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特開2023-145557アルギナーゼインヒビタ及びその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145557
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】アルギナーゼインヒビタ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/69 20060101AFI20231003BHJP
   C07F 5/02 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20231003BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61K31/69
C07F5/02 F
C07F5/02 C
A61P11/00
A61P43/00 105
A61P11/06
A61P29/00
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023117406
(22)【出願日】2023-07-19
(62)【分割の表示】P 2020543307の分割
【原出願日】2019-02-15
(31)【優先権主張番号】62/631,659
(32)【優先日】2018-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/671,576
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/721,113
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/778,002
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ネイサン・ムウィナルスキ
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・グリーブ
(72)【発明者】
【氏名】サミール・カワトカル
(72)【発明者】
【氏名】モーリス・レイモンド・バーショイル・フィンレイ
(72)【発明者】
【氏名】イアン・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンヤン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ・クック
(72)【発明者】
【氏名】デドン・ウー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特発性肺線維形成、喘息、慢性閉塞性肺疾患および化学的に誘導された肺線維形成から選択される呼吸器炎症性疾患を処置するための医薬を提供する。
【解決手段】式(I)で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬である。

[式中、Rが、-NHR1aであり;R1aが、-Hまたは-C(O)CH(R1b)NHであり;そしてR1bが、-CHまたは-CH(-CHである。]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化1】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化2】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである、式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化3】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである、式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化4】
式中、Rは、-OH又は-NHである、式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式(V)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化5】
【請求項6】
式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化6】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルであり;又は代わりに、
6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化7】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化8】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである、式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化9】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである、式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化10】
式中、Rは、-OH又は-NHである、式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
式(Vb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化11】
【請求項13】
式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化12】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルであり;又は代わりに、
6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
表1の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
【請求項17】
癌を処置する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法。
【請求項18】
癌を処置するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
癌を処置するのに用いられる医薬の製造における、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
癌を処置するのに用いられる、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項21】
呼吸器炎症性疾患を処置する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法。
【請求項22】
呼吸器炎症性疾患を処置するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる医薬の製造における、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アルギナーゼは、L-アルギニンの、尿素及びL-オルニチンへの転化を触媒するマンガン金属酵素である。2つのアイソフォームが存在する:アルギナーゼ1は、肝細胞内で主に見いだされる細胞質ゾル酵素であり、尿素合成を介してアンモニアを除去する重大な役割を果たしている。そしてアルギナーゼ2は、腎臓内で高度に発現されるミトコンドリア酵素であり、細胞増殖及びコラーゲン生成にとってそれぞれ重要なポリアミン及びプロリンの前駆体であるオルニチンの生成に関与している。
【0002】
L-アルギニンは、健康な成人において、タンパク質代謝回転を介して提供され得るので、必須アミノ酸ではないが、アルギナーゼの発現及び分泌の増大は、種々の生理学的条件及び病理学的条件(例えば、妊娠、自己免疫疾患、癌)において、L-アルギニンレベルを引き下げる。特に、免疫細胞は、L-アルギニンレベルの引下げに敏感である。T細胞は、低L-アルギニン微環境に直面すると、増殖速度を引き下げ、且つCD3ζ鎖、IFNγ、及び溶解酵素の発現を低下させて、T細胞応答性を損なう。樹状細胞は、抗原提示能力を引き下げることによって、低L-アルギニン条件に応答し、そしてナチュラルキラー細胞は、溶解酵素の増殖及び発現の双方を引き下げる。
【0003】
腫瘍は、複数の免疫抑制機構を用いて、免疫系を回避する。これらの1つは、循環アルギナーゼのレベルの増大を介したL-アルギニンの低下、腫瘍細胞によるアルギナーゼの発現及び分泌の増大、並びに骨髄由来サプレッサ細胞を発現且つ分泌するアルギナーゼの動員である。併せて、これらは、腫瘍微環境及び免疫抑制性の表現型において、L-アルギニンの低下の原因となる。アルギナーゼ活性の薬理的阻害は、動物モデルにおいて、低L-アルギニン誘導免疫抑制を逆転させることが示されてきた。したがって、強力且つ選択的なアルギナーゼインヒビタが、単一の剤として、又は追加的な免疫抑制機構を逆転させる治療と組み合わされて、患者において、免疫抑制を逆転させ、且つ抗癌免疫を復活させる必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、開示されるのは、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化1】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHであり;そして
1bは、-CH又は-CH(CHである。
【0005】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化2】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである。
【0006】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化3】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである。
【0007】
一実施形態において、開示されるのは、式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化4】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHであり;そして
2bは、-CH又は-CH(CHである。
【0008】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化5】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである。
【0009】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化6】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである。
【0010】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化7】
式中、Rは、-CH又は-CH(CHである。
【0011】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IIIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化8】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである。
【0012】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化9】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである。
【0013】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化10】
式中、Rは、-OH又は-NHである。
【0014】
一実施形態において、開示されるのは、式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化11】
式中、Rは、-OH又は-NHである。
【0015】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(V)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である:
【化12】
【0016】
一実施形態において、開示されるのは、式(Vb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である:
【化13】
【0017】
一実施形態において、開示されるのは、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化14】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである。
【0018】
一実施形態において、開示されるのは、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化15】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである。
【0019】
一部の実施形態において、開示されるのは、表1の化合物、又はその医薬的に許容される塩である。
【0020】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物である。
【0021】
一部の実施形態において、開示されるのは、癌を処置する方法であって、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法である。
【0022】
一部の実施形態において、開示されるのは、癌を処置するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0023】
一部の実施形態において、開示されるのは、癌を処置するのに用いられる医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0024】
一部の実施形態において、開示されるのは、癌を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0025】
一部の実施形態において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置する方法であって、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法である。
【0026】
一部の実施形態において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0027】
一部の実施形態において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0028】
一部の実施形態において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0029】
一部の実施形態において、上述の呼吸器炎症性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】化合物Aへの化合物Bの転化を示すNMRスペクトラムを示しており、化合物Bは、100%d6-DMSO(Aとラベル付けした)、d6-DMSO中75%DO(Bとラベル付けした)、d6-DMSO中50%DO(Cとラベル付けした)、d6-DMSO中25%DO(Eとラベル付けした)、そして100%DO(Fとラベル付けした)中で調製されている。
図2】酸性化が、化合物Aへのほぼ完全な転化をどのようにもたらすかを示す、化合物Bの(DO中0.1M DCl中での)NMRスペクトルを示す。
図3】d6-DMSO中の非晶質性の物質(Bとラベル付けした)のNMRスペクトルを、d6-DMSO中の結晶性の化合物B(Aとラベル付けした)と比較しており、双方の物質とも、結晶性の化合物Bと同じ環状構造を有することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
化合物
一実施形態において、開示されるのは、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化16】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHであり;そして
1bは、-CH又は-CH(CHである。
【0032】
一実施形態において、開示されるのは、式(I)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0033】
式(I)の一部の実施形態において、Rは-NHR1aであり、そしてR1aは-Hである。
【0034】
式(I)の一部の実施形態において、Rは-NHR1aであり、R1aは-C(O)CH(R1b)NHであり、そしてR1bは-CHである。
【0035】
式(I)の一部の実施形態において、Rは-NHR1aであり、R1aは-C(O)CH(R1b)NHであり、そしてR1bは-CH(CHである。
【0036】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ia)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化17】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され;そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである。
【0037】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ia)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0038】
一部の実施形態において、式(Ia)の化合物は、式(Ia1)又は式(Ia2)によって表され:
【化18】
式中、Rは、先で定義されたのと同じである。
【0039】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-Hである。
【0040】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bは-Hであり、そしてR1cは-Hである。
【0041】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはCHOR1dであり;R1cは-Hであり、そしてR1dは-Hである。
【0042】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはCHOR1dであり;R1cは-Hであり、そしてR1dは-CHである。
【0043】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bは-(C~C)アルキルであり、そしてR1cは-Hである。一部の実施形態において、C~Cアルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0044】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはメチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0045】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはエチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0046】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはイソプロピルであり;そしてR1cは-Hである。
【0047】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはsec-ブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0048】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはイソブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0049】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはtert-ブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0050】
式(Ia)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり、そしてR1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員環を形成する。
【0051】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化19】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され;そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである。
【0052】
一実施形態において、開示されるのは、式(Ib)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(Ib)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0053】
一部の実施形態において、式(Ib)の化合物は、式(Ib1)又は式(Ib2)によって表され:
【化20】
式中、Rは、先で定義されたのと同じである。
【0054】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-Hである。
【0055】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bは-Hであり、そしてR1cは-Hである。
【0056】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはCHOR1dであり;R1cは-Hであり、そしてR1dは-Hである。
【0057】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはCHOR1dであり;R1cは-Hであり、そしてR1dは-CHである。
【0058】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bは-(C~C)アルキルであり、そしてR1cは-Hである。一部の実施形態において、C~Cアルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0059】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはメチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0060】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはエチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0061】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはイソプロピルであり;そしてR1cは-Hである。
【0062】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはsec-ブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0063】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはイソブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0064】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;R1bはtert-ブチルであり;そしてR1cは-Hである。
【0065】
式(Ib)の一部の実施形態において、R1aは-C(O)CH(R1b)NHR1cであり、そしてR1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員環を形成する。
【0066】
一実施形態において、開示されるのは、式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化21】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHであり;そして
2bは、-CH又は-CH(CHである。
【0067】
一実施形態において、開示されるのは、式(II)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(II)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0068】
式(II)の一部の実施形態において、Rは-OHである。
【0069】
式(II)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり、そしてR2aは-Hである。
【0070】
式(II)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり、R2aは-C(O)CH(R2b)NHであり、そしてR2bは-CHである。
【0071】
式(II)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり、R2aは-C(O)CH(R2b)NHであり、そしてR2bは-CH(CHである。
【0072】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化22】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され;そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、H又は-CHである。
【0073】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIa)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IIa)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0074】
式(IIa)の一実施形態において、Rは-OHである。
【0075】
式(IIa)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-Hである。
【0076】
式(IIa)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはHであり、そしてR2cはHである。
【0077】
式(IIa)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-CHOR2dであり;R2cはHであり、そしてR2dはHである。
【0078】
式(IIa)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-CHOR2dであり;R2cはHであり、そしてR2dは-CHである。
【0079】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-(C~C)アルキルであり、そしてR2cは-Hである。一部の実施形態において、C~Cアルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0080】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはメチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0081】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはエチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0082】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはイソプロピルであり;そしてR2cは-Hである。
【0083】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはsec-ブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0084】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはイソブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0085】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはtert-ブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0086】
式(IIa)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり、そしてR2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員環を形成する。
【0087】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化23】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され;そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである。
【0088】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIb)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IIb)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0089】
式(IIb)の一実施形態において、Rは-OHである。
【0090】
式(IIb)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-Hである。
【0091】
式(IIb)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはHであり、そしてR2cはHである。
【0092】
式(IIb)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-CHOR2dであり;R2cはHであり、そしてR2dはHである。
【0093】
式(IIb)の一実施形態において、Rは-NHR2aであり;そしてR2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-CHOR2dであり;R2cはHであり、そしてR2dは-CHである。
【0094】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bは-(C~C)アルキルであり、そしてR2cは-Hである。一部の実施形態において、C~Cアルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0095】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはメチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0096】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはエチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0097】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはイソプロピルであり;そしてR2cは-Hである。
【0098】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはsec-ブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0099】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはイソブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0100】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;R2bはtert-ブチルであり;そしてR2cは-Hである。
【0101】
式(IIb)の一部の実施形態において、Rは-NHR2aであり;R2aは-C(O)CH(R2b)NHR2cであり、そしてR2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員環を形成する。
【0102】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化24】
式中、Rは、-CH又は-CH(CHである。
【0103】
一実施形態において、開示されるのは、式(III)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(III)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0104】
式(III)の一部の実施形態において、Rは-CHである。
【0105】
式(III)の一部の実施形態において、Rは-CH(CHである。
【0106】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IIIa)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化25】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである。
【0107】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIIa)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IIIa)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0108】
式(IIIa)の一実施形態において、Rは-Hである。
【0109】
式(IIIa)の一実施形態において、Rは-CHOR3aであり、そしてR3aは-Hである。
【0110】
式(IIIa)の一実施形態において、Rは-CHOR3aであり、そしてR3aは-CHである。
【0111】
式(IIIa)の一実施形態において、Rは-(C~C)アルキルである。一部の実施形態において、-(C~C)アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0112】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはメチルである。
【0113】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはエチルである。
【0114】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはイソプロピルである。
【0115】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはsec-ブチルである。
【0116】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはイソブチルである。
【0117】
式(IIIa)の一実施形態において、Rはtert-ブチルである。
【0118】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化26】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである。
【0119】
一実施形態において、開示されるのは、式(IIIb)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IIIb)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0120】
式(IIIb)の一実施形態において、Rは-Hである。
【0121】
