ブロック30は、スリット外刃40よりもX方向(第1方向)の外側に設けられ、Y方向(第2方向)に沿って離間配置される複数のコーム72を備えている。
【0185】
ここで、Y方向(第2方向)で隣り合う外刃片415の間にはスリット416が形成されており、Y方向(第2方向)で隣り合うコーム72の間には、スリット416に連通する溝部75が形成されている。
【0186】
そして、コーム72には、X方向(第1方向)の外側に突出する突起部74が設けられており、突起部74は、Y方向(第2方向)に並ぶ2個以上のコーム72を跨ぐように延在する第1突起部741を有している。
【0187】
また、上記実施の形態およびその変形例で示した電気かみそり1は、スリット刃ブロック30を備えている。
【0188】
このように、コーム72を有するスリット刃ブロック30を用いてヒゲ(体毛)Hを剃るようにすれば、スリット外刃40の外刃片415間の間隔の大きさを変えずにヒゲ(体毛)Hの導入性を向上させることができるようになる。
【0189】
また、コーム72にY方向(第2方向)に幅広の第1突起部741を設けるようにすれば、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、幅広の第1突起部741を使用者の肌Sに当てることができるようになるため、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0190】
このように、上記実施の形態およびその変形例で示したスリット刃ブロック30および電気かみそり1を用いるようにすれば、肌Sに与える刺激を抑制しつつ、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0191】
また、溝部75のY方向(第2方向)の位置とスリット416のY方向(第2方向)の位置とが同じであってもよい。
【0192】
こうすれば、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hがスリット外刃40の外刃片415に踏まれてカットできなくなってしまうことをより確実に抑制することができるようになる。その結果、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをそのままカットすることができるようになって、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0193】
また、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の幅W2aが、スリット416の溝部75側におけるY方向(第2方向)の幅W1aと同じであってもよい。
【0194】
こうすれば、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようになって、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0195】
また、溝部75のスリット416側とは反対側におけるY方向(第2方向)の幅W2bが、溝部75のスリット416側におけるY方向(第2方向)の幅W2aよりも大きくなっていてもよい。
【0196】
こうすれば、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入効率を高めつつ、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようになる。その結果、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0197】
また、X方向(第1方向)の一端の外刃片415と他端の外刃片415とがY方向(第2方向)にずれていてもよい。
【0198】
こうすれば、X方向(第1方向)に往復させながらヒゲ(体毛)Hを剃る際に、一方向への移動の際に外刃片415に踏まれてスリット416に導入できなかったヒゲ(体毛)Hを、他方向への移動の際にスリット416に導入させることができるようになる。したがって、X方向(第1方向)に往復させながらヒゲ(体毛)Hを剃る際に、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0199】
また、コーム72がX方向(第1方向)の両側に設けられており、X方向(第1方向)の一方側のコーム72は、Y方向(第2方向)の位置が外刃片415のX方向(第1方向)の一端415aと同じとなるように形成されていてもよい。そして、X方向(第1方向)の他方側のコーム72は、Y方向(第2方向)の位置が外刃片415のX方向(第1方向)の他端415bと同じとなるように形成されていてもよい。
【0200】
こうすれば、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようになって、より効率よくヒゲ(体毛)Hを剃ることができるようになる。
【0201】
また、第1突起部741が、Y方向(第2方向)の一端に位置するコーム72からY方向(第2方向)の他端に位置するコーム72にかけて延在するように形成されていてもよい。
【0202】
こうすれば、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、肌Sが外刃片415に接触してしまうことをより確実に抑制することができるようになるため、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0203】
また、Y方向(第2方向)で隣り合うコーム72の間に隔壁76が形成されており、隔壁76におけるX方向(第1方向)の内側の内面761が、溝部75のX方向(第1方向)の外側を画成していてもよい。そして、内面761が、スリット外刃40側に向かうにつれて溝部75の深さが深くなるように傾斜していてもよい。
【0204】
こうすれば、溝部75の開口面積を確保してヒゲ(体毛)Hの導入性を向上させつつ、溝部75の容積を小さくすることができるようになる。その結果、コーム72の剛性が低下してしまうことをより確実に抑制することができるようになる。
【0205】
