IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山崎 明美の特許一覧

<>
  • 特開-舗装路面補修装置 図1
  • 特開-舗装路面補修装置 図2
  • 特開-舗装路面補修装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145277
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】舗装路面補修装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/06 20060101AFI20231003BHJP
   E01C 23/00 20060101ALI20231003BHJP
   E01C 19/12 20060101ALI20231003BHJP
   E01H 1/08 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
E01C23/06
E01C23/00 A
E01C19/12
E01H1/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052651
(22)【出願日】2022-03-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-29
(71)【出願人】
【識別番号】520105164
【氏名又は名称】山崎 明美
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貴志
【テーマコード(参考)】
2D026
2D052
2D053
【Fターム(参考)】
2D026AC02
2D026AD01
2D052BA20
2D052CA02
2D053AA13
2D053AA34
2D053FA03
(57)【要約】
【課題】舗装路面におけるポットホールや亀裂を補修するための機械装置であって、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度を計測する計測装置と、計測装置により得られた情報をもとにポットホールや亀裂を補修するために必要な量の補修材を必要な位置に供給して、ポットホールや亀裂に補修材を充填する充填装置とが、1台の台車または車両に搭載されていることを特徴とする、舗装路面補修装置とする。または、ポットホールや亀裂への補修材充填の前処理として、ポットホールや亀裂内の水や土砂礫を除去するための清掃装置が、前記路面補修装置に備わっているものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装路面におけるポットホールや亀裂を補修するための機械装置であって、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度を計測する計測装置と、計測装置により得られた情報をもとにポットホールや亀裂を補修するために必要な量の補修材を必要な位置に供給して、ポットホールや亀裂に補修材を充填する充填装置とが、1台の台車または車両に搭載されていることを特徴とする、舗装路面補修装置。
【請求項2】
舗装路面におけるポットホールや亀裂への補修材充填の前処理として、ポットホールや亀裂内の水や土砂礫を除去するための清掃装置が備わっている、請求項1に示す舗装路面補修装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装路面におけるポットホールや亀裂などの補修に好適な、舗装路面補修装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルト舗装における表層の比較的小さな部分欠損は、ポットホールと呼ばれる。また、アスファルト舗装における表層の亀裂は、ポットホールへと悪化することがある。ポットホールは車両通行にとって危険因子であることから、ポットホールや亀裂は早急な補修が必要であるが、補修には人力による清掃・充填・転圧等の作業と作業に伴う固定的な交通規制が必要なため、手軽に行うことは難しい。従来技術では、特許文献1に、ポットホール等の路面補修を短時間に行える路面補修装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-262510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ポットホールは車両通行にとって危険因子であることから、早急な補修が必要であるが、補修には人力による清掃・充填・転圧等の作業と作業に伴う固定的な交通規制が必要なため、手軽に行うことは難しい。
従来技術では、特許文献1に、ポットホール等の路面補修を短時間に行える路面補修装置が開示されているが、ポットホールの位置や大きさを判断して、ポットホールに充填する補修材の必要量や供給位置を判断することは作業員によるものとなっている。
【0005】
本発明は、計測装置によりポットホール等の大きさや形状等を計測し、計測結果の演算処理により自動でポットホール等に補修材を充填することで、ポットホール等の補修を行うことができる、舗装路面補修装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
舗装路面におけるポットホールや亀裂を補修するための機械装置であって、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度を計測する計測装置と、計測装置により得られた情報をもとにポットホールや亀裂を補修するために必要な量の補修材を必要な位置に供給して、ポットホールや亀裂に補修材を充填する充填装置とが、1台の台車または車両に搭載されていることを特徴とする、舗装路面補修装置とする。
または、ポットホールや亀裂への補修材充填の前処理として、ポットホールや亀裂内の水や土砂礫を除去するための清掃装置が、前記路面補修装置に備わっているものとする。
【発明の効果】
【0007】
本装置では、ポットホール等の補修作業を、ポットホール等の上を本装置が通過する過程で行うことができる。
