(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023144986
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】引出し構造
(51)【国際特許分類】
A47B 88/70 20170101AFI20231003BHJP
A47B 88/994 20170101ALI20231003BHJP
【FI】
A47B88/70
A47B88/994
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052240
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春田 悠貴
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA03
3B160AB01
3B160CA12
3B160DA25
3B160DA65
(57)【要約】
【課題】引出し内における内引出しの配置自由度を高くする。
【解決手段】収納体10では、キャビネット12の第1レールに沿って引出し18が引出し可能にされると共に、引出し18内における内引出し28が第2レール26に沿って引出し可能にされる。ここで、第2レール26が引出し18に設けられている。このため、引出し18内における内引出し28の配置自由度を高くできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットの側板に設けられた第1レールに沿って引出し可能に配設された引出しと、
前記引出し内の上部に配置され、かつ前記引出しに設けられた第2レールに沿って引出し可能に配設された内引出しと、を備え、
前記引出しにおける収納部は、
前記内引出しにより上下に区画されることがない第1収納部と、
前記内引出しが前記引出しの引出し方向と同方向に引出されている場合に上下に区画され、前記内引出しが前記引出し方向の逆方向に押込まれるにつれて前記第1収納部と高さが連続し、かつ前記第1収納部と区画されることがない第2収納部と、
を含む引出し構造。
【請求項2】
前記収納部の外側で、前記引出しの背板又は/及び底板に取付けられ、かつ前記第2レールを支持する取付金具を備える請求項1に記載の引出し構造。
【請求項3】
前記第2レールへの内引出しの取付構造は、着脱自在の弾性嵌合構造である請求項1または2に記載の引出し構造。
【請求項4】
キャビネットの側板に設けられた第1レールに沿って引出し可能に配設された引出しと、
前記引出し内の上部に配置され、かつ前記引出しに設けられ第2レールに沿って引出し可能に配設された内引出しと、を備え、
前記第2レールへの内引出しの取付構造は、着脱自在の弾性嵌合構造である引出し構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出しと内引出しとを備える引出し構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のコンロキャビネットでは、キャビネットに引出が配設されると共に、引出内に内引出が配設されている。
【0003】
特許文献2に記載の第3実施形態に係る収納家具装置では、収納家具本体に主抽斗が配設されると共に、主抽斗内に副抽斗が配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-152877号公報
【特許文献2】特開2013-90660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1では、キャビネットの横壁に設けられた内引出用レールに沿って内引出が引出し可能にされている。
【0006】
特許文献2の第3実施形態では、主抽斗の側板部に設けられたスライドレールに沿って副抽斗が引出し可能にされている。
【0007】
特許文献1及び特許文献2の第3実施形態の構造においては、内引出しの配置に制約がある。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮し、引出し内における内引出しの配置自由度を高くできる引出し構造を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様の引出し構造は、キャビネットの側板に設けられた第1レールに沿って引出し可能に配設された引出しと、前記引出し内の上部に配置され、かつ前記引出しに設けられた第2レールに沿って引出し可能に配設された内引出しと、を備え、前記引出しにおける収納部は、前記内引出しにより上下に区画されることがない第1収納部と、前記内引出しが前記引出しの引出し方向と同方向に引出されている場合に上下に区画され、前記内引出しが前記引出し方向の逆方向に押込まれるにつれて前記第1収納部と高さが連続し、かつ前記第1収納部と区画されることがない第2収納部と、を含む。
