(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145514
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスの扉ラッチ機構
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
A61M5/145 508
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023114251
(22)【出願日】2023-07-12
(62)【分割の表示】P 2020518809の分割
【原出願日】2018-11-12
(31)【優先権主張番号】62/587,391
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・コールズ
(72)【発明者】
【氏名】チャド・クイスタッド
(72)【発明者】
【氏名】エマヌエーレ・ストラーダ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ・ラウリターノ
(72)【発明者】
【氏名】アレッシア・マッツィコーネ
(72)【発明者】
【氏名】アントーニオ・アントニーニ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】注入前及び注入後に薬物容器の注入針を隠すオートインジェクタ装置に関する。
【解決手段】薬物送達デバイスは、シェルと内容積とを画定するハウジングと、カセットと、ハウジングに結合された扉と、駆動機構と、ラッチングアセンブリと、を含む。カセットは、内容積内に取り外し可能に配置され、使用者に投与されるべき薬物を収容するように適合されている。扉はハウジングの内容積を少なくとも部分的に密閉し、ラッチング部分を画定する第1の端部を含む。駆動機構はハウジング内に少なくとも部分的に配置され、薬物をカセットから押し出すための力を作用させる。ラッチングアセンブリは駆動機構に結合されており、第1の端部と第2の端部とを含む。駆動機構を作動させると、駆動機構はラッチングアセンブリを扉のラッチング部分に係合させ、扉をハウジングに固定する。
【選択図】
図26
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルと内容積とを画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記内容積内に取り外し可能に配置されるように適合されたカセットであって、更に、使用者に投与されるべき薬物を収容するように適合されている、カセットと、
前記ハウジングの前記内容積を少なくとも部分的に密閉するために前記ハウジングに結合された扉であって、ラッチング部分を画定する第1の端部を有する、扉と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された駆動機構であって、前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させるように適合されている、駆動機構と、
前記駆動機構に結合されたラッチングアセンブリであって、第1の端部と第2の端部とを有する、ラッチングアセンブリと、
を含み、
前記駆動機構を作動させると、前記駆動機構は前記ラッチングアセンブリを前記扉の前記ラッチング部分に係合させ、前記扉を前記ハウジングに固定する、
薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記ラッチングアセンブリは、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記ハウジングの前記シェルに結合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、前記扉の前記ラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記ラッチアセンブリは少なくとも、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に部分的に係合する第2の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に完全に係合し、前記扉の開放を制限する第3の位置と、の間で移動可能である、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記扉の前記ラッチング部分は、前記突起に係合するための角度付き先頭面を含む、請求項2又は3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記ラッチアセンブリは、前記ラッチ部材を前記スロット付きラッチハウジングの前記第2の端部に向かって付勢するための弾性部材を更に含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記駆動機構はプランジャロッドを更に含み、前記チューブキャップは前記プランジャロッドに摺動可能に結合されている、請求項2~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記ハウジングの前記内容積にカセットを挿入するために前記扉を取り外すと、前記ラッチアセンブリは前記扉が閉じる前に前記第2の位置に移動する、請求項3~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記扉はヒンジ式接続部を介して前記ハウジングに結合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記扉の前記ラッチング部分は、前記扉の動きを制限するための溝を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記カセット内に配された薬物を更に含み、前記薬物はエタネルセプトを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
薬物送達デバイスのラッチングアセンブリであって、前記薬物送達デバイス内に少なくとも部分的に配置された駆動機構によって作動され、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記薬物送達デバイスに結合されるように適合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、薬物送達デバイス扉のラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
ラッチングアセンブリ。
【請求項12】
少なくとも、前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分に部分的に係合する第2の位置と、前記薬物送達デバイス扉の開放を制限するために前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分に完全に係合する第3の位置と、の間で移動可能である、請求項11に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項13】
前記突起は前記薬物送達デバイス扉の角度付き先頭面に係合する、請求項11又は12に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項14】
前記ラッチアセンブリは、前記ラッチ部材を前記スロット付きラッチハウジングの前記第2の端部に向かって付勢する弾性部材を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項15】
前記チューブキャップは、前記駆動機構のプランジャロッドに摺動可能に結合されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項16】
前記薬物送達デバイス扉を取り外すと、前記ラッチアセンブリは前記第2の位置に移動するように適合されている、請求項11~15のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項17】
前記突起は、前記薬物送達デバイス扉の動きを制限するための溝を含む、前記薬物送達デバイス扉のラッチング部分によって形成された溝に係合する、請求項11~16のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項18】
シェルと内容積とを画定するハウジングと、前記ハウジングの前記内容積内に取り外し可能に配置され、使用に投与されるべき薬物を収容するように適合されたカセットと、を有する、薬物送達デバイスに対し、取り外し可能な扉を固定する方法であって、
前記内容積を少なくとも部分的に密閉するために前記ハウジングに扉を結合することであって、前記扉は、ラッチング部分を画定する第1の端部を有する、ことと、
前記ハウジング内に駆動機構を少なくとも部分的に配置することであって、前記駆動機構は、前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させるように適合されている、ことと、
前記駆動機構を作動させると、前記駆動機構が前記ラッチングアセンブリを前記扉の前記ラッチング部分に係合させ、前記扉を前記ハウジングに固定するように、第1の端部と第2の端部とを有するラッチングアセンブリを前記駆動機構に結合することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記ラッチングアセンブリは、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記ハウジングの前記シェルに結合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、前記扉の前記ラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に部分的に係合する第2の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に完全に係合し、前記扉の開放を制限する第3の位置と、の間で前記ラッチアセンブリを移動させることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ラッチ部材の前記突起を前記扉の前記ラッチング部分の先頭面と係合させることを更に含む、請求項19又は20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2017年11月16日に出願された米国仮特許出願第62/587,391号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体が、参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本開示は、注入システム及び装置に関する。より具体的には、本開示は、オートインジェクタと、注入前及び注入後に薬物容器の注入針を隠す、オートインジェクタとともに利用可能なカセットと、を含む、オートインジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
インジェクタなどの薬物送達デバイスは、患者に液剤を送達するために使用される。起動時、薬物送達デバイスは内部リザーバ内に保存された薬物を、針、カニューレ、又は他の送達部材を通して患者へと排出する。オンボディ型インジェクタなどのいくつかの薬物送達デバイスは、注射針又はそれ以外の手段により長期間にわたって薬物を送達するために患者に一時的に取り付けられ得る。薬物送達デバイスは、患者の腹部、大腿、腕、又は患者の体のそれ以外の部分の組織に粘着的に取り付けられ得る。
【0004】
いくつかのデバイスは欠点を有し得る。具体的には、使用者は露出した注入針を恐れる場合がある又は注入を本質的に実行することができないと感じる場合がある。露出した針に対する嫌悪のみならず、関与し得る健康及び安全性の問題から、使用者が注入を実行するのを補助し、薬剤の信頼性の高い送達を確実にし、患者の安全性を確保するために、使用者から針を隠し、注入作業を自動化するための様々な種類のインジェクタ及び他のデバイスが開発されている。
【0005】
典型的には、皮下シリンジによって患者に薬物を注入するときには以下の3つの作業、即ち、1)患者への針の挿入、2)シリンジから患者への薬物の注入、及び3)注入完了後の針の抜去が実施され得る。各作業において、シリンジにかかる力の大きさ及び方向、並びに力の印加位置は他の作業と異なる場合がある。例えば、針の挿入には、シリンジに対し最小限の力を非常に短時間にわたり印加することを必要とし得る。その一方で、薬剤(薬物としても知られる)の注入には、シリンジのプランジャに対しより大きな力を印加することを必要とし得る。この力は、比較的より長時間にわたり印加される必要があり得る。更に、針の抜去には、針の挿入と反対方向に力を印加することを必要とし得る。注入プロセスが自動化される場合にはこれら及び他の類似事項が関連することとなり得る。
【0006】
これら機械的事項に加えて、オートインジェクタの設計は使いやすさを考慮する必要があり得る。特に、シリンジの注入針は使用者の視界から動作的に隠されることが望ましい場合がある。好ましくは、この遮蔽は、注入手順の前、最中、及び後に維持される。更に、シリンジの動作は、シリンジが注入のために適切に配置されたとき及び/又は動作の適切な順序が使用者により実施されたときにのみ限定されることが望ましい場合がある。
【0007】
場合によっては、薬物送達デバイスは、投与されるべき薬剤(薬物としても知られる)を収容する容器又はカセットを挿入するためにハウジングへのアクセスを提供する取り外し可能な扉部材を有してもよい。ハウジング内にカセットを装填すると、カセットが破損することを防止するために扉部材を固定しなければならない。既存のいくつかのシステムは嵩張り且つ高価であり、カセットが患者によりハウジング内に不適切に取り付けられている又は固定されていることにより、デバイスの投与及び/又は一部投与の準備が整っているかどうかに関して患者が不確かになる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、シェルと内容積とを画定するハウジングと、カセットと、ハウジングに結合された扉と、駆動機構と、ラッチングアセンブリと、を含む、薬物送達デバイスを提供する。カセットは、内容積内に取り外し可能に配置され、使用者に投与されるべき薬剤(薬物としても知られる)を収容するように適合されている。扉はハウジングの内容積を少なくとも部分的に密閉し、ラッチング部分を画定する第1の端部を含む。駆動機構はハウジング内に少なくとも部分的に配置され、薬剤(薬物としても知られる)をカセットから押し出すための力を作用させる。ラッチングアセンブリは駆動機構に結合されており、第1の端部と第2の端部とを含む。駆動機構を作動させると、駆動機構はラッチングアセンブリを扉のラッチング部分に係合させ、扉をハウジングに固定する。
【0009】
一部の例では、ラッチングアセンブリは、駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップと、ハウジングのシェルに結合されたスロット付きラッチハウジングと、スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合されたラッチ部材と、を含む。チューブキャップは、第1の係合面と第2の係合面とを有する。スロット付きラッチハウジングは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びるスロットと、を有する。ラッチ部材はスロットの長さに沿って移動可能であり、更に、対向表面と、対向表面から外側に延び、扉のラッチング部分に係合する突起と、を有する。チューブキャップの移動によりラッチ部材をスロットの長さに沿って移動させるように、チューブキャップの第1の係合面はラッチ部材の対向表面に係合する。
【0010】
他の例では、ラッチアセンブリは少なくとも、突起が扉のラッチング部分から係脱する第1の位置と、突起が扉のラッチング部分に部分的に係合する第2の位置と、突起が扉のラッチング部分に完全に係合し、扉の開放を制限する第3の位置と、の間で移動可能である。扉のラッチング部分は、突起に係合するための角度付き先頭面を含んでもよい。
【0011】
ラッチアセンブリは、ラッチ部材をスロット付きラッチハウジングの第2の端部に向かって付勢するための弾性部材を更に含んでもよい。いくつかの形態では、駆動機構はプランジャロッドを更に含む。チューブキャップは、プランジャロッドに摺動可能に結合されてもよい。いくつかの手法では、ハウジングの内容積にカセットを挿入するために扉を取り外すと、ラッチアセンブリは扉が閉じる前に第2の位置に移動する。
【0012】
一部の例では、扉はヒンジ式接続部を介してハウジングに結合されている。更に、扉のラッチング部分は、扉の動きを制限するための溝を含んでもよい。
【0013】
本開示の第2の態様は、薬物送達デバイス内に少なくとも部分的に配置された駆動機構によって作動される薬物送達デバイスのラッチングアセンブリを提供する。ラッチングアセンブリは、駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップと、薬物送達デバイスに結合されるように適合されたスロット付きラッチハウジングと、スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合されたラッチ部材と、を有する。チューブキャップは、第1の係合面と第2の係合面とを有する。スロット付きラッチハウジングは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延びるスロットと、を有する。ラッチ部材はスロットの長さに沿って移動可能であり、対向表面と、対向表面から外側に延び、薬物送達デバイス扉のラッチング部分に係合する突起と、を有する。チューブキャップの移動によりラッチ部材をスロットの長さに沿って移動させるように、チューブキャップの第1の係合面はラッチ部材の対向表面に係合する。
【0014】
本開示の第3の態様は、シェルと内容積とを画定するハウジングと、ハウジングの内容積内に取り外し可能に配置され、使用に投与されるべき薬剤(薬物としても知られる)を収容するように適合されたカセットと、を有する、薬物送達デバイスに対し、取り外し可能な扉を固定する方法を提供する。扉は、内容積を少なくとも部分的に密閉するためにハウジングに結合されている。扉は、ラッチング部分を画定する第1の端部を含む。駆動機構はハウジング内に少なくとも部分的に配置され、薬剤(薬物としても知られる)をカセットから押し出すための力を作用させる。第1の端部と第2の端部とを有するラッチングアセンブリは、駆動機構を作動させると、駆動機構がラッチングアセンブリを扉のラッチング部分に係合させ、扉をハウジングに固定するように、駆動機構に結合されている。
【0015】
上記ニーズは、特に図面と併せて研究される、以下の詳細な説明に記載される薬物送達デバイスの扉ラッチ機構の提供によって少なくとも一部満たされる。
【0016】
添付の図は本開示による実施形態を示し、限定ではなくむしろ例示である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】オートインジェクタ内に取り付けられる前のカセットを示す、カセットとオートインジェクタとを含むオートインジェクタ装置の一実施形態の側面図である。
