(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144913
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、ペアリング方法、電気機器、プログラム、およびサーバ
(51)【国際特許分類】
H04W 76/11 20180101AFI20231003BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20231003BHJP
H04W 12/50 20210101ALI20231003BHJP
H04W 4/30 20180101ALI20231003BHJP
H04W 12/73 20210101ALI20231003BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W84/10
H04W12/50
H04W4/30
H04W12/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052118
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】小柳 浩二
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067BB45
5K067DD11
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067HH21
(57)【要約】
【課題】簡単なユーザ操作で安全に通信端末と電気機器とをペアリングするための技術を提供する。
【解決手段】サーバ100と電気機器200と通信端末300とを備えるネットワークシステム1が提供される。電気機器が、APモード中に通信端末に識別情報を送信し、APモードの終了後に識別情報をサーバへ送信する。通信端末が、電気機器から取得した識別情報をサーバに送信する。サーバが、電気機器からの識別情報と通信端末からの識別情報とに基づいて電気機器と通信端末とをペアリングする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムであって、
前記電気機器が、APモード中に前記通信端末に識別情報を送信し、前記APモードの終了後に前記識別情報を前記サーバへ送信し、
前記通信端末が、前記電気機器から取得した前記識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバが、前記電気機器からの識別情報と前記通信端末からの識別情報とに基づいて前記電気機器と前記通信端末とをペアリングする、ネットワークシステム。
【請求項2】
宅内無線ルータをさらに備え、
前記通信端末は、前記電気機器が前記APモード中に、前記宅内無線ルータのIDとパスワードとを前記電気機器に送信し、
前記電気機器は、前記APモードの終了後に、前記IDと前記パスワードとを利用して前記宅内無線ルータに接続する、請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
前記通信端末は、ユーザから、前記宅内無線ルータの前記IDと前記パスワードの入力を受け付け、
前記電気機器は、ユーザから、前記APモードの開始の命令を受け付ける、請求項2に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
ネットワークシステムにおけるペアリング方法であって、
電気機器が、APモード中に通信端末に識別情報を送信するステップと、
前記電気機器が、前記APモード終了後に前記識別情報をサーバへ送信するステップと、
前記通信端末が、前記電気機器から取得した前記識別情報を前記サーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記電気機器からの識別情報と前記通信端末からの識別情報とに基づいて前記電気機器と前記通信端末とをペアリングするステップと、を備えるペアリング方法。
【請求項5】
通信インターフェイスと、
プロセッサと、を備える電気機器であって、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを利用してAPモードを実行中に通信端末に識別情報を送信し、前記APモードの終了後に前記通信インターフェイスを利用して前記識別情報をサーバに送信する、電気機器。
【請求項6】
通信インターフェイスと、プロセッサと、を備える通信端末のプログラムであって、
前記通信インターフェイスを利用して、APモード中の電気機器に、宅内無線ルータのIDとパスワードを前記電気機器に送信するステップと、
前記通信インターフェイスを利用して、APモード中の前記電気機器から識別情報を受信するステップと、
前記通信インターフェイスを利用して、サーバに、前記電気機器に対するペアリングの要求と、前記識別情報と、を送信するステップと、を前記プロセッサに実行させる、プログラム。
【請求項7】
通信インターフェイスと、
プロセッサと、を備えるサーバであって、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを利用して電気機器から識別情報を受信し、前記通信インターフェイスを利用して通信端末から識別情報を受信し、前記2つの識別情報に基づいて前記電気機器と前記通信端末とをペアリングさせる、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して通信端末と電気機器とをペアリングするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して家電とスマートフォンとをペアリングするための技術が知られている。たとえば、特開2020-126290号公報(特許文献1)には、ネットワークシステム、情報処理方法、サーバ、および冷蔵庫が提供される。特許文献1によると、ネットワークシステムは、冷蔵庫と、端末と、冷蔵庫と端末と通信可能であって、見守りサービスとして、少なくとも冷蔵庫の扉の開閉動作に基づく情報を端末に提供するためのサーバとを備える。