(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145269
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像形成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20231003BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231003BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231003BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
B41J29/38 350
H04N1/00 002A
B41J29/38 301
G03G21/00 510
G03G15/00 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052641
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】宮森 慎也
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】杉 伸介
(72)【発明者】
【氏名】森 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 将司
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HJ08
2C061HK11
2C061HK19
2C061HK23
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
2C061HV26
2C061HV35
2H270KA54
2H270KA55
2H270LD03
2H270LD08
2H270MF01
2H270MF08
2H270PA58
2H270QA13
2H270QA31
2H270QA33
2H270QA34
2H270QA35
2H270QB01
2H270QB07
2H270RA01
2H270RA27
2H270RB05
2H270ZC04
2H270ZC08
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB33
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC09
5C062AC41
5C062AC56
5C062AC64
5C062AE03
5C062AE08
5C062AF01
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取る際の読み取り条件の変更や、診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにする。
【解決手段】画像形成装置100のモードが、日常診断モードにある場合と、故障診断モードにある場合とで、チャート用紙CPを読み取る際の読み取り条件を異ならせる。日常診断モードにある場合には、チャート用紙CPの読み取りを低解像度で行うようにする。一方、故障診断モードにある場合には、日常診断モードにある場合に比べて、チャート用紙CPの読み取りを高解像度で行うようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置であり、
記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって、前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、
記録媒体に形成された前記診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段と、
前記画像形成装置についての診断についてのモードに応じて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像の読み取りを行う際の条件である読み取り条件および当該読み取りにより得られた読み取り画像について行われる処理の処理条件の少なくとも一方を変更するプロセッサと、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置についての診断についての前記モードとして、第1のモードと、当該第1のモードよりも多くの情報を用いて診断を行う第2のモードとが設けられ、
前記プロセッサは、
前記診断についてのモードが、前記第1のモードおよび前記第2のモードの何れであるかに応じて、前記読み取り条件および前記処理条件の少なくとも一方を変更する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記診断についてのモードが前記第2のモードである場合、前記第1のモードである場合に比べて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像を読み取る際の解像度が高まるようにし、及び/又は、前記読み取り画像の圧縮が行われる際の圧縮率が小さくなるようにする、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記診断についてのモードが前記第1のモードである場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、
前記診断についてのモードが前記第2のモードである場合、前記読み取り画像の圧縮が行われないようにする、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置であり、
記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって、前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、
記録媒体上に形成された前記診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段と、
前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの状況に応じて、当該画像読み取り手段が当該診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更するプロセッサと、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、前記画像読み取り手段により当該診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間に応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記経過時間が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記経過時間が前記予め定められた閾値を超えている場合、超えていない場合に比べて、前記読み取り画像の圧縮率を小さくする、
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記経過時間が前記予め定められた閾値を超えていない場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、当該経過時間が当該予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り画像の圧縮が行われないようにする、
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの回数に応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記読み取り回数が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、
請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記読み取り回数が前記予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り回数が当該予め定められた閾値を超えていない場合に比べて、前記読み取り画像の圧縮率が小さくなるようにする、
請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記読み取り回数が前記予め定められた閾値を超えていない場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、当該読み取り回数が当該予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り画像の圧縮が行われないようにする、
請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項14】
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置の制御を行うコンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであって、
記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体に形成された当該診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段とを備える当該画像形成装置の制御を行う前記コンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであり、
前記画像形成装置についての診断についてのモードに応じて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像の読み取りを行う際の条件である読み取り条件および当該読み取りにより得られた読み取り画像について行われる処理の処理条件の少なくとも一方を変更する機能を実現させるためのプログラム。
【請求項15】
記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置の制御を行うコンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであって、
記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって当該画像形成手段の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体上に形成された当該診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段とを備える前記画像形成装置の制御を行う前記コンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムあり、
前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの状況に応じて、当該画像読み取り手段が当該診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更する機能を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、操作部が、出力画像評価の対象となる画像形成装置が有する機能の選択入力を受付け、制御部が、選択入力に基づいて、画像出力部によるテストパターンの出力を制御する処理が開示されている。
特許文献2には、不具合の診断のために印刷物の画像データをサーバ装置に送信する画像形成装置が開示されている。
特許文献3には、画像解析に必要な画質を満たした上で画像データサイズが最小となる設定を解析手法ごとに決定し、スキャン画像を編集した上で画像解析サーバへ送信する処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-9837号公報
【特許文献2】特開2020-198493号公報
【特許文献3】特開2015-118285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置についての診断にあたっては、例えば、予め定められた読み取り条件の下、診断用画像の読み取りが行われ、また、例えば、予め定められた処理条件の下、この読み取りにより得られた読み取り画像の処理が行われる。
ここで、読み取り条件や処理条件の変更を行えない構成であると、読み取り条件や処理条件が、画像形成装置についての診断時の状況に適さない事態が生じうる。
本発明の目的は、画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取る際の読み取り条件の変更や、診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置であり、記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって、前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体に形成された前記診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段と、前記画像形成装置についての診断についてのモードに応じて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像の読み取りを行う際の条件である読み取り条件および当該読み取りにより得られた読み取り画像について行われる処理の処理条件の少なくとも一方を変更するプロセッサと、を備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記画像形成装置についての診断についての前記モードとして、第1のモードと、当該第1のモードよりも多くの情報を用いて診断を行う第2のモードとが設けられ、前記プロセッサは、前記診断についてのモードが、前記第1のモードおよび前記第2のモードの何れであるかに応じて、前記読み取り条件および前記処理条件の少なくとも一方を変更する、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断についてのモードが前記第2のモードである場合、前記第1のモードである場合に比べて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像を読み取る際の解像度が高まるようにし、及び/又は、前記読み取り画像の圧縮が行われる際の圧縮率が小さくなるようにする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断についてのモードが前記第1のモードである場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、前記診断についてのモードが前記第2のモードである場合、前記読み取り画像の圧縮が行われないようにする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置であり、記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって、前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体上に形成された前記診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの状況に応じて、当該画像読み取り手段が当該診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更するプロセッサと、を備える画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記プロセッサは、前記診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、前記画像読み取り手段により当該診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間に応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記経過時間が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、請求項6に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記経過時間が前記予め定められた閾値を超えている場合、超えていない場合に比べて、前記読み取り画像の圧縮率を小さくする、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記経過時間が前記予め定められた閾値を超えていない場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、当該経過時間が当該予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り画像の圧縮が行われないようにする、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの回数に応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記読み取り回数が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、前記読み取り画像の前記処理条件を変更する、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記読み取り回数が前記予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り回数が当該予め定められた閾値を超えていない場合に比べて、前記読み取り画像の圧縮率が小さくなるようにする、請求項11に記載の画像形成装置である。
請求項13に記載の発明は、前記プロセッサは、前記読み取り回数が前記予め定められた閾値を超えていない場合、前記読み取り画像の圧縮が行われるようにし、当該読み取り回数が当該予め定められた閾値を超えている場合、当該読み取り画像の圧縮が行われないようにする、請求項11に記載の画像形成装置である。
請求項14に記載の発明は、記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置の制御を行うコンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであって、記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって前記画像形成装置の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体に形成された当該診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段とを備える当該画像形成装置の制御を行う前記コンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであり、前記画像形成装置についての診断についてのモードに応じて、前記画像読み取り手段が前記診断用画像の読み取りを行う際の条件である読み取り条件および当該読み取りにより得られた読み取り画像について行われる処理の処理条件の少なくとも一方を変更する機能を実現させるためのプログラムである。
請求項15に記載の発明は、記録媒体への画像の形成を行う画像形成装置の制御を行うコンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムであって、記録媒体への画像の形成を行う画像形成手段であって当該画像形成手段の診断に用いられる画像である診断用画像を形成可能な画像形成手段と、記録媒体上に形成された当該診断用画像の読み取りを行う画像読み取り手段とを備える前記画像形成装置の制御を行う前記コンピュータ装置に特定の機能を実現させるためのプログラムあり、前記画像読み取り手段による前記診断用画像の読み取りの状況に応じて、当該画像読み取り手段が当該診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更する機能を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取る際の読み取り条件の変更や、診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにすることができる。
請求項2の発明によれば、画像形成装置についての診断についてのモードが、第1のモード、この第1のモードよりも多くの情報を用いて診断を行う第2のモードの何れのモードにあるかに応じて、読み取り条件および処理条件の少なくとも一方を変更することができる。
請求項3の発明によれば、画像形成装置についての診断についてのモードが、多くの情報を用いて診断を行うモードである場合に、診断用画像を読み取る際の解像度を高めることができ、また、読み取り画像の圧縮率を小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、画像形成装置についての診断についてのモードが、多くの情報を用いて診断を行うモードである場合に、読み取り画像の圧縮が行われないようにすることができる。
