(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144975
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】フレーム、及びフレームセット
(51)【国際特許分類】
A63B 61/02 20060101AFI20231003BHJP
A63B 71/02 20060101ALI20231003BHJP
A63B 71/00 20060101ALI20231003BHJP
A63B 61/00 20060101ALI20231003BHJP
G09F 15/00 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
A63B61/02 Z
A63B71/02 E
A63B71/00 Z
A63B61/00 B
G09F15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052217
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 昭二
(72)【発明者】
【氏名】管谷 潤二
(72)【発明者】
【氏名】平工 将人
(57)【要約】
【課題】設置及び撤収の作業性が高いフレーム、及びフレームセットを提供する。
【解決手段】フレーム100は、第1方向Xから視て複数の角部を有し、第1方向Xに間隔を空けて配置される第1枠部1及び第2枠部2と、第1枠部1及び第2枠部2の各々の複数の角部間を接続する複数の梁3とを備える。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々は、互いに別部材である。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の少なくともいずれかは、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向から視て複数の角部を有し、前記第1方向に間隔を空けて配置される第1枠部及び第2枠部と、
前記第1枠部及び前記第2枠部の各々の前記複数の角部間を接続する複数の梁とを備え、
前記第1枠部、前記第2枠部、及び前記複数の梁の各々は、互いに別部材であり、
前記第1枠部、前記第2枠部、及び前記複数の梁の少なくともいずれかは、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている、フレーム。
【請求項2】
前記複数の梁の各々は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている、請求項1に記載のフレーム。
【請求項3】
前記第1方向から視て、前記複数の角部の各々には、前記複数の梁の各々が通される貫通孔が形成されており、
前記第1方向から視て、前記第1枠部及び前記第2枠部の各々は、前記第1枠部及び前記第2枠部の各々の中心に対して前記貫通孔よりも外側に位置する外側部分と、前記中心に対して前記貫通孔よりも内側に位置する内側部分とを有し、
前記第1方向から視て、前記外側部分の幅は、前記内側部分の幅よりも狭い、請求項2に記載のフレーム。
【請求項4】
前記複数の梁の各々は、前記第1方向と直交する方向の幅が他の部分よりも狭いくびれ部分を有しており、
前記くびれ部分が、前記貫通孔に通される、請求項3に記載のフレーム。
【請求項5】
前記第1枠部及び前記第2枠部の各々は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている、請求項2~4のいずれか1項に記載のフレーム。
【請求項6】
前記第1枠部及び前記第2枠部の各々は、剛体である、請求項2~4のいずれか1項に記載のフレーム。
【請求項7】
前記第1枠部及び前記第2枠部の各々は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられており、
前記複数の梁の各々は、剛体である、請求項1に記載のフレーム。
【請求項8】
前記複数の角部の各々には、前記複数の梁の各々が通される貫通孔が形成されており、
流体が前記第1枠部及び前記第2枠部の各々の内部に供給されている状態において、前記貫通孔は、前記第1方向に沿って延びている内周面を有している、請求項7に記載のフレーム。
【請求項9】
前記内周面は前記状態において弾性変形するように設けられており、
前記状態において前記複数の梁の各々が前記貫通孔に通されていないときに、前記内周面に囲まれた領域の開口幅は、前記複数の梁の各々の幅よりも小さい、請求項8に記載のフレーム。
【請求項10】
前記第1方向から視て、前記第1枠部及び前記第2枠部の各々の外形状は三角形状である、請求項1~9のいずれか1項に記載のフレーム。
【請求項11】
前記複数の梁の各々の両端部は、前記第1方向と直交する第2方向から視て前記第1方向の内側に向けて凹んでいるU字部分を有している、請求項1~10のいずれか1項に記載のフレーム。
【請求項12】
前記第1枠部、前記第2枠部、及び前記複数の梁を複数組備え、
前記複数組のうちの第1組の前記複数の梁の各々の前記U字部分は、前記複数組のうちの第2組の前記複数の梁の各々の前記U字部分と噛み合うように設けられている、請求項11に記載のフレーム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のフレームと、
前記第1枠部、前記第2枠部、及び前記複数の梁の各々の上に掛けられる幕とを備え、
前記第1枠部、前記第2枠部、及び前記複数の梁の各々は、前記幕を着脱可能に固定するための固定部を有する、フレームセット。
【請求項14】
前記幕は、貫通孔が形成されていない幕、少なくとも1つの貫通孔が形成されている幕、又はネットである、請求項13に記載のフレームセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム、及びフレームセットに関し、特にスポーツシーンにおいて利用可能なフレーム、及びフレームセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツの競技場又は練習場には、それぞれの用途に特化したフレームが使用されている。
【0003】
このようなフレームの例として、スポーツ競技が行われるフィールド(グラウンド、コート等)の脇に設置されて広告を表示するサイドバナー、又はフィールド内に設置される防球フェンスがある。
【0004】
上記用途では、一般的に、複数のフレームが並んで配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のフレームは、金属製又は木製の複数の部材がねじ止め、接着、溶接等により組み立てられた組物又は一体物であるため、フレームの設置及び撤収の作業性が低い。
【0006】
本発明の主たる目的は、設置及び撤収の作業性が高いフレーム、及びフレームセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフレームは、第1方向から視て複数の角部を有し、第1方向に間隔を空けて配置される第1枠部及び第2枠部と、第1枠部及び第2枠部の各々の複数の角部間を接続する複数の梁とを備える。第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々の少なくともいずれかは、互いに別部材であり、かつ流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている。
