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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145091
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】物品収容設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20231003BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20231003BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B65G1/00 511J
B65G1/04 525
B65G47/52 101B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052376
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】吉永 和治
【テーマコード(参考)】
3F022
3F044
【Fターム(参考)】
3F022CC03
3F022EE02
3F022FF01
3F022JJ13
3F022LL12
3F022MM57
3F044AA11
3F044CE02
3F044CE40
(57)【要約】
【課題】物品収容設備の既存の構成を利用して適切に作業用の足場を設置することができる物品収容設備の実現。
【解決手段】一対のレールと、搬送車と、を備えた物品収容設備であって、一対のレールに対して着脱可能な複数の足場部材2を更に備え、一対のレールのそれぞれは、第1面11と第2面12とを備え、第1面11は、上側を向く面であって第1方向に沿って延在し、搬送車の車輪が転動する走行面を形成し、第2面12は、上側を向く面であって第1方向に沿って延在し、第1面11よりも上側に配置され、足場部材2は、当該足場部材2が一対のレールに装着された装着状態で、第2方向Yにおける一対の第2面12の間に配置されると共に、一対の第1面11に載置され、装着状態で、足場部材2の全体が、第2面12よりも下側に配置される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って配置された一対のレールと、一対の前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた物品収容設備であって、
一対の前記レールに対して着脱可能な複数の足場部材を更に備え、
上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、
一対の前記レールのそれぞれは、第1面と第2面とを備え、
前記第1面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記搬送車の車輪が転動する走行面を形成し、
前記第2面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記第1面よりも上側に配置され、
一対の前記第1面は、一対の前記第2面に対して前記第2方向の内側に配置され、
前記足場部材は、当該足場部材が一対の前記レールに装着された装着状態で、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に、一対の前記第1面に載置され、
前記装着状態で、前記足場部材の全体が、前記第2面よりも下側に配置される、物品収容設備。
【請求項2】
前記足場部材は、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に一対の前記第1面に載置される本体部に加えて、当該本体部から下側に突出するように設けられた一対の係止部を備え、
一対の前記係止部は、一対の前記レールのそれぞれに対して下側から係止され、
前記係止部は、一対の前記レールのそれぞれに対して係止された状態で、前記本体部が上側に移動することを規制するように構成されている、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
一対の前記係止部の少なくとも一方は、前記足場部材の前記装着状態で、一対の前記レールに係止された係止姿勢と、一対の前記レールに対する係止が解除された係止解除姿勢とに姿勢変更可能に構成された可動係止部であって、
前記可動係止部は、前記係止姿勢となる方向に付勢されており、前記係止姿勢から前記係止解除姿勢に姿勢変更するための操作を受け付ける操作部を備えている、請求項2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記可動係止部は、前記係止解除姿勢で、前記操作部が、前記本体部の上面よりも上側に突出するように構成されている、請求項3に記載の物品収容設備。
【請求項5】
一対の前記係止部の一方が前記可動係止部あり、他方が固定係止部であって、
前記固定係止部は、前記本体部に対する姿勢が固定されており、
前記本体部は、前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面と、を備え、
前記足場部材は、前記前面が前記第1方向の奥側を向くように、前記第1方向の手前側から順に一対の前記レールに装着され、
前記固定係止部が前記前面に取り付けられ、前記可動係止部が前記後面に取り付けられている、請求項3又は4に記載の物品収容設備。
【請求項6】
複数の前記係止部が、前記本体部における前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面とに分かれて取り付けられており、
複数の前記係止部のそれぞれが、前記本体部から下側へ向かうに従って、前記第1方向における前記本体部から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で前記本体部に取り付けられている、請求項2から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項7】
前記足場部材は、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に一対の前記第1面に載置される本体部に加えて、前記第1方向に隣接する別の前記足場部材と連結するための連結部を備え、
前記本体部は、前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面と、を備え、
前記足場部材は、前記前面が前記第1方向の奥側を向くように、前記第1方向の手前側から順に一対の前記レールに装着され、
前記連結部は、前記前面に設けられた第1連結体と、前記後面に設けられ、前記第1連結体に対して着脱可能に連結する第2連結体と、を備え、
前記第2連結体は、前記第1連結体に対して上側から係合することで前記第1連結体に連結するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項8】
複数の前記足場部材を搬送する作業台車を更に備え、
前記作業台車は、当該作業台車の車輪が前記第2面を転動することで前記第1方向に沿って走行するように構成され、
前記作業台車における、一対の前記第2面に対して前記第2方向の内側に配置される部分の下端部である内側下端部が、前記装着状態の前記足場部材よりも上側に配置される、請求項1から7のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項9】
一対の前記レールのそれぞれは、前記第2方向の内側を向く面であって前記第1方向に沿って延在する第3面を更に備え、
前記第3面は、前記第1面と前記第2面との前記上下方向の間に配置され、
前記作業台車は、前記第3面を転動する案内輪を備え、
前記案内輪が、前記装着状態の前記足場部材よりも上側に配置される、請求項8に記載の物品収容設備。
【請求項10】
前記第2面は、収容対象の前記物品が載置される物品載置面であって、
前記搬送車は、搬送対象の前記物品の下面を支持する支持面と、前記支持面を昇降させる昇降装置と、を備え、
前記昇降装置は、前記支持面を、前記第2面より下側に位置させる下降位置と、前記第2面より上側に位置させる上昇位置との間で昇降させるように構成され、
