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特開2023-145350重み値を使用する車両アプリケーションのインストールの管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145350
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】重み値を使用する車両アプリケーションのインストールの管理
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/61 20180101AFI20231003BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20231003BHJP
   H04L 67/306 20220101ALI20231003BHJP
【FI】
G06F8/61
H04L67/12
H04L67/306
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023026539
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】17/706,053
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】谷内出 悠介
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AB01
5B376DA16
5B376GA07
(57)【要約】
【課題】車両に対する装置を提供する。
【解決手段】装置は、命令を格納している格納装置と、プロセッサを含み、プロセッサは、車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することと、を含む動作を実行するための命令を実行する。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つのユーザによる使用の頻度に基づいて決定される。動作は、車両に現在はインストールされていない第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することを含む。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に対する装置であって、
命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、
前記ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することであって、
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの前記ユーザによる少なくとも使用の頻度に基づいて決定される、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、
を含む動作を実行するための前記命令を実行するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記動作は、
前記車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することとであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、を更に含む、請求項1の装置。
【請求項3】
前記第2重み値は、所定の時間期間における、前記複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの少なくとも前記使用の頻度に基づいている、請求項2の装置。
【請求項4】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、所定の領域内に位置している車両ユーザである、請求項2又は3の装置。
【請求項5】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、前記車両と同じ車両モデル又は同じ車両タイプのユーザである、請求項2又は3の装置。
【請求項6】
前記動作は、
前記車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することとであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと前記受信したグループアプリケーションマトリックスとの差を決定することと、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体を提供することなく、前記決定された差を前記サーバに提供することを制御することと、
を更に含む、請求項1の装置。
【請求項7】
前記動作は、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスをサーバに提供することを制御することと、
前記車両において前記サーバから、前記提供された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して決定された第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、
を更に含む、請求項1の装置。
【請求項8】
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第1重み値を有する前記第1の複数の車両アプリケーションの幾つかを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項1又は2の装置。
【請求項9】
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第2重み値を有する前記第2の複数の車両アプリケーションの幾つかを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項2の装置。
【請求項10】
車両アプリケーション管理サーバであって、
命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセサは、
車両から、前記車両のユーザに対する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスについての情報を受信することであって、
前記特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは第1重み値を備え、
前記第1重み値のそれぞれは、前記ユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの前記ユーザによる少なくとも使用の頻度に基づいて決定される、ことと、
前記少なくとも1つの格納装置に格納されているグループアプリケーションマトリックスの第2重み値を、前記特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスの前記第1重み値を使用して更新することであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記更新されたグループアプリケーションマトリックスを前記車両に送信することと、
前記車両から、前記更新されたグループアプリケーションマトリックスから選択され、前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロード及びインストールする要求を受信することと、
を含む動作を実行するための前記命令を実行するように構成されている、車両アプリケーション管理サーバ。
【請求項11】
前記第2重み値は、所定の時間期間における、前記複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの少なくとも前記使用の頻度に基づいている、請求項10の車両アプリケーション管理サーバ。
【請求項12】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、所定の領域内に位置している車両ユーザである、請求項10又は11の車両アプリケーション管理サーバ。
【請求項13】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、前記車両と同じ車両モデル又は同じ車両タイプの車両ユーザである、請求項10又は11の車両アプリケーション管理サーバ。
【請求項14】
前記特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスについての前記情報は、前記特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体を含むことなく、前記特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと前記グループアプリケーションマトリックスとの間の決定された差を含む、請求項10又は11の車両アプリケーション管理サーバ。