式(IIIb)の一実施形態において、Rは-CHOR3aであり、そしてR3aは-Hである。
【0122】
式(IIIb)の一実施形態において、Rは-CHOR3aであり、そしてR3aは-CHである。
【0123】
式(IIIb)の一実施形態において、Rは-(C~C)アルキルである。一部の実施形態において、-(C~C)アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、及びイソブチルから選択される。
【0124】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはメチルである。
【0125】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはエチルである。
【0126】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはイソプロピルである。
【0127】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはsec-ブチルである。
【0128】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはイソブチルである。
【0129】
式(IIIb)の一実施形態において、Rはtert-ブチルである。
【0130】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化27】
式中、Rは、-OH又は-NHである。
【0131】
一実施形態において、開示されるのは、式(IV)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IV)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0132】
式(IV)の一部の実施形態において、Rは-OHである。
【0133】
式(IV)の一部の実施形態において、Rは-NHである。
【0134】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化28】
式中、Rは、-OH又は-NHである。
【0135】
一実施形態において、開示されるのは、式(IVb)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(IVb)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0136】
式(IVb)の一部の実施形態において、Rは-OHである。
【0137】
式(IVb)の一部の実施形態において、Rは-NHである。
【0138】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(V)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である:
【化29】
【0139】
一実施形態において、開示されるのは、式(V)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(V)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0140】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(Vb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩である:
【化30】
【0141】
一実施形態において、開示されるのは、式(Vb)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(Vb)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0142】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化31】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである。
【0143】
一実施形態において、開示されるのは、式(VI)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(VI)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0144】
式(VI)の一部の実施形態において、R6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルである。
【0145】
式(VI)の一部の実施形態において、R6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである。
【0146】
一部の実施形態において、式(VI)の化合物は、式(VIa1)又は式(VIa2)によって表され:
【化32】
式中、R6a及びR6bは、先で定義されたのと同じである。
【0147】
一実施形態において、開示されるのは、式(VIa1)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(VIa1)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0148】
一実施形態において、開示されるのは、式(VIa2)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(VIa2)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0149】
式(VI)の一実施形態において、R6bは、-CH又は-CHCHNHである。
【0150】
一部の実施形態において、開示されるのは、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であり:
【化33】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである。
【0151】
一実施形態において、開示されるのは、式(VIb)の化合物である。別の実施形態において、開示されるのは、式(VIb)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0152】
式(VIb)の一実施形態において、R6bは、-CH又は-CHCHNHである。
【0153】
式(VIb)の一部の実施形態において、R6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルである。
【0154】
式(VIb)の一部の実施形態において、R6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである。
【0155】
一部の実施形態において、式(VIb)の化合物は、式(VIb1)又は式(VIb2)によって表され:
【化34】
式中、R6a及びR6bは、先で定義されたのと同じである。
【0156】
一部の実施形態において、式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(V)、及び(VI)(それらの種を含む)の化合物は、分子内環化を介して、式(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(IVb)、(Vb)、及び(VIb)の化合物(それらの種を含む)に転化され、そして逆も同じである。すなわちこれは、相互転化プロセスである。式(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IV)、(V)、及び(VI)(それらの種を含む)の化合物、並びに式(Ib)、(IIb)、(IIIb)、(IVb)、(Vb)、及び(VIb)の化合物(それらの種を含む)はそれぞれ、部分的又は完全に、条件、例えば、媒体(例えば溶媒)の温度、圧力、湿度、pH、及び/又は組成等に応じて、他のものに転化される。これは、以下のスキームで説明され:
【化35】
式中、Rは、先の式(Ia)及び式(Ib)において定義されたのと同じである。
【0157】
一部の実施形態において、開示されるのは、表1の化合物、又はその医薬的に許容される塩である:
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】
【表5】
【0163】
【表6】
【0164】
文言「C~Cアルキル」は、1~4個の炭素原子を有する非環式アルキル部分を含む。C~Cアルキル部分の例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルが挙げられる。
【0165】
文言「薬学的に許容される塩」は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物の生物学的有効性及び特性を保持する酸付加塩又は塩基付加塩を含み、これらは典型的に、生物学的に又はその他の場合は不所望でない。多くの場合において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物は、塩基性基及び/若しくはカルボキシル基、又はそれらに類似の基の存在によって、酸性塩及び/又は塩基性塩を形成することができる。
【0166】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸により、そして有機酸により形成され得、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物塩/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、塩化物塩/塩酸塩、クロルテオフィロン酸塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヒプル酸、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、次サリチル酸塩、硫酸塩/硫酸水素塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩がある。塩が由来し得る無機酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等が挙げられる。塩が由来し得る有機酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、及びスルホサリチル酸等が挙げられる。
【0167】
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基により、そして有機塩基により形成され得る。塩が由来し得る無機塩基として、例えば、アンモニア及びアンモニウムの塩、並びに周期表の第I~XII列由来の金属が挙げられる。特定の実施形態において、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅に由来する;特に適切な塩として、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの塩が挙げられる。塩が由来し得る有機塩基として、例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、置換アミン(天然に存在する置換アミン、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる)が挙げられる。特定の有機アミンとして、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリナート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジン、及びトロメタミンが挙げられる。
【0168】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物の薬学的に許容される塩は、従来の化学方法によって、塩基性部分又は酸性部分から合成され得る。通常、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸形態を、適切な塩基の化学量論的な量と反応させることによって(例えば、Na、Ca2+、Mg2+、又はK水酸化物塩、炭酸塩、又は重炭酸塩等)、又はこれらの化合物の遊離塩基形態を、適切な酸の化学量論的な量と反応させることによって、調製され得る。そのような反応は典型的に、水中で、若しくは有機溶媒中で、又は2つの混合液中で実行される。通常、実行可能であれば、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリル等の非水性媒体の使用が所望される。追加の適切な塩のリストが、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、20th ed.Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985);Berge et al.,J.Pharm.Sci.,1977,66,1-19、及び「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Stahl and Wermuth (Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002))において見出され得る。
【0169】
また、本明細書中に与えられるあらゆる式は、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物について、非標識形態、及び同位体的に標識された形態を表すことが意図される。同位体的に標識された化合物が、本明細書中に与えられる式によって示される構造を有する。但し、1つ以上の原子が、質量数が異なるが、同じ元素の一原子によって置換されていることを除く。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物中に組み込まれ得る同位体、並びにそれらの薬学的に許容される塩の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、15N、35S、36Cl、及び125Iが挙げられる。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の同位体的に標識された化合物は、通常、当業者に知られている従来の技術によって、又は、先で使用された非標識試薬の代わりに、適切な、同位体的に標識された試薬を用いて、添付の実施例に記載されるものに類似したプロセスによって、調製されてもよい。
【0170】
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物は、様々な異性体形態を有し得る。文言「光学異性体」、「立体異性体」、又は「偏左右異性体」は、種々の立体異性配置のいずれかを指し、これらは、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の所定の化合物について、存在してもよい。置換基が、炭素原子のキラル中心に結合されてもよいので、開示される化合物として、鏡像異性体、偏左右異性体、及びラセミ化合物が挙げられることが理解される。用語「鏡像異性体」は、互いの重ね合わせることができない鏡像である立体異性体の対を含む。一対の鏡像異性体の1:1の混合物が、ラセミ混合物である。当該用語は、必要に応じて、ラセミ混合物を表すのに用いられる。用語「偏左右異性体」は、少なくとも2つの非対称原子を有するが、互いの鏡像でない立体異性体を含む。絶対立体化学は、Cahn-Ingold-Prelog R-S系に従って明記される。化合物が純粋な鏡像異性体である場合、各キラル中心の立体化学は、R又はSによって明記される場合がある。絶対配置が不明である分割化合物(resolved compound)は、ナトリウムD線の波長にて平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)に基づいて、(+)又は(-)と指定される場合がある。式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1のいくつかの化合物は、1つ以上の非対称の中心又は軸を含有し、そして故に、絶対立体化学に関して、(R)-又は(S)-として定義され得る鏡像異性体、偏左右異性体、又は他の立体異性形態を生じさせ得る。本開示は、そのような考えられる全ての異性体(ラセミ混合物、光学的に純粋な形態、及び中間混合物が挙げられる)を含むことが意図されている。光学活性(R)-異性体及び(S)-異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を用いて調製されてもよいし、当該技術において周知の従来技術、例えばキラルHPLCを用いて分割されてもよい。
【0171】
また、本明細書中で開示されるのは、実施例中の中間体1~48、及びそれらの塩である。
【0172】
医薬組成物
一部の実施形態において、開示されるのは、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、又は表1の化合物、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物である。
【0173】
文言「薬学的に許容されるキャリア」は、適切な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触がある使用に適した、当業者によって確認される過剰な毒性も、炎症も、アレルギー反応も、他の問題及び複雑化もない化合物、材料、組成物、及び/又は剤型を含む。
【0174】
開示される組成物は、経口用途(例えば、タブレット、ロゼンジ、硬カプセル又は軟カプセル、水性又は油性の懸濁液、エマルジョン、分散性の粉末又は顆粒、シロップ又はエリキシルとして)に、局所的用途(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性の溶液若しくは懸濁液として)に、通気による投与(例えば、微細に分割された粉末又は液体エーロゾルとして)に、吸入による投与(例えば、微細に分割された粉末として)に、又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、若しくは筋肉内投薬用の滅菌水性若しくは油性の溶液として、又は直腸投薬用の坐薬として)に適した形態であってもよい。
【0175】
単一の剤型を生成するために1つ以上の薬学的に許容されるキャリアと組み合わされる活性成分の量は、必然的に、処置される宿主、及び特定の投与経路によって変わることとなる。投与経路及び投薬レジームの更なる情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の第5巻の第25.3章を参照されたい。
【0176】
治療ユーティリティ
本化合物は、アルギナーゼインヒビタとして治療に有用である。
【0177】
一態様において、開示されるのは、癌を処置する必要がある対象において癌を処置する方法であって、対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む方法である。
【0178】
一態様において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置する必要がある対象において呼吸器炎症性疾患を処置する方法であって、対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む方法である。
【0179】
一態様において、開示されるのは、癌を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0180】
一態様において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0181】
一態様において、開示されるのは、癌を処置する医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又は薬学的に許容される塩の使用である。
【0182】
一態様において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置する医薬の製造における、式(I)、(Ia)(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又は薬学的に許容される塩の使用である。
【0183】
一態様において、開示されるのは、癌を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0184】
一態様において、開示されるのは、呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0185】
用語「癌」は、例えば、腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、肺癌(例えば、肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC)、中皮腫)、膵癌、結腸直腸癌、乳癌、急性骨髄性白血病(AML)、前立腺癌、胃癌、膀胱癌、黒色腫、腎癌、及び卵巣癌を含む。一部の実施形態において、癌は転移癌である。一部の実施形態において、癌は、アルギナーゼ1及び/又はアルギナーゼ2の調節と関連する。
【0186】
一部の実施形態において、癌は、血漿アルギナーゼ1レベルの増大と関連する。一部の実施形態において、癌は、血漿アルギニンレベルの減少と関連する。一部の実施形態において、癌は、血漿アルギナーゼ1レベルの増大及び血漿アルギニンレベルの減少の双方と関連する。一部の実施形態において、血漿アルギナーゼ1レベルの増大及び/又は血漿アルギニンレベルの減少と関連する癌として、腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、肺癌(例えば、肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC)、中皮腫)、膵癌、結腸直腸癌、及び乳癌が挙げられる。
【0187】
一部の実施形態において、癌、例えば、急性骨髄性白血病及び前立腺癌は、アルギナーゼ2を分泌する。
【0188】
一部の実施形態において、癌、例えば、肺癌(肺小細胞癌(SCLC)、非肺小細胞癌(NSCLC))、胃癌、膀胱癌、結腸直腸癌、黒色腫、頭頸部扁平上皮癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵癌、及び腎癌は、アルギナーゼ1陽性腫瘍浸潤免疫細胞と関連する。
【0189】
用語「呼吸器炎症性疾患」は、気腔、肺血管構造、肺間質、又はそれらの組合せに影響を与える炎症性の症状又は障害を指す。これは、肺に限定され得(isolated to)、又は複数の臓器に関与し得る。一実施形態において、呼吸器炎症性疾患は、炎症性肺疾患である。別の実施形態において、炎症性肺疾患は、非感染性である。
【0190】
一部の実施形態において、呼吸器炎症性疾患は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、化学的に誘導された肺線維形成、特発性肺線維形成、嚢胞性線維症、又はそれらの組合せである。一部の実施形態において、呼吸器炎症性疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は喘息である。
【0191】
一態様において、開示されるのは、アルギナーゼを阻害する必要がある対象においてアルギナーゼを阻害する方法であって、対象に、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の有効な量を投与することを含む方法である。
【0192】
一態様において、開示されるのは、アルギナーゼを阻害するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0193】
一態様において、開示されるのは、アルギナーゼを阻害する医薬の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0194】
一態様において、開示されるのは、アルギナーゼを阻害するのに用いられる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、若しくは表1の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0195】
用語「アルギナーゼ」は、L-アルギニンをL-オルニチン及び尿素に転化する尿素サイクルにおける第5工程及び最終工程を触媒するユーロヒドラーゼ(uerohydrolase)ファミリに属するマンガン含有酵素を含む。用語「アルギナーゼ」は、酵素の2つのイソ酵素、例えば、尿素サイクルにおいて機能し、且つ肝臓の細胞質内に主に存在するアルギナーゼ1、及び体中のいくつかの組織のミトコンドリア内に存在し、且つ細胞内でのアルギニン/オルニチン濃度の調節に関係するアルギナーゼ2を含む。一部の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩は、アルギナーゼ1に対して選択的である。一部の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩は、アルギナーゼ2に対して選択的である。一部の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩は、アルギナーゼ1及びアルギナーゼ2の双方を阻害する。
【0196】
文言「有効な量」は、対象において生物学的又は医学的応答、例えば、アルギナーゼ若しくは癌に関係する酵素活性若しくはタンパク質活性の引下げ若しくは阻害、癌の病徴の改善、又は癌の経過の減速若しくは遅延を誘発することとなる、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、又は表1の化合物の量を含む。一部の実施形態において、文言「有効な量」は、対象に投与された場合に、対象において、癌を少なくとも部分的に軽減し、阻害し、且つ/若しくは改善する、又はアルギナーゼを阻害する、且つ/又は腫瘍の増殖又は癌性細胞の増殖を引き下げ、又は阻害するのに有効である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、又は表1の化合物の量を含む。
【0197】
用語「対象」は、温血哺乳動物、例えば、霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスを含む。一部の実施形態において、対象は、霊長類、例えばヒトである。一部の実施形態において、対象は、癌を患っている。一部の実施形態において、対象は、処置が必要である(例えば、対象は、処置から生物学的に、又は医学的に利益を得ることとなる)。一部の実施形態において、患者は、癌を患っている。一部の実施形態において、対象は、血漿アルギナーゼ1レベルが増大している。一部の実施形態において、対象は、アルギニンレベルが減少している。一部の実施形態において、患者は、血漿アルギナーゼ1レベルが増大しており、且つアルギニンレベルが減少している。一部の実施形態において、対象は、アルギナーゼ2を分泌する癌(例えば、急性骨髄性白血病又は前立腺癌)を有する。一部の実施形態において、対象は、アルギナーゼ1陽性腫瘍浸潤免疫細胞を有する。
【0198】
文言「阻害する」、「阻害」、又は「阻害すること」は、生物活性又はプロセスのベースライン活性の低下を含む。一部の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IV)、(IVb)、(V)、(Vb)、(VI)、(VIb)(それらのあらゆる亜属又は種を含む)、及び表1の化合物は、アルギナーゼを阻害する。
【0199】
文言「処置する」、「処置すること」、及び「処置」は、アルギナーゼに関係する酵素活性若しくはタンパク質活性の引下げ若しくは阻害、又は対象における、癌の1つ以上の病徴の改善、又は対象における癌の経過の減速若しくは遅延を含む。また、文言「処置する」、「処置すること」、及び「処置」は、対象における腫瘍の増殖又は癌性細胞の増殖の引下げ又は阻害を含む。
【実施例0200】
本開示の特定の化合物及び中間体の調製、並びに本開示の化合物を用いる方法を詳細に記載する、以下の非限定的な例の参照によって、本開示の態様をさらに定義することができる。材料及び方法の双方に対する多くの修飾が、本開示の要旨を逸脱しない範囲で実践されてよいことが、当業者に明らかであろう。
【0201】
特に明記しない限り:
(i)全ての合成を、特に明記しない限り、周囲温度にて、すなわち17~25℃の範囲内で、そして不活性ガス、例えば窒素の雰囲気下で実行した;
(ii)蒸発を、ロータリエバポレーションによって、又はGenevac機器若しくはBiotage v10真空エバポレータを利用して実行し、そして仕上げ手順を、濾過による残留固体の除去後に実行した;
(iii)フラッシュクロマトグラフィ精製を、パック済みのRediSep Rf Gold(商標)Silica Columns(20~40μm、球形粒子)、GraceResolv(商標)Cartridges(Davisil(登録商標)シリカ)、又はSilicycleカートリッジ(40~63μm)を用いた自動化Teledyne Isco CombiFlash(登録商標)Rf又はTeledyne Isco CombiFlash(登録商標)Companion(登録商標)で実行した;
(iv)分取クロマトグラフィを、UVコレクションによるGilson prep HPLC機器で実行した;代わりに、分取クロマトグラフィを、MS-及びUV-トリガコレクションによるWaters AutoPurification HPLC-MS機器で実行した;
(v)キラル分取クロマトグラフィを、UVコレクション(233個のインジェクタ/画分コレクタ、333及び334個のポンプ、155個のUV検出器)によるGilson機器、又はGilson305インジェクションでランするVarian Prep Star機器(2×SD1ポンプ、325個のUV検出器、701個の画分コレクタ)ポンプで実行した;代わりに、キラル分取クロマトグラフィを、MS-及びUV-トリガコレクションによるWaters Prep 100 SFC-MS機器、又はUVコレクションによるThar MultiGram III SFC機器で実行した;
(vi)存在する場合、収量は、必ずしも、達成できる最大量であるわけではない;
(vii)一般に、式Iの最終生成物の構造を、核磁気共鳴(NMR)分光法によって確認した;NMR化学シフト値を、デルタスケールで測定した[プロトン磁気共鳴スペクトルを、Bruker Avance III 600(600MHz)、Bruker Avance 400(400MHz)、Bruker Avance 300(300MHz)、又はBruker DRX 500(500MHz)機器を用いて求めた];測定を、特に明記しない限り、周囲温度にて行った;以下の略語を用いた:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;dd、ダブレットのダブレット;ddd、ダブレットのダブレットのダブレット;dt、トリプレットのダブレット;bs、広いシグナル。
(viii)また、一般に、式Iの最終生成物を、液体クロマトグラフィ(LCMS又はUPLC)後の質量分光法によって特徴付けた;Waters SQ質量分析計を取り付けたWaters UPLCを用いて(カラム温度40℃、UV=220~300nm又は190~400nm、Mass Spec=正/負スイッチングによるESI)、97%A+3%B~3%A+97%Bの溶媒系を用いて、1mL/分の流量にて、1.50分にわたって(平衡が出発条件その他に戻る総ランタイム、1.70分)、UPLCを実行した。ここで、A=水中0.1%ギ酸若しくは0.05%トリフルオロ酢酸(酸性研究について)、又は水中0.1%水酸化アンモニウム(塩基性研究について)、及びB=アセトニトリルである。酸性分析に用いたカラムは、Waters Acquity HSS T3(1.8μm、2.1×50mm)であり、塩基性分析に用いたカラムは、Waters Acquity BEH C18(1.7μm、2.1×50mm)であった。これ以外にも、Waters SQ質量分析計を取り付けたWaters UPLCを用いて(カラム温度30℃、UV=210~400nm、Mass Spec=正/負スイッチングによるESI)、2~98%Bの溶媒勾配を用いて1mL/分の流量にて、1.5分にわたって(平衡が出発条件に戻る総ランタイム、2分)、UPLCを実行した。ここで、A=水中0.1%ギ酸、及びB=アセトニトリル中0.1%ギ酸(酸性研究について)、又はA=水中0.1%水酸化アンモニウム及びB=アセトニトリル(塩基性研究について)である。酸性分析に用いたカラムは、Waters Acquity HSS T3(1.8μm、2.1×30mm)であり、塩基性分析に用いたカラムは、Waters Acquity BEH C18(1.7μm、2.1×30mm)であった;Waters ZQ ESCi質量分析計を取り付けたWaters Alliance(2795)及びPhenomenex Gemini-NX C18(5μm、110A、2.1×50mmカラム)を用いて、4分にわたる、0.5分の保持の、1.1mL/分の95%A~95%Bの流量にて、LCMSを実行した。ここで、A=アセトニトリル中0.1%ギ酸及びB=0.1%ギ酸(酸性研究について)、又はA=水中0.1%水酸化アンモニウム及びB=アセトニトリル(塩基性研究について)である。加えて、Shimadzu LCMS-2020質量分析計を取り付けたShimadzu UFLC、及びWaters HSS C18(1.8μm、2.1×50mm)、Shim-pack XR-ODS(2.2μm、3.0×50mm)、又はPhenomenex Gemini-NX C18(3μm、3.0×50mm)カラムを用いて、0.7mL/分(Waters HSS C18カラムについて)、1.0mL/分(Shim-pack XR-ODSカラムについて)、又は1.2mL/分(Phenomenex Gemini-NX C18について)の流量にて、2.2分にわたる、0.6分の保持の、95%A~95%Bにて、LCMSを実行した。ここで、A=水中0.1%ギ酸若しくは0.05%トリフルオロ酢酸(酸性研究について)、又は水中0.1%水酸化アンモニウム若しくは6.5mM炭酸アンモニウム(塩基性研究について)、及びB=アセトニトリルである。報告した分子イオンは、特に明記しない限り、[M+H]+に相当する;複数の同位体パターンがある分子(Br、Clその他)について、報告した値は、特に明記しない限り、最も低い同位体質量について得られたものである。
(ix)イオン交換精製を、通常、SCX-2(Biotage)カートリッジを用いて実行した。
(x)中間体の純度を、薄層クロマトグラフィ、質量分光法、LCMS、UPLC/MS、HPLC(高速液体クロマトグラフィ)、及び/又はNMR分析によって評価した;
(xi)以下の略語を用いた:
EtOH:エタノール
EtOAc:酢酸エチル
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
MeOH:メタノール
TFA:トリフルオロ酢酸
MeCN:アセトニトリル
LCMS:液体クロマトグラフィ-質量分析
rt又はRT:室温
aq:水性
THF:テトラヒドロフラン
KHMDS:カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
DCM:ジクロロメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
HATU:(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)
BOC:tert-ブトキシカルボニル
DTNB:5,5’-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)
TNB:2-ニトロ-5-チオ安息香酸
HEPES:(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)
【0202】
実施例1:(R)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化36】
中間体1:(3S,7aR)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン
2,2,2-トリクロロエタン-1,1-ジオール(2.155g、13.03mmol)を、D-プロリン(1.00g、8.69mmol)のCHCl溶液(100mL)に、窒素下で加えた。反応フラスコは、逆ディーンスタークトラップを備えた。反応混合液を加熱して、48時間、撹拌により還流させた。反応混合液を、室温に冷却して、DCM(100mL)で希釈して、水(2×200mL)及び飽和ブライン(2×200mL)で順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、蒸発させて、粗生成物を得た。粗物質を、EtOHから結晶化によって精製して、生成物(中間体1、1.13g、53.2%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.66-2.41(4H,m),3.05-3.20(1H,m),3.40-3.50(1H,m),4.10-4.20(1H,m),5.18(1H,s).
