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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144821
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/66 20230101AFI20231003BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20231003BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
H04N5/232 030
H04N5/232 290
G03B17/02
H04N5/232 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022051979
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】堀口 武志
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H100AA18
5C122EA12
5C122EA42
5C122EA63
5C122FA01
5C122FA16
5C122FH11
5C122FK08
5C122FK37
5C122FK41
5C122FL03
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】複数枚の原稿に形成された画像をユーザが撮像して電子化する操作の利便性、および電子化された画像の品質を従来よりも向上させる。
【解決手段】情報処理装置としてのユーザ端末10は、制御部11を備え、制御部11で表示制御部101が、撮像対象となる複数枚の原稿のうち、1枚目の原稿の外縁を示すガイドラインを自機の表示部に表示する制御を行い、操作判定部102が、自機に対し予め定められた操作が行われると、位置固定部103が、表示されたガイドラインの位置を固定して、撮像制御部104が、1枚目の原稿を撮像する制御を行い、条件判定部105が、固定されたガイドラインの位置と、複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たしたと判定すると、撮像支援制御部106が、n枚目の原稿を撮像するための制御を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
撮像対象となる複数枚の原稿のうち、1枚目の原稿の外縁を示す線またはシンボルを自機の表示部に表示する制御を行い、
前記自機に対し予め定められた操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行い、
固定された前記線またはシンボルの位置と、前記複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たすと、当該n枚目の原稿を撮像するための制御を行うことを特徴とする、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記線またはシンボルとして、前記1枚目の原稿の表示上の変化に追随する線またはシンボルを表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記1枚目の原稿に形成された画像を認識可能な範囲で、前記線またはシンボルを表示する制御を行うことを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記予め定められた操作として、前記1枚目の原稿の撮像条件を選択する操作と、選択された当該撮像条件を確定させる操作とが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記撮像条件を選択する操作として、画角、サイズ、およびピントのうち1以上を選択する操作と、選択された当該撮像条件を確定させる操作とが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画角、サイズ、およびピントのうち1以上を選択する操作が、位置が固定された前記1枚目の原稿に対する自機の向きおよび位置のうち少なくとも一方を変化させる操作により行われることを特徴とする、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記撮像条件を確定させる操作として、自機に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記撮像条件を確定させる操作として、ユーザによる予め定められたジェスチャが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ジェスチャとして、第1のジェスチャが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定し、第2のジェスチャが行われると、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第1のジェスチャが、ユーザの身体の一部を予め定められた態様で前記表示部に表示させる動作であり、前記第2のジェスチャが、当該身体の一部を前記表示部に表示させない動作であることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記第1のジェスチャが、前記表示部に表示された予め定められたシンボルに、ユーザの身体の一部を接触させる動作であり、前記第2のジェスチャが、当該シンボルに接触した状態にある当該身体の一部を離隔させる動作であることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記n枚目の原稿を撮像するための制御として、前記n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報として、前記線またはシンボルの表示の態様を変化させることを特徴とする、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、自機に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われると、前記n枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、ユーザによる予め定められたジェスチャが行われると、前記n枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ジェスチャが、ユーザの身体の一部を予め定められた態様で前記表示部に表示させた後、当該表示部に表示させないようにする一連の動作であることを特徴とする、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記n枚目の原稿を撮像するための制御として、当該n枚目の原稿を自動で撮像する制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記n枚目の原稿が自動で撮像されると、当該n枚目の原稿が撮像された旨を示す情報をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、
