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特開2023-144713駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144713
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20231003BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051830
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】立尾 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋幸
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF21
5H181FF25
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK07
5H181KK08
(57)【要約】
【課題】駐車位置までのルートを適切に決定する。
【解決手段】駐車位置案内システムは、サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムであって、サーバが、対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、対象車両が駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、ルートを示す情報を車載器へ送信する第1通信部とを備え、車載器が、ルートを示す情報を受信する第2通信部と、ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムであって、
前記サーバが、
対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、
前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、
前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部と
を備え、
前記車載器が、
前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、
前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部と
を備える
駐車位置案内システム。
【請求項2】
前記案内情報決定部は、前記ルートが変更された場合、変更されたルートを受け入れるか否かを判断する
請求項1に記載の駐車位置案内システム。
【請求項3】
前記案内情報決定部は、前記変更されたルートに基づき走行した場合の安全度に応じて、前記変更されたルートを受け入れるか否かを判断する
請求項2に記載の駐車位置案内システム。
【請求項4】
前記駐車位置決定部は、車両駆動用電源として搭載する蓄電池への外部からの充電を行う車両であること、または、所定の登録車両のみに割り当てられた駐車位置への駐車が認められた車両であること、の少なくとも一つを含む対象車両の属性に応じて、前記対象車両の駐車位置を決定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の駐車位置案内システム。
【請求項5】
前記対象車両の案内が終了するまで、
前記駐車位置決定部は、前記対象車両の前記駐車位置を繰り返し決定し、
前記ルート決定部は、前記ルートを繰り返し決定する
請求項1~4のいずれか1項に記載の駐車位置案内システム。
【請求項6】
サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムの前記サーバであって、
前記サーバが、
対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、
前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、
前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部と
を備え、
前記車載器が、
前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、
前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部と
を備える
サーバ。
【請求項7】
サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムの前記車載器であって、
前記サーバが、
対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、
前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、
前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部と
を備え、
前記車載器が、
前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、
前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部と
を備える
車載器。
【請求項8】
サーバと車載器とを用いた駐車位置案内方法であって、
前記サーバにおいて、
対象車両の駐車位置を決定するステップと、
前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するステップと、
前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信するステップと、
