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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144871
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】紙製トレー
(51)【国際特許分類】
B65D 5/56 20060101AFI20231003BHJP
B65D 21/02 20060101ALI20231003BHJP
【ＦＩ】
B65D5/56 A
B65D21/02 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2022052051
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂本 果穂
(72)【発明者】
【氏名】矢島 俊輔
【テーマコード（参考）】
3E006
3E060
【Ｆターム（参考）】
3E006AA01
3E006BA02
3E006CA02
3E006CA03
3E006DA10
3E006DB10
3E060AA07
3E060AB12
3E060BB01
3E060BB02
3E060BC01
3E060DA07
3E060DA11
3E060DA20
3E060DA21
3E060DA30
(57)【要約】
【課題】紙容器において、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供。
【解決手段】トレー本体を、左右２枚の側面パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は９０°＜β≦１５０°、０．５°≦α≦５°を満足させるものであり、底面の４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、側面パネルの上辺端部Ａとが接するか、あるいは側面パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、０ｍｍ≦上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ≦５ｍｍであることを特徴とする、紙製トレー。
【選択図】図１
【解決手段】トレー本体を、左右２枚の側面パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は９０°＜β≦１５０°、０．５°≦α≦５°を満足させるものであり、底面の４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、側面パネルの上辺端部Ａとが接するか、あるいは側面パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、０ｍｍ≦上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ≦５ｍｍであることを特徴とする、紙製トレー。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器として用いることのできる、紙製トレーであって、
紙製トレーは紙を主材料としたトレー本体と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとから構成され、
トレー本体は、枠形状のフランジ、４枚の側面パネル、及び矩形の底面から形成されており、
トレー内側のライナーは、組み立てられたトレー本体の内側の面に沿って成形されて積層されており、
トレー内側のライナーはその周縁部で、枠形状のフランジの表側の面全体に接着しており、フランジ以外の部分では、トレー本体の内側の面の一部に接着して、紙製トレーが形成されており、
形成された紙トレーの、矩形の底面と、側面パネルとで形成された凹みに、内容物を収納可能であり、
組み立てられたトレー本体を上方から見たとき、
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、矩形の底面が可視であり、
４枚の側面パネルは、枠形状のフランジの上辺からトレー内側に向けて連続するトップパネル、枠形状のフランジの下辺からトレー内側に向けて連続するエンドパネルであり、
また、枠形状のフランジの左辺からトレー内側に向けて連続する左パネル、枠形状のフランジの右辺からトレー内側に向けて連続する右パネルの４枚であって、
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあり、
矩形の底面は、枠形状のフランジの内側のエッジより内側に形成されており、
矩形の底面は４枚の側面パネルのうちの、複数から連接されたものであり、複数が部分的に重なって形成されており、
４枚の側面パネルのうち、トップパネル及びエンドパネルの２枚は、同形状で上下から対向して設けられ、
これら２枚の形状は台形であって、フランジの上辺及び下辺の内側のエッジを台形の下辺として、矩形の底面の上辺及び下辺を台形の上辺とするものであり、
これらトップパネル及びエンドパネルの２枚は、フランジの上辺及び下辺から連続して、形成されるか、もしくはフランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
また、４枚の側面パネルのうち、左パネル及び右パネルの２枚は、同形状で左右から対向して設けられ、
これら２枚の形状は、枠形状のフランジの左辺及び右辺の内側のエッジ、もしくはその延長部分までを含んで下辺として、矩形の底面の左辺及び右辺もしくはその延長部分までを含んで上辺として、それらの端部同士を結ぶ斜辺で囲まれた形状であって、
これら左パネル及び右パネルの２枚は、フランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
左パネル及び右パネルの２枚は、トップパネル、およびエンドパネルの斜辺に接して組み立てられており、
トレー本体を、左パネル及び右パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、左パネル及び右パネルの上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、紙製トレーを組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面
の４隅で近接し、
この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、
その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることを特徴とする、紙製トレー。
紙製トレーは紙を主材料としたトレー本体と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとから構成され、
トレー本体は、枠形状のフランジ、４枚の側面パネル、及び矩形の底面から形成されており、
トレー内側のライナーは、組み立てられたトレー本体の内側の面に沿って成形されて積層されており、
トレー内側のライナーはその周縁部で、枠形状のフランジの表側の面全体に接着しており、フランジ以外の部分では、トレー本体の内側の面の一部に接着して、紙製トレーが形成されており、
形成された紙トレーの、矩形の底面と、側面パネルとで形成された凹みに、内容物を収納可能であり、
組み立てられたトレー本体を上方から見たとき、
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、矩形の底面が可視であり、
４枚の側面パネルは、枠形状のフランジの上辺からトレー内側に向けて連続するトップパネル、枠形状のフランジの下辺からトレー内側に向けて連続するエンドパネルであり、
また、枠形状のフランジの左辺からトレー内側に向けて連続する左パネル、枠形状のフランジの右辺からトレー内側に向けて連続する右パネルの４枚であって、
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあり、
矩形の底面は、枠形状のフランジの内側のエッジより内側に形成されており、
矩形の底面は４枚の側面パネルのうちの、複数から連接されたものであり、複数が部分的に重なって形成されており、
４枚の側面パネルのうち、トップパネル及びエンドパネルの２枚は、同形状で上下から対向して設けられ、
