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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145400
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/573 20060101AFI20231003BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20231003BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/4704 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/135 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 31/164 20060101ALI20231003BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61K31/573
A61K45/06
A61P43/00 121
A61K47/10
A61K9/08
A61K9/06
A61K31/245
A61K9/107
A61K31/4704
A61K31/167
A61K31/542
A61K31/4402
A61K31/135
A61K31/164
A61K47/08
A61P29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023050317
(22)【出願日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2022051386
(32)【優先日】2022-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022193884
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023031242
(32)【優先日】2023-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兼子 沙奈
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA16
4C076BB31
4C076CC04
4C076DD37
4C076DD40
4C076FF36
4C076FF52
4C076FF65
4C084AA22
4C084AA23
4C084MA16
4C084MA27
4C084MA28
4C084MA63
4C084NA03
4C084ZB11
4C084ZC75
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC17
4C086BC29
4C086DA10
4C086DA26
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA27
4C086MA28
4C086MA63
4C086NA03
4C086ZB11
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA10
4C206FA05
4C206FA32
4C206GA01
4C206GA05
4C206GA19
4C206GA25
4C206GA31
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA37
4C206MA42
4C206MA47
4C206MA48
4C206MA83
4C206NA03
4C206ZB11
4C206ZC75
(57)【要約】
【課題】ベタメタゾンエステルとともに低級アルコールを含有しながらも、結晶析出が抑制された液状又は半固形状の組成物の提供。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
【請求項2】
成分(A)が、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(B)が、エタノールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分(C-1)が、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
成分(C-2)が、イソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン及びジフェンヒドラミン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
成分(C-3)が、l-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル及びdl-カンフルよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
成分(C-5)が、パンテノールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分(C-6)が、サリチル酸グリコールである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
ローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤から選ばれる剤形である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物等に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイドは微量でも幅広い生理活性を示すことから、これまでに種々の疾患治療薬等として広く利用されている。例えば、ステロイドの一種である副腎皮質ステロイドは、優れた抗炎症作用を有することから炎症性疾患治療薬の有効成分として用いられている。副腎皮質ステロイドとしては、これまでに種々の化合物が提供されている。そのうちの一つであるベタメタゾン(9-フルオロ-11β,17,21-トリヒドロキシ-16β-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン)は、血中半減期が長く、受容体との結合も強いことから、炎症性疾患の治療薬の有効成分として広く利用されている(非特許文献1)。
【0003】
また、副腎皮質ステロイドについては、これまでに生理活性の向上等を目的として種々の化学修飾がなされている。このうち、脂肪酸エステル等のエステル化修飾がなされた副腎皮質ステロイド(エステル化ステロイド)は、皮膚に対する親和性の高さ等から、特にアトピー性皮膚炎等の炎症性皮膚疾患治療用外用剤の有効成分として好適に利用されている。ベタメタゾンについても、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステルなどの種々のエステル化修飾体(ベタメタゾンエステル)が開発・上市されている。
【0004】
エステル化ステロイドは、一般的に製剤中で分解され易いことが指摘されている(特許文献1、2)。しかしながら、ベタメタゾンエステルであるベタメタゾン吉草酸エステルについては、40℃75%RHの条件下で4週間保存しても色調変化が無く安定であることや、イソプロピルメチルフェノール等の他の成分の着色を抑制する作用を有することが報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-343890号公報
【特許文献2】特開2005-343891号公報
【特許文献3】国際公開2021/187592号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】今日の治療薬2004年版、株式会社南江堂、第197~198頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ベタメタゾンエステルを用いれば、炎症性皮膚疾患治療用外用剤等として有用で、かつ保存安定性に優れる医薬組成物を開発できるものと考えられる。
【0008】
また、炎症部位に冷却感を付与して良好な使用感とするために、炎症性皮膚疾患治療用外用剤等として有用なベタメタゾンエステル含有医薬組成物にエタノールなどの低級アルコールを配合することを本発明者は考えた。また、ローション剤やゲル剤、クリーム剤等の塗布剤のような、液状又は半固形状の組成物とすれば、炎症部位の形状等に応じた塗り残しやムラの少ない適切な塗布が実現しやすくなり、組成物と炎症部位との確実な接触によって良好な薬物吸収及び薬効発揮が期待できると考えた。
【0009】
そこで、本発明者が、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物を開発すべく実際に検討したところ、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを液状又は半固形状の組成物とした場合には、結晶析出が発生し、安定性に問題が生じることが判明した。
本発明は、ベタメタゾンエステルとともに低級アルコールを含有しながらも、結晶析出が抑制された液状又は半固形状の組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ベタメタゾンエステル(以下、単に成分(A)と称することもある。)及び低級アルコール(以下、単に成分(B)と称することもある。)を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらに以下の1~6の成分(なお、以下、1~6の成分をそれぞれ「成分(C-1)」、「成分(C-2)」、「成分(C-3)」、「成分(C-4)」、「成分(C-5)」、「成分(C-6)」と称し、また、「成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上」を単に「成分(C)」と総称することもある。):
