(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145217
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】教材選定装置、教材選定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20231003BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052577
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】 (修正有)
【課題】教材の選定に対する確認を支援する教材選定装置、教材選定方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】教材選定装置である教材物流システムは、教育機関における所定の単位の集団に属する生徒に必要な教材を選定した結果を表す選定教材一覧の中に、アラート対象の教材が存在するか否かを判定するアラート対象判定部と、アラート対象の教材が存在すると判定した場合、アラート対象の教材に対して所定のアラートを付与した選定教材一覧を、通信ネットワークを介して接続される端末に送信して表示させる選定教材一覧提供部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育機関における所定の単位の集団に属する生徒に必要な教材を選定した結果を表す選定教材一覧の中に、アラート対象の教材が存在するか否かを判定するように構成されている判定部と、
前記アラート対象の教材が存在すると判定された場合、前記アラート対象の教材に対して所定のアラートを付与した選定教材一覧を、通信ネットワークを介して接続される端末に表示させるように構成されている表示提供部と、
を有する教材選定装置。
【請求項2】
前記アラート対象の教材は、
前記集団に属する生徒が既に購入済の教材、絶版となった教材、最新版でない教材、在庫数が所定の閾値以下の教材、発送時期が所定の日数以降の教材、又は発送時期が所定の日付以降の教材、の少なくとも1つ以上である、請求項1に記載の教材選定装置。
【請求項3】
前記集団に属する生徒が既に購入済の教材は、前記集団に属する生徒が下級学年のときに購入した教材である、請求項2に記載の教材選定装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記選定教材一覧と、前記集団の過去の選定教材一覧とを比較することで、前記集団に属する生徒が既に購入済の教材が存在するか否かを判定するように構成されている、請求項2又は3に記載の教材選定装置。
【請求項5】
前記表示提供部は、
前記アラート対象の教材に対して、前記アラート対象となった理由に応じたアラートを付与した選定教材一覧を前記端末に表示させるように構成されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載の教材選定装置。
【請求項6】
教育機関における所定の単位の集団に属する生徒に必要な教材を選定した結果を表す選定教材一覧の中に、アラート対象の教材が存在するか否かを判定する判定手順と、
前記アラート対象の教材が存在すると判定された場合、前記アラート対象の教材に対して所定のアラートを付与した選定教材一覧を、通信ネットワークを介して接続される端末に表示させる表示提供手順と、
をコンピュータが実行する教材選定方法。
【請求項7】
教育機関における所定の単位の集団に属する生徒に必要な教材を選定した結果を表す選定教材一覧の中に、アラート対象の教材が存在するか否かを判定する判定手順と、
前記アラート対象の教材が存在すると判定された場合、前記アラート対象の教材に対して所定のアラートを付与した選定教材一覧を、通信ネットワークを介して接続される端末に表示させる表示提供手順と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、教材選定装置、教材選定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校等の教育機関を対象として、授業や講義等で生徒が使用する教材を管理し、それらの教材をまとめて販売・発送する教材物流システムが従来から知られている。このような教材物流システムでは、例えば、人手によって教材の選定及び確認を行った後、それらの教材の発注・発送が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、教材を選定する際に、例えば、既に購入済の教材が選定されてしまうことがあった。また、これ以外にも、例えば、絶版で入手困難な教材が選定されてしまったり、最新版ではない教材が選定されてしまったりすることがあった。このため、教材の選定結果を確認する際に、その教材が購入済であることや入手困難であること、最新版でないこと等に気が付かなかった場合、既に購入済の教材の発注が行われたり、入手困難な教材や最新版でない教材の発注が行われたりする恐れがあった。
【0005】