請求項5の発明によれば、画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、この診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間に応じて、読み取り画像の処理条件を変更することができる。
請求項7の発明によれば、診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、この診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間が閾値よりも大きいか小さいかに応じて、読み取り画像の処理条件を変更することができる。
請求項8の発明によれば、診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、この診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間が予め定められた閾値を超える場合に、読み取り画像の圧縮率を低下させることができる。
請求項9の発明によれば、診断用画像が形成された記録媒体の生成が行われてから、この診断用画像の読み取りが行われるまでの経過時間が予め定められた閾値を超える場合に、読み取り画像の圧縮が行われないにようにすることができる。
請求項10の発明によれば、画像読み取り手段による診断用画像の読み取りの回数に応じて、読み取り画像の処理条件を変更することができる。
請求項11の発明によれば、画像読み取り手段による診断用画像の読み取りの回数が予め定められた閾値を超えるか否かに応じて、読み取り画像の処理条件を変更することができる。
請求項12の発明によれば、画像読み取り手段による診断用画像の読み取りの回数が予め定められた閾値を超える場合に、読み取り画像の圧縮率を低下させることができる。
請求項13の発明によれば、画像読み取り手段による診断用画像の読み取りの回数が予め定められた閾値を超える場合に、読み取り画像の圧縮が行われないようにすることができる。
請求項14の発明によれば、画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取る際の読み取り条件の変更や、診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにすることができる。
請求項15の発明によれば、画像形成装置についての診断時の状況に合わせて、画像形成装置が診断用画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件の変更を行えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】サーバ装置、画像形成装置に設けられた情報処理部のハードウェアの構成例を示した図である。
【
図5】画像形成装置のモード毎の送信処理について説明する図である。
【
図6】画像形成装置が参照する参照テーブルを示した図である。
【
図7】チャート用紙を生成した画像形成装置とは異なる画像形成装置にて、このチャート用紙を読み取る場合の処理例を示している。
【
図8】チャート用紙に形成されるコード画像に含まれる送信制御情報の他の具体例を示した図である。
【
図9】送信レベルと送信の許可/不許可との関係を示した図である。
【
図10】第2画像形成装置におけるチャート用紙の読み取り時の処理の詳細を説明する図である。
【
図11】サーバ装置が生成した上記の表示画面の一例を示した図である。
【
図13】(A)、(B)は、第2画像形成装置にて生成される自装置用用紙を示した図である。
【
図14】チャート画像データ、画像形成面データ、白紙面データの具体例を示した図である。
【
図15】チャート画像データ、画像形成面データ、白紙面データの他の具体例を示した図である。
【
図16】発生する筋と原因との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、情報処理システム1の一例を示した図である。
本実施形態の情報処理システム1では、複数台の画像形成装置100と、この複数台の画像形成装置100の各々に対して通信回線190を介して接続されるサーバ装置200とが設けられている。なお、
図1では、複数台の画像形成装置100のうちの1台の画像形成装置100を図示している。
【0009】
画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙への画像の形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成部100Aが設けられている。
画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、例えば、インクジェット方式や電子写真方式が用いられて行われる。なお、画像形成部100Aによる用紙への画像の形成は、インクジェット方式や電子写真方式に限らず、他の方式を用いて行ってもよい。
【0010】
本実施形態では、画像形成装置100において、画像形成部100Aの調整処理が行われる。また、本実施形態では、情報処理装置の一例であるサーバ装置200において、画像形成装置100の診断が行われる。
画像形成装置100は、情報処理部100Bを有し、この情報処理部100Bが、画像形成装置100について行われる、以下で説明する各種の処理を実行する。
【0011】
図2は、サーバ装置200、画像形成装置100に設けられた情報処理部100Bのハードウェアの構成例を示した図である。サーバ装置200、画像形成装置100に設けられた情報処理部100Bは、コンピュータにより実現される。
サーバ装置200、情報処理部100Bの各々は、プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、ファイル等が記録される2次記憶部12とを有する。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0012】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。
また、演算処理部11は、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cを備える。
また、演算処理部11は、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部等の各部を制御するインターフェース部11eを備える。
【0013】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成される。2次記憶部12には、ファイル等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が2次記憶部12等に記憶されたプログラムを読み込むことによって、各処理が実行される。
【0014】
CPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバ装置200、情報処理部100Bへ提供してもよい。
【0015】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0016】
以下で説明する処理のうち、画像形成装置100が行う処理は、画像形成装置100に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
また、以下で説明する処理のうち、サーバ装置200が行う処理は、サーバ装置200に設けられたプロセッサの一例としてのCPU11aが行う。
【0017】
図3は、画像形成装置100を説明する図である。
本実施形態では、上記の通り、画像形成装置100には、記録媒体の一例である用紙Pへの画像の形成を行う画像形成部100Aが設けられている。
本実施形態では、用紙Pが画像形成部100Aを通過する際、用紙Pの一方の面が画像形成部100Aを向いた状態で、用紙Pがこの画像形成部100Aを通過する。
この際、用紙Pの他方の面は、画像形成部100Aとは反対側を向いており、この他方の面は、画像形成部100Aによる影響を受けない。
本実施形態では、仮に画像形成部100Aに不具合があったとしても、インクやトナーが、この他方の面には付着しない。
【0018】
また、画像形成装置100には、用紙Pなどの記録媒体に形成された画像を読み取る画像読み取り手段の一例としての画像読み取り装置130が設けられている。
この画像読み取り装置130は、用紙Pの搬送機能を有するいわゆるスキャナである。画像読み取り装置130には、用紙Pに照射される光を出射する光源や、この用紙Pからの反射光を受光するCCDなどの受光部を備える。本実施形態では、この受光部にて受光された反射光に基づき、後述する読み取り画像データが生成される。
画像読み取り装置130には、画像の読み取り位置が予め設定されており、画像読み取り装置130は、順に搬送される用紙Pのうちのこの読み取り位置に位置する部分の画像の読み取りを行う。
【0019】
図3に示す例では、画像形成装置100の上部に、画像読み取り装置130が設けられている。画像読み取り装置130は、ユーザによってセットされた用紙Pの読み取りを順に行う。
なお、画像読み取り装置130の設置態様は、これに限らず、画像読み取り装置130は、画像形成装置100の内部に且つ用紙Pの搬送経路上に設けてもよい。
この場合は、画像形成部100Aにより画像が形成された用紙Pが、この画像読み取り装置130を順に通過し、この通過の際に、用紙Pの各々の画像が順に読み取られる。
【0020】
また、本実施形態では、画像読み取り装置130に、用紙Pの反転機構が設けられており、画像の読み取り位置に対し、表裏を反転させた後の用紙Pの供給を行えるようになっている。
これにより、本実施形態では、一方の面に形成された画像が読み取られた用紙Pを、反対させて、再度、読み取り位置へ供給可能となっており、これにより、用紙Pの表面および裏面の画像の読み取りを行える。
【0021】
さらに、画像形成装置100の各々には、ユーザから操作を受け付ける操作受付部132が設けられている。この操作受付部132は、いわゆるタッチパネルにより構成されている。操作受付部132では、ユーザへの情報の表示が行われるとともに、ユーザが行う操作を受け付ける。
なお、ユーザへの情報の表示と、ユーザの操作の受け付けを、本実施形態のように、1つの操作受付部132で行うのに限らず、操作受付部と情報表示部とを個別に設けてもよい。
【0022】
画像形成装置100の各々は、画像形成部100Aの調整を行う調整機能を備える。また、画像形成装置100の各々は、サーバ装置200へ情報を送信する情報送信機能を有する。
本実施形態では、画像形成部100Aの調整の際には、まず、画像形成部100Aを動作させて、用紙Pへのチャート画像の形成を行う。
【0023】
これにより、
図1の符号1Aで示すように、診断用画像の一例であるチャート画像(
図1では不図示)が形成された用紙Pであるチャート用紙CPが生成される。
チャート画像は、画像形成部100Aの調整や診断に用いられる画像であり、本実施形態では、この調整や診断に用いられるチャート画像が形成された用紙Pであるチャート用紙CPが生成される。
【0024】
チャート用紙CPが生成されると、
図1の符号1Bで示すように、画像読み取り装置130が用いられて、このチャート用紙CP上のチャート画像の読み取りが行われる。
これにより、チャート用紙CPを読み取ることにより得られた読み取り画像データが生成される。
そして、画像形成装置100は、この読み取り画像データを用いて、画像形成部100Aの調整を行う。具体的には、画像形成装置100は、この読み取り画像データの解析を行って、画像形成部100Aの調整を行う。
言い換えると、画像形成装置100は、チャート画像を画像読み取り装置130が読み取ることにより得られた読み取り結果に基づき、画像形成部100Aの調整を行う。
【0025】
具体的には、読み取り画像データの解析の結果を基に、必要に応じ、画像形成部100Aに関して設定されている設定値の変更を行う。言い換えると、画像形成装置100は、読み取り画像データの解析の結果を基に、必要に応じ、画像形成に関する設定値について、新たな設定値を設定する。
これにより、画像形成装置100では、画像形成部100Aの調整が行われ、これにより、形成される画像の質が向上する。
【0026】
さらに、本実施形態では、画像形成部100Aの調整の際に得られるこの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信されて、サーバ装置200に格納される。
サーバ装置200は、この読み取り画像データを基に、画像形成装置100の診断を行う。
また、画像形成装置100の保守を行う保守者が、サーバ装置200にアクセスし、このサーバ装置200に格納されている読み取り画像データや、サーバ装置200による診断の結果を参照し、画像形成装置100についての診断を行う。
【0027】
画像形成装置100の各々では、このように、チャート用紙CPの生成が行われ、また、チャート用紙CPの読み取りが行われて、画像形成部100Aについての調整が行われる。
より具体的には、画像形成装置100の各々では、例えば、毎日など、予め定められた特定の期間毎に、上記のチャート用紙CPの生成、チャート用紙CPの読み取りが行われて、画像形成部100Aについての調整が行われる。
以下、本明細書では、日常的に行われる画像形成装置100のこの調整を、「日常調整」と称する。
【0028】
また、本実施形態では、この日常調整の際に、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。そして、上記の通り、本実施形態では、サーバ装置200や保守者による、画像形成装置100についての診断が行われる。
以下、本明細書では、日常調整の際に併せて行われる、画像形成装置100のこの診断を、「日常診断」と称する。
本実施形態では、日常調整が行われる際に画像形成部100Aが用紙Pに形成するチャート画像についての読み取り結果が、外部装置の一例であるサーバ装置200へ出力される。そして、サーバ装置200や保守者によって、画像形成装置100についての診断が行われる。
【0029】
本実施形態では、日常調整のために、チャート用紙CPの読み取りが行われると、この読み取りにより得られた読み取り画像データは、日常調整のためだけではなく、日常診断にも用いられる。
これにより、本実施形態では、ユーザが特に意識しないでも、日常診断が行われることになる。言い換えると、本実施形態では、ユーザが、日常調整のための作業を行っていると考えていたとしても、実際には、この日常調整に加え日常診断も行われる。
【0030】
ここで、サーバ装置200への読み取り画像データの送信にあたっては、読み取り画像データの全てを送信せずに、日常診断に必要な読み取り画像データのみが送信されるようにしてもよい。
言い換えると、画像形成装置100にて生成されたチャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信せずに、日常診断に必要なチャート用紙CPの読み取り画像データのみを、サーバ装置200へ送信してもよい。
【0031】
本実施形態では、後述するように、日常調整のみに用いられるチャート用紙CP(以下、「調整専用チャート用紙CP」と称する)と、日常診断のみに用いられるチャート用紙CP(以下、「診断専用チャート用紙CP」と称する)と、日常調整および日常診断の両者に用いられるチャート用紙CP(以下、「兼用チャート用紙CP」と称する)とが存在する。
画像形成装置100の各々は、サーバ装置200に対し、兼用チャート用紙CPの読み取り画像データ、診断専用チャート用紙CPの読み取り画像データのみを送信してもよい。
【0032】
また、その他に、日常調整のためのチャート用紙CPと、日常診断のためのチャート用紙CPとが同じである場合もあり、この場合、画像形成装置100は、チャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
言い換えると、この場合は、全てのチャート用紙CPが、兼用チャート用紙CPとなり、この場合、画像形成装置100は、この兼用チャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
【0033】
画像形成装置100の各々は、サーバ装置200への読み取り画像データの送信にあたり、画像の読み取りが行われたチャート用紙CPの各々について、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れに該当するチャート用紙CPであるかを判断する。
そして、画像形成装置100は、チャート用紙CPが、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れかである場合には、このチャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
【0034】
一方、画像形成装置100は、チャート用紙CPが、調整専用チャート用紙CPである場合には、このチャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信しない。
本実施形態のように、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データを、サーバ装置200へ送信しない場合、サーバ装置200へ送信される読み取り画像データの削減を図れる。
【0035】
画像形成装置100は、チャート用紙CPの生成の際、
図1の符号1Dで示すように、チャート用紙CPの各々に、コード画像KGを形成する。
画像形成装置100は、サーバ装置200への送信対象であるチャート用紙CPであるか否かの判断を、例えば、チャート用紙CPの各々に形成されるこのコード画像KGに含まれる情報に基づき行う。
【0036】
「コード画像KG」は、情報を符号化した画像である。コード画像KGとしては、例えば、二次元バーコードや一次元バーコードが挙げられる。
なお、チャート用紙CPへの情報の付与は、コード画像KGを用いるのに限らず、テキスト化された情報を用紙Pに付してもよい。
また、その他に、例えば、RFIDタグなどの情報記憶媒体に情報を格納し、この情報記憶媒体をチャート用紙CPに付してもよい。
【0037】
本実施形態では、用紙Pへのチャート画像の形成の際に、この用紙Pに対し、コード画像KGも併せて形成される。本実施形態では、チャート画像と共に用紙Pに形成されるこのコード画像KGに、チャート用紙CPの種別についての情報を含めるようにする。
そして、画像形成装置100は、チャート用紙CPの読み取りを行うと、コード画像KGに含まれる、この種別についての情報に基づき、チャート用紙CPの各々が、サーバ装置200への送信の対象であるチャート用紙CPであるか否かを判断する。
【0038】
具体的には、本実施形態では、コード画像KGに、種別についての情報として、例えば、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れに該当するかの情報を含めるようにする。
そして、画像形成装置100は、読み取りを行ったチャート用紙CPに形成されたコード画像KGに含まれる情報が、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPであることを示す情報である場合、このチャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
また、画像形成装置100は、コード画像KGに含まれる情報が、調整専用チャート用紙CPであることを示す情報である場合、このコード画像KGが付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについてはサーバ装置200へ送信しない。
【0039】
なお、チャート用紙CPが、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れに該当するかの判断は、画像形成装置100におけるチャート用紙CPの搬送順に基づき行ってもよい。言い換えると、チャート用紙CPについての種別の判断は、コード画像KGに含まれる情報に基づかずに行ってもよい。
本実施形態では、上記の通り、画像読み取り装置130が、画像形成装置100の内部に設置され且つ用紙Pの搬送経路上に設置される場合がある。
【0040】
この場合、画像形成装置100は、画像読み取り装置130へ順に搬送されるチャート用紙CPの順番に基づき、得られる読み取り画像データが、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れのチャート用紙CPに対応する読み取り画像データであるかを判断する。
この場合、画像形成装置100は、まず、チャート用紙CPについての印刷ジョブの情報を基に、チャート用紙CPの各々について、チャート用紙CPの搬送順と、搬送されるチャート用紙CPの種別とを把握する。
【0041】
そして、画像形成装置100は、画像読み取り装置130へ順に搬送されるチャート用紙CPの順番に基づき、順に得られる読み取り画像データが、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れのチャート用紙CPに対応する読み取り画像データであるかを判断する。
そして、画像形成装置100は、この場合も、順に得られる読み取り画像データのうち、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPに対応する読み取り画像データを、サーバ装置200へ送信する。
【0042】
〔許可による送信〕
また、その他に、画像形成装置100(