請求項17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータに、
撮像対象となる複数枚の原稿のうち、1枚目の原稿の外縁を示す線またはシンボルを表示部に表示する制御を行う機能と、
予め定められた操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行う機能と、
固定された前記線またはシンボルの位置と、前記複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たすと、当該n枚目の原稿を撮像するための制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが、原稿となる用紙に形成された画像を電子化したい場合であっても、状況によっては画像を読み取る機能を有する装置(例えば、スキャナ装置や複合機等)を使用できないことがある。このような状況において、ユーザは、スマートフォン等の撮像機能を用いてフリーハンドで原稿を撮像することで電子化することがある。ただし、フリーハンドによる撮像は、撮像時の指の動き等の影響により位置に微妙なずれが生じ得るため、原稿が複数枚である場合には、原稿毎に画角やサイズ等の撮像条件が異なる統一感のない撮像画像のデータが生成されてしまう。この問題は、スマートフォン等を固定することで解消できるが、固定するための専用の機材等が必要となり、利用できるシーンが限定される。また、撮像画像のデータを補正して調整することもできるが、撮像画像のデータを拡大または縮小することに伴い原稿毎に文字のサイズ等が不均一になるおそれがある。このような課題に対し、印刷サイズに応じたガイドラインを表示させる技術も存在する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2008-079149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、照明の反射や影の映り込みを避ける等の理由でガイドラインを無視すると、複数枚の原稿を均一なサイズに揃えて撮像することが困難になる。このように、従来の手法では、ユーザが意図する利便性や撮像画像の品質を確保できなかった。
【0005】
本発明の目的は、複数枚の原稿に形成された画像をユーザが撮像して電子化する操作の利便性、および電子化された画像の品質を従来よりも向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、撮像対象となる複数枚の原稿のうち、1枚目の原稿の外縁を示す線またはシンボルを自機の表示部に表示する制御を行い、前記自機に対し予め定められた操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行い、固定された前記線またはシンボルの位置と、前記複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たすと、当該n枚目の原稿を撮像するための制御を行うことを特徴とする、情報処理装置である。
請求項2に記載された発明は、前記プロセッサは、前記線またはシンボルとして、前記1枚目の原稿の表示上の変化に追随する線またはシンボルを表示する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載された発明は、前記プロセッサは、前記1枚目の原稿に形成された画像を認識可能な範囲で、前記線またはシンボルを表示する制御を行うことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載された発明は、前記プロセッサは、前記予め定められた操作として、前記1枚目の原稿の撮像条件を選択する操作と、選択された当該撮像条件を確定させる操作とが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載された発明は、前記プロセッサは、前記撮像条件を選択する操作として、画角、サイズ、およびピントのうち1以上を選択する操作と、選択された当該撮像条件を確定させる操作とが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載された発明は、前記画角、サイズ、およびピントのうち1以上を選択する操作が、位置が固定された前記1枚目の原稿に対する自機の向きおよび位置のうち少なくとも一方を変化させる操作により行われることを特徴とする、請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載された発明は、前記プロセッサは、前記撮像条件を確定させる操作として、自機に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載された発明は、前記プロセッサは、前記撮像条件を確定させる操作として、ユーザによる予め定められたジェスチャが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載された発明は、前記プロセッサは、前記ジェスチャとして、第1のジェスチャが行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定し、第2のジェスチャが行われると、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載された発明は、前記第1のジェスチャが、ユーザの身体の一部を予め定められた態様で前記表示部に表示させる動作であり、前記第2のジェスチャが、当該身体の一部を前記表示部に表示させない動作であることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載された発明は、前記第1のジェスチャが、前記表示部に表示された予め定められたシンボルに、ユーザの身体の一部を接触させる動作であり、前記第2のジェスチャが、当該シンボルに接触した状態にある当該身体の一部を離隔させる動作であることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載された発明は、前記プロセッサは、前記n枚目の原稿を撮像するための制御として、前記n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載された発明は、前記プロセッサは、前記n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報として、前記線またはシンボルの表示の態様を変化させることを特徴とする、請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項14に記載された発明は、前記プロセッサは、自機に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われると、前記n枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項15に記載された発明は、前記プロセッサは、ユーザによる予め定められたジェスチャが行われると、前記n枚目の原稿を撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項16に記載された発明は、前記ジェスチャが、ユーザの身体の一部を予め定められた態様で前記表示部に表示させた後、当該表示部に表示させないようにする一連の動作であることを特徴とする、請求項15に記載の情報処理装置である。