1.リドカイン、リドカイン塩酸塩に代表される局所麻酔成分;
2.ジフェンヒドラミン塩酸塩に代表される抗ヒスタミン成分;
3.メントール、カンフル、イソプロピルメチルフェノールに代表されるテルペン類;
4.クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上;
5.パンテノールに代表されるパンテノール類;
6.サリチル酸グリコールに代表されるサリチル酸類;
を含有せしめることによって、驚くべきことに、上記した1~6の成分を含有しない場合と比較して結晶析出が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
を含有する、液状又は半固形状の組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベタメタゾンエステルとともに低級アルコールを含有しながらも、結晶析出が抑制された液状又は半固形状の組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<成分(A)>
本明細書において「ベタメタゾンエステル」とは、ベタメタゾンのエステル誘導体(例えば、酢酸エステル、ピバル酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステルなどのカルボン酸エステル;リン酸エステルなど)及びその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩など)並びにそれらの溶媒和物(例えば、水和物など)よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。ベタメタゾンエステルとしては、具体的には例えば、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムなどの第十八改正日本薬局方に収載の成分等が挙げられる。
上記ベタメタゾンエステルの中では、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ベタメタゾン吉草酸エステルが特に好ましい。
【0014】
組成物中の成分(A)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、組成物全質量に対して合計で0.01~60質量%含有するのが好ましく、0.05~55質量%含有するのがより好ましく、0.1~50質量%含有するのがさらに好ましく、0.1~10質量%含有するのが特に好ましい。
【0015】
<成分(B)>
本明細書において「低級アルコール」とは、炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖の1価のアルコールを意味する。低級アルコールとしては、具体的には例えば、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール等が挙げられ、これらのうち1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いればよい。
低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合物が好ましい。
【0016】
組成物中の成分(B)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、組成物全質量に対して5質量%以上であるのが好ましく、10~90質量%であるのがより好ましく、15~70質量%であるのがさらに好ましく、17.5~60質量%であるのがさらに好ましく、20~50質量%であるのが特に好ましい。本発明によれば、低級アルコールをこのようにして高濃度化した場合でも結晶析出を抑制できる。
【0017】
組成物中の成分(A)と成分(B)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、成分(A)1質量部に対し、成分(B)が100~700質量部であるのが好ましく、200~600質量部であるのがより好ましく、300~500質量部であるのが特に好ましい。本発明によれば、このようにして低級アルコールの含有割合を大きくした場合でも結晶析出を抑制できる。
【0018】
<成分(C-1)>
本明細書において「局所麻酔成分」としては、局所麻酔作用を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には例えば、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、テトラカイン、ブピバカイン、プロカイン、プロピトカイン、ベンゾカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカインそのもののほか、それらの塩、さらにはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、テトラカイン、ブピバカイン、プロカイン、プロピトカイン、ベンゾカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカインそのものやそれらの塩と、水やアルコール等との溶媒和物が挙げられる。ここで、塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
これらの局所麻酔成分は公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いてもよい。市販品としては例えば、リドカイン塩酸塩(岩城製薬(株))等が挙げられる。
【0019】
成分(C-1)としては、結晶析出抑制作用の観点から、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩(特に無機酸塩)並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、プロカイン、プロカイン塩酸塩、メピバカイン、メプリルカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0020】
組成物中の成分(C-1)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.01~5質量%であるのが好ましく、0.05~3質量%であるのがより好ましく、0.1~2質量%であるのが特に好ましい。
【0021】
組成物中の成分(A)と成分(C-1)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-1)が0.1~50質量部であるのが好ましく、0.5~30質量部であるのがより好ましく、0.75~20質量部であるのがさらに好ましく、1~15質量部であるのが特に好ましい。
【0022】
組成物中の成分(B)と成分(C-1)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-1)が0.0001~5質量部であるのが好ましく、0.0005~3質量部であるのがより好ましく、0.00075~1質量部であるのがさらに好ましく、0.001~0.1質量部であるのが特に好ましい。
【0023】
<成分(C-2)>
本明細書において「抗ヒスタミン成分」としては、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有するものであれば特に限定されず、具体的には例えば、アゼラスチン、アリメマジン、イソチペンジル、イプロヘプチン、エバスチン、エピナスチン、エメダスチン、オキサトミド、オロパタジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、シプロヘプタジン、セチリジン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、フェキソフェナジン、フェネタジン、プロメタジン、ベポタスチン、ホモクロルシクリジン、メキタジン、メトジラジン、メブヒドロリン及びロラタジン、それらの塩並びにそれらの溶媒和物からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。なお、塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されないが、無機酸や有機酸、無機塩基や有機塩基等との塩が挙げられ、例えば、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、ベシル酸塩、ナパジシル酸塩、リン酸塩等が挙げられる。また、抗ヒスタミン成分の化学構造中に不斉炭素が存する場合は、種々の光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。また、上記のとおり、アゼラスチン等のヒスタミンH1受容体拮抗作用を有する各種化合物やその塩と水やアルコール等との溶媒和物も「抗ヒスタミン成分」に包含される。
なお、これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
これらの抗ヒスタミン成分は公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。市販品としては例えば、塩酸ジフェンヒドラミン(金剛化学(株)製)などが挙げられる。
【0024】