【0203】
中間体2:(3S,7aS)-7a-((E)-4-ブロモブタ-2-エニル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン
LDAの溶液(THF/ヘプタン/エチルベンゼン中2.0M、2.05mL、4.09mmol)を、(3S,7aR)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン(中間体1、1.00g、4.09mmol)のTHF溶液(500mL)に、-78℃にて、窒素雰囲気下で滴加した。生じた溶液を、-78℃にて20分間撹拌した。(E)-1,4-ジブロモブタ-2-エン(875mg、4.09mmol)を、THF溶液(2mL)として、反応混合液に滴加した。反応混合液を-78℃にて30分間撹拌してから、さらに2時間撹拌しながら室温に温めた。反応混合液を蒸発させて乾燥させて、生じた残留物を、EtOAc(20mL)中に希釈して、水(2×20mL)及び飽和ブライン(2×20mL)で順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体2、760mg、49%の収率)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.55-1.75(1H,m),1.85-2.25(3H,m),2.52-2.73(2H,m),3.14-3.32(2H,m),3.89-4.10(2H,m),5.01(1H,s),5.79-5.99(2H,m);m/z(ES)[M+H]=378.
【0204】
中間体3:(3S,7aS)-7a-((E)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブタ-2-エニル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン
Pd(dba)(85.0mg、0.0928mmol)を、(3S,7aS)-7a-((E)-4-ブロモブタ-2-エニル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン(中間体2、700mg、1.85mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(942mg、3.71mmol)のTHF溶液(30mL)に、窒素雰囲気下で加えた。生じた混合液を、60℃に加熱して、5時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却して、濃縮して乾燥させた。生じた残留物を、EtOAc(50mL)で希釈して、水及び飽和ブラインで順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。生じた粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、生成物(中間体3、510mg、65%の収率)を得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ 1.28(12H,s),1.58-1.80(2H,m),1.83-2.12(3H,m)2.42-2.65(1H,m),3.20(1H,dd),3.47(1H,q),3.71(1H,t),3.90(1H,t),4.98(1H,s),5.38-5.53(1H,m),5.64-5.83(1H,m);m/z(ES)[M+H]=424.
【0205】
中間体4:(3S,7aR)-7a-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン
Pd/C(10wt%、125mg、0.12mmol)を、(3S,7aS)-7a-((E)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブタ-2-エニル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン(中間体3、500mg、1.18mmol)のMeOH溶液(5mL)に加えた。反応フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて30分間撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮して乾燥させて、粗生成物(中間体4、390mg、78%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。m/z(ES)[M+H]=426.
【0206】
実施例1:(R)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
水性濃HCl(1.00mL、12.0mmol)を、(3S,7aR)-7a-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)-3-(トリクロロメチル)テトラヒドロピロロ[1,2-c]オキサゾール-1(3H)-オン(中間体4、300mg、0.703mmol)及びフェニルボロン酸(172mg、1.41mmol)の1,4-ジオキサン溶液(20mL)に加えた。生じた溶液を、80℃に15時間加熱した。反応混合液を室温に冷却して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、分取LCMS(XBridge Prep C18 OBDカラム、5μシリカ、19×150mm、HO(w/0.05%TFA/MeCN)によって精製した。純粋な画分を収集して、濃縮して乾燥させて、(R)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例1、85mg、37%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ 0.63-0.74(2H,m),1.09-1.27(2H,m),1.27-1.37(2H,m),1.65-1.75(1H,m),1.77-2.08(4H,m),2.25-2.37(1H,m),3.21-3.37(2H,m);m/z(ES+)[M+H]=216.
【0207】
実施例2:(2R,4S)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸
【化37】
中間体5:(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(5.00g、21.6mmol)をDMF(73mL)中に溶解して、溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60%分散系)(1.81g、45.3mmol)を少量ずつ加えて、懸濁液を0℃にて1時間撹拌した。臭化ベンジル(12.9mL、108mmol)を加えて、反応混合液を一晩、RTにゆっくり温めながら撹拌した。粗反応混合液を、酢酸エチル(250mL)で希釈して、クエン酸(10%aq)及び水で順次洗浄した。有機質をNaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体5、5.5g、62%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.28-1.40(9H,s x2)回転異性体,2.20(1H,dd),2.36-2.45(1H,m),3.37(1H,dd),3.51-3.58(1H,m),4.14(1H,br s),4.33-4.50(3H,m),4.94-5.17(2H,m),7.25-7.32(10H,m);m/z(ES)[M+H]=412.
【0208】
中間体6:(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体5、2.75g、6.68mmol)及び臭化クロチル(1.03mL、10.0mmol)を、THF(45mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。溶液を、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、20.1mL、10.0mmol)の滴加により処理した。反応混合液を、室温にゆっくり温めて、3時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を真空内で除去した。粗混合液を、DCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体6、2.54g、82%の収率)を、回転異性体及びE/Zオレフィンの混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.20-1.41(9H,s x2)回転異性体,1.54-1.62(3H,m),2.10-2.59(3H,m),2.67-2.97(1H,m),3.10-3.43(1H,m),3.50-3.78(1H,m),3.98-4.15(1H,m),4.34-4.49(2H,m),4.94-5.13(2H,m),5.18-5.30(1H,m),5.38-5.63(1H,m),7.25-7.36(10H,m);m/z(ES)[M+H]=466.
【0209】
中間体8:(2R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(0.366g、0.550mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(0.419g、1.09mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(31mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.74mL、12.0mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体6、2.54g、5.46mmol)を、DCM溶液(21mL)としての反応液に加えて、反応混合液を一晩撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、水でクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体7、2.0g、61%の収率)を回転異性体の混合物として得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、21.2×250mm、5μm、温度=23℃、移動相=0~15%MeOH:CO2、UV検出@220nm、ローディング=33mg/inj、conc=MeOH中220ng/mL、流量=75mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。立体化学は、メジャーな異性体について、アンチ付加生成物として割り当て、そしてマイナーな異性体について、シン付加生成物として割り当てた。マイナーな異性体(368mg、0.620mmol)を、酢酸エチル(6.2mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、132mg、0.124mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を、減圧下で濃縮して、(2R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体8、228mg、98%の収率)を回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.57-0.74(2H,m),1.17(12H,s),1.24-1.47(13H,m),1.59-1.78(1H,m),1.78-1.96(1H,m),2.01-2.20(2H,m),2.84-3.09(1H,m),3.58-3.73(1H,m),4.14-4.31(1H,m),4.98-5.09(1H,m),12.20-12.60(1H,m);m/z(ES)[M+H]=414.
【0210】
実施例2:(2R,4S)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.65mL、8.4mmol)を、(2R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体8、175mg、0.423mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(3mL)及び1M aq HCl(3mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(103mg、0.847mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物を、カラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%~100%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4S)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(実施例2、33mg、33%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ 0.67-0.78(2H,m),1.08-1.41(4H,m),1.81-2.12(3H,m),2.51(1H,dd),3.22-3.37(2H,m),4.46-4.56(1H,m);m/z(ES)[M+H]=232.
【0211】
実施例3:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸
【化38】
中間体9:(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(5.00g、21.6mmol)を、DMF(73mL)中に溶解して、溶液を0℃に冷却した。水素化ナトリウム(鉱油中60wt%、1.81g、45.4mmol)を少量ずつ加えて、懸濁液を0℃にて1時間撹拌した。臭化ベンジル(12.86mL、108.1mmol)を加えて、反応混合液を、RTにゆっくり温めながら一晩撹拌した。粗反応混合液を酢酸エチル(250mL)で希釈して、クエン酸(10%aq)及び水で順次洗浄した。有機質をNaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体9、5.9g、66%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 1.27-1.39(9H,s x2)回転異性体,1.95-2.08(1H,m),2.34-2.47(1H,m),3.41-3.53(2H,m),4.17(1H,br s),4.28(1H,q),4.43-4.55(2H,m),5.06-5.22(2H,m),7.25-7.41(10H,m);m/z(ES)[M+H]=412.
【0212】
中間体10:(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体9、2.75g、6.68mmol)及び臭化クロチル(1.03mL、10.0mmol)を、THF(45mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。溶液を、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、20.1mL、10.0mmol)の滴加により処理した。反応混合液を、室温にゆっくり温めて、3時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を真空内で除去した。粗混合液をDCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体10、1.23g、40%の収率)を、回転異性体及びE/Zオレフィンの混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.25-1.34(9H,s x2)回転異性体,1.45-1.63(3H,m),2.12-2.64(2H,m),2.64-3.04(1H,m),3.06-3.19(1H,m),3.31-3.45(1H,m),3.46-3.81(1H,m),4.03-4.21(1H,m),4.30-4.55(2H,m),4.90-5.16(2H,m),5.16-5.34(1H,m),5.38-5.68(1H,m),7.25-7.41(10H,m).m/z(ES)[M+H]=466.
【0213】
中間体12:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(177mg、0.264mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(203mg、0.527mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体をDCM(15mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.84mL、5.8mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を室温にて10分間撹拌した。(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体10、1.23g、2.64mmol)を、DCM溶液(10mL)としての反応液に加えて、反応混合液を一晩撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、水でクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(ベンジルオキシ)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体11、950mg、60%の収率)を得た。精製した物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、21.2×250mm、5μm、温度=23℃、移動相=0~15%MeOH:CO2、UV検出@220nm、ローディング=33mg/inj、conc=MeOH中220ng/mL、流量=75mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。立体化学は、メジャーな異性体について、アンチ付加生成物として割り当て、そしてマイナーな異性体について、シン付加生成物として割り当てた。メジャーな異性体(385mg、0.649mmol)を、酢酸エチル(6.4mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、138mg、0.130mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を、減圧下で濃縮して、生成物(中間体12、249mg、93%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.61-0.73(2H,m),0.97-1.11(1H,m),1.12-1.23(12H,m),1.25-1.44(12H,m),1.51-1.71(1H,m),1.84-2.04(2H,m),2.05-2.19(2H,m),3.12-3.29(1H,m),3.37-3.59(1H,m),4.09-4.23(H,m);m/z(ES)[M+H]=414.
【0214】
実施例3:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.65mL、8.5mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体12、197mg、0.179mmol)のDCM溶液(3mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(3mL)及び1M aq HCl(3mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(102mg、0.837mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(実施例3、25mg、25%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 0.68-0.78(2H,m),1.13-1.43(4H,m),1.64-1.79(1H,m),1.94-2.14(2H,m),2.47(1H,d),3.39(2H,m),4.46-4.53(1H,m).m/z(ES)[M+H]=232.
【0215】
実施例4:(2S,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化39】
中間体13:(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
メタンスルホニルクロリド(0.71mL、9.2mmol)を、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(2.45g、7.26mmol)及びトリエチルアミン(1.27mL、9.15mmol)のDCM溶液(9.6mL)に0℃にて滴加した。反応混合液を0℃にて1時間撹拌してから、さらに1時間撹拌しながら室温に温めた。反応混合液をジクロロメタンで希釈して、水で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,4R)-4-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(2.9g、95%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。m/z(ES)[M+H]=400.アジ化ナトリウム(1.65g、25.4mmol)を、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2S,4R)-4-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(2.90g、7.26mmol)のDMF溶液(7.2mL)に加えた。反応混合液を50℃に加熱して、一晩撹拌した。反応混合液を室温に冷却して、濃縮した。生じた残留物を、EtOAcで希釈して、水で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体13、2.00g、80%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.27及び1.40(9H,s x2)回転異性体,1.96-2.02(1H,m),2.53-2.63(1H,m),3.24-3.29(1H,m),3.58-3.66(1H,m),4.32-4.41(2H,m),5.06-5.22(2H,m),7.33-7.39(5H,m);m/z(ES)[M+H]=347.
【0216】
中間体14:(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体13、1.00g、2.89mmol)及び臭化クロチル(0.44mL、4.3mmol)を、THF(20mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。溶液を、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、8.66mL、4.33mmol)の滴加により処理した。反応混合液を、室温にゆっくり温めて、3時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を真空内で除去した。粗混合物をDCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体14、750mg、65%の収率)を、回転異性体及びE/Zオレフィンの混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.25-1.34(9H,s x2)rotomers,1.55-1.64(3H,m),1.99-2.15(1H,m),2.33-2.62(2H,m),2.73-3.10(1H,m),3.26-3.39(1H,m),3.52-3.84(1H,m),4.24-4.33(1H,m),5.03-5.21(2H,m),5.28-5.35(1H,m),5.49-5.65(1H,m),7.31-7.36(5H,m);m/z(ES)[M+H]=401.
【0217】
中間体16:(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート及び中間体17:(2R,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(126mg、0.188mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(144mg、0.375mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(10mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.60mL、4.1mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体14、750mg、1.87mmol)を、DCM溶液(8mL)としての反応液に加えて、反応混合液を室温にて一晩撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、水でクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体15、678mg、68%の収率)を得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、21.2×250mm、5μm、温度=23℃、移動相=0~15%MeOH:CO2、UV検出@220nm、ローディング=33mg/inj、conc=MeOH中220ng/mL、流量=75mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。立体化学は、メジャーな異性体について、アンチ付加生成物中間体16として割り当て、そしてマイナーな異性体について、シン付加生成物中間体17であった。
【0218】
中間体16(異性体1、608mg):(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.64-0.72(2H,m),1.04-1.12(1H,m),1.13-1.20(12H,m),1.22-1.39(12H,m),1.69-1.80(1H,m),2.01-2.23(2H,m),2.36-2.48(1H,m),3.35-3.42(1H,m),3.58-3.69(1H,m),4.33(1H,quin),5.05-5.17(2H,m),7.31-7.40(5H,m);m/z(ES)[M+H]=529.
【0219】
中間体17(異性体2、220mg):(2R,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。
【0220】
中間体18:(2S,4S)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2S,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体16、255mg、0.483mmol)を、酢酸エチル(5mL)及びメタノール(5mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、128mg、0.120mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を、減圧下で濃縮して、生成物(中間体18、190mg、95%の収率)を、回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.66(2H,t),0.88-1.03(1H,m),1.16(12H,s),1.24-1.38(13H,m),1.40-1.56(1H,m),1.80-1.91(1H,m),2.00-2.15(2H,m),3.17-3.28(1H,m),3.58-3.61(1H,m),3.80(1H,dd),9.01(2H,br s);m/z(ES+)[M+H]+=413.
【0221】
実施例4:(2S,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.71mL、9.2mmol)を、(2S,4S)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体18、190mg、0.461mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(3mL)及び1M aq HCl(3mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(112mg、0.919mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%アセトニトリル)によって精製して、(2S,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例4、40mg、37%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 0.73(2H,t),1.10-1.42(4H,m),1.69(1H,ddd),1.86-1.99(1H,m),2.10-2.30(2H,m),3.05(1H,dd),3.44(1H,dd),3.69(1H,quin);m/z(ES)[M+H]=231.
【0222】
実施例5:(2R,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化40】
中間体19:(2R,4S)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4S)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体17、220mg、0.416mmol)を、酢酸エチル(5mL)及びメタノール(5mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、111mg、0.104mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を減圧下で濃縮して、生成物(中間体19、150mg、87%の収率)を回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.64-0.71(2H,m),1.17(12H,s),1.31-1.40(15H,m),1.49-1.93(3H,m),2.02-2.26(3H,m),3.38-3.47(1H,m),3.72-3.81(1H,m);m/z(ES)[M+H]=413.
【0223】
実施例5:(2R,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.56mL、7.3mmol)を、(2R,4S)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体19、150mg、0.364mmol)のDCM溶液(3mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(2mL)及び1M aq HCl(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(99mg、0.81mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%、0~100%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4S)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例5、33mg、39%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ 0.72(1H,m),1.11-1.39(3H,m),1.46-1.55(1H,m),1.63-1.79(2H,m),1.95-2.05(1H,m),2.58-2.65(1H,m),2.87-2.95(1H,m),3.48-3.58(3H,m);m/z(ES)[M+H]=231.
