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特開2023-145283画像読み取り装置および画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145283
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像読み取り装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20231003BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231003BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20231003BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H04N1/028 Z
G03G21/00 370
H04N1/12 Z
H04N1/04 D
G06T1/00 420C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052658
(22)【出願日】2022-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正
【テーマコード(参考)】
2H270
5B047
5C051
5C072
【Fターム(参考)】
2H270KA57
2H270LA19
2H270LD03
2H270LD08
2H270LD15
2H270MB09
5B047AA01
5B047AB04
5B047BA01
5B047BA07
5B047BB02
5B047BC05
5B047BC09
5B047BC11
5B047BC14
5B047BC18
5B047BC20
5C051AA01
5C051BA02
5C051DA03
5C051DB01
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB24
5C051DB28
5C051DC04
5C051EA01
5C051FA01
5C072AA01
5C072BA01
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA04
5C072EA04
5C072NA01
5C072NA04
5C072QA14
5C072RA16
5C072RA18
5C072UA02
5C072UA13
5C072UA18
5C072WA02
(57)【要約】
【課題】原稿からの反射光が光反射部材の各々にて1回のみ反射される構成に比べ、記録材上の画像の読み取り機能を有する装置の小型化を図る。
【解決手段】上側画像読み取り部221には、用紙からの反射光を反射し受光部226に向かわせる複数の光反射部材227が設けられている。この複数の光反射部材227として、第1光反射部材227A、第2光反射部材227B、第3光反射部材227Cが設けられている。反射光の進行方向において、第1光反射部材227A、第2光反射部材227B、第3光反射部材227Cの順で、光反射部材227が設けられている。第1光反射部材227Aでは、反射光の反射が2回行われる。
【選択図】図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された記録材からの反射光を受光する受光部と、
前記記録材からの前記反射光を反射し前記受光部に向かわせる複数の光反射部材と、
を備え、
前記複数の光反射部材の少なくとも一部の光反射部材にて、前記反射光の反射が複数回行われる画像読み取り装置。
【請求項2】
前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから、当該一部の光反射部材にて当該反射光の次の反射が行われるまでの間に、当該一部の光反射部材以外の複数の他の光反射部材が用いられて当該反射光の反射が行われる請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから前記次の反射が行われるまでの間に、偶数個の前記他の光反射部材が用いられて当該反射光の反射が行われる請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから、当該一部の光反射部材にて当該反射光の次の反射が行われるまでの間に、当該一部の光反射部材以外の他の光反射部材による当該反射光の反射が複数回行われる請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから前記次の反射が行われるまでの間に、前記他の光反射部材による前記反射光の反射が、偶数回行われる請求項4に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
前記一部の光反射部材における2回目の反射光の反射は、当該一部の光反射部材のうちの2回目反射箇所にて行われ、
前記一部の光反射部材の傾斜角度が変化した場合に、前記2回目反射箇所の位置が変化するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記受光部には、一方向に並んだ複数の受光素子が設けられ、
前記複数の光反射部材の各々は、前記一方向に沿って設けられ、
前記一部の光反射部材は、当該一部の光反射部材の厚み方向および前記一方向の両者に対して交差する方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、
前記反射光の進行方向において前記一部の光反射部材よりも1つ上流側に位置する他の光反射部材から、当該一部の光反射部材へ前記反射光が入射し、
前記一部の光反射部材の光反射面に対する法線であって前記2回目反射箇所を通る法線よりも前記一端部側から、当該一部の光反射部材に対し、1つ上流側に位置する前記他の光反射部材からの前記反射光が入射し、
前記他端部が前記一端部よりも相対的に前記他の光反射部材に近づくように前記一部の光反射部材が傾斜した場合に、前記2回目反射箇所が当該他端部側に移動するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記受光部には、一方向に並んだ複数の受光素子が設けられ、
前記複数の光反射部材の各々は、前記一方向に沿って設けられ、
前記一部の光反射部材は、当該一部の光反射部材の厚み方向および前記一方向の両者に対して交差する方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、
前記反射光の進行方向において前記一部の光反射部材よりも1つ上流側に位置する他の光反射部材から、当該一部の光反射部材へ前記反射光が入射し、
前記一部の光反射部材の光反射面に対する法線であって前記2回目反射箇所を通る法線よりも前記一端部側から、当該一部の光反射部材に対し、1つ上流側に位置する前記他の光反射部材からの前記反射光が入射し、
前記一端部が前記他端部よりも相対的に前記他の光反射部材に近づくように前記一部の光反射部材が傾斜した場合に、前記2回目反射箇所が当該一端部側に移動するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
前記受光部および前記複数の光反射部材は、複数組設けられ、
第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材は、記録材の搬送経路の一方側に設けられ、
第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材は、記録材の搬送経路の他方側に設けられている請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項10】
前記第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の一方の面に形成された画像の読み取りを行う第1の画像読み取り手段が構成され、
前記第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の他方の面に形成された画像の読み取りを行う第2の画像読み取り手段が構成され、
前記第1の画像読み取り手段と前記第2の画像読み取り手段とは、点対象となる関係で配置されている請求項9に記載の画像読み取り装置。
【請求項11】
前記第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の一方の面に形成された画像の読み取りを行う第1の画像読み取り手段が構成され、
前記第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の他方の面に形成された画像の読み取りを行う第2の画像読み取り手段が構成され、
記録材が搬送される搬送経路に沿う平面に向けて前記第1の画像読み取り手段および前記第2の画像読み取り手段を投影した場合に、当該第1の画像読み取り手段と当該第2の画像読み取り手段との間に重なりが生じるように、当該第1の画像読み取り手段と当該第2の画像読み取り手段とが設けられている請求項9に記載の画像読み取り装置。
【請求項12】
記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、
画像が形成された記録材からの反射光を受光する受光部と、
前記記録材からの前記反射光を反射し前記受光部に向かわせる複数の光反射部材と、
を備え、
前記複数の光反射部材の少なくとも一部の光反射部材にて、前記反射光の反射が複数回行われる画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プラテンガラス上に置かれた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を反射させる複数の反射ミラーと、複数の反射ミラーの最後段に配置された反射ミラーで反射された光を結像する結像レンズと、結像レンズの結像部に配置された撮像部と、が収納された画像の読み取り用ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3104107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材上の画像を読み取る機能を有する装置では、記録材からの反射光を受光する受光部が設けられ、さらに、反射光をこの受光部に向かわせるための光反射部材が設けられる場合がある。
ここで、光反射部材の数は、装置の大きさに影響を与え、光反射部材の設置数に応じて装置が大型化する。
本発明の目的は、原稿からの反射光が光反射部材の各々にて1回のみ反射される構成に比べ、記録材上の画像の読み取り機能を有する装置の小型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像が形成された記録材からの反射光を受光する受光部と、前記記録材からの前記反射光を反射し前記受光部に向かわせる複数の光反射部材と、を備え、前記複数の光反射部材の少なくとも一部の光反射部材にて、前記反射光の反射が複数回行われる画像読み取り装置である。
請求項2に記載の発明は、前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから、当該一部の光反射部材にて当該反射光の次の反射が行われるまでの間に、当該一部の光反射部材以外の複数の他の光反射部材が用いられて当該反射光の反射が行われる請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項3に記載の発明は、前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから前記次の反射が行われるまでの間に、偶数個の前記他の光反射部材が用いられて当該反射光の反射が行われる請求項2に記載の画像読み取り装置である。
請求項4に記載の発明は、前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから、当該一部の光反射部材にて当該反射光の次の反射が行われるまでの間に、当該一部の光反射部材以外の他の光反射部材による当該反射光の反射が複数回行われる請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項5に記載の発明は、前記一部の光反射部材にて前記反射光の反射が行われてから前記次の反射が行われるまでの間に、前記他の光反射部材による前記反射光の反射が、偶数回行われる請求項4に記載の画像読み取り装置である。
請求項6に記載の発明は、前記一部の光反射部材における2回目の反射光の反射は、当該一部の光反射部材のうちの2回目反射箇所にて行われ、前記一部の光反射部材の傾斜角度が変化した場合に、前記2回目反射箇所の位置が変化するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項7に記載の発明は、前記受光部には、一方向に並んだ複数の受光素子が設けられ、前記複数の光反射部材の各々は、前記一方向に沿って設けられ、前記一部の光反射部材は、当該一部の光反射部材の厚み方向および前記一方向の両者に対して交差する方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、前記反射光の進行方向において前記一部の光反射部材よりも1つ上流側に位置する他の光反射部材から、当該一部の光反射部材へ前記反射光が入射し、前記一部の光反射部材の光反射面に対する法線であって前記2回目反射箇所を通る法線よりも前記一端部側から、当該一部の光反射部材に対し、1つ上流側に位置する前記他の光反射部材からの前記反射光が入射し、前記他端部が前記一端部よりも相対的に前記他の光反射部材に近づくように前記一部の光反射部材が傾斜した場合に、前記2回目反射箇所が当該他端部側に移動するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項6に記載の画像読み取り装置である。
請求項8に記載の発明は、前記受光部には、一方向に並んだ複数の受光素子が設けられ、前記複数の光反射部材の各々は、前記一方向に沿って設けられ、前記一部の光反射部材は、当該一部の光反射部材の厚み方向および前記一方向の両者に対して交差する方向における位置が互いに異なる一端部および他端部を有し、前記反射光の進行方向において前記一部の光反射部材よりも1つ上流側に位置する他の光反射部材から、当該一部の光反射部材へ前記反射光が入射し、前記一部の光反射部材の光反射面に対する法線であって前記2回目反射箇所を通る法線よりも前記一端部側から、当該一部の光反射部材に対し、1つ上流側に位置する前記他の光反射部材からの前記反射光が入射し、前記一端部が前記他端部よりも相対的に前記他の光反射部材に近づくように前記一部の光反射部材が傾斜した場合に、前記2回目反射箇所が当該一端部側に移動するように、前記複数の光反射部材が設置された請求項6に記載の画像読み取り装置である。
請求項9に記載の発明は、前記受光部および前記複数の光反射部材は、複数組設けられ、第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材は、記録材の搬送経路の一方側に設けられ、第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材は、記録材の搬送経路の他方側に設けられている請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項10に記載の発明は、前記第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の一方の面に形成された画像の読み取りを行う第1の画像読み取り手段が構成され、前記第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の他方の面に形成された画像の読み取りを行う第2の画像読み取り手段が構成され、前記第1の画像読み取り手段と前記第2の画像読み取り手段とは、点対象となる関係で配置されている請求項9に記載の画像読み取り装置である。
請求項11に記載の発明は、前記第1の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の一方の面に形成された画像の読み取りを行う第1の画像読み取り手段が構成され、前記第2の組の前記受光部および前記複数の光反射部材により、記録材の他方の面に形成された画像の読み取りを行う第2の画像読み取り手段が構成され、記録材が搬送される搬送経路に沿う平面に向けて前記第1の画像読み取り手段および前記第2の画像読み取り手段を投影した場合に、当該第1の画像読み取り手段と当該第2の画像読み取り手段との間に重なりが生じるように、当該第1の画像読み取り手段と当該第2の画像読み取り手段とが設けられている請求項9に記載の画像読み取り装置である。
