(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145221
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電子装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20231003BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20231003BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20231003BHJP
【FI】
G03B17/02
H04N5/225 700
H04N5/225 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052582
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠介
(72)【発明者】
【氏名】赤松 祐介
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H100BB06
2H100BB11
5C122EA55
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE18
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】電子装置である撮像装置は、ハウジング内に設けられ、基板と、第1方向から基板を支持する第1支持部材と、第1方向と対向する第2方向から基板を支持する第2支持部材と、を有する支持部と、第1支持部材と第2支持部材とを連結し、支持部と基板とをそれぞれ連結する複数の連結ピン50と、を有する。支持部の厚さと基板の厚さとは互いに異なる。複数の連結ピン50のそれぞれは、頭部501と、頭部501と接続され、連結ピン50の中心軸Cに沿って頭部501とは反対側に伸びる複数の第1脚部502及び複数の第2脚部503と、を有する。第1脚部502は第2脚部503とは長さが異なる。複数の第1脚部502及び複数の第2脚部503のそれぞれは、頭部501とは反対側の端部に中心軸Cに対して径方向に突出する突起部504,505を有する。
【効果】1種類の連結ピンを用いて厚さの異なる部品を支持部に連結することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内に設けられ、電子部品を実装する基板と、
第1方向から前記基板を支持する第1支持部材と、前記第1方向と対向する第2方向から前記基板を支持する第2支持部材と、を有する支持部と、
前記第1支持部材と前記第2支持部材とを連結し、前記支持部と前記基板とをそれぞれ連結する複数の連結ピンと、を有し、
前記支持部の厚さと前記基板の厚さとは互いに異なり、
複数の前記連結ピンのそれぞれは、
頭部と、
前記頭部と接続され、前記連結ピンの中心軸に沿って前記頭部とは反対側に伸びる複数の第1脚部及び複数の第2脚部と、を有し、
前記第1脚部と前記第2脚部とは長さが異なり、
複数の前記第1脚部及び複数の前記第2脚部のそれぞれは、前記頭部とは反対側の端部に前記中心軸に対して径方向に突出する突起部を有する、電子装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子装置において、
複数の前記第1脚部は、前記第1支持部材の厚さと前記第2支持部材の厚さとに応じた長さを有し、
複数の前記第2脚部は、前記基板の厚さと前記支持部の厚さとに応じた長さを有する、電子装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子装置において、
複数の前記第1脚部は、少なくとも1対の前記第1脚部であり、
複数の前記第2脚部は、少なくとも1対の前記第2脚部であり、
1対の前記第1脚部は前記中心軸を挟んで互いに対向する位置に配置され、1対の前記第2脚部は前記中心軸を挟んで互いに対向する位置に配置される、電子装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の電子装置において、
前記突起部は、前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸びる第1面と、前記第1面から前記頭部とは反対側の端部に伸びる第2面と、を有し、
前記第1面は前記第1脚部及び前記第2脚部に対して90°以下の角度を有して前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸び、
前記第2面は、前記第1面が前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸びた第1端部から、前記第1端部よりも前記中心軸側の第2端部に向かう斜面である、電子装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の電子装置において、
前記連結ピンは樹脂製である、電子装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の電子装置において、
前記支持部は、前記連結ピンが挿入される第1穴と、前記第1穴とは形状が異なる第2穴とを有し、
前記第1穴は、前記第1脚部及び前記第2脚部が通過する形状を有し、
前記第2穴は、前記第2脚部が通過する形状を有する複数の第1領域と、前記第1領域と同心であり、前記第1脚部が有する前記突起部の少なくとも一部が収容される形状を有する複数の第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域とが交互に並んで形成される、電子装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子装置において、
前記第1穴は、前記中心軸を挟んで互いに対向する前記第1脚部間の距離及び前記中心軸を挟んで互いに対向する前記第2脚部間の距離よりも大きく、互いに対向する前記第1脚部が有する前記突起部の前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸びた端部間の距離よりも小さい丸穴である、電子装置。
【請求項8】
請求項6または7に記載の電子装置において、