【0010】
第1態様の引出し構造では、キャビネットの側板に第1レールが設けられており、引出しが第1レールに沿って引出し可能に配設される。さらに、引出し内の上部に内引出しが配置されており、内引出しが第2レールに沿って引出し可能に配設される。
【0011】
また、引出しにおける収納部が第1収納部を含んでおり、第1収納部は内引出しにより上下に区画されることがない。さらに、収納部が第2収納部を含んでおり、内引出しが引出しの引出し方向と同方向に引出されている場合に、第2収納部が上下に区画される。そして、内引出しが引出しの引出し方向の逆方向に押込まれるにつれて、第2収納部は、第1収納部と高さが連続し、かつ第1収納部と区画されることがない。
【0012】
ここで、第2レールが引出しに設けられる。このため、引出し内における内引出しの配置自由度を高くできる。
【0013】
第2態様の引出し構造は、第1態様の引出し構造において、前記収納部の外側で、前記引出しの背板又は/及び底板に取付けられ、かつ前記第2レールを支持する取付金具を備える。
【0014】
第2態様の引出し構造では、取付金具が、収納部の外側で、引出しの背板又は/及び底板に取付けられて、第2レールを支持する。このため、引出しにおいて内引出しを摺動可能に支持できる。
【0015】
第3態様の引出し構造は、第1態様又は第2態様の引出し構造において、前記第2レールへの内引出しの取付構造は、着脱自在の弾性嵌合構造である。
【0016】
第3態様の引出し構造では、第2レールへの内引出しの取付構造が着脱自在の弾性嵌合構造である。このため、第2レールに対し内引出しを容易に着脱できる。
【0017】
第4態様の引出し構造は、キャビネットの側板に設けられた第1レールに沿って引出し可能に配設された引出しと、前記引出し内の上部に配置され、かつ前記引出しに設けられた第2レールに沿って引出し可能に配設された内引出しと、を備え、前記第2レールへの内引出しの取付構造は、着脱自在の弾性嵌合構造である。
【0018】
第4態様の引出し構造では、キャビネットの側板に第1レールが設けられており、引出しが第1レールに沿って引出し可能に配設される。さらに、引出し内の上部に内引出しが配置されており、内引出しが第2レールに沿って引出し可能に配設される。
【0019】
ここで、第2レールが引出しに設けられる。このため、引出し内における内引出しの配置自由度を高くできる。
【0020】
さらに、第2レールへの内引出しの取付構造が着脱自在の弾性嵌合構造である。このため、第2レールに対し内引出しを容易に着脱できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の引出し構造によれば、引出し内における内引出しの配置自由度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係る収納体を示す右側から見た断面図である。
【
図2】実施形態に係る収納体の主要部を示す上側かつ前側から見た斜視図である。
【
図3】(A)及び(B)は、実施形態に係る収納体の引出し及び内引出しを示す図であり、(A)は、右側かつ前側から見た斜視図であり、(B)は、上側から見た上面図である。
【
図4】実施形態に係る収納体の引出し及び内引出しを示す右側から見た破断斜視図である。
【
図5】実施形態に係る収納体の引出しを示す右側かつ後側から見た斜視図である。
【
図6】実施形態に係る収納体の内引出し等を示す右側かつ前側から見た破断斜視図である。
【
図7】(A)は、実施形態に係る収納体の取付金具を示す右側かつ前側から見た斜視図であり、(B)は、実施形態に係る収納体の第2レールを示す右側かつ後側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、本発明の引出し構造が適用された実施形態に係る収納体10が右側から見た断面図にて示されており、
図2には、収納体10の主要部が上側かつ前側から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、収納体10の前方を矢印FRで示し、収納体10の右方を矢印RHで示し、収納体10の上方を矢印UPで示している。
【0024】
図1及び
図2に示す如く、本実施形態に係る収納体10には、直方体形箱状のキャビネット12が設けられており、キャビネット12には、前板12a、背板12b(後板)、左側板12c及び右側板12dが設けられている。キャビネット12の上部には、シンク14が設けられており、シンク14の下端部からは、配管14Aが延出されている。