【
図2A】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の正面図である。
【
図2B】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の第1の側面の側面図である。
【
図2C】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の背面図である。
【
図2D】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、
図1のオートインジェクタ装置の第2の側面の側面図である。
【
図2E】
図1のオートインジェクタ装置のオートインジェクタの第1の端部の端面図である。
【
図2F】
図1のオートインジェクタ装置のオートインジェクタの第2の端部の端面図である。
【
図2G】
図1のオートインジェクタ装置の皮膚センサを制御するための決定論理の一実施形態を示す状態図である。
【
図2H】オートインジェクタ内に取り付けられたカセットを示す、オートインジェクタ装置の一実施形態の側断面図である。
【
図4】カセット内に提供され得る薬物容器の一実施形態の側断面図である。
【
図5A】カセットの一実施形態の上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図5C】カセットのカセットキャップを取り外した後の
図5Aのカセットの側断面図である。
【
図5D】針注入位置にあるカセットの予め充填された薬物容器を示す
図5Cのカセットの側断面図である。
【
図6A】内部スリーブラッチ機構と内部スリーブロック構成とを示すカセットの一実施形態の底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図6B】内部スリーブラッチ機構及び内部スリーブロック構成の特定の要素を示す、
図6Aに示されるカセットの外部ハウジングの一実施形態の底面図である。
【
図6C】内部スリーブラッチ機構及び内部スリーブロック構成の特定の要素を示す、
図3に示されるカセットの内部スリーブの一実施形態の底部から見上げた正面斜視図である。
【
図6D】内部スリーブロック構成のロック足の動作を示す、
図6Aのカセットの側断面図である。
【
図7A】内部スリーブロック構成の開放カムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図7B】内部スリーブロック構成の開放カムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図7C】内部スリーブロック構成の開放カムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図7D】内部スリーブロック構成の開放カムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図7E】内部スリーブロック構成の開放カムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図8A】内部スリーブロック構成のアセンブリカムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図8B】内部スリーブロック構成のアセンブリカムの動作を示す
図6Aのカセットの内部側面図である。
【
図9A】カセット識別機構を有するカセットの一実施形態のそれぞれ上部から見下ろした正面斜視図及び底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図9B】カセット識別機構を有するカセットの一実施形態のそれぞれ上部から見下ろした正面斜視図及び底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図10A】カセット識別機構の一実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図10B】
図10Aに含まれるカセット識別機構を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図10Aのカセットの側断面図である。
【
図11A】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図11B】
図11Aに含まれるカセット識別構成を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図11Aのカセットの側断面図である。
【
図12A】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした正面斜視図である。
【
図12B】
図12Aに含まれるカセット識別機構を検出し、解読するように作製されたオートインジェクタに挿入されている
図12Aのカセットの側断面図である。
【
図13A】カセット識別機構の更なる実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図13B】カセット識別機構の更に別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図13C】カセット識別機構の更に別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図13D】カセット識別機構の別の実施形態を示す、カセットの一部分の底部から見下ろした斜視図である。
【
図14】(様々な異なる薬物及び/又は充填レベルを含む)予め充填された薬物容器の組み立てを制御し、組み立て済みカセットを適切な包装ステーションに追い出す(rout)ためにカセット識別機構を使用し、単一の製造ライン上に異なる製品ラインを組み立てるための方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図15A】カセットのカセットキャップの一実施形態の斜視背面図である。
【
図15B】カセット内に設けられた薬物容器の針シールドに結合されている
図15Aのカセットキャップを示す、カセットの基端部の側断面図である。
【
図15C】カセットキャップがカセットから取り外された、カセットの一部分の底部から見上げた正面斜視図である。
【
図15D】カセットキャップのカンチレバーロックアームの動作を示す、オートインジェクタ内に取り付けられたカセットの基端部分の側断面図である。
【
図16A】
図15Aに含まれるカセットキャップのキー部分を受け入れるためのスロットの一実施形態を示す、カセットキャップが取り外された、カセットの外部ハウジングの基端部分の上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図16B】外部ハウジングのスロットとカセットキャップのキーとによって形成される回転防止構造が、カセットキャップがカセット内にあるときに(針シールド除去前)カセットキャップがその長手方向軸線Zの周りで回転する又は回ることをいかにして防止するか、ゆえに、針シールドの回転を防止するかを示す、カセットの上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図17A】第1及び第2のタブの対を含むキー部分を有するカセットキャップの別の実施形態の上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図18A】
図17Aに含まれるカセットキャップのキー部分のタブを受け入れるためのスロットの別の実施形態と、外部ハウジング内に配置された、
図17Aのカセットキャップのキー部分に設けられたタブに係合するためのリブと、を示す、カセットキャップが取り外されたカセットの外部ハウジングの基端部分の上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図18B】カセット外部ハウジングの内部及びリブを示す、カセット外部ハウジングの基端部分の上部から見下ろした背面斜視図である。
【
図19A】カセット外部ハウジング内のリブのうちの1つと係合したカセットキャップキー部分の片側のタブを示す、カセットキャップが取り付けられた状態のカセットの内部部分の正面斜視図である。
【
図19B】カセット外部ハウジング内のリブと係合したカセットキャップキー部分のタブを示す、カセットキャップが取り付けられた状態のカセット外部ハウジングの基端部分の断面底面図である。
【
図20】カセットキャップのキータブとカセット外部ハウジングのリブとによって形成される曲げ防止構造が垂直軸(X軸)及び水平軸(Y軸)におけるカセットキャップの撓み又は曲げをいかにして防ぐかを示す、カセットの上部から見下ろした正面斜視図である。
【
図21】オートインジェクタへのカセットの取り付けを示す、オートインジェクタ装置又はシステムのオートインジェクタの底部から見上げた斜視図である。
【
図22】注入プロセスの工程を安全且つ信頼性の高い順序で使用者に強制的に実行させるための決定論理の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図23】排出送達サブシステムに取り付けられたラッチング機構を有する排出送達サブシステムを示す薬物送達デバイスの側断面図である。
【
図24】排出送達サブシステムを扉と分離された構成において示す側断面図である。
【
図25】扉とラッチング機構との間の係合を示す側断面図である。
【
図26】排出送達サブシステムを扉と結合された構成において示す側断面図である。
【0018】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことは理解するであろう。例えば、図中の要素のいくつかの寸法及び/又は相対位置は、本発明の各種実施形態の理解を向上させるために他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために示されないことが多い。更に、特定の行為及び/又は工程は、特定の発生順序で記載される又は示される場合があることは認識されるであろうが、当業者であれば、順序に関するそのような特定性は実際には必要ないことは理解するであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明されている場合以外は、上述のように、このような用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有することも理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、概して、薬物送達デバイスの扉ラッチ機構に関する。概して、薬物送達デバイスは、シェルを画定するハウジングと、容器を有するカセットと、ハウジングに結合された扉と、駆動機構と、ラッチングアセンブリと、を含む。カセットは、使用者に投与されるべき薬剤(薬物としても知られる)を収容するための内容積を有する容器を有する。駆動機構は、薬剤(薬物としても知られる)を容器内でその第2の端部に向かって押し出すために、容器の第1の端部に力を作用させるように適合されている。駆動機構は更に、扉をハウジングに選択的に結合するためにラッチングアセンブリを作動させるように適合されている。
【0020】
図1は、ある用量の医薬品(薬物)を患者に注入するために使用され得るオートインジェクタシステム又は装置100の一実施形態を示す。注入は、多くの場合、患者(使用者)によって自己投与される。或いは、薬物は医療提供者によって投与され得る。図示されるように、オートインジェクションシステム又は装置100は、取り外し可能なカセット200と、オートインジェクタ又はインジェクタ300と、を含んでもよい。カセット200の様々な実施形態は、オートインジェクタ300によって使用者に注入されるべき薬物を収容するように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセット200は、使用者がオートインジェクタ300を操作するための訓練に用いるために作製されてもよい(トレーニングカセット)。オートインジェクタ300は、使用者又はそれ以外の人によって作動されると自動的に注入を送達するように作製されてもよい。オートインジェクタ300の様々な実施形態は、オートインジェクタ300へのカセット200の挿入を可能にするために開位置と閉位置との間で旋回するように作製され得るカセット扉308を有してもよい。いくつかの実施形態では、カセット扉308は、カセット200の挿入入口点を示す「カセット」アイコン(図示せず)を含んでもよい。
図23~
図26を参照して説明するように、オートインジェクタ300はそれに扉308を固定するためのラッチング機構を含んでもよい。
【0021】
図2A~
図2Fをまとめて参照すると、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、内容積302aを画定するシェル又はケーシング302を含んでもよい。シェル302は、ハンドル部分304と、ハンドル部分304と一列に並んだカセット受入部分306と、を有する。手先の器用さの課題に関して患者を補助するために、オートインジェクタシェル302のハンドル部分304は、柔らかいグリップ領域305Sを有する人間工学的形状のハンドル305を画定してもよい。カセット受入部分306は、上記のカセット扉308(
図2B及び
図2D)を含む。カセット扉は、開位置(
図1)においてカセット200を受け入れ、カセット200を挿入及び排出ドライブと位置合わせし、閉位置においてオートインジェクタ300の他の構造及び構成要素と位置合わせする。カセット扉308は、カセット200の挿入入口点を示す「カセット」アイコンを含んでもよい。シェル302のカセット受入部分306は、その中にカセット200が適切に取り付けられた状態でカセット扉308が閉じられるとカセット200の窓と位置合わせされる窓310A、310Bをその側面に含んでもよい。1つ以上の実施形態では、窓310A、310Bは二層式であってもよい。使用者がオートインジェクタ300の窓310A、310Bを通して注入サイクルを観察することができる、即ち、シリンジ内容物(以後、「薬物」)排出プロセス中はもとよりカセット200内におけるシリンジの移動中にシリンジ260(
図5B)のプランジャストッパ264の初期位置及び最終位置を観察することができるように、カセット窓212(
図5A)、及びカセット200の内部スリーブ220(
図5B)内に配置されたシリンジ260を一様にバックライト照明するために、1つ以上の照明(図示せず)がシェル302内に提供されてもよい。
【0022】
引き続き
図2A、
図2B、
図2D、及び
図2Fを参照すると、オートインジェクタ300は、ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカ(図示せず)を更に含んでもよい。ユーザインタフェース312(
図2Aに最も良く示される)はシェル302のカセット受入部分306に位置してもよく、様々な視覚インジケータを提供する。オーディオスピーカはシェル302内に配置されてもよく、様々な可聴インジケータを提供する。オーディオスピーカは、シェル302のカセット受入部分306に形成されたスピーカ孔314を通して外部環境と聞こえる程度に通信し得る。ユーザインタフェース312及びオーディオスピーカによって生じる視覚インジケータ及び可聴インジケータは、オートインジェクタ300の使用準備が整ったとき、注入プロセスの経過、注入完了、あらゆるエラーの発生、及びその他の情報を使用者に知らせることができる。オートインジェクタ300は、設定/ミュートスイッチ315、速度選択スイッチ316、開始ボタン307、及び取出ボタン317のうちの1つ以上を更に含んでもよい。設定/ミュートスイッチ315(
図2B)は、シェル302のカセット受入部分306に位置してもよい。ミュートスイッチ315は、使用者がエラー音以外の全ての合成音をオン及びオフにすることを可能にし、使用者が注入プロセスを開始しミュートスイッチをオフに変更した場合に音が即座に消されるように、リアルタイムで応答するように作製されてもよい。ミュートスイッチ315はまた、オーディオスピーカを消音するために「ミュート」アイコンに向かって摺動するように作製されてもよい。「ミュート」状態を確認するための光インジケータが提供されてもよい。速度選択スイッチ316(
図2A及び
図2B)は、シェル302のカセット受入部分306に位置してもよい。速度選択スイッチ316は、個人的な患者の好みに適応するための複数の予め設定された薬物送達(排出)速度の中から使用者が選択することを可能にするように作製されてもよい。速度選択スイッチ316は3つのスイッチ位置を含んでもよい。速度選択スイッチの他の実施形態は、2つのスイッチ位置又は4つ以上のスイッチ位置を含んでもよい。更に他の実施形態では、速度選択スイッチは無限可変型のものであってもよい。いくつかの実施形態では、注入前にスイッチ316の位置を変更すると注入中の薬物排出速度が変化する一方、注入中に速度選択スイッチ316の位置を変更すると注入速度はリアルタイムで変化しない。オートインジェクタ300はまた、使用者が薬物送達の異なる速度を実験することを可能にするための1つ以上のデモカセットを備えてもよい。開始ボタン307はハンドル305の自由端部に配置されてもよい。ボタン307は、ボタン307上の親指の配置を最適化するための凹み3071(
図2F)を含んでもよい。ボタン307は、照明効果が信号としてボタンを照明することを可能にする半透明材料で作られてもよい。取出ボタン317(
図2D)は、シェル302のカセット受入部分306に位置してもよい。取出ボタン317は、ボタン317上の指の配置を最適化するための凹み3171を含んでもよい。いくつかの実施形態では、取出ボタン317は、注入プロセス中の偶発的な入力を排除するようにプログラムされ得るオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350(
図2H)によって制御されてもよい。
【0023】
図2Eを参照すると、シェル302のカセット受入部分306とカセット扉308は、オートインジェクタ300の基端部壁318を形成してもよい。基端部壁318は、シールド除去機240(
図5A)の取り外し後又はオートインジェクタ300がカセット240を収容していないときにオートインジェクタ300を支持面上に容易に配置するための広く平らで安定した基部として構成されてもよい。カセット扉308によって形成される基端部壁318の部分は、カセット200がオートインジェクタ300内に取り付けられるときに、シールド除去機240をカセット200から取り外し、孔308Aを通して取り出すことを可能にするような寸法及び形状に作られた孔308Aを含んでもよい。オートインジェクタ300の基端部壁は標的灯320を更に含んでもよい。標的灯320は、シールド除去機240がカセット200から取り外され、孔308Aを通して取り出されるとオンにされ、それによりシールド除去機240が取り外されたことを視覚的に示すように作製されてもよい。オンにされると、標的灯は使用者が注入部位を可視化し且つ選択するのを補助する。
【0024】
引き続き