前記第2穴の前記第1領域は、前記中心軸を挟んで互いに対向する前記第1脚部間の距離及び前記中心軸を挟んで互いに対向する前記第2脚部間の距離よりも大きく、互いに対向する前記第2脚部が有する前記突起部の前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸びた端部間の距離よりも小さい扇形状の穴であり、
前記第2穴の前記第2領域は、互いに対向する前記第1脚部が有する前記突起部の前記中心軸に対して径方向に沿って前記中心軸から離れる方向に伸びた端部間の距離よりも大きい扇形状の穴である、電子装置。
【請求項9】
請求項6から8までの何れか一項に記載の電子装置において、
前記基板は前記連結ピンの前記第1脚部及び前記第2脚部が通過する形状を有する第3穴を有し、
前記支持部と前記基板とは、前記第2穴及び前記第3穴に挿入された前記連結ピンによって連結される、電子装置。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか一項に記載の電子装置において、
前記頭部は、少なくとも1つの開口を有する、電子装置。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載の電子装置と、
前記ハウジングに設けられた開口部を通過した光を撮像素子の撮像面上に集光させる光学系と、を備え、
前記光学系と前記撮像素子とは前記基板に実装される、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設、病院、工場、店舗等の様々な場所には、防犯や防災等の観点から監視カメラが設置されている。従来の監視カメラでは、電子部品が配置された基板の固定方法としてねじ止めやピン止めが一般的であった。特許文献1には、ステージに設けられたガイドピンを基板が有するガイド穴に挿入させることにより組み立てられた電子部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているガイドピンは、テーパー状の先端部と、ガイド穴の短辺以上の直径を有する中間部と、ガイド穴の短辺よりも小さい直径を有する基部とを有している。ガイドピンがガイド穴に挿入されると、ガイドピンの中間部と基部とにより基板が上下方向と左右方向とに移動することが規制される。しかしながら、このガイドピンを用いて基板とは異なる厚さを有する部材を取り付けることができず、部材の厚さに応じて複数種類のガイドピンを製造する必要があり、製造コストの増加が避けられない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の電子装置は、ハウジング内に設けられ、電子部品を実装する基板と、第1方向から前記基板を支持する第1支持部材と、前記第1方向と対向する第2方向から前記基板を支持する第2支持部材と、を有する支持部と、前記第1支持部材と前記第2支持部材とを連結し、前記支持部と前記基板とをそれぞれ連結する複数の連結ピンと、を有する。前記支持部の厚さと前記基板の厚さとは互いに異なる。複数の前記連結ピンのそれぞれは、頭部と、前記頭部と接続され、前記連結ピンの中心軸に沿って前記頭部とは反対側に伸びる複数の第1脚部及び複数の第2脚部と、を有する。前記第1脚部と前記第2脚部とは長さが異なる。複数の前記第1脚部及び複数の前記第2脚部のそれぞれは、前記頭部とは反対側の端部に前記中心軸に対して径方向に突出する突起部を有する。
【0006】
一実施形態の撮像装置は、上記の電子装置と、前記ハウジングに設けられた開口部を通過した光を撮像素子の撮像面上に集光させる光学系と、を備える。前記光学系と前記撮像素子とは前記基板に実装される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1種類の連結ピンを用いて厚さの異なる部品を支持部に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る撮像装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、撮像装置の内部を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、撮像装置の内部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、撮像装置の内部を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、撮像装置の内部を示す分解平面図である。
【
図6】
図6は、連結ピンの形状を示す外観斜視図である。
【
図8】
図8は、連結部と連結部の穴に挿入された連結ピンとの断面図である。
【
図9】
図9は、連結部に形成された穴の形状を示す平面図である。
【
図10A】
図10Aは、基板と、連結部と、基板及び連結部の穴に挿入された連結ピンとの断面図である。
【
図10B】
図10Aは、基板と、連結部と、基板及び連結部の穴に挿入された連結ピンとを、
図10Aとは異なる方向から見たときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態の電子装置である撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
撮像装置の用途は特に限定されないが、病院,介護施設,工場,店舗等に、監視カメラや見守りカメラとして設置するのに適している。尚、電子装置は撮像装置に限定されるものではなく、スマートフォン、タブレット型PC、ノート型PC等の携帯型情報端末であってもよい。
【0011】
<撮像装置の全体構成>
図1は、撮像装置10の外観斜視図である。
図2は、撮像装置10の内部の斜視図である。
図3は、
図2のA-A線での撮像装置10の内部の断面図である。
【0012】
図1~
図2に示される撮像装置10は、直方体形状又は略直方体形状のハウジング(筐体)12を有している。ハウジング12は、正面部12aと、裏面部12bと、正面部12aの各辺に連接する側面部12c,12d,12e,12fを備えている。なお、以下の説明では、ハウジング12の正面部12aの方向を上側、裏面部12bの方向を下側、側面部12cの方向を前側、側面部12dの方向を左側、側面部12eの方向を後側、側面部12fの方向を右側とも呼ぶ。
【0013】
図2及び
図3に示されるように、撮像装置10のハウジング12内には、カメラユニット11と、電子部品が実装される基板18と、支持部19とが収容されている。カメラユニット11は、CMOSやCCD等のイメージセンサである撮像素子13と、この撮像素子13の撮像面上に被写体からの光(被写体光)を集光させるレンズ(結像光学系)14とを有する。
