(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145336
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】制御方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231003BHJP
E05F 15/77 20150101ALN20231003BHJP
【FI】
G06Q50/30
E05F15/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007248
(22)【出願日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】P 2022051845
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢羽田 洋
(72)【発明者】
【氏名】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】西 孝啓
(72)【発明者】
【氏名】遠間 正真
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 敏康
【テーマコード(参考)】
2E052
5L049
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052LA02
5L049CC42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】乗客に対する配車時間の短縮を図る。
【解決手段】配車システムにおいて、ネットワークを介してコンピュータに通信可能な通信回路を有する車両の制御方法は、車両を予約している第1ユーザが乗車するための第1乗車エリアを示す第1乗車エリア情報と、車両の複数の座席のうち第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席情報と、車両に同乗する他のユーザから第1ユーザを識別するために複数の色から選択された第1色を示す第1色情報とを含む第1予約情報を取得し、第1乗車エリアにおいて、車両の側面に設けられて第1ユーザが乗り込むべき第1ドアを示す第1ドア灯、車両内に設けられて第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席灯及び車両のトランクに設けられて第1ユーザの第1荷物を置くべき設置位置又は第1荷物に取り付けるべき錠を示す第1荷物灯からなる群より選択される照明装置を、第1色情報に基づく第1色の光で発光させる。
【選択図】
図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してコンピュータに通信可能な通信回路を有する車両の制御方法であって、
前記車両を予約している第1ユーザが乗車するための第1乗車エリアを示す第1乗車エリア情報と、前記車両の複数の座席のうち前記第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席情報と、前記車両に同乗する他のユーザから前記第1ユーザを識別するために複数の色から選択された第1色を示す第1色情報とを含む第1予約情報を、前記コンピュータから前記通信回路を介して取得し、
前記第1乗車エリア情報に基づいて、前記車両を前記第1乗車エリアまで走行させ、
前記第1乗車エリアにおいて、前記車両の側面に設けられて前記第1ユーザが乗り込むべき第1ドアを示す第1ドア灯、前記車両内に設けられて前記第1ユーザが予約している前記第1座席を示す第1座席灯、及び、前記車両のトランクに設けられて前記第1ユーザの第1荷物を置くべき設置位置又は前記第1荷物に取り付けるべき錠を示す第1荷物灯からなる群より選択される少なくとも2つの照明装置を、前記第1色情報に基づく前記第1色の光で発光させる、
制御方法。
【請求項2】
前記車両に搭載されている少なくとも1つのセンサを介して、
又は、
前記第1ユーザの第1端末と前記車両又は前記コンピュータとの通信を介して、前記第1ユーザを検知し、
前記第1ユーザの検知に基づいて、前記少なくとも2つの照明装置を、前記第1色の光で発光させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つの照明装置を、同時又は順次に前記第1色の光で発光させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記第1ユーザを検知した後、前記第1ドア灯を前記第1色の光で発光させ、
前記第1ドアが開錠された後、前記第1座席灯を前記第1色の光で発光させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項5】
前記車両が前記第1乗車エリア内で前記第1ユーザを検知したときに、前記少なくとも2つの照明装置の発光を開始する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
前記車両が前記第1乗車エリアに入ったときに、前記少なくとも2つの照明装置の発光を開始する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項7】
前記車両から前記第1乗車エリアまでの距離が所定の距離以下になったときに、前記少なくとも2つの照明装置の発光を開始する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項8】
前記第1予約情報は、前記第1ユーザが降車を要求する第1降車エリアを示す第1降車エリア情報をさらに含み、
前記第1ユーザが前記第1座席に着席した後、前記第1降車エリア情報に基づいて前記車両を前記第1降車エリアに向かって走行させ、
前記第1降車エリアから所定の範囲内に前記車両が入った後、前記第1ユーザの降車の準備のために一時的に着席すべき準備席に設けられた座席灯を、前記第1色の光で発光させ、
前記準備席は、前記複数の座席のうち、前記第1座席よりも前記第1ユーザが降車すべきドアに近い空席である、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項9】
前記準備席に設けられた前記座席灯を、前記車両が前記所定の範囲内で一時停止している間に発光させる、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記第1ドア灯は、前記第1ドアの下付近の路面に光で所定の画像を照射するためのプロジェクタである、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項11】
前記所定の画像は、前記車両内の前記複数の座席の配置と、前記複数の座席のうち前記第1座席を識別するための情報とを示す画像である、
請求項10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記第1乗車エリアは、所定の範囲を有するエリアであり、
さらに、前記車両が前記所定の範囲内に入ったときに、前記車両の外面に設置された表示灯に、前記車両が前記第1ユーザによって予約された車両であることを通知する情報を示す、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項13】
前記第1乗車エリアは、所定の範囲を有するエリアであり、
さらに、前記車両が前記所定の範囲内に入ったときに、前記車両の外面に設置された表示灯を前記第1色の光で発光させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項14】
前記車両は、前記トランク内に、複数のユーザの荷物のそれぞれに取り付けて施錠するための複数のロッキングワイヤを含み、
前記第1荷物灯は、前記第1ユーザの前記第1荷物に取り付けて施錠するための第1ロッキングワイヤに設けられている、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項15】
前記第1予約情報は、前記第1ユーザが前記車両のトランクの利用を要求するか否かを示す積荷情報をさらに含み、
前記積荷情報に基づいて前記第1ユーザが前記トランクの利用を要求する場合、
前記第1ユーザを検知した後、前記第1荷物灯を前記第1色の光で発光させ、
前記第1ユーザが前記第1荷物を前記設置位置に置いた、または、前記第1荷物に前記錠を取り付けた後、前記第1荷物灯を消灯し、
前記第1荷物灯を消灯した後に、前記第1ドア灯を前記第1色の光で発光させ、
前記積荷情報に基づいて前記第1ユーザが前記トランクの利用を要求しない場合、
前記第1ユーザを検知した後、前記第1荷物灯を発光させることなく、前記第1ドア灯を前記第1色の光で発光させる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項16】
前記第1乗車エリア、前記第1座席、及び前記第1色は、前記第1ユーザの第1端末への入力によって選択され、
前記車両が前記第1乗車エリア内に前記第1ユーザを検知した場合に、さらに、前記第1端末のディスプレイの画面に、前記第1色のオブジェクトが表示される、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項17】
前記コンピュータは、前記車両を含む複数の車両の配車を管理するコンピュータであって、
前記コンピュータは、前記第1ユーザに前記第1色を割り当て、前記第1ユーザと相乗りする第2ユーザに前記第1色と異なる第2色を割り当てる、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項18】
前記車両に搭載されている少なくとも1つのセンサまたは前記通信回路を介して、前記車両への乗車を要望する第2ユーザを検知し、
前記第2ユーザの乗車の要望を受け付けた後、
前記複数の色のうち、前記車両を予約している1以上のユーザに対して未だ割り当てられていない1色を、第2色として前記第2ユーザに対して割り当て、
前記複数の座席のうち、前記1以上のユーザに対して未だ割り当てられていない1席を、第2座席として前記第2ユーザに対して割り当て、