図2Eを参照すると、オートインジェクタ300は、静電容量式皮膚センサ380(破線で示される)又は任意の他の適切な皮膚センサを更に含んでもよい。注入部位領域に下方の圧力を与える必要なくオートインジェクタ300の基端部壁318が皮膚に触れた又は接触したとオートインジェクタ300が判断できるように、皮膚センサ380は、信号又はデータをマイクロプロセッサに伝達することを可能にするように、例えばオートインジェクタ300内に提供されるマイクロプロセッサに結合されてもよい。皮膚センサ380はまた、皮膚接触が検知されるとスピーカ及びユーザインタフェースにより生じる可聴インジケータ及び視覚インジケータによって使用者に知らせるように作製されてもよい。いくつかの実施形態では、皮膚センサ380は、オートインジェクタ300の基端部壁318の内面近傍に位置する又はオートインジェクタ300の基端部壁318に組み込まれた2つのパッド若しくは電極(図示せず)を含んでもよい。基端部壁318を皮膚に接触させると電極の静電容量信号が増加する。センサ決定論理がプログラムされ得るマイクロプロセッサによって増加が十分であると判断されれば、その電極は作動される。皮膚接触が行われたかどうかを判断するために、マイクロプロセッサは電極の静電容量を読み取る。次いで、マイクロプロセッサは、両電極からの静電容量情報を処理し、基端側壁318が皮膚との適切な接触を行ったと判断する。電極が基端側壁318の内面に配置される実施形態では、電極自体は皮膚に決して接触せず、電極はハウジングの内側に取り付けられた状態でプラスチックハウジングのみが皮膚に接触する。このような設計は、デバイスが注入部位に接触している(又は実際、非常に接近している)ことを計算で決定する手法において、皮膚からの電極の距離(基端側壁318によって離隔した)はもとより、ハウジング材料の応答を明らかにする。
【0025】
図2Gは、本開示の一実施形態による、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサにより皮膚センサ380を制御するための決定論理を示す状態図である。プロセスは、オートインジェクタのリセットを示す参照番号400において開始する。次いで、論理は、オートインジェクタのリセット後の皮膚センサの初期化を示す状態402に進む。初期化されると、論理は、彼(he)基端部壁318が皮膚に触れたことをセンサの電極のいずれも検知しない又はセンサの電極の1つのみが検知する「接触なし」状態を示す状態404に進む。基端部壁318が特定の閾値時間(例えば1秒)未満にわたって皮膚に触れたことを両電極が検知した場合、論理は、「接触」状態を示す状態406に進む。電極の1つが基端部壁318が皮膚に触れたことを検知した場合又は電極のいずれも基端部壁318が皮膚に触れたことを検知しない場合、論理は状態404に戻る。しかしながら、基端部壁318が閾値時間(例えば1秒)に等しい時間にわたって皮膚に触れたことを両電極が検知した場合、論理は、「接触オーケー」状態を示す状態408に進む。基端部壁318が皮膚に接触したことを電極の1つが検知した場合又はいずれの電極も検知しない場合、論理は、「解放」状態409に進む。両電極が皮膚に触れている場合、論理は「接触オーケー」状態408に戻る。閾値時間を超えて(例えば、1秒超)皮膚に1つの電極が接触する場合又はいずれの電極も接触しない場合、論理は「接触なし」状態404に戻る。
【0026】
図2Hに示すように、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、電動式針挿入ドライブ330と、電動式薬物排出ドライブ340と、マイクロプロセッサ350と、ドライブ330、340及びマイクロプロセッサ350に給電するためのバッテリー360と、皮膚センサ380と、を支持するための、シェル302内に配置されたシャーシ301を含んでもよい。シェル302は、人間工学的形状のハンドル部分304と、カセット受入部分306と、を画定してもよい。シャーシ301は、オートインジェクタ300内の1つ以上のカセット200を支持するための、並びにカセット200又は1つ以上のカセット200のうちの選択された1つを電動式針挿入ドライブ330及び電動式薬物排出ドライブ340それぞれと位置合わせするための支持面301sを含んでもよい。カセット200の存在及び/又はカセット200に関する情報を検知するための検知部370がカセット支持面301s上に又はカセット支持面301s内に設けられてもよい。検知部370は、信号又はデータをマイクロプロセッサ350に伝達することを可能にするように、マイクロプロセッサ350と結合されてもよい。挿入ドライブ330は、挿入ラック332と、挿入ドライブモータ331と、ラック332を駆動するために挿入ドライブモータ331の回転運動を伝達するための挿入ドライブ歯車列333と、を含んでもよい。挿入ラックは、カセット200と結合する、例えば、それぞれ基端側タブ332p及び先端側タブ332dを含むタブ構成を含んでもよい。排出ドライブ340は、排出ドライブモータ341と、プランジャロッド342と、リードスクリュー343と、排出ドライブ歯車列344と、を含んでもよい。プランジャロッド342は、リードスクリュー343及び排出ドライブ歯車列344を介して排出ドライブモータ341により駆動され、カセット200内に収容された薬物容器260のプランジャ264と結合してもよい。オートインジェクタ300は複数回の注入を実行するために使用され得る。
【0027】
引き続き
図2Hを参照すると、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350には、マイクロプロセッサ350によって実行されると、オートインジェクタ300の様々な動作及び機能を制御及び監視することを可能にする命令がプログラムされてもよい。例えば、しかし限定はしないが、マイクロプロセッサ350には、電動式挿入及び排出ドライブ330、340を制御するための命令がプログラムされてもよい。こうした命令は、注入サイクル及びプロセスフローの各工程を制御及び監視してもよく、それにより、針挿入、薬物排出、及び針後退を自動化し、注入プロセス及び薬物投与をより信頼性が高く、正確に、一貫して行うことができるように、使用者により実施される動作の順序を制御する。マイクロプロセッサ350にはまた、使用者への可聴フィードバック及び視覚フィードバックを制御するための命令がプログラムされてもよい。自動パワーオンセルフテストで、オートインジェクタ300の動作及び残りのバッテリー充電を確認する。
【0028】
他の様々な実施形態では、オートインジェクタ300は、他の種類の針挿入ドライブ、薬物排出ドライブ、並びにドライブを作動及び順序付けするための手段を含んでもよい。そうした実施形態における挿入及び排出ドライブは、別個の、異なる機構として実装されてもよい、又は単一の機構に組み込まれてもよい。このような実施形態の挿入及び排出ドライブは、モータ、機械的な機構(例えば、ばねなどの弾性部材)、ガス圧力機構、ガス放出機構、又はそれらの任意の組み合わせによって動力を供給されてもよいが、これらに限定されない。薬物の注入を生じさせるための動力をカセットに伝達するために様々な伝達機構が使用されてもよい。加えて、作動及び順序付け手段は様々な機械的及び電気機械的構成を含んでもよく、上記のマイクロプロセッサと組み合わせてもよい又は単独で使用してもよい。そのような実施形態のオートインジェクタは、複数回の注入を実行するために再利用可能であるように作製されてもよい、又は単回の使い捨て使用用に設計されてもよい。
【0029】
ここで
図3を参照すると、カセット200の様々な実施形態は、外部ハウジング210と、内部スリーブ220と、薬物を収容するための薬物容器260と、カセットキャップ240と、ロックキャップ230と、カバー250と、を含んでもよい。カセット200のこのような実施形態は、オートインジェクタによる薬物の簡単な注入を容易にし且つ可能にし、単回の使い捨て使用用に作製することができる。様々な実施形態では、カセット200のロックキャップ230及びカバー250は、カセット200からの薬物容器260の取り外しを阻止するように作製されてもよく、それにより、カセット200の使用前及び使用後に針が突き出るのを防止し、また、薬物容器260がカセット200から取り出される又は交換されることを防止する。加えて、ロックキャップ230及びカバー250は、配送及び輸送中に薬物容器260を保護する。様々な実施形態のカセットキャップ240は、薬物容器260に関連する注入針を覆っている針シールド266を取り除くように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセットキャップ240はまた、カセットキャップ240を回転させる又は回すことができないようにカセット200の外部ハウジング210に係合するように作製されてもよく、それにより、針シールド266によって注入針が損傷することを防止する。内部スリーブ220の様々な実施形態は、カセットハウジング210内の薬物容器260をオートインジェクタの注入サイクル中に針が隠れる位置又は針注入位置のいずれかに配置するように作製されてもよい。他の様々な実施形態では、カセット200の外部ハウジング210及び内部スリーブ220は、薬物容器260を保護し、意図しない針の露出又は損傷を防止する1つ以上のロック構成を含んでもよい。カセット200の他の様々な実施形態は、オートインジェクタ内のカセット200の取り付け及び/又はカセット200に関する情報を伝えるためにオートインジェクタと接続するカセット識別機構を含んでもよい。
【0030】
図4に示すように、薬物容器260は、流体チャンバ262を画定するバレル261を含む従来のガラス又はプラスチックシリンジを含んでもよい。流体チャンバ262には、所定用量の薬物267が治療のために充填されてもよい又は予め充填されていてもよい。薬物は製品の温度に依存する粘度を有し得る。シリンジ260は、バレル261の基端部に取り外し可能に又は固定的に配置された注入針265と、バレル261の先端部に配置された外側に延びるフランジ263と、を更に含んでもよい。注入針265は、シリンジバレル261の流体チャンバ262から放出された所定用量の薬物267の投与を可能にするために、流体チャンバ262と連通してもよい。シリンジ260は、バレル260の流体チャンバ262内に配置された、所定用量の薬物267が注入針265を通して分注され得るように所定用量の薬物267をチャンバ261から排出するための、可動プランジャストッパ264を更に含んでもよい。例えば非剛性材料で作製された保護用針シールド266が、注入針265を覆うために提供されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温(20~25℃。[68~77°F。])で約19センチポアズの粘度を有してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約1センチポアズ~約320センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約5センチポアズ~約40センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約10センチポアズ~約35センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約15センチポアズ~約30センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約20センチポアズ~約25センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約16センチポアズ~約42センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、薬物容器260内に収容される薬物は、室温で約1センチポアズ~約29センチポアズの範囲の粘度を有してもよい。
【0039】
図5A~
図5Dをまとめて参照すると、カセット200の外部ハウジング210の様々な実施形態は、頂壁210tと、底壁210bと、それぞれ頂壁210tと底壁210bとを接続する側壁210sと、正面又は基端部壁210peと、開放背面又は先端部210deと、を含んでもよい。外部ハウジング210の基端部壁210peは、カセットキャップ240を取り外し可能に受け入れるように作製された孔214(
図5C及び
図5D)を含んでもよい。外部ハウジング210は、カセットキャップ240の取り外し後(
図5C)に内部スリーブ220が外部ハウジング210内で摺動可能に自由に移動することを可能にしつつ、外部ハウジング210内に内部スリーブ220を保持するように作製されてもよい。外部ハウジング210のいくつかの実施形態は、その各側壁210sに細長い開口部又は窓212を含んでもよい(
図5A)。カセット200の外部ハウジング210はまた、ピン215(
図5A)、又はカセット200がカセット扉内に誤った方向及び/若しくは向きで挿入されるのを防ぐ任意の他の適切な機械的構造体を含んでもよい。カセットをカセット扉内に挿入するための適切な方向及び向きを示すための「矢印」アイコンが外部ハウジング210上に提供されてもよい(図示せず)。
【0040】
引き続き
図5A~
図5Dを参照すると、内部スリーブ220の様々な実施形態は、それぞれ基端部222及び先端部224を含んでもよい。スリーブ220はその中に薬物容器260を固定的に、直接的又は間接的に保持するような大きさ及び寸法にされてもよい。内部スリーブ220の基端部222は、薬物容器260の注入針265がその中に延びることを可能にするように作製された孔222aを画定してもよい(
図5C)。内部スリーブ220は、オートインジェクタの注入サイクルの針挿入サイクル中にオートインジェクタの挿入ドライブによって駆動され得るドライブポスト268を更に含んでもよい。
図5C及び
図5Dに見られるように、内部スリーブ220は、オートインジェクタの挿入ドライブによりカセット200の外部ハウジング210を介して駆動されることができ、その間、薬物容器260は外部ハウジング210内の先端側位置(
図5C)から外部ハウジング210内の基端側位置(
図5D)へと移動し、その後、先端側位置に戻る。
図5Cに示すように内部スリーブ220が先端側位置(針が隠れる位置)にあるとき、薬物容器260の注入針はカセット200の外部ハウジング210内に収容され、使用者の視界から隠れている。
図5Dに示すように内部スリーブ220が基端側位置(針注入位置)にあるとき、薬物容器260の注入針は、カセット200の外部ハウジング210の基端部壁210pe内の孔214及びオートインジェクタ(図示せず)を通って外に延びる。ロックキャップ230は内部スリーブ220の開放先端部224を閉じ、それにより、オートインジェクタ300の挿入サイクル中に内部スリーブ220がオートインジェクタの挿入ドライブにより外部ハウジング210を介して前方又は後方に駆動される際に薬物容器260が内部スリーブ220とともに移動するように、内部スリーブ220内に薬物容器260を固定する。カバー250は外部ハウジング210の開放先端部210deを閉じ、内部スリーブ220及び薬物容器260をカセット200の外部ハウジング210内に入れることにより薬物容器260の改ざんを防ぎ、また、カセット200の表面的外観を完全なものにする。内部スリーブ220は、外部ハウジング210の側壁210s内の窓212を通して薬物容器260を見ることを可能にするために、透明ポリカーボネートなどの透明剛性材料から作製してもよい。
【0041】
図6A及び
図6Bをまとめて参照すると、カセット200の外部ハウジング210の様々な実施形態はラッチ機構280を含んでもよく、ラッチ機構280は内部スリーブ220のドライブポスト268をラッチして、スリーブ220、したがって、薬物容器の注入針を針が隠れる位置に保持し、薬物容器を保護し、使用者に対する不意の針露出を防ぐ。
図6Bに最も良く示されるように、ラッチ機構280は、外部ハウジング210の底壁210b、又は挿入ドライブが内部スリーブ220のドライブポスト268に係合することを可能にするハウジング210の任意の他の壁内に形成された一対の弾性対向ラッチアーム280aを含んでもよい。ラッチアーム280aは、内部スリーブ220のドライブポスト268が延びる固定用移動止めスロット280b(
図6B)を画定してもよい。
【0042】
カセット200の組み立て中、薬物容器を収容する内部スリーブ220は、
図6Aに示すように、内部スリーブ220のドライブポスト268が外部ハウジング210のラッチアーム280a間で広がり、摺動し、その後、ラッチアーム280aの移動止めスロット280bに入り、そこで留められるように、外部ハウジング210内に挿入されてもよい。オートインジェクタの針挿入サイクル中、挿入ドライブは先端側タブ332dを基端側方向に移動させ、それにより、強制的にラッチアーム280aを広げ、内部スリーブ220のドライブポスト268を解除し、それにより、解除された内部スリーブ220がカセット外部ハウジング210内においてドライブポスト268を介し基端側及び先端側に移動することを可能にする。
【0043】
解除されると、挿入ドライブは、内部スリーブ220、したがってその中に配置された薬物容器を、針が隠れる位置から針注入位置に移動させることができる。オートインジェクタの薬物排出サイクルが完了すると、挿入ドライブはドライブポスト268、したがって、使用済み薬物容器を収容する内部スリーブ220を、ドライブポスト268がラッチ機構280のラッチアーム280a間に再び留められる針が隠れる位置へと再び移動させる。
【0044】
ここで
図6A~
図6Dを参照すると、カセットの他の様々な実施形態は、内部スリーブ220が外部ハウジング210内において針が隠れる位置から意図せずに移動することを防ぐ内部スリーブロック構成290を更に含んでもよい。内部スリーブロック構成290はラッチ機構280に取って代わってもよい、又は
図6A~
図6Bに示される実施形態と同様に冗長性を提供してもよい。
【0045】
内部スリーブロック構成290の追加は冗長性を提供し、例えば、使用者を傷つけることから保護する、カセットの内容物を保護する、又は誤用を防ぐために、ラッチ機構280の信頼性を高める。内部スリーブロック構成290は、例えば、自由落下、輸送及び/又は取り扱いによって発生する衝撃の最中に、内部スリーブ220の動きに対する抵抗又はロックの向上を提供する。更に、内部スリーブロック構成290は、カセット構成要素の損傷を防ぐために衝撃エネルギーの吸収を向上させる。また更に、内部スリーブロック構成290は、針シールドの取り外し中、カセット200の外部ハウジングの外の環境への注入針の露出を防ぐために、針が隠れる位置における内部スリーブ220の保持の向上を提供する。加えて、内部スリーブロック構成290は、内部スリーブ220をオートインジェクタと接続するための位置により正確に且つ繰り返し配置する。
【0046】
図6Cに示すように、内部スリーブロック構成の様々な実施形態は、オートインジェクタの挿入ドライブによってロック解除されるように作製されたカンチレバーロックアーム292を含んでもよい。カンチレバーロックアーム292は、ハンド部材292hと、内部スリーブ220の一部分にハンド部材292hを接続する2つの可撓性アーム部材292aと、を含んでもよい。ハンド部材292hは、1つ以上のロック足と、1つ以上の開放カムと、1つ以上のアセンブリカムと、を含んでもよい。図示される実施形態では、ハンド部材292hは、2つのロック足292fと、1つの開放カム292ocと、1つのアセンブリカム292acと、を含む。2つのロック足292は互いに離隔してもよく、ハンド部材292hの先頭又は基端側縁部292peに、又はこれにわずかに隣接して配置されてもよい。開放カム292ocはロック足292fに対して先端側に配置されてもよく、アセンブリカム292acはハンド部材292hの基端側縁部292peから基端側に延びてもよい。図示される実施形態では、カンチレバーロックアーム292は、内部スリーブのわずかに先端側の底部部分220b、又はオートインジェクタの挿入ドライブと接続することができるスリーブの任意の他の部分から延びる。