見守られる側の第1のユーザ宅の冷蔵庫と、見守る側の第2のユーザの通信端末とが紐づけられる。サーバは、冷蔵庫がエコモードを開始すると、見守りサービスに関する動作を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、簡単なユーザ操作で安全に通信端末と電気機器とをペアリングするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、サーバと電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器が、APモード中に通信端末に識別情報を送信し、APモードの終了後に識別情報をサーバへ送信する。通信端末が、電気機器から取得した識別情報をサーバに送信する。サーバが、電気機器からの識別情報と通信端末からの識別情報とに基づいて電気機器と通信端末とをペアリングする。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、この発明によれば、簡単なユーザ操作で安全に通信端末と電気機器とをペアリングすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要を示すイメージ図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユーザ操作を示す第1のイメージ図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1のユーザ操作を示す第2のイメージ図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成を表わすブロック図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示すイメージ図である。
【
図7】第1の実施の形態にかかる機器情報データ122を示すイメージ図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかるペアリング情報データ123を示すイメージ図である。
【
図9】第1の実施の形態にかかる電気機器200の構成を表わすブロック図である。
【
図10】第1の実施の形態にかかる通信端末300の構成を表わすブロック図である。
【
図11】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示す第1のシーケンス図である。
【
図12】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示す第2のシーケンス図である。
【
図13】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の2台目の通信端末300のためのペアリング処理を示すシーケンス図である。
【
図14】第4の実施の形態にかかるネットワークシステム1の情報処理を示すシーケンス図である。
【
図15】第4の実施の形態にかかるネットワークシステム1の許可処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステム1の全体構成>
【0009】
まず、
図1を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、主に、サーバ100と、電子レンジやエアコンやテレビや掃除機などの電気機器200と、スマートフォンなどの通信端末300と、電気機器200などをインターネットなどの外部のネットワークに接続するための無線ルータ400、などを含む。
【0010】
なお、電気機器200は、テレビや電子レンジやエアコンや掃除機などに限らず、冷蔵庫、洗濯機、空気清浄器、加湿器、除湿器、自動調理鍋、炊飯器、照明などの家電、パーソナルコンピュータ、ハードディスクレコーダ、プロジェクタ、音楽プレーヤー、ゲーム機、スピーカなどのAV(オーディオ・ビジュアル)機器、太陽光発電システム、蓄電池システム、給湯システムなどのHEMS設備、組み込み照明、インターホン、電気錠、給湯器、温水洗浄便座コントローラなどの住宅設備、などであってもよい。以下では、これらを総称して電気機器200という。
【0011】
また、通信端末300も、スマートフォンに限らず、パーソナルコンピュータやタブレットやゲーム機やスピーカやウェアラブル端末などであってもよい。以下では、これらを総称して通信端末300という。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0012】
次に、
図2を参照して本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。ここでは、ユーザが、新しい電気機器200を購入して、自宅に配置した場合について説明する。本実施の形態にかかるネットワークシステム1では、ユーザの通信端末300と電気機器200とをペアリングするために以下の処理が実行される。
【0013】
(1)電気機器200をAPモード(Access Point Mode)に移行させた状態で、通信端末300から無線ルータ400のSSID(Service Set Identifier)やパスワードを電気機器200に送信する。
【0014】
(2)電気機器200は、APモードで、通信端末300に、自身の本体MACアドレスを送信する。本実施の形態においては、通信端末300のアプリケーションプログラムは、電気機器200の所定のボタンを押すことを促すメッセージを表示する。
【0015】
(3)電気機器200は、APモードを終了し、無線ルータ400との通信を開始して、インターネットを介して所定のサーバ100へ自身の本体のMACアドレスを送信する。
【0016】
(4)サーバ100は、電気機器200から送られてきたMACアドレスをサービスに登録して、ペアリングのための接続IDを電気機器200に提供する。
【0017】