前記第2ユーザに対して前記第2色と前記第2座席を割り当てたこと示す報告情報を、前記通信回路を介して前記コンピュータに送信する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項19】
前記複数の座席は、前記車両の進行方向に対して前向き又は後向きに設定できる複数の前列席と、前記複数の前列席に対して前記進行方向の後ろ側に位置する複数の後列席とを含み、
前記第1座席は、前記複数の前列席および前記複数の後列席から選択される1つであり、
前記第1予約情報は、さらに、温度を設定するための温度設定情報をさらに含み、
前記第1予約情報は、前記第1ユーザの第1端末に表示された設定画面への入力によって設定され、
前記設定画面は、
前記複数の前列席と前記複数の後列席とが向かい合っている場合には、前記車両の車室内の温度を一括で設定するための第1オブジェクトを含み、
前記複数の前列席と前記複数の後列席とが前記進行方向に対して前向きである場合には、前記第1座席の温度を個別に設定するための第2オブジェクトを含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項20】
プロセッサと、
請求項1に記載の制御方法を前記プロセッサに実行させるためのプログラムが格納されたメモリと、を備える、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗客に対し、制御方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転車両に乗車して来た乗客が正規の予約者であるか否かを判断し、正規の予約者でない乗客がいると判断された場合に、自動運転車両のドアの開扉を維持する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に、より正確に乗車するための改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る制御方法は、ネットワークを介してコンピュータに通信可能な通信回路を有する車両の制御方法であって、車両を予約している第1ユーザが乗車するための第1乗車エリアを示す第1乗車エリア情報と、車両の複数の座席のうち第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席情報と、車両に同乗する他のユーザから第1ユーザを識別するために複数の色から選択された第1色を示す第1色情報とを含む第1予約情報を、コンピュータから通信回路を介して取得し、第1乗車エリア情報に基づいて、車両を第1乗車エリアまで走行させ、第1乗車エリアにおいて、車両の側面に設けられて第1ユーザが乗り込むべき第1ドアを示す第1ドア灯、車両内に設けられて第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席灯、及び、車両のトランクに設けられて第1ユーザの第1荷物を置くべき設置位置又は第1荷物に取り付けるべき錠を示す第1荷物灯からなる群より選択される少なくとも2つの照明装置を、第1色情報に基づく第1色の光で発光させる。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、さらなる改善ができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る配車システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る配車システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る車両のドアのライトによる誘導の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る車両のドアのライトによる誘導の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る実施形態1に係る情報端末により座席を予約する際のUIの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態1に係る情報端末により座席の温度・照明を調整するUIの一例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、実施形態1に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図7B】
図7Bは、実施形態1に係るユーザを車両に案内する一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る配車システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る配車システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る情報端末により座席の向きを変更するUIの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更するUIの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更するUIの一例を示す図である。
【
図14A】
図14Aは、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図14B】
図14Bは、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図15】
図15は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図18A】
図18Aは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図18B】
図18Bは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図19】
図19は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図21A】
図21Aは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図21B】
図21Bは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図22】
図22は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示す図である。
【
図25A】
図25Aは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図25B】
図25Bは、実施形態2に係る情報端末により座席の温度・照明を調整する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、実施形態2に係る情報端末により座席の向きを変更する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、実施形態3に係る配車システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図28】
図28は、実施形態3に係る配車システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図29】
図29は、実施形態3に係るユーザを予約席に誘導する際のライトの点灯処理の一例を示すフローチャートである。
【
図30】
図30は、実施形態3に係る車両のドアのライトによる誘導の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、実施形態3に係る乗車ドアの特定する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図32】
図32は、実施形態3に係る車両のプロジェクタによる誘導の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、実施形態3に係る車両の座席のライトによる誘導の一例を示す図である。
【
図34A】
図34Aは、実施形態3に係る車両のトランクのライトによる荷物配置位置の誘導の一例を示す図である。
【
図34B】
図34Bは、実施形態3に係る車両のトランクのライトによる荷物配置位置の誘導の一例を示す図である。
【
図35】
図35は、実施形態3に係る車両のトランク内の荷物錠のライトによる誘導の一例を示す図である。
【
図36】
図36は、実施形態3に係るユーザを予約席に誘導する際のライトの点灯処理の一例を示すフローチャートである。
【
図37A】
図37Aは、実施形態3に係る降車ドアにより近い空席へユーザを誘導する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図37B】
図37Bは、実施形態3に係る降車ドアの特定する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示に至る経緯)
近年、完全自動運転に向けた開発が進んでおり、近い将来、公道で多くの自動運転車両が走行し、多くの人により自動運転車両がシェアリングされる世界が実現されることが予測される。自動運転車両のシェアリングにおいては、いかに効率的に配車を行うかが重要となる。効率的な自動運転車両の配車により、自動運転車両による渋滞を減らすことができ、街全体での効率的なエネルギーの活用に繋がるため、効率的な自動運転車両の配車は、環境負荷低減に貢献する上でも重要となる。一般的に、自動運転の配車は、自動運転車両の位置、ユーザの位置に基づいて配車する車両を決定する方法が考えられるが、自動運転車両が町中に溢れるようになると、ユーザの自動運転車両への乗降時間も含めて、より精緻に配車を行う必要がある。そこで、本開示は、ユーザの自動運転車両への乗降時間を削減する配車を実現することにより、一台一台の配車時間を短縮し配車効率を高めるとともに、街全体のエネルギー効率を向上させ、環境負荷を低減させることを目的とする。
【0009】