本開示は、上記の点に鑑みてなされたもので、教材の選定に対する確認を支援する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による教材選定装置は、教育機関における所定の単位の集団に属する生徒に必要な教材を選定した結果を表す選定教材一覧の中に、アラート対象の教材が存在するか否かを判定するように構成されている判定部と、前記アラート対象の教材が存在すると判定された場合、前記アラート対象の教材に対して所定のアラートを付与した選定教材一覧を、通信ネットワークを介して接続される端末に表示させるように構成されている表示提供部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
教材の選定に対する確認を支援する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る教材物流システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】校舎、学科、部、入学年月、学年、科目及び教材の関係性の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る教材選定システム、担当者端末及び管理者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る教材選定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る選定教材一覧の確認処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】過去の選定教材一覧との比較の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について説明する。以下では、教材の選定に対する確認を行う際に、既に購入済の教材の発注を防止したり、絶版で入手困難な教材や最新版でない教材等の発注を防止したりすることが可能な教材選定システム10が含まれる教材物流システム1について説明する。
【0010】
<教材物流システム1の全体構成例>
本実施形態に係る教材物流システム1の全体構成例を
図1に示す。
図1に示すように、本実施形態に係る教材物流システム1には、教材選定システム10と、担当者端末20と、管理者端末30と、発注システム40と、教材販売者システム50とが含まれる。また、これらは、例えば、インターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0011】
教材選定システム10は、教材に関する情報(以下、「教材情報」ともいう。)と、それらの教材の中から担当者によって選定された教材の一覧である選定教材一覧を表す情報(以下、「選定教材一覧情報」ともいう。)とを管理する。また、教材選定システム10は、管理者からの要求に応じて、選定教材一覧を確認するための画面(後述する「選定教材一覧画面」)を提供する。なお、教材選定システム10は、例えば、汎用サーバやこれら汎用サーバで構成されるサーバ群等によって実現される。
【0012】
ここで、担当者とは、或る科目(又は、例えば、或る授業や或る講義等であってもよい。)で生徒が使用する教材の選定を行う者のことである。担当者としては、典型的にはその科目を担当する講師等が挙げられるが、これに限られるものではない。また、管理者とは、或る単位(例えば、或る校舎における或る学科及び或る部の学年単位等)で選定教材一覧を確認する者のことである。管理者としては、典型的には部の責任者、学科の責任者、校舎の責任者等が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0013】
以下では、複数の校舎、複数の学科、複数の部を持つ或る学校において、各科目の担当者がその科目の教材を選定し、管理者が各校舎における各学科及び各部の学年単位に選定教材一覧を確認する場合について説明する。また、過去学年の選定教材一覧と比較可能にするため、学年には入学年月が対応付けられているものとする。
【0014】
上記の校舎、学科、部、入学年月、学年、科目及び教材の関係性を
図2に示す。
図2中で「*」は対応関係が複数存在し得ることを表している。
図2に示すように、校舎と学科は1対多の関係にあり、同様に学科と部は1対多の関係にある。以降も同様に、部と入学年月は1対多、入学年月と学年は1対多、学年と科目は1対多、科目と教材は1対多の関係にある。
【0015】
校舎、学科、部、入学年月及び学年の具体例は、例えば、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」等が挙げられる。また、科目の具体例は、例えば、「□□事務1」、「□□関係法」等が挙げられる。教材は、その科目に使用する教材名、出版社、教材ID(例えば、ISBN等)等で表される。以下では、どのような校舎が存在し、どの校舎にどのような学科及び部が設置されており、またどの学科及び部にどのような科目が存在し、どの学年でその科目を履修するかは教材選定システム10に予め登録されているものとする。
【0016】
なお、
図2は一例であって、これに限られないことはいうまでもない。例えば、学校によっては学科や部が存在しないこともあるし、「コース」や「専攻」等が設置されていることもある。
【0017】
担当者端末20は、担当者が利用する各種端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)等)である。担当者は、担当者端末20を用いて、自身が担当する科目に使用する教材を選定することができる。すなわち、担当者は、或る校舎における或る学科及び或る部の或る学年の生徒が履修する科目のうち、自身が担当する科目の教材を選定する。
