(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145567
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】復熱式超臨界CO2電力サイクルの低品位熱最適化
(51)【国際特許分類】
F02C 3/34 20060101AFI20231003BHJP
F02C 3/30 20060101ALI20231003BHJP
F01K 25/10 20060101ALI20231003BHJP
F01D 25/32 20060101ALI20231003BHJP
F02C 1/06 20060101ALI20231003BHJP
F02C 1/08 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
F02C3/34
F02C3/30 D
F01K25/10 E
F01D25/32 C
F02C1/06
F02C1/08
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118248
(22)【出願日】2023-07-20
(62)【分割の表示】P 2020511950の分割
【原出願日】2018-08-27
(31)【優先権主張番号】62/551,025
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】312000387
【氏名又は名称】8 リバーズ キャピタル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フォレスト,ブロック アラン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】炭素質燃料の燃焼、および太陽熱源などの低品位熱源からの熱の入力を有する、電力生産のためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】燃料、酸化剤、および圧縮二酸化炭素流を受け取る燃焼器110と、燃焼器110からの燃焼器排気流を膨張させるタービン120と、タービン120かの膨張タービン排気流から利用可能な熱量を回収する一次熱交換器130と、一次熱交換器130からの膨張タービン排気流から水を除去する分離器135と、分離器135からの二酸化炭素流を圧縮するコンプレッサ140と、コンプレッサ140から燃焼器110へ一次熱交換器130を介して、圧縮二酸化炭素を通すライン151と、加熱された循環流体流を提供するように構成された低品位熱源170と、加熱された循環流体流からの熱を膨張タービン排気流123と組み合わせるために構成された少なくとも1つの結合器とを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電のための方法であって、前記方法は、
圧縮二酸化炭素流の存在下、燃焼器中で燃料を酸化剤で燃焼させて圧縮燃焼生成物流を形成することと、
前記圧縮燃焼生成物流をタービンで膨張させて発電しかつ膨張燃焼生成物流を提供することと、
前記膨張燃焼生成物流を一次熱交換器に通してそこから利用可能な熱量を回収し、かつ冷却タービン排気流を形成することと、
前記冷却タービン排気流から水を除去して二酸化炭素流を提供することと、
前記二酸化炭素流を圧縮して圧縮二酸化炭素流を形成することと、
前記圧縮二酸化炭素流を前記燃焼器へ戻して再循環させることと、
低品位熱源で循環流体流を加熱して加熱された循環流体流を形成することと、
前記一次熱交換器および二次熱交換器のうちの一方または両方の中で、流れが混ざることなく、前記加熱された循環流体流を使用して熱交換を通して前記膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記加熱された循環流体流を使用して前記膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させた後、前記循環流体流は、再加熱されるために前記低品位熱源へ戻されて再循環される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱された循環流体流は、前記二次熱交換器中で前記膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させるのに使用され、前記二次熱交換器は、前記タービンの下流かつ前記一次熱交換器の上流に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱された循環流体流は、前記一次熱交換器中で前記膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させるのに使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記循環流体流は水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記循環流体流は二酸化炭素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一次熱交換器は複数の熱交換ユニットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
