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特開2023-145342自動ドア開閉装置、自動ドア開閉方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145342
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】自動ドア開閉装置、自動ドア開閉方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20231003BHJP
【FI】
E05F15/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023013259
(22)【出願日】2023-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2022052271
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】榊原 僚子
(72)【発明者】
【氏名】西尾 亮一
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052BA04
2E052BA06
2E052EA01
2E052EA11
2E052EC01
2E052GA05
2E052GA06
2E052GB01
2E052GB06
2E052KA10
(57)【要約】
【課題】意図しない開閉を抑制できる、音声で開閉する自動ドア開閉装置を提供する。
【解決手段】自動ドア開閉装置1000は、出入り口を開閉するドア1800と、出入り口周辺に設置され、音声を取得する音声取得部1101~110Nと、音声取得部1101~110Nで取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定部1200と、発生源の位置がコマンド受付領域に含まれると判定された場合に、コマンド受付領域に含まれる発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識部1300と、音声認識部1300で認識された音声コマンドをもとにドア1800に対する動作を決定する動作決定部1400と、動作決定部1400で決定された動作に従いドア1800を開閉する駆動部1700と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ドア開閉装置であって、
出入り口を開閉するドアと、
前記出入り口周辺に設置され、音声を取得する音声取得部と、
前記音声取得部で取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定部と、
前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識部と、
前記音声認識部で認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定部と、
前記動作決定部で決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動部と、を有する
自動ドア開閉装置。
【請求項2】
前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記ドアの開閉時の警告音を出力する警告音出力部を有する
請求項1に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項3】
前記自動ドア開閉装置は、さらに、
前記警告音として使用される複数の音データを記憶するメモリ部と、
前記動作決定部で決定された動作に従い前記メモリ部に記憶されている前記複数の音データから少なくとも一つの音データを選択する音声コントローラ部と、を有し、
前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された音データに基づいて、前記警告音を出力する
請求項2に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項4】
前記自動ドア開閉装置は、さらに、
前記警告音として使用される音データを生成する音生成部と、
前記動作決定部で決定された動作に従い前記音生成部に音データの生成を指示し、前記音生成部が生成した音データを選択する音声コントローラ部と、を有し、
前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された音データに基づいて、前記警告音を出力する
請求項2に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項5】
前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記動作決定部で決定された動作に従い前記ドアの開閉を調整する調整部を有し、
前記駆動部は、前記調整部からの情報に従い前記ドアを開閉する
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項6】
前記調整部は、前記ドアを複数段階に分けて段階的に開閉するための情報を生成し、
前記駆動部は、前記調整部で生成された情報に従って前記ドアを複数段階に分けて段階的に開閉する
請求項5に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項7】
前記調整部は、前記ドアの回動角度を決定し、
前記駆動部は、前記調整部で決定された前記回動角度に関する情報に従って前記ドアの回動を制御する
請求項5又は6に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項8】
前記調整部は、前記ドアの回動速度を決定し、
前記駆動部は、前記調整部で決定された前記回動速度に関する情報に従って前記ドアの回動速度を制御する
請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項9】
前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記ドアが自動で開閉される際に音を出力する障害物検知音出力部を有し、
前記音声取得部は、前記障害物検知音出力部から出力された音の反射音を取得し、
前記判定部は、前記反射音から前記ドアの周辺に存在する障害物を検知し、検知した前記障害物の位置を算出し、