【0025】
キャビネット12の前板12aの上下方向中間部には、矩形状の開口12Aが形成されており、開口12Aは、キャビネット12内を前側に開放している。キャビネット12の左側板12c及び右側板12dの内側面には、第1レール16が固定されており、第1レール16は、開口12Aの下端部の後側において、前後方向に延在されている。キャビネット12の右側板12dの内側面には、略半円柱状のストッパ12Bが固定されており、ストッパ12Bは、右側の第1レール16の後側かつ上側に配置されると共に、左側に突出されている。
【0026】
キャビネット12には、引出し18(
図3~
図5参照)が設けられており、引出し18には、前板18a、背板18b(後板)、左側板18c、右側板18d及び底板18e(下板)が設けられている。引出し18は、キャビネット12の第1レール16に支持されており、引出し18は、第1レール16に対し、上下方向及び左右方向への移動(傾動を含む)を規制された状態で、前後方向に移動可能にされている。このため、引出し18は、第1レール16に沿って前方に移動されて引出されると共に、第1レール16に沿って後方に移動されて閉じられる(前板18aによってキャビネット12の開口12Aが閉じられる)。
【0027】
引出し18では、背板18bが前板18aに対し上下寸法を小さくされると共に、左側板18c及び右側板18dが背板18bに対し上下寸法を小さくされている。引出し18では、背板18bの上端部の左端部及び右端部と前板18aとの間に円筒状のギャラリパイプ18Aが掛渡されており、ギャラリパイプ18Aは、引出し18の左側板18c及び右側板18dの上方において前後方向に延在されている。引出し18内には、収納部としての収納空間20が形成されており、収納空間20は、引出し18における前板18aの後方かつ底板18eの上方の空間にされている。収納空間20の前端部の左部及び右部には、略直方体形箱状の収納箱22が取付け可能にされており、収納箱22内は、上側に開放される。
【0028】
引出し18の後部の右側部分には、U字形板状の取付金具24(
図7(A)参照)が一対設けられており、一対の取付金具24は、左右方向において離隔されている。取付金具24の下側部及び中間部(上下方向中間部)には、断面L字形板状の固定金具24Aの一側部がネジ締結により固定されており、取付金具24の下側部における固定金具24Aの他側部は、引出し18の底板18eに下側からネジ締結により固定されると共に、取付金具24の中間部における固定金具24Aの他側部は、引出し18の背板18bに後側からネジ締結により固定されている。取付金具24は、左右方向に垂直に配置されており、取付金具24の上側部は、引出し18の背板18bの上側近傍において、前方に延出されている。
【0029】
取付金具24の上側部には、第2レール26(
図7(B)参照)が支持されており、左側の第2レール26は、左側の取付金具24の右側において、前後方向に延在されると共に、右側の第2レール26は、右側の取付金具24の左側において、前後方向に延在されている。第2レール26には、インナレール26Aが設けられており、インナレール26Aは、取付金具24の上側部にネジ締結により固定されている。インナレール26Aは、アウタレール26B(所謂リニアレール)内に嵌合されており、左側の第2レール26では、アウタレール26Bがインナレール26Aの右側に配置されると共に、右側の第2レール26では、アウタレール26Bがインナレール26Aの左側に配置されている。アウタレール26Bは、インナレール26Aに支持されると共に、インナレール26Aに対し長尺にされており、アウタレール26Bは、インナレール26Aに対し、上下方向及び左右方向への移動(傾動を含む)を規制された状態で、前後方向に移動可能にされている。アウタレール26Bの前部及び後部には、弾性嵌合構造を構成する取付部としての円柱状のシャフト26Cがネジ締結により固定されており、左側の第2レール26では、シャフト26Cが右方に突出されると共に、右側の第2レール26では、シャフト26Cが左方に突出されている。
【0030】
第2レール26の上側には、内引出し28(
図4及び
図6参照)が支持されている。内引出し28には、前板28a、背板28b(後板)、左側板28c、右側板28d及び底板28e(下板)が設けられており、前板28a、背板28b、左側板28c及び右側板28dは、底板28eの上側から下側に配置されると共に、右側板28dは、引出し18の右側板18dと左右方向位置を一致されている。内引出し28の底板28eにおける左側かつ前側の角部、左側かつ後側の角部、右側かつ前側の角部及び右側かつ後側の角部には、弾性嵌合構造を構成する被取付部としての樹脂製のキャッチ30が固定されており、キャッチ30は、下側に突出されている。キャッチ30には、断面C字状の嵌合枠30Aが設けられており、嵌合枠30Aは、軸方向が左右方向にされると共に、内部が下側に開放されている。嵌合枠30Aの周方向両端には、矩形板状の案内片30Bが一体に設けられており、一対の案内片30Bは、下側へ向かうに従い左右方向間隔が大きくされている。