請求項12に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、画像が形成された記録材からの反射光を受光する受光部と、前記記録材からの前記反射光を反射し前記受光部に向かわせる複数の光反射部材と、を備え、前記複数の光反射部材の少なくとも一部の光反射部材にて、前記反射光の反射が複数回行われる画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、原稿からの反射光が光反射部材の各々にて1回のみ反射される構成に比べ、記録材上の画像の読み取り機能を有する装置の小型化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、反射光の反射が複数回行われる光反射部材にて反射光の反射が行われてから、この光反射部材にて反射光の次の反射が行われるまでの間に、反射光の反射が複数回行われるようにすることができる。
請求項3の発明によれば、反射光の反射が複数回行われる光反射部材にて反射光の反射が行われてから、この光反射部材にて反射光の次の反射が行われるまでの間に、反射光の反射が偶数回行われるようにすることができる。
請求項4の発明によれば、反射光の反射が複数回行われる光反射部材にて反射光の反射が行われてから、この光反射部材にて反射光の次の反射が行われるまでの間に、反射光の反射が複数回行われるようにすることができる。
請求項5の発明によれば、反射光の反射が複数回行われる光反射部材にて反射光の反射が行われてから、この光反射部材にて反射光の次の反射が行われるまでの間に、反射光の反射が偶数回行われるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、反射光の反射が複数回行われる光反射部材の傾斜角度が変化した場合に、2回目反射箇所の位置が変化しない場合に比べ、受光部に向かう反射光のこの受光部に対するずれを低減できる。
請求項7の発明によれば、2回目反射箇所が光反射部材の他端部側に移動するように、複数の光反射部材が設置されていない場合に比べ、受光部に向かう反射光のこの受光部に対するずれを低減できる。
請求項8の発明によれば、2回目反射箇所が光反射部材の一端部側に移動するように、複数の光反射部材が設置されていない場合に比べ、受光部に向かう反射光のこの受光部に対するずれを低減できる。
請求項9の発明によれば、搬送経路の一方側および他方側の両側にて、画像の読み取りを行う機能部の小型化を図れる。
請求項10の発明によれば、第1の画像読み取り手段の形状と第2の画像読み取り手段の形状とが異なっており、第1の画像読み取り手段と第2の画像読み取り手段とが、点対象となる関係で配置されていない場合に比べ、装置の簡素化を図ることができる。
請求項11の発明によれば、第1の画像読み取り手段と第2の画像読み取り手段との間に重なりが生じるように、第1の画像読み取り手段と第2の画像読み取り手段とが設けられていない場合に比べ、画像読み取り装置の小型化を図れる。
請求項12の発明によれば、原稿からの反射光が光反射部材の各々にて1回のみ反射される構成に比べ、記録材上の画像の読み取り機能を有する装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】画像形成装置を説明する図である。
図3】検査装置の縦断面図であって、上側回転体の設置箇所における検査装置の縦断面図である。
図4】検査装置のフロント側から上側回転体および筐体を見た場合の正面図である。
図5】回転体支持部の他の構成例を示した図である。
図6】(A)、(B)は、上側回転体の他の構成例を示した図である。
図7】上側回転体の他の構成例を示した図である。
図8】(A)、(B)は、進退機構の動きを示した図である。
図9】上流側搬送ロール、第1中間搬送ロール、第2中間搬送ロール、下流側搬送ロール等を上方から且つ検査装置のフロント側から見た場合の図である。
図10図10は、図9の矢印Xで示す方向から上流側搬送ロール等を見た場合の図である。
図11図9の矢印XIで示す方向から上流側搬送ロール等を見た場合の図である。
図12】他の構成例を示した図である。
図13】他の構成例を示した図である。
図14】他の構成例を示した図である。
図15】検査装置のフロント側から上側画像読み取り部および下側画像読み取り部を見た場合の図である。
図16】上側画像読み取り部、下側画像読み取り部の他の配置例を示した図である。
図17】上側画像読み取り部、下側画像読み取り部の他の配置例を示した図である。
図18】上側画像読み取り部、下側画像読み取り部の他の配置例を示した図である。
図19】平面を上方から見た場合の図である。
図20】平面を上方から見た場合の図である。
図21】上側画像読み取り部の内部構成を示した図である。
図22】(A)、(B)は、1つの光反射部材毎に反射光の反射が1回のみ行われる構成例を示した図である。
図23】第1光反射部材の傾斜角度が変化した場合の状態を示した図である。
図24】第1光反射部材の傾斜角度が変化した場合の他の状態を示した図である。
図25】検査装置の内部構造を説明する図である。
図26】検査装置の正面から用紙搬送経路を見た場合の図である。
図27】用紙搬送経路上の用紙の状態を示した図である。
図28】用紙搬送経路を示した図である。
図29】用紙搬送経路の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成システム1の全体構成を示した図である。
本実施形態の画像形成システム1には、記録材の一例である用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置100、画像形成装置100によって用紙P上に形成された画像を検査する検査装置200、検査装置200から排出された用紙Pを収容する用紙収容装置300が設けられている。
【0009】
ここで、画像形成システム1は、用紙P上に形成された画像を検査する機能を有しており、画像検査システムとして捉えることもできる。
また、検査装置200は、記録材の一例である用紙Pを搬送する機能を有しており、記録材搬送装置として捉えることができる。また、検査装置200は、用紙Pに形成された画像を読み取る機能を有しており、画像読み取り装置として捉えることもできる。
【0010】
画像形成手段として機能する画像形成装置100は、不図示のPC(Personal Computer)などから、形成される画像の元となる画像データを取得する。
画像形成装置100は、取得したこの画像データに基づき、トナーなどの材料を用いて用紙Pに対して画像を形成する。
なお、用紙Pに画像を形成する機構は、特に限定されない。用紙Pへの画像の形成は、例えば、電子写真方式や、インクジェット方式が用いられて行われる。
【0011】
検査装置200には、画像形成装置100から排出された用紙Pが搬送される搬送経路の一例としての用紙搬送経路Rが設けられている。
また、検査装置200には、用紙搬送経路Rに沿って用紙Pを搬送する搬送手段の一例としての複数の搬送ロール213が設けられている。本実施形態では、この複数の搬送ロール213によって、用紙Pが下流側へ搬送される。
【0012】
本実施形態では、搬送ロール213として、用紙Pの搬送方向において最も上流側に配置された上流側搬送ロール213Aが設けられている。また、用紙Pの搬送方向において最も下流側には、下流側搬送ロール213Dが設けられている。
さらに、上流側搬送ロール213Aと下流側搬送ロール213Dとの間には、第1中間搬送ロール213Bと、この第1中間搬送ロール213Bよりも下流側に配置された第2中間搬送ロール213Cとが設けられている。
【0013】
搬送ロール213の各々は、回転駆動を行う駆動ロール31Aと、この駆動ロール31Aに押し当てられこの駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する従動ロール31Bとにより構成されている。
従動ロール31Bは、駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部にて、駆動ロール31Aから駆動力を受ける。従動ロール31Bは、駆動ロール31Aの回転に伴い、この駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する。
【0014】
また、検査装置200には、用紙Pに形成された画像を読み取る画像読み取り手段の一例としての画像読み取り部220が設けられている。
本実施形態では、この画像読み取り部220として、上側画像読み取り部221および下側画像読み取り部222が設けられている。
上側画像読み取り部221は、用紙搬送経路Rよりも上方に配置されている。上側画像読み取り部221は、用紙Pが有する2つ面のうちの一方の面の一例である上側の面に形成された画像を読み取る。
【0015】
また、下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rよりも下側に配置されている。下側画像読み取り部222は、用紙Pが有する2つ面のうちの他方の面の一例である下側の面に形成された画像を読み取る。
さらに、検査装置200には、制御部240が設けられている。制御部240は、検査装置200に設けられた各部の制御を行う。
【0016】
上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の各々には、用紙Pに光を照射する光源225、用紙Pからの反射光を受光する受光部226、用紙Pからの反射光を反射し受光部226にこの反射光を向かわせる光反射部材227が設けられている。
光反射部材227は、ミラーにより構成され、光反射面を有する。また、本実施形態では、後述するように、光反射部材227は、複数設けられている。
【0017】
受光部226には、フォトダイオードなどにより構成される複数の受光素子226Aが設けられており、用紙Pからの反射光は、この複数の受光素子226Aにて受光される。
複数の受光素子226Aは、一方向に沿って並んでいる。具体的には、図1の紙面に対して直交する方向に沿って並んでいる。
言い換えると、複数の受光素子226Aは、検査装置200における用紙Pの搬送方向と直交し且つ搬送される用紙Pの厚み方向と直行する方向に沿って並んでいる。
【0018】
また、上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の各々には、光反射部材227からの反射光を、受光部226に結像させるレンズなどの結像光学系228が設けられている。
本実施形態では、上側画像読み取り部221および下側画像読み取り部222の各々は、縮小光学系を備える画像読み取り部となっている。
また、本実施形態では、用紙搬送経路Rを挟み、下側画像読み取り部222の設置側とは反対側に、回転可能な上側回転体51が設けられている。また、用紙搬送経路Rを挟み、上側画像読み取り部221の設置側とは反対側に、回転可能な下側回転体52が設けられている。
【0019】
制御部240には、例えば、演算処理を実行するプロセッサの一例としてのCPU(Central Processing Unit)、制御プログラムが記憶された不揮発性のROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等が設けられている。
本実施形態では、制御部240により、ROM等に記憶された制御プログラムが実行されることで、検査装置200の各部の制御が行われる。
【0020】
用紙収容装置300には、筐体310が設けられている。また、用紙収容装置300には、用紙積載部320が設けられている。
用紙積載部320は、筐体310の内部に設置され、本実施形態では、検査装置200から順次排出されてくる用紙Pが、この用紙積載部320に積載される。
さらに、用紙収容装置300には、検査装置200から排出されてくる用紙Pをこの用紙積載部320に送り出す送り出しローラ330が設けられている。
【0021】
図2は、画像形成装置100を説明する図である。
なお、図2では、画像形成装置100の一例を示しており、画像形成装置100の装置構成は、図2に示すものに限られない。図2に示す画像形成装置100は、いわゆる電子写真方式を用いて画像を形成する装置であるが、画像形成装置100は、例えば、インクジェット方式を用いて画像を形成する装置であってもよい。
また、画像形成装置100は、電子写真方式、インクジェット方式以外の他の方式を用いて画像を形成する装置であってもよい。
【0022】
画像形成装置100には、画像形成部10、用紙搬送部20、制御部40が設けられている。
画像形成部10は、画像形成ユニット11(11Y,11M,11C,11K)と、中間転写ベルト12と、二次転写部13と、定着器14とを備える。
本実施形態では、画像形成ユニット11として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーのそれぞれに対応した4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kが設けられている。
【0023】
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、中間転写ベルト12の移動方向において並んで配置されており、電子写真方式によりトナー像を形成する。
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々には、感光体ドラム111、帯電部112、露光部113、現像部114、一次転写部115が設けられている。
4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々は、YMCKの何れかの色のトナー像を形成するとともに、形成したこのトナー像を中間転写ベルト12に転写する。これにより、中間転写ベルト12上には、YMCKの各色のトナー像が重ねられたトナー像が形成される。
【0024】
感光体ドラム111は、予め定めた速度で図中矢印A方向に回転する。帯電部112は、感光体ドラム111の周面を予め定めた電位に帯電する。露光部113は、帯電した感光体ドラム111の周面に光を照射し、感光体ドラム111の周面に静電潜像を形成する。
現像部114は、感光体ドラム111の周面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。一次転写部115は、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト12に転写する。
【0025】
一次転写部115には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト12上に順次静電吸引される。この結果、中間転写ベルト12上には、1つに重なり合ったカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト12は、複数のロール状部材によって支持されている。中間転写ベルト12は、図中矢印B方向に循環移動するベルト状の部材である。
【0026】
本実施形態では、ロール状部材として、不図示のモータにより駆動され中間転写ベルト12を駆動する駆動ロール121、中間転写ベルト12に対して張力を与えるテンションロール122、中間転写ベルト12を支持するアイドルロール123、およびバックアップロール132が設けられている。
【0027】
用紙搬送部20には、複数枚の用紙Pが積み重ねられた状態で収容される用紙収容部21、用紙収容部21に収容された用紙Pを取り出して搬送するピックアップロール22が設けられている。
また、用紙搬送部20には、ピックアップロール22にて取り出された用紙Pを用紙搬送経路60に沿って搬送する搬送ロール23、搬送ロール23により搬送されてきた用紙Pを二次転写部13へ案内する案内部24が設けられている。
また、用紙搬送部20には、二次転写後の用紙Pを定着器14へと搬送する搬送ベルト25が設けられている。
【0028】
二次転写部13には、中間転写ベルト12の外側の面に対し接触して配置される二次転写ロール134と、中間転写ベルト12の内側に配置され二次転写ロール134の対向電極をなすバックアップロール132とが設けられている。
また、本実施形態では、バックアップロール132に対し二次転写バイアスを印加する金属製の給電ロール133が設けられている。