まず、本装置の計測装置が、ポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状等を計測し、ポットホール等に充填する補修材の必要量や供給位置を決定するのに必要な情報を得て、この情報から、演算装置により補修材の必要量と供給位置の演算を行う。
次に、本装置の充填装置が、前記演算により得られた情報をもとに、ポットホール等の補修に必要な量の補修材を、必要な位置に供給することで、ポットホール等の補修を行うことができる。
【0008】
前記清掃装置が備わっている場合には、ポットホール等への補修材充填前に、ポットホール等の中の水や土砂礫を除去することで、充填する補修材の路面への定着性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の概略図の平面図(a)および側面図(b)である。
図2】実施例2の概略図の平面図(a)および側面図(b)である。
図3】実施例3の概略図の平面図(a)および側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
舗装路面におけるポットホールや亀裂を補修するための機械装置であって、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度を計測する計測装置と、計測装置により得られた情報をもとにポットホールや亀裂を補修するために必要な量の補修材を必要な位置に供給して、ポットホールや亀裂に補修材を充填する充填装置とが、1台の台車2または車両に搭載されていることを特徴とする、舗装路面補修装置1とする。
または、ポットホールや亀裂への補修材充填の前処理として、ポットホールや亀裂内の水や土砂礫を除去するための清掃装置が、前記路面補修装置1に備わっているものとする。
【0011】
図1に、本発明の実施例1を示す。実施例1は、請求項1に係る実施例である。実施例1では、計測装置として2Dレーザースキャナ3と距離速度計測可能な駆動輪15を用いており、駆動輪15により得られる距離情報と2Dレーザースキャナ3により得られるポットホール等の断面情報により、ポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状・容積等の情報を得ることができる。この情報から、演算装置5により補修材の必要量と供給位置を決めるための演算を行う。また、実施例1では、充填装置として、2液性の現場発泡型発泡ウレタンとした補修材を、移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた吐出制御できるノズル8により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置へ必要量の補修材を充填することができる。また、本充填装置には、発泡ウレタン充填後の発泡量を制御するため、樹脂板9とシリンダ10で構成する、補修材充填後のポットホール等に蓋をして押さえつける機能が備わっている。また、本実施例では台車2の車輪に駆動輪15を用いており、台車2の進行を制御することができるため、樹脂板9を押さえつけるときに台車2を自動で停止させる制御をすることができる。
【0012】
図2に、本発明の実施例2を示す。実施例2は、請求項1に係る実施例である。実施例2では、計測装置として3Dレーザースキャナ4を用いているため、距離計を必要とせずに、ポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状・容積等の情報を得ることができるとともに、3Dスキャニングデータの台車2進行方向の時間変化により距離速度情報を得ることができる。これらの情報から、演算装置5により、補修材の必要量と供給位置や転圧の位置と強度を決めるための演算を行う。また、実施例2では、充填装置として、アスファルト合材とした補修材を、ホッパ11から吐出制御できるスクリューコンベア12により吐出して、移動制御できるフィーダ13により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置へ必要量の補修材を充填することができる。また、本充填装置には、アスファルト合材充填後の転圧を行うため、移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた転圧機14により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置の転圧を行う機能が備わっている。また、本実施例では台車2の車輪に駆動輪15を用いており、台車2の進行を制御することができるため、台車2を自動で停止や往復させる制御をすることができ、より確実な転圧を行うことができる。
【0013】
図3に、本発明の実施例3を示す。実施例3は、請求項2に係る実施例であり、実施例1に清掃装置を備えたものである。本清掃装置は、吸引機16および移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた吸引ノズル17と回転ブラシ18で構成され、清掃装置独自に備える計測部19により計測したポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状の情報から演算装置5により演算した情報をもとに、吸引ノズル17と回転ブラシ18を移動して、ポットホール等内の清掃を行うものとしている。清掃装置は、実施例3では、作業員の判断を必要としないで吸引ノズル17と回転ブラシ18の移動制御を行うものとしているが、作業員が手動で移動制御操作を行う方法や、吸引ノズル17と回転ブラシ18の移動制御を行わずに、複数の吸引ノズル17と回転ブラシ18を用いて一定の幅を全体的に清掃する方法も考えられる。この、手動操作方法と一定幅清掃方法では、ポットホール等の形状等を清掃前に計測するための計測部19を必要としない。また、清掃前のポットホール等内には水や土砂礫が多くある場合があり、清掃前後でポットホール等の計測結果が大きく変化することがあることから、計測装置の機器と清掃装置における計測部19の機器は別々の機器とすることが望ましいが、首振り機能により同一機器で清掃前後を計測するなど、共用の機器とすることも考えられる。
【0014】