前記調整部は、前記判定部で算出された前記障害物の位置に従い、前記障害物に接触しないように前記ドアを開閉するための情報を生成し、
前記駆動部は、前記調整部で生成された情報に従い、前記障害物に接触しないように前記ドアを開閉する
請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項10】
前記判定部は、前記障害物の位置を複数回算出し、複数回算出した前記障害物の位置が互いに等しい場合には、前記障害物は移動しない固定物であると判定し、複数回算出した前記障害物の位置に異なる位置が含まれる場合には、前記障害物は移動物であると判定する
請求項9に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項11】
前記障害物が移動物であると判定された場合、前記動作決定部は、前記音声コントローラ部に、前記障害物に対する前記警告音を選択させ、前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された前記障害物に対する前記警告音を出力し、前記障害物検知音出力部は、前記障害物が検出されなくなるまで又は前記障害物が移動しない固定物であると判定されるまで、前記障害物を検知するための音の出力を継続する
請求項2乃至請求項4のいずれか1項を引用する請求項10に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項12】
前記調整部は、算出された前記障害物の位置を基に前記ドアの回動角度を前記障害物に接触しない角度に決定し、
前記駆動部は、前記調整部で決定された情報に従って前記ドアの回動を制御する
請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の自動ドア開閉装置。
【請求項13】
出入り口を開閉するドアを有する自動ドア開閉装置によって実行される自動ドア開閉方法であって、
音声を取得する音声取得ステップと、
前記音声取得ステップで取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識ステップと、
前記音声認識ステップで認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定ステップと、
前記動作決定ステップで決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動ステップと、を含む
自動ドア開閉方法。
【請求項14】
請求項13に記載の自動ドア開閉方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音声で開閉する自動ドア開閉装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウィルス(COVID-19)等の感染症の蔓延により、不特定多数の人が触るものに対して接触を避ける要望がある。
【0003】
赤外線センサ等でユーザの接近を検知してドアを開閉する方法では、ドア付近の通行人に反応してドアが開いてしまう可能性がある。また、ユーザの音声をマイクで取得してユーザを認識することでドアを開閉する方法では、ユーザが意図せずドア開閉のための音声を発してしまい、意図しないドアの開閉が行われる可能性がある。
【0004】
これに対して、特許文献1では、車両に固有の識別情報を持つ端末を携帯し、且つ、車両に個体情報(声紋情報)が登録されているユーザに対してドアの開閉制御を行うことができる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-136879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のドア開閉装置では、識別情報を持つ端末を携帯し、且つ、声紋情報を登録したユーザしかドアを開閉することができない。また、ドア開閉の意思にかかわらず、識別情報を持つ端末を携帯し、且つ、声紋情報を登録しているユーザがドア付近を通行中に発したドア開閉のための言葉を含む音声をマイクが収音した場合に、意図せずドアが開いてしまう可能性がある。更に、ユーザによるドア開閉の動作を伴わずに音声でのドア開閉が行われるため、急にドアが開くことになり、ユーザを含めドア近傍にいる人が驚いたり、ドアに衝突して怪我をしたりする可能性がある。
【0007】
そこで、本開示は、意図しない開閉を抑制できる、音声で開閉する自動ドア開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る自動ドア開閉装置は、自動ドア開閉装置であって、出入り口を開閉するドアと、前記出入り口周辺に設置され、音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部で取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定部と、前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識部と、前記音声認識部で認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定部と、前記動作決定部で決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動部と、を有する。
【0009】
本開示に係る自動ドア開閉方法は、出入り口を開閉するドアを有する自動ドア開閉装置によって実行される自動ドア開閉方法であって、音声を取得する音声取得ステップと、前記音声取得ステップで取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識ステップと、前記音声認識ステップで認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定ステップと、前記動作決定ステップで決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動ステップと、を含む。
【0010】
本開示に係るプログラムは、上記の自動ドア開閉方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、音声で開閉する自動ドア開閉装置において、意図しない開閉を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係る自動ドア開閉装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1におけるコマンド受付領域の一例を示す図である。