サイドヒータが第1の熱交換ユニットと第2の熱交換ユニットとの間に位置し、前記膨張タービン排気流は前記サイドヒータを通り、前記加熱された循環流体流は、前記膨張タービン排気流に熱を提供するために前記サイドヒータを通る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記低品位熱源は太陽熱ヒータである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記低品位熱源は、100℃乃至500℃の温度範囲内で前記加熱された循環流体流を提供するのに有効である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記膨張燃焼生成物流が、前記タービンを出るときの前記膨張燃焼生成物流の温度の少なくとも40%である温度にある、前記一次熱交換器内の箇所において、前記加熱された循環流体流から前記膨張燃焼生成物流に熱が伝達される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記膨張燃焼生成物流が、150℃乃至550℃の範囲内の温度にある、前記一次熱交換器内の箇所において、前記加熱された循環流体流から前記膨張燃焼生成物流に熱が伝達される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記加熱された循環流体流を分割しかつ前記加熱された循環流体流の複数の部分を前記一次熱交換器および前記二次熱交換器に別々に通して前記膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
発電のためのシステムであって、前記システムは、
燃料、酸化剤、および圧縮二酸化炭素流を受け取るように構成された燃焼器と、
前記燃焼器から受け取られた燃焼器排気流を膨張させるように構成されたタービンと、
前記タービンから受け取られた膨張タービン排気流から利用可能な熱量を回収するように構成された一次熱交換器と、
前記一次熱交換器から受け取られた膨張タービン排気流から水を除去するように構成された分離器と、
前記分離器から受け取られた二酸化炭素流を圧縮するように構成されたコンプレッサと、
前記コンプレッサから前記燃焼器へ、前記一次熱交換器を介して、圧縮二酸化炭素を通すように構成されたラインと、
加熱された循環流体流を提供するように構成された低品位熱源と、
前記加熱された循環流体流からの熱を前記膨張タービン排気流と組み合わせるために構成された少なくとも1つの結合器と、
を含む、システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの結合器は、前記タービンの下流かつ前記一次熱交換器の上流に位置する二次熱交換器を含み、前記二次熱交換器は、前記加熱された循環流体流と前記膨張タービン排気流との間で熱交換するために構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記一次熱交換器は複数の熱交換ユニットを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの結合器は、前記複数の熱交換ユニットの2つのうちの熱交換ユニットの間に位置する、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記低品位熱源は太陽熱ヒータである、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭素質燃料の燃焼、および太陽熱源などの低品位熱源からの熱の入力を有する、電力生産のためのシステムおよび方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素(CO2)は、炭素質燃料の燃焼の既知の生成物であり、炭素質燃料の燃焼を利用する電力生産システムは、生成されたCO2を捕捉することを求められている。Allamらの米国特許第8,596,075号は、燃焼から生成されたCO2が様々な最終用途のために取り出され得る、CO2作動流を使用する電力生産システムについて記載している。Palmerらの米国特許出願公開第2013/0118145号は、加熱された高圧再循環CO2流が太陽熱ヒータでさらに加熱され得る、CO2作動流を使用する電力生産システムについて記載している。これは、太陽熱加熱が、150バールを超える(または300バールよりさらに高い)圧力および500℃超の温度の超臨界CO2流内で起こることを必要とすると思われる。しかしながら、そのような温度および圧力条件は、超臨界CO2が直接加熱される場合、集光型太陽熱発電(CSP)レシーバの設計に関して重要な課題をもたらす。超臨界CO2が中間熱伝達ループによって加熱される場合、超臨界CO2の高い温度および圧力だけでなく、約400℃を超える温度などの高温でCSP用途で使用され得る熱伝達流体からのおそらく望ましくない効果にも対処できる熱交換材料を見つけることが課題となる。