【0224】
実施例6:(2S,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化41】
中間体20:(2S,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
メタンスルホニルクロリド(2.86mL、36.7mmol)を、(2S,4S)-1-tert-ブチル2-メチル4-ヒドロキシピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(7.50g、30.6mmol)及びトリエチルアミン(5.11mL、36.7mmol)のDCM溶液(38mL)に0℃にて滴加した。反応混合液を0℃にて1時間撹拌してから、さらに1時間撹拌しながら室温に温めた。反応混合液をジクロロメタンで希釈して、水で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(9.9g、100%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。m/z(ES)[M+NH=341.
【0225】
アジ化ナトリウム(5.96g、91.7mmol)を、1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4S)-4-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(9.89g、30.6mmol)のDMF溶液(30mL)に加えた。反応混合液を50℃に加熱して、一晩撹拌した。反応混合液を室温に冷却して、濃縮した。生じた残留物を、EtOAcで希釈して、水で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体20、5.95g、72%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.33及び1.40(9H,s x2)回転異性体,2.08-2.22(1H,m),2.26-2.41(1H,m),3.41(1H,dt),3.48-3.61(1H,m),3.65及び3.68(3H,s x2)回転異性体,4.22(1H,dd),4.30-4.43(1H,m);m/z(ES)[M+H]=271.
【0226】
中間体21:(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水酸化ナトリウム(5.28g、132mmol)の水溶液(22mL)を、(2S,4R)-1-tert-ブチル2-メチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体20、5.95g、22.0mmol)のTHF(44mL)及びMeOH(22mL)溶液に0℃にて滴加した。反応混合液を、室温にゆっくり温めながら、一晩撹拌した。揮発性物質を真空内で除去して、水性層を5M HClで約3のpHに酸性化して、DCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、(2S,4R)-4-アジド-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(5.64g、100%の収率)を回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.35及び1.40(9H,s x2)回転異性体,2.07-2.18(1H,m),2.26-2.38(1H,m),3.34-3.44(1H,m),3.48-3.63(1H,m),4.09-4.17(1H,m),4.30-4.37(1H,m);m/z(ES)[M+HCOO]=301.
【0227】
臭化ベンジル(2.83mL、23.8mmol)を、(2S,4R)-4-アジド-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボン酸(5.19g、19.9mmol)及びトリエチルアミン(3.46mL、24.8mmol)のDMF溶液(60mL)に滴加して、反応混合液を室温にて一晩撹拌した。揮発性物質を真空内で除去して、生じた残留物をEtOAc中に溶解して、水で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体21、5.09g、74%の収率)を得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.26及び1.39(9H,s x2)回転異性体,2.11-2.23(1H,m),2.31-2.43(1H,m),3.43(1H,ddd),3.50-3.59(1H,m),4.25-4.40(2H,m),5.07-5.22(2H,m),7.31-7.40(5H,m);m/z(ES)[M+H]=347.
【0228】
中間体22:(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体21、5.09g、14.7mmol)及び臭化クロチル(2.27mL、22.0mmol)を、THF(100mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。溶液を、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、44.1mL、22.0mmol)の滴加により処理した。反応混合液を室温にゆっくり温めて、3時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を真空内で除去した。粗混合液をDCMで希釈して、層を分離させた。有機層を水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、生成物(中間体22、4.6g、78%の収率)を、回転異性体及びE/Zオレフィンの混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 1.26-1.43(9H,m),1.59-1.66(3H,m),2.07-2.17(1H,m),2.32-2.48(2H,m),2.57-3.12(2H,m),3.35-3.82(1H,m),4.20-4.38(1H,m),5.02-5.22(2H,m),5.24-5.41(1H,m),5.46-5.68(1H,m),7.28-7.42(5H,m);m/z(ES)[M+H]=401.
【0229】
中間体24:(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート及び中間体25:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(772mg、1.15mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(883mg、2.30mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体をDCM(66mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(3.67mL、25.3mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を室温にて10分間撹拌した。(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(ブタ-2-エニル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体22、4.60g、11.5mmol)を、DCM溶液(44mL)としての反応液に加えて、反応混合液を一晩撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、水でクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体23、2.7g、44%の収率)を得た。精製物質を、キラルSFC(Chiralpak IGカラム、21.2×250mm、5μm、温度=23℃、移動相=0~7%MeOH(w/0.2%NHOH):CO、UV検出@220nm、ローディング=16.8mg/inj、conc=MeOH中112.5ng/mL、流量=70mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。立体化学は、メジャーな偏左右異性体中間体25について、アンチ付加生成物として割り当て、そしてマイナーな偏左右異性体中間体24について、シン付加生成物であった。
【0230】
中間体24(436mg):(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 0.58-0.70(2H,m),1.17(12H,s),1.25-1.40(13H,m),1.74-1.83(1H,s),2.00-2.11(2H,m),2.38-2.47(1H,m),3.07-3.16(1H,m),3.81(1H,m),4.29-4.34(1H,m),5.04-5.17(2H,m),7.34-7.39(m,5H);m/z(ES)[M+H]=529.
【0231】
中間体25(1.60g):(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 0.56-0.73(2H,m),0.98-1.13(1H,m),1.17(12H,s),1.26-1.37(13H,m),1.66-1.79(1H,m),2.01-2.22(2H,m),2.34-2.47(1H,m),3.60(1H,br dd),4.29-4.35(1H,m),5.04-5.18(2H,m),7.31-7.40(5H,m);m/z(ES)[M+H]=529.
【0232】
中間体26:(2S,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2S,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体24、236mg、0.447mmol)を、酢酸エチル(4.5mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、119mg、0.112mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を減圧下で濃縮して、生成物(中間体26、275mg、100%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.64-0.71(2H,M),1.17(12H,s),1.27-1.40(15H,m),1.57-1.82(4H,m),1.98-2.08(3H,m),3.70-3.78(1H,m);m/z(ES)[M+H]=413.
【0233】
実施例6:(2S,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.69mL、8.9mmol)を、(2S,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体26、184mg、0.446mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(2mL)及び1M aq HCl(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(109mg、0.894mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~100%アセトニトリル)によって精製して、(2S,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例6、38mg、37%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,DO)δ 0.72(2H,td),1.09-1.19(1H,m),1.22-1.39(3H,m),1.65-1.76(2H,m),1.95-2.04(1H,m),2.58-2.64(1H,m),2.87-2.94(1H,m),3.48-3.57(2H,m);m/z(ES)[M+H]=231.
【0234】
実施例7:(2R,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化42】
中間体27:(2R,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体25、688mg、1.30mmol)を、酢酸エチル(13mL)及びメタノール(4mL)中に溶解して、Pd/C(10%wt、346mg、0.325mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、メタノールでリンスした。濾液を減圧下で濃縮して、生成物(中間体27、500mg、93%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.67(2H,t),0.94-1.00(1H,m),1.17(12H,s),1.22-1.38(11H,m),1.43-1.53(1H,m),1.85(1H,d),2.00-2.15(2H,m),3.23(2H,dd),3.58-3.61(1H,m),3.80-3.88(1H,m),8.96(2H,m);m/z(ES)[M+H]=413.
【0235】
実施例7:(2R,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.02mL、13.3mmol)を、(2R,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体27、275mg、0.667mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(2mL)及び1M aq HCl(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(163mg、1.34mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%~100%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-アミノ-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例7、53mg、34%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(400MHz,D2O)δ 0.76(2H,dt),1.10-1.46(4H,m),1.62-1.71(1H,m),1.84-1.96(1H,m),2.10-2.21(1H,m),2.22-2.32(1H,m),3.07(1H,dd),3.46(1H,dd),3.71(1H,quin);m/z(ES)[M+H]=231.
【0236】
実施例8:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化43】
中間体28:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリエチルアミン(0.18mL、1.3mmol)及びHATU(213mg、0.560mmol)を順次、Boc-Ala-OH(106mg、0.560mmol)のDMF溶液(2.4mL)に加えて、反応液を室温にて30分間撹拌した。(2R,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体27、210mg、0.509mmol)を、DMF溶液(2.4mL)としての反応混合液に加えた。反応液を、室温にて一晩撹拌した。粗反応混合液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって直接精製して、生成物(中間体28、236mg、79%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.65-0.72(2H,m),1.11-1.18(18H,m),1.26-1.37(20H,m),1.63-1.73(1H,m),2.02-2.25(2H,m),3.09-3.20(1H,m),3.59-3.72(1H,m),3.83-3.94(1H,m),4.18-4.29(1H,m),6.80(1H,br s),7.96(1H,s),13.78(1H,br s);m/z(ES)[M+H]=584.
【0237】
実施例8:(2R,4R)-4((S)-2-アミノプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.62mL、8.1mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体28、236mg、0.404mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(2mL)及び1M aq HCl(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(99mg、0.81mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4((S)-2-アミノプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例8、18mg、15%の収率)を、白色の固体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.69(2H,dt),1.05-1.14(1H,m),1.21(3H,d),1.23-1.35(3H,m),1.65(1H,dt),1.91-1.96(1H,m),2.17(1H,dd),2.35(1H,dd),3.26(1H,dd),3.46-3.57(2H,m),4.29-4.34(1H,m);m/z(ES)[M+H]=302.
【0238】
実施例9:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化44】
中間体29:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリエチルアミン(0.21mL、1.5mmol)及びHATU(254mg、0.668mmol)を順次、Boc-Val-OH(145mg、0.668mmol)のDMF溶液(2.9mL)に加えて、反応液を室温にて30分間撹拌した。(2R,4R)-4-アミノ-1-(tert-ブトキシカルボニル)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体27、250mg、0.606mmol)を、DMF溶液(2.9mL)としての反応混合液に加えた。反応液を、室温にて一晩撹拌した。粗反応混合液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって直接精製して、生成物(中間体29、250mg、67%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d)δ 0.64-0.73(2H,m),0.73-0.85(6H,m),1.13-1.14(1H,m),1.17(12H,s),1.22-1.42(22H,m),1.56-1.75(1H,m),1.79-1.97(1H,m),2.00-2.26(2H,m),3.08-3.24(1H,m),3.54-3.77(2H,m),4.12-4.36(1H,m),6.58(1H,t),7.96-8.03(2H,m);m/z(ES)[M+H]=584.
【0239】
実施例9:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.63mL、8.2mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体29、250mg、0.409mmol)のDCM溶液(4mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて1時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(2mL)及び1M aq HCl(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(99mg、0.81mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて1時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、2Mアンモニア/メタノールを用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~10%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例9、28mg、20%の収率)を、白色の固体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(300MHz,DO)δ 0.66-0.76(2H,m),0.85(6H,dd),1.07-1.43(4H,m),1.55-1.68(1H,m),1.77-1.97(2H,m),2.13-2.33(2H,m),3.07(1H,d),3.08-3.16(1H,m),3.37-3.48(1H,m),4.27-4.40(1H,m);m/z(ES)[M+H]=330.
【0240】
実施例10:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化45】
中間体30:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
リンドラー触媒(5wt%、0.275g、2.58mmol)を、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アジド-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体25、1.56g、2.95mmol)のTHF溶液(25mL)に加えた。懸濁液を、水素雰囲気(バルーン、フラスコを排気して、水素で充填し直し×3)下で、室温にて8.5時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濾液を濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM中1~15%MeOH)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、1.01g、68%の収率)をガムとして、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.74(2H,q),1.20-1.22(14H,m),1.23-1.29(2H,m),1.32(6H,s),1.37-1.42(5H,m),1.74-1.83(1H,m),1.83-1.93(1H,m),2.11-2.19(0.6H,m),2.21-2.32(1.4H,m),3.19(0.4H,dd),3.28(0.6H,dd),3.44-3.51(1H,m),3.63(1H,dd),5.07-5.20(2H,m),7.28-7.34(1H,m),7.34-7.41(4H,m);m/z(ES)[M+H]=503.
【0241】
中間体31:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.235mL、1.34mmol)を、HATU(245mg、0.64mmol)及びBoc-D-Val-OH(117mg、0.54mmol)の撹拌DMF溶液(2mL)に、室温にてゆっくり加えた。溶液を20分間撹拌してから、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、270mg、0.54mmol)のDMF溶液(2mL)を加えた。反応液を2.5時間撹拌して、DCM(30mL)で希釈して、水(3×25mL)及び飽和水性塩化ナトリウム(30mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中5~65%EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体31、239mg、63%の収率)を無色の泡として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.74-0.81(2H,m),0.84(3H,d),0.87-0.94(3H,m),1.24(12H,s),1.26-1.34(2H,m),1.37(5H,s),1.40-1.43(2H,m),1.45(4H,s),1.46(9H,s),1.78-1.89(1H,m),1.95-2.07(2H,m),2.21-2.29(0.6H,m),2.31-2.46(1.4H,m),3.51-3.60(1.5H,m),3.65(0.5H,br d),3.72(1H,br dd),4.49-4.58(1H,m),5.01(1H,br d),5.19-5.29(2H,m),6.93-7.09(1H,m),7.36-7.40(1H,m),7.43(4H,app d);m/z(ES)[M+H]=702.
【0242】
中間体32:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、25mg、0.23mmol)を、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体31、239mg、0.34mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。懸濁液を、水素雰囲気(バルーン、フラスコを排気して、水素で充填し直し×3)下で、室温にて2時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濾液を濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM中2~15%MeOH)によって精製して、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体32、196mg、94%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.63-0.71(2H,m),0.75-0.82(6H,m),1.15(12H,s),1.21-1.30(2H,m),1.32(6H,s),1.36(13H,br s),1.61-1.72(1H,m),1.81-1.90(1H,m),1.92-2.05(2H,m),2.05-2.13(0.6H,m),2.13-2.28(1.4H,m),3.03-3.14(1H,m),3.62(0.6H,t),3.66(1.4H,t),4.18-4.29(1H,m),6.59(1H,d),7.99(1H,br s),12.48(0.4H,br s),12.65(0.6H,br s);m/z(ES)[M+H]=612.
【0243】
実施例10:(2R,4R)-4-((R)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.37mL、4.8mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((R)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体32、195mg、0.32mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に滴加した。反応溶液を室温にて22時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。粗アミノ酸を、1M HCl aq(2mL)及びEtO(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(117mg、0.96mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて5時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~80%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((R)-2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例10、46mg、44%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.73-0.80(2H,m),0.90(6H,app t),1.13-1.25(1H,m),1.26-1.35(1H,m),1.40(2H,quin),1.68-1.80(1H,m),1.85-1.96(1H,m),2.00(1H,td),2.29(1H,dd),2.37-2.45(1H,m),3.18(1H,d),3.28(1H,dd),3.59(1H,dd),4.36-4.49(1H,m);m/z(ES)[M+H]=330.
【0244】
実施例11:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化46】
中間体33:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.165mL、0.95mmol)を、HATU(158mg、0.42mmol)及びBoc-Tle-OH(92mg、0.40mmol)の撹拌DMF溶液(1.5mL)に、室温にてゆっくり加えた。溶液を15分間撹拌してから、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、190mg、0.38mmol)のDMF溶液(1.5mL)を加えた。反応液を3時間撹拌して、EtOAc(30mL)で希釈して、水(3×25mL)、飽和水性NaHCO(30mL)、及び飽和水性塩化ナトリウム(30mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中5~65%EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体33、261mg、96%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.69(2H,q),0.87(9H,s),1.17(12H,s),1.26(5H,s),1.29-1.32(1H,m),1.34(5H,s),1.38(9H,s),1.72-1.85(1H,m),1.90-2.08(2H,m),2.06-2.18(1H,m),2.22-2.35(2H,m),3.11-3.22(1H,m),3.68-3.81(2H,m),4.23-4.37(1H,m),5.06-5.19(2H,m),6.40(1H,t),7.31-7.40(5H,m),8.11(1H,d);m/z(ES)[M+Na]=738.
【0245】
中間体34:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、25mg、0.23mmol)を、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体33、260mg、0.36mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。懸濁液を、水素雰囲気(バルーン、フラスコを排気して、水素で充填し直し×3)下で、室温にて15時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濾液を濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM中2~10%MeOH)によって精製して、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体34、207mg、91%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.63-0.72(2H,m),0.86(9H,s),1.09-1.20(14H,m),1.21-1.30(2H,m),1.33(5H,s),1.35-1.38(13H,m),1.61-1.73(1H,m),1.89-2.11(2H,m),2.14-2.27(1H,m),3.06-3.14(1H,m),3.59-3.72(1H,m),3.72-3.80(1H,m),4.20-4.30(1H,m),6.35(1H,d),8.08(1H,br s),12.47(0.4H,br s),12.63(0.6H,br s);m/z(ES)[M+H]=626.
【0246】
実施例11:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.38mL、4.9mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体34、206mg、0.33mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に滴加した。反応液を室温にて15時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。粗アミノ酸を、1M HCl aq(4mL)及びEtO(4mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(120mg、0.99mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて3時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中2~50%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例11、40mg、35%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.72(2H,td),0.89(9H,s),1.10-1.21(1H,m),1.22-1.30(1H,m),1.35(2H,quin),1.64-1.75(1H,m),1.90-2.02(1H,m),2.22-2.34(2H,m),3.04(1H,s),3.22(1H,dd),3.56(1H,dd),4.41(1H,quin);m/z(ES)[M+H]=344.