図3に示されるように、撮像素子13と、レンズ14とは平行に配置されている。
【0014】
ハウジング12の正面部12aに設けられる開口部15(
図1参照)は、レンズ14の光軸上に形成される。開口部15を通過した被写体光は、レンズ(結像光学系)14を介して撮像素子13に入射する。撮像素子13は、ハウジング12に設けられた開口部15を介して入射する光を受光して、光電変換を行って画像信号を出力する。
【0015】
<基板について>
図4は撮像装置10の内部の分解斜視図である。
図5は撮像装置10の内部の分解平面図である。基板18は、樹脂等を用いて形成された平板であり、厚さD1を有する(
図10A参照)。尚、基板18の厚さD1とは、基板18の上下方向の長さである。基板18は、第1基板181と、第2基板182と、第3基板183と、第4基板184とを有する。第1基板181は、側面部12f側(右側)に配置され、例えばバッテリー等の電源部からの電力を撮像装置10内の各部に供給する電源回路等が実装面に実装されるベース部材である。第2基板182は、側面部12d側(左側)に配置され、例えば外部装置等と通信を行う通信回路等が実装面に実装されるベース部材である。第3基板183は、左右方向の中央部付近に配置され、撮像素子13及びレンズ14を有するカメラユニット11が実装面に実装されるベース部材である。第4基板184は、CPUやメモリ等を有して撮像装置10の各部を制御する制御ユニット、撮像素子13から出力された画像信号に対して種々の処理を施す画像処理部等が実装面に実装されるベース部材である。
【0016】
第1基板181、第2基板182及び第3基板183は、撮像装置10の上側(正面部12a側)に配置され、第4基板184は撮像装置10の下側(裏面部12b側)に配置される。すなわち、第1基板181,第2基板182及び第3基板183が最上層に配置され、第4基板184が最下層に配置される。ただし、基板18の上下方向の並列した配列は3層以上であってもよい。基板18は、後述する支持部19によって、前側及び後側から支持されている。
【0017】
第1基板181は前側の側面と後側の側面とのそれぞれに突部181a,181bを有する。前側の突部181aは後述する第1支持部材191に形成される第1取付開口301に、後側の突部181bは第2支持部材192に形成される第2取付開口312に嵌め込まれる。第2基板182は前側の側面と後側の側面とのそれぞれに突部182a,182bを有する。前側の突部182aは第1支持部材191に形成される第2取付開口302に、後側の突部182bは第2支持部材192に形成される第1取付開口311に嵌め込まれる。
【0018】
第3基板183は、前側の側面と後側の側面とのそれぞれに突部183a,183bを有する。前側の突部183aは第1支持部材191に形成される第3取付開口303に、後側の突部183bは第2支持部材192に形成される第3取付開口313に嵌め込まれる。また、第3基板183には、後述する複数の連結ピン50のそれぞれが挿入される2個の穴40が形成されている。
【0019】
第4基板184は、前側の側面と後側の側面とのそれぞれに、複数の突部184a,184b,184c,184d,184e,184fが形成される。前側の複数の突部184a,184b,184cはそれぞれ第1支持部材191の第4取付開口304,第5取付開口305,第6取付開口306に、後側の複数の突部184d,184e ,184fはそれぞれ第2支持部材192の第6取付開口316,第5取付開口315,第4取付開口314に嵌め込まれる。
【0020】
<支持部材について>
図4、
図5に示されるように、支持部19は、第1支持部材191と第2支持部材192とを有する。また、支持部19には、不図示の接地端子が設けられている。第1支持部材191と第2支持部材192とは、上下方向に平行に伸びる軸Pに対して対称な構造を有している。すなわち、第2支持部材192は、第1支持部材191と同一の形状を有し、第1支持部材191を軸Pの周りに180°回転させたものである。支持部19は、第1支持部材191と第2支持部材192とが複数の連結ピン50を用いて連結されることにより構成される。
【0021】
第1支持部材191は、例えば金属製あるいは樹脂製であり、側面部12cに平行な支持側面20と、正面部12aに平行な連結部21,22,23,24,25とを有する。連結部21,22,23,24,25の上下方向の長さである厚さ(すなわち第1支持部材191の厚さ)D2は、基板18の厚さD1よりも薄い(
図10A参照)。支持側面20は、正面部12aに平行な方向に伸びる複数の取付開口30が形成されている。この複数の取付開口30は、上述した第1基板181、第2基板182、第3基板183及び第4基板184が配置される位置に対応して形成されている。
【0022】
第2支持部材192は、例えば金属製あるいは樹脂製であり、側面部12eに平行な支持側面20aと、正面部12aに平行な連結部31,32,33,34,35とを有する。連結部31,32,33,34,35の上下方向の長さである厚さ(すなわち第2支持部材192の厚さ)D2は、基板18の厚さD1よりも薄い。支持側面20aは、側面部12eに平行な方向に伸びる複数の取付開口30aが形成されている。この複数の取付開口30aは、上述した第1基板181、第2基板182、第3基板183及び第4基板184が配置される位置に対応して形成されている。
【0023】
尚、上述したように、第1支持部材191と第2支持部材192とは同一の形状を有する。そのため、以下の説明は、主として第1支持部材191について行う。
【0024】
<取付開口について>
図2,