【0047】
図6Bに示すように、内部スリーブロック構成290の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210b又は内部スリーブ220のカンチレバーロックアーム292と接続するハウジングの任意の他の壁内に設けられた1つ以上のロック足受入スロット294を更に含んでもよい。1つ以上のロック足受入スロット294のそれぞれは、ラッチ機構280のラッチアーム280aを画定する一対の細長いスロット282の端部に設けられてもよい。ロック足受入スロット294のそれぞれは、内部スリーブロック構成290のロックを実施するために、カンチレバーロッキングアーム292のロック足292fのうちの対応する1つを受け入れるように機能する。
【0048】
図6Dに示すように、ロック足292fの様々な実施形態は、それぞれ基端側面292fp及び/又は先端側面292fdを含んでもよい。内部スリーブロック構成のロックを容易にするために、基端側面292fp及び/又は先端側面292fdは、ロック足受入スロット294を画定するカセット外部ハウジング210の壁に対して概ね90度、90度未満(前方に角度を成す)、又は90度超(後方に角度を成す)の角度を成して配置され得る。ロック足292fの基端側面292fp及び先端側面292fdに係合する、ロック足受入スロット294の対応する表面は、ロック足292fの基端側面292fp及び先端側面292fdの角度に相補的な角度を有して作製されてもよい。
図6Dに示すようにロック足292fの基端側面292fpが後方に角度を成し、内部スリーブ220がカンチレバーロックアーム292に対して基端側に押し付けられる場合、ロック足292は外部カセットハウジング壁の受入スロット292内により深く引き込まれることができ、自己ロックへの付勢がもたらされる。したがって、カンチレバーロックアーム292は、それをロック解除するのに必要な力に比べて高いロック力を提供することができる。他の様々な実施形態では、ロック足292fの基端側面292fp及び/又は先端側面292fdは前方に角度を成すことができ、これにより外部ハウジング210に対する内部スリーブ220の組み付けを補助することができる。カンチレバーロックアーム292の可撓性アーム部材292aは、カセット外部ハウジング壁210b内のそれらの対応する受入スロット294内に各ロック足292fを保持する付勢力を加えることができる。他の実施形態では、カンチレバーロックアーム292の可撓性アーム部材292aは、カセット外部ハウジング壁210b内の各ロック足292fの対応する受入スロット294内に各ロック足292fを保持するための付勢力を加えなくてもよい。可撓性アーム部材292aは、ロック足292fの受入スロット294からロック足292fを係脱するために曲げることができる。
【0049】
図6Cを参照すると、様々な実施形態では、開放カム292ocは、それがオートインジェクタの挿入サイクル中にカンチレバーロックアーム292をカセット外部ハウジングから離れる方に曲げるように、ロック足292fに対して先端側に配置されてもよい。カンチレバーロックアーム292を曲げることでロック足292fを外部ハウジング内の受入スロット294から係脱し、ロック足292fが外部ハウジングに接触すること及び外部ハウジング上を摺動することを防止し、それにより、挿入サイクル中のカンチレバーロックアーム292による干渉なく内部スリーブ220が自由に移動することを可能にする。開放カム292ocの様々な実施形態は、突出面296nと結合する先端側傾斜面296rを有する雄形部材を含んでもよい。更に説明するように、オートインジェクタの挿入ドライブが係合する先端側傾斜面296rは後方に角度を成してもよい(例えば、先端側傾斜面296rの角度が突出面296nに対して270度未満且つ180度超であり得る場合)。他の実施形態では、開放カム292ocは雌部材として構成されてもよい。
【0050】
引き続き
図6Cを参照すると、アセンブリカム292acの様々な実施形態は、カセット組み立て中に内部スリーブ220が外部ハウジング210内に挿入されると、アセンブリカム292acがカンチレバーロックアーム292をカセット外部ハウジング壁210bから離れる方に曲げることができるように、ハンド部材292hの基端側縁部292peから基端側に延びてもよい。アセンブリカム292acの様々な実施形態は、突出面298nと結合する基端側傾斜面298rを有する雄形部材を含んでもよい。カセット200の組み立て中に内部スリーブ220が外部ハウジング内に挿入されると外部ハウジング底壁210bの先端側縁部に接触する基端側傾斜面298rは後方に角度を成してもよい(例えば、基端側傾斜面298rの角度が突出面298nに対して270度未満且つ180度超であり得る場合)。他の実施形態では、アセンブリカム292acは雌部材として構成されてもよい。
【0051】
他の様々な実施形態では、
図6Bに外部ハウジングの一部として示される内部スリーブロック構成の構成要素は内部スリーブ上に設けることができ、
図6Cに内部スリーブの一部として示される内部スリーブロック構成の構成要素は外部ハウジング上に設けることができることは理解されたい。他の様々な実施形態では、ロック足、スロット、アーム部材、及び/又はカムの数は上述のものよりも多く又は少なくすることができる。更に他の様々な実施形態では、カンチレバーロックアーム開放カムはオートインジェクタの挿入ドライブの挿入ラック上に設けられ得る。
【0052】
図7A~
図7Eを参照すると、内部スリーブロック構成の様々な実施形態は、オートインジェクタの挿入サイクル中に以下のように動作してもよい。
図7Aは、カセットを収容しているオートインジェクタの扉が閉じられた直後のカンチレバーロックアーム292を示す。図示されるように、ロックアーム292の開放カム292ocは、内部スリーブロック構成がロックされた位置にある(即ち、
図6Dに示すように、カンチレバーアームのロック足がカセット外部ハウジング壁内のそれらの対応する受入スロットと係合する)ように、オートインジェクタ挿入ラック332の基端側タブ332pから基端側に離隔していてもよい。更に、カセットが装填され、扉が閉じられると、オートインジェクタは、内部スリーブ220のドライブポスト268が基端側タブ332pと先端側タブ332dとの間に配置されるように、ラック332を移動させる。
【0053】
図7Bは、オートインジェクタの挿入サイクルが開始された直後のカンチレバーロックアーム292の開放カム292ocの動作を示す。図示されるように、挿入ラック332の基端側タブ332pは開放カム292ocの先端側傾斜面296rに係合するために基端側に移動しており、これによりカンチレバーロックアーム292のアーム292aを曲げ、ロックアーム292を内部スリーブ220に向かって持ち上げ、それによりロック足292fを外部ハウジング底壁210b内の受入スロット(不図示)から係脱する。同様に図示されるように、挿入ラック332の先端側タブ332dは内部スリーブ220のドライブポスト268に係合していないが、ラッチ機構280の弾性アーム280aは挿入ラック332の先端側タブ332dによって解除されようとしている。
【0054】
図7Cは、挿入ラック332の基端側タブ332pが更に基端側に移動した後のカンチレバーロックアーム292の開放カム292ocの動作を示す。図示されるように、挿入ラック332の基端側タブ332pは動作カム292ocの下に摺動してその突出面296nと係合し、カンチレバーロックアーム292を内部スリーブ220、したがって、ロック足292fに向かって完全に持ち上げているため、ロック足292fは外部ハウジング底壁210b内の受入スロット(不図示)から係脱されている。更に、挿入ラック332の先端側タブ332dは基端側に移動して、ラッチ機構280のアーム280aを開放し、それにより、内部スリーブ220のドライブポスト268をラッチ機構280から解除している。次いで、先端側タブ332dはドライブポスト268に係合する。
【0055】
図7Dは、針挿入が完了し、針後退が開始された後のカンチレバーアーム292を示す。図示されるように、挿入ラック332の基端側タブ332pは先端側に移動し、それによりロックアーム292の開放カム292ocから離れて摺動し、内部スリーブ220のドライブポスト268に係合している。挿入ラックの基端側タブ332pは開放カム292ocにもはや係合しておらず、ドライブポスト268を先端側に移動させているため、カンチレバーアーム292のアーム292aはカセット外部ハウジング壁210bに向かって下に付勢され、それにより、内部スリーブ220がハウジング210内の先端側の針が隠れる位置に戻るように駆動する際、アセンブリカム292acをカセット外部ハウジング壁210bの内部表面から離れた状態に維持しつつ、ロックアーム292のロック足292fがカセット外部ハウジング底壁210bの内部表面210に対して摺動することを可能にする。
【0056】
図7Eは、ロック足がそれらの対応する受入スロット294(不図示)に係止的に係合し、それにより内部スリーブロック構成がロックされた位置に再び配置され、内部スリーブ220のドライブポスト268がラッチ機構(不図示)内に再度留められた後のカンチレバーロックアーム292を示す。
【0057】
ここで
図8A及び
図8Bを参照して説明するように、内部スリーブロック構成の様々な実施形態は、カセット200の組み立てを容易にするように動作し得る。
図8Aは、カセット200の組み立て中、内部スリーブ220が外部カセットハウジング210の先端側開端部210de内に最初に挿入される際のカンチレバーロックアーム292を示す。図示されるように、カンチレバーロックアーム292は完全に下がった位置にあり、アーム292aはニュートラルの非付勢位置で弛緩し、アセンブリカム292acの、後方に角度を成した基端側傾斜表面298pは、カセット外部ハウジング210の先端側開端部210deのすぐ内側の持上ランプ210rに接触している。
【0058】
図8Bは、内部スリーブ220がカセット外部ハウジング210内に更に挿入された後のカンチレバーロックアーム292を示す。図示されるように、アセンブリカム292acはカセット外部ハウジング210の持上ランプ210rの上に摺動され(これは後方に角度を成した基端側傾斜面298rによって容易になる)、それにより、ロックアーム292のアーム(不図示)が曲がり、アームを内部スリーブ220に向かって持ち上げる。カンチレバーロックアーム292の持ち上げにより、内部スリーブ220がカセット外部ハウジング210内に完全に挿入される際にロック足292fがカセット外部ハウジング210に接触し、それにより、カセット外部ハウジング210と干渉することを阻止する。
【0059】
上述の実施形態では、内部スリーブロック構成は、カンチレバーロックアームが非付勢状態にあるときに内部スリーブの係止を提供する。他の様々な実施形態では、内部スリーブロック構成のカンチレバーロックアームは内部スリーブの係止を付勢された作動位置において提供するように作製され得る。このような実施形態は、例えば、所望の時に内部スリーブ、ゆえに、薬物容器を固定位置に保持するために望ましい場合がある。更に、挿入のモータが薬物容器を収容するスリーブを駆動するため、注入針の深さは制御することができる。この特徴は、ロック足受入スロット及び/又は以下で説明するカセット識別機構と併せて使用され得る。
【0060】
ここで
図9A及び
図9Bをまとめて参照すると、カセット200の様々な実施形態は、カセット200に関する情報をオートインジェクタに伝達するように作製され得るカセット識別機構410を更に含んでもよい。カセット識別機構410は、カセット外部ハウジング210の底壁210bsの外面上又はオートインジェクタによって検知及び解釈され得るカセット200の任意の他の部分に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、カセット識別機構410によって伝達される情報はコードの形態であってもよい。具体的には、カセット識別機構410は、各コードが特定のカセット200の特定の特性に対応する複数の異なるコードのうちの1つを生成するように作製されてもよい。コードは、適切に適応したオートインジェクタがオートインジェクタに挿入されたカセット200の種類、即ち、カセットが訓練用カセット(即ち、薬物入れを含まない又は空の薬物入れを含む)であるか、又は薬物が予め充填された薬物容器を収容する薬物カセットであるかどうかを判断することを可能にする。更に、カセット識別機構410によって伝達されるコードは、薬物入れに収容されている薬物が何であるか、及び/又は他のカセット/薬物容器特性をオートインジェクタに伝えることができる。また更に、コードは、カセット200がオートインジェクタ内に適切な向きで挿入されたかどうかをオートインジェクタが判断することを可能にする情報を提供してもよい。オートインジェクタは、カセット識別機構410によって伝達された情報に基づいて、適切な動作プログラムを自動的に選択する及び/又はその様々な動作パラメータを調整する(例えば、前述のマイクロプロセッサによって)ように作製され得る。例えば、オートインジェクタが訓練用カセットの挿入を検知した場合、オートインジェクタはオートインジェクタの使用に関して使用者を訓練するための訓練プログラムを自動的に選択することができる。別の例では、オートインジェクタが特定の薬物が予め充填された薬物容器を収容した薬物カセットの挿入を検知した場合、オートインジェクタは、注入速度、針挿入速度、注入前及び注入後の待機時間、針挿入深さ、温度制限等などの、その薬物を注入するための適切な動作パラメータを自動的に選択することができる。利用可能な速度範囲は、薬物容器の充填容量、及び粘度などの薬物の特性に依存し得る。オートインジェクタによるその動作パラメータの自動選択は、使用者が所与の薬物に対する適切な動作パラメータを決定し、その後、それらをオートインジェクタに手で入力しなければならない必要性を排除する。
【0061】
図10Aに示すように、カセット識別機構410の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210b上に又は底壁210b内に設けられる1つ以上の突起又はタブ410tを含んでもよい。タブ410tの数及び位置は、カセット200に関する情報を示すコード又はコードの少なくとも一部分を定義してもよい。
図8Bに示すように、カセット識別機構410は検知部370を更に含んでもよく、検知部370は、オートインジェクタの扉308が閉じられた際にカセット200がカセット支持面301sに係合するとタブ410tの数及び位置を検知するために、オートインジェクタ300のカセット支持面301s上に又はカセット支持面301s内に設けられてもよい。検知部370は、オートインジェクタ300内に収容されたマイクロプロセッサ350に通信的に結合されてもよく、それにより、オートインジェクタ300がタブ410tを検知し、カセット200に関する情報を示すコードを取得することを可能にする。様々な実施形態では、検知部370は、複数の従来の平らに面一に取り付けられたモーメンタリ押しボタンスイッチ372を含んでもよい。スイッチ372は、タブ410tの対応する1つに係合するように配置されてもよい。カセット200がオートインジェクタ300のカセット支持面301s上に支持されると、タブ410tの配置及びタブ410tが示すコードに応じて、スイッチ372のうちのいずれもカセット200のタブ410tによって作動されなくてもよく、又はいくつか若しくは全てがカセット200のタブ410tによって作動されてもよい。したがって、タブ410tによって定義されるコード及びカセット200に関してコードが示す情報は、解読のためにオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350に伝達され得る。
【0062】
タブ410tは、カセットハウジング210上の又はカセットハウジング210内のそれらの個々の位置によって互いに区別することができる。タブ410tの存在又は欠如を利用することにより、各コードが特定のカセット200又はカセットの特性を識別するように、複数の組み合わせのコードを作成することができる。
図8Aの実施形態に示されるカセット識別機構410は3つのタブ410tを含むが、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、利用可能なプログラミングコードの数を増やす又は減らすために、3つよりも多い又は少ないタブを含んでもよい。
図8Aに示される実施形態では、3つのタブ410tのうちの1つ以上の存在及び/又は欠如により、オートインジェクタ300によって検知及び解読され得る最大8つの可能な異なるカセット識別コードを提供する。前述したように、各コードによって示される情報は、オートインジェクタ300に対する複数のプログラミング命令のうちの1つを定義するために、並びに/又はカセット200が許可されたOEMデバイスであることの確認及び/若しくはオートインジェクタ300へのカセット200の適切な挿入の確認などであるがこれらに限定されない二次情報をオートインジェクタ300に伝達するために使用され得る。
【0063】
カセット識別機構410のタブ410tの他の様々な実施形態は、異なる高さを有してもよい。そのような実施形態では、オートインジェクタの押しボタンスイッチ372及びマイクロプロセッサ350はそれらを、例えば、しかし限定はしないが、押しボタンスイッチ372のボタン(図示せず)がタブ410tによりスイッチ370内のどれほど奥まで押し込まれたかによって、異なる高さのタブ410t間で区別することを可能にするように作製され得る。低いタブ410t及び高いタブ410tの両方を含む実施形態は、例えば以下の3つの考えられる状態のうちの1つにおいて、カセット外部ハウジング210上のそれぞれ考えられるタブ位置を提供することができる。即ち、
【0064】
状態1:タブが存在しない
【0065】
状態2:低いタブが存在する
【0066】
状態3:高いタブが存在する
【0067】
カセット識別機構410が、例えば、最大3つのタブ410tを含み、そのようなタブ410tがそれぞれ低い又は高い場合、オートインジェクタは、最大27個の異なるタブ状態を検知し、可能なコードの数を増やすことができる。
【0068】
図11Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、カセット200の外部ハウジング210の底壁210b内に設けられた1つ以上の凹み410iを含んでもよい。
図11Bに示すように、カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370は、凹み410iの存在又は欠如を検知するための複数の従来のポゴピンスイッチ374nを含んでもよい。コード化、検知、解読、及びパラメータ制御機能はタブ410tに関して上で述べたものとほぼ同じである。
【0069】
カセット識別機構410の凹み410iの他の様々な実施形態は、異なる深さを有することができる。そのような実施形態では、可能な異なるコードの数を増やすために、オートインジェクタのポゴピンスイッチ374及びマイクロプロセッサ350はそれらを、ポゴピンスイッチ374のピン374pが凹みによりスイッチ内のどれほど奥まで押し込まれたかによって、異なる深さの凹み間で区別することを可能にするように作製され得る。