請求項17に記載された発明は、前記プロセッサは、前記n枚目の原稿を撮像するための制御として、当該n枚目の原稿を自動で撮像する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項18に記載された発明は、前記プロセッサは、前記n枚目の原稿が自動で撮像されると、当該n枚目の原稿が撮像された旨を示す情報をユーザに報知する制御を行うことを特徴とする、請求項17に記載の情報処理装置である。
請求項19に記載された発明は、コンピュータに、撮像対象となる複数枚の原稿のうち、1枚目の原稿の外縁を示す線またはシンボルを表示部に表示する制御を行う機能と、予め定められた操作が行われると、表示された前記線またはシンボルの位置を固定して、前記1枚目の原稿を撮像する制御を行う機能と、固定された前記線またはシンボルの位置と、前記複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たすと、当該n枚目の原稿を撮像するための制御を行う機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、複数枚の原稿に形成された画像をユーザが撮像して電子化する操作の利便性、および電子化された画像の品質を、従来よりも向上させる情報処理装置を提供できる。
請求項2の本発明によれば、線またはシンボルが、1枚目の原稿の表示上の変化に追随して表示されるので、ユーザは、一見して外縁の位置を把握することができる。
請求項3の本発明によれば、1枚目の原稿に形成された画像を認識可能な範囲で線またはシンボルが表示されるので、ユーザは、撮像時における第1の原稿と情報処理装置との距離の把握が容易になる。
請求項4の本発明によれば、1枚目の原稿の撮像条件を選択して確定させると、表示された線またはシンボルが固定されて撮像が行われる。2枚目以降の原稿は、固定された線またはシンボルに外縁を合わせて撮像するだけでよい。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項5の本発明によれば、1枚目の原稿の画角、サイズ、ピントを選択して確定させると、表示された線またはシンボルが固定されて撮像が行われる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項6の本発明によれば、自機の向きや位置を変えることで1枚目の原稿の画角、サイズ、ピントを選択して確定させると、表示された線またはシンボルが固定されて撮像が行われる。その結果、複数枚の原稿の画角、サイズ、ピントの統一化を図ることができる。
請求項7の本発明によれば、ハードウェアボタンやソフトウェアボタンを押下することで1枚目の原稿の撮像条件を確定させると、表示された線またはシンボルが固定されて撮像が行われる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項8の本発明によれば、予め定められたジェスチャを行うことで1枚目の原稿の撮像条件を確定させると、表示された線またはシンボルが固定されて撮像が行われる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項9の本発明によれば、第1のジェスチャによって1枚目の原稿の撮像条件を確定させると、表示された線またはシンボルが固定され、第2のジェスチャによって撮像が行われる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項10の本発明によれば、ユーザの片手だけのジェスチャにより、表示された線またはシンボルを固定させて撮像することができる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項11の本発明によれば、ユーザの片手だけのジェスチャにより、表示された線またはシンボルを固定させて撮像することができる。その結果、複数枚の原稿の撮像条件の統一化を図ることができる。
請求項12の本発明によれば、n枚目の原稿の撮像に適したタイミングがユーザに報知されるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
請求項13の本発明によれば、n枚目の原稿の撮像に適したタイミングが、表示された線またはシンボルの色の変化としてユーザに報知されるので、ユーザは一見してn枚目の原稿の撮像に適したタイミングを把握することができる。
請求項14の本発明によれば、表示された線またはシンボルにn枚目の原稿の外縁を合わせてハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下するだけで、1枚目の原稿の撮像条件にn枚目の原稿の撮像条件を合わせて撮像することができる。
請求項15の本発明によれば、表示された線またはシンボルにn枚目の原稿の外縁を合わせて予め定められたジェスチャを行うだけで、1枚目の原稿の撮像条件にn枚目の原稿の撮像条件を合わせて撮像することができる。
請求項16の本発明によれば、表示された線またはシンボルにn枚目の原稿の外縁を合わせて予め定められたジェスチャを行うだけで、1枚目の原稿の撮像条件にn枚目の原稿の撮像条件を合わせて撮像することができる。
請求項17の本発明によれば、表示された線またはシンボルにn枚目の原稿の外縁を合わせるだけで、1枚目の原稿の撮像条件にn枚目の原稿の撮像条件を合わせた撮像を自動で行うことができる。
請求項18の本発明によれば、ユーザは、自動撮像された旨を把握することができるので、どの原稿を撮像対象とすべきかを容易に判断することができる。
請求項19の本発明によれば、複数枚の原稿に形成された画像をユーザが撮像して電子化する操作の利便性、および電子化された画像の品質を、従来よりも向上させるプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末のハードウェア構成を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末の制御部の機能構成を示す図である。
図3】ユーザ端末に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作により、撮像条件の確定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像が行われる場合における、ユーザ端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図4】ユーザのジェスチャの操作により、撮像条件の確定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像が行われる場合における、ユーザ端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】n枚目の原稿の撮像が自動で行われる場合における、ユーザ端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】ユーザによるユーザ端末の操作の具体例として、ソフトウェアボタンによる操作の具体例を示す図である。