図1図3に示した実施例1~実施例3は、本発明の実施例に過ぎず、計測装置としては、2Dレーザースキャナ3や3Dレーザースキャナ4のほかステレオ写真計測などが考えられ、充填装置としては、現場発泡型発泡ウレタンやアスファルト合材のほかモルタルなどを充填する装置が考えられ、清掃装置としては、吸引機16や回転ブラシ18のほか圧縮空気噴射機などが考えられることから、本発明における計測装置や充填装置や清掃装置や台車2等の構造や形状等を限定するものではない。
【符号の説明】
【0015】
1 舗装路面補修装置
2 台車
3 2Dレーザースキャナ
4 3Dレーザースキャナ
5 演算装置
6 リニアスライダ
7 薬液タンク
8 ノズル
9 樹脂板
10 シリンダ
11 ホッパ
12 スクリューコンベア
13 フィーダ
14 転圧機
15 駆動輪
16 吸引機
17 吸引ノズル
18 回転ブラシ
19 計測部
20 発電機
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
舗装路面におけるポットホールや亀裂を補修するための機械装置であって、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度を計測する計測装置と、計測装置により得られた情報をもとにポットホールや亀裂を補修するために必要な量の補修材を必要な位置に供給して、ポットホールや亀裂に補修材を充填する充填装置と、補修材充填の前処理として、ポットホールや亀裂内の水や土砂礫を除去するための清掃装置とが、1台の台車または車両に搭載されており、前記清掃装置は、前記計測装置または前記計測装置とは別の計測機器により得られる、ポットホールや亀裂の位置・大きさ・深さ・形状等および本機械装置の進行距離・速度の情報をもとに、吸引ノズルや回転ブラシや圧縮空気噴射ノズル等の清掃機器を移動制御して、必要箇所の清掃を選択・集中的に行うことができる、ことを特徴とする、舗装路面補修装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1に、本発明の実施例1を示す。実施例1では、計測装置として2Dレーザースキャナ3と距離速度計測可能な駆動輪15を用いており、駆動輪15により得られる距離情報と2Dレーザースキャナ3により得られるポットホール等の断面情報により、ポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状・容積等の情報を得ることができる。この情報から、演算装置5により補修材の必要量と供給位置を決めるための演算を行う。また、実施例1では、充填装置として、2液性の現場発泡型発泡ウレタンとした補修材を、移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた吐出制御できるノズル8により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置へ必要量の補修材を充填することができる。また、本充填装置には、発泡ウレタン充填後の発泡量を制御するため、樹脂板9とシリンダ10で構成する、補修材充填後のポットホール等に蓋をして押さえつける機能が備わっている。また、本実施例では台車2の車輪に駆動輪15を用いており、台車2の進行を制御することができるため、樹脂板9を押さえつけるときに台車2を自動で停止させる制御をすることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
図2に、本発明の実施例2を示す。実施例2では、計測装置として3Dレーザースキャナ4を用いているため、距離計を必要とせずに、ポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状・容積等の情報を得ることができるとともに、3Dスキャニングデータの台車2進行方向の時間変化により距離速度情報を得ることができる。これらの情報から、演算装置5により、補修材の必要量と供給位置や転圧の位置と強度を決めるための演算を行う。また、実施例2では、充填装置として、アスファルト合材とした補修材を、ホッパ11から吐出制御できるスクリューコンベア12により吐出して、移動制御できるフィーダ13により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置へ必要量の補修材を充填することができる。また、本充填装置には、アスファルト合材充填後の転圧を行うため、移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた転圧機14により、前記演算から得られた情報をもとに必要位置の転圧を行う機能が備わっている。また、本実施例では台車2の車輪に駆動輪15を用いており、台車2の進行を制御することができるため、台車2を自動で停止や往復させる制御をすることができ、より確実な転圧を行うことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図3に、本発明の実施例3を示す。実施例3は、請求項に係る実施例であり、実施例1に清掃装置を備えたものである。本清掃装置は、吸引機16および移動制御できるリニアスライダ6に取り付けた吸引ノズル17と回転ブラシ18で構成され、清掃装置独自に備える計測部19により計測したポットホール等の位置・大きさ・深さ・形状の情報から演算装置5により演算した情報をもとに、吸引ノズル17と回転ブラシ18を移動して、ポットホール等内の清掃を行うものとしている。清掃装置は、実施例3では、作業員の判断を必要としないで吸引ノズル17と回転ブラシ18の移動制御を行うものとしているが、作業員が手動で移動制御操作を行う方法や、吸引ノズル17と回転ブラシ18の移動制御を行わずに、複数の吸引ノズル17と回転ブラシ18を用いて一定の幅を全体的に清掃する方法も考えられる。この、手動操作方法と一定幅清掃方法では、ポットホール等の形状等を清掃前に計測するための計測部19を必要としない。また、清掃前のポットホール等内には水や土砂礫が多くある場合があり、清掃前後でポットホール等の計測結果が大きく変化することがあることから、計測装置の機器と清掃装置における計測部19の機器は別々の機器とすることが望ましいが、首振り機能により同一機器で清掃前後を計測するなど、共用の機器とすることも考えられる。