なお、本開示は、ここで用いられる制御方法に含まれる特徴的な各構成をコンピュータに実行させるプログラム、或いはこのプログラムによって動作するシステムとして実現することもできる。また、このようなコンピュータプログラムを、SDカード等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
【0010】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0011】
(実施形態1)
図1は、本開示の一形態に係る配車システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。配車システム1は、情報端末10Aと、車両20Aと、車両管理クラウド30と、を有する。ユーザUAの情報端末10A、車両20Aは4G、5Gと呼ばれるセルラー通信などの無線通信規格を用いて広域通信網であるインターネットN1に接続し各種情報にアクセスすることができる。また、ユーザUAの情報端末10Aと、車両20Aとは、Bluetooth(登録商標)や超広帯域無線通信規格であるUWBなどの近距離無線通信ネットワークN2を用いて近距離のデバイスと無線通信をすることができる。例えば、ユーザUAが車両20Aを所有または利用している場合、近距離無線通信ネットワークN2又はインターネットN1を通じて、車両20Aの座席の向き、配置、温度・照明などの制御を行うことができる。また、例えば、ユーザUAが車両を所有または利用していない場合には、ユーザUAは、インターネットN1を通じて車両管理クラウド30に車両予約を行い、最適な車両が車両20Aである場合、車両20AがユーザUAに配車することができる。ユーザUA、車両20Aは、一例として記載しており、他の多数のユーザ、車両も同様にインターネットN1を通じて車両管理クラウド30に接続されていても構わない。
【0012】
ユーザUAの情報端末10Aから、車両予約が行われると、インターネットN1を通して、車両管理クラウド30に予約情報が送信される。車両管理クラウド30は、複数の車両の予約状況を管理しており、ユーザUAの予約情報(ユーザUAの座標位置、利用時刻、目的地)に基づいて、最適な車両を選択し、ユーザUAの位置へ移動するように、インターネットN1を通じて、車両に制御信号を送信する。
【0013】
ここで、情報端末10Aの構成について説明する。情報端末10Aは、通信部11Aと、演算部12Aと、センサ13Aと、メモリ14Aと、操作部15Aと、映像音声出力部16Aとを有する。
【0014】
通信部11Aは、近距離無線通信ネットワークN2又はインターネットN1を介し、車両20A及び車両管理クラウド30との間で、情報の送受信を行う。演算部12Aは、情報端末10Aの処理に係る演算を行う。センサ13Aは、情報端末10Aの状態を検知する。センサ13Aとしては、例えば、加速度センサやGPSセンサ等が挙げられる。メモリ14Aは、各種情報を記憶する。メモリ14Aとしては、例えば、HDD、SSD、及びFlashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が挙げられる。操作部15Aは、ユーザUAから各種操作を受付ける。操作部15Aとしては、例えば、タッチパネルやキーボード等のユーザの入力を受け付ける入力装置が挙げられる。映像音声出力部16Aは、映像や音声を出力する。映像音声出力部16Aとしては、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及びスピーカ等が挙げられる。
【0015】
次いで、車両20Aの構成について説明する。車両20Aは、通信部21Aと、演算部22Aと、センサ23Aと、照明24Aと、メモリ25Aと、鍵制御部26Aと、情報入出力部27Aと、可動部28Aと、車室空間制御部29Aとを有する。
【0016】
通信部21Aは、近距離無線通信ネットワークN2又はインターネットN1を介し、情報端末10A及び車両管理クラウド30との間で、情報の送受信を行う。演算部22Aは、車両20Aの制御に係る演算を行う。センサ23Aは、車両20Aの状態を検知する。センサ23Aとしては、例えば、加速度センサやGPSセンサ等が挙げられる。照明24Aは、車両20Aの車室内を照らす装置である。メモリ25Aは、各種情報を記憶する。メモリ25Aとしては、例えば、HDD、SSD、及びFlashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が挙げられる。鍵制御部26Aは、車両20Aのドアの鍵の開閉を制御する。情報入出力部27Aは、外部装置から車両20Aに情報を入力する。また、情報入出力部27Aは、車両20Aから外部装置へ情報を出力する。可動部28Aは、ユーザUAの操作により可動する車両20Aの部分である。可動部28Aとしては、例えば、ブレーキペダル、シフトレバー、及びハンドル等が挙げられる。車室空間制御部29Aは、車両20Aの車室内の空間の環境を制御する。例えば、車室空間制御部29Aは、車室内の温度や照明の明るさ等の制御を行う。
【0017】
次いで、車両管理クラウド30の構成について説明する。車両管理クラウド30は、通信部31と、演算部32と、メモリ33とを有する。
【0018】
通信部31は、インターネットN1を介し、情報端末10A及び車両20Aとの間で、情報の送受信を行う。演算部32は、車両管理クラウド30の処理に係る演算を行う。メモリ33は、各種情報を記憶する。メモリ33としては、例えば、HDD、SSD、及びFlashメモリ等の各種の記憶媒体や記憶装置が挙げられる。
【0019】
図2は、配車システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。車両20Aは、例えば、自動運転車両であり、任意の乗客を乗車させるために、巡回移動を行っている。車両20Aは、車内に取り付けられた車内モニタリングシステム(カメラ、赤外線センサ、重量センサ)により、車両20Aの車内の乗客の状況のセンシングを行う。車両20Aに乗車している乗客は、車両20A内を自由に移動し、好みの席に座ることが可能なため、最新の車内の状況を確認し、他の乗客を乗せることができるか、他の乗客をどの席に着座させることができるかを判断する必要がある。そのため、車内モニタリングシステムによりセンシングした、最新の車内の情報を、車両管理クラウド30に送信する(ステップS1)。車両管理クラウド30は、複数の車両からの車内の最新情報が送られてくるため、常に複数の車両の最新の車内情報を更新し、管理している(ステップS2)。ユーザUAが、車両の配車を希望し、情報端末10Aから予約希望情報(ユーザUAの座標位置、利用時刻、目的地、目的地到着時刻)を送信されてくると(ステップS3)、車両管理クラウド30は、各車両の最新の車内の各座席の使用状況、各車両の座標位置情報、進行方向、ユーザUAの座標位置情報、利用時刻、目的地、目的地到着時刻に基づいて、最適な車両を選択する(ステップS4)。例えば、米国のように右側通行の道路では、車両の進行方向の右側にユーザUAが待機している場合、車両の進行方向に対して右側の座席が空席である車両を選択すると、ユーザUAの待機している場所に車両が到着した際、開いた右扉の直近の右側の座席にユーザUAが着座することができるため、スムーズに乗車することが可能となる。そのため、複数の車両がユーザUAの周辺に位置している場合には、右側の座席が空席である車両を優先して配車する車両の決定を行う。シェアリング用の車両が増加した場合に、配車可能な車両候補が多くなるため、最新の車内の座席の使用状況、車両の座標位置、進行方向、ユーザの座標位置を用いることにより、ユーザの乗車時間を含めた配車時間を短縮することができ、よりスムーズに配車を行うことが可能となる。車両管理クラウド30は、選択した車両20Aの車両情報(車両位置、座席予約状況、到着時刻)を、ユーザUAの情報端末10Aに送信する(ステップS5)。ユーザUAは、情報端末から表示されている予約可能な座席から、希望の席を選択し、予約情報(希望の席)を車両管理クラウド30に送信する(ステップS6)。車両管理クラウド30は、予約情報に基づき、ユーザUAが選択した座席を予約し(ステップS7)、予約希望情報(ユーザUAの座標位置、利用時刻、目的地、目的地到着時刻)及び、予約情報(希望の席)を車両20Aに送信する(ステップS8)。車両20Aは、予約情報に基づき、予約された座席に設置されたライトを赤く点灯させる(ステップS9)。例えば、座席の縁に設置されたライトを赤く点灯させることが考えられる。ユーザUAの乗車時間を含め、スムーズに乗り降りするために、車両と座席が予約されているため、他の乗客が予約席を使用すると、配車時間を短縮することが出来なくなる。そのため、座席を赤く点灯させることにより、乗車中の他の乗客が着座、又は、物を置くことを防ぎ、配車時間をより確実に短縮させることが可能となる。また、車両管理クラウド30は、情報端末10Aに、車両20Aと、車両20Aの予約が完了した座席情報をユーザUAの情報端末10Aに送信する(ステップS10)。情報端末10Aには、車両20Aの車内の状況(他の乗客がどの座席に着座しているかを示す着座情報、ユーザUAが予約している予約席の情報)が表示される(ステップS11)。車両20Aは、自車の車両の座標位置の情報を定期的に車両管理クラウド30に送信するとともに(ステップS12)、自車の車両の座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内にあるか否かの判断を行う。自社の車両の座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内にあると判断した場合(ステップS13)、予約された座席に設置されたライトの点灯を赤から青に変更する。また、予約された座席に近いドアに設置されたライトを青く点灯させる(ステップS14)。例えば、進行方向の右側の席が予約されており、ユーザUAが進行方向の右側で待機している場合、進行方向の右側で予約席に最も近いドアを青く点灯させる。進行方向の左側の席が予約されており、ユーザUAが進行方向の右側で待機している場合、進行方向の右側で予約席に最も近いドア(または予約席に最もスムーズに乗車することができるドア、以下同様)を青く点灯させる。このように、予約席に近いドアを青く点灯させることにより、ユーザUAの乗車時間も含めた配車時間を短縮することが可能となる。例えば、ドアノブに設置されたライトを青く点灯させることが考えられる。車両管理クラウド30は、車両20Aの座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内に入ったか否かを判断し、所定の範囲内に入ったと判断すると(ステップS15)、ユーザUAの情報端末10Aに対して、車両到着情報を送信する(ステップS16)。情報端末10Aは、車両到着情報を受信すると、「まもなく車両が到着します」などのアナウンスとともに、車両20Aの座席配置、座席の使用状況、予約座席を青で点滅させるなどして、車両20A内容の状況と、予約座席の位置を予めユーザUAに通知を行う(ステップS17)。ここでは、赤や青で点灯、点滅させる例を示したが、乗客が認識できる方法であれば、これに限られない。乗客が認識できる色であれば、他の色でも構わない。