図1参照)は、ユーザの許可がある場合に、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行うようにしてもよい。
言い換えると、画像形成装置100は、ユーザの許可がある場合に、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPについての読み取り結果を、外部装置の一例であるサーバ装置200へ出力するようにしてもよい。
具体的には、この処理を行う場合は、ユーザが、予め、画像形成装置100に対し、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の有無についての設定を行っておく。
【0043】
そして、画像形成装置100は、送信を許可する設定がなされている場合、診断専用チャート用紙CPや兼用チャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
一方、画像形成装置100は、送信を許可する設定がなされていない場合、サーバ装置200への読み取り画像データの送信は行わない。
なお、本実施形態では、ユーザは、操作受付部132に対する操作を行うことで、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の有無の設定を行う。
【0044】
また、その他に、画像形成装置100は、送信を許可する上記の設定がなされていない場合、診断専用チャート用紙CPの生成を行わないようにしてもよい。
言い換えると、ユーザによる設定が、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行わない設定となっている場合、画像形成装置100は、診断専用チャート用紙CPの生成を行わないようにしてもよい。
【0045】
また、その他に、送信を許可する設定がなされていない場合、チャート用紙CPに形成されるチャート画像を変更し、日常診断のためだけに用いるチャート画像が形成されないようにしてもよい。
上記では、用紙P毎に、各用紙Pを、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れかとしたが、1枚の用紙Pに、日常調整のためのチャート画像と、日常診断のためのチャート画像とを形成してもよい。
この場合において、送信を許可する設定がなされていない場合には、日常診断のためのチャート画像が形成されないようにしてもよい。この場合、チャート用紙CPには、日常調整のためのチャート画像のみが形成される。
【0046】
また、その他に、画像形成装置100とサーバ装置200との通信を行えないなど、サーバ装置200への読み取り画像データの送信が行えない場合にも、診断専用チャート用紙CPが生成されないようにしたり、日常診断のためのチャート画像が形成されないようにしたりしてもよい。
【0047】
〔ユーザへの通知処理〕
また、その他に、サーバ装置200への読み取り画像データの送信が行われることを示す情報の通知が、ユーザに対して行われるようにしてもよい。
ユーザが、チャート用紙CPの読み取りを行う場合、このユーザは、日常調整を行っていると考え、サーバ装置200への読み取り画像データの送信が行われていることをこのユーザが知らない場合も想定される。
【0048】
読み取り画像データの送信が行われることを示す情報の通知が、ユーザに対して行われるようにすることで、ユーザに対し、画像形成装置100の外部への読み取り画像データの送信が行われていることの通知を行える。
ここで、この通知は、例えば、タッチパネルにより構成された上記の操作受付部132にて行うようにする。
【0049】
また、その他に、ユーザへの通知は、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の対象となるチャート用紙CPに対し、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されることを示す情報を付すことで行ってもよい。
言い換えると、ユーザへの通知は、日常調整が行われる際に画像形成部100Aがチャート画像を形成する用紙Pに対して、この用紙Pに形成された画像の読み取り結果が外部へ出力されることを示す情報を含む画像を形成することで行ってもよい。
【0050】
より具体的には、この場合は、例えば、診断専用チャート用紙CPや、兼用チャート用紙CPを生成する際に、画像形成部100Aを用い、これらのチャート用紙CPに対し、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されることを示す情報を付す。
この「送信されることを示す情報」は、イラストなどの画像として付してもよいし、「スキャン画像が送信されます」などの文字情報として付してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、
図1の符号1Gで示すように、チャート用紙CPの各々に、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100を識別するための情報である装置識別情報を付す。この装置識別情報としては、例えば、機種情報や、シリアル情報が挙げられる。
本実施形態では、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに格納される情報に、この装置識別情報が含まれるようにする。
【0052】
これにより、サーバ装置200へ、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100についての情報の通知を行える。言い換えると、この場合、サーバ装置200へ、日常診断の対象となっている画像形成装置100についての情報の通知を行える。
また、本実施形態では、
図1の符号1Hで示すように、コード画像KGに格納される情報に、セキュリティコードや、制御用情報の一例としての送信制御情報が含まれるようにする。セキュリティコードや、送信制御情報の詳細については後述する。
本実施形態では、付加手段の一部として機能する画像形成部100Aによって、チャート用紙CPに対して、装置識別情報、セキュリティコード、送信制御情報が付加される。
【0053】
〔チャート用紙CP〕
図4は、チャート用紙CPを説明する図である。
本実施形態では、日常調整時に、画像形成装置100にて、
図4に示す4枚のチャート用紙CPが生成され、次いで、画像形成装置100にて、この4枚のチャート用紙CPの読み取りが行われる。
この4枚のチャート用紙Pの各々には、診断用画像の一例としてのチャート画像が形成されている。
【0054】
本実施形態では、「階調調整用」、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」、「バンディング・濃度診断用」の4枚のチャート用紙CPが生成される。
次いで、ユーザによって、この4枚のチャート用紙CPが、画像読み取り装置130(
図1参照)にセットされる。又は、この4枚のチャート用紙CPが、画像形成装置100の内部に設けられた画像読み取り装置130を順に通過する。これにより、この4枚のチャート用紙CPの読み取りが行われる。
【0055】
日常調整には、「階調調整用」、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」の3枚のチャート用紙CPが用いられ、この3枚のチャート用紙CPの読み取り画像データが用いられて、画像形成部100Aの調整が行われる。
また、日常診断には、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」、「バンディング・濃度診断用」の3枚のチャート用紙CPが用いられ、この3枚のチャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。そして、サーバ装置200では、画像形成装置100の診断が行われる。
【0056】
「バンディング・濃度診断用」のチャート用紙CPは、日常調整には不要なチャート用紙CPであるが、日常診断に必要なため、日常調整におけるチャート用紙CPの生成時に、この「バンディング・濃度診断用」のチャート用紙CPも含めて、チャート用紙CPを生成する。
【0057】
この例では、「階調調整用」のチャート用紙CPが、調整専用チャート用紙CPに該当する。
また、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」のチャート用紙CPは、兼用チャート用紙CPに該当する。
また、「バンディング・濃度診断用」のチャート用紙CPは、診断専用チャート用紙CPに該当する。
【0058】
〔コード情報に格納される情報〕
本実施形態では、上記の通り、また、
図1に示すように、チャート用紙CPに、チャート画像(
図1では不図示)に加え、コード画像KGも形成される。
本実施形態では、このコード画像KGには、装置識別情報、セキュリティコード、送信制御情報が含まれる。
【0059】
装置識別情報は、上記の通り、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100を識別するための情報である。
また、セキュリティコードは、チャート用紙CPの読み取り画像データのサーバ装置200への送信を許可するために用いられる情報である。なお、このセキュリティコードは、必須でなく、チャート用紙CPに付される情報には、このセキュリティコードを含めないようにしてもよい。
また、送信制御情報は、チャート用紙CPの読み取り画像データのサーバ装置200への送信の制御に用いられる情報である。
【0060】
本実施形態では、画像形成部100Aによりチャート画像が形成されたチャート用紙CPが、画像形成装置100や、後述する第2画像形成装置102により読み取られ、これらの画像形成装置100にて、チャート用紙CPについての読み取り結果が取得される。
その後、これらの画像形成装置100から、この読み取り結果が出力されるが、読み取り結果のこの出力に、送信制御情報が用いられる。
【0061】
本実施形態では、送信制御情報として、チャート用紙CPの各々が、調整専用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの何れのチャート用紙CPに該当するかを示す情報が、チャート用紙CPに付される。
言い換えると、本実施形態では、送信制御情報として、チャート用紙CPの種別についての情報が、チャート用紙CPに付される。
【0062】
本実施形態では、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPであることを示す情報が、送信制御情報としてコード画像KGに含まれている場合、このコード画像KGが付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信される。
また、本実施形態では、調整専用チャート用紙CPであることを示す情報が、送信制御情報としてコード画像KGに含まれている場合、このコード画像KGが付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、サーバ装置200へ送信されない。
【0063】
ここで、チャート用紙CPの種別について情報は、送信レベルを示す情報とも言える。
本実施形態では、送信レベルを示す情報として、「送信レベル1」、「送信レベル2」という2つの情報が含まれる。
本実施形態では、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPであることを示す情報は、「送信レベル2」に該当する情報であり、調整専用チャート用紙CPであることを示す情報は、「送信レベル1」に該当する情報である。
【0064】
本実施形態では、上記の通り、日常調整の際、サーバ装置200へ、診断専用チャート用紙CP、兼用チャート用紙CPの読み取り画像データは送信され、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データは送信されない。
これは、日常調整の際、サーバ装置200へ、送信レベル2が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは送信され、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは送信されないことを示す。
ここで、チャート用紙CPの種別について情報は、画像形成装置100からの読み取り画像データの出力の制御に用いられ、画像形成装置100からの読み取り画像データの出力の制御に用いられる制御用情報とも言える。
【0065】
本実施形態では、チャート用紙CPの各々に、送信レベルを示す情報が付されており、画像形成装置100は、この送信レベルを示す情報に基づき、チャート用紙CPの読み取り画像データの送信の有無を判断する。
本実施形態では、画像形成装置100は、上記の通り、送信レベル2が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについてはサーバ装置200へ送信する。
また、画像形成装置100は、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについてはサーバ装置200への送信を行わない。
【0066】
〔画像形成装置100のモード毎の送信処理〕
図5は、画像形成装置100のモード毎の送信処理について説明する図である。
上記では、日常診断モード下における読み取り画像データの送信処理について説明した。
日常診断モード下における読み取り画像データの送信処理では、上記の通り、サーバ装置200へ、送信レベル2が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは送信され、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは送信されない。
この場合、調整に用いられ診断には用いられないチャート画像の読み取り結果については、サーバ装置200へ出力されない。
【0067】
上記では説明を省略したが、本実施形態では、日常診断モードの他に、故障診断モードも存在し、この故障診断モード下においても、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
本実施形態では、画像形成装置100のモードの切り替えを行えるようになっている。
本実施形態では、ユーザによるモードの切り替えに応じて、画像形成装置100のモードが、第1のモードの一例としての日常診断モード、第2のモードの一例としての故障診断モードの何れかのモードとなる。
【0068】
具体的には、本実施形態では、例えば、ユーザが操作受付部132に対する操作を行うことで、画像形成装置100のモードの切り替えを行えるようになっている。
本実施形態では、この切り替えに応じて、画像形成装置100のモードが、日常診断モード、故障診断モードの何れかとなる。
【0069】
「故障診断モード」とは、画像形成装置100に生じている故障の診断を行うモードである。
故障診断モードは、画像形成装置100の状態を、日常診断モードよりも精査に診断するモードである。
サーバ装置200(
図1参照)は、故障診断モードとされた画像形成装置100については、日常診断モードにある画像形成装置100の診断の際に用いる情報よりも多くの情報を用いて診断を行う。
【0070】
故障診断モードでは、日常診断モードよりも多くの読み取り結果が用いられて画像形成装置100についての診断が行われる。言い換えると、故障診断モードでは、日常診断モードにて用いられる、チャート画像の読み取り結果よりも多い読み取り結果が用いられて、画像形成装置100についての診断が行われる。
なお、この故障診断モードにおいては、上記の調整処理は行われずに、読み取り画像データのサーバ装置200への送信処理のみが行われる。
【0071】
本実施形態では、画像形成装置100のモードが、故障診断モードへ切り替わると、画像形成装置100からサーバ装置200への読み取り画像データの送信の対象となるチャート用紙CPが変化する。
言い換えると、本実施形態では、画像形成装置100のモードが、故障診断モードへ切り替わると、画像形成装置100からサーバ装置200へ送信される読み取り画像データが変化する。
【0072】
画像形成装置100は、自身のモードについての情報と、送信制御情報に含まれる送信レベルについての情報とに基づき、読み取り画像データの各々について、サーバ装置200への送信の有無を判断する。
言い換えると、画像形成装置100は、自装置情報の一例としての自身のモードについての情報と、チャート用紙CPの各々に付された、送信レベルについての情報とに基づき、チャート画像の読み取りにより得られた読み取り結果の出力についての制御を行う。
言い換えると、画像形成装置100は、自装置についての情報である自装置情報と、チャート用紙CPに形成されたチャート画像の種別について情報とに基づき、チャート画像の読み取りにより得られた読み取り結果の出力についての制御を行う。
【0073】
画像形成装置100の各々は、自身のモードが、故障診断モードである場合、
図5の符号5Aで示すように、上記の4枚のチャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
この場合、画像形成装置100は、「送信レベル1」が付されたチャート用紙CPである、調整専用チャート用紙CPについても、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
【0074】
ここで、「送信レベル1」は、読み取り画像データの出力の制御に用いられる制御用情報の一例である。
本実施形態では、この「送信レベル1」のように、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100のモードに応じてこの画像形成装置100からの読み取り画像データの出力が異なるようになる制御用情報が予め設定されている。
そして、本実施形態では、予め設定されたこの制御用情報が、チャート用紙CPに対して付加されている。
【0075】
より具体的には、本実施形態では、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100のモードが特定のモードの一例である故障診断モードである場合には読み取り結果が出力されるようになりこの故障診断モードではない場合には読み取り結果の出力が行われないようになる制御用情報が、「階調調整用」のチャート用紙CPに付加されている。
この場合、画像形成装置100は、自身が故障診断モードにある場合、「階調調整用」のチャート用紙CPの読み取り画像データについても、サーバ装置200へ送信する。
【0076】
本実施形態では、画像形成装置100のモードが、故障診断モードであり、より多くの情報がサーバ装置200へ送られた方が良い状況下においては、調整専用チャート用紙CPも含め、4枚のチャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
一方、本実施形態では、画像形成装置100のモードが、日常診断モードである場合は、上記の通り、また、
図5の符号5Bで示すように、送信レベル1が付されたチャート用紙CPである、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信されない。
【0077】
本実施形態では、チャート用紙CPの種別が、特定の種別の一例である送信レベル1であり、画像形成装置100のモードが、日常診断モードである場合、このチャート用紙CPの読み取り結果の出力は行われない。
この場合は、チャート用紙CPについての全ての読み取り結果のうちの一部の読み取り結果が、サーバ装置200へ出力される。
具体的には、この場合、全ての読み取り結果のうちの、画像形成装置100の診断に用いられる読み取り結果が、サーバ装置200へ出力される。
より具体的には、この場合、全ての読み取り結果のうち、送信レベル2が付されたチャート用紙CPである、兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CPの読み取り結果が、サーバ装置200へ送信される。
【0078】
その一方で、本実施形態では、予め定められた条件が満たされている場合には、この一部の読み取り結果以外の他の読み取り結果についても、サーバ装置200へ送信される。
具体的には、本実施形態では、画像形成装置100についてのモードが、上記の通り、特定のモードの一例である故障診断モードである場合に、他の読み取り結果についても、サーバ装置200へ出力される。
より具体的には、本実施形態では、画像形成装置100のモードが、日常診断モードよりも多くの情報が用いられて画像形成装置100についての診断が行われる故障診断モードである場合に、調整専用チャート用紙CPについての読み取り結果についても、サーバ装置200へ出力される。
【0079】
本実施形態では、画像形成装置100に設けられた画像形成部100Aは、この画像形成部100Aについての調整が行われる際、この調整に用いられる画像であるチャート画像を形成するとともに、この調整には用いられずに診断に用いられるチャート画像を用紙P上に形成する。
本実施形態では、画像形成装置100のモードが何れのモードにあっても、少なくとも、画像形成装置100の調整には用いられずに画像形成装置100の診断に用いられるチャート画像の読み取り結果が、サーバ装置200へ出力される。
【0080】
本実施形態では、画像形成装置100のモードが、日常診断モードである場合は、上記の通り、サーバ装置200へ、兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CPの読み取り画像データは送信されるが、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データは送信されない。