図4に示されるように、複数の取付開口30は、第1取付開口301、第2取付開口302、第3取付開口303、第4取付開口304、第5取付開口305及び第6取付開口306を有する。第1取付開口301は、第1基板181の配置位置に対応して、支持側面20の上部右側に形成される。第2取付開口302は、第2基板182の配置位置に対応して、支持側面20の上部左側に形成される。第3取付開口303は、第3基板183の配置位置に対応して、支持側面20の上部中央部に形成される。第4取付開口304、第5取付開口305及び第6取付開口306は、第4基板184の配置位置に対応して、支持側面20の下部に形成される。第4取付開口304は支持側面20の右側に形成され、第5取付開口305は支持側面20の中央部に形成され、第6取付開口306は支持側面20の左側に形成される。第4取付開口304、第5取付開口305及び第6取付開口306は、高さ方向(上下方向)で同一の位置に形成される。上記の複数の取付開口30は、複数の基板18に形成された突部の形状に応じて、左右方向に伸びる(すなわち、基板18の実装面に平行する方向に伸びる)スリット状に形成されている。尚、取付開口30の大きさは、基板18の突部の断面に対して余裕(ガタ)を有する。このガタは、基板18の嵌め込み不良が生じたり、嵌め込まれた基板18に過度な負荷がかかったりすることが抑制可能な程度の大きさである。すなわち、取付開口30は、基板18に形成された突部の断面の大きさよりも大きい。
【0025】
尚、上述したように、第2支持部材192と第1支持部材191とは、軸Pに対して対称構造を有している。そのため、第2支持部材192の第1取付開口311は、第1支持部材191の第1取付開口301と同様の形状を有し、第1支持部材191の第2取付開口302と対向する。
【0026】
第2支持部材192の第2取付開口312は、第1支持部材191の第2取付開口302と同様の形状を有し、第1支持部材191の第1取付開口301と対向する。第2支持部材192の第3取付開口313は、第1支持部材191の第3取付開口303と同様の形状を有し、第1支持部材191の第3取付開口303と対向する。
【0027】
第2支持部材192の第4取付開口314は、第1支持部材191の第4取付開口304と同様の形状を有し、第1支持部材191の第6取付開口306と対向する。第2支持部材192の第5取付開口315は、第1支持部材191の第5取付開口305と同様の形状を有し、第1支持部材191の第5取付開口305と対向する。第2支持部材192の第6取付開口316は、第1支持部材191の第6取付開口306と同様の形状を有し、第4取付開口304と対向する。
【0028】
上記のように取付開口30,30aに各基板18が嵌め込まれることにより、第1支持部材191は第1方向、すなわち前側から基板18を支持し、第2支持部材192は第1方向と対向する第2方向、すなわち後側から基板18を支持する。
【0029】
<連結部について>
図4,
図5に示されるように、連結部21は、支持側面20の左側端の下端に形成される。連結部21は支持側面20に対して後側に形成され、裏面部12bに平行な面形状を有する。連結部21には1つの穴21aが形成される。連結部22は、第2取付開口302と第3取付開口303との間の支持側面20の上端に形成される。連結部22は、正面部12aに平行な面である。連結部22は、基板18の上部を跨いで後側へ伸び、第2支持部材192に形成される連結部34と上下方向で重複する。連結部22の後側の端部近傍には1つの穴22aが形成される。
【0030】
連結部23は、第3取付開口303の右側端部に形成される。具体的には、連結部23は、第3取付開口303の右側端部を右端として支持側面20に対して後側に向けて伸びる。連結部23は、正面部12aと平行な面形状を有する。連結部23には、1つの穴23aが形成されている。連結部23の上側の面は、上下方向において、壁面303aに形成された切り欠き部303bの下端よりも下側に形成される。このため、切り欠き部303bに第3基板183の前側の側面に形成された突部の左側端部が嵌め込まれると、連結部23の上方には当該突部の右側端部が載置される。連結部23に形成された穴23aと第3基板183に形成された穴40とに上方から後述する連結ピン50が挿入される。
【0031】
連結部24は、連結部23と第1取付開口301との間の支持側面20の上端に形成される。連結部24は支持側面20に対して後側へ向かって伸び、正面部12aに平行な面形状を有する。連結部24には1つの穴24aが形成されている。
【0032】
連結部25は、支持側面20の右側端の下端に形成される。連結部25は、裏面部12bに平行な面である。連結部25は、基板18の下部を跨いで後側へ伸びる。連結部25は傾斜を有し、連結部25の後側の端部近傍が、連結部25の前側の端部近傍よりも下方に位置する形状を有する。連結部25の後側の端部近傍は、第2支持部材192に形成される連結部31と上下方向で重複する。この場合、連結部25の後側の端部近傍は、第2支持部材192の連結部31の下方に位置する。
【0033】
図5に示されるように、連結部25の傾斜部よりも後側には1つの穴25aが形成され、傾斜部よりも前側には3つの穴25b,25c,25dが形成される。連結部25の前側に形成された穴25b,25dは径が異なる丸穴であり、穴25cは長穴である。穴25dには支持部19を裏面部12bに固定するねじが上方から挿入される。尚、連結部25の上部に位置する第4基板184(すなわち最下層の基板)のうち、穴25dが形成される位置と対応する位置に丸穴を設けてもよい。この丸穴の上方からねじを挿入して、第4基板184と支持部19とを裏面部12bに固定してもよい。穴25b,25cは、第1支持部材191と第2支持部材192とを後述するようにして連結し固定する際の位置決めに用いられる。穴25cの長軸は左右方向(すなわち支持側面20)に対して非平行である。
【0034】
上述した連結部21,22,24,25に形成された穴21a,22a,24a、25aは共に同一形状を有する丸穴であり、総称する場合には穴(第1穴)41と呼ぶ。また、連結部23に形成された穴(第2穴)23aは、詳細を後述するように、上記の穴41とは異なる形状を有する。
【0035】
尚、上述したように、第2支持部材192と第1支持部材191とは、軸Pを対称とする対称構造を有している。そのため、第2支持部材192の支持側面20aの左側端部の下端には、第1支持部材191の連結部25と同様の形状を有し、第1支持部材191の連結部21に向かって伸びる連結部35が形成される。連結部35に設けられた穴35aは上述した穴41と同一の形状を有する丸穴である。この連結部35の前側の端部近傍は第1支持部材191の連結部21の下方に位置して互いに重複する。
【0036】
連結部35は、連結部25と同様に、裏面部12bへの固定に用いる穴35dと、位置決めに用いる穴35b,35cと、連結部35の前側の端部に形成された穴35aと、を有する。穴35cは穴25cと同様に長軸が左右方向(すなわち支持側面20a)に対して非平行な長穴であり、穴35bは穴25bと同様の丸穴である。連結部35の前側の端部に形成された穴35aは上述した穴41と同一形状の丸穴であり、この穴35aと第1支持部材191の連結部21に形成された穴21aとには下方から連結ピン50が挿入される。これにより、第1支持部材191の連結部21と第2支持部材192の連結部35とは、最下層の基板である第4基板184の下部を跨いで互いに連結される。