【0247】
実施例12:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4((S)-ピロリジン-2-カルボキサミド)ピロリジン-2-カルボン酸
【化47】
中間体35:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.182mL、1.04mmol)を、HATU(175mg、0.46mmol)及びBoc-Pro-OH(94mg、0.44mmol)の撹拌DMF溶液(1.5mL)に室温にてゆっくり加えた。溶液を20分間撹拌してから、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、210mg、0.42mmol)のDMF溶液(1.5mL)を加えた。反応液を2時間撹拌して、EtOAc(30mL)で希釈して、水(3×25mL)、飽和水性NaHCO、及び飽和水性塩化ナトリウム(30mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中5~100%EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体35、249mg、85%の収率)を無色の膜として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.68-0.79(2H,m),1.20(12H,s),1.31(5H,s),1.36-1.48(16H,m),1.74-1.87(3H,m),1.89-2.10(3H,m),2.13-2.46(2H,m),3.27-3.40(1H,m),3.44(2H,br s),3.50-3.64(2H,m),3.78-4.05(1H,m),4.49(1H,br s),5.10-5.27(2H,m),7.10(1H,br s),7.30-7.42(5H,m);m/z(ES)[M+H]=700.
【0248】
中間体36:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、25mg、0.23mmol)を、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体35、249mg、0.36mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。懸濁液を、水素雰囲気(バルーン、フラスコを排気して、水素で充填し直し×3)下で、室温にて5時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濾液を減圧下で濃縮して、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体36、207mg、87%の収率)を無色の膜として、そして回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.66-0.83(2H,m),1.21(12H,s),1.34-1.51(21H,m),1.63-1.97(4H,m),2.06(1H,m),2.11-2.29(2H,m),2.33-2.67(1H,m),3.24-3.52(3H,m),3.53-3.67(1H,m),4.15-4.34(1H,m),4.47-4.74(1H,m),6.76-7.23(1H,m),7.17-7.69(1H,m),9.74(1H,br s);m/z(ES)[M+H]=610.
【0249】
実施例12:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4((S)-ピロリジン-2-カルボキサミド)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.518mL、6.73mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-2-カルボキサミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体36、205mg、0.34mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に滴加した。反応液を室温にて2時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。粗アミノ酸を、1M HCl aq(4mL)及びEtO(4mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(123mg、1.01mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて2時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~50%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-((S)-ピロリジン-2-カルボキサミド)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例12、89mg、81%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.70-0.79(2H,m),1.11-1.23(1H,m),1.24-1.33(1H,m),1.34-1.42(2H,m),1.60-1.71(1H,m),1.81-1.91(3H,m),1.91-1.99(1H,m),2.18(1H,dd),2.22-2.29(1H,m),2.40(1H,dd),3.08-3.16(1H,m),3.16-3.22(1H,m),3.25(1H,dd),3.48(1H,dd),3.99(1H,dd),4.29-4.38(1H,m);m/z(ES)[M+H]=328.
【0250】
実施例13:(2R,4R)-4-(2-アミノアセトアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化48】
中間体37:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.182mL、1.04mmol)を、HATU(175mg、0.46mmol)及びBoc-Gly-OH(77mg、0.44mmol)の撹拌DMF溶液(1.5mL)に室温にてゆっくり加えた。溶液を20分間撹拌してから、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、210mg、0.42mmol)のDMF溶液(1.5mL)を加えた。反応溶液を2時間撹拌して、EtOAc(30mL)で希釈して、水(3×25mL)、飽和水性NaHCO、及び飽和水性塩化ナトリウム(30mL)で順次洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中10~100%EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体37、235mg、85%の収率)を無色の膜として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.70-0.78(2H,m),1.12-1.18(1H,m),1.20(12H,s),1.25-1.30(1H,m),1.33(5H,s),1.43(15H,s),1.74-1.86(1H,m),1.95(0.5H,br d),2.03(0.5H,br d),2.15-2.26(1H,m),2.26-2.37(1H,m),2.40(1H,dd),3.43-3.57(3H,m),3.57-3.64(1H,m),4.50(1H,br s),5.03(0.5H,br s),5.10(0.5H,br s),5.13-5.25(1H,m),7.01(1H,dd),7.32-7.37(1H,m),7.36-7.41(4H,m);m/z(ES)[M+H]=660.
【0251】
中間体38:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、25mg、0.23mmol)を、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体37、233mg、0.35mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。懸濁液を、水素雰囲気(バルーン、フラスコを排気して、水素で充填し直し×3)下で、室温にて6時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濾液を濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体38、176mg、87%の収率)を無色の膜として、そして回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.65-0.80(2H,m),1.11-1.18(1H,m),1.18-1.23(12H,m),1.25-1.32(1H,m),1.36-1.45(13H,m),1.47(7H,s),1.70-1.83(0.4H,m),1.84-1.95(0.6H,m),2.06-2.27(2H,m),2.33-2.47(0.4H,m),2.63(0.6H,br d),3.44-3.62(2H,m),3.63-3.82(2H,m),4.28(0.6H,br s),4.36-4.60(0.4H,m),5.26(0.6H,br s),5.58-5.90(0.3H,m),6.83(0.6H,br s),6.97-7.44(0.4H,m);m/z(ES)[M+H]=570.
【0252】
実施例13:(2R,4R)-4-(2-アミノアセトアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.476mL、6.18mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)アセトアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体38、176mg、0.31mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に滴加した。反応溶液を室温にて2時間撹拌してから、減圧下で濃縮した。粗アミノ酸を、1M HCl aq(4mL)及びEtO(4mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(113mg、0.93mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて2時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~40%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-(2-アミノアセトアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例13、62mg、70%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.76(2H,td),1.15-1.25(1H,m),1.26-1.34(1H,m),1.36-1.46(2H,m),1.69-1.79(1H,m),2.00(1H,ddd),2.27(1H,dd),2.44(1H,dd),3.33(1H,dd),3.42(2H,s),3.59(1H,dd),4.36-4.45(1H,m);m/z(ES)[M+H]=288.
【0253】
実施例14:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化49】
中間体39:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
HATU(804mg、2.11mmol)を、Boc-Abu-OH(430mg、2.11mmol)のDMF溶液(4mL)に加えて、反応液を、室温にて10分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、885mg、1.76mmol)を、DMF溶液(3mL)としての反応混合液に加えた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.75mL、4.3mmol)を加えて、反応液を室温にて一晩撹拌した。次に、反応液を、水(15mL)及びEtO(10mL)で希釈した。層を分離させて、水性層をEtOで抽出した(2×10mL)。組み合わせた有機質を、5%水性塩化リチウム(10mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体39、766mg、63%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.70-0.84(5H,m),1.09-1.19(1H,m),1.21(12H,s),1.36-1.46(18H,m),1.46-1.97(7H,m),2.12-2.45(2H,m),3.45-3.60(1H,m),3.68(1H,br d),3.78-3.94(1H,m),4.42-4.64(1H,m),4.73-5.03(1H,m),5.07-5.33(2H,m),7.09(1H,br d),7.28-7.40(5H,m).m/z(ES)[M+H]=688.
【0254】
中間体40:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体39、766mg、1.11mmol)を、EtOAc(11mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、119mg、0.11mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、EtOAc及びメタノールでリンスした。濾液を、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体40、470mg、70%の収率)を白色の泡として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.67-0.82(2H,m),0.89(3H,br t),1.11-1.28(14H,m),1.37-1.51(20H,m),1.53-1.65(1H,m),1.65-1.94(2H,m),2.02-2.12(1H,m),2.13-2.31(1H,m),2.70(1H,br d),3.40-3.62(2H,m),3.88-4.04(1H,m),4.26(1H,br s),5.01(1H,br s),6.73(1H,br d);m/z(ES)[M+H]=598.
【0255】
実施例14:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
フェニルボロン酸(192mg、1.57mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体40、470mg、0.79mmol)の2M HCl aq溶液(5mL)に加えて、反応液を室温にて16時間撹拌した。反応液を、水(10mL)及びEtO(10mL)で希釈して、層を分離させた。水性層を、EtO(3×5mL)で洗浄してから凍結乾燥すると、泡になった。有機層を、真空下で濃縮した。生じた残留物を、ジオキサン中4M HCl(4mL、16mmol)中で希釈して、生じた溶液を、室温にて20時間撹拌した。反応液を、水(10mL)及びEtO(10mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtO(3×5mL)で洗浄してから凍結乾燥すると、泡になった。これらの2つの操作由来の泡を組み合わせて、生じた粗アミノ酸を、イオン交換クロマトグラフィ(Silicycle SiliaSep SPE-R51230B-20X 5gカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~25%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((S)-2-アミノブタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例14、96mg、39%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.55-0.82(2H,m),0.88(3H,t),1.12-1.48(4H,m),1.56-1.81(3H,m),1.86-2.10(1H,m),2.12-2.53(2H,m),3.15-3.37(1H,m),3.41-3.53(1H,m),3.62(1H,dd),4.35-4.52(1H,m);m/z(ES)[M-HO+H]=298.
【0256】
実施例15:(2R,4R)-4-((2S,3S)-2-アミノ-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化50】
中間体41:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
HATU(804mg、2.11mmol)を、Boc-Ile-OH(489mg、2.11mmol)のDMF溶液(4mL)に加えて、反応液を、室温にて10分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、885mg、1.76mmol)を、DMF溶液(3mL)としての反応混合液に加えた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.75mL、4.3mmol)を加えて、反応液を室温にて一晩撹拌した。次に、反応液を、水(15mL)及びEtO(10mL)で希釈した。層を分離させて、水性層をEtOで抽出した(2×10mL)。組み合わせた有機層を、5%水性塩化リチウム(10mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体41、707mg、56%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.79(2H,br t),0.83-1.05(8H,m),1.12-1.21(1H,m),1.24(12H,s),1.32-1.61(20H,m),1.62-2.02(4H,m),2.18-2.55(2H,m),3.49-3.65(1H,m),3.65-3.78(1H,m),3.90(1H,br s),4.53-4.72(1H,m),4.95(1H,br s),5.07-5.43(2H,m),7.16(1H,br d),7.30-7.44(5H,m).m/z(ES)[M+H]=716.
【0257】
中間体42:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体41、707mg、0.99mmol)を、EtOAc(10mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、105mg、0.10mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、EtOAc及びメタノールでリンスした。濾液を濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体42、603mg、98%の収率)を得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.68-0.80(2H,m),0.83-0.93(6H,m),1.05-1.14(1H,m),1.21(12H,s),1.28-1.36(1H,m),1.37-1.55(22H,m),1.71-1.96(2H,m),2.18-2.31(1H,m),2.72(1H,br d),3.42-3.51(2H,m),3.52-3.63(1H,m),3.86-4.04(1H,m),4.16-4.34(1H,m),4.98(1H,br d),6.69(1H,br s);m/z(ES)[M+H]=626.
【0258】
実施例15:(2R,4R)-4-((2S,3S)-2-アミノ-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.10mL、14.3mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((2S,3S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体42、603mg、0.96mmol)のDCM溶液(6mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて16時間撹拌してから、真空下で濃縮した。粗アミノ酸を、EtO(10mL)中に溶解して、真空下で再濃縮した。この再溶解再濃縮プロセスを、さらに2回繰り返した。次に、粗アミノ酸を、EtO(6mL)及び1M HCl aq(6mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(235mg、1.93mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて3時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(Silicycle SiliaSep SPE-R51230B-20X 5gカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18Aq、水中0~25%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((2S,3S)-2-アミノ-3-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例15、136mg、41%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.55-0.81(2H,m),0.89(6H,dd),1.07-1.52(6H,m),1.63-1.83(2H,m),1.86-2.09(1H,m),2.13-2.51(2H,m),3.11-3.40(2H,m),3.45-3.67(1H,m),4.39-4.54(1H,m);m/z(ES)[M+H]=344.
【0259】
実施例16:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化51】
中間体43:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
HATU(247mg、0.65mmol)を、Boc-Leu-OH(125mg、0.54mmol)のDCM溶液(2mL)に加えて、反応液を、室温にて10分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、272mg、0.54mmol)を、DCM溶液(2mL)としての反応混合液に加えた。N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.19mL、1.1mmol)を加えて、反応液を室温にて1時間撹拌した。次に、反応液を、DCM(20mL)で希釈して、水(25mL)及び飽和水性塩化ナトリウム(30mL)で順次洗浄した。有機層を、MgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体43、210mg、54%の収率)を無色の泡として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.77(2H,t),0.91(6H,d),1.06-1.19(1H,m),1.19-1.24(12H,m),1.31-1.51(20H,m),1.50-1.63(2H,m),1.73-2.02(2H,m),2.17-2.55(2H,m),3.35-3.75(2H,m),3.84-4.06(1H,m),4.35-4.75(2H,m),5.00-5.46(2H,m),7.08-7.22(1H,m),7.28-7.42(5H,m);m/z(ES)[M+H]=716.
【0260】
中間体44:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体43、201mg、0.28mmol)を、EtOAc(4mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、100mg、0.094mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて2時間撹拌した。反応混合液を、珪藻土で濾過して、EtOAc及びメタノールでリンスした。濾液を、濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体44、170mg、97%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.78(2H,t),0.93(6H,d),1.15-1.25(12H,m),1.25-1.31(2H,m),1.39-1.51(19H,m),1.55-1.72(2H,m),1.73-1.89(1H,m),2.01-2.11(1H,m),2.18-2.36(1H,m),2.47-2.83(1H,m),3.37-3.74(2H,m),3.96-4.10(1H,m),4.17-4.32(1H,m),4.82-5.31(1H,m),6.62-7.12(1H,m);m/z(ES)[M+H]=626.
【0261】
実施例16:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.00mL、13.0mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体44、170mg、0.27mmol)のDCM溶液(2mL)に加えた。生じた溶液を、室温にて2時間撹拌してから、真空下で濃縮した。次に、粗アミノ酸を、EtO(5mL)及び水(4mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(66mg、0.54mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を室温にて2時間撹拌した。反応混合液を水(5mL)及びEtO(20mL)で希釈して、層を分離させた。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 2gカラム)によって精製して、(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例16、88mg、94%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.46-0.68(2H,m),0.73-0.82(6H,m),1.03-1.13(1H,m),1.13-1.23(1H,m),1.23-1.42(4H,m),1.42-1.52(1H,m),1.54-1.66(1H,m),1.76-1.93(1H,m),2.07-2.19(1H,m),2.29(1H,dd),3.13(1H,q),3.34(1H,t),3.48(1H,q),4.23-4.40(1H,m);m/z(ES)[M+H]=344.
【0262】
実施例17:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化52】
中間体45:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.108mL、0.62mmol)を、COMU(292mg、0.68mmol)、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、311mg、0.62mmol)、及びBoc-Ser-OH(133mg、0.65mmol)の撹拌DMF溶液(5mL)に室温にて加えた。反応液を3時間撹拌して、水(80mL)及びEtOAc(15mL)で希釈した。相を分離させて、水性相をさらに飽和水性NaHCOで希釈してから、EtOAcで抽出した(2×20mL)。組み合わせた有機質を、飽和水性NaCl(2×10mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体45、358mg、84%の収率)を無色の乾いた膜として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.76(2H,t),1.16(1H,m),1.21(12H,s),1.31(6H,s),1.35-1.42(5H,m),1.43(11H,s),1.73-1.87(1H,m),1.87-2.02(2H,m),2.14-2.24(1H,m),2.29-2.41(1H,m),3.43-3.52(0.4H,m),3.52-3.61(2H,m),3.66(0.6H,d),3.79-3.92(1H,m),3.92-4.04(1H,m),4.51(1H,br s),5.06-5.26(2H,m),5.36(1H,br s),7.30-7.40(5H,m);m/z(ES)[M+H]=690.
【0263】
中間体46:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体45、358mg、0.52mmol)を、EtOAc(4mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、50mg、0.047mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて3.5時間撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体46、303mg、97%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.67-0.91(2H,m),1.25(14H,s),1.41-1.47(3H,m),1.48(9H,s),1.53(10H,s),1.82-1.90(2H,m),2.06-2.14(1H,m),2.24-2.33(1H,m),2.76-2.91(1H,m),3.48-3.54(1H,m),3.59(1H,dd),3.70(1H,dd),3.93(1H,d),4.03-4.17(1H,m),4.29(1H,d),6.79-6.98(1H,m);m/z(ES)[M+H]=600.
【0264】
実施例17:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.771mL、10.01mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体46、300mg、0.50mmol)の撹拌DCM溶液(4mL)に室温にて滴加した。1.5時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(4mL、4.00mmol)及びEtO(4mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(183mg、1.50mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて3時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、層を分離させて、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)にかけた。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~30%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-ヒドロキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例17、94mg、59%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.77(2H,td),1.16-1.26(1H,m),1.26-1.35(1H,m),1.35-1.45(2H,m),1.76(1H,ddd),2.02(1H,ddd),2.29(1H,dd),2.46(1H,dd),3.35(1H,dd),3.48(1H,t),3.62(1H,dd),3.66-3.77(2H,m),4.40-4.50(1H,m);m/z(ES)[M+H]=318.
【0265】
実施例18:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化53】
中間体47:(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.082mL、0.47mmol)を、COMU(220mg、0.51mmol)、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、235mg、0.47mmol)、及びN-Boc-O-メチル-L-セリン(108mg、0.49mmol)の撹拌DMF溶液(3mL)に室温にて加えた。反応液を2時間撹拌してから、水(60mL)及びDCM(15mL)で希釈した。相を分離させて、水性相をDCM(2×20mL)で抽出した。組み合わせた有機質を、飽和水性NaHCO(30mL)、飽和水性NaCl(2×10mL)で洗浄して、MgSO上で乾燥させて、濾過して、減圧下で濃縮した。生じた残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体47、145mg、44%の収率)を無色の乾いた膜として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.78(2H,t),1.18(1H,br dd),1.22-1.26(13H,m),1.33(6H,s),1.44(5H,br s),1.46(9H,s),1.57-1.74(1H,m),1.74-1.85(1H,m),1.94(0.4H,d),2.01(0.6H,d),2.18-2.27(0.6H,m),2.32-2.47(1.4H,m),3.32(3H,s),3.39-3.46(1H,m),3.49-3.55(0.4H,m),3.60(1H,dd),3.65-3.76(1.6H,m),4.15(1H,br d),4.51-4.64(1H,m),5.06-5.22(2H,m),5.23-5.34(1H,m),7.32-7.39(5H,m);m/z(ES)[M+H]=704.
