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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014516
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】シート剥離装置およびシート剥離方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230124BHJP
【ＦＩ】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021118504
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 佳顕
【テーマコード（参考）】
5F131
【Ｆターム（参考）】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA12
5F131AA21
5F131AA22
5F131AA23
5F131BA53
5F131CA53
5F131DA13
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA07
5F131EA22
5F131EB01
5F131EB03
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB42
5F131EB46
5F131EC32
5F131EC33
5F131EC34
5F131EC35
5F131EC37
5F131EC55
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC68
5F131EC69
5F131EC72
5F131EC76
5F131KA12
5F131KA14
5F131KA33
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
(57)【要約】
【課題】被着体から接着シートを剥離することができなくなることを防止できるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供する。
【解決手段】シート剥離装置ＥＡは、支持面ＳＭ１に一方の面ＷＫ１が支持され、他方の面ＷＫ２に接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１が貼付された被着体ＷＫから接着シートを剥離する装置であって、支持面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置ＣＰと、支持面ＳＭ１または接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２との位置関係を基に、剥離開始部ＡＳ３を検出する検出手段１０と、剥離開始部ＡＳ３に剥離用テープＰＴを貼付する貼付手段２０と、剥離用テープＰＴに張力を付与し、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離する剥離手段３０とを備え、検出手段１０は、支持面ＳＭ１および接着シートの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を検出基準位置ＣＰに反映する。
【選択図】図１
【解決手段】シート剥離装置ＥＡは、支持面ＳＭ１に一方の面ＷＫ１が支持され、他方の面ＷＫ２に接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１が貼付された被着体ＷＫから接着シートを剥離する装置であって、支持面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置ＣＰと、支持面ＳＭ１または接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２との位置関係を基に、剥離開始部ＡＳ３を検出する検出手段１０と、剥離開始部ＡＳ３に剥離用テープＰＴを貼付する貼付手段２０と、剥離用テープＰＴに張力を付与し、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離する剥離手段３０とを備え、検出手段１０は、支持面ＳＭ１および接着シートの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を検出基準位置ＣＰに反映する。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面に一方の面が支持され、他方の面に接着シートの一方の面が貼付された被着体から前記接着シートを剥離するシート剥離装置であって、
前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置と、前記支持面または前記接着シートの前記他方の面との位置関係を基に、前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部を検出する検出手段と、
前記接着シートの前記剥離開始部に剥離用テープを貼付する貼付手段と、
前記接着シートの前記剥離開始部に貼付された前記剥離用テープに張力を付与し、前記被着体から前記接着シートを剥離する剥離手段とを備え、
前記検出手段は、前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を前記検出基準位置に反映して前記接着シートの前記剥離開始部を検出することを特徴とするシート剥離装置。
前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置と、前記支持面または前記接着シートの前記他方の面との位置関係を基に、前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部を検出する検出手段と、
前記接着シートの前記剥離開始部に剥離用テープを貼付する貼付手段と、
前記接着シートの前記剥離開始部に貼付された前記剥離用テープに張力を付与し、前記被着体から前記接着シートを剥離する剥離手段とを備え、