【請求項15】
命令を格納している非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体であって、
前記命令は、実行されると、車両のプロセッサに、
前記車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、
前記ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することとであって、
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの前記ユーザによる少なくとも使用の頻度に基づいて決定される、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、
を含む動作を実行させる、非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項16】
前記動作は、
前記車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することとであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、を更に含む、請求項15の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項17】
前記第2重み値は、所定の時間期間における、前記複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの少なくとも前記使用の頻度に基づいている、請求項16の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項18】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、所定の領域内に位置している車両ユーザである、請求項16又は17の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項19】
前記複数のそれぞれの車両ユーザは、前記車両と同じ車両モデル又は同じ車両タイプのユーザである、請求項16又は17の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項20】
前記動作は、
前記車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することとであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと前記受信したグループアプリケーションマトリックスとの差を決定することと、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体を提供することなく、前記決定された差を前記サーバに提供することを制御することと、
を更に含む、請求項15の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項21】
前記動作は、
前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスをサーバに提供することを制御することと、
前記車両において前記サーバから、前記提供された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して決定された第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することとであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、を更に含む、請求項15の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項22】
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第1重み値を有する前記第1の複数の車両アプリケーションの幾つかを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項15又は16の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項23】
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第2重み値を有する前記第2の複数の車両アプリケーションを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項16の非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体。
【請求項24】
車両に対する装置であって、
命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、
少なくとも1つのプロセッサと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセサは、
前記車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することであって、
前記第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、且つ
前記第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる前記第2の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの少なくとも使用の頻度に基づいている、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、
を含む動作を実行するための前記命令を実行するように構成されている、装置。
【請求項25】
前記動作は、
前記車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、
前記ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することとであって、
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれに対するものであり、且つ
前記第1重み値のそれぞれは、前記第1の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの前記ユーザによる少なくとも使用の頻度に基づいて決定される、ことと、
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することと、を更に備える、請求項24の装置。
【請求項26】
前記車両に現在はインストールされていない前記第2の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記グループアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第2重み値を有する前記第2の複数の車両アプリケーションの幾つかを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項24又は25の装置。
【請求項27】
前記車両に現在はインストールされていない前記第1の複数の車両アプリケーションの前記少なくとも1つを前記車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、前記決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して前記制御することは、より高いそれぞれの第1重み値を有する前記第1の複数の車両アプリケーションの幾つかを前記ダウンロードすること及びインストールすることを優先することを含む、請求項25の装置。
【請求項28】
前記第1重み値のそれぞれは、所定の時間期間における、前記第1の複数の車両アプリケーションの前記それぞれ1つの前記ユーザによる少なくとも使用の頻度に基づいて決定される、請求項1の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の限定するものではない実施形態は、車両にインストールされた車両アプリケーションを管理することに関し、特に、ユーザが使用する可能性が最も高い車両アプリケーションを事前に選択及びインストールするための命令を格納している装置、サーバ、及び非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内の機能が多様化し且つ発展し続けるにつれて、車両により実行可能で、運転手又は車両の同乗者が利用可能なソフトウェア車両アプリケーションの数も増大している。しかし、利用可能な車両アプリケーションの数は、車両内の車両アプリケーションのための格納容量又は割り当てられた格納スペースを超え得る。そのため、車両に対して開発された全てのアプリケーションを車両にインストールすることはしないということが可能である。その代わり、車両のユーザは、利用可能な車両アプリケーションから1つ以上の所望する車両アプリケーションを選択でき、選択された車両アプリケーションは、例えば、無線ネットワークを経由する(Over-the-Air)更新(以降、「OTA更新」)を介してダウンロードされ且つインストールされることができる。