【0031】
嵌合枠30A内には、第2レール26(アウタレール26B)のシャフト26Cが嵌合されており、シャフト26Cには、嵌合枠30Aの弾性縮径力が作用されている。これにより、シャフト26Cにキャッチ30が取付けられて、第2レール26(アウタレール26B)に内引出し28が取付けられている。また、嵌合枠30A内にシャフト26Cが挿入される際には、シャフト26Cが一対の案内片30B間を下側から通過されると共に、嵌合枠30Aがシャフト26Cによって弾性拡径される。
【0032】
内引出し28は、第2レール26のアウタレール26Bと一体に第2レール26のインナレール26Aに対し前後方向に移動可能にされており、これにより、内引出し28が引出し18に対し前後方向に移動可能にされている。内引出し28が引出し18に対し前方に移動される際には、内引出し28が、引出し18の収納空間20の上部の右側部分を移動されて、収納空間20の右側の収納箱22の後側近傍まで移動可能にされる。引出し18が引出された状態で、内引出し28が引出し18に対し後方に移動された(押込まれた)際には、内引出し28が収納空間20の後部から後側に配置される。引出し18が閉じられた際には、内引出し28の背板28bがキャビネット12のストッパ12Bに当接されて、内引出し28の後方への移動が規制されると共に、内引出し28が引出し18に対する最前位置に配置される。
【0033】
内引出し28の後部の左右方向中間部には、断面L字形板状のステー32が設けられており、ステー32の上側部分は、内引出し28の底板28eに下側からネジ締結により固定されると共に、ステー32の後側部分は、内引出し28の背板28bに前側から当接されている。ステー32の後側部分の下端部には、円柱状のマグネット32Aが固定されており、マグネット32Aは、前側に突出されている。マグネット32Aは、磁力により引出し18の背板18bに後側から吸着可能にされており、マグネット32Aが磁力により引出し18の背板18bに吸着された際には、内引出し28が引出し18に対する最前位置に配置された状態で引出し18と一体に前後方向に移動可能にされる。マグネット32Aが磁力に抗して引出し18の背板18bから離隔された際には、内引出し28が引出し18に対し前後方向に移動可能にされる。
【0034】
内引出し28の底板28eより上側には、後側かつ左側の角部において、断面L字形板状のガード28Aが固定されており、ガード28Aの前側部分は、左右方向に延在されると共に、ガード28Aの右側部分は、前後方向に延在されている。ガード28Aの前側部分は、内引出し28の左側板28cと一体にされており、内引出し28の左側板28cは、ガード28Aの前側部分より後側において、底板28eより上側部分が設けられていない。ガード28Aの右側部分は、内引出し28の背板28bと一体にされており、内引出し28の背板28bは、ガード28Aの右側部分より左側において、底板28eより上側部分が設けられていない。このため、ガード28Aの内側は、後側及び左側に開放されており、内引出し28が後方に移動された際には、ガード28Aの内側にキャビネット12内の配管14Aが配置されて、内引出し28が配管14Aに干渉することが抑制される。
【0035】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0036】
以上の構成の収納体10では、引出し18の収納空間20に内引出し28より左側及び前側において第1収納部としての嵩高空間20Aが形成されており、内引出し28が引出し18に対する最前位置に配置されても、嵩高空間20Aは内引出し28により上下に区画されることがない。さらに、引出し18の収納空間20に内引出し28の位置において第2収納部としての横長空間20Bが形成されており、内引出し28が引出し18に対する最前位置に配置されると、横長空間20Bが内引出し28により上下に区画される。そして、内引出し28が引出し18に対し後方に移動されるにつれて、横長空間20Bが嵩高空間20Aと高さを連続されかつ嵩高空間20Aと区画されることがなくなる。このため、収納空間20が内引出し28によって仕切られないため、収納空間20の入隅を減らすことができて、収納空間20の清掃を容易にできる。
【0037】