また、内面761は、Y方向(第2方向)に沿って見た状態で、溝部75の開口751側の端部7611がR状に湾曲していてもよい。
【0206】
こうすれば、溝部75にヒゲ(体毛)Hを導入する際に肌Sに当たりやすい部位である内面761の開口751側の端部7611にエッジが形成されてしまうことをより確実に抑制することができるようになる。その結果、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0207】
また、スリット外刃40が、肌Sに接触することが可能な肌接触面4111を有する天壁(第1壁部)411と、天壁(第1壁部)411に連設される側壁(第2壁部)412と、を備えていてもよい。さらに、スリット416が、天壁(第1壁部)411に形成される上部スリット(第1スリット)4161と、上部スリット(第1スリット)4161に連通するように側壁(第2壁部)412に形成される側部スリット(第2スリット)4162と、を有していてもよい。そして、溝部75が、開口751側が上方を向くようにした状態で、側部スリット(第2スリット)4162の下端41621以下の深さとなるように形成されていてもよい。
【0208】
こうすれば、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に導入する際に、側部スリット(第2スリット)4162の空間を有効に使用できるようになるため、溝部75に導入したヒゲ(体毛)Hをスリット416に、より効率的に導入することができるようになる。
【0209】
また、突起部74が、Y方向(第2方向)に沿って見た状態で、X方向(第1方向)の外側に凸となるように湾曲した形状をしていてもよい。
【0210】
こうすれば、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に、突起部74の湾曲した部分が使用者の肌Sに当たるため、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0211】
また、コーム72が、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、X方向(第1方向)の外側に凸となる湾曲面722と、湾曲面722の上端に連設されて水平に延在する平坦面721と、を有していてもよい。そして、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、溝部75の開口751側におけるX方向(第1方向)の外側の端部753が平坦面721上に位置していてもよい。
【0212】
こうすれば、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に使用者の肌Sに当たる部分である湾曲面722の面積を大きくしたままで、溝部75を形成することができるようになる。その結果、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入性能の低下を極力抑制しつつ、肌Sに与える刺激をより低減させることができるようになる。
【0213】
また、コーム72が、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、X方向(第1方向)の外側に凸となる湾曲面722と、湾曲面722の上端に連設されて水平に延在する平坦面721と、を有していてもよい。そして、溝部75の開口751側が上方を向くようにしつつY方向(第2方向)に沿って見た状態で、溝部75の開口751側におけるX方向(第1方向)の外側の端部753が、頂部7221よりも上側の湾曲面722上に位置していてもよい。
【0214】
こうすれば、溝部75の開口面積を大きくしつつ、ヒゲ(体毛)Hを剃る際に使用者の肌Sに当たる部分である湾曲面722を確保することができるようになる。その結果、肌Sに与える刺激を極力抑制しつつ、溝部75へのヒゲ(体毛)Hの導入性能を向上させることができるようになる。
【0215】
[その他]
以上、本開示にかかるスリット刃ブロックおよび電気かみそりの内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形および改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0216】
例えば、上記実施の形態およびその変形例で示した構成の変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態に本開示を適用することができる。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0217】
また、上記実施の形態およびその変形例では、グリップ部11およびヘッド部12を備える電気かみそり1を例示したが、ヘッド部が設けられていない電気かみそりに本開示を適用することも可能である。
【0218】
また、外刃片や内刃片、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0219】
以上のように、本開示にかかるスリット刃ブロックおよび電気かみそりは、肌に与える刺激を抑制しつつ、より効率よく体毛を剃ることが可能であるので、ヒゲに限らず、様々な体毛の処理等の用途にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0220】
1 電気かみそり
30 スリット刃ブロック
40 スリット外刃
411 天壁(第1壁部)
4111 肌接触面
412 側壁(第2壁部)
415 外刃片
416 スリット
4161 上部スリット(第1スリット)
4162 側部スリット(第2スリット)
41621 下端
72 コーム
721 平坦面
722 湾曲面
7221 頂部
74 突起部
741 第1突起部
75 溝部
751 開口
753 端部
76 隔壁
761 内面
7611 端部
S 肌
H ヒゲ(体毛)
W1a スリットの溝部側における第2方向の幅
W2a 溝部のスリット側における第2方向の幅
W2b 溝部のスリット側とは反対側における第2方向の幅
X 第1方向
Y 第2方向
図1
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