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特開2023-145396マイクロチャネルプレートおよび第1の衝突電子を増幅する電子後方散乱層を持つマイクロチャネルプレートを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145396
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】マイクロチャネルプレートおよび第1の衝突電子を増幅する電子後方散乱層を持つマイクロチャネルプレートを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 31/50 20060101AFI20231003BHJP
   H01J 43/24 20060101ALI20231003BHJP
   H01J 9/12 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H01J31/50 D
H01J43/24
H01J9/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023049286
(22)【出願日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】17/706,112
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512169604
【氏名又は名称】エルビット システムズ オブ アメリカ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ステファン キャロル
(72)【発明者】
【氏名】アーリン ダブリュ. スミス
(72)【発明者】
【氏名】トッド エー.スミス
【テーマコード(参考)】
5C038
【Fターム(参考)】
5C038BB06
5C038BB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】入力チャネル開口に衝突する電子の即時増幅を増加させることによって、入力および出力チャネル開口内に延びる入力および出力プレート表面上のコンタクト金属の電圧バイアス効率に悪影響を及ぼすことなく、第1の衝突効率およびMCPの電子利得または増幅の量を増加させる。
【解決手段】MCPを有する画像増強チューブを持つ暗視システムおよびMCPを形成する方法が提供される。
MCPの入力面付近の各チャネル側壁表面は、その上に形成された一連の層を含む。MCPの入力面並びに入力面付近の各チャネルの側壁面は、コンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に配置された電子後方散乱層を備えて構成される。入力面付近のチャネル開口内に部分的に形成されるとき、電子後方散乱層およびその上に位置する二次電子ブースタ層は、側壁表面の周囲に円周方向に構成され、各チャネルの中心軸に向かって半径方向に内向きに延びる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズと接眼レンズとの間に配置される画像増強チューブを含む暗視システムであって、前記画像増強チューブは、
光電陰極と、
燐光体で覆われた陽極と、
前記光電陰極と前記燐光体で覆われた陽極との間に離間した距離で配置されるマイクロチャネルプレートと、を含み、
前記マイクロチャネルプレートは、離間した複数のチャネル開口を含み、電子後方散乱層が、前記チャネル開口の各チャネル開口の側壁表面の周囲に円周方向にコンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に構成される、
暗視システム。
【請求項2】
前記マイクロチャネルプレートは、前記光電陰極から離間した入力面の実質的に平面的な表面と、前記燐光体で覆われた陽極から離間した対向する出力面の実質的に平面的な表面とを含む、請求項1に記載の暗視システム。
【請求項3】
前記コンタクト金属は、前記チャネル開口の各チャネル開口を通じて前記入力面から前記出力面に電場を生成するように電圧源に結合される、請求項2に記載の暗視システム。
【請求項4】
前記コンタクト金属層、前記電子後方散乱層、および前記二次電子ブースタ層は、前記チャネル開口の各チャネル開口の前記側壁表面上および前記入力面上に連続して形成される、請求項2に記載の暗視システム。
【請求項5】
前記電子後方散乱層および前記二次電子ブースタ層は、前記入力面から所定距離だけ前記チャネル開口内に延びる前記チャネル開口の各チャネル開口の前記側壁表面の上および前記入力面のみの上に連続して形成される、請求項2に記載の暗視システム。
【請求項6】
前記電子後方散乱層および前記二次電子ブースタ層は、前記チャネル開口の各チャネル開口の前記側壁表面上に連続して形成され、前記電子後方散乱層は、前記二次電子ブースタ層以下の距離だけ前記入力面から所定の距離だけ前記チャネル開口内に延びる、請求項2に記載の暗視システム。
【請求項7】
前記所定の距離は、前記チャネル開口の各チャネル開口の直径の約2分の1である、請求項5に記載の暗視システム。
【請求項8】
前記コンタクト金属層、前記電子後方散乱層、および前記二次電子ブースタ層は、前記マイクロチャネルプレートの入力面から前記側壁表面に沿って前記チャネル開口の各チャネル開口の前記直径の約2分の1の距離だけ前記側壁表面の全体の周囲に円周方向に前記側壁表面から半径方向に内向きに連続して形成される、請求項1に記載の暗視システム。
【請求項9】
前記電子後方散乱層は、100グラム/モルよりも大きい、より好ましくは、150グラム/モルよりも大きい原子質量単位を有する要素を含む、請求項1に記載の暗視システム。
【請求項10】
マイクロチャネルプレートであって、
当該マイクロチャネルプレートの入力面に対してチャネルバイアス角で延在する中心軸を有するチャネルと、
前記入力面の近くの前記チャネルの第1の部分と、を含み、該第1の部分は、
円周方向に延在するガラス側壁表面と、
バイアス電圧に結合されるコンタクト金属層であって、前記ガラス側壁表面に対して近接して並びに前記ガラス側壁表面から半径方向に内向きに構成される、コンタクト金属層と、
前記コンタクト金属層に隣接して並びに前記コンタクト金属層から半径方向に内向きに構成される電子後方散乱層であって、光電陰極から放射される一次電子を受け取って、電子後方散乱層の表面から前記一次電子を後方散乱するように構成される、電子後方散乱層と、
前記電子後方散乱層に隣接して並びに前記電子後方散乱層から半径方向に内向きに構成される二次電子ブースタ層であって、前記電子後方散乱層の前記表面から前記後方散乱される一次電子を受け取って、該受け取った後方散乱された一次電子を増倍するように構成される、二次電子ブースタ層と、を含む、
マイクロチャネルプレート。
【請求項11】
前記電子後方散乱層および前記二次電子ブースタ層は、当該マイクロチャネルプレートの前記入力面のみの上および前記入力面に隣接する複数のチャネルの前記ガラス側壁表面の上に構成される、請求項10に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項12】
前記電子後方散乱層および前記二次電子ブースタ層は、前記入力面に沿って並びに前記入力面から所定の距離だけ複数のチャネルの各チャネルの前記ガラス側壁表面に沿って構成される、請求項10に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項13】
前記所定の距離は、前記複数のチャネルの各チャネルの直径の2分の1よりも大きい、請求項10に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項14】