図7】ユーザによるユーザ端末の操作の具体例として、ソフトウェアボタンによる操作の具体例を示す図である。
図8】ユーザによるユーザ端末の操作の具体例として、ジェスチャによる操作の具体例を示す図である。
図9】ユーザによるユーザ端末の操作の具体例として、ジェスチャによる操作の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(ユーザ端末のハードウェア構成)
図1は、本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末10のハードウェア構成を示す図である。
ユーザ端末10は、ユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、撮像部17とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0010】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じてユーザ端末10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0011】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶する各種のデータベースとして、例えば、撮像された画像を記憶する画像DB801が格納されている。
【0012】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末10および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。
【0013】
表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。表示部16は、撮像部17のカメラのファインダとしても機能する。
【0014】
撮像部17は、カメラ等で構成され、カメラのファインダとして機能する表示部16に表示された被写体を撮像して、動画像または静止画像のデータとして取得する。以下、ユーザ端末10の撮像部17のカメラの機能による撮像の説明において、表示部16のことを「ファインダ」と呼ぶ場合がある。
【0015】
(ユーザ端末の制御部の機能構成)
図2は、本実施の形態が適用される情報処理装置としてのユーザ端末10の制御部11の機能構成を示す図である。
ユーザ端末10の制御部11では、表示制御部101と、操作判定部102と、位置固定部103と、撮像制御部104と、条件判定部105と、撮像支援制御部106とが機能する。
【0016】
表示制御部101は、各種の情報をファインダに表示する制御を行う。例えば、表示制御部101は、撮像対象の複数枚の原稿のうち1枚目の原稿の外縁を示す線またはシンボルをファインダに表示する制御を行う。「原稿」とは、文字や図形等の画像が形成された用紙のことをいい、「形成された」とは、原稿となる用紙の印刷面に「印刷された」ことをいう。画像は原稿の表面のみに形成される場合と、表面および裏面に形成される場合がある。
【0017】
ファインダに表示される線またはシンボルは、1枚目の原稿の表示上の変化に追随するようにファインダ上を移動したり形状を変えたりする。「表示上の変化」とは、撮像を行うユーザ端末10の向きや位置の変化に伴う1枚目の原稿の表示上の変化のことをいう。「表示上の変化」の具体例として、例えば、位置の変化や拡縮の変化等が挙げられる。以下、1枚目の原稿の表示上の変化に追随する線またはシンボルのことを「ガイドライン」と呼ぶ。
【0018】
また、表示制御部101は、撮像対象の複数枚の原稿のうち1枚目の原稿に形成された画像を認識可能な範囲で、1枚目の原稿の表示上の変化に追随するガイドラインを表示する制御を行う。すなわち、表示制御部101は、1枚目の原稿に形成された画像を認識できなくなると、ファインダに表示されていたガイドラインが表示されないように制御する。
【0019】
操作判定部102は、予め定められた操作をユーザが行ったかどうかを判定する。「予め定められた操作」としては、例えば、ユーザ端末10に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作や、ジェスチャの操作等が挙げられる。なお、「ハードウェアボタン」とは、ユーザ端末10に予め搭載された機械式のボタンのことをいい、「ソフトウェアボタン」とは、ユーザ端末10の表示部16にアイコン等の態様で表示されたボタンのことをいう。
【0020】
例えば、操作判定部102は、撮像条件を選択する操作が行われたかどうかを判定する。「撮像条件」とは、ファインダに表示された原稿を撮像するために必要となる条件のことをいい、例えば、画角、サイズ、ピント等が挙げられる。具体的な操作として、ユーザは、ファインダに表示された1枚目の原稿と、その外縁に追随するガイドラインとを視認しながら、ユーザ端末10の向きや位置を変化させて撮像条件を選択する操作を行う。すなわち、撮像条件を定義するパラメータの数値等を入力するような操作ではなく、ユーザ端末10の向きや位置を変化させる操作によって撮像条件が選択される。操作判定部102は、ユーザ端末10の向きや位置を変化させて撮像条件を選択する操作が行われたかどうかを判定する。
【0021】
また、例えば、操作判定部102は、選択された撮像条件を確定させる操作が行われたかどうかを判定する。具体的な操作として、例えば、ユーザは、ファインダに表示された1枚目の原稿およびガイドラインの位置が意図するものになったタイミングで、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する。この場合、操作判定部102は、ユーザ端末10のハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われたかどうかを判定する。
【0022】
また、例えば、ユーザは、ファインダに表示された1枚目の原稿およびガイドラインの位置が意図するものになったタイミングで、予め定められたジェスチャを行う。この場合、操作判定部102は、ユーザが予め定められたジェスチャを行ったかどうかを判定する。「予め定められたジェスチャ」としては、例えば、ユーザの身体の一部を予め定められた態様でファインダに表示させるジェスチャや、ファインダの予め定められた位置および態様で表示されたシンボルに対してユーザの身体の一部を接触させるジェスチャ等が挙げられる。
【0023】
このうち、ユーザの身体の一部を予め定められた態様でファインダに表示させるジェスチャとしては、例えば、親指を立てた状態のユーザの片手をガイドラインの領域内に表示させるジェスチャ等が挙げられる。また、ファインダの予め定められた位置および態様で表示されたシンボルに対してユーザの身体の一部を接触させるジェスチャとしては、例えば、ファインダに表示されたシンボルとしてのシャッター用のアイコンに対してユーザの指を接触させるジェスチャ等が挙げられる。なお、これらのジェスチャの具体例については、図8および図9を参照して後述する。