【0070】
様々な更なる実施形態では、カセットのカセット識別機構410は、上記のタブ410tと凹み410iの組み合わせを含んでもよい。したがって、そのような実施形態のオートインジェクタは、対応する押しボタンスイッチ372及びポゴピンスイッチ374を含むように作製されてもよい。
【0071】
カセット識別機構410のタブ410t及び/又は凹み410tによって定義されるコードは、カセット200に関する情報をオートインジェクタ300に伝達し、オートインジェクタ300は、次いで、この情報を使用してそのプログラミング等を自動的に調整することができる。例えば、しかし限定はしないが、1つのタブ410t又は凹み410iは、1mLの薬物が充填された薬物容器をカセット200が収容していることを示すコードを定義してもよく、2つのタブ410t又は凹み410iは、0.5mLの薬物が充填された薬物容器をカセット200が収容していることを示すコードを定義してもよい。同一カセット識別機構内の追加的なタブ410t又は凹み410iは、薬物及び/又は薬物の特性を識別するコードを提供してもよい。別の例では、訓練用カセット用のコードは、可能な全てのタブ410t及び/又は凹み410iの存在を含んでもよい。更なる例では、タブ4105t及び/又は凹み410iのうちの1つの欠如は、特定の薬物のコードを定義してもよい。オートインジェクタパラメータを制御する目的で、異なる薬物間を区別するために又は薬物容器の欠如を示すために、タブ410t及び/又は凹み410iの異なる組み合わせを使用することができる。
【0072】
図12Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、外部ハウジング210の底壁210bの外部表面上に提供された1つ以上の平らな導電性トレース又はストリップ410sを含んでもよい。
図12Bに示すようなカセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されると導電性ストリップ410sに接触するポゴピンコネクタ376を有して作製され得る。導電性ストリップ410sは、カセットの底壁210bの外面に成形され得る、その表面上にスクリーン印刷され得る、又はその表面に感圧接着剤若しくは任意の他の適切な手段で取り付けられたフレックスケーブル材料などの別個の構成要素を含む。
【0073】
様々な実施形態では、1つ以上の導電性ストリップ410sはカセット存在センサとして動作することができ、カセット200がオートインジェクタ300の支持面301s上に取り付けられると、各導電性ストリップ410sは、2つのポゴピンコネクタ376間における検知部370の電気回路を閉じるように動作し得る。いくつかの実施形態では、導電性ストリップ410sは、一列に並んで配置されたポゴピンコネクタを接続するために直線路(例えば、
図12Aに示すような)を形成するように作製され得る、又は接続のために鋸歯状路若しくは蛇行路を要するポゴピンコネクタを接続するために蛇行路を形成するように作製され得る。他の実施形態では、導電性ストリップ410sは、検知部370の電気回路を介して検知可能なコードを定義する特定の電気抵抗、静電容量、インダクタンス等を有するように作製することができ、検知部370は更に、コード、したがって、薬物、充填容量、注入速度等などの関連するカセット情報をオートインジェクタ300のマイクロプロセッサ350に伝達する。
【0074】
図12A及び
図12Bに更に示されるように、カセット識別機構410の様々な実施形態は、上記の1つ以上の導電性ストリップ410sを1つ以上のタブ410t(及び/又は凹み410i)と組み合わせてもよい。カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370及びマイクロプロセッサ350は、適切な押しボタンスイッチ372及びポゴピンスイッチ374(及び/又はポゴピンコネクタ376)を有するように作製され得る。しかしながら、カセット識別機構410は1つ以上の導電性ストリップ410sのみを含んでもよいことは理解されたい。
【0075】
図13Aに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、カセット外部ハウジング210の底壁210bに埋め込まれた又はカセット外部ハウジング210の底壁210bの外部若しくは内部表面上に提供された1つ以上の磁石410mを含んでもよい。カセット識別機構410のそのような実施形態では、オートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図10B~
図12B)は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されると1つ以上の磁石によって作動される磁気共鳴(MR)センサ又は他の磁気検知センサとして作製され得る。1つ以上の磁石410mは、MRセンサを作動させるために十分な強度のものとすべきである。磁石及びMRセンサ構成は、単独で又は他の前述のカセット識別機構410のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0076】
図13Bに示すように、カセット識別機構410の更なる様々な実施形態は、RF識別(RFID)チップなどの高周波(RF)電磁界(EMF)発生デバイス410rfを含んでもよい。オートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図10B~
図12B)は、カセット200がオートインジェクタ300内に挿入されるとRF EMFデバイス410rfによって作動されるRFIDチップリーダなどのEMF受信デバイスとして作製され得る。RF EMFデバイス410rfは、カセット外部ハウジング210の底壁210b又はRF EMFデバイス410rfがオートインジェクタ300の検知部370と通信することを可能にするカセット200の任意の他の適切な部分に成形され得る若しくは取り付けられ得る。いくつかの例(図示せず)では、RFIDチップは、カセット200上又はカセット200の内側に配置されてもよい。例えば、RFIDチップは、カセット200の内部に配置されたシリンジ上に配置されてもよい。
【0077】
図13Cに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、1つ以上の光学機械可読(OMR)識別子410oを含んでもよい。1つ以上のOMR識別子410oは、1つ以上のバーコードラベル、1つ以上のカラーコードラベル、1つ以上の他の適切なOMR識別子、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。バーコードラベルとして組み入れられたOMR識別子410oは、1次元及び2次元マトリックスコードを含んでもよいがこれらに限定されるものではない。そのような実施形態のオートインジェクタ300の検知部370(例えば、
図10B~
図12B)は光学スキャナとして作製され得る。OMR識別子410oは、カセットの外部ハウジング210の底壁210bの外面上、又はオートインジェクタ300の検知部370と接続することができるカセット200の任意の他の適切な部分若しくは領域に設けられてもよい。
【0078】
RF EMFデバイス410rf及び1つ以上のOMR識別子ラベル410oは、カセットが予め充填された薬物容器と組み立てられる前又は組み立てられた後にカセットに適用され得る。これにより、RF EMFデバイス410rf及び/又は1つ以上のOMR識別子ラベル410oが、製造日、製造場所、薬物の使用期限、薬物を注入前に最適温度に到達させるための薬物温度安定化時間)、及びカセット200及び薬物がOEM部品であるというオートインジェクタの確認などの追加的な情報若しくはプログラミングを含むことを可能にする。
【0079】
図13Dに示すように、カセット識別機構410の他の様々な実施形態は、それぞれが構成410によって提供されるコードの一部分を定義する、上記の1つ以上の磁石410mと、RF EMFエミッタデバイス410rfと、1つ以上のOMR識別子410oと、タブ410t(及び/又は凹み410i)と、を含んでもよい。カセット識別機構のそのような実施形態では、オートインジェクタの検知部370は、カセット識別機構410の対応するカセット要素を検知するために、適切なスイッチ、センサ、受信器、及び/又はスキャナ(例えば、
図10B~
図12B)によって作製され得る。
【0080】
カセット識別機構410はまた、カセット製造及び包装プロセスの態様を制御するために使用されてもよい。
図14は、(異なる薬物及び/又は充填レベルの範囲を含む)予め充填された薬物容器の組み立てを制御し、その後、組み立て済みカセットを適切な包装ステーションに追い出す(rout)ためにカセット識別機構を使用し、異なる製品ラインを組み立てるために単一の生産又は製造ラインをいかにして使用できるかの一例を示すフローチャートを示す。ブロック500は、コンピュータ制御された製造システムを含み得る単一の製造ラインを示し、ブロック502、504、506、及び508は、それぞれタブ、凹み等の自身のカセット識別機構構成(1、2、3、又は4)を有する、ライン内の4つの組み立てられていないカセットを示し得る。各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508は、カセット識別機構構成(カセットID構成)に合致する4つの異なる薬物(A、B、C、又はD)のうちの1つを有する薬物容器と組み立てられる。
図14に示される実施形態では、製造システムは、カセットID構成1が薬物Cを識別し、カセットID構成2が薬物Bを識別し、カセットID構成3が薬物Dを識別し、カセットID構成が薬物Aを識別するようにプログラムされてもよい。
【0081】
ブロック510において、ラインの製造システムは、各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508のカセットID構成を識別する。各組み立てられていないカセット502、504、506、及び508に関して、システムはブロック512において、識別されたカセットIDを使用し、それぞれ薬物A、B、C、及びDが予め充填された薬物容器514、516、518、及び518のうちの合致する1つを選択し、それを組み立てられていないカセット502、504、506、及び508と組み立てる。したがって、ブロック512において、カセットID構成1を有する組み立てられていないカセット502は薬物Cが予め充填された薬物容器518と組み立てられ、組み立て済みカセット522を生成してもよく、カセットID構成2を有する組み立てられていないカセット504は薬物Bが予め充填された薬物容器516と組み立てられ、組み立て済みカセット524を生成してもよく、カセットID構成3を有する組み立てられていないカセット506は薬物Dが予め充填された薬物容器520と組み立てられ、組み立て済みカセット526を生成してもよく、カセットID構成4を有する組み立てられていないカセット508は薬物Aが予め充填された薬物容器514と組み立てられ、組み立て済みカセット528を生成してもよい。
【0082】
ブロック530において、製造システムは、組み立て済みカセット522、524、526、及び528をそれぞれそれらのカセットID構成1、2、3、及び4を使用して分類し、それらをそれぞれ薬物C、B、D、及びAのパッケージ532、534、536、及び538内に入れる。
【0083】
図15A及び
図15Bは、カセット200のカセットキャップ240の一実施形態をまとめて示す。カセットキャップ240は、オートインジェクタを動作させる前に使用者が薬物容器260から針シールド266を取り除くことを可能にするように薬物容器260の針シールド266に係合し、把持することにより、針シールド除去機として機能してもよい。更に、カセットキャップ240は、カセット200がオートインジェクタ内に適切に取り付けられていない場合を除いてカセット200から容易に外れることができないようにカセット外部ハウジング210に係止的に係合してもよい。これにより、例えば使用者がカセット200を取り扱っているときに、針シールド266が薬物容器260から意図せずに取り外されることを防止する。更に、シールド除去機240の存在により、カセット200が以前に使用されていない又は改ざんされていないという表示を提供する。
【0084】
図15Aに示すように、カセットキャップ240の様々な実施形態は、略円筒状部分241cによって形成された中空体241と、円筒状部分241cの側方に、円筒状部分241cと結合して配置された略矩形のキー部分(キー)241kと、を含んでもよい。カセットキャップ240は、本体241の円筒状部分241cから基端側に延びるテーパ状部分242を更に含んでもよい。外側に延びるフランジ244がテーパ状部分242を終端させ、その基端部240peにおいてカセットキャップ240を閉じる。フランジ244は、カセットがオートインジェクタ内に適切に取り付けられた後に針シールド266を薬物容器260から取り除くために使用者がカセットキャップ240を把持し、これをカセット200から引き出すことを可能にする指グリップ部材として機能してもよい。カセットキャップ240の把持及び引き出しを容易にするために、フランジ244は、器用さに問題のある使用者により容易に把持される略長円形を有してもよい。カセットをオートインジェクタのカセット扉内に挿入するための適切な方向及び向きを示すために、「矢印」アイコン243がカセットキャップ240のテーパ状部分242に設けられてもよい。
【0085】
円筒状部分241c及びキー241kはカセットキャップ240の先端部240deにおいて開放している。円筒状部分241cの開放先端部は、キー241kの開放先端部と結合する拡張可能なカラー構造体245を画定する複数の可撓性の外側に広がった舌状部245tによって形成されてもよい。
図15Cに示すように、拡張可能なカラー構造体245はカセットキャップ240がカセット内に再挿入されるのを防止する。円筒状部分241cは、円筒状部分241cが針シールドの係合及び把持を補助する金属インサート246(
図15B)を受け入れることを可能にする可撓性部材241cfを含んでもよい。
【0086】
再度
図15Aを参照すると、キー241kはその基端部を閉じる終壁241keを含んでもよい。終壁241keはキー241kの底壁241kbをわずかに越えて延びてもよく、それにより停止部241ksを形成する。
【0087】
図16Aに示すように、カセット外部ハウジング210の基端部壁210peは、孔214からハウジング210の底壁210bに向かって延びるスロット214sを含んでもよい。スロット214sは、カセットキャップ240がカセット200内にあるとき、外部ハウジング底壁210bの前縁部2101eがカセットキャップキー241kの停止部241ksに係合した状態で、カセットキャップ240のキー241kと嵌合するような大きさ及び形状にされてもよく、それによりカセットキャップ回転防止構造を形成する。
図16Bに示すように、スロット214sとキー241kによって形成された回転防止構造は、カセットキャップ240がカセット200内にあるときに(針シールド除去前)カセットキャップ240がその長手方向軸線Zの周りで回転する又は回ることを防止し、ゆえに、針シールドの回転を防止する。針シールドの回転は注入針の鋭利な端部による針シールドの切断又はコアリングを招くおそれがあるため、これは重要である。したがって、回転防止構造は、カセットキャップ240がカセット200内にあるときに針シールドを注入針による損傷から保護する。カセットキャップキー241kの停止部241ksは、カセットキャップ240が長手方向軸線Zに沿って先端側にシリンジに向かって押されるのを制限することができ、これによりまた、注入針が針シールドを貫通し、それにより針シールドを損傷することを防止する。
【0088】
再度
図15A~
図15Cを参照すると、キー241kの底壁241kbは、先端側に延びるカンチレバーばね部材247と、ばね部材247の自由端部に設けられた下方に延びる突起又はロックタブ248と、によって形成されたカセットキャップロック構造を画定してもよい。ロックタブ248は、ばね部材247の底面247bと鋭角θを画定する斜面248sによって形成されたアンダーカットを含んでもよい。
【0089】
図15B及び
図15Cに示すように、針シールド266をカセットキャップ240とともに引き出すことができるように針シールド266の外部表面を把持するために、金属管状インサート246が円筒状本体部分241cの内部表面241i上に提供されてもよい。他の様々な実施形態では、金属管状インサート246は、円筒状本体部分241cの内部表面241i上に形成された把持歯(図示せず)と置換されてもよい。カセットキャップ240は、カセット200の外部ハウジング210の基端部壁210pe内に形成された孔214内に延びてもよく、これによりカセットキャップ240のフランジ又は把持部材244をカセット200の外に配置する。カンチレバーばね部材247とロックタブ248とによって形成されたカセットキャップ240のロック構造は、カセットキャップ240をカセット200内の所定の位置に改ざんに耐える状態でロックするように、外部カセットハウジング210の辺縁基端部分内に配置されてもよい。ロックは、カセット200の外部ハウジング210の底壁210b内に画定され得るロック孔210a(
図15C)内にタブ248を押し込む又は付勢するカンチレバーばね部材247によって容易になり得る。カセット外部ハウジング210のロック孔210aと係合したロックタブ248は、カセット200がオートインジェクタ内に適切に取り付けられていない場合を除いて、カセット200からのカセットキャップ240の引き抜きを実質的に阻止する。カセットキャップ240は針シールド266に取り付けられ、カセット200内にロックされるため、オートインジェクタ内への適切な取り付けの前に針シールド266をシリンジ260から意図せずに取り外すことはできない。カセットキャップ240の存在はまた、カセット200が以前に使用されていない又は改ざんされていないという表示を提供する。
【0090】
図15Cに示すように、カセットキャップ240が取り外されると、拡張可能な部分カラー構造体245の舌状部245tは外側に拡張し又は広がり、カセットキャップ240及びそれに取り付けられた針シールド266(不図示)がカセット外部ハウジング210の基端部壁210pe内の孔214に再挿入されることを防止する。したがって、カセットキャップ240の欠如により、使用者に対し、カセット200が既に使用済みである又は改ざんされているという表示を提供する。
【0091】
図15Dは、オートインジェクタのアクセス扉(両方とも不図示)が閉じられた後のカセット200を示す。図示されるように、カセット200はオートインジェクタシャーシ301の支持面301s上に取り付けられている。シャーシ301は、信号又はデータをマイクロプロセッサに伝達することを可能にするようにオートインジェクタのマイクロプロセッサに結合されているピンスイッチPを含んでもよい。オートインジェクタカセット扉の閉鎖により、ピンスイッチPがロックタブ248を押してもよく(以下で説明するように、カセットに関する特定条件が満たされた場合)、それにより、カンチレバーばね部材247を上に曲げ、それをロックタブ248の、外部カセットハウジング210の底壁210b内のロックタブ受入孔210a(