【0020】
また、
図2では、ユーザUAが予約席を決定する構成としたが、ユーザUAの現在地、目的地、人数を車両管理クラウド30に送信すると、管理クラウド側で自動的に予約車両、予約席を決定する構成としてもよい。管理クラウド側で、予約席を決定することにより、予約の時間を短縮することができ、配車全体の効率化を図ることが可能となる。
【0021】
図3は、予約者であるユーザUAに対して、使用するドアを判断するための時間を短縮するために、車両20Aのドアを青く光らせるとともに、車両20Aのドアの下付近を青く光らせる一例である。車両20Aの座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内に入ったと判断した場合に、ユーザUAの待機している座標位置、予約席R、車両の進行方向に基づいて、車両20Aがどのドアを光らせるかを判断し、車両20Aのドアを青く光らせるとともに、車両20Aのドアの下付近を青く光らせる。例えば、米国のように右側通行の場合、ユーザUAの座標位置が、車両20Aの進行方向に対して右に位置している場合、右のドアを選択する。車両20Aの座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内に入ってから、ユーザUAの座標位置へ到着するまでは、車両20Aのドアのみを青く光らせ、ユーザUAの座標位置へ到着した場合に、車両20Aのドアに加え、車両20Aのドアの下付近を青く光らせる構成としてもよい。このような構成とすることにより、予約者以外の通行人などに対して何等かの通知を行っていると誤認識されることを防ぎつつ、到着した際には、予約者に対して適切な案内を行うことで、乗車時間を短縮することができるという効果を奏する。車両のドアを点灯させる際には、
図3に示すように、ドアノブ付近に設置されたライトを点灯させてもよいし、ドアの縁に沿って設置されたライトを点灯させる構成としてもよい。また、光らせる色は青色に限らず、特定の同一色であっても良い。
【0022】
図4は、左右にドアが開く両開きの自動運転車両である場合に、予約者であるユーザUAに対して、予約席Rを案内する別の例である。両開きのドアの場合には、左右に同時にドアが開くため、ドアの下付近に情報端末10Aに表示されるものと同じ表示を行う。例えば、情報端末10Aに、車内の座席の間取り図、座席の使用状況、予約席Rが表示されている場合には、その表示が、自動運転車両の到着時にドアの下付近に表示される。また、
図3と同様に、車両20Aの座標位置がユーザUAの座標位置から所定の範囲内に入ってから、ユーザUAの座標位置へ到着するまでの間は、車両20Aのドアのみを青く光らせ、ユーザUAの座標位置へ到着した際に、車両20Aのドアに加え、車両20Aのドアの下付近を青く光らせるとともに、情報端末10Aに表示される車内の案内図を表示してもよい。情報端末10Aに表示されている車両20Aの車内の案内図と同じ案内図が、到着した車両20Aのドアの下付近に表示されるため、ユーザUAは、予約席をスムーズに知ることができ、乗車時間を短縮することが可能となる。ここで、車両のドアの下付近を光らせる、又は、車内の案内図を表示させる際に、車両のドアの下付近にプロジェクタを設置してもよいし、ドアの上側にプロジェクタを設置する構成としてもよい。
【0023】
尚、ユーザUAが荷物を自動運転車両のトランクに預ける場合もあると考えられる。この場合は、ユーザUAは予め情報端末10A(のアプリ)でトランクに預ける荷物があることを車両管理クラウド30に通知するようにしても良い。この場合、ユーザUAは自動運転車両が到着した時にまず、トランクを開錠し(又は自動で開錠したトランクを開けて)荷物をトランクに収納する。この際、他のユーザの荷物と間違えないようにトランクには複数の荷物保管用の鍵(スマートロック)、以降、荷物錠と呼ぶ、が備え付けられており、ユーザUAの予約座席かつ/又はユーザUAが乗車時に光るドア(ドアノブなど)と同じ色でユーザUAが使うべき荷物錠が光る。トランクに荷物を預けたユーザUAはトランクを閉めて、案内されたドアから入り、予約座席に着席する。ユーザUAが目的について降車する場合も、降車するとトランクを開錠し(又は自動で開錠したトランクを開けて)荷物をトランクから取り出す。この場合も、荷物を預ける時と同じように荷物錠が光り、自動的にユーザUAに割り当てられた荷物錠だけがアンロックされるようにしても良い。このようにすることで、荷物を取り忘れることもなく、他人の荷物を誤って、又は故意に持ち去ることをなくすことができる。上記説明のユーザUAの予約座席、乗車時のドア、トランク内の荷物錠はユーザUAに対して同じ色で光ることが望ましい。さらにこの色は、同時に乗車する他のユーザとは異なる色であることが識別容易であって望ましい。また、この色は、予約時に情報端末上で事前確認できるよう車両管理クラウド30から情報端末10Aに通知するようにしても良い。
【0024】
図7Bは、
図3、
図4の例をフローに示した図である。車両20Aは、車両管理クラウド30からユーザUAの待機場所の位置情報を取得し、移動を開始する(ステップS31)。車両20Aは、自車の位置がユーザUAの待機場所の位置から所定の範囲内にあるか否か判断を行う(ステップS32)。所定の範囲内にあると判断すると(ステップS32:Yes)、ユーザUAに対して乗車を予定している対象車両であることを知らせるために、ユーザUAに視認できる態様で通知する(ステップS33)。例えば、前方ライト付近を青く点滅させる、車両のドアを青く点滅させるなどが考えられる。次に、車両20Aは、ユーザUAの待機場所に到着したか否かを判断し(ステップS34)、到着したと判断した場合に(ステップS34:Yes)、ドアの下付近をライトで照らす(ステップS35)。又は、
図4のようにプロジェクタで情報端末に表示されている車内間取り図と同じ内容を表示する。この際、前方ライト付近の点滅を停止させ、ドアの点滅を点灯に変更させる構成としてもよい。このように、ユーザからの距離に応じて、ライトを点灯・点滅させる箇所を変えることにより、よりスムーズにユーザを座席に案内することができ、ユーザの乗車時間を短縮することが可能となる。尚、ステップS32、ステップS34の判定においてNoと判定された場合に、次の処理に進むとして説明したが本開示はこれに限らず、Noと判定された場合にはそれぞれの判定直前に復帰するような処理形態としても良い。
【0025】
図5は、情報端末10AによりユーザUAが座席を予約する際のUIを示している。情報端末10Aには、車内の座席の使用状況SJが表示されている。ユーザUAが座席を予約すると、予約した座席の温度調整・調光用のコントローラCL1(スライドバーSB1、スライドバーSB2)が予約席の左右に表示される。ユーザUAは、温度調整・調光用のコントローラCL1のバーの上を上下に指を動かすことにより、温度調整・調光を遠隔で行うことが可能となる。車両20Aを予約するとともに、予約席の温度・調光が可能であるため、ユーザUAが乗車する際に、ユーザUAの好みの温度・調光となっており、ユーザUAの快適性を向上させることができる。ここで、情報端末10Aと車両20Aとが無線通信可能であれば、情報端末10Aから車両20Aに対して直接制御信号を送信してもよい。情報端末10Aと車両20Aとが無線積真出来ない状況であれば、情報端末10Aから制御信号を車両管理サーバに送信し、車両管理サーバから情報端末10Aに制御信号が送信されることにより、温度・調光を行ってもよい。
【0026】
図6は、温度・調光を行う際のUIの別の例を示している。座席の円形の表示CL2を指先でつまむ動作で円を大きくすると明るく調光され、円を小さくすると暗く調光される。上部の半円をタップすると温度が高く調整され、下部の半円をタップすると温度が低く調整される。このように一つのアイコンで温度調整と調光ができるため、限られた表示スペースの中で誤作動を防ぐUIを実現することが可能となる。円の大小で温度を調整し、上部・下部の半円で調光する構成としてもよい。
【0027】
図7Aは、
図5、6の処理のフローの一例を示した図である。情報端末10Aは、車両20Aの各座席の予約情報を車両管理クラウド30から受信する(ステップS21)。情報端末10Aに、車両20Aの座席配置と各座席の予約状況を表示する(ステップS22)。情報端末10Aは、空席を示す座席アイコンへのタッチがあったか否かを判断し(ステップS23)、タッチがあった場合には(ステップS23:Yes)、座席予約信号を車両管理クラウド30へ送信する。車両管理クラウド30から予約完了信号を受信した後、温度調整・調光アイコンを表示する(ステップS24)。
図5のように、予約座席の左右にコントロールバーを表示してもよいし、
図6のように、円形のコントロールアイコンを表示してもよい。
【0028】
図8及び
図9は、車両20Aを予約する際の別形態のシーケンスを示す図である。予約席を赤く光らせる処理まで(ステップS41乃至S49)は、
