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特開2023-144864リッド用ディスペンサー及び飲物用什器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144864
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】リッド用ディスペンサー及び飲物用什器
(51)【国際特許分類】
   A47F 13/08 20060101AFI20231003BHJP
   B65D 83/08 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A47F13/08
B65D83/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052042
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】514206075
【氏名又は名称】CIPSアドバンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】袴田 勝照
(72)【発明者】
【氏名】布川 佳孝
(72)【発明者】
【氏名】長田 隆
(57)【要約】
【課題】リッドを、簡易な構造で取り出しやすく、衛生的に収容でき、容易に補給できるリッド用ディスペンサー及び飲物用什器を提供する。
【解決手段】一側面が開口部25となる収容本体部15にリッドを収容し、そのリッドが1つずつ取り出されるリッド用ディスペンサー11であって、リッドは、飲料用容器の開口に嵌る環状嵌合部を有し、収容本体部15は、リッドが水平スタッキング状態で収容されるとともに、開口部25に向けてリッドを付勢する付勢手段21と、開口部25に設けられてリッドが通過可能な取出口67を有する取出口プレート47と、を備え、取出口67は、リッドを通過可能とする通過部73と、環状嵌合部37の外周面に当接して環状嵌合部を半径方向内側に撓ませる抑え片75と、を備え、通過部73及び抑え片75は、複数が、取出口67の周方向に交互に配置され、かつ通過部73には指Fが差し込まれる半円形状の凹部77が形成される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側面が開口部となる収容本体部にリッドを収容してその収容されたリッドが一つずつ取り出されるリッド用ディスペンサーであって、
前記リッドは、可撓性を有する薄肉素材で形成されて飲料用容器の開口に内周面が嵌る環状嵌合部を有し、
前記収容本体部は、直立姿勢の前記リッドが複数枚重ねられた水平スタッキング状態で収容されるとともに、前記開口部に向けて前記リッドを付勢する付勢手段と、前記開口部に設けられて前記リッドが通過可能な略円形の取出口を有する取出口プレートと、を備え、
前記取出口は、前記リッドの前記環状嵌合部における最外直径Dより大きい内径Dpを有して前記リッドを通過可能とする通過部と、前記リッドの最外直径Dより先端縁が小さい内径Dsで形成され、前記環状嵌合部の外周面に当接して前記環状嵌合部を半径方向内側に撓ませる抑え片と、を備え、
前記通過部及び前記抑え片は、複数が、前記取出口の周方向に交互に配置されることを特徴とするリッド用ディスペンサー。
【請求項2】
前記通過部の少なくとも1つには指が差し込み可能な半円形状の凹部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のリッド用ディスペンサー。
【請求項3】
前記取出口プレートが、前記開口部に、着脱自在に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のリッド用ディスペンサー。
【請求項4】
前記取出口プレートのリッド取出側となる前記収容本体部の前記一側面に、透明板からなる扉が開閉自在に設けられ、
前記扉には、前記飲料用容器の内容物である商品を明示する標示部が備えられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のリッド用ディスペンサー。
【請求項5】
前記収容本体部が、上方の開放された箱状に形成され、前記収容本体部と別体の外殻に、抜き差し自在となって収納されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のリッド用ディスペンサー。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のリッド用ディスペンサーが備えられる飲物用什器であって、