図15C)から解放し、それにより、カセットキャップ240をカセット200からロック解除する。ロッキングタブ248がロック解除されることにより、ここで、使用者はカセットキャップ240の把持部材244を把持し、それをカセット200及びオートインジェクタから取り出すことができ、それにより、針シールド266を除去し、注入針265の覆いを取る。ピンスイッチPがロックタブ248に係合しているときにオートインジェクタのマイクロプロセッサに信号を送ることもできるため、オートインジェクタはカセット200が取り付けられたことが分かる。
【0092】
図17Aに示すように、キー241kの様々な実施形態は、それぞれキー241kの外側側壁表面241kswから延出する第1及び第2のアーム又はタブ270及び272の対を更に含んでもよい。
図17Bに示すように、第1のアーム270の対はキー241の基端部241kpeに又はその近傍に配置されてもよく、第2のアームの対はキー241kdeの先端部に又はその近傍に配置されてもよい。
図17Bに示すように、キー241kの各側部のアームは、一直線に並んだ状態で配置されてもよい。
【0093】
図18A及び
図18Bをまとめて参照すると、カセット外部ハウジング210の様々な実施形態は、その内側側壁表面210isに設けられた一対のリブ274を含んでもよい。
図18Bに示すように、外部ハウジング210の基端部壁210peに形成されたキー受入スロット214sは、カセットキャップ240がカセット200から取り外されるときに、それぞれ第1及び第2のタブ270及びタブ272の対がカセット外部ハウジング210の基端部壁210peを通過することを可能にするスロット拡張部214sxを含んでもよい。以下で更に詳細に説明するように、スロット拡張部214sxは、タブ270、272がリブ272に係合するようにリブ274の真下に配置されてもよい。
【0094】
図19A及び
図19Bにまとめて示されるように、リブ274はカセット外部ハウジング210の基端部壁210peから長手方向に延びてもよく、カセットキャップ240がカセット外部ハウジング200内に配置されているときにリブがタブ270、272の両対に係合することを可能にする長さLを有してもよい。
図19Aに示すように、カセットキー241kがカセット外部ハウジング210内に配置されているとき、キータブ270、272の上面は外部ハウジングリブ274の下面に係合してもよく、それによりカセットキャップ曲げ防止構造を形成する。他の実施形態では、キータブ270、272及びリブ267はまた、キータブ270、272の下面が外部ハウジングリブ274の上面に係合するように作製されてもよい。
【0095】
図20に示すように、曲げ防止構造は、カセットキャップ240が垂直軸(X軸)及び水平軸(Y軸)において撓む又は曲がることを防止する。垂直軸又は水平軸における撓み又は曲げは、薬物容器の注入針を曲げる又は損傷させる場合があり、したがって、曲げ防止構造は、そうした注入針の曲げ又は損傷を防止する。
【0096】
ここで
図21を参照すると、オートインジェクタシステム100は、オートインジェクタシステム100の動作を簡略化する安全且つ信頼性の高い順序で注入プロセスの工程を使用者に強制的に実行させるように作製されてもよい。使用者によって実施される動作の順序を制御することにより、注入プロセスをより信頼性の高いものにすることができる。したがって、様々な実施形態では、オートインジェクタシステム100は、以下の工程、即ち、オートインジェクタ300にカセット200を挿入する;オートインジェクタシステム100を注入のために備える;オートインジェクタ300を皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する;及び使用済みカセット200を廃棄し、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管する、を順に、使用者に強制的に実施させる又は実施させるように作製される。これらの工程を順に実施することで、オートインジェクタシステムの信頼性及び使用者の安全性を確実とする。
【0097】
上記のように、オートインジェクタ300及びカセット200の様々な実施形態は、オートインジェクタ300のマイクロプロセッサ(図示せず)にフィードバック信号を提供する機械的構造、電気機械的構造、及び他の構造を含み得る。オートインジェクタ300が、オートインジェクタシステム100が既知の構成にあるディスクリート論理「状態」において移行することを可能にするために、マイクロプロセッサには、マイクロプロセッサにより実行されると、これらの信号がマイクロプロセッサにより評価されることを可能にする命令(例えば、アルゴリズム)がプログラムされてもよい。
【0098】
ここで
図22のフローチャートとともに
図21を参照すると、オートインジェクタシステム100の様々な機能を制御するための決定論理の一実施形態が記載されている。決定論理は、以下の工程、即ち、オートインジェクタ300にカセット200を挿入する;オートインジェクタシステム100を注入のために備える;オートインジェクタ300を皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する;及び使用済みカセット200を廃棄し、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管する、を順に、使用者に強制的に実施させる。
【0099】
オートインジェクタへのカセットの挿入
使用前、ブロック500(オフ、扉閉鎖、カセットなし)において、オートインジェクタシステム100は、有効な唯一のボタンがカセット扉の開放を開始するためのもの(取出ボタン)であり、他の全てのボタンは作動停止されている状態にあってもよい。これにより、オートインジェクタシステム100を矢印502の取出ボタンを押すという1つの使用者動作のみに応答させることができ、他の全ての動作を無視させることができる又は不可能とさせることができる。ブロック504においてオートインジェクタ300のカセット扉308が開くと、使用者はカセット200を扉内に挿入してもよい。様々な実施形態では、オートインジェクタ300及びカセット200は、オートインジェクタ300のカセット扉308内の対応するスロット又はピン216と相互作用し、
図22に示すように、正しい向きにのみ挿入を可能にし、挿入軸(z軸)の周りの向きの挿入は阻止する、カセット200上の1つ以上のピン215などの、カセット200の挿入を正しい向きにのみ可能にする特定の構造を含んでもよい。カセット200はまた、x軸の周りの回転を防止するために、オートインジェクタ300のカセット扉308と合致するテーパ形状又は他の構造を有してもよい。
【0100】
使用者がカセット200を挿入するのを待つ間、オートインジェクタ300は、開始ボタン及び取出ボタンを押す等などの、扉の閉鎖以外の使用者による他の全ての動作が無視され得るブロック506において、既知の状態(扉閉鎖待機A)に移行してもよい。
【0101】
これにより、矢印508においてカセット200のある状態でカセット扉308を閉じ、注入プロセスに進む、又はオートインジェクタシステム100がブロック500の前の既知の状態に移行する際、矢印510においてカセット200のない状態で扉を閉じる、のいずれかを使用者に強いることができる。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック512において同じ状態にとどまり続ける(扉開放)。
【0102】
矢印508において使用者が未知の構成のカセット200及び/又は使用済みのカセット200のいずれかをカセット扉308内に挿入し、閉じた場合、ブロック516においてオートインジェクタシステム100はこの状態を例えば上記のカセット識別機構を使用して検知し、プロセスが次の状態に進むことを許可しない。したがって、使用者は、進むために、有効なカセット200(既知の構成及び未使用)を正しい向きでオートインジェクタ300内に挿入することを強いられる。
【0103】
オートインジェクタシステムを注入のために備える
有効なカセット200を有する状態でオートインジェクタ300のカセット扉308が閉じられると、ブロック514においてオートインジェクタシステム100はアクティブ状態に移行してもよい(デバイス起動)。この構成における使用者による次の工程は、矢印518においてカセットキャップ240を取り外すことである。上記のように、様々な実施形態では、オートインジェクタシステム100は、カセットキャップ240の存在又は欠如を検知することが可能であってもよく、また、オートインジェクタ300内に設けられ得るカセットキャップ除去機スイッチの状態の、存在から欠如への移行を監視することが可能であってもよい。この移行は、使用者によるカセットキャップ240の取り外しを検知するためにオートインジェクタシステム100によって使用されてもよく、オートインジェクタシステム100をブロック520の状態に移行させる(キャップオフ)。これにより、矢印518においてカセットキャップ240を取り外し、注入プロセスを続ける、又は矢印522において取出ボタンを押すことによりプロセスを打ち切り、ブロック524において扉を開き(扉開放A)、カセット200を取り出すことを可能にし、ブロック506においてオートインジェクタシステム100を最後の既知の状態に戻す(扉閉鎖待機A)、のいずれかを使用者に強いてもよい。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック515において同じ状態にとどまり続ける(カセットスリープ状態)。
【0104】
これらの動作が使用者によって真に意図されたものであり、誤って開始されたものではないことを確実とするために、カセットキャップ取り外し及び打ち切りプロセスはコミット動作を必要としてもよい。カセットキャップの取り外しは、使用者又は患者が針シールドを取り外すためにカセットキャップを意図的に保持し、引き抜く必要があるように、最小限の引き抜き力及び引き抜き方向を有してもよい。換言すると、カセットキャップを通常の取り扱いにより誤って取り外すことができないように、取り外すための最小限の取り外し力及び方向がある(下に真っ直ぐ引く)。打ち切りプロセスについては、これは、取出プロセスが開始される前に、矢印522において使用者にある一定時間にわたり取出ボタンを押し続けることを要求することにより実施されてもよい。
【0105】
皮膚上に配置し、注入プロセスを開始する
有効なカセット200がオートインジェクタ300内に挿入され、カセットキャップ240が取り外され、オートインジェクタシステム100がブロック520の状態(キャップオフ)で、矢印526において、使用者はオートインジェクタ300を注入部位(皮膚)上に配置してもよい。上記のように、オートインジェクタ300の様々な実施形態は、オートインジェクタシステム100が注入部位に対する近接性を検出することを可能にするための皮膚センサを含んでもよい。したがって、オートインジェクタシステム100は、注入部位が検出されたときにのみ使用者が注入プロセスを進めることを可能にすることができる。上記のように、マイクロプロセッサには、マイクロプロセッサが皮膚センサからの連続的な肯定信号を検出したときにのみ注入部位の存在を示すことを可能にする命令がプログラムされてもよい。これにより、ブロック534の状態に移行するために、使用者がプロセスに関与し、注入部位との安定な接触を有することを確実にする(注入準備完了)。上記のように、カセットキャップ240の様々な実施形態は、カセットキャップ240が取り外されるとカセット200内に再挿入されることができない構造を有してもよく、それにより、使用者がカセットキャップ240を再挿入すること、及び前の状態のブロック514(デバイス起動)に戻ることを防止する。
【0106】
これにより、ブロック534において注入プロセスを進めるために、オートインジェクタ300を注入部位に安定に接触した状態に維持すること、又は矢印522において取出ボタンを押すことによりプロセスを打ち切り、ブロック524において扉を開き、カセットを取り出すことを可能にし、ブロック506において、扉の開放後、オートインジェクタシステム100を最後の既知の状態に戻す(扉閉鎖待機A)、のいずれかを使用者に強いる。矢印530において安定な信号が得られない場合、オートインジェクタシステム100はブロック520の状態(キャップオフ)にとどまり続けてもよい。注入部位の接触が任意の時点で失われた場合、オートインジェクタシステム100はブロック520の状態(キャップオフ)に戻ってもよい。
【0107】
上記条件が満たされ、オートインジェクタシステム100がブロック526の状態(注入準備完了)になると、矢印532において、使用者はこの構成において注入を作動させる。開始されると、オートインジェクタシステム100は、その予想される構成を確認するためにカセット識別機構、皮膚センサ等を再確認してもよく、確認されると、順に、ブロック536において針注入及び薬物排出(注入進行)、ブロック538において(針後退)、ブロック540において(注入完了)、ブロック542において(プランジャ後退)、及びブロック544において(自動的に扉開放)を自動的に実行し、ブロック548においてカセットの取り出し及び廃棄(扉閉鎖待機B)を可能にしてもよい。使用者による注入開始直後に、注入プロセス中の使用者によるボタンの不意の作動を防止するために、オートインジェクタ300上の他の全てのボタン及びスイッチが無効にされてもよい。
【0108】
注入プロセス中、オートインジェクタシステム100はセンサ345を使用してプランジャロッド先端342a(
図2Hを参照)の位置を常時監視する。一定の目標排出速度を維持するために、マイクロプロセッサ350を使用し、閉ループアルゴリズムを実施することができる。このようなシステムでは、初期モータ電流はまず、特定の速度目標に対する特性決定データに基づいて設定される。排出を継続する際、センサ345を使用し、プランジャロッド先端342aの位置を所望の周波数で抽出する。時間デルタtは、この周波数の逆数から計算することができる。サンプル間の位置の変化をサンプル間のこの時間で除することにより、各サンプルの瞬間速度を求める。瞬時速度が目標速度よりも大きければ、排出モータ電流はより低くなるように瞬時に調整される。逆に、瞬時速度が目標速度よりも小さければ、排出モータ電流限界はより高くなるように瞬時に調整される。その結果、目標速度は注入の全体を通して維持される。プロセス(pocess)非効率性を調整することができるとともに、薬物の粘度のばらつき(varations)を補償することができる。更に、システム100は、ブロック564において、注入部位の接触の状態を監視する。プロセスは、任意の時点で、所定時間にわたって注入部位の接触の喪失がある(例えば、使用者がオートインジェクタ300を注入部位から意図的に取り除く又は信頼性の高い送達プロセスが保証できないような状態でその位置を調整する)場合には終了させてもよい。加えて、オートインジェクタシステム100は、注入プロセス中、ブロック560(針詰まりエラー)、ブロック562(プランジャ詰まりエラー)、ブロック566(針後退エラー)、ブロック568(デバイス故障)、及びブロック570(カセットエラー)において、様々な機械的エラーを確認してもよい。
【0109】
使用済みのカセットを廃棄し、オートインジェクタを将来の使用のために保管する
注入プロセスが完了し、オートインジェクタシステム100がブロック548(扉閉鎖待機B)の状態になると、矢印550において、使用者は、使用済みのカセット200を取り外して廃棄し、オートインジェクタ300のカセット扉308を閉じると考えられる。使用者にこれを強制的に行わせるために、オートインジェクタシステム100論理は、ブロック548の状態において、使用者が、カセット200を有する状態でオートインジェクタ300のカセット扉308を閉じることができないように構成されてもよい。矢印552において扉の閉鎖が試みられた場合、オートインジェクタシステム100はカセット200を検知し、ブロック554において扉を即座に再開放してもよい。これにより、オートインジェクタシステム100がブロック550(オフ)の状態に進み、オートインジェクタ300を将来の使用のために保管するために、使用者にカセット200のない状態でカセット扉308を強制的に閉じさせてもよい。使用者が要求された動作を実施しないことを選択した場合、オートインジェクタシステム100はブロック556(扉開放スリープB)において同じ状態にとどまり続けてもよい。
【0110】
図23~
図26を参照すると、ラッチングアセンブリ620を有するオートインジェクタ300の一実施形態が提供される。オートインジェクタ300は、シェルと内容積601とを画定するハウジング600を含んでもよい。シェルは、シェル302の特徴の全て又はいくつかを含んでもよい。カセット200などのカセットは、前述したように内容積601内に取り外し可能に配置されてもよい。扉308は、第1の端部308aに配置されたラッチング部分604を介してハウジング600に取り外し可能に結合する第1の端部308aを有してもよい。具体的には、ラッチング部分604は、第1表面605aと、第2表面605bと、第3表面605cと、第4表面605dと、によって画定される溝605を含んでもよく、且つ先頭面606を更に含んでもよい。先頭面606は扉308の細長い長さに対して約45°の角度を成し、面取りされた縁部を形成してもよい。他の角度も可能である。
【0111】
駆動機構340は、プランジャロッド342の端部342aに結合されたチューブキャップ610を更に含んでもよい。チューブキャップ610はプランジャロッド342と同様の寸法にされてもよく、プランジャロッド342の端部342aに形成されたボア342b内に摺動可能に挿入される摺動嵌合部分611を含んでもよい。摺動嵌合部分611は形状が略円筒状であってもよく、プランジャロッド342の把持部342cに係合し得る上昇した表面611aを画定してもよい。チューブキャップ610は、シリンダ613内を摺動し得る、略円筒状断面を有するピストン形部分612を更に含む。ピストン形部分612は、反対側に配置された、第1の係合面612aと、第2の係合面612bと、を形成する。
【0112】
ラッチングアセンブリ620は、スロット付きラッチハウジング622と、ラッチ部材630と、を含んでもよい。スロット付きラッチハウジング622は、ハウジング600のシェルに結合されている。スロット付きラッチハウジング622は、第1の端部622aと、第2の端部622bと、第1の端部622aと第2の端部622bとの間に延びるスロット624と、を有する。更に、スロット付きラッチハウジング622は、スロット624の近傍に配置されたアーム625から延びる突起626を有してもよい。
【0113】
ラッチ部材630は、スロット624に摺動可能に係合するタブ632を介してスロット付きラッチハウジング622に摺動可能に結合されている。ラッチ部材630は、弾性部材650を収容するための停止部636を有するボア634と、対向表面638と、対向表面638の近傍に配置され、対向表面638から外側に延びる突起640と、を更に含んでもよい。突起640は、第1の部分640aが第2の部分640bよりも広い幅を有する階段状の構成を有してもよい。このような構成は、オートインジェクタ300の様々な構成要素のための間隙を設けるために使用されてもよい。
【0114】