図2(ステップS1乃至S9)と同様であるため説明を省略する。車両管理クラウド30から、予約完了信号とともに、予約席の照明・温度情報を送信する(ステップS50)。ユーザUAが情報端末10Aに希望の温度・照明が入力すると(ステップS51)、ユーザUAが希望する温度・照明情報が車両管理クラウド30に送信される(ステップS52)。車両管理クラウド30は、受信した温度・照明情報を車両20Aへ送信する(ステップS53)。情報端末10Aと車両20Aとが無線通信可能な状態であれば、情報端末10Aから無線通信で車両20Aに温度・照明情報を送信してもよい。車両20Aは、受信した温度・照明情報に基づいて、予約席の照明・温度を調整する(ステップS54)。車両管理クラウド30は、配車指示情報を車両20Aに送信する(ステップS55)。また、車両管理クラウド30は、情報端末10Aへ配車予定位置を表す通知を送信する(ステップS56)。車両20Aは、車両管理クラウド30から配車指示情報を受信すると、ユーザUAの座標位置付近まで移動する(ステップS57)。車両20AがユーザUAの位置から所定範囲内の位置まで移動すると、間もなく車両20Aが到着する旨の通知を、車両管理クラウド30が情報端末10Aに対して送信する(ステップS58)。車両20Aは、車内モニタリングシステムを用いて、乗車人数のカウントを行い(ステップS59)、乗車人数の情報を車両管理クラウド30に送信する(ステップS60)。車両管理クラウド30で、予約人数と乗車人数が一致するか否か判断し(ステップS61)、予約人数と乗車人数とが異なる場合には、予約人数を超えた乗車人数と、割り増し料金の支払い通知を情報端末10Aに通知する(ステップS62)。情報端末10AにてユーザUAが割り増し料金の支払いを行うと(ステップS63)、車両管理クラウド30は、割増料金を受領する(ステップS64)。次いで、車両管理クラウド30は、車両20Aの座席を予約していた別のユーザUBユーザUBに対して、予約キャンセルと料金割引通知を行う(ステップS65)。ユーザUAが予約人数を超えた人数での乗車を行ったことにより、ユーザUBの予約席の確保が困難となったため、ユーザUBに対して予約キャンセルと料金割引通知を行う。ユーザUBが情報端末10Bに再度予約情報を入力すると(ステップS66)、ステップS41、S43乃至S44、ステップS56乃至S58と同様の処理が行われ、車両管理クラウド30は、最適な車両を選択し、ユーザUBへの配車を行う(ステップS67乃至S72)。
【0029】
(実施形態2)
図10は、ユーザUAが車両20Aを所有している場合に、車両20Aの座席配置ZHを変更する際におけるUIの一例を示す図である。リビングモードボタンLMをタッチすると前席の座席が180度回転し、前席と後席が向き合った座席配置ZHとなるように制御される。個別モードボタンKMをタッチすると、前席、後席ともに進行方向を向いた座席配置ZHとなるように制御される。
図15に示すように、リビングモードの場合には、車内全体で温度調整・調光が行えるように、車内の間取り図の中心付近にコントローラUZが表示される。リビングモードの場合は、乗員が向かい合った状態で、会議を行ったり、ゲームを行ったりするシーンが想定されるため、車内全体での温度調整・調光が優先される。一方、個別モードの場合は、それぞれの座席で個別に温度調整・調光ができるように、各座席のアイコン上にコントローラUK(コントローラUK1乃至UK4)が表示される。それぞれの座席の個別に空間を楽しむシーンが想定されるため、個別温度調整・調光によるプライベート空間が優先される。なお、コントローラUZ及びコントローラUKは、温度を表示するアイコンともいえるため、以下の説明では、コントローラUZ及びコントローラUKを温度表示アイコンという場合がある。
【0030】
図11は、リビングモード・個別モードを変更する際のフローを示す図である。情報端末10Aは、車両から椅子の向きを示す信号を受信した場合には(ステップS81、ステップS82、ステップS82:Yes)、情報端末10Aは、受信した信号に基づき、リビングモード・個別モードをユーザの情報端末に表示する(ステップS83)。一方、通信エラーなど何らかの影響により、車両から椅子の向きを示す信号が受信できなかった場合には(ステップS82:No)、情報端末10Aは、情報端末10Aに保存されている前回アプリ終了時のモードを情報端末に表示する(ステップS84)。なお、椅子の向きは、前回アプリ終了時の向きの状態であることが想定されることから、車両から椅子の向きの信号を受信することなく、前回アプリ終了時のモードを情報端末に表示する構成としてもよい。ユーザUAがリビングモードをタッチすると(ステップS85、ステップS85:Yes)、リビングモードに座席配置を変更する制御信号を車両に送信する。また、情報端末10Aの表示をリビングモードに変更する(ステップS86)。ユーザUAが個別モードをタッチすると(ステップS85:No、ステップS87、ステップS87:Yes)、個別モードに座席配置を変更する制御信号を車両に送信する。また、情報端末10Aの表示を個別モードに変更する(ステップS88)。
【0031】
図12は、一席ずつ座席の向きを変更する際のUIを示す図である。リビングモードにおいて、座席Bを回転するようにユーザUAが座席BのアイコンIBを操作すると、座席Bのみ180度回転し、座席の向きが変更される。この際、残りの座席は、向かい合っているため、モードはリビングモードが維持される。多数の座席が車両内にある場合には、向かい合っている座席の数が、向かい合っていない座席の数よりも多い場合に、リビングモードを維持すると判断してもよい。ユーザUAが、座席Aを回転するように、座席AのアイコンIAを操作すると、座席Aのみ180度回転し、座席の向きが変更される。この場合、前席が全て進行方向の向きとなるため、個別モードへモードが変更される。
【0032】
図13は、個別モードからリビングモードへ変更される際のUIを示す図である。個別モードにおいて、ユーザUAが、前席アイコンIM(前席アイコンIM1及びIM2)の一つ(例えば、前席アイコンIM2)を回転させると、4席中、3席が向かい合った状態となるため、リビングモードへと移行する。残りの前席アイコンIM(例えば、前席アイコンIM1)を回転させた場合で、全ての座席が向かい合う形になり、リビングモードが維持される。このように、車内の複数の座席のうち、向かいあっている座席の数が、向かい合っていない座席の数よりも多い場合に、リビングモードと設定されることにより、会議や団らんの場を優先した温度調整・調光が可能となる。
【0033】
図14Aは、
図12のUIの流れを示すフローチャートである。情報端末にリビングモードが表示されている場合に(ステップS91)、椅子アイコンIBにタッチがあったか否か判断する(ステップS92)。タッチがあった場合(ステップS92:Yes)、椅子アイコンIBに対応する椅子を180度回転させる信号を車両へ送信する。また、椅子アイコンIBを180度回転して情報端末に表示する。この際、向かいあっている椅子の数(3席)の方が、向かい合っていない椅子の数(1席)よりも多いため、リビングモードを維持する(ステップS93)。次に、椅子アイコンIAにタッチがあったか否か判断し(ステップS94)、タッチがあった場合(ステップS94:Yes)、椅子アイコンIAに対応する椅子を180度回転させる信号を車両へ送信する。また、椅子アイコンAを180度回転して情報端末に表示する。この際、向かい合っていない椅子の数(4席)が、向かい合っている椅子の数(0席)よりも多いため、個別モードに変更する(ステップS95)。ここでは、一例として、椅子アイコンIA、IBの順のフローとしているが、これに限られず、ユーザがタッチした椅子アイコンの順に判断し、椅子を回転させる。
【0034】
図14Bは、
図13のUIの流れを示すフローチャートである。情報端末に個別モードが表示されている場合に(ステップS101)、椅子アイコンIBにタッチがあったか否か判断する(ステップS102)。タッチがあった場合(ステップS102:Yes)、椅子アイコンIBに対応する椅子を180度回転させる信号を車両へ送信する。また、椅子アイコンIBを180度回転して情報端末に表示する。この際、向かいあっている椅子の数(3席)の方が、向かい合っていない椅子の数(1席)よりも多いため、リビングモードに変更する(ステップS103)。次に、椅子アイコンIAにタッチがあったか否か判断し(ステップS104)、タッチがあった場合(ステップS104:Yes)、椅子アイコンIAに対応する椅子を180度回転させる信号を車両へ送信する。また、椅子アイコンIAを180度回転して情報端末に表示する。この際、向かいあっている椅子の数(4席)の方が、向かい合っていない椅子の数(0席)よりも多いため、リビングモードを維持する(ステップS105)。
【0035】
図16は、リビングモードにおいて、全体の温度調整・調光から、各座席の個別の温度調整・調光へ変更する際の流れを示している。リビングモードの際には、会議などのシーンが想定されるため、基本的には、車内全体での温度調整・調光のために、車内の間取り図の中心付近にコントローラUZがデフォルトで表示さる。リビングモードにおいて、各座席の個別の温度調整・調光が必要だとユーザが判断した場合には、ユーザは座席アイコンIZ(椅子アイコンIZ1乃至IZ4)をタッチする。情報端末装置は、リビングモードにおいて、座席アイコンIZへのタッチがあったと判断すると、各座席上に温度調整・調光のためのコントローラUKを表示する。
【0036】
図17は、リビングモードにおいて、各座席の温度調整・調光から、全体の温度調整・調光へ変更する際の流れを示している。リビングモードにおいて、ユーザが車内の間取り図の中心付近をタッチすると、各座席上のコントローラUKが消え、車内の間取り図の中心付近に全体の温度調整・調光を行うためのコントローラUZが表示される。このように、情報端末は、車内の間取り図の中心付近がタッチされたと判断すると、各座席の個別の温度調整・調光コントローラUKから、全体の温度調整・調光コントローラUZへとコントローラのUIの表示を変更する。
【0037】
図18Aは、リビングモード時に、全体の温度調整・調光から、個別の温度調整・調光へ変更する際の処理フローを示している。情報端末は、リビングモードの際に、デフォルト設定である全体の温度調整・調光のために、車内の間取り図の中心付近に、コントローラUZを表示する(ステップS111)。いずれかの椅子アイコンIZへタッチがあったか否か判断し(ステップS112)、タッチがあった場合(ステップS112:Yes)、リビングモード表示を維持した状態で、個別の温度調整・調光のために、各座席の上にコントローラUKを表示する(ステップS113)。
【0038】