什器本体には、異なる外径のリッドが取り出しできるように、前記取出口の径が異なる前記取出口プレートを前記収容本体部に装着した複数の前記リッド用ディスペンサーが備えられるとともに、飲料に使用する調味料等を収容する調味料収納部と、紙ナプキンやおしぼりを収容する紙類収容部と、ストローやマドラーを収容する長尺体収容部と、のいずれかまたは全部がさらに備えられることを特徴とする飲物用什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッド用ディスペンサー及び飲物用什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コーヒーやジュース等の飲料用カップの蓋として、紙リッドや合成樹脂製リッド等が用いられている。これらのリッドの形状は、飲料用カップの上端周部に嵌合する周縁とその内部に凸形状を有し、カップ式飲料自動販売機の外部に設けられたリッド供給器に収容されているものである。従来のリッド供給器は、桶状の容器にリッドが収容されたものであり、そのリッドを購入者自身の手で選び取ることにより提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4-32983号公報
【特許文献2】特開2008-178534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のリッド供給器は、購入者がリッドを容器内から選び取るとき、選び取ったリッド以外のリッドに手が触れたり、一旦取り出したリッドを容器に戻すというようなことがあり、使用上、衛生が確保しにくい構造となっていた。また、容器によるリッドの陳列方法が斜め奥傾斜のため、在庫が減ると以下のような不具合が発生した。すなわち、リッドが見えづらくなり、誤って違うものを取る原因になる。リッドが奥まって位置するため、取りづらくなる。一度に、2、3個のリッドが取れてしまう。古いリッドから出していく「先入れ先出」の補充がしにくい。
これに対し特許文献1に開示される簡易容器用蓋体の取出し装置によれば、筒状の容器内に収容されるリッドを下から一つずつ取り出すので、リッドを容器に戻すことはできないが、リッドが取りづらい問題がある。また、特許文献2に開示されるリッドディスペンサーによれば、リッドセパレータを備えるので、手で直接リッドを触らずに取り出せるが、大きな設置スペース、大掛かりな装置が必要となる問題がある。
【0005】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、リッドを、簡易な構造で取り出しやすくできるとともに、衛生的に収容でき、しかも、容易に補給することができるリッド用ディスペンサー及び飲物用什器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のリッド用ディスペンサー11は、一側面が開口部25となる収容本体部15にリッド17を収容してその収容されたリッド17が一つずつ取り出されるリッド用ディスペンサー11であって、
前記リッド17は、可撓性を有する薄肉素材で形成されて飲料用容器の開口に内周面が嵌る環状嵌合部37を有し、
前記収容本体部15は、直立姿勢の前記リッド17が複数枚重ねられた水平スタッキング状態で収容されるとともに、前記開口部25に向けて前記リッド17を付勢する付勢手段21と、前記開口部25に設けられて前記リッド17が通過可能な略円形の取出口67を有する取出口プレート47と、を備え、
前記取出口67は、前記リッド17の前記環状嵌合部37における最外直径Dより大きい内径Dpを有して前記リッド17を通過可能とする通過部73と、前記リッド17の最外直径Dより先端縁が小さい内径Dsで形成され、前記環状嵌合部37の外周面39に当接して前記環状嵌合部37を半径方向内側に撓ませる抑え片75と、を備え、
前記通過部73及び前記抑え片75は、複数が、前記取出口67の周方向に交互に配置されることを特徴とする。
【0007】
このリッド用ディスペンサー11では、各リッド17が、直立状態となって水平方向に重ねられた水平スタッキング状態で、収容本体部15に収容される。収容されたリッド17は、最奥のリッド17が、付勢手段21により収容本体部15の開口部25へ向けて付勢される。水平スタッキング状態のリッド17は、最奥のリッド17が付勢されることにより、最前のリッド17が、開口部25に設けられた取出口プレート47の取出口67に押し付けられる。
取出口67に押し付けられたリッド17は、リッド17の最外直径Dより小さい内径Dsで形成されている抑え片75に、環状嵌合部37の外周面39が当接する。抑え片75に外周面39が当接したリッド17は、環状嵌合部37が半径方向内側に撓む。環状嵌合部37が抑え片75により撓められたリッド17は、取出口67を通過可能な通過部73において、抑え片75との摩擦により通過が規制され、取出口67で一部分を取り出し側に突出した状態で保持される。
リッド17は、可撓性を有する薄肉素材で形成されているので、弾性を有し、突出した部分を手指で手前側に引っ張ると、環状嵌合部37がさらに半径方向内側へ撓んだ後、抑え片75を通過して取出口67から取り出される。水平スタッキング状態のリッド17は、最前のリッド17が取り出されることにより、次のリッド17が付勢手段21により最前に押し出され、上記と同様の作用により、取出口67で一部分を突出して保持される。この動作が繰り返されることにより、水平スタッキング状態となったリッド17は、全てが一つずつ取り出されることになる。
このリッド用ディスペンサー11では、取出口67に、通過部73と抑え片75とを備えた取出口プレート47と、付勢手段21とを収容本体部15に設けるのみの簡素な構造で、水平スタッキング状態のリッド17を一つずつ容易に取り出しできるようになる。