【0024】
なお、操作判定部102がどのような手法を用いてユーザが予め定められたジェスチャを行ったかどうかを判定するのかについては特に限定されず、従来の手法を用いることができる。例えば、ファインダに表示されたユーザの身体の一部を撮像した動画像のデータを解析し、予め定められたジェスチャに該当するかどうかを判定してもよい。また、ユーザ端末10に予め設けられた各種のセンサから検出されるセンシングデータを解析し、予め定められたジェスチャに該当するかどうかを判定してもよい。
【0025】
位置固定部103は、操作判定部102の判定の結果に基づいて、ファインダに表示された1枚目の原稿の外縁の位置を追随するガイドラインの位置を固定する。これにより、撮像条件が確定する。具体的には、位置固定部103は、操作判定部102の判定の結果が、「1枚目の原稿の撮像条件を確定させる操作がユーザにより行われた」というものであった場合に、ファインダに表示されたガイドラインの位置を固定する。「ガイドラインの位置」には、ファインダに表示されたガイドラインの大きさ、形状、角度などガイドラインの外観を定義する要素のすべてが含まれる。
【0026】
上述のように、撮像条件を確定させる操作には、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作と、ジェスチャの操作とがある。このうち、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作は、別途用意した固定器具等にユーザ端末10を固定させて行われるのではなく、ユーザが手に持った状態で行われる。このため、ユーザによるハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作に伴い、ユーザ端末10そのものが微妙に動いてしまうことがある。この場合、撮像条件を選択する操作によりファインダ上で合わさった状態にある1枚目の原稿およびガイドラインの位置が微妙に変化してしまい、意図しないタイミングで位置固定部103がガイドラインを固定してしまう。
【0027】
これに対して、タイマーを用いて撮像条件を確定させるタイミングを設定することもできる。タイマーを用いた場合、位置固定部103は、設定した時間の到来とともにガイドラインの位置を固定するので、ユーザがハードウェアボタンやソフトウェアボタンを押下する必要がなくなる。しかしながら、タイマーを用いた場合、設定時間を考慮する必要がある。すなわち、設定時間が短いと、ガイドラインの位置が意図した位置になる前に固定されるおそれがあり、また、タイマーが長いと、設定時間が到来するまで意図した位置を維持しなければならない。意図した位置を維持するためには、ユーザ端末10の向きや位置を変えることができないので、ユーザ端末10の重量によってはユーザの腕の負担が大きくなり、設定時間が到来したタイミングでガイドラインが意図した位置からずれて固定されてしまうおそれもある。
【0028】
これに対して、ジェスチャの操作によれば、撮像条件を確定させる際、ユーザ端末10そのものが微妙に動いてしまうことを抑制することができる。具体的な操作として、例えば、ユーザは、ファインダに表示された1枚目の原稿とこれに追随するガイドラインとを視認しながら、ユーザ端末10の向きや位置を変化させて撮像条件を選択する。そして、ファインダに表示された1枚目の原稿およびガイドラインの位置が意図するものになったタイミングで、予め定められたジェスチャを行う。すると、位置固定部103は、ファインダに表示されたガイドラインの位置を固定する。これにより、ユーザの意図したタイミングで撮像条件を確定させることが可能となる。なお、ジェスチャの具体例については後述する。
【0029】
撮像制御部104は、撮像手段として、撮像対象の複数枚の原稿の各々を撮像する制御を行う。「撮像する制御」とは、撮像部17(図1参照)のカメラに動画像を撮像させる制御のことをいう。具体的には、撮像制御部104は、位置固定部103によりガイドラインの位置が固定され、ユーザによる予め定められた操作が行われると、撮像対象の複数枚の原稿のうち1枚目の原稿を撮像する制御を行う。
【0030】
原稿の撮像時における「予め定められた操作」としては、例えば、ユーザ端末10に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作や、予め定められたジェスチャの操作が挙げられる。このうち、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作は、例えば、上述の撮像条件を確定させる操作と同一の操作であってもよい。
【0031】
すなわち、撮像条件を確定させる操作として、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われると、これに連動して1枚目の原稿が撮像されるようにしてもよい。また、例えば、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作に差異を設けてもよい。この場合、例えば、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下してすぐに指を離すと撮像条件が確定することとし、指を離さずに長押しすると撮像条件の確定と撮像とが連続して行われるようにしてもよい。
【0032】
また、予め定められたジェスチャの操作としては、例えば、上述の2種類のジェスチャに連続するジェスチャが挙げられる。具体的には、撮像条件を確定させるためにガイドラインの領域内に表示させた片手を、ガイドラインの領域外に出す(フレームアウトさせる)ジェスチャや、撮像条件を確定させるために、ファインダに表示されたシャッター用のアイコンに接触させた片手を、シャッター用のアイコンから離隔させるジェスチャ等が挙げられる。なお、これらのジェスチャの具体例については、図8および図9を参照して後述する。
【0033】
また、撮像制御部104は、ユーザによる予め定められた操作が行われると、撮像対象の複数枚の原稿のうちn枚目(nは2以上の整数値)の原稿を撮像する制御を行う。具体的には、撮像制御部104は、操作判定部102による判定の結果、位置固定部103がガイドラインの位置を固定すると、ファインダに表示されているn枚目の原稿を撮像する制御を行う。
【0034】
ここでいう「予め定められた操作」とは、ユーザ端末10の向きや位置を変えながら、ファインダに表示されたn枚目の原稿の外縁と、ファインダ上に固定されたガイドラインとを合わせる操作、およびn枚目の原稿を撮像する操作(すなわち、カメラのシャッターを切る操作)のことをいう。このうち、n枚目の原稿を撮像する操作としては、例えば、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が挙げられる。
【0035】