前記支持面が前記下降位置にある状態で、前記搬送車の全体が前記第2面よりも下側に配置される、請求項1から9のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1方向に沿って配置された一対のレールと、一対の前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた物品収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品収容設備の一例が、国際公開第2018/155076号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号又は名称は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に記載された物品収容設備は、保管棚(2)と、保管棚(2)の正面を走行するスタッカークレーン(搬送装置1)と、スタッカークレーン(搬送装置1)の走行領域に出入りするための扉(3)と、スタッカークレーン(搬送装置1)の走行領域に沿って配置される複数の一対のレール(4)と、複数の足場部材(5)を収容する収容部(6)とを備えている。一対のレール(4)は、上下方向に並んで複数、設けられている。足場部材(5)は、レール(4)上を転動する車輪(5b)を備えており、一対のレール(4)に沿って移動できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/155076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記物品収容設備の構成では、複数の足場部材(5)を収容部(6)から一対のレール(4)に沿って移動させ、それら複数の足場部材(5)を一対のレール(4)に沿って並べて配置できるようになっている。作業者は、これらの足場部材(5)の上に乗ることで、保管棚(2)の上方に位置する棚部に対して作業を行うことができる。しかしながら、上記物品収容設備では、スタッカークレーン(搬送装置1)の走行領域に沿って、足場部材(5)の移動及び支持のための一対のレール(4)を、保管棚(2)に設ける必要があった。そのため、このようなレール(4)の設置スペースの分だけ保管棚(2)の容量が減少することや、当該レール(4)の設置コストの分だけ、物品収容設備のコストも増加すること、等の課題があった。
【0006】
そこで、物品収容設備の既存の構成を利用して適切に作業用の足場を設置することができる物品収容設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、物品収容設備の特徴構成は、第1方向に沿って配置された一対のレールと、一対の前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた物品収容設備であって、一対の前記レールに対して着脱可能な複数の足場部材を更に備え、上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、一対の前記レールのそれぞれは、第1面と第2面とを備え、前記第1面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記搬送車の車輪が転動する走行面を形成し、前記第2面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記第1面よりも上側に配置され、一対の前記第1面は、一対の前記第2面に対して前記第2方向の内側に配置され、前記足場部材は、当該足場部材が一対の前記レールに装着された装着状態で、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に、一対の前記第1面に載置され、前記装着状態で、前記足場部材の全体が、前記第2面よりも下側に配置される点にある。
【0008】
本構成によれば、搬送車を走行させるために設けられた既存のレールを利用して、足場部材を設置することができる。その際、足場部材が、第2方向における一対の第2面の間に配置されると共に一対の第1面に載置されるので、第2方向の位置決めをレールによって行いつつ、適切に足場部材を設置することができる。
また、装着状態の足場部材の全体が、第2面よりも下側に配置されるため、レールにおける第1面と第2面とを接続する部分が、足場部材における第2方向の両外側において立ち上がるように配置されることになる。そのため、作業者が足場の外縁を認識し易く、足場部材の上で作業を行う作業者の安全性を高めることができる。
このように、本構成によれば、物品収容設備の既存の構成を利用して適切に作業用の足場を設置することができる。
【0009】
物品収容設備のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】物品収容設備の斜視図
図2】物品収容設備の平面図
図3】物品収容設備の側面図
図4】一対のレール、搬送車、及び物品の位置関係を示す部分拡大図
図5】搬送車の斜視図
図6】作業台車の斜視図
図7】足場部材の斜視図
図8】足場部材の斜視図
図9】一対のレール、足場部材、及び作業台車の位置関係を示す背面図
図10】足場部材の側面図
図11】足場部材の連結箇所を模式的に表した部分拡大図
図12】足場部材の設置を模式的に表した斜視図
図13】足場部材の設置を模式的に表した斜視図
図14】足場部材を積み重ねる様子を模式的に表した側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.物品収容設備
物品収容設備の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、物品収容設備1は、第1方向Xに沿って配置された一対の第1レールL1と、一対の第1レールL1に沿って走行して物品Wを搬送する第1搬送車30と、を備えている。本実施形態では、物品収容設備1は、一対の第1レールL1を複数組備えていると共に、複数の第1搬送車30を備えている。また、本例では、物品収容設備1は、物品WをパレットPに載置した状態で収容している。
【0012】
以下では、物品収容設備1の各構成について具体的に説明するが、図1及び図2に示すように、上下方向Zに沿う上下方向視で第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとして、説明する。また、第1レールL1に沿う方向を第1方向Xとして、第1方向Xの一方側(第1レールL1に沿って第2レールL2から離れる側)を、第1方向第1側X1とし、第1方向Xの他方側(第1レールL1に沿って第2レールL2に近づく側)を、第1方向第2側X2とする。また、第2方向Yの一方側を第2方向第1側Y1とし、第2方向Yの他方側を第2方向第2側Y2として説明する。
【0013】
本例では、図1図2、及び図3に示すように、物品収容設備1は、複数の柱部材33と、複数の連結部材36と、複数の梁部材37と、を備えている。複数の柱部材33は、上下方向Zに沿って配置されている。また、複数の柱部材33は、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿って、互いに間隔を空けて並ぶように配置されている。複数の連結部材36は、上下方向Zの複数個所に分かれて配置されている。そして、複数の連結部材36は、第1方向Xに沿う姿勢で配置され、第1方向Xに隣り合う複数の柱部材33をそれぞれ連結している。複数の梁部材37は、上下方向Zの複数個所に分かれて配置されている。また、複数の梁部材37は、第2方向Yに沿う姿勢で配置されていると共に、第1方向Xに沿って間隔を空けて並ぶように配置されている。梁部材37は、第2方向Yに沿って並ぶ複数の柱部材33に固定されている。言い換えると、梁部材37は、これらの柱部材33を第2方向Yにおいて互いに連結している。図示の例では、物品収容設備1は、複数の補強部材38を更に備えている。補強部材38は、第1方向Xに対して傾斜した姿勢で配置され、隣り合う柱部材33を連結するブレースである。
【0014】
また、本例では、図1図2、及び図3に示すように、一対の第1レールL1は、第1方向Xに沿って複数組配置されている。具体的には複数組の第1レールL1は、上下方向Zに並ぶと共に、第2方向Yに分かれて配置されている。図示の例では、一対の第1レールL1は、複数段(ここでは3段)に配置されている。また、一対の第1レールL1は、第2方向Yに複数列に配置されている。そして、複数の第1レールL1のそれぞれは、第1方向Xに並ぶ複数の柱部材33と、第2方向Yに並ぶ複数の梁部材37とによって支持されている。本実施形態では、第1レールL1が、「レール10」に相当する。なお、第1レールL1の具体的な構成については、後に説明する。
【0015】