また、リッド用ディスペンサー11は、水平スタッキング状態のリッド17が、収容本体部15に横置きされ、外部には、最前のリッド17における外表面の一部分のみが表出する。利用者は、表出した一部分を摘んでリッド17を取り出すので、手指が他のリッド17に触れることがない。すなわち、水平スタッキング状態のリッド17は、最前以外のものが外部に晒されることがない。さらに、一旦取り出したリッド17を取出口67に戻すことは、環状嵌合部37の開放縁が当たる抑え片75が障害となって困難となる。つまり、水平スタッキング状態のリッド17は、収容本体部15の内方で常に衛生的な収容が可能となる。
また、収容本体部15は、水平スタッキング状態のリッド17を横置きして収容するので、例えば数の少なくなったリッド17に、補給を行う場合、古いリッド17の後方に、新しいリッド17を水平スタッキング状態で簡単に補給することができる。これにより、古いリッド17から出していく「先入れ先出し」を簡単に行え、リッド17が長期滞留することによる劣化を防ぐこともできる。
【0008】
本発明の請求項2記載のリッド用ディスペンサー11は、請求項1記載のリッド用ディスペンサー11であって、
前記通過部73の少なくとも1つには指Fが差し込み可能な半円形状の凹部77が形成されることを特徴とする。
【0009】
このリッド用ディスペンサー11では、通過部73に形成される凹部77から指Fを差し込むことが可能となり、最前のリッド17を手前側に引っ張る際に、リッド17に対する指の掛かり具合が良好となり、取出口67の位置におけるリッド17の取り出し易さを向上させる。
【0010】
本発明の請求項3記載のリッド用ディスペンサー11は、請求項1または2記載のリッド用ディスペンサー11であって、
前記取出口プレート47が、前記開口部25に、着脱自在に設けられることを特徴とする。
【0011】
このリッド用ディスペンサー11では、取出口プレート47が、収容本体部15の開口部25に、着脱自在に設けられる。このため、取出口プレート47は、開口部25に対するプレート取付形状を同一とする一方、取出口67の形状を異なるものとした複数種類のものを用意できるようになる。これにより、収容本体部15は、取出口プレート47を交換するのみで、環状嵌合部37の最外直径Dが異なるリッド17の取り出しに対応できるようになる。
【0012】
本発明の請求項4記載のリッド用ディスペンサー11は、請求項1~3のいずれか一項に記載のリッド用ディスペンサー11であって、
前記取出口プレート47のリッド取出側となる前記収容本体部15の前記一側面に、透明板からなる扉23が開閉自在に設けられ、
前記扉23には、前記飲料用容器の内容物である商品を明示する標示部が備えられていることを特徴とする。
【0013】
このリッド用ディスペンサー11では、収容本体部15の一側面である開口部25に、透明板からなる扉23が、開閉自在に取り付けられる。扉23は、取出口プレート47のリッド取出側となる位置で、取出口67から突出したリッド17を覆うことができる。これにより、最前のリッド17は、直接外部に晒されなくなる。
また、扉23は、透明板からなるので、取出口67に保持される最前のリッド17を透視でき確認できるとともに、その近傍、或いは、リッド17に重ねて、飲料用容器の内容物である商品を明示する標示部を配置できる。これにより、購入した商品とリッド17とを関連づけして、選択しやすくできる。
【0014】
本発明の請求項5記載のリッド用ディスペンサー11は、請求項1~4のいずれか1つに記載のリッド用ディスペンサー11であって、
前記収容本体部15が、上方の開放された箱状に形成され、前記収容本体部15と別体の外殻に、抜き差し自在となって収納されることを特徴とする。
【0015】
このリッド用ディスペンサー11では、収容本体部15が、上方が開放された箱状に形成される。収容本体部15は、外殻に、抜き差し自在となって収納される。つまり、収容本体部15は、引出し構造となる。外殻から引き出された収容本体部15は、水平スタッキング状態のリッド17が、上方の開放部から補給可能となる。リッド17の補給された収容本体部15は、外殻に差し戻されることにより、上方開放部分が閉じられて外部に開放されなくなる。
【0016】
本発明の請求項6記載の飲物用什器79は、請求項1~5のいずれか1つに記載のリッド用ディスペンサー11が備えられる飲物用什器79であって、
什器本体には、異なる外径のリッド17が取り出しできるように、前記取出口67の径が異なる前記取出口プレート47を前記収容本体部15に装着した複数の前記リッド用ディスペンサー11が備えられるとともに、飲料に使用する調味料等を収容する調味料収納部83と、紙ナプキン93やおしぼりを収容する紙類収容部97と、ストローやマドラー85を収容する長尺体収容部81と、のいずれかまたは全部がさらに備えられることを特徴とする。
【0017】
この飲物用什器79では、複数のリッド用ディスペンサー11のそれぞれが、引出し構造とすることにより、引き出した収容本体部15の上方から水平スタッキング状態のリッド17を容易に補給できる。これらのリッド用ディスペンサー11は、収容本体部15が共通なので、任意の位置のものと入れ替えが可能となる。つまり、陳列品の位置を容易に変更ができるようになる。
