(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145258
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ゲームを提供するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20231003BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231003BHJP
【FI】
A63F13/80 A
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052628
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】村松 優衣
(72)【発明者】
【氏名】國光 夏樹
(57)【要約】
【課題】 複数のマスが配置されたゲームフィールドをプレイヤオブジェクトが移動するゲームにおける興趣を向上させる。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10は、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されているプレイヤ端末30を操作するユーザに対してゲームを提供する。当該サーバ10では、第2ゲームにおいて、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクトの中から特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクトが複数のマスを移動し、当該移動用オブジェクトは、第1ゲームのプレイを介してプレイヤによって獲得されるから、プレイヤオブジェクトの移動量が単にランダムに決まる場合と比較して、プレイヤオブジェクトの移動に関する楽しみが向上している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、
ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を実行し、
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む、
システム。
【請求項2】
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤオブジェクトの移動先のマスに対応する効果を発生させることを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記効果は、前記プレイヤに対するアイテムの付与を含み、
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤによる1又は複数の所定アイテムの獲得に応じて、前記プレイヤによる所定ゲームフィールドのプレイを可能とすることを含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記効果は、前記第1ゲームで使用可能なアイテムの前記プレイヤに対する付与を含む、
請求項2のシステム。
【請求項5】
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させると所定マスを通過してしまう場合に、前記プレイヤに対して通知を行うことを含む、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記所定マスは、前記ゲームフィールドをクリアするためのマスである、
請求項5のシステム。
【請求項7】
前記ゲームフィールドは、前記プレイヤオブジェクトが周回可能となるように、前記複数のマスが配置されており、
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤオブジェクトの周回数に基づいて前記プレイヤに対して報酬を付与することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、複数のプレイヤの各々の前記プレイヤオブジェクトの周回数の集計値に基づいて前記複数のプレイヤの各々に対して前記報酬を付与することを含む、
請求項7のシステム。
【請求項9】
1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、
相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、
ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を備え、
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む、
方法。
【請求項10】
ゲームを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、
ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を実行させ、
前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを提供するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のマスが配置されたゲームフィールド(エリア及びマップ等と呼ばれることもある。)を用いたゲームが提供されている(例えば、下記特許文献1を参照)。こうしたゲームは、典型的には、複数のマスをプレイヤオブジェクト(コマ)が移動することによって進行し、当該オブジェクトの移動量(移動するマス数)は、サイコロを振る等のアクションを介してランダムに決まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来のゲームでは、その移動量がランダムに決まるため、プレイヤオブジェクトの移動に対して要求される戦略性が十分であるとは言えなかった。したがって、こうしたプレイヤのコマの移動に関する興趣の向上が望まれる。