前記車載器において、
前記ルートを示す情報を受信するステップと、
前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定するステップと
を含む駐車位置案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、次のような駐車場案内システムが記載されている。すなわち、特許文献1に記載されている駐車場案内システムでは、管理センターから車載の情報処理装置に対して、駐車可能な駐車位置と駐車場内マップの情報が送信される。また、車載の情報処理装置は、駐車場マップと自車位置情報とから車両の誘導を行う表示を行い、運転者を駐車位置まで誘導する。この構成では、車載の情報処理装置が、駐車場マップと自車位置情報とに基づいて駐車位置までのルートを決定することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/054354号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の駐車場案内システムでは、車載の情報処理装置が駐車位置までのルートを決定するため、例えば駐車場内の状況が変化した場合等に、ルートを適切に決定することができないことがあるという課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、駐車位置までのルートを適切に決定することができる駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る駐車位置案内システムは、 サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムであって、前記サーバが、対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部とを備え、前記車載器が、前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部とを備える。
【0007】
本開示に係るサーバは、サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムの前記サーバであって、前記サーバが、対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部とを備え、前記車載器が、前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部とを備える。
【0008】
本開示に係る車載器は、サーバと車載器とを備える駐車位置案内システムの前記車載器であって、前記サーバが、対象車両の駐車位置を決定する駐車位置決定部と、前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部と、前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部とを備え、前記車載器が、前記ルートを示す情報を受信する第2通信部と、前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部とを備える。
【0009】
本開示に係る駐車位置案内方法は、サーバと車載器とを用いた駐車位置案内方法であって、前記サーバにおいて、対象車両の駐車位置を決定するステップと、前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するステップと、前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信するステップと、前記車載器において、前記ルートを示す情報を受信するステップと、前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定するステップとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法によれば、駐車位置までのルートを適切に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係る駐車場管理システムの機能を説明するための模式図である。
図2】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの機構的構成例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図4】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図5】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
図6】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図7】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図8】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図9】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図10】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図11】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図12】本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。