したがって、当該技術分野において、太陽熱加熱を組み込む能力を有する電力生産のためのさらなるシステムおよび方法に対するニーズが、依然として存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、太陽エネルギーなどの様々な低品位熱源が、例えば、末端熱伝達を利用する代わりに、低品位加熱を復熱式熱交換器列と直接接続する(例えば、サイクルにおける所望の最高温度まで加熱する)ことなどによって、超臨界CO2電力サイクルと有効に統合されてよい、システムおよび方法に関する。したがって、本開示は、低品位加熱が、復熱式熱交換器と直接相互作用することなどによってCO2電力サイクルと統合される、電力生産システムおよび方法を包含する。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態では、タービン排ガスは、復熱式熱交換器列に入る前および/または復熱式熱交換器列に入った後(すなわち、復熱式熱交換器の途中)に、予熱され得る。CO2電力サイクル中の低圧流体は直接加熱される一方、再循環CO2に、集光型太陽熱発電(CSP)システムなどの低品位熱源と直接連通しない高温熱回収を依然として提供する。この構成は、熱交換器中での中間熱伝達流体と高圧CO2流との接触から生じる場合がある任意の望ましくない効果を低減または排除するため、有利であり得る。したがって、技術的および商業的リスクが最小限にされ得る。
【0005】
低圧CO2も、再循環CO2が永久に混入しないような方法で管理され得る、穏やかな熱伝達流体との直接接触を通して加熱されてよい。例えば、CSPシステムまたは他の形態の熱(例えば、ガスタービンからの燃焼排ガス)が、蒸気(他の作動流体としては、CO2、およびおよそ100℃超で気相を形成し、周囲温度ほどの温度で液体である化合物が挙げられ得る)を発生させるのに使用されてよい。この蒸気は、その後、復熱式熱交換器列に入る前および/または復熱式熱交換器列に入った後(すなわち、復熱式熱交換器の途中)に、CO2電力サイクルからのタービン排ガスと合流してよい。蒸気は、その後、復熱式熱交換器列の出口で、専用の水分離ステップで液体水として分離されてよい。その後、熱源へポンプで戻され、蒸気に変換されてもう一度プロセスを開始し得る。
【0006】
本開示のシステムおよび方法の利点は、燃焼器/ヒータに入る再循環CO2の温度を上げるために、主要復熱式熱交換器列の熱伝達性能をさらに最適化することに焦点を合わせている。これは、再循環CO2流自体を直接加熱することによって太陽熱加熱を利用する既知のシステムおよび方法と根本的に異なる。
【0007】
1つ以上の実施形態では、本開示は、発電のための方法を提供する。実施形態例では、方法は、圧縮二酸化炭素流の存在下、燃焼器中で燃料を酸化剤で燃焼させて圧縮燃焼生成物流を形成することと、圧縮燃焼生成物流をタービンで膨張させて発電しかつ膨張燃焼生成物流を提供することと、膨張燃焼生成物流を一次熱交換器に通してそこから利用可能な熱量を回収し、かつ冷却タービン排気流を形成することと、冷却タービン排気流から水を除去して二酸化炭素流を提供することと、二酸化炭素流を圧縮して圧縮二酸化炭素流を形成することと、圧縮二酸化炭素流を燃焼器へ戻して再循環させることと、低品位熱源で循環流体流を加熱して加熱された循環流体流を形成することと、加熱された循環流体流を使用して膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させることとを含み得る。さらなる実施形態では、方法は、以下の記述の1つ以上に関連して特徴付けられてよく、それらは任意の順序または数で組み合わされ得る。
【0008】
加熱された循環流体流を使用して膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させた後、循環流体流は、再加熱されるために低品位熱源へ戻されて再循環され得る。
【0009】
熱は、タービンの下流かつ一次熱交換器の上流で加熱された循環流体流から伝達され得る。
【0010】
膨張タービン排気流および加熱された循環流体流は二次熱交換器に通され得る。
【0011】
加熱された循環流体流は一次熱交換器に通され得る。
【0012】
加熱された循環流体流は、タービンの下流かつ一次熱交換器の上流で膨張タービン排気流と混合され得る。
【0013】
加熱された循環流体流は、膨張タービン排気流が一次熱交換器を通っている間に膨張タービン排気流と混合され得る。
【0014】
膨張タービン排気流と混合される循環流体流の少なくとも一部は、一次熱交換器を通過後、膨張タービン排気流から分離され得る。
【0015】
循環流体と混合された膨張タービン排気流は、一次熱交換器の下流の分離ユニットに通され得る。
【0016】
一次熱交換器を通過後、膨張タービン排気流から分離される循環流体の少なくとも一部は、再加熱されるために低品位熱源へ戻されて再循環され得る。
【0017】
循環流体流は水を含み得る。
【0018】
循環流体流は二酸化炭素を含み得る。
【0019】
循環流体流は冷媒を含み得る。
【0020】
一次熱交換器は複数の熱交換ユニットを含み得る。
【0021】
サイドヒータが第1の熱交換ユニットと第2の熱交換ユニットとの間に位置し得、膨張タービン排気流はサイドヒータを通り得、加熱された循環流体流は、膨張タービン排気流に熱を提供するためにサイドヒータを通り得る。
【0022】
加熱された循環流体流は、複数の熱交換ユニットの2つの熱交換ユニットの間で膨張タービン排気流と混合され得る。