【0005】
本発明の実施形態は、複数のマスが配置されたゲームフィールドをプレイヤオブジェクトが移動するゲームにおける興趣を向上させることを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、ゲームを提供するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を実行し、前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、ゲームを提供するための方法であって、相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を備え、前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、ゲームを提供するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、相互に異なる数値が設定される複数の種類の所定オブジェクトをプレイヤが獲得可能な第1ゲームの進行を制御するステップと、ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する第2ゲームの進行を制御するステップと、を実行させ、前記第2ゲームの進行を制御するステップは、前記プレイヤが所持する複数の前記所定オブジェクトの中から特定された前記所定オブジェクトに設定された数値に基づいて前記プレイヤオブジェクトを移動させることを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、複数のマスが配置されたゲームフィールドをプレイヤオブジェクトが移動するゲームにおける興趣を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】プレイヤ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図3】保有オブジェクト管理テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図4】保有アイテム管理テーブル155が管理する情報を例示する図。
【
図7】ゲームフィールド表示領域64の詳細を例示する図。
【
図8】プレイヤのコマが移動する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図12】プレイヤのコマがスタートのマスオブジェクト200を通過してしまう場合の確認画面70を例示する図。
【
図13】特別ゲームフィールドが表示されているゲームフィールド表示領域64を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るゲーム提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してプレイヤ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのプレイヤ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のプレイヤ端末30と通信可能に接続され得る。サーバ10は、プレイヤ端末30を操作するユーザに対してゲームを提供する。ゲーム提供サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、ゲーム提供サーバ10のハードウェア構成について説明する。ゲーム提供サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、ゲームのプレイヤに関する情報を管理するプレイヤ情報テーブル151と、各プレイヤが保有する移動用オブジェクト(所定オブジェクト)に関する情報を管理する保有オブジェクト管理テーブル153と、各プレイヤが保有するその他のアイテムに関する情報を管理する保有アイテム管理テーブル155とを有する。移動用オブジェクトは、詳しくは後述するが、ゲームフィールドに配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動する際に用いられるオブジェクトである。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、ゲーム提供サーバ10を、ゲームを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介してプレイヤ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、ゲーム提供サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成されたゲーム提供サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有し、プレイヤ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。プレイヤ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0020】
次に、プレイヤ端末30のハードウェア構成について説明する。プレイヤ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、上述した端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、ゲーム用のアプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0025】