図13】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の駐車位置案内システム、サーバ、車載器および駐車位置案内方法に係る実施形態について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る駐車場管理システムの機能を説明するための模式図である。図2は、本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの機構的構成例を示すブロック図である。図3は、本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。図4および図5は、本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するためのフローチャートである。図6図12は、本開示の実施形態に係る駐車位置案内システムの動作例を説明するための駐車場の例を模式的に示す平面図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0013】
<第1実施形態>
(駐車場管理システム)
図1は、本開示の実施形態に係る駐車位置案内システム5を含む、駐車場管理システム100の機能を例示する。駐車場管理システム100は、例えば、駐車場における駐車区画の使用状況を管理したり、駐車場に駐車する1または複数の車両に係る各種情報を管理したりする。図1に示す例では、駐車場管理システム100は、駐車場サーバ1と、車載器2と、携帯端末3とを備える。駐車場サーバ1は、本開示に係るサーバの一構成例である。車載器2は、車両に搭載された通信機能を有する情報処理装置である。携帯端末3は、車両の運転者(ドライバ)等のユーザが携帯するスマートフォン等の通信機能を有する情報処理装置である。駐車場サーバ1と車載器2は、例えば狭域通信(DSRC;Dedicated Short Range Communications)回線や公衆通信回線等を用いて無線接続される。駐車場サーバ1と携帯端末3は、例えば公衆通信網、無線構内通信網等を用いて無線接続される。車載器2と携帯端末3は、例えば近距離通信回線、無線構内通信回線等を用いて無線接続される。
【0014】
駐車場サーバ1は、例えば、コンピュータとそのコンピュータの周辺装置とを用いて構成される。駐車場サーバ1は、次の各機能を有する。すなわち、駐車場サーバ1は、契約管理機能F11、推奨駐車区画設定機能F12、車載器検出機能F13、場内ルート提供機能F14、駐車料金提供サービス機能F15、および出庫時課金機能F16を有する。なお、これらの各機能の一部または全部は、例えばクラウドサービスとして提供することができる。また、駐車場サーバ1の機能は、1または複数の駐車場に対して対応させることができる。
【0015】
また、車載器2は、上述したように車両に搭載された通信機能を有する情報処理装置であり、例えば、1または複数のコンピュータとそのコンピュータの周辺装置や周辺回路とを用いて構成される。車載器2は、無線通信機能のほか、例えば、車両の位置、進行方向、速度等を計測する機能、ユーザからの操作を入力する機能、ユーザへ情報を出力する機能、キャッシュカードやプリペイドカードを用いた課金機能等を有することができる。車載器2は、例えば、有料道路の課金システム用の端末として構成することができる。あるいは、車載器2は、例えば、車両に搭載されている電子制御ユニットやナビゲーション装置に一部または全部の構成要素が含まれる態様で構成することができる。あるいは、車載器2は、例えば、電子制御ユニットやナビゲーション装置が有する、車両の位置、進行方向、速度等を計測する機能、ディスプレイやタッチパネル、音声操作機能等を利用することができる態様で構成することができる。この場合、車載器2は、車両の位置、進行方向、速度等を計測する機能、タッチパネル、マイク等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置等を備えていなくてもよい。図1に示す例では、車載器2は、駐車場入場機能F21、場内ルート受領待ち機能F22、および課金処理機能F23を有する。
【0016】
また、携帯端末3は、例えば所定のアプリをインストールすることで、駐車場アカウント管理機能F31と料金確認機能F32とを実装する。
【0017】
契約管理機能F11は、駐車場アカウント管理機能F31と連携し、ユーザの属性や車両、車載器、通信部等の属性(属性情報)を登録および管理する。ユーザの属性は、例えば、駐車区画の月極利用等の契約者であるか否かを示す情報、駐車場の運営者が運営する施設や提携先の施設等に対して会員登録していることを示す情報等である。車両の属性は、例えば、身体障がい者が乗車する車両であること、車両駆動用電源として搭載する蓄電池への外部からの充電を行う車両であること(および対応している充電規格)、所定の登録車両にのみに割り当てられた駐車位置への駐車が認められた車両であること、ナンバープレートの標記、業務用車両であること等を示す情報である。また、車載器2の属性は車載器ID等である。通信部の属性は、例えば、通信端末の電話番号、アドレス、固有識別符号等である。契約管理機能F11は、例えば、車載器2のID(識別符号;以下、車載器IDともいう)、車両のナンバープレートの標記等と紐付けて属性を示す情報を管理する。なお、各属性は、契約管理機能F11を利用して予め登録することなく、例えばユーザが車載器2に登録しておき、駐車場サーバ1が駐車場に入場した車載器2から受信するようにしてもよい。
【0018】