また、什器本体の区割りされたそれぞれの収容空間においても、リッド用ディスペンサー11と同様の引出し構造を採用することにより、調味料収納部83、紙類収容部97、長尺体収容部81への各消耗品の補給が容易に行えるようになるとともに、収容位置の入れ替えも容易にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る請求項1記載のリッド用ディスペンサーによれば、リッドを、簡易な構造で一つずつ取り出しやすくできるとともに、衛生的に収容でき、しかも、容易に補給することができる。
【0019】
本発明に係る請求項2記載のリッド用ディスペンサーによれば、リッドに対する指の掛かり具合を良好とし、取り出しやすさを向上させる。
【0020】
本発明に係る請求項3記載のリッド用ディスペンサーによれば、異なるサイズのリッドに容易に対応が可能となり、汎用性を向上させることができる。また、劣化や損傷などの際に、容易に交換が可能となる。
【0021】
本発明に係る請求項4記載のリッド用ディスペンサーによれば、リッドをより衛生的に収容できるとともに、内容物であるリッドの種類をより分かりやすくできる。
【0022】
本発明に係る請求項5記載のリッド用ディスペンサーによれば、収容本体部を引き出して水平スタッキング状態のリッドを収容本体部の上方から且つ後方から容易に横置きして補給できる。
【0023】
本発明に係る請求項6記載の飲物用什器によれば、異なるリッドを収容しているリッド用ディスペンサーを、リッドごと任意の位置に入れ替えできる。また、取出口プレートを交換すれば、所望サイズのリッドを他のサイズよりも多く収容することもできる。さらに、提供飲料ごとに異なる消耗品を、什器本体の区割りされたそれぞれの収容空間に収容することで、省スペース化を図りつつ、補給管理等を容易としながら、利便性を高め、ユーザーごとのきめ細かな要求に対応できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係るリッド用ディスペンサーの分解斜視図である。
図2】(a)はリッドの概略斜視図、(b)は収容本体部の側断面図である。
図3】収容本体部の分解斜視図である。
図4】取出口プレートの正面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6図4のB-B断面図である。
図7】水平スタッキング状態から最前のリッドが取り出される状態を表した収容本体部の要部側断面図である。
図8】(a)は形状の異なるリッドの概略斜視図、(b)は(a)のリッドが水平スタッキング状態で収容された収容本体部の側断面図である。
図9】凹部の位置が異なる取出口プレートのバリエーションを(a)~(d)に示した説明図である。
図10】飲物用什器の外観斜視図である。
図11図10に示した飲物用什器の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るリッド用ディスペンサー11の分解斜視図である。
本実施形態に係るリッド用ディスペンサー11は、外殻としての筐体13と、収容本体部15と、を有する。収容本体部15は、直立姿勢のリッド17が複数枚重ねられた水平スタッキング状態で収容され、上面板19と、付勢手段21と、扉23と、を有する。本実施形態に係るリッド用ディスペンサー11は、一側面が開口部25(図3参照)となる収容本体部15に、リッド17が収容され、その収容されたリッド17が一つずつ取り出されるものである。
【0026】
筐体13は、一対の側板27の上端に、天板29が設けられ、一対の側板27の間が側板27と平行な縦仕切板31により例えば左右に二分割されるとともに、側板27と縦仕切板31とに渡って設けられる棚板33により上下がさらに複数に分割される。これにより、筐体13は、区割りされた複数の収容空間を備えている。収容本体部15は、別体に形成されたこの筐体13の収容空間に、それぞれ抜き差し自在となって収納される。筐体13は、後述する飲物用什器の什器本体であってもよい。
【0027】
図2(a)はリッド17の概略斜視図、(b)は収容本体部15の側断面図である。
リッド17は、可撓性を有する薄肉素材で形成される。リッド17の薄肉素材は、ホット用が、PS樹脂( ポリスチレン) など、アイス用がPET(ポリエチレンテレフタレート)などとすることができる。リッド17は、一例としてホット用、アイス用及びスムージー用があり、これらがレギュラーサイズと、ラージサイズとの各サイズ等で、例えば合計6種類ある。
【0028】
リッド17は、円形に形成される円板部35の周縁から垂下する環状嵌合部37を有し、飲料用容器の上端に形成された開口の外周に、環状嵌合部37の内周面を外嵌させることにより、飲料用容器に内容液を入れた状態で持ち運ぶ際等に、外部に内容液が漏れ出ることを抑制する。
【0029】