これら２枚の形状は台形であって、フランジの上辺及び下辺の内側のエッジを台形の下辺として、矩形の底面の上辺及び下辺を台形の上辺とするものであり、
これらトップパネル及びエンドパネルの２枚は、フランジの上辺及び下辺から連続して、形成されるか、もしくはフランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
また、４枚の側面パネルのうち、左パネル及び右パネルの２枚は、同形状で左右から対向して設けられ、
これら２枚の形状は、枠形状のフランジの左辺及び右辺の内側のエッジ、もしくはその延長部分までを含んで下辺として、矩形の底面の左辺及び右辺もしくはその延長部分までを含んで上辺として、それらの端部同士を結ぶ斜辺で囲まれた形状であって、
これら左パネル及び右パネルの２枚は、フランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
左パネル及び右パネルの２枚は、トップパネル、およびエンドパネルの斜辺に接して組み立てられており、
トレー本体を、左パネル及び右パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、左パネル及び右パネルの上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、紙製トレーを組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面
の４隅で近接し、
この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、
その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることを特徴とする、紙製トレー。
【請求項2】
前記４枚の側面パネルのうち、前記左パネル、及び前記右パネルはその形状について、それらの斜辺が、曲線もしくは折れ線で形成されていることを特徴とする、請求項１に記載の紙製トレー。
【請求項3】
前記紙を主材料としたトレー本体の、紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２であることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の紙製トレー。
【請求項4】
前記ライナーは、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材と接着する層を有する積層体であって、蓋部材を接着して紙製トレーを覆って密封することができ、
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることを特徴とする、請求項１～請求項３のいずれかに記載の紙製トレー。
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることを特徴とする、請求項１～請求項３のいずれかに記載の紙製トレー。
【請求項5】
前記ライナーは、積層体中に、ガスバリア層を含んでなることを特徴とする、請求項１～請求項４のいずれかに記載の紙製トレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製トレーに係るものである。特に板紙を基材としたブランクを用いて形成され、内側にはプラスチックフィルムからなるライナー材を有して一体に成形された、紙製トレーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装容器は、内容物を携帯、輸送したり、また保護したりする目的で用いられてきた。その歴史は古く、ガラス瓶や金属、あるいは陶器製のものが使われてきた。また包装容器のうち液体容器を例にとれば、１９６０年代になって、紙への液体の浸透性を低くする技術が進み、１９７０年代になってさらに浸透性を小さくした紙パックが開発され、アルコール飲料等にも用いられるようになり、スーパーやコンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。
【0003】
紙容器が広範に用いられるようになった背景には、紙容器にはたとえば下記のような特徴、利便性があることがあげられる。
・軽量であり、折りたたみも可能で輸送コストが少ない。
・表面に各種印刷が可能であり、意匠性向上、内容物に関する情報表示が容易である。
・耐衝撃性を有し、持ち運びにも便利である。
・植物もしくは木材由来の素材であり、廃棄に際して減容性、焼却性に優れ、環境適合型である。
・軽量であり、折りたたみも可能で輸送コストが少ない。
・表面に各種印刷が可能であり、意匠性向上、内容物に関する情報表示が容易である。
・耐衝撃性を有し、持ち運びにも便利である。
・植物もしくは木材由来の素材であり、廃棄に際して減容性、焼却性に優れ、環境適合型である。
【0004】
一方で、紙容器として、要求品質も内容物や用途に対応して多岐にわたっており、たとえば、下記のような機能が求められている。
・内容物が液体の場合でも、液漏れがしない。
・微生物からの保護、密封性に優れる。
・保存性の向上を目的とした、遮光性、ガスバリア性を有する。
・内容物の外力からの保護を目的とした、剛性や強靭性を有する。
などである。
・内容物が液体の場合でも、液漏れがしない。
・微生物からの保護、密封性に優れる。
・保存性の向上を目的とした、遮光性、ガスバリア性を有する。
・内容物の外力からの保護を目的とした、剛性や強靭性を有する。
などである。
【0005】
また紙容器は、スーパーマーケットや、コンビニエンスストアなどの小売りの場面で、例えば食品の包装材料として紙トレーなどとしても使用されている。その形態はさまざまであるが、紙を基材としていることから、上記のように価格面などのメリットのほか、環境適合型の包装材料として、広く使われている。
【0006】
実際に内容物によってさまざまな機能を付加したり、形態が可能であり、紙トレーを例にとればブランクとして紙基材の表面に熱可塑性樹脂層を設けて、耐水性を付与し、また紙容器の立体の形成に熱可塑性樹脂層のシールを行うこともでき、蓋材をシールしてトレー全体を覆って密封することも行われている。
【0007】
また、紙を基材とするトレーと、プラスチックフィルムからなるライナー材は、容器として使用後に廃棄されるが、その際に分離してリサイクルすることが可能であれば、環境適合型の包装材料としてより望ましい。
【0008】
特許文献１には、紙を主材料としたブランクから、枠形状のフランジ、側面、及び底面からなるトレー形状を組み立て、熱可塑性樹脂からなる内部保護フィルムとの複合体でトレー形状を形成した紙容器およびその製造方法が示されているが、側面、底面は成り行きで成形されるものであって、また内部保護フィルムは、紙容器に仮止めしているだけの構
成であるため、容器としての強度は非常に弱く、実用上の難点とされているものであった。
成であるため、容器としての強度は非常に弱く、実用上の難点とされているものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第４３０５９８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、紙を主材料としたブランクから外側のトレー本体を組み立て、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとの複合体で紙製トレーを形成し、トレーの使用後にはトレー本体とライナーが分離可能である紙容器において、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、
容器として用いることのできる、紙製トレーであって、
紙製トレーは紙を主材料としたトレー本体と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとから構成され、
トレー本体は、枠形状のフランジ、４枚の側面パネル、及び矩形の底面から形成されており、
トレー内側のライナーは、組み立てられたトレー本体の内側の面に沿って成形されて積層されており、
トレー内側のライナーはその周縁部で、枠形状のフランジの表側の面全体に接着しており、フランジ以外の部分では、トレー本体の内側の面の一部に接着して、紙製トレーが形成されており、
形成された紙トレーの、矩形の底面と、側面パネルとで形成された凹みに、内容物を収納可能であり、
