(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144788
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231003BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051929
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山崎 颯
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181FF01
5H181FF03
5H181FF15
5H181FF32
5H181LL08
5H181LL14
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】運航計画情報を効率的に通知する。
【解決手段】運航計画管理装置1は、飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部12と、飛行予定の飛行装置の飛行装置IDと、当該飛行装置の飛行予定日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得すると、当該運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて記憶部12に記憶されている通知先情報を特定する特定部133と、特定した通知先情報が示す通知先に、取得した運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部134と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得する計画情報取得部と、
前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている通知先情報を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置から、当該飛行装置に対応する前記飛行装置識別情報と、当該飛行装置の現在の飛行位置を示す飛行位置情報とを含む運航情報を取得する運航情報取得部をさらに有し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記運航情報取得部が取得した前記運航情報、及び当該運航情報にアクセスするための第2アクセス先情報の少なくともいずれかである運航状況通知情報を通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とするか否かを示す通知要否情報とを関連付けて記憶し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記通知要否情報が、前記運航情報の通知を必要とすることを示している場合に、前記運航状況通知情報を通知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とする時間帯を示す時間帯情報とを関連付けて記憶し、
前記通知部は、前記運航情報取得部が前記運航情報を取得した時刻が、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記時間帯情報が示す前記時間帯に含まれている場合に、前記運航状況通知情報を通知する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記エリアに含まれる、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とする特定エリアを示す特定エリア情報とを関連付けて記憶し、
前記通知部は、前記運航情報取得部が取得した前記運航情報に含まれる前記飛行位置情報が、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられている前記特定エリア情報が示す前記特定エリアに含まれている場合に、前記運航状況通知情報を通知する、
請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する前記管理者が管理する前記運航計画情報の数を特定し、特定した前記運航計画情報の数に基づいて、前記計画通知情報を通知するか否かを判定し、前記計画通知情報を通知すると判定すると、前記計画通知情報を通知する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する前記管理者が管理する、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報が示す前記飛行装置が飛行を予定した時刻に飛行を予定している他の飛行装置の前記運航計画情報の数に基づいて、前記計画通知情報を通知するか否かを判定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる、前記通知先に対応する前記エリアと、当該エリアと異なるエリアとを含む前記移動範囲情報、及び当該移動範囲情報にアクセスするための前記第1アクセス先情報の少なくともいずれか含む前記計画通知情報を通知する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する複数の前記エリアそれぞれに関連付けて前記記憶部に記憶されている複数の前記通知先情報を特定し、
前記特定部が特定した複数の前記通知先情報それぞれが示す複数の前記通知先に、前記計画通知情報を通知する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている一以上の通知先情報を特定し、
前記通知部は、前記特定部が複数の前記通知先情報を特定した場合に、複数の前記通知先情報それぞれが示す前記通知先に、前記計画通知情報を通知する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
飛行装置の運航を管理する管理者が利用する情報処理装置であって、
前記管理者が前記飛行装置の運航を管理するエリアにおいて、前記管理者が管理しない他の飛行装置の運航を管理する他の前記管理者の通知先を示す通知先情報を記憶する記憶部と、
前記エリアを飛行する予定の飛行装置の運航計画であって、前記管理者が管理する対象となる前記運航計画を示す運航計画情報を取得する計画情報取得部と、
前記計画情報取得部が前記運航計画情報を取得すると、前記記憶部に記憶されている前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得するステップと、
飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けている通知先情報を特定するステップと、