【0003】
しかし、車両の個々のユーザにより使用される車両アプリケーションは、広く多様な理由のために異なり得る。例えば、車両の運転手は、車両の同乗者が使用する車両アプリケーションとは異なる車両アプリケーションを使用し得る。或いは、自動車が複数のユーザにより使用される場合、例えば、家族の間で使用される場合、カーシェアリング又はレンタルサービスを介して、商用車、バス、タクシーなどで使用される場合、自動車のあるユーザにより所望又は使用される車両アプリケーションは、他のユーザが所望又は使用する車両アプリケーションとは異なり得る。
【0004】
そのため、異なるユーザが車両を使用するたびに、車両に現在はインストールされていない、そのユーザにより選択された対応する車両アプリケーションを、OTA更新を介してダウンロード及びインストールしなければならない。例えば、第1ユーザは、車両アプリケーションA、B、C、及びDが車両にインストールされるように予め構成又は選択でき、第2ユーザは、車両アプリケーションD、E、F、及びGが車両にインストールされるように予め構成又は選択できる。第1ユーザが車両を使用した後に第2ユーザが車両を使用又は動作させるときに、車両は、車両アプリケーションA、B、及びCを削除して、車両アプリケーションE、F、及びGをダウンロード及びインストールすることによりそのソフトウェア構成を更新できる。このことは、異なるユーザが車両を使用するたびに、大量のデータ送信オーバヘッド、車両におけるアプリケーションデータ格納装置の非効率的な使用、及び、ダウンロードとインストールのための時間が長くなるという結果になる。
【0005】
関連する技術の車両ソフトウェア管理システムにおいては、サーバが、各ユーザと各車両に対するすべてのソフトウェア構成情報を格納する。つまり、ソフトウェア管理は、完全にサーバ側で扱われ、サーバに対する大きな処理負荷という結果になる。更に、サーバは、各ユーザに対する構成情報を格納するので、ユーザの個人情報をサーバに提供しなければならず、これは、ユーザにとって望ましくないことであり得る。
【0006】
本開示の例としての限定するものではない実施形態は、上記の不利な点と、上述されていない他の不利な点に対処する。また、本発明は、上述した不利な点を克服することは要求されておらず、本発明の例としての限定するものではない実施形態は、上述した問題の何れも克服できなくてもよい。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、車両にインストールされている車両アプリケーションを、車両アプリケーションのそれぞれに対する重み値を含んでいるアプリケーションマトリックスを使用して管理するための命令を格納している装置、サーバ、及び非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体を提供し、重み値のそれぞれは、それぞれの車両アプリケーションの使用の頻度に基づいている。限定するものではない実施形態は、特定の車両ユーザの使用に基づいて決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを採用する。限定するものではない実施形態は、異なる車両ユーザのグループ間の使用に基づいて決定されたグループアプリケーションマトリックスを採用する。
【0008】
発明的コンセプトと整合性のある装置と方法は、特定のユーザ、及び/又は、ユーザの所定のグループに対するアプリケーション使用履歴に基づいて、車両においてユーザが使用又は所望する可能性のあるアプリケーションソフトウェアを予測して予めインストールする車両ソフトウェア管理システムを提供する。この目的のために、車両アプリケーションには、アプリケーション使用履歴に従うそれらの使用の頻度に基づく重み値が与えられる。ユーザにより、又はユーザの類似のグループにより最も高い頻度で使用されるそれらの車両アプリケーションは、新しいユーザにより選択又は使用されると予測され、事前に車両にダウンロード及びインストールされる。これは、数ある利点の中でも特に、異なるユーザが車両を使用する各場合に、書き換えなければならない車両アプリケーションの数を削減し、OTA更新のために送信しなければならないデータ量及びそのコストを削減し、サーバコストを削減し、ダウンロード及びインストールの時間を削減する。限定するものではない実施形態はまた、車両アプリケーションのための車両の限度のある格納容量、又は、割り当てられた格納スペースの問題に対処し、車両において格納装置に書き込む効率を向上する。
【0009】
本開示の態様は、車両に対する装置を提供する。装置は、命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、少なくとも1つのプロセッサを備えている。少なくとも1つのプロセッサは、車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することを備えている動作を実行するための命令を実行するように構成されている。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものである。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つのユーザによる使用の頻度に基づいて決定される。動作は更に、車両に現在はインストールされていない第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することを備えている。動作は更に、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスをサーバに提供することを備えることができる。
【0010】
他の態様によれば、動作は更に、車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することを備えることができる。第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものである。第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づいている。動作は更に、車両に現在はインストールされていない第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することを備えることができる。
【0011】
他の態様は車両アプリケーション管理サーバを提供し、車両アプリケーション管理サーバは、命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、少なくとも1つのプロセッサを備え、少なくとも1つのプロセッサは、車両から、ユーザに対する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスについての情報を受信することを備えている動作を実行するための命令を実行するように構成されている。特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは第1重み値を備え、第1重み値のそれぞれは、ユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであり、第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つのユーザによる使用の頻度に基づいて決定される。動作は更に、少なくとも1つの格納装置に格納されているグループアプリケーションマトリックスの第2重み値を、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスの第1重み値に基づいて更新することを備えている。第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものである。第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づいている。動作は更に、更新されたグループアプリケーションマトリックスを車両に送信することと、更新されたグループアプリケーションマトリックスから選択された、車両に現在はインストールされていない第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロード及びインストールする要求を車両から受信することを備えている。
【0012】