上記成分(C-2)としては、具体的には例えば、アゼラスチン塩酸塩等のアゼラスチン又はその塩;アリメマジン酒石酸塩等のアリメマジン又はその塩;イソチペンジル塩酸塩等のイソチペンジル又はその塩;イプロヘプチン塩酸塩等のイプロへプチン又はその塩;エバスチン又はその塩;エピナスチン塩酸塩等のエピナスチン又はその塩;エメダスチンフマル酸塩等のエメダスチン又はその塩;オキサトミド又はその塩;オロパタジン塩酸塩等のオロパタジン又はその塩;カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩等のカルビノキサミン又はその塩;クレマスチンフマル酸塩等のクレマスチン又はその塩;d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩等のクロルフェニラミン又はその塩;ケトチフェンフマル酸塩等のケトチフェン又はその塩;ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩等のジフェテロール又はその塩;ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩等のジフェニルピラリン又はその塩;ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩等のジフェンヒドラミン又はその塩;シプロヘプタジン塩酸塩水和物等のシプロヘプタジン又はその塩;セチリジン塩酸塩等のセチリジン又はその塩;トリプロリジン塩酸塩等のトリプロリジン又はその塩;トリペレナミン塩酸塩等のトリペレナミン又はその塩;トンジルアミン塩酸塩等のトンジルアミン又はその塩;フェキソフェナジン又はその塩;フェネタジン塩酸塩等のフェネタジン又はその塩;プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩等のプロメタジン又はその塩;ベポタスチンベシル酸塩等のベポタスチン又はその塩;ホモクロルシクリジン塩酸塩等のホモクロルシクリジン又はその塩;メキタジン又はその塩;メトジラジン塩酸塩等のメトジラジン又はその塩;メブヒドロリンナパジシル酸塩等のメブヒドロリン又はその塩;ロラタジン又はその塩等が挙げられる。本発明においては、イソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン及びジフェンヒドラミン並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、イソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、イソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン及びジフェンヒドラミン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0025】
組成物中の成分(C-2)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.05~10質量%であるのが好ましく、0.1~5質量%であるのがより好ましく、0.5~3質量%であるのが特に好ましい。
【0026】
組成物中の成分(A)と成分(C-2)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-2)が0.5~100質量部であるのが好ましく、1~50質量部であるのがより好ましく、5~30質量部であるのが特に好ましい。
【0027】
組成物中の成分(B)と成分(C-2)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-2)が0.001~1質量部であるのが好ましく、0.005~0.5質量部であるのがより好ましく、0.01~0.1質量部であるのが特に好ましい。
【0028】
<成分(C-3)>
本明細書において「テルペン類」とは、テルペン炭化水素のほか、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン、テルペンオキシド、テルペンラクトンなどを包含する総称(テルペノイド)を意味し、その構造は特に限定されるものではなく、モノテルペン、セスキテルペン又はそれらの誘導体等が挙げられる。また、環式でも鎖式でもよい。
斯様なテルペン類としては、具体的には例えば、イソプロピルメチルフェノール、イソボルネオール、イロン、オシメン、カルベオール、カルボタナセトン、カルボメントン、カルボン、カレン、カロン、カンフェン、カンフル、ゲラニオール、サビネン、サフラナール、シクロシトラール、シトラール、シトロネラール、シトロネル酸、シトロネロール、シネオール、シメン、シルベストレン、チモール、イソツジョール、ツジョン、テルピネオール、テルピネン、テルピノレン、トリシクレン、ネロール、ピネン、ピノカンフェオール、ピノール、ピペリテノン、フェランドラール、フェランドレン、フェンチェン、フェンチルアルコール、ペリリルアルコール、ペリルアルデヒド、ボルネオール、ミルセン、メントール、メントン、ヨノール、ヨノン、リナロール、リモネン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これらのテルペン類に光学異性体が存在する場合は、特に指定しない限りいずれの異性体も含まれる。すなわち、本発明において、テルペン類の成分名として特定の光学異性体を指定しない限り、斯かる成分表記は各種光学異性体単独及びそれらの任意の割合の混合物の全てを包含し、単一の光学異性体であってもよく各種光学異性体の任意の割合の混合物であってもよい(例えば、「メントール」との記載はdl-メントールとl-メントールのいずれをも包含するものである。)。
【0029】
上記テルペン類の中では、結晶析出抑制作用の観点から、環式のテルペノイドが好ましく、環式のモノテルペノイドがより好ましく、単環式又は2環式のモノテルペノイドがさらに好ましく、p-メンタン骨格を有するモノテルペノイド(例えば、シメン、チモール、テルピネン、テルピノレン、フェランドレン、リモネンなどの、p-メンタンの不飽和誘導体;カルベオール、テルピネオール、メントールなどのp-メンタン骨格を有するモノテルペンアルコール;カルボン、メントンなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンケトン;ペリルアルデヒドなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンアルデヒド;シネオールなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンエーテルなど)、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイド(例えば、3-メチル-4-イソプロピルフェノール(イソプロピルメチルフェノール)などの、p-メンタンの異性体の不飽和誘導体など)又はボルナン骨格を有するモノテルペノイド(例えば、ボルネオールなどのボルナン骨格を有するモノテルペンアルコール;カンフルなどの、ボルナン骨格を有するモノテルペンケトンなど)がさらにより好ましく、チモール、メントール、イソプロピルメチルフェノール、カンフル及びボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上がさらにより好ましく、チモール、l-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル、dl-カンフル及びd-ボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上がさらにより好ましく、l-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル及びdl-カンフルよりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0030】
組成物中の成分(C-3)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.01~30質量%であるのが好ましく、0.05~20質量%であるのがより好ましく、0.075~10質量%であるのがさらに好ましく、0.1~5質量%であるのが特に好ましい。
【0031】
組成物中の成分(A)と成分(C-3)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-3)が0.1~300質量部であるのが好ましく、0.5~200質量部であるのがより好ましく、0.75~100質量部であるのがさらに好ましく、1~20質量部であるのが特に好ましい。
【0032】
組成物中の成分(B)と成分(C-3)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-3)が0.0005~1質量部であるのが好ましく、0.001~0.5質量部であるのがより好ましく、0.003~0.035質量部であるのが特に好ましい。
【0033】
<成分(C-4)>
本明細書において「クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上」には、クロタミトンそのもののほか、その薬学上許容される塩、さらにはクロタミトンそのものやクロタミトンの薬学上許容される塩と、水やアルコール等との溶媒和物が含まれる。これらは公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いてもよい。市販品としては例えば、クロタミトン(住友化学(株))等が挙げられる。
成分(C-4)としては、結晶析出抑制作用の観点から、クロタミトンのフリー体が好ましい。
【0034】
組成物中の成分(C-4)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.1~30質量%であるのが好ましく、0.5~20質量%であるのがより好ましく、1~15質量%であるのが特に好ましい。
【0035】
組成物中の成分(A)と成分(C-4)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-4)が1~300質量部であるのが好ましく、5~200質量部であるのがより好ましく、10~150質量部であるのが特に好ましい。
【0036】