【0008】
上記フレームでは、複数の梁の各々が、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられていてもよい。
【0009】
上記フレームでは、第1方向から視て、複数の角部の各々には、複数の梁の各々が通される貫通孔が形成されていてもよい。第1方向から視て、第1枠部及び第2枠部の各々は、第1枠部及び第2枠部の各々の中心に対して貫通孔よりも外側に位置する外側部分と、中心に対して貫通孔よりも内側に位置する内側部分とを有していてもよい。第1方向から視て、外側部分の幅は、内側部分の幅よりも狭くてもよい。
【0010】
上記フレームでは、複数の梁の各々は、第1方向と直交する方向の幅が他の部分よりも狭いくびれ部分を有していてもよい。くびれ部分が、貫通孔に通される。
【0011】
上記フレームでは、第1枠部及び第2枠部の各々が、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられていてもよい。
【0012】
上記フレームでは、第1枠部及び第2枠部の各々が剛体であってもよい。
上記フレームでは、第1枠部及び第2枠部の各々は流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられており、複数の梁の各々は剛体であってもよい。
【0013】
上記フレームにおいて、複数の角部の各々には、複数の梁の各々が通される貫通孔が形成されており、流体が第1枠部及び第2枠部の各々の内部に供給されている状態において、貫通孔は該貫通孔の孔軸に沿って延びている内周面を有していてもよい。
【0014】
上記フレームでは、上記内周面が上記状態において弾性変形するように設けられていてもよい。上記状態において複数の梁の各々が貫通孔に通されていないときに、内周面に囲まれた領域の開口幅は、複数の梁の各々の幅よりも小さくてもよい。
【0015】
上記フレームでは、第1方向から視て、第1枠部及び第2枠部の各々の外形状は三角形状であってもよい。
【0016】
上記フレームでは、複数の梁の各々の両端部は、第1方向と直交する第2方向から視て第1方向の内側に向けて凹んでいるU字部分を有していてもよい。
【0017】
上記フレームは、第1枠部、第2枠部、及び複数の梁を複数組備えていてもよい。複数組のうちの第1組の複数の梁の各々のU字部分は、複数組のうちの第2組の複数の梁の各々のU字部分と噛み合うように設けられていてもよい。
【0018】
本発明に係るフレームセットは、上記フレームと、第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々の上に掛けられる幕とを備える。第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々は、幕を着脱可能に固定するための固定部を有する。
【0019】
上記フレームセットにおいて、幕は、貫通孔が形成されていない幕、少なくとも1つの貫通孔が形成されている幕、又はネットであってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、設置及び撤収の作業性が高いフレーム、及びフレームセットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施の形態1に係るフレームが組み立てられた状態を説明するための斜視図である。
【
図2】
図1に示されるフレームを第1方向から視た側面図である。
【
図4】
図1に示されるフレームの部分拡大正面図である。
【
図5】
図1に示されるフレームの第1枠部(第2枠部)を第1方向から視た図である。
【
図6】
図1に示されるフレームの第1枠部の第1角部(第2枠部の第4角部)を第1方向と直交する方向から視た図である。
【
図7】
図6に示されるフレームの第1枠部の第1角部(第2枠部の第4角部)の斜視図である。
【
図8】
図1に示されるフレームの第1枠部の内部に流体が供給されていない状態を説明するための図である。
【
図9】
図1に示されるフレームの梁を第1方向と直交する第2方向から視た図である。
【
図10】
図1に示されるフレームの梁を第1方向及び第2方向の各々と直交する方向から視た部分拡大図である。
【
図11】
図1に示されるフレームの梁の内部に流体が供給されていない状態を説明するための図である。
【
図12】実施の形態1に係るフレームにおいて、第1方向に隣り合う2つの梁の接続部分を説明するための部分拡大図である。
【
図13】実施の形態2に係るフレームが組み立てられた状態を説明するための斜視図である。
【
図14】
図13に示されるフレームの第1枠部の第1角部(第2枠部の第4角部)を第1方向から視た図である。
【
図15】
図14に示されるフレームの第1枠部の第1角部(第2枠部の第4角部)の斜視図である。
【
図16】
図14に示される第1角部の第1貫通孔に第1梁が通された状態を説明するための部分断面図である。
【
図17】実施の形態3に係るフレームが組み立てられた状態を説明するための斜視図である。
【
図18】
図17に示されるフレームの第1枠部(第2枠部)の斜視図である。
【
図19】本実施の形態に係るフレームセットの第1例を説明するための斜視図である。
【
図20】本実施の形態に係るフレームセットの第2例を説明するための斜視図である。
【
図21】本実施の形態に係るフレームセットの第3例を説明するための斜視図である。
【
図22】本実施の形態に係るフレームセットの第3例の使用例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0023】
本実施の形態において幾何学的な文言および位置・大小・方向関係を表す文言、たとえば「直交」、「同軸」、「沿って」、「合同」などの文言が用いられる場合、それらの文言は、製造誤差ないし若干の変動を許容する。
【0024】
(実施の形態1)
<フレームの構成>
図1~
図3に示されるように、実施の形態1に係るフレーム100は、少なくとも1つの第1枠部1、少なくとも1つの第2枠部2、及び複数の梁3を備える。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々は、互いに別部材である。第1枠部1は、第2枠部2と第1方向Xに間隔を空けて配置されている。第1枠部1及び第2枠部2は、複数の梁3によって接続されている。フレーム100は、第1枠部1と第2枠部2とが複数の梁3によって接続されることにより組み立てられた組物である。フレーム100は、容易に解体可能である。第1枠部1及び第2枠部2の各々は、複数の梁3の各々と、容易に接続され得るとともに、容易に分離され得る。
【0025】