推奨駐車区画設定機能F12は、車載器検出機能F13によって検出された車載器2のID、上述した属性情報、車載器2から得た車両の測位情報、駐車場内の利用状況(駐車区画の空き情報)等に基づいて、案内対象車両(以下、対象車両という)の推奨駐車区画を設定する。なお、推奨駐車区画としては、例えば1つの駐車区画(車両1台分の駐車区画)を指定することもできるし、複数の駐車区画や複数の駐車区画を含むエリアを単位として指定することもできる。なお、本実施形態では、1もしくは複数の駐車区画またはエリアを総称して駐車位置という。なお、推奨駐車区画設定機能F12は、対象車両の案内が終了するまで(例えば対象車両が駐車するまで)、対象車両の駐車位置を繰り返し設定する。通常、一度設定した駐車位置は変更されることはない。ただし、例えば、他の車両が駐車してしまった場合、障害物等のため設定した駐車位置が使用できなくなった場合等に、駐車位置が変更される場合がある。そのため、推奨駐車区画設定機能F12は、対象車両の駐車位置を繰り返し設定する。なお、駐車場サーバ1は、例えば操作者の入力操作に応じて障害物の位置等を設定することができる。
【0019】
車載器検出機能F13は、駐車場入場機能F21と連携し、駐車場に入場した車両の車載器2を例えば狭域通信を用いて検出し、検出した車載器2から、車載器ID、車両の測位情報、所定の属性情報(アトリビュートともいう)等を受信する。車載器検出機能F13は、検出した時刻(入庫時刻)と車載器IDとアトリビュートを所定の記憶領域(所定のデータベース)等に記憶する。その際、車載器検出機能F13は、例えばナンバープレート読取装置等で読み取ったナンバープレートの標記を車載器IDに紐付けて記憶してもよい。また、車載器検出機能F13は、検出した車載器2に対して駐車場のマップ(MAP)を送信する。駐車場入場機能F21は、受信した駐車場マップを所定の記憶領域に記憶する。
【0020】
場内ルート提供機能F14は、場内ルート受領待ち機能F22と連携し、対象車両の位置を、現在の位置から設定された駐車位置まで移動させるルートを検索(探索)し、最適なルートを車載器2に対して送信する。場内ルート提供機能F14は、ルート検索を所定時間おきに繰り返し実行する。なお、場内ルート提供機能F14は、案内中に駐車位置が変更された場合や、駐車位置までのルート中に障害物が発生した場合等、駐車位置またはルート上の状況に変化があったことを検知した場合に、最適なルートの変更を行う。場内ルート提供機能F14は、最適なルートを変更した場合、変更後のルートを場内ルート受領待ち機能F22へ提供する。一方、場内ルート受領待ち機能F22は、場内ルート提供機能F14から受信したルートと自車両位置とに基づき、案内情報を決定し、所定の出力先に出力する。案内情報は、例えば、ターンバイターン方式で、曲がり角(交差点を含む)、直進路等での進行方向を矢印アイコンや合成音声等で示す情報である。また、場内ルート受領待ち機能F22は、ルートが変更された場合、変更後のルートを受け入れるか否かを判断する。場内ルート受領待ち機能F22は、例えば、駐車場マップ上に変更前後のルートを表示し、運転者に変更後のルートを受け入れるか否かを選択させることで、受け入れの可否を判断することができる。あるいは、場内ルート受領待ち機能F22は、例えば、変更後のルートを受け入れた場合に、次の曲がり角までの距離が安全に曲がれる距離を下回るようなとき、受け入れを拒否すると判断することができる。場内ルート提供機能F14は、変更後のルートが拒否された場合、新たなルートを検索し、変更後のルートを場内ルート受領待ち機能F22へ提供する。
【0021】
駐車料金提供サービス機能F15は、料金確認機能F32と連携し、料金確認機能F32から料金の確認要求があった場合、例えば当該車両の現時点の駐車料金を算出し、算出結果を料金確認機能F32へ送信する。
【0022】
出庫時課金機能F16は、課金処理機能F23と連携し、駐車場から出庫(出場)しようとする車両の車載器2を例えば狭域通信を用いて検出し、所定の課金処理を実行する。出庫時課金機能F16は、例えば入庫時刻から現時刻までの駐車料金を算出し、例えば車載器2が有する課金機能を利用して料金を課金する。
【0023】
(駐車位置案内システム)
なお、本実施形態では、図1に示す各機能のうち、2点鎖線で囲んで示す各機能F12~F13およびF21~F22とそれらの機能を実装する駐車場サーバ1と車載器2とによって、駐車位置案内システム5が構成される。以下、図1図12を参照して、駐車位置案内システム5について説明する。
【0024】
図2は、駐車場サーバ1と車載器2の機能的構成例を示すブロック図である。駐車場サーバ1および車載器2は、コンピュータ、その周辺装置等のハードウェアと、そのコンピュータが実行するプログラム等のソフトウェアとの組み合わせで、あるいはハードウェア単独で構成される機能的構成として図2に示す各部を備える。
【0025】
駐車場サーバ1は、通信部11と処理部12とを備える。通信部11は、狭域通信部111とネットワーク通信部112とを備える。処理部12は、車載器検出登録部121と駐車位置決定部122とルート決定部123とを含む。
【0026】
車載器2は、通信部21と、測位部22と、表示入力部23と、音入出力部24と、処理部25とを備える。通信部21は、狭域通信部211とネットワーク通信部212とを備える。処理部25は、駐車場入場処理部251と、案内情報決定部252とを含む。
【0027】
駐車場サーバ1において、狭域通信部111は、例えば、図3に示す駐車場200の入口201の近傍と出口202の近傍にそれぞれ設置された図示していない狭域通信用のアンテナを用いて、車載器2の狭域通信部211と通信する。
【0028】
なお、図3に示す駐車場200には、複数の駐車区画203と、車路204とが設けられている。また、車路204は、直進部205と、曲がり角(交差点を含む)206を含んでいる。また、図3は、車載器2の表示入力部23に表示される案内情報の例(直進の案内情報の矢印401、右折の案内情報の矢印402および左折の案内情報の矢印403)を車路204上に示している。なお、以下の動作例についての説明では、対象車両301を駐車区画203a(推奨駐車位置203aあるいは駐車位置203aともいう)へ案内する場合を例に挙げる。
【0029】