ホット用のリッド17は、呑み口穴(図示略)が形成される、環状嵌合部37は、嵌合側に向かって拡径した略円錐台形で形成される。ここで、「略円錐台形」とは、環状嵌合部37の輪郭が「円錐台形」であれば、外周面39に凹凸が存在している場合も含む意である。このことから、環状嵌合部37は、略円錐台形部と称することもできる。ホット用のリッド17は、略円錐台形部が2段になって形成される。一方、アイス用のリッド17は、略円錐台形部が1段で形成される。
【0030】
収容本体部15は、上方の開放された箱状に形成される。収容本体部15は、リッド17のスタッキング方向に長い長方形の底板41を有し、底板41の一対の長辺部から一対の平行な側壁43が起立し、底板41の一方(後方)の短辺部からは奥壁45が起立する。底板41の他方(前方)の短辺部は、壁部が不在となることにより開口部25となり、収容本体部15の一側面を開放している。
【0031】
収容本体部15の開口部25には、取出口プレート47が着脱自在に設けられる。また、収容本体部15の開口部25となる一側面には、取出口プレート47のリッド取出側に、透明板からなる扉23が開閉自在に設けられる。扉23は、垂直方向に配置されて一側面を覆う四角形の板で形成される。扉23は、本実施形態では、上辺部が、収容本体部15における左右一対の側壁43に渡って設けられた上面板19の前縁に、蝶番49を介して開閉自在に取り付けられる。これにより、扉23は、通常状態において、重力により自重で一側面を塞ぐ位置に配置され、下部表面に設けられた摘み部51を摘んで上方へ開かれるようになっている(図10参照)。
【0032】
この扉23には、飲料用容器の内容物である商品を明示する標示部が備えられている。標示部は、例えば扉23の上部に貼られる表示シール53とすることができる。この他、標示部は、購入内容に合うリッド17の写真、絵、文字などとすることができ、扉23の所望の位置に所望の形状にて設けられる。また、標示部は、飲料用容器(カップ)の色と合わせたカラーマークなどとしてもよい。
【0033】
図3は、収容本体部15の分解斜視図である。
収容本体部15は、左右一対の側壁43における前部が、他の部分よりも段差を有して高く起立した起立壁55となって形成される。収容本体部15は、この左右一対の起立壁55に渡って上面板19が取り付けられる。上面板19は、左右両側に形成された係止爪57を、起立壁55の上端に形成された係止溝59に係止することで、着脱自在となって起立壁55に取り付けられる。また、この上面板19の前縁には、蝶番49の構成部となる蝶番取付部61が設けられている。
【0034】
収容本体部15の底板41には、底板41の長手方向に渡って案内溝63が形成される。案内溝63は、左右一対の側壁43に挟まれ、底板41に起立して配置された押し板65の移動を、底板41の長手方向で案内する。押し板65は、付勢手段21を構成し、この押し板65の奥壁45に対向する面には、押圧装置(不図示)が取り付けられている。なお、押し板65は、収容される商品の大きさに応じ例えば大小異なる2種のサイズが備えられていてもよい。
【0035】
付勢手段21を構成する押圧装置は、板ばねを備える。押し板65は、底板41に水平スタッキング状態で収容されたリッド17の最後部と当接し、押圧装置の板ばねの付勢力によりリッド17の全体を前方である開口部25の方向へと加圧する。板ばねは、巻きぐせが付けられた渦巻状の板ばねとすることができ、渦巻部分である巻回部が押し板65の背面側に配されるとともに、その一端部が底板41のばね固定部(不図示)に固定される。
【0036】
押し板65は、後方へ移動されて、巻回部から板ばねが引き出されると、板ばねに巻き方向の弾性復元力が蓄積され、押し板65を前方である開口部25の方向へと移動させることができる。これにより、押し板65は、開口部25に向けてリッド17を加圧することができる。付勢手段21の設けられた収容本体部15は、補充の際、収容本体部15が筐体13から引き出され、ばね力に抗して押し板65を後方へ押しやり、空間を作って、そこへリッド17の束を入れる。
【0037】
取出口プレート47は、開口部25に設けられてリッド17が通過可能な略円形の取出口67を有する。取出口プレート47は、ほぼ正方形の樹脂板等で形成され、一対の対角線の交点を中心とした取出口67が形成されている。取出口プレート47の各辺部には、収容本体部15に取り付けるための複数(例えば4つ)の係合片69が突出している。取出口プレート47は、それぞれの係合片69が、底板41、起立壁55及び上面板19に形成された係合スリット71に係合することで、開口部25に着脱自在に取り付けられる。
【0038】
取出口プレート47は、同一位置で係合片69を有した同一外形状で、取出口67の形状が異なる複数種類のものを揃えることにより、異なる形状のリッド17に対応できるようになっている。リッド17は、上述のように、ホット用で略円錐台形部が2段となり、アイス用で略円錐台形部が1段となる。すなわち、リッド17は、厚みが異なる種類がある。そのため、取出口プレート47は、係合スリット71がリッド17の厚み方向に異なる複数箇所で形成され、異なる厚みのリッド17に対応して取り付けできるようになされている。
【0039】
図4は、取出口プレート47の正面図である。