更に、本例では、物品収容設備1は、一対の第2レールL2と、歩廊39とを備えている。一対の第2レールL2は、後述する、第2搬送車35と作業親台車66とが走行する。第2レールL2は、第1レールL1が配置されている領域に対して、第1方向第2側X2に隣接して配置されている。そして、一対の第2レールL2は、第2方向Yに沿って配置されている。また、一対の第2レールL2は、上下方向Zに並んで複数組配置されている。具体的には、複数組の第2レールL2のそれぞれは、上下方向Zに並ぶ複数段の第1レールL1のそれぞれに対応する上下方向Zの位置に配置されている。すなわち、一対の第2レールL2は、一対の第1レールL1と同じ段数(ここでは3段)、配置されている。図示の例では、一対の第2レールL2は、対応する同じ段の一対の第1レールL1に対して一定距離だけ下側設置されている。なお、対応する同じ段の第1レールL1と第2レールL2との高さの差は、第2搬送車35に載置された第1搬送車30の第1車輪31の高さと第2搬送車35の第2車輪83の高さとの差に対応している。
【0016】
歩廊39は、作業者7(図12参照)が歩行できるように構成されている。歩廊39は、一対の第2レールL2の間を作業者7が歩行するために設置されている。このため、歩廊39は、一対の第2レールL2に沿って一対の第2レールL2の間に設置されている。本例では、上下方向Zに隣接する一対の第2レールL2の間隔が、作業者7が歩行可能な間隔以上となっている。そのため、各段の一対の第2レールL2に対応して歩廊39が設置されている(図3参照)。図示の例では、歩廊39は、最下段を除く各段に設置されている。
【0017】
2.レール
次に、一対の第1レールL1の構成について説明する。一対の第1レールL1は、第1搬送車30が走行すると共に、物品Wを収容する役割を果たす。図4及び図5に示すように、一対の第1レールL1のそれぞれは、第1面11と第2面12とを備えている。本例では、複数の第1レールL1のそれぞれが、第1面11と第2面12とを備えている。そして、1つの第1レールL1における第1面11と第2面12とは、第2方向Yに隣接するように配置されている。
【0018】
2-1.第1面
図4及び図5に示すように、第1面11は、上側を向く面であって第1方向Xに沿って延在し、第1搬送車30の第1車輪31が転動する走行面14を形成する。また、一対の第1面11は、一対の第2面12に対して第2方向Yの内側に配置されている。本実施形態では、一対の第1面11のそれぞれは、更に、水平面に沿うように形成されている。第1面11が走行面14を形成することで、一対の第1車輪31は、一対の第1面11に下側から支持される。これにより、第1搬送車30は、一対の第1面11の上を走行する。また、本例では、第1搬送車30の全体が、一対の第2面12よりも第2方向Yの内側に配置されるように構成されている。
【0019】
2-2.第2面
図4及び図5に示すように、第2面12は、上側を向く面であって第1方向Xに沿って延在し、第1面11よりも上側に配置されている。本実施形態では、一対の第2面12のそれぞれは、更に、水平面に沿うように形成されている。また、本実施形態では、第2面12は、収容対象の物品Wが載置される物品載置面62である。すなわち、収容対象の物品Wは、第1搬送車30によって一対の第1レールL1に沿って搬送され、一対の第2面12の上に載置されることで、物品収容設備1に収容される。図示の例では、パレットPに載置された物品Wが、一対の第1レールL1の上に載せられる。つまり、一対の第2面12は、パレットPを介して物品Wを支持している。
【0020】
2-3.第3面
本実施形態では、図4及び図5に示すように、一対の第1レールL1のそれぞれは、第2方向Yの内側を向く面であって第1方向Xに沿って延在する第3面13を更に備えている。そして、第3面13は、第1面11と第2面12との上下方向Zの間に配置されている。本例では、第1レールL1は、第1面11を形成する第1壁部71と、第2面12を形成する第2壁部72と、第3面13を形成する第3壁部73とを備えている。第1壁部71と第2壁部72と第3壁部73とは、それぞれ第1方向Xに延在する板状に形成されている。そして、第1壁部71は、第2壁部72よりも第2方向Yの内側に配置されている。更に、第1壁部71は、第2壁部72よりも下側に配置されている。第3壁部73は、第1壁部71と第2壁部72とを連結している。第1面11は、第1壁部71の上側を向く面である。第2面12は、第2壁部72の上側を向く面である。第3面13は、第3壁部73における第2方向Yの内側を向く面である。本例では、第1レールL1は、第1延在部74と第2延在部75とを更に備えている。第1延在部74と第2延在部75は、それぞれ第1方向Xに延在する板状に形成されている。図示の例では、第1壁部71と第2壁部72と第3壁部73と第1延在部74と第2延在部75とは、帯板状の部材が折り曲げられて一体的に形成されている。具体的には、第1壁部71は水平面に沿って配置されている。そして、第3壁部73は、第1壁部71の第2方向Yの外側の側端から上向きに屈曲形成されている。そして、第2壁部72は、第3壁部73の上端部分から第2方向Yの外側に向けて屈曲されると共に、水平面に沿うように形成されている。更に、第1壁部71の第2方向Yの内側の端部から下向きに、第1延在部74が屈曲形成されている。また、第2壁部72の第2方向Yの外側の側端から下向きに、第2延在部75が屈曲形成されている。このようにして、第1レールL1は、階段状に形成されている。
【0021】
また、本実施形態では、第1レールL1は、固定部材19を介して、柱部材33及び梁部材37に支持されている(図4参照)。固定部材19は、柱部材33と梁部材37とのそれぞれに、第1締結部材21で締結固定されている。本例では、固定部材19は、柱部材33と梁部材37とが第1方向X視で交差する箇所のそれぞれに配置されている。固定部材19は、板状部材である。そして、固定部材19は、上下方向Z及び第2方向Yに沿う姿勢で固定されている。固定部材19の第2方向Yの両側部分は、第1レールL1の形状に応じた階段状に形成されている。そして、固定部材19は、当該第2方向Yの両側部分において、第1レールL1を支持している(図1図4参照)。
【0022】
3.搬送車
第1搬送車30は、物品Wを一対の第1レールL1に搬入して収容すると共に、一対の第1レールL1に収容されている物品Wを、一対の第1レールL1から外部に搬出する。本実施形態では、第1搬送車30は、物品Wを持ち上げた状態で一対の第1レールL1に沿って走行し、当該物品Wを一対の第1レールL1の上に載置することで、物品Wを収容する。また、第1搬送車30は、一対の第1レールL1の上に載置された物品Wを持ち上げ、一対の第1レールL1に沿って走行し、当該物品Wを一対の第1レールL1の上から外部に搬出する。本実施形態では、図4及び図5に示すように、第1搬送車30は、搬送対象の物品Wの下面を支持する第1支持面32と、第1支持面32を昇降させる昇降装置70と、を備えている。本例では、複数の第1搬送車30が、同時期に、異なる場所に配置された一対の第1レールL1上を走行できるように構成されている。本実施形態では、第1搬送車30が「搬送車」に相当する。以下、第1搬送車30の構成を具体的に説明する。
【0023】
図4に示すように、本実施形態では、第1搬送車30は、第1搬送本体部29と、昇降装置70と、第1支持部27と、第1車輪31と、第1案内輪28と、を備えている。第1搬送本体部29より上側には、第1支持部27が配置されている。そして、第1搬送本体部29から下側に突出するように、一対の第1面11を転動する複数の第1車輪31が設けられている。更に、第1搬送本体部29から第2方向Yの外側に突出するように、一対の第3面13を転動する複数の第1案内輪28が設けられている。昇降装置70は、第1搬送本体部29に対して第1支持部27を昇降させるように設けられている。そして、第1支持部27の上側を向く面が、物品Wを支持する第1支持面32である。図示の例では、第1支持面32は、パレットPを介して物品Wを下側から支持している。第1搬送車30は、第1車輪31が、第1面11を走行面14として転動することで、第1方向Xに沿って走行する。また、第1案内輪28は、第3面13を転動して、第1搬送車30を第1方向Xに案内する。すなわち、第3面13は、第1搬送車30の第2方向Yへの移動を規制する。なお、第1車輪31が「搬送車の車輪」に相当し、第1支持面32が「支持面」に相当する。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、昇降装置70は、第1支持面32を、第2面12より下側に位置させる下降位置9と、第2面12より上側に位置させる上昇位置8との間で昇降させるように構成されている。そして、第1支持面32が下降位置9にある状態で、第1搬送車30の全体が第2面12よりも下側に配置される。これにより、第1搬送車30は、一対の第2面12に物品Wが載せられた状態でも、当該物品Wの下側を走行することができる。また、第1支持面32が、上昇位置8に上昇することで、一対の第2面12に載置されている状態の物品Wを、持ち上げることができる。そして、第1支持面32が上昇位置8にある状態で、第1搬送車30が一対の第1レールL1を第1方向第2側X2に向けて走行する。これにより、第1搬送車30は、物品Wを、一対の第1レールL1に沿って、一対の第2レールL2の側へ搬送することができる。