図18Bは、リビングモード時に、個別の温度調整・調光から、全体の温度調整・調光へ変更する際の処理フローを示している。情報端末は、リビングモードにおいて、個別の温度調整・調光のために、各座席の上にコントローラUKを表示する(ステップS121)。車内の間取り図の中心付近へタッチがあったか否か判断し(ステップS122)、タッチがあった場合(ステップS122:Yes)、リビングモード表示を維持した状態で、全体の温度調整・調光のために、車内の間取り図の中心付近にコントローラUZを表示する(ステップS123)。
【0039】
図19は、個別モードにおいて、個別の温度調整・調光から、全体の温度調整・調光へ変更する際の流れを示している。個別モードの際には、各座席で個々のプライベート空間を楽しむシーンが想定されるため、基本的には、個別の温度調整・調光のために、各座席の上にコントローラUKがデフォルトで表示される。個別モードにおいて、全体の温度調整・調光が必要だとユーザが判断した場合には、ユーザは車内の間取り図の中心付近をタッチする。情報端末装置は、個別モードにおいて、車内の間取り図の中心付近へのタッチがあったと判断すると、全体の温度調整・調光のために、各座席上に表示していたコントローラUKを消し、車内の中心付近にコントローラUZを表示する。
【0040】
図20は、個別モードにおいて、全体の温度調整・調光から、個別の温度調整・調光へ変更する際の流れを示している。個別モードにおいて、いずれかの椅子アイコンIZをタッチすると、車内の間取り図の中心付近に表示されていたコントローラUZが消え、各座席上にコントローラUKが表示される。このように、情報端末は、いずれかの座席アイコンがタッチされたと判断すると、全体の温度調整・調光から、個別の温度調整・調光へとコントローラのUIの表示を変更する。
【0041】
図21Aは、個別モード時に、個別の温度調整・調光から、全体の温度調整・調光へ変更する際の処理フローを示している。情報端末は、個別モードの際に、デフォルト設定である個別の温度調整・調光のために、各座席の上に、温度表示アイコン(コントローラUK)を表示する(ステップS131)。また、情報端末は、車内間取り図の中心付近へタッチがあったか否か判断し(ステップS132)、タッチがあった場合(ステップS132:Yes)、個別モード表示を維持した状態で、全体の温度調整・調光のために、各座席の上のコントローラUKを消し、車内の間取り図の中心付近に温度表示アイコン(コントローラUZ)を表示する(ステップS133)。
【0042】
図21Bは、個別モード時に、全体の温度調整・調光から、個別の温度調整・調光へ変更する際の処理フローを示している。情報端末は、個別モードにおいて、全体の温度調整・調光のために、車内の間取り図の中心付近に温度表示アイコン(コントローラUZ)を表示する(ステップS141)。いずれかの座席アイコンへタッチがあったか否か判断し(ステップS142)、タッチがあった場合(ステップS142:Yes)、個別モード表示を維持した状態で、個別の温度調整・調光のために、各座席アイコンの上に温度表示アイコン(コントローラUK)を表示する(ステップS143)。
【0043】
図22、
図25Aは、温度調整・調光する際の一例を示している。情報端末は、リビングモードの際に、デフォルト設定である全体の温度調整・調光のために、車内の間取り図の中心付近に、温度表示アイコン(コントローラUZ)を表示する(ステップS151)。次いで、情報端末は、コントローラUZがタッチされたか否かを判断する(ステップS152)。情報端末は、コントローラUZがタッチされたと判断すると(ステップS152:Yes)、コントローラUZの左右に温度調整のためのスライドバーSB1、調光のためのスライドバーSB2(温度・照度調整のためのコントローラCL1)が表示される(ステップS153)。温度調整のためのスライドバーSB1にタッチがあり、上方向へのスライドがあったと判断すると、温度上げるための制御信号を車両に送信するとともに、車内の間取り図全体の色温度を低くして表示する。例えば、赤系統の色に変化させて表示する。下方向へのスライドがあったと判断すると、温度を下げるための制御信号を車両に送信するとともに、車内の間取り図全体の色温度を高くして表示する。例えば、青系統の色に変化させて表示する。調光のためのスライドバーSB2にタッチがあり、上方向へのスライドがあったと判断すると、車内の照明を明るくするための制御信号を車両に送信するとともに、車内の間取り図全体の色を黄系統の色に変化させて表示する。下方向へのスライドがあったと判断すると、車内の照明を暗くするための制御信号を車両に送信するとともに、車内の間取り図全体の色を灰系統の色に変化させて表示する。このように、全体の温度調整・調光の際には、中心付近のコントローラUZを使用するとともに、車内間取り図の色が変化するため、車内全体を意図する温度・照度に誤りなく確実に調整することが可能となる。温度・照度調整のためのスライドバー(スライドバーSB1及びSB2)の位置は一例であり、コントローラUZの上下に配置してもよいし、左右の配置を入れ替えて表示しても構わない。
【0044】
図23は、コントローラのUIの別形態を示す図である。コントローラCL2が円形で表示される。円の大きさを大きくするよう、上下又は左右方向に円を広げる動作入力を受けたと判断すると、明るく調光されるよう制御信号を車両に送信し、車内全体も黄系統の色に変化させて表示する。一方、円の大きさを小さくするように、上下また左右方向に円を小さくする動作入力を受けたと判断すると、暗く調光されるよう制御信号を車両に送信し、車内全体も灰系統の色に変化させて表示する。コントローラCL2の上半分がタッチされたと判断されると、車内の温度を上げる制御信号を車両に送信し、一方、下半分がタッチされたと判断されると、車内の温度を下げる制御信号を車両に送信する。また、温度を上げる際には、車内の色温度を低くし、温度を下げる際には、車内の色温度を高くして表示する。
【0045】
図24、
図25Bは、各座席個別に温度調整・調光する際の例を示す図である。情報端末は、個別モードにおいて、個別の温度調整・調光のために、各座席の上に温度表示アイコン(コントローラUK)を表示する(ステップS161)。次いで、情報端末は、コントローラUKがタッチされたか否かを判断する(ステップS162)。情報端末は、各座席上のコントローラUKのいずれかがタッチされたと判断すると(ステップS162:Yes)、タッチされたコントローラUKの左右にスライドバーSB1及びSB2が表示される(ステップS163)。動作は、
図22と同様になるので省略する。なお、
図23に示すような円形のコントローラCL2を用いても構わない。
【0046】
図26は、安全面を考慮し、座席の上に物が置いてある場合、又は、人が座っている場合に、座席の回転を禁止する処理のフローを示す図である。車内モニタリングシステムで各座席の上に物が置いてあるか、人が座っているかを判断し(ステップS171、S172)、各座席の上に物が置かれているか、人が座っているか否かについての情報を情報端末に送信する。情報端末は、受信した情報に基づいて、物が置いてある、又は、人が座っていると判断した座席に対して、座席を回転させる指示を受けた場合、座席を回転させることなく、座席を回転することが出来ない旨の通知を行う(ステップS173)。例えば、座席を赤く表示する、赤く点滅させるなどが考えられる。ここでは、座席を回転させる例を示したが、これに限られず、座席を移動するなどの動作も禁止してもよい。このように、座席に物が置いてある場合、又は、人が座っている場合に、座席を回転させる、移動させるなどの処理を禁止することにより、車内の安全性を向上させることが可能となる。
【0047】
(実施形態3)
図27は、本開示の一形態に係る配車システム1Aの全体構成の一例を示すブロック図である。配車システム1Aは、情報端末10Cと、車両20Cと、車両管理クラウド30Aと、を有する。情報端末10Cは、ユーザUCが使用する情報端末である。情報端末10C、車両20C、及び車両管理クラウド30Aの構成は、
図1の情報端末10A、車両20A、及び車両管理クラウド30と同様のため、説明を省略する。
【0048】
図28は、配車システムの処理の一例を示すシーケンス図である。ステップS181乃至S185までの処理は、実施形態1の
図2のステップS1乃至S5と同様のため説明を省略する。
【0049】
ステップS185の処理の後、ユーザUCは、情報端末10Cに表示されている予約可能な座席から、予約席を選択する。また、ユーザUCは、予約席への誘導に用いられるライトの色を選択する。更に、ユーザUCは、トランクの利用有無の選択を行う。情報端末10Cは、これらの予約情報(予約座席情報、色情報、トランク利用情報)を車両管理クラウド30Aに送信する(ステップS186)。なお、複数の車両候補が表示されている場合には、ユーザUCは、予約する車両候補を特定した上で、予約席の選択を行う。
【0050】
車両管理クラウド30Aは、予約情報に基づき、ユーザUCが選択した座席を予約する(ステップS187)。また、車両管理クラウド30Aは、ユーザUCの座標位置から所定範囲を乗車エリアとして特定する(ステップS188)。
【0051】
そして、車両管理クラウド30Aは、予約確定情報(ユーザUCの座標位置、利用時刻、目的地、目的地到着情報、予約座席情報、色情報、トランク利用情報、乗車エリア情報)を予約確定情報として車両20Cに送信する(ステップS189)。なお、乗車エリアの特定は、車両管理クラウド30Aで行わず、ユーザUCの座標位置から車両20Cが特定する構成としても良い。この場合、車両管理クラウド30Aは、乗車エリア情報については、車両20Cに送信しない。
【0052】
また、車両管理クラウド30Aは、予約完了情報を情報端末10Cに送信する(ステップS190)。予約完了情報には、ユーザUCが予約した予約席の情報と、色情報、他の乗客がどの座席に着座しているかを示す着座情報が含まれる。
【0053】
情報端末10Cは、予約完了情報に基づき、上述の
図31、
図32に示すように、車両20Cの車内の状況(他の乗客がどの座席に着座しているかを示す着座情報、ユーザUCが予約している予約席の情報)、ユーザが選択した色情報を示すオブジェクトを情報端末10Cのディスプレイに表示する(ステップS191)。
【0054】