その一方で、画像形成装置100のモードが、故障診断モードとなると、上記の通り、サーバ装置200へ、兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CP、調整専用チャート用紙CPの全てについて、読み取り画像データが送信される。
【0081】
本実施形態では、サーバ装置200への読み取り画像データの送信が行われるチャート用紙CPのコード画像KGには、
図1に示したように、この送信を許可すること示すセキュリティコードが含まれている。
本実施形態では、画像形成装置100の各々は、セキュリティコードの有無についても判断し、コード画像KG自体が無い用紙Pや、コード画像KGから取得したセキュリティコードが予め登録されたセキュリティコードでない場合、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行わない。
本実施形態では、セキュリティコードは、送信対象であるチャート用紙CPであるか否かを識別するための情報と言える。
【0082】
本実施形態では、日常診断モード、故障診断モードのそれぞれのモード下において、セキュリティコードと、送信制御情報とに基づき、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の制御を行う。
ここで、日常診断や故障診断の際に、日常診断や故障診断とは関係がない用紙Pが、チャート用紙CPとともに読み取られることも想定される。
この場合、日常診断や故障診断とは関係のない用紙Pには、予め登録されたセキュリティコードが付されていないため、日常調整や故障診断とは関係のないこの用紙Pについては、サーバ装置200への読み取り画像データの送信は行われない。
【0083】
ここで、コード画像KGに含まれている情報が、セキュリティコードのみである場合、読み取り画像データを送信する、あるいは、しないの2つの処理しか行えない。
これに対し、本実施形態のように、コード画像KGに送信制御情報も含まれると、上記の通り、例えば、画像形成装置100のモードに応じて、サーバ装置200へ送信される読み取り画像データの変更を行える。
【0084】
本実施形態では、日常診断モードにおいては、一部のチャート用紙CPである「階調調整用」のチャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信されない。
これに対し、本実施形態では、モードの切り替えが行われて、画像形成装置100のモードが、故障診断モードとなると、この一部のチャート用紙CPについての読み取り画像データも、サーバ装置200へ送信される。
【0085】
本実施形態では、画像形成部100Aは、画像形成装置100の日常診断が行われる際とは異なる際にも、画像形成装置100の診断に用いられる画像を用紙Pに形成する。より具体的には、画像形成部100Aは、日常診断が行われる際とは異なる際にも、画像形成装置100の診断に用いられるチャート画像を用紙Pに形成する。
より具体的には、画像形成部100Aは、画像形成装置100のモードが、故障診断モードにある際にも、ユーザ等からの指示に応じ、画像形成装置100の診断に用いられるチャート画像を用紙Pに形成し、チャート用紙CPを生成する。
本実施形態では、故障診断モードにある際にも、画像形成部100Aは、上記の4枚のチャート用紙CPを生成する。
【0086】
本実施形態では、日常診断が行われる際に画像形成部100Aが形成するチャート画像についての読み取り結果のうちのサーバ装置200へ出力される読み取り結果と、上記の異なる際に画像形成部100Aが形成するチャート画像についての読み取り結果のうちのサーバ装置200へ出力される読み取り結果とが異なるようになる。
【0087】
本実施形態では、日常診断が行われる際に画像形成部100Aが形成するチャート画像についての読み取り結果のうちのサーバ装置200へ出力される読み取り結果は、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」、「バンディング・濃度診断用」の3枚のチャート用紙CPの読み取り画像データである。
これに対し、上記の異なる際に画像形成部100Aが形成するチャート画像についての読み取り結果のうちのサーバ装置200へ出力される読み取り結果は、「階調調整用」、「ムラ調整用/筋診断用その1」、「ムラ調整用/筋診断用その2」、「バンディング・濃度診断用」の4枚のチャート用紙CPの読み取り画像データである。
【0088】
本実施形態では、上記の異なる際である、故障診断が行われる際には、日常診断が行われる際よりも多くの読み取り結果が用いられて画像形成装置100についての診断が行われる。
このため、本実施形態では、この異なる際には、日常診断が行われる際にサーバ装置200へ出力される読み取り結果よりも多い読み取り結果が、このサーバ装置200へ出力される。
【0089】
本実施形態では、日常調整の際に生成されたチャート用紙CPをユーザが参照することで、ユーザが画像形成装置100の不具合に気付く場合があり、この場合、ユーザが、手動で、画像形成装置100のモードを、故障診断モードとする場合がある。
この場合、本実施形態では、上記の一部のチャート用紙CPである、「階調調整用」のチャート用紙CPについても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される状態となる。
この場合、ユーザが、上記の4枚のチャート用紙CPを画像読み取り装置130に再びセットして読み取りを行うと、上記の一部のチャート用紙CPである、「階調調整用」のチャート用紙CPの読み取り画像データについても、サーバ装置200へ送信される。
【0090】
本実施形態では、日常調整が行われる際、画像形成部100Aについての調整が行われるともに、日常診断のために、サーバ装置200へ、読み取り画像データが送信される。
この場合に、画像読み取り装置130による読み取りが行われた全てのチャート用紙CPを対象として、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信すると、読み取り画像データの容量が大きくなり、送信に時間を要するなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、日常調整の際には、調整専用チャート用紙CPについての読み取り画像データは送信されない形となり、サーバ装置200へ送信される読み取り画像データの容量が抑えられる。
【0091】
その一方で、本実施形態では、故障診断モード下では、故障の原因をより正確に把握するため、全てのチャート用紙CPを対象として、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。この場合、調整専用チャート用紙CPも含めて、全てのチャート用紙CPの読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
これにより、全てのチャート用紙CPの読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されない場合に比べ、サーバ装置200にて、より多くの情報を基に、画像形成装置100についての診断を行える。
【0092】
〔送信制御情報の他の例〕
送信制御情報としては、その他に、例えば、チャート用紙CPの印刷日時についての情報も挙げられる。言い換えると、送信制御情報としては、その他に、日常調整が行われる際の日時についての情報も一例に挙げられる。
この場合、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに、送信制御情報として、例えば、チャート用紙CPの印刷日時についての情報を含めるようにする。
【0093】
そして、この場合、後に、チャート用紙CPの読み取りが行われた場合、画像形成装置100は、このチャート用紙CPについて、送信制御情報に含まれている印刷日時についての情報を取得する。
また、画像形成装置100は、チャート用紙CPについて、送信制御情報に含まれている送信レベルについての情報を取得する。言い換えると、画像形成装置100は、チャート用紙CPについて、チャート用紙CPの種別についての情報である種別情報を取得する。
【0094】
次いで、画像形成装置100は、この印刷日時についての情報により特定される時刻と、現在時刻との時間差を取得する。
言い換えると、この場合、画像形成装置100は、印刷日時についての情報により特定される時刻と、チャート用紙CPの読み取りが行われた際の時刻との時間差を取得する。
そして、画像形成装置100は、この時間差が、予め定められた時間(例えば、10分)を超える場合、上記の送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPであっても、読み取り画像データを、サーバ装置200へ送信する。
より具体的には、画像形成装置100は、時間差が、予め定められた時間を超える場合、上記の調整専用チャート用紙CPについても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信されるようにする。
【0095】
この処理例では、印刷日時についての情報により特定される時刻と、画像読み取り装置130によるチャート用紙CPの読み取りの状況についての情報である状況情報を取得することになる。
具体的には、この場合、状況情報として、画像読み取り装置130によりチャート用紙CPの読み取りが行われるタイミングについての情報であるタイミング情報を取得することになる。
【0096】
そして、この場合、このタイミング情報により特定されるタイミングが予め定められたタイミングよりも後である場合には、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPについての読み取り結果も出力されるようになる。
一方で、この場合、このタイミング情報により特定されるタイミングが予め定められたタイミングよりも前である場合には、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPの読み取り結果が出力されないようになる。
【0097】
より具体的には、この場合、タイミング情報により特定されるタイミングが、上記の10分が経過したタイミングよりも後である場合、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPについての読み取り結果が出力されるようになる。
一方で、このタイミング情報により特定されるタイミングが、上記の10分が経過したタイミングよりも前である場合、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPの読み取り結果が出力されないようになる。
【0098】
この処理例では、種別情報により特定される種別が、例えば、特定の種別の一例である送信レベル1である場合において、タイミング情報により特定されるタイミングが、上記の10分が経過したタイミングよりも後である場合、この送信レベル1が対応付けられたチャート用紙CPについての読み取り結果が出力される。
一方、種別情報により特定される種別が、送信レベル1である場合において、タイミング情報により特定されるタイミングが、上記の10分が経過したタイミングよりも前である場合、この送信レベル1が対応付けられたチャート用紙CPの読み取り結果は出力されない。
【0099】
言い換えると、この場合、画像形成装置100は、送信レベル1が対応付けられるチャート用紙CPに形成されるチャート画像がこのチャート用紙CPに形成されてから、このチャート用紙CPについての読み取り結果が得られるまでの経過時間が予め定められた時間を超える場合、この読み取り結果を、サーバ装置200へ出力する。
一方、画像形成装置100は、送信レベル1が対応付けられるチャート用紙CPに形成されるチャート画像がこのチャート用紙CPに形成されてから、このチャート用紙CPについての読み取り結果が得られるまでの経過時間が予め定められた時間を超えない場合、この読み取り結果を、サーバ装置200へ出力しない。
【0100】
この処理例では、チャート用紙CPに対し、制御用情報として、読み取りを行う画像形成装置100によるチャート用紙CPの読み取りの状況に応じてこの画像形成装置100からの読み取り結果の出力が異なるようになる制御用情報が付加される。
より具体的には、この処理例では、チャート用紙CPに対し、制御用情報として、読み取りを行う画像形成装置100によるチャート用紙CPの読み取りのタイミングに応じてこの画像形成装置100からの読み取り結果の出力が異なるようになる制御用情報が付加される。
【0101】
より具体的には、この処理例では、チャート用紙CPに対し、制御用情報として、チャート用紙CPの印刷日時についての情報が付加される。
言い換えると、この処理例では、チャート用紙CPに対し、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100に設けられた画像形成部100Aが用紙Pに対してチャート画像を形成したタイミングについての情報が付加される。
【0102】
図6は、画像形成装置100が参照する参照テーブルを示した図である。
この参照テーブルには、上記の時間差と、読み取り画像データの送信の有無との関係が予め登録されている。この参照テーブルは、2次記憶部12(
図2参照)に格納されている。
画像形成装置100は、この参照テーブルを参照して、読み取り画像データの送信の有無を判断する。
【0103】
具体的には、画像形成装置100は、この参照テーブルを参照し、例えば、送信レベル1が対応付けられたチャート用紙CPである調整専用チャート用紙CPの印刷日時から10分が経過している場合には、この調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信するという決定を行う。
画像形成装置100は、送信レベル1が対応付けられている調整専用チャート用紙CPについては、印刷日時から10分が経過している場合、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信するという決定を行う。
この場合、送信レベル1が対応付けられている調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0104】
この場合、ユーザが、画像形成装置100のモードを、故障診断モードとしていない場合であっても、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
この場合も、より多くのチャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される形となり、サーバ装置200では、より多くの情報を基に、画像形成装置100についての診断を行える。
【0105】
ユーザが日常調整の際に不具合を発見した場合を想定する。
ユーザは、不具合の対応に慣れていない場合も多く、この場合、チャート用紙CPの印刷を行ってから10分以上が経過した後に、ユーザが、画像読み取り装置130(
図1参照)にチャート用紙CPをセットすることも想定される。
この場合、チャート用紙CPの読み取りを行うと、上記の通り、送信レベル1が対応付けられている調整専用チャート用紙CPであっても、この調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0106】
本実施形態では、チャート用紙CPの送信レベルが、送信レベル1である場合、基本的には、このチャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信されない。
しかしながら、この処理例では、上記の通り、チャート用紙CPの印刷から10分が経過するなど特定の条件が満たされると、送信レベル1が付されたチャート用紙CPであっても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
この処理が行われる場合、画像形成装置100のモードを、故障診断モードへ切り替えるための操作をユーザが知らない場合でも、実質的に故障診断モードに近いモードとなり、より多くの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0107】
ユーザが通常の日常調整を行う場合は、チャート用紙CPの印刷から10分以内に、このチャート用紙CPの読み取りが画像読み取り装置130により行われることが多い。
この場合は、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信されない。具体的には、調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信されない。
【0108】
その一方で、チャート用紙CPの印刷から10分が経過すると、送信レベル1が付されたこのチャート用紙CPであっても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
具体的には、チャート用紙CPの印刷から10分が経過すると、調整専用チャート用紙CPであっても、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
【0109】
本実施形態では、兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CPについては、送信レベル2(
図5参照)が対応付けられており、画像形成装置100は、兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CPについては、上記の10分の経過に関わらず、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
兼用チャート用紙CP、診断専用チャート用紙CPについては、上記の10分の経過の前であっても、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信され、また、この10分の経過の後であっても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
これに対し、調整専用チャート用紙CPについては、上記の10分の経過後に、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
【0110】
なお、その他に、
図6の符号6Aで示すように、チャート用紙CPに対し、送信レベル0という送信レベルを対応付けてもよい。
画像形成装置100は、この送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100のモードが日常診断モードにある場合、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を一切行わない。
【0111】
画像形成装置100は、送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100が日常診断モードにある限り、上記の10分の経過の有無に関わらず、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行わない。
画像形成装置100は、送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100のモードが故障診断モードにある場合にのみ、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行う。
ここで、上記の10分という時間は一例であり、この時間は、ユーザからの指示に応じて変更できるようにしてもよい。また、この時間は、10分以外の時間としてもよい。
【0112】
なお、
図6に示す参照テーブルには、セキュリティコードと、読み取り画像データの送信の有無との関係についても登録されている。
画像形成装置100は、上記の通り、セキュリティコードが、予め登録されたセキュリティコードと一致する場合には、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
また、画像形成装置100は、セキュリティコードが、予め登録されたセキュリティコードと一致しない場合には、読み取り画像データをサーバ装置200へ送信しない。
【0113】
〔他の処理例〕
また、その他に、送信制御情報によらずに、チャート用紙CPの過去の読み取りの実績に基づき、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の有無を判断してもよい。
具体的には、この処理を行う場合は、例えば、画像形成装置100は、チャート用紙CPの読み取りを行う度に、チャート用紙CPの各々について、コード画像KGに含まれる情報であってチャート用紙CPの各々を識別するための情報である用紙識別情報を、このコード画像KGから取得して保持する。
【0114】
この処理を行う場合は、コード画像KGの各々に、このコード画像KGが形成されるチャート用紙CPの各々を識別するための用紙識別情報が含まれるようにする。
そして、画像形成装置100は、チャート用紙CPの読み取りを行うと、このチャート用紙CPに付された用紙識別情報を取得して保持する。
【0115】
また、画像形成装置100は、チャート用紙CPの読み取りを行う度に、コード画像KGから取得した新たな用紙識別情報と、自身が既に保持している用紙識別情報とを照合し、この新たな用紙識別情報が、既に保持している用紙識別情報と一致するかを判断する。