【0025】
本例では、図1及び図5に示すように、物品収容設備1は、第1搬送車30を載置して走行する第2搬送車35を更に備えている。第2搬送車35は、一対の第2レールL2に沿って走行して、第1搬送車30を搬送する。また、本例では、複数の第2搬送車35が、同時期に、異なる高さに配置された一対の第2レールL2上をそれぞれ走行できるように構成されている。図示の例では、複数(ここでは3つ)の第2搬送車35が、物品Wを載せた第1搬送車30を1つずつ載置して、複数段(ここでは3段)の第2レールL2をそれぞれ走行する。そして、第2搬送車35が、任意の第1レールL1に対応する位置に停車した状態で、第1搬送車30が第2搬送車35から第1レールL1に乗り移ることができる。また、図示の例では、複数(ここでは3つ)の第2搬送車35が、第1搬送車30を載置していない状態で、複数段(ここでは3段)の第2レールL2をそれぞれ走行する。そして、第2搬送車35が、任意の第1レールL1に対応する位置に停車した状態で、第1搬送車30が、第1レールL1から第2搬送車35に乗り移ることができる。
【0026】
本例では、第2搬送車35は、第2支持部81と、第2搬送本体部84と、第2レールL2を転動する第2車輪83と、物品Wを支持すると共に当該物品を第1方向Xに送るコンベヤT1とを備えている。第2支持部81の上面には、第1搬送車30が載置される第2支持面82が形成されている。第2車輪83は、第2搬送本体部84から下側に突出するように複数設けられている。そして、複数の第2車輪83が第2レールL2上を転動することで、第2搬送車35は第2方向Yに走行する。コンベヤT1は、上下方向視で、第2支持部81に対して第2方向Yの両側に配置されており、その上面で物品Wを支持するように構成されている。コンベヤT1の上面は、第2支持面82よりも上側に配置されている。更に本例では、コンベヤT1の上面は、第2支持面82に載置された第1搬送車30における下降位置9にある第1支持面32よりも上側であって、当該第1搬送車30における上昇位置8にある第1支持面32よりも下側に配置されている。これにより、第2支持面82に第1搬送車30が支持されている状態で、コンベヤT1と第1搬送車30との間で、物品Wの受け渡しができるようになっている。すなわち、本例では、第1搬送車30の第1支持面32が下降位置9に位置する状態で、第1搬送車30の全体が、コンベヤT1の下側に配置されるように構成されている。そして、第1支持面32が上昇位置8に移動することで、一対のコンベヤT1に支持されている物品Wを、第1支持面32に載せ替えることができる。図13の例では、一対のコンベヤT1にパレットPが載置されている。そして、パレットPには、後述する足場部材2が段積み状態で載置されている。このように、第2搬送車35は、第1搬送車30を支持していない状態で、足場部材2やパレットP等の荷物を搬送することもできる。
【0027】
4.作業台車
本実施形態では、図6及び図9に示すように、物品収容設備1は、複数の足場部材2を搬送する作業台車6を更に備えている。作業台車6は、一対の第1レールL1に沿って走行する。具体的には、作業台車6は、当該作業台車6の第3車輪56が第2面12を転動することで第1方向Xに沿って走行するように構成されている。本実施形態では、作業台車6は、複数の足場部材2を支持する第3支持部16と、第3車輪56と、第1操作部64とを備えている。また本例では、作業台車6は、不図示のブレーキ機構も備えている。第3支持部16は、複数の足場部材2を下側から支持する。そのために、第3支持部16は、上側を向く平坦な第3支持面16Aを備えている。第3車輪56は、第3支持部16の第2方向Yを向く面のそれぞれに複数ずつ設けられている。そして、第3車輪56が第1レールL1上を転動することで、作業台車6は第1方向Xに走行する。第1操作部64は、第3支持部16の第1方向Xを向く面のそれぞれにおいて、第3支持部16よりも上側に突出するように設けられている(図6参照)。作業者7(図12参照)は、第1操作部64を把持して第1方向Xに力を加えることで、作業台車6を移動させる。また、作業者7は、第3支持部16に設けられたブレーキ機構を操作して、第1レールL1上の任意の位置で、作業台車6が移動しないように規制することができる。例えば、ブレーキ機構は、作業者7が操作していない状態では自動的に作業台車6の移動を規制し、作業者7が操作している状態でのみ作業台車6の移動を許容するように構成されていると好適である。なお、第3車輪56が「作業台車の車輪」に相当する。
【0028】
また、本実施形態では、図9に示すように、作業台車6は、更に、第3面13を転動する第2案内輪58を備えている。ここで、第2案内輪58は、装着状態の足場部材2よりも上側に配置されている。なお、足場部材2については後で詳細に説明する。この第2案内輪58が、作業台車6の「案内輪」に相当する。本例では、第2案内輪58は、第3支持部16の下側を向く面から下側に突出するように配置されている。また、図には示されていないが、作業台車6は、一対の第1レールL1のそれぞれの第3面13に複数ずつ第2案内輪58が接するように、第2方向Yの中央部に対して第2方向第1側Y1と第2方向第2側Y2とのそれぞれに複数の第2案内輪58を備えている。すなわち、作業台車6が、一対の第1レールL1に支持された状態で、複数の第2案内輪58が、第3面13と当接する位置に配置される。第2案内輪58の中心には、第2案内輪58が上下方向Zに沿う軸心周りに回転できるように、軸59が挿入されている。軸59は、第3支持部16に支持されていると共に、第2案内輪58の落下を回避する不図示の落下防止部を備える。図9に示すように、後述する装着状態の足場部材2は、一対の第1面11に載置されている。この状態において、第2案内輪58は、足場部材2の上端よりも上側に配置されている。
【0029】
更に、本実施形態では、図9に示すように、作業台車6における、一対の第2面12に対して第2方向Yの内側に配置される部分の下端部である内側下端部52が、装着状態の足場部材2よりも上側に配置される。本例では、内側下端部52は、軸59の下端部である。図示の例では、軸59の下端部は、第2案内輪58の下端よりも下側に配置されている。そして、この軸59の下端部が、装着状態の足場部材2の上端よりも上側に配置されている。これにより、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態であっても、作業台車6が、当該足場部材2と干渉することがない。よって、作業者7は、足場部材2を装着した状態で、作業台車6を一対の第1レールL1の任意の位置に移動させることができる。
【0030】
また、本実施形態では、物品収容設備1は、作業台車6を下方から支持して走行する作業親台車66を更に備えている。作業親台車66は、一対の第2レールL2に沿って走行して、作業台車6を搬送する。本例では、複数の作業親台車66が、同時期に、異なる高さに配置された一対の第2レールL2上をそれぞれ走行できるように構成されている。図示の例では、作業親台車66は、第4支持部67と、第4車輪69と、第3レールL3と、第2操作部68とを備えている。第4車輪69は、第4支持部67の第1方向Xを向く面のそれぞれに複数ずつ設けられている。そして、第4車輪69が、第2レールL2上を転動することで、作業親台車66は第2方向Yに走行する。第2操作部68は、第4支持部67の第2方向Yを向く面のそれぞれにおいて、第4支持部67よりも上側に突出するように設けられている(図6及び図12参照)。作業者7(図12参照)は、歩廊39を歩きながら、第2操作部68を把持して第2方向Yに力を加えることで、作業親台車66を移動させる。第3レールL3は、第4支持部67に一対設けられている。一対の第3レールL3は、作業親台車66が一対の第2レールL2に載置された状態で、第1方向Xに沿うように配置されている。一対の第3レールL3の上に作業台車6を載置した状態で、作業親台車66は作業台車6を搬送する。作業台車6は第3レールL3に沿って走行可能である。従って、作業者7は、作業親台車66を任意の第1レールL1に対応する位置に停止させた状態で、作業台車6を、第3レールL3から第1レールL1に移動させることができる。
【0031】
5.足場部材
図7図8、及び図9に示すように、物品収容設備1は、一対の第1レールL1に対して着脱可能な複数の足場部材2を備えている。作業者7は、複数の足場部材2を一対の第1レールL1に装着することで、複数の足場部材2の上に乗って作業を行うことができるようになる。本実施形態では、図12に示すように、複数の足場部材2は、第1方向Xに沿って並ぶように設置される。本例では、複数の足場部材2は、上下方向Z及び第2方向Yに並ぶ複数組の第1レールL1のいずれに対しても装着することができる。