【0023】
低品位熱源は太陽熱ヒータであり得る。
【0024】
1つ以上の実施形態では、本開示は、発電のためのシステムを提供し得る。実施形態例では、システムは、燃料、酸化剤、および圧縮二酸化炭素流を受け取るように構成された燃焼器と、燃焼器から受け取られた燃焼器排気流を膨張させるように構成されたタービンと、タービンから受け取った膨張タービン排気流から利用可能な熱量を回収するように構成された一次熱交換器と、一次熱交換器から受け取られた膨張タービン排気流から水を除去するように構成された分離器と、分離器から受け取られた二酸化炭素流を圧縮するように構成されたコンプレッサと、コンプレッサから燃焼器へ、一次熱交換器を介して、圧縮二酸化炭素を通すように構成されたラインと、加熱された循環流体流を提供するように構成された低品位熱源と、加熱された循環流体流からの熱を膨張タービン排気流と組み合わせるために構成された少なくとも1つの結合器とを含み得る。さらなる実施形態では、システムは、以下の記述の1つ以上によって特徴付けられ得、それらは任意の順序または数で組み合わされ得る。
【0025】
少なくとも1つの結合器は、タービンの下流かつ一次熱交換器の上流に位置する二次熱交換器を含み得、二次熱交換器は、加熱された循環流体流と膨張タービン排気流との間で熱交換するために構成される。
【0026】
一次熱交換器は複数の熱交換ユニットを含み得る。
【0027】
結合器は、複数の熱交換ユニットの2つの熱交換ユニットの間に位置し得る。
【0028】
低品位熱源は太陽熱ヒータであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】低圧流と混じり合うことのない、本開示による、低圧流の加熱に低品位加熱を利用する発電サイクルの実施形態例を示す流れ図である。
【
図2】加熱流を低圧流と組み合わせ、その後、加熱流を除去することによる、本開示による、低圧流の加熱に低品位加熱を利用する発電サイクルの実施形態例を示す流れ図である。
【
図3A】複数の熱交換ユニットの通過に対するタービン排気流への熱の追加を示す発電サイクルの一部の実施形態例の流れ図を提供する。
【
図3B】複数の熱交換ユニットの通過に対するタービン排気流への熱の追加を示す発電サイクルの一部の実施形態例の流れ図を提供する。
【
図3C】複数の熱交換ユニットの通過に対するタービン排気流への熱の追加を示す発電サイクルの一部の実施形態例の流れ図を提供する。
【
図3D】複数の熱交換ユニットの通過に対するタービン排気流への熱の追加を示す発電サイクルの一部の実施形態例の流れ図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の主題について、その例示的実施形態を参照して、以下でより完全に記載する。これら例示的実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように記載され、当業者に主題の範囲を完全に伝えるものであろう。実際、主題は、多くの異なる形態で具現化されることができ、本明細書に明記される実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これら実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「一」、「一つ」、「その」は、文脈で特段他の意味が明示されていない限り、複数形を含む。
【0031】
本開示は、電力生産のためのシステムおよび方法に関する。システムおよび方法は、高圧高温再循環CO2流が、(例えば、燃焼器中で)さらに加熱され、電力生産のためにタービンで膨張され、復熱式熱交換器中で冷却され、再加圧され、復熱式熱交換器中で再加熱される電力サイクルと、太陽熱加熱が統合される、様々な実施形態に関連して例示され得る。本開示による使用に適し得る、電力生産のためのシステムおよび方法ならびにそれらの要素の非限定的な例は、それらの開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,596,075号、米国特許第8,776,532号、米国特許第8,959,887号、米国特許第8,986,002号、米国特許第9,068,743号、米国特許第9,416,728号、米国特許第9,546,814号、米国特許第10,018,115号、および米国特許出願公開第2012/0067054号に記載されている。低品位加熱を利用する従来のシステムおよび方法と異なり、本開示のシステムおよび方法は、再循環CO2流が、復熱式熱交換器列中ですでに加熱された後に過熱されることを必要としない。
【0032】
1つ以上の実施形態例では、低品位熱は、復熱式熱交換器列に直接提供される。本明細書で使用される場合、低品位熱は、約100℃~約550℃、約150℃~約500℃、または約200℃~約450℃の範囲の熱を意味し得る。これは、空気分離ユニット(ASU)、高温ガスコンプレッサ、および/または他の供給源からの圧縮熱などの、さらなる外部供給源からの熱統合のいかなる必要性も本質的に排除し得る。例えば、低品位熱は、復熱式熱交換器列の中のタービン排気を、直接的または間接的のいずれかで加熱し得る。熱の追加は、タービン排気と再循環CO2との間のCPの不均衡の軽減を可能にし、それにより燃焼器中への再循環CO2の温度を上昇させる。