【0037】
尚、連結部35の上部に位置する第4基板184のうち、穴35aが形成される位置と対応する位置に丸穴を設けてもよい。この丸穴の上方からねじを挿入して、第4基板184と支持部19とを裏面部12bに固定してもよい。
【0038】
支持側面20aに形成された第1取付開口311の右側の上端には、第1支持部材191の連結部24と同様の形状を有する連結部34が形成される。この連結部34は、第1支持部材191の連結部22よりも下方に位置して互いに重複する。この連結部34の穴34aは穴41と同一形状を有する丸穴であり、穴34aと第1支持部材191の連結部22に形成された穴22aとには、上方から詳細を後述する連結ピン50が挿入される。これにより、第1支持部材191の連結部22と第2支持部材192の連結部34とは、最上層の基板である第2基板182の上部を跨いで互いに連結される。
【0039】
支持側面20aの第3取付開口313の左側には、第1支持部材191の連結部23と同様の形状を有する連結部33が形成される。この連結部33の上面には、第3基板183の後側の側面に形成された突部が載置される。第3基板183に形成された穴40と、連結部33に形成された穴33aとには、上方から連結ピン50が挿入される。尚、穴33aは、上述した穴23aと同様の形状を有し、穴41とは異なる形状を有する。上述したように、第3基板183に形成された穴40と連結部23に形成された穴23aとにも連結ピン50が挿入されている。この結果、第3基板183は、第3取付開口303,313に形成された切り欠き部に一部が嵌め込まれるとともに、連結部23,33に連結ピン50により固定される。第3基板183が連結部23,33に連結ピン50により取り付けられることにより、第3基板183が支持部19に固定されるとともに、電気的に接続される。
【0040】
支持側面20aに形成された第2取付開口312の左側の上端には、第1支持部材191の連結部22と同様の形状を有する連結部32が形成される。この連結部32の前側の端部近傍は第1支持部材191の連結部24の上部に位置して互いに重複する。連結部32に形成された穴32aは上記の穴41と同一形状の丸穴であり、この穴32aと第1支持部材191の連結部24に形成された穴24aとには、上方から連結ピン50が挿入される。これにより、第1支持部材191の連結部24と第2支持部材192の連結部32とは、最上層の基板である第1基板181の上部を跨いで互いに連結される。
【0041】
支持側面20aの右側の端部下端には、第1支持部材191の連結部21と同様の形状を有する連結部31が形成される。この連結部31は、第1支持部材191が有する連結部25の後側端部の上方に位置して互いに重複する。連結部31の穴31aは上記の穴41と同一形状の丸穴であり、この穴31aと第1支持部材191の連結部25の後側端部に形成された穴25aとには、下方から連結ピン50が挿入される。これにより、第1支持部材191の連結部25と第2支持部材192の連結部31とは、最下層の基板である第4基板184の下部を跨いで互いに連結される。
【0042】
尚、連結部31,32,34,35に形成された穴31a,32a,34a,35aについても、総称する場合には、上記の穴41を用いる。
【0043】
取付開口30,30aに基板18が挿入された状態で、上述したように、連結部21と連結部35とが連結ピン50により連結され、連結部22と連結部34とが連結ピン50により連結され、連結部24と連結部32とが連結ピン50により連結され、連結部25と連結部31とが連結ピン50により連結される。これにより、第1支持部材191と第2支持部材192とは互いに連結される。
【0044】
第1支持部材191と第2支持部材192とを連結する際に、連結部25に形成された穴25b,25c及び連結部35に形成された穴35b,35cを用いて位置合わせが行われる。具体的には、連結部25の長穴である穴25bの長軸と連結部35の丸穴である穴35cの中心とを結ぶ軸線と、連結部35の長穴である穴35bの長軸と連結部25の丸穴である穴25cの中心とを結ぶ軸線と、が互いに平行となるように位置合わせが行われる。これにより、簡易な構成で第1支持部材191と第2支持部材192とを連結する際の位置決め精度を向上させることができる。
【0045】
<連結ピンについて>
図6は連結ピン50の外観斜視図であり、
図7Aは
図6の矢印Aから見た連結ピン50の側面図であり、
図7Bは
図6の矢印Bから見た連結ピン50の側面図である。連結ピン50は、例えば樹脂により製造される。連結ピン50は、頭部501と、頭部501とは反対側、すなわち頭部501から離れる方向に向けて伸びる2個の第1脚部502及び2個の第2脚部503とを有する。尚、連結ピン50の頭部501側を上側、第1脚部502及び第2脚部503の頭部501とは反対側の先端部側を下側と呼ぶことがある。頭部501には、開口部520が形成される。
図6には4個の開口部520が示されているが、開口部520の個数は4個に限定されず、4個より少なくてもよいし、4個より多くてもよい。すなわち、頭部501には少なくとも1個の開口部520が形成されていればよい。
【0046】
2個の第1脚部502は連結ピン50の中心軸Cを挟んで互いに対向し、2個の第2脚部503は連結ピン50の中心軸Cを挟んで互いに対向する。すなわち、第1脚部502と第2脚部503とは、中心軸Cの周りに90°ごとに交互に形成される。
【0047】
第1脚部502と第2脚部503とは、連結ピン50が挿入される支持部19に形成された穴41と第3基板183に形成された穴40の形状に応じた湾曲面を有する板状に形成されている。互いに対向する第1脚部502において、連結ピン50の中心軸Cに対して径方向に沿って中心軸Cから離れる方向(以下、外側と呼ぶこともある)の外周面502aと対向する外周面502aとの間の距離(長さ)L3は、穴40,41の直径よりも短い。同様に、互いに対向する第2脚部503において、外周面503aと対向する外周面503aとの間の距離(長さ)L4は、穴40,41の直径よりも短い。第1脚部502の下側の先端部には、外側に突出した突起部504が形成される。第2脚部503の下側の先端部には、外側に突出した突起部505が形成される。