本開示の他の態様は、命令を格納している非一時的なコンピュータ読み取り可能格納媒体を提供し、この命令は実行されると、車両のプロセッサに、車両のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得することと、ユーザに対して、第1重み値を備えている特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定することを備えている動作を実行させる。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものである。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つのユーザによる使用の頻度に基づいて決定される。動作は更に、車両に現在はインストールされていない第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して制御することを備えている。
【0013】
他の態様は、車両に対する装置を提供し、装置は、命令を格納している少なくとも1つの格納装置と、動作を実行するための命令を実行するように構成されている少なくとも1つのプロセッサを備えている。動作は、車両においてサーバから、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信することを制御することを備えている。第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものである。第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれ1つの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づいている。動作は更に、車両に現在はインストールされていない第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両においてダウンロードすること及びインストールすることを、グループアプリケーションマトリックスを使用して制御することを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の限定するものではない実施形態の特徴、利点、及び技術的並びに産業的な意味を、類似の符号は類似の要素を表している付随する図面を参照して下記に記述する。
【0015】
図1図1は、限定するものではない実施形態に係る、車両アプリケーション管理システムの構成を例示しているブロック図である。
図2図2は、限定するものではない実施形態に係る、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用する車両アプリケーション管理システムの動作を示しているシーケンス図である。
図3図3は、限定するものではない実施形態に係る、グループアプリケーションマトリックスを使用する車両アプリケーション管理システムの動作を示しているシーケンス図である。
図4図4は、限定するものではない実施形態に係る、車両アプリケーション管理システムの動作を示している他のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の限定するものではない実施形態が、付随する図面を参照して詳細に記述される。図面において使用されている同じ参照番号は、同じ又は類似の要素を特定することができる。本開示において使用されている用語は、本開示において定義されているように厳密に解釈されるべきではなく、この技術における当業者が、本開示の状況において理解するであろうものとして解釈されるべきである。本開示の限定するものではない実施形態は異なる形状であることができ、ここにおいて記述されている本開示の実施形態に限定されないということに留意すべきである。
【0017】
図1は、限定するものではない実施形態に係る、車両100とサーバ150を備えている車両アプリケーション管理システムの構成を例示しているブロック図である。しかし、他の実施形態は、図1において示されている特定の構成に制限されなくてもよいということは理解される。限定するものではない1つの例として、車両100とは別個のユーザ装置を採用できる。
【0018】
限定するものではない実施形態によれば、車両100は、各家族のメンバーの車両アプリケーションの使用が異なっている可能性のある家族により所有されている私有自動車などのような車両100を共有する任意の数のユーザにより使用できる。他の限定するものではない実施形態によれば、車両100は、次のユーザのアイデンティティと車両アプリケーションの選択は必ずしも知られていない、不特定数のユーザにより使用される、一般大衆によりアクセス可能なカーシェアリング用車両であってよいが、次のユーザによる使用のために、車両100に対して車両アプリケーションを最初に用意し、ダウンロードし、及びインストールするためには時間が掛かり得る。更に他の限定するものではない実施形態によれば、車両100は、バス、リムジン、タクシーなどのような商用車両であってよく、この場合は、各ユーザに対するカスタマイズされた車両アプリケーションの選択に加えて、経路、動作時間、状況などのような、商用車両の動作から起こる車両アプリケーションのカスタマイズもまたあり得る。
【0019】
図1において示されているように、車両100は、少なくとも1つのプロセッサ101、格納装置102、ユーザインタフェース103、及び通信インタフェース104を備えることができる。少なくとも1つのプロセッサ101は格納装置102に接続でき、格納装置102の動作を制御するように構成できる。少なくとも1つのプロセッサ101は、特には、種々の動作を実行するために、格納装置102に格納されている命令を実行するように構成できる。
【0020】
少なくとも1つのプロセッサ101は、種々の実施形態に従って実現できる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ101は、特定用途向け集積回路(ASIC)、埋め込み型プロセッサ、マイクロプロセッサ、ハードウェア制御ロジック、ハードウェア有限状態機械(FSM)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ニューラルネットワークプロセッサなどの少なくとも1つとして実現できる。少なくとも1つのプロセッサ101は、中央演算処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、メイン処理ユニット(MPU)などを含むことができる。加えて、少なくとも1つのプロセッサ101は、1つ以上のプロセッサを含むことができる。
【0021】
限定するものではない実施形態によれば、格納装置102は、少なくとも1つの命令及び種々のソフトウェアプログラム、又は車両100における使用のために現在インストールされている車両アプリケーションを格納できる。例えば、格納装置102としては、フラッシュメモリなどのような半導体メモリ、ハードディスクなどのような磁気格納媒体などを含むことができる。格納装置102とは、任意の揮発性又は不揮発性メモリ、リードオンリメモリ(ROM)、少なくとも1つのプロセッサ101に通信可能に結合されているランダムアクセスメモリ(RAM)、又は、車両100に接続可能なメモリカード(例えば、マイクロSDカード、メモリスティック)のことを指すことができる。格納装置102は、車両100を動作させるための種々のソフトウェアモジュール又はコードを格納でき、少なくとも1つのプロセッサ101は、格納装置102に格納されている種々のソフトウェアモジュールを実行することにより車両100の動作を制御できる。格納装置102は、データの読み取り、記録、修正、削除、更新などを実行するために、少なくとも1つのプロセッサ101によりアクセスされることができる。更に、格納装置102は、実行可能な命令、コード、データオブジェクトなどを格納できる。
【0022】
限定するものではない実施形態によれば、ユーザインタフェース103は、車両100又は他の装置のユーザから入力を受信し、そしてそのユーザに情報を提供するように構成されている。少なくとも1つのプロセッサ101は、ユーザインタフェース103を通して、車両100の動作を制御するためのユーザコマンドを受信できる。
【0023】
ユーザインタフェース103は任意の演算装置であってよいし、車両100にインストールされてもよく、又は、車両100とは別個の装置であってよい。ユーザインタフェース103は、例えば、車両100の入力端末、車両100のタッチスクリーンディスプレイ、モバイルフォン、モバイル端末、タブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマート家電、テレビ、スマートウェアラブルデバイスなどであってよい。ユーザインタフェース103は、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、ディスプレイ、入力装置、及び通信ユニットを含むことができる。ディスプレイと入力装置は、例えば、タッチスクリーンディスプレイとして統合されるてもよい。ユーザインタフェース103は、車両100における専用アプリケーション(例えば、車両を構成するためのアプリケーション)を通して提供されてもよく、又は、インターネットブラウザを介してアクセス可能なウェブページを通して提供されてもよい。