組み立てられたトレー本体を上方から見たとき、
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、矩形の底面が可視であり、
４枚の側面パネルは、枠形状のフランジの上辺からトレー内側に向けて連続するトップパネル、枠形状のフランジの下辺からトレー内側に向けて連続するエンドパネルであり、
また、枠形状のフランジの左辺からトレー内側に向けて連続する左パネル、枠形状のフランジの右辺からトレー内側に向けて連続する右パネルの計４枚であって、
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあり、
矩形の底面は、枠形状のフランジの内側のエッジより内側に形成されており、
矩形の底面は４枚の側面パネルのうちの、複数から連接されたものであり、複数が部分的に重なって形成されており、
４枚の側面パネルのうち、トップパネル及びエンドパネルの２枚は、同形状で上下から対向して設けられ、
これら２枚の形状は台形であって、フランジの上辺及び下辺の内側のエッジを台形の下辺として、矩形の底面の上辺及び下辺を台形の上辺とするものであり、
これらトップパネル及びエンドパネルの２枚は、フランジの上辺及び下辺から連続して、形成されるか、もしくはフランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
また、４枚の側面パネルのうち、左パネル及び右パネルの２枚は、同形状で左右から対向して設けられ、
これら２枚の形状は、枠形状のフランジの左辺及び右辺の内側のエッジ、もしくはその延長部分までを含んで下辺として、矩形の底面の左辺及び右辺もしくはその延長部分までを含んで上辺として、それらの端部同士を結ぶ斜辺で囲まれた形状であって、
これら左パネル及び右パネルの２枚は、フランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
左パネル及び右パネルの２枚は、トップパネル、およびエンドパネルの斜辺に接して組み立てられており、
トレー本体を、左パネル及び右パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、左パネル及び右パネルの上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、トレー本体を組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面の４隅で近接し、
この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、
その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることを特徴とする、紙製トレーである。
容器として用いることのできる、紙製トレーであって、
紙製トレーは紙を主材料としたトレー本体と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとから構成され、
トレー本体は、枠形状のフランジ、４枚の側面パネル、及び矩形の底面から形成されており、
トレー内側のライナーは、組み立てられたトレー本体の内側の面に沿って成形されて積層されており、
トレー内側のライナーはその周縁部で、枠形状のフランジの表側の面全体に接着しており、フランジ以外の部分では、トレー本体の内側の面の一部に接着して、紙製トレーが形成されており、
形成された紙トレーの、矩形の底面と、側面パネルとで形成された凹みに、内容物を収納可能であり、
組み立てられたトレー本体を上方から見たとき、
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、矩形の底面が可視であり、
４枚の側面パネルは、枠形状のフランジの上辺からトレー内側に向けて連続するトップパネル、枠形状のフランジの下辺からトレー内側に向けて連続するエンドパネルであり、
また、枠形状のフランジの左辺からトレー内側に向けて連続する左パネル、枠形状のフランジの右辺からトレー内側に向けて連続する右パネルの計４枚であって、
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあり、
矩形の底面は、枠形状のフランジの内側のエッジより内側に形成されており、
矩形の底面は４枚の側面パネルのうちの、複数から連接されたものであり、複数が部分的に重なって形成されており、
４枚の側面パネルのうち、トップパネル及びエンドパネルの２枚は、同形状で上下から対向して設けられ、
これら２枚の形状は台形であって、フランジの上辺及び下辺の内側のエッジを台形の下辺として、矩形の底面の上辺及び下辺を台形の上辺とするものであり、
これらトップパネル及びエンドパネルの２枚は、フランジの上辺及び下辺から連続して、形成されるか、もしくはフランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
また、４枚の側面パネルのうち、左パネル及び右パネルの２枚は、同形状で左右から対向して設けられ、
これら２枚の形状は、枠形状のフランジの左辺及び右辺の内側のエッジ、もしくはその延長部分までを含んで下辺として、矩形の底面の左辺及び右辺もしくはその延長部分までを含んで上辺として、それらの端部同士を結ぶ斜辺で囲まれた形状であって、
これら左パネル及び右パネルの２枚は、フランジとは別部材を、フランジの裏面に糊付けして形成されており、
左パネル及び右パネルの２枚は、トップパネル、およびエンドパネルの斜辺に接して組み立てられており、
トレー本体を、左パネル及び右パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、左パネル及び右パネルの上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、トレー本体を組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面の４隅で近接し、
この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、
その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることを特徴とする、紙製トレーである。
【0012】
また、請求項２に記載の発明は、
前記４枚の側面パネルのうち、前記左パネル、及び前記右パネルはその形状について、それらの斜辺が、曲線もしくは折れ線で形成されていることを特徴とする、請求項１に記載の紙製トレーである。
前記４枚の側面パネルのうち、前記左パネル、及び前記右パネルはその形状について、それらの斜辺が、曲線もしくは折れ線で形成されていることを特徴とする、請求項１に記載の紙製トレーである。
【0013】
また、請求項３に記載の発明は、
前記紙を主材料としたトレー本体の、紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２であることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の紙製トレーである。
前記紙を主材料としたトレー本体の、紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２であることを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の紙製トレーである。
【0014】
また、請求項４に記載の発明は、
前記ライナーは、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材と接着する層を有する積層体であって、蓋部材を接着して紙製トレーを覆って密封することができ、
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることを特徴とする、請求項１～請求項３のいずれかに記載の紙製トレーである。
前記ライナーは、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材と接着する層を有する積層体であって、蓋部材を接着して紙製トレーを覆って密封することができ、
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることを特徴とする、請求項１～請求項３のいずれかに記載の紙製トレーである。
【0015】
