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特開2023-145583ナノ秒パルサー回路での効率的なエネルギー回収
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145583
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ナノ秒パルサー回路での効率的なエネルギー回収
(51)【国際特許分類】
   H03K 3/64 20060101AFI20231003BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H03K3/64
H05H1/46 R
【審査請求】有
【請求項の数】44
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023119845
(22)【出願日】2023-07-24
(62)【分割の表示】P 2021539878の分割
【原出願日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】62/789,523
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/789,526
(32)【優先日】2019-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】520064676
【氏名又は名称】イーグル ハーバー テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】EAGLE HARBOR TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】プレガー,ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】スロボドヴ,イリア
(72)【発明者】
【氏名】クインリー モーガン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ナノ秒パルサー回路での効率的なエネルギー回収をするナノ秒パルサー回路、高電圧パルス発生方法及び高電圧・高周波スイッチング回路を提供する。
【解決手段】ナノ秒パルサーシステム1200は、高電圧の電源V1と、一次側と二次側を有し、一次側にナノ秒パルサーが電気的に結合されるトランスT1と、電源と電気的に結合され、電源からの電圧を非常に高速に切り替えるスイッチS6と、を有するナノ秒パルサーステージ101及びトランスの二次側と電気的に結合されるエネルギー回収回路110を含む。エネルギー回収回路は、高電圧電源と電気的に結合されたインダクタ115と、トランスの二次側と並列に配置されたクローバーダイオード130と、インダクタと直列に配置され、容量性負荷1205から高電圧電源に電流を伝導するように配置されたエネルギー回収ダイオード120と、を備えている。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノ秒パルサー回路であって、
高電圧電源と、
前記高電圧電源と電気的に結合され、前記高電圧電源からの電圧を高周波数で切り替えるナノ秒パルサーと、
一次側と二次側を有するトランスであって、前記トランスの一次側に前記ナノ秒パルサーが電気的に結合されている、トランスと、
前記トランスの二次側と電気的に結合されたエネルギー回収回路とを備え、前記エネルギー回収回路が、
高電圧電源と電気的に結合されたエネルギー回収インダクタと、
前記トランスの2次側と並列に配置されたクローバーダイオードと、
前記エネルギー回収インダクタと直列に配置され、負荷から前記エネルギー回収インダクタを介して前記高電圧電源に電流を流すように配置された第2のダイオードとを備えている、ナノ秒パルサー回路。
【請求項2】
前記エネルギー回収インダクタは約50μHを超えるインダクタンスを有している、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項3】
前記ナノ秒パルサーは、前記高電圧電源からの電圧を約400kHzの周波数で切り替える、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項4】
前記ナノ秒パルサー回路は、5kVを超える電圧を負荷に供給する、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項5】
前記負荷が容量性負荷を含む、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項6】
前記負荷がプラズマ成膜室を含む、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項7】
前記エネルギー回収回路は、前記第2のダイオード及び前記エネルギー回収インダクタと直列に接続された高電圧スイッチを更に備えている、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項8】
前記高電圧スイッチは5kVを超える電圧を切り替える、請求項7に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項9】
前記高電圧電源は1kVを超える電圧の直流電力を供給する、請求項1に記載のナノ秒パルサー回路。
【請求項10】
回路であって、
ストレージコンデンサと、
前記ストレージコンデンサに接続されたスイッチング回路であって、1kVを超える電圧と1kHzを超える周波数の波形を出力するスイッチング回路と、
一次側と二次側を有するトランスであって、前記トランスの一次側に前記スイッチング回路が電気的に結合されている、トランスと、
前記トランスの2次側及び前記ストレージコンデンサと電気的に結合されたエネルギー回収回路とを備え、前記エネルギー回収回路が、
高電圧電源と電気的に結合されたエネルギー回収インダクタと、
前記エネルギー回収インダクタと直列に配置され、負荷から前記エネルギー回収インダクタを経由して前記高圧電源に電流を流すように配置された第2のダイオードとを備えている回路。
【請求項11】
前記エネルギー回収回路は、前記トランスの二次側と並列に配置されたクローバーダイオードを備えている、請求項10に記載の回路。
【請求項12】
前記スイッチング回路はナノ秒パルサーを備えている、請求項10に記載の回路。
【請求項13】
前記スイッチング回路は、約400kHzを超える周波数で動作するRFドライバを備えている、請求項10に記載の回路。
【請求項14】
前記RFドライバは、ハーフブリッジドライバ又はフルブリッジドライバの何れかを含む請求項13に記載の回路。
【請求項15】
バイアス補償回路を更に備え、前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオード及び前記バイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源と含む、請求項10に記載の回路。
【請求項16】
前記エネルギー回収インダクタは50μHを超えるインダクタンスを含む、請求項10に記載の回路。
【請求項17】
高電圧パルス発生方法であって、
パルサースイッチを閉じた状態でバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路をトランスの二次側に結合するステップと、
ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じた状態でパルスを発生するステップであって、前記ナノ秒パルサーはトランスの一次側と直流電源に結合され、パルスは前記トランスの二次側で1kVを超える電圧を有する、ステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態でエネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを開くステップであって、前記エネルギー回収回路は前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されているステップと、
約100ナノ秒未満の期間で休止するステップと、
前記ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じるステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態で前記エネルギー回収回路内の前記エネルギー回収スイッチを開くステップと、を含む方法。