二次転写部13では、中間転写ベルト12上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙P上に転写される。
【0029】
定着器14は、二次転写部13よりも用紙Pの搬送方向における下流側に配置されている。定着器14には、加熱源(不図示)を有する定着ロール141、定着ロール141に対向するように設けられこの定着ロールを押圧する加圧ロール142が設けられている。
本実施形態では、定着ロール141と加圧ロール142との間に、二次転写部13を通過した用紙Pが搬送され、用紙P上の未定着のトナー像は、溶融されたうえで用紙P上に定着される。これにより、用紙P上に、トナー像からなる画像が形成される。
【0030】
また、本実施形態の画像形成装置100では、用紙Pの両面への画像の形成を行えるようになっており、用紙Pの両面への画像の形成に用いられる反転搬送経路61が設けられている。
この反転搬送経路61は、定着器14の下流側にて、用紙搬送経路60から分岐する形で設けられている。反転搬送経路61は、用紙搬送経路60との接続部2Aを始点した場合に、図中左方向へ向かい、二次転写部13よりも上流側にて、この用紙搬送経路60に合流する。
【0031】
用紙Pの両面への画像の形成が行われる場合は、一方の面に画像が形成された後の用紙Pを、接続部2Aよりも下流側まで一旦搬送する。その後、用紙Pの搬送方向を逆転し、用紙Pの搬送方向における後端部にそれまで位置していた端部を先頭として、この用紙Pを反転搬送経路61へ送り込む。
そして、この用紙Pを、反転搬送経路61を経由させて、二次転写部13へ再度供給する。
【0032】
これにより、二次転写部13では、用紙Pの他方の面に対してトナー像が転写される。その後、この用紙Pは、定着器14に向かい、定着器14では、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。この処理により、用紙Pの両面に画像が形成される。
なお、用紙Pの両面への画像の形成の態様はこれに限られない。例えば、用紙Pの一方の面および他方の面のそれぞれに対応させて画像形成部を設け、用紙Pの面毎に設けられた画像形成部を用い、用紙Pの両面への画像形成を行ってもよい。
【0033】
図3は、検査装置200の縦断面図であって、上側回転体51の設置箇所における検査装置200の縦断面図である。
より具体的には、図3は、上側回転体51の軸方向に直交する面であって上側回転体51の一端部51Aに近い側を通る面における検査装置200の断面図を示している。
本実施形態では、上側回転体51は、軸方向における位置が互いに異なる一端部51Aおよび他端部51Bを有し、図3では、この一端部51Aに近い側に位置する鉛直面における検査装置200の断面の状態を示している。
なお、図3、および、以下の図4では、上側回転体51について説明するが、下側回転体52も、上側回転体51と同様の構成を有する。
【0034】
本実施形態では、下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rの一方側である下側に配置されている。下側画像読み取り部222は、用紙搬送経路Rを搬送される用紙Pの一方の面に形成された画像を読み取る。
下側画像読み取り部222には、用紙搬送経路Rの一方側である下側に配置され用紙Pからの反射光が透過する光透過部63が設けられている。この光透過部63は、例えば、ガラスにより構成される。なお、光透過部63は、光を透過可能な材質であれば、ガラス以外の他の素材を用いてもよい。
さらに、下側画像読み取り部222には、光透過部63の周囲に配置された配置部材64が設けられている。本実施形態では、この配置部材64によって光透過部63が支持される。
【0035】
本実施形態では、用紙搬送経路Rを挟み、下側画像読み取り部222の設置側とは反対側に、上側回転体51が設けられている。
上側回転体51は、多角形状に形成され、上側回転体51の外面には、上側回転体51の周方向に並んだ複数の平面51Cが設けられている。
本実施形態では、複数設けられた平面51Cのうちの一部の平面51Cに対し、校正用部材の一例としての、白色の白色基準板HKが設けられている。また、本実施形態では、他の一部の平面51Cに対し、校正用部材の他の一例としての色校正板EKが設けられている。
【0036】
白色基準板HKおよび色校正板EKは、長尺状に形成されるとともに上側回転体51の軸方向に沿って設けられている。色校正板EKには、例えば、色が異なる複数のカラーパッチが、上側回転体51の軸方向に並んで配置されている。
本実施形態では、用紙Pが搬送されていないときに、白色基準板HKや色校正板EKを、下側画像読み取り部222に対向させる。そして、下側画像読み取り部222による白色基準板HKや色校正板EKの読み取りが行われる。
【0037】
そして、本実施形態では、下側画像読み取り部222によるこの読み取りの結果を基に、下側画像読み取り部222の校正が行われる。
具体的には、この読み取りの結果を基に、例えば、下側画像読み取り部222による読み取りにより得られる画像データの補正に用いられる補正用パラメータの生成や、下側画像読み取り部222が画像の読み取りを行う際の読み取り条件の変更が行われる。
【0038】
さらに、本実施形態では、上側回転体51の他の一部の平面51Cに対し、光透過部63の清掃を行う清掃部材51Eが設けられている。
また、本実施形態では、上側回転体51の外面に、搬送される用紙Pの案内を行う用紙案内部51Gが設けられている。この用紙案内部51Gは、上側回転体51の外面に設けられた一つの平面51Cによって構成される。
【0039】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる際には、この用紙案内部51Gが、下側画像読み取り部222に対向した状態で配置される。より具体的には、用紙案内部51Gが、光透過部63の対向した状態で配置される。
また、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる際、用紙案内部51Gは、光透過部63に平行となる状態で配置される。
【0040】
本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りが行われる際、用紙Pが、用紙案内部51Gと光透過部63との間を通過する。
この際、用紙案内部51Gによる用紙Pの案内が行われる。さらに、本実施形態では、用紙Pが、用紙案内部51Gと光透過部63との間を通過する際に、下側画像読み取り部222によって、この用紙Pに形成された画像の読み取りが行われる。
【0041】
また、本実施形態では、上側回転体51に、上流側案内部51Hおよび下流側案内部51Kが設けられている。この上流側案内部51Hおよび下流側案内部51Kも、上側回転体51が有する平面51Cによって構成される。
上流側案内部51Hは、用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態となっている際に、この用紙案内部51Gの上流側に位置する。また、上流側案内部51Hは、用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向に対して傾斜した状態で配置される。
また、用紙案内部51Gが光透過部63に対向している状態のとき、上流側案内部51Hは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い光透過部63に接近するように配置される。
【0042】
下流側案内部51Kは、用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態となっている際に、この用紙案内部51Gの下流側に位置する。また、下流側案内部51Kは、用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態となっている際、用紙Pの搬送方向に対して傾斜した状態で配置される。
また、用紙案内部51Gが光透過部63に対向している状態のとき、下流側案内部51Kは、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い光透過部63から次第に離れるように配置される。
なお、本実施形態では、用紙案内部51G、上流側案内部51H、および、下流側案内部51Kは、一枚の板金を曲げ加工することにより形成されており、本実施形態では、用紙案内部51G、上流側案内部51H、および、下流側案内部51Kが、一体となっている。
【0043】
さらに、本実施形態では、上側回転体51が有する他の一部の平面51Cによって、対向部51Mが構成されている。本実施形態では、下側画像読み取り部222による画像の読み取りを行わずに、用紙Pを、光透過部63と上側回転体51との間を通過させる場合、この対向部51Mが光透過部63に対向した状態で配置される。
本実施形態では、対向部51Mが光透過部63に対向した状態のときにおける対向部51Mと光透過部63との離間距離の方が、用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態のときにおける用紙案内部51Gと光透過部63との離間距離よりも大きい。
【0044】
さらに、本実施形態では、用紙搬送経路Rから退避可能に設けられた退避部53が設けられている。この退避部53は、用紙搬送経路Rよりも上側に設けられている。また、本実施形態では、退避部53が、上方に向かって移動可能となっている。また、この退避部53は、上側回転体51の軸方向に沿って延びるように設けられている。
退避部53は、板金を曲げ加工することにより形成された金属製の筐体54の一部により構成されている。本実施形態では、この筐体54によって、上側回転体51が回転可能な状態で支持されている。
【0045】
さらに、本実施形態では、上側回転体51を支持する回転体支持部55が設けられている。本実施形態では、筐体54の一部により、回転体支持部55が構成されている。
回転体支持部55は、板状に形成され、図中上下方向に沿って延びるように配置されている。また、回転体支持部55は、用紙搬送経路Rから離れた箇所からこの用紙搬送経路Rに向かって突出するように設けられている。
【0046】
本実施形態では、上側回転体51の一端部51Aが、この回転体支持部55を介して退避部53により支持されている。
また、本実施形態では、回転体支持部55が、光透過部63の周囲に配置された配置部材64に接触する構成となっている。言い換えると、本実施形態では、上側回転体51を支持する回転体支持部55が、下側画像読み取り部222に接触する構成となっている。
【0047】
さらに、本実施形態では、退避部53と回転体支持部55とが、一体となっている。より具体的には、本実施形態では、退避部53および回転体支持部55の両者は、板金により形成され、回転体支持部55については、この板金を曲げることにより形成されている。
本実施形態では、板金が途中で曲げられることによって、曲げ部54Aが設けられ、この曲げ部54Aの部分で、退避部53と回転体支持部55と接続されている。
退避部53と回転体支持部55とは、1つの板金により構成され、退避部53と回転体支持部55とは、一体となっている。
【0048】
図4は、検査装置200のフロント側から上側回転体51および筐体54を見た場合の正面図である。
本実施形態では、検査装置200のフロント側にも、上側回転体51を支持する回転体支持部55が設けられている。本実施形態では、図4に示す回転体支持部55によって、上側回転体51の他端部51Bが支持されている。
本実施形態では、検査装置200のフロント側およびリア側のそれぞれに、回転体支持部55が設けられ、本実施形態では、上側回転体51の軸方向における両端が、回転体支持部55によって支持される。
【0049】
さらに、本実施形態では、筐体54は、検査装置200の奥行方向に沿って延びる回転軸54Bを中心に回転可能となっており、この回転軸54Bを中心に筐体54を図中時計回り方向へ回転させることで、退避部53が、用紙搬送経路R(図3参照)から退避する。
より具体的には、本実施形態では、退避部53の退避の際には、ユーザによって、ハンドルHDの部分が上方へ移動するように、このハンドルHDに対する操作が行われる。
退避部53が退避すると、これに伴い、上側回転体51も、用紙搬送経路Rから退避する。
【0050】
本実施形態では、回転体支持部55の各々は、用紙搬送経路R(図3参照)の上側に配置されている。
また、回転体支持部55の各々は、用紙搬送経路Rの下側に配置された下側画像読み取り部222(図3参照)に向かって突出するように設けられている。
また、図4に示すように、回転体支持部55の各々には、上側回転体51の一部が入る溝55Mが形成されている。この溝55Mは、回転体支持部55の外周縁55Cから回転体支持部55の内部側に向かうように形成されている。
【0051】
回転体支持部55の外周縁55Cには、溝55Mの入口部55Eが設けられている。この入口部55Eは、回転体支持部55の突出方向における先端部55Sから外れた箇所に設けられている。
これにより、本実施形態では、回転体支持部55の各々において、回転体支持部55の先端部55Sの1カ所のみが、下側画像読み取り部222(図3参照)に接触する。
【0052】
ここで、例えば、図5(回転体支持部55の他の構成例を示した図)に示すように、回転体支持部55の先端部55Sに、溝55Mの入口部55Eが設けられている場合を想定する。
この場合、回転体支持部55の寸法公差等に起因し、溝55Mの一方側に設けられた一方の部位55Lが下側画像読み取り部222(図3参照)に接触したり、溝55Mの他方側に設けられた他方の部位55Rが下側画像読み取り部222に接触したりする事態が生じうる。
【0053】
この場合、下側画像読み取り部222による回転体支持部55の支持が不安定となり、下側画像読み取り部222に対する上側回転体51の位置決めの精度が低下する。
これに対し、本実施形態のように、溝55Mの入口部55Eが、回転体支持部55の先端部55Sから外れた箇所に位置すると、回転体支持部55の先端部55Sの1カ所のみが、下側画像読み取り部222に接触する。
この場合、下側画像読み取り部222に対する上側回転体51の位置決めの精度の低下を抑えられる。
【0054】
本実施形態では、回転体支持部55(図4参照)により支持される上側回転体51は、下側画像読み取り部222に非接触の状態で配置される。
本実施形態では、回転体支持部55は、下側画像読み取り部222に接触するが、上側回転体51については、下側画像読み取り部222に対して非接触の状態で配置される。
本実施形態では、回転体支持部55を下側画像読み取り部222に接触させることで、下側画像読み取り部222に対する上側回転体51の位置決めを行う。
【0055】
図6(A)、(B)は、上側回転体51の他の構成例を示した図である。図6(A)は、上側回転体51の中心軸の延長線上から上側回転体51を見た場合の状態を示し、図6(B)は、図6(A)の矢印VIBで示す方向から上側回転体51を見た場合の状態を示している。
図6(A)、(B)に示すこの構成例では、上側回転体51の一部が、下側画像読み取り部222に接触する構成となっている。
具体的には、図6(A)、(B)に示す構成例では、上側回転体51に、下側画像読み取り部222に接触する接触部56が設けられており、上側回転体51の一部であるこの接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
【0056】
図示は省略するが、この構成例においても、上記と同様、上側回転体51の軸方向における一端部51Aおよび他端部51Bのそれぞれを支持する回転体支持部55が設けられている。この回転体支持部55は、上記と同様、この回転体支持部55に接続された退避部53によって支持されている。
ここで、図6に示す上側回転体51を支持する回転体支持部55(不図示)は、下側画像読み取り部222に接触しない。図6に示す上側回転体51については、回転体支持部55が下側画像読み取り部222に接触せず、上側回転体51の一部である接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
【0057】
図6に示すこの構成例では、上側回転体51に、下側画像読み取り部222に接触する接触部56が複数設けられている。
この構成例では、接触部56の各々は、光透過部63に接触する。なお、これに限らず、接触部56が、配置部材64(図3参照)に接触する構成としてもよい。
図6(A)に示すように、複数設けられた接触部56は、上側回転体51の周方向における位置が互いに異なるように配置されている。