本実施形態において、プレイヤ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、又はゲーム専用端末等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたプレイヤ端末30のユーザ(ゲームのプレイヤ)は、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供するゲームをプレイすることができる。
【0027】
次に、このように構成されたゲーム提供サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、ゲーム進行制御部113として機能するように構成されている。
【0028】
管理機能制御部111は、ゲームの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30において出力される当該画面を介したプレイヤによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、プレイヤアカウントの管理等を含む。
【0029】
ゲーム進行制御部113は、ゲームの進行の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部113は、ゲームを進行させるための様々な画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30において出力される当該画面を介したプレイヤによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信する。
【0030】
本実施形態において、ゲーム進行制御部113は、第1ゲーム及び第2ゲームの進行を制御するように構成されている。第1及び第2ゲームは、例えば、一方がメインのゲームであって、他方がサブのゲームとして構成され得る。
【0031】
本実施形態において、第2ゲームは、ゲームフィールド(マップ、エリア、セグメント、及び、ステージ等と呼ばれることもある。)に配置された複数のマスをプレイヤオブジェクトが移動するゲームとして構成されている。当該プレイヤオブジェクトは、相互に異なる数値が設定される複数の種類を有する移動用オブジェクトの使用を伴って移動する。そして、第1ゲームは、当該移動用オブジェクトをプレイヤが獲得可能なゲームとして構成されている。例えば、移動用オブジェクトは、第1ゲームにおける様々な報酬としてプレイヤに対して付与される。各プレイヤが保有する移動用オブジェクトに関する情報は、例えば、保有オブジェクト管理テーブル153において管理される。第1ゲームは、様々な種類のゲームを含み、これらに限定されないが、例えば、RPG、バトルゲーム、アクションゲーム、パズルゲーム、カードゲーム、及び、これらの組合せを含む。
【0032】
また、ゲーム進行制御部113は、第2ゲームの進行を制御する際に、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクトの中から特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいて、プレイヤオブジェクトを移動させるように構成されている。例えば、ゲーム進行制御部113は、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクトを選択可能に表示する画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、プレイヤ端末30において出力される当該画面を介してプレイヤによって選択された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクトを移動させる。または、ゲーム進行制御部113は、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクトの中から自動的に特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクトを移動させる。例えば、プレイヤオブジェクトは、移動用オブジェクトに設定された数値に基づいて特定されるマス数(移動用オブジェクトに設定された数値と同一のマス数であってもよいし、これとは異なるマス数であってもよい。)を移動することができる。
【0033】
このように、本実施形態におけるゲーム提供サーバ10では、第2ゲームにおいて、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクトの中から特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクトが複数のマスを移動し、当該移動用オブジェクトは、第1ゲームのプレイを介してプレイヤによって獲得されるから、プレイヤオブジェクトの移動量が単にランダムに決まる場合と比較して、プレイヤオブジェクトの移動に関する楽しみが向上している。つまり、ゲーム提供サーバ10は、複数のマスが配置されたゲームフィールドをプレイヤオブジェクトが移動するゲームにおける興趣を向上させる。
【0034】
本実施形態において、ゲーム進行制御部113は、第2ゲームの進行を制御する際に、プレイヤオブジェクトの移動先のマスに対応する効果を発生させるように構成され得る。当該効果は、プレイヤに対して利益又は不利益を与え得る様々な効果を含み、例えば、プレイヤに対するアイテムの付与を含む。各プレイヤが保有するアイテムに関する情報は、例えば、保有アイテム管理テーブル155において管理される。例えば、ゲーム進行制御部113は、プレイヤによる1又は複数の所定アイテムの獲得に応じて、当該プレイヤによる所定ゲームフィールドのプレイを可能とするように構成され得る。例えば、所定ゲームフィールドは、プレイヤにとって有利な特別なゲームフィールド(例えば、有利な効果が設定されたマスの数が多いゲームフィールド等)として構成される。こうした構成は、所定アイテムの収集に関する楽しみを向上させる。