特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン等の無人航空機(Unmanned Aircraft System:UAS)である飛行装置の運航計画を管理する運航計画管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。運航計画管理システムでは、複数のサービスプロバイダであるUASSP(UAS Service Provider)が、飛行装置の運航計画を行う計画者から運航計画を示す運航計画情報を受け付け、当該運航計画情報を他のUASSPに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のUASSPそれぞれは、予め定められたエリアを飛行する飛行装置の運航計画を管理する。これに対し、複数のUASSPそれぞれが、運航計画情報を受け付けたことに応じて、他の全てのUASSPに通知するのは非効率である。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、運航計画情報を効率的に通知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部と、飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得する計画情報取得部と、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている通知先情報を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、を有する。
【0007】
前記情報処理装置は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置から、当該飛行装置に対応する前記飛行装置識別情報と、当該飛行装置の現在の飛行位置を示す飛行位置情報とを含む運航情報を取得する運航情報取得部をさらに有し、前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記運航情報取得部が取得した前記運航情報、及び当該運航情報にアクセスするための第2アクセス先情報の少なくともいずれかである運航状況通知情報を通知してもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とするか否かを示す通知要否情報とを関連付けて記憶し、前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記通知要否情報が、前記運航情報の通知を必要とすることを示している場合に、前記運航状況通知情報を通知してもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とする時間帯を示す時間帯情報とを関連付けて記憶し、前記通知部は、前記運航情報取得部が前記運航情報を取得した時刻が、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記時間帯情報が示す前記時間帯に含まれている場合に、前記運航状況通知情報を通知してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記通知先情報と、前記エリアに含まれる、前記通知先情報が示す通知先に対する前記運航情報の通知を必要とする特定エリアを示す特定エリア情報とを関連付けて記憶し、前記通知部は、前記運航情報取得部が取得した前記運航情報に含まれる前記飛行位置情報が、前記特定部が特定した前記通知先情報に関連付けられている前記特定エリア情報が示す前記特定エリアに含まれている場合に、前記運航状況通知情報を通知してもよい。
【0011】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する前記管理者が管理する前記運航計画情報の数を特定し、特定した前記運航計画情報の数に基づいて、前記計画通知情報を通知するか否かを判定し、前記計画通知情報を通知すると判定すると、前記計画通知情報を通知してもよい。
【0012】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する前記管理者が管理する、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報が示す前記飛行装置が飛行を予定した時刻に飛行を予定している他の飛行装置の前記運航計画情報の数に基づいて、前記計画通知情報を通知するか否かを判定してもよい。
【0013】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる、前記通知先に対応する前記エリアと、当該エリアと異なるエリアとを含む前記移動範囲情報、及び当該移動範囲情報にアクセスするための前記第1アクセス先情報の少なくともいずれか含む前記計画通知情報を通知してもよい。
【0014】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する複数の前記エリアそれぞれに関連付けて前記記憶部に記憶されている複数の前記通知先情報を特定し、前記特定部が特定した複数の前記通知先情報それぞれが示す複数の前記通知先に、前記計画通知情報を通知してもよい。
【0015】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている一以上の通知先情報を特定し、前記通知部は、前記特定部が複数の前記通知先情報を特定した場合に、複数の前記通知先情報それぞれが示す前記通知先に、前記計画通知情報を通知してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、飛行装置の運航を管理する管理者が利用する情報処理装置であって、前記管理者が前記飛行装置の運航を管理するエリアにおいて、前記管理者が管理しない他の飛行装置の運航を管理する他の前記管理者の通知先を示す通知先情報を記憶する記憶部と、前記エリアを飛行する予定の飛行装置の運航計画であって、前記管理者が管理する対象となる前記運航計画を示す運航計画情報を取得する計画情報取得部と、前記計画情報取得部が前記運航計画情報を取得すると、前記記憶部に記憶されている前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得するステップと、飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けている通知先情報を特定するステップと、特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、運航計画情報を効率的に通知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】運航計画管理システムの概要を示す図である。