また、複数設けられたこの接触部56は、図6(B)に示すように、上側回転体51の軸方向における位置が互いに異なるように配置されている。
より具体的には、接触部56は、上側回転体51の長手方向における一端部51Aおよび他端部51Bのそれぞれに設けられている。
【0058】
図6(A)に示すように、また、上記と同様、上側回転体51には、用紙搬送経路Rを搬送される用紙Pの案内を行う用紙案内部51Gが設けられている。本実施形態では、この用紙案内部51Gが用紙搬送経路Rに対向した状態となっているときに、接触部56が下側画像読み取り部222に接触する。
本実施形態では、上側回転体51が有する複数の平面51Cのうちの、用紙案内部51Gとして機能する平面51Cの長手方向における一端部および他端部のそれぞれに接触部56が設けられている。
【0059】
本実施形態では、用紙案内部51Gとして機能する平面51Cが、用紙搬送経路Rに対向した状態となっているとき、この平面51Cに設けられた接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
なお、図示は省略するが、図6に示すこの構成例においても、上記と同様、用紙案内部51Gの上流側に、上流側案内部51H(図3参照)が設けられ、用紙案内部51Gの下流側に、下流側案内部51Kが設けられている。
【0060】
さらに、図6にて示すこの構成例においては、上記と同様、図6(A)に示すように、上側回転体51に、下側画像読み取り部222の校正に用いられる校正用部材の一例としての白色基準板HK、色校正板EKが取り付けられている。
本実施形態では、白色基準板HKが用紙搬送経路Rに対向した状態となっているときに、上側回転体51の接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
また、本実施形態では、色校正板EKが用紙搬送経路Rに対向した状態となっているときに、上側回転体51の接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
【0061】
この構成例では、上側回転体51が有する複数の平面51Cのうちの、白色基準板HKや色校正板EKが設けられている平面51Cに、接触部56が設けられている。
このため、この構成例では、白色基準板HKが用紙搬送経路Rに対向した状態となっているとき、また、色校正板EKが用紙搬送経路Rに対向した状態となっているとき、上側回転体51の接触部56が、下側画像読み取り部222に接触する。
【0062】
さらに、この構成例では、図6(A)に示すように、上側回転体51に、上側回転体51に設けられた接触部56の各々を、下側画像読み取り部222に向けて付勢する付勢部材57が設けられている。
この付勢部材57は、ばねなどの弾性体により構成されている。
本実施形態では、この付勢部材57によって、上側回転体51に設けられた接触部56の各々が、光透過部63に向けて付勢されてこの光透過部63に押し当てられる。
【0063】
さらに、この構成例においては、用紙案内部51Gが、付勢部材57による付勢によって移動する接触部56に連動する構成となっている。
このため、この構成例では、接触部56が光透過部63に押し当てられ、この接触部56が光透過部63に対して位置決めされると、用紙案内部51Gも、光透過部63に対して位置決めされる。
より具体的には、この構成例では、用紙案内部51Gと、この用紙案内部51Gとして機能する平面51Cに対応して設けられた2つの接触部56とがユニット化されて一体となっている。この2つの接触部56が光透過部63に押し当てられて位置決めされると、用紙案内部51Gも、光透過部63に対して位置決めされる。
【0064】
さらに、この構成例では、白色基準板HK、色校正板EKについても、付勢部材57による付勢によって移動する接触部56に連動する。
この構成例では、白色基準板HKと、この白色基準板HKに対応して設けられた2つの接触部56とがユニット化されて一体となっており、2つの接触部56が光透過部63に押し当てられて位置決めされると、白色基準板HKも、光透過部63に対して位置決めされる。
また、この構成例では、色校正板EKと、この色校正板EKに対応して設けられた2つの接触部56とがユニット化されて一体となっており、2つの接触部56が光透過部63に押し当てられて位置決めされると、色校正板EKも、光透過部63に対して位置決めされる。
【0065】
また、図6(A)に示す構成例では、上側回転体51に設けられた接触部56の各々の移動を規制する規制部58が設けられている。
この規制部58は、付勢部材57による付勢によって移動する接触部56が、下側画像読み取り部222以外に向かって移動することを規制する。
下側画像読み取り部222は、上側回転体51に対向する対向部222Mを有するが、規制部58は、接触部56がこの対向部222M以外に向かって移動することを規制する。
【0066】
より具体的には、規制部58は、下側画像読み取り部222に設けられた対向部222Mの対向箇所以外の箇所に設けられ、また、上側回転体51の外周面に沿うように設けられている。
本実施形態では、上側回転体51に設けられた接触部56が、対向部222Mの対向箇所以外の箇所に位置する際には、規制部58に接触する。
これにより、規制部58を挟み上側回転体51が位置する側とは反対の領域である反対側領域HRへ、接触部56が向かうことが規制される。
【0067】
反対側領域HRには、各種の部材が設けられる場合があり、規制部58が設けられることで、接触部56とこの各種の部材とが干渉することが避けられる。
また、この構成例では、規制部58によって、接触部56が進退する。
接触部56が、規制部58の対向位置にある際には、接触部56が、この規制部58により押圧されて、上側回転体51側へ退避する。一方、接触部56が、規制部58の対向位置以外に位置すると、接触部56が、対向部222Mに設けられた光透過部63へ進出する。
【0068】
図7は、上側回転体51の他の構成例を示した図である。
この構成例では、上側回転体51に、上側回転体本体51Pと、上側回転体本体51Pにより支持され回転軸51Qを中心に回転して変位する変位部51Rとが設けられている。
この構成例では、上側回転体51の接触部56は、この変位部51Rに設けられている。また、この構成例では、用紙案内部51Gが、この変位部51Rに設けられている。図7では、図7の紙面に直交する方向において、用紙案内部51Gは、接触部56の奥側に位置する。
回転軸51Qは、上側回転体51の回転方向において、変位部51Rに設けられた接触部56よりも下流側に配置されている。
【0069】
さらに、この構成例では、上側回転体51に、下側画像読み取り部222に向けて変位部51Rを付勢する付勢手段の一例としてトーションスプリング51Tが設けられている。
また、この構成例では、回転軸51Qを中心に回転可能に設けられ、変位部51Rに連動する連動部51Wが設けられている。
さらに、この構成例では、接触部56を、下側画像読み取り部222に対して進退させる進退機構59が設けられている。
また、構成例では、白色基準板HK、色校正板EKは、板金BKを介して、上側回転体本体51Pにより支持されている。本実施形態では、この板金BKは、溶接によって、上側回転体本体51Pに固定されている。
【0070】
この構成例では、用紙案内部51Gが、光透過部63に対向した状態で配置されている際、トーションスプリング51Tによって、変位部51Rが光透過部63に向けて付勢される。これにより、変位部51Rに設けられた接触部56が、光透過部63に押し当てられる。
この場合、上記と同様、光透過部63に対して接触部56が位置決めされ、また、光透過部63に対して用紙案内部51Gが位置決めされる。
なお、この構成例では、用紙案内部51Gのみに対応して変位部51Rが設けられているが、これに限らず、白色基準板HK、色校正板EKの各々に対応させて変位部51Rを設けてもよい。
【0071】
この構成例では、用紙Pの詰まりが発生し、用紙案内部51Gと光透過部63との間にて用紙Pが停止した場合には、ユーザからの指示に応じ又は自動で、進退機構59が駆動される。
これにより、図8(進退機構59の動きを示した図)の(A)、(B)に示すように、用紙案内部51G(図8では不図示)、および、接触部56が、光透過部63から離れるようになり、用紙Pの除去を行いやすくなる。
【0072】
具体的には、進退機構59が駆動されると、図8(A)、(B)に示すように、連動部51Wが、回転軸51Qを中心に反時計回り方向に回転し、これに伴い、変位部51Rも、回転軸51Qを中心に反時計回り方向へ回転する。
より具体的には、連動部51Wには、変位部51Rに設けられた被押圧部511を下方から押圧する押圧部512が設けられている。本実施形態では、連動部51Wが、回転軸51Qを中心に反時計回り方向に回転すると、変位部51Rに設けられた被押圧部511が、押圧部512により下方から押圧される。これにより、変位部51Rが、回転軸51Qを中心に反時計回り方向へ回転する。
これにより、図8に示すように、用紙案内部51G(図8では不図示)およびこの用紙案内部51Gに対応した接触部56が、光透過部63から離れるようになり、用紙Pの除去を行いやすくなる。
【0073】
進退機構59には、図7に示すように、回転軸591を中心に回転する回転部材592と、この回転部材592の長手方向における一端部に接続されたソレノイド593と、回転部材592の長手方向における他端部側に接続された付勢部材の一例としてコイルスプリング594とが設けられている。
コイルスプリング594は、回転部材592の長手方向における他端部側に接続され、回転部材592の他端部側が連動部51Wに向かうように、この回転部材592の付勢を行う。
【0074】
本実施形態では、変位部51Rを、回転軸51Qを中心に反時計回り方向へ回転させる場合は、図8(B)に示すように、ソレノイド593をオフする。これにより、回転部材592の長手方向における他端部側が、連動部51Wに向かって移動する。これにより、連動部51Wの端部が、図中斜め左上方向に付勢されて、連動部51Wのこの端部が、図中斜め左上方向へ移動する。
そして、この場合、連動部51Wが、回転軸51Qを中心に反時計回り方向に回転し、これに伴い、変位部51Rも、回転軸51Qを中心に反時計回り方向へ回転する。
この場合、上記の通り、用紙案内部51Gおよびこの用紙案内部51Gに対応した接触部56が、光透過部63から離れる。
【0075】
なお、その他に、図6図7にて示した接触部56を進退させて、接触部56の位置を変更する変更機構を設けてもよい。
変更機構を設ける場合は、用紙案内部51G、白色基準板HK、色校正板EKに、接触部56が連動しないようにする。変更機構を設ける場合、用紙案内部51G、白色基準板HK、色校正板EKが、上側回転体51の本体である上側回転体本体51Pに固定された状態で、接触部56が光透過部63に対して進退するようにする。
これにより、用紙案内部51G、白色基準板HK、色校正板EKの各々と、光透過部63との間の距離の変更を行える。
ここで、接触部56の位置を変更する変更機構は、公知の既存の技術を用いて構成すればよい。例えば、モータ、ソレノイド、センサ、クラッチ、ギアなどの要素を用いて構成すればよい。
【0076】
図9は、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、下流側搬送ロール213D等を上方から且つ検査装置200のフロント側から見た場合の図である。
また、図10は、図9の矢印Xで示す方向から上流側搬送ロール213A等を見た場合の図である。図11は、図9の矢印XIで示す方向から上流側搬送ロール213A等を見た場合の図である。
【0077】
本実施形態では、図9に示すように、搬送ロール213として、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、下流側搬送ロール213Dが設けられている。
また、本実施形態では、搬送ロール213の各々に対応して、搬送ロール213の回転数についての情報を取得する回転数情報取得部70が設けられている。
【0078】
また、本実施形態では、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、下流側搬送ロール213Dの各々に対応して、回転可能に設けられユーザからの操作を受け付ける操作受付部71が設けられている。
本実施形態では、この操作受付部71を回転させると、この操作受付部71に対応する搬送ロール213が回転する。これにより、本実施形態では、用紙Pの詰まりに起因して搬送ロール213にて停止している用紙Pを、搬送ロール213の下流側や上流側へ送り出せる。
言い換えると、本実施形態では、手動で、停止している用紙Pを、搬送ロール213の下流側や上流側へ送り出せる。
【0079】
さらに、本実施形態では、用紙搬送経路Rの上方に、用紙搬送経路Rを搬送される用紙Pの案内を行う複数の案内部材72が設けられている。
本実施形態では、この複数の案内部材72として、上流側案内部材72A、中間案内部材72B、下流側案内部材72Cが設けられている。
本実施形態では、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側に向かって、上流側案内部材72A、中間案内部材72B、下流側案内部材72Cの順で、これらの案内部材72が設けられている。
【0080】
案内部材72の各々は、図中上方への移動が可能になっており、用紙搬送経路Rからの退避が可能となっている。
より具体的には、本実施形態では、案内部材72の各々に対応して、取手73が設けられており、ユーザが、この取手73を掴んで上方へ移動させることで、案内部材72の用紙搬送経路Rからの退避が行われる。
【0081】
案内部材72の各々は、用紙Pの搬送方向と直交する方向における位置が互いに異なる一端部771および他端部772を有する。ユーザが取手73を掴んで上方へ移動させると、案内部材72の一端部771側が用紙搬送経路Rから離れるように移動する。
本実施形態では、案内部材72の他端部772側は、検査装置200の本体側に固定されており、本実施形態では、ユーザが取手73を掴んで案内部材72を上方へ移動させると、案内部材72は、他端部772側を中心として回転する。これにより、案内部材72の一端部771側が、用紙搬送経路Rから離れるように移動する。
【0082】
図10に示すように、搬送手段の一例としての上流側搬送ロール213Aには、回転駆動を行う駆動回転体の一例としての駆動ロール31Aと、この駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する従動回転体の一例としての従動ロール31Bとが設けられている。
なお、上流側搬送ロール213A以外の他の搬送ロール213も同様に、駆動ロール31Aと、この駆動ロール31Aから駆動力を受けて回転する従動ロール31Bとが設けられている。
本実施形態では、上流側から搬送されてきた用紙Pは、駆動ロール31Aと従動ロール31Bの間に供給され、回転駆動を行うこの駆動ロール31Aと従動ロール31Bとによって更に下流側へ搬送される。
【0083】
本実施形態では、駆動ロール31Aを駆動させるための駆動モータM(図9参照)が設けられており、本実施形態では、この駆動モータMからの駆動力は、図10に示す伝達シャフトSHを介して、駆動ロール31Aに伝達される。これにより、駆動ロール31Aが回転する。
さらに、本実施形態では、検査装置200のリア側に、図10に示すように、回転数情報取得部70が設けられている。
図9に示すように、回転数情報取得部70は、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、下流側搬送ロール213Dの各々に対応する形で設けられている。回転数情報取得部70は、いわゆるエンコーダにより構成されている。
【0084】
本実施形態では、図10に示すように、回転数情報取得部70は、従動ロール31Bに接続され、この従動ロール31Bの回転数についての情報を取得する。
さらに、本実施形態では、回転数情報取得部70の移動を規制する規制部74が設けられている。本実施形態では、この規制部74に対して、回転数情報取得部70が押し当てられて、回転数情報取得部70の移動が規制される。
本実施形態では、規制部74に対して回転数情報取得部70が押し当てられ、これにより、回転数情報取得部70の変動が生じにくくなる。回転数情報取得部70の変動が生じにくい場合、回転数情報取得部70による回転数情報の取得精度が向上する。
【0085】