なお、情報端末10Cは、車両管理クラウド30Aが、車両20CがユーザUCの所定範囲内に到着したと判断した場合に、情報端末10Cのディスプレイ等に、その旨と共に、ユーザが選択した色情報をオブジェクトなどを用いて表示しても良い。ユーザUCは、自分が選択した色を事前に情報端末10Cで確認することができるため、誤認識を防ぐことが可能となる。
【0055】
また、情報端末10Cは、車両20CがイメージセンサなどのセンサでユーザUCを検知した場合に、情報端末10Cのディスプレイ等にその旨とともに、ユーザが選択した色情報をオブジェクトなどを用いて表示させても良い。これにより、ユーザは、乗車直前に確認することができ、より誤認識を防ぐことが可能となる。
【0056】
車両20Cは、予約確定情報に基づき、ユーザUCの座標位置に向けて自車両を走行させる(ステップS192)。また、車両20Cは、自車の車両の座標位置の情報を定期的に車両管理クラウド30Aに送信する(ステップS193)。
【0057】
次に、車両20Cは、予約確定情報に基づき、自車両の座標位置が乗車エリアに入ったと判断する(ステップS194)。また、車両管理クラウド30Aは、予約者の位置に基づき、車両位置が所定範囲内に入ったと判断する(ステップS195)。
【0058】
次に、車両20Cは、ステップS186で指定されたライトの色に基づいて、誘導ドアを光らせる(ステップS196)。また、車両20Cは、ステップS186で指定されたライトの色に基づいて、予約席を光らせる(ステップS197)。また、車両20Cは、ステップS186で指定されたライトの色に基づいて、トランク内の荷物配置位置かつ/または荷物錠を光らせる(ステップS198)。なお、ステップS196乃至S197の処理は同時に実行されても良いし、後述する
図29、
図36に示す順番で順次実行されても良い。
【0059】
ここで、
図29は、ユーザを予約席に誘導する際のライトの点灯処理の一例を示すフローチャートである。車両20Cは、自車の車両の座標位置の情報を定期的に車両管理クラウド30Aに送信すると共に、予約確定情報に基づき、ユーザUCの座標位置に向けて車両を走行させる(ステップS201)。
【0060】
次に、車両20Cは、自車両の座標位置が乗車エリアに入ったか否かの判断を行う(ステップS202)。自車両の座標位置が乗車エリア内にあると判断した場合(ステップS202:Yes)、予約席に近いドアに設置されたライトをユーザUCが指定した色で点灯する(ステップS203)。乗車エリアに車両が入った時点でドアのライトを点灯することにより、ユーザは、事前に乗車ドアを認識することができ、スムーズな乗車を実現することができる。
【0061】
ここで、
図30は、車両20Cのドアのライトによる誘導の一例を示す図である。
図30では、情報端末10Cのディスプレイには、オブジェクトOB、予約席R1、空席VS、及び使用中の席NSが表示されている。
【0062】
オブジェトOBは、例えば、ユーザUCが指定した色を示すアイコンである。また、予約席R1は、例えば、ユーザUCが予約した席を示すアイコンである。また、空席VSは、例えば、車両20Cの座席のうちの空席を示すアイコンである。また、使用中の席NSは、車両20Cの座席のうちの使用中の席を示すアイコンである。
【0063】
また、
図30では、車両20Cは、ユーザUCが予約した予約席R1に近いドアに設置されたライトLTを、ユーザUCが指定した色を示すオブジェクトOBと同じ色で点灯させている。
【0064】
ここで、
図31は、乗車ドアを特定する方法を示すフローチャートである。車両20Cは、ユーザの座標位置と予約席から乗車ドアを特定する(ステップS211)。次に、車両20Cは、乗車ドアと、予約席の間に他の乗客が着座しているか否か判断する(ステップS212)。他の乗客が着座していないと判断した場合(ステップS212:No)には、車両20Cは、最初に特定したドアを乗車ドアとして光らせる(ステップS213)。
【0065】
一方、乗車ドアと、予約席の間に他の乗客が着座していると判断した場合(ステップS212:Yes)には、車両20Cは、最初に特定した乗車ドアと反対側のドアを乗車ドアとして特定し、光らせる(ステップS214)。このように、乗車ドアと、予約席の間の乗客に応じて乗車ドアを変更することにより、よりスムーズな乗車を実現することができる。
【0066】
ここで、
図32は、左右にドアが開く両開きの自動運転車両である場合に、予約者であるユーザUCに対して、予約席を案内する別の一例である。両開きのドアの場合には、左右に同時にドアが開くため、車両20Cは、ドアの下付近に情報端末10Cのディスプレイに表示されるものと同じ表示を行う。
【0067】
例えば、情報端末10Cのディスプレイに、車内の座席の間取り
図F、座席の使用状況(空席VS、使用中席NS)、予約席R1が表示されている場合には、当該表示と同様の表示P1が、自動運転車両の到着時にドアの下付近に表示される。
【0068】
この場合、情報端末10Cのディスプレイに表示されている車両20Cの車内の案内図と同じ案内図が、到着した車両20Cのドアの下付近に表示されるため、ユーザUCは、予約席をスムーズに知ることができ、乗車時間を短縮することが可能となる。
【0069】
また、ドアに設置されたライトに加え、車両の外面に設置された表示灯を、ユーザUCが指定した色で点灯する構成としても良い。例えば、車両の屋根に取り付けられた表示灯を用いることにより、視認性をより高めることが可能となる。なお、表示灯をユーザUCが指定した色で点灯する処理は、車両管理クラウド30Aがユーザを検知する前に行われても良い。
【0070】
また、車両20Cの表示灯に、ユーザUCによって予約された車両であることを示す情報を表示する構成としても良い。例えば、車両20Cの表示灯に、ユーザUCの予約番号を表示することにより、ユーザUCが誤認識する可能性を低減させることが可能となる。更に、ユーザUCが指定した色で予約番号を表示することで、認識率を向上させることが可能となる。なお、表示灯に予約番号等を表示する処理は、車両管理クラウド30Aがユーザを検知する前に行われても良い。
【0071】
ここで、
図33は、車両20Cの座席のライトによる誘導の一例を示す図である。
図33で示すように、車両20Cは、予約された座席に設置されたライトLSをユーザUCが指定した色で点灯する。
図33で示すように、座席の縁、座席の足元を照らすようにライトLSが設置されており、光によるスムーズな誘導を可能としている。
【0072】
また、座席に設置されたライトの点灯は、点灯されたドアの開錠を検知した後に、開始する構成としても良い。ドアの開錠を検知した後に、点灯を開始することにより、乗車するユーザがライトの点灯を確認でき、より視認性を高めることが可能となる。
【0073】
また、座席に設置されたライトの点灯は、ドアのライトの点灯と同時に開始しても良い。ドアのライトの点灯と同時に開始することで、他の乗客に予約席を認識させることができ、例えば、予約席に荷物を置いていた場合に予め移動させるなどユーザの乗車に向けて準備ができるため、スムーズな乗車が可能となる。
【0074】
また、
図28では、車両20Cが乗車エリア内に入ったか否かを基準としたが、車両20Cから乗車エリアまでの距離が所定の距離以下となった場合に、ドアのライト、座席のライトを点灯させる構成としても良い。
【0075】
図29のステップS204に戻り、説明を続ける。車両管理クラウド30Aは、トランク利用情報に基づき、ユーザUCがトランクを利用するか否かの判断を行う。ユーザUCがトランクを利用すると判断した場合には、車両管理クラウド30Aは、
図34A、
図34Bで示すように、ユーザUCの荷物の置き場所を特定するようにトランク内のライトをユーザUCが指定した色で点灯させる。また、車両管理クラウド30Aは、
図35で示すように、ユーザUCが利用する荷物錠ライトをユーザUCが指定した色で点灯させる。
【0076】
図34Aは、トランクの荷物の置き場所を区切るようにライトLDが複数設置される例を示しており、点灯する2つのライトLDの間が荷物の置き場所として特定される。勿論、点灯するライトLDは1つであっても良く、ライトLDの点灯によってトランク内での荷物の置き場所を特定できれば良い。
図34Bは、後部座席の裏側にライトLPを設置する例を示しており、荷物の置き場所PSを照らすことで、場所を特定する構成となっている。
【0077】
図34Bでは、後部座席の裏側には、複数のライトLP(LP1乃至LP4)が設置されており、そのうちの1つのライトLP1を用いて、ユーザが指定した色で荷物の置き場所PS1を照らすことにより、複数の荷物置き場所(PS1乃至PS4)の中からユーザが使用する荷物置き場所PS1を特定することを可能としている。
【0078】
図35は、トランク内に荷物を固定するための荷物錠が設置されており、荷物錠にライトLWを設置する例を示している。
図35は、荷物錠が、荷物錠の付け根の部分のライトLWと、ロッキングワイヤ部分のライトRWを有する一例を示しているが、いずれか一方のみを有する構成としてもよい。また、荷物錠の付け根部分のライトLWと、ロッキングワイヤ部分のライトRWの両方を点灯しても良いし、いずれか一方のみを点灯する構成としても良い。
【0079】
車両20Cは、トランクが閉まったと判断した後、トランク内のライトの消灯、又は、荷物錠のライトの消灯を行う。なお、荷物錠を用いている場合には、車両20Cは、荷物錠の施錠が行われた際に、ライトの消灯を行っても良い。
【0080】
これまで説明したように、ユーザUCの誘導方法は、ドアのライトの点灯、座席のライトの点灯、トランクの荷物錠の点灯の3つの方法を用いているが、これらの誘導方法のうちいずれか2つを用いる構成としても良い。
【0081】
なお、乗車エリア内において、車両20Cに設置されたセンサ(イメージセンサなど)、又は、情報端末10Cから送信される座標位置情報を用いて、ユーザUCを検知した場合に、ドアに設置されたライトを点灯する構成としてもよい。ユーザUCは、乗車の直前にドアの点灯を確認できるため、視認性を向上させることが可能となる。
【0082】
また、ユーザUCを検知した場合に、トランク内のライトの点灯、又は、荷物錠のライトの点灯を行う構成としてもよい。ユーザが利用する直前にライトを点灯することでより省電力化を図ることができる。
【0083】
ここで、