組成物中の成分(B)と成分(C-4)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-4)が0.005~3質量部であるのが好ましく、0.01~1質量部であるのがより好ましく、0.03~0.5質量部であるのが特に好ましい。
【0037】
<成分(C-5)>
本明細書において「パンテノール類」とは、パンテノール及びその誘導体(パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル、パンテチン、パンテテイン、補酵素A等)並びにそれらの塩(ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等の第2族元素との塩等)よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。本発明においては、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(C-5)としては、結晶析出抑制作用の観点から、パンテノール、パントテン酸、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテルよりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、パンテノールが特に好ましい。
【0038】
上記成分(C-5)は公知の成分であり、公知の方法により製造してもよく、また、市販品を使用してもよい。具体的な市販品としては例えば、D-パンテノール 50P(BASFジャパン(株))、D-パンテノール 75W(BASFジャパン(株))、D-パンテノール USP(BASFジャパン(株))、パントテン酸カルシウム(協和ファーマケミカル(株))、パントテン酸カルシウム(BASFジャパン(株))、パントテン酸カルシウム(アルプス薬品工業(株))、ビュープレックスVH(DSMニュートリションジャパン(株))、D-パントテニルアルコール(DSMニュートリションジャパン(株))、D-パントテニルアルコール(アルプス薬品工業(株))、DL-パントテニルアルコール(アルプス薬品工業(株))、パントテニールエチルエーテル(協和ファーマケミカル(株))等が挙げられる。
【0039】
組成物中の成分(C-5)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.1~15質量%であるのが好ましく、0.5~10質量%であるのがより好ましく、1~5質量%であるのが特に好ましい。
【0040】
組成物中の成分(A)と成分(C-5)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-5)が1~150質量部であるのが好ましく、5~100質量部であるのがより好ましく、10~50質量部であるのが特に好ましい。
【0041】
組成物中の成分(B)と成分(C-5)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-5)が0.005~1質量部であるのが好ましく、0.01~0.5質量部であるのがより好ましく、0.02~0.2質量部であるのが特に好ましい。
【0042】
<成分(C-6)>
本明細書において「サリチル酸類」とは、サリチル酸及びその誘導体(例えば、サリチル酸のエステル(具体的には例えば、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸グリコールなど))並びにそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩など)から選ばれる1種以上を意味する。
上記成分(C-6)としては、結晶析出抑制作用の観点から、サリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸ナトリウム及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、サリチル酸グリコール及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、サリチル酸グリコールが特に好ましい。
なお、これらはいずれも公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。市販品としては例えば、サリチル酸グリコール((株)エーピーアイコーポレーション)が挙げられる。
【0043】
組成物中の成分(C-6)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対して0.05~15質量%であるのが好ましく、0.1~10質量%であるのがより好ましく、0.4~5質量%であるのが特に好ましい。
【0044】
組成物中の成分(A)と成分(C-6)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(A)1質量部に対し、成分(C-6)が0.5~150質量部であるのが好ましく、1~100質量部であるのがより好ましく、4~50質量部であるのが特に好ましい。
【0045】
組成物中の成分(B)と成分(C-6)の含有質量比率は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、結晶析出抑制作用の観点から、成分(B)1質量部に対し、成分(C-6)が0.0005~5質量部であるのが好ましく、0.001~1質量部であるのがより好ましく、0.005~0.2質量部であるのが特に好ましい。
【0046】
<液状又は半固形状の組成物>
本明細書において「液状又は半固形状の組成物」とは、常温(15~25℃の範囲内のうちいずれかの温度)において液状あるいは半固形状の組成物を意味する。液状又は半固形状の組成物の具体的性状は特に限定されず、溶液、コロイド溶液(ゾル(懸濁液や乳濁液))、ゲル等のいずれであってもよい。また、溶媒あるいは基剤の種類・性質等は特に限定されず、親水性であっても油性等の疎水性であってもよく、さらには異なる複数種の溶媒・基剤を適宜混合・乳化等して用いてもよい。こうした溶媒・基剤としては、具体的には例えば、後記の添加物として例示された成分等が挙げられる。
【0047】
本発明においては、組成物使用時の安全性等の観点から、液状又は半固形状の組成物が、水を含有するのが好ましい。ここで、組成物中の水の量は、特に限定されないが、組成物使用時の安全性や結晶析出抑制作用の観点から、組成物全質量に対し1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上であるのがより好ましく、20~80質量%であるのがさらに好ましく、30~75質量%であるのがさらに好ましく、35~70質量%であるのが特に好ましい。
【0048】
液状又は半固形状の組成物は、薬効成分として、上記以外の成分を含んでいてもよい。斯かる薬効成分としては特に限定されないが、例えば、グリチルリチン酸類、殺菌剤、防腐剤、収れん・保護剤、アンモニア水、ビタミンE類、ビタミンA類、ロートエキス、血管収縮剤、サルファ剤、消炎剤等、生薬、抗白癬菌剤、角質溶解剤等が挙げられる。
【0049】
グリチルリチン酸類としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム等が挙げられる。
殺菌剤としては、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン、セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、デカリニウム酢酸塩、ベルベリン塩化物、ベルベリン安息香酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルへキシジングルコン酸塩液、セトリミド、レゾルシン等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、クロロブタノール、酢酸、フェノール、ヨードチンキ等が挙げられる。
収れん・保護剤としては、カラミン、酸化亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。
ビタミンE類としては、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。
ビタミンA類としては、ビタミンA油、レチノールパルミチン酸エステル、肝油、強肝油等が挙げられる。
【0050】
血管収縮剤としては、エピネフリン液、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩等が挙げられる。
サルファ剤としては、スルファジアジン、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン等が挙げられる。
消炎剤等としては、アラントイン、アルミニウム・クロルヒドロキシアラントイネート、アルジオキサ、イクタモール、リゾチーム塩化物、乾燥硫酸アルミニウムカリウム、ジメチルイソプロピルアズレン、卵黄油、硫酸アルミニウムカリウム等が挙げられる。
生薬としては、シコン、セイヨウトチノキ種子、ハマメリス、加工ダイサン等が挙げられる。
抗白癬菌剤としては、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェニル-11-ヨード-10-ウンデシノエート、エキサラミド、クロトリマゾール、エコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩、チオコナゾール、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、シクロピロクスオラミン、シッカニン、トリコマイシン、ピロールニトリン、チアントール、2,4,6-トリブロムフェニルカプロン酸エステル、トリメチルセチルアンモニウムペンタクロロフェネート、トルシクラート、トルナフタート、ハロプロジン、イオウ、木槿皮等が挙げられる。