本実施形態では、規制部74の上に、回転数情報取得部70が載る形となっており、回転数情報取得部70に作用する重力が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われている。
本実施形態では、図11に示すように、規制部74が、回転数情報取得部70の重心Gの下方に配置されている。言い換えると、本実施形態では、回転数情報取得部70の重心Gを通る鉛直線上に、規制部74が位置する。
【0086】
さらに、本実施形態では、図11に示すように、従動ロール31Bの軸心31Xに沿い且つこの軸心31Xを通る平面Hであって鉛直方向に沿う平面Hを想定した場合に、この平面H上から外れた箇所に、回転数情報取得部70の重心Gが位置する。
さらに、本実施形態では、この平面Hから外れた箇所に位置するこの重心Gの下方に、規制部74が位置する。
本実施形態では、規制部74の上に回転数情報取得部70が載り、回転数情報取得部70の下方に位置する規制部74に対し、回転数情報取得部70が上方から押し当てられる。
【0087】
また、本実施形態では、駆動ロール31Aからの駆動力が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
より具体的には、本実施形態では、駆動ロール31Aからの駆動力であって従動ロール31Bを介して回転数情報取得部70へ伝わる駆動力が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
【0088】
本実施形態では、図11に示すように、回転する従動ロール31Bから、回転数情報取得部70へ、回転数情報取得部70を矢印11Aで示す方向へ回転させようとする駆動力が作用する。本実施形態では、回転数情報取得部70を回転させようとするこの駆動力が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てがさらに行われる。
本実施形態では、回転数情報取得部70に作用する重力、および、回転数情報取得部70へ伝わる上記の駆動力の両者が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
なお、規制部74への回転数情報取得部70の押し当ては、重力および駆動力の両者を用いるのに限らず、重力および駆動力の一方のみを用いてもよい。
【0089】
本実施形態では、回転数情報取得部70は、図10の矢印10Bで示す一方向に向けて付勢されて規制部74に押し当てられる。
また、本実施形態では、回転数情報取得部70は、この一方向とは反対方向への移動が可能な状態で設けられている。
具体的には、本実施形態では、図中上方への回転数情報取得部70の移動が可能な状態で、回転数情報取得部70が設けられている。
【0090】
これにより、本実施形態では、厚い用紙Pが搬送されてきた場合に、駆動ロール31Aから離れる方向へ従動ロール31Bが移動し、厚い用紙Pが搬送されてきた場合にも、駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bによる用紙Pの搬送を行える。
ここで、本実施形態では、図10に示すように、従動ロール31Bを押さえる押さえ部材76が設けられているが、この押さえ部材76は、ばねにより構成され、本実施形態では、従動ロール31Bの図中上方向への移動が可能となっている。
これにより、本実施形態では、上記の通り、厚い用紙Pが搬送されてきた場合にも、駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bによるこの用紙Pの搬送を行える。
【0091】
回転数情報取得部70は、図11に示すように、従動ロール31Bの回転方向における下流側に位置する下流側部分70Bを有する。本実施形態では、回転数情報取得部70のこの下流側部分70Bが、規制部74に押し当てられる。
回転数情報取得部70の下流側部分70Bは、回転数情報取得部70の下部に位置する。本実施形態では、回転数情報取得部70の下部に位置するこの下流側部分70Bの下方に、規制部74が位置し、この規制部74に、下流側部分70Bが押し当てられる。
【0092】
本実施形態では、従動ロール31Bが、駆動ロール31Aの上方に配置されている。さらに、本実施形態では、図11に示すように、回転数情報取得部70の重心Gが、平面H上から外れた箇所に位置し且つ用紙Pの搬送方向においてこの平面Hよりも上流側に位置する。
さらに、本実施形態では、上記の通り、回転数情報取得部70の下方に、規制部74が位置する。
この場合、上記の通り、回転数情報取得部70に作用する重力、および、回転数情報取得部70へ伝わる上記の駆動力の両者が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
【0093】
図12は、他の構成例を示した図である。図12では、図11と同様、検査装置200のフロント側から、上流側搬送ロール213Aおよび回転数情報取得部70を見た場合の状態を示している。
図12にて示すこの構成例では、従動ロール31Bが駆動ロール31Aの下側に位置する構成となっている。また、この構成例においても、回転数情報取得部70の重心Gが、従動ロール31Bの軸心31Xを通る平面H上から外れた箇所に位置する。
さらに、この構成例では、用紙Pの搬送方向において、平面Hよりも下流側に、回転数情報取得部70の重心Gが位置する。さらに、この構成例でも、回転数情報取得部70の重心Gの下方に、規制部74が位置する。
【0094】
この構成例においても、上記と同様、回転数情報取得部70に作用する重力、および、回転数情報取得部70へ伝わる駆動力の両者が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
従動ロール31Bは、駆動ロール31Aの上方に位置するのに限らず、図12に示すように、駆動ロール31Aの下方に位置する形態もありうる。
この場合は、図12に示すように、平面Hよりも下流側に、回転数情報取得部70の重心Gが位置するようにすれば、重力と駆動力の両者を用い、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てを行える。
【0095】
図13は、他の構成例を示した図である。
この構成例では、水平方向における駆動ロール31Aの位置と、水平方向における従動ロール31Bの位置とが異なっている。さらに、この構成例では、搬送ロール213によって、下方から上方へ用紙Pが搬送される構成となっている。
検査装置200などの用紙Pの搬送機能を有する装置では、用紙Pが上下方向へ搬送される場合もあり、この場合は、例えば、図12に示すように、水平方向における駆動ロール31Aの位置と、水平方向における従動ロール31Bの位置とが異なるようになる。
【0096】
なお、水平方向における駆動ロール31Aの位置と、水平方向における従動ロール31Bの位置とが異なるとは、水平方向に延びる1つの直線上に、駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bの両者が位置する状態に限られない。
この1つの直線上から外れた箇所に、駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bの一方が位置する場合であっても、水平方向における位置が互いにずれていれば、水平方向における駆動ロール31Aの位置と、水平方向における従動ロール31Bの位置とが異なる状態にあると言える。
【0097】
図13に示すこの構成例では、従動ロール31Bの軸心31Xを通る平面Hを挟んで相対する2つの領域のうちの一方の領域13Xに、駆動ロール31Aが位置し、この2つの領域のうちの他方の領域13Yに、回転数情報取得部70の重心Gが位置する。
さらに、この構成例でも、回転数情報取得部70の下方に、規制部74が位置する。より具体的には、回転数情報取得部70の重心Gの下方に、規制部74が位置する。
【0098】
この構成例においても、上記と同様、回転数情報取得部70に作用する重力、および、回転数情報取得部70へ伝わる駆動力の両者が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
図13に示すように、従動ロール31Bと駆動ロール31Aとが水平方向に並んだ状態で配置される場合、平面Hを挟み、駆動ロール31Aが設けられている側とは反対側に、回転数情報取得部70の重心Gが位置するようにする。
これにより、この場合も、重力と駆動力の両者を用い、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てを行える。
【0099】
図14は、他の構成例を示した図である。
この構成例でも、上記と同様、水平方向における駆動ロール31Aの位置と、水平方向における従動ロール31Bの位置とが異なっている。また、この構成例では、搬送ロール213は、上方から下方へ用紙Pを搬送する。
この構成例でも、従動ロール31Bの軸心31Xを通る平面Hを挟んで相対する2つの領域のうちの一方の領域13Xに、駆動ロール31Aが位置する。また、この構成例では、2つの領域のうちのこの一方の領域13Xに、回転数情報取得部70の重心Gが位置する。
【0100】
この構成例においても、上記と同様、回転数情報取得部70に作用する重力、および、回転数情報取得部70へ伝わる駆動力の両者が用いられて、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てが行われる。
従動ロール31Bと駆動ロール31Aとが水平方向に並び且つ上方から下方へ用紙Pが搬送される場合は、図14に示すように、平面Hよりも駆動ロール31Aが設けられている側に、回転数情報取得部70の重心Gが位置するようにする。
これにより、この場合も、重力と駆動力の両者を用い、規制部74への回転数情報取得部70の押し当てを行える。
【0101】
図15は、検査装置200のフロント側から上側画像読み取り部221および下側画像読み取り部222を見た場合の図である。
本実施形態では、上記の通り、搬送手段として機能する複数の搬送ロール213(図9参照)によって、用紙Pが搬送される。
搬送されるこの用紙Pは、図15に示す上流側箇所81と、用紙Pの搬送方向においてこの上流側箇所81よりも下流側に位置する下流側箇所82とを順に通過する。
【0102】
本実施形態では、上流側箇所81は、下側画像読み取り部222に設けられた光透過部63(図3参照)の対向箇所であり、下流側箇所82は、上側画像読み取り部221に設けられた光透過部63(不図示)の対向箇所である。
なお、本実施形態では、上流側箇所81における画像の読み取りを下側画像読み取り部222が行い、下流側箇所82における画像の読み取りを上側画像読み取り部221が行うが、画像読み取り部220の配置はこれに限られない。
用紙搬送経路Rを挟んで、上下が反転した構成とし、上流側箇所81における画像の読み取りを上側画像読み取り部221が行い、下流側箇所82における画像の読み取りを下側画像読み取り部222が行うようにしてもよい。
【0103】
上流側画像読み取り部の一例としての下側画像読み取り部222は、上記の通り、用紙Pからの反射光を受光する受光部226を備える。この受光部226には、用紙Pの搬送方向と直交する方向に並ぶ複数の受光素子226Aが設けられている。
下側画像読み取り部222は、用紙Pのうちの上流側箇所81に位置する部分に形成された画像であって、用紙Pの一方の面側に形成された画像を読み取る。
【0104】
また、下流側画像読み取り部の一例としての上側画像読み取り部221も、用紙Pからの反射光を受光する受光部226を備える。
上側画像読み取り部221は、用紙Pのうちの下流側箇所82に位置する部分に形成された画像であって、用紙Pの他方の面側に形成された画像を読み取る。
【0105】
本実施形態では、下側画像読み取り部222の受光部226が、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する。
また、上側画像読み取り部221の受光部226が、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する。
これにより、本実施形態では、検査装置200の小型化を図れる。
【0106】
ここで、例えば、図16(上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の他の配置例を示した図)に示すように、下側画像読み取り部222の受光部226が、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置し、上側画像読み取り部221の受光部226が、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する構成を想定する。
この場合、上側画像読み取り部221および下側画像読み取り部222より成る画像読み取り部220の占有体積が実質的に増加し、検査装置200の大型化を招く。
【0107】
これに対し、本実施形態では、図15に示したように、下側画像読み取り部222の受光部226が、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置し、上側画像読み取り部221の受光部226が、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する。
この場合、画像読み取り部220の実質的な占有体積が小さくなり、検査装置200の小型化を図れる。
【0108】
なお、その他の形態として、例えば、図17(上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の他の配置例を示した図)に示す形態としてもよい。
図17に示すこの形態では、下側画像読み取り部222の受光部226が、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置し、上側画像読み取り部221の受光部226については、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する。
この場合も、図16にて示した構成例に比べ、画像読み取り部220の実質的な占有体積が減り、検査装置200の小型化を図れる。
【0109】
また、例えば、図18(上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222の他の配置例を示した図)に示す構成としてもよい。
図18に示すこの構成例では、上側画像読み取り部221の受光部226が、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置し、下側画像読み取り部222の受光部226については、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する。
この場合も、図16にて示した構成例に比べ、画像読み取り部220の実質的な占有体積が減り、検査装置200の小型化を図れる。
【0110】
図15を再度参照して説明を行う。
本実施形態では、図15に示すように、下側画像読み取り部222の受光部226が、上側画像読み取り部221の受光部226よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する。
また、本実施形態では、上側画像読み取り部221の受光部226が、下側画像読み取り部222の受光部226よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する。
【0111】
さらに、本実施形態では、下側画像読み取り部222の端部であって用紙Pの搬送方向において最も下流側に位置する端部222Tが、下流側箇所82よりも用紙P搬送方向における下流側に位置する。
また、本実施形態では、上側画像読み取り部221の端部であって用紙Pの搬送方向において最も上流側に位置する端部221Tが、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する。
【0112】
さらに、本実施形態では、上流側箇所81に、上側回転体51が設けられている。この上側回転体51は、用紙搬送経路Rを挟み下側画像読み取り部222の設置側とは反対側に設けられている。
また、上側回転体51は、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221との間に形成された間隙であって、用紙搬送経路Rよりも上側に位置する間隙(以下、「上側間隙201」と称する)内に設けられている。
ここで、上側回転体51が上側間隙201内に位置するとは、上側回転体51の一部が、上側間隙201内に位置する場合も含む。
【0113】