【
図2】運航計画管理装置の機能構成を示す図である。
【
図5】通知要否情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
【
図6】時間帯情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
【
図7】特定エリア情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
【
図8】運航計画管理装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[運航計画管理システムSの概要]
図1は、運航計画管理システムSの概要を示す図である。運航計画管理システムSは、ドローン等の無人航空機である飛行装置の運航計画を管理するシステムである。
【0021】
運航計画管理システムSは、運航計画管理装置1と、他社運航計画管理装置2と、統合管理装置3と、運航者端末4とを有する。運航計画管理装置1は、有線又は無線の通信ネットワークを介して、他社運航計画管理装置2、統合管理装置3及び運航者端末4と通信可能に接続された情報処理装置である。
【0022】
運航計画管理装置1は、例えば、所定エリアを飛行する飛行装置の運航を管理する運航管理者としてのUASSPにより運用されるコンピュータである。運航管理者は、例えば、所定エリアにおいて利用可能な携帯電話回線等の無線通信回線を提供する所定の通信事業者である。運航計画管理装置1は、所定の通信事業者が提供する無線通信回線を利用して所定エリアを飛行する飛行装置の運航を管理する。
【0023】
他社運航計画管理装置2は、所定のエリアと少なくとも一部が重複する他のエリアを飛行する飛行装置の運航を管理する他の運航管理者(UASSP)により運用されるコンピュータであり、複数設けられている。他の運航管理者は、例えば、他のエリアにおいて利用可能な無線通信回線を提供する他の通信事業者である。複数の他社運航計画管理装置2のそれぞれは、他の運航管理者が提供する無線通信回線を利用して飛行を行う飛行装置の運航計画を管理する。
【0024】
統合管理装置3は、運航計画管理装置1と、複数の他社運航計画管理装置2のそれぞれにおいて管理されている運航計画情報を統合して管理するFIMS(Flight Information Management System)又はDIPS(Drone/UAS Information Platform System)として機能するコンピュータである。運航者端末4は、飛行装置の運航者(Unmanned Aircraft System Operator:UASO)が使用する端末であり、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等のコンピュータである。運航者端末4は、運航計画管理装置1に対して運航計画を申請するために用いられる。
【0025】
運航計画管理装置1は、飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報である飛行装置IDと、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を運航者端末4から取得する。
【0026】
運航計画管理装置1は、飛行装置の運航を管理する運航管理者の通知先を示す通知先情報と、当該運航管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶している。運航計画管理装置1は、取得した運航計画情報が示す飛行装置の運航予定範囲と少なくとも一部が重複するエリアに関連付けて記憶されている通知先情報を特定する。
【0027】
運航計画管理装置1は、特定した通知先情報が示す通知先に、取得した運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするためのアクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、取得した運航計画情報に対応する飛行装置が飛行予定の運航予定範囲に対応するエリアを管理する運航管理者に限定して計画通知情報を通知することができるので、運航計画情報を効率的に通知することができる。
【0028】
続いて、運航計画管理装置1の構成の詳細を説明する。なお、他社運航計画管理装置2も、運航計画管理装置1と同じ機能を有しているものとする。このため、他社運航計画管理装置2の機能の説明については省略する。
【0029】
[運航計画管理装置1の機能構成]
図2は、運航計画管理装置1の機能構成を示す図である。運航計画管理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。
【0030】
通信部11は、インターネット等のネットワークを介して他社運航計画管理装置2及び統合管理装置3、及び運航者端末4とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部12は、各種のデータを記憶する記憶媒体であり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びハードディスク等を有する。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、制御部13を、計画情報取得部131、記憶制御部132、特定部133、通知部134、及び運航情報取得部135として機能させるプログラムを記憶する。
【0031】
記憶部12は、飛行装置の運航を管理する運航管理者の通知情報の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けた通知先管理情報を記憶する。
図3は、通知先管理情報の一例を示す図である。通知先情報は、例えば、運航管理者を識別するための運航管理者IDである。通知情報の通知先として運航管理者IDを指定することにより、当該運航管理者IDに対応する運航管理者に通知情報を通知することができる。なお、通知先情報は、運航管理者IDに限らず、運航管理者のメールアドレスであってもよい。エリア情報は、例えば、運航管理者が管理するエリアを示す都道府県や市区町村といった行政区画を示す情報である。
【0032】
記憶部12は、運航計画管理装置1を運用する運航管理者が飛行装置の運航者、又は他の運航管理者から取得した運航計画情報を記憶する。
図4は、運航計画情報の一例を示す図である。
図4に示すように、運航計画情報は、飛行する予定の飛行装置の運航者を識別するための運航者IDと、当該飛行装置を識別するための飛行装置IDと、当該飛行装置の運航計画と、運航管理者IDとを関連付けた情報である。