図3】実施の形態2に係る自動ドア開閉装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】実施の形態2における障害物が移動物の場合の障害物検知の一例を示す図である。
図5】実施の形態2における障害物が固定物の場合の障害物検知の一例を示す図である。
図6】実施の形態2における障害物の判定が移動物から固定物へ変化する場合の障害物検知の一例を示す図である。
図7】その他の実施の形態に係る自動ドア開閉方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0015】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る自動ドア開閉装置1000の一例を示すブロック図である。なお、図1においては、音声コントローラ部1500が、メモリ部1501及び音生成部1502から構成されている例を示しているが、音声コントローラ部1500は、メモリ部1501及び音生成部1502の少なくとも一方から構成されていてもよい。
【0017】
自動ドア開閉装置1000は、出入り口を開閉するドア1800を有し、音声によって自動でドア1800を開閉させるための装置である。自動ドア開閉装置1000は、音声取得部1101~110N、判定部1200、音声認識部1300、動作決定部1400、音声コントローラ部1500、調整部1600、駆動部1700及び音声出力部1900を有する。以下では、図1に示されるように、ドア1800が、例えば開き戸である例を説明するが、ドア1800は、開き戸に限らず、引戸又は折れ戸等であってもよい。
【0018】
音声取得部1101~110Nは、ドア1800によって開閉される出入り口周辺に設置され、ドア1800の開閉の意思を有する人物が発する音声を取得する。音声取得部1101~110Nは、例えば、マイクロフォンであり、マイクロフォンが複数設けられてマイクロフォンアレイが構成されることで、後述するように判定部1200は、音声の発生源(人物)の位置の算出が可能となる。
【0019】
判定部1200は、音声取得部1101~110Nで取得された音声の発生源の位置(具体的には、音声取得部1101~110Nに対する音声の発生源の方向及び距離)を算出する。方向及び距離の算出には、ビームフォーミング(電波又は音波若しくは超音波を特定の方向に向けて送信、又は特定の方向から受信する技術)が用いられてもよいし、他の手法が用いられてもよい。判定部1200は、算出した音声の発生源の位置が、コマンド受付領域に含まれるか否かを判定する。コマンド受付領域の詳細については後述する。
【0020】
音声認識部1300は、判定部1200で音声の発生源の位置が、コマンド受付領域に含まれると判定された場合(つまり、音声取得部1101~110Nで取得された音声がコマンド受付対象の音声である場合)に、コマンド受付領域に含まれる発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する。言い換えると、音声の発生源の位置がコマンド受付領域に含まれない場合には、当該発生源の音声は音声認識の対象とならない。音声認識には、音声の特徴量が用いられてもよいし、他の手法が用いられてもよい。
【0021】
本構成を用いて、音声の発生源の位置を判定することにより、車両等に固有の識別情報を持つ端末を人が携帯しなくても、当該人の位置の判定が可能となる。また、音声の発生源の位置が所望の位置である場合に限り音声認識を行うことにより、ドア1800の意図しない開閉を防ぐことが可能となる。
【0022】
動作決定部1400は、音声認識部1300で認識された音声コマンドをもとにドア1800に対する動作を決定する。音声コマンドは、例えば、『開けて』若しくはそれに類するコマンド、又は、『閉じて』若しくはそれに類するコマンドである。音声認識部1300で認識された音声コマンドが『開けて』又はそれに類するコマンドである場合、動作決定部1400は、ドア1800を開く動作を決定する。なお、この際に、人物がドア1800を通過するのに十分な時間経過後、動作決定部1400は、ドア1800を閉じる動作を決定してもよい。また、音声認識部1300で認識された音声コマンドが『閉じて』又はそれに類するコマンドである場合、動作決定部1400は、ドア1800を閉じる動作を決定する。
【0023】
調整部1600は、動作決定部1400で決定された動作に従いドア1800の開閉を調整する。例えば、調整部1600は、ドア1800を複数段階に分けて段階的に開閉するための情報を生成してもよい。例えば、調整部1600は、ドア1800の回動角度を決定してもよい。例えば、調整部1600は、ドア1800の回動速度を決定してもよい。
【0024】
駆動部1700は、調整部1600からの情報に従いドア1800を開閉する。例えば、駆動部1700は、ドア1800を開く動作が決定された場合には、調整部1600からの情報に従いながらドア1800を開き、ドア1800を閉じる動作が決定された場合には、調整部1600からの情報に従いながらドア1800を閉じる。なお、自動ドア開閉装置1000は、調整部1600を有していなくてもよく、この場合、駆動部1700は、動作決定部1400で決定された動作に従いドア1800を開閉する。つまり、この場合には、ドア1800は、段階的に開閉したり、回動角度が調整されて開閉したり、回動速度が調整されて開閉したりしなくてもよく、単に開いたり閉じたりするだけでもよい。
【0025】
音声認識部1300で認識された音声コマンドが『開けて』又はそれに類するコマンドである場合、動作決定部1400は、音声コントローラ部1500及び駆動部1700に対し、ドア1800を開く際の処理を行うよう指示する。なお、人物がドア1800を通過するのに十分な時間経過後、動作決定部1400は、音声コントローラ部1500及び駆動部1700に対し、ドア1800を閉じる際の処理を行うよう指示してもよい。
【0026】
また、音声認識部1300で認識された音声コマンドが『閉じて』又はそれに類するコマンドである場合、動作決定部1400は、駆動部1700及び音声コントローラ部1500に対し、ドア1800を閉じる際の処理を行うよう指示する。
【0027】
音声出力部1900は、ドア1800の開閉時の警告音を出力する。音声出力部1900は、警告音出力部の一例である。音声出力部1900は、例えば、スピーカである。メモリ部1501は、ドア1800の開閉時の警告音として使用される複数の音データを記憶する。音生成部1502は、ドア1800の開閉時の警告音として使用される音データを生成する。