(5)電気機器200は、ペアリングの要求をサーバ100に送信する。
【0018】
(6)通信端末300は、アプリケーションプログラムによって表示される「次へ」ボタンが押されると、電気機器200から取得したMACアドレスをサーバ100へ送信する。
【0019】
(7)サーバ100は、電気機器200から送られてきたMACアドレスと、通信端末300から送られてきたMACアドレスとを照合する。
【0020】
(8)2つのMACアドレスが一致すると、サーバ100は、電気機器200に紐づけらえている接続IDを通信端末300に送信して、電気機器200と通信端末300とをペアリングを成立させる。
<ネットワークシステム1の動作概要>
【0021】
次に、
図3および
図4を参照しながら、本実施の形態にかかる処理の流れに関して、ユーザ操作に従って説明する。
【0022】
(1)ユーザは、通信端末300に、APモード接続による機器の登録処理を開始させるための命令を入力する。通信端末300は、対象となる電気機器200のAPモード移行ボタンの押下を促すメッセージを表示する。
【0023】
(2)ユーザは、電気機器200の所定のボタンを押すことによって、電気機器200をAPモードに移行させる。なお、(1)と(2)の操作は、どちらが先に実行されてもよい。これによって、通信端末300は、APモード接続によって、電気機器200とデータの送受信が可能になる。
【0024】
(3)ユーザは、通信端末300に、自宅の無線ルータのSSIDやパスワードを入力する。通信端末300は、APモード接続によって、無線ルータ400のSSIDやパスワードを電気機器200に送信する。電気機器200は、自身のMACアドレスを通信端末300に送信する。
【0025】
(4)ユーザは、電気機器200のコネクトランプが点滅または点灯するまで待機する。
【0026】
(5)電気機器200は、APモードを終了し、通信端末300からのSSIDやパスワードを利用して無線ルータ400との接続を試みる。電気機器200は、無線ルータ400と接続できると、インターネットを介して、所定のサーバ100に接続する。なお、電気機器200は、無線ルータ400との接続に成功するとコネクトランプを点滅させたりまたは点灯させたりする。ただし、電気機器200は、サーバ100との接続に成功したときにコネクトランプを点滅させたりまたは点灯させたりしてもよい。
【0027】
(6)これによって、クラウド登録として、電気機器200のMACアドレスが、サーバ100に登録される。
【0028】
(7)一方、ユーザは、電気機器200のコネクトランプが点灯すると、通信端末300の「次へ」ボタンを押下する。
【0029】
(8)通信端末300は、電気機器200の所定のボタンの押下を促すメッセージを表示する。
【0030】
(9)ユーザが、電気機器200の所定のボタンを押下すると、(10)電気機器200は、サーバ100にペアリングの要求を送信する。このとき、サーバ100にペアリングの要求とともに、自身のMACアドレスを送信してもよい。
【0031】
(11)ユーザが、通信端末300の所定のボタンを押下すると、(12)通信端末300は、電気機器200から受信したMACアドレスを読み出して、サーバ100に送信する。
【0032】
(13)サーバ100は、電気機器200からのMACアドレスと、通信端末300からのMACアドレスと、を照合する。両者が一致すると、電気機器200と通信端末300とをペアリング登録する。
【0033】
(14)サーバ100は、ペアリングが成功した旨の情報を通信端末300に送信する。
【0034】
(15)通信端末300は、ユーザから、ペアリングした電気機器200に関する各種の情報の入力を受け付けて、サーバ100に送信する。サーバ100は、電気機器200の各種情報をデータベースに登録する。
【0035】
(16)以上により、ペアリング処理を終了する。本実施の形態においては、通信端末300は、サーバ100からの完了報告を受けて、登録が完了した旨のメッセージを表示することが好ましい。電気機器200は、サーバ100からの完了報告を受けて、登録が完了した旨の音声メッセージを出力することが好ましい。
【0036】
このように、本実施の形態においては、簡単なユーザ操作によってクラウドのサーバ100でのペアリング処理が実行される上に、ペアリングに必要な識別情報をAPモードでやり取りするため、ペアリング処理が安全に実行・完了される。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステム1の具体的な構成について詳述する。
<サーバ100の構成>
【0037】
まず、本実施の形態にかかるネットワークシステム1を構成するサーバ100の構成の一態様について説明する。
図5を参照して、サーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0038】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0039】
メモリ120は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read Only Memory)などによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、その他の本実施の形態にかかるサービスに利用されるデータベースなどを記憶する。
【0040】
たとえば、メモリ120は、
図6に示すような、ユーザ情報データ121を記憶する。ユーザ情報データ121は、本サービスに登録されるユーザ毎に、ユーザIDと、ユーザ名と、家族IDと、メールアドレスと、住所と、ユーザが加入している各種のサービスの識別情報やサービス内容などを格納する。
【0041】
メモリ120は、
図7に示すような、機器情報データ122を記憶する。機器情報データ122は、本サービスに登録される電気機器毎に、機器IDと、電気機器のユーザIDと、電気機器の製造IDと、電気機器の機種と、電気機器のメーカと、ペアリングのための接続IDなどを格納する。