角質溶解剤としては、尿素、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
【0051】
また、液状又は半固形状の組成物には、組成物の剤形、投与方法等に応じて医薬品分野、化粧品分野等において用いられる添加物を配合してもよい。こうした添加物としては、例えば、ゲル化剤、多価アルコール、油脂類、乳化剤、可溶化剤、pH調整剤、抗酸化剤、軟化剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、安定化剤、経皮吸収促進剤、矯味剤・甘味剤等が挙げられる。
【0052】
ゲル化剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー等のアクリル酸系高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の水溶性あるいは水膨潤性のセルロース系高分子;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、マクロゴール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、スクワラン、パラフィン、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル類;べへニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;カルナウバロウ、鯨ロウ、セラック、ホホバ油、ミツロウ、サラシミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、精製ラノリン、還元ラノリン等のロウ類;シリコーン油等が挙げられる。
【0053】
乳化剤としては、例えば、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の多価アルコール脂肪酸エステル又は多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテルエステル等の非イオン性界面活性剤又はラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤などが挙げられる。
可溶化剤としては、例えば、上記の乳化剤として例示した非イオン性界面活性剤又はイオン性界面活性剤に加え、グリセリン、流動パラフィン、クロタミトン、マクロゴール等が挙げられる。
【0054】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、氷酢酸等の有機酸又はその塩;塩酸、硫酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機酸又はその塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化アルカリ;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、大豆レシチン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、アラントイン、アーモンド油、オリブ油、グリセリン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、精製ラノリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ナタネ油、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリブテン等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、コロイド性ケイ酸アルミニウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グァーガム、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸、アルブミン等が挙げられる。
保湿剤としては、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、尿素、ショ糖、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ベンジル、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、アミノエチルスルホン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、アジピン酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硬化油、システイン等が挙げられる。
経皮吸収促進剤としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステル類が挙げられる。
矯味剤・甘味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、スクラロース、パノース、トレハロース、エリスリトール、ラクチトール、還元パラチノース、カップリングシュガー、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、ラフィノース、アスパルテーム、果糖、キシリトール、黒砂糖、サッカリン若しくはその塩、ソルビトール、乳糖、白糖、ハチミツ、ブドウ糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、水アメ等が挙げられる。
【0055】
液状又は半固形状の組成物の剤形は、液状又は半固形状である限りにおいて特に限定されるものではなく、その利用目的等に応じて、例えば、第十八改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形から適宜選択できる。こうした剤形としては、具体的には例えば、皮膚等に適用する製剤(外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤等)、経口投与する製剤(経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等)などの、第十八改正日本薬局方 製剤総則に記載の剤形が挙げられる。
液状又は半固形状の組成物の剤形としては、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが好ましく、リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのがより好ましく、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが特に好ましい。
【0056】
液状又は半固形状の組成物の製造方法は特に限定されず、配合する成分の種類や量、組成物の性状、容器の形状、組成物剤形、投与経路や用途等に応じて、例えば第十八改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。
【0057】
本発明の液状又は半固形状の組成物は、副腎皮質ステロイドであるベタメタゾンエステルを含有することから、炎症性疾患等に有効である。従って、本発明の液状又は半固形状の組成物は、例えば、鎮痒消炎薬、外用痔疾用薬等として、より具体的には、湿疹、皮膚炎、ただれ、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん等の症状に対する鎮痒消炎薬;きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み、かゆみ、はれ、出血、ただれの緩和及び消毒のための外用痔疾用薬などとすることができる。
【0058】
液状又は半固形状の組成物の投与経路は特に限定されず、適用する疾患、製剤の種類、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができるが、非経口投与、特に外用投与が好ましい。また、医薬組成物は、1日につき、1~4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に投与することができる。
【0059】
本明細書において結晶析出の「抑制」とは、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを含有する液状又は半固形状の組成物と、これから成分(C)を除いた組成物とを、温和な条件下(例えば室温)で一定期間保存した後の結晶析出の度合いを比較した場合に、前者が後者に比較してより結晶析出の度合いが小さい(前者には結晶析出が一切認められない、あるいは前者に認められる結晶析出の量が後者より少ない)ことを意味する。なお、結晶析出の度合いは、例えばパネラーの目視により評価できる。
【0060】
また、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
と、次の成分(C):
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
とを、同一の液状又は半固形状の組成物中に含有せしめる工程を含む、組成物の結晶析出を抑制する方法にも関する。
斯かる態様の発明において、成分(A)を含有せしめる工程、成分(B)を含有せしめる工程、成分(C)を含有せしめる工程の順序は特に限定されず、成分(A)、(B)及び(C)を含有する組成物が直接的又は間接的に作出されればよい。
なお、斯かる態様の発明において、各種文言の意義、各成分の配合量等は全て上記した「液状又は半固形状の組成物」について説明したのと同様である。
【0061】
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様の発明を開示する。