前記検出手段は、前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を前記検出基準位置に反映して前記接着シートの前記剥離開始部を検出することを特徴とするシート剥離装置。
【請求項2】
支持面に一方の面が支持され、他方の面に接着シートの一方の面が貼付された被着体から前記接着シートを剥離するシート剥離方法であって、
前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置と、前記支持面または前記接着シートの前記他方の面との位置関係を基に、前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部を検出する検出工程と、
前記接着シートの前記剥離開始部に剥離用テープを貼付する貼付工程と、
前記接着シートの前記剥離開始部に貼付された前記剥離用テープに張力を付与し、前記被着体から前記接着シートを剥離する剥離工程とを実施し、
前記検出工程では、前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を前記検出基準位置に反映して前記接着シートの前記剥離開始部を検出することを特徴とするシート剥離方法。
前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置と、前記支持面または前記接着シートの前記他方の面との位置関係を基に、前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部を検出する検出工程と、
前記接着シートの前記剥離開始部に剥離用テープを貼付する貼付工程と、
前記接着シートの前記剥離開始部に貼付された前記剥離用テープに張力を付与し、前記被着体から前記接着シートを剥離する剥離工程とを実施し、
前記検出工程では、前記支持面および前記接着シートの前記他方の面の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を前記検出基準位置に反映して前記接着シートの前記剥離開始部を検出することを特徴とするシート剥離方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離装置およびシート剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
支持面に一方の面が支持され、他方の面に接着シートが貼付された被着体から接着シートを剥離するシート剥離装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１０－１５７５４３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１に記載された保護テープ剥離装置３０（シート剥離装置）では、支持用の粘着テープＤＴの上面（支持面）に支持されたウエハＷ（被着体）を移動させ、位置センサ６２（検出手段）で支持面の位置（検出基準位置）と、被着体に貼付された保護テープＰＴ（接着シート）の位置との高低差を検出することで、接着シートの前端ｅ（剥離開始部）を検出する。このため、支持面に凹凸があると、当該凹凸の高低差によりその凸部を接着シートの剥離開始部と誤検出してしまい、剥離テープＴｓ（剥離用テープ）を接着シートの剥離開始部に貼付することができず、被着体から接着シートを剥離することができなくなる不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、被着体から接着シートを剥離することができなくなることを防止することができるシート剥離装置およびシート剥離方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支持面および接着シートの少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を検出基準位置に反映して接着シートの剥離開始部を検出するため、被着体から接着シートを剥離することができなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図１に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、それぞれが直交する関係にあり、Ｘ軸およびＹ軸は、所定平面内の軸とし、Ｚ軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Ｙ軸と平行な図１（Ａ）の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がＺ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がＸ軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がＹ軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
なお、本実施形態におけるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、それぞれが直交する関係にあり、Ｘ軸およびＹ軸は、所定平面内の軸とし、Ｚ軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Ｙ軸と平行な図１（Ａ）の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がＺ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がＸ軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がＹ軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート剥離装置ＥＡは、支持面としてのシート部材ＳＭの上面ＳＭ１に一方の面ＷＫ１が支持され、他方の面ＷＫ２に接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１が貼付された被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離する装置であって、シート部材ＳＭの上面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