【0266】
中間体48:(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体47、145mg、0.21mmol)を、EtOAc(2mL)中に溶解して、Pd/C(10wt%、22mg、0.021mmol)により処理した。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて4時間撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体48、126mg、100%の収率)を白色の固体として、そして回転異性体の混合物として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,CDCl)δ 0.65-0.80(2H,m),1.14-1.29(14H,m),1.35-1.43(5H,m),1.44(7H,s),1.46-1.60(8H,m),1.77-1.95(1H,m),2.03-2.14(1H,m),2.14-2.26(1H,m),2.68(1H,br d),3.33(3H,s),3.38-3.47(1H,m),3.47-3.60(2H,m),3.65-3.76(1H,m),4.02-4.15(1H,m),4.24(1H,br s),5.38(1H,br s),7.06(1H,br s);m/z(ES)[M+H]=614.
【0267】
実施例18:(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.25mL、3.26mmol)を、(2R,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(中間体48、100mg、0.16mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に周囲温度にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(2mL、2.00mmol)及びEtO(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(60mg、0.49mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて3時間撹拌した。混合液をEtO(20mL)及び水(5mL)で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄して、層を分離させて、水性層を凍結乾燥した。生じた固体をMeOH(3mL)中に溶解して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)にかけた。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア溶液(20mL)を用いて溶出した。得られた物質をさらに、逆相クロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~20%アセトニトリル)によって精製した。生成物の画分を凍結乾燥して、生じた物質を再度、逆相フラッシュクロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~2%アセトニトリル)にかけた。生成物の画分を凍結乾燥して、生じた物質を再度、逆相フラッシュクロマトグラフィ(RediSep Rf Gold(登録商標)C18、水中0~5%アセトニトリル)によって精製して、(2R,4R)-4-((S)-2-アミノ-3-メトキシプロパンアミド)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例18、18mg、35%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.77(2H,td),1.14-1.27(1H,m),1.27-1.35(1H,m),1.35-1.45(2H,m),1.72-1.81(1H,m),2.02(1H,ddd),2.30(1H,dd),2.41(1H,dd),3.31-3.38(4H,m),3.55-3.60(3H,m),3.63(1H,dd),4.42-4.51(1H,m);m/z(ES)[M+H]=332.
【0268】
実施例19:(S)-2-アミノ-N-((3R,5R)-8-ヒドロキシ-6-オキソ-7-オキサ-1-アザ-8-ボラスピロ[4.7]ドデカン-3-イル)-3-メチルブタンアミド-化合物B
【化54】
化合物B(実施例19)を、相互転化プロセスを介した実施例9(化合物A)の分子内環化によって得た。さらに、化合物A(実施例9)と化合物B間の相互転化が、種々の条件下で観察された。例えば、水の存在下で、化合物Bは化合物Aに転化された。そのような転化は、溶媒中での水の濃度と比例した。このことは、図1において実証され、ここでは100%d6-DMSO(Aとラベル付けした)、d6-DMSO中75%DO(Bとラベル付けした)、d6-DMSO中50%DO(Cとラベル付けした)、d6-DMSO中25%DO(Eとラベル付けした)、そして100%DO(Fとラベル付けした)中で調製した化合物BのNMRスペクトルを示す。d6-DMSO中では、化合物Bが支配的である一方、DO濃度の増大に伴って化合物Aが比例増大する。100%DO中の化合物Bに対する化合物Aの割合は、おおよそ90%に達する。さらに、化合物Bは、酸性条件下で化合物Aに転化された。図2において、0.1M DCl(DO中)中での化合物BのNMRスペクトルは、酸性化が、化合物Aへのほぼ完全な転化をもたらすことを実証している。また、結晶性の化合物B及び非晶質性の化合物Bが、同じ構造形態を有すると判定された。図3において、NMRスペクトル(d6-DMSO中で得た)は、結晶性の化合物B及び非晶質性の化合物Bが双方とも、同じ環状構造を有することを実証している。
【0269】
実施例20:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化55】
中間体52:2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2R,4R)-4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.76mmol)を、(S)-N-アルファ-t-ブチルオキシカルボニル-3,3-ジメチル-セリン(106mg、0.454mmol)及びHATU(0.173g、0.454mmol)のDMF溶液(2.6mL)に0℃にて加えて、反応液を15分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、190mg、0.38mmol)のDMF溶液(1mL)を加えて、反応液を、室温にゆっくり温めながら、2時間撹拌した。反応混合液を、EtOAc(40mL)で希釈して、飽和水性NHCl(2×20mL)、飽和水性NaHCO(2×20mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~50%EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2R,4R)-4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体52、223mg、82%の収率)を白色の泡として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,MeOH-d)δ 0.70-0.83(m,2H)1.14-1.27(m,19H)1.31(s,6H)1.36-1.42(m,5H)1.44(s,10H)1.81-1.93(m,1H)2.02-2.14(m,1H)2.14-2.30(m,1H)2.36-2.49(m,1H)3.39-3.48(m,1H)3.73-3.83(m,1H)3.87-3.97(m,1H)4.43-4.53(m,1H)5.09-5.25(m,2H)7.28-7.45(m,5H);m/z(ES)[M+H]=718.
【0270】
実施例20:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、100mg、0.09mmol)を、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2R,4R)-4-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシ-3-メチルブタンアミド)-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体52、220mg、0.31mmol)のEtOAc溶液(3mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて3時間撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濃縮して乾燥させた。白色の固体を、DCM(1mL)及びトリフルオロ酢酸(0.50mL、6.5mmol)中に溶解して、反応液を、室温にて2時間撹拌した。溶液を濃縮して、生じた残留物を、EtO(2mL)及び1M HCl aq(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(100mg、0.82mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて2時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-メチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例20、92mg、87%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.70(2H,t),1.20(4H,s),1.28(4H,s),1.31-1.40(2H,m),1.77-1.88(1H,m),2.04-2.14(1H,m),2.40-2.47(1H,m),2.48-2.54(1H,m),3.40(1H,dd),3.74(1H,s),3.75-3.80(1H,m),4.47-4.55(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=346.
【0271】
実施例21:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化56】
中間体53:2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.82mmol)を、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2,3-ジメチルブタン酸(0.113g、0.489mmol)及びHATU(0.186g、0.489mmol)のDMF溶液(3mL)に0℃にて加えて、反応液を15分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、205mg、0.408mmol)のDMF溶液(1mL)を加えて、反応液を、室温にゆっくり温めながら、3時間撹拌した。反応混合液を、EtOAc(50mL)で希釈して、飽和水性NHCl(2×25mL)、飽和水性NaHCO(2×25mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~50%EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体53、211mg、72%の収率)を白色の泡として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,MeOH-d)δ 0.72-0.79(2H,m),0.80-0.93(6H,m),1.17-1.25(13H,m),1.31(9H,d),1.36-1.47(16H,m),1.82-1.92(2H,m),1.97-2.09(1H,m),2.15-2.30(1H,m),2.34-2.51(1H,m),3.61-3.75(1H,m),4.42-4.56(1H,m),5.08-5.31(2H,m),7.29-7.46(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=716.
【0272】
実施例21:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、90mg、0.08mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体53、210mg、0.29mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて3時間撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濃縮して乾燥させた。白色の固体を、DCM(1mL)及びトリフルオロ酢酸(0.50mL、6.5mmol)中に溶解して、反応液を、室温にて2時間撹拌した。溶液を濃縮して、生じた残留物を、EtO(2mL)及び1M HCl aq(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(100mg、0.82mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて2時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-2,3-ジメチル-ブタノイル]アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例21、90mg、89%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.74-0.78(2H,m),0.79(3H,d),0.89(3H,d),1.17-1.27(4H,m),1.28-1.35(1H,m),1.36-1.47(2H,m),1.70-1.81(1H,m),1.93-2.07(2H,m),2.27(1H,dd),2.43(1H,dd),3.27-3.39(1H,m),3.60(1H,dd),4.39-4.48(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=344.
【0273】
実施例22:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-[[(2S)-2,3-ジアミノプロパノイル]アミノ]ピロリジン-2-カルボン酸
【化57】
中間体54:2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.14mL、0.82mmol)を、Boc-Dap(Boc)-OH・DCHA(0.238g、0.489mmol)及びHATU(0.186g、0.489mmol)のDMF溶液(3mL)に0℃にて加えて、反応液を15分間撹拌した。(2R,4R)-2-ベンジル1-tert-ブチル4-アミノ-2-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体30、205mg、0.408mmol)のDMF溶液(1mL)を加えて、反応液を、室温にゆっくり温めながら、16時間撹拌した。反応混合液を、EtOAc(50mL)で希釈して、飽和水性NHCl(2×25mL)、飽和水性NaHCO(2×25mL)、及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン中0~50%EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体54、214mg、66%の収率)を白色の泡として、そして回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,MeOH-d)δ 0.76(2H,q),1.19-1.26(14H,m),1.27-1.34(6H,m),1.37-1.52(24H,m),1.76-1.93(1H,m),2.06-2.31(2H,m),2.50(1H,s),3.19-3.27(2H,m),3.66-3.84(1H,m),4.00-4.13(1H,m),4.35-4.50(1H,m),5.04-5.25(2H,m),7.26-7.50(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=789.
【0274】
実施例22:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-[[(2S)-2,3-ジアミノプロパノイル]アミノ]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、57mg、0.053mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[[(2S)-2,3-ビス(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパノイル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体54、210mg、0.27mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて3時間撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過して、濃縮して乾燥させた。白色の固体を、DCM(1mL)及びトリフルオロ酢酸(0.50mL、6.5mmol)中に溶解して、反応液を、室温にて2時間撹拌した。溶液を濃縮して、生じた残留物を、EtO(2mL)及び1M HCl aq(2mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(100mg、0.82mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて3時間撹拌した。反応混合液を水で希釈して、EtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-[[(2S)-2,3-ジアミノプロパノイル]アミノ]ピロリジン-2-カルボン酸(実施例22、74mg、88%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.71(2H,t),1.11-1.24(1H,m),1.26-1.41(3H,m),1.75-1.89(1H,m),2.00-2.13(1H,m),2.31-2.48(1H,m),2.51-2.67(1H,m),3.39-3.53(3H,m),3.68-3.80(1H,m),4.27(1H,t),4.41-4.52(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=317.
【0275】
実施例23:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
【化58】
中間体55:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ジ-tert-ブチルジカルボナート(4.41g、20.2mmol)を、1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラートシュウ酸塩(4.50g、13.5mmol)及びトリエチルアミン(5.63mL、40.4mmol)のDCM溶液(57mL)に加えて、反応液を、N雰囲気下で室温にて一晩撹拌した。粗反応混合液をDCM(200mL)で希釈して、0.5M HCl(aq)、飽和重炭酸ナトリウム、及びブラインで順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH)によって精製して、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体55、3.66g、79%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.29-1.42(18H,m),1.96-2.17(2H,m),3.12-3.17(1H,m),3.45-3.56(1H,m),3.62-3.69(3H,m),3.96-4.06(1H,m),4.24-4.34(1H,m),7.17-7.26(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=345.
【0276】
中間体56:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散系)(0.491g、12.3mmol)を、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体55、3.66g、10.7mmol)のDMF溶液(35mL)に少量ずつ加えた。添加後、反応液を10分間撹拌してから、ヨウ化メチル(0.715ml、11.4mmol)を加えて、反応液をさらに3時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、水でクエンチした。混合液をEtOAc(200mL)で希釈して、層を分離させた。有機層を水及びブラインで順次洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体56、3.13g、82%の収率)を無色の油として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.28-1.41(18H,m),1.87-2.02(1H,m),2.29-2.44(1H,m),2.69(3H,s),3.13-3.25(1H,m),3.44-3.57(1H,m),3.60-3.68(3H,m),4.23-4.32(1H,m),4.62(1H,br s);m/z:(ES)[M+H]=359.
【0277】
中間体57:2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水酸化ナトリウム(2.10g、52.4mmol)の水溶液(11mL)を、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体56、3.13g、8.73mmol)のTHF(22mL)及びMeOH(11mL)溶液に0℃にて加えた。反応混合液を、室温にゆっくり温めながら、3時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、水性層を5M HCl(aq)で約3のpHに酸性化して、DCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、粗カルボン酸を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。
【0278】
臭化ベンジル(1.24mL、10.5mmol)を、粗カルボン酸、ヨウ化ナトリウム(1.737g、11.59mmol)、及びKCO(3.01g、21.8mmol)のDMF溶液(28mL)に加えて、反応液を室温にて17時間撹拌した。反応混合液を濾過して、固体をEtOAcでリンスした。濾液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体57、3.05g、81%の収率)を無色の油として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.20-1.42(18H,m),1.91-2.07(1H,m),2.33-2.46(1H,m),2.69(3H,s),3.12-3.26(1H,m),3.44-3.57(1H,m),4.20-4.38(1H,m),4.66(1H,br s),5.07-5.20(2H,m),7.25-7.41(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=435.
【0279】
中間体58:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体57、3.05g、7.02mmol)及び臭化クロチル(1.08mL、10.5mmol)を、THF(25mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、21.0mL、10.5mmol)を反応混合液に滴加して、反応液を、室温にゆっくり温めながら、17時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を減圧下で除去した。粗混合液をDCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を、水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲル精製(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体58、1.26g、37%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体、E/Zオレフィン異性体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.23-1.44(18H,m),1.51-1.70(3H,m),2.00-2.26(2H,m),2.38-2.47(1H,m),2.57-2.68(3H,m),2.71-3.00(1H,m),3.00-3.25(1H,m),3.40-3.74(1H,m),4.54-4.80(1H,m),5.01-5.27(2H,m),5.28-5.47(1H,m),5.49-5.72(1H,m),7.25-7.42(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=489.
【0280】
中間体59:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(269mg、0.400mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(308mg、0.801mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(11mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.28mL、8.82mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体58、1.96g、4.01mmol)を、DCM溶液(7.5mL)としての反応液に加えて、反応混合液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、MeOH及び水で注意深くクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。生じた残留物を、フラッシュシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体59、2.5g、100%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体及び回転異性体の混合物として得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、30mm×250mm、5μm、温度=20℃、移動相=0~30%MeOH:CO、UV検出@220nm、ローディング=31mg/inj、conc=MeOH中125mg/mL、流量=75mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。各偏左右異性体の立体化学を、他の例示する化合物と一致するように、実施例23及び実施例24の酵素効力に基づいて遡及的に割り当てた。
【0281】
中間体60(異性体2、637mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.58-0.76(2H,m),1.15(12H,d),1.21-1.47(22H,m),1.69-1.82(1H,m),1.94-2.23(3H,m),2.56-2.62(3H,m),3.19-3.28(1H,m),3.45-3.57(1H,m),4.58-4.79(1H,m),5.01-5.26(2H,m),7.26-7.41(5H,m).
【0282】
中間体61(異性体1、860mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.62-0.71(2H,m),1.15(12H,s),1.20-1.42(22H,m),1.67-1.84(1H,m),1.92-2.32(3H,m),2.69(3H,s),3.04-3.15(1H,m),3.57-3.71(1H,m),4.52-4.73(1H,m),4.98-5.25(2H,m),7.24-7.40(5H,m).
【0283】
中間体62:(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、165mg、0.155mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体60、637mg、1.03mmol)のEtOAc溶液(7mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体62、350mg、64%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.63-0.73(2H,m),1.14-1.19(12H,m),1.22-1.42(21H,m),1.63-1.77(1H,m),1.99-2.18(3H,m),2.63-2.67(3H,m),3.21-3.27(2H,m),3.41-3.55(1H,m),4.57-4.80(1H,m),12.32-12.75(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=527.
【0284】
実施例23:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.51mL、6.7mmol)を、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体62、350mg、0.66mmol)の撹拌DCM溶液(4mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(162mg、1.33mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(60mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例23、140mg、86%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.72-0.82(2H,m),1.09-1.43(4H,m),1.62-1.77(1H,m),1.83-1.95(1H,m),2.23(2H,d),2.46(3H,s),3.02-3.11(1H,m),3.37-3.49(1H,m),3.49-3.61(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=245.
【0285】
実施例24:(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
【化59】
中間体63:(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、223mg、0.209mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体61、860mg、1.39mmol)のEtOAc溶液(9.3mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体63、520mg、71%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.60-0.75(2H,m),1.16(12H,s),1.28-1.45(22H,m),1.56-1.74(1H,m),1.84-1.95(1H,m),2.01-2.22(2H,m),2.69(3H,s),3.01-3.17(1H,m),3.56-3.70(1H,m),4.52-4.73(1H,m),12.35-12.77(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=527.
【0286】
実施例24:(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.23mL、16.0mmol)を、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体63、520mg、0.80mmol)の撹拌DCM溶液(8.5mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(196mg、1.60mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(60mL)を用いて溶出して、(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例24、163mg、83%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.70-0.90(2H,m),1.10-1.46(4H,m),1.65-1.77(2H,m),1.96-2.07(1H,m),2.43(3H,s),2.68-2.77(1H,m),2.96-3.10(1H,m),3.37-3.50(1H,m),3.50-3.60(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=245.