[1A] 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
を含有する、液状又は半固形状の組成物。
[2A] 成分(A)が、好ましくはベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、及びベタメタゾンリン酸エステルナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはベタメタゾン吉草酸エステルである、[1A]に記載の組成物。
[3A] 成分(B)が、好ましくはエタノール、イソプロパノール又はこれらの混合物である、[1A]又は[2A]に記載の組成物。
[4A] 成分(C-1)が、好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩(特に無機酸塩)並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、プロカイン、プロカイン塩酸塩、メピバカイン、メプリルカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[3A]のいずれか記載の組成物。
[5A] 成分(C-2)が、好ましくはイソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン及びジフェンヒドラミン並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはイソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはイソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン及びジフェンヒドラミン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[4A]のいずれか記載の組成物。
[6A] 成分(C-3)が、好ましくは環式のテルペノイドであり、より好ましくは環式のモノテルペノイドであり、更に好ましくは単環式又は2環式のモノテルペノイドであり、更により好ましくはp-メンタン骨格を有するモノテルペノイド、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイドであり、更により好ましくはチモール、メントール、イソプロピルメチルフェノール、カンフル及びボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上であり、更により好ましくはl-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル及びdl-カンフルよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[5A]のいずれかに記載の組成物。
[7A] 成分(C-5)が、好ましくはパンテノール、パントテン酸、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはパンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテルよりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはパンテノールである、[1A]~[6A]のいずれかに記載の組成物。
[8A] 成分(C-6)が、好ましくはサリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸ナトリウム及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはサリチル酸グリコール及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはサリチル酸グリコールである、[1A]~[7A]のいずれかに記載の組成物。
[9A] 剤形が、好ましくは外用液剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形、より好ましくはローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1A]~[8A]のいずれかに記載の組成物。
【0062】
[1B] 次の成分(A)及び(B):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
と、次の成分(C):
(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
とを、同一の液状又は半固形状の組成物中に含有せしめる工程を含む、組成物の結晶析出を抑制する方法。
[2B] 成分(A)が、好ましくはベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、及びベタメタゾンリン酸エステルナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル及びベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはベタメタゾン吉草酸エステルである、[1B]に記載の方法。
[3B] 成分(B)が、好ましくはエタノール、イソプロパノール又はこれらの混合物である、[1B]又は[2B]に記載の方法。
[4B] 成分(C-1)が、好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩(特に無機酸塩)並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、プロカイン、プロカイン塩酸塩、メピバカイン、メプリルカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[3B]のいずれか記載の方法。
[5B] 成分(C-2)が、好ましくはイソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン及びジフェンヒドラミン並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはイソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはイソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン及びジフェンヒドラミン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[4B]のいずれか記載の方法。
[6B] 成分(C-3)が、好ましくは環式のテルペノイドであり、より好ましくは環式のモノテルペノイドであり、更に好ましくは単環式又は2環式のモノテルペノイドであり、更により好ましくはp-メンタン骨格を有するモノテルペノイド、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイドであり、更により好ましくはチモール、メントール、イソプロピルメチルフェノール、カンフル及びボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上であり、更により好ましくはl-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル及びdl-カンフルよりなる群から選ばれる1種以上である、[1B]~[5B]のいずれかに記載の方法。
[7B] 成分(C-5)が、好ましくはパンテノール、パントテン酸、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテル並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはパンテノール、パントテン酸ナトリウム、パントテン酸カルシウム、アセチルパントテニルエチルエーテル及びパントテニルエチルエーテルよりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはパンテノールである、[1B]~[6B]のいずれかに記載の方法。
[8B] 成分(C-6)が、好ましくはサリチル酸、サリチル酸グリコール、サリチル酸ナトリウム及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはサリチル酸グリコール及びサリチル酸メチルよりなる群から選ばれる1種以上であり、特に好ましくはサリチル酸グリコールである、[1B]~[7B]のいずれかに記載の方法。
[9B]半固形状又は液状の組成物の剤形が、好ましくは外用液剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形、より好ましくはローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形である、[1B]~[8B]のいずれかに記載の方法。
【実施例0063】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0064】
[試験例1]結晶析出抑制試験 その1
100g当たり表1に示す成分・分量(g)を含有する実施例1、2、比較例1及び参考例1の液状の組成物の製造を試みたところ、実施例1、2及び比較例1ではいずれも無色澄明の液状の組成物が得られたものの、参考例1ではベタメタゾン吉草酸エステルが溶解せず均質な組成物を製造することが出来なかった。
得られた実施例1、2及び比較例1の組成物をガラス瓶(2K規格瓶)に入れ、室温(25℃)にて3時間保存し、保存後のサンプルの状態(結晶析出の有無)を目視で評価した。