【0033】
運航計画は、例えば、飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含んでいる。運航予定日時情報は、飛行装置が飛行を予定している運航予定日と、飛行を開始する時刻である飛行開始時刻と、飛行を終了する時刻である飛行終了時刻と、一以上の通過点それぞれの飛行時刻と含んでいる。移動範囲情報は、飛行装置が飛行を開始する地点を示す始点位置と、飛行を終了する地点を示す終点位置と、一以上の通過点それぞれの位置とを含んでいる。始点位置、終点位置、及び通過点の位置は、例えば、緯度、経度、高度を示す情報を含んでいる。通過点の位置は、運航者が任意で登録できる項目であり、運航計画情報に含まれていなくてもよい。
【0034】
なお、運航計画情報には、飛行装置が実行する動作を示す実行計画を含んでいてもよい。飛行装置が実行する動作は、例えば、撮像、測量、設備点検等の動作である。また、移動範囲情報は、始点位置と、終点位置と、通過点の位置とを含むこととしたが、これに限らない。飛行装置が円錐形や立方体のような三次元の空間をランダムに移動する場合、移動範囲情報は、円錐形や立方体のような三次元空間を規定するものであってもよい。
【0035】
運航計画情報に含まれる運航管理者IDは、当該運航計画情報の管理主体を示している。運航計画情報が運航者端末4から受信した運航計画情報であり、運航計画管理装置1を運用する運航管理者が当該運航計画情報の管理主体である場合、当該運航計画情報に対して当該運航管理者の運航管理者IDが関連付けられる。運航計画情報が他社運航計画管理装置2から受信した運航計画情報である場合、すなわち、他社運航計画管理装置2を運用する他の運航管理者が当該運航計画情報の管理主体である場合、当該運航計画情報には、他の運航管理者の運航管理者IDが関連付けられる。
【0036】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、計画情報取得部131、記憶制御部132、特定部133、通知部134、及び運航情報取得部135として機能する。続いて、計画情報取得部131、記憶制御部132、特定部133、通知部134、及び運航情報取得部135の詳細を説明する。
【0037】
[運航計画情報の取得]
まず、運航計画情報の取得に係る機能を説明する。計画情報取得部131は、飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置IDと、飛行装置の運航者の運航者IDと、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得する。
【0038】
計画情報取得部131は、運航者端末4又は他社運航計画管理装置2を運用する他の運航管理者から運航計画情報を受信する。また、計画情報取得部131は、他の運航管理者から運航計画情報を受信すると、受信した運航計画情報を記憶部12に記憶させる。他の運航管理者から受信した運航計画情報には、他の運航管理者の運航管理者IDが含まれている。
【0039】
記憶制御部132は、計画情報取得部131が運航者端末4から運航計画情報を受信すると、運航計画情報に含まれる運航管理者IDを、運航計画管理装置1を運用する運航管理者の運航管理者IDに設定する。記憶制御部132は、当該運航計画情報を記憶部12に記憶させる。また、記憶制御部132は、計画情報取得部131が他の運航管理者から受信した運航計画情報を記憶部12に記憶させる。
【0040】
また、記憶制御部132は、計画情報取得部131が運航者端末4から取得した運航計画情報を統合管理装置3の記憶部に記憶させる。他社運航計画管理装置2も、運航計画管理装置1と同様に、自身が運航者端末4から取得した運航計画情報を統合管理装置3の記憶部に記憶させる。これにより、統合管理装置3の記憶部12には、運航計画管理装置1及び複数の他社運航計画管理装置2のそれぞれが運航者端末4から取得した運航計画情報が集約される。
【0041】
[運航計画情報の通知]
続いて、運航計画情報の通知に係る機能を説明する。特定部133は、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複する一以上のエリアそれぞれに関連付けて記憶部12に記憶されている一以上の通知先情報を特定する。
【0042】
具体的には、特定部133は、計画情報取得部131が運航者端末4から取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報に含まれる始点位置、終点位置、一以上の通過点それぞれの位置に基づいて移動範囲情報が示す飛行装置の運航予定ルートを特定する。特定部133は、特定した運航予定ルートに基づいて、飛行装置が通過する一以上の行政区画を特定する。特定部133は、記憶部12に記憶されている通知先管理情報を参照し、特定した一以上の行政区画に関連付けられている一以上の通知先情報として運航管理者IDを特定する。
【0043】
通知部134は、特定部133が特定した一以上の運航管理者IDそれぞれが示す一以上の通知先に、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する。
【0044】
例えば、記憶部12には、通知先情報としての運航管理者IDと、複数の他社運航計画管理装置2それぞれのネットワーク上のアドレスとが関連付けられて記憶されている。通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに関連付けられている他社運航計画管理装置2のネットワーク上のアドレスを宛先とし、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる一部の情報、及び一部の情報を表示するページにアクセスするためのURLの少なくともいずれかをメッセージとして含む計画通知情報を送信する。これにより、運航管理者IDに対応する通知先である他社運航計画管理装置2に対して計画通知情報が通知される。
【0045】
なお、通知先情報がメールアドレスである場合、通知部134は、特定部133が特定した一以上のメールアドレスを宛先とし、運航計画情報に含まれる一部の情報、又は一部の情報を表示するページにアクセスするためのURLをメッセージとして含む電子メールを送信することにより、計画通知情報を通知してもよい。
【0046】
計画通知情報により通知される、運航計画情報に含まれる一部の情報は、運航者ID、飛行装置ID、及び運航予定範囲及び運航予定時刻に含まれる一部の飛行予定位置及び飛行予定時刻である。一部の飛行予定位置は、運航予定範囲に含まれる始点位置、終点位置、通過点の位置のうち、特定された運航管理者IDに関連付けられているエリアに含まれる位置である。また、一部の飛行予定時刻は、当該特定された位置を飛行装置が飛行する予定の時刻である。