【0032】
5-1.本体部
足場部材2は、当該足場部材2が一対の第1レールL1に装着された装着状態で、第2方向Yにおける一対の第2面12の間に配置されると共に、一対の第1面11に載置される。そして、装着状態で、足場部材2の全体が、第2面12よりも下側に配置される。本実施形態では、図9に示すように、足場部材2は、第2方向Yにおける一対の第2面12の間に配置されると共に一対の第1面11に載置される本体部3を備えている。本例では、本体部3の第2方向Yの寸法は、一対の第1面11の間の寸法よりも大きい。また、本体部3は、一対の第2面12の間の寸法よりも小さい。言い換えると、足場部材2の第2方向Yの寸法は、第2方向Yに対向する一対の第3面13の間に収まる寸法となっている。本体部3の上下方向Zの寸法は、第1面11と第2面12との間の寸法よりも小さい。言い換えると、足場部材2の上下方向Zの寸法は、第3面13の上下方向Zの寸法よりも小さい。このような構成により、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態で、足場部材2の全体が、第2面12よりも下側に配置される。図7及び図8に示すように、本例では、本体部3は直方体状に形成されている。また、本体部3の第2方向Yの寸法は、第1方向Xの寸法よりも大きい。よって、足場部材2は、本体部3の長手方向が第2方向Yに沿う姿勢で、一対の第1レールL1に装着される。
【0033】
また、図7及び図8に示すように、本体部3は、第1方向Xの一方側を向く前面23と、第1方向Xの他方側を向く後面25と、を備えている。本実施形態では、前面23は、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態で、第1方向第1側X1を向く面である。後面25は、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態で、第1方向第2側X2を向く面である。すなわち、後面25は、本体部3における、第2レールL2がある側を向く面である。後述するように、本実施形態では、複数の足場部材2を、第2レールL2の側から第1方向第1側X1へ向かって順に一対の第1レールL1に装着していく。その際、図12に示すように、作業者7は、第2レールL2の側である第1方向第2側X2を手前側とし、第1方向第1側X1である奥側へ向かって順に複数の足場部材2を設置する。このことから、前面23は、第1方向Xの奥側を向く面であり、後面25は、第1方向Xの手前側を向く面であるともいえる。本例では、前面23と後面25とのそれぞれは、本体部3の上面24の、第1方向Xの両端から下側に延出するように形成されている。更に、図示の例では、前面23と後面25とのそれぞれの下端部から、本体部3の第1方向Xにおける中央領域に向かって、水平面に沿って延在する一対の延出縁部34が形成されている。足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態では、この一対の延出縁部34の下側を向く面が、一対の第1面11に当接する。
【0034】
5-2.係止部
本実施形態では、足場部材2は、本体部3から下側に突出するように設けられた一対の係止部4を備えている。図9に示すように、一対の係止部4は、一対の第1レールL1のそれぞれに対して下側から係止される。そして、係止部4は、一対の第1レールL1のそれぞれに対して係止された状態で、本体部3が上側に移動することを規制する。すなわち、一対の係止部4には、第2方向第1側Y1の第1レールL1に係止される係止部4と、第2方向第2側Y2の第1レールL1に係止される係止部4とが含まれる。そして、一対の係止部4のそれぞれは、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態で、第1レールL1の第1延在部74に対して下側から係止される。
【0035】
本実施形態では、図7図8、及び図9に示すように、一対の係止部4の少なくとも一方は、足場部材2の装着状態で、一対の第1レールL1に係止された係止姿勢と、一対の第1レールL1に対する係止が解除された係止解除姿勢とに姿勢変更可能に構成された可動係止部41である。更に、本実施形態では、一対の係止部4の一方が可動係止部41あり、他方が固定係止部45である。そして、これら一対の係止部4は、本体部3の前面23と後面25とに分かれて取り付けられている。すなわち、これら一対の係止部4は、本体部3の対角方向に分かれて配置されている。本例では、固定係止部45が前面23に取り付けられ、可動係止部41が後面25に取り付けられている。図示の例では、固定係止部45は、前面23の第2方向第1側Y1の端部領域に取り付けられ、可動係止部41が、後面25の第2方向第2側Y2の端部領域に取り付けられている。
【0036】
本実施形態では、図7及び図8に示すように、一対の係止部4に加えて、もう1つの係止部4を備えている。すなわち、本実施形態に係る足場部材2は、3つの係止部4を備えている。より具体的には、上述した固定係止部45と可動係止部41との対に加えて、もう1つの固定係止部45を備えている。本例では、追加の固定係止部45は、後面25の第2方向第1側Y1の端部領域に取り付けられている。すなわち、後面25には、可動係止部41と固定係止部45とが、第2方向Yに分かれて取り付けられている。このように、足場部材2には、複数の係止部4が、本体部3における第1方向Xの一方側を向く前面23と、第1方向Xの他方側を向く後面25とに分かれて取り付けられている。
【0037】
また、本実施形態では、図10に示すように、複数の係止部4のそれぞれが、本体部3から下側へ向かうに従って、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で本体部3に取り付けられている。以下では、固定係止部45と可動係止部41とのそれぞれの構成について、具体的に説明する。
【0038】
5-2-1.固定係止部45
図9に示すように、固定係止部45は、本体部3に対する姿勢が固定されている。本実施形態では、固定係止部45は、第1被固定部46と、第1下側部47と、第1突出部48と、を備えている。第1被固定部46は、本体部3の前面23又は後面25に固定される部分である。具体的には、第1被固定部46は、第2締結部材49によって、前面23又は後面25のいずれか固定対象の面である対象面に締結固定される。そのため、本例では、第1被固定部46は、当該対象面に対して平行且つ接した状態で固定されている。第1下側部47は、第1被固定部46の下側の縁から、下方に向かって延出している。本例では、図10に示すように、第1下側部47は、第1屈曲部47Aを備えている。この第1屈曲部47Aでは、第2方向Yに沿う第2方向視で、当該第1屈曲部47Aよりも下側の部分が、それよりも上側の部分及び第1被固定部46に対して、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に傾斜するように屈曲されている。これにより、固定係止部45は、本体部3から下側へ向かうに従って、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で、本体部3に取り付けられている。第1突出部48は、第1下側部47の下端領域から、第2方向Yの外側へ向けて突出するように形成されている。そして、足場部材2が一対の第1レールL1に装着された状態で、第1突出部48の上側を向く面が第1レールL1の第1延在部74の下端部に当接する。これにより、第1レールL1が、延出縁部34と第1突出部48との上下方向Zの間に挟まれた状態となる。図示の例では、固定係止部45は、板状の部材である。そして、第1被固定部46と、第1下側部47と、第1突出部48とは、一体的に形成されている。
【0039】
5-2-2.可動係止部41
上記のとおり、可動係止部41は、一対の第1レールL1に係止された係止姿勢と、一対の第1レールL1に対する係止が解除された係止解除姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。本実施形態では、可動係止部41は、本体部3の前面23又は後面25に取り付けられる。そして、可動係止部41は、第1方向Xに沿う軸心周りに揺動可能に構成されている。また、可動係止部41は、係止姿勢となる方向に付勢されており、係止姿勢から係止解除姿勢に姿勢変更するための操作を受け付ける操作部43を備えている。
【0040】