第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の外郭は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなる袋体により構成されている。流体は、気体及び液体の少なくともいずれかであり、例えば空気及び水の少なくともいずれかである。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々は、流体が内部に充填されている状態において、クッション性を有している。クッション性とは、荷重が加えられたときに柔軟に変形し、当該荷重から開放されたときに元の形状に戻る性質をいう。第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々を構成する材料は、上記性質が実現される限りにおいて任意の材料であればよいが、例えばポリ塩化ビニル(PVC)である。なお、
図1~
図3に示されるフレーム100は、第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の内部に流体が充填されている状態を示している。
【0026】
<第1枠部及び第2枠部の構成>
第1枠部1及び第2枠部2は、例えば互いに同等の構造を有している。第1枠部1及び第2枠部2は、例えば互いに合同である。以下では、第1枠部1を代表的に説明する。
【0027】
図1、
図2、及び
図5に示されるように、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、第1方向Xから視て複数の角部を有する。第1枠部1及び第2枠部2の各々の外形状は、任意の多角形状であればよいが、例えば略三角形状である。第1枠部1は、第1角部11、第2角部12、及び第3角部13を有する。第2枠部2は、第4角部21、第5角部22、及び第6角部23を有する。第1角部11は、第4角部21と第1方向Xに間隔を空けて配置されている。第2角部12は、第5角部22と第1方向Xに間隔を空けて配置されている。第3角部13は、第6角部23と第1方向Xに間隔を空けて配置されている。
【0028】
フレーム100は、例えば第1方向Xが設置面に沿うように配置された状態で使用される。フレーム100は、例えば第1角部11及び第4角部21が他の角部よりも最も上方に位置し、かつ第2角部12、第3角部13、第5角部22、及び第6角部23が設置面に接した状態で使用される。
【0029】
図1、
図2、及び
図5に示されるように、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、例えば第1方向Xから視て環状に設けられている。第1枠部1及び第2枠部2の各々は、複数の辺部をさらに有する。第1枠部1は、第1角部11と第2角部12との間を接続する第1辺部14、第1角部11と第3角部13との間を接続する第2辺部15、及び第2角部12と第3角部13との間を接続する第3辺部16を有する。第1方向Xから視て、第1辺部14、第2辺部15、及び第3辺部16の各々の幅は、例えば互いに同等である。第2枠部2は、第4角部21と第5角部22との間を接続する第4辺部24、第4角部21と第6角部23との間を接続する第5辺部25、及び第5角部22と第6角部23との間を接続する第6辺部26を有する。第1方向Xから視て、第4辺部24、第5辺部25、及び第6辺部26の各々の幅は、例えば互いに同等である。
【0030】
図1、
図2、及び
図5に示されるように、第1角部11と第2角部12との間の距離及び第1角部11と第3角部13との間の距離は、例えば第2角部12と第3角部13との間の距離よりも長い。言い換えると、第1辺部14及び第2辺部15は、例えば第3辺部16よりも長い。第4角部21と第5角部22との間の距離及び第4角部21と第6角部23との間の距離は、例えば第5角部22と第6角部23との間の距離よりも長い。言い換えると、第4辺部24及び第5辺部25は、例えば第6辺部26よりも長い。
【0031】
図2及び
図5に示されるように、第1方向Xから視て、複数の角部の各々には、複数の梁3の各々が通される貫通孔が形成されている。第1枠部1の第1角部11、第2角部12、及び第3角部13には、それぞれ第1貫通孔11A、第2貫通孔12A、及び第3貫通孔13Aが形成されている。
図5に示されるように、第2枠部2の第4角部21、第5角部22、及び第6角部23には、それぞれ第4貫通孔21A、第5貫通孔22A、及び第6貫通孔23Aが形成されている。各貫通孔の開口形状は、任意の形状であればよいが、例えば円形状である。各貫通孔の孔軸は、第1方向Xに沿っている。フレーム100において、第1貫通孔11Aの孔軸は第4貫通孔21Aの孔軸と同一直線上に配置される。言い換えると、フレーム100において、第1貫通孔11Aは第4貫通孔21Aと同軸上に配置される。フレーム100において、第2貫通孔12Aは第5貫通孔22Aと同軸上に配置され、第3貫通孔13Aは第6貫通孔23Aと同軸上に配置される。
【0032】
第1方向Xから視て、各角部の外側の外形線の曲率は、各辺部の外側の外形線の曲率よりも大きい。第1方向Xから視て、複数の角部の各々の内側の外形線の曲率は、各辺部の内側の外形線の曲率よりも大きい。各辺部の外側及び内側の各外形線は、例えば直線である。第1方向Xから視て、第1角部11の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも内側に配置されている。第1方向Xから視て、第2角部12の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも外側に配置されている。第1方向Xから視て、第3角部13の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも外側に配置されている。
【0033】
図2及び
図5に示されるように、第1方向Xから視て、複数の角部の各々は、第1枠部1又は第2枠部2の中心に対して貫通孔よりも外側に位置する外側部分と、該中心に対して貫通孔よりも内側に位置する内側部分とを有する。各角部の外側部分と内側部分とは、各貫通孔を囲むように環状に連なっている。
【0034】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第1角部11は、第1貫通孔11Aよりも外側に位置する第1外側部分11Bと、第1貫通孔11Aよりも内側に位置する第1内側部分11Cとを有する。第1方向Xから視て、第2角部12は、第2貫通孔12Aよりも外側に位置する第2外側部分12Bと、第2貫通孔12Aよりも内側に位置する第2内側部分12Cとを有する。第1方向Xから視て、第3角部13は、第3貫通孔13Aよりも外側に位置する第3外側部分13Bと、第3貫通孔13Aよりも内側に位置する第3内側部分13Cとを有する。
【0035】
図2及び
図5に示されるように、第1方向Xから視て、各角部の外側部分の最大幅は、内側部分の最大幅よりも狭い。第1方向Xから視て、各角部の貫通孔の孔軸と各角部の外側の外形線との間の距離は、各角部の貫通孔の孔軸と各角部の内側の外形線との間の距離よりも短い。
【0036】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第1外側部分11Bの幅は、第1内側部分11Cの幅よりも狭い。第1貫通孔11Aの孔軸と第1角部11の外側の外形線との間の距離は、第1貫通孔11Aの孔軸と第1角部11の内側の外形線との間の距離よりも短い。第1方向Xから視て、第2外側部分12Bの幅は、第2内側部分12Cの幅よりも狭い。第2貫通孔12Aの孔軸と第2角部12の外側の外形線との間の距離は、第2貫通孔12Aの孔軸と第2角部12の内側の外形線との間の距離よりも短い。第1方向Xから視て、第3外側部分13Bの幅は、第3内側部分13Cの幅よりも狭い。第3貫通孔13Aの孔軸と第3角部13の外側の外形線との間の距離は、第3貫通孔13Aの孔軸と第3角部13の内側の外形線との間の距離よりも短い。