【0033】
1つ以上の実施形態では、様々なタイプの追加の加熱が組み合わされ得る。そのような場合、組み合わされた加熱源は、具体的には、サイクル中の異なる箇所の異なる流れに加えられ得る。例えば、追加加熱は、ASUおよび/または高温ガスコンプレッサから、圧縮済みの、燃焼器中へ戻る再循環の準備ができている再循環流へ提供され得る(例えば、再循環流が熱交換器中で加熱されている間に再循環流に加えられるか、または熱交換器の高温端と燃焼器との間のある箇所で加えられる)。そのような場合、低品位熱は、タービン排気流が復熱式熱交換器列に入る前に過熱され得るように、タービン排気流に加えられてもよい。熱伝達流体の一部は、さらなる低品位加熱を提供するために、タービン排気温度未満に冷却されてもよく、これは、ASUおよび/または高温ガスコンプレッサによって提供される加熱を補うか、またはそのような供給源から提供されなければならない加熱の量をさらに低減する。この補助的な熱は、上述したのと同じCPの利益を提供する。それはまた、低品位熱発生に使用されるフロースルー非冷却コンプレッサ(高温ガスコンプレッサ対中間冷却コンプレッサ比は様々)を減らすことを可能にしてよく、それにより、内部寄生負荷消費量を最小限にし、正味の発電量を増加させる。低品位熱追加は、正味効率はより高いが電力出力の低減をもたらす内部発熱の必要性を低減するため、効率だけでなく電力の送り出しも増加させる。あるいは、フロースルー非冷却低品位熱発生コンプレッサは減らされなくてよく、復熱式熱交換器列中の過剰の利用可能な熱は、熱電併給システムなどの第三者工業プロセスを熱的に補うために、または主要熱交換器列の有効サイズを低減するために、使用されてよい。本開示による低品位加熱の追加は、熱交換器内で到達する内部温度を増加させ得、熱交換器の相対的なサイズを低減し得るという点で特に有利である。
【0034】
本開示による電力生産方法を実行するための例示的な電力生産システム10を
図1に示す。そこに示すように、燃焼器110は、酸化剤源102からライン103で酸化剤を受け取り、燃料源104からライン105で燃料を受け取るために構成される。ライン105からの燃料は、燃焼器中でライン103からの酸化剤で燃焼されて、ライン117で燃焼器を出る燃焼器排気を形成する。ライン117中の燃焼器排気は、タービン120に通されて発電機125で発電し、膨張された燃焼器排気は、ライン123でタービン排気としてタービンを出る。タービン120は、第1のタービンまたは一次タービンと呼ばれてよい。ライン123で一次タービン120を出る膨張タービン排気は、復熱式熱交換器130に通されてタービン排気を冷却しかつ1つ以上のさらなる流れに熱を提供する。復熱式熱交換器130は、第1の熱交換器または一次熱交換器と呼ばれてよい。冷却タービン排気は、ライン133で一次熱交換器130を出て、タービン排気流中のCO
2の精製のために水分離器135に通る。水および任意の同伴要素は、ライン137を通して取り出され、実質的に純粋なCO
2は、ライン139で水分離器135を出る。ライン139中の実質的に精製されたCO
2は、まず、コンプレッサ140で圧縮され、その後、ライン141を通ってポンプ145へ入り、ライン147に燃焼器110へ戻る入力に適した圧力の再循環CO
2流を形成する。コンプレッサ140およびポンプ145が図示されているが、要素の1つまたは組み合わせが、再循環CO
2流の圧縮に使用されてよいことが理解される。例えば、中間冷却多段コンプレッサが利用されてよい。ライン147中の再循環CO
2の一部は、CO
2生成物ライン149を通してシステムから取り出されてよい。加えてまたは代わりに、生成物CO
2は、異なる圧力でライン139および/またはライン141から取り出されてよい。ライン147中の再循環CO
2は、一次熱交換器130を通って戻ることによって加熱され、燃焼器110中へ戻る再循環用のライン151として出る。このようにして、ライン151は、コンプレッサ140から(具体的には、コンプレッサおよびポンプ145から)燃焼器110へ、一次熱交換器130を介して、圧縮二酸化炭素を通すように構成される。所望により、ライン151および/またはライン147および/またはライン141中の再循環CO
2の一部は、ライン103中の酸化剤の希釈剤として使用するために、取り出され、ライン103に加えられてよい。
【0035】
低品位熱源170は、循環流に加熱を提供するために利用される。必要な温度範囲の加熱を提供できる任意の熱源が利用されてよい。いくつかの実施形態では、CSP加熱ユニットが利用されてよい。さらなる例では、ガスタービンまたは発電方法で典型的に使用される他の既知の熱源が使用されてよい。好ましくは、低品位熱源170は、約100℃~約550℃、約150℃~約500℃、または約200℃~約450℃の範囲の温度の加熱された循環流体流を提供するように構成される。循環流体は、必要な温度条件下で流動性を有し、効率的な熱伝達を提供する任意の材料であってよい。例示された実施形態では、2つの流れは混ざらないため、低品位熱の伝達のための循環流体流は、必ずしもタービン排気流と相溶性である必要はない。
【0036】