図1に示すネットワーク通信部112は、ネットワーク4を介して、ネットワーク通信部212と通信する。ネットワーク4は、例えば、例えば公衆通信網等を含む。ネットワーク通信部112は、本開示に係る第1通信部の構成例であって、対象車両のルートを示す情報を車載器2へ送信する。
【0030】
車載器検出登録部121は、車載器検出機能F13を実装した機能的構成である。駐車位置決定部122は、推奨駐車区画設定機能F12を実装した機能的構成である。駐車位置決定部122は、対象車両の駐車位置を決定する。駐車位置決定部122は、例えば、身体障がい者が乗車する車両であること、車両駆動用電源として搭載する蓄電池への外部からの充電を行う車両であること、または、所定の登録車両のみに割り当てられた駐車位置への駐車が認められた車両であること、の少なくとも一つを含む対象車両の属性に応じて、対象車両の駐車位置を決定する。ルート決定部123は、場内ルート提供機能F14を実装した機能的構成である。ルート決定部123は、対象車両が駐車位置へ到達するまでのルートを決定する。なお、車載器検出登録部121、駐車位置決定部122、およびルート決定部123の構成および動作については、図4および図5に示すフローチャート等を参照して後述する。
【0031】
車載器2において、狭域通信部211は、図3に示す駐車場200の入口201の近傍と出口202の近傍にそれぞれ設置された図示していない狭域通信用のアンテナを介して、駐車場サーバ1の狭域通信部111と通信する。
【0032】
ネットワーク通信部212は、ネットワーク4を介して、ネットワーク通信部112と通信する。ネットワーク通信部212は、本開示に係る第2通信部の構成例であって、対象車両のルートを示す情報を受信する。
【0033】
測位部22は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System;全球測位衛星システム)を用いて車載器2を搭載する車両の位置と進行方向と速度を所定の周期で計測する。本実施形態では、位置(座標)と進行方向(位置の変化の方向)と車速(位置の時間変化)の少なくとも一つを表す情報を測位情報という。ただし、測位の手法に限定はない。測位部22は、例えば、GNSSによる測位と、車速パルスの取得結果やジャイロセンサ、加速度センサ等の検知結果を利用した測位とを組み合わせて測位情報を取得してもよい。
【0034】
表示入力部23は、例えばタッチパッドとディスプレイとを一体的に用いて構成されたタッチパネルを備え、処理部25の指示に従い画像を表示したり、入力操作を取得したりする。
【0035】
音入出力部24は、マイクとスピーカとを備え、例えば、運転者等が発した音声を検知したり、処理部25の指示に従い合成音声信号を出力したりする。また、音入出力部24は、音声認識機能等を備え、運転者等との間で対話型の操作を行う機能を有していてもよい。
【0036】
駐車場入場処理部251は、駐車場入場機能F21を実装した機能的構成である。案内情報決定部252は、場内ルート受領待ち機能F22を実装した機能的構成である。案内情報決定部252は、駐車場サーバ1から受信した自車両のルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する。また、案内情報決定部252は、ルートが変更された場合、変更されたルートを受け入れるか否かを判断する。案内情報決定部252は、例えば、変更されたルートに基づき走行した場合の安全度に応じて、変更されたルートを受け入れるか否かを判断する。駐車場入場処理部251および案内情報決定部252については、図4および図5に示すフローチャート等を参照して後述する。
【0037】
(車載器検出機能および駐車場入場機能)
次に図4を参照して、車載器検出機能F13および駐車場入場機能F21について説明する。図4においてステップS101~S108の処理が、車載器検出登録部121が実行する車載器検出機能F13に対応する処理である。また、ステップS201~S205の処理が、駐車場入場処理部251が実行する駐車場入場機能F21に対応する処理である。なお、ステップS101およびS102の処理は駐車場が運用されている時間、常時実行される。ステップS104およびS105の処理またはS104~S108の処理は、車載器2が検知された場合に実行される。
【0038】
図4に示す処理において、車載器検出登録部121は、狭域通信部111から繰り返し車載器2をスキャンするための信号(以下、スキャン信号という)を送信する(ステップS101~S102)。車載器検出登録部121は、車載器2が通信領域内に入るまで狭域通信部111を用いて繰り返し車載器2をスキャンする。図4に示す例では、ステップS101でのスキャンとステップS102でのスキャンに対しては、車載器2が通信領域内にいないので無反応である。
【0039】
ステップS103でのスキャンの前に車両301が入場すると、車載器2において駐車場入場処理部251が、狭域通信部211においてスキャン信号を受信されたことを認識する(ステップS201)。次に、駐車場入場処理部251は、受信した信号が正規の駐車場サーバ1からのスキャンであるか否かを判断する(ステップS202)。正規の駐車場サーバ1からのスキャンである場合(ステップS202:YES)、駐車場入場処理部251は、測位部22から測位情報を取得する(ステップS203)。以後(あるいは以前および以後)、駐車場入場処理部251は、測位部22から測位情報を一定時間間隔で繰り返し取得する。次に、駐車場入場処理部251は、車載器ID、測位情報およびアトリビュートを狭域通信部211から送信する(ステップS204)。一方、正規の駐車場サーバ1からのスキャンでなかった場合(ステップS202:NO)、駐車場入場処理部251は、スキャン信号の受信(ステップS201)と正規性の判断(ステップS202)を再度実行する。
【0040】