【0018】
管理者端末30は、管理者が利用する各種端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)等)である。管理者は、管理者端末30上に表示された選定教材一覧画面で或る校舎における或る学科及び或る部の或る学年の選定教材一覧を確認することができる。このとき、選定教材一覧画面では、選定教材一覧に含まれる教材のうち、例えば、既に購入済の教材や絶版で入手困難な教材、最新版でない教材にはアラート(警告文、注意文等)が付与される。これにより、管理者は、アラートが付与された教材の発注を防止することが可能となる。ここで、既に購入済の教材とは、過去学年(つまり、現在の学年よりも下級の学年)で既に購入済の教材である。例えば、「〇〇校△△学科××部」の1年生は或る科目で「A教材」を使用し、2年生では別の科目でも「A教材」を使用するものとする。この場合、「〇〇校△△学科××部」の2年生の選定教材一覧に含まれる「A教材」は、1年生で既に購入済であるため、既に購入済の教材に該当し、アラートが付与される。
【0019】
発注システム40は、選定教材一覧情報が含まれる発注要求を教材選定システム10から受信した場合、その選定教材一覧情報が表す選定教材一覧に含まれる各教材を教材販売者システム50に発注する。なお、発注システム40は、当該選定教材一覧に含まれる各教材を使用する各生徒の氏名や住所等といった個人情報も管理しており、発注の際には各生徒の氏名や住所等も教材販売者システム50に提供する。ただし、これに限られるものではなく、例えば、個人情報が教材選定システム10で管理されており、教材選定システム10が発注要求を送信する際に個人情報も発注システム40に送信するようにしてもよい。
【0020】
教材販売者システム50は、各教材の発注を発注システム40から受け付けると、それらの教材を生徒に発送する。また、教材販売者システム50は、定期的又は不定期に教材情報を教材選定システム10に提供したり、教材選定システム10からの要求に対する応答として当該教材情報を提供したりする。ここで、教材情報とは、教材のISBN、教材名、出版社等といった情報の他、その教材の版、より新しい版が存在するか否か、絶版であるか否か、在庫数、入荷又は発送時期等といった情報が含まれ得る情報である。
【0021】
なお、
図1に示す教材物流システム1の全体構成は一例であって、これに限られるものではない。例えば、教材選定システム10と発注システム40とが一体で構成されていてもよい。また、例えば、教材の出版社が管理する出版社システムが存在し、教材の版、より新しい版が存在するか否か、絶版であるか否か等といった情報が出版社システムから教材選定システム10に送信されてもよい。また、例えば、担当者と管理者とが必ずしも別の者である必要はなく、担当者と管理者が同一の者である場合は同一の端末が担当者端末20及び管理者端末30として機能してもよい。
【0022】
<教材選定システム10、担当者端末20及び管理者端末30の機能構成例>
本実施形態に係る教材選定システム10、担当者端末20及び管理者端末30の機能構成例を
図3に示す。
【0023】
≪教材選定システム10≫
図3に示すように、本実施形態に係る教材選定システム10は、教材選定受付部101と、アラート対象判定部102と、選定教材一覧提供部103とを有する。これら各部は、教材選定システム10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置に実行させる処理により実現される。また、本実施形態に係る教材選定システム10は、選定教材一覧情報管理DB104と、教材情報管理DB105とを有する。これら各DB(データベース)は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置により実現される。なお、これら各DBのうちの少なくとも1つのDBは、教材選定システム10と通信ネットワークを介して接続されるデータベースサーバ等により実現されてもよい。
【0024】
教材選定受付部101は、担当者によって選定された教材を表す選定教材情報を担当者端末20から受信する。ここで、選定教材情報には、例えば、校舎、学科、部、入学年月、学年、科目及び教材をそれぞれ表す情報が含まれる。例えば、選定教材情報は、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の科目「□□事務1」の教材「教材名:□□事務実務(基礎) 出版社:AAA出版 教材ID:・・・ 仕入先:XYZ 単価:1000 備考:・・・」等といった形式で表される。
【0025】
また、教材選定受付部101は、選定教材情報を受信すると、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報に対して、当該選定教材情報に含まれる科目及び教材を表す情報を追加する。これにより、当該選定教材一覧情報が更新される。
【0026】