【0028】
音声コントローラ部1500は、動作決定部1400で決定された動作に従いメモリ部1501に記憶されている複数の音データから少なくとも一つの音データを選択する。或いは、音声コントローラ部1500は、動作決定部1400で決定された動作に従い音生成部1502に音データの生成を指示し、音生成部1502が生成した音データを選択する。
【0029】
ここで、ドア1800を開く際の処理について説明する。動作決定部1400が音声コントローラ部1500及び駆動部1700にドア1800を開く際の処理を行うよう指示した場合、音声コントローラ部1500は、内蔵するメモリ部1501に格納されている複数の音データの中からドア1800を開く際の警告音又は警告音声(以下、警告音等とする)を選択し、音声出力部1900から出力する。但し、音声コントローラ部1500は、メモリ部1501に格納されている警告音等からの選択に限らず、内蔵する音生成部1502で生成した警告音等を選択してもよい。また、音声コントローラ部1500は、メモリ部1501に格納されている警告音等と音生成部1502で生成された警告音等とを組み合わせて使用してもよいものとする。音声出力部1900が警告音等を出力した後、駆動部1700は、ドア1800を開く動作を行う。
【0030】
内蔵するメモリ部1501を用いて警告音等を発する場合、メモリ部1501に格納されている音声データを変更することにより、出力する警告音等を自由に設定することができる。また、内蔵する音生成部1502を用いることによりメモリ部1501が不要となり、メモリ部1501を削減することによりコストを抑えることができる。更に、内蔵するメモリ部1501と音生成部1502とを使用することで、警告音と警告音声とを組み合わせた警告音等を発生することができる。
【0031】
次に、ドア1800を閉じる際の処理について説明する。動作決定部1400が音声コントローラ部1500にドア1800を閉じる際の処理を行うよう指示した場合、音声コントローラ部1500はドア1800を閉じる際の警告音等を選択し、駆動部1700はドア1800を閉じる動作を行う。これ以外は、既に述べたドア1800を開く際の処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0032】
ドア1800を開閉する前に警告音が出力されることにより、ユーザを含め通行人がドア1800の開閉に驚いたり開閉するドア1800に衝突して怪我をしたりする可能性を低減できる。
【0033】
調整部1600は、ドア1800を複数段階に分けて段階的に開閉するための情報を生成し、駆動部1700に当該情報を送り、駆動部1700は、調整部1600から当該情報を受け取り、当該情報に従ってドア1800を複数段階に分けて段階的に開く機能を有していてもよい。このように、ドア1800の開閉は、一度に全開閉するのではなく、複数段階に分けて開閉するよう指定されてもよい。例えば、ドア1800を3回に分けて開く場合には、ラッチ解除、30度、170度等のように段階的に開くことができる。これにより、急なドア1800の開閉が行われることが抑制され、ユーザを含め通行人が驚いたり開閉するドア1800に衝突して怪我をしたりする可能性を低減できる。
【0034】
また、調整部1600は、ドア1800の回動角度を決定し、駆動部1700に当該回動角度に関する情報を送り、駆動部1700は、調整部1600から回動角度に関する情報を受け取り、当該情報に従ってドア1800の回動を制御する機能を有していてもよい。このように、ドア1800の開閉角度を夫々の段階で指定できるようにしてもよい。これにより、必要な角度だけドア1800を開くことができ、冷暖房効率低下を防ぐことができる。
【0035】
更に、調整部1600は、ドア1800の回動速度を決定し、駆動部1700に当該回動速度に関する情報を送り、駆動部1700は、調整部1600から回動速度に関する情報を受け取り、当該情報に従ってドア1800の回動速度を制御する機能を有していてもよい。このように、ドア1800が開閉する際の回動速度を夫々の段階で指定できるようにしてもよい。これにより、通行量などに応じてドア1800を安全に開閉できる。
【0036】
次に、コマンド受付領域について図2を用いて説明する。
【0037】
図2は、実施の形態1におけるコマンド受付領域2000の一例を示す図である。なお、図2では、音声取得部1101~110Nが音声取得部2101~210Nと示され、ドア1800がドア2800と示され、音声出力部1900が音声出力部2900と示されている。図2は、ドア2800の周辺を鉛直上方から見た図となっている。
【0038】
コマンド受付領域2000は、コマンド受付領域2000から発せられた音声のみが音声認識の対象となるように設けられる。例えば、コマンド受付領域2000は、音声取得部2101~210Nの正面の領域であり、音声取得部2101~210Nの向き及びドア2800への取り付け位置が調整されることで、コマンド受付領域2000を所望の領域とすることができる。図2では、音声取得部2101~210Nの正面に設定されたコマンド受付領域2000内にいる発話者220Aの発する音声が受け付けられて、当該音声に含まれる音声コマンドが音声認識され、当該音声コマンドによってドア2800の開閉が行われる。発話者220B及び発話者220Cはコマンド受付領域2000外にいるため、発話者220B及び発話者220Cからの音声は受け付けられない。なお、コマンド受付領域2000はドアの正面に設定されるとは限らず、発話者220B又は発話者220Cの方向に向けて設定されてもよい。
【0039】
コマンド受付領域2000(音声取得部2101~210Nに対する方向及び距離)の設定を調整することにより、ドア2800の開閉の方向やドア2800の配置位置などの影響によるドア2800の開閉の意思を有する人物の立ち位置の変化に対応することができる。例えば、音声取得部2101~210Nの取り付ける向きを物理的に傾けたり、取り付ける位置を移動させたりしなくても、音声取得部2101~210Nが取得した音声に対してビームフォーミング等の処理を行うことにより、そのままの傾き又は位置で、コマンド受付領域のみを変更することができる。
【0040】