スロット付きラッチハウジング622がラッチ部材630に結合されているとき、弾性部材650はボア634内に配置されている。ラッチ部材630の停止部636及びラッチングアセンブリ620の突起626は、弾性部材650内に挿入され、その動きを制限してもよい。この構成では、弾性部材650はラッチ部材630をスロット付きラッチハウジング622の第2の端部622bに向かって付勢する。ラッチ部材630の対向表面638はチューブキャップ612の第1の係合面612aに接触する。チューブキャップ612がプランジャロッド342に結合されることにより、ラッチ部材630の横移動が制約され、したがって、プランジャロッド342が動くときにのみ移動が可能になる。
【0115】
新たなカセット200をハウジング600内に挿入したいとき、使用者は、任意の数の手法を用いて薬物排出ドライブ340を駆動させてもよい。
図24に示されるように、ラッチングアセンブリ620が係脱位置にある場合、薬物排出ドライブ340の作動は、まず、プランジャロッド342を後退させることで、チューブキャップ610をプランジャロッド342とともに扉308から離れる方向に移動させる。ラッチ部材630の対向表面638とチューブキャップ612の第1の係合面612aとの間の係合により、ラッチ部材630はスロット付きラッチハウジング622の第1の端部622aに向かって摺動し、ゆえに、扉308から離れ、係脱する。したがって、扉308は、ハウジング600から完全に取り外され得るか、或いは、ヒンジ式接続点(図示せず)の周りを外側に回転することが可能であってもよい。したがって、使用者はカセット200を内容積601に挿入してもよい。
【0116】
いくつかの例では、扉308が取り外される(又は開かれる)と、薬物排出ドライブ340はプランジャ342ロッドをラッチング位置に自動的に前進させてもよい。
図25及び
図26に示すように、この構成では、プランジャロッド342(したがってチューブキャップ612)は内容積601に向かって前進する。次いで、弾性部材650は、ラッチ部材630の対向表面638がチューブキャップ610の第1の係合面612aに接触するまでラッチ部材630をスロット付きラッチハウジング622の第2の端部622bに向かって付勢する。したがって、
図25に示すように、カセット200が装填され、扉308が閉じられた後、ラッチング部分604の先頭面606は突起640に接触する。先頭部604は角度を成しているため、扉308の内側の回転は先頭部604を突起640にわたって摺動させる。したがって、ラッチ部材630は弾性部材650の付勢力を克服することができ、それゆえ、ラッチ部材630はスロット付きラッチハウジング622の第1の端部622aに向かって付勢される。扉308が完全に閉鎖すると、突起640は先頭部604ともはや接触しておらず、それゆえ、弾性部材650は、突起640が溝605内に配置されるまでラッチ部材630をスロット付きラッチハウジング622の第2の端部622bに向かって再度付勢する。したがって及び
図26に示されるように、突起640の第2の部分640bは、第1表面605a及び第2表面605bと接触することによって、扉308が開くのを阻止する。
【0117】
いくつかの例では、及び
図24に示すように、扉308は、駆動機構340を作動させる前に、ハウジング600に対して配置されてもよい。そのようにして、その後、駆動機構を作動させてもよく、それにより、プランジャロッド342、ゆえに、チューブキャップ610を内容積601に向かって前進させる。この前進により、弾性部材650がラッチ部材630をスロット付きラッチハウジング622の第2の端部622に向かって付勢することが可能になり、それにより、扉308のラッチング部分604に係合し、扉308をハウジング600に固定する。
【0118】
いくつかの例(図示せず)では、駆動機構340はプランジャロッド342を内容積601に向かって第3の最終位置へと前進させてもよい。この位置において、ラッチ部材630をスロット付きラッチハウジング622の第2の端部622bに向かって更に前進させることが可能であり、それにより、突起640を溝605の更に奥に挿入する(したがって、完全に係合する)。このような構成は、扉308へのより確実な結合を提供することができ、これにより、扉308がハウジング600から取り外されることを完全に防止する。
【0119】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組み合わせを施すことができ、そうした修正、変更、及び組み合わせは本発明の概念の範囲であると解釈されることを理解するであろう。
【0120】
本特許出願の最後にある特許請求の範囲は、請求項内に明確に記載される「~ための手段(means for)」又は「~ための工程(step for)」という文言などの従来のミーンズプラスファンクションの文言が明確に記載されない限り、米国特許法第112条(f)の下で解釈されるものではない。本明細書中に記載されるシステム及び方法は、コンピュータの機能性の向上、及び従来のコンピュータの機能を向上させることを対象とする。
【0121】
薬物情報
上述したように、薬物送達デバイスの容器に薬物を充填することができる。この薬物は、以下に列挙する薬物の任意の1つ又は組み合わせとすることができ、ただし、以下のリストは、全てを包含するようにも限定するようにもみなされるべきではない。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の種類の語句と区別なく使用することができ、任意の種類の薬剤、治療用又は非治療用注射剤、例えば、伝統的及び非伝統的医薬品、機能性食品、栄養補助食品、プロドラッグ(例えば、不活性又は活性の低い状態で投与されるが、レシピエント内で切断/処理されて活性薬物を形成する化合物又は分子)、生物学的製剤、生物活性化合物、生物活性分子、生物活性剤等を意味するために用いられ得る。
【0122】
例えば、シリンジには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されていてもよい。このようなG-CSF剤としては、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられるが、これらに限定されない。他の様々な実施形態では、シリンジは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用してもよく、これらは液体又は凍結乾燥形態であってもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンα)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコールエポエチンβ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンα)、エポエチンαHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンα)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタなどの赤血球生成を刺激する任意の分子、並びにその各々の全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、及びPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレットに開示される分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0123】
ESAは、赤血球産生刺激タンパク質であり得る。本発明で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、又は誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンα、エポエチンβ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体(並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられる)、並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット、及び国際公開第2006/29094号パンフレットに開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0124】
本デバイスと共に使用するための他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本デバイスは、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質又は鉄、例えばフェルモキシトール、鉄デキストラン、グリコネート(glyconate)第二鉄及び含糖酸化鉄などの他の化学物質と共に使用され得る。医薬品は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0125】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。
【0126】
PCT国際公開第03/002713号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報の
図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は上記公報の
図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、上記公報中に記載される配列を有するもので、具体的に、上記中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれる上記公報に記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0127】
米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリー、及び配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0128】
PCT出願公開番号国際公開第2005/047331号パンフレット又はPCT出願PCT/US2004/37242号及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に上記公報に記載されるような抗体等、特に、上記公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0129】
米国特許出願公開第2004/097712号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0130】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0131】
米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、上記公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0132】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むがそれに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、それに限定されず、具体的には、ヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0133】
PCT国際公開第06/069202号パンフレットに開示される各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、上記公報に示されるIGF-1特異抗体であるL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むがそれに限定されず、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる上記公報に記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0134】
また、本発明の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある。
【0135】
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、米国特許出願公開第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、米国特許出願公開第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)に記載されている、例えば、抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18を含むがこれらに限定されない、
【0136】
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及びPCT国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むがこれらに限定されない、
【0137】
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、PCT国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、PCT国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、PCT国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及びPCT国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)、
【0138】
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むがこれらに限定されない、
【0139】
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むがこれらに限定されない、
【0140】
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むがこれらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871、
【0141】
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体と、を含むがこれらに限定されない、並びに
【0142】
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むがこれらに限定されない、
【0143】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの、
【0144】
例えば、146B7などの、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0145】
IFNγ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、例えば、IFNγ特異抗体、特に、例えば、次の特許公開において1118、1118*、1119、1121、及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列とは、それぞれ前述の公開及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。それに加えて、上記の公開文献において提供されるこれらの抗体の特性の説明もまた、その全体が参照によって本願に援用される。特異抗体には、前述の公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119、
【0146】
以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質、
【0147】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0148】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、トロンボポエチン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0149】
HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5と、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0150】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0151】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0152】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0153】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。考えられる1つの抗体は、上記の公開文献において開示されている配列番号8を含む重鎖可変領域と配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である。
【0154】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0155】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに
【0156】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンα)、Epogen(登録商標)(エポエチンα、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンα)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンalfacon-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22 mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、パキセリズマブ(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンβ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンα)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンalfa-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ)、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSA mAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン)、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23 mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.クロストリジウム・ディフィシル毒素A並びに毒素B C mAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25 mAb(HuMax-TAC)、抗CD3 mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30 mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38 mAb(HuMax CD38)、抗CD40L mAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1 mAb(CAT-213)、抗FGF8 mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12 mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23 mAb(CNTO1275)、抗IL13 mAb(CAT-354)、抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番を含む、他の例示的なタンパク質。