そして、画像形成装置100は、一致すると判断した場合、チャート用紙CPの読み取りが複数回行われたと判断する。
【0116】
そして、この場合、画像形成装置100は、読み取りが複数回行われたと判断したこのチャート用紙CPが調整専用チャート用紙CPであったとしても、この調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データを、サーバ装置200へ送信する。
言い換えると、この場合、画像形成装置100は、読み取りが複数回行われたと判断したこのチャート用紙CPが、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPであっても、このチャート用紙CPの読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
【0117】
ユーザが、日常調整の際に1回目のチャート用紙CPの読み取りを行い、その後に、このユーザが、2回目のチャート用紙CPの読み取りを行う場合も想定される。この場合、同じチャート用紙CPが複数回読み取られることになる。
この場合、コード画像KGから取得した新たな用紙識別情報と、画像形成装置100が既に保持している用紙識別情報とが一致することになる。
この場合、この処理例では、送信レベル1が対応付けられているチャート用紙CPであっても、このチャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0118】
この場合、例えば、調整専用チャート用紙CPが2回読み取られた場合には、この調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信されることになる。
言い換えると、この場合、調整専用チャート用紙CPに含まれるチャート画像についての画像読み取り装置130による読み取りが予め定められた回数を超えて行われた場合に、この調整専用チャート用紙CPについての読み取り結果についてもサーバ装置200へ出力されることになる。
【0119】
この処理が行われる場合、画像形成装置100は、自装置情報として、画像読み取り装置130によるチャート用紙CPの読み取り回数についての情報である回数情報を取得することになる。そして、画像形成装置100は、この回数情報と、チャート用紙CPに付された情報とに基づき、読み取り結果の出力についての制御を行う。
この処理例では、画像形成装置100は、チャート用紙CPに付された情報として、上記と同様、チャート用紙CPの種別についての情報である種別情報を取得する。
【0120】
画像形成装置100は、回数情報とこの種別情報とに基づき、読み取り結果の出力についての制御を行う。
具体的には、画像形成装置100は、例えば、種別情報により特定される種別が特定の種別の一例である送信レベル1である場合において、回数情報により特定される回数が予め定められた回数を超える場合、読み取り結果が出力されるようにする。
その一方で、画像形成装置100は、この予め定められた回数を超えない場合には、読み取り結果が出力されないようにする。
【0121】
これにより、この場合も、画像形成装置100のモードを、故障診断モードへ切り替えるための操作をユーザが知らない場合でも、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
なお、この処理例では、送信レベル2が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100による読み取り回数に関わらず、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
また、送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100による読み取り回数に関わらず、サーバ装置200への読み取り画像データの送信は行われない。
【0122】
送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、画像形成装置100のモードが故障診断モードである場合に、サーバ装置200へ読み取り画像データが送信される。
また、その他に、この処理例では、画像形成装置100のモードが故障診断モードとなった後に、チャート用紙CPの読み取りが行われる場合には、読み取り回数に関わらず、全てのチャート用紙CPについて、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0123】
上記にて説明した、回数に基づく処理では、チャート用紙CPに対し、制御用情報として、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100によるチャート用紙CPの読み取りの回数に応じてこの画像形成装置100からの読み取り結果の出力が異なるようになる制御用情報が付加されることになる。
上記にて説明した回数に基づく処理を行うにあたっては、チャート用紙CPに対し、制御用情報として、チャート用紙CPの各々の識別を可能とする情報である媒体識別情報の一例である用紙識別情報が付加されることになる。
そして、回数に基づく処理では、この用紙識別情報を基に、チャート用紙CPの読み取りの回数についての情報を取得し、この回数についての情報と種別情報とに基づき、サーバ装置200への読み取り結果の送信の有無を判断する。
【0124】
〔他の処理例〕
上記では、コード画像KGに、チャート用紙CPの印刷が行われた日時についての情報を含めたが、画像形成装置100が、この印刷の日時についての情報を保持してもよい。
具体的には、この場合、画像形成装置100は、印刷を行ったチャート用紙CPの各々について、用紙識別情報と、印刷が行われた日時についての情報である日時情報とを対応付けた状態で保持するようにする。
【0125】
そして、この場合、画像形成装置100は、チャート用紙CPの最新の読み取りが行われた場合、このチャート用紙CPのコード画像KGから取得した用紙識別情報と同じ用紙識別情報を保持しているかを判断する。
そして、画像形成装置100は、同じ用紙識別情報を保持している場合、この用紙識別情報に対応付けて保持している日時情報を読み出して取得する。
そして、この場合、画像形成装置100は、この日時情報により特定される時刻と、上記の最新の読み取りの時刻との時間差を取得する。
【0126】
そして、画像形成装置100は、上記と同様、この時間差が予め定められた時間差を超えている場合、例えば、読み取り画像データが、調整専用チャート用紙CPについての読み取り画像データであったとしても、サーバ装置200へこの読み取り画像データが送信されるようにする。
言い換えると、この場合も、画像形成装置100は、送信レベル1が付されたチャート用紙CPについての読み取り画像データについてもサーバ装置200へ送信されるようにする。
【0127】
この場合も、チャート用紙CPが、調整専用チャート用紙CPであったとしても、この調整専用チャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。これにより、この場合も、より多くのチャート用紙CPについての読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
なお、上記と同様、この場合も、送信レベル2が対応付けられているチャート用紙CPについては、時間差の大小に関わらず、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
【0128】
また、この場合も、送信レベル0が対応付けられているチャート用紙CPについては、時間差の大小に関わらず、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されないようにする。
また、この場合、画像形成装置100のモードが故障診断モードとなった後に、チャート用紙CPの読み取りが行われた場合には、時間差の大小に関わらず、全てのチャート用紙CPの読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0129】
〔読み取り条件の変更、送信条件の変更〕
また、その他に、画像形成装置100のモードが、日常診断モードにある場合と、故障診断モードにある場合とで、チャート用紙CPを読み取る際の読み取り条件や、読み取り画像データを送信する際の送信条件を異ならせてもよい。
言い換えると、画像形成装置100についての診断についてのモードに応じて、画像読み取り装置130がチャート画像の読み取りを行う際の条件である読み取り条件、および、この読み取りにより得られた読み取り画像について行われる処理の処理条件の少なくとも一方を変更するようにしてもよい。
【0130】
具体的には、例えば、日常診断モードにある場合には、チャート用紙CPの読み取りを低解像度で行うようにし、及び/又は、読み取り画像データの圧縮度を大きくしたうえでこの読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
一方、故障診断モードにある場合には、日常診断モードにある場合に比べて、チャート用紙CPの読み取りを高解像度で行うようにする。言い換えると、この場合、画像読み取り装置130がチャート画像を読み取る際の解像度が高まるようにする。
【0131】
また、故障診断モードにある場合には、日常診断モードにある場合に比べて、読み取り画像データの圧縮度を低めたうえで、又は、読み取り画像データの圧縮が行われないようにしたうえで、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
言い換えると、この場合、読み取り画像の圧縮が行われる際の圧縮率が小さくなるようにし、又は、読み取り画像の圧縮が行われないようにする。
日常診断モードにおいて読み取り画像の圧縮が行われる場合において、モードの切り替えが行われて、故障診断モードとなった場合、圧縮率が小さくなるようにし、又は、読み取り画像の圧縮が行われないようにする。
【0132】
日常診断モードにおける、画像形成装置100の診断では、画質の状態の把握、傾向の把握を行うことが多く、低解像度、高圧縮としても不具合が生じにくい。
これに対し、故障診断モードでは、故障の有無の診断や、故障箇所の診断を行うため、チャート用紙CPを読み取る際の解像度を高めて高解像度とし、及び/又は、読み取り画像データの圧縮率を小さくし若しくは読み取り画像データの圧縮が行われないようにすることが好ましい。
なお、モードに応じた、この読み取り解像度の変更、および、モードに応じた、この圧縮率の変更は、この両者を行うのに限らず、一方のみを行うようにしてもよい。
【0133】
また、その他に、画像読み取り装置130によるチャート画像の読み取りの状況に応じて、この画像読み取り装置130がチャート画像を読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更してもよい。
言い換えると、チャート用紙CPの読み取りの状況に応じて、このチャート用紙CPを読み取ることにより得られる読み取り画像の処理条件を変更してもよい。
【0134】
より具体的には、例えば、チャート用紙CPの印刷の日時からの経過時間に応じて、処理条件の変更を行ってもよい。
具体的には、例えば、上記にて説明した時間差が、予め定められた時間の一例である10分よりも小さい場合には、読み取り画像データを高圧縮としたうえでこの読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
一方、例えば、上記の時間差が、予め定められた時間の一例である10分よりも大きい場合には、例えば、読み取り画像データを低圧縮としたうえで若しくは読み取り画像データの圧縮が行われないようにしたうえで、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
【0135】
この処理例では、チャート用紙CPの印刷の日時からの経過時間が予め定められた閾値を超えている場合、超えていない場合に比べて、読み取り画像の圧縮率を小さくする。
又は、この処理例では、チャート用紙CPの印刷の日時からの経過時間が予め定められた閾値を超えている場合、読み取り画像の圧縮率が行われないようにする。
言い換えると、経過時間が予め定められた閾値を超えていない場合は、読み取り画像の圧縮が行われるようにし、経過時間が予め定められた閾値を超えている場合は、読み取り画像の圧縮が行われないようにする。
【0136】
以上の処理を行う場合、チャート用紙CPの生成が行われてから、このチャート用CP紙の読み取りが行われるまでの経過時間に応じて、読み取り画像の処理条件を変更することになる。
言い換えると、以上の処理を行う場合、チャート用紙CPの生成が行われてから、チャート用紙CPの読み取りが行われるまでの経過時間が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、読み取り画像の処理条件を変更することになる。
【0137】
また、その他に、チャート用紙CPの過去の読み取りの実績に基づき、処理条件の変更を行ってもよい。
より具体的には、画像読み取り装置130によるチャート画像の読み取りの回数に応じて、読み取り画像の処理条件を変更してもよい。
より具体的には、画像読み取り装置130によるチャート画像の読み取り回数が予め定められた閾値を超えているか否かに応じて、読み取り画像の処理条件を変更してもよい。
具体的には、例えば、チャート用紙CPの読み取りの回数が1回であるなど、予め定められた回数(例えば「1」)を超えていない場合には、読み取り画像データを高圧縮としたうえで、この読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
【0138】
一方、例えば、チャート用紙CPの読み取りの回数が2回であるなど、予め定められた回数を超えている場合には、読み取り画像データを低圧縮としたうえで、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
言い換えると、読み取り回数が予め定められた閾値を超えている場合、読み取り回数が予め定められた閾値を超えていない場合に比べて、読み取り画像の圧縮率が小さくなるようにしたうえで、この読み取り画像の圧縮を行い、次いで、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
【0139】
また、チャート用紙CPの読み取りの回数が2回であるなど、予め定められた回数を超えている場合、読み取り画像データの圧縮が行われないようにしたうえで、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信されるようにする。
言い換えると、この場合、読み取り回数が予め定められた閾値を超えていない場合には、読み取り画像の圧縮が行われるようにし、読み取り回数が予め定められた閾値を超えている場合には、読み取り画像の圧縮が行われないようにする。
この場合、読み取り回数が予め定められた閾値を超えている場合には、読み取り画像の圧縮が行われないようになり、圧縮が行われていない状態の読み取り画像がサーバ装置200へ送信される。
【0140】
〔チャート画像を他の画像形成装置100で読み取る場合の処理〕
図7は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100(以下、「第1画像形成装置101」と称する)とは異なる画像形成装置100(以下、「第2画像形成装置102」と称する)にて、このチャート用紙CPを読み取る場合の処理例を示している。
この処理例では、一の画像形成装置の一例である第1画像形成装置101が生成したチャート用紙CPが、画像読取機能を備える他の画像形成装置である第2画像形成装置102により読み取られる。
【0141】
そして、この処理例では、この読み取りにより得られた読み取り画像データが、第2画像形成装置102からサーバ装置200へ送信される。
次いで、サーバ装置200やこのサーバ装置200にアクセスする保守者によって、第1画像形成装置101についての診断が行われる。
そして、この処理例では、サーバ装置200が、第1画像形成装置101について行われたこの診断の結果を取得する。
【0142】
画像形成装置100の全てが通信回線190に接続されているとは限らず、日常診断や故障診断を行いたい画像形成装置100が、通信回線190に接続されていない場合も想定される。
また、通信障害によって、日常診断や故障診断を行いたい画像形成装置100からサーバ装置200への読み取り画像データの送信を行えない場合も想定される。
さらに、日常診断や故障診断を行いたい画像形成装置100に、チャート用紙CPの読み取りを行うための画像読み取り装置130が設けられていない場合も想定される。
【0143】
これらの場合、本実施形態では、第1画像形成装置101にて生成されたチャート用紙CPの読み取りを、第2画像形成装置102にて行う。そして、この第2画像形成装置102により得られた読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する。
これにより、この場合も、第1画像形成装置101についての日常診断や故障診断を行える。
【0144】
図7に示すこの処理例では、第1画像形成装置101が通信回線190に接続されておらず、通信回線190に接続された第2画像形成装置102からサーバ装置200へ、読み取り画像データを送信する。
具体的には、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130を用い、第1画像形成装置101にて生成されたチャート用紙CPの読み取りを行う。
そして、この読み取りにより得られた読み取り画像データを、第2画像形成装置102からサーバ装置200へ送信する。
【0145】
ここで、第1画像形成装置101によるチャート用紙CPの読み取りの性能と、第2画像形成装置102によるチャート用紙CPの読み取りの性能とが異なる場合が生じうる。
この場合、第1画像形成装置101にて生成されたチャート用紙CPを、第2画像形成装置102にて読み取ると、第1画像形成装置101についての日常診断や故障診断を正確に行えなくなるおそれがある。
【0146】
具体的には、例えば、第2画像形成装置102における読み取りの階調性が、第1画像形成装置101における読み取りの階調性とは異なる場合があり、この場合、例えば、濃度についての診断が不正確となるおそれがある。
また、例えば、第2画像形成装置102の読み取りの解像度が荒い場合、カラーレジの測定のために第1画像形成装置101にて生成されたチャート用紙CPの読み取りの質が低下するおそれがある。
このような不具合の発生を抑制するため、以下で説明する処理では、送信制御情報を用い、第2画像読み取り装置130における読み取りの制御を行う。これにより、上記の不具合が生じにくくなる。
【0147】
この処理例では、第1画像形成装置101にてチャート用紙CPを生成する際に、上記と同様、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに、第1画像形成装置101を識別するための情報である装置識別情報を含めるようにする。
また、この処理例では、上記と同様、第1画像形成装置101にてチャート用紙CPを生成する際に、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに、セキュリティコードを含めるようにする。
また、この処理例では、第1画像形成装置101にてチャート用紙CPを生成する際に、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに、送信制御情報として、読み取り画像データの送信の許可又は不許可を示す情報を含めるようにする。
【0148】
具体的には、この処理例では、濃度診断に用いるチャート用紙CPなど、チャート用紙CPを読み取る装置の違いによって読み取り結果が異なるようになるチャート用紙CPについては、このチャート用紙CPに形成されるコード画像KGに対し、送信制御情報として、送信不許可という情報を対応付ける。
また、バンディングの診断に用いるチャート用紙CPなど、チャート用紙CPを読み取る装置の違いの影響を受けにくいチャート用紙CPについては、このチャート用紙CPに形成されるコード画像KGに対し、送信制御情報として、送信許可という情報を対応付ける。
【0149】
次いで、本実施形態では、符号7Aで示すように、第1画像形成装置101にて生成されたチャート用紙CPが、第2画像形成装置102にセットされ、第2画像形成装置102が、このチャート用紙CPの読み取りを行う。
第2画像形成装置102は、チャート用紙CPの読み取りを行うと、このチャート用紙CPに形成されたコード画像KGに含まれる装置識別情報を取得する。
次いで、本実施形態では、第2画像形成装置102は、この装置識別情報に基づき、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が、自装置であるか否かを判断する。
【0150】
この処理例では、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100は、第1画像形成装置101であり、第2画像形成装置102は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が、自装置ではないと判断する。
第2画像形成装置102は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が自装置ではないと判断した場合、チャート用紙CPに形成されたコード画像KGに含まれる送信制御情報に基づき、チャート用紙CPの各々について、サーバ装置200への読み取り画像データの送信の有無を判断する。