アラート対象判定部102は、選定教材一覧の確認要求を管理者端末30から受信すると、その選定教材一覧に含まれる各教材がアラート対象か否かを判定する。ここで、上述したように、例えば、既に購入済の教材、絶版で入手困難な教材、最新版でない教材等がアラート対象と判定される。ただし、これ以外にも、例えば、在庫が少ない教材(つまり、在庫数が所定の閾値以下の教材)がアラート対象と判定されてもよいし、発送時期が遅い教材(例えば、発送時期が所定の日数以降の教材、発送時期が所定の日付以降の教材等)がアラート対象と判定されてもよい。
【0027】
選定教材一覧提供部103は、選定教材一覧の確認要求に対応する選定教材一覧情報と、その選定教材一覧に含まれる各教材のうち、アラート対象と判定された教材に関するアラート情報とを管理者端末30に送信する。これにより、当該管理者端末30には、アラート対象と判定された教材に対してアラートが付与された選定教材一覧が選定教材一覧画面に表示される。
【0028】
選定教材一覧情報管理DB104には、選定教材一覧情報が格納される。ここで、一例として、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報を
図4に示す。
図4に示すように、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報には1以上のレコードが含まれ、また各レコードには科目を表す情報と教材を表す情報(教材名、出版社、教材ID、仕入先、単価、備考等)とが含まれる。なお、教材IDは、例えば、ISBN等といった教材の識別情報を表す。また、仕入先はその教材の仕入れ先を表し、単価はその教材の価格、備考はその教材に関する何等かの備考的な内容を表す。
【0029】
図4に示す例では、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報には、(科目,教材名,出版社,教材ID,仕入先,単価,備考)=(□□事務1,□□事務実務(基礎),AAA出版,・・・,XYZ,1000,・・・),(□□事務1,□□秘書技能検定・問題集,BBB出版,・・・,XYZ,1500,・・・),(□□関係法,法律書類作成テキストブック,AAA出版,・・・,XYZ,1300,・・・),(□□関係法,□□関係法ガイダンス,XXX出版,・・・,ZZZ,600,・・・)等のレコードが含まれている。
【0030】
教材情報管理DB105は、教材情報が格納される。教材情報管理DB105には、教材販売者システム50から受信した教材情報だけでなく、例えば、人手によって作成及び登録された教材情報が格納されていてもよいし、教材販売者システム50以外の何等かのシステム(例えば、出版社システム等)から受信した教材情報が格納されていてもよい。
【0031】
≪担当者端末20≫
図3に示すように、本実施形態に係る担当者端末20は、UI制御部201を有する。UI制御部201は、例えば、担当者端末20にインストールされた1以上のプログラム(例えば、Webブラウザ等を含む1以上のプログラム)が、CPU等の演算装置に実行させる処理により実現される。
【0032】
UI制御部201は、担当者端末20が備えるディスプレイ上に各種画面を表示したり、それらの画面上における担当者の各種操作(例えば、教材選定操作等)を受け付けたりする。
【0033】
≪管理者端末30≫
図3に示すように、本実施形態に係る管理者端末30は、UI制御部301を有する。UI制御部301は、例えば、管理者端末30にインストールされた1以上のプログラム(例えば、Webブラウザ等を含む1以上のプログラム)が、CPU等の演算装置に実行させる処理により実現される。
【0034】
UI制御部301は、管理者端末30が備えるディスプレイ上に各種画面(例えば、選定教材一覧画面等)を表示したり、それらの画面上における担当者の各種操作を受け付けたりする。
【0035】
<教材選定処理>
以下では、一例として、「〇〇校△△学科××部」における入学年月「2019年4月」の2年生の或る科目の教材をその科目の担当者が選定する場合の教材選定処理について、
図5を参照しながら説明する。なお、当該科目の教材を複数選定する場合は、
図5のステップS101~ステップS103が繰り返し実行される。
【0036】
まず、担当者端末20のUI制御部201は、担当者による教材選定操作を受け付ける(ステップS101)。ここで、担当者は、例えば、教材検索画面等から所望の教材を検索及び選択することで、教材選定操作を行うことができる。又は、例えば、担当者は、「〇〇校△△学科××部」における前年度の2年生(つまり、入学年月「2018年4月」の2年生)の選定教材一覧情報を表す選定教材一覧から当該科目の教材を選択することで、教材選定操作を行ってもよい。これら以外にも、担当者は、任意の方法により当該科目の教材を選択することで、教材選定操作を行ってもよい。
【0037】
次に、担当者端末20のUI制御部201は、教材選定操作で選定された教材を表す選定教材情報を教材選定システム10に送信する(ステップS102)。ここで、選定教材情報には、校舎「〇〇」、学科「△△」、部「××」、入学年月「2019年4月」及び学年「2年生」を表す情報と、当該科目を表す情報と、当該教材選定操作で選定された教材を表す情報とが含まれる。
【0038】