【0042】
メモリ120は、
図8に示すような、ペアリング情報データ123を記憶する。ペアリング情報データ123は、通信端末300や電気機器200のペアリング毎に、両者の対応関係を格納する。たとえば、通信端末300または電気機器200の接続IDと、通信端末300または電気機器200の接続IDと、の組み合わせが登録されたり、通信端末300または電気機器200の機器IDと、通信端末300または電気機器200の機器IDと、の組み合わせが登録されたりする。
【0043】
図5に戻って、操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0044】
通信インターフェイス160は、CPU110からのデータを、インターネット、キャリア網、無線ルータ400などを介して、電気機器200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、無線ルータ400などを介して電気機器200や通信端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<電気機器200の構成>
【0045】
次に、
図9を参照して、ネットワークシステム1を構成する電気機器200の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる電気機器200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230、操作部240と、通信モジュール260と、スピーカ270と、マイク280と、機器駆動部290とを含む。
【0046】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、電気機器200の各部を制御する。
【0047】
メモリ220は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、操作履歴、MACアドレスなどの識別情報、無線ルータ400やインターネットを介してサーバ100から受信したデータ、電気機器200に対応する管理サーバのアドレス、暗号キー、など各種サービスを利用するために必要な情報などを記憶する。
【0048】
ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。なお、ディスプレイ230は、単にLEDライトなどであってもよい。
【0049】
操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。たとえば、APモードに移行するためのボタンなどが設けられる。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネル250を構成してもよい。
【0050】
通信モジュール260は、無線通信を行うためのアンテナや、有線通信を行うためのコネクタなどによって実現される。特に、本実施の形態にかかる電気機器200は、自身の通信インターフェイス160を利用して、APモードで動作することができるものである。つまり、CPU210は、通信モジュール260を利用することによって、APモードで他の通信端末300などと直接的に通信をしたり、通常の子機としてのモードにおいて無線ルータ400やインターネットなどを介してサーバ100などと各種のデータをやり取りしたりする。たとえば、CPU210は、通信モジュール260を介して、動作内容や環境情報をサーバ100に送信したり、操作命令をサーバ100から受信したり、APモードで通信端末300からルータのSSIDやパスワードを受信したり、APモードで自身のMACアドレスを通信端末300に送信したりする。
【0051】
スピーカ270は、CPU210からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク280は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU210に入力する。
【0052】
機器駆動部290は、CPU210からの信号に基づいて、電気機器200の各部(モータやヒータやセンサやアンテナなど)を制御する。機器駆動部290は、たとえば、エアコンに関しては圧縮機やファンであったり、電子レンジに関しては加熱調理のためのアンテナや回転テーブルであったり、テレビに関しては受信アンテナやチューナであったり、する。
<通信端末300の構成>
【0053】
次に、
図10を参照して、ネットワークシステム1を構成する通信端末300の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかる通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380、カメラ390などを含む。
【0054】
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0055】
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、各種サービスのためのアプリケーションプログラムや通知エージェント用のプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータ、無線ルータ400のSSIDやパスワード、電気機器200のMACアドレスなど、通信端末300のユーザを特定するための情報などを記憶する。
【0056】
ディスプレイ330は、CPU310からのデータに基づいて、画像やテキストを表示する。操作部340は、ポインティングデバイスやスイッチなどから構成され、ユーザからの各種の命令をCPU310に入力する。なお、ユーザ端末は、ディスプレイ330と操作部340とを含むタッチパネル350を有してもよい。
【0057】