取出口プレート47に形成される取出口67は、リッド17の環状嵌合部37における最外直径Dより大きい内径Dp(図5参照)を有してリッド17を通過可能とする通過部73を備える。また、取出口67は、リッド17の最外直径Dより先端縁が小さい内径Ds(図6参照)で形成され、環状嵌合部37の外周面39に当接して環状嵌合部37を半径方向内側に撓ませる抑え片75を備える。
【0040】
これら通過部73及び抑え片75は、それぞれ複数が、取出口67の周方向に交互に配置される。本実施形態では、それぞれが等間隔に等幅で形成され、4つずつが交互となる。4つの通過部73のうち例えば1つには、指Fが差し込まれる半円形状の凹部77が形成されている。
【0041】
図5は、図4のA-A断面図である。
取出口プレート47は、通過部73が、リッド17の最外直径Dより大きい内径Dpを有しているので、リッド17の最外直径Dと、通過部73との間に、隙間Pが存在する。これにより、通過部73は、リッド17の通過を許容する。
【0042】
図6は、図4のB-B断面図である。
一方、取出口プレート47は、抑え片75が、リッド17の最外直径Dより先端縁が小さい内径Dsを有する。このため、取出口プレート47は、リッド17の最外直径Dを、半径方向内側に撓ませる。
この撓み量(D-Ds)は、リッド17の抑え代S(D-Ds=S)となる。これにより、抑え片75は、リッド17の通過を所定の挟持力で規制することができる。つまり、抑え片75は、最前のリッド17を、押し板65の付勢力に抗して取出口67で保持することができる。
【0043】
抑え代を得るための抑え片75の内径Ds、リッド17の最外直径D、通過部73の内径Dpは、Ds<D<Dpとなる。より具体的には、一例としてD=70~95mm程度の場合、Ds=D-2mm程度、Dp=D+1mm程度とすることができる。
【0044】
図7は、水平スタッキング状態から最前のリッド17が取り出される状態を表した収容本体部15の要部側断面図である。
このようにして、抑え片75により環状嵌合部37が取出口67に保持された最前のリッド17は、扉23を一方の手(例えば左手)で手前上方向に開き、他方の手(例えば右手)でリッド17を取り出す。この際、リッド17は、環状嵌合部37の外周が手指により長径方向の両側から摘まれ、手前に引き抜くことで、環状嵌合部37を弾性変形させて、取出口67から取り出すことが可能となる。このとき、凹部77に指Fが差し込まれることでリッド17の環状嵌合部37をより摘みやすくなり、例えば上記他方の手が右手である場合には、人差し指が差し込まれ、この人差し指と親指とでリッド17を両側から摘むことが可能となり、人差し指のリッド17への掛かり具合が良好となる。最前のリッド17が取り出されると、押し板65に押された水平スタッキング状態のリッド17は、取り出された背部のリッド17が最前となって、同様の作用により取出口67に保持されることになる。
【0045】
図8(a)は形状の異なるリッド17の概略斜視図、(b)は(a)のリッド17が水平スタッキング状態で収容された収容本体部15の側断面図である。
上述のリッドは、略円錐台形部が2段になって形成されるホット用のリッド17を例示して説明したが、リッドは、図8(a)に示すように、略円錐台形部が1段で形成されるアイス用のリッド17であってもよい。
【0046】
アイス用のリッド17は、環状嵌合部37の開放側が最外直径Dとなり、円板部35の外径が最外直径Dよりも小径となる。このため、アイス用のリッド17は、最前のリッド17の最外直径Dの内側に、次のリッド17の円板部35が若干量進入して重ねられる。以下同様に、前側のリッド17に次のリッド17の円板部35が若干量進入し、最奥のリッド17までが順次に重ねられて水平スタッキング状態となる。
【0047】
このアイス用のリッド17の場合においても、水平スタッキング状態で収容本体部15に収容されたリッド17は、取出口プレート47の抑え片75により環状嵌合部37が取出口67に保持され、最前のリッド17における環状嵌合部37が手指により摘まれ、手前に引き抜くことで、取出口67から取り出すことが可能となる。
【0048】
図9は、凹部77の位置が異なる取出口プレート47のバリエーションを(a)~(d)に示した説明図である。
取出口プレート47の凹部77は、図4に示したように、正面視で右上の通過部73に形成されることを一例としたが、図9(a)に示すように、左右勝手を考慮して左上の通過部73に形成されてもよい。また、図9(b)に示すように、凹部77は、上側左右の通過部73に形成することにより、利き手を問わないユニバーサルデザインとしてもよい。また、図9(c)に示すように、凹部77は、左下の通過部73に形成してもよい。さらに、図9(d)に示すように、凹部77は、右上の通過部73及び左下の通過部73や、図示は省略するがその逆の左上の通過部73及び右下の通過部73に形成されてもよい。いずれも、凹部77を形成することで、指Fの差し込み可能な個所を得ることができ、指Fが差し込まれることが可能となることで、リッド17の取り出しを、より確実に、より容易なものとすることができる。
【0049】