結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に記載のとおり、ベタメタゾン吉草酸エステルとエタノールを含有する液状の組成物(比較例1)では、製造直後は無色澄明であったものの室温3時間経過後には白色結晶の析出が認められた。また、エタノールを含まない組成物(参考例1)はそもそも均質な組成物として製造できなかった。
これに対し、ベタメタゾン吉草酸エステル、エタノールに加えて、さらにリドカインを含有する液状の組成物(実施例1)、あるいはベタメタゾン吉草酸エステル、エタノールに加えてさらにリドカイン塩酸塩を含有する液状の組成物(実施例2)では、室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0067】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにリドカイン、リドカイン塩酸塩に代表される局所麻酔成分を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0068】
[試験例2]結晶析出抑制試験 その2
100g当たり表2に示す成分・分量(g)を含有する実施例3の液状の組成物の製造を試みたところ、無色澄明の液状の組成物が得られた。得られた実施例3の組成物について試験例1と同様の方法により結晶析出の有無を評価した。
結果を、比較例1、参考例1の結果と併せて表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
表2に記載の通り、実施例1、2における局所麻酔成分の代わりにジフェンヒドラミン塩酸塩を含有する液状の組成物(実施例3)でも、実施例1、2と同様に室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0071】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにジフェンヒドラミン塩酸塩に代表される抗ヒスタミン成分を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0072】
[試験例3]結晶析出抑制試験 その3
100g当たり表3に示す成分・分量(g)を含有する実施例4~6の液状の組成物の製造を試みたところ、いずれにおいても無色澄明の液状の組成物が得られた。得られた実施例4~6の組成物について試験例1と同様の方法により結晶析出の有無を評価した。
結果を、比較例1、参考例1の結果と併せて表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
表3に記載の通り、実施例1、2における局所麻酔成分の代わりにl-メントールを含有する液状の組成物(実施例4)、dl-カンフルを含有する液状の組成物(実施例5)、イソプロピルメチルフェノールを含有する液状の組成物(実施例6)でも、実施例1、2と同様に室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0075】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにl-メントール、dl-カンフル、イソプロピルメチルフェノールに代表されるテルペン類を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0076】
[試験例4]結晶析出抑制試験 その4
100g当たり表4に示す成分・分量(g)を含有する実施例7の液状の組成物の製造を試みたところ、無色澄明の液状の組成物が得られた。得られた実施例7の組成物について試験例1と同様の方法により結晶析出の有無を評価した。
結果を、比較例1、参考例1の結果と併せて表4に示す。
【0077】
【表4】
【0078】
表4に記載の通り、実施例1、2における局所麻酔成分の代わりにクロタミトンを含有する液状の組成物(実施例7)でも、実施例1、2と同様に室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0079】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにクロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0080】
[試験例5]結晶析出抑制試験 その5
100g当たり表5に示す成分・分量(g)を含有する実施例8の液状の組成物の製造を試みたところ、無色澄明の液状の組成物が得られた。得られた実施例8の組成物について試験例1と同様の方法により結晶析出の有無を評価した。
結果を、比較例1、参考例1の結果と併せて表5に示す。
【0081】
【表5】
【0082】
表5に記載の通り、実施例1、2における局所麻酔成分の代わりにパンテノールを含有する液状の組成物(実施例8)でも、実施例1、2と同様に室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0083】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにパンテノールに代表されるパンテノール類を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0084】
[試験例6]結晶析出抑制試験 その6
100g当たり表6に示す成分・分量(g)を含有する実施例9の液状の組成物の製造を試みたところ、無色澄明の液状の組成物が得られた。得られた実施例9の組成物について試験例1と同様の方法により結晶析出の有無を評価した。
結果を、比較例1、参考例1の結果と併せて表6に示す。
【0085】
【表6】
【0086】
表6に記載の通り、実施例1、2における局所麻酔成分の代わりにサリチル酸グリコールを含有する液状の組成物(実施例9)でも、実施例1、2と同様に室温3時間経過後も無色澄明で結晶析出は認められなかった。
【0087】
以上の試験結果から、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにサリチル酸グリコールに代表されるサリチル酸類を含有せしめることにより、結晶析出を相対的に抑制できることが明らかとなった。
【0088】
以上の試験例1~6の結果より、次の成分(A)及び(B):
(A)ベタメタゾンエステル;
(B)低級アルコール;
を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらに(C)次の成分(C-1)、(C-2)、(C-3)、(C-4)、(C-5)及び(C-6)よりなる群から選ばれる1種以上;
(C-1)局所麻酔成分
(C-2)抗ヒスタミン成分
(C-3)テルペン類
(C-4)クロタミトン及びその塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上
(C-5)パンテノール類
(C-6)サリチル酸類
を含有せしめることにより、成分(C)を含有しない場合と比較して結晶析出が抑制されることが明らかとなった。
【0089】
製造例1(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例1のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン 1g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
アラントイン 0.2g
パンテノール 1g
エタノール 15g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0090】
製造例2(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例2のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
サリチル酸グリコール 1g
ユーカリ油 2g
エタノール 35g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0091】
製造例3(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例3のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
エタノール 45g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0092】
製造例4(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例4のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
サリチル酸グリコール 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
エタノール 55g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0093】
製造例5(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例5のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
グリチルレチン酸 0.2g
エタノール 65g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0094】
製造例6(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例6のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
dl-カンフル 1g
グリチルレチン酸 0.2g
アラントイン 0.2g
タンニン酸 0.06g
イソプロパノール 30g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0095】