教材選定システム10の教材選定受付部101は、選定教材情報を受信すると、校舎「〇〇」、学科「△△」、部「××」、入学年月「2019年4月」及び学年「2年生」に対応する選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報)に対して、当該選定教材情報に含まれる科目及び教材を表す情報を追加する(ステップS103)。これにより、当該選定教材一覧情報に対して、当該科目を表す情報と当該教材を表す情報とが含まれるレコードが追加される。
【0039】
なお、上記のステップS101~ステップS103では選定教材一覧情報に対してレコードを追加する場合について説明したが、例えば、選定教材一覧情報に含まれているレコードを削除したり、編集したりできてもよい。
【0040】
<選定教材一覧の確認処理>
以下では、一例として、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報を或る管理者が確認する場合の選定教材一覧の確認処理について、
図6を参照しながら説明する。
【0041】
まず、管理者端末30のUI制御部301は、管理者による選定教材一覧の確認操作を受け付ける(ステップS201)。ここで、管理者は、例えば、確認対象の選定教材一覧を選定するための画面等において、校舎「〇〇」、学科「△△」、部「××」、入学年月「2019年4月」及び学年「2年生」を指定することで、選定教材一覧の確認操作を行うことができる。これ以外にも、管理者は、任意の方法により当該選定教材一覧の確認操作を行ってもよい。
【0042】
次に、管理者端末30のUI制御部301は、選定教材一覧の確認操作を受け付けると、当該選定教材一覧の確認要求を教材選定システム10に送信する(ステップS202)。ここで、選定教材一覧の確認要求には、校舎「〇〇」、学科「△△」、部「××」、入学年月「2019年4月」及び学年「2年生」を表す情報が含まれる。
【0043】
教材選定システム10のアラート対象判定部102は、選定教材一覧の確認要求を受信すると、当該確認要求に含まれる校舎「〇〇」、学科「△△」、部「××」、入学年月「2019年4月」及び学年「2年生」を表す情報に対応する選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報)を選定教材一覧情報管理DB104から読み出す(ステップS203)。
【0044】
次に、教材選定システム10のアラート対象判定部102は、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報が表す選定教材一覧に含まれる各教材がアラート対象か否かを判定する(ステップS204)。ここで、アラート対象判定部102は、例えば、以下の(1)~(3)により各教材がアラート対象か否かを判定する。
【0045】
(1)既に購入済の教材をアラート対象と判定
アラート対象判定部102は、当該選定教材一覧に含まれる各教材のうち、過去学年で既に購入済の教材をアラート対象と判定する。具体的には、
図7に示すように、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報)と、過去学年の選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報)とで教材IDを比較し、過去学年の選定教材一覧情報にも含まれる教材IDが表す教材をアラート対象と判定する。
図7に示す例では、(教材名,出版社,教材ID)=(□□秘書技能検定・問題集,BBB出版,・・・)がアラート対象と判定されている。これは、(教材名,出版社,教材ID)=(□□秘書技能検定・問題集,BBB出版,・・・)の教材は1年生のときに既に購入済であるためである。
【0046】
なお、
図7に示す例では、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報と「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報とを比較したが、例えば、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報が「〇〇校△△学科××部 2019年4月 3年生」のものである場合、この選定教材一覧情報と、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報及び「〇〇校△△学科××部 2019年4月 1年生」の選定教材一覧情報の各々とが比較される。
【0047】
(2)絶版で入手困難な教材をアラート対象と判定
アラート対象判定部102は、当該選定教材一覧に含まれる各教材のうち、絶版となっている教材をアラート対象と判定する。すなわち、アラート対象判定部102は、教材情報管理DB105に格納されている教材情報を参照し、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報)に含まれる各教材IDによって表される教材が絶版となっているか否かを判定し、或る教材が絶版となっている場合はその教材をアラート対象と判定する。
【0048】
(3)最新版でない教材をアラート対象と判定
アラート対象判定部102は、当該選定教材一覧に含まれる各教材のうち、最新版でない教材(言い換えれば、より新しい版が存在する教材)をアラート対象と判定する。すなわち、アラート対象判定部102は、教材情報管理DB105に格納されている教材情報を参照し、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報(つまり、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧情報)に含まれる各教材IDによって表される教材により新しい版が存在するか否かを判定し、或る教材により新しい版が存在する場合はその教材をアラート対象と判定する。