また、請求項５に記載の発明は、
前記ライナーは、積層体中に、ガスバリア層を含んでなることを特徴とする、請求項１～請求項４のいずれかに記載の紙製トレーである。
前記ライナーは、積層体中に、ガスバリア層を含んでなることを特徴とする、請求項１～請求項４のいずれかに記載の紙製トレーである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、紙を主材料としたブランクから外側のトレー本体を組み立て、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとの複合体で紙製トレーを形成し、トレー本体とライナーが分離可能である紙容器において、スタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供が可能である。
【0017】
すなわち、紙製トレーは紙を主材料としたトレー本体と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとから構成されることによって、二重容器の構造を持つ容器である。したがって外側のトレー本体でトレーの形態を保持し、機械的強度を保つことができる。またトレー内側に積層されるライナーによって、密封性や耐水性を具備することが可能となり、紙製トレーは、強靭性と機能性を兼ね備えた包装容器とすることができる。
【0018】
トレー内側のライナーはその周縁部で、枠形状のフランジの表側の面全体に接着しており、フランジ以外の部分では、トレーの内側の面の一部で接着して、紙製トレーが形成されていることによって、トレー本体とライナーはフランジで接着して一体化された構造であり、二重容器として積層されており、その一方でトレーの内側の面の一部分で接着していることによって、使用後のトレー本体とライナーの、分離、分別などに際しては、その作業を容易にすることに効果的である。
【0019】
形成された紙トレーの、矩形の底面と、側面パネルとで形成された凹みに、内容物を収納可能であり、これは、紙トレーが包装容器として基本的な形状と機能を有していることを示すものである。
【0020】
また、組み立てられたトレー本体を上方から見たとき、
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、さらに矩形の底面が可視であり、これは、本発明による紙製トレーがスタック可能であることを示すものである。
枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成しており、
枠形状のフランジの内側のエッジに連続して４枚の側面パネルと、さらに矩形の底面が可視であり、これは、本発明による紙製トレーがスタック可能であることを示すものである。
【0021】
４枚の側面パネルは、枠形状のフランジの上辺からトレー内側に向けて連続するトップパネル、枠形状のフランジの下辺からトレー内側に向けて連続するエンドパネルであり、また、枠形状のフランジの左辺からトレー内側に向けて連続する左パネル、枠形状のフランジの右辺からトレー内側に向けて連続する右パネルの計４枚であって、
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあることによって、トレー本体を、平面のブランクから立体の包装容器に組み立てることが可能である。
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面が設けてあることによって、トレー本体を、平面のブランクから立体の包装容器に組み立てることが可能である。
【0022】
また、矩形の底面は、枠形状のフランジの内側のエッジより内側に形成されていることによって、紙製トレーはスタックが可能である。
【0023】
矩形の底面は４枚の側面パネルのうちの、複数から連接されたものであり、複数が部分的に重なって形成されており、これによって、紙製トレーは包装容器として必要な強度を、持つことが可能である。
【0024】
トレー本体を、左パネル及び右パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、左パネル及び右パネルの上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°、及び０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、トレー本体を組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面の４隅で近接し、この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることによって、スタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーとすることが可能となる。
９０°＜β≦１５０°、及び０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
また、トレー本体を組み立てた状態において、トップパネル及びエンドパネルの４箇所の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの４箇所の上辺端部Ａとは、トレーの矩形の底面の４隅で近接し、この４隅において、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと、左パネル及び右パネルの上辺端部Ａとが接するか、
あるいは左パネル及び右パネルの上辺端部Ａが、トップパネル及びエンドパネルの台形の上辺端部Ｂと距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることによって、スタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーとすることが可能となる。
【0025】
また特に請求項２に記載の発明によれば、
４枚の側面パネルのうち、前記左パネル、及び前記右パネルはその形状について、それらの斜辺が、曲線もしくは折れ線で形成されていることによって、デザインの自由度が増し、この状態においても、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供が可能である。
４枚の側面パネルのうち、前記左パネル、及び前記右パネルはその形状について、それらの斜辺が、曲線もしくは折れ線で形成されていることによって、デザインの自由度が増し、この状態においても、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供が可能である。
【0026】
また特に請求項３に記載の発明によれば、
紙を主材料としたトレー本体の、紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２であることによって、加工性にすぐれ、かつ包装容器として必要な強度を有する紙製トレーとすることができる。
紙を主材料としたトレー本体の、紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２であることによって、加工性にすぐれ、かつ包装容器として必要な強度を有する紙製トレーとすることができる。
【0027】
また特に請求項４に記載の発明によれば、
ライナーは、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材と接着する層を有する積層体であって、蓋部材を接着して紙製トレーを覆って密封することができ、
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることによって、蓋部材を手指などを用いて剥離して開封し、内容物を取り出そうとする際に、ライナーと蓋部材の方が剥離しやすいため、より容易で安定した開封作業を行うことが可能である。
ライナーは、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材と接着する層を有する積層体であって、蓋部材を接着して紙製トレーを覆って密封することができ、
この時の接着強度は、
フランジとライナーとの接着強度＞ライナーと蓋部材との接着強度
であることによって、蓋部材を手指などを用いて剥離して開封し、内容物を取り出そうとする際に、ライナーと蓋部材の方が剥離しやすいため、より容易で安定した開封作業を行うことが可能である。