さらに、本実施形態では、下流側箇所82に、下側回転体52が設けられている。この下側回転体52は、用紙搬送経路Rを挟み上側画像読み取り部221の設置側とは反対側に設けられている。
さらに、下側回転体52は、上側画像読み取り部221と下側画像読み取り部222との間の間隙であって、用紙搬送経路Rよりも下側に位置する間隙(以下、「下側間隙202」と称する)内に設けられている。
ここで、下側回転体52が下側間隙202内に位置するとは、上記と同様、下側回転体52の一部が、下側間隙202内に位置する場合も含む。
【0114】
さらに、本実施形態では、用紙搬送経路Rに沿う仮想の平面15Hに向けて下側画像読み取り部222および上側画像読み取り部221の両者を投影した場合に、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221との間に重なりが生じるように、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが設けられている。
ここで、仮想の平面15Hとは、用紙搬送経路Rに沿い且つこの用紙搬送経路R上に用紙Pが位置する場合におけるこの用紙Pに沿う平面である。
【0115】
図19図20は、平面15Hを上方から見た場合の図である。言い換えると、図19は、上記の投影方向における上流側から平面15Hを見た場合の図である。
本実施形態では、図19に示すように、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが平面15H上にて重なる部分300の面積S1が、下側画像読み取り部222をこの平面15Hへ投影した場合におけるこの下側画像読み取り部222の投影面積S2の80%以上となっている。
また、本実施形態では、図20に示すように、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが平面15H上にて重なる部分300の面積S1が、上側画像読み取り部221を平面15Hへ投影した場合におけるこの上側画像読み取り部221の投影面積S3の80%以上となっている。
【0116】
なお、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが重なる部分300の面積S1は、上記の80%以上とするのに限られない。
例えば、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが重なる部分300の面積S1は、下側画像読み取り部222を平面15Hへ投影した場合の投影面積S1の50%以上とし、上側画像読み取り部221を平面15Hへ投影した場合の投影面積S2の50%以上としてもよい。
このように、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221との間に重なりが生じるように、これらの画像読み取り部が設けられていると、重なりが生じない場合に比べて、検査装置200の小型化を図れる。
【0117】
図21は、上側画像読み取り部221の内部構成を示した図である。なお、下側画像読み取り部222は、上側画像読み取り部221と同様の構成を有しているため、下側画像読み取り部222についての説明は省略する。
本実施形態では、上側画像読み取り部221に、上記の通り、光源225が設けられている。この光源225は、用紙Pのうちの下流側箇所82(図15参照)に位置する部分への光の照射を行う。
さらに、上側画像読み取り部221には、用紙Pのうちの下流側箇所82に位置する部分からの反射光を受光する受光部226が設けられている。
【0118】
また、上側画像読み取り部221には、用紙Pからの反射光を反射し受光部226に向かわせる複数の光反射部材227が設けられている。
本実施形態では、この複数の光反射部材227として、第1光反射部材227A、第2光反射部材227B、第3光反射部材227Cが設けられている。
本実施形態では、反射光の進行方向において、第1光反射部材227A、第2光反射部材227B、第3光反射部材227Cの順で、光反射部材227が設けられている。
【0119】
本実施形態では、複数のこの光反射部材227の少なくとも一部の光反射部材227にて、反射光の反射が複数回行われる。具体的には、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて、反射光の反射が2回行われる。
なお、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて、反射光の反射が複数回行われる場合を一例に説明するが、反射光の反射が複数回行われる光反射部材227は、第2光反射部材227Bや第3光反射部材227Cなど、他の光反射部材227としてもよい。
【0120】
本実施形態では、第1光反射部材227Aにおける1回目の反射光の反射は、第1光反射部材227Aのうちの1回目反射箇所91にて行われる。また、第1光反射部材227Aにおける2回目の反射光の反射は、第1光反射部材227Aのうちの2回目反射箇所92にて行われる。
本実施形態では、第1光反射部材227Aにて1回目の反射光の反射が行われる箇所である1回目反射箇所91の位置と、第1光反射部材227Aにて2回目の反射光の反射が行われる箇所である2回目反射箇所92の位置とが異なっている。
【0121】
本実施形態のように、一つの光反射部材227にて、反射光の反射が複数回行われると、1つの光反射部材227毎に反射光の反射が1回しか行われない構成に比べ、上側画像読み取り部221の小型化を図れる。
図22(A)、(B)は、1つの光反射部材227毎に反射光の反射が1回のみ行われる構成例を示した図である。
図22(A)、(B)に示すように、1つの光反射部材227毎に反射光の反射が1回のみ行われる構成であると、光反射部材227が4つ設けられる形となる。この場合、上側画像読み取り部221が大型化する。
【0122】
具体的には、図22(A)に示す構成例では、図21に示す本実施形態の構成に比べ、符号22Aで示す部分が張り出す形となり、また、図22(B)に示す構成例では、図21に示す本実施形態の構成に比べ、符号22Bで示す部分が張り出す形となり、図22(A)、(B)に示す構成例では、上側画像読み取り部221が大型化する。
これに対し、本実施形態のように、光反射部材227にて、反射光の反射が複数回行われると、図21に示すように、図22(A)、(B)に示す構成例に比べ、上側画像読み取り部221の小型化を図れる。
【0123】
受光部226(図21参照)には、上記の通り、一方向に並んだ複数の受光素子226Aが設けられている。具体的には、この複数の受光素子226Aは、図21の紙面に対して直交する方向に並んで配置されている。
また、本実施形態では、複数設けられた光反射部材227の各々は、この一方向に沿って設けられている。具体的には、複数設けられた光反射部材227の各々は、図21の紙面に対して直交する方向に沿って設けられている。
言い換えると、複数設けられた光反射部材227の各々は、検査装置200内にて搬送される用紙Pの搬送方向と直交し且つ搬送されるこの用紙Pの厚み方向と直交する方向に沿って配置されている。
【0124】
第1光反射部材227Aは、一端部78および他端部79を有する。
第1光反射部材227Aの厚み方向および上記の一方向の両者に対して交差(直交)する方向における位置を比べた場合に、本実施形態では、一端部78の位置と他端部79の位置とが互いに異なる。
言い換えると、本実施形態では、第1光反射部材227Aの短手方向における位置を比べた場合に、一端部78の位置と他端部79の位置とが異なる。
【0125】
本実施形態では、第1光反射部材227Aにおける、1回目の反射光の反射の際には、用紙搬送経路R上の用紙P(図21では不図示)から、この第1光反射部材227Aへ反射光が入射する。
また、本実施形態では、第1光反射部材227Aにおける、2回目の反射光の反射の際には、他の光反射部材の一例である第3光反射部材227Cから、第1光反射部材227Aへ反射光が入射する。
言い換えると、第1光反射部材227Aにおける、2回目の反射光の反射の際には、反射光の進行方向において第1光反射部材227Aよりも1つ上流側に位置する第3光反射部材227Cから、第1光反射部材227Aへ反射光が入射する。
【0126】
また、本実施形態では、第1光反射部材227Aが有する光反射面86に対する法線であって1回目反射箇所91を通る法線H1よりも一端部78側から、第1光反射部材227Aに対し、用紙Pからの反射光が入射する。
また、本実施形態では、光反射面86に対する法線であって2回目反射箇所92を通る法線H2よりも一端部78側から、第1光反射部材227Aに対し、第3光反射部材227Cからの反射光が入射する。
【0127】
図23は、第1光反射部材227Aの傾斜角度が変化した場合の状態を示した図である。
本実施形態では、図23に示すように、第1光反射部材227Aの傾斜角度が変化した場合に、2回目反射箇所92の位置が変化するように、複数の光反射部材227が設置されている。
より具体的には、本実施形態では、図23に示すように、他端部79が一端部78よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が他端部79側に移動するように、複数の光反射部材227が設置されている。
【0128】
言い換えると、本実施形態では、他端部79が一端部78よりも相対的に反射光の入射側に近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が他端部79側に移動するように、複数の光反射部材227が設置されている。
ここで、他端部79が一端部78よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づく態様としては、例えば、他端部79のみが第3光反射部材227C側へ移動する態様や、一端部78のみが第3光反射部材227C側から離れる態様や、他端部79が第3光反射部材227C側へ移動し一端部78が第3光反射部材227C側から離れる態様が考えられる。
【0129】
また、本実施形態では、図24(第1光反射部材227Aの傾斜角度が変化した場合の他の状態を示した図)に示すように、一端部78が他端部79よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が一端部78側に移動するように、複数の光反射部材227が設置されている。
言い換えると、本実施形態では、一端部78が他端部79よりも相対的に反射光の入射側に近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が一端部78側に移動するように、複数の光反射部材227が設置されている。
【0130】
ここで、一端部78が他端部79よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づく態様としては、例えば、一端部78のみが第3光反射部材227C側へ移動する態様や、他端部79のみが第3光反射部材227C側から離れる態様や、一端部78が第3光反射部材227C側へ移動し他端部79が第3光反射部材227C側から離れる態様が考えられる。
【0131】
本実施形態にように、2回目反射箇所92が他端部79側あるいは一端部78側に移動するように、複数の光反射部材227が設置されていると、2回目反射箇所92が移動しない構成に比べ、受光部226に対する反射光のずれが低減し、画像の読み取り精度が向上する。
ここで、図23に示すように、他端部79が一端部78よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が移動しないと、反射光は、図23の矢印23Aで示す方向へ向かうことになる。
【0132】
また、図24に示すように、一端部78が他端部79よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜した場合に、2回目反射箇所92が移動しないと、反射光は、図24の矢印24Aで示す方向へ向かうことになる。
これらの場合、受光部226に対する反射光のずれが生じ、画像の読み取り精度が低下する。
これに対し、本実施形態のように、2回目反射箇所92が移動する場合、第1光反射部材227Aが傾斜しても、受光部226に対する反射光のずれの程度が小さくなり、画像の読み取りの精度が向上する。
【0133】
本実施形態では、図23に示すように、第1光反射部材227Aにて反射光の反射が行われてから、この第1光反射部材227Aにて反射光の次の反射が行われるまでの間に、第1光反射部材227A以外の複数の他の光反射部材227が用いられて反射光の反射が行われる。
言い換えると、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて反射光の反射が行われてから、この第1光反射部材227Aにて反射光の次の反射が行われるまでの間に、第1光反射部材227A以外の他の光反射部材227による反射光の反射が複数回行われる。
【0134】
より具体的には、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて反射光の反射が行われてから次の反射が行われるまでの間に、偶数個の他の光反射部材227が用いられて反射光の反射が行われる。
言い換えると、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて反射光の反射が行われてから次の反射が行われるまでの間に、他の光反射部材227による反射光の反射が、偶数回行われる。
より具体的には、本実施形態では、第1光反射部材227Aにて反射光の反射が行われてから次の反射が行われるまでの間に、第2光反射部材227Bによる反射光の反射、第3光反射部材227Cによる反射光の反射が行われ、偶数個の他の光反射部材227が用いられて、反射光の反射が偶数回行われる。
【0135】
本実施形態では、このように反射光の反射が複数回行われることで、上記の通り、第1光反射部材227Aが傾くことに起因する、受光部226に対する反射光のずれの程度が小さくなる。
より具体的には、本実施形態は、反射光の反射が偶数回行われることで、第1光反射部材227Aが傾くことに起因する、受光部226に対する反射光のずれの程度が小さくなる。
【0136】
本実施形態では、図23に示すように、他端部79が一端部78よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜すると、符号23Cで示すように、第1光反射部材227Aにおける1回目の反射により第1光反射部材227Aから出射された反射光が、本来の光路よりも左側を通る。
なお、以下、「左側」とは、反射光の進行方向における上流側から本来の光路を見た場合におけるこの本来の光路の左側を指し、「右側」とは、反射光の進行方向における上流側から本来の光路を見た場合におけるこの本来の光路の右側を指す。
【0137】
その後、本実施形態では、第2光反射部材227Bにおける反射光の反射により、光路の位置が逆転し、符号23Dで示すように、本来の光路よりも右側に、反射光の光路が位置する。
そして、本実施形態では、第3光反射部材227Cにおける反射光の反射により、光路の位置が再度逆転し、符号23Eに示すように、本来の光路よりも左側に、反射光の光路が位置する。
この場合、反射光は、本来の光路の左側を通って第1光反射部材227Aに向かう。この場合、2回目反射箇所92が他端部79側へ移動する。そして、この場合、第1光反射部材227Aにて反射された反射光が、受光部226に向かうようになり、受光部226に対する反射光のずれの程度が小さくなる。
【0138】
また、例えば、図24に示すように、一端部78が他端部79よりも相対的に第3光反射部材227Cに近づくように第1光反射部材227Aが傾斜すると、第1光反射部材227Aにおける1回目の反射により第1光反射部材227Aから出射される反射光が、符号24Cで示すように、本来の光路よりも右側を通る。
次いで、本実施形態では、第2光反射部材227Bにおける反射光の反射により、光路の位置が逆転し、符号24Dに示すように、本来の光路よりも左側に、反射光の光路が位置する。
【0139】
そして、本実施形態では、第3光反射部材227Cにおける反射光の反射により、光路の位置が再度逆転し、符号24Eに示すように、本来の光路よりも右側に、反射光の光路が位置する。
この場合、反射光は、本来の光路の右側を通って第1光反射部材227Aに向かう。そして、この場合、2回目反射箇所92が、第1光反射部材227Aの一端部78側へ移動する。
そして、この場合、第1光反射部材227Aにて反射された反射光が、受光部226に向かうようになり、受光部226に対する反射光のずれの程度が小さくなる。