【0047】
なお、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に対して通知部134が一律に計画通知情報を送信する場合を例示したが、これに限らない。例えば、通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する運航管理者が管理する運航計画情報の数を特定し、特定した運航計画情報の数に基づいて、計画通知情報を通知するか否かを判定してもよい。
【0048】
この場合、通知部134は、統合管理装置3に記憶されている複数の運航計画情報のうち、特定部133が特定した通知先情報としての運航管理者IDに関連付けられている運航計画情報を特定し、当該運航管理者IDに関連付けられている運航計画情報の数を特定する。通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDが示す通知先が管理する運航計画情報のうち、計画情報取得部131が取得した運航計画情報が示す飛行装置が飛行を予定した時刻に飛行を予定している他の飛行装置の運航計画情報を特定し、当該特定した運航計画情報の数を特定してもよい。
【0049】
通知部134は、特定した運航計画情報の数が、予め定められた所定の閾値を超えている場合に、計画通知情報を通知すると判定する。所定の閾値は、エリアごと、時間ごと、又はエリア及び時間ごとに定められていてもよい。また、エリアごとの所定の閾値は、エリアを管理する管理者により設定されてもよい。そして、通知部134は、計画通知情報を通知すると判定すると、運航管理者IDに対応する通知先に対して計画通知情報を通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航管理者IDに対応する通知先が管理するエリアにおける飛行装置の運航数が過密であり、衝突事故等の事故を防ぐ等の対策が必要である場合に、当該通知先に対して、計画通知情報を通知することができる。
【0050】
また、通知部134は、運航予定範囲に含まれる始点位置、終点位置、通過点の位置のうち、特定された運航管理者IDに関連付けられているエリアに含まれる位置と、当該位置を飛行装置が飛行する予定の時刻とを通知先に通知する場合を例示したが、これに限らない。通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる、通知先に対応するエリアと、当該エリアと異なるエリアとを含む移動範囲情報、及び当該移動範囲情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかを含む計画通知情報を通知してもよい。
【0051】
具体的には、通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる全ての移動範囲情報及び運航予定日時情報、又は当該全ての移動範囲情報及び運航予定日時情報が示す飛行装置の運航予定ルートを示す計画通知情報を通知してもよい。このようにすることで、通知先の他社運航計画管理装置2を運用する他の運航管理者は、運航計画管理装置1が受け付けた運航計画情報に対応する飛行装置の運航予定ルートを把握することができる。
【0052】
[運航情報の通知]
続いて、運航情報の通知に係る機能を説明する。運航情報取得部135は、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置から、当該飛行装置に対応する飛行装置IDと、当該飛行装置の現在の飛行位置を示す飛行位置情報とを含む運航情報を取得する。例えば、運航情報取得部135は、計画情報取得部131が運航者端末4から取得した運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置から、飛行装置IDと、飛行装置の緯度、経度、高度を示す飛行位置情報とを含む運航情報を取得する。記憶制御部132は、取得した運航情報を記憶部12に運航履歴情報として記憶させる。
【0053】
通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に、運航情報取得部135が取得した運航情報、及び当該運航情報にアクセスするための第2アクセス先情報の少なくともいずれかである運航状況通知情報を通知する。
【0054】
例えば、通知部134は、運航情報取得部135が取得した運航情報に含まれる飛行位置情報が示す飛行装置の飛行位置に対応する行政区画を特定する。通知部134は、特定部133が特定した一以上の運航管理者IDのうち、特定した行政区画を含むエリア情報に関連付けられている一以上の運航管理者IDを特定する。
【0055】
通知部134は、特定した一以上の運航管理者IDのそれぞれに対応して、運航管理者IDに関連付けられている他社運航計画管理装置2のネットワーク上のアドレスを宛先とし、取得した運航情報に含まれる一部の情報、及び当該一部の情報を表示するページにアクセスするためのURLの少なくともいずれかをメッセージとして含む運航状況通知情報をリアルタイムに送信する。これにより、通知部134は、一以上の運航管理者IDそれぞれに対応する一以上の通知先に運航状況通知情報をリアルタイムに通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置が、運航管理者IDに対応する管理者が管理するエリアに侵入したことを条件として、当該管理者に運航情報を通知することができる。
【0056】
通知部134は、特定した運航管理者IDに対応する通知先に運航状況通知情報を通知した後、運航情報取得部135が新たに取得した運航情報が示す位置が、当該運航管理者IDに関連付けられている行政区画に対応するエリアを外れたか否か判定してもよい。通知部134は、運航管理者IDに関連付けられている行政区画に対応するエリアを外れたと判定したことに応じて、運航管理者IDに対応する管理者が管理するエリアから飛行装置が脱出したことを示す情報を、運航先情報が示す通知先に通知してもよい。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航管理者IDに対応する管理者に対して、飛行装置が自身が管理するエリアから脱出したことを認識させることができる。
【0057】
また、通知部134は、運航情報取得部135が取得した複数の運航情報が示す飛行装置の飛行ルートである実飛行ルートを含む運航状況通知情報を運航管理者IDに対応する通知先に通知してもよい。例えば、通知部134は、実飛行ルートを示す線を含む地図を含む運航状況通知情報を通知する。この場合、通知部134は、実飛行ルートが示す飛行位置が、運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す予定飛行ルートの飛行位置とずれているか否かを判定し、予定飛行ルートとずれている場合と、予定飛行ルートとずれていない場合とで、異なる表示態様で実飛行ルートを表示させてもよい。例えば、通知部134は、実飛行ルートのうち、予定飛行ルートとずれていない部分ルートと、予定飛行ルートとずれている部分ルートとを異なる色で示してもよい。