【0037】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第1外側部分11B、第2外側部分12B、第3外側部分13Bの各々の幅は、第1辺部14、第2辺部15、及び第3辺部16の各々の幅よりも狭い。第1方向Xから視て、第1内側部分11C、第2内側部分12C、第3内側部分13Cの各々の幅は、例えば第1辺部14、第2辺部15、及び第3辺部16の各々の幅と同等である。
【0038】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第1外側部分11Bの幅は、第1角部11の外側の外形線のうち曲率が最も大きい部分から離れるにつれて、言い換えると第1辺部14又は第2辺部15に近づくにつれて、徐々に広くなっている。第1外側部分11Bの第1辺部14と連なっている部分の幅は、例えば第1外側部分11Bの第2辺部15と連なっている部分の幅と同等である。
【0039】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第2外側部分12Bの第1辺部14と連なっている部分12B1の幅は、第2外側部分12Bの第3辺部16と連なっている部分12B2の幅よりも狭い。第1方向Xから視て、第3外側部分13Bの第2辺部15と連なっている部分13B1の幅は、第3外側部分13Bの第3辺部16と連なっている部分13B2の幅よりも狭い。
【0040】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第1外側部分11B、第2外側部分12B、第3外側部分13Bの各々の幅は、第1辺部14、第2辺部15、及び第3辺部16の各々の幅よりも狭い。第1方向Xから視て、第1内側部分11C、第2内側部分12C、第3内側部分13Cの各々の幅は、例えば第1辺部14、第2辺部15、及び第3辺部16の各々の幅と同等である。
【0041】
第1方向Xと直交する方向から視て、各角部の外側部分の第1方向Xの幅は、例えば当該角部の内側部分の第1方向Xの幅よりも狭い。
図6に示されるように、第1方向Xと直交する方向から視て、第1外側部分11Bの幅は、第1内側部分11Cの幅よりも狭い。同様に、第1方向Xと直交する方向から視て、第2外側部分12Bの幅は、第2内側部分12Cの幅よりも狭い。第1方向Xと直交する方向から視て、第3外側部分13Bの幅は、第3内側部分13Cの幅よりも狭い。
【0042】
第1枠部1は、例えば重なるように配置された2つのシート状部材の各々の外縁が互いに溶着されることにより形成された袋体である。2つのシート状部材の各々の寸法及び形状は、例えば互いに等しい。2つのシート状部材の各々を構成する材料は、例えばPVCである。
図7に示されるように、第1枠部1の外縁には、上記2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分11Dが形成されている。さらに、第1貫通孔11A、第2貫通孔12A、及び第3貫通孔13Aの各々の内周面には、上記2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分11Dが形成されている。
図8に示されるように、流体がそれぞれの内部に供給されていない状態にある第1枠部1及び第2枠部2の各々は、流体がそれぞれの内部に供給されている状態と比べて2つのシート状部材の積層方向に圧縮され得る。流体が第1枠部1及び第2枠部2の各々の内部に供給されていない状態における第1枠部1及び第2枠部2の各々の厚みは流体が第1枠部1及び第2枠部2の各々の内部に供給されている状態における第1枠部1及び第2枠部2の各々の厚みよりも薄い。
【0043】
上述のように、第2枠部2は、第1枠部1と同等の構造を有している。以下、第2枠部2を簡略に説明する。
【0044】
第1方向Xから視て、第4角部21の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも内側に配置されている。第1方向Xから視て、第5角部22の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも外側に配置されている。第1方向Xから視て、第6角部23の内側の外形線の曲率中心は、当該外形線よりも外側に配置されている。
【0045】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第4角部21は、第4貫通孔21Aよりも外側に位置する第4外側部分21Bと、第4貫通孔21Aよりも内側に位置する第4内側部分21Cとを有する。第1方向Xから視て、第2角部12は、第5貫通孔22Aよりも外側に位置する第5外側部分22Bと、第5貫通孔22Aよりも内側に位置する第5内側部分22Cとを有する。第1方向Xから視て、第3角部13は、第6貫通孔23Aよりも外側に位置する第6外側部分23Bと、第6貫通孔23Aよりも内側に位置する第6内側部分23Cとを有する。
【0046】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第4外側部分21Bの幅は、第4内側部分21Cの幅よりも狭い。第4貫通孔21Aの孔軸と第4角部21の外側の外形線との間の距離は、第4貫通孔21Aの孔軸と第4角部21の内側の外形線との間の距離よりも短い。第1方向Xから視て、第5外側部分22Bの幅は、第5内側部分22Cの幅よりも狭い。第5貫通孔22Aの孔軸と第5角部22の外側の外形線との間の距離は、第5貫通孔22Aの孔軸と第5角部22の内側の外形線との間の距離よりも短い。第1方向Xから視て、第6外側部分23Bの幅は、第6内側部分23Cの幅よりも狭い。第6貫通孔23Aの孔軸と第6角部23の外側の外形線との間の距離は、第6貫通孔23Aの孔軸と第6角部23の内側の外形線との間の距離よりも短い。
【0047】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第4外側部分21Bの幅は、第4角部21の外側の外形線のうち曲率が最も大きい部分から離れるにつれて、言い換えると第4辺部24又は第5辺部25に近づくにつれて、徐々に広くなっている。第4外側部分21Bの第4辺部24と連なっている部分の幅は、例えば第4外側部分21Bの第5辺部25と連なっている部分の幅と同等である。
【0048】
図5に示されるように、第1方向Xから視て、第5外側部分22Bの第4辺部24と連なっている部分22B1の幅は、第5外側部分22Bの第6辺部26と連なっている部分22B2の幅よりも狭い。第1方向Xから視て、第6外側部分23Bの第5辺部25と連なっている部分23B1の幅は、第6外側部分23Bの第6辺部26と連なっている部分23B2の幅よりも狭い。
【0049】
図6に示されるように、第1方向Xと直交する方向から視て、第4外側部分21Bの幅は、第4内側部分21Cの幅よりも狭い。同様に、第1方向Xと直交する方向から視て、第5外側部分22Bの幅は、第5内側部分22Cの幅よりも狭い。第1方向Xと直交する方向から視て、第6外側部分23Bの幅は、第6内側部分23Cの幅よりも狭い。