ここで、内引出し28が引出し18に取付金具24及び第2レール26を介して設けられている。このため、内引出し28がキャビネット12の側板や引出し18の側板に支持される場合とは異なり、引出し18に対する取付金具24及び第2レール26の位置を調整することで、引出し18内における内引出し28の位置を調整できて、引出し18内における内引出し28の配置自由度を高くできる。さらに、内引出し28がキャビネット12に支持されずに引出し18に支持されるため、収納体10に内引出し28を容易に追加できる。しかも、内引出し28が、第2レール26によって支持されて、プーリによって支持されないため、内引出し28の摺動性を高くできる。
【0038】
さらに、取付金具24が、引出し18の収納空間20の外側で、引出し18の背板18b及び底板18eに取付けられている。このため、引出し18に取付金具24を介して第2レール26及び内引出し28を設けることができ、引出し18において内引出し28を摺動可能に支持できる。そして、取付金具24が引出し18の背板18b及び底板18eに取付けられることで、引出し18による取付金具24の支持剛性を高くでき、引出し18による第2レール26ひいては内引出し28の支持剛性を高くできる。また、収納空間20の横長空間20Bが取付金具24及び第2レール26により左右に区画されることを抑制でき、横長空間20Bへの収納自由度を大きくできて、収納空間20の利用効率を高くできる。しかも、内引出し28を支持する取付金具24及び第2レール26が収納体10の前側かつ上側から内引出し28によって見え難くされるため、内引出し28に浮遊感を与えることができると共に、取付金具24及び第2レール26の強度を高くしても収納体10の意匠に影響が出ることを抑制できる。さらに、取付金具24が引出し18の外側に取付けられているため、取付金具24及び取付金具24を引出し18に取付けるためのネジが引出し18の背板18bの前側に配置されることを抑制できる。
【0039】
しかも、取付金具24及び第2レール26がそれぞれ一対設けられることで、引出し18による内引出し28の支持剛性を効果的に高くできる。さらに、内引出し28の左部及び右部が取付金具24及び第2レール26によって支持されるため、内引出し28の左右方向全体の支持剛性を高くできる。
【0040】
また、内引出し28のキャッチ30(嵌合枠30A)内に第2レール26(アウタレール26B)のシャフト26Cが弾性嵌合されて、内引出し28が第2レール26に取付けられる。このため、内引出し28が第2レール26にネジ締結される場合とは異なり、内引出し28を下側に移動して第2レール26に取付けることができると共に、内引出し28を上側に移動して第2レール26から取外すことができ、内引出し28を第2レール26に対し容易に着脱できる。これにより、収納体10の工場での組立て時、設置時及びメンテナンス時(サービス時)に、引出し18と内引出し28とを別々に取扱うことができて、引出し18及び内引出し28のハンドリング性を良好にできる。さらに、内引出し28を第2レール26から容易に取外すことができるため、内引出し28を第2レール26から取外す際に、内引出し28が周囲のキャビネット12や引出し18に衝突することを抑制できる。
【0041】
しかも、内引出し28の前側及び後側の一方が上側に移動されることで、内引出し28の前側及び後側の一方のキャッチ30内から第2レール26の前側及び後側の一方のシャフト26Cが離脱された後に、内引出し28が取付金具24又は第2レール26を支点としてテコの原理により傾動されて、内引出し28の前側及び後側の他方のキャッチ30内から第2レール26の前側及び後側の他方のシャフト26Cが離脱される。このため、内引出し28を第2レール26から一層容易に取外すことができる。
【0042】
なお、本実施形態では、引出し18の右側部分に取付金具24、第2レール26及び内引出し28が配置される。しかしながら、取付金具24、第2レール26及び内引出し28が配置される引出し18の左右方向位置は、何れの位置であってもよい。
【0043】
さらに、本実施形態では、引出し18の背板18b及び底板18eに取付金具24が取付けられる。しかしながら、引出し18の背板18b及び底板18eの少なくとも一方に取付金具24が取付けられればよい。
【0044】
また、本実施形態では、キャビネット12の上部にシンク14が設けられる。しかしながら、キャビネット12の上部に流し台又はコンロ等が設けられてもよく、また、収納体10が家具にされてもよい。
【符号の説明】
【0045】
12 キャビネット
16 第1レール
18 引出し
18b 背板
18e 底板
20 収納空間(収納部)
20A 嵩高空間(第1収納部)
20B 横長空間(第2収納部)
24 取付金具
26 第2レール
26C シャフト(弾性嵌合構造)
28 内引出し
30 キャッチ(弾性嵌合構造)