通信インターフェイス360は、インターネットやキャリア網や無線ルータ400などを介して、サーバ100や電気機器200などの他の装置との間でデータを送受信する。たとえば、CPU310は、プログラムに従って、通信インターフェイス360を介してサーバ100と、ユーザに関する各種の情報をやりとりする。CPU310は、当該各種の情報を、他のアプリケーションプログラムに提供することによって各種のサービスを受けることができる。
【0058】
スピーカ370は、CPU310からの音声データに基づいて音声メッセージなどを出力する。マイク380は、ユーザの声などを取得して音声データをCPU310に入力する。カメラ390は、撮影した静止画像や動画像をCPU310に入力したり、メモリ320に格納したりする。
<ネットワークシステムの情報処理>
【0059】
次に、
図11および
図12を参照して、ネットワークシステム1を構成する各装置における情報処理について説明する。なお、サーバ100、電気機器200、通信端末300に関して、CPU110,210,310のそれぞれがメモリ120,220,320のプログラムに従って、以下の処理を実行する。
【0060】
まず、
図11を参照しながら、電気機器200の無線APモード設定処理について説明する。
【0061】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、新たな電気機器200を住宅などに設置したユーザから、ペアリングメニューの選択命令を受け付ける(ステップS102)。CPU310は、ディスプレイ330に、電気機器200のAPモードのボタンの押下を促すメッセージを表示する。
【0062】
電気機器200のCPU210は、操作部240を介して、APモードに移行する命令を受け付けて(ステップS104)、通信モジュール260にAPモードに移行する命令を送る(ステップS106)。通信モジュール260はAPモードに移行する(ステップS108)。
【0063】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザから、APモードの電気機器200への接続命令を受け付ける(ステップS110)。通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、無線ルータ400のSSIDおよびパスワードの入力を受け付ける(ステップS112)。
【0064】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を起動して、APモード中の電気機器200に、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、上記の入力されたSSIDとパスワードを送信する(ステップS114)。これによって、電気機器200のCPU210は、APモード中に、通信モジュール260を起動して、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、SSIDとパスワードとを受信する。CPU210は、当該SSIDとパスワードをメモリ220に記憶しておく。
【0065】
電気機器200のCPU210は、APモード中に、自身のMACアドレスを読み出して、通信モジュール260を利用して、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、自身のMACアドレスを通信端末300に送信する(ステップS116)。これによって、通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を利用して、APモード中の電気機器200から、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、電気機器200のMACアドレスを受信する。CPU310は、当該MACアドレスをメモリ320に記憶しておく。
【0066】
電気機器200のCPU210は、通信モジュール260によるAPモードを終了する(ステップS118)。
【0067】
電気機器200のCPU210は、通信端末300から取得したSSIDとパスワードとを利用して、通信モジュール260を介して無線ルータ400への接続を行う(ステップS120)。
【0068】
次に、
図12を参照しながら、電気機器200のクラウド登録処理について説明する。
【0069】
電気機器200のCPU210は、無線ルータ400と接続できると、インターネットを介して所定のサーバ100にアクセスして、自身をサービスに登録する(ステップS122)。本実施の形態においては、CPU210は、通信モジュール260を介して、自身のMACアドレスをサーバ100に送信する。サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、電気機器200からMACアドレスを受信して、データベースに登録する。
【0070】
サーバ100のCPU110は、通信インターフェイス160を介して、電気機器200に、接続IDを送信する(ステップS124)。電気機器200のCPU210は、通信モジュール260を介して、サーバ100からSSIDとパスワードとを受信する。CPU210は、当該接続IDをメモリ220に記憶しておく。
【0071】
次に、
図12を参照しながら、電気機器200と通信端末300とのペアリング処理についてについて説明する。
【0072】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザからペアリングの命令を受け付ける(ステップS132)。通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200に対してペアリング開始のボタンを押下するように指示するためのメッセージを表示する。
【0073】
電気機器200のCPU210は、操作部240を介して、ペアリング開始の命令を受け付ける(ステップS134)。
【0074】
電気機器200のCPU210は、通信モジュール260を介してサーバ100にペアリングを要求する(ステップS136)。