の位置に基づく検出基準位置ＣＰと、シート部材ＳＭの上面ＳＭ１または接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２との位置関係を基に、被着体ＷＫに貼付された接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する検出工程を実施する検出手段１０と、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３に剥離用テープＰＴを貼付する貼付工程を実施する貼付手段２０と、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３に貼付された剥離用テープＰＴに張力を付与し、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離する剥離工程を実施する剥離手段３０とを備え、被着体ＷＫを支持する支持手段４０の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の被着体ＷＫは、シート部材ＳＭを介してフレーム部材としてのリングフレームＲＦに一体化され、一体物ＵＰを形成している。
なお、本実施形態の被着体ＷＫは、シート部材ＳＭを介してフレーム部材としてのリングフレームＲＦに一体化され、一体物ＵＰを形成している。
【0011】
検出手段１０は、カメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等で構成される距離測定手段１１と、距離測定手段１１による測定結果を基に接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出するとともに、シート剥離装置ＥＡの全体的または部分的な動作を制御するパーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段１２とを備え、シート部材ＳＭの上面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の少なくとも一方の凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を検出基準位置ＣＰに反映して接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する構成となっている。
【0012】
貼付手段２０は、感熱接着性の剥離用テープＰＴを繰り出す繰出手段２１と、接着シートＡＳに剥離用テープＰＴを押圧して貼付する押圧手段２２と、剥離用テープＰＴを所定長さに切断する切断手段２３と、駆動機器としての直動モータ２４の出力軸２４Ａに支持され、当該貼付手段２０を構成する前述の各手段を直接的または間接的に支持するフレーム２５とを備えている。
繰出手段２１は、剥離用テープＰＴを支持する支持ローラ２１Ａと、駆動機器としての回動モータ２１Ｂの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ２１Ｃとで剥離用テープＰＴを挟み込む駆動ローラ２１Ｄと、剥離用テープＰＴを案内するガイドローラ２１Ｅと、駆動機器としてのリニアモータ２１Ｆのスライダ２１Ｇに支持されたスライドプレート２１Ｈと、駆動機器としての直動モータ２１Ｊの出力軸２１Ｋに回転可能に支持された押えローラ２１Ｌと、駆動機器としてのリニアモータ２１Ｍのスライダ２１Ｎに支持され、一対の把持爪２１Ｐを有する保持手段であって駆動機器としてのチャックシリンダ２１Ｑとを備えている。
押圧手段２２は、駆動機器としての直動モータ２２Ａと、直動モータ２２Ａの出力軸２２Ｂに支持されたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段２２Ｃと、加熱手段２２Ｃに支持された押圧部材２２Ｄとを備えている。
切断手段２３は、駆動機器としての直動モータ２３Ａと、直動モータ２３Ａの出力軸２３Ｂに支持された切断刃２３Ｃと、切断刃２３Ｃを受ける受け板２３Ｄとを備えている。
繰出手段２１は、剥離用テープＰＴを支持する支持ローラ２１Ａと、駆動機器としての回動モータ２１Ｂの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ２１Ｃとで剥離用テープＰＴを挟み込む駆動ローラ２１Ｄと、剥離用テープＰＴを案内するガイドローラ２１Ｅと、駆動機器としてのリニアモータ２１Ｆのスライダ２１Ｇに支持されたスライドプレート２１Ｈと、駆動機器としての直動モータ２１Ｊの出力軸２１Ｋに回転可能に支持された押えローラ２１Ｌと、駆動機器としてのリニアモータ２１Ｍのスライダ２１Ｎに支持され、一対の把持爪２１Ｐを有する保持手段であって駆動機器としてのチャックシリンダ２１Ｑとを備えている。
押圧手段２２は、駆動機器としての直動モータ２２Ａと、直動モータ２２Ａの出力軸２２Ｂに支持されたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段２２Ｃと、加熱手段２２Ｃに支持された押圧部材２２Ｄとを備えている。
切断手段２３は、駆動機器としての直動モータ２３Ａと、直動モータ２３Ａの出力軸２３Ｂに支持された切断刃２３Ｃと、切断刃２３Ｃを受ける受け板２３Ｄとを備えている。
【0013】
剥離手段３０は、貼付手段２０の一部の構成を兼用し、貼付手段２０のリニアモータ２１Ｍおよびチャックシリンダ２１Ｑで構成されている。
【0014】
支持手段４０は、駆動機器としてのリニアモータ４１と、リニアモータ４１のスライダ４１Ａに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段（保持手段）によって吸着保持が可能な支持面４２Ａを有するテーブル４２とを備えている。
テーブル４２は、上面に設けられた凹部４２Ｂと、凹部４２Ｂ内に配置され、その上面が凹凸を有する支持面４２Ａとされた多孔質部材４２Ｃとを備えている。
テーブル４２は、上面に設けられた凹部４２Ｂと、凹部４２Ｂ内に配置され、その上面が凹凸を有する支持面４２Ａとされた多孔質部材４２Ｃとを備えている。
【0015】
以上のシート剥離装置ＥＡの動作を説明する。