【0035】
また、例えば、マスに対応する効果は、第1ゲームで使用可能なアイテムの付与を含む。こうした構成は、第1ゲーム及び第2ゲームの両方のプレイを促進し得る。
【0036】
本実施形態において、特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクトを移動させると所定マスを通過してしまう場合に、プレイヤに対する通知が行われるようにしてもよい。所定マスは、例えば、プレイヤにとって有利なマスであり、これらに限定されないが、ゲームフィールドをクリア(次のゲームフィールドに進むことを含む。)するためのマス(例えば、ゴールのマス)、及び、アイテムが付与されるマス等を含む。例えば、ゲーム進行制御部113は、こうした通知を含む画面の画面データ及び制御データ等をプレイヤ端末30に対して送信し、当該画面は、典型的には、プレイヤオブジェクトの移動の確定又は取消を指示できるように構成される。こうした構成は、プレイヤオブジェクトが誤って所定マスを通過してしまうことを防止する。
【0037】
本実施形態において、ゲームフィールドには、様々な態様で複数のマスが配置され得る。例えば、ゲームフィールドには、プレイヤオブジェクトが周回可能となるように(例えば、環状に)、複数のマスが配置される。この場合、ゲーム進行制御部113は、プレイヤオブジェクトの周回数(例えば、所定期間における周回数)に基づいてプレイヤに対して報酬を付与するように構成され得る。例えば、周回数が多いほどプレイヤにとって有利な報酬が付与される。各プレイヤの周回数は、例えば、プレイヤ情報テーブル151において管理される。さらに、ゲーム進行制御部113は、複数のプレイヤの各々のプレイヤオブジェクトの周回数の集計値に基づいて、各プレイヤに対して報酬を付与するように構成され得る。こうした構成は、プレイヤオブジェクトの移動(周回)を促進する。
【0038】
次に、このような機能を有する本実施形態のゲーム提供サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例において、ゲーム提供サーバ10が提供するゲームは、クエスト及びバトル等を介して様々なアイテムを収集するゲームとして構成されている。そして、クエスト及びバトル等のメインゲーム(第1ゲーム)に加えて、期間限定のイベントとしてサブゲームが提供され、当該サブゲームは、複数のマスをプレイヤのコマ(プレイヤオブジェクト)が移動する「すごろくゲーム」(第2ゲーム)を含む。
【0039】
まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。
図2は、この例において、プレイヤ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるプレイヤ情報テーブル151は、ゲームのプレイヤに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」に対応付けて、アカウント名、性別、及び生年月日等を含む「基本情報」、すごろくゲームにおける周回数である「周回数」、すごろくゲームにおいて獲得可能なクリスタルの保有数である「クリスタル保有数」、同じくすごろくゲームにおいて獲得可能なゴールドクリスタルの保有数である「ゴールドクリスタル保有数」、ゴールドクリスタルのかけらの保有数である「かけら保有数」等の情報を管理する。
【0040】
詳しくは後述するが、すごろくゲームは、クエスト及びバトル等のメインゲームのプレイを介して獲得可能なマス数オブジェクト(移動用オブジェクト)を用いてプレイされる。すごろくゲームにおける通常のゲームフィールドには、プレイヤのコマが周回可能となるように、複数のマスが環状に配置されており、プレイヤ情報テーブル151の周回数には、これらの複数のマスによって形成される環状のルートのプレイヤのコマによる周回数が設定される。
【0041】
この例において、クリスタルは、様々な報酬と交換可能なアイテムである。また、ゴールドクリスタルは、後述する特別ゲームフィールドをプレイするためのアイテムである。
【0042】
図3は、この例において、保有オブジェクト管理テーブル153が管理する情報を例示する。この例における保有オブジェクト管理テーブル153は、各プレイヤが保有するマス数オブジェクトに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」、及び、マス数オブジェクトの種類を示す「オブジェクト種別」の組合せに対応付けて、「保有数」等の情報を管理する。
【0043】
この例において、マス数オブジェクトは、1~6の数値にそれぞれ対応する6つの種類を有しており、保有オブジェクト管理テーブル153のオブジェクト種別には、これらの6つの種類(つまり、1~6の数値)の何れかに対応する値が設定される。詳しくは後述するが、マス数オブジェクトの種類に対応する数値は、当該オブジェクトの使用に応じて、プレイヤのコマがゲームフィールド上を移動するマス数に対応する。
【0044】
図4は、この例において、保有アイテム管理テーブル155が管理する情報を例示する。この例における保有アイテム管理テーブル155は、各プレイヤが保有するアイテムに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」、及び、個別のアイテムを識別する「アイテムID」の組合せに対応付けて、「保有数」等の情報を管理する。保有アイテム管理テーブル155において管理されるアイテムは、上述したアイテム(クリスタル、ゴールドクリスタル、ゴールドクリスタルのかけら、及び、マス数オブジェクト等)以外の様々なアイテムを含み、上述したメインゲーム、すごろくゲーム以外の様々なサブゲーム、及び、他のサービス等で利用可能な様々なアイテムを含み得る。