【0151】
具体的には、第2画像読み取り装置130は、送信許可という送信制御情報が付けられているチャート用紙CPについては、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行うと判断する。
また、第2画像読み取り装置130は、送信不許可という送信制御情報が付されているチャート用紙CPについては、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行わないと判断する。
【0152】
なお、上記と同様、サーバ装置200への読み取り画像データの送信は、コード画像KGに含まれるセキュリティコードが、予め登録されたセキュリティコードと一致する場合に行われる。
このため、第2画像形成装置102は、送信許可という送信制御情報が付され且つ予め登録されたセキュリティコードが含まれているチャート用紙CPについては、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行うと判断する。
その一方、第2画像形成装置102は、予め登録されたセキュリティコードが含まれていないチャート用紙CPについては、送信制御情報の内容の如何に関わらず、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行わないと判断する。
【0153】
なお、第2画像形成装置102にて読み取られたチャート用紙CPが、第2画像形成装置102が生成したチャート用紙CPの場合は、次の処理が行われる。
この場合、第2画像形成装置102は、チャート用紙CPに形成されたコード画像KGに含まれる装置識別情報に基づき、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が、自装置であると判断する。
【0154】
そして、この場合、第2画像形成装置102は、チャート用紙CPの各々について、送信制御情報を考慮せずに、読み取り画像データについての送信の有無を判断する。
具体的には、この場合、第2画像形成装置102は、例えば、セキュリティコードの有無のみに基づいて、読み取り画像データの送信の有無の判断を行う。
【0155】
この場合、第2画像形成装置102は、コード画像KGに、送信制御情報として、送信不許可という情報が含まれている場合であっても、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行う。チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100が自装置である場合、装置の違いに起因する上記の不具合が生じない。
この場合、第2画像形成装置102は、送信不許可という送信制御情報が含まれたコード画像KGが付されたチャート用紙CPであっても、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を行う。
【0156】
図8は、チャート用紙CPに形成されるコード画像KGに含まれる送信制御情報の他の具体例を示した図である。
図8に示すこの例では、第1画像形成装置101が生成するチャート用紙CPの各々に形成されるコード画像KGに含まれる送信制御情報として、サーバ装置200への読み取り画像データの送信を許可する画像形成装置100を特定するための情報である許可装置情報が含まれている。
【0157】
具体的には、この処理例では、送信制御情報に、許可装置情報として、「送信対応機種は、A、B、C」である旨の情報、及び、「送信非対応機種は、D、E」である旨の情報が含まれている。
言い換えると、この処理例では、チャート用紙CPに対し、送信制御情報として、読み取り結果の出力を許可する装置を特定するための情報が付加されている。
本実施形態では、第2画像形成装置100は、自装置情報、許可装置情報等に基づき、読み取り結果の出力についての制御を行う。
【0158】
また、この処理例では、第1画像形成装置101が生成するチャート用紙CPの各々に形成されるコード画像KGに含まれる送信制御情報として、第1画像形成装置101と他の画像形成装置100の各々との近似度についての情報が含まれている。
具体的には、この処理例では、近似度についての情報として、第1画像形成装置101と装置A,Bの各々との近似度が「2」である旨の情報が含まれている。
また、この処理例では、近似度についての情報として、第1画像形成装置101と装置Cとの近似度が「1」であることを示す情報が含まれている。
なお、この処理例では、近似度の値が大きいほど、近似していることを示している。
【0159】
また、この処理例では、チャート用紙CPの各々に形成されるコード画像KGに含まれる送信制御情報として、上記の送信レベルについての情報が含まれている。
具体的には、この処理例では、チャート用紙CPの種別に応じて値が異なる送信レベルが、送信制御情報として、チャート用紙CPの各々に付されている。
【0160】
具体的には、例えば、何れの画像形成装置100で読み取りを行っても、診断対象となっている第1画像形成装置101の診断に影響を与えないチャート用紙CPに対しては、送信制御情報として、送信レベル0が付されている。
また、例えば、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100によっては診断の精度に影響を与えてしまうチャート用紙CPに対しては、送信制御情報として、送信レベル1が付されている。
【0161】
より具体的には、例えば、診断対象となっている第1画像形成装置101と装置構成が近い画像形成装置100など、診断対象となっている第1画像形成装置101に近似している画像形成装置100により読み取られた場合には、診断の精度に影響を与えないが、診断対象となっている第1画像形成装置101には近似していない画像形成装置100により読み取られた場合には、診断の精度に影響を与えてしまうチャート用紙CPに対しては、送信制御情報として、送信レベル1が付されている。
【0162】
また、例えば、何れの画像形成装置100で読み取りを行っても診断対象となっている第1画像形成装置101の診断の精度に影響を与えてしまうチャート用紙CPに対しては、送信制御情報として、送信レベル2が付されている。
言い換えると、第1画像形成装置101以外の他の画像形成装置100により読み取りが行われた場合にはこの第1画像形成装置101の診断の精度に影響を与えてしまうチャート用紙CPに対しては、送信制御情報として、送信レベル2が付されている。
【0163】
図9は、送信レベルと送信の許可/不許可との関係を示した図である。言い換えると、
図9は、チャート用紙CPを読み取って読み取り画像データをサーバ装置200へ送信する画像形成装置100が参照する参照テーブルを示した図である。
この処理例では、例えば、符号9Aで示すように、送信レベル1が付されたチャート画像が、装置Aや装置Bによって読み取られた場合、この装置Aや装置Bにより読み取られたこのチャート画像の読み取り画像データは、サーバ装置200へ送信される。
【0164】
この場合、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100が、許可装置情報により特定される装置に該当することになるため、サーバ装置200への読み取り結果の出力が行われる。
なお、送信レベル1が付されたチャート画像が、装置Dや装置Eによって読み取られた場合には、チャート用紙CPの読み取りを行う画像形成装置100が、許可装置情報により特定される装置に該当しないことになるため、サーバ装置200への読み取り結果の出力は行われない。
【0165】
この処理例では、送信レベル1が付されたチャート用紙CPを生成した第1画像形成装置101との関係において、装置A、装置Bは、第1画像形成装置101に対する近似度が2となる。
この場合、符号9Aで示すように、「〇」に該当する。この場合、第1画像形成装置101により生成された、送信レベル1が付されたチャート用紙CPであって、装置Aや装置Bにより読み取られたこのチャート用紙CPの読み取り画像データは、この装置Aや装置Bからサーバ装置200へ送信される。
【0166】
より具体的には、この場合、装置A、Bは、まず、チャート用紙CPを読み取ることにより得た読み取り画像データを解析することにより得られた、チャート用紙CPに付された送信制御情報から、送信レベル、許可装置情報、近似度についての情報を取得する。
そして、この場合、装置A、Bは、第1画像形成装置101との関係において、自身は、近似度2の関係にあると判断する。
この場合、装置A、Bは、チャート用紙CPの各々の読み取り画像データのサーバ装置200への送信にあたり、参照テーブルの符号9Cで示す欄に登録された情報と、チャート用紙CPの各々に付された送信レベルについての情報とに基づき、各チャート用紙CPの読み取り画像データについて、サーバ装置200への送信の有無を判断する。
【0167】
この処理例では、装置A、Bは、送信レベル1が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信する。
また、装置A、Bは、送信レベル0が付されたチャート用紙CPについても、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信する。
一方、装置A、Bは、送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信しない。
【0168】
この処理例では、チャート用紙Pの読み取りを行う画像形成装置100が、許可装置情報により特定される装置に該当する場合、この画像形成装置100は、取得した近似度についての情報を基に、サーバ装置200への出力の内容を決定する。
具体的には、画像形成装置100は、例えば、近似度についての情報により特定される近似度が1である場合、送信レベル0が付されたチャート用紙Pの読み取り画像データは出力し、送信レベル1、送信レベル2が付されたチャート用紙Pの読み取り画像データの出力は行わない。
また、画像形成装置100は、例えば、近似度についての情報により特定される近似度が2である場合、送信レベル0、送信レベル1が付されたチャート用紙Pの読み取り画像データは出力し、送信レベル2が付されたチャート用紙Pの読み取り画像データの出力は行わない。
【0169】
ここで、
図8にて示した第2画像形成装置102が、この装置A、Bの何れかに該当する場合、第2画像形成装置102は、送信レベル1、送信レベル0が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信する。
また、
図8にて示した第2画像形成装置102が、この装置A、Bの何れかに該当する場合、第2画像形成装置102は、送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信しない。
【0170】
また、
図8にて示した第2画像形成装置102が、装置Cに該当する場合、第2画像形成装置102は、送信レベル0が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信する。
また、
図8にて示した第2画像形成装置102が、装置Cに該当する場合、第2画像形成装置102は、送信レベル1、送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、サーバ装置200へ読み取り画像データを送信しない。
【0171】
この処理例では、チャート用紙CPを生成した第1画像形成装置101の読み取り特性と、チャート用紙CPを読み取る第2画像形成装置102の読み取り特性が近い場合、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、サーバ装置200へ送信される。
一方、チャート用紙CPを生成した第1画像形成装置101の読み取り特性と、チャート用紙CPを読み取る第2画像形成装置102の読み取り特性とが離れている場合、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、サーバ装置200へ送信されない。
【0172】
この処理を行う場合、チャート用紙CPの生成を行う第1画像形成装置101と、このチャート用紙CPの読み取りを行う第2画像形成装置102とが異なる場合であっても、この2つの画像形成装置100が、装置構成が互いに近似した例えばファミリー機の関係にある場合、サーバ装置200への読み取り画像データの送信が行われる。
また、この処理例では、送信レベル0が付されたチャート用紙CPについては、近似度の大小に関わらず、このチャート用紙CPの読み取りを行った第2画像形成装置102からサーバ装置200へ、読み取り画像データが送信される。
【0173】
また、この処理例では、送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、近似度の大小に関わらず、このチャート用紙CPの読み取りを行った第2画像形成装置102からサーバ装置200へ、読み取り画像データは送信されない。
送信レベル2が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、
図9の符号9Gで示すように、このチャート用紙CPの生成を行った画像形成装置100と、このチャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが一致する場合のみ、サーバ装置200へ送信される。
【0174】
本実施形態では、チャート用紙CPの生成を行った第1画像形成装置101を特定する情報が、装置識別情報(
図8参照)として、チャート用紙CPに付加される。
本実施形態では、この装置識別情報も送信制御情報としての役割を有する。
本実施形態では、装置識別情報により特定される装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが一致する場合、送信レベル2が付されたチャート用紙CPも含め、何れの送信レベルが付されたチャート用紙Pであっても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
この場合、チャート用紙CPの生成を行った画像形成装置100が、自身でこのチャート用紙Pの読み取りを行っていることになるため、何れの送信レベルが付されたチャート用紙Pであっても、読み取り画像データが、サーバ装置200へ送信される。
【0175】
一方で、本実施形態では、装置識別情報により特定される装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが一致しない場合、上記の通り、許可装置情報、近似度についての情報、送信レベルについての情報を基に、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100からの読み取り画像データの出力の有無の判断や、出力の内容の決定が行われる。
【0176】
装置識別情報により特定される装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが一致しない場合、送信レベル2が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、許可装置情報により特定される装置に画像形成装置100が該当するか否かに関わらず、また、近似度の大小に関わらず、サーバ装置200への読み取り画像データの出力は行われない。
また、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、許可装置情報により特定される装置に画像形成装置100が該当し且つ近似度が2である場合、サーバ装置200へこの読み取り画像データが出力される。
【0177】
また、送信レベル1が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、許可装置情報により特定される装置に画像形成装置100が該当し且つ近似度が1である場合、サーバ装置200への読み取り画像データの出力は行われない。
また、送信レベル0が付されたチャート用紙CPの読み取り画像データについては、許可装置情報により特定される装置に画像形成装置100が該当すれば、サーバ装置200へこの読み取り画像データが出力される。
【0178】
図7にて示した処理例では、送信不許可、送信許可の何れかの情報が含まれた送信制御情報に基づき、読み取り画像データの送信の有無を判断した。
これに対し、
図8、9にて示した処理例では、第1画像形成装置101と第2画像形成装置102との関係が考慮されて、読み取り画像データの送信の有無が判断される。
図7にて示した処理例では、第1画像形成装置101と第2画像形成装置102との装置構成が近いにも関わらず読み取り画像データの送信が行われない状況が生じる。
これに対し、
図8、9にて示した処理例では、第1画像形成装置101と第2画像形成装置102とが例えば互いにファミリー機の関係にあり近似する場合、読み取り画像データがサーバ装置200へ送信される。
【0179】
本実施形態では、
図8に示すように、チャート用紙CPに対し、送信制御情報に加え、装置識別情報も付される。
より具体的には、本実施形態では、チャート用紙CPに対し、このチャート用紙CPに形成されたチャート画像の形成を行った画像形成装置100を特定する装置特定情報の一例としての装置識別情報が付加される。
【0180】
本実施形態では、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、チャート用紙CPに付された情報として、チャート画像の形成を行った画像形成装置100を特定する装置識別情報を取得する。
そして、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、自装置についての情報である自装置情報と、この装置識別情報とに基づき、チャート用紙CPの読み取り結果の出力についての制御を行う。
【0181】
具体的には、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、自装置情報により特定される装置と、装置識別情報により特定される装置とが一致する場合、チャート用紙CPの読み取り結果の出力が行われるようにする。
この場合、上記の通り、チャート用紙CPの生成を行った画像形成装置100が、自身でチャート用紙Pの読み取りを行っていることになる。
この場合、
図9の符号9Xで示すように、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、送信レベルに関わらず、何れのチャート用紙CPであっても、チャート用紙CPの読み取り結果の出力が行われるようにする。
【0182】
これに対し、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、自装置情報により特定される装置と、装置識別情報により特定される装置とが一致しない場合、他の予め定められた条件が満たされる場合には読み取り結果の出力が行われるようにし、この他の予め定められた条件が満たされない場合には、読み取り結果の出力が行われないようにする。
【0183】
具体的には、この場合、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は、上記の通り、許可装置情報、近似度についての情報、送信レベルについての情報を取得する。
そして、この画像形成装置100は、自装置情報により特定される装置が、許可装置情報により特定される装置に該当するか否かを判断する。
そして、画像形成装置100は、自装置情報により特定される装置が、許可装置情報により特定される装置に該当すると判断した場合、近似度についての情報、送信レベルについての情報を基に、読み取り結果の出力についての制御を行う。
【0184】
具体的には、この場合、画像形成装置100は、例えば、自装置が、上記の送信対応機種であるA、Bのいずれかに該当すると判断した場合、近似度が2となるため、例えば、送信レベル0、送信レベル1が付されたチャート用紙CPについては、読み取り結果の出力が行われるようにする。
一方、画像形成装置100は、例えば、自装置が、上記の送信対応機種であるCに該当すると判断した場合、近似度が1となるため、例えば、送信レベル0が付されたチャート用紙CPについてのみ、読み取り結果の出力が行われるようにする。
【0185】
本実施形態では、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100についての近似度が2であっても、種別情報により特定される種別が特定の種別である場合には、読み取り結果の出力が行われない。
具体的には、送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100についての近似度が2であっても、読み取り結果の出力が行われない。
送信レベル2が付されたチャート用紙CPについては、このチャート用紙CPを生成した画像形成装置100と、このチャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが一致する場合にのみ、読み取り結果の出力が行われる。
【0186】
〔第2画像形成装置102におけるチャート用紙CPの読み取り時の処理〕
図10は、第2画像形成装置102におけるチャート用紙CPの読み取り時の処理の詳細を説明する図である。
本実施形態では、第2画像形成装置102は、第1画像形成装置101が生成したチャート用紙CPに加え、必要に応じ、第2画像形成装置102自身が生成した用紙Pの読み取りも行う。