【0157】
ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体もまた、含まれ得る。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX又はXGEVAなどの治療薬が更に含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をデバイスに含めることができる。このようなPCSK9特異抗体としては、あらゆる目的において各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許又は特許出願、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許第8,563,698号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,859,741号明細書、米国特許第8,871,913号明細書、米国特許第8,871,914号明細書、米国特許第8,883,983号明細書、米国特許第8,889,834号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第9,056,915号明細書、米国特許第8,168,762号明細書、米国特許第9,045,547号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、米国特許出願公開第2012/0093818号明細書、米国特許出願公開第2013/0079502号明細書、米国特許出願公開第2014/0357850号明細書、米国特許出願公開第2011/0027287号明細書、米国特許出願公開第2014/0357851号明細書、米国特許出願公開第2014/0357854号明細書、米国特許出願公開第2015/0031870号明細書、米国特許出願公開第2013/0085265号明細書、米国特許出願公開第2013/0079501号明細書、米国特許出願公開第2012/0213797号明細書、米国特許出願公開第2012/0251544号明細書、米国特許出願公開第2013/0072665号明細書、米国特許出願公開第2013/0058944号明細書、米国特許出願公開第2013/0052201号明細書、米国特許出願公開第2012/0027765号明細書、米国特許出願公開第2015/0087819号明細書、米国特許出願公開第2011/0117011号明細書、米国特許出願公開第2015/0004174号明細書、米国仮特許出願第60/957,668号明細書、米国仮特許出願第61/008,965号明細書、米国仮特許出願第61/010,630号明細書、米国仮特許出願第61/086,133号明細書、米国仮特許出願第61/125,304号明細書、米国仮特許出願第61/798,970号明細書、米国仮特許出願第61/841,039号明細書、米国仮特許出願第62/002,623号明細書、米国仮特許出願第62/024,399号明細書、米国仮特許出願第62/019,729号明細書、米国仮特許出願第62/067,637号明細書、米国特許出願第14/777,371号明細書、国際出願PCT/US2013/048714号明細書、国際出願PCT/US2015/040211号明細書、国際出願PCT/US2015/056972号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、国際公開第2001/031007号パンフレット、国際公開第2009/026558号パンフレット、国際公開第2009/131740号パンフレット、国際公開第2013/166448号パンフレット、及び国際公開第2014/150983号パンフレットに開示されているようなRepatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマ)並びにその分子、変異体、類似体、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0158】
黒色腫又は他の癌の治療用のタリモジーンラハーパレプベック又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Lei et al.(2013),World J.Gastroenterol.,19:5138-5143)、G207、1716、NV1020、NV12023、NV1034、及びNV1042(Vargehes et al.(2002),CancerGene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0159】
TIMPもまた含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現される、又は及び細胞外基質内に存在し、主要なあらゆる軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ様関節炎及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割、並びに癌及び心臓血管状態において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列及びTIMP-3をコード化するDNAの拡散配列は、2003年5月13日に発行された米国特許第6,562,596号明細書において開示されており、その開示を参照によって本願に援用する。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及びPCT出願公開番号国際公開第2014/152012号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0160】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これらの分子に関するより詳しい情報は、PCT出願番号国際公開第2010/075238号パンフレットにおいて見出すことができる。
【0161】
加えて、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTe)、例えば、ブリナツモマブを、デバイスにおいて使用することができる。或いは、APJ巨大分子作動薬、例えば、アペリン又はその類似体をデバイスに含めることができる。このような分子に関する情報は、国際出願公開第2014/099984号において見出すことができる。
【0162】
ある実施形態において、薬物は、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用してもよい抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書、並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な実施形態において、薬物は、米国特許第7,982,016号明細書内にA5として示されている治療上有効な量の抗TSLP抗体を含む。
【0163】
様々な実施形態に関連して本開示について説明したが、本開示は更なる変更が可能であることが理解されよう。本開示は、概して、本開示の原理に従い、本開示が属する技術分野内の既知の且つ慣習的な実施の範囲内にある、本開示からの逸脱を含む、開示した主題の任意の変形、使用又は適合を包含するように意図されている。
【0164】
様々な例示的な実施形態に示すような薬物送達デバイス並びにその様々な構成要素及びアセンブリの構造及び構成は、単に例示的なものであることに留意されたい。本開示では、論点である主体のごくわずかな実施形態について詳細に記載しているが、本開示を検討する当業者であれば、本明細書に開示する主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更形態(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合、パラメータの値、取付構成、材料の使用、色、向き等の変形)が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品又は要素から構成することができ、その逆も可能である。また、要素の位置を反転させる又は他の方法で変更することができ、別個の要素又は位置の性質又は数を部分的に変更する又は変更することができる。したがって、こうした変更形態の全ては、添付の特許請求の範囲に定義されるように本開示の範囲内に含まれるように意図される。更に、任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態にしたがって変更する又は並べ替えることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置において、他の置換形態、変更形態、変化形態及び省略形態がなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルと内容積とを画定するハウジングと、
前記ハウジングの前記内容積内に取り外し可能に配置されるように適合されたカセットであって、更に、使用者に投与されるべき薬物を収容するように適合されている、カセットと、
前記ハウジングの前記内容積を少なくとも部分的に密閉するために前記ハウジングに結合された扉であって、ラッチング部分を画定する第1の端部を有する、扉と、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された駆動機構であって、前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させるように適合されている、駆動機構と、
前記駆動機構に結合されたラッチングアセンブリであって、第1の端部と第2の端部とを有する、ラッチングアセンブリと、
を含み、
前記駆動機構を作動させると、それによって前記駆動機構に前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させ、前記駆動機構は前記ラッチングアセンブリを前記扉の前記ラッチング部分に係合するように移動させ、前記扉を前記ハウジングに固定する、
薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記ラッチングアセンブリは、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記ハウジングの前記シェルに結合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、前記扉の前記ラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記ラッチングアセンブリは少なくとも、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に部分的に係合し、前記扉の開放を制限する第2の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に完全に係合し、前記扉の開放を制限する第3の位置と、の間で移動可能である、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記扉の前記ラッチング部分は、前記突起に係合するための角度付き先頭面を含む、請求項2又は3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記ラッチングアセンブリは、前記ラッチ部材を前記スロット付きラッチハウジングの前記第2の端部に向かって付勢するための弾性部材を更に含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記駆動機構はプランジャロッドを更に含み、前記チューブキャップは前記プランジャロッドに摺動可能に結合されている、請求項2~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記ハウジングの前記内容積にカセットを挿入するために前記扉を取り外すと、前記ラッチングアセンブリは前記扉が閉じる前に前記第2の位置に移動する、請求項3~6のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記扉はヒンジ式接続部を介して前記ハウジングに結合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記扉の前記ラッチング部分は、前記扉の動きを制限するための溝を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記カセット内に配された薬物を更に含み、前記薬物はエタネルセプトを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
薬物送達デバイスのラッチングアセンブリであって、前記薬物送達デバイス内に少なくとも部分的に配置された駆動機構によって作動され、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記薬物送達デバイスに結合されるように適合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、薬物送達デバイス扉のラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
ラッチングアセンブリ。
【請求項12】
前記ラッチングアセンブリは少なくとも、前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記薬物送達デバイス扉の開放を制限するために前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分に部分的に係合する第2の位置と、前記薬物送達デバイス扉の開放を制限するために前記突起が前記薬物送達デバイス扉の前記ラッチング部分に完全に係合する第3の位置と、の間で移動可能である、請求項11に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項13】
前記突起は前記薬物送達デバイス扉の角度付き先頭面に係合する、請求項11又は12に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項14】
前記ラッチングアセンブリは、前記ラッチ部材を前記スロット付きラッチハウジングの前記第2の端部に向かって付勢する弾性部材を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項15】
前記チューブキャップは、前記駆動機構のプランジャロッドに摺動可能に結合されている、請求項11~14のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項16】
前記薬物送達デバイス扉を取り外すと、前記ラッチングアセンブリは前記第2の位置に移動するように適合されている、請求項12に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項17】
前記突起は、前記薬物送達デバイス扉の動きを制限するために前記薬物送達デバイス扉のラッチング部分によって形成された溝に係合する、請求項11~16のいずれか一項に記載のラッチングアセンブリ。
【請求項18】
シェルと内容積とを画定するハウジングと、前記ハウジングの前記内容積内に取り外し可能に配置され、使用に投与されるべき薬物を収容するように適合されたカセットと、を有する、薬物送達デバイスに対し、取り外し可能な扉を固定する方法であって、
前記内容積を少なくとも部分的に密閉するために前記ハウジングに扉を結合することであって、前記扉は、ラッチング部分を画定する第1の端部を有する、ことと、
前記ハウジング内に駆動機構を少なくとも部分的に配置することであって、前記駆動機構は、前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させるように適合されている、ことと、
前記駆動機構を作動させると、それによって前記駆動機構に前記薬物を前記カセットから押し出すための力を作用させ、前記駆動機構が前記ラッチングアセンブリを前記扉の前記ラッチング部分に係合するように移動させ、前記扉を前記ハウジングに固定するように、第1の端部と第2の端部とを有するラッチングアセンブリを前記駆動機構に結合することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記ラッチングアセンブリは、
前記駆動機構に可動的に結合されているチューブキャップであって、第1の係合面と第2の係合面とを有する、チューブキャップと、
前記ハウジングの前記シェルに結合されたスロット付きラッチハウジングであって、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びるスロットと、を有する、スロット付きラッチハウジングと、
前記スロット付きラッチハウジングに摺動可能に結合され、前記スロットの長さに沿って移動可能なラッチ部材であって、対向表面と、前記対向表面から外側に延び、前記扉の前記ラッチング部分に係合する突起と、を有する、ラッチ部材と、
を含み、
前記チューブキャップの移動により前記ラッチ部材を前記スロットの長さに沿って移動させるように、前記チューブキャップの前記第1の係合面は前記ラッチ部材の前記対向表面に係合する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分から係脱する第1の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に部分的に係合し、前記扉の開放を制限する第2の位置と、前記突起が前記扉の前記ラッチング部分に完全に係合し、前記扉の開放を制限する第3の位置と、の間で前記ラッチングアセンブリを移動させることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ラッチ部材の前記突起を前記扉の前記ラッチング部分の先頭面と係合させることを更に含む、請求項19又は20に記載の方法。
【外国語明細書】