【0049】
なお、上記の(1)~(3)以外にも、例えば、在庫が少ない教材(つまり、在庫数が所定の閾値以下の教材)がアラート対象と判定されてもよいし、発送時期が遅い教材(例えば、発送時期が所定の日数以降の教材、発送時期が所定の日付以降の教材等)がアラート対象と判定されてもよい。
【0050】
次に、教材選定システム10の選定教材一覧提供部103は、上記のステップS203で読み出した選定教材一覧情報と、上記のステップS204でアラート対象と判定された教材に関するアラート情報とを管理者端末30に送信する(ステップS205)。ここで、アラート情報は、上記のステップS204でアラート対象と判定された理由に応じて異なっていてもよい。例えば、上記の(1)でアラート対象と判定された教材に関しては「過去に購入された教材です。」との文言が含まれる情報をアラート情報とし、上記の(2)でアラート対象と判定された教材に関しては「絶版となった教材です。」との文言が含まれる情報をアラート情報とする等である。
【0051】
管理者端末30のUI制御部301は、選定教材一覧情報とアラート情報とを受信すると、当該選定教材一覧情報が表す選定教材一覧を確認するための選定教材一覧画面をディスプレイ上に表示する(ステップS206)。このとき、UI制御部301は、当該選定教材一覧に含まれる教材のうち、アラート対象と判定された教材に対して当該アラート情報が表すアラートを付与した上で当該選定教材一覧画面を表示する。ここで、選定教材一覧画面の一例を
図8に示す。
図8に示す選定教材一覧画面1000には、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材の一覧である選定教材一覧1100が含まれている。また、選定教材一覧1100に含まれる教材のうち、アラート対象の教材にはアラート1101及び1102が付与されている。なお、アラート1101は既に購入済の教材に対して付与されたアラートであり、アラート1102は絶版となった教材に対して付与されたアラートである。
【0052】
このように、既に購入済の教材や絶版となった教材、最新版でない教材等に対してアラートが付与されることで、管理者(又は、担当者であってもよい。)は、購入済の教材を選定教材から削除したり、絶版となった教材を他の教材に変更したり、最新版でない教材を最新版の教材に変更したりすることが可能となる。このため、既に購入済の教材の発注を防止したり、絶版で入手困難な教材や最新版でない教材等の発注を防止したりすることが可能となる。
【0053】
なお、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の選定教材一覧の確認と、必要に応じて選定教材の修正(削除、変更等)とが管理者によって行われた後、手動で又は自動的に、その選定教材一覧の発注が発注システム40に対して行われる。これにより、「〇〇校△△学科××部 2019年4月 2年生」の各生徒に対して、当該選定教材一覧に含まれる各教材が発送されることになる。
【0054】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る教材選定システム10は、教育機関における或る所定の単位の集団に属する生徒(例えば、或る校舎の或る学科及び或る部に属する生徒)に必要な教材の選定結果を確認する際に、その生徒が過去に購入した教材が存在する場合は所定のアラートを表示させることができる。これにより、当該生徒が既に購入した教材が再度発注されてしまう事態を防止することが可能となる。
【0055】
また、本実施形態に係る教材選定システム10は、絶版となった教材や最新版でない教材が存在する場合等にも所定のアラートを表示させることができる。これにより、絶版となった教材や最新版でない教材等が発注されてしまう事態を防止することも可能となる。
【0056】
<変形例>
本実施形態では、
図6のステップS204でアラート対象と判定された教材に対してアラートを付与した上で管理者に提示したが、これに限られず、例えば、アラート対象と判定された教材を表すレコードを選定教材一覧情報から削除したり、変更したりしてもよい。具体的には、既に購入済の教材と判定された場合や絶版の教材と判定された場合にはその教材を表すレコードを選定教材一覧情報から削除してもよい。また、最新版でない教材と判定された場合にはその教材を表すレコードを、最新版の教材を表すレコードに変更してもよい。更に、このような削除又は変更が行われた場合には、そのような削除又は変更が行われたことを管理者に通知するための情報が選定教材一覧画面上に表示されてもよい。
【0057】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 教材物流システム
10 教材選定システム
20 担当者端末
30 管理者端末
40 発注システム
50 教材販売者システム
101 教材選定受付部
102 アラート対象判定部
103 選定教材一覧提供部
104 選定教材一覧情報管理DB
105 教材情報管理DB
201 UI制御部
301 UI制御部