【0050】
第2枠部2は、例えば重なるように配置された2つのシート状部材の各々の外縁が互いに溶着されることにより形成された袋体である。
図7に示されるように、第2枠部2の外縁には、上記2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分21Dが形成されている。さらに、第4貫通孔21A、第5貫通孔22A、及び第6貫通孔23Aの各々の内周面には、上記2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分21Dが形成されている。
図8に示されるように、流体がそれぞれの内部に供給されていない状態にある第2枠部2は、流体が第2枠部2の内部に供給されている状態と比べて2つのシート状部材の積層方向に圧縮され得る。流体が第2枠部2の内部に供給されていない状態における第2枠部2の厚みは流体が第2枠部2の各々の内部に供給されている状態における第2枠部2の各々の厚みよりも薄い。
【0051】
図1、
図2、
図3、
図5、
図7、及び
図8に示されるように、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、図示しない幕を固定するための複数の固定部18,28をさらに有する。固定部18及び固定部28は、幕を固定し得る限りにおいて任意の構造を有していればよいが、例えば面ファスナを有する。複数の固定部18の各々は、第1角部11、第2角部12,第3角部13、第1辺部14、及び第2辺部15の各々の外側に取り付けられている。第2枠部2は、上記幕を固定するための複数の固定部28をさらに有する。複数の固定部28の各々は、第4角部21、第5角部22,第6角部23、第4辺部24、及び第5辺部25の各々に取り付けられている。なお、
図6では、第1角部11又は第4角部21に取り付けられた固定部18,28の図示が省略されている。
【0052】
<複数の梁の構成>
図1及び
図3に示されるように、複数の梁3の各々は、例えば第1方向Xに沿って延びている。複数の梁3の各々は、例えば互いに平行である。複数の梁3は、第1角部11と第4角部21とを接続する第1梁31、第2角部12と第5角部22とを接続する第2梁32、及び第3角部13と第6角部23とを接続する第3梁33を有する。フレーム100において、第1枠部1と第2枠部2との間には、第1梁31と第2梁32との間に開口する第1開口部と、第1梁31と第3梁33との間に開口する第2開口部と、第2梁32と第3梁33との間に開口する第3開口部とが形成される。
【0053】
第1梁31、第2梁32、及び第3梁33は、互いに同等の構造を有している。以下では、第1梁31を代表的に説明する。
【0054】
図9に示されるように、複数の梁3の各々は、第1方向Xと直交する方向の幅が他の部分よりも狭いくびれ部分を有している。各くびれ部分が各角部の貫通孔に通される。第1梁31は、中央部分31A、第1端部31B、第2端部31C、及びくびれ部分31D,31Eを有する。中央部分31Aは、第1梁31の第1方向Xの中央に位置し、第1角部11と第4角部21との間に渡される。第1端部31Bは、第1梁31の第1方向Xの一方の端部である。第1端部31Bは、第1角部11の第1貫通孔11Aよりも外側に突出するように配置される。第2端部31Cは、第1梁31の第1方向Xの他方の端部である。第2端部31Cは、第4角部21の第4貫通孔21Aよりも外側に突出するように配置される。くびれ部分31Dは、第1方向Xにおいて中央部分31Aと第1端部31Bとの間を接続している。くびれ部分31Eは、第1方向Xにおいて中央部分31Aと第2端部31Cとの間を接続している。
【0055】
図9に示されるように、第1方向Xと直交する方向から視て、くびれ部分31Dの幅は、中央部分31A及び第1端部31Bの各々の幅よりも狭い。くびれ部分31Dは、第1角部11の第1貫通孔11Aに通される。くびれ部分31Dは、第1貫通孔11Aに通されたときに、第1角部11の外側部分11B及び内側部分11Cと掛かり合うように設けられている。くびれ部分31Eの幅は、中央部分31A及び第2端部31Cの各々の幅よりも狭い。くびれ部分31Eは、第4角部21の第4貫通孔21Aに通される。くびれ部分31Eは、第4貫通孔21Aに通されたときに、第4角部21の外側部分21B及び内側部分21Cと掛かり合うように設けられている。
【0056】
図9に示されるように、複数の梁3の各々の両端部は、第1方向Xと直交する第2方向から視て、第1方向Xの内側に向けて凹んでいるU字部分を有している。第1梁31の第1端部31Bは、U字部分31Fを有している。第1梁31の第2端部31Cは、U字部分31Gを有している。なお、第1方向Xと直交する第2方向から視てU字部分31FがU字形状を成しているときに、U字部分31Gは第1方向X及び第2方向の各々と直交する第3方向から視てU字形状を成すように設けられていてもよい。U字部分31Fの内側端部は、くびれ部31Dよりも外側に配置されている。U字部分31Gは、くびれ部31Eよりも外側に配置されている。
【0057】
複数の梁3の各々のU字部分を側面から視たときに、第1方向Xと直交する方向のU字部分の幅は、第1方向Xにおいて中央部分31Aから離れるにつれて徐々に狭くなるように設けられている。
図10に示されるように、第2方向Yから視てU字形状を成しているU字部分31Fの第2方向Yの幅は、第1方向Xにおいて中央部分31Aから離れるにつれて徐々に狭くなるように設けられている。
【0058】
上述のように、第2梁32及び第3梁33は、第1梁31と同等の構造を有している。以下、第2梁32及び第3梁33を簡略に説明する。
【0059】
第2梁32は、中央部分32A、第3端部32B、第4端部32C、及びくびれ部分32D,32Eを有する。中央部分32Aは、第2梁32の第1方向Xの中央に位置し、第2角部12と第5角部22との間に渡される。第3端部32Bは、第2梁32の第1方向Xの一方の端部である。第3端部32Bは、第2角部12の第2貫通孔12Aよりも外側に突出するように配置される。第4端部32Cは、第2梁32の第1方向Xの他方の端部である。第4端部32Cは、第5角部22の第5貫通孔22Aよりも外側に突出するように配置される。くびれ部分32Dは、第1方向Xにおいて中央部分32Aと第3端部32Bとの間を接続している。くびれ部分32Eは、第1方向Xにおいて中央部分32Aと第4端部32Cとの間を接続している。
【0060】
図9に示されるように、くびれ部分32Dは、第2角部12の第2貫通孔12Aに通される。くびれ部分32Dは、第2貫通孔12Aに通されたときに、第2角部12の外側部分12B及び内側部分12Cと掛かり合うように設けられている。くびれ部分32Eは、第5角部22の第5貫通孔22Aに通される。くびれ部分32Eは、第5貫通孔22Aに通されたときに、第5角部22の外側部分22B及び内側部分22Cと掛かり合うように設けられている。
【0061】
図9に示されるように、第2梁32の第3端部32Bは、U字部分32Fを有している。第2梁32の第4端部32Cは、U字部分32Gを有している。
【0062】