なお、指掛け用の凹部77は、斜め位置、例えば45度の位置となる。凹部77の位置は、リッド17の取り出し時、手の向きが自然に、ほぼその角度になることから。水平位置(左右真横)や垂直位置(上下位置)よりも、上述したように各指を入れやすくすることができる。さらに、この凹部77を設けないこととしてもよく、例えば上記したホット用のリッド17等であれば略円錐台形部が2段になって形成されることから、取出口67から突出しており、この突出部分にて指Fを掛けて取り出すことが可能となる。
【0050】
図10は、飲物用什器79の外観斜視図である。
本実施形態に係る飲物用什器79は、什器本体を備える。什器本体の外殻は、上述の筐体13である。筐体13は、上部の収容空間が、縦仕切板31により左右2列に分けられ、棚板33により上下3段の合計6つに区割りされている。この6つの収容空間には、6種類のリッド17を収容したリッド用ディスペンサー11が差し入れられる。
【0051】
6種類のリッド用ディスペンサー11は、一例として大サイズの押し板65を備えてホットL用の取出口プレート47を装着したもの、小サイズの押し板65を備えてホットM用の取出口プレート47を装着したもの、小サイズの押し板65を備えてホットS用の取出口プレート47を装着したもの、大サイズの押し板65を備えてフラッペ用の取出口プレート47を装着したもの、大サイズの押し板65を備えてアイス用の取出口プレート47を装着したもの、大サイズの押し板65を備えてストローレス用の取出口プレート47を装着したもの等が挙げられる。
【0052】
筐体13は、リッド用ディスペンサー11を備えた6つの収容空間に加え、その下方がさらに6つの収容空間に区割りされている。この6つの収容空間には、他の引き出し構造の長尺体収容部81や調味料収納部83が収容される。長尺体収容部81には、マドラー85やスティックシュガー87が収容される。調味料収納部83には、ミルク、ガムシロップ等のポーション89が収容される。さらに、筐体13は、天板29の上面に、ストローを収容する長尺体収容部91、紙ナプキン93やおしぼり、スリーブ95を収容する紙類収容部97が載置される。飲物用什器79は、これらリッド用ディスペンサー11、長尺体収容部81、長尺体収容部91、調味料収納部83、紙類収容部97のいずれかまたは全部を備えることができる。
【0053】
図11は、図10に示した飲物用什器79の分解斜視図である。
より具体的には、飲物用什器79は、リッド用ディスペンサー11の下方に、6つの共通トレー99が差し入れられる。共通トレー99には、フレーバー用仕切り101、前後仕切り103、ポーション用ころび止め105が適宜取り付けられる。また、天板29には、ストロー用ストック107、紙ナプキン用ディスペンサー109、スリーブ用ストック111が載置される。
【0054】
次に、上記した構成の作用を説明する。
【0055】
本実施形態に係るリッド用ディスペンサー11では、各リッド17が、直立状態となって水平方向に重ねられた水平スタッキング状態で、収容本体部15に収容される。リッド17は、水平スタッキング状態で収容されることにより、収容本体部15を引き出した際の視認性を向上させることができる。収容されたリッド17は、最奥のリッド17が、付勢手段21により収容本体部15の開口部25へ向けて付勢される。水平スタッキング状態のリッド17は、最奥のリッド17が付勢されることにより、最前のリッド17が、開口部25に設けられた取出口プレート47の取出口67に押し付けられる。
【0056】
取出口67に押し付けられたリッド17は、リッド17の最外直径Dより小さい内径Dsで形成されている抑え片75に、環状嵌合部37の外周面39が当接する。抑え片75に外周面39が当接したリッド17は、環状嵌合部37が半径方向内側に撓む。環状嵌合部37が抑え片75により撓められたリッド17は、取出口67を通過可能な通過部73において、抑え片75との摩擦により通過が規制され、取出口67で一部分を取り出し側に突出した状態で保持される。
【0057】
リッド17は、可撓性を有する薄肉素材で形成されているので、弾性を有し、突出した部分を手指で手前側に引っ張ると、環状嵌合部37がさらに半径方向内側へ撓んだ後、抑え片75を通過して取出口67から取り出される。水平スタッキング状態のリッド17は、最前のリッド17が取り出されることにより、次のリッド17が付勢手段21により最前に押し出され、上記と同様の作用により、取出口67で一部分を突出して保持される。この動作が繰り返されることにより、水平スタッキング状態となったリッド17は、全てが一つずつ取り出されることになる。
【0058】
このリッド用ディスペンサー11では、取出口67に、通過部73と抑え片75とを備えた取出口プレート47と、付勢手段21とを収容本体部15に設けるのみの簡素な構造で、水平スタッキング状態のリッド17を一つずつ容易に取り出しできるようになる。
【0059】
また、リッド用ディスペンサー11は、水平スタッキング状態のリッド17が、収容本体部15に横置きされ、外部には、最前のリッド17における外表面の一部分のみが表出する。利用者は、表出した一部分を摘んでリッド17を取り出すので、手指が他のリッド17に触れることがない。すなわち、水平スタッキング状態のリッド17は、最前以外のものが外部に晒されることがない。さらに、一旦取り出したリッド17を取出口67に戻すことは、環状嵌合部37の開放縁が当たる抑え片75が障害となって困難となる。つまり、水平スタッキング状態のリッド17は、収容本体部15の内方で常に衛生的な収容が可能となる。