【請求項18】
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、請求項17に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項19】
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置された複数の電圧分担抵抗器を有する複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、請求項17に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項20】
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオードと前記バイアス補償スイッチとに直列に配置された直流電源とを備えている請求項17に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項21】
高電圧パルス発生方法であって、
パルスのバーストの前に、トランスを介してナノ秒パルサーに結合されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの二次側に結合されるステップと、
前記パルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは、前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は、約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は、前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生成するステップと、
前記パルスのバースト中に、エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチの開閉を繰り返し、前記パルサースイッチが開いているときには前記エネルギー回収スイッチを閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときには前記エネルギー回収スイッチを開くようにし、前記エネルギー回収回路を前記トランスの2次側と前記直流電源に結合するステップと、
前記パルスのバーストの後で、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
【請求項22】
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に前記バイアス補正スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバースト時に前記エネルギー回収スイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を更に含む請求項21に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項23】
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、請求項21に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項24】
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置され複数の電圧分担抵抗器を有している複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が、前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、請求項21に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項25】
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオード及び前記バイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを含む、請求項21に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項26】
高電圧パルス発生方法であって、
第1のパルスのバースト前に、トランスを介してナノ秒パルサーに接続されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの2次側に接続されるステップと、
前記第1のパルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、前記パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生じさせるステップと、
前記パルスのバースト後に、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に、前記バイアス補償スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で、前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
【請求項27】
前記パルサースイッチが開いているときにエネルギー回収スイッチが閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときにエネルギー回収スイッチが開くように、前記第1のパルスのバースト中に、前記エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを繰り返し開閉するステップを更に含み、前記エネルギー回収回路が前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されている、請求項26に記載の高電圧パルス発生方法
【請求項28】
前記第2のパルスのバースト中に前記エネルギー回収スイッチを開閉する、請求項27に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項29】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源と並列に接続された一次シンクであって、前記出力と結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器を含む、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項30】
前記一次シンクは、約1キロワットを超える平均電力を散逸するように構成されている、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項31】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続された少なくとも1つのインダクタを備えている、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項32】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続されたスイッチを含む、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項33】
前記出力は、概ね容量性であるプラズマ負荷と結合される、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項34】
前記出力は、誘電体バリア放電を含むプラズマ負荷と結合される、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項35】
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値は約400オーム未満の値を有する、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項36】
前記高電圧・高周波スイッチング電源は、100kWを超えるピーク電力を供給する、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項37】
前記一次シンク内の抵抗は抵抗Rを含み、出力は、