前記電子後方散乱層は、100グラム/モルよりも大きい、より好ましくは、150グラム/モルよりも大きい原子質量単位を有する要素を含む、請求項1に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項15】
前記電子後方散乱層は、30Å~50Åの間の厚さを含む、請求項1に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項16】
マイクロチャネルプレートを製造する方法であって、
プレートの対抗する入力面および出力面に対して第1の角度でそれぞれのガラスクラッドによって取り囲まれるガラスコアを形成することと、
前記ガラスコアをエッチングして残余のガラスクラッドから前記コアを全体的に除去して複数の離間したチャネルを残すことと、
前記プレートの前記対向する入力面および出力面の両方の上に、前記離間したチャネルの各チャネル内に部分的に、コンタクト金属層を形成することと、
前記入力面上の前記コンタクト金属上に、前記入力面のみの近くで前記離間したチャネルの各チャネル内に部分的にのみ隣接して、電子後方散乱層を形成することと、
前記入力面上の前記電子後方散乱層上に、前記入力面のみの近くで前記離間したチャネルの各チャネル内に部分的にのみ隣接して、二次電子ブースタ層を形成することと、
前記コンタクト金属をバイアス電圧に結合して、前記二次電子ブースタ層から第1の衝突電子を引き出すことであって、前記第1の衝突電子の一部分は、前記電子後方散乱層から後方散乱する一次電子から生成される、
方法。
【請求項17】
前記ガラスコアをエッチングして前記コアを全体的に除去する前に、前記ガラスコアと前記取り囲むガラスクラッドとの間の境界で前記ガラスクラッドをエッチングすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記境界で前記ガラスクラッドをエッチングし、引き続き、前記ガラスコアをエッチングして前記コアを全体的に除去することは、前記離間したチャネルの各チャネル内への漏斗形状の開口を生成する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電子後方散乱層を形成することは、100グラム/モルよりも大きい、より好ましくは、150グラム/モルよりも大きい原子質量単位を有する要素を指向性堆積することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記電子後方散乱層を30Å~50Åの間の厚さに形成する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
例示的な実施形態は、一般には、暗視システム、より具体的には、画像増強チューブ(image intensifier tubes)および改良されたマイクロチャネルプレート(MCP:microchannel plate)を持つそのようなチューブ(管)を製造する方法に関する。MCPは、一次電子をブースタ層上に散乱させて、結果として得られる第1の衝突電子を増幅するために、金属接触層と二次電子ブースタ層との間の各チャネル開口の側面に沿って形成される電子後方散乱層を有する、チャネル開口を具備して構成される。
【背景技術】
【0002】
暗視ゴーグルのような暗視システムは、典型的には、画像増強チューブを含む。画像増強チューブまたは「画像増強器(image intensifier)」は、光電陰極とセンサ陽極との間に配置される電子増倍管(electron multiplier)を含むことができる。光電陰極は、物体からレンズを通じて送られる光子の形態の光を検出する。光電陰極から放射される光電子(photoelectrons)または「電子(electrons)」は増強されるかあるいは増幅される。増幅された電子は、陽極に引き寄せられることができ、それらは、陽極で、スクリーン上に表示される光子に変換されることができる。陽極またはスクリーンは、センサを含むことができ、センサは、増大されたあるいは倍化された数の電子を受け取ると、それらの電子を感知し、スクリーン上の画像の増強された表現を生成する。光電陰極、電子増倍管、および陽極は、典型的には、光電陰極と電子増倍管とセンサ陽極の間にギャップを有する真空ハウジング内に支持されて、利得を提供し、それらの間の電子の流れを促進する。暗視システムは、スクリーンとユーザの眼との間に、暗視システム上に配置された1つ以上の接眼レンズ(アイピース)をさらに含むことができる。
【0003】
電子増倍管の1つのタイプは、マイクロチャネルプレート(MCP)である。MCPは、光電陰極と蛍光体で覆われたセンサ陽極との間に配置される。光電陰極は、低光レベルの画像から生成される光子のパターンに対応する電子のパターンを生成する。静電場の使用を通じて、光電陰極から放射される光電子のパターンは、MCPの表面に向けられる。MCP入力表面または入力面は、入力表面に亘って離間する開口を有して実質的に平面的であり、各開口は、入力表面から入力平面に実質的に平行な対向する出力平面に延在するマイクロチャネルまたは「チャネル」として延在する。光電陰極から入ってくる電子が、入力表面でチャネル開口の内面を打つと、二次電子が生成される。従って、MCPは、そのマイクロチャネルから、光電陰極から送られる一次電子に依存する比例数の二次放射電子(secondary emission electrons)を放射する。それによって、二次放射電子は、電子シャワーを形成して、初期低光レベルの画像に応答して光電陰極によって生成される電子を増幅する。次に、光電陰極によって生成される強度よりはるかに高い強度の電子のシャワーが、燐光体で覆われた陽極の燐光スクリーン上に向けられる。スクリーン上の燐光体層は、暗視システムの接眼レンズ上に提示されるような低光レベルの画像を複製する可視光の画像を生成する。
【0004】
MCPは、典型的には、平行な配向に一緒に融合された非常に小さな円筒形チューブまたはガラス繊維の束から形成される。次に、束をスライスしてMCPを形成することができる。よって、束のガラス繊維は、それらの長さが、MCPの厚さに概ね沿って配置されている。そのために、MCPは、MCPの入力面と出力面との間に、極めて多数の中空チューブまたはチャネルを含むことがある。各チャネルは、MCPの入力面と出力面の間に電子通路を形成することができる。
【0005】
多くの場合、各チューブは、MCP平面的な入力面および出力面の法線に対してわずかに角度付けられる。例えば、各チャネルの中心軸は、MCP入力平面および出力平面の法線に対してチャネルバイアス角(CBA:channel bias angle)でバイアスされることができ、CBAは、法線から5°からおそらく16°の間にあることができる。CBAは、MCP入力面に対して法線方向のチャネルに入る電子がチャネル壁を打つことを確実にする。CBAは、画像増強器の動作中に生成される陽イオンが、損傷を引き起こし得る光電陰極へ移動しないようにするのを助ける。チャネル壁または半径方向側面の物理的特性は、一般に、1つのエネルギ電子が側面に接触する毎に複数の電子が放射されるようなものである。チャネルの中心軸のまわりに湾曲するチャネル側壁表面の材料は、1よりも大きい二次電子放射の高い係数を有する。典型的には、チャネルの側壁表面は、コアが除去された後の各ガラス繊維のガラスクラッド(glass cladding)である。ガラス側壁表面自体は、比較的高い二次電子放射係数を有する。MCPに亘る電圧バイアスは、電子の衝撃が1より大きい二次放射比をもたらすように配置される。高い二次電子放射係数を有する材料をガラス側壁表面上に堆積させて、1より大きい二次電子放射比を生むことができる。
【0006】