一方、駐車場サーバ1では、車載器検出登録部121が、狭域通信部111が受信した車載器ID、測位情報およびアトリビュートを示す情報を確認し、対象車両301の位置を特定する(ステップS104)。次に車載器検出登録部121は車両が規定範囲内にあるか否かを判断する(ステップS105)。ここで規定範囲は駐車場200内に入場していることが確認できる所定の範囲である。ステップS105において、車載器検出登録部121は、予め既知の駐車場200の入口201の位置と、車載器2が測位した車両位置からの距離および車両の進行方向を元に、車両が規定範囲内にあるかどうかを判定する。これにより対象車両301が駐車場200に入場したのか、付近を通行しているだけなのかを判定することができる。車両が規定範囲内にない場合(ステップS105:NO)、車載器検出登録部121は車載器スキャンを再度実行する(ステップS103)。
【0041】
車両が規定範囲内にある場合(ステップS105:YES)、車載器検出登録部121は車載器IDを所定のデータベース等に登録する(ステップS106)。次に車載器検出登録部121は車載器IDを課金対象および案内対象として登録し、駐車場サーバ1は駐車料金算出を開始する(ステップS107)。次に車載器検出登録部121は駐車場内マップを送信する(ステップS108)。ステップS108で車載器検出登録部121は例えばネットワーク通信部112から車載器2のネットワーク通信部212に対して駐車場内マップを示す情報を送信する。あるいはステップS108で車載器検出登録部121は狭域通信部111から車載器2の狭域通信部211に対して駐車場内マップを示す情報を送信する。一方、車載器2では、駐車場入場処理部251が、通信部21が受信した駐車場マップを所定の記憶領域に登録する(ステップS205)。
【0042】
図4に示す処理によって、駐車場サーバ1は車両301の車載器2を案内対象として登録し、車載器2は駐車場200のマップを示す情報を取得する。
【0043】
(推奨駐車区画設定機能、場内ルート提供機能および場内ルート案内待ち機能)
次に図5を参照して、推奨駐車区画設定機能F12、場内ルート提供機能F14および場内ルート案内待ち機能F22について説明する。図5において例えばステップS301~S305の処理が、駐車位置決定部122が実行する車推奨駐車区画設定機能F12に対応する処理である。また、例えばステップS307~S312の処理が、ルート決定部123が実行する場内ルート提供機能F14に対応する処理である。また、例えばステップS401~S411の処理が、案内情報決定部252が実行する場内ルート案内待ち機能F12に対応する処理である。なお、図5に示す2つの結合子Aは互いに接続される。また、図5に示す処理は対象車両毎に実行される。対象車両が複数の場合、図5に示すステップS301~S312の処理は、対象車両の台数分、複数並列的に実行される。
【0044】
図5に示す処理において、駐車場サーバ1では、まず、駐車位置決定部122が、ネットワーク通信部112を用いてネットワーク通信部212へ向けて車載器2の位置の問い合わせ(車載器位置問合せ)を行う(ステップS301)。車載器2では、案内情報決定部252が、ネットワーク通信部212が車載器位置問合せを受信したことを認識する(ステップS401)。次に、案内情報決定部252が、ネットワーク通信部212からネットワーク通信部112へ向けて測位情報を送信する(ステップS402)。次に、駐車位置決定部122は、車載器IDと受信した測位情報(対象車両位置)を紐付ける(ステップS302)。次に、駐車位置決定部122は、エリア毎に場内の混雑率を導出する(ステップS303)。ここで、エリアは駐車場を区分する部分であり、各エリアは複数の駐車区画を含む。平置きの駐車場であれば例えば一定の面積毎にエリアが設定され、立体式の駐車場であれば例えば各フロアが各エリアとなる。ただし、駐車場によってはエリアを設定しなくてもよい。一方、車載器2では、案内情報決定部252が、一定時間間隔で繰り返し測位情報を取得する(ステップS403)。
【0045】
次に駐車位置決定部122は、車載器IDから契約情報を確認し、特定車両かどうかを判定し、例えば契約区分を設定する(ステップS304)。ステップS304において駐車位置決定部122は例えば、月極契約および会員等の契約リストと車載器IDを照合し、合致すれば契約区分の「会員」を有効とする。また、駐車位置決定部122は例えば、アトリビュートから、身障者エリアへの駐車が許可された車両であれば、契約区分の「身障」を有効とする。また、駐車位置決定部122は例えば、アトリビュートから、場内の充電エリアの規格と合致していれば契約区分の「EV(電気自動車)」を有効とする。また、駐車位置決定部122は例えば、業務車両でリストと車載器IDを照合し、合致すれば契約区分の「業務」を有効とする。また、駐車位置決定部122は例えば、上記のいずれにも該当しない場合、契約区分情報を設定しない(駐車場運営上、一般利用者とする)。
【0046】
次に駐車位置決定部122は、ステップS304で設定した車両の契約区分から推奨駐車位置を導出する(ステップS305)。ステップS305において駐車位置決定部122は、例えば以下のように車両の契約区分から推奨駐車位置を導出する。すなわち、例えば、契約区分が「身障」であれば、身障駐車スペースを「推奨区画」とする。例えば、契約区分が「EV」であれば、充電対応駐車区画を「推奨区画」とする。例えば、全体の混雑率が低い場合、店舗入口付近の駐車エリアを「推奨区画」とする。例えば、全体の混雑率が高い場合、空いている駐車エリアを「推奨区画」とする。例えば、全体の混雑率が高くも低くもない場合、駐車率が均一となるよう、比較的空いているエリアを「推奨区画」とする。そして、駐車位置決定部122は、例えば、推奨区画内のすべての駐車区画203、あるいは、推奨区画内の一部または1つの駐車区画203を、推奨駐車位置203aとする。
【0047】
次にルート決定部123が場内の全ルートのルートスコアを算出し(ステップS306)、車両位置から推奨駐車位置までの最適ルートを導出する(ステップS307)。