【0024】
ユーザインタフェース103は、液晶ディスプレイ(LCD)パネル、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、透明ディスプレイなどのようなディスプレイを含むことができる。少なくとも1つのプロセッサ101は、車両100の格納装置102から受信した画像信号、又は、通信インタフェース104を通して外部装置から受信した画像信号を表示するようにユーザインタフェース103を制御できる。ユーザインタフェース103は、下記に限定されるものではないが、音声インタフェース、マイクロフォン、カメラ、リモートコントロール、スクリーンメニュー、アイコン、キーボード、ボタン、ダイアル、マウスなどを含む、広く多様な入力ハードウェアを備えることができる。しかし、ユーザインタフェース103の実現形態は前述の実施形態に限定されない。
【0025】
ユーザインタフェース103は、(特には)ユーザが車両100を使用するときに車両100にインストールされる1つ以上の車両アプリケーションを選択することを可能にする。ユーザからの1つ以上の車両アプリケーションの選択を受信することに基づいて、ユーザインタフェース103は、選択されたアプリケーションを識別する情報の、車両100の少なくとも1つのプロセッサ101への送信を制御する。送信は、直接無線方法又は有線通信方法(例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFiダイレクト、NFC,USBなど)を介する直接送信(例えば、ピアツーピア送信)であってよく、又は、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク)、若しくは1つ以上の介在装置(例えば、アクセスポイント、サーバなど)を介してもよい。
【0026】
通信インタフェース104は、ネットワークを通して、サーバ150などのような外部装置と通信するように構成されている回路又はインタフェースを含むことができる。通信インタフェース104は、Wi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、無線通信モジュール、又は、近距離通信(NFC)モジュールの少なくとも1つを含むことができる。具体的には、Wi-FiモジュールはWi-Fi方法で通信でき、ブルートゥースモジュールはブルートゥース方法で通信できる。Wi-Fiモジュール又はブルートゥースモジュールを使用するときは、サービスセット識別子(SSID)などのような種々の接続情報を通信接続のために送信及び受信でき、そして種々の情報を、通信インタフェース104を通して送信及び受信できる。
【0027】
通信インタフェース104は、ユーザにより選択された車両アプリケーションに関して、ユーザインタフェース103から情報を受信できる。少なくとも1つのプロセッサ101は、ユーザにより選択された車両アプリケーションに関する情報を、車両100に現在インストールされている車両アプリケーションと比較し、ユーザにより選択された車両アプリケーションの何れが車両100に現在はインストールされていないか(例えば、デルタアプリケーションリスト)を決定するように構成できる。通信インタフェース104は、例えば、サーバ150からOTA更新を介して、ユーザにより選択された1つ以上の車両アプリケーションが車両100にインストールされるように要求及びダウンロードすることができる。
【0028】
限定するものではない実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサ101は、ユーザに対する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを決定できる。特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、車両アプリケーションのリストと、各車両アプリケーションに対して、そのそれぞれの車両アプリケーションに対する、ユーザの使用の頻度に対応するそれぞれのファクタ又は重み値を含んでいる。限定するものではない実施形態によれば、重み値は0.0と1.0との間であってよいが、これは、単なる1つの限定するものではない例にすぎない。例えば、ユーザk(1)に対する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと、ユーザk(1)により選択された車両アプリケーションのセット(App1,App2,App3)は、各車両アプリケーションの、そのユーザの使用の頻度に基づく重み値として(0.6,0.2,0.5)を備えることができる。
【0029】
特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、所定のイベントの発生に基づいて、又は定期的に、ユーザが車両100の動作をいったん停止するときなどのように(つまり、車両のエンジンを切る、又は、次回に車両のスイッチが入れられることに基づいて)、随時車両100からサーバ150に送信されることができる。更に、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、特別なユーザによる所定の期間における使用履歴に基づいて生成又は更新されることができる(例えば、1日又は1週間などのような所定の時間期間内の車両100の、特定のユーザの使用、又は、車両を使用し始めてから車両を停止するまでの車両の、特定のユーザの使用など)。特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、車両100とサーバ150の少なくとも1つに格納されることができ、又は、車両100の各使用に対して新たに生成されることができる。
【0030】
サーバ150は、車両100を含む複数の車両から特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを受信でき、受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいて、サーバ150において格納されているグループアプリケーションマトリックスを更新できる。グループアプリケーションマトリックスは、複数の車両アプリケーションのそれぞれに対する重み値を含んでいるアプリケーションマトリックスである。グループアプリケーションマトリックスにおける重み値は、受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスにより示されているような、アプリケーションの使用の頻度に基づいて決定される。サーバ150は、車両100と同等の車両の特別なグループから受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいてグループアプリケーションマトリックスを更新できる。そして、サーバ150は、更新されたグループアプリケーションマトリックスを車両100に、そして所望されれば、複数の車両に送信する。限定するものではない実施形態によれば、サーバ150は、個々のユーザについての最小の構成情報のみを格納するように構成されることができる。
【0031】
更新されたグループアプリケーションマトリックスをサーバ150が送信する対象の複数の車両は、グループアプリケーションマトリックスが決定されたもととなった、車両の特別なグループと同じであっても、異なっていてもよい。車両のグループは、所定の領域(例えば、都市、群、県、省、州、国、大陸など)内の車両のグループ、又は、人間の所定のグループ(例えば、家族、会社、又は個人の予め選択されたグループ)に対応できる。
【0032】
限定するものではない実施形態によれば、サーバ150は1つ以上のサーバを含むことができ、サーバ150の動作は、単一のサーバにおいて実行されてもよく、又は複数のサーバにわたり分散されてもよいことが理解される。
【0033】
車両100の少なくとも1つのプロセッサ101は、サーバ150から受信したグループアプリケーションマトリックスに基づいて、車両の新しいユーザが選択又は使用すると予測される車両アプリケーションを識別するように構成されることができる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ101は、グループアプリケーションマトリックスにおける、より高い重み値を有する所定の数の車両アプリケーション(例えば、最も高い重み値を有する6つのアプリケーション)、所定の閾値を越える重み値を有する車両アプリケーション、又は、所定の閾値を越える、所定の数の車両アプリケーションを識別できる。少なくとも1つのプロセッサ101は、また、何れの車両アプリケーションが最も、格納容量又は、格納装置102において車両アプリケーションに対して割り当てられた格納スペースをほぼ満たしてしまうかを識別でき、グループアプリケーションマトリックスにおける、より高い重み値を有するそれらの車両アプリケーションを優先する。そして、少なくとも1つのプロセッサ101は、それらの識別されたアプリケーションの何れが現在はインストールされていないかを決定でき、OTA更新を介して、それらのインストールされていないアプリケーションを要求、ダウンロード、及びインストールできる。