以上説明した通り、不特定多数の人が通行するセキュリティの不要なドアに対して、特定の位置からの音声のみを音声認識することにより、ドア付近を通行する人の発する言葉による意図しない開閉を抑制することができる。また、自動開閉が行われることにより、手動開閉時のドアの閉め忘れや閉まり切らない場合の室内の冷暖房効率の低下を防ぐことができるため、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みとしても有効となる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態2では、ドアの回動範囲内の障害物検知を行う場合について説明する。
【0042】
図3は、実施の形態2に係る自動ドア開閉装置3000の一例を示すブロック図である。なお、図3においては、音声コントローラ部3500が、メモリ部3501及び音生成部3502から構成されている例を示しているが、音声コントローラ部3500は、メモリ部3501及び音生成部3502の少なくとも一方から構成されていてもよい。また、図3には、ドア3800周辺に存在する障害物3910が示されている。
【0043】
自動ドア開閉装置3000は、出入り口を開閉するドア3800を有し、音声によって自動でドア3800を開閉させるための装置である。自動ドア開閉装置3000は、音声取得部3101~310N、判定部3200、音声認識部3300、動作決定部3400、音声コントローラ部3500、調整部3600、駆動部3700及び音声出力部3900を有する。以下では、図3に示されるように、ドア3800が、例えば開き戸である例を説明するが、ドア3800は、開き戸に限らず、引戸又は折れ戸であってもよい。
【0044】
音声取得部3101~310N、判定部3200、音声認識部3300、動作決定部3400、音声コントローラ部3500、調整部3600、駆動部3700及び音声出力部3900は、基本的には、実施の形態1における音声取得部1101~110N、判定部1200、音声認識部1300、動作決定部1400、音声コントローラ部1500、調整部1600、駆動部1700及び音声出力部1900と同様の機能を有するため、以下では同様の機能についての記載を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0045】
音声出力部3900は、ドア3800が自動で開閉される際に障害物3910を検知するための音を出力する。音声出力部3900は、障害物検知音出力部の一例である。具体的には、ドア3800が開く旨の警告音等が音声出力部3900で出力された後、音声コントローラ部3500は、メモリ部3501に格納されている障害物検知用音データ又は音生成部3502で生成される障害物検知用音データから障害物3910の検知に使用する音データを選択し、障害物検知のための音を音声出力部3900から出力する。障害物検知のための音は可聴域の音でもよいし、可聴域外の超音波の音でもよい。音声出力部3900から出力された障害物検知のための音は、ドア3800周辺に存在する障害物3910で反射し、音声取得部3101~310Nが反射音を取得する。音声取得部3101~310Nは、音声出力部3900から出力された音が障害物3910に反射し戻ってきた反射音を示す音データを判定部3200に出力する。判定部3200は、音声取得部3101~310Nから入力された、障害物3910に反射し戻ってきた反射音(音データ)からドア3800の周辺に存在する障害物3910を検知し、検知した障害物3910の位置(具体的には、音声取得部3101~310Nに対する方向及び距離)を判定する。具体的には、判定部3200は、音声取得部3101~310Nで取得された反射音に対し、音声出力部3900で対応する障害物検知のための音が出力されてから音声取得部3101~310Nで取得されるまでの夫々の経過時間をもとに、障害物3910の音声取得部3101~310Nに対する方向及び距離を算出する。方向及び距離の算出には、ビームフォーミングが用いられてもよいし、他の手法が用いられてもよい。
【0046】
動作決定部3400は、算出された障害物3910の位置に応じてドア3800の開閉動作を決定する。
【0047】
例えば、音声コントローラ部3500は、判定部3200によってドア3800の周辺に障害物3910が検知された場合に、障害物3910に対する警告音を選択し、音声出力部3900は、音声コントローラ部3500で選択された障害物3910に対する警告音を出力してもよい。
【0048】
調整部3600は、判定部3200で算出された障害物3910の位置に応じて動作決定部3400で決定されたドア3800の開閉動作に従い、障害物3910に接触しないようにドア3800を開閉するための情報を生成し、駆動部3700に送る。
【0049】
駆動部3700は、調整部3600で生成された情報に従い、障害物3910に接触しないようにドア3800を開閉する。例えば、駆動部3700は、ドア3800の開閉中に障害物3910に接触しないように障害物3910の手前でドア3800の開閉を中断する。
【0050】
判定部3200で判定された障害物3910の位置が、ドア3800の回動範囲内にない場合、つまり、ドア3800の周辺に存在する障害物3910が検知されない場合は、動作決定部3400は、実施の形態1に記載の通りのドア3800の開閉動作を決定する。
【0051】
判定部3200で判定された障害物3910の位置が、ドア3800の回動範囲内にある場合、つまり、ドア3800の周辺に存在する障害物3910が検知された場合は、動作決定部3400は、音声コントローラ部3500に障害物3910に対する警告音等を出力するよう指示する。音声コントローラ部3500は、メモリ部3501に格納されている障害物3910に対する警告音等、音生成部3502で生成した警告音等又はそれらを組み合わせた警告音等を選択し、音声出力部3900から出力する。
【0052】
例えば、判定部3200は、障害物3910の位置を複数回算出してもよい。
【0053】
判定部3200は、複数回算出した障害物3910の位置が互いに等しい場合には、障害物3910は移動しない固定物であると判定する。また、判定部3200は、複数回算出した障害物3910の位置に異なる位置が含まれる場合には、障害物3910は移動物であると判定する。
【0054】
障害物3910が移動物であると判定された場合、動作決定部3400は、音声コントローラ部3500に、障害物3910に対する警告音を選択させ、音声出力部3900は、音声コントローラ部3500で選択された障害物3910に対する警告音を出力し、障害物3910が検出されなくなるまで又は障害物3910が移動しない固定物であると判定されるまで、障害物3910を検知するための音の出力を継続する。