【0075】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザから次の処理へ進むための命令を受け付ける(ステップS138)。
【0076】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100にペアリングの要求とともに、電気機器200のMACアドレスを送信する(ステップS140)。
【0077】
サーバ100のCPU110は、電気機器200からのMACアドレスと、通信端末300からのMACアドレスとを照合する(ステップS142)。MACアドレスが一致した場合、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、電気機器200に対応する接続IDを通信端末300に送信する(ステップS144)。
【0078】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介してサーバ100から接続IDを受信すると、その後、当該接続IDを利用して電気機器200とのペアリングすることが可能になる(ステップS146)。
【0079】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200とのペアリングが完了した旨のメッセージを表示させる(ステップS148)。
【0080】
次に、
図13を参照しながら、電気機器200と、2台目以降の通信端末300とのペアリング処理についてについて説明する。
【0081】
2台目以降の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザからペアリングの命令を受け付ける(ステップS232)。通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200に対してAPモードへ移行するためのボタンを押下するように指示するためのメッセージを表示する。
【0082】
電気機器200のCPU210は、操作部240を介して、APモードに移行する命令を受け付けると(ステップS234)、通信モジュール260を起動してAPモードに移行する(ステップS236)。既に、無線ルータ400のSSIDやパスワードを取得しているので、2台目の通信端末300から再度取得する必要はない。
【0083】
電気機器200のCPU210は、APモード中に、自身のMACアドレスを読み出して、通信モジュール260を利用して、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、自身のMACアドレスを通信端末300に送信する(ステップS238)。これによって、通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を利用して、APモード中の電気機器200から、たとえばWi-Fi(登録商標)通信を介して、電気機器200のMACアドレスを受信する(ステップS239)。CPU310は、当該MACアドレスをメモリ320に記憶しておく。
【0084】
なお、電気機器200のCPU210は、MACアドレスを送信後、一定時間が経過すると、APモードを終了し、無線ルータ400とのWi-Fi(登録商標)通信に復帰する(ステップS237)。
【0085】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザから次へ処理を進める旨の命令を受け付ける。
【0086】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100にペアリングの要求とともに、電気機器200のMACアドレスを送信する(ステップS240)。
【0087】
サーバ100のCPU110は、電気機器200からのMACアドレスと、通信端末300からのMACアドレスとを照合する(ステップS242)。MACアドレスが一致した場合に、対応する接続IDを通信端末300に送信する(ステップS244)。
【0088】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介してサーバ100から接続IDを受信すると、その後、当該接続IDを利用して電気機器200とのペアリングすることが可能になる(ステップS246)。
【0089】
通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200とのペアリングが完了した旨のメッセージを表示させる(ステップS248)。
<第2の実施の形態>
【0090】
上記の実施の形態においては、ステップS138において、通信端末300が「次へ」処理を進める旨の命令を受け付けると、サーバ100にペアリングの要求とともに、電気機器200のMACアドレスを送信する(ステップS140)というものであった。しかしながら、なりすまし対策のために、通信端末300のCPU310は、ユーザからペアリングの命令を受け付けると(ステップS132あるいはステップS239)、すぐに、通信インターフェイス360を介して、サーバ100にペアリングの要求とともに、電気機器200のMACアドレスを送信してもよい。
【0091】
本実施の形態においては、サーバ100のCPU110は、一定時間内に、複数の通信端末300からペアリングの要求を受け付けた場合に、一番目にペアリング要求とMACアドレスを送ってきた通信端末300のみに返信を行うように構成される。これによって、他の端末から予期せぬペアリング要求が送られた場合であっても、正規のユーザのペアリングがエラーになることによって、正規のユーザが異常に気が付きやすい。
<第3の実施の形態>
【0092】
上記の実施の形態においては、電気機器200と初めてペアリングする通信端末300が、無線ルータ400のSSIDとパスワードを電気機器200に提供するものであった。しかしながら、電気機器200は、通信端末300とペアリング処理を開始する前に、別の方法で、無線ルータ400やサーバ100と既に接続されていても良い。たとえば、電気機器200は、WPS(Wi-Fi(登録商標) Protected Setup)ボタンなどを利用して、無線ルータ400と接続することが可能である。