【0048】
突起部504と突起部505とは、連結ピン50の上下方向において、頭部501の下側からの距離が互いに異なる位置に形成される。すなわち、突起部504の上側端部P1と頭部501の下側との間隔である長さL1と、突起部505の上側端部P2と頭部501の下側との間隔である長さL2とは互いに異なる。換言すると、第1脚部502と第2脚部503とは、連結ピン50の上下方向において、互いに長さが異なる。尚、突起部504の上側端部P1とは、第1脚部502と突起部504とが接続される位置であり、突起部505の上側端部P2とは、第2脚部503と突起部505とが接続される位置である。
【0049】
長さL1は、上述した第1支持部材191の連結部21,22,23,24,25の厚さD2と、第2支持部材192の連結部31,32,33,34,35の厚さD2とを合わせた長さ2×D2に等しい。長さL2は、上記の厚さD2と、基板18の厚さD1とを合わせた長さD1+D2に等しい。上述したように、基板18の厚さD1は第1支持部材191又は第2支持部材192の厚さD2よりも大きいので、長さL2は長さL1よりも大きい。すなわち、第1脚部502は、第2脚部503よりも短い。尚、長さL1は厳密に長さ2×D2に等しくなくても良く、取付誤差と見なせる程度の長さの違いは許容される。長さL2も同様に、長さD1+D2に対して取付誤差と見なせる程度の違いは許容される。
【0050】
突起部504は、第1面である上端面510と第2面である面部511とを有する。上端面510は、上側端部P1にて中心軸Cに対して径方向に沿って中心軸Cから離れる方向(すなわち外側)に伸びる。面部511は、上端面510の外側(中心軸Cに対して径方向に沿って中心軸Cから離れる方向)の第1端部P3から突起部504の下側の第2端部である先端部P4に向けて伸びる。第1端部P3は、連結ピン50の径方向において、先端部P4よりも中心軸Cに対して外側に位置する。
【0051】
上端面510は第1脚部502が伸びる方向(すなわち上下方向)に対して角度θ1を有し、中心軸Cに対して外側に伸びる。上端面510が外側へ伸びるため、互いに対向する第1脚部502が有する上端面510の第1端部P3間の距離(長さ)L5は、穴40,41の直径r1よりも長い(
図8参照)。上記の角度θ1は、角度θ1が0°よりも大きく90°以下の範囲の角度である。
【0052】
先端部P4は、連結ピン50の中心軸に対して径方向において、第1脚部502の外側の面よりも中心軸Cに近い側に位置する。このため、互いに対向する第1脚部502の先端部P4間の距離(長さ)L6(
図8参照)は、穴40,41の直径r1よりも短い。
【0053】
上側端部P1と先端部P4とは、連結ピン50の径方向において、中心軸Cに対する上記の位置関係を有することから、面部511は、連結ピン50の上下方向に対して傾斜を有する斜面部である、ということができる。すなわち、突起部504の連結ピン50の径方向の厚さは、上側で最も大きく、上側から下側へ徐々に減少する。したがって、突起部504はテーパー状に形成されており、面部511はそのテーパーの斜面である。面部511が連結ピン50の径方向となす角度θ2は、例えば45°~60°の範囲の角度である。
【0054】
尚、突起部505は、上述した突起部504と同様の形状を有する。
【0055】
<連結ピンによる連結について>
以下、連結ピン50を用いた連結について説明する。以下の説明は、第1支持部材191と第2支持部材192とを連結する場合と、支持部19と基板18とを連結する場合とに分けて行う。
【0056】
<第1支持部材と第2支持部材との連結について>
図8は、第1支持部材191の穴41と、第2支持部材192の穴41と、この2個の穴41に上方から挿入された連結ピン50とを示す断面図である。
図8では、複数ある穴41のうち、代表して第1支持部材191の連結部24が有する穴24aと、第2支持部材192の連結部32が有する穴32aとが示されている。すなわち、
図8は、
図2のB-B線での断面図である。上述したように、連結部24は連結部32の下方で重複する。連結部24と連結部32との上下関係とは上下関係が異なる場合(すなわち、連結部21と連結部35との重複関係及び連結部22と連結部34との重複関係)であっても、以下の説明は適用される。
【0057】
上述したように、突起部504,505の径方向の厚さは、上側で最も大きく、上側から下側へ徐々に減少する。連結ピン50を2個の穴41に挿入するために上側から力を加えると、面部511には穴41の側面から中心軸Cに向けて力が働く。この中心軸Cに向けた力により、第1脚部502、第2脚部503及び突起部504,505は、第1脚部502及び第2脚部503と頭部501とが接続される位置を支点として中心軸C側(内側)に傾く。このため、上側から力を受けた連結ピン50は、面部511で穴41の側面と接触しながら穴41の下方へ挿入される。
【0058】
突起部504,505の上端面510が、下方に位置する連結部24の穴24aの下面よりも下側に位置すると、突起部504,505は穴41の側面から力を受けない。このため、第1脚部502、第2脚部503及び突起部504,505は、上記のような内側への傾きをせず、弾性により
図6,
図7A,
図7Bに示される状態に戻る。上述したように、第1脚部502の長さL1は、連結部32の厚さD2と、連結部24の厚さD2とを合わせた長さ2×D2に実質的に等しく、互いに対向する第1脚部502が有する上端面510の第1端部P3間の距離(長さ)L5は、穴41の直径r1よりも長い。このため、突起部504の上端面510と連結部24の下側の面とが接触する、あるいは上端面510と連結部24の下側の面との間に僅かな隙間が生じる。すなわち、連結部24に対する連結ピン50の上下方向の相対移動が、上端面510により規制される。
【0059】
この結果、連結ピン50に上側への力が加わったとしても、連結ピン50が穴41から脱落することが抑制される。さらに、2つの第1脚部502が互いに対向するため、連結ピン50が傾斜して、穴41から脱落することが抑制される。
【0060】
ただし、第2脚部503の長さL2は、第1脚部502の長さL1よりも長いことから、突起部505の上端面510は連結部24の下側の面と接触しない。
【0061】
<支持部と基板との連結について>
図9は、連結部33に形成された穴33aの形状を示す平面図である。尚、連結部23に形成された穴23aも同様の形状を有する。以下の説明では、穴23a,33aを総称して穴42と呼ぶ。