【0140】
ここで、本実施形態では、上側画像読み取り部221(図1参照)と下側画像読み取り部222とは、同様に構成されており、本実施形態では、受光部226および複数の光反射部材227が、複数組設けられた構成となっている。
本実施形態では、第1の組の受光部226および複数の光反射部材227が、上側画像読み取り部221に設けられ、第1の組の受光部226および複数の光反射部材227は、用紙搬送経路Rの一方側に設けられている。
また、第2の組の受光部226および複数の光反射部材227が、下側画像読み取り部222に設けられ、第2の組の受光部226および複数の光反射部材227は、用紙搬送経路Rの他方側に設けられている。
【0141】
言い換えると、本実施形態では、第1の組の受光部226および複数の光反射部材227により、用紙Pの一方の面に形成された画像の読み取りを行う第1の画像読み取り手段の一例である上側画像読み取り部221が構成されている。
また、本実施形態では、第2の組の受光部226および複数の光反射部材227により、用紙Pの他方の面に形成された画像の読み取りを行う第2の画像読み取り手段の一例である下側画像読み取り部222が構成されている。
【0142】
さらに、本実施形態では、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とは、点対象となる関係で配置されている。
具体的には、本実施形態では、図1の符号1Xで示す箇所を対象中心として、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが、点対象となる関係で配置されている。
言い換えると、本実施形態では、対象中心を回転中心として、例えば、下側画像読み取り部222を180°回転させると、下側画像読み取り部222と上側画像読み取り部221とが重なる。
言い換えると、本実施形態では、対象中心を回転中心として、例えば、下側画像読み取り部222を180°回転させると、上記の第1の組の受光部226および複数の光反射部材227と、上記の第2の組の受光部226および複数の光反射部材227とが重なる。
【0143】
図25は、検査装置200の内部構造を説明する図である。図25は、検査装置200をフロント側から見た場合の状態を示している。
本実施形態では、検査装置200に、この検査装置200に設けられた各部材を支持する1つの筐体260が設けられている。
本実施形態では、画像読み取り手段としての上側画像読み取り部221、下側画像読み取り部222と、搬送手段の一例としての複数の搬送ロール213とが、共通のこの筐体260によって支持されている。
【0144】
より具体的には、本実施形態では、下側画像読み取り部222、上側画像読み取り部221、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、および、下流側搬送ロール213Dが、共通の筐体260によって支持されている。
また、本実施形態では、上側回転体51(図1参照)、下側回転体52についても、この共通の筐体260によって支持されている。
【0145】
本実施形態では、図15に示すように、用紙搬送経路Rを挟んで相対する2つの領域が設けられている。
具体的には、2つの領域として、用紙搬送経路Rよりも上側に位置する上側領域RUと、用紙搬送経路Rよりも下側に位置する下側領域RDとが設けられている。本実施形態では、この上側領域RU、下側領域RDの各々に、画像読み取り部220が設けられている。
具体的には、上側領域RUに、上側画像読み取り部221が設けられ、下側領域RDに、下側画像読み取り部222が設けられている。
【0146】
さらに、本実施形態では、上記の通り、用紙搬送経路Rと上側画像読み取り部221との間に存在する間隙である上側間隙201が設けられ、また、用紙搬送経路Rと下側画像読み取り部222との間に存在する間隙である下側間隙202が設けられている。
ここで、用紙搬送経路Rは、横方向に延びるように設けられている。2つ設けられた間隙のうちの上記の上側間隙201は、用紙搬送経路Rの上側に位置し、下側間隙202は、用紙搬送経路Rの下側に位置する。
【0147】
さらに、本実施形態では、上側間隙201を通じて、ユーザによる用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっており、また、下側間隙202を通じて、ユーザによる用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっている。
ここで、「用紙搬送経路Rへのアクセスが可能」とは、用紙搬送経路R上にある用紙Pをユーザが触れることが可能なことを指す。
【0148】
本実施形態では、このように、2つ設けられた間隙である上側間隙201、下側間隙202の各々を通じての用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっており、これにより、上記の2つの領域である上側領域RU、下側領域RDの各々からの用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
なお、上側間隙201、下側間隙202の両方からではなく、上側間隙201、下側間隙202のうちの一方の間隙のみを通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能な構成としてもよい。
言い換えると、2つの領域である上側領域RU、下側領域RDの両方からではなく、この2つの領域のうちの一方の領域のみを通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能な構成としてもよい。
【0149】
本実施形態では、上側間隙201を通じての用紙搬送経路Rへのアクセスは、上側回転体51の設置箇所、および、中間案内部材72B(図25参照)の設置箇所にて行える。
上側回転体51の設置箇所では、上側回転体51を上方へ移動させることにより、上側回転体51と用紙搬送経路Rとの間に間隙が形成され、この間隙を通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
また、中間案内部材72Bの設置箇所では、この中間案内部材72Bを上方へ移動させることにより、中間案内部材72Bと用紙搬送経路Rとの間に間隙が形成され、この間隙を通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0150】
また、本実施形態では、上流側案内部材72A(図25参照)、下流側案内部材72Cの設置箇所でも、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
具体的には、この場合も、上流側案内部材72A、下流側案内部材72Cを上方へ移動させることで、これらの案内部材72と用紙搬送経路Rとの間に間隙が形成され、この間隙を通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
上流側案内部材72A、下流側案内部材72Cは、上側領域RUに設けられており、上流側案内部材72A、下流側案内部材72Cの設置箇所では、用紙搬送経路Rの上側からこの用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0151】
一方、本実施形態では、下側間隙202(図15参照)には、用紙搬送経路Rへのアクセスを可能とするための部材として、下側回転体52のみが設けられ、下側間隙202には、用紙搬送経路Rから退避可能な案内部材72は設けられていない。
下側間隙202では、下側回転体52の設置箇所のみで、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっている。具体的には、下側間隙202では、下側回転体52を用紙搬送経路Rから退避させることで間隙が形成され、この間隙を通じ、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっている。
【0152】
本実施形態では、2つ設けられた間隙である上側間隙201(図15参照)、下側間隙202の各々には、用紙搬送経路Rの側方に設けられた回転体が設けられている。
具体的には、本実施形態では、上記の通り、上側間隙201であって用紙搬送経路Rの側方に、上側回転体51が設けられ、また、下側間隙202であって用紙搬送経路Rの側方に、下側回転体52が設けられている。
上記の通り、上側回転体51、下側回転体52の各々は、用紙搬送経路Rから退避可能となっている。これにより、本実施形態では、2つ設けられたこの回転体の設置箇所の各々にて、回転体と用紙搬送経路Rとの間に間隙が生じ、この間隙を通じて、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0153】
本実施形態では、上記の通り、下側間隙202では、下側回転体52の設置箇所以外での用紙搬送経路Rへのアクセスを行えないようになっている。
これに対し、上側間隙201では、上側回転体51の設置箇所以外でも、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能である。
具体的には、上側間隙201では、上記の通り、中間案内部材72Bの設置箇所においても、この中間案内部材72Bを用紙搬送経路Rから退避させることで、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0154】
なお、その他に、上側間隙201においても、上側回転体51の設置箇所以外では、用紙搬送経路Rへのアクセスを行えないようにしてもよい。
また、その他に、下側間隙202に、用紙搬送経路Rから退避可能な案内部材72を設け、下側間隙202でも、下側回転体52の設置箇所、案内部材72の設置箇所の両方にて、用紙搬送経路Rへのアクセスを行えるようにしてもよい。
【0155】
本実施形態では、検査装置200の本体部から筐体260(図25参照)を引き出さないでも用紙搬送経路Rへのアクセスを行えるようになっている。
具体的には、本実施形態では、上記の通り、3つの案内部材72、上側回転体51、および、下側回転体52が、用紙搬送経路Rから退避可能となっており、筐体260を引き出さないでも用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0156】
ここで、用紙搬送経路Rへのアクセスの仕方としては、用紙Pの搬送手段を支持する筐体を、画像読み取り部220を支持する筐体とは別に設け、搬送手段を支持するこの筐体を引き出すことで、用紙搬送経路Rへのアクセスを行えるようにする態様も考えられる。
ところで、この場合、画像読み取り部220に対する搬送手段の位置が変動しやすく、これに伴い、用紙P上の画像の読み取り精度が低下しやすい。
これに対し、本実施形態のように、1つの筐体260によって、画像読み取り部220および搬送手段が支持され、さらに、案内部材72等を移動させることにより形成される上記の間隙を通じて用紙搬送経路Rへのアクセスを行えると、画像読み取り部220に対する搬送手段の位置の変動を抑えつつ、用紙搬送経路Rへのアクセスを行える。
【0157】
図26は、検査装置200の正面から用紙搬送経路Rを見た場合の図である。
より具体的には、図26は、図3に示した用紙案内部51Gが光透過部63に対向した状態における、用紙搬送経路Rの状態を示した図である。
より具体的には、図26は、上側回転体51に設けられた用紙案内部51Gが光透過部63に対向し且つ下側回転体52に設けられた用紙案内部51Gが光透過部63に対向している状態における、用紙搬送経路Rの状態を示した図である。
【0158】
本実施形態では、特定箇所の一例である上流側箇所81における用紙搬送経路Rの幅であって、用紙搬送経路Rを通る用紙P(図26では不図示)の厚み方向における幅(以下、「第1幅L1」と称する)が、この上流側箇所81よりも上流側における用紙搬送経路Rの幅である上流側幅L31よりも小さい。
また、本実施形態では、第1幅L1が、上流側箇所81よりも下流側における用紙搬送経路Rの幅である下流側幅L32よりも小さい。
本実施形態では、上流側箇所81にて、用紙搬送経路Rが幅狭となっており、上流側箇所81よりも上流側および下流側にて、用紙搬送経路Rが幅広となっている。
以下、本明細書では、「幅」と言う場合、用紙搬送経路R上に位置する用紙Pの厚み方向における幅を指す。
【0159】
本実施形態では、上側回転体51(図26では不図示)に設けられた用紙案内部51Gが光透過部63に対向することで、用紙搬送経路Rの幅が部分的に小さくなり、第1幅L1が、上流側幅L31よりも小さくなり、また、下流側幅L32よりも小さくなる。
同様に、本実施形態では、特定箇所の他の一例である下流側箇所82においても、この下流側箇所82における用紙搬送経路Rの幅(以下、「第2幅L2」)が、この下流側箇所82よりも上流側における用紙搬送経路Rの幅である上流側幅L41よりも小さく、また、この下流側箇所82よりも下流側における用紙搬送経路Rの幅である下流側幅L42よりも小さい。
【0160】
本実施形態では、下側回転体52(図26では不図示)に設けられた用紙案内部51Gが光透過部63に対向することで、用紙搬送経路Rの幅が部分的に小さくなり、第2幅L2が、上流側幅L41よりも小さくなり、また、下流側幅L42よりも小さくなる。
本実施形態では、上流側箇所81、下流側箇所82が位置する箇所の各々にて、これらの箇所の各々における用紙搬送経路Rの幅が、上流側幅よりも小さく、下流側幅よりも小さい。
なお、本実施形態では、第1幅L1の大きさと第2幅L2の大きさとが等しくなっている。
【0161】
さらに、本実施形態では、図26の符号26Aに示すように、用紙搬送経路Rのうち、上流側箇所81よりも上流側に位置する部分には、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に小さくなる部分が設けられている。
また、本実施形態では、符号26Bで示すように、用紙搬送経路Rのうち、上流側箇所81よりも下流側に位置する部分には、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に大きくなる部分が設けられている。
【0162】
本実施形態では、図3に示した通り、上側回転体51に、用紙Pの搬送方向に対して傾斜した上流側案内部51H、下流側案内部51Kが設けられている。
本実施形態では、上流側案内部51Hが設けられることによって、用紙搬送経路Rに、上記の通り、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に小さくなる部分が設けられる。
また、本実施形態では、下流側案内部51Kが設けられることによって、用紙搬送経路Rに、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に大きくなる部分が設けられる。
【0163】
下流側箇所82においても、同様に、符号26Cで示すように、用紙搬送経路Rのうち、下流側箇所82よりも上流側に位置する部分に、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に小さくなる部分が設けられている。
また、符号26Dで示すように、用紙搬送経路Rのうち、下流側箇所82よりも下流側に位置する部分に、用紙Pの搬送方向における下流側に向かうに従い幅が次第に大きくなる部分が設けられている。
【0164】
図27は、用紙搬送経路R上の用紙Pの状態を示した図である。
本実施形態のように、用紙搬送経路Rの一部に、幅狭の部分が設けられ、この幅狭の部分よりも上流側や下流側に、幅広の部分が設けられると、用紙Pの波うちに起因する画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
ここで、例えば、第1中間搬送ロール213Bによる用紙Pの搬送速度が、上流側搬送ロール213Aによる用紙Pの搬送速度よりも小さいと、上流側搬送ロール213Aと第1中間搬送ロール213Bと間にて、用紙Pの波打ちが生じるおそれがある。
【0165】
この場合に、本実施形態のように、幅狭の部分および幅広の部分が設けられていると、符号27Aで示すように、幅広の部分にて、この波うちが生じやすくなり、その一方で、幅狭の部分では、波うちの発生を抑えられる。
この場合、幅狭の部分では、用紙Pの挙動が安定化し、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。具体的には、上流側箇所81では、用紙Pの挙動が安定化し、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