本実施形態では、図9に示すように、可動係止部41は、揺動支点50と、操作部43と、操作支持部44と、第2下側部40と、第2突出部42と、を備えている。可動係止部41は、揺動支点50を中心として第1方向Xに沿う軸心回りに揺動するように、本体部3に支持されている。本例では、揺動支点50に設けられた留め具により、可動係止部41が本体部3の後面25に支持されている。一対の第1レールL1のうち、可動係止部41の係止対象である第1レールL1を対象第1レールL1Aとして、操作支持部44は、係止姿勢において、揺動支点50から、対象第1レールL1Aから離れる側に延出している。図示の例では、操作支持部44は、係止姿勢において、揺動支点50から第2方向第1側Y1に延出している。第2下側部40は、係止姿勢において、揺動支点50から下側に延出している。本例では、図10に示すように、第2下側部40は、第2屈曲部40Aを備えている。この第2屈曲部40Aでは、第2方向Yに沿う第2方向視で、当該第2屈曲部40Aよりも下側の部分が、それよりも上側の部分及び操作支持部44に対して、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に傾斜するように屈曲されている。これにより、可動係止部41は、本体部3から下側へ向かうに従って、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で、本体部3に取り付けられている。
【0041】
第2突出部42は、第2下側部40の下側の領域から、第2方向Yの外側に向けて突出するように形成されている。そして、足場部材2が一対の第1レールL1に装着され、可動係止部41が係止姿勢となった状態で、第2突出部42の上側を向く面が第1レールL1(対象第1レールL1A)の第1延在部74の下端部に当接する。これにより、第1レールL1が、延出縁部34と第2突出部42との上下方向Zの間に挟まれた状態となる。操作部43は、操作支持部44における、揺動支点50から遠い側の端部に設けられている。本例では、操作部43は操作支持部44の上縁部から第1方向Xに突出するように形成されている。本実施形態では、可動係止部41は、板状の部材である。そして、操作部43と、操作支持部44と、第2下側部40と、第2突出部42とは、一体的に形成されている。
【0042】
上記のとおり、可動係止部41は、係止解除姿勢から係止姿勢となる方向に付勢されている。本実施形態では、可動係止部41は、足場部材2を一対の第1レールL1に装着した状態で、第2突出部42が対象第1レールL1Aに接近する側へ揺動するように付勢されている。図9に示す例では、紙面奥側(第1方向第1側X1)へ向かって見て、可動係止部41は時計回りに揺動する方向に付勢されている。本実施形態では、可動係止部41の自重により、可動係止部41が付勢される構成としている。具体的には、可動係止部41における、揺動支点50に対して操作部43側の重量が、揺動支点50に対して第2突出部42側の重量よりも大きくなるように設定されている。これにより、可動係止部41は、自重によって操作部43が下側へ移動する方向に揺動する。これに伴い、第2突出部42が対象第1レールL1Aの側へ移動する。それにより、可動係止部41は係止姿勢となり、第1レールL1が、延出縁部34と第2突出部42との上下方向Zの間に挟まれた状態となる。
【0043】
一方、足場部材2の装着状態で、作業者7が、操作部43を上側へ移動させると、可動係止部41が付勢方向と反対方向に揺動し、係止姿勢から係止解除姿勢となる。図9に示す例では、紙面奥側(第1方向第1側X1)へ向かって見て、可動係止部41が反時計回りに揺動する。これにより、図9に二点鎖線で示すように、第2突出部42が対象第1レールL1Aから離間する側へ移動し、係止解除姿勢となる。可動係止部41の係止解除姿勢では、第1レールL1が、延出縁部34と第2突出部42とに挟持されない状態となる。このように、可動係止部41は、作業者7が、操作部43を上下方向Zに動かすように操作することで、第1方向Xに沿う軸心周りに揺動し、係止姿勢と、係止解除姿勢とに姿勢変更するようになっている。また本実施形態では、図9に実線で示すように、可動係止部41の係止姿勢では、操作部43及び操作支持部44の上側縁が、本体部3の上面に沿って配置されるように構成されている。そのため、可動係止部41が図9において反時計回りに揺動し、係止解除姿勢となった場合には、図9に二点鎖線で示すように、操作部43が、本体部3の上面24よりも上側に突出する。このように、可動係止部41は、係止解除姿勢で、操作部43が、本体部3の上面24よりも上側に突出するように構成されている。
【0044】
5-3.連結部
本実施形態では、図7及び図8に示すように、足場部材2は、第1方向Xに隣接する別の足場部材2と連結するための連結部5を備えている。ここでは、連結部5は、前面23に設けられた第1連結体15と、後面25に設けられ、第1連結体15に対して着脱可能に連結する第2連結体17と、を備えている。本例では、第1連結体15は、前面23に複数設けられている。第2連結体17は、後面25における第1連結体15と対応する位置に、第1連結体15と同数設けられている。本例では、第1連結体15は、第2方向Yに離間して複数(ここでは2個)配置されている。第2連結体17も、第2方向Yに離間して複数(ここでは2個)配置されている。
【0045】
本実施形態では、図11に示すように、第2連結体17は、第1連結体15に対して上側から係合することで第1連結体15に連結するように構成されている。本例では、図7及び図8に示すように、第2連結体17は、第2連結基部17aと、上側係合部17bと、上側連結部17cとを備えている。第2連結基部17aは、後面25に固定される部分である。そして、第2連結基部17aの上部から、第1方向Xの外側に向けて、上側連結部17cが延出している。更に、上側連結部17cにおける第1方向Xの外側の端部から下側に向けて、上側係合部17bが延出している。このような構成により、第2方向Yに沿う第2方向視で、第2連結体17は逆U字状に形成されている。また、本例では、第1連結体15は、第1連結基部15aと、下側係合部15bと、下側連結部15cとを備えている。第1連結基部15aは、前面23に固定される部分である。そして、下側連結部15cが、第1連結基部15aの下部から、第1方向Xの外側に延出している。更に、下側連結部15cにおける第1方向Xの外側の端部から上側に向けて、下側係合部15bが延出している。このような構成により、第2方向Y視で、第1連結体15は、U字状に形成されている。そして、第2連結体17の上側係合部17bを、第1連結体15の第1連結基部15aと下側係合部15bとの間の隙間に上側から挿入することで、第1連結体15と第2連結体17とが連結する。
【0046】
本実施形態では、図12及び図13に示すように、足場部材2は、前面23が第1方向Xの奥側を向くように、第1方向Xの手前側から順に一対の第1レールL1に装着される。本例では、「第1方向Xの手前側」は、第1方向Xにおける第1レールL1に対して第2レールL2の側、すなわち、第1方向第2側X2である。「第1方向Xの奥側」は、第1方向Xにおける第2レールL2に対して第1レールL1の側、すなわち、第1方向第1側X1である。作業者7は、一対の第1レールL1の第1方向第2側X2の端部から第1方向第1側X1に向けて、複数の足場部材2を順に並べるようにして、複数の足場部材2を一対の第1レールL1に装着する。これにより、一対の第1レールL1に沿って、歩廊39に近い側から順に複数の足場部材2が並べられる。またこの際、作業者7は、隣り合う足場部材2同士を連結させながら、複数の足場部材2を一対の第1レールL1に装着する。具体的には、装着状態の足場部材2の前面23に取り付けられた第1連結体15と、次に並べる足場部材2の後面25に取り付けられた第2連結体17とを連結させる。この際、後から装着する足場部材2の第2連結体17を、先に装着された足場部材2の第1連結体15に対して上側から係合する。ここで、仮に、足場部材2の向きを誤って、前面23が第1方向Xの手前側(第1方向第2側X2)を向くように一対の第1レールL1に装着した場合、第1方向Xの奥側(第1方向第1側X1)には後面25の第2連結体17が配置されることになる。すると、次に装着する足場部材2の第1連結体15を、先に装着された足場部材2の第2連結体17に連結したくても、先に装着された足場部材2を持ち上げない限り、これらを連結することはできない。このように、本構成によれば、複数の足場部材2を第1方向Xの手前側から順に一対の第1レールL1に装着していく作業を行う場合に、足場部材2の向きが正しい向きでなければ隣接する足場部材2同士を連結することができない。従って、複数の足場部材2が正しい向きに設置されるようにすることができる。
【0047】
6.足場部材の搬送及び装着