【0093】
この場合は、電気機器200が初めてペアリングする通信端末300に関しても、
図13や、上記の実施の形態における2台目の通信端末300の接続処理において説明した方法によって、ペアリングすることが可能である。すなわち、電気機器200は、無線ルータと接続した際に、サーバ100に自身のMACアドレスを登録しておく。そして、その後に、通信端末300が、APモードの電気機器200からMACアドレスを取得して、当該MACアドレスをサーバ100に送信することによって電気機器200とのペアリングを行うことができる。
<第4の実施の形態>
【0094】
また、上記の実施の形態に関しては、2台目以降の通信端末300に関しても、電気機器200がAPモードでMACアドレスを提供するものであった。しかしながら、このような形態には限られない。
図14に示すように、1台目の通信端末300のユーザIDを利用して、2台目の通信端末のペアリングを許可する形態であってもよい。
【0095】
より詳細には、
図14に示すように、まず、2台目の通信端末300のCPU310が、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザからペアリングの命令を受け付ける(ステップS332)。2台目の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200に対してペアリングモードへ移行するためのボタンを押下するように指示するためのメッセージを表示する。
【0096】
電気機器200のCPU210は、操作部240を介して、ペアリングモードに移行する命令を受け付けて(ステップS334)、通信モジュール260を起動してサーバ100にペアリング要求を行う(ステップS336)。
【0097】
2台目の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザから、次の処理へと進める旨の命令を受け付ける(ステップS338)。
【0098】
2台目の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介して、サーバ100にペアリングの要求とともに、自身の第2のユーザIDなどを送信する(ステップS340)。
【0099】
サーバ100のCPU110は、電気機器200からのペアリング要求を受けてから所定の時間、たとえば5分など、以内であって、かつ、電気機器200とペアリング済みの第1の通信端末300から第2のユーザIDに関する許可を得ているか否かを判断する(ステップS342)。許可を受けている場合に、対応する接続IDを通信端末300に送信する(ステップS344)。
【0100】
2台目の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、通信インターフェイス360を介してサーバ100から接続IDを受信すると、その後、当該接続IDを利用して電気機器200とのペアリングすることが可能になる(ステップS346)。
【0101】
2台目の通信端末300のCPU310は、アプリケーションプログラムに従って、ディスプレイ330に、電気機器200とのペアリングが完了した旨のメッセージを表示させる(ステップS348)。
【0102】
より詳細には、以下のようにして、2台目の通信端末に対する許可フラグが登録される。
図15を参照して、第1のユーザが、1台目の通信端末300のアプリケーションプログラムを起動して、サービスに第1のユーザIDでログインする(ステップS412)。
【0103】
1台目の通信端末300のCPU310は、操作部340を介して、2台目の通信端末300にペアリングを許可する電気機器200を選択する命令を受け付けて(ステップS414)、電気機器200とのペアリングを許可する(ステップS416)。
【0104】
第2のユーザが、2台目の通信端末300のアプリケーションプログラムを起動して、サービスに第2のユーザIDでログインする(ステップS422)。
【0105】
2台目の通信端末300のCPU310は、操作部340を介して、ペアリングの許可の依頼を受け付ける(ステップS424)。これによって、CPU310は、ディスプレイ330に第2のユーザIDのQRコード(登録商標)を表示させる。
【0106】
1台目の通信端末300のCPU310は、カメラ390を用いて、QRコード(登録商標)をスキャンして(ステップS432)、第2のユーザIDを取得する(ステップS434)。
【0107】
1台目の通信端末300のCPU310は、通信インターフェイス360を介して、サーバ100に、自身が有する接続IDおよび電気機器200に対する許可とともに、第2のユーザIDを送信する(ステップS436)。これによって、サーバ100のCPU110は、メモリ120に、第2のユーザIDに対応付けて許可フラグを立てる。これによって、CPU110は、
図14のステップS342において、第2のユーザIDの通信端末300に関して、電気機器200に対するペアリングを許可することが可能になる。
<第5の実施の形態>
【0108】
上記の実施形態においては、通信端末300と電気機器200とをサーバ100で紐づけるために、MACアドレスを利用するものであった。しかしながら、電気機器200は、APモードにおいて、MACアドレス以外の、自身を特定可能な識別情報を通信端末300に送信しても良い。そして、サーバ100において、電気機器200からの当該識別情報と、通信端末300からの当該識別情報とを照合することによって、両者をペアリングしてもよい。
【0109】
より詳細には、電気機器200から通信端末300に送信される当該識別情報の有効期限が長い場合、すなわちサーバ100が電気機器200から受信した識別情報を有効とみなす期間が長い場合、当該識別情報は、電気機器200を一意に特定できるものであることが好ましい。逆に、電気機器200から通信端末300に送信される当該識別情報の有効期限が短い場合、すなわちサーバ100が電気機器200から受信した識別情報を有効とみなす期間が短い場合は、当該識別情報は、ユーザが電気機器200に入力する文字列であったり、電気機器200でランダムに作成されて通信端末300に渡される情報であったりしても良い。