【0287】
実施例25:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
【化60】
中間体64:2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
トリフェニルホスフィン(7.87g、30.0mmol)及び水(0.54mL、30.0mmol)を、2-ベンジル1-(tert-ブチル)(2R,4R)-4-アジドピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(5.20g、15.0mmol)のTHF溶液(68mL)に室温にて加えた。反応液を60℃に加熱して、6時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却して、EtOAcで希釈して、水(2×100mL)及び飽和水性塩化ナトリウム(100mL)で順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体64、3.2g、67%の収率)を無色の油として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.20-1.49(9H,m),1.53-1.64(1H,m),1.65-1.79(2H,m),2.26-2.40(1H,m),2.85-3.01(1H,m),3.31-3.42(1H,m),3.45-3.56(1H,m),4.13-4.24(1H,m),4.99-5.25(2H,m),7.36(5H,s);m/z:(ES)[M+H]=321.
【0288】
中間体65:2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(6.35g、29.9mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体64、3.20g、9.99mmol)及びホルムアルデヒド(HO中37wt%、4.46mL、59.9mmol)のMeOH溶液(79mL)に少量ずつ加えた。添加後、反応液を室温にて17時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、生じた残留物をDCMで希釈した。固体を濾過によって除去して、濾液を濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc(NHOH入り))によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体65、3.00g、86%の収率)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.24(9H,s),1.53-1.67(1H,m),2.10(6H,s),2.40-2.48(1H,m),2.53-2.73(1H,m),2.83-3.06(1H,m),3.59-3.69(1H,m),4.15-4.29(1H,m),5.02-5.21(2H,m),7.26-7.42(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=350.
【0289】
中間体66:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体65、3.00g、8.61mmol)及び臭化クロチル(1.33mL、12.9mmol)を、THF(18mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、25.8mL、12.9mmol)を、反応混合液に滴加して、反応液を、室温にゆっくり温めながら、17時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を減圧下で除去した。粗混合液をDCM中で希釈して、層を分離させた。有機層を水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲル精製(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体66、1.55g、45%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体、E/Zオレフィン異性体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.21-1.44(9H,m),1.51-1.70(3H,m),1.79-1.96(1H,m),2.05(6H,s),2.08-2.24(1H,m),2.31-2.43(1H,m),2.54-2.74(1H,m),2.75-3.08(2H,m),3.56-3.86(1H,m),5.00-5.23(2H,m),5.23-5.42(1H,m),5.43-5.73(1H,m),7.23-7.41(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=403.
【0290】
中間体67:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(240mg、0.36mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(275mg、0.715mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(10mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.14mL、7.87mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体66、1.44g、3.58mmol)を、DCM溶液(6.7mL)としての反応液に加えて、反応混合液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、MeOH及び水で注意深くクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。生じた残留物を、フラッシュシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体67、1.5g、79%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体及び回転異性体の混合物として得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、30mm×250mm、5μm、温度=20℃、移動相=0~15%MeOH:CO、UV検出@220nm、ローディング=32mg/inj、conc=MeOH中80mg/mL、流量=120mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。各偏左右異性体の立体化学を、他の例示する化合物と一致するように、実施例25及び実施例26の酵素効力に基づいて遡及的に割り当てた。
【0291】
中間体68(異性体2、190mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.64-0.71(2H,m),0.97-1.12(1H,m),1.13-1.17(12H,m),1.24(13H,s),1.57-1.81(1H,m),1.81-1.99(1H,m),2.06(6H,s),2.09-2.21(1H,m),2.55-2.74(1H,m),3.02-3.12(1H,m),3.59-3.70(1H,m),5.00-5.20(2H,m),7.27-7.41(5H,m).
【0292】
中間体69(異性体1、491mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.52-0.72(2H,m),0.93-1.12(1H,m),1.12-1.20(12H,m),1.20-1.39(13H,m),1.59-1.74(1H,m),1.77-1.93(1H,m),2.06(6H,s),2.08-2.15(1H,m),2.53-2.65(1H,m),2.78-2.96(1H,m),3.67-3.82(1H,m),5.00-5.21(2H,m),7.27-7.42(5H,m).
【0293】
中間体70:(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、57mg、0.054mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体68、189mg、0.356mmol)のEtOAc溶液(2.4mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液を、MeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体70、150mg、96%の収率)を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.53-0.70(2H,m),1.11-1.20(12H,m),1.21-1.41(14H,m),1.56-1.71(1H,m),1.92-2.06(2H,m),2.20(7H,s),2.69-2.78(1H,m),3.37-3.51(1H,m),3.67-4.21(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=441.
【0294】
実施例25:(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.26mL、3.4mmol)を、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体70、150mg、0.34mmol)の撹拌DCM溶液(2mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(83mg、0.68mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例25、73mg、83%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.62-0.73(2H,m),1.14-1.36(4H,m),1.79-1.90(1H,m),1.99-2.10(1H,m),2.57-2.73(2H,m),2.82-2.90(6H,m),3.48-3.56(1H,m),3.89-3.98(1H,m),4.12-4.20(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=259.
【0295】
実施例26:(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
【化61】
中間体71:(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、148mg、0.139mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体69、490mg、0.93mmol)のEtOAc溶液(6.7mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体71、405mg、99%の収率)を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.52-0.71(2H,m),0.83-1.06(1H,m),1.16(12H,s),1.32(12H,s),1.53-1.67(1H,m),1.75-1.88(1H,m),2.01-2.13(7H,m),2.54-2.69(1H,m),2.79-2.95(1H,m),3.66-3.83(1H,m),7.24-7.46(1H,m),11.86-12.88(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=441.
【0296】
実施例26:(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.0mL、13mmol)を、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-(ジメチルアミノ)-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体71、405mg、0.919mmol)の撹拌DCM溶液(5.1mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(224mg、1.84mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(60mL)を用いて溶出して、(2S,4R)-2-(4-ボロノブチル)-4-(ジメチルアミノ)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例26、206mg、87%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.71-0.89(2H,m),1.12-1.44(4H,m),1.70-1.82(2H,m),1.97-2.11(1H,m),2.29(6H,s),2.62-2.71(1H,m),2.95-3.10(2H,m),3.61-3.68(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=259.
【0297】
実施例27:(2R,4R)-4-(2アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化62】
中間体72:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
酢酸(42μL、0.73mmol)を、1-(tert-ブチル)2-メチル(2S,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(7.48g、30.6mmol)及びtert-ブチル(2-オキソエチル)カルバメート(4.64g、29.2mmol)のMeOH溶液(194mL)に加えて、反応液を室温にて3時間撹拌した。溶液を0℃に冷却して、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(9.27g、43.7mmol)を少量ずつ加えた。反応液を、室温にゆっくり温めながら、一晩撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮して、生じた残留物をDCMで希釈して、飽和重炭酸ナトリウム、水、及び飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM/EtOAc/MeOH)によって精製して、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体72、4.77g、42%の収率)を無色の油として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.25-1.48(20H,m),1.84-2.07(3H,m),2.88-2.98(2H,m),3.02-3.17(1H,m),3.17-3.27(1H,m),3.40-3.51(1H,m),3.64(3H,s),4.14-4.24(1H,m),6.63-6.74(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=388.
【0298】
中間体73:1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ジ-tert-ブチルジカルボナート(4.29mL、18.5mmol)を、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチルアミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体72、4.77g、12.3mmol)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.30mL、24.6mmol)のDCM溶液(53mL)に室温にて加えて、反応液を17時間撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、水及び飽和水性塩化ナトリウムで順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体73、4.25mg、71%の収率)を得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.21-1.27(1H,m),1.27-1.42(27H,m),1.99-2.07(1H,m),2.33-2.46(1H,m),2.93-3.14(3H,m),3.17-3.24(1H,m),3.48-3.61(1H,m),3.61-3.69(3H,m),4.20-4.44(2H,m),6.79-6.94(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=488.
【0299】
中間体74:2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水酸化ナトリウム(2.09g、52.3mmol)の水溶液(11mL)を、1-tert-ブチル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体73、4.25g、8.72mmol)のTHF(22mL)及びMeOH(11mL)溶液に0℃にて加えた。反応混合液を、室温にゆっくり温めながら、6時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、水性層を5M HCl(aq)で約3のpHに酸性化して、DCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、粗カルボン酸を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。
【0300】
臭化ベンジル(1.24mL、10.5mmol)を、粗カルボン酸、ヨウ化ナトリウム(1.96g、13.1mmol)、及びKCO(3.62g、26.2mmol)のDMF溶液(28mL)に加えて、反応液を室温にて17時間撹拌した。反応混合液を濾過して、固体をEtOAcでリンスした。濾液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体74、3.91g、80%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.20-1.47(27H,m),2.00-2.13(1H,m),2.36-2.45(1H,m),2.93-3.01(2H,m),3.02-3.26(3H,m),3.48-3.64(1H,m),4.26-4.43(2H,m),5.05-5.22(2H,m),6.78-6.93(1H,m),7.25-7.41(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=564.
【0301】
中間体75:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体74、3.91g、6.94mmol)及び臭化クロチル(0.93mL、9.0mmol)を、THF(10.6mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、34.7mL、17.3mmol)を反応混合液に滴加して、反応液を、室温にゆっくり温めながら、17時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を減圧下で除去した。粗混合液をDCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を、水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲル精製(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体75、1.34g、31%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体、E/Zオレフィン異性体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.21-1.45(27H,m),1.53-1.71(3H,m),1.91-2.32(2H,m),2.37-2.47(1H,m),2.69-2.86(1H,m),2.86-3.11(4H,m),3.46-3.58(1H,m),3.58-3.77(1H,m),4.29-4.57(1H,m),5.00-5.20(2H,m),5.28-5.46(1H,m),5.46-5.71(1H,m),6.83-7.00(1H,m),7.19-7.43(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=618.
【0302】
中間体76:2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(222mg、0.331mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(254mg、0.661mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(9mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.05mL、7.26mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体75、2.04g、3.30mmol)を、DCM溶液(6.1mL)としての反応液に加えて、反応混合液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、MeOH及び水で注意深くクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。生じた残留物を、フラッシュシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、2-ベンジル1-tert-ブチル(4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体76、1.14g、46%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体及び回転異性体の混合物として得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、30mm×250mm、5μm、温度=20℃、移動相=0~20%IPA(0.2%NHOH入り):CO、UV検出@220nm、ローディング=18mg/inj、conc=MeOH中46mg/mL、流量=120mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。各偏左右異性体の立体化学を、他の例示する化合物と一致するように、実施例27及び実施例28の酵素効力に基づいて遡及的に割り当てた。
【0303】
中間体77(異性体2、347mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.60-0.76(2H,m),1.15(12H,s),1.21-1.52(31H,m),1.66-1.82(1H,m),1.96-2.19(2H,m),2.19-2.33(1H,m),2.83-3.10(4H,m),3.48-3.66(1H,m),4.34-4.53(1H,m),5.00-5.23(2H,m),6.83-6.93(1H,m),7.25-7.43(5H,m).
【0304】
中間体78(異性体1、540mg):2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.61-0.76(2H,m),1.15(12H,s),1.21-1.47(31H,m),1.61-1.80(1H,m),1.93-2.24(2H,m),2.26-2.43(1H,m),2.89-3.13(5H,m),3.60-3.81(1H,m),4.33-4.49(1H,m),5.00-5.20(2H,m),6.86-6.94(1H,m),7.27-7.39(5H,m).
【0305】
中間体79:(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、99mg、0.093mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2R,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体77、347mg、0.465mmol)のEtOAc溶液(2.3mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体79、287mg、94%の収率)を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.65-0.74(2H,m),1.14-1.21(12H,m),1.31-1.43(31H,m),1.66-1.76(1H,m),2.00-2.27(3H,m),2.96-3.12(5H,m),3.37-3.42(1H,m),3.49-3.61(1H,m),4.34-4.49(1H,m),6.84-6.93(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=656.
【0306】
実施例27:(2R,4R)-4-(2-アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.67mL、8.8mmol)を、(2R,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体79、287mg、0.438mmol)の撹拌DCM溶液(3.7mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(107mg、0.878mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-4-(2-アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例27、106mg、89%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.63-0.77(2H,m),1.13-1.23(1H,m),1.37(3H,br d),1.63-1.76(1H,m),1.92-2.02(1H,m),2.06-2.14(1H,m),2.24-2.33(1H,m),2.78(2H,s),2.96(2H,s),3.08-3.19(1H,m),3.28-3.43(1H,m),3.43-3.51(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=274.
【0307】
実施例28:(2S,4R)-4-(2-アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化63】
中間体80:(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、137mg、0.129mmol)を、2-ベンジル1-tert-ブチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体78、480mg、0.64mmol)のEtOAc溶液(7.2mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体80、170mg、40%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.58-0.73(2H,m),1.15(12H,s),1.37(31H,br d),1.58-1.74(2H,m),2.18-2.33(2H,m),2.92-3.16(6H,m),3.59-3.73(1H,m),4.31-4.50(1H,m),6.84-6.95(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=656.
【0308】
実施例28:(2S,4R)-4-(2-アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.00mL、13.0mmol)を、(2S,4R)-1-tert-ブトキシカルボニル-4-[tert-ブトキシカルボニル-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体80、170mg、0.26mmol)の撹拌DCM溶液(5mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(63mg、0.52mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 20ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(20mL)を用いて溶出して、(2S,4R)-4-(2-アミノエチルアミノ)-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例28、67mg、95%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.65-0.77(2H,m),1.11-1.24(1H,m),1.25-1.34(1H,m),1.34-1.42(2H,m),1.62-1.79(2H,m),1.97-2.06(1H,m),2.61-2.70(1H,m),2.72-2.84(2H,m),2.93(3H,s),3.30-3.41(1H,m),3.47-3.55(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=274.
【0309】
実施例29:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化64】
中間体81:1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ジ-tert-ブチルジカルボナート(6.27g、28.8mmol)を、1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-アミノピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(5.00g、18.0mmol)及びトリエチルアミン(5.00mL、35.9mmol)のDCM溶液(78ml)に加えて、反応液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液をDCMで希釈して、0.5MHCl(aq)、飽和重炭酸ナトリウム、及び飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲルクロマトグラフィ(DCM/MeOH)によって精製して、1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体81、5.4g、79%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.31-1.42(9H,m),1.99-2.23(2H,m),3.22-3.28(1H,m),3.52-3.65(4H,m),3.96-4.10(1H,m),4.30-4.48(1H,m),4.92-5.13(2H,m),7.18-7.41(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=379.
【0310】
中間体82:1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水酸化ナトリウム(鉱油中60%分散系)(0.423g、12.3mmol)を、1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体81、3.20g、8.46mmol)のDMF溶液(33mL)に0℃にて少量ずつ加えた。反応混合液を、0℃にて1時間撹拌してから、さらに1時間撹拌しながら室温に温めた。ヨウ化メチル(0.63ml、10.2mmol)を加えて、反応液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、水でクエンチした。揮発性物質を減圧下で除去して、懸濁液をDCM(200mL)で希釈した。層を分離させて、有機層を水(4×50mL)及び飽和水性塩化ナトリウム(2×50mL)で順次洗浄した。有機層を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体82、2.33g、70%の収率)を無色の油として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.25-1.47(9H,m),1.89-2.08(1H,m),2.31-2.46(1H,m),2.69(3H,d),3.22-3.39(2H,m),3.65(4H,s),4.22-4.49(1H,m),4.87-5.17(2H,m),7.18-7.46(5H,m);m/z:(ES)[M+H]=393.
【0311】
中間体83:ジベンジル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
水酸化ナトリウム(1.425g、35.62mmol)の水溶液(7.5mL)を、1-ベンジル2-メチル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体82、2.33g、5.94mmol)のTHF(15mL)及びMeOH(7.5mL)溶液に0℃にて加えた。反応混合液を、室温にゆっくり温めながら、6時間撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去して、水性層を5M HCl(aq)で約3のpHに酸性化して、DCMで抽出した(4×50mL)。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させて、粗カルボン酸を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。
【0312】
臭化ベンジル(0.66mL、5.6mmol)を、粗カルボン酸、ヨウ化ナトリウム(1.11g、7.38mmol)、及びKCO(1.92g、13.9mmol)のDMF溶液(28mL)に加えて、反応液を室温にて17時間撹拌した。反応混合液を濾過して、固体をEtOAcでリンスした。濾液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、ジベンジル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体83、2.45g、94%の収率)を淡い黄色の油として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.28-1.45(9H,m),1.98(1H,s),2.30-2.46(1H,m),2.64-2.71(3H,m),3.30(1H,s),3.51-3.76(1H,m),4.48(1H,d),4.53-4.75(1H,m),4.88-5.21(4H,m),7.18-7.42(10H,m);m/z:(ES)[M+H]=469.
【0313】
中間体84:ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ジベンジル(2S,4R)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体83、2.45g、5.23mmol)及び臭化クロチル(0.81mL、7.8mmol)を、THF(18mL)中に溶解して、溶液を、N雰囲気下で-78℃に冷却した。KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、15.7mL、7.85mmol)を反応混合液に滴加して、反応液を、室温にゆっくり温めながら、17時間撹拌した。粗反応混合液を水でクエンチして、揮発性物質を減圧下で除去した。粗混合液をDCM中に希釈して、層を分離させた。有機層を、水で洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。粗物質を、シリカゲル精製(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体84、2.10g、86%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体、E/Zオレフィン異性体、及び回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.31-1.40(9H,m),1.46-1.68(3H,m),1.99-2.31(2H,m),2.40-2.47(1H,m),2.55-2.68(3H,m),2.69-3.00(1H,m),3.30(1H,s),3.51-3.77(1H,m),4.55-4.74(1H,m),4.79-5.21(4H,m),5.26-5.41(1H,m),5.42-5.71(1H,m),7.16-7.42(10H,m);m/z:(ES)[M+H]=523.