以下では、足場部材2を、任意の一対の第1レールL1に搬送すると共に、当該一対の第1レールL1に装着する態様について説明する。本実施形態では、図12及び図13に示すように、複数の足場部材2は、作業親台車66又は第2搬送車35によって、一対の第2レールL2に沿って、任意の一対の第1レールL1の位置まで搬送される。図12の例では、複数の足場部材2は、作業台車6に段積みされている。そして、作業者7が、歩廊39を歩きながら、当該作業台車6を載置した作業親台車66を、一対の第2レールL2に沿って、任意の一対の第1レールL1の位置まで搬送する。その後、作業者7は、作業台車6から足場部材2を取り出して、一対の第1レールL1に順に装着する。また、作業者7は、作業台車6を第1レールL1に沿って移動させながら、作業台車6から足場部材2を順次取り出して、一対の第1レールL1に装着することができる。図13の例では、複数の足場部材2は、第2搬送車35に段積みされている。第2搬送車35は、一対の第2レールL2に沿って移動し、任意の一対の第1レールL1の位置まで、複数の足場部材2を搬送する。作業者7は、当該位置に停車した第2搬送車35から足場部材2を順次取り出して、一対の第1レールL1に装着する。
【0048】
7.足場部材の保管
本実施形態では、図12及び図13に示すように、複数の足場部材2が積み重ねられた状態で搬送及び保管される。そこで、作業者7は、一対の第1レールL1に装着された複数の足場部材2の上で行った作業を終えると、当該複数の足場部材2を一対の第1レールL1から順次取り外して、作業台車6又は第2搬送車35の上に裏返した状態で積み重ねる。上記のとおり、足場部材2が備える複数の係止部4(固定係止部45及び可動係止部41)のそれぞれは、本体部3から下側へ向うに従って第1方向Xにおける本体部3から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で、本体部3に取り付けられている(図10参照)。このため、図14に示すように、裏返された足場部材2の複数の係止部4は、上側へ向うに従って本体部3から第1方向Xに離れる側に向かうように傾斜した姿勢で配置される。従って、作業者7は、足場部材2の上に新たな足場部材2を積み重ねる場合に、既に積み重ねられた最上段の足場部材2の係止部4をガイドとして、第1方向Xのずれが少ない状態で積み重ねることができる。このように、本実施形態では、1つの足場部材2が備える複数の係止部4は、足場部材2を裏返して積み重ねる場合において、ガイドとしての機能も果たす。これにより、作業者7は、複数の足場部材2を安定的に積み重ねることができる。なお、足場部材2を一対の第1レールL1から取り外した状態では、図14において足場部材2の一対の係止部4(可動係止部41と固定係止部45)が並ぶ方向は第1方向Xとは限らないが、ここでは、説明の便宜上、図14において足場部材2の一対の係止部4(可動係止部41と固定係止部45)が並ぶ方向(前面23と後面25とに直交する方向)を第1方向Xとしている。
【0049】
8.その他の実施形態
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0050】
(1)上記の実施形態では、物品収容設備1は、第2方向Yに沿って設けられた一対の第2レールL2を備えており、一対の第2レールL2上を、第2搬送車35と作業親台車66とがそれぞれ走行する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、物品収容設備1は、一対の第2レールL2を備えていなくても良い。また、物品収容設備1は、第2搬送車35と、作業親台車66とを備えていなくても良い。
【0051】
(2)上記の実施形態では、足場部材2は、本体部3から下側に突出するように設けられた一対の係止部4を備える構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、足場部材2は、このような一対の係止部4を備えていなくても良い。
【0052】
(3)上記の実施形態では、可動係止部41は、自重により、係止姿勢となる方向に付勢される構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、可動係止部41は、自重以外の付勢機構により、係止姿勢となる方向に付勢されても良い。この場合、足場部材2は、例えば、バネやゴムなどの弾性部材を用いた付勢機構を備え、当該付勢機構が可動係止部41を係止姿勢とする方向に付勢する構成であると好適である。
【0053】
(4)上記の実施形態では、可動係止部41が係止解除姿勢である場合に、操作部43が本体部3の上面よりも上側に突出している構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、可動係止部41が係止解除姿勢で、操作部43が本体部3の上面よりも下側に配置されていても良い。或いは、可動係止部41が係止姿勢である場合に、操作部43が本体部3の上面よりも上側に突出する構成であっても良い。
【0054】
(5)上記の実施形態では、一対の係止部4のうちの、固定係止部45が本体部3の前面23に取り付けられ、可動係止部41が本体部3の後面25に取り付けられている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、固定係止部45が本体部3の後面25に取り付けられ、可動係止部41が本体部3の前面23に取り付けられていても良い。また、足場部材2が備える一対の係止部4が固定係止部45のみであっても良い。同様に、足場部材2が備える一対の係止部4が、可動係止部41のみであっても良い。
【0055】
(6)上記の実施形態では、複数の係止部4のそれぞれが、本体部3から下側へ向うに従って、第1方向Xにおける本体部3から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で本体部3に取り付けられている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、複数の係止部4のそれぞれが、上下方向Zに平行に配置されていても良い。また、複数の係止部4のそれぞれが、本体部3の前面23又は後面25に平行に配置されていても良い。
【0056】
(7)上記の実施形態では、第2連結体17が、第1連結体15に対して上側から係合することで、第1連結体15に連結する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、第2連結体17と第1連結体15とが、可動式の連結機構により連結される構成であっても良い。また例えば、第2連結体17と第1連結体15とが、磁石の磁力によって連結される構成であっても良い。
【0057】
(8)上記の実施形態では、作業台車6は、作業台車6の第3車輪56が、第2面12を転動することで、第1方向Xに沿って走行する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、作業台車6は、作業台車6の第3車輪56が、第1面11を転動することで、第1方向Xに沿って走行する構成であっても良い。
【0058】
(9)上記の実施形態では、作業台車6は、第3面13を転動する第2案内輪58を備えている構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、作業台車6が、第2案内輪58を備えていなくても良い。
【0059】
(10)上記の実施形態では、第1レールL1の第2面12が、収容対象の物品Wが載置される物品載置面62である構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、第2面12が、物品載置面62でなくても良い。この場合、物品Wを収容するための収容部が別途設けられていると好適である。
【0060】
(11)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0061】
9.上記実施形態の概要
以下では、上記において説明した物品収容設備の概要について説明する。
【0062】
物品収容設備は、第1方向に沿って配置された一対のレールと、一対の前記レールに沿って走行して物品を搬送する搬送車と、を備えた物品収容設備であって、一対の前記レールに対して着脱可能な複数の足場部材を更に備え、上下方向に沿う上下方向視で前記第1方向に直交する方向を第2方向として、一対の前記レールのそれぞれは、第1面と第2面とを備え、前記第1面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記搬送車の車輪が転動する走行面を形成し、前記第2面は、上側を向く面であって前記第1方向に沿って延在し、前記第1面よりも上側に配置され、一対の前記第1面は、一対の前記第2面に対して前記第2方向の内側に配置され、前記足場部材は、当該足場部材が一対の前記レールに装着された装着状態で、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に、一対の前記第1面に載置され、前記装着状態で、前記足場部材の全体が、前記第2面よりも下側に配置される。