【0034】
例えば、下記の表1は、時間(t1)においてユーザk(1,...,n)のグループから決定された、t(1)におけるグループアプリケーションマトリックスを示している。
【表1】
【0035】
車両100はサーバ150からグループアプリケーションマトリックス(t1)を受信でき、少なくとも1つのプロセッサ101は、グループアプリケーションマトリックスにおける重み値又はファクタに基づいて、車両アプリケーションApp1とApp3が新しいユーザにより選択される可能性が最も高いと識別できる。従って、少なくとも1つのプロセッサ101は、車両アプリケーションApp1とApp3の何れが(もしあれば)車両100に現在はインストールされていないかを決定でき、例えば、OTA更新を介して、それらのインストールされていないアプリケーションを要求、ダウンロード、及びインストールできる。
【0036】
1つの限定するものではない例によれば、車両100の新しいユーザk(n+1)が引き続いて車両アプリケーションApp1、App2、及びApp4を選択すると(例えば、ユーザインタフェース103を介して)、少なくとも1つのプロセッサ101は、App4が現在はインストールされていないと決定でき、App4をサーバ150から要求できる。そして、App4は、例えば、OTA更新を介して車両100にダウンロードされてインストールされる。新しいユーザk(n+1)が車両を使用するときに、車両アプリケーションのそれぞれに対する使用が少なくとも1つのプロセッサ101により監視され、使用の頻度が少なくとも1つのプロセッサ101により決定される。
【0037】
限定するものではない実施形態によれば、使用の頻度は、車両100から受信した、使用を示す情報、例えば、使用履歴又はログに基づいて外部装置(例えば、サーバ150)により決定されることができる。少なくとも1つのプロセッサ101(又は、車両アプリケーションの使用の頻度を決定する外部装置)は、決定された使用の頻度に基づいて、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを生成する。例えば、ユーザk(n+1)に対する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは((App1(1.0),App2(0.5),App3(0.0),App4(1.0),...)であってよい。更に、少なくとも1つのプロセッサ101(又は、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを生成する外部装置)は、サーバ150が、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して、グループアプリケーションマトリックスを更新できるように、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスをサーバ150に送信できる。
【0038】
車両100は、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスをサーバ150に、随時、又は、所定のスケジュール(例えば、定期的に)に従って、若しくは、所定のイベント(例えば、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを送信するユーザ指示、又は、車両100の使用の終了、エンジンの停止など)に応答して送信できる。限定するものではない実施形態によれば、車両100は、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体を送信でき、又は、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体を送るのではなく、データ送信を減少するために、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスとグループアプリケーションマトリックスとの間の決定された差のみを送信できる。
【0039】
そして、サーバ150は、車両100から受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいてグループアプリケーションマトリックスを更新できる。例えば、下記の表2は、ユーザk(n+1)の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを考慮している、時間t(2)における更新されたグループアプリケーションマトリックスを示している。
【表2】
【0040】
サーバ150が、車両100から受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいてグループアプリケーションマトリックスを更新した後に、サーバは、そのような更新の後でサーバ150において特定ユーザ向けアプリケーションが格納されないように、特定ユーザ向けアプリケーションを削除できる。
【0041】
限定するものではない実施形態によれば、グループアプリケーションマトリックスは、例えば、所定の数の最新の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスのみを取り出すためのフィルタ、又は、所定の時間期間に対応する特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを取り出すためのフィルタを使用して決定されることができる。例えば、グループアプリケーションマトリックスが、所定の数の最新の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスから決定され、所定の数がnの場合は、t(2)における更新されたグループアプリケーションマトリックスは、表3において下記に示されているように決定できる。
【表3】
【0042】
しかし、広く多様なフィルタ基準を、限定するものではない実施形態と整合して使用できるということは理解される。例えば、表3において示されている、t(2)における更新されたグループアプリケーションマトリックスは、異なるユーザ(例えば、ユーザk(2)、ユーザk(n)及びユーザk(n+1))からの所定の数の最新の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスから導出されているが、グループアプリケーションマトリックスは、異なるユーザのそれぞれからではない所定の数の最新の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいて更新されることができる。実際、限定するものではない実施形態によれば、所定の数の最新の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、すべて同じユーザからのものであってよい。更に、限定するものではない実施形態によれば、フィルタ基準は、重み付けされた正規化を備えることができる。例えば、グループアプリケーションマトリックスは、より新しい特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを、より古い特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスよりも重く重み付けすることにより更新されることができる。更に、限定するものではない実施形態によれば、グループアプリケーションマトリックスは、サーバ150により受信されたすべての特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスの平均を使用して更新されることができる。
【0043】
次に、サーバ150は、更新されたグループアプリケーションマトリックス(t2)を車両100に送信し、そして随意的に、複数の車両に送信する。サーバ150は、所定のイベントに応答して(例えば、所定の時間間隔、車両からの要求に応答して、マトリックスが更新されるたびに、など)などのように、更新されたグループアプリケーションマトリックスを随時ブロードキャスト、マルチキャスト、又はユニキャストできる。
【0044】
少なくとも1つのプロセッサ101は、t(2)における更新されたグループアプリケーションマトリックスにおける重み値又はファクタに基づいて、アプリケーションApp1とApp3が新しいユーザにより選択される可能性が最も高いということを再び識別できる。従って、少なくとも1つのプロセッサ101は、識別されたアプリケーションApp1とApp3を要求、ダウンロード、及びインストールできる。例えば、少なくとも1つのプロセッサ101は、App4を削除してApp3をインストールでき、又は、少なくとも1つのプロセッサ101は、App3をダウンロードでき、十分な格納容量がある場合は、App4を保管し続けることができる。
【0045】