【0028】
また蓋部材にプラスチックフィルムを用いることによって、内容物が外部から可視である状態で、紙製トレーを密封することが可能である。この可視化は商品としての価値を高めることにも効果的である。
【0029】
また特に請求項５に記載の発明によれば、
ライナーが、積層体中に、ガスバリア層を含んでなることによって、内容物の保存性を高め、外部環境による内容物の変質や劣化を防止することができる。また、内容物からの揮発成分や香りの散逸を防止することができる。
ライナーが、積層体中に、ガスバリア層を含んでなることによって、内容物の保存性を高め、外部環境による内容物の変質や劣化を防止することができる。また、内容物からの揮発成分や香りの散逸を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【発明を実施するための形態】
【0031】
【0032】
図１は、本発明による紙製トレーの一実施態様を説明するための、斜視模式図である。
【0033】
本発明は、容器として用いることのできる、紙製トレー（１００）に係るものである。紙製トレー（１００）は紙を主材料としたトレー本体（１０）と、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナー（２０）から構成される。
【0034】
すなわち、紙製トレー（１００）は２重構造を持つ容器であって、外側のトレー本体（１０）で、トレーの形態を保持し、機械的強度を保つことができる。またトレー内側に積層されるライナー（２０）によって、密封性や耐水性を具備することが可能となり、本発明による紙製トレー（１００）は、包装容器としての強靭性と機能性を兼ね備えたものである。
【0035】
また紙を主材料としたトレー本体（１０）の紙の坪量は、１００ｇ／ｍ２～５００ｇ／ｍ２とすることができる。この範囲であることが、トレー本体（１０）への加工性を損なうことなく、また組み立てた紙製トレー（１００）の、機械的強度を保つことにより効果的である。
【0036】
坪量は、特に１９０ｇ／ｍ２～３５０ｇ／ｍ２の範囲が、加工適性の点でより好ましい。またこの材料は、紙の単体であってもよく、積層体であってもよいが、積層体の場合には各層の重量比で、紙が一番重い比率であるものとする。
【0037】
ライナー（２０）は、プラスチックフィルムを基材として、少なくとも蓋部材（３０）と接着する層を有する積層体であって、紙製トレー（１００）のフランジ（１）部分に蓋部材（３０）を接着して、紙製トレー（１００）を覆うことができ、この時の接着強度は、
フランジ（１）とライナー（２０）との接着強度＞ライナー（２０）と蓋部材（３０）との接着強度
とすることができる。
フランジ（１）とライナー（２０）との接着強度＞ライナー（２０）と蓋部材（３０）との接着強度
とすることができる。
【0038】
フランジ（１）、ライナー（２０）、蓋部材（３０）の接着強度が、この関係であるときに蓋部材（３０）とライナー（２０）との剥離は、フランジ（１）とライナー（２０）との接着を損なうことなく剥離することが可能になり、開封に際して手指などを用いて蓋部材を剥離して、内容物を取り出そうとする際には、紙製トレー（１００）の安定した開封作業が可能となる。
【0039】
またライナー（２０）は、積層体中にガスバリア層を含んで構成することができる。この時、蓋部材（３０）もまた積層体中にガスバリア層を含んで構成することができ、これによって紙製トレー（１００）はガスバリア層を有する容器として密封可能であり、したがってガスバリア層によって内容物の保存性の向上や、環境条件による内容物の劣化、変質を防止することが可能になる。また、内容物からの揮発成分や香りの外部への散逸を、抑制もしくは防止することができる。
【0040】
図２は、本発明による紙製トレーの一実施態様を説明するための、トレー本体のブランクである。
【0041】
図１で示すように、トレー本体（１０）は、枠形状のフランジ（１）、側面パネル（２）、矩形の底面（７）から構成されており、トレー内側のライナー（２０）は、組み立てられたトレー本体（１０）の内側の面、及び枠形状のフランジ（１）に沿って成形されて
積層されている。但し、図２に示す例はブランクであって、トレー本体（１０）の組み立て前の平面図となっている。
積層されている。但し、図２に示す例はブランクであって、トレー本体（１０）の組み立て前の平面図となっている。
【0042】
トレー本体（１０）の内側のライナー（２０）はその周縁部で、枠形状のフランジ（１）の表側の面全体に接着しており、フランジ（１）以外の部分では、トレー本体（１０）の内側の面の一部分で接着して、紙製トレー（１００）が構成されている。但し、図２においては、トレー本体（１０）のブランクのみが示されており、ライナー（２０）は示されていない。
【0043】
トレー本体（１０）を、フランジ（１）の枠形状の長辺を縦、枠形状の短辺を横にして、真上から見たとき、枠形状のフランジ（１）は、途切れずに連続して、トレー本体（１０）の上部周縁を形成している。
【0044】
したがって、フランジ（１）は、切れ目や段差がない平面であって、したがってライナー（２０）との接着を強固なものとすることに効果的であり、また蓋材（３０）とのシールをする場合においても、切れ目や段差がない平面であることが、紙製トレー（１００）の密封に効果的である。
【0045】
また、枠形状のフランジ（１）の内側のエッジ（８）に連続して、図１に示す４枚の側面パネル（２）が設けてある。
【0046】
すなわち側面パネル（２）は、枠形状のフランジ（１）の上辺（１２）からトレー内側に向けて連続するトップパネル（３）、枠形状のフランジ（１）の下辺（１３）からトレー内側に向けて連続するエンドパネル（４）が同形状で対になっている。
【0047】
また、枠形状のフランジ（１）の左辺（１６）からトレー内側に向けて連続する左パネル（５）、枠形状のフランジ（１）の右辺（１７）からトレー内側に向けて連続する右パネル（６）が同形状で対になっており、計４枚である。
【0048】
４枚の側面パネル（２）によって、トレー本体（１０）を立体に組み立てることが可能になり、フランジ（１）の内側に凹みが形成されて、包装容器として内容物を収納することが可能になる。
【0049】
これらの４枚の側面パネルに囲まれて、矩形の底面（７）が設けてあり、底面（７）は４枚の側面パネルの、１または複数から連接されたものである。
【0050】
図２に示す例においては、底面（７）は４枚の側面パネル（２）から連設されて、一部は重なって形成される例である。図２に示す例において、底面（７）の中央に破線（１９）が示してあるが、これはトレー本体（１０）を立体に組み立てる際には切り離して、組み立てが行われる。
【0051】
４枚の側面パネル（２）のうち、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）が、同形状で対向して設けられている。
【0052】
これらの形状は対向する二つの台形であって、フランジ（１）の上辺（１２）及びフランジ（１）の下辺（１３）の、内側のエッジ（８）を台形の下辺とする。また矩形の底面の上辺（１４）及び矩形の底面の下辺（１５）を、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の、台形の上辺とするものである。トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の台形の上辺及び下辺は、斜辺（１１）で結ばれて台形を形成する。
【0053】
これらの上下２枚の側面パネル（２）は、フランジ（１）の上辺及び下辺から連続して形成されるか、もしくはフランジ（１）とは別部材を、フランジ（１）の裏面に糊付けして形成される。
【0054】
図２に示す例においては、フランジ（１）の上辺及び下辺から連続して形成される例である。
【0055】
また、４枚の側面パネル（２）のうち、左パネル（５）及び右パネル（６）が、同形状で対向して設けられ、これらの形状は、枠形状のフランジ（１）の左辺及び右辺の内側のエッジ（８）、もしくはその延長部分までを含んで下辺として、矩形の底面（７）の左辺及び右辺もしくはその延長部分までを含んで上辺として、それらの端部を結ぶ斜辺（１８）で囲まれた形状である。
【0056】
斜辺（１８）は、４枚の側面パネルのうち、左パネル（５）、及び右パネル（６）において、それらの斜辺（１８）は、直線のほか、曲線もしくは折れ線で形成することができる。図２に示す例においては、斜辺（１８）が折れ線で形成されている例である。