ただし、上述のように、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作は、ユーザ端末10そのものを微妙に動かしてしまうおそれがある。ユーザ端末10そのものが動くと、1枚目の原稿の外縁に合わせたはずのガイドラインの位置が微妙に変わり、意図しないタイミングで撮像が行われてしまう。そこで、撮像制御部104は、ユーザによる予め定められた操作として、ユーザのジェスチャの操作に応じてn枚目の原稿を撮像する制御を行う。これにより、n枚目の原稿の撮像時にユーザ端末10そのものが微妙に動いてしまうことを抑制することができる。
【0036】
具体的な操作として、ユーザは、ファインダ上で位置が固定されているガイドラインと、ファインダに表示されたn枚目の原稿とを視認しながら、n枚目の原稿の外縁にガイドラインの位置を合わせるようにユーザ端末10の向きや位置を変化させる。そして、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさったタイミングで、予め定められたジェスチャが行われると、「予め定められたジェスチャが行われた」と判定され、ガイドラインの位置が固定されるので、撮像制御部104は、ファインダに表示されているn枚目の原稿を撮像する制御を行う。
【0037】
ここでいう、「予め定められたジェスチャ」としては、例えば、撮像条件を確定させる上述の2種類のジェスチャと同様のジェスチャが挙げられる。具体的には、ガイドラインの領域内にユーザの片手を入れるジェスチャや、ファインダに表示されたシャッター用のアイコンにユーザの指を接触させるジェスチャ等が挙げられる。なお、これらのジェスチャの具体例については、図8および図9を参照して後述する。
【0038】
また、撮像制御部104は、n枚目の原稿の外縁の位置と、固定されたガイドラインの位置とが合わさるとn枚目の原稿を撮像する制御を行うようにすることもできる。具体的には、撮像制御部104は、後述する条件判定部105が「n枚目の原稿の外縁の位置と、固定されたガイドラインの位置とが予め定められた条件を満たした」と判定すると、n枚目の原稿を撮像する制御を行う。これにより、ユーザによるジェスチャの操作が行われなくてもn枚目の原稿を撮像することができる。
【0039】
条件判定部105は、ファインダ上に固定されたガイドラインの位置と、n枚目の原稿の外縁の位置とが予め定められた条件を満たすかどうかを判定する。ここでいう「予め定められた条件」とは、例えば、ガイドラインの位置と、n枚目の原稿の外縁の位置とが完全に合わさること、あるいは完全に合わさらないまでも予め定められた誤差の範囲内で合わさったとみなされること等の条件のことをいう。
【0040】
撮像支援制御部106は、条件判定部105による判定の結果として、予め定められた条件が満たされた場合には、撮像対象の複数枚の原稿のうちn枚目の原稿を撮像するための制御を行う。「撮像するための制御」とは、撮像そのものの制御ではなく、撮像するための支援の制御のことをいう。例えば、n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報を、ユーザや撮像制御部104に向けて報知する制御を行うことは、「撮像するための制御」を行うことの一例である。
【0041】
n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報をユーザに向けて報知する制御としては、例えば、ファインダ上に表示されたガイドラインの表示の態様を変化させる制御が挙げられる。具体的には、ガイドラインの「表示の態様」を変化させる制御として、ガイドラインの色、模様、太さ、明るさ等を変化させる制御が行われる。これにより、報知を受けたユーザは、ファインダを一見するだけでn枚目の原稿の撮像に適したタイミングであることを容易に把握することができる。その結果、ユーザは、n枚目の原稿を撮像するための操作を好適なタイミングで行うことが可能となる。
【0042】
また、n枚目の原稿の撮像に適したタイミングである旨を示す情報を撮像制御部104に向けて報知する制御が行われると、その報知を受けた撮像制御部104は、直ちにn枚目の原稿を撮像する制御を行う。これにより、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとのずれの原因となるユーザの操作を少なくした自動撮像が可能となる。この場合、撮像支援制御部106は、n枚目の原稿の自動撮像が行われると、その旨を示す情報をユーザに報知する制御を行う。例えば、自動撮像が行われた旨を示す情報が、視認可能な態様(例えば、テキストメッセージや光)、視聴可能な態様(例えば、音や音声メッセージ)でユーザに報知する制御が行われる。
【0043】
(ユーザ端末の処理)
図3は、ユーザ端末10に予め設けられたハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作により、撮像条件の確定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像が行われる場合における、ユーザ端末10の処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、撮像対象の複数枚の原稿のうち1枚目の原稿の外縁に追随するガイドラインをファインダに表示する(ステップ601)。そして、ユーザ端末10は、ユーザによる撮像条件を選択する操作が行われると(ステップ602でYES)、その操作を受け付ける(ステップ603)。これに対して、撮像条件を選択する操作が行われていない場合(ステップ602でNO)、ユーザ端末10は、撮像条件を選択する操作が行われるまでステップ602を繰り返す。
【0044】
次に、ユーザ端末10は、撮像条件を確定させるためのハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンが押下されると(ステップ604でYES)、その操作を受け付けて、ファインダに表示されたガイドラインの位置を固定する(ステップ605)。これに対して、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われていない場合(ステップ604でNO)、ユーザ端末10は、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われるまでステップ604を繰り返す。
【0045】
次に、ユーザ端末10は、1枚目の原稿を撮像するためのハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンが押下されると(ステップ606でYES)、その操作を受け付けて、ファインダに表示された1枚目の原稿を撮像し(ステップ607)、撮像画像のデータをデータベースに記憶する(ステップ608)。具体的には、撮像画像のデータは、記憶部13の画像DB801に記憶される。これに対して、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われていない場合(ステップ606でNO)、ユーザ端末10は、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われるまでステップ606を繰り返す。なお、撮像条件を確定させる操作と、1枚目の原稿を撮像する操作とが同一であってもよい。この場合、ステップ606はスキップされる。
【0046】