【0045】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、サーバ10が実行する処理、及び、プレイヤ端末30において出力される画面等について説明する。
図5は、プレイヤ端末30において出力されるトップ画面50を例示する。当該画面50は、この例のゲームをプレイする際の起点となる画面であり、図示するように、ゲームの基本情報を表示する基本情報表示領域52と、クエストボタン54と、バトルボタン56と、すごろくゲームのプレイを指示するための画面要素であるすごろくイベントバナー58とを有する。基本情報表示領域52は、様々な情報を表示し、例えば、プレイヤに関連付けられた様々なパラメータの値を表示する。
【0046】
クエストボタン54が選択されると、クエストをプレイするための図示しない画面が出力され、プレイヤは、当該画面を介してクエストをプレイすることができる。クエストは、各々が複数のエリアを有する複数のステージによって構成され、所定条件(例えば、ボスキャラクタを倒すこと)の充足に応じて特定のステージをクリアすると、プレイヤに対して報酬が付与される。当該報酬は、マス数オブジェクトを含む。プレイヤに対して付与されるマス数オブジェクトの種類は、例えば、ランダムに決定される。
【0047】
バトルボタン56が選択されると、バトルをプレイするための図示しない画面が出力され、プレイヤは、当該画面を介してバトルをプレイすることができる。バトルは、敵キャラクタ(サーバ10によって操作されるキャラクタ(NPC)であってもよいし、他のプレイヤによって操作されるキャラクタであってもよい。)との間の同期型又は非同期型のバトルとして構成され、敵キャラクタを倒すことに応じて、プレイヤに対して報酬が付与される。当該報酬は、マス数オブジェクトを含む。プレイヤに対して付与されるマス数オブジェクトの種類は、例えば、ランダムに決定される。
【0048】
すごろくイベントバナー58は、すごろくゲームが提供されるイベントの開催期間において、トップ画面50に配置される。
図6は、当該バナー58の選択に応じて、トップ画面50に代えて出力されるイベントメイン画面60を例示する。当該画面60は、図示するように、対応するイベントに関する情報を表示するイベント情報表示領域62と、ゲームフィールドを表示するゲームフィールド表示領域64と、マス数オブジェクトの選択を受け付けるためのマス数オブジェクト選択領域66と、プレイヤが所持するゴールドクリスタルに関する情報を表示するゴールドクリスタル情報表示領域68と、周回数に関する情報を表示する周回数情報表示領域69とを有する。
【0049】
イベント情報表示領域62は、イベントに関する様々な情報を表示し、例えば、イベントの開催期間に関する情報を表示する。
【0050】
マス数オブジェクト選択領域66は、各々がマス数オブジェクトの個別の種類に対応する6つのマス数オブジェクトアイコン662が左右方向に並べて配置されている。各アイコン662には、マス数オブジェクトの種類に対応する数字(1~6の何れか)が付加されており、左側から右側へと順に、1~6に対応するアイコン662が並んでいる。各アイコン662の下側には、対応する種類のマス数オブジェクトのプレイヤによる所持数を表示する。マス数オブジェクトの種類別の所持数は、保有オブジェクト管理テーブル153において管理されている。
【0051】
ゴールドクリスタル情報表示領域68は、ゴールドクリスタルのかけらの所持数、及び、ゴールドクリスタルの所持数を表示し、その下側において、「ゴールドクリスタルを使う」というテキストが付加されたゴールドクリスタル使用ボタン682が配置されている。この例では、ゴールドクリスタルのかけらを6つ集めると、これらの6つのかけらが1つのゴールドクリスタルに自動的に変化する。
【0052】
周回数情報表示領域69は、対応するプレイヤのすごろくゲームにおける環状のルートの周回数、及び、全てのプレイヤの周回数の集計値(現在のユーザ全体の周回数)を表示する。
【0053】
図7は、ゲームフィールド表示領域64の詳細を例示する。当該領域64は、図示するように、複数のマスオブジェクト200が配置されたゲームフィールドを表示し、その下端部において、クリスタルの所持数が表示されていると共に、その右下隅において、ゲームフィールドの階数(
図7の例では「B1」)が表示されている。この例では、ゲームフィールドをクリアすると、1つ下の階のゲームフィールドへと進む(地下に降りる)。
【0054】
また、この例では、通常のゲームフィールドにおいては、複数のマスオブジェクト200が環状に配置されており、プレイヤのコマは、これらの複数のマスオブジェクト200によって形成される環状のルートを周回することができる。各ゲームフィールドのプレイを開始する初期状態では、プレイヤのコマは、複数のマスオブジェクト200のうち、「S」の文字が付加されているスタートのマスオブジェクト200(
図7の例では、左下隅のオブジェクト200)に位置する。プレイヤのコマが位置するオブジェクト200の外縁には、枠型の現在位置オブジェクト202が付加される。なお、当該オブジェクト202に代えて、又は、これに加えて、プレイヤのコマに対応するオブジェクト(キャラクタ等)を、当該コマが位置するマスオブジェクト200に配置するようにしてもよい。
【0055】
この例のすごろくゲームにおいて、プレイヤは、マス数オブジェクトを使用してコマを進めることができる。