【0055】
調整部3600は、算出された障害物3910の位置を基にドア3800の回動角度を障害物3910に接触しない角度に決定し、駆動部3700に当該回動角度を示す情報を送る。
【0056】
駆動部3700は、調整部3600で決定された回動角度を示す情報を受け取り、当該情報に従ってドア3800の回動を制御する。
【0057】
以上の障害物検知に係る一連の動作が複数回繰り返され、判定部3200で算出された障害物3910の位置が変化する場合は、障害物3910は移動物であると判定され、障害物3910の位置が変化しない場合は、障害物3910は固定物であると判定される。
【0058】
これにより、ドア3800の開閉時のドア3800の回動範囲内の障害物3910の検知を行い、障害物3910がある場合にはドア3800の開閉を中断することを、既存の構成で追加コスト無く行うことができる。また、警告音等を発することによりユーザを含め通行人が驚いたり開閉するドア3800に衝突して怪我をしたりする可能性を低減できる。
【0059】
図4は、実施の形態2における障害物が移動物の場合の障害物検知の一例を示す図である。図4では、障害物が移動している移動物(人物)である場合が示されている。なお、図4では、音声取得部3101~310Nが音声取得部4101~410Nと示され、ドア3800がドア4800と示され、音声出力部3900が音声出力部4900と示され、障害物3910が障害物400A及び400A’と示されている。図4は、ドア4800の周辺を鉛直上方から見た図となっている。
【0060】
障害物400Aがドア4800の回動範囲内に存在し且つ移動していると判定された場合、動作決定部3400は、駆動部3700に対しドア4800を開く処理を行わないよう指示する。その後も引き続き判定部3200は複数回の障害物400Aの位置の算出を行い、障害物400Aが障害物400A’のように、ドア4800の回動範囲外に移動した場合に、障害物が検知されなくなり、実施の形態1に記載のドア4800を開く処理が行われる。
【0061】
複数回の障害物400Aの検知(位置の算出)を繰り返すことにより、障害物400Aが固定物か移動物かを判断でき、障害物400Aがドア4800の回動範囲外に移動した場合に音声コマンドを再度発することなくドア4800を開閉することが可能となる。
【0062】
図5は、実施の形態2における障害物が固定物の場合の障害物検知の一例を示す図である。図5では、障害物が固定物である場合が示されている。なお、図5では、音声取得部3101~310Nが音声取得部5101~510Nと示され、ドア3800がドア5800と示され、音声出力部3900が音声出力部5900と示され、障害物3910が障害物5001と示されている。図5は、ドア5800の周辺を鉛直上方から見た図となっている。
【0063】
障害物5001がドア5800の回動範囲内に存在し且つ静止していると判定された場合、動作決定部3400は、駆動部3700に対しドア5800を開く処理を行うよう指示する。但し、動作決定部3400は、ドア5800の回動角度を障害物5001に接触しない角度に設定するよう、調整部3600に指示する。調整部3600は、ドア5800の回動角度を障害物5001に接触しない角度に決定し、駆動部3700に回動角度に関する情報を送る。駆動部3700は、調整部3600からの回動角度に関する情報に基づき、ドア5800の回動角度を障害物5001に接触しない角度に指定して実施の形態1に記載のドア5800を開く処理によりドア5800’の位置までドア5800を開く。
【0064】
ドア5800の回動範囲内に固定の障害物5001がある場合は、特に設定等をせずに障害物5001の位置に応じて自動的に障害物5001に接触しない角度にドア5800の回動を制御し、開閉することが可能となる。このため、常設された障害物5001のみではなく、一時的に固定された障害物5001に対しても自動開閉が可能となる。
【0065】
図6は、実施の形態2における障害物の判定が移動物から固定物へ変化する場合の障害物検知の一例を示す図である。図6では、障害物が移動している移動物(人物)である場合が示されている。なお、図6では、音声取得部3101~310Nが音声取得部6101~610Nと示され、ドア3800がドア6800と示され、音声出力部3900が音声出力部6900と示され、障害物3910が障害物600B及び600B’と示されている。図6は、ドア6800の周辺を鉛直上方から見た図となっている。
【0066】
障害物600Bがドア6800の回動範囲内に存在し且つ移動していると判定された場合、動作決定部3400は、駆動部3700に対しドア6800を開く処理を行わないよう指示する。その後も引き続き判定部3200は、複数回の障害物600Bの位置の算出を行い、障害物600Bが障害物600B’のようにドア6800の回動範囲内で静止したことで固定物と判定された場合、動作決定部3400は、駆動部3700に対しドア6800を開く処理を行うよう指示する。但し、動作決定部3400は、ドア6800の回動角度を障害物600B’に接触しない角度に設定するよう、調整部3600に指示する。調整部3600は、ドア6800の回動角度を障害物600B’に接触しない角度に決定し、駆動部3700に回動角度に関する情報を送る。駆動部3700は、調整部3600からの回動角度に関する情報に基づき、ドア6800の回動角度を障害物600B’に接触しない角度に指定して実施の形態1に記載のドアを開く処理によりドア6800’の位置までドア6800を開く。
【0067】
障害物600Bが移動物である場合も、例えば、ドア6800の回動範囲内を移動する通行人がドア6800を開閉する際の警告音等に従ってドア6800の回動範囲内で立ち止まった場合には、通行人がドア6800の回動範囲外に移動するのを待たずに、通行人に接触しない角度でドア6800を開閉することができる。
【0068】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の一つ又は複数の態様に係る自動ドア開閉装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つ又は複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0069】
例えば、上記実施の形態では、自動ドア開閉装置が音声コントローラ部及び音声出力部を備える例を説明したが、自動ドア開閉装置は、音声コントローラ部及び音声出力部を備えていなくてもよい。つまり、警告音が出力されなくてもよいし、障害物を検知するための音が出力されなくてもよい。