図1に示すように、循環流体は、ライン169を通して低品位熱源170に提供され、メイクアップ流体は、電力生産システム10の動作中、必要に応じて提供され得る。循環流体は、低品位熱源170で所望の温度に加熱され、ライン171を通って、ライン123中のタービン排気流に熱を伝達する。システム10は、加熱された循環流体流からの熱を膨張タービン排気流と組み合わせるために構成された少なくとも1つの結合器を含む。結合器は様々な形態を取り得、流れ間での熱伝達および/または流れの直接混合に適した任意の要素であり得る。本明細書の結合器として有用であり得る要素の非限定的な例としては、熱交換器、サイドヒータ、ユニオン、弁、混合ユニット等が挙げられる。
【0037】
図1は、ライン171の循環流体の別経路を示す。循環流体は、一次熱交換器130中へ通る前にライン123中のタービン排気に加熱を提供するために、ライン172を通ってよい。破線で示すように、任意選択のラインヒータ129が、ライン172からライン123への熱伝達を促進するために含まれてよい。したがって、ラインヒータ129は二次熱交換器と呼ばれてよい。あるいは、循環流体は、一次熱交換器を通過中にライン123中のタービン排気に加熱を提供するために、ライン173を通ってよい。好ましくは、ライン173中の循環流体は、タービン排気がその熱の大部分を失う前に熱伝達がもたらされるように、一次熱交換器130中の箇所に提供される。例えば、タービン排気温度は、ライン173中の循環流体から熱が伝達される場合、一次熱交換器130を通過中の箇所で、その元の温度の40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%(例えば、最高99.9%まで)であってよい。ある実施形態では、ライン173中の循環流体は、その熱を、一次タービン排気130を通過中にライン123中のタービン排気へ伝達してよく、一方、タービン排気の温度は、約150℃~約550℃、約200℃~約500℃、約250℃~約475℃、または約300℃~約450℃の範囲である。ライン171中の循環流体は、ライン172だけを通ってよく、ライン173だけを通ってよく、またはライン172とライン173との間で分割されて通ってよい。後者の構成の場合、ライン172とライン173との間で分割される循環流体の比率を制御するために、スプリッタ(図示せず)が含まれてよい。したがって、タービンの下流かつ一次熱交換器の上流で加熱された循環流体流から熱を伝達することが可能である。あるいは、サイクル中の、一次熱交換器の低温端の上流の箇所で、加熱された循環流体流から熱を伝達することが可能である。
【0038】
低品位熱源170からの加熱された循環流体流は、膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量を増加させるのに使用され得る。膨張燃焼生成物流中の利用可能な熱量は、燃焼器へ戻る圧縮二酸化炭素流を加熱するのに利用され、そのような加熱を提供するために膨張タービン排気流から熱を回収することが望ましい。しかしながら、このようにして回収できる熱の量には明白な限界がある。加熱された循環流体から膨張タービン排気流へ熱を加えることによって、圧縮二酸化炭素流を加熱するために一次熱交換器130で取り出すことができる利用可能な熱量を増加させることが可能である。好ましくは、低品位熱源を出る加熱された循環流体流からの熱の追加は、膨張タービン排気流からの利用可能な熱量を、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも20%増加させるのに十分である。例えば、加熱された循環流体流からの熱の追加は、膨張タービン排気流からの利用可能な熱量を、少なくとも3℃、少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも20℃、少なくとも50℃、または少なくとも100℃(最高300℃まで)増加させるのに十分であり得る。より具体的には、加熱された循環流体流からの熱の追加は、膨張タービン排気流からの利用可能な熱量を、約10℃~約300℃、約20℃~約200℃、または約25℃~約100℃増加させるのに十分であり得る。利用可能な熱量の増加は、タービンを出る膨張タービン排気流の温度を実質的に一定に保ちながら、加熱された循環流体流から膨張タービン排気流への熱の追加あり、および加熱された循環流体流から膨張タービン排気流への熱の追加なしで、一次熱交換器130の高温端を出る圧縮二酸化炭素流の温度を測定することによって計算され得る。いくつかの実施形態では、加熱された循環流体がタービン排気流と混ざるような場合、元のタービン排気温度での総加熱質量流量の有利な増加が提供される。したがって、実施形態例では、一次熱交換器を通ってその低温端へ向かう加熱された流体の質量流量は、タービンを出てすぐの排気流の質量に対して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%(例えば、最大質量増加200%で)増加され得る。ある実施形態では、一次熱交換器を通ってその低温端へ向かう加熱された流体の質量流量は、約5%~約200%、約10%~約150%、約20%~約100%、または約25%~約90%増加され得る。
【0039】