【0058】
また、通知部134は、実飛行ルートと予定飛行ルートとを示す一つの画面を含む運航状況通知情報を通知してもよい。例えば、通知部134は、実飛行ルートと、予定飛行ルートとを異なる色で地図上に表示した運航状況通知情報を通知してもよい。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航管理者IDに対応する管理者に対して、飛行装置が予定通りに飛行しているか否かを把握させることができる。
【0059】
なお、通知部134は、飛行装置の運航情報に含まれる一部の情報を表示するページにアクセスするためのURLを含む運航状況通知情報を通知する場合には、当該飛行装置の運航情報を初めて取得したことに応じて運航状況通知情報を通知し、その後、当該飛行装置の運航情報を取得しても運航状況通知情報を通知しないようにしてもよい。
【0060】
また、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に対して通知部134が一律に運航状況通知情報を送信する場合を例示したが、これに限らない。例えば、通知部134は、運航管理者IDに対応する通知先が運航状況通知情報の通知を希望していることに応じて、運航状況通知情報を通知してもよい。
【0061】
この場合、記憶部12は、通知先情報としての運航管理者IDと、運航管理者IDが示す通知先に対する運航情報の通知を必要とするか否かを示す通知要否情報とを関連付けた通知先管理情報を記憶する。
図5は、通知要否情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、運航管理者IDと、エリア情報とに、運航情報の通知を必要とするか否かを示す通知要否情報が関連付けられていることが確認できる。
図5に示す例では、通知要否情報が「要」である場合、通知先が運航情報の通知を必要としていることを示しており、通知要否情報が「不要」である場合、通知先が運航情報の通知を不要としていることを示している。
【0062】
通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに関連付けられて記憶部12に記憶されている通知要否情報が「要」であり、運航情報の通知を必要とすることを示している場合に、運航状況通知情報を通知する。また、通知部134は、特定部133が特定した運航管理者IDに関連付けられて記憶部12に記憶されている通知要否情報が「不要」であり、運航情報の通知が不要であることを示している場合に、運航状況通知情報を通知しないように制御する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航状況通知情報の送信に係る負荷を低減することができる。
【0063】
また、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先が、運航状況通知情報の送信を希望していることを条件として通知部134が運航状況通知情報を送信する場合を例示したが、これに限らない。例えば、通知部134は、運航管理者IDに対応する通知先が運航状況通知情報の通知を希望している時間帯に限定して運航状況通知情報を通知してもよい。
【0064】
この場合、記憶部12は、通知先情報としての運航管理者IDと、当該運航管理者IDが示す通知先に対する運航情報の通知を必要とする時間帯を示す時間帯情報とを関連付けた通知先管理情報を記憶する。
図6は、時間帯情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
図6に示す例では、運航管理者IDと、エリア情報と、通知要否情報とに、通知先に対する運航情報の通知を必要とする時間帯を示す時間帯情報が関連付けられていることが確認できる。また、時間帯情報が示す時間帯は、1日のうちの一部の時間帯又は全ての時間帯であるものとするが、これに限らず、曜日、祝日、休日又は平日に対応する時間帯であってもよい。
【0065】
通知部134は、運航情報取得部135が運航情報を取得した時刻が、特定部133が特定した運航管理者IDに関連付けられている時間帯情報が示す時間帯に含まれている場合に、運航状況通知情報を通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、通知先の管理者が希望している時間帯に限定して運航状況通知情報を送信することから、時間帯に関わらず運航状況通知情報を送信する場合に比べて、運航状況通知情報の送信に係る負荷をさらに低減することができる。
【0066】
また、通知部134は、災害や事故が発生した場合等の緊急時には、通知要否情報の内容に関わらず、特定部133が特定した運航管理者IDに対応する通知先に運航状況通知情報を通知してもよい。また、通知部134は、災害や事故が発生した場合等の緊急時に、運航情報取得部135が取得した運航情報が示す飛行装置の飛行位置に対応する行政区画に対応する自治体に対して運航状況通知情報を通知してもよい。この場合、複数の行政区画それぞれに対応する自治体の連絡先として、自治体のメールアドレス等が記憶部12に記憶されているものとする。また、通知部134は、災害や事故が発生した場合等の緊急時には、計画情報取得部131が取得した運航計画情報が示す飛行装置の運航予定範囲に対応する行政区画の自治体に対して計画通知情報を通知してもよい。
【0067】
また、運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置が、運航管理者IDに対応する運航管理者が管理するエリアに侵入したことを条件として、通知部134が当該運航管理者IDに対応する通知先に運航状況通知情報を送信する場合を例示したが、これに限らない。通知部134は、運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置が、運航管理者IDに対応する運航管理者が指定した特定エリアに侵入したことを条件として運航状況通知情報を通知してもよい。
【0068】
この場合、記憶部12は、通知先情報としての運航管理者IDと、運航管理者が管理するエリアに含まれる、運航管理者IDに対応する通知先に対する運航情報の通知を必要とする特定エリアを示す特定エリア情報とを関連付けて記憶する。
図7は、特定エリア情報を含む通知先管理情報の一例を示す図である。
図7に示す例では、通知先情報としての運航管理者IDと、エリア情報と、通知要否情報とに、特定エリア情報が関連付けられていることが確認できる。