図36は、車両20Cに設置されたセンサ、又は、情報端末10Cから送信される座標位置情報を用いて、ユーザUCを検知した場合に、ドアのライト、座席のライト、荷物錠のライトを点灯する方法の一例を示すフローチャートである。
【0084】
図29とは、ライトの点灯順序が異なっており、
図36では、荷物錠のライトの点灯を、ドアのライト、座席のライトよりも優先している点で異なる。ステップS221は、
図30のステップS201と同様のため説明を省略する。
【0085】
次に、車両20Cは、ユーザを検知したか否かを判断する(ステップS222)。車両20CがユーザUCを検知しない場合(ステップS222:No)、本処理を終了する。なお、この場合、車両20CがユーザUCを検知するまで、ステップS222の処理を繰り返しても良い。
【0086】
一方、車両20CがユーザUCを検知した場合(ステップS222:Yes)、トランク利用情報に基づき、トランクを利用するか否かの判断を行う(ステップS223)。ユーザUCがトランクを利用すると判断した場合(ステップS223:Yes)には、
図34A~35のように、車両20Cは、トランク内のライト、かつ/または、荷物錠のライトの点灯を行う(ステップS224)。
【0087】
トランクが閉められた、又は、荷物錠が取り付けられたと判断した場合、車両20Cは、トランク内のライト、又は、荷物錠のライトを消灯し、その後、
図30、32、33のように、ドアのライト、座席のライトの点灯を行う(ステップS225)。一方、ステップS223でトランク利用情報に基づいて、ユーザUCがトランクを利用しないと判断した場合(ステップS223:No)には、トランク内のライト、又は、荷物錠のライトの点灯を行わずに、ステップS225の処理に移行する。
【0088】
なお、車両管理クラウド30Aは、目的地情報から所定範囲を降車エリアとして特定し、予約確定情報に降車エリアを含めても良い。
図37Aは、降車ドアにより近い空席へユーザを誘導する処理の一例を示すフローチャートである。この場合、
図37Aに示すように、車両管理クラウド30Aは、車両20Cが降車エリアから所定の範囲内に入った後、目的地とユーザの座席情報に基づいて降車ドアを特定する(ステップS231)。進行方向に対して目的地が位置する側で、ユーザの座席から最も近いドアを降車ドアとして特定する。例えば、ユーザの座席が進行方向右後方であり、目的地が進行方向左手にある場合には、進行方向左後方のドアを降車ドアとして特定する。
【0089】
次に、車両管理クラウド30Aは、ユーザUCの座席よりも降車する際のドアにより近い席が空いているか否かを判断する(ステップS232)。ユーザUCの座席よりも降車する際のドアにより近い席が空いていると判断した場合(ステップS232:Yes)に、車両管理クラウド30Aは、ユーザUCを空席に案内するために、車両20Cの空席のライトをユーザUCが指定した色で光らせる(ステップS233)。一方、ユーザUCの座席よりも降車する際のドアより近い席が空いていないと判断した場合(ステップS232:No)、ステップS234の処理に移行する。
【0090】
そして、車両管理クラウド30Aは、降車ドアを情報端末10Cのディスプレイに表示させる(ステップS234)。このような構成により、ユーザUCは、降車前に、降車する際のドアに近い席に移動できるため、効率良く降車することが可能となる。また、降車エリアを特定せずに、目的地から所定の範囲内に入った後、降車する際のドアにより近い席が空席か否か判断する構成としても良い。
【0091】
ここで、
図37Bは、降車をよりスムーズにするために、降車ドアに近い空席にユーザを誘導する別の方法の一例を示すフローチャートである。まず、車両管理クラウド30Aは、目的地とユーザの座席情報から降車ドアを特定する(ステップS241)。次に、車両管理クラウド30Aは、降車ドアと、ユーザの座席の間に他の乗客が着座しているか否か判断する(ステップS242)。
【0092】
他の乗客が着座していないと判断した場合(ステップS242:No)には、車両管理クラウド30Aは、降車ドアに近い空席に、ユーザUCを誘導するために、空席のライトをユーザ指定の色で点灯させ(ステップS243)、降車ドアを情報端末10Cのディスプレイに表示させる(ステップS245)。
【0093】
一方、降車ドアと、ユーザUCの座席の間に他の乗客が着座していると判断した場合(ステップS242:Yes)には、車両管理クラウド30Aは、降車ドアの反対側のドアを降車ドアとして特定し(ステップS244)、降車ドアを情報端末10Cのディスプレイに表示させる(ステップS245)。
【0094】
このように、降車ドアに近い席にユーザを誘導することにより、降車をスムーズに行うことが可能となる。また、ドアとユーザの席の間に他の乗客がいる場合には、反対側のドアを降車ドアとして特定するため、降車する際の効率を向上させることが可能となる。なお、車両管理クラウド30Aは、ユーザの安全のため、車両20Cが降車エリアの所定範囲内で信号待ち等により一時停止している間に上記処理を行うこととしても良い。
【0095】
なお、車両管理クラウド30Aは、ユーザUCが予約した車両20Cを異なるユーザUDが相乗り予約する際には、ユーザUCが選択した色以外の色から選択するよう、ユーザUDの情報端末20Dのディスプレイに表示を行う。車両管理クラウド30Aは、ユーザUDが選択した色を、ユーザUDの色として割り当てを行い、空いている座席のうち、ユーザUDが選択した座席をユーザUDの予約席として割り当てを行う。
【0096】
そして、車両管理クラウド30Aは、情報端末20Dに対して、予約完了情報を送信する。この場合、ユーザUCが選択した色以外の色を選択する点は異なるが、それ以外は、ユーザUCの予約時と同じ動作を行う。ユーザUCとユーザUDとで異なる色を利用することにより、ユーザUCとユーザUDが近くにいる場合などに、誤認識を防ぐことが可能となる。
【0097】
(その他の実施形態)
本開示は、上記で説明された実施形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく範囲内で、上記実施形態に対して変形または省略を加えたものや、異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築された形態も、本開示に含まれうる。以下に、その他の実施形態について付記する。
【0098】
本開示の一態様に係る制御方法は、ネットワークを介してコンピュータに通信可能な通信回路を有する車両の制御方法であって、(A1)前記車両を予約している第1ユーザが乗車するための第1乗車エリアを示す第1乗車エリア情報と、前記車両の複数の座席のうち前記第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席情報とを含む第1予約情報を、前記コンピュータから前記通信回路を介して取得し、(A2)前記第1乗車エリア情報に基づいて、前記車両を前記第1乗車エリアまで走行させ、(A3)前記車両が前記第1乗車エリア内に前記第1ユーザを検知した場合に、前記車両の側面に設けられたプロジェクターから、前記第1ユーザが乗り込むべきドアの下付近の路面に光を照射させて、前記路面に前記第1座席の位置を示す画像を表示する、制御方法であってもよい。
【0099】
例えば、前記画像は、前記車両内の前記複数の座席の配置を示す図と、前記第1座席を示す領域を示すオブジェクトとを含んでもよい。
【0100】
本開示の一態様に係る制御方法は、自律走行する車両の配車を管理するコンピュータとネットワークを介して通信可能な端末の制御方法であって、(B1)前記車両の複数の座席の中から、前記端末の第1ユーザが要望する第1座席の選択を受け付け、前記複数の座席は、前記車両の進行方向に対して前向き又は後向きに設定できる複数の前列席と、前記複数の前列席に対して前記進行方向の後ろ側に位置する複数の後列席とを含み、(B2)前記複数の前列席と前記複数の後列席とが向かい合っている場合には、前記車両の車室内の温度を一括で設定するための第1オブジェクトを前記端末のディスプレイに表示し、前記第1ユーザによる前記第1オブジェクトに対する入力操作に応じて、前記車室内の温度を制御するための指示を、前記ネットワークを介して前記車両に送信し、(B3)前記複数の前列席と前記複数の後列席とが前記進行方向に対して前向きである場合には、前記第1座席の温度を個別に設定するための第2オブジェクトを前記ディスプレイに表示し、前記第1ユーザによる前記第2オブジェクトに対する入力操作に応じて、前記第1座席の温度を制御するための指示を、前記ネットワークを介して前記車両に送信する、制御方法であってもよい。
【0101】
本開示の一態様に係る制御方法は、ネットワークを介してコンピュータに通信可能な通信回路を有する車両の制御方法であって、(C1)前記車両を予約している第1ユーザが乗車するための第1乗車エリアを示す第1乗車エリア情報と、前記車両の複数の座席のうち前記第1ユーザが予約している第1座席を示す第1座席情報とを含む第1予約情報を、前記コンピュータから前記通信回路を介して取得し、(C2)前記第1乗車エリア情報に基づいて、前記車両を前記第1乗車エリアまで走行させ、(C3)前記第1乗車エリアにおいて、前記車両の側面に設けられて前記第1ユーザが乗り込むべき第1ドアを示す第1ドア灯、前記車両内に設けられて前記第1ユーザが予約している前記第1座席を示す第1座席灯、及び、前記車両のトランクに設けられて前記第1ユーザの第1荷物を置くべき設置位置または前記第1荷物に取り付けるべき錠を示す第1荷物灯からなる群より選択される少なくとも2つの照明装置を、共通の色で発光させる、制御方法であってもよい。
【0102】
なお、上記における(A1)、(A2)、(A3)等の符号は、制御方法における各ステップを識別するために付されたものに過ぎず、各ステップの順序を限定したり、その他のステップが入り込むことを排除したりするものではない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本開示によれば、ユーザの自動運転車両への乗降時間を削減する配車を実現することにより、配車効率が向上するとともに、街全体のエネルギー効率を向上させ、環境負荷を低減させることが可能になる。
【符号の説明】
【0104】
1、1A 配車システム
10A、10C 情報端末
20A、20C 車両
30、30A 車両管理クラウド