【0048】
ここで、図3および図6図10を参照して、ステップS306およびS307の処理の具体例について説明する。この例では、図3に示す対象車両301を推奨駐車位置203aへ誘導するルートを検索する。この例では、ルートスコアとは各車路(通路)の混雑状況を示す指標であり、混雑していれば高く、混雑していなければ低くなるものとする。ルートスコアを上げる原因(混雑する原因)には以下のようなものがある。
【0049】
(1)パイロンやバリロードによる、ルートの一時的な通行止めの場合(この場合、以下に述べるB値が非常に高い)。(2)駐車にもたついている車両がいるルート(この場合、B値が高い)。(3)渋滞が発生しているルート(B値が高い)。(4)「推奨区画」として多くの車両を誘導しているエリアにつながるルート(この場合、以下に述べるJ値が高い)。(5)曲がる回数が多いルート(この場合、以下に述べるC値が高い)。(6)遠いルート(この場合、以下に述べるS値の合計が高い)。
【0050】
また、スコアの値として、S値、C値、J値、およびB値を定義する。なお、駐車場内の車路はグリッド状になっているため、各グリッドを構成する辺をルートという。S値は、Snで示され、直進の移動距離を示す。C値は、Cnで示され、C値の合計が何回曲がったかを示す。J値は、Jnで示され、当該ルートを推奨されている車両の台数を示す。B値は、Bnで示され、当該ルート上の障害物の状況を示す。ここでnは、S値、C値、J値、およびB値のスコアの値を示す。nは自然数である。ルート上のS値、C値、J値、およびB値の合計値がルートスコアである。なお、B値については、例えば、駐車場の管理者が駐車場サーバ1に入力して設定してもよいし、例えば監視カメラの映像を画像認識すること等で設定してもよい。
【0051】
図3のような駐車場200があるとし、対象車両301を、図示している位置から網掛けして示す推奨駐車位置203aに案内する場合を検討する。この駐車場200では図6のようにルートスコアが設定されている。なお、図6図10はスコアの値を丸印で囲んで示す。この場合、推奨ルート501は図7のようになる。実際の駐車場では、駐車中の車両があったり、何らかの事情で通行止めになる事があるため、図8のようなルートスコアになることがある。この場合、図9のように駐車中の車両302を待つ「ルートスコア14」の経路よりも、図10のように渋滞を避ける「ルートスコア11」の経路を推奨ルートとする。
【0052】
そして、対象車両301の位置から推奨駐車位置203aまでの最適ルートを次のように導出する。この例では、ダイクストラ法をベースに導出するものとし、S値、C値、J値およびB値を適切に重みづけする。駐車場の形状、車路幅等により重みづけを変動させる。心理的なリアクタンス(Uターンさせるルート等)について考慮する場合は、例えば他のアルゴリズムを用いる。
【0053】
次にルート決定部123が、ネットワーク通信部112を用いてネットワーク通信部212へ向けて推奨駐車位置203aへの最適ルートを提供する(ステップS308)。車載器2では、案内情報決定部252が、ネットワーク通信部212が推奨駐車位置203aへの最適ルートを受信したことを認識するとともに、自車位置と最適ルートから危険スコアを算出する(ステップS404)。
【0054】
対象車両301では、車載器2が推奨ルートを受信した際、それまでの案内と異なる指示となった(例えば直進指示が右左折指示に変わった)場合、運転者は指示に対応できない、または指示に対応するために急ハンドル・急ブレーキ等の危険運転をする可能性がある。これを避けるため、推奨ルートの変更があった場合、以下の要素を数値化し、危険スコアを導出する。なお、ルートが変更されても案内が変化しない場合は危険スコアはゼロである。また、ルートが変更されない場合、危険スコアはゼロである。また、危険スコアが高いということは、変更されたルートに基づき走行した場合の安全度が低いということを意味する。
【0055】
数値化する要素とは次の点である。(1)現在案内すべき内容に変更がある(右左折から反対方向の右左折はスコアが非常に高い、直進から右左折だとスコアが高い、右左折から直進だとスコアが低い)。(2)次の交差点までの距離(距離が短いとスコアが非常に高い、距離が長いとスコアが低い)。
【0056】
次に、案内情報決定部252は、危険スコアが所定のしきい値未満であるか否かを判断する(ステップS405)。危険スコアが所定のしきい値未満でない場合(ステップS405:NO)、案内情報決定部252が、ネットワーク通信部212からネットワーク通信部112へ向けてルート再検索を要求させて(ステップS406)、ステップS401の処理を実行する。危険スコアが所定のしきい値未満である場合(ステップS405:YES)、案内情報決定部252が、ルートと自車位置からルート案内を導出し(ステップS407)、ルート案内を表示する(ステップS408)。
【0057】
次に、案内情報決定部252は、案内を終了してよいか否かを判断する(ステップS409)。案内を終了してよい場合とは、対象車両301が推奨駐車位置203a(あるいはその近傍)へ到達した場合、例えば推奨駐車位置203a付近で係員による誘導が行われている場合に運転者等が案内を終了させる入力操作をした場合等である。案内を終了してよい場合(ステップS409:YES)、案内情報決定部252は、駐車位置を表示し(ステップS410)、ネットワーク通信部212からネットワーク通信部112へ向けて案内が終了したことを通知させる(ステップS411)。案内を終了してよくない場合(ステップS409:NO)、案内情報決定部252は、ステップS401の処理を実行する。
【0058】
一方、ネットワーク通信部212がネットワーク通信部112へルート再検索の要求を送信した場合(ステップS406)、ネットワーク通信部112がネットワーク通信部212からルート再検索の要求を受信する(ステップS309)。なお、ルート再検索の要求が送信されない場合、ステップS309は省略される。