【0069】
通知部134は、運航情報取得部135が取得した運航情報に含まれる飛行位置情報が、特定部133が特定した運航管理者IDに関連付けられている特定エリア情報が示す特定エリアに含まれている場合に、運航状況通知情報を通知する。例えば、通知部134は、運航情報取得部135が取得した運航情報に含まれる飛行位置情報が示す緯度、経度に基づいて行政区画を特定する。通知部134は、特定した行政区画が特定エリアを示している場合に、運航状況通知情報を通知する。このようにすることで、通知先の運航管理者は、例えば、自身が管理するエリアのうち、飛行装置が過密して運航する特定エリアに関する運航情報のみを取得することができるので、当該特定エリアにおける飛行装置の運航を管理しやすくなる。
【0070】
[動作フロー]
続いて、運航計画管理装置1における処理の流れを説明する。
図8は、運航計画管理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図8では、運航者端末4から運航計画情報を取得した場合における処理の流れについて説明する。ここでは、記憶部12に、運航管理者IDとエリア情報と通知要否情報とを関連付けた通知先管理情報が記憶されているものとして説明を行う。
【0071】
まず、計画情報取得部131は、運航者端末4から運航計画情報を取得する(S1)。記憶制御部132は、計画情報取得部131が運航者端末4から運航計画情報を取得すると、運航計画情報に含まれる運航管理者IDを、運航計画管理装置1の管理者の運航管理者IDに設定し、当該運航計画情報を記憶部12に記憶させるとともに、統合管理装置3の記憶部に記憶させる(S2)。
【0072】
続いて、特定部133は、計画情報取得部131が取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複する一以上のエリアそれぞれに関連付けて記憶部12に記憶されている通知先情報としての運航管理者IDを特定する(S3)。
【0073】
続いて、通知部134は、S3において特定された運航管理者IDに対応する運航管理者が管理する運航計画情報の数を特定する(S4)。通知部134は、特定した運航計画情報の数に基づいて、運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を運航管理者IDに対応する通知先に通知する必要があるか否かを判定する(S5)。通知部134は、計画通知情報を通知する必要があると判定すると、S6に処理を移し、特定した運航管理者IDに対応する通知先に計画通知情報を通知する。通知部134は、計画通知情報を通知する必要がないと判定すると、S7に処理を移す。
【0074】
続いて、運航情報取得部135は、S1において取得した運航計画情報に基づいて飛行した飛行装置から、当該飛行装置に対応する飛行装置IDと、当該飛行装置の現在の飛行位置を示す飛行位置情報とを含む運航情報を取得する(S7)。記憶制御部132は、運航情報取得部135が取得した運航情報を記憶部12に記憶させる(S8)。
【0075】
続いて、通知部134は、S3において特定した運航管理者IDに対応する通知先に、運航情報、及び当該運航情報にアクセスするための第2アクセス先情報の少なくともいずれかである運航状況通知情報を通知する必要があるか否かを判定する(S9)。通知部134は、運航状況通知情報を通知する必要があると判定すると、S10に処理を移し、特定した運航管理者IDに対応する通知先に運航状況通知情報を通知する。通知部134は、運航状況通知情報を通知する必要がないと判定すると、S11に処理を移す。
【0076】
続いて、通知部134は、S7において取得した運航情報に基づいて、飛行装置がS1において取得した運航計画情報が示す終点位置に到着したか否かを判定する(S11)。通知部134は、終点位置に到着したと判定すると、本フローチャートに係る処理を終了し、終点位置に到着していないと判定すると、S7に処理を移す。
【0077】
[変形例1]
上述の説明では、運航計画管理装置1が、取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複するエリアに関連付けられている運航管理者IDを特定し、当該運航管理者IDに対応する通知先に計画通知情報を通知したが、これに限らない。例えば、統合管理装置3が、計画情報取得部131、記憶制御部132、特定部133、通知部134を有し、計画通知情報を運航管理者IDに対応するに通知してもよい。
【0078】
この場合、統合管理装置3の記憶部は、飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報としての運航管理者IDと、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する。そして、統合管理装置3は、運航計画管理装置1又は他社運航計画管理装置2から運航計画情報を取得する。統合管理装置3は、取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複するエリアに関連付けて記憶部に記憶されている運航管理者IDを特定し、当該運航管理者IDに対応する通知先に、計画通知情報を通知する。このようにすることで、統合管理装置3が、計画通知情報を通知する機能を有する場合、計画通知情報が必要とされる通知先に限定して計画通知情報を通知することができる。これにより、統合管理装置3は、計画通知情報の通知に係る負荷を低減することができる。
【0079】
[変形例2]
また、上述の説明では、運航計画管理装置1が、取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複するエリアに関連付けて記憶部12に記憶されている通知先情報としての運航管理者IDを特定し、特定した運航管理者IDに対応する通知先に計画通知情報を通知したが、これに限らない。運航計画管理装置1は、取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲を参照せずに運航管理者IDを特定してもよい。
【0080】
例えば、運航計画管理装置1の記憶部12は、運航計画管理装置1の運航管理者が飛行装置の運航を管理するエリアにおいて、当該管理者が管理しない他の飛行装置の運航を管理する他の運航管理者の通知先を示す通知先情報としての運航管理者IDを記憶する。そして、運航計画管理装置1の通知部134は、計画情報取得部131が運航計画情報を取得すると、記憶部12に記憶されている運航管理者IDに対応する通知先に、取得した運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、取得した運航計画情報に含まれる移動範囲情報が示す運航予定範囲を参照して通知先情報を特定して計画通知情報を通知する場合と同様に、運航計画情報を効率的に通知することができる。