タービン排気流への熱伝達の後、循環流体は、再加熱のためにライン177に通る。任意選択の冷却器175が、その温度を低減し、任意選択で、電力生産システム10で使用するためのさらなる利用可能な熱を取り出すために、ライン177に設けられてよい。その後、循環流体はライン177を通って低品位熱源へ戻り、所望の温度に再加熱される。
【0040】
1つ以上の実施形態では、循環流体は、およそ100℃超の温度で気相を形成するように構成され、より低い温度で液体(例えば、約15℃~約90℃、約18℃~約80℃、または約20℃~約70℃の範囲などの、およそ周囲温度で液体)に変換するように構成された材料であってよい。いくつかの実施形態では、水が循環流体として使用されてよい。他の実施形態では、二酸化炭素が循環流体として使用されてよい。さらなる実施形態では、水と二酸化炭素との混合物が循環流体として利用されてよい。さらに他の実施形態では、既知の冷媒が循環流体として利用されてよい。
【0041】
図2は、
図1に示すシステムに実質的に類似しているが、その加熱をもたらすためにタービン排気流と循環流体が混ざるように構成されている電力生産システムを示す。
図2に示すように、循環流体は、ライン169を通して低品位熱源170に提供され、メイクアップ流体は、電力生産システム10の動作中、必要に応じて提供され得る。循環流体は、低品位熱源170で所望の温度に加熱され、ライン171を通って、ライン123中のタービン排気流に熱を伝達する。
図2は再び、ライン171の循環流体の別経路を示す。循環流体は、一次熱交換器130中へ通る前にライン123中のタービン排気に加熱を提供するために、ライン172を通ってよい。循環流体は、一次熱交換器130を通過中にライン123中のタービン排気に加熱を提供するために、ライン173を通ってよい。いずれの場合も、循環流体は、タービン排気と組み合わされて混合流を形成してよい。したがって、ライン133で一次熱交換器を出る流れは、循環流体と組み合わされたタービン排気を含む。組み合わされた流れは、タービン排気から水を除去するために水分離器135で処理され得、水はライン137に出る。水が循環流体として使用される実施形態では、ライン137からの水の一部は、低品位熱源170へ戻るために、ライン178でライン177へ回され得る。所望により、スプリッタ、弁、または類似の要素(
図2には示されていない)が、ライン137中の水の適切な比率の除去を促進するために、ライン137に設けられ得る。循環流体が二酸化炭素を含む実施形態では、二酸化炭素は、水分離器135の頂部を出るライン139から除去され得る。具体的には、ライン139からの二酸化炭素の一部は、低品位熱源170へ戻るために、ライン179でライン177へ回され得る。再び、スプリッタ、弁、または類似の要素(
図2には示されていない)が、ライン139中の二酸化炭素の適切な比率の除去を促進するために、ライン139に設けられ得る。1つ以上の実施形態では、低品位熱源へ戻って再循環するための循環流体の分離を促進するために、1つ以上の追加の分離ユニットが含まれてよい。例えば、第1の流体分離ユニット136aが、一次熱交換器と水分離器135との間で、タービン排気流からの循環流体の除去のために、ライン133に位置してよい。別の例として、第2の流体分離ユニット136bが、水分離器135とコンプレッサ140との間で、再循環CO
2流からの循環流体の除去のために、ライン139に位置してよい。さらに別の例として、第3の流体分離ユニット136cが、水分離器135を出る水流からの循環流体の除去のために、ライン137に位置してよい。いずれの場合も、低品位熱源170中へ通るライン177へ除去された循環流体を戻すために、さらなるラインが設けられてよい。
【0042】
低品位加熱に加えて、さらなる加熱が、本システムおよび方法に提供されてよい。低品位加熱は、圧縮前のタービン排気流への追加加熱の提供に特に有利であり、圧縮された再循環CO
2流への追加加熱の提供にも有用であり得る。
図2を参照すると、追加熱源190が設けられ得、熱がライン191を介して提供され得、それは、圧縮された再循環CO
2流への熱伝達に使用され得る加熱流体の流れであってよい。追加熱源190からの熱は、任意の箇所でライン151中の流れに加えられ得る。したがって、追加熱源からの熱は、再循環CO
2流が一次熱交換器130中で加熱されている間に、または一次熱交換器を通過後、燃焼器110中へ通る前に、再循環CO
2流に加えられ得る。所望により、補助的な熱交換器が、ライン191中の流れとライン151中の圧縮された再循環CO
2流との間の熱交換に使用され得る。同様に、サイドヒータが、
図3Aおよび
図3Bに関連して説明されるものと類似の方法で利用されてよい。追加熱源190は、例えば、ASU、ボイラからの蒸気流、高温ガスコンプレッサからの流れ等であってよい。
【0043】
1つ以上の実施形態では、一次熱交換器130は、複数の熱交換ユニットで形成されてよい。低品位熱源170からの熱は、その後、様々な箇所および様々な方法でライン123中のタービン排気に加えられ得る。(
図1および
図2で別途説明された電力生産システムの一部のみを示す)