MCPの入力面および出力面は、隣接する金属コンタクト(金属接点)である。MCPの入力面上の入力金属コンタクトは、MCPの出力面上の出力金属コンタクトとは異なる電圧にバイアスされることが好ましい。入力表面の面に印加されるコンタクト金属(接点金属)は、しばしば、入力電極と呼ばれるのに対し、出力面の面に亘って印加されるコンタクト金属は、しばしば、出力電極と呼ばれる。出力表面の面におけるコンタクト金属の一部は、出力電子ビームをコリメートするためにMCPチャネル内に貫通する(penetrate)ことができ、そのような結果は、一般に、燐光体で覆われたスクリーン陽極に向かうよう近接出力の分解能を増加させる出力エンドスポイリング(output endspoiling)として知られる。入力電極および出力電極は、入力チャネル開口で生成される二次電子を、MCPを通じて陽極に向かって引き寄せるために、各チャネルを通じて電場を生成するようにバイアスされる。静電界は、二次電子がMCPチャネル壁との次の衝突の前にエネルギを得ることを可能にする。次に、このエネルギは、「親」電子が壁を打つときに、より多くの二次電子が生成されることを可能にし、結果として生じる二次電子は、各チャネルの長さに沿って増加またはカスケードし続けて、カスケード効果(cascade effect)をもたらす。カスケードされた電子は、別の静電場の影響下でMCPの個々のチャネルを出て、近位に配置された燐光体で覆われたスクリーン陽極上に増幅された電子をさらに加速する。チャネルから放射される電子の数は、MCPの全体的な増幅または利得を生成するために、他のチャネルから放射されるものを平均する。
【0007】
光電陰極からの入力面のチャネル開口でMCP入力面を打つ電子は、「一次電子(primary electrons)」と呼ばれる。一次電子が初めてMCPを打つときに、それらは、「第1の衝突電子(first strike electrons)」と呼ばれる一群の二次電子を生成する。第1の衝突次電子は、一次電子の初期衝撃で生成される二次電子を含むことができ、それは、一次電子がMCPチャネル側壁内から後方散乱されて、側壁を出てチャネルに戻るときに生成される、二次電子を含むことができる。この後者の一群の第1の衝突電子は、今や第1の衝突電子と呼ばれることがある。何故ならば、それは二次電子と区別がつかないことがあるからである。
【0008】
信号対雑音比(SNR)は、画像増強器のための性能メトリック(測定基準)である。画像増強器のSNRが大きければ大きいほど、その低光感度(low-light sensitivity)および性能(performance)はより大きい。画像増強器のMCP成分の第1の衝突効率(first strike efficiency)は、SNRを決定するのに役立つ。第1の衝突効率が上昇するにつれて、そのSNRも上昇する。
【0009】
従来のMCPに関連する欠点は、MCPの入力表面での離礁よりも少ない第1の衝突効率である。第1に、MCPの100%未満の開口面積比(OAR:open area ratio)の結果であるチャネル間の平坦な面積に対する影響である。この損失は、OARを増加させることによってのみ最小化することができる。第2に、MCPの入力表面におけるチャネル開口は、典型的には、静電場を生成するのに必要とされるコンタクト金属で覆われる。入力コンタクト金属電極は、チャネル内のより深いMCP材料と比較して不十分な二次放射係数または比を有する。典型的には、入力面に亘って連続的に延在し且つ入力チャネル開口内に部分的に入るコンタクト金属は、1未満の二次放射係数を有する。入力コンタクト金属に衝突する一次電子は、入力コンタクト金属から生成される第1の衝突電子の数を減少させることによって結果として得られる第1の衝突効率の低下を被る。この影響を最小限にするために、入力開口における金属被覆率は、典型的には、可能な限り最小限にされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
入力チャネル開口に衝突する電子の即時増幅を増加させ、よって、各MCPチャネル内の第1の衝突する電子の数を早くから増加させることが望ましい。次に、入力および出力チャネル開口内に延びる入力および出力プレート表面上のコンタクト金属の電圧バイアス効率に悪影響を及ぼすことなく、第1の衝突効率およびMCPの電子利得または増幅の量を増加させることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的および他の目的は、改良されたMCPを有し、改良されたMCPを製造する改良された方法をさらに有する、暗視システムによって達成される。各チャネル開、好ましくは、MCPの入力面に存在する入力チャネル開口は、漏斗形状に角度付けされるか、あるいは直線の非テーパ入力側壁面を有する。入力チャネル開口の側壁表面は、一次電子が入力チャネル開口の現在の多層側壁表面の側壁表面に衝突するたびに、より多数の第2の衝突電子が生成されることができるように、有利に構成される。具体的には、光電陰極から一次電子を受け取る側壁表面を、その1つが電子後方散乱層である複数の層でコーティングすることは、MCPの各チャネル開口から生じる第1の衝突電子の数を増加させる。
【0012】
第1の衝突電子の増加が、MCPの第1の衝突効率を増加させ、利得を維持するためにチャネルをさらに下って生成される必要のある二次電子の数を減少させる。MCPは、チャネル間の平坦な領域およびコンタクト金属電極がチャネル内に延びる領域での入力コンタクト金属電極への電子の損失(すなわち、エンドスポイリング(endspoiling))から画像増強器のSNRを劣化させる。MCPは、電子がチャネルを通じて増倍されるにつれて乗算統計(multiplication statistics)からもSNRを劣化させる。SNRのこの劣化は、MCPの雑音指数(noise figure)であり、MCPからのSNRとMCPへのSNR入力の比として定義される。電子のカスケードがチャネルを下って続くにつれて、増倍事象は、変化を増加させる。所与のMCP出力フラックス対入力フラックス(すなわち、利得)について、一次電子から生成される第1の衝突電子を増加させることは、カスケードの間に増加する変動を減少させることによって、MCPのノイズを減少させる。チャネル内で初期に起こる増倍が多ければ多いほど、後の増倍事象から追加される変動はより少ない。
【0013】
電子後方散乱層は、好ましくは、コンタクト金属の上に形成されて、通常は比較的低い二次放射係数のコンタクト金属と接触する一次電子を方向付けるか或いは「後方散乱させる」。従って、電子後方散乱層が存在しないならば、コンタクト金属からその上に位置する二次電子ブースタ層へ一次電子を後方散乱させることは、ブースタ層中の第1の衝突電子を減少させるよりもむしろ増加させる。従って、それは、入力チャネル開口の側壁面上および入力チャネル開口間の入力面上のコンタクト金属の連続的な配置であり、コンタクト金属層上の電子後方散乱層が後続し、後方散乱電子の即時の増幅を増加させる電子後方散乱層上の二次電子ブースタ層がさらに後続する。連続的な配置は、第1の衝突効率、MCPの増幅および利得を増加させる、第1の衝突電子のより即時の生成をもたらす。
【0014】
本開示の少なくとも1つの例によれば、暗視システムが提供される。暗視システムは、レンズと接眼レンズとの間に配置される画像増強チューブを含むことができる。画像増強チューブは、光電陰極と、燐光体で覆われた陽極と、光電陰極と燐光体で覆われた陽極との間に離間した距離で配置されるMCPとを含むことができる。MCPは、離間した複数のチャネル開口を含むことができる。MCPの入力面上のチャネル開口を、しばしば、入力チャネル開口と呼ぶ。MCPの出力面上のチャネル開口を、出力チャネル開口と呼ぶことができる。出力チャネル開口は、MCP内に延び、入力チャネル開口と共線的に隣接するので、各チャネルは、MCPを貫通して延在する。簡潔性のために「チャネル開口」と呼ぶことがある、MCPの入力面にあるチャネル開口の各チャネル開口は、コンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に構成される電子後方散乱層を備えて構成されることができる。コンタクト金属層上に配置される電子後方散乱層上に配置される二次電子ブースタ層の組み合わせは、チャネル開口の各チャネル開口の側壁表面の周囲に少なくとも部分的に円周方向に延在する多層構成(multilayer arrangement)を形成する。