【0070】
例えば、上記実施の形態では、自動ドア開閉装置が調整部を備える例を説明したが、自動ドア開閉装置は、調整部を備えていなくてもよい。つまり、ドアの開閉の調整がされなくてもよい。
【0071】
例えば、本開示は、自動ドア開閉装置として実現できるだけでなく、自動ドア開閉装置を構成する構成要素が行うステップ(処理)を含む自動ドア開閉方法として実現できる。
【0072】
図7は、その他の実施の形態に係る自動ドア開閉方法の一例を示すフローチャートである。
【0073】
自動ドア開閉方法は、出入り口を開閉するドアを有する自動ドア開閉装置によって実行される自動ドア開閉方法であって、図7に示されるように、音声を取得する音声取得ステップ(ステップS11)と、音声取得ステップで取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定ステップ(ステップS12)と、発生源の位置がコマンド受付領域に含まれると判定された場合に(ステップS12でYes)、コマンド受付領域に含まれる発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識ステップ(ステップS13)と、音声認識ステップで認識された音声コマンドをもとにドアに対する動作を決定する動作決定ステップ(ステップS14)と、動作決定ステップで決定された動作に従いドアを開閉する駆動ステップ(ステップS15)と、を含む。
【0074】
例えば、本開示は、自動ドア開閉方法に含まれるステップを、コンピュータ(プロセッサ)に実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0075】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路などのハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリ又は入出力回路などから取得して演算したり、演算結果をメモリ又は入出力回路などに出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0076】
なお、上記実施の形態において、自動ドア開閉装置に含まれる各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0077】
上記実施の形態に係る自動ドア開閉装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0078】
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、自動ドア開閉装置に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0079】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0080】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0081】
(技術1)自動ドア開閉装置であって、出入り口を開閉するドアと、前記出入り口周辺に設置され、音声を取得する音声取得部と、前記音声取得部で取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定部と、前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識部と、前記音声認識部で認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定部と、前記動作決定部で決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動部と、を有する自動ドア開閉装置。
【0082】
これによれば、不特定多数の人が通行するセキュリティの不要なドアに対して、特定の位置(コマンド受付領域)からの音声のみを音声認識することにより、ドア付近を通行する人の発する言葉による意図しない開閉を抑制することができる。また、自動開閉が行われることにより、手動開閉時のドアの閉め忘れや閉まり切らない場合の室内の冷暖房効率の低下を防ぐことができるため、持続可能な開発目標(SDGs)の取り組みとしても有効となる。
【0083】
(技術2)前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記ドアの開閉時の警告音を出力する警告音出力部を有する技術1に記載の自動ドア開閉装置。
【0084】
これによれば、ドア開閉時に警告音が出力されることにより、ドア近傍にいる人が驚いたり、開閉するドアに衝突してけがをしたりすることを低減することができる。
【0085】
(技術3)前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記警告音として使用される複数の音データを記憶するメモリ部と、前記動作決定部で決定された動作に従い前記メモリ部に記憶されている前記複数の音データから少なくとも一つの音データを選択する音声コントローラ部と、を有し、前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された音データに基づいて、前記警告音を出力する技術2に記載の自動ドア開閉装置。
【0086】
これによれば、メモリ部に格納されている音データを変更することにより、出力する警告音を自由に設定することができる。
【0087】
(技術4)前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記警告音として使用される音データを生成する音生成部と、前記動作決定部で決定された動作に従い前記音生成部に音データの生成を指示し、前記音生成部が生成した音データを選択する音声コントローラ部と、を有し、前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された音データに基づいて、前記警告音を出力する技術2に記載の自動ドア開閉装置。
【0088】
これによれば、警告音として使用される音データが都度生成されるため、警告音として使用される音データを予め記憶しておくメモリ部が不要となり、コストを抑制することができる。
【0089】