【0062】
図9に示されるように、穴42は、互いに半径が異なり共通の中心を有する複数の円弧が交互に並んだ形状に形成される。具体的には、穴42は、2つの第1領域60と2つの第2領域61とにより形成され、第1領域60と第2領域61とが交互に並ぶ形状を有する。
図9に示される第1領域60は、その半径が他の穴41の半径と同一である扇形状の開口である。第2領域61は、その半径は第1領域60の半径よりも大きい扇形状の開口である。第1領域60と第2領域61とが交互に並ぶことから、2つの第1領域60は互いに対向し、2つの第2領域61は互いに対向する。別の見方をすると、穴42は、第1領域60の弧に相当する側面70と、第2領域61の弧に相当する側面71と、側面70と側面71とを結ぶ側面72とにより囲まれた開口である。尚、第2領域61の半径r2は、互いに対向する第1脚部502が有する上端面510の第1端部P3間の距離L5の1/2の値L5aよりも長い(
図10A参照)。
【0063】
図10A,
図10Bは、支持部19に形成された穴42と、基板18に形成された穴40と、この穴40,42に挿入された連結ピン50とを示す断面図である。
図10A,
図10Bでは、複数ある穴42のうち、第2支持部材192の連結部33に形成された穴33aと、連結部33の上部に載置された第3基板183に形成された穴40とが示されている。
図10Aは、
図2のC-C線での断面図であり、
図10Bは連結ピン50と穴33aと穴40の左右方向の断面図である。尚、第1支持部材191の連結部23と第3基板183の穴40とに連結ピン50を挿入する場合も以下の説明が適用される。
【0064】
上述したように、連結部33の上面に第3基板183が配置される。穴40,42に連結ピン50を挿入する場合には、連結ピン50を穴41に挿入する場合と同様に、上側から力を加えることにより行われる。突起部504,505が第3基板183の穴40を通過している間は、突起部504,505の面部511は穴40の側面から中心軸Cに向けて力が働く。このため、連結ピン50を穴41に挿入する場合と同様に、連結ピン50の第1脚部502、第2脚部503及び突起部504,505は、上記のように内側へ傾きながら、穴40の下方へ挿入される。
【0065】
突起部504,505が第3基板183の下面を通過すると、第2脚部503が有する突起部505の面部511が穴42(33a)の側面70と接触し、中心軸Cに向けて力が働く。このとき、第1脚部502の突起部504は、穴42の第2領域61に収容される。すなわち、第1脚部502の突起部504の面部511は、穴42の側面70,71,72とは接触しない(
図10A参照)。したがって、これよりもさらに下側へ力が加えられると、第2脚部503及び突起部505が、内側へ傾きながら穴42の下方へ挿入される。
【0066】
図10Bに示されるように、突起部505の上端面510が、連結部33の穴42の下面よりも下側に位置すると、突起部505は穴42の側面70と接触しないため、側面70から中心軸Cに向けた力を受けない。すなわち、突起部504,505は共に穴42の側面70,71,72から力を受けなくなり、第1脚部502、第2脚部503及び突起部504,505は、内側への傾きをせず、弾性により
図6,
図7A,
図7Bに示される状態に戻る。
【0067】
上述したように、第2脚部503の長さL2は、連結部33の厚さD2と、基板18の厚さD1とを合わせた長さD1+D2に等しい。また、第1領域60の半径は穴41の半径と等しいことから、互いに対向する第2脚部503が有する上端面510の第1端部P3間の距離(長さ)L7の1/2の値L7aは、穴42の第1領域60の半径r3よりも長い(
図10B参照)。このため、突起部505の上端面510と連結部33の下側の面とが接触する、あるいは上端面510と連結部33の下側の面との間に僅かな隙間が生じる。すなわち、連結部33に対する連結ピン50の上下方向の相対移動が、上端面510により規制される。このため、連結ピン50に上側への力が加わったとしても、連結ピン50が穴41,42から脱落することが抑制される。さらに、2つの第1脚部502が互いに対向するため、連結ピン50が傾斜して、穴41,42から脱落することが抑制される。
【0068】
また、第1脚部502の長さがL1(=2×D2)であり、基板18の厚さD1が連結部33の厚さD2よりも大きいことから、突起部504の上端面510は、穴42の第2領域61に位置する。このため、連結ピン50に中心軸Cを中心とする回転方向の力が加わった場合に、突起部504のうち、少なくとも上端面510に近い位置にて穴42の側面72に接触する。これにより、連結ピン50が中心軸Cの回りに回転することが抑制される。すなわち、穴42の側面72と連結ピン50の突起部504とが、連結ピン50の回転止めとして機能する。
【0069】
上述したように、1種類の連結ピン50は、第1支持部材191と第2支持部材192とを連結するとともに、支持部19とは厚さの異なる基板18と支持部19とを連結する。すなわち、同一形状を有する1種類の連結ピン50を用いて、支持部19に対して厚さの異なる部材を連結する。この結果、部材の厚さに応じて複数種類のピンを製造する必要が無くなり、製造コストの低減が可能となる。
【0070】
上述した実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
【0071】
(1)複数の連結ピン50は、第1支持部材191と第2支持部材192とを連結し、支持部19とは厚さが異なる基板18と支持部19とをそれぞれ連結する。複数の連結ピン50のそれぞれは、頭部501と、頭部501と接続され、連結ピン50の中心軸Cに沿って頭部501とは反対側に伸びる複数の第1脚部502及び複数の第2脚部503と、を有する。第2脚部503は第1脚部502とは長さが異なり、複数の第1脚部502及び複数の第2脚部503のそれぞれは、頭部501とは反対側の端部に中心軸Cに対して径方向に突出する突起部504,505を有する。これにより、同一形状を有する1種類の連結ピン50を用いて、厚さの異なる部材を支持部19に連結することができる。この結果、部材の厚さに応じて複数種類のピンを製造する必要が無くなり、製造コストの低減に寄与することができる。
【0072】