【0187】
具体的には、本実施形態では、まず、上記の通り、また、符号10Aで示すように、第2画像形成装置102が、第1画像形成装置101が生成したチャート用紙CPの読み取りを行う。
第2画像形成装置102は、チャート用紙CPの読み取りを行った後、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が、第2画像形成装置102とは異なる装置であるか否かを判断する。
言い換えると、第2画像形成装置102は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が自装置であるかを判断する。
【0188】
そして、第2画像形成装置102は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100が、第2画像形成装置102とは異なる装置であると判断した場合、自身で、画像が形成された用紙Pの生成を行う。
具体的には、この場合、第2画像形成装置102は、第2画像形成装置102の診断のために用いるための用紙Pである自装置用用紙PJを生成する。
【0189】
この自装置用用紙PJは、一方の面に、白紙部91、有色の画像(以下、「有色画像部92」と称する)、コード画像KGが形成され、他方の面には画像が形成されず、この他方の面については白紙となっている用紙である。
その後、第2画像読み取り装置130は、符号10Bで示すように、この自装置用用紙PJの読み取りを指示する情報を、第2画像形成装置102の操作受付部132に表示する。
【0190】
その後、ユーザによって、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に、自装置用用紙PJがセットされ、第2画像形成装置102が、自装置用用紙PJの読み取りを行う。
第2画像形成装置102では、この自装置用用紙PJの一方の面だけではなく、他方の面についての画像の読み取りが行われる。言い換えると、第2画像形成装置102では、自装置用用紙PJの両面の画像の読み取りが行われる。
なお、画像読み取り装置130が、第2画像形成装置102の内部に設けられている場合には、自動で、自装置用用紙PJの両面の画像の読み取りが行われる。
【0191】
次いで、第2画像形成装置102は、符号10Eで示すように、サーバ装置200へ、チャート用紙CPを読み取ることにより得た読み取り画像データ、自装置用用紙PJを読み取ることにより得た読み取り画像データを送信する。
第2画像形成装置102は、自装置用用紙PJを読み取ることにより得た読み取り画像データとして、自装置用用紙PJの上記の一方の面についての読み取り画像データと、自装置用用紙PJの上記の他方の面についての読み取り画像データとをサーバ装置200へ送信する。
【0192】
また、第2画像形成装置102は、読み取り画像データとは別に、第2画像形成装置102の装置識別情報をサーバ装置200へ送信する。
この場合、第2画像形成装置102は、この装置識別情報を、例えば、テキストデータとして、サーバ装置200へ送信する。
【0193】
なお、以下、本明細書において、チャート用紙CPを読み取ることにより得た読み取り画像データを、「チャート画像データCD」と称する場合がある。
また、以下、本明細書では、自装置用用紙PJの上記の一方の面についての読み取り画像データを「画像形成面データGD」、自装置用用紙PJの上記の他方の面についての読み取り画像データを「白紙面データHD」と称する場合がある。
【0194】
サーバ装置200では、第2画像形成装置102から送信されてきた画像形成面データGDを解析し、この画像形成面データGDに含まれるコード画像KGに格納されている装置識別情報と、読み取り画像データとは別に送信されてきた上記のテキストデータに含まれる装置識別情報とが一致するかを判断する。
この処理例では、一致することになり、この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102から送信されてきた読み取り画像データに、自装置用用紙PJを読み取ることにより得られた読み取り画像データが含まれていることを認識する。
【0195】
次いで、サーバ装置200は、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDの解析を行って、第1画像形成装置101や第2画像形成装置102の診断を行う。
そして、本実施形態では、
図10の符号10Fで示すように、保守者が参照する表示部300に、診断の結果が表示される。
【0196】
サーバ装置200は、第1画像形成装置101に不具合があると判断した場合、保守者が参照する表示部300に、第1画像形成装置101の不具合についての情報が表示されるようにする。
言い換えると、この場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の不具合についての情報が表示された表示画面を生成し、保守者が参照する表示部300に、この表示画面についての情報を出力して、この表示画面が表示されるようにする。
【0197】
また、サーバ装置200は、第2画像形成装置102に不具合があると判断した場合、保守者が参照する表示部300に、第2画像形成装置102の不具合についての情報が表示されるようにする。
具体的には、この場合も、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の不具合についての情報が表示された表示画面を生成し、保守者が参照する表示部300に、この表示画面についての情報を出力して、この表示画面が表示されるようにする。
【0198】
ここで、例えば、チャート画像データCDに筋があり、且つ、画像形成面データGD、白紙面データHDにも筋があり、且つ、これらの筋が同一の箇所にある場合、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があることになる。
この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があることを示す情報が含まれた表示画面を生成する。
【0199】
また、その他に、サーバ装置200は、例えば、チャート画像データCD、白紙面データHDに筋が無く、画像形成面データGDに筋がある場合、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があることを示す情報が含まれた表示画面を生成する。
また、サーバ装置200は、例えば、チャート画像データCDに筋があり、画像形成面データGD、白紙面データHDには筋が無い場合、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があることを示す情報が含まれた表示画面を生成する。
また、サーバ装置200は、例えば、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDの何れにも筋が無い場合、第1画像形成装置101、第2画像形成装置102の何れにも不具合が無いことを示す情報が含まれた表示画面を生成する。
【0200】
〔表示部300に表示される表示画面〕
図11は、サーバ装置200が生成した上記の表示画面の一例を示した図である。
本実施形態では、この表示画面は、サーバ装置200から、保守員が参照する表示部300へ送信されて、この表示部300に表示される。より具体的には、表示画面は、サーバ装置200から、保守員が操作する端末装置へ送信され、この端末装置に設けられた表示部300に表示される。
本実施形態のように、診断の対象となる第1画像形成装置101と、チャート用紙CPの読み取りを行う第2画像形成装置102とが異なる場合、第1画像形成装置101の保守を行う保守者が、保守を本来行うべき第1画像形成装置101とは異なる第2画像形成装置102の保守を行ってしまうおそれがある。
【0201】
チャート用紙CPの読み取り画像データであるチャート画像データCDには、このチャート用紙CPの読み取りを行った、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130の不具合が影響する場合がある。この場合、保守者が、この不具合が、チャート用紙CPの生成を行った第1画像形成装置101にて生じていると誤認するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、以下の処理を行って、この誤認などのこの不具合の発生を抑制する。
【0202】
本実施形態では、サーバ装置200は、不具合を検知した場合、
図11の符号11Aで示す表示画面を生成し、保守者が参照する表示部300に、この表示画面が表示されるようにする。
図11の符号11Aで示すこの表示画面では、符号11Yで示す箇所に、不具合が現れているチャート画像データCDが表示されている。
また、この表示画面では、符号11Cで示す箇所に、診断の対象となっている第1画像形成装置101の不具合についての診断結果が表示されている。
また、この表示画面では、符号11Sで示す箇所に、診断の対象となった一の画像形成装置の一例である第1画像形成装置101を特定する情報が含まれている。
【0203】
この処理例では、後述するように、第2画像形成装置102にも不具合も生じているが、第1画像形成装置101の不具合についての情報が表示されているこの表示画面では、この第2画像形成装置102を特定する情報は一切表示されていない。
言い換えると、この処理例では、第1画像形成装置101の不具合についての情報が表示されている、符号11Aで示すこの表示画面に、第2画像形成装置102を特定する情報は含まれない。
これにより、保守者が、保守の対象が、第2画像形成装置102であると誤って認識することが生じにくくなる。
【0204】
符号11Aで示すこの表示画面では、第1画像形成装置101の不具合の各々に対応して、不具合についての更なる情報を表示するための選択部81が表示されている。
本実施形態では、保守者が、この選択部81を選択すると、不具合の各々についての対処法などの情報がさらに表示される。
さらに、符号11Aで示すこの表示画面では、符号11Eで示すように、チャート用紙CPを生成した装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った装置とが異なることを示す情報が表示されている。
本実施形態では、この表示を行うことで、保守者に対し、保守の対象となる装置の誤認が生じる可能性がある旨の注意喚起を行う。
【0205】
サーバ装置200は、チャート画像データCDに含まれるコード画像KGを解析することで、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100を特定する。
また、サーバ装置200は、上記のテキスト情報として送信されてくる装置識別情報や、画像形成面データGDに含まれるコード画像KGを解析することで、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100を特定する。
【0206】
そして、サーバ装置200は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100と、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100とが異なる場合、上記の通り、チャート用紙CPを生成した装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った装置とが異なることを示す情報を、表示画面に含めるようにする。
この処理例では、サーバ装置200は、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100とは異なる、チャート用紙CPの読み取りを行った他の画像形成装置100についての情報である他装置情報を取得することなる。
具体的には、この処理例では、サーバ装置200は、他装置情報として、第2画像形成装置102を特定する情報を取得することになる。
【0207】
この処理例では、第1画像形成装置101がチャート用紙CPを生成し、第2画像形成装置102がこのチャート用紙CPの読み取りを行っており、サーバ装置200は、他装置情報として、第2画像形成装置102を特定する情報を取得する。
この場合、サーバ装置200は、上記の通り、チャート用紙CPを生成した装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った装置とが異なることを示す情報を、表示画面に含めるようにする。
【0208】
本実施形態では、チャート用紙CPを生成した画像形成装置100は第1画像形成装置101であり、チャート用紙CPの読み取りを行った画像形成装置100は第2画像形成装置102である。
この場合、表示画面に、チャート用紙CPを生成した装置と、チャート用紙CPの読み取りを行った装置とが異なることを示す情報が含まれるようになる。
この処理例では、この異なることを示す情報に、実質的に、第2画像形成装置102についての情報が含まれる形となり、本実施形態では、符号11Aで示す表示画面に、他装置情報の一例としての、第2画像形成装置102についての情報が含まれる。
【0209】
符号11Aに示すこの表示画面では、符号71A、71B、71C、71Dで示すように、第1画像形成装置101にて生じている不具合についての情報として、感光体に起因するムラ、転写ベルトの傷についての情報が表示されている。
さらに、この表示画面では、符号72A、72B、72Cで示すように、不具合ではあるが、第1画像形成装置101に起因する不具合ではないことを示す情報が表示されている。
具体的には、符号72Aで示す縦筋については、第2画像形成装置102に起因する不具合であり、この縦筋については、第1画像形成装置101に起因する不具合ではないことを示す情報が表示されている。
【0210】
この表示例では、符号11Xで示す選択部86を保守者が選択すると、符号11Aに示すこの表示画面に対して、画像11Bが追加される形で表示される。
そして、この表示例では、追加画像の一例としてのこの画像11Bにおいて、第2画像形成装置102についての情報がはじめて表示される。言い換えると、この画像11Bに、第2画像形成装置102を特定する情報が含まれ、画像11Bが表示されることで、第2画像形成装置102を特定する情報がはじめて表示される。
【0211】
画像11B内には、不具合の原因が第2画像形成装置102にある旨の情報が含まれている。言い換えると、画像11B内には、不具合の原因となった装置である第2画像形成装置102を具体的に特定する情報が含まれている。
また、画像11B内には、第2画像形成装置102についての診断の結果が含まれている。また、画像11B内には、第1画像形成装置101を特定する情報は含まれていない。
【0212】
なお、ここでは、画像11Bが追加で表示される場合を一例に説明したが、符号11Aに示す表示画面に変えて、他の表示画面が表示されるようにし、この他の表示画面に、第2画像形成装置102を特定する情報や、第2画像形成装置102についての診断の結果が含まれるようにしてもよい。
言い換えると、表示画面の切り替えを行って、符号11Aに示す表示画面とは異なる他の表示画面が表示されるようにし、この他の表示画面に、第2画像形成装置102を特定する情報や、第2画像形成装置102についての診断の結果が含まれるようにしてもよい。
【0213】
画像11B内には、不具合の状況、不具合の解消方法についての情報が表示されている。
本実施形態では、符号11Aで示す、先に表示されるメインの表示画面では、第2画像形成装置102を特定するための情報は表示されない。
本実施形態では、ユーザが、このメインの表示画面の一部を選択する操作を行うなど、ユーザが、予め定められた特定の操作を行った場合に、第2画像形成装置102を特定するための情報や、第2画像形成装置102に起因する不具合の詳細な情報が表示される。
【0214】
本実施形態では、このように、表示画面の一部を保守者が選択すると、第2画像形成装置102を具体的に特定する情報、および、第2画像形成装置102に起因する不具合の詳細が表示される。
本実施形態では、このように、ユーザが特定の操作を行わない限り、第2画像形成装置102を具体的に特定する情報、第2画像形成装置102に起因する不具合の詳細は表示されない。これにより、本実施形態では、保守者が、誤って第2画像形成装置102の保守を行うことが生じにくくなる。
【0215】
その一方で、本実施形態では、上記の通り、保守者が、表示画面の一部を選択するなどの特定の操作を行うと、第2画像形成装置102についての情報が表示され、これにより、保守者は、第2画像形成装置102の不具合についての対応も行える。
本実施形態では、表示画面に、第2画像形成装置102についての情報も表示されるようにするため、第2画像形成装置102からサーバ装置200へ、読み取り画像データのみでなく、第2画像形成装置102を特定するための装置識別情報も送信される。
【0216】
なお、
図11の符号11Aにて示した表示画面では、符号71A、71B、72Aで示すように、チャート画像データCD上に、不具合に対応した画像を表示することで、不具合の位置を示した。
ところで、これに限らず、
図12(表示画面の他の例を示した図)に示すように、不具合の位置を示す位置情報を数値で表示することで、第1画像形成装置101や第2画像形成装置102に起因する不具合の位置を示してもよい。
【0217】
〔自装置用用紙PJの説明〕
図13(A)、(B)は、第2画像形成装置102にて生成される自装置用用紙PJを示した図である。
図13(A)に示すように、自装置用用紙PJの一方の面には、上記の通り、コード画像KG、白紙部91、有色画像部92が形成される。
コード画像KGには、上記の通り、第2画像形成装置102を特定するための装置識別情報が含まれる。
本実施形態では、上記の通り、サーバ装置200にて、コード画像KGに含まれるこの装置識別情報と、読み取り画像データとは別に第2画像形成装置102から送信されてきた装置識別情報との照合が行われる。これにより、サーバ装置200は、自装置用用紙PJの検出を行う。
【0218】
自装置用用紙PJの一方の面の白紙部91は、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130の不具合と、第2画像形成装置102に設けられた画像形成部100Aに起因する色筋を検出するために用いられる。
自装置用用紙PJの一方の面の有色画像部92は、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130の不具合と、第2画像形成装置102に設けられた画像形成部100Aの不具合に起因する白筋を検出するために用いられる。
【0219】
一方、自装置用用紙PJの他方の面は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aの影響を受けないようになっており、
図13(B)に示すように、この他方の面は、白紙部95となっている。
自装置用用紙PJの他方の面は、第2画像形成装置102の画像形成部100A(
図3参照)の設置側とは反対側を向いた状態でこの画像形成部100Aを通過する。このため、この他方の面には、画像形成部100Aが画像の形成に用いるトナーやインクが付着しない。
【0220】
ここで、自装置用用紙PJの一方の面は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに対向する形で、この画像形成部100Aを通過する。
このため、この一方の面を読み取ることにより得られた読み取り画像データである画像形成面データGDの白紙部91に筋がある場合、この筋の原因が、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130、又は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aの何れかにあることになる。
【0221】
一方、自装置用用紙PJの他方の面は、上記の通り、画像形成部100Aに対向する形での画像形成部100Aの通過を行わない。このため、自装置用用紙PJの他方の面には、画像形成部100Aに起因する色筋は生じない。
自装置用用紙PJの他方の面を読み取ることにより得られた読み取り画像データである白紙面データHDに筋が生じている場合、この筋の原因は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にあることになる。
【0222】
〔処理の流れの説明〕
上記と説明が一部重複するが、改めて、処理の流れを説明する。
本実施形態では、まず、
図7や
図8に示すように、第1画像形成装置101が、コード画像KGが付されたチャート用紙CPを生成する。
コード画像KGには、第1画像形成装置101を特定するための装置識別情報と、送信の許可の判断に用いられるセキュリティコードとが含まれる。また、コード画像KGには、読み取り画像データの送信の制御に用いられる送信制御情報が含まれる。
次に、ユーザが、
図7や
図8に示すように、チャート用紙CPを第2画像形成装置102にセットして、このチャート用紙CPの読み取りを行う。これにより、第2画像形成装置102が、チャート用紙CPの読み取り画像データであるチャート画像データCDを得る。
【0223】
次いで、第2画像形成装置102が、チャート画像データCDに含まれるコード画像KGに含まれる情報に、予め登録されたセキュリティコードが含まれているかを判断する。