先ず、図１（Ａ）中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置ＥＡに対し、当該シート剥離装置ＥＡの使用者（以下、単に「使用者」という）が剥離用テープＰＴを同図に示すようにセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、貼付手段２０が加熱手段２２Ｃを駆動し、シート剥離装置ＥＡの自動運転が行われている間、押圧部材２２Ｄを所定の温度に加熱してその温度を維持する。その後、使用者またはベルトコンベアや多関節ロボット等の図示しない搬送手段が、図１（Ａ）に示すように、支持面４２Ａ上の所定の位置に一体物ＵＰを載置すると、支持手段４０が図示しない減圧手段を駆動し、支持面４２Ａでの一体物ＵＰの吸着保持を開始する。この際、図１（Ｃ）に示すように、シート部材ＳＭが支持面４２Ａの凹凸に追従して上面ＳＭ１に凹凸が形成される。
先ず、図１（Ａ）中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置ＥＡに対し、当該シート剥離装置ＥＡの使用者（以下、単に「使用者」という）が剥離用テープＰＴを同図に示すようにセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、貼付手段２０が加熱手段２２Ｃを駆動し、シート剥離装置ＥＡの自動運転が行われている間、押圧部材２２Ｄを所定の温度に加熱してその温度を維持する。その後、使用者またはベルトコンベアや多関節ロボット等の図示しない搬送手段が、図１（Ａ）に示すように、支持面４２Ａ上の所定の位置に一体物ＵＰを載置すると、支持手段４０が図示しない減圧手段を駆動し、支持面４２Ａでの一体物ＵＰの吸着保持を開始する。この際、図１（Ｃ）に示すように、シート部材ＳＭが支持面４２Ａの凹凸に追従して上面ＳＭ１に凹凸が形成される。
【0016】
次に、支持手段４０がリニアモータ４１を駆動し、図１（Ｂ）に示すように、テーブル４２を左右に移動させて往復させる。この際、図１（Ｃ）に示すように、検出手段１０が距離測定手段１１でリングフレームＲＦと被着体ＷＫとの間に表出しているシート部材ＳＭまでの距離を測定し、制御手段１２でその測定結果を基にシート部材ＳＭの上面ＳＭ１の凹凸を検出すると、当該凹凸の高低差を検出基準位置ＣＰに反映するために、制御手段１２が当該凹凸のうち最も高い凸部ＰＰの頂点ＰＰ１の位置に、被着体ＷＫの厚みＴＨ１を距離測定手段１１方向に加えた位置を検出基準位置ＣＰとする。そして、テーブル４２が右方に移動している間に、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過し、図１（Ｃ）に示すように、距離測定手段１１が剥離開始部ＡＳ３までの距離を測定すると、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも短くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。次いで、テーブル４２が左方に移動して初期位置に復帰すると、支持手段４０がリニアモータ４１の駆動を停止する。
【0017】
その後、貼付手段２０がリニアモータ２１Ｆを駆動し、スライドプレート２１Ｈを右方に移動させ、図１（Ａ）中二点鎖線で示すように、一対の把持爪２１Ｐ間に剥離用テープＰＴを繰り出す。次に、貼付手段２０が直動モータ２１Ｊを駆動し、押えローラ２１Ｌを上方に退避させた後、リニアモータ２１Ｆを駆動し、一対の把持爪２１Ｐ間に剥離用テープＰＴを置き去りにしてスライドプレート２１Ｈを初期位置に復帰させる。そして、貼付手段２０がチャックシリンダ２１Ｑを駆動し、把持爪２１Ｐで剥離用テープＰＴを把持した後、リニアモータ２１Ｍを駆動し、チャックシリンダ２１Ｑを右方に移動させ、剥離用テープＰＴを引き出す。次いで、貼付手段２０が直動モータ２２Ａを駆動し、押圧部材２２Ｄを下降させ、図１（Ａ）中二点鎖線で示すように、当該押圧部材２２Ｄで剥離用テープＰＴを接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３に押圧して貼付する。その後、貼付手段２０が直動モータ２１Ｊを駆動し、押えローラ２１Ｌを初期位置に復帰させた後、直動モータ２３Ａを駆動し、切断刃２３Ｃを下降させて剥離用テープＰＴを切断する。次に、貼付手段２０が直動モータ２２Ａ、２３Ａを駆動し、押圧部材２２Ｄおよび切断刃２３Ｃを初期位置に復帰させる。そして、貼付手段２０が直動モータ２４を駆動し、フレーム２５を上方に退避させた後、リニアモータ２１Ｍを駆動し、チャックシリンダ２１Ｑを左方に移動させるとともに、支持手段４０がリニアモータ４１を駆動し、テーブル４２を右方に移動させる。これにより、図１（Ｄ）に示すように、剥離用テープＰＴと被着体ＷＫとが相対移動し、接着シートＡＳが剥離開始部ＡＳ３を起点として被着体ＷＫから剥離される。
【0018】
被着体ＷＫから接着シートＡＳ全体が剥離されると、支持手段４０がリニアモータ４１の駆動を停止した後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面４２Ａでの被着体ＷＫの吸着保持を解除する。次いで、貼付手段２０がチャックシリンダ２１Ｑを駆動し、把持爪２１Ｐによる剥離用テープＰＴの把持を解除して、剥離した接着シートＡＳを回収する箱や袋等の図示しない回収手段や使用者に接着シートＡＳを受け渡す。その後、使用者または図示しない搬送手段が、接着シートＡＳが剥離された一体物ＵＰを次工程に搬送した後、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、それぞれの部材を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、接着シートＡＳの凹凸を検出し、当該凹凸の高低差を検出基準位置ＣＰに反映して接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出するため、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離することができなくなることを防止することができる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0021】