【0057】
これらの左右２枚の側面パネル（２）は、フランジ（１）とは別部材を、フランジ（１）の裏面に糊付けして形成することができ、図２に示す例において、のりしろ（９）は糊付け前の状態で、可視となっている例である。
【0058】
なお、図２において、側面パネルの左パネル（５）の上辺端部（Ａ）および、トップパネル（３）の上辺端部（Ｂ）が示されているが、紙製トレー（１００）を組み立てたのちの、これらの位置関係については、本発明が特徴とするところでもあり、図４～図６においてより詳細な説明を加える。
【0059】
図３は、本発明による紙製トレーの一実施態様を説明するための、トレー本体を組み立てた状態を上方から見た俯瞰図である。
【0060】
図３に示す例においては、トレー本体（１０）は立体に組み立てられた状態であって、トレー内側の、内容物に触れる側が可視となっており、図３の奥側に向かって凸になっている。なお図３においては、ライナー（２０）は示されていない。
【0061】
底面（７）は、４枚の側面パネル（２）から連続して、それらが重なって、矩形の底面（７）を形成している。
【0062】
【0063】
４枚の側面パネル（２）のうち、同形状で対向して設けられている、左パネル（５）及び右パネル（６）は、図３の奥側に向かって折り曲げられて大部分は可視ではあるものの、図３に示す例においてはその斜辺（１８）は、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の奥側にあって不可視となっており、破線で示されている。
【0064】
すなわち、左右２枚の側面パネル（２）は、トップパネル（３）、およびエンドパネル（４）の台形の斜辺（１１）に接して組み立てられている。したがって紙製トレー（１００）が、内容物を収納するための凹みは、４隅を隙間なく形成することができる。
【0065】
図４は、本発明による紙製トレーの一実施態様を説明するための、左の側面パネルの真
横から見た（一部透視）模式図である。
横から見た（一部透視）模式図である。
【0066】
前述のように、左右２枚の側面パネル（２）は、トップパネル（３）、およびエンドパネル（４）の台形の斜辺（１１）に接して組み立てられている。したがって紙製トレー（１００）が、内容物を収納するためのトレー本体（１０）の凹みを隙間なく形成することができる。
【0067】
図４は、トレー本体（１０）を左パネル（５）の真横から見ている図であって、トップパネル（３）が左パネル（５）と接している状態である。但しトップパネル（３）は透視でその斜辺（１１）が破線で示されており、左側パネル（５）に接している断面が示されている。すなわち、斜辺（１１）が左側パネル（５）に接して、トレー本体の４隅コーナー部分のひとつを形成し、立体形状のトレー本体（１０）の凹みを形成している例である。
【0068】
本発明においては、トレー本体（１０）を、左右２枚の側面パネルの真横から見て、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
【0069】
また、本発明において、トレー本体（１０）を組み立てた状態において、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の台形の４箇所の上辺端部（Ｂ）と、側面パネルの４箇所の上辺端部（Ａ）とは、トレーの矩形の底面（７）の４隅で近接し、この４隅において、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の台形の上辺端部（Ｂ）と、側面パネルの上辺端部（Ａ）とが接するか、あるいは側面パネルの上辺端部（Ａ）が、トップパネル（３）及びエンドパネル（４）の台形の上辺端部（Ｂ）と距離を持って、矩形の底面より外側に位置する形であり、その相互の距離（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
とするものである。
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
とするものである。
【0070】
我々は、本発明を鋭意検討する過程において、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋α、及び、（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）の相互の距離がこの関係を満足するとき、紙を主材料としたブランクから外側のトレー本体を組み立て、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとの複合体で紙製トレーを形成し、トレーの使用後にはトレー本体とライナーが分離可能である紙容器において、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの実現が可能であることを見出した。
【0071】
図５は、本発明による紙製トレーの他の実施態様を説明するための、左右の側面パネルの真横から見た（一部透視）模式図である。
【0072】
左パネル（５）、及び右パネル（６）はその形状は、それらの斜辺を、直線のほか、曲線もしくは折れ線で構成することができる。図５に示す例においては、折れ線で構成する例である。この実施態様は、図２で示す例のものである。
【0073】
この時もトップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
【0074】
また本発明において（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、０ｍｍ≦上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ≦５ｍｍの範囲である。図５に示す例においては、側面パネルの台形の上辺端部（Ａ）とトップパネルもしくはエンドパネルの台形の上辺端部（Ｂ）とは同一位置で接しており、
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
である例である。
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
である例である。
【0075】
図６は、本発明による紙製トレーの更に他の実施態様を説明するための、左右の側面パネルの真横から見た（一部透視）模式図である。
【0076】
また左パネル（５）、及び右パネル（６）はその形状は、それらの斜辺は、直線のほか、曲線もしくは折れ線で構成することができる。図６に示す例においては、曲線で構成する例である。
【0077】
この時もトップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
但し、図６に示す例において、角度αはトレイの重なりを考慮した側面仮想線によって導かれる。
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものである。
但し、図６に示す例において、角度αはトレイの重なりを考慮した側面仮想線によって導かれる。
【0078】
また本発明において（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）は、０ｍｍ≦上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ≦５ｍｍである。図６に示す例においては、トップパネルの台形の上辺端部（Ａ）とトップパネルもしくはエンドパネルの台形の上辺端部（Ｂ）とは同一の一で接しており、
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
である例である。
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
である例である。
【0079】
また前述のようにライナー（２０）は、積層体中にガスバリア層を含んで構成することができる。この時、蓋部材（３０）もまた積層体中にガスバリア層を含んで構成することができ、これによって紙製トレー（１００）はガスバリア層を有する容器として密封可能であり、したがってガスバリア層によって内容物の保存性の向上や、環境条件による内容物の劣化、変質を防止することが可能になる。また、内容物からの揮発成分や香りの外部への散逸を抑制もしくは防止することができる。
【0080】