【0081】
[運航計画管理装置1による効果]
以上説明したように、本実施形態に係る運航計画管理装置1は、飛行装置の運航を管理する運航管理者の通知先を示す通知先情報と、当該運航管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶し、取得した運航計画情報に含まれる飛行装置の移動範囲情報が示す運航予定範囲と少なくとも一部が重複するエリアに関連付けられている通知先情報を特定する。運航計画管理装置1は、特定した通知先情報が示す通知先に、運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する。このようにすることで、運航計画管理装置1は、運航計画情報を効率的に通知することができる。
【0082】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0084】
1 運航計画管理装置
2 他社運航計画管理装置
3 統合管理装置
4 運航者端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 計画情報取得部
132 記憶制御部
133 特定部
134 通知部
135 運航情報取得部
S 運航計画管理システム
【手続補正書】
【提出日】2022-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得する計画情報取得部と、
前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている通知先情報を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する運航計画情報の数を特定し、特定した前記運航計画情報の数が所定の閾値を超えている場合に、当該通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応する前記管理者が管理する、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報が示す飛行装置が飛行を予定している時刻に飛行を予定している他の飛行装置の運航計画情報である他の運航計画情報の数を特定し、特定した前記他の運航計画情報の数が前記所定の閾値を超えている場合に、当該通知先情報が示す前記通知先に前記計画通知情報を通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定の閾値は時間ごとに定められており、
前記通知部は、特定した前記運航計画情報の数が、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報が示す飛行装置が飛行を予定している時刻に対応する前記所定の閾値を超えている場合に、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に前記計画通知情報を通知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の閾値はエリアごとに定められており、
前記通知部は、特定した前記運航計画情報の数が、前記特定部が特定した前記通知先情報に対応するエリアに対して定められている前記所定の閾値を超えている場合に、当該通知先情報が示す前記通知先に前記計画通知情報を通知する、
請求項1又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記特定部が特定した前記通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる、前記通知先に対応する前記エリアと、当該エリアと異なるエリアとを含む前記移動範囲情報、及び当該移動範囲情報にアクセスするための前記第1アクセス先情報の少なくともいずれか含む前記計画通知情報を通知する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する複数の前記エリアそれぞれに関連付けて前記記憶部に記憶されている複数の前記通知先情報を特定し、
前記特定部が特定した複数の前記通知先情報それぞれが示す複数の前記通知先に、前記計画通知情報を通知する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けて前記記憶部に記憶されている一以上の通知先情報を特定し、
前記通知部は、前記特定部が複数の前記通知先情報を特定した場合に、複数の前記通知先情報それぞれが示す前記通知先に、前記計画通知情報を通知する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
飛行装置の運航を管理する管理者が利用する情報処理装置であって、
前記管理者が前記飛行装置の運航を管理するエリアにおいて、前記管理者が管理しない他の飛行装置の運航を管理する他の管理者の通知先を示す通知先情報を記憶する記憶部と、
前記エリアを飛行する予定の飛行装置の運航計画であって、前記管理者が管理する対象となる前記運航計画を示す運航計画情報を取得する計画情報取得部と、
前記計画情報取得部が前記運航計画情報を取得した場合、前記記憶部に記憶されている前記通知先情報に対応する運航計画情報の数を特定し、特定した前記運航計画情報の数が所定の閾値を超えている場合に、当該通知先情報が示す前記通知先に、前記計画情報取得部が取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知する通知部と、
を有する情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、
飛行する予定の飛行装置を識別するための飛行装置識別情報と、当該飛行装置が飛行する予定の日時を示す運航予定日時情報と、当該飛行装置が飛行する予定の運航予定範囲を示す移動範囲情報とを含む運航計画情報を取得するステップと、
飛行装置の運航を管理する管理者の通知先を示す通知先情報と、当該管理者が管理するエリアを示すエリア情報とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、取得した前記運航計画情報に含まれる前記移動範囲情報が示す前記運航予定範囲と少なくとも一部が重複する前記エリアに関連付けている通知先情報を特定するステップと、
特定した前記通知先情報に対応する運航計画情報の数を特定し、特定した前記運航計画情報の数が所定の閾値を超えている場合に、当該通知先情報が示す前記通知先に、取得した前記運航計画情報に含まれる少なくとも一部の情報、及び当該一部の情報にアクセスするための第1アクセス先情報の少なくともいずれかである計画通知情報を通知するステップと、
を有する情報処理方法。