図8は、プレイヤのコマが移動する際にサーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、マス数オブジェクトの選択を受け付ける(ステップS100)。マス数オブジェクトのプレイヤによる選択は、イベントメイン画面60のマス数オブジェクト選択領域66を介して行われる。
【0056】
図6のイベントメイン画面60に戻り、マス数オブジェクト選択領域66に配置されている6つのマス数オブジェクトアイコン662のうち、何れかのアイコン662が選択されると、当該画面60に代えて、
図9に例示する確認画面70が出力される。当該画面70は、図示するように、ゲームフィールドを表示するゲームフィールド表示領域72と、選択されているマス数オブジェクトに関する情報を表示する選択マス数オブジェクト情報表示領域74と、「3マス進む」というテキストが付加された移動確定ボタン76と、マス数オブジェクトの選択を取り消すためのキャンセルボタン78とを有する。移動確定ボタン76に付加されるテキストにおけるマス数(
図9の例では「3マス」)は、選択されているマス数オブジェクトの種類に応じて変化する。
【0057】
確認画面70のゲームフィールド表示領域72では、選択されているマス数オブジェクトに対応するマス数だけプレイヤのコマが移動した場合の移動先のマスオブジェクト200の表示態様が変化する。具体的には、
図9の例では、プレイヤのコマが位置するスタートのマスオブジェクト200から上方向に3マス移動した場合の移動先のマスオブジェクト200Aの背景色が変化している。プレイヤは、こうした背景色の変化によって、選択されているマス数オブジェクトを使用した場合の移動先のマスオブジェクト200を認識することができる。
【0058】
選択マス数オブジェクト情報表示領域74は、選択されているマス数オブジェクトの種類(つまり、移動するマス数)、及び、その使用前後のマス数オブジェクトの所持数の変化を表示する。移動確定ボタン76が選択されると、対応する種類のマス数オブジェクトの選択(つまり、その使用)が確定する。
【0059】
図8のフローチャートに戻り、マス数オブジェクトの選択を受け付けると、次に、サーバ10は、プレイヤのコマを、対応するマス数だけ移動させる(進める)と共に、使用したマス数オブジェクトの保有数を更新する(ステップS110、S120)。プレイヤのコマは、所定の方向に移動し、この例では、環状のルートを時計回りに移動する。また、保有数の更新では、具体的には、保有オブジェクト管理テーブル153において、対応するプレイヤ及びオブジェクト種別の組合せに対する保有数が更新(1減少)される。
【0060】
そして、サーバ10は、プレイヤのコマの移動先のマスオブジェクト200に設定されている効果を発生させる(ステップS130)。この例では、マスオブジェクト200には、以下の3種類の効果の何れかが設定されている。
(1)すごろくゲーム用のアイテムの付与
(2)メインゲーム用のアイテムの付与
(3)次のゲームフィールドへの移行
【0061】
図10は、「(1)すごろくゲーム用のアイテムの付与」の効果の発生(つまり、アイテムの付与)に応じて出力される第1通知画面80を例示する。当該画面80は、図示するように、プレイヤに対して付与されたアイテム(
図10の例では、20個のクリスタル)に関する情報を表示し、さらに、閉じるボタン82を有する。すごろくゲーム用のアイテムは、クリスタル、及び、ゴールドクリスタルのかけらを含む。これらのアイテムが付与されると、プレイヤ情報テーブル151のクリスタル保有数、又は、かけら保有数が更新される。さらに、ゴールドクリスタルのかけらの保有数が6個に到達すると、これらのかけらがゴールドクリスタルに変化する。具体的には、プレイヤ情報テーブル151のかけら保有数がクリアされると共に、ゴールドクリスタル保有数が更新(1加算)される。
【0062】
図11は、「(2)メインゲーム用のアイテムの付与」の効果の発生(つまり、アイテムの付与)に応じて出力される第2通知画面90を例示する。当該画面90は、図示するように、プレイヤに対して付与されたアイテム(
図11の例では、バトル用アイテム)に関する情報を表示し、さらに、「報酬ボックスへ」というテキストが付加された報酬ボックスボタン92と、閉じるボタン94とを有する。メインゲーム用のアイテムは、メインゲームにおいて用いられる報酬ボックスを介してプレイヤに対して付与される。報酬ボックスボタン92が選択されると、報酬ボックスに一時的に格納されている報酬を獲得するための図示しない画面が出力され、プレイヤは、当該画面を介して、こうした報酬を獲得することができる。アイテムの獲得に応じて、保有アイテム管理テーブル155において、プレイヤ及びアイテムの組合せに対する保有数が更新される。
【0063】
なお、ゲームフィールドにおいて、(1)の効果が設定されているマスオブジェクト200、及び、(2)の効果が設定されているマスオブジェクト200の外観(例えば、背景色)が相互に異なるようにしてもよい。
【0064】
「(3)次のゲームフィールドへの移行」の効果は、この例では、スタートのマスオブジェクト200に設定されている。プレイヤのコマがスタートのマスオブジェクト200に止まると、プレイ中のゲームフィールドを終了し(ゲームフィールドのクリアと言うこともできる。)、次のゲームフィールドへと移行する。なお、プレイヤは、スタートのマスオブジェクト200を通過して、環状のルートの2周目に入ることもできるが、この例では、一度効果が発生した(つまり、対応するアイテムをプレイヤが獲得した)マスオブジェクト200に再度止まっても、効果が発生しない(1つのマスオブジェクト200についての効果の発生は1回のみである)。プレイヤのコマがスタートのマスオブジェクト200に止まり、又は、当該オブジェクト200を通過すると、プレイヤの周回数が更新され、具体的には、プレイヤ情報テーブル151において、対応するプレイヤの周回数が更新(1加算)される。
【0065】