ガスバリア層は、特段の制約を加えるものではなく、内容物やその用途によって適宜選択することができる。例えばエチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ）をガスバリア層として用いることが可能である。
【0081】
このようにして本発明によれば、紙を主材料としたブランクから、容器外側のトレー本体を組み立て、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとの複合体で紙製トレーを形成し、トレー本体とライナーが分離可能である紙容器において、スタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供が可能である。
【実施例0082】
以下本発明を、実施例及び比較例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例によってのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって特定されるものである。
【0083】
トレー本体（１０）の形状及び構成を変えて、紙製トレー（１００）の評価用サンプルを作成し、内容物（ポリエチレンペレット２００ｇ）を充填し、蓋材（３０）で覆ってシールして紙製トレー（１００）を密封した後に評価を行った。
【0084】
トレー本体の構成：コート紙は１００％の食品グレードとした。
ＯＫフレースＰＲＯ（王子製紙）、又はＡＬＬＹＫＩＮＧ ＣＲＥＡＭ（ＡＰＰ）を用いた。
坪量は１００ｇ～５００ｇの範囲内で選択した。
側面パネルとフランジは同じ構成とし、コート層は同一方向にした。
側面パネルとフランジの接着はエマルジョン接着剤（日栄化工）を用いた。
ＯＫフレースＰＲＯ（王子製紙）、又はＡＬＬＹＫＩＮＧ ＣＲＥＡＭ（ＡＰＰ）を用いた。
坪量は１００ｇ～５００ｇの範囲内で選択した。
側面パネルとフランジは同じ構成とし、コート層は同一方向にした。
側面パネルとフランジの接着はエマルジョン接着剤（日栄化工）を用いた。
【0085】
ライナーの多層フィルムの構成は、ポリエチレン（ＰＥ）系、ポリプロピレン（ＰＰ）系２種類から選択した。ガスバリア層を含む層構成は下記のとおりである。
【0086】
ポリエチレン（ＰＥ）系ライナー：
ポリエチレン（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ 三菱ケミカル製）
とした。
ポリエチレン（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ 三菱ケミカル製）
とした。
【0087】
ポリプロピレン（ＰＰ）系ライナー：
ポリプロピレン（ＣＰＰ 厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂／接着剤／ポリプロピレン（ＣＰＰ）
とした。
ポリプロピレン（ＣＰＰ 厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂／接着剤／ポリプロピレン（ＣＰＰ）
とした。
【0088】
４項目の評価項目を設定し、それらの評価方法及び評価基準は下記のとおりである。
【0089】
１．分離性：ライナーと蓋材の剥離性を評価した。
パネラー３０人に開封してもらい評価した。
２５人以上が分離しやすいと判断した場合に、○評価とした。
パネラー３０人に開封してもらい評価した。
２５人以上が分離しやすいと判断した場合に、○評価とした。
【0090】
２．スタック性：トレイを重ねてスタック効果の有無を確認した。
３０個のトレーを重ねて、５Ｎの荷重で加圧したものを、パネラー３０人に評価してもらい評価した。
２５人以上が、スタッキングが良く１個づつ取り出しやすいと判断した場合に、○評価とした。
３０個のトレーを重ねて、５Ｎの荷重で加圧したものを、パネラー３０人に評価してもらい評価した。
２５人以上が、スタッキングが良く１個づつ取り出しやすいと判断した場合に、○評価とした。
【0091】
３．剛性：ＪＩＳ Ｚ０２００：２０１３ を参考に、落下試験を実施した。
２００ｇの内容物（ポリエチレンペレット）を充填し、蓋材にはポリエチレンテレフタレートフィルム（厚さ１２μｍ）を用いてシールした。２ｍの高さから、ランダム方向に１０回実施した。
ライナーの浮き、容器変形の有無を目視で確認し、なければ○評価とした。
２００ｇの内容物（ポリエチレンペレット）を充填し、蓋材にはポリエチレンテレフタレートフィルム（厚さ１２μｍ）を用いてシールした。２ｍの高さから、ランダム方向に１０回実施した。
ライナーの浮き、容器変形の有無を目視で確認し、なければ○評価とした。
【0092】
４．シール性：蓋材がシールできるかどうか評価した。
目視で確認し、完全にシールできたものを○評価とした。
目視で確認し、完全にシールできたものを○評価とした。
【0093】
総評は、４項目の評価項目においてすべてが○評価のものを○評価とした。
【0094】
＜実施例１＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝１０５° （上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
ｍｍ。尚、これ以降（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）はＡ－Ｂと表記する。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝１０５° （上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）＝０
ｍｍ。尚、これ以降（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）はＡ－Ｂと表記する。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0095】
＜実施例２＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
【0096】
＜実施例３＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝２° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝２° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
【0097】
＜実施例４＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
【0098】
＜実施例５＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0099】
＜実施例６＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１
０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１
０ｇ）とした。
【0100】
＜実施例７＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝９５° Ａ－Ｂ＝３ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0101】
＜実施例８＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＰ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリプロピレン（厚さ２０μｍ）＋アリキンクリーム（坪量２５０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＰ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリプロピレン（厚さ２０μｍ）＋アリキンクリーム（坪量２５０ｇ）とした。
【0102】
＜実施例９＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋アリキンクリーム（坪量２５０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋アリキンクリーム（坪量２５０ｇ）とした。
【0103】