(2)複数の第1脚部502は、第1支持部材191の厚さD2と第2支持部材192の厚さD2とに応じた長さL1を有し、複数の第2脚部503は、基板18の厚さD1と支持部19の厚さD2とに応じた長さL2を有する。これにより、1種類の連結ピン50を、第1支持部材191と第2支持部材192との連結と、支持部19と基板18との連結とに使用することができる。
【0073】
(3)1対の第1脚部502は中心軸Cを挟んで互いに対向する位置に配置され、1対の第2脚部503は中心軸Cを挟んで互いに対向する位置に配置される。これにより、連結ピン50が傾斜して穴40,41,42から脱落することが抑制される。
【0074】
(4)突起部504,505の上端面510は第1脚部502及び第2脚部503に対して90°以下の角度を有して中心軸Cに対して径方向に沿って中心軸Cから離れる方向(外側)に伸びる。これにより、連結ピン50に上向きの力が作用した場合であっても、支持部19の下面と上端面510とが接触することにより、連結ピン50が穴40,41,42から脱落することが抑制される。
【0075】
また、突起部504,505の面部511は、上端面510の中心軸Cに対して径方向に沿って中心軸Cから離れる方向に伸びた第1端部P3から、第1端部P3よりも中心軸C側の第2端部である先端部P4に向かう斜面である。これにより、連結ピン50を穴40,41,42に挿入する際に穴40,41,42の側面が面部511と接触しながら連結ピン50に対して相対的に上方に移動し、連結ピン50を穴40,41,42に挿入することができる。
【0076】
(5)連結ピン50は樹脂製である。これにより、金属製のねじ等を用いる場合とは異なり、連結ピン50の製造コストを抑制しつつ、切り屑等の飛散に起因するショート不良等の不具合が生じることを抑制できる。
【0077】
(6)支持部19は、互いに形状が異なる穴41,42を有する。穴(第1穴)41は、連結ピン50の第1脚部502及び第2脚部503が通過する形状を有する。穴(第2穴)42は、第2脚部503が通過する形状を有する複数の第1領域60と、第1領域60と同心であり、第1脚部502が有する突起部504の少なくとも一部が収容される形状を有する複数の第2領域61と、を有し、第1領域60と第2領域61とが交互に並んで形成される。これにより、長さの異なる第1脚部502と第2脚部503を有する1種類の連結ピン50を用いて、第1支持部材191と第2支持部材192との連結と、支持部19と基板18との連結とを行うことができる。
【0078】
(7)穴(第1穴)41は、中心軸Cを挟んで互いに対向する第1脚部502間の距離及び中心軸Cを挟んで互いに対向する第2脚部503間の距離よりも大きく、互いに対向する第1脚部502の突起部504の中心軸Cに対して径方向沿って中心軸から離れる方向に伸びた第1端部P3間の距離よりも小さい丸穴である。これにより、連結ピン50が穴41を通過することにより第1支持部材191と第2支持部材192とを連結でき、かつ、穴41に挿入された後は、突起部504にて連結ピン50が穴41から脱落することが抑制される。
【0079】
(8)穴(第2穴)42の第1領域60は、中心軸Cを挟んで互いに対向する第1脚部502間の距離及び中心軸Cを挟んで互いに対向する第2脚部503間の距離よりも大きく、互いに対向する第2脚部503が有する突起部505の第1端部P3間の距離よりも小さい扇形状の穴である。穴42の第2領域61は、互いに対向する第1脚部502が有する突起部504の第1端部P3間の距離よりも大きい扇形状の穴である。これにより、連結ピン50に中心軸Cを中心とする回転方向の力が加わった場合に、突起部504のうち、少なくとも上端面510に近い位置にて穴42の側面72に接触する。この結果、連結ピン50が中心軸Cの回りに回転することが抑制される。すなわち、穴42の側面72と連結ピン50の突起部504とが、連結ピン50の回転止めとして機能することができる。
【0080】
(9)連結ピン50の頭部501には開口部520が形成される。連結ピン50の固定に接着剤等を用いる場合、開口部520に接着剤が溜まることにより、第1支持部材191と第2支持部材192との固定と、支持部19と基板18との固定とを強固にすることができる。
【0081】
(10)第3基板183は、連結ピン50の第1脚部502及び第2脚部503が通過する形状を有する穴(第3穴)40を有し、穴40及び穴42に挿入された連結ピン50によって、支持部19と第3基板18とが連結される。これにより、互いに厚さが異なる支持部19と基板18とを、第1支持部材191と第2支持部材192とを連結する連結ピン50と同一形状を有する連結ピン50により連結することができる。
【0082】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【0083】
実施の形態においては、連結ピン50が2個の第1脚部502と2個の第2脚部503とを有するものとして説明したが、第1脚部502と第2脚部503の個数とは2個に限定されない。連結ピン50は、複数対の第1脚部502と、複数対の第2脚部503とを有してよい。この場合、連結ピン50には、各対に含まれる2個の第1脚部502は互いに中心軸Cを挟んで対向し、各対に含まれる2個の第2脚部503は互いに中心軸Cを挟んで対向して配置される。すなわち、少なくとも1対の第1脚部502が中心軸Cを挟んで対向して配置され、少なくとも1対の第2脚部503が中心軸Cを挟んで対向して配置される連結ピン50は本発明の技術思想の範囲に含まれる。
【0084】
連結部21,22,23,24,25,31,32,33,34,35は上述した実施の形態にて説明した個数や形状に限定されない。穴40,41,42の形状は上述した実施の形態にて説明した形状に限定されない。例えば、穴40,41は矩形状の開口であってもよいし、穴42の側面70,71は円弧状ではなく直線状であってもよい。また、基板18も上述した実施の形態にて説明した個数や形状に限定されない。
【符号の説明】
【0085】
10…撮像装置、11…カメラユニット、12…ハウジング(筐体)、12a…正面部、13…撮像素子、14…レンズ、15…開口部、18…基板、19…支持部、20,20a…支持側面、21,22,23,24,25,31,32,33,34,35…連結部、40,41,42…穴、50…連結ピン、181…第1基板、182…第2基板、183…第3基板、184…第4基板、191…第1支持部材、192…第2支持部材、501…頭部、502…第1脚部、503…第2脚部、504,505…突起部、510…上端面、511…面部、520…開口部