(技術5)前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記動作決定部で決定された動作に従い前記ドアの開閉を調整する調整部を有し、前記駆動部は、前記調整部からの情報に従い前記ドアを開閉する技術1乃至技術4のいずれかに記載の自動ドア開閉装置。
【0090】
これによれば、ドアの開閉を調整することができる。
【0091】
(技術6)前記調整部は、前記ドアを複数段階に分けて段階的に開閉するための情報を生成し、前記駆動部は、前記調整部で生成された情報に従って前記ドアを複数段階に分けて段階的に開閉する技術5に記載の自動ドア開閉装置。
【0092】
これによれば、複数段階に分けてドアの開閉を調整することができる。
【0093】
(技術7)前記調整部は、前記ドアの回動角度を決定し、前記駆動部は、前記調整部で決定された前記回動角度に関する情報に従って前記ドアの回動を制御する技術5又は6に記載の自動ドア開閉装置。
【0094】
これによれば、特定の回動角度でドアの開閉を調整することができる。
【0095】
(技術8)前記調整部は、前記ドアの回動速度を決定し、前記駆動部は、前記調整部で決定された前記回動速度に関する情報に従って前記ドアの回動速度を制御する技術5乃至技術7のいずれかに記載の自動ドア開閉装置。
【0096】
これによれば、特定の回動速度でドアの開閉を調整することができる。
【0097】
(技術9)前記自動ドア開閉装置は、さらに、前記ドアが自動で開閉される際に音を出力する障害物検知音出力部を有し、前記音声取得部は、前記障害物検知音出力部から出力された音の反射音を取得し、前記判定部は、前記反射音から前記ドアの周辺に存在する障害物を検知し、検知した前記障害物の位置を算出し、前記調整部は、前記判定部で算出された前記障害物の位置に従い、前記障害物に接触しないように前記ドアを開閉するための情報を生成し、前記駆動部は、前記調整部で生成された情報に従い、前記障害物に接触しないように前記ドアを開閉する技術5乃至技術8のいずれかに記載の自動ドア開閉装置。
【0098】
これによれば、ドアの周辺(例えばドアの回動範囲内)に存在する障害物を検知した場合には、障害物に接触しないようにドアを開閉することができる。
【0099】
(技術10)前記判定部は、前記障害物の位置を複数回算出し、複数回算出した前記障害物の位置が互いに等しい場合には、前記障害物は移動しない固定物であると判定し、複数回算出した前記障害物の位置に異なる位置が含まれる場合には、前記障害物は移動物であると判定する技術9に記載の自動ドア開閉装置。
【0100】
これによれば、障害物が固定物であるか移動物であるかに応じて、異なる処理を行うことができる。例えば、障害物が移動物である場合には、ドアを開閉しないようにすることができる。
【0101】
(技術11)前記障害物が移動物であると判定された場合、前記動作決定部は、前記音声コントローラ部に、前記障害物に対する前記警告音を選択させ、前記警告音出力部は、前記音声コントローラ部で選択された前記障害物に対する前記警告音を出力し、前記障害物検知音出力部は、前記障害物が検出されなくなるまで又は前記障害物が移動しない固定物であると判定されるまで、前記障害物を検知するための音の出力を継続する技術2乃至技術4のいずれかを引用する技術10に記載の自動ドア開閉装置。
【0102】
これによれば、ドアの周辺に存在する障害物が移動物である場合には、障害物に対する警告音が出力されるため、障害物にドアが開閉することを知らせることができ、障害物をドアの周辺から移動させて障害物に接触しないようにドアを開閉することができる。また、障害物が検出されなくなるまで又は障害物が移動しない固定物であると判定されるまで、障害物を検知するための音の出力が継続されることで、移動物である障害物がその後ドアの周辺から立ち去ったのか、ドアの周辺で立ち止まっているのかを判断することができる。
【0103】
(技術12)前記調整部は、算出された前記障害物の位置を基に前記ドアの回動角度を前記障害物に接触しない角度に決定し、前記駆動部は、前記調整部で決定された情報に従って前記ドアの回動を制御する技術9乃至技術11のいずれかに記載の自動ドア開閉装置。
【0104】
これによれば、障害物に接触しない回動角度でドアを開閉することができる。
【0105】
(技術13)出入り口を開閉するドアを有する自動ドア開閉装置によって実行される自動ドア開閉方法であって、音声を取得する音声取得ステップと、前記音声取得ステップで取得された音声の発生源の位置を算出し、算出した前記発生源の位置がコマンド受付領域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、前記発生源の位置が前記コマンド受付領域に含まれると判定された場合に、前記コマンド受付領域に含まれる前記発生源の音声に含まれる音声コマンドを認識する音声認識ステップと、前記音声認識ステップで認識された前記音声コマンドをもとに前記ドアに対する動作を決定する動作決定ステップと、前記動作決定ステップで決定された前記動作に従い前記ドアを開閉する駆動ステップと、を含む自動ドア開閉方法。
【0106】
これによれば、音声で開閉する自動ドア開閉装置において、意図しない開閉を抑制できる自動ドア開閉方法を提供できる。
【0107】
(技術14)技術13に記載の自動ドア開閉方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0108】
これによれば、音声で開閉する自動ドア開閉装置において、意図しない開閉を抑制できるプログラムを提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示は、音声で開閉する自動ドアに適用できる。
【符号の説明】
【0110】
1000、3000 自動ドア開閉装置
1101~110N、2101~210N、3101~310N、4101~410N、5101~510N、6101~610N 音声取得部
1200、3200 判定部
1300、3300 音声認識部
1400、3400 動作決定部
1500、3500 音声コントローラ部
1501、3501 メモリ部
1502、3502 音生成部
1600、3600 調整部
1700、3700 駆動部
1800、2800、3800、4800、5800、5800’、6800、6800’ ドア
1900、2900、3900、4900、5900、6900 音声出力部
2000 コマンド受付領域
220A~220C 発話者
3910、400A、400A’、5001、600B、600B’ 障害物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7