例えば、検出手段１０は、接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の位置に基づく検出基準位置ＣＰを設定してもよく、例えば、図１（Ｅ）に示すように、例えば、突出部ＷＫ３を有する被着体ＷＫに貼付された接着シートＡＳの凹凸を検知し、当該凹凸のうち最も低い凹部ＤＰの底点ＤＰ１の位置に、接着シートＡＳの厚みＴＨ２を距離測定手段１１とは反対方向に加えた位置を検出基準位置ＣＰとしてもよい。この場合、テーブル４２が左方に移動する際に、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過し、距離測定手段１１が支持面４２Ａまでの距離を測定すると、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも長くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。
検出手段１０は、シート部材ＳＭの上面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の両方の位置に基づく検出基準位置ＣＰを設定してもよく、例えば、シート部材ＳＭおよび接着シートＡＳの両方の凹凸を検出し、シート部材ＳＭの凹凸のうち最も高い凸部ＰＰの頂点ＰＰ１と、接着シートＡＳの凹凸うち最も低い凹部ＤＰの底点ＤＰ１との間の位置を検出基準位置ＣＰとしてもよい。この場合、テーブル４２が右方に移動し、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過すると、距離測定手段１１が剥離開始部ＡＳ３までの距離を測定し、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも短くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。また、テーブル４２が左方に移動し、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過すると、距離測定手段１１が支持面４２Ａまでの距離を測定し、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも長くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。
検出手段１０は、被着体ＷＫの端縁が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３よりも外側に位置していなければ、シート部材ＳＭの凹凸のうち最も高い凸部ＰＰの頂点ＰＰ１の位置や、接着シートＡＳの凹凸のうち最も低い凹部ＤＰの底点ＤＰ１の位置を検出基準位置ＣＰとしてもよいし、被着体ＷＫがシート部材ＳＭを介さずに支持面４２Ａに保持されている場合、支持面４２Ａを被着体ＷＫを支持する支持面としてその凹凸を検出し、上記と同様にして支持面４２Ａに基づく検出基準位置ＣＰを設定してもよい。
検出手段１０は、シート部材ＳＭの上面ＳＭ１および接着シートＡＳの他方の面ＡＳ２の両方の位置に基づく検出基準位置ＣＰを設定してもよく、例えば、シート部材ＳＭおよび接着シートＡＳの両方の凹凸を検出し、シート部材ＳＭの凹凸のうち最も高い凸部ＰＰの頂点ＰＰ１と、接着シートＡＳの凹凸うち最も低い凹部ＤＰの底点ＤＰ１との間の位置を検出基準位置ＣＰとしてもよい。この場合、テーブル４２が右方に移動し、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過すると、距離測定手段１１が剥離開始部ＡＳ３までの距離を測定し、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも短くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。また、テーブル４２が左方に移動し、接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３が距離測定手段１１の下方を通過すると、距離測定手段１１が支持面４２Ａまでの距離を測定し、その測定距離が検出基準位置ＣＰまでの距離よりも長くなるため、制御手段１２が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３を検出する。
検出手段１０は、被着体ＷＫの端縁が接着シートＡＳの剥離開始部ＡＳ３よりも外側に位置していなければ、シート部材ＳＭの凹凸のうち最も高い凸部ＰＰの頂点ＰＰ１の位置や、接着シートＡＳの凹凸のうち最も低い凹部ＤＰの底点ＤＰ１の位置を検出基準位置ＣＰとしてもよいし、被着体ＷＫがシート部材ＳＭを介さずに支持面４２Ａに保持されている場合、支持面４２Ａを被着体ＷＫを支持する支持面としてその凹凸を検出し、上記と同様にして支持面４２Ａに基づく検出基準位置ＣＰを設定してもよい。
【0022】
貼付手段２０は、帯状の剥離用テープＰＴを切断することなく接着シートＡＳに貼付してもよいし、枚葉の剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに貼付してもよく、枚葉の剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに貼付する場合、切断手段２３が備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
貼付手段２０は、感圧接着性の剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに貼付してもよく、この場合、加熱手段２２Ｃが備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
繰出手段２１は、支持ローラ２１Ａやガイドローラ２１Ｅ等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で剥離用テープＰＴを支持したり案内したりしてもよいし、剥離用テープＰＴを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよい。
押圧手段２２は、放電加熱器、マイクロ波照射装置、温風吹付装置等の加熱手段を備えてもよいし、加熱手段に代えてまたは併用して、押圧部材２２Ｄを振動させる超音波振動装置やバイブレータ等の振動手段を備えてもよい。