図3Aの実施形態例では、タービン排気流は、第1の熱交換ユニット130a、第2の熱交換ユニット130b、および第3の熱交換ユニット130cを通る。3つの熱交換ユニットが図示されているが、2つの熱交換ユニットが使用されてよく、または4つ以上の熱交換ユニットが利用されてよいことが理解される。図示されるように、第1の熱交換ユニット130aは高温ユニットであり、第2の熱交換ユニット130bは中温ユニットであり、第3の熱交換ユニット130cは低温ユニットである。ライン123中のタービン排気流は、熱交換ユニットを順次通る。第1の熱交換ユニットを通過後、タービン排気流は第1のサイドヒータ132aを通り、そこで第1のサイドヒータを向流で通されるライン171中の循環流体流に接して加熱される。このようにして、タービン排気流は、第1の熱交換ユニット130aと第2の熱交換ユニット130bとの間の温度範囲で加熱される。
【0044】
さらなる実施形態例では、
図3Bに示すように、ライン123中のタービン排気流は、第2の熱交換ユニット130bを通過後、第3の熱交換ユニット130cを通る前に、第2のサイドヒータ132bを通る。再び、タービン排気流は、第2のサイドヒータ132bを向流で通されるライン171中の循環流体流に接して加熱される。このようにして、タービン排気流は、第2の熱交換ユニット130bと第3の熱交換ユニット130cとの間の温度範囲で加熱される。いくつかの実施形態では、第1のサイドヒータ132aおよび第2のサイドヒータ132bの両方が存在してよく、ライン171中の循環流体は、低品位熱源170を出る加熱された循環流体の第1の部分が第1のサイドヒータ132aに通され、低品位熱源を出る加熱された循環流体の第2の部分が第2のサイドヒータ132bに通されるように分割されてよい。第1の部分と第2の部分との間の比率は、必要に応じて調節され得る。例えば、第1の部分および第2の部分は、約4:1~約1:4、約2:1~約1:2、または約1:1の重量比であり得る。図示されていないが、本開示は、第1の熱交換ユニット中へ通る前にライン123中のタービン排気流を加熱するために、サイドヒータが第1の熱交換ユニット130aの上流に位置する実施形態も包含する。
【0045】
前述と同様に、循環流体がタービン排気流と混合される実施形態で、複数の熱交換ユニットが利用されてよい。
図3Cに示すように、ライン123中のタービン排気流は、第1の熱交換ユニット130a、第2の熱交換ユニット130b、および第3の熱交換ユニット130cを順次通る。第1のユニオン134aは、第1の熱交換ユニット130aと第2の熱交換ユニット130bとの間に位置する。ライン171中の循環流体流は、第1のユニオン134aでタービン排気流と合流して混合流を形成する。その後、混合流は、第2の熱交換ユニット130bおよび第3の熱交換ユニット130cを通り、その後、第1の流体分離ユニット136aに通る。循環流体は分離され、再加熱のために低品位ヒータへ戻るライン177に出て、タービン排気流は、本明細書に別途記載されたようなさらなる処理のためにライン133に出る。このようにして、タービン排気流は、第1の熱交換ユニット130aと第2の熱交換ユニット130bとの間の温度範囲で加熱される。
【0046】
第2のユニオン134bが第2の熱交換ユニット130bと第3の熱交換ユニット130cとの間に位置する、さらなる実施形態例を
図3dに示す。ライン171中の循環流体流は、第2のユニオン134bでタービン排気流と合流して混合流を形成する。その後、混合流は、第3の熱交換ユニット130cを通り、その後、第1の流体分離ユニット136aに通る。循環流体は分離され、再加熱のために低品位ヒータへ戻るライン177に出て、タービン排気流は、本明細書に別途記載されたようなさらなる処理のためにライン133に出る。このようにして、タービン排気流は、第2の熱交換ユニット130bと第3の熱交換ユニット130cとの間の温度範囲で加熱される。いくつかの実施形態では、第1のユニオン134aおよび第2のユニオン134bの両方が存在してよく、ライン171中の循環流体は、低品位熱源170を出る加熱された循環流体の第1の部分が第1のユニオンに通され、低品位熱源を出る加熱された循環流体の第2の部分が第2のユニオンに通されるように分割されてよい。第1の部分と第2の部分との間の比率は、必要に応じて調節され得、上に記載されたような範囲であり得る。図示されていないが、本開示は、第1の熱交換ユニット中へ通る前にライン123中のタービン排気流を加熱するために、ユニオンが第1の熱交換ユニット130aの上流に位置する実施形態も包含する。
【0047】
前述のシステムおよび方法は、(太陽熱加熱システムなどの)低品位熱源の、CO2作動流を利用するシステムおよび方法との統合に特に有利である。しかしながら、そのようなシステムおよび方法は、高圧と低圧との間でCp値の差を有する任意の作動流体に使用されてよいことが理解される。
【0048】
当業者であれば、前述の説明および付随する図面に示される教示の利益を有して本開示の主題に関連する、本開示の主題の多くの変更形態および他の実施形態を思いつくであろう。それゆえ、本開示は、本明細書に記載される具体的な実施形態に限定されるものではなく、変更形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることを理解されたい。明細書において具体的な用語が用いられているが、それらは単に一般的かつ記述的な意味で使用されており、限定を目的としていない。