【0015】
コンタクト金属は、MCPの入力面から出力面までチャネル開口の各チャネル開口を通じて電場を生成するために電圧源に結合される電極である。電子後方散乱層および二次電子ブースタ層は、入力面の上に並びに入力面から所定の距離だけ各チャネル開口内に部分的に連続して形成される。電子後方散乱層および二次電子ブースタ層は、コンタクト金属またはコンタクト金属電極上に連続して形成され、所定の距離は、標準的なエンドスポイリング材料の標準的な2分の1チャネル直径の深さよりもほぼ大きい。
【0016】
本開示の別の例によれば、画像増強チューブ内のMCPが提供される。MCPは、好ましくは、MCPの入力面に対してCBAで延在する中心軸を有するチャネルを含む。一次電子が入力面の近くでチャネル開口に入る第1の衝突角が、典型的には、実質的に平面的な入力面に対して垂直である、あるいは法線方向にある。CBAは、典型的には、FSAに対して鋭角であるので、一次電子は、入力面の近くでチャネル開口の各チャネル開口の「シャワーされた」側壁表面に衝突することができる。入力面または入力チャネル開口の近くのチャネルの第1の部分が、ガラス側壁表面を含む。コンタクト金属層は、ガラス側壁表面に隣接して、ガラス側壁表面から半径方向に内向きに構成される。然る後、コンタクト金属層は、バイアス電圧に結合されて、各チャネルの下流で通電し且つ電子を引き込むための静電場を生成する。電子後方散乱層が、コンタクト金属層に隣接して、コンタクト金属層から半径方向に内向きに構成される。電子後方散乱層は、光電陰極から放射される一次電子を受け取って、それらの一次電子を電子後方散乱層の表面からいくぶん反対の角度方向に後方散乱するように構成される。二次電子ブースタ層が、コンタクト金属層に隣接して、コンタクト金属層から半径方向に内向きに構成される。従って、電子後方散乱層は、光電陰極から放射される一次電子を受け取って、それらの一次電子を電子後方散乱層の表面から後方散乱するように構成される。二次電子ブースタ層は、電子後方散乱層に隣接して、電子後方散乱層から半径方向に内向きに構成される。電子後方散乱層は、光電陰極から放射される一次電子を受け取って、それらの一次電子を電子後方散乱層の表面から後方散乱する。二次電子ブースタ層は、その表面上の一次電子並びに電子後方散乱層の表面からの後方散乱された一次電子を受け取り、受け取った一次電子および後方散乱された一次電子を増倍する。
【0017】
電子後方散乱層および二次電子ブースタ層は、開口間のマイクロチャネルプレートの入力面のみの上および入力面にある離間したチャネル開口のガラス側壁表面の上に構成される。好ましくは、電子後方散乱層および二次電子ブースタ層は、複数の離間した入力チャネル開口のガラス側壁表面の部分的に下方に、入力面上に以前に配置された前記コンタクト金属上に構成される。好ましくは、電子後方散乱層は、100グラム/モルよりも大きい、好ましくは、150グラム/モルよりも大きい原子質量単位(AMU:atomic mass unit)を有する要素を含む。二次電子ブースタ層は、好ましくは、約30~50オングストローム(Å)の厚さに形成さえたあるいは成長させられたAlまたはMgOを含む。二次電子ブースタ層は、CsIまたは好ましくは1よりもはるかに大きい高い二次放射比を有する他のアルカリハロゲン化物材料を含むこともできる。コンタクト金属は、例えば、電子後方散乱層がそこへの確実な接着のために追加的な層を必要とするならば、複数の層を含むことができる。コンタクト金属層または複数のコンタクト金属層は、好ましくは、インコネル(登録商標)またはニクロム(登録商標)を含む。コンタクト金属は、好ましくは、良好な導電性を有するべきである一方で、その二次放射比は、典型的には、0.8未満であり、二次電子を生成する代わりに、コンタクト金属は、典型的には、電子を生成する代わりに、電子を吸収する。よって、コンタクト金属は、実質的な量の第1の衝突電子、またはその増幅を生成しない。従って、コンタクト金属は、有利には、一次電子を1.0よりもはるかに大きい二次電子放射比を持つ二次電子ブースタ層上に後方散乱させる電子後方散乱層で被覆される。コンタクト金属は、最小の後方散乱能力を有する。何故ならば、コンタクト金属は、60未満のAMUを有するので、電子後方散乱層が存在しないならば、コンタクト金属は、それ自体では、十分な数の一次電子を二次電子ブースタ層上に後方散乱させて、第1の衝撃効率を増加させることができない。
【0018】
本開示のさらに別の例によれば、MCPを製造する方法が提供される。方法は、MCPプレートの対向する入力面および出力面に対して第1の角度でそれぞれのガラスクラッドによって取り囲まれるガラスコアを形成することを含む。次に、ガラスコアをエッチングして、残りのガラスクラッドからコアを完全に除去して、複数の離間したチャネルを残す。次に、コンタクト金属層を、プレートの対向する入力面および出力面の両方で、離間したチャネルの各チャネル内に部分的に形成する。次に、電子後方散乱層を、入力面上の、好ましくは出力面上ではない、コンタクト金属上に形成する。電子後方散乱層は、入力面上に形成され、入力面のみに近い離間したチャネルの各チャネル内に部分的にのみ隣接して形成される。次に、二次電子ブースタ層を入力面上の電子後方散乱層上で、入力面に近い離間したチャネルの各チャネル内に部分的にのみ隣接して形成する。次に、コンタクト金属をバイアス電圧に結合して、第1の衝突電子を二次電子ブースタ層から静電的に引き寄せる。二次電子の一部分が、電子後方散乱層から後方散乱される一次電子から生成される。ガラスコアをエッチングしてコアを完全に除去する前に、ガラスコアと取り囲むガラスクラッドとの間の境界でのガラスクラッドをエッチングすることができる。境界でガラスクラッドをエッチングし、引き続き、ガラスコアをエッチングしてコアを完全に除去することによって、各チャネル開口の各チャネル開口内に漏斗形状の開口を生成する。電子後方散乱層は、好ましくは、典型的には、30Åより大きい厚さに形成され、より好ましくは、30Å~50Åの厚さに形成されるが、それらに点綴されない。
【0019】
本開示の例は、添付の図面に関連して読まれるときに、以下の詳細な説明から最もよく理解される。一般的な実務によれば、図面の様々な構成(features)は、縮尺通りに描かれておらず、あるいは部分的な視点でのみ示されている。様々な実施形態の寸法は、明瞭性のために任意に拡大または縮小されて示されている。図面中の同様の要素を表すために、同様の数字が使用される。図面には、以下の構成および要素が含まれており、各図面が次に参照される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】MCPを有する画像増強チューブを利用する暗視システムの部分ブロック図である。
【0021】
図2図1の断面2-2に沿うMCPの部分頂面図である。
【0022】
図3】CBAで整列された各チャネル中心軸と、一次電子がMCPの入力面で各チャネル開口近傍の各チャネル壁のシャワーされた側壁表面に衝突するFSAとを示す、図2の断面3-3に沿う部分断面図である。
【0023】
図4】コンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に配置された電子後方散乱層を有するMCPの入力面にある単一チャネル開口の部分断面図である。
【0024】