第3梁33は、中央部分33A、第5端部33B、第6端部33C、及びくびれ部分33D,33Eを有する。中央部分33Aは、第3梁33の第1方向Xの中央に位置し、第3角部13と第6角部23との間に渡される。第5端部33Bは、第3梁33の第1方向Xの一方の端部である。第5端部33Bは、第3角部13の第3貫通孔13Aよりも外側に突出するように配置される。第6端部33Cは、第3梁33の第1方向Xの他方の端部である。第6端部33Cは、第6角部23の第6貫通孔23Aよりも外側に突出するように配置される。くびれ部分33Dは、第1方向Xにおいて中央部分33Aと第5端部33Bとの間を接続している。くびれ部分33Eは、第1方向Xにおいて中央部分33Aと第6端部33Cとの間を接続している。
【0063】
図9に示されるように、くびれ部分33Dは、第3角部13の第3貫通孔13Aに通される。くびれ部分33Dは、第3貫通孔13Aに通されたときに、第3角部13の外側部分13B及び内側部分13Cと掛かり合うように設けられている。くびれ部分33Eは、第6角部23の第6貫通孔23Aに通される。くびれ部分33Eは、第6貫通孔23Aに通されたときに、第6角部23の外側部分23B及び内側部分23Cと掛かり合うように設けられている。
【0064】
図9に示されるように、第3梁33の第5端部33Bは、U字部分33Fを有している。第3梁33の第6端部33Cは、U字部分33Gを有している。
【0065】
複数の梁3の各々は、例えば重なるように配置された2つのシート状部材の各々の外縁が互いに溶着されることにより形成された袋体である。
図10に示されるように、複数の梁3の各々の外縁には、上記2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分が形成されている。第1梁31の外縁には、2つのシート状部材が溶着されて成る溶着部分31Hが形成されている。
図11に示されるように、流体がそれぞれの内部に供給されていない状態にある複数の梁3の各々は、流体が複数の梁3の各々の内部に供給されている状態と比べて2つのシート状部材の積層方向に圧縮され得る。流体が内部に供給されていない各梁3の厚みは、流体が内部に供給されている各梁3の厚みよりも薄い。
【0066】
<フレームの連結体>
実施の形態1に係るフレームは、複数の第1枠部1および複数の第2枠部2を備えていてもよい。異なる観点から言えば、実施の形態1に係る各フレームは、
図1~
図4に示されるフレーム100を1組のユニットとして、当該ユニットを複数組備えていてもよい。本実施の形態に係るフレームは、複数組準備された場合に、互いに連結して連結体を構成し得る。この場合、複数組のうちの第1組の複数の梁3の各々のU字部分は、複数組のうちの第2組の複数の梁3の各々のU字部分と噛み合うように設けられている。
【0067】
図12に示されるフレーム110は、第1方向Xに並んで配置されている第1組のフレームユニット100A及び第2組のフレームユニット100Bが互いに連結している連結体である。第1組のフレームユニット100A及び第2組のフレームユニット100Bの各々は、いずれも上述したフレーム100と同等の構造を有している。
【0068】
図12に示されるように、第1組のフレームユニット100Aの複数の梁3の各々のU字部分は、第2組のフレームユニット100Bの複数の梁3の各々のU字部分と噛み合あっている。第1組のフレームユニット100Aの第1梁31のU字部分31Fは、当該第1梁31の中心軸周りに、第2組のフレームユニット100Bの第1梁31のU字部分31Gに対して90度回転した状態で、U字部分31Gと噛み合うように設けられている。第1組のフレームユニット100Aの第2梁32のU字部分32Fは、当該第2梁32の中心軸周りに、第2組のフレームユニット100Bの第2梁32のU字部分32Gに対して90度回転した状態で、当該U字部分32Gと噛み合うように設けられている。同様に、第1組のフレームユニット100Aの第3梁33のU字部分33Fは、当該第3梁33の中心軸周りに、第2組のフレームユニット100Bの第3梁33のU字部分33Gに対して90度回転した状態で、当該U字部分33Gと噛み合うように設けられている。
【0069】
なお、実施の形態1に係る各フレームは、上記フレームユニットが3組以上連結している連結体であってもよい。
【0070】
(実施の形態2)
<フレームの構成>
図13~
図15に示されるように、実施の形態2に係るフレーム101は、実施の形態1に係るフレーム100と基本的に同様の構成を備えるが、複数の梁3のうちの少なくとも1つの梁3が剛体である点で、フレーム100とは異なる。フレーム101の第1枠部1及び第2枠部2の各々は、フレーム100の第1枠部1及び第2枠部2の各々と同等である。以下では、フレーム101がフレーム100とは異なる点を主に説明する。
【0071】
複数の梁3の各々は、例えば剛体である。本明細書において、剛体とは、力が作用したときに寸法及び形状が保持される固体を意味する。複数の梁3の各々を構成する材料は、任意の材料であればよいが、例えば金属、樹脂、及び木材からなる群から選択される少なくとも1つを含む。複数の梁3の各々は、棒状部材又は管状部材である。複数の梁3の各々は、例えばクッション性を有していない。なお、複数の梁3の各々は、棒状又は管状の剛体と、剛体の外表面を覆っておりクッション性を有するクッション部とを有していてもよい。
【0072】
図13に示されるように、複数の梁3の各々は、例えば第1方向Xに沿って延びている。複数の梁3の各々は、例えば互いに平行である。複数の梁3は、第1角部11と第4角部21とを接続する第1梁31、第2角部12と第5角部22とを接続する第2梁32、及び第3角部13と第6角部23とを接続する第3梁33を有する。フレーム100において、第1枠部1と第2枠部2との間には、第1梁31と第2梁32との間に開口する第1開口部と、第1梁31と第3梁33との間に開口する第2開口部と、第2梁32と第3梁33との間に開口する第3開口部とが形成される。
【0073】
第1梁31、第2梁32、及び第3梁33は、例えば互いに同等の構造を有している。以下では、第1梁31、及び第1梁31と接続される第1枠部1の第1角部11を代表的に説明する。
【0074】
第1方向Xと直交する方向の第1梁31の幅は、例えば第1方向Xの位置によらず一定である。
【0075】
図14及び
図15に示されるように、第1角部11の第1貫通孔11Aは、流体が第1枠部1の内部に供給されている状態において、第1貫通孔11Aの孔軸に沿って延びている第1内周面11A1を有している。
図16に示されるように、第1内周面11A1は、第1梁31の外周面と面接触するように設けられている。
【0076】
好ましくは、第1内周面11A1は、流体が第1枠部1の内部に供給されている状態において弾性変形するように設けられている。上記状態において第1梁31が第1貫通孔11Aに通されていないときに、第1内周面11A1に囲まれた領域の開口幅は、第1方向Xと直交する方向の第1梁31の幅よりも狭い。第1内周面11A1に囲まれた領域の開口幅は、第1内周面11A1のうち第1貫通孔11Aの孔軸を挟んで対向する2つの領域間の間隔である。第1内周面11A1に囲まれた領域の開口幅は、例えば第1貫通孔11Aの孔軸方向の長さ未満である。
【0077】
図14及び