貼付手段２０は、感圧接着性の剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに貼付してもよく、この場合、加熱手段２２Ｃが備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
繰出手段２１は、支持ローラ２１Ａやガイドローラ２１Ｅ等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で剥離用テープＰＴを支持したり案内したりしてもよいし、剥離用テープＰＴを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよい。
押圧手段２２は、放電加熱器、マイクロ波照射装置、温風吹付装置等の加熱手段を備えてもよいし、加熱手段に代えてまたは併用して、押圧部材２２Ｄを振動させる超音波振動装置やバイブレータ等の振動手段を備えてもよい。
【0023】
剥離手段３０は、貼付手段２０と兼用しない構成でもよく、この場合、貼付手段２０から独立して剥離用テープＰＴに張力を付与する多関節ロボット等の駆動機器を採用してもよい。
剥離手段３０は、チャックシリンダ２１Ｑを移動させずにまたは移動させつつ、テーブル４２を移動させて剥離用テープＰＴに張力を付与し、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離してもよい。
剥離手段３０は、チャックシリンダ２１Ｑを移動させずにまたは移動させつつ、テーブル４２を移動させて剥離用テープＰＴに張力を付与し、被着体ＷＫから接着シートＡＳを剥離してもよい。
【0024】
支持手段４０は、リングフレームＲＦを支持してもよいし、リングフレームＲＦを支持しなくてもよいし、本発明のシート剥離装置ＥＡに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体ＷＫやリングフレームＲＦを支持したり、移動したりしてもよい。
【0025】
被着体ＷＫは、シート部材ＳＭを介してフレーム部材と一体化されていてもよいし、フレーム部材と一体化されていなくてもよいし、シート部材ＳＭに支持されずに支持面４２Ａに支持されてもよい。
フレーム部材は、リングフレームＲＦ以外に、環状でない（外周が繋がっていない）ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
フレーム部材は、リングフレームＲＦ以外に、環状でない（外周が繋がっていない）ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
【0026】
接着シートＡＳ、シート部材ＳＭ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートＡＳ、シート部材ＳＭ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートＡＳ、シート部材ＳＭおよび剥離用テープＰＴは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、接着シートＡＳ、シート部材ＳＭおよび剥離用テープＰＴは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等３層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体ＷＫとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら２つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートＡＳおよびシート部材ＳＭは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0027】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、貼付手段は、接着シートの剥離開始部に剥離用テープを貼付可能なものあればどのようなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない（その他の手段および工程も同じ）。
【0028】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、２軸または３軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持（保持）手段や支持（保持）部材等の被支持部材（被保持部材）を支持（保持）するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤（接着シート、接着テープ）、粘着剤（粘着シート、粘着テープ）、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持（保持）する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持（保持）手段や支持（保持）部材等の被支持部材（被保持部材）を支持（保持）するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤（接着シート、接着テープ）、粘着剤（粘着シート、粘着テープ）、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持（保持）する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0029】
ＥＡ…シート剥離装置
１０…検出手段
２０…貼付手段
３０…剥離手段
ＡＳ…接着シート
ＡＳ１…接着シートの一方の面
ＡＳ２…接着シートの他方の面
ＡＳ３…剥離開始部
ＣＰ…検出基準位置
ＳＭ１…シート部材の上面（支持面）
ＰＴ…剥離用テープ
ＷＫ…被着体
ＷＫ１…被着体の一方の面
ＷＫ２…被着体の他方の面
１０…検出手段
２０…貼付手段
３０…剥離手段
ＡＳ…接着シート
ＡＳ１…接着シートの一方の面
ＡＳ２…接着シートの他方の面
ＡＳ３…剥離開始部
ＣＰ…検出基準位置
ＳＭ１…シート部材の上面（支持面）
ＰＴ…剥離用テープ
ＷＫ…被着体
ＷＫ１…被着体の一方の面
ＷＫ２…被着体の他方の面
【図1】