また、第2画像形成装置102は、コード画像KGから、装置識別情報を取得する。そして、第2画像形成装置102は、取得したこの装置識別情報を基に、チャート用紙CPについて、自装置が生成したチャート用紙CPであるか判断する。
【0224】
第2画像形成装置102は、チャート用紙CPについて、自装置が生成したものではないと判断した場合、
図10に示した通り、自装置用用紙PJを生成する。
この自装置用用紙PJの一方の面には、上記の通り、白紙部91、有色画像部92、コード画像KGが形成される。
次いで、第2画像形成装置102は、
図10の符号10Bで示すように、自装置用用紙PJの読み取りを行うことを指示する情報を出力する。これにより、ユーザによって、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に自装置用用紙PJがセットされ、この自装置用用紙PJの読み取りが行われる。
【0225】
この際、第2画像形成装置102では、自装置用用紙PJの両面の読み取りが行われる。
具体的には、第2画像形成装置102では、自装置用用紙PJの一方の面の画像の読み取りを行った後、この自装置用用紙PJの表裏を反転させて、画像読み取り位置へこの自装置用用紙PJを再び送り込み、他方の面の読み取りを行う。
これにより、画像形成面データGD、白紙面データHDが生成される。
【0226】
次いで、第2画像形成装置102(
図10参照)は、チャート用紙CPの読み取り画像データであるチャート画像データCD、自装置用用紙PJの読み取り画像データである、画像形成面データGD、白紙面データHDをサーバ装置200へ送信する。
さらに、第2画像形成装置102は、上記の通り、第2画像形成装置102の装置識別情報を、読み取り画像データとは別にサーバ装置200へ送信する。
本実施形態では、第2画像形成装置102は、この装置識別情報をテキストデータでサーバ装置200へ送信する。
【0227】
次いで、この処理例では、サーバ装置200(
図10参照)が、第2画像形成装置102から送信されてきた読み取り画像データの各々に含まれるコード画像KGから得られる装置識別情報と、上記のテキストデータに含まれる装置識別情報とが一致するかを判断する。
そして、サーバ装置200は、一致すると判断した場合、チャート用紙CPの読み取り画像データであるチャート画像データCDだけではなく、自装置用用紙PJの読み取り画像データである画像形成面データGD、白紙面データHDも含めて、不具合についての判断を行う。
【0228】
本実施形態では、第1画像形成装置101、第2画像形成装置102とは異なる他の画像形成装置100(以下、「第3画像形成装置100」と称する)により生成されたチャート用紙CPについても、第2画像形成装置102において、第1画像形成装置101により生成されたチャート用紙CPと共に読み取られる場合がある。
この場合、この第3画像形成装置100により生成されたチャート用紙CPの読み取り画像データも、サーバ装置200へ送信され、この場合、第2画像形成装置102が生成した自装置用用紙PJを特定できなくなる。
【0229】
そこで、この処理例では、上記の通り、第2画像形成装置102からサーバ装置200へ、自装置用用紙PJの読み取り画像データとは別に、装置識別情報を送信する。
そして、この場合、サーバ装置200は、自装置用用紙PJの読み取り画像データとは別に送信されてきた装置識別情報がコード画像KGに格納されているチャート用紙CPを、自装置用用紙PJとして特定する。これにより、本実施形態では、サーバ装置200が、自装置用用紙PJを特定する。
【0230】
サーバ装置200は、第2画像形成装置102から、画像形成面データGD、白紙面データHDも送信されてきた場合、第1画像形成装置101だけでなく、第2画像形成装置102についての不具合の有無も判断する。
そして、サーバ装置200は、第2画像形成装置102に不具合があると判断した場合、上記の通り、保守者が参照する表示画面や、追加で表示される上記の画像11Bに、第2画像形成装置102の不具合についての情報も表示されるようにする。
【0231】
〔不具合の判断の具体例〕
サーバ装置200による不具合の判断の具体例について説明する。
サーバ装置200は、例えば、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDにおいて、同じ位置に筋がある場合、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
また、サーバ装置200は、チャート画像データCD、白紙面データHDに筋がなく、画像形成面データGDの白紙部91に筋がある場合は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があることも想定され、この場合は、チャート画像データCDには筋が生じず、画像形成面データGDに筋が生じる。
この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
【0232】
図14は、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDの具体例を示した図である。
なお、
図14では、チャート画像データCDとして、表面側チャート画像データCD1と、裏面側チャート画像データCD2とが存在する場合における具体例を示している。
【0233】
より具体的には、
図14は、第1画像形成装置101にて、チャート用紙CPを生成する際に、このチャート用紙CPとなる用紙Pの一方の面および他方の面のそれぞれに画像を形成した場合における具体例を示している。
より具体的には、
図14では、第1画像形成装置101にて、チャート用紙CPを生成する際に、このチャート用紙CPとなる用紙Pの一方の面に診断のための主たる画像を形成し、次いで、用紙Pの反転を行って、他方の面に、コード画像KGのみを形成した場合の具体例を示している。
【0234】
なお、裏面側チャート画像データCD2は、必須ではなく、チャート画像データCDとしては、表面側チャート画像データCD1のみが生成されるようにしてもよい。
裏面側チャート画像データCD2も生成して用いる場合は、表面側チャート画像データCD1のみを用いる場合に比べ、判断のためのデータが増え、不具合についての判断の精度が向上する。
【0235】
図14に示す例では、表面側チャート画像データCD1、裏面側チャート画像データCD2のそれぞれに、2本の筋がある。この2本の筋うち、左側の色筋SJ1は、チャート画像データCDのみにあり、画像形成面データGD、白紙面データHDには存在しない。
この場合、サーバ装置200は、左側の色筋SJ1は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに起因する筋であると判断する。
そして、この場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
【0236】
また、表面側チャート画像データCD1、裏面側チャート画像データCD2のそれぞれにある2本の筋のうちの、右側の色筋SJ2は、画像形成面データGD、白紙面データHDにも存在する。
この場合、サーバ装置200は、この色筋SJ2は、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130に起因する筋であると判断する。
【0237】
この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に起因して筋が生じる場合、白紙面データHDにも筋が現れ、この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
【0238】
その後、サーバ装置200は、これらの判断の結果を基に、
図11にて示した表示画面を生成する。
本実施形態では、サーバ装置200は、このように、第1画像形成装置101についての診断の結果に加え、第2画像形成装置102についての診断の結果を取得する。
本実施形態では、チャート用紙CPとは異なる他の用紙Pに対して第2画像形成装置102が形成した画像が、この第2画像形成装置102によって読み取られる。
言い換えると、本実施形態では、チャート用紙CPとは異なる他の用紙Pへ上記の有色画像部92等を形成することにより生成された自装置用用紙PJが、第2画像形成装置102によって読み取られる。
【0239】
そして、本実施形態では、第2画像形成装置102によるこの読み取りにより得られた読み取り結果を基に、サーバ装置200や、サーバ装置200に格納された読み取り画像データ等を参照する保守者が、第2画像形成装置102についての診断を行う。そして、サーバ装置200は、この診断の結果を取得する。
そして、本実施形態では、サーバ装置200は、第1画像形成装置101についての診断の結果と、第2画像形成装置102についての診断の結果とを基に、
図11にて示した表示画面を生成する。
【0240】
図15は、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDの他の具体例を示した図である。
この具体的では、符号15A、15B、15Cで示すように、3種類の筋が生じている。
この3種類の筋のうち、符号15Aで示す筋は、表面側チャート画像データCD1、裏面側チャート画像データCD2、画像形成面データGD、白紙面データHDに存在するため、サーバ装置200は、この筋は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に起因する筋であると判断する。
この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102に設けられた画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
【0241】
また、符号15Bで示す筋は、表面側チャート画像データCD1、裏面側チャート画像データCD2のみに存在する筋であるため、サーバ装置200は、この筋は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに起因する筋であると判断する。
この場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
【0242】
また、符号15Cで示す筋は、画像形成面データGDのみに存在する筋である。
この場合、サーバ装置200は、この筋は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに起因する筋であると判断する。この場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
その後、サーバ装置200は、これらの判断の結果を基に、
図11にて示した表示画面を生成する。
【0243】
図16は、発生する筋と原因との関係を示した図である。
本実施形態では、ケースAで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表画画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0244】
図14の符号SJ2で示した筋は、ケースAで示す条件に合致する筋であり、
図14の符号SJ2で示した筋が発生した場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
また、
図15の符号15Aで示す筋についても、ケースAの条件に合致する筋であり、
図15の符号15Aで示す筋が発生した場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
【0245】
また、
図16のケースBで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、チャート画像データCD、画像形成面データGDに生じている場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100A、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面に、第1画像形成装置101の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
また、この場合、符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0246】
また、ケースCで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、チャート画像データCD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0247】
また、ケースDで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、チャート画像データCDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面に、第1画像形成装置101の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0248】
ケースDでは、第1画像形成装置101についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれ、第2画像形成装置102についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれていない状況となる。
この場合、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断される。
そして、この場合、上記の通り、
図11の符号11Aに示す表示画面に、第1画像形成装置101の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0249】
ここで、
図14の符号SJ1で示した筋は、ケースDで示す条件に合致する筋であり、
図14の符号SJ1で示した筋が発生した場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
また、
図15の符号15Bで示した筋も、ケースDで示す条件に合致する筋であり、
図15の符号15Bで示した筋が発生した場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
【0250】
また、ケースEで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、チャート画像データCDには生じておらず、画像形成面データGD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0251】
ケースEでは、第1画像形成装置101についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれておらず、第2画像形成装置102についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれている状況となる。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0252】
さらに説明すると、ケースEでは、自装置用用紙PJのうち、有色画像部92やコード画像KGが形成される画像形成面の一例である上記の一方の面(
図13(A)参照)についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれる状況となっている。
また、ケースEでは、この画像形成面とは反対側に位置する白紙面の一例である他方の面(
図13(B)参照)についての診断の結果にも、不具合が生じていることを示す情報が含まれる状況となっている。
さらに、このケースEでは、一方の面についての不具合の位置と、他方の面についての不具合の位置とが一致する状況となっている。
この場合、
図11の符号11Aで示した表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0253】
また、ケースFで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、画像形成面データGDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
より具体的には、ケースFでは、画像形成面の一例である上記の一方の面についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれ、白紙面の一例である上記の他方の面についての診断の結果に、不具合が生じていることを示す情報が含まれていない状況となっている。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0254】
ここで、
図15の符号15Cで示した筋は、ケースFで示す条件に合致する筋であり、
図15の符号15Cで示した筋が発生した場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0255】
また、ケースGで示すように、色筋が生じた場合において、この色筋が、白紙面データHDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0256】
また、ケースHで示すように、色筋がいずれの読み取り画像データにおいても生じていない場合、サーバ装置200は、いずれの装置にも不具合がないと判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面に、不具合が発生していないことを示す情報が表示される。
【0257】
また、ケースIで示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、チャート画像データCD、画像形成面データGD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0258】
また、ケースJで示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、チャート画像データCD、画像形成面データGDに生じている場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100A、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面に、第1画像形成装置101の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。また、この場合、符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0259】
また、ケースKで示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、チャート画像データCD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0260】
また、ケースLで示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、チャート画像データCDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第1画像形成装置101の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面に、第1画像形成装置101の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0261】
また、ケースMに示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、チャート画像データCDには生じておらず、画像形成面データGD、白紙面データHDに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0262】
また、ケースNに示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、画像形成面データGDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像形成部100Aに不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像形成部100Aにて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0263】
また、ケースOに示すように、白筋が生じた場合において、この白筋が、白紙面データHDのみに生じている場合、サーバ装置200は、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130に不具合があると判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面とは異なる表示画面や、追加で表示される画像11Bに、第2画像形成装置102の画像読み取り装置130にて不具合が生じていることを示す情報が表示される。
【0264】
また、ケースPに示すように、白筋がいずれの用紙Pにおいても生じていない場合、サーバ装置200は、いずれの装置にも不具合がないと判断する。
この場合は、
図11の符号11Aで示す表示画面に、不具合が発生していないことを示す情報が表示される。
【符号の説明】
【0265】
1…情報処理システム、11a…CPU、100…画像形成装置、100A…画像形成部、130…画像読み取り装置、200…サーバ装置、KG…コード画像