図15に示されるように、流体が第1枠部1の内部に供給されている状態において第1梁31が第1貫通孔11Aに通されていないときに、第1内周面11A1は、例えば、第1貫通孔11Aの内側に向かって突出しており、第1貫通孔11Aの周方向に並んで配置されている複数の突出部分を有している。複数の突出部分は、第1貫通孔11Aの孔軸を挟んで対向する1組の突出部分を有している。この場合、第1内周面11A1に囲まれた領域の開口幅は、1組の突出部分間の間隔である。上記状態において第1梁31が第1貫通孔11Aに通されているときに、第1内周面11A1の複数の突出部分は、弾性変形して第1梁31に対して径方向の力を加えるように設けられている。
【0078】
第1内周面11A1は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなる袋体の一部である。第1内周面11A1を構成する袋体の一部は、第1枠部1の残部を構成する2つのシート状部材とは別部材である筒状部材により構成されている。第1枠部1は、2つのシート状部材の外縁が互いに溶着されるとともに、一方のシート状部材の外縁と筒状部材の一端とが溶着され、かつ他方のシート状部材の外縁と筒状部材の他端とが溶着されることにより形成された袋体である。
【0079】
フレーム101では、複数の梁3のうち少なくとも1つの梁3が剛体であればよい。複数の梁3のうち最も下方に配置されている第2梁32及び第3梁33の各々が剛体であり、第1梁31は流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられていてもよい。
【0080】
図13に示されるフレーム101の複数の梁3の各々は、U字部分を有していない。なお、フレーム101の複数の梁3の各々は、実施の形態1に係るフレーム100の複数の梁3の各々と同様に、U字部分を有していてもよい。この場合、実施の形態2に係るフレーム101も、フレーム100と同様に、互いに連結して連結体を構成し得る。なお、実施の形態2に係るフレーム101は、フレーム100とも連結して連結体を構成し得る。
【0081】
(実施の形態3)
<フレームの構成>
図17及び
図18に示されるように、実施の形態3に係るフレーム102は、実施の形態1に係るフレーム100と基本的に同様の構成を備えるが、第1枠部1及び第2枠部2の各々が剛体である点で、フレーム100とは異なる。以下では、フレーム102がフレーム100とは異なる点を主に説明する。
【0082】
第1枠部1及び第2枠部2の各々を構成する材料は、任意の材料であればよいが、例えば金属、樹脂、及び木材からなる群から選択される少なくとも1つを含む。
【0083】
図17及び
図18に示されるように、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、例えば板状部材である。第1枠部1及び第2枠部2の各々の第1方向Xの幅(厚み)は、例えば第1方向Xから視た第1辺部14の幅よりも狭い。なお、第1枠部1及び第2枠部2の各々の第1方向Xの幅(厚み)は、例えば第1方向Xから視た第1辺部14の幅と同等あるいはそれよりも広くてもよい。第1枠部1は、例えば第2枠部2と同等の構造を有している。第1方向Xから視た第1枠部1及び第2枠部2の各々の構造は、例えばフレーム100において第1方向Xから視た第1枠部1及び第2枠部2の各々の構造と同等である。
【0084】
第1枠部1及び第2枠部2の各々は、例えばクッション性を有していない。なお、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、板状の剛体と、剛体の外表面を覆っておりクッション性を有するクッション部とを有していてもよい。
【0085】
図17に示されるフレーム101の複数の梁3の各々は、U字部分を有していない点を除き、フレーム100の複数の梁3の各々と同等である。なお、フレーム101の複数の梁3の各々は、フレーム100の複数の梁3の各々と同様に、U字部分を有していてもよい。この場合、実施の形態3に係るフレーム102も、フレーム100と同様に、互いに連結して連結体を構成し得る。なお、実施の形態3に係るフレーム102は、フレーム100及びフレーム101の少なくともいずれかと連結して連結体を構成し得る。
【0086】
<フレームセットの構成>
本実施の形態に係るフレームセットは、実施の形態1~3の少なくともいずれかのフレーム100~102又はフレーム110と、幕とを備える。
【0087】
図19に示されるフレームセット120は、フレーム100と、幕としてのネット4とを備える。ネット4は、フレーム100の第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の上に掛けられる。ネット4は、固定部18,28(
図1参照)によってフレーム100に固定される。ネット4は、例えば第1梁31上で折り返される。ネット4は、例えば第1枠部1と第2枠部2との間に位置しかつ第1梁31と第2梁32との間に開口する第1開口部を覆うとともに、第1枠部1と第2枠部2との間に位置しかつ第1梁31と第3梁33との間に開口する第2開口部を覆うように、掛けられる。フレームセット120は、例えばテニス、バトミントン、バレーボールなどのスポーツの簡易ネット、あるいは球技全般の防球フェンスに好適である。なお、フレームセット120は、フレーム110とフレーム110に掛けられたネット4とを備えていてもよい。
【0088】
図20に示されるフレームセット130は、フレーム110と、複数の貫通孔5Aが形成されている幕5とを備える。幕5は、フレーム110の複数の第1枠部1、複数の第2枠部2、及び複数の梁3の各々の上に掛けられる。幕5は、固定部18,28(
図1参照)によってフレーム110に固定される。幕5は、例えば第1方向Xに互いに連結されている第1梁31上で折り返される。幕5は、例えば複数の貫通孔5Aの各々が各フレームユニットの第1開口部上に配置されるように、掛けられる。フレームセット130は、例えば野球、サッカー、テニス、バトミントン、バレーボール、ゴルフ等において的入れに好適である。なお、フレームセット130は、フレーム100とフレーム100に掛けられた幕5とを備えていてもよい。
【0089】
図21に示されるフレームセット140は、フレーム110と、貫通孔が形成されていない幕6とを備える。幕6は、
図20に示される幕5と基本的に同様の構成を備えるが、貫通孔が形成されていない点で、幕5とは異なる。幕6は、例えば広告を表示する表面を有している。
図22に示されるように、フレームセット140は、例えばスポーツ競技が行われるフィールド(グラウンド、コート等)の脇に設置されて広告を表示するサイドバナーに好適である。なお、フレームセット140は、フレーム100とフレーム100に掛けられた幕6とを備えていてもよい。
【0090】
<変形例>
フレーム100は、第1方向Xにおいて第1枠部1と第2枠部2との間に配置されており、かつ複数の梁3の各々の中央部分と接続されている少なくとも1つの第3枠部をさらに備えていてもよい。この場合、複数の梁3の各々の中央部分は、くびれ部分を有していてもよい。
【0091】
フレーム110では、第1組のフレームユニット100Aの複数の梁3は、第2組のフレームユニット100Bの複数の梁3と一体として設けられていてもよい。
【0092】