<第6の実施の形態>
【0110】
上記の実施の形態においては、電気機器200がAPモード中に、電気機器200が識別情報を通信端末300に送信するものであった。しかしながら、電気機器200がAPモード中に、通信端末300のCPU310が、通信インターフェイス360を介して、上記の各種の識別情報を電気機器200に送信するものであってもよい。そして、通信端末300と電気機器200とが共に当該識別情報をサーバ100に送信して、サーバ100で識別情報の照合が行われてもよい。
<第7の実施の形態>
【0111】
また、上記の実施の形態においては、上述した通り、SSIDやMACアドレスのやりとり後に、ユーザが、電気機器200を操作してサーバ100に接続させたり、通信端末300を操作してサーバ100に接続させたりするものであった。しかしながら、通信端末300および電気機器200は、電気機器200へのAPモードへの移行命令や通信端末300へのペアリング処理の開始命令が入力されると、電気機器200への操作や通信端末300への操作を待つことなく、自動的にペアリングの完了まで処理を進めるものであってもよい。これによって、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
<第8の実施の形態>
【0112】
上記の実施の形態のネットワークシステム1の各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100や電気機器200や通信端末300の各々の役割の一部または全部を別の装置が担ったり、それらの装置の1つ1つの役割の一部または全部を複数の装置で分担したりしてもよい。たとえば、具体的には、サーバ100が、1つの装置で実現されてもよいし、クラウド上の複数の装置によって実現されてもよい。あるいは、通信端末300のアプリケーションプログラムが、サーバ100や電気機器200の処理の一部の役割を担ったりしてもよい。あるいは、電気機器200が、電気機器本体と、後付けの通信モジュールとによって構成されてもよい。
<まとめ>
【0113】
上記の実施の形態においては、サーバと電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムが提供される。電気機器が、APモード中に通信端末に識別情報を送信し、APモードの終了後に識別情報をサーバへ送信する。通信端末が、電気機器から取得した識別情報をサーバに送信する。サーバが、電気機器からの識別情報と通信端末からの識別情報とに基づいて電気機器と通信端末とをペアリングする。
【0114】
好ましくは、ネットワークシステムは、宅内無線ルータをさらに備える。通信端末は、電気機器がAPモード中に、宅内無線ルータのIDとパスワードとを電気機器に送信する。電気機器は、APモードの終了後に、IDとパスワードとを利用して宅内無線ルータに接続する。
【0115】
好ましくは、通信端末は、ユーザから、宅内無線ルータのIDとパスワードの入力を受け付ける。電気機器は、ユーザから、APモードの開始の命令を受け付ける。
【0116】
上記の実施においては、ネットワークシステムにおけるペアリング方法が提供される。ペアリング方法は、電気機器が、APモード中に通信端末に識別情報を送信するステップと、電気機器が、APモード終了後に識別情報をサーバへ送信するステップと、通信端末が、電気機器から取得した識別情報をサーバに送信するステップと、サーバが、電気機器からの識別情報と通信端末からの識別情報とに基づいて電気機器と通信端末とをペアリングするステップと、を備える。
【0117】
上記の実施においては、通信インターフェイスと、プロセッサと、を備える電気機器が提供される。プロセッサは、通信インターフェイスを利用してAPモードを実行中に通信端末に識別情報を送信し、APモードの終了後に通信インターフェイスを利用して識別情報をサーバに送信する。
【0118】
上記の実施においては、通信インターフェイスと、プロセッサと、を備える通信端末のプログラムが提供される。プログラムは、通信インターフェイスを利用して、APモード中の電気機器に、宅内無線ルータのIDとパスワードを電気機器に送信するステップと、通信インターフェイスを利用して、APモード中の電気機器から識別情報を受信するステップと、通信インターフェイスを利用して、サーバに、電気機器に対するペアリングの要求と、識別情報と、を送信するステップと、をプロセッサに実行させる。
【0119】
上記の実施においては、通信インターフェイスと、プロセッサと、を備えるサーバが提供される。プロセッサは、通信インターフェイスを利用して電気機器から識別情報を受信し、通信インターフェイスを利用して通信端末から識別情報を受信し、2つの識別情報に基づいて電気機器と通信端末とをペアリングさせる。
【0120】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0121】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
110 :CPU
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :機器情報データ
123 :ペアリング情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :電気機器
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
250 :タッチパネル
260 :通信モジュール
270 :スピーカ
280 :マイク
290 :機器駆動部
300 :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
390 :カメラ
400 :無線ルータ