図5】電子後方散乱層から後方散乱された一次電子から二次電子ブースタ層に当たる一次電子から生成された増幅された第1の衝突電子を示す、図4の領域5に沿う拡大断面図である。
【0025】
図6】後方散乱された一次電子から第1の衝突電子並びに後方散乱された一次電子を生成するために各チャネル開口の側壁表面に沿ってコンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に形成された電子後方散乱層を持つチャネル開口を有するMCPを形成する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の議論は、様々な例示的な実施形態に向けられている。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される例が広範な適用を有し、任意の実施形態の議論が、その実施形態の例示に過ぎず、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がその実施形態に限定されることを示唆するものではないことを理解するであろう。
【0027】
上述のように、図面の図は、必ずしも縮尺通りではない。本明細書中の特定の構成および構成要素(コンポーネント)は、縮尺においてあるいは幾分概略的な形態において誇張されて示されることがあり、従来の要素のいくつかの詳細は、明瞭性および簡潔性のために示されないことがある。
【0028】
以下の説明および特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む(comprising)」という用語は、オープンエンド式に使用され、よって、「含むが、~に限定されない」を意味すると解釈されるべきである。また、「連結する(couple)」または「連結する(couples)」という用語は、間接接続または直接接続のいずれかを意味することを意図する。よって、第1のデバイスが第2のデバイスに結合するならば、その接続は、2つのデバイスの直接接続を通じてであることがあり、あるいは、他のデバイス、構成要素、ノード、および接続を介して確立される間接接続を通じてであることがある。加えて、本明細書で使用するとき、「軸方向の(axial)」および「軸方向に(axially)」という用語は、一般に、所与の軸(例えば、本体、開口、チャネル、出口またはポートのx、yまたはz方向または中心軸)に沿うかあるいは平行であることを意味する一方で、「半径方向の(radial)」および「半径方向に(radially)」という用語は、一般に、所与の軸に対して垂直であることを意味する。例えば、軸方向距離は、中心軸に沿って測定される距離を意味し、半径方向距離は、中心軸に対して垂直に測定される距離を意味する。半径方向に反対のものは、中心軸の反対側にあり、中心軸のほんの部分的な周囲で中心軸から軸方向距離だけ離間して弧状パターンにあることを意味することができる。
【0029】
次に、図1を参照すると、暗視システム12(night vision system)の部分ブロック図が示されている。暗視システム12は、一対のレンズ16とレンズ18との間に配置された画像増強チューブ14(image intensifier tube)を含む。レンズ16は、物体15からの光子を画像増強器14(image intensifier)上に集束させる集束レンズ(focusing lens)であることができる。レンズ18は、画像増強器14から生成される出射光子をユーザの眼に向ける接眼レンズ(eyepiece)であることができる。暗視システム12は、例えば、接眼レンズ18が2つの接眼レンズを含む、ゴーグルであることができる。
【0030】
画像増強器14は、真空チューブであることができ、Generation-III(GaAs光電陰極)またはGeneration-II(マルチアルカリ光電陰極)画像増強チューブてかなりよく知られている。画像増強チューブ14内には、光電陰極20(photocathode)がある。光電陰極20は、ガラスで作られ、裏側表面(backside surface)がGaAsで被覆される、フェースプレート(faceplate)を含むことがある。GaP、GaIn、AsP、InAsP、InGaAsなどのような、他のIII-V材料を使用することができる。代替的に、光電陰極20は、Bi-アルカリ光電陰極として知られることがある。光電陰極20の光電効果半導体材料が、画像増強チューブ14の光子受面に到達する光子を吸収する。光電陰極20によって吸収される光子は、半導体材料のキャリア密度(carrier density)を増加させ、それによって、光電陰極20の裏側電子放射面(backside electron emission face)から放射される電子21の光電流(photocurrent)を発生させる。
【0031】
光電陰極20は、一例によると、非可視(non-visible)光源または可視低(visible low)光源を変換する。非可視光源は、近赤外線または短波赤外線から可視までであることができる。電子増倍管22は、電子21を受け取り、それらの電子を増倍して増倍された電子23を生成する。普及している電子増倍管は、MCPを含む。MCP22は、典型的には、複数のガラス繊維を通じて提供され、各ガラス繊維は、外部ガラスクラッド(cladding)によって囲まれたコアを有する。MCPの入力面から出力面に離間した複数のマイクロチャネルまたは「チャネル」を残して、複数のコアの各々を除去することができる。各チャネル開口の内壁または側面は、二次電子のシャワーを生成するために高い電子放射率係数を有する。チャネルは、互いから離間され、入力平面または入力面から出力平面または出力面に延び、出力平面または出力面で、増倍された電子が放射される。二次放射電子は、初期の低光レベル画像に応答して、光電陰極によって生成される電子を増幅する。電子のシャワーは、光電陰極によって生成される強度よりも大きい強度で生成され、従って、MCP22は、増幅および利得を有する。電圧源が、光電陰極20からMCP22へ、MCP22を通じて、およびMCP22の裏側放射表面から陽極(アノード)24上へ、電子を引き出すために、画像増強器14の様々な要素間に印加されることができる。電圧源は、画像増強器14を通じて一次電子および二次電子の両方を引き出して、所望のエネルギを、燐光体で覆われたスクリーンまたは陽極24に印加される増倍された電子に与える、静電場を生成する。燐光体で覆われたスクリーンは、光電陰極20から開始される増倍された電子パターンを、ターゲット15から初期的に受信される低レベル画像の可視光画像に変換する。放射される光子は、陽極24の光ファイバ束のような光学系によって、画像増強器14から接眼レンズ18上に向けられる。接眼レンズ18を通じて見るときに、ユーザは、MCP22の増幅された利得および電子増倍を使用することを通じて、ターゲット画像15から反射または生成される低レベル可視光子または非可視光子を識別することができる。
【0032】
次に、図2を参照すると、MCP22の光電陰極20から見たときの頂面図が図示されている。具体的には、図1の断面2-2に沿う頂面図を図示されている。複数のチャネルが、MCP22を貫通して延びている。各チャネル26は、MCP22の電子入力面から増倍された出力面への開口である。MCP22は、光電陰極側から図2に図示されているので、入力面は、従って、図1に図示されるように、光電陰極20から一次電子21を受け取る電子受取側である。各チャネル26は、その入力開口および出力開口と共に、好ましくは、チャネルおよび開口の間で同じ直径である。換言すれば、図3のチャネル26の寸法は、好ましくは、MCP22に亘って一貫している。チャネル26間のピッチまたは間隔も一貫していなければならない。開口間の空間に対する開口面積の比率は、可能な限り高い開口面積比(OAR:open area ratio)を有することが望ましい。MCPの入力側でのチャネル開口は、ファネル開口の下方の側壁表面間の構造的完全性のための適切な距離を維持しながら、OARを70%より大きく増加させるように、漏斗形状とされることができる。