【0314】
中間体85:ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
トリフルオロ酢酸(3.84mL、50.2mmol)を、ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[tert-ブトキシカルボニル(メチル)アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体84、2.10g、4.02mmol)のDCM溶液(32mL)に滴加して、反応液を、室温にて2時間撹拌した。反応混合液を、濃縮して乾燥させて、ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートのTFA塩(中間体85、2.55g、100%の収率)を無色の油として得た。これを、精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 1.45-1.74(3H,m),2.14-2.33(1H,m),2.34-2.46(1H,m),2.57-2.65(3H,m),2.66-3.07(1H,m),3.15-3.56(1H,m),3.66-3.77(1H,m),3.81-4.13(1H,m),4.79-5.22(4H,m),5.26-5.73(2H,m),7.20-7.41(10H,m),8.62-8.87(2H,m);m/z:(ES)[M+H]=423.
【0315】
中間体86:ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL、4.0mmol)を、HATU(1.52、4.02mmol)及びBoc-Val-OH(873mg、4.02mmol)のDMF溶液(15mL)に加えて、反応液を室温にて30分間撹拌した。ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-(メチルアミノ)ピロリジン-1,2-ジカルボキシラートTFA塩(中間体85、2.16g、4.02mmol)のDMF(15mL)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL、4.0mmol)溶液を加えて、反応液を室温にてさらに17時間撹拌した。反応混合液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって直接精製して、ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体86、1.97g、79%の収率)を回転異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H NMR(500MHz,DMSO-d)0.61-0.92(6H,m),1.35(9H,br s),1.62(3H,br d),1.79-1.92(1H,m),2.03-2.33(2H,m),2.57-2.76(2H,m),2.76-3.00(3H,m),3.30(1H,s),3.49-3.77(1H,m),4.04-4.16(1H,m),4.78-5.20(5H,m),5.26-5.72(2H,m),6.72-7.03(1H,m),7.17-7.38(10H,m);m/z:(ES)[M+H]=622.
【0316】
中間体87:ジベンジル(4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
ビス(1,5-シクロオクタジエン)ジイリジウム(I)ジクロリド(213mg、0.317mmol)及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(244mg、0.635mmol)を、オーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。フラスコをシールして、Nでパージした。固体を、DCM(8.9mL)中に溶解して、4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.01mL、6.97mmol)を溶液にゆっくり加えた。反応液を、室温にて10分間撹拌した。ジベンジル(4R)-2-(ブタ-2-エニル)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体86、1.97g、3.17mmol)を、DCM溶液(5.9mL)としての反応液に加えて、反応混合液を室温にて16時間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、MeOH及び水で注意深くクエンチした。層を分離させて、水性層をDCMで抽出した。組み合わせた有機質を、NaSO上で乾燥させて、濾過して、濃縮して乾燥させた。生じた残留物を、フラッシュシリカクロマトグラフィ(ヘキサン/EtOAc)によって精製して、ジベンジル(4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体87、1.5g、63%の収率)を黄色の油として、そして偏左右異性体及び回転異性体の混合物として得た。精製物質を、キラルSFC[(S,S)Whelk-O1カラム、30mm×250mm、5μm、温度=20℃、移動相=0~30%MeOH:CO、UV検出@220nm、ローディング=31mg/inj、conc=MeOH中125mg/mL、流量=75mL/分、出口圧力=100bar]にかけて、2つの偏左右異性体を得た。各偏左右異性体の立体化学を、他の例示する化合物と一致するように、実施例29及び実施例30の酵素効力に基づいて遡及的に割り当てた。
【0317】
中間体88(異性体2、280mg):ジベンジル(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.51-0.70(2H,m),0.72-0.93(6H,m),1.14(12H,s),1.20-1.52(13H,m),1.67-2.31(5H,m),2.54-2.90(3H,m),3.33-3.48(1H,m),3.49-3.85(1H,m),4.01-4.18(1H,m),4.71-5.23(5H,m),6.71-7.07(1H,m),7.19-7.33(10H,m).
【0318】
中間体89(異性体1、590mg):ジベンジル(2S,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.49-0.72(2H,m),0.73-0.90(6H,m),1.15(12H,s),1.34(13H,br s),1.59-2.34(5H,m),2.94(3H,br s),3.30(1H,s),3.63-3.76(1H,m),3.96-4.17(1H,m),4.75-5.18(5H,m),6.71-7.05(1H,m),7.17-7.41(10H,m).
【0319】
中間体90:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、99mg、0.093mmol)を、ジベンジル(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体88、280mg、0.37mmol)のEtOAc溶液(1.8mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて4時間撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体90、180mg、92%の収率)を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.59-0.69(2H,m),0.74-0.87(6H,m),1.16(12H,s),1.22-1.30(3H,m),1.35(9H,s),1.49-1.65(1H,m),1.65-1.82(1H,m),1.82-1.95(2H,m),2.15-2.26(1H,m),2.63-2.91(3H,m),2.92-3.21(3H,m),4.05-4.22(1H,m),4.80-5.16(1H,m),6.76(1H,s),7.56-8.05(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=526.
【0320】
実施例29:(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(0.53mL、6.9mmol)を、(2R,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体90、180mg、0.34mmol)の撹拌DCM溶液(10mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(84mg、0.69mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(60mL)を用いて溶出して、(2R,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例29、98mg、86%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.72-0.83(2H,m),0.85-1.01(6H,m),1.10-1.45(4H,m),1.61-1.84(1H,m),1.85-2.03(2H,m),2.19-2.34(1H,m),2.34-2.49(1H,m),3.00(3H,s),3.16-3.51(2H,m),3.76-3.96(1H,m),4.95-5.10(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=344.
【0321】
実施例30:(2S,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
【化65】
中間体91:(2S,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸
Pd/C(10wt%、209mg、0.196mmol)を、ジベンジル(2S,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(中間体89、590mg、0.79mmol)のEtOAc溶液(4mL)に加えた。フラスコは、Hのバルーンを備えた。懸濁液を、室温にて一晩撹拌した。反応混合液をMeOHで希釈して、珪藻土で濾過した。濾液を濃縮して乾燥させて、(2S,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体91、397mg、96%の収率)を白色の固体として得た。これを、更なる精製なしに用いた。H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 0.58-0.67(2H,m),0.73-0.87(6H,m),1.16(12H,s),1.22-1.31(3H,m),1.35(9H,s),1.51-1.67(1H,m),1.68-1.95(3H,m),2.28-2.37(2H,m),2.95(4H,s),4.05-4.20(1H,m),4.66-4.79(1H,m),6.65-6.90(1H,m),7.85-8.15(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=526.
【0322】
実施例30:(2S,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸
トリフルオロ酢酸(1.17mL、15.2mmol)を、(2S,4R)-4-[[(2S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ブチル]ピロリジン-2-カルボン酸(中間体91、397mg、0.755mmol)の撹拌DCM溶液(10mL)に室温にて滴加した。1時間後、溶液を減圧下で濃縮して、生じた残留物を、1M HCl aq(5mL)及びEtO(5mL)中に溶解した。フェニルボロン酸(186mg、1.52mmol)を加えて、澄明な二相性溶液を、室温にて1時間撹拌した。混合液をEtO及び水で希釈して、層を分離させた。水性層をEtOで洗浄した。水性層を凍結乾燥して、イオン交換クロマトグラフィ(PoraPak Rxn CX 60ccカラム)によって精製した。所望の生成物をカラムから、MeOH中5%アンモニア(60mL)を用いて溶出して、(2S,4R)-4-[[(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノイル]-メチル-アミノ]-2-(4-ボロノブチル)ピロリジン-2-カルボン酸(実施例30、163mg、92%の収率)を白色の固体として得た。H NMR(500MHz,DO)δ 0.68-0.78(2H,m),0.83-0.94(6H,m),1.10-1.41(4H,m),1.66-2.13(4H,m),2.49-2.68(1H,m),3.02(3H,s),3.22-3.30(1H,m),3.43-3.60(1H,m),3.70-3.88(1H,m),4.53-4.66(1H,m);m/z:(ES)[M+H]=344.
【0323】
実施例31:実施例1~実施例30の生物活性
大腸菌(E.coli)から生成した組換えアルギナーゼ1又はアルギナーゼ2を用いて、チオアルギニン(thioarginine)からのチオール基の形成を測定することによって、ヒトアルギナーゼ1の活性及びアルギナーゼ2活性に及ぼす実施例1~実施例30の阻害効果を定量化した。チオール基を、エルマン試薬、5,5’-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸)(DTNB)で検出した。DTNBは、チオールと反応して混合ジスルフィド及び2-ニトロ-5-チオ安息香酸(TNB)を与え、これをアニオン(TNB2-)の412nmでの吸光度によって定量化する。
【0324】
アッセイを、透明な384ウェルプレート(Greiner cat no:781101)内で実施した。Echoアコースティックディスペンサを用いた直ぐ後にプレートをシールし、且つ遠心分離して、300nL DMSO中の種々の濃度の実施例1~実施例30を分配して、プレートをアッセイした。2つのプレミックスを、アッセイプレートへの追加直前に解凍した試薬から調製した。プレミックス1は、アッセイバッファ中のDTNB最終濃度が5nM及び0.5mMのヒトアルギナーゼ1又はヒトアルギナーゼ2、45mM HEPES pH7.5、brij 35、0.045%(w/v)、及び100μM MnClを含んだ。プレミックス2は、アッセイバッファ中、新しく解凍した0.5mMチオアルギニンを含んだ。15マイクロリットルのプレミックス1を分配して、実施例1~実施例30を含有するプレートを、遠心分離して、室温にて30分間インキュベートしてから、15マイクロリットルのプレミックス2を加えて、アッセイした。
【0325】
アッセイプレートを遠心分離してから、412nmでの吸光度をPherastarマルチモードプレートリーダで読んで、時点0(T0)でのデータを収集した。プレートを室温にて60分間インキュベートしてから再度読んで、時点1(T1)でのデータを収集した。T0(時間点0)にて測定したA412シグナルを、T1(時間点1)にて測定したA412シグナルから減算することによって、データを導き出す。データを、以下の式を用いて、%効果に変換した:
【0326】
化合物%効果=100[(X-最小量)/(最大量-最小量)]、式中、Xは、最小量(ビヒクル)及び最大量(参照化合物)阻害対照に基づいた、化合物について標準化した値を表す。
【0327】
実施例1~実施例30の、活性を50%阻害する濃度(すなわちIC50)は、%効果対試験化合物濃度をプロットして、データを、Genedata Screener Smartフィットアルゴリズムを用いてフィットさせることによって算出した。これらのアッセイの結果は、表2において見られる:
【0328】
【表7】
【0329】
実施例32:生体利用性研究
実施例8、9、及び13~20は、実施例7のプロドラッグ形態である。以下の薬物動態研究は、実施例8から実施例7の生体利用性を実証するために実行した。実施例8は、IV投薬用に、0.9w/v%生理食塩水pH4(1M HClで調整)中で製剤化した。製剤を、2頭の雄ラットへの大腿骨カテーテルによって2mg/kgにてそれぞれ投薬した(170~250g)。頸静脈カテーテル連続血液サンプルを、投薬の0.033、0.083、0.167、0.5、1、2、4、8、及び24時間後に採った。PO投薬用に、実施例8を、脱イオン水pH4(1M HClで調整)中で製剤化して、2頭の雄ラットへの経口強制飼養によって5mg/kgにてそれぞれ投薬した(170~250g)。連続血液サンプルを、投薬の0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、8、及び24時間後に、頸静脈カテーテルによって採った。血漿サンプルを血液から、低速遠心分離を用いて生じさせた。実施例7及び実施例8を含有する較正標準の単一のセットを、ブランクの血漿をスパイクすることによって調製した。サンプル及び標準を、2容量のアセトニトリルによる析出に続く遠心分離によって抽出した。得られた結果を用いて、実施例7及び実施例8の双方について、Cl(mL/min/kg)、Vdss(L/kg)、Cmax(μM)、AUC(μMh)、tmax(h)、及び%Fを求めた。実施例8として投薬した場合の実施例7のPO用量標準化AUCを、実施例7として投薬した場合の実施例7の用量標準化IV AUCに対して比較することによって、絶対的な生体利用性を求めた。必要に応じて、公称でない測定された用量を用いて、生体利用性を算出した。類似して、同じ手順を、実施例9及び実施例13~実施例20について繰り返した。結果を、表3~表12に示す。これらの結果は、特定のアミノ酸部分をプロドラッグとして組み込むことによって生体利用性が増大し得ることを示している。
【0330】
【表8】
【0331】
【表9】
【0332】
【表10】
【0333】
【表11】
【0334】
【表12】
【0335】
【表13】
【0336】
【表14】
【0337】
【表15】
【0338】
【表16】
【0339】
【表17】
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(I)
[式中、
が、-NHR1aであり;
1aが、-Hまたは-C(O)CH(R1b)NHであり;そして
1bが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、特発性肺線維形成、喘息、慢性閉塞性肺疾患および化学的に誘導された肺線維形成から選択される呼吸器炎症性疾患を処置するための医薬。
【請求項2】
化合物が、式(II):
【化2】
(II)
[式中、
が、-OHまたは-NHR2aであり;
2aが、-Hまたは-C(O)CH(R2b)NHであり;そして
2bが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
化合物が、式(III):
【化3】
(III)
[式中、Rが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬。
【請求項4】
式(Ib):
【化4】
(Ib)
[式中、
が、-NHR1aであり;
1aが、-Hまたは-C(O)CH(R1b)NHであり;そして
1bが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、特発性肺線維形成、喘息、慢性閉塞性肺疾患および化学的に誘導された肺線維形成から選択される呼吸器炎症性疾患を処置するための医薬。
【請求項5】
化合物が、式(IIb):
【化5】
(IIb)
[式中、
が、-OHまたは-NHR2aであり;
2aが、-Hまたは-C(O)CH(R2b)NHであり;そして
2bが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の医薬。
【請求項6】
化合物が、式(IIIb):
【化6】
(IIIb)
[式中、Rが、-CHまたは-CH(CHである]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の医薬。
【請求項7】
化合物が、下記:
【化7】

またはその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の医薬。
【請求項8】
化合物が、下記:
【化8】
またはその薬学的に許容される塩である、請求項4に記載の医薬。
【請求項9】
呼吸器炎症性疾患が、特発性肺線維形成である、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0339
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0339】
【表17】
本発明は、以下の態様および実施形態を含む。
[項1]
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化66】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項2]
式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化67】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである、式(II)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項3]
式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化68】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである、式(III)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項4]
式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化69】
式中、Rは、-OH又は-NHである、式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項5]
式(V)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化70】

[項6]
式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化71】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項7]
式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルであり;又は代わりに、
6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである、式(VI)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項8]
式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化72】
式中
は-NHR1aであり;
1aは、-H又は-C(O)CH(R1b)NHR1cであり;そして
1bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR1dから選択され、そしてR1cは-Hであり;又は
1b及びR1cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
1dは、H又は-CHである、式(Ib)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項9]
式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化73】
式中
は、-OH又は-NHR2aであり;
2aは、-H又は-C(O)CH(R2b)NHR2cであり;
2bは、-H、-(C~C)アルキル、及びCHOR2dから選択され、そしてR2cは-Hであり;又は
2b及びR2cは、これらが結合する原子と合わせて、5員複素環を形成し;そして
2dは、-H又は-CHである、式(IIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項10]
式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化74】
式中
は、-H、-(C~C)アルキル、及び-CHOR3aから選択され;そして
3aは、-H又は-CHである、式(IIIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項11]
式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化75】
式中、Rは、-OH又は-NHである、式(IVb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項12]
式(Vb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化76】

[項13]
式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
【化77】
式中
6aは、-H又は-CHであり;
6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであるか;又は0若しくは1アミノ、若しくは-OR6eで置換されている-(C~C)アルキルであり;そして
6cは、0若しくは1アミノ、又は-OR6fで置換されている-(C~C)アルキルであり;
6dは、H又は-CHであり;そして
6e及びR6fは独立して、-H又は-CHである、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項14]
式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩であって:
6aは、-H又は-CHであり;そしてR6bは、0又は1アミノで置換されている-(C~C)アルキルであり;又は代わりに、
6aは、-H又は-CHであり;R6bは、-C(O)C(R6c6d)NHであり;R6cは、0若しくは1アミノ、又は-OHで置換されている-(C~C)アルキルであり;そしてR6dは、H又は-CHである、式(VIb)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項15]
表1の化合物、又はその医薬的に許容される塩。
[項16]
項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容されるキャリアを含む医薬組成物。
[項17]
癌を処置する方法であって、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法。
[項18]
癌を処置するための、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項19]
癌を処置するのに用いられる医薬の製造における、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項20]
癌を処置するのに用いられる、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
[項21]
呼吸器炎症性疾患を処置する方法であって、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む方法。
[項22]
呼吸器炎症性疾患を処置するための、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項23]
呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる医薬の製造における、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
[項24]
呼吸器炎症性疾患を処置するのに用いられる、項1~15のいずれかに記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【外国語明細書】