他の限定するものではない実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサ101は、車両100の任意のユーザによるアプリケーションの使用履歴から決定されたアプリケーションマトリックスと、サーバ150から受信したグループアプリケーションマトリックスとに基づいた(例えば、2つのマトリックスの平均又は重み付き平均に基づく)特定車両向けアプリケーションマトリックスを決定できる。
【0046】
他の限定するものではない実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサ101は、ユーザの典型的な平日の使用のための特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと、ユーザの旅行に使用する第2特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと、などのような複数の特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを単一のユーザに対して決定できる。
【0047】
加えて、限定するものではない実施形態によれば、ここにおいて本開示されている方法と装置は、コンピュータプログラム製品のソフトウェアとして提供されることができる。コンピュータプログラム製品は、機械読み取り可能格納媒体(例えば、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM))の形状で配布されることができ、又は、アプリケーション店を通してオンラインで配布されることができ、又は装置間で直接配布されることができる。オンライン配布の場合、コンピュータプログラム製品の少なくとも一部(例えば、ダウンロード可能アプリケーション)は、製造業者のサーバ、アプリケーション店におけるサーバ、又は中継サーバにおけるメモリなどのような格納媒体に一時的に、又は、少なくとも一時的に格納されることができる。
【0048】
車両100の幾つかの、例としての構成要素が上述されているが、車両100の実施形態はそれらに限定されず、車両100は、より多い構成要素、又は、より少ない構成要素を含むことができるということは理解される。
【0049】
限定するものではない実施形態によれば、サーバ150は、車両100にサービス又は機能を提供する任意のコンピュータハードウェア又はソフトウェアにより実現されることができる。サーバ150は、通信インタフェース154、プロセッサ151、及び格納装置152を備えることができる。通信インタフェース154、プロセッサ151、及び格納装置152の構成は、通信インタフェース104、少なくとも1つのプロセッサ101、及び格納装置102それぞれに関して上述した実施形態と類似している限定するものではない実施形態により実現できる。しかし、通信インタフェース154、プロセッサ151、及び格納装置152の実施形態はそれらに限定されない。
【0050】
通信インタフェース154は、通信インタフェース104から情報を受信し、通信インタフェース104に情報を送信するように構成されている。例えば、通信インタフェース154は、通信インタフェース104が、OTA更新を介して広く多様な車両アプリケーションをダウンロードすることを可能にするように構成されることができる。そのような車両アプリケーションは、車両100における使用のための任意のアプリケーションを含むことができる。
【0051】
図2は、限定するものではない実施形態に係る、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用する車両アプリケーション管理システムの動作を例示しているフローチャートである。図2において例示されているステップの順序は限定するものではないということは理解される。
【0052】
動作S200において、車両100の少なくとも1つのプロセッサ101は、車両100のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションを識別する情報を取得する。そのような情報は、少なくとも1つのプロセッサ101により、車両アプリケーションのユーザによる過去の使用に基づいて識別されることができ、又は、ユーザインタフェース103を介してユーザにより手動で選択されることができる。
【0053】
動作S210において、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスが決定される。特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは第1重み値を備えることができる。第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであってよい。更に、第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づいて決定されることができる。
【0054】
動作S220において、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは、車両100に現在はインストールされていない第1の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを、車両100においてダウンロード及びインストールするために使用される。車両アプリケーションは、サーバ150からダウンロードされることができる。更に、より高い第1重み値を有する(つまり、より高い使用の頻度を示している)第1の複数の車両アプリケーションの1つ(幾つか)をダウンロードすること及びインストールすることは、より低い第1重み値を有する第1の複数の車両アプリケーションの1つ(幾つか)よりも優先させることができる。従って、ユーザにより最も高い頻度で使用される車両アプリケーションを車両100にインストールできる。
【0055】
随意的に、限定するものではない実施形態によれば、動作S230において、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを車両100からサーバ150に提供できる。限定するものではない実施形態によれば、特定ユーザ向けアプリケーションマトリックス全体ではなく、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスと、サーバ150から受信したグループアプリケーションマトリックスとの間の差分のみを、車両100からサーバ150に送信できる。
【0056】
サーバ150は、車両100からサーバ150に提供された、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して、格納装置152に格納されているグループアプリケーションマトリックスを更新できる。例えば、限定するものではない実施形態によれば、格納されているグループアプリケーションマトリックスが(1.0,0.7,0.8,0.3)を備え、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスが(1.0,0.5,1.0,NA)を備えている場合、更新されたグループアプリケーションマトリックスは(1.0,0.6,0.9,0.3)を備えることができる。限定するものではない実施形態によれば、サーバ150は、新しいユーザが車両100を使用するたびに、車両100からサーバ150に提供された、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスで、格納されているグループアプリケーションマトリックスを更新できる。
【0057】
決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスに基づいて、ユーザが選択又は使用すると予測される車両アプリケーションを識別することに加えて、又はその代替として、ユーザが選択又は使用すると予測される車両アプリケーションが、グループアプリケーションマトリックスを使用している他の車両ユーザからの情報を使用して識別されてもよい。例えば、図3は、限定するものではない実施形態に係る、グループアプリケーションマトリックスを使用する車両アプリケーション管理システムの動作を例示しているフローチャートである。図3において例示されているステップの順序は限定するものではないということは理解される。
【0058】
動作S310において、車両100はサーバ150から、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを受信する。第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対してである。更に、第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づいている。限定するものではない実施形態によれば、グループアプリケーションマトリックス全体ではなく、更新されたグループアプリケーションマトリックスと車両100から受信した特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスとの差分のみを、サーバ150から車両100に送信できる。