【0059】
次に、ルート決定部123が、ルート再検索要求を受信したか否かを判断する(ステップS310)。ルート再検索要求を受信した場合(ステップS310:YES)、ルート決定部123は、ステップS301の処理を実行する。ルート再検索要求を受信しなかった場合(ステップS310:NO)、ルート決定部123は、一定時間待機した後(ステップS311)、ステップS301の処理を実行する。
【0060】
また、車載器2が案内が終了したことを通知した場合(ステップS411)、ルート決定部123は、当該車載器2の車載器IDをルート案内対象から削除する(ステップS312)。
【0061】
図11および図12は、対象車両301(対象車両301a)に対するルートが、交差点206を直進するルートから、交差点206を左折するルートへ変更された例を示す。図11に示す例は、ルートが変更された後、危険スコアがしきい値未満であった場合である。図12に示す例は、ルートが変更された後、危険スコアがしきい値以上となった場合である。図11および図12では、変更されたルートを受信した時点の対象車両301の位置を対象車両301bおよび対象車両301cとして示す。対象車両301cの方が、対象車両301bより交差点206に近い。図11および図12に示すように、対象車両301aの表示入力部23には直進を示す案内情報G1が表示されている。これに対し、一方、図11に示す例では、対象車両301bの表示入力部23には左折を示す案内情報G2が表示されている。他方、図12に示す例では、対象車両301cの表示入力部23には直進を示す案内情報G3が表示されている。
【0062】
(作用効果)
上記構成の駐車位置案内システム5、駐車場サーバ1、車載器2および駐車位置案内方法では、駐車場サーバ1側で、対象車両の駐車位置と、駐車位置へ到達するまでのルートが決定され、車載器2側で、駐車場サーバ1側で決定されたルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報が決定される。したがって、実施形態の駐車位置案内システム5、駐車場サーバ1、車載器2および駐車位置案内方法によれば、駐車位置までのルートを適切に決定することができる。
【0063】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0064】
〈コンピュータ構成〉
図13は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、および、インタフェース94を備える。
上述の駐車場サーバ1および車載器2は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0065】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0066】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0067】
<付記>
各実施形態に記載の駐車位置案内システム5は、例えば以下のように把握される。
【0068】
(1)第1の態様に係る駐車位置案内システム5は、サーバ(駐車場サーバ1)と車載器2とを備える駐車位置案内システム5であって、前記サーバが、対象車両301の駐車位置(推奨駐車位置204a)を決定する駐車位置決定部122と、前記対象車両が前記駐車位置へ到達するまでのルートを決定するルート決定部123と、前記ルートを示す情報を前記車載器へ送信する第1通信部(通信部11)とを備え、前記車載器が、前記ルートを示す情報を受信する第2通信部(通信部21)と、前記ルートと自車両位置とに基づいて出力すべき案内情報を決定する案内情報決定部252とを備える。本態様および以下の各態様によれば、駐車位置までのルートを適切に決定することができる。
【0069】
(2)第2の態様に係る駐車位置案内システム5は、(1)駐車位置案内システム5であって、前記案内情報決定部252は、前記ルートが変更された場合、変更されたルートを受け入れるか否かを判断する。本態様によれば、駐車場内の実際の状況を把握できる車載器側で変更後のルートを受け入れるか否かを決定することができる。
【0070】
(3)第3の態様に係る駐車位置案内システム5は、(2)の駐車位置案内システム5であって、前記案内情報決定部252は、前記変更されたルートに基づき走行した場合の安全度に応じて、前記変更されたルートを受け入れるか否かを判断する。本態様によれば、安全なルートを選択することができる。
【0071】
(4)第4の態様に係る駐車位置案内システム5は、(1)~(3)の駐車位置案内システム5であって、前記駐車位置決定部122は、車両駆動用電源として搭載する蓄電池への外部からの充電を行う車両であること、または、所定の登録車両のみに割り当てられた駐車位置への駐車が認められた車両であること、の少なくとも一つを含む対象車両の属性に応じて、前記対象車両の駐車位置を決定する。本態様によれば、駐車位置を適切に決定することができる。
【0072】
(5)第5の態様に係る駐車位置案内システム5は、(1)~(4)の駐車位置案内システム5であって、前記対象車両の案内が終了するまで、前記駐車位置決定部122は、前記対象車両の前記駐車位置を繰り返し決定し、前記ルート決定部123は、前記ルートを繰り返し決定する。本態様によれば、場内や他車両の状況変化に適切に対応することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 駐車場サーバ
2 車載器
5 駐車位置案内システム
11 通信部
12 処理部
122 駐車位置決定部
123 ルート決定部
252 案内情報決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13