＜実施例１０＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝１５０° Ａ－Ｂ＝５ｍｍ
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0104】
＜比較例１＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．４° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このα＝０．４°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．４° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このα＝０．４°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0105】
＜比較例２＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝６° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このα＝６°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝６° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このα＝６°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0106】
＜比較例３＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝９０° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このβ＝９０°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０．５° β＝９０° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このβ＝９０°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0107】
＜比較例４＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝９０° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このβ＝９０°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝５° β＝９０° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
このβ＝９０°は、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0108】
＜比較例５＞
・フランジの形状：分離した形状であって、不連続である。
これは本発明に規定する範囲を逸脱している。
・側面パネルの形状： Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
市販の紙トレーの形状・仕様である。
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／紙（坪量３１０ｇ）
である。
・フランジの形状：分離した形状であって、不連続である。
これは本発明に規定する範囲を逸脱している。
・側面パネルの形状： Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
・トレー本体の構成：
市販の紙トレーの形状・仕様である。
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／紙（坪量３１０ｇ）
である。
【0109】
＜比較例６＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝－２ｍｍ
Ａ－Ｂ＝－２ｍｍは、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝１° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝－２ｍｍ
Ａ－Ｂ＝－２ｍｍは、本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量４００ｇ）とした。
【0110】
＜比較例７＞
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
α＝０°は本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
・フランジの形状：連続しており、完全フラットな形状である。
・側面パネルの形状：α＝０° β＝１０５° Ａ－Ｂ＝０ｍｍ
α＝０°は本発明に規定する範囲を逸脱している。
・トレー本体の構成：
トレー内側となる面から、
ＰＥ（厚さ２０μｍ）／接着剤／エチレン－ビニルアルコール共重合樹脂（ＥＶＯＨ 厚さ１０μｍ）／接着剤／ポリエチレン（厚さ２０μｍ）＋ＯＫフレースＰＲＯ（坪量３１０ｇ）とした。
【0111】
評価結果を表１に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
表１に示す結果から、本発明による実施例１～実施例１０においては、評価項目のすべてが○評価であった。したがって総評は○評価である。
【0114】
一方、本発明に規定する範囲を逸脱するところのある、比較例１～比較例７においては、４項目の評価項目の内、１以上の項目において×評価であった。したがって総評は×評価である。
【0115】
すなわち、紙製トレーにおいて、枠形状のフランジは、途切れなく連続して、トレー本体の上部周縁を形成し、トレー本体を、左右２枚の側面パネルの真横から見たとき、トップパネル及びエンドパネルと底面との夾角をβ、側面パネルの略台形の上辺と斜辺との夾角をβ＋αとしたときその関係は、
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）の相互の距離は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることが、本発明の課題解決に不可欠であることを示すものである。
９０°＜β≦１５０°
０．５°≦α≦５°
を満足させるものであり、
（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）の相互の距離は、
０ｍｍ≦（上辺端部Ａ－上辺端部Ｂ）≦５ｍｍ
であることが、本発明の課題解決に不可欠であることを示すものである。
【0116】
このようにして、本発明によれば、紙を主材料としたブランクから外側のトレー本体を組み立て、プラスチックフィルムを基材としてなるトレー内側のライナーとの複合体で紙製トレーを形成し、トレーの使用後にはトレー本体とライナーが分離可能である紙容器において、組み立てた状態でスタックが可能であって、かつ強度に優れる紙製トレーの提供が可能であることを検証することができた。
【符号の説明】
【0117】
１・・・フランジ
２・・・側面パネル
３・・・トップパネル
４・・・エンドパネル
５・・・左パネル
６・・・右パネル
７・・・底面
８・・・エッジ
９・・・のりしろ
１０・・・トレー本体
１１・・・斜辺
１２・・・上辺
１３・・・下辺
１４・・・矩形の底面の上辺
１５・・・矩形の底面の下辺
１６・・・左辺
１７・・・右辺
１８・・・斜辺
１９・・・破線
２０・・・ライナー
３０・・・蓋部材
１００・・・紙製トレー
Ａ・・・上辺端部
Ｂ・・・上辺端部
２・・・側面パネル
３・・・トップパネル
４・・・エンドパネル
５・・・左パネル
６・・・右パネル
７・・・底面
８・・・エッジ
９・・・のりしろ
１０・・・トレー本体
１１・・・斜辺
１２・・・上辺
１３・・・下辺
１４・・・矩形の底面の上辺
１５・・・矩形の底面の下辺
１６・・・左辺
１７・・・右辺
１８・・・斜辺
１９・・・破線
２０・・・ライナー
３０・・・蓋部材
１００・・・紙製トレー
Ａ・・・上辺端部
Ｂ・・・上辺端部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