次に、ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、撮像対象の複数枚の原稿のうちn枚目の原稿をファインダに表示する(ステップ609)。そして、ユーザによるユーザ端末10の向きや位置を変える操作によってn枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさると(ステップ610でYES)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさった旨をユーザに報知する(ステップ611)。例えば、ガイドラインの表示の態様を変化させることで、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさった旨をユーザに報知する。これに対して、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとを合わせる操作が行われていない場合(ステップ610でNO)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとを合わせる操作が行われるまでステップ610を繰り返す。
【0047】
次に、ユーザ端末10は、ファインダに表示されたn枚目の原稿を撮像するためのハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンが押下されると(ステップ612でYES)、その操作を受け付けて、n枚目の原稿を撮像し(ステップ613)、撮像画像のデータをデータベースに記憶する(ステップ614)。具体的には、撮像画像のデータは、記憶部13の画像DB801に記憶される。これに対して、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われていない場合(ステップ612でNO)、ユーザ端末10は、ハードウェアボタンまたはソフトウェアボタンを押下する操作が行われるまでステップ612を繰り返す。
【0048】
図4は、ユーザのジェスチャの操作により、撮像条件の確定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像が行われる場合における、ユーザ端末10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8のステップ701からステップ703までの処理は、図7のステップ601からステップ603までの処理と同様であり、説明を省略する。
【0049】
ユーザ端末10は、撮像条件を確定させるためのジェスチャの操作が行われると(ステップ704でYES)、その操作を受け付けて、ファインダに表示されたガイドラインの位置を固定する(ステップ705)。これに対して、ジェスチャの操作が行われていない場合(ステップ704でNO)、ユーザ端末10は、ジェスチャの操作が行われるまでステップ704を繰り返す。なお、撮像条件を確定させるためのジェスチャの操作の具体例は、上述のとおりである。
【0050】
次に、ユーザ端末10は、1枚目の原稿を撮像するためのジェスチャの操作が行われると(ステップ706でYES)、その操作を受け付けて、ファインダに表示された1枚目の原稿を撮像し(ステップ707)、撮像画像のデータをデータベースに記憶する(ステップ708)。具体的には、撮像画像のデータは、記憶部13の画像DB801に記憶される。これに対して、ジェスチャの操作が行われていない場合(ステップ706でNO)、ユーザ端末10は、ジェスチャの操作が行われるまでステップ706を繰り返す。なお、1枚目の原稿を撮像するためのジェスチャの操作の具体例は、上述のとおりである。
【0051】
次に、ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、撮像対象の複数枚の原稿のうちn枚目の原稿をファインダに表示する(ステップ709)。そして、ユーザによるユーザ端末10の向きや位置を変える操作によってn枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさると(ステップ710でYES)、ユーザ端末10は、その旨をユーザに報知する(ステップ711)。これに対して、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさっていない場合(ステップ710でNO)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさるまでステップ710を繰り返す。なお、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさった旨をユーザに報知する手法の具体例は、上述のとおりである。
【0052】
次に、ユーザ端末10は、ファインダに表示されたn枚目の原稿を撮像するためのジェスチャの操作が行われると(ステップ712でYES)、その操作を受け付けて、n枚目の原稿を撮像し(ステップ713)、撮像画像のデータをデータベースに記憶する(ステップ714)。具体的には、撮像画像のデータは、記憶部13の画像DB801に記憶される。これに対して、n枚目の原稿を撮像するためのジェスチャの操作が行われていない場合(ステップ712でNO)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿を撮像するためのジェスチャの操作が行われるまでステップ712を繰り返す。
【0053】
図5は、n枚目の原稿の撮像が自動で行われる場合における、ユーザ端末10の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図5のステップ901からステップ910までの処理は、図4のステップ701からステップ710までの処理と同様である。このため、ステップ901からステップ908までの説明は省略し、ステップ909からステップ912までの説明を行う。
【0054】
ユーザ端末10は、ユーザの操作に基づいて、撮像対象の複数枚の原稿のうちn枚目の原稿をファインダに表示する(ステップ909)。そして、ユーザによるユーザ端末10の向きや位置を変える操作によってn枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさると(ステップ910でYES)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿を撮像し(ステップ911)、撮像画像のデータをデータベースに記憶する(ステップ912)。また、ユーザ端末10は、n枚目の原稿が撮像された旨を示す情報をユーザに報知する(ステップ913)。ユーザ端末10により撮像された画像のデータは、記憶部13の画像DB801に記憶される。これに対して、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさっていない場合(ステップ910でNO)、ユーザ端末10は、n枚目の原稿の外縁とガイドラインとが合わさるまでステップ910を繰り返す。
【0055】
(具体例)