製造例7(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例7のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
クロタミトン 5g
グリチルレチン酸 0.2g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
アラントイン 0.2g
イソプロパノール 50g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0096】
製造例8(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例8のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
l-メントール 3.5g
クロタミトン 5g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
パンテノール 1g
エタノール 35g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0097】
製造例9(ローション剤)
常法により、下記成分及び分量を100mL中に含有する液状の組成物を製造し、容器1(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、ボトル:ポリプロピレン)又は容器2(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン及びポリプロピレン、ボトル:ポリプロピレン)に収容して、それぞれ製造例9のローション剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
クロタミトン 5g
エタノール 45g
クエン酸水和物、及び精製水 適量
【0098】
製造例10(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例10のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン 1g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
アラントイン 0.2g
パンテノール 1g
エタノール 55g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0099】
製造例11(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例11のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
サリチル酸グリコール 1g
ユーカリ油 2g
エタノール 35g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0100】
製造例12(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例12のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
エタノール 45g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0101】
製造例13(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例13のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
サリチル酸グリコール 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
エタノール 55g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0102】
製造例14(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例14のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
グリチルレチン酸 0.2g
エタノール 35g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0103】
製造例15(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例15のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
dl-カンフル 1g
グリチルレチン酸 0.2g
アラントイン 0.2g
タンニン酸 0.06g
エタノール 45g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0104】
製造例16(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例16のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
クロタミトン 5g
グリチルレチン酸 0.2g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
アラントイン 0.2g
エタノール 55g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0105】
製造例17(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例17のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
l-メントール 3.5g
クロタミトン 5g
イソプロピルメチルフェノール 0.1g
パンテノール 1g
エタノール 35g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0106】
製造例18(ゲル剤)
常法により、下記成分及び分量を100g中に含有する半固形状の組成物を製造し、容器(キャップ:ポリプロピレン、中栓:ポリエチレン、チュープ:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート及びアルミニウムの積層素材、ショルダー:ポリエチレン)に収容して、製造例18のゲル剤を得た。
ベタメタゾン吉草酸エステル 0.12g
ジフェンヒドラミン塩酸塩 2g
リドカイン 1g
l-メントール 3.5g
dl-カンフル 1g
クロタミトン 5g
エタノール 45g
ヒプロメロース、エデト酸ナトリウム、クエン酸、ベンジルアルコール、及び精製水 適量
【0107】
製造例19(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
ジクロフェナクナトリウム 1g
アルニカチンキ 1mL
d-カンフル 1g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【0108】
製造例20(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
ジクロフェナクナトリウム 1g
アルニカチンキ 1mL
ジフェンヒドラミン塩酸塩 0.2g
グリチルレチン酸 0.05g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【0109】
製造例21(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
ジクロフェナクナトリウム 1g
アルニカチンキ 1mL
トコフェロール酢酸エステル 0.3g
トウガラシエキス 0.4g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【0110】
製造例22(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
インドメタシン 0.5g
アルニカチンキ 1mL
グリチルレチン酸 0.05g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【0111】
製造例23(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
インドメタシン 0.5g
アルニカチンキ 1mL
トコフェロール酢酸エステル 0.3g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【0112】
製造例24(パップ剤)
常法により、下記記載の成分及び分量を膏体100g中に含有する貼付剤(10cm×14cm)を製造した。
インドメタシン 0.5g
アルニカチンキ 1mL
ジフェンヒドラミン塩酸塩 0.2g
トウガラシエキス 0.4g
ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ヒマシ油、ゼラチン、カオリン、l-メントール、尿素、エデト酸Na、グリセリン、カルメロースNa、ポリアクリル酸部分中和物、D-ソルビトール液、酒石酸、酸化チタン、ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート、メタリン酸Na、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリソルベート80、アジピン酸ジイソプロピル、マクロゴール 適量
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明によれば、ベタメタゾンエステル及び低級アルコールを含有し、結晶析出が抑制された、保存安定性の良好な医薬組成物を提供することができる。従って、本発明は、例えば、医薬品産業等において利用できる。