【数1】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中tはパルス立下り時間である、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項38】
前記負荷は50nF未満の容量を有する容量性であり、前記負荷の容量は10μsを超える時間は電荷を保持しない、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項39】
前記負荷は本質的に容量性であり、前記高電圧・高周波スイッチング回路は前記負荷容量を急速に充放電する、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項40】
前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないとき、前記出力は、プラズマ内で-2kVを超える負のバイアス電圧を生成する、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項41】
前記出力は、1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有する高電圧パルスを、約400ns未満のパルス立下り時間で生成することができる、請求項29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項42】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側に電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記出力に結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器と、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に配置された少なくとも1つのインダクタとを備える、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項43】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器及び/又は前記少なくとも1つのインダクタと直列に接続されたスイッチを含む、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項44】
前記出力は、1kVを超える電圧を有し、10kHzを超える周波数を有し、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができる、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項45】
前記一次シンクは、約1キロワットを超える電力を散逸するように構成されている、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項46】
前記高電圧スイッチング電源は、電源、少なくとも1つのスイッチ、及び昇圧トランスを備えている、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項47】
前記一次シンクは10kWより大きいピーク電力を処理する、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項48】
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値が約400オーム未満である請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項49】
前記一次シンクはインダクタと抵抗器を含み、前記インダクタのインダクタンスLと前記抵抗器の抵抗値Rは、L/R≒tpを満たすように設定されており、式中tpはパルスのパルス幅である、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項50】
前記一次シンクの抵抗器は抵抗Rを含み、前記出力は、
【数2】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中tはパルス立下り時間である、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項51】
前記出力は、イオンを表面に加速する為に使用される負のバイアス電圧をプラズマ内に生成する、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項52】
前記出力は、前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないときに、前記電極又は前記基板(又はウェハ及びプラズマ)からグランドに対して-2kVよりも大きい負の電位差を生成する、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項53】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数のパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記一次シンクは、直列に配置された少なくとも1つの抵抗器、少なくとも1つのインダクタ、及びスイッチを含む、一次シンクと、を備え、
前記出力は、1kVを超える電圧、10kHzを超える周波数、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができ、前記出力は、プラズマ型負荷に電気的に接続されている、高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項54】
前記プラズマ型負荷は、大きさが20nF未満の容量性素子を有するものとしてモデル化され得る、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項55】
前記プラズマ型負荷は、イオンを表面に加速するように設計されている、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項56】
高電圧高周波スイッチング電源の作用により、イオンを表面に加速する為の電位が確立される、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項57】
前記プラズマ型は概ね本質的に容量性である、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項58】
前記プラズマ型負荷は誘電体バリア放電を含む、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項59】
前記高電圧高周波スイッチング電源は100kWを超えるピーク電力を供給する、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項60】
前記高電圧スイッチング電源は、電源と、少なくとも1つのスイッチと、昇圧トランスとを備えている、請求項53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ秒パルサー回路での効率的なエネルギー回収に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧パルスを高速立上り時間及び/又は高速立下り時間で生成することは困難である。例えば、高電圧パルス(例えば、約5kVを超える)の高速立上り時間及び/又は高速立下り時間(例えば、約50ns未満)を達成する為には、パルスの立上り及び/又は立下りの傾斜が非常に急峻でなければならない(例えば、10-11V/sを超える)。このような急峻な立上り時間及び/又は立下り時間は、特に容量性負荷を駆動する回路では作り出すことが非常に困難である。このようなパルスは、標準的な電気部品を使ってコンパクトに生成すること、及び/又は、可変のパルス幅、電圧、繰り返し率を持つパルスで生成すること、及び/又は、例えばプラズマのような容量性負荷を有するアプリケーション内で生成することが、特に困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
幾つかの実施形態はナノ秒パルサー回路を含む。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー回路は、高電圧電源と、高電圧電源と電気的に結合され、高電圧電源からの電圧を高周波で切り替えるナノ秒パルサーと、一次側と二次側を有するトランスであって、ナノ秒パルサーがトランスの一次側と電気的