この例では、全てのプレイヤの周回数の集計値が所定値に到達すると、全てのプレイヤに対して、メインゲーム用のアイテムが付与される(各プレイヤの報酬ボックスに格納される)。
【0066】
また、この例では、プレイヤのコマがスタートのマスオブジェクト200を通過する場合、移動の確定前に、確認画面70において通知が行われる。
図12は、この場合の確認画面70を例示する。
図12のゲームフィールド表示領域72では、プレイヤのコマは、スタートのマスオブジェクト200の3マス手前のオブジェクト200(現在位置オブジェクト202が付加されている。)に位置しており、この位置から、選択されているマス数オブジェクトの種類に対応するマス数(4マス)移動すると、スタートのマスオブジェクト200を通過してしまう(移動先が、スタートのマスオブジェクト200の1つ上のオブジェクト200Aとなる)。この場合、図示するように、選択マス数オブジェクト情報表示領域74において、「スタートマスまで残り3マスですが4マスオブジェクトを使用しますか?」というテキストが表示され、つまり、スタートのマスオブジェクト200を通過してしまうことの通知が行われる。
【0067】
図6のイベントメイン画面60に戻り、ゴールドクリスタル情報表示領域68のゴールドクリスタル使用ボタン682は、ゴールドクリスタルを使用して特別ゲームフィールドをプレイするためのオブジェクトである。当該ボタン682が選択されると、通常のゲームフィールドから特別ゲームフィールドに移行し、ゲームフィールド表示領域64の表示が更新される。また、ゴールドクリスタル使用ボタン682が選択されると、ゴールドクリスタルが使用され、具体的には、プレイヤ情報テーブル151において、対応するプレイヤのゴールドクリスタル保有数が更新(1減少)される。
【0068】
図13は、特別ゲームフィールドが表示されているゲームフィールド表示領域64を例示する。この例の特別ゲームフィールドには、複数のマスオブジェクト200が、スタート(「S」の文字が付加されているオブジェクト200)からゴール(「G」の文字が付加されているオブジェクト200)までの1つの周回しないルートを形成するように配置される。
【0069】
特別ゲームフィールドをプレイする際にも、通常のゲームフィールドと同様に、プレイヤは、マス数オブジェクトを使用してコマを進め、コマの移動先のマスオブジェクト200に設定された効果が発生する。特別ゲームフィールドにおいて獲得可能なアイテムは、通常のゲームフィールドと比較して、プレイヤにとって有利となっており、例えば、獲得可能なアイテムの数量が多く、また、当該アイテムの価値が高い。また、特別ゲームフィールドでは、「(3)次のゲームフィールドへの移行」の効果は、ゴールのマスオブジェクト200に設定されており、ゴールのマスオブジェクト200に到達すると、マス数が余っていても、元の通常のゲームフィールドへと戻る。
【0070】
このように、この例では、プレイヤは、すごろくゲームが提供されるイベントの開催期間において、通常のゲームフィールドに加えて、特別ゲームフィールドのプレイを楽しむことができる。なお、すごろくゲームが、イベントの開催期間にかかわらず、常に提供されるようにしてもよい。
【0071】
上述した例では、通常のゲームフィールドにおいて、複数のマスオブジェクト200が環状に配置されているが、こうしたマスオブジェクト200の配置は例示であって、通常のゲームフィールドにおいても、特別ゲームフィールドと同様に、周回しないルートが形成されるように、複数のマスオブジェクト200を配置してもよい。また、分岐を有する複数のルートが形成されるように複数のマスオブジェクト200を配置してもよく、この場合、ルートの分岐点において、プレイヤのコマの進行方向を当該プレイヤが指定するようにしてもよい。
【0072】
以上説明した本実施形態に係るゲーム提供サーバ10では、第2ゲーム(例えば、すごろくゲーム)において、プレイヤが所持する複数の移動用オブジェクト(例えば、マス数オブジェクト)の中から特定された移動用オブジェクトに設定された数値に基づいてプレイヤオブジェクト(例えば、コマ)が複数のマスを移動し、当該移動用オブジェクトは、第1ゲーム(例えば、クエスト及びバトル等のメインゲーム)のプレイを介してプレイヤによって獲得されるから、プレイヤオブジェクトの移動量が単にランダムに決まる場合と比較して、プレイヤオブジェクトの移動に関する楽しみが向上している。つまり、ゲーム提供サーバ10は、複数のマスが配置されたゲームフィールドをプレイヤオブジェクトが移動するゲームにおける興趣を向上させる。
【0073】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるゲーム提供サーバ10が有する機能の一部又は全部は、ゲーム提供サーバ10及びプレイヤ端末30が協動することによって実現され、又は、プレイヤ端末30によって実現され得る。
【0074】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0075】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0076】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 ゲーム提供サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
113 ゲーム進行制御部
15 ストレージ
151 プレイヤ情報テーブル
153 保有オブジェクト管理テーブル
155 保有アイテム管理テーブル
30 プレイヤ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
50 トップ画面
60 イベントメイン画面
70 確認画面
80 第1通知画面
90 第2通知画面