【0059】
複数のそれぞれの車両ユーザはユーザを含むことができ、又はユーザを含まなくてもよい。例えば、第2重み値は、特別な地理的領域からの、特別な年齢のグループからの、又は、任意の他の人口統計学的グループからの、所定の時間期間における複数のそれぞれの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの使用の頻度に基づくことができる。限定するものではない実施形態によれば、第2重み値は、車両100と同じ車両モデル、又は同じ車両タイプのユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの使用の頻度に基づくことができる。
【0060】
限定するものではない実施形態によれば、グループアプリケーションマトリックスは、車両の5km以内のすべてのユーザの車両アプリケーションに対する平均的選択、1日又は2日前以内に使用された車両アプリケーションに対する選択、及び/又は、一週間のうちの対応する曜日/時間における車両アプリケーションに対する選択を反映できる。
【0061】
限定するものではない実施形態によれば、第2重み値は、車両100の使用を共有している特別な家族のメンバーによる、又は、商用バス若しくはタクシーサービスなどのような、車両100の使用を共有している特別な商業団体のメンバーによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれの使用の頻度に基づくことができる。従って、第2重み値は、ユーザが車両100において使用し得る車両アプリケーションを予測するために、広く多様な特別なユーザのグループ化に基づいて選択されることができる。
【0062】
動作S320は、車両に現在はインストールされていない第2の複数の車両アプリケーションの少なくとも1つを車両100においてダウンロードすること及びインストールすることを、サーバ150から受信したグループアプリケーションマトリックスを使用して制御することを備えている。更に、より高い第2重み値を有する(つまり、より高い使用の頻度を示している)第2の複数の車両アプリケーションの1つ(幾つか)をダウンロードすること及びインストールすることは、より低い第2重み値を有する第2の複数の車両アプリケーションの他の1つ(幾つか)よりも優先させることができる。従って、ユーザが最も高い頻度で使用すると予測される車両アプリケーションを(より高い第2重み値に従って)車両100にインストールできる。
【0063】
限定するものではない実施形態によれば、更新されたグループアプリケーションマトリックスをサーバ150により車両100に提供でき、この更新されたグループアプリケーションマトリックスは、車両からサーバ150に提供された、決定された特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを使用して更新されている。
【0064】
限定するものではない実施形態によれば、動作S200、S210、及びS220は実行されて、動作S230、S310、及びS320は実行されなくてもよい。
【0065】
或いは、限定するものではない実施形態によれば、動作S200、S210、及びS220は実行されるが、動作S230、S310、及びS320は、追加的な車両アプリケーションをインストールするための利用可能な格納容量がある場合にのみ実行される。
【0066】
限定するものではない実施形態によれば、動作S200、S210、S220、及びS230は実行されなくてもよく、動作S310とS320は実行され、そのため、グループアプリケーションマトリックスからの車両アプリケーションのみがインストールされることができる。
【0067】
図4は、限定するものではない実施形態に係る、車両100とサーバ150を含んでいる車両アプリケーション管理システムの動作を示している他のシーケンス図である。図4は、動作が特別な連続的順序で起こることを示しているが、動作は、限定するものではない実施形態と整合して、広く多様な連続的順序で起こることができ、幾つかの動作は、限定するものではない実施形態と整合してまったく実行されなくてもよい。
【0068】
動作S400において、車両100はサーバ150に特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスを提供する。特定ユーザ向けアプリケーションマトリックスは第1重み値を備えることができる。第1重み値のそれぞれは、車両100のユーザにより選択された第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであってよい。加えて、第1重み値のそれぞれは、第1の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つのユーザによる使用の頻度に基づいて決定される。
【0069】
動作S410において、サーバ150は車両100に、第2重み値を備えているグループアプリケーションマトリックスを送信する。図4は、動作S410が動作S400の後で起こると示しているが、動作S410は、限定するものではない実施形態と整合して、動作S400の前に起こることができる。従って、グループアプリケーションマトリックスは車両100に提供されることができ、対応する車両アプリケーションは、車両100のユーザから車両アプリケーションの如何なる選択を最初に受信することなく予めインストールされることができる。第2重み値のそれぞれは、第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つに対するものであってよい。更に、第2重み値のそれぞれは、複数のそれぞれの車両ユーザによる第2の複数の車両アプリケーションのそれぞれ1つの使用の頻度に基づくことができる。
【0070】
動作S420において、車両100のアプリケーションマトリックスは、サーバ150から受信したグループアプリケーションマトリックスを使用して更新される。例えば、限定するものではない実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサ101は、第2重み値のより高い重み値を有する車両アプリケーションを、受信したグループアプリケーションマトリックスを使用して、第2の複数の車両アプリケーションから選択でき、より高い第2重み値を有する車両アプリケーションを含むように、車両100のアプリケーションマトリックスを更新できる。
【0071】
動作S430において、車両100はサーバ150に車両アプリケーションリストを送信でき、このリストは、車両100において選択されたが(例えば、第2重み値の、より高い重み値を有する車両アプリケーションから)、車両100に現在はインストールされていない少なくとも1つのアプリケーションを一覧表で示している。動作S440において、車両100に現在はインストールされていない車両アプリケーションがダウンロードされて車両100にインストールされる
【0072】
車両100が複数のユーザ(例えば、私的家族、商用カーシェアリング、バス、タクシーなど)により使用され、ユーザが車両100の使用を開始する場合において、車両アプリケーションを、ユーザの選択、性向などに従って、OTAを介して車両100にインストールできる。しかし、車両100における車両アプリケーションが、新しいユーザが車両100を使用するたびに書き換えられると、(例えば、OTAを介しての)データ通信の量は大きくなる。更に、選択された車両アプリケーションをダウンロード及びインストールするために必要な時間は長くなり、車両100をすぐに使用することができなくなる。
【0073】
そのような問題、及び他の問題に対処するために、限定するものではない実施形態は、ユーザに対して最適な車両アプリケーションを、事前に予測、ダウンロード、及びインストールできる。そのような予測は、次の可能性のあるユーザに対しての予期される類似性を有する他のユーザのグループから収集されたデータから計算できる。
【0074】
また、サーバ150が、インストールされた車両アプリケーションが、特定されない数のユーザからのそれぞれのユーザに対してカスタマイズされるように各車両に対する車両アプリケーションを管理及び配布する場合、サーバ150に対する管理負荷と、サーバ150から要求されるリソースは相当な量となり得る。そのため、限定するものではない実施形態は、車両100とサーバ150との間の処理を、より有利に分散する。
【0075】
本開示の実施形態が上記に示され記述されてきたが、本開示の実施形態は前述の特定の実施形態に限定されない。種々の修正、置換、及び改良を、本開示が属する技術分野における当業者により、付随する特許請求の範囲により主張されている本開示の精神から逸脱することなく行うことができるということは理解され得る。そのような修正、置換、及び改良は、本開示の保護される範囲内であり、本開示の技術的思想又は将来性とは無関係に解釈されるべきではないということは理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】