【0033】
次に、図3を参照すると、図2の平面3-3の断面図が示されている。図3は、MCP22のハニカム構造内の複数のチャネル26をより詳細に図示する。チャネルは、チャネル26が最適なCBAで適切に傾斜またはバイアスされるならば、かなり信頼性の高い電子増倍管を提供する。電場が、入力面に亘って連続的に適用されるコンタクト金属30および出力面に亘って連続的に適用されるコンタクト金属32に供給される電圧源Vの間に生成される。チャネル26は、従って、MCP22の入力面と出力面との間に存在する開口であり、それらのチャネル側壁表面は、好ましくは、二次放射を阻害するかあるいは光電陰極の正イオン衝撃を生成し得るあらゆる残留不純物を除去するためにスクラブ洗浄される。各チャネル26を通じる電子加速静電場は、入力面および出力面にコンタクト金属を適用し且つコンタクト金属を電圧源Vでバイアスすることによって生じ、コンタクト金属は、インコネル(登録商標)またはニクロム(登録商標)のような良好な導電性材料を含むことができる。コンタクト金属30および32は、チャネル内に部分的に延在することができる。傾斜角またはCBAは、チャネル26の中心軸に沿って取られ、各チャネル26に亘って実質的に同一である。何故ならば、チャネルは、互いに平行であるからである。CBAは、マイクロチャネルプレート入力平面の法線に対して5°~16°の間であることができる。
【0034】
光電陰極20(図1)から送られる電子21は、第1の衝突角(FSA:first strike angle)で各チャネル26の可視側を打つ。可視側は、MCPの入力面に対して法線方向の高低線(line of site)で見ることができる各チャネルの側壁表面である。この法線の高低線は、図3に示されているFSAである。光電陰極20から送られる電子は、その後、シャワー側(showered side)とも呼ばれる可視側に衝突するかあるいは「シャワーする(shower)」FSAに沿って方向付けられる一次電子21である。チャネルの可視側またはシャワー側とは実質的に反対のチャネルの側は、一次電子が概ね衝突しないシャドー側(shadowed side)と呼ばれる。二次電子は、一次電子21の第1の衝突から生成されるので、第1の衝突に由来する二次電子は、その後、第1の衝突電子となる。第1の衝突電子は、一次電子衝突から生成されるもののみである。第1の衝突電子は、二次電およびおそらく一次電子の両方を含む。各チャネルの下流で生成される二次電子から生成される後続の衝突は、二次電子衝突と呼ばれることがある(あるいは三次電子衝突などと呼ばれることがある)が、第1の衝突電子ではない。第1の衝突電子からのあるいはその後に生成される二次衝突電子からの二次電子は、各チャネル26の下流で静電的にバイアスされ、そこでは、一層さらなる二次衝突(または、三次衝突、四次衝突などと呼ばれることもある)が、それらのチャネルの対向する半径方向表面で生じて、カスケード効果または増倍効果をさらに増大させる。複数の衝突が各チャネルの入力表面から出力表面に生じることができ、利得を持つ増倍電子が生じることができるが、一次電子21のみのまさに第1の衝突が、図示の簡潔性のために、1つのチャネルのみから生成される、第1の衝突電子36を生成する。各チャネルは、チャネルバイアス角に対する第1の衝突角FSAで、一次電子21の第1の衝突から第1の衝突電子36を生成することが理解される。FSAは、MCP22の入力面に対して法線方向にある。FSAは、MCP22の入力面に対して法線方向であるが、CBAに対して鋭角である。CBAは、法線またはFSAに対して、好ましくは、5°~16°の間であり、より好ましくは、5°~8°の間である。
【0035】
MCPの全体的な電子増倍/増幅または利得は、大部分、入力事象に応答して生成される電子の平均数に依存する。入力事象に応答して生成されるそれらの電子、または一次電子21入力事象に応答して生成される第1の衝突電子36は、MCP22の全体的な性能に対して有意な影響を有する。図4を参照して以下に記されるように、第1の衝突電子36の生成を増加させる1つの方法は、高い二次放射係数または比を持つ二次電子ブースタ材料を電子受取面の入力側に印加して、チャネルに沿って所定の深さまで下流に内側チャネル壁をコーティングすることである。そのようなブースタ材料は、Al、MgO、CsIまたは他のアルカリ材料、またはMCP22のプレートおよびチャネルを製造するために使用される処理機器および他の材料との適合性がある任意の他の材料または任意の他の複数の材料であることがある。
【0036】
次に図4を参照すると、単一チャネル26の部分断面図が示されている。単一チャネル26は、MCP内の他の全てのチャネル26と同様に、側壁表面42を有するガラスクラッド40を含む。ガラスクラッド40は、MCP22の入力面に入力表面44を有する。従って、側壁表面42および入力表面44は、1.0よりもはるかに大きい比較的高い二次放射比を持つガラス材料で作られる。側壁表面42および入力表面44は、これらのガラス表面から不純物を除去するためだけでなく、MCP22の入力面に配置されるコンタクト金属30のための並びに側壁表面42に沿って部分的に各チャネル26内での良好な接着を提供するように準備されることができる。コンタクト金属30は、表面42および44上に連続的に堆積されるが、表面42に沿ってチャネル26内には部分的にだけ堆積される。
【0037】
コンタクト金属30は、好ましくは、1/2D堆積され、ここで、Dは、チャネル26の直径である。しかしながら、ゼロエンドスポイリング(endspoiling)のために、堆積距離は、1/2D未満であり得るが、コンタクト金属の接着を高めるために、側壁表面に沿う堆積距離は、1/2Dよりもわずかに大きくあり得ることが理解される。図4に示されるように、寸法は、寸法通りでなく、多層構成およびそれらの形成の深さのような特定の構成をより明確に示すように修正されている。上述のように、コンタクト金属30は、インコネルまたはニクロムのような良好な導電性材料で作られる。コンタクト金属30は、側壁表面42および入力表面44上に約1500~2500Åの厚さに堆積される。コンタクト金属30は、単一層または複数層であることができ、側壁表面42に沿うチャネル26への堆積の有効深さは、チャネルプレートの幾何学的形状の関数、並びに蒸発ツール(evaporation tool)がコンタクト金属30を側壁表面42に適用する蒸発角(angle of evaporation)である。蒸発角は、チャネル入力開口で測定されるような、プレートアクセスまたはチャネル26長軸または中心軸からコンタクト金属30を適用するために使用される蒸発源の角度変位である。蒸発角は、MCPから離間した蒸発源およびMCPの幾何学的形状の組み合わせにおいて、側壁表面42に沿う各チャネルを下る所望の被覆深さをもたらす。蒸発角は、変化することができ、好ましくは、CBAに平行であるか、あるいはCBAよりも鋭角である。堆積の一例によれば、MCP22または蒸発源(図示せず)は、回転されることができ、あるいは入力面の法線に対して円周方向に可変の角度に沿って回転されることができる。従って、堆積源および/またはMCP22の回転角度または可変角度と結合した指向性堆積方法論を含む、様々なコーティングまたは蒸発方法論を使用して、ガラスの表面42および44をコンタクト金属30で被覆することが必要である。側壁表面42に沿うコーティングは、1/2直径Dよりも多くチャネル26内に延在することがあることが好ましい。
【0038】