図6乃至図9は、ユーザによるユーザ端末10の操作の具体例を示す図である。このうち、図6および図7は、ユーザによるユーザ端末10の操作の具体例として、ソフトウェアボタンによる操作の具体例を示す図である。図8および図9は、ユーザによるユーザ端末10の操作の具体例として、ジェスチャによる操作の具体例を示す図である。
【0056】
ユーザは、片手に持ったユーザ端末10の向きや位置を変えながら、ファインダに表示された複数枚の原稿GおよびガイドラインFの表示上の位置を調節する。例えば、図6(A)に示すように、ファインダに表示された複数枚の原稿Gの表示上のサイズが小さく、さらに、表示上の位置が左上に偏っている場合がある。このような場合、ユーザは、ユーザ端末10の向きや位置(例えば、複数枚の原稿Gとの距離等)を変えることで、例えば、図6(B)に示すような位置に複数枚の原稿GおよびガイドラインFを表示させる。
【0057】
次に、ユーザは、複数枚の原稿GおよびガイドラインFを図6(B)に示すような位置に表示させた状態で、ファインダの一部に表示されたソフトウェアボタンB1を押下する操作(例えば、タップの操作)を行う。すると、ファインダに表示されたガイドラインFの表示上の位置が固定され、ガイドラインFの領域内に表示されている1枚目の原稿G1の撮像が行われる。撮像された1枚目の原稿G1の静止画像のデータは、ユーザ端末10に保存される。
【0058】
図7(A)には、撮像対象の複数枚の原稿Gと、複数枚の原稿Gのうち2枚目の原稿G2をファインダに表示させたユーザ端末10とが示されている。また、ファインダには、表示上の位置が固定されたガイドラインFが表示されている。
ユーザは、1枚目の原稿G1を撮像し終えると、その原稿G1のみを左に移動させて置く。すると、複数枚の原稿Gの一番上に置かれた2枚目の原稿G2が視認可能となる。ユーザは、ユーザ端末10の向きや位置を変えることで、ファインダ上に固定されたガイドラインFに2枚目の原稿G2の位置を合わせる。
【0059】
例えば、図7(A)に示すように、ファインダに表示された複数枚の原稿Gの表示上のサイズが小さく、さらに、表示上の位置が左上に偏っている場合には、ユーザ端末10の向きや位置を調節して、例えば、図7(B)に示すように、2枚目の原稿G2とガイドラインFとを合わせる。ファインダ上に固定されたガイドラインFの位置は、1枚目の原稿G1の撮像条件を意図するものにする位置であるため、このガイドラインFに2枚目の原稿G2を合わせることで、容易に2枚目の原稿の撮像条件を意図するものにすることができる。なお、図示はしないが、3枚目以降の原稿も同様に、ガイドラインFに合わせることで、容易に3枚目以降の原稿の撮像条件を意図するものにすることができる。
【0060】
ユーザは、ファインダ上に固定されたガイドラインFに2枚目の原稿G2の位置を合わせた状態で、ファインダの一部に表示されたソフトウェアボタンB1を押下する操作(例えば、タップの操作)を行う。すると、ガイドラインFの領域内に表示されている2枚目の原稿G2の撮像が行われる。撮像された2枚目の原稿G2の静止画像のデータは、ユーザ端末10に保存される。
【0061】
上述の図6および図7に示す具体例では、ファインダに表示されたソフトウェアボタンB1を押下する操作により、ガイドラインの表示上の位置の固定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像が行われる。ただし、上述した問題点として、ソフトウェアボタンB1を押下する操作に伴い、ユーザ端末10そのものが動いてしまう場合がある。そこで、予め定められたジェスチャにより、ガイドラインの表示上の位置の固定、1枚目の原稿の撮像、およびn枚目の原稿の撮像を行うことができる。その具体例について、図8および図9を参照して説明する。
【0062】
図8および図9は、ユーザによるユーザ端末10の操作の具体例として、ジェスチャによる操作の具体例が示されている。
図8には、ユーザの身体の一部を予め定められた態様でファインダに表示させるジェスチャの具体例が示されている。
図8の左図に示すように、ユーザは、ユーザ端末10の向きや位置を変えることで、複数枚の原稿Gのうち1枚目の原稿G1とガイドラインFとを合わせる。そして、その状態を維持したまま、親指を立てた状態の右手をガイドラインFの領域内に入れるジェスチャを行う。すると、ユーザ端末10は、ジェスチャを検知して、ガイドラインFの表示上の位置を固定する。次に、ユーザは、図8の右図に示すように、ガイドラインFの領域内に入れた状態の右手をガイドラインFの領域の外側に出す(フレームアウトさせる)。すると、ユーザ端末10は、ジェスチャを検知して、ガイドラインFと合わせた状態の1枚目の原稿G1を撮像する。撮像された1枚目の原稿G1の静止画像のデータは、ユーザ端末10に保存される。
【0063】
図9には、ファインダの予め定められた位置および態様で表示されたシンボルに対してユーザの身体の一部を接触させるジェスチャの具体例が示されている。
図9の左図に示すように、ユーザは、ユーザ端末10の向きや位置を変えることで、複数枚の原稿Gのうち1枚目の原稿G1とガイドラインFとを合わせる。そして、その状態を維持したまま、ファインダ上に表示されたシャッター用のアイコンのボタンB2に対してユーザの右手の指を接触させるジェスチャを行う。すると、ユーザ端末10は、ジェスチャを検知して、ガイドラインFの表示上の位置を固定する。
【0064】
ここで、シャッター用のアイコンのボタンB2は、上述の図6および図7に示すソフトウェアボタンB1のようにファインダの上から押下する操作(例えば、タップの操作)の対象となるボタンとは異なり、ファインダに表示された指を接触させる対象となるボタンである。このため、ユーザ端末10の画面に物理的に接触する操作を伴わないので、ユーザ端末10そのものが動いてしまうことを抑制できる。
【0065】
次に、ユーザは、図9の右図に示すように、シャッター用のアイコンのボタンB2に接触させた状態の右手の指をボタンB2から離隔させるジェスチャを行う。すると、ユーザ端末10は、ジェスチャを検知して、ガイドラインFと合わさった状態の1枚目の原稿G1を撮像する。撮像された1枚目の原稿G1の静止画像のデータは、ユーザ端末10に保存される。
【0066】
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示すユーザ端末10のハードウェア構成、および図2に示すユーザ端末10の機能構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。上述の機能を実現するためにどのようなハードウェア構成および機能構成を用いるかは図1図2の例に限定されない。
【0067】
また、図3乃至図5の各々に示す、ユーザ端末10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図6乃至図9に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【符号の説明】
【0068】
10…ユーザ端末、11…制御部、90…ネットワーク、101…表示制御部、102…操作判定部、103…位置固定部、104…撮像制御部、105…条件判定部、106…撮像支援制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9