【0166】
また、図示は省略するが、下流側箇所82でも同様であり、波うちが生じると、幅広の部分にて、この波うちが生じやすくなり、その一方で、幅狭の部分では、波うちの発生を抑えられる。
この場合、上記と同様、幅狭の部分では、用紙Pの挙動が安定化し、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。具体的には、下流側箇所82でも、用紙Pの挙動が安定化し、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
【0167】
なお、本実施形態では、上流側箇所81よりも下流側および上流側の両方にて、用紙搬送経路Rの幅が広くなるが、下流側および上流側のうちの一方側でのみ、用紙搬送経路Rの幅を広くしてもよい。
また、下流側箇所82についても同様であり、下流側箇所82よりも下流側および上流側のうちの一方側でのみ、用紙搬送経路Rの幅を広くしてもよい。
また、例えば、上流側箇所81から下流側箇所82にかけて、用紙搬送経路Rの幅を幅狭とし、上流側箇所81よりも上流側にて幅広とし、下流側箇所82よりも下流側にて幅広としてもよい。
【0168】
ここで、本実施形態では、複数設けられた特定箇所の間にて、用紙搬送経路R上にある用紙Pの除去を行えるようになっている。
具体的には、本実施形態では、上流側箇所81(図15参照)と下流側箇所82との間にて、ユーザによる用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となっており、上流側箇所81と下流側箇所82との間にて、用紙搬送経路R上にある用紙Pの除去を行えるようになっている。
具体的には、本実施形態では、上流側箇所81と下流側箇所82との間に設けられた中間案内部材72B(図9参照)を用紙搬送経路Rから退避させることで、用紙搬送経路Rへのアクセスが可能となり、上流側箇所81と下流側箇所82との間にて、用紙搬送経路R上にある用紙Pの除去を行える。
【0169】
さらに、本実施形態では、図28(用紙搬送経路Rを示した図)に示すように、用紙搬送経路Rのうち、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する部分から、この上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
より具体的には、用紙搬送経路Rのうち、上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する部分から、この上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置し且つ下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
【0170】
より具体的には、図28の符号28Aで示す部分から、符号28Bで示す部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
ここで、「用紙搬送経路Rが直線状に形成されている」とは、上流側に位置する上流側搬送ロール213Aに対する接線28Eの延長線28Fが、この上流側搬送ロール213Aよりも1つ下流側に位置する第1中間搬送ロール213Bの接触部289を通り、且つ、この1つ下流側に位置するこの第1中間搬送ロール213Bに対する接線28Gの延長線28Hが、1つ上流側に位置する上流側搬送ロール213Aの接触部289を通る状態を言う。
【0171】
ここで、本実施形態では、上流側搬送ロール213Aには、駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部289が設けられ、第1中間搬送ロール213Bにも、駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部289が設けられる。
本実施形態では、上流側搬送ロール213Aの接触部289を通る接線28Eの延長線28F上に、第1中間搬送ロール213Bの接触部289が位置し、第1中間ロールの接触部289を通る接線28Gの延長線28H上に、上流側搬送ロール213Aの接触部289が位置する。
【0172】
ここで、上流側搬送ロール213Aに対する接線28Eとは、上流側搬送ロール213Aを構成する駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部289を通る接線であって、駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bの両者に接する共通の接線を言う。
また、第1中間搬送ロール213Bに対する接線28Gとは、第1中間搬送ロール213Bを構成する駆動ロール31Aと従動ロール31Bとが接触する接触部289を通る接線であって、この駆動ロール31Aおよび従動ロール31Bの両者に接する共通の接線を言う。
【0173】
本実施形態のように、上流側搬送ロール213Aに対する接線28Eの延長線28F上に、第1中間搬送ロール213Bの接触部289が位置し、第1中間搬送ロール213Bに対する接線28Gの延長線28H上に、上流側搬送ロール213Aの接触部289が位置すると、用紙Pの座屈などが生じにくくなる。
具体的には、この場合、用紙搬送経路Rの側方に位置する側壁などに対して、用紙Pが角度を有した状態で突き当たることなどが抑制され、用紙Pの座屈などが生じにくくなる。
【0174】
同様に、本実施形態では、用紙搬送経路Rのうち、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置する部分から、この下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
より具体的には、用紙搬送経路Rのうち、下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における上流側に位置し且つ上流側箇所81よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する部分から、この下流側箇所82よりも用紙Pの搬送方向における下流側に位置する部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
【0175】
より具体的には、図28の符号28Kで示す部分から、符号28Lで示す部分にかけて、用紙搬送経路Rが直線状に形成されている。
より具体的には、上記と同様、本実施形態では、第2中間搬送ロール213Cに対する接線28Mの延長線28P上に、下流側搬送ロール213Dの接触部289が位置し、下流側搬送ロール213Dに対する接線28Rの延長線28S上に、第2中間搬送ロール213Cの接触部289が位置する。
この場合も、用紙搬送経路Rの側方に位置する側壁などに対して、用紙Pが角度を有した状態で突き当たることなどが抑制され、用紙Pの座屈などが生じにくくなる。
【0176】
さらに、本実施形態では、複数設けられた特定箇所の各々に対応して、特定箇所よりも下流側に配置され用紙Pの搬送を行う下流側搬送手段と、特定箇所よりも上流側に配置され用紙Pの搬送を行う上流側搬送手段とが設けられている。
具体的には、本実施形態では、図28に示すように、上流側箇所81に対応して、上流側箇所81よりも下流側に配置され用紙Pの搬送を行う第1中間搬送ロール213Bと、上流側箇所81よりも上流側に配置され用紙Pの搬送を行う上流側搬送ロール213Aとが設けられている。
また、本実施形態では、下流側箇所82に対応して、下流側箇所82よりも下流側に配置され用紙Pの搬送を行う下流側搬送ロール213Dと、下流側箇所82よりも上流側に配置され用紙Pの搬送を行う第2中間搬送ロール213Cとが設けられている。
【0177】
さらに、本実施形態では、複数組設けられた下流側搬送手段および上流側搬送手段の各組毎に、下流側搬送手段および上流側搬送手段の少なくとも一方の傾きを調整する調整機構が設けられている。
本実施形態では、1組目の下流側搬送手段および上流側搬送手段として、下流側搬送ロール213Dおよび第2中間搬送ロール213Cが設けられている。
また、本実施形態では、2組目の下流側搬送手段および上流側搬送手段として、第1中間搬送ロール213Bおよび上流側搬送ロール213Aが設けられている。
【0178】
本実施形態では、これらの組毎に、搬送ロール213の傾きを調整する調整機構が設けられている。
本実施形態では、各組に、上流側搬送手段の傾きを調整する調整機構が設けられている。
具体的には、本実施形態では、1組目の下流側搬送手段および上流側搬送手段として設けられている、下流側搬送ロール213Dおよび第2中間搬送ロール213Cでは、図28に示すように、第2中間搬送ロール213Cの傾きを調整する調整機構96が設けられている。
また、本実施形態では、2組目の下流側搬送手段および上流側搬送手段として設けられている、第1中間搬送ロール213Bおよび上流側搬送ロール213Aでは、上流側搬送ロール213Aの傾きを調整する調整機構96が設けられている。
【0179】
本実施形態では、調整機構96によって、調整の対象である搬送ロール213のうち、検査装置200のフロント側に位置する一端部213X(図9参照)が、図28の矢印28Wで示すように、用紙Pの搬送方向における上流側又は下流側へ移動する。
より具体的には、本実施形態では、調整機構96によって、搬送ロール213を構成する駆動ロール31Aの一端部213Xおよび従動ロール31Bの一端部213Xが、用紙Pの搬送方向における上流側又は下流側へ移動する。
なお、調整機構96による、搬送ロール213の傾きの調整は、ユーザがこの調整機構96に対する手動の操作を行うことで行われるようにしてもよい。また、その他に、モータなどの駆動源からの駆動力により調整機構96が作動するようにして、搬送ロール213の傾きの調整が自動で行われるようにしてもよい。
【0180】
また、本実施形態では、複数設けられた特定箇所の間に、用紙Pを搬送する搬送手段が複数設けられた構成となっている。
具体的には、本実施形態では、複数設けられた特定箇所の一例である、上流側箇所81と下流側箇所82との間に、第1中間搬送ロール213Bと、第2中間搬送ロール213Cとが設けられ、複数設けられた特定箇所の間に、2つの搬送ロール213が設けられている。
【0181】
ここで、本実施形態のように、複数組設けられた下流側搬送手段および上流側搬送手段の各組毎に、下流側搬送手段および上流側搬送手段の少なくとも一方の傾きを調整する調整機構96を設けると、各搬送手段の傾きの調整の手間の軽減を図れる。
ここで、例えば、図29(用紙搬送経路の他の構成例を示した図)に示すように、上流側箇所81と下流側箇所82との間に、1つの搬送ロール213が設けられ、合計で3つの搬送ロール213が設けられている場合を想定する。
この場合、この3つの搬送ロール213の各々のアライメントが、共通のアライメントとなるように、3つの搬送ロール213の各々についてアライメントの調整を行う必要が生じ、手間を要する。言い換えると、この場合、3つの搬送ロール213の各々について、共通の傾きとなるようにする調整を行う必要が生じ、手間を要する。
【0182】
ここで、例えば、3つの搬送ロール213のうちの、符号29Aで示す、中間に位置する搬送ロール213のアライメントが他の2つの搬送ロール213のアライメントとは異なっていると、用紙Pが捻じれる形となり、これ起因して、画像の読み取り精度が低下する。
この場合において、アライメント調整を行う場合は、3つの搬送ロール213の各々について、共通の傾きとなるようにするアライメント調整を行う必要があり、この場合、作業に手間を要する。
【0183】
これに対し、図28に示すように、複数組設けられた下流側搬送手段および上流側搬送手段の各組毎に、調整機構96が設けられていると、1組目に含まれる2つの搬送ロール213の一方の搬送ロール213のアライメント調整と、2組目に含まれる2つの搬送ロール213の一方の搬送ロール213のアライメント調整を行う形となる。
この場合、2つの搬送ロール213のアライメントの調整を行う形となり、上記のように、3つの搬送ロール213のそれぞれについてのアライメントの調整を行う場合に比べ、作業の簡略化を図れる。
【0184】
なお、本実施形態のように、各組毎に、アライメントの調整を行う場合は、一方の組のアライメントと他方の組のアライメントとが異なる事態が生じうる。具体的には、本実施形態では、一方の組のアライメントの向きと、他方の組のアライメントの向きとが異なる事態が生じうる。
しかしながら、本実施形態では、一方の組内においては、下流側搬送手段と上流側搬送手段との間でアライメントが揃い、また、他方の組内においても、下流側搬送手段と上流側搬送手段との間でアライメントが揃うことになる。
この場合、各組内においては、用紙Pの捻じれが生じない状態となり、用紙Pの捻じれに起因する、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
【0185】
言い換えると、この場合、一方の組と他方の組との間の領域RMでは、用紙Pの捻じれが生じる可能性があるが、各組内においては、用紙Pの捻じれが生じない状態となり、用紙Pの捻じれに起因する、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
より具体的には、この場合、第1中間搬送ロール213Bと第2中間搬送ロール213Cとの間の領域RMでは、用紙Pの捻じれが生じる可能性があるが、各組内においては、用紙Pの捻じれが生じない状態となり、用紙Pの捻じれに起因する、画像の読み取り精度の低下を抑えられる。
【0186】
本実施形態のように、各組毎に、下流側搬送手段と上流側搬送手段とが設けられると、上流側箇所81と下流側箇所82との間に、2つの搬送ロール213が設けられる形となる。
具体的には、本実施形態では、上流側箇所81と下流側箇所82との間に、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213Cの2つの搬送ロール213が設けられる形となる。
このように、上流側箇所81と下流側箇所82との間に、2つの搬送ロール213が設けられる形となると、上記のように、組毎のアライメント調整を行えるようになり、アライメント調整に要する作業の簡略化を図れる。
【0187】
なお、上記では、各組において、上流側搬送手段に対応させて、搬送ロール213の傾きを調整する調整機構96を設けたが、これに限らず、各組において、下流側搬送手段の傾きを調整する調整機構96を設けるようしてもよい。
また、その他に、一方の組においては、上流側搬送手段の傾きを調整する調整機構96を設け、他方の組においては、下流側搬送手段の傾きを調整する調整機構96を設けてもよい。
【0188】
また、上記では、共通の1つの筐体260(図25参照)によって、下側画像読み取り部222、上側画像読み取り部221、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、第2中間搬送ロール213C、および、下流側搬送ロール213D、上側回転体51、下側回転体52が支持される構成とした。
筐体260による、各種の部材の支持の態様はこれに限られない。
例えば、下側画像読み取り部222、上流側搬送ロール213A、第1中間搬送ロール213B、および、上側回転体51を、1つの筐体である第1の筐体により支持するようにし、上側画像読み取り部221、第2中間搬送ロール213C、下流側搬送ロール213D、および、下側回転体52を他の1つの筐体である第2の筐体により支持してもよい。
この場合、各筐体の各々において、上記と同様、読み取り手段に対する搬送手段の位置ずれが生じないようになり、画像の読み取り精度の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0189】
1…画像形成システム、31A…駆動ロール、31B…従動ロール、51…上側回転体、52…下側回転体、55…回転体支持部、70…回転数情報取得部、74…規制部、81…上流側箇所、82…下流側箇所、200…検査装置、201…上側間隙、202…下側間隙、220…画像読み取り部、221…上側画像読み取り部、222…下側画像読み取り部、226…受光部、227…光反射部材、260…筐体、P…用紙、R…用紙搬送経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
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