電子後方散乱層48が、コンタクト金属30の上に完全に配置される。コンタクト金属30全体を覆うことによって、コンタクト金属30を有する入力面またはチャネル開口の側壁表面に衝突するあらゆる一次電子は、コンタクト金属30から離れる方向に方向付けられる。一次電子は、コンタクト金属30内で通常生じる一次電子吸収に有害な影響を与えないように、電子後方散乱層48によって方向付けられる。コンタクト金属30は、かなり良好な導電体であるが、二次電子放射率については比較的不十分な材料である。場合によっては、全部ではないが、単一の二次電子のみが、コンタクト金属層30から放出されることがあり、それによって、初期電子衝突または一次電子衝突の増幅または倍増をもたらさない。
【0039】
電子後方散乱層48は、高原子質量単位(AMU:atomic mass unit)を有する材料または素子から作られる。好ましくは、電子後方散乱層48のAMUは、100グラム/モルよりも大きく、より好ましくは、150グラム/モルよりも大きい。電子後方散乱層48において使用される好ましい素子は、約196のAMUを有する金である。電子後方散乱層48は、好ましくは、加速電圧に依存する厚さに堆積され(deposited)、蒸発され(evaporated)、あるいは一般的に形成され(generally formed)、典型的には、30Å~50Åの厚さであるが、これらに限定されない。電子後方散乱層48は、コンタクト金属30のように導電性であるが、類似性は、導電性で止まる。コンタクト金属30の電子吸収構成(electron absorption feature)とは異なり、電子後方散乱層48は、必ずしも電子を吸収せず、その代わりに、それらの電子を反射するか、あるいはコンタクト金属30から離れるように電子を後方散乱する。電子後方散乱層48から電子を後方散乱することは、必然的に、これらの後方散乱される電子が二次電子ブースタ層52を通じて第2の通過を行うことを意味する。
【0040】
二次電子ブースタ層52は、電子後方散乱層48の上に、電子後方散乱層48に隣接して、そして、電子後方散乱層48を完全に覆って堆積される。電子後方散乱層48と同様に、二次電子ブースタ層52は、以前の層を形成する際に使用された類似の形成ツールおよび技法を使用して堆積または形成されることができる。二次電子ブースタ層52は、以前の層と同様に、AlまたはMgOのような高二次放射材料の約30~50オングストロームの厚さに形成された多層から成ることができる。代替的に、二次電子ブースタ層または複数の二次電子ブースタ層52は、他のアルカリハロゲン化物材料と共にCsIから成ることができる。
【0041】
ガラスクラッド40の側壁表面42は、1.0を超えることができる二次放射比を有する一方で、二次電子ブースタ層52は、ガラスクラッド表面よりも高い二次放射係数または比を有することができる。例えば、二次電子ブースタ層52は、2.0~10.0の間の二次放射比を有することができる。従って、二次電子放射係数または比にかかわらず、二次電子ブースタ層52は、好ましくは、ガラスクラッド自体よりも高い二次放射率を有する。
【0042】
次に、図5を参照すると、図4の領域5に沿う拡大断面図が示されている。特に、図5は、コンタクト金属30と二次電子ブースタ層52との間に配置された電子後方散乱層48の機能性を図示している。一次電子21は、二次電子ブースタ層52の表面に衝突して、相応して二次電子ブースタ層52から第1の衝突電子36を放射することが示されている。あるパーセンテージの一次電子21が二次電子ブースタ層52に貫通して、電子後方散乱層48から離れる後方散乱電子56を生成する。よって、後続の第1の衝突電子をそこから生成することができないコンタクト金属30に吸収されるのではなく、後方散乱電子56は、中間に配置された電子後方散乱層48から反射または後方散乱される。次に、後方散乱電子は、それらが二次電子ブースタ層52を出る際に、追加的な二次電子を生成する。従って、追加的な二次電子は、追加的な第1の衝突電子36aであり、追加的な第1の衝突電子36aは、後方散乱されていない以前の第1の衝突電子36に加えられると、第1の衝突電子の総数に累積的に加わる。MCP22の第1の衝突効率の増加が生じる。第1の衝突電子の数を増加させることは、MCPの第1の衝突増幅器を提供し、その結果、MCP22の改良された性能歩留まり(performance yield)をもたらす。
【0043】
次に、図6を参照すると、各チャネル開口の側壁表面に沿ってコンタクト金属層と二次電子ブースタ層との間に形成された電子後方散乱層を持つチャネル開口を有するMCPを形成する方法が示されている。この方法は、各々がガラスクラッドによって囲まれた複数のガラスコアを形成することによって開始する(62)。次に、ガラスコアは、コア材料に対して選択的なエッチング液を使用して除去される(64)。代替的に、ステップ64において、選択的なエッチングを使用して、チャネルの入力面および出力面で漏斗形状を形成することができる。結果として得られるチャネル開口が漏斗形状であるかどうかかかわらず、複数のマイクロチャネルまたはチャネルが、ステップ62およびステップ64の最高点(culmination)で、MCPを完全に通じて形成される。
【0044】
ひとたびチャネルが形成されると、コンタクト金属が、MCPの入力面上に堆積され、そして、各チャネル66の側壁表面に沿って各チャネル内に部分的に堆積される。コンタクト金属を形成するプロセスは、指向性堆積または蒸発、またはコンタクト金属が入力面全体に亘って連続的かつ隣接的に並びに各チャネル側壁表面内に部分的に配置される他の技法を含むことができる。コンタクト金属が最適に配置されるならば、入力エンドスポイリングは存在し得ない。その形成プロセスは、指向性堆積(68)並びに堆積ツールまたはMCPのスピン(70)を含むことができる。代替的に、回転する遊星堆積システム(planetary deposition system)を衛星ヘッド(satellite heads)と共に使用することができ、1つ以上のMCPは、衛星ヘッドの上で、ヘッドが完全な回転を受けるような所望の深さまで材料を堆積させるように、ソース蒸発ツール(source evaporation tool)に対してある角度に配置される。
【0045】
次に、電子後方散乱層は、ステップ72で以前に配置されたコンタクト金属に隣接して、コンタクト金属上に、そして、コンタクト金属を全体的に覆って形成される。電子後方散乱層は、それぞれ、指向性堆積およびスピン技法74および70によって形成されることができる。代替的に、指向性堆積74は、コンタクト金属66を形成する際に使用される指向性堆積68への追加であることができ、あるいは指向性堆積68と同じであることができる。然る後、二次電子ブースタ層が形成される(74)。電子後方散乱層およびコンタクト金属層と同様に、二次電子ブースタ層は、入力面上に形成され、そして、入力面のみに近い離間したチャネルの各チャネル内に部分的にのみ隣接して形成される。二次電子ブースタ層は、各チャネル内に部分的にのみ形成されることができるが、チャネル側壁表面に沿って長さ方向にチャネル周囲全体と同じ程度に覆うように形成されることもできる。同様に、二次電子ブースタ層は、指向性堆積されることができ(78)、MCPおよび/または堆積ツールは、堆積70の間に回転させられることができる。
【0046】
ひとたび層がチャネル間の入力面上で連続的に重なって形成され、並びに各チャネルの側壁表面内に部分的に形成されると、コンタクト金属は、バイアス電圧80に結合される。後方散乱層が下に位置するガラスクラッドに良好に接着し、コンタクト金属として働くことができるならば、2つの層、すなわち、後方散乱層および電子ブースタ層のみを使用し得ることに留意のこと。コンタクト金属層は、典型的には、良好な導電性を有する接着層として使用される。電子後方散乱層が良好な接着特性を有し、高いAMUで導電性であるならば、コンタクト金属層を除去することができ、コンタクト金属を含む堆積ステップを除去することができる。これは2つの層のみを残し、コンタクト金属層は完全に除去される。バイアス電圧は、二次電子ブースタ層から第1の衝突電子を引き、その一部は、電子後方散乱層から後方散乱する一次電子から生成される(82および84)。