フレーム100,110及びフレームセット120,130,140では、複数種の第1枠部1及び第2枠部2、並びに複数種の第1枠部1及び第2枠部2の各々と着脱可能に設けられている複数種の梁3が準備されてもよい。複数種の第1枠部1、第2枠部2、梁3の各々は、特定の用途に適した構造を有していてもよい。
【0093】
<フレームの効果>
フレーム100,101,102,110の第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々は互いに別部材であり、かつ第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の少なくとも一部は流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられている。そのため、フレーム100,101,102,110は、第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々が同一部材として構成されている場合及び第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々が剛体である場合と比べて、比較的容易に設置及び撤収され得る。
【0094】
さらに、フレーム100,101,102,110の第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の各々の少なくとも一部は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられているため、クッション性を有する。その結果、フレーム100,101,102,110は、第1枠部、第2枠部、及び複数の梁の各々が剛体である場合と比べて、スポーツシーンに利用される設備として高い安全性を有している。
【0095】
さらに、フレーム100,110では、第1枠部1、第2枠部2、及び複数の梁3の全体が、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられているため、クッション性を有する。その結果、フレーム100,110は、スポーツシーンに利用される設備としてより高い安全性を有している。
【0096】
また、従来のフレームは、予定された用途に適した構造を有している金属製等の複数の部材がねじ止め、接着、溶接等により組み立てられた組物又は一体物であるため、予定された用途以外の他の用途に利用することは困難である。
【0097】
これに対し、本実施の形態に係るフレーム及びフレームセットは、各用途に適した複数種の第1枠部1、第2枠部2、梁3、及び幕が準備されることにより、複数の用途に利用可能である。
【0098】
上記フレーム100,101,102,110では、第1方向Xから視て、各角部の外側部分の幅が内側部分の幅よりも狭いため、各角部の外側部分の幅が内側部分の幅と等しいあるいはそれよりも広い場合と比べて、複数の梁3の各々が外側に配置され得る。そのため、フレーム100,110は、組み立てられた状態において高い安定性を示す。また、第1方向Xから視て第1枠部1及び第2枠部2の外側の外形線と複数の梁3の各々の外形線との間の距離が短くなるため、第1枠部1、第2枠部2,及び複数の梁3の各々の上に掛けられる幕に、上記距離に起因した凹凸が生じにくい。
【0099】
上記フレーム100,102,110では、複数の梁3の各々の第1方向Xの両端部がくびれ部分を有しており、各くびれ部分が各角部の貫通孔に通される。そのため、フレーム100,102,110は、複数の梁3の各々の第1方向Xの両端部がくびれ部分を有していない場合と比べて、複数の梁3が第1枠部1及び第2枠部2に対して位置ズレしにくく、組み立てられた状態において高い安定性を示す。
【0100】
上記フレーム101では、第1枠部1及び第2枠部2の各々は、流体が内部に供給されることにより体積が大きくなるように設けられており、複数の梁の各々3は、剛体である。このようなフレーム101では、例えば既存の棒状部材又は管状部材を梁3として利用し得る。
【0101】
上記フレーム101では、各角部の貫通孔が第1方向Xに沿って延びている内周面を有している。例えば中心軸が第1方向Xに沿って延びる棒状部材又は管状部材は、第1方向Xに沿って延びる外周面を有している。そのため、複数の梁3の各々が上記のように第1方向Xに沿って延びる外周面を有する場合には、梁3の外周面が第1枠部1及び第2枠部2の各々の貫通孔の内周面と面接触し得る。その結果、複数の梁3が第1枠部1及び第2枠部2に対して位置ズレしにくく、組み立てられた状態において高い安定性を示す。
【0102】
上記フレーム101では、第1枠部1及び第2枠部2の各々の上記内周面が、流体が第1枠部1及び第2枠部2の内部に供給されている状態において弾性変形するように設けられている。上記状態において複数の梁3の各々が上記貫通孔に通されていないときに、上記内周面に囲まれた領域の開口幅は、複数の梁3の各々の幅よりも小さい。そのため、上記状態において複数の梁3の各々が上記貫通孔に通されているときに、上記内周面は弾性変形して各梁3の外周面を押圧し得る。その結果、複数の梁3が第1枠部1及び第2枠部2に対して位置ズレしにくく、組み立てられた状態において高い安定性を示す。
【0103】
上記フレーム100,101,102,110では、において、第1方向Xから視たときの第1枠部1及び第2枠部2の各々の外形状は三角形状であるため、組み立てられた状態において高い安定性を示す。
【0104】
上記フレーム110では、複数の梁3の各々の両端部がU字部分を有しており、第1組のフレームユニット100Aの複数の梁3の各々のU字部分が第2組のフレームユニット100Bの複数の梁3の各々のU字部分と噛み合うように設けられている。そのため、フレーム110では、複数の梁3の各々の両端部がU字部分を有していない場合と比べて、第1組のフレームユニット100Aの第1枠部1と第2組のフレームユニット100Bの第2枠部2とが近接し得る。さらに、フレーム110では、第1組のフレームユニット100Aと第2組のフレームユニット100Bとの連結が解消されにくい。
【0105】
フレームセット120,130,140は、上述のように種々の幕を備え得るため、複数の用途に利用され得る。
【0106】
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0107】
1 第1枠部、2 第2枠部、3 梁、4 ネット、5,6 幕、5A 貫通孔、11 第1角部、11A 第1貫通孔、11B,12B,13B,21B,22B,23B 外側部分、11C,12C,13C,21C,22C,23C 内側部分、11D,21D,31H 溶着部分、12 第2角部、12A 第2貫通孔、13 第3角部、13A 第3貫通孔、14 第1辺部、15 第2辺部、16 第3辺部、18,28 固定部、21 第4角部、21A 第4貫通孔、22 第5角部、22A 第5貫通孔、23 第6角部、23A 第6貫通孔、24 第4辺部、25 第5辺部、26 第6辺部、31 第1梁、31B 第1端部、31C 第2端部、32 第2梁、32B 第3端部、32C 第4端部、33 第3梁、33B 第5端部、33C 第6端部、31D,31E,32D,32E,33D,33E くびれ部分、31F,31G,32F,32G,33F,33G U字部分、100,101,102,110 フレーム、100A,100B フレームユニット、120,130,140 フレームセット。