【0060】
また、収容本体部15は、水平スタッキング状態のリッド17を横置きして収容するので、例えば数の少なくなったリッド17に、補給を行う場合、古いリッド17の後方に、新しいリッド17を水平スタッキング状態で簡単に補給することができる。これにより、古いリッド17から出していく「先入れ先出し」を簡単に行え、リッド17が長期滞留することによる劣化を防ぐこともできる。
【0061】
また、このリッド用ディスペンサー11では、取出口プレート47が、収容本体部15の開口部25に、着脱自在に設けられる。このため、取出口プレート47は、開口部25に対するプレート取付形状を同一とする一方、取出口67の形状を異なるものとした複数種類のものを用意できるようになる。これにより、収容本体部15は、取出口プレート47を交換するのみで、環状嵌合部37の最外直径Dが異なるリッド17の取り出しに対応できるようになる。その結果、異なるサイズのリッド17に容易に対応が可能となり、汎用性を向上させることができる。また、着脱が容易であることから、劣化や損傷が起きた際には簡単に新たな取出口プレート47に交換が可能である。
【0062】
また、このリッド用ディスペンサー11では、収容本体部15の一側面に、透明板からなる扉23が、開閉自在に取り付けられる。扉23は、取出口プレート47のリッド取出側となる位置で、取出口67から突出したリッド17を覆うことができる。これにより、最前のリッド17は、直接外部に晒されなくなる。
【0063】
また、扉23は、透明板からなるので、取出口67に保持される最前のリッド17を透視できるとともに、その近傍、或いは、リッド17に重ねて、飲料用容器の内容物である商品を明示する標示部を配置できる。これにより、購入した商品とリッド17とを関連づけして、選択しやすくできる。その結果、リッド17をより衛生的に収容できるとともに、リッド17の種類をより分かりやすくできる。
【0064】
さらに、このリッド用ディスペンサー11では、収容本体部15が、上方が開放された箱状に形成される。収容本体部15は、外殻(筐体13)に、抜き差し自在となって収納される。つまり、収容本体部15は、引出し構造となる。外殻(筐体13)から引き出された収容本体部15は、水平スタッキング状態のリッド17が、上方の開放部から補給可能となる。リッド17の補給された収容本体部15は、外殻(筐体13)に差し戻されることにより、開放部が閉じられて外部に開放されなくなる。その結果、収容本体部15を引き出して水平スタッキング状態のリッド17を収容本体部15の上方から容易に横置きして補給できる。
【0065】
なお、外殻は、一つの収容本体部15を抜き差し自在とする単一の収容空間有するものであってもよく、区割りされた複数の収容空間を有して複数の収容本体部15を抜き差し自在とするものであってもよい。
【0066】
本実施形態に係る飲物用什器79では、複数のリッド用ディスペンサー11のそれぞれが、引出し構造となることにより、引き出した収容本体部15の上方から水平スタッキング状態のリッド17を容易に補給できる。これらのリッド用ディスペンサー11は、収容本体部15が共通なので、任意の位置のもと入れ替えが可能となる。つまり、陳列品の位置を容易に変更ができるようになる。
【0067】
また、什器本体の区割りされたそれぞれの収容空間においても、リッド用ディスペンサー11と同様の引出し構造を採用することにより、調味料収納部83、紙類収容部97、長尺体収容部81への各消耗品の補給が容易に行えるようになるとともに。収容位置の入れ替えも容易にすることができる。そして、飲物用什器79は、整理棚のように陳列品を立体的に配置できるので、省スペースで多品種を視認しやすく置くことができる。
【0068】
従って、本実施形態に係るリッド用ディスペンサー11によれば、リッド17を、簡易な構造で一つずつ取り出しやすくできるとともに、衛生的に収容でき、しかも、容易に補給することができる。
【0069】
本実施形態に係る飲物用什器79によれば、異なるリッド17を収容しているリッド用ディスペンサー11を、リッド17ごと任意の位置に入れ替えできる。また、取出口プレート47を交換すれば、所望サイズのリッド17を他のサイズよりも多く収容することもできる。さらに、提供飲料ごとに異なる消耗品を、什器本体の区割りされたそれぞれの収容空間に収容することで、省スペース化を図りつつ、補給管理等を容易としながら、利便性を高め、ユーザーごとのきめ細かな要求にも対応できるようになる。
【符号の説明】
【0070】
11…リッド用ディスペンサー
13…外殻(筐体(什器本体))
15…収容本体部
17…リッド
21…付勢手段
23…扉
25…開口部
37…環状嵌合部
39…外周面
47…取出口プレート
67…取出口
73…通過部
75…抑え片
77…凹部
79…飲物用什器
81…長尺体収容部
83…調味料収納部
85…マドラー
93…紙ナプキン
97…紙類収容部
F…指
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図11