【0047】
様々な例示的な実施形態の構造および配置は、例示的であるにすぎないことに留意することが重要である。ほんの僅かの実施形態のみが本開示において詳細に説明されているが、本開示を検討する当業者は、本明細書に記載される主題事項の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、サイズ、寸法、構造、様々な要素の形状および割合、パラメータの値、実装配置、材料の使用、色、向きなどの変化)が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されているように示めされる要素は、複数の部品または要素から構成されることがあり、要素の位置は、逆にするかあるいは他の方法で変更されることがあり、別個の要素または部分の性質または数は、変更または変化させられることがある。任意のプロセスまたは方法ステップの順序またはシーケンスは、代替的な実施形態に従って変更またはシーケンス変更されることがある。加えて、特定の実施形態からの構成は、当業者に理解されるように、他の実施形態からの構成と組み合わされることがある。本発明の範囲から逸脱することなく、他の置換、修正、変更および省略が、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件および配置において行われることもある。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「約(about)」、「約(approximately)」、「実質的に(substantially)」、および「一般的に(generally」などの用語は、記載される値または範囲のプラスまたはマイナス10%を意味する。加えて、本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別のことを明確に示さない限り、複数の形態も含むことを意図する。「および/または(and/or)」という用語は、関連する列挙されるアイテムのうちの1つ以上のアイテムのありとあらゆる組み合わせを含む。例えば、「構成(feature)」への言及は、複数のそのような「構成」を含む。「Xおよび/またはY」の文脈で使用される「および/または」という用語は、「X」または「Y」または「XおよびY」と解釈されるべきである。
【0049】
詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定的であることを意味しない。本明細書に提示される主題事項の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態が使用されることがあり、他の変更が行われることがある。加えて、各実施形態の特定の態様は、本開示の他の実施形態と共に使用されることもあり、よって、開示される実施形態は、当該技術分野で理解されるように組み合わされることがある。本明細書に一般的に記載され、図に図示されるような、本開示の態様は、広範な異なる構成で配置され、置換され、組み合わされ、分離され、且つ設計されることができ、それらは全てが、本明細書において明示的に想定されている。
【0050】
様々な実施形態を記述するための本明細書における「例(example)」という用語のいかなる使用も、そのような実施形態が可能な実施形態の例、表現、および/または図示であることを示すことを意図していない(そして、そのような用語は、そのような実施形態が必ずしも異常な例または最高の例であることを意味していない)ことが留意されるべきである。さらに、本明細書で用いられるとき、「実質的に(substantially)」という用語および類似の用語は、本開示の主題事項が関係する当業者による一般的な受け入れられた用法と調和する広い意味を有することを意図している。本開示を検討する当業者は、これらの用語が、これらの構成の範囲を提供される正確な数値範囲に限定することなく、記載され且つ特許請求される特定の構成の説明を可能にすることを意図していることが理解されるべきである。従って、これらの用語は、記載され且つ特許請求される主題事項の非実質的または非意味的な修正または変更(例えば、所与の角度または他の値のプラスまたはマイナス5%内)が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内にあるとみなされることを示すものとして解釈されるべきである。値に関して使用されるとき、「約(approximately)」という用語は、関連する値のプラスまたはマイナス5%の値を意味する。
【0051】
本明細書で使用されるとき、「結合される(coupled)」などの用語は、2つの部材を互いに直接的または間接的に接合することを意味する。そのような接合は、静止的(例えば、永久的)または移動可能(例えば、取り外し可能または解放可能)であることがある。このような接合は、2つの部材または互いに単一の統合体として一体的に形成される2つの部材および任意の追加的な中間部材で、あるいは2つの部材または互いに取り付けられた任意の追加的な中間部材で達成されることがある。
【0052】
本明細書の図面は、方法ステップの特定の順序および組成を示す場合があるが、これらのステップの順序は、描かれているものとは異なる場合があることが理解されることが留意されるべきである。例えば、2つ以上のステップは、同時にあるいは部分的に同時に実行されることがある。また、別個のステップとして実行されるいくつかの方法ステップは、を組み合わされることがあり、組み合わせステップとして実行されるステップは、別個のステップに分離されることがあり、特定のプロセスのシーケンスは、逆にされることがあり、あるいは他の方法で変更されることがあり、離散プロセスの性質または数は、変更または変化されることがある。任意の要素または装置の順序またはシーケンスは、代替的な実施形態に従って変更または置換されることがある。従って、全てのそのような修正は、添付の特許請求の範囲に定義されるような本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0053】
更なる詳細な説明なしに、当業者は、先行する説明を使用して、特許請求される発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書に開示された例および実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、如何様にも本開示の範囲を限定するものではない。議論された基本原理から逸脱することなく、上述した実施形態の詳細に変更が加えられる場合があることが、当業者に明らかである。換言すれば、上述の説明において具体的に開示された実施形態の様々な修正および改良は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。例えば、記載される様々な実施形態の構成の任意の適切な組み合わせが想定される。
【符号の説明】
【0054】
12 暗視システム
14 画像増強チューブ
15 物体/ターゲット
16 レンズ
18 レンズ
20 光電陰極
21 電子/一次電子
22 電子増倍管/マイクロチャネルプレート(MCP)
23 増倍された電子
24 陽極
26 チャネル
30 コンタクト金属
32 コンタクト金属
36 第1の衝突電子
36a 追加的な第1の衝突電子
40 ガラスクラッド
42 側壁表面
44 入力表面
48 電子後方散乱層
52 二次電子ブースタ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】