【0063】
本構成によれば、搬送車を走行させるために設けられた既存のレールを利用して、足場部材を設置することができる。その際、足場部材が、第2方向における一対の第2面の間に配置されると共に一対の第1面に載置されるので、第2方向の位置決めをレールによって行いつつ、適切に足場部材を設置することができる。
また、装着状態の足場部材の全体が、第2面よりも下側に配置されるため、レールにおける第1面と第2面とを接続する部分が、足場部材における第2方向の両外側において立ち上がるように配置されることになる。そのため、作業者が足場の外縁を認識し易く、足場部材の上で作業を行う作業者の安全性を高めることができる。
このように、本構成によれば、物品収容設備の既存の構成を利用して適切に作業用の足場を設置することができる。
【0064】
ここで、前記足場部材は、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に一対の前記第1面に載置される本体部に加えて、当該本体部から下側に突出するように設けられた一対の係止部を備え、一対の前記係止部は、一対の前記レールのそれぞれに対して下側から係止され、前記係止部は、一対の前記レールのそれぞれに対して係止された状態で、前記本体部が上側に移動することを規制するように構成されていると好適である。
【0065】
本構成によれば、係止部を係止状態とすることで、当該係止部と本体部とで上下方向にレールを挟んだ状態となり、本体部が上下方向に移動することを規制できる。これにより、係止部の係止状態では、足場部材が一対のレールから外れない状態とすることができ、足場部材の上で作業を行う作業者の安全性を高めることができる。
【0066】
また、一対の前記係止部の少なくとも一方は、前記足場部材の前記装着状態で、一対の前記レールに係止された係止姿勢と、一対の前記レールに対する係止が解除された係止解除姿勢とに姿勢変更可能に構成された可動係止部であって、前記可動係止部は、前記係止姿勢となる方向に付勢されており、前記係止姿勢から前記係止解除姿勢に姿勢変更するための操作を受け付ける操作部を備えていると好適である。
【0067】
本構成によれば、可動係止部を係止姿勢から係止解除姿勢に姿勢変更することで、比較的容易に足場部材を一対のレールに対して着脱することができる。また、可動係止部が係止姿勢となる方向に付勢されているため、その付勢力に抗して可動係止部が操作されない限り、可動係止部が係止解除姿勢となることはない。従って、可動係止部が誤って係止解除姿勢となる可能性を低減でき、足場部材の上で作業を行う作業者の安全性を更に高めることができる。
【0068】
また、前記可動係止部は、前記係止解除姿勢で、前記操作部が、前記本体部の上面よりも上側に突出するように構成されていると好適である。
【0069】
本構成によれば、可動係止部が係止解除姿勢となっていることを作業者が容易に視認できる。そのため、誤って係止解除姿勢の状態で作業者が作業することを回避し易く、作業者の安全性をより高めることができる。
【0070】
また、一対の前記係止部の一方が前記可動係止部あり、他方が固定係止部であって、前記固定係止部は、前記本体部に対する姿勢が固定されており、前記本体部は、前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面と、を備え、前記足場部材は、前記前面が前記第1方向の奥側を向くように、前記第1方向の手前側から順に一対の前記レールに装着され、前記固定係止部が前記前面に取り付けられ、前記可動係止部が前記後面に取り付けられていると好適である。
【0071】
本構成によれば、作業者が操作する必要がある可動係止部を、一対のレールに対する足場部材の装着順における始端側となる足場部材の面に取り付けているため、作業者が安全に足場部材の装着作業を行い易い。
【0072】
また、複数の前記係止部が、前記本体部における前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面とに分かれて取り付けられており、複数の前記係止部のそれぞれが、前記本体部から下側へ向かうに従って、前記第1方向における前記本体部から離れる側に向かうように傾斜した姿勢で前記本体部に取り付けられていると好適である。
【0073】
本構成によれば、複数の足場部材を裏返して積み重ねて保管する場合に、係止部をガイドとして安定的に複数の足場部材を積み重ねることができる。
【0074】
また、前記足場部材は、前記第2方向における一対の前記第2面の間に配置されると共に一対の前記第1面に載置される本体部に加えて、前記第1方向に隣接する別の前記足場部材と連結するための連結部を備え、前記本体部は、前記第1方向の一方側を向く前面と、前記第1方向の他方側を向く後面と、を備え、前記足場部材は、前記前面が前記第1方向の奥側を向くように、前記第1方向の手前側から順に一対の前記レールに装着され、前記連結部は、前記前面に設けられた第1連結体と、前記後面に設けられ、前記第1連結体に対して着脱可能に連結する第2連結体と、を備え、前記第2連結体は、前記第1連結体に対して上側から係合することで前記第1連結体に連結するように構成されていると好適である。
【0075】
本構成によれば、複数の足場部材を第1方向の手前側から順に一対のレールに装着していく作業を行う場合に、足場部材の向きが正しい向きでなければ隣接する足場部材同士を連結できない。従って、この構成によれば、複数の足場部材を一対のレールに装着する際に、それら複数の足場部材が正しい向きに設置されるようにすることができる。
【0076】
また、複数の前記足場部材を搬送する作業台車を更に備え、前記作業台車は、当該作業台車の車輪が前記第2面を転動することで前記第1方向に沿って走行するように構成され、前記作業台車における、一対の前記第2面に対して前記第2方向の内側に配置される部分の下端部である内側下端部が、前記装着状態の前記足場部材よりも上側に配置されると好適である。
【0077】
本構成によれば、足場部材を一対のレールに装着した状態であっても、作業台車を一対のレールに沿って走行させることができる。従って、一対のレールの間に足場部材がない状態から複数の足場部材を一対のレールに装着する場合に、複数の足場部材を作業台車により搬送しつつ、作業者が足場部材を1つずつ作業台車から取り出して一対のレールに順次装着していくことができる。
【0078】
また、一対の前記レールのそれぞれは、前記第2方向の内側を向く面であって前記第1方向に沿って延在する第3面を更に備え、前記第3面は、前記第1面と前記第2面との前記上下方向の間に配置され、前記作業台車は、前記第3面を転動する案内輪を備え、前記案内輪が、前記装着状態の前記足場部材よりも上側に配置されると好適である。
【0079】
本構成によれば、作業台車を一対のレールに沿って適切に案内することができる。また、作業台車がこのような案内輪を備える構成であっても、作業台車が、装着状態の足場部材に干渉しないようにすることができる。
【0080】
また、前記第2面は、収容対象の前記物品が載置される物品載置面であって、前記搬送車は、搬送対象の前記物品の下面を支持する支持面と、前記支持面を昇降させる昇降装置と、を備え、前記昇降装置は、前記支持面を、前記第2面より下側に位置させる下降位置と、前記第2面より上側に位置させる上昇位置との間で昇降させるように構成され、前記支持面が前記下降位置にある状態で、前記搬送車の全体が前記第2面よりも下側に配置されると好適である。
【0081】
本構成によれば、一対のレールに沿って、複数の物品を並べて収容することができる。また、搬送車は、一対の第2面に載置された物品の下方を走行できると共に、昇降装置により昇降される支持面によって物品を持ち上げて移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示に係る技術は、物品収容設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 :物品収容設備
2 :足場部材
3 :本体部
4 :係止部
5 :連結部
6 :作業台車
8 :上昇位置
9 :下降位置
L1 :第1レール(レール)
11 :第1面
12 :第2面
13 :第3面
14 :走行面
15 :第1連結体
17 :第2連結体
23 :前面
24 :上面
25 :後面
30 :第1搬送車(搬送車)
31 :第1車輪(搬送車の車輪)
32 :第1支持面(支持面)
41 :可動係止部
43 :操作部
45 :固定係止部
52 :内側下端部
56 :第3車輪(作業台車の車輪)
58 :第2案内輪(作業台車の案内輪)
62 :物品載置面
70 :昇降装置
W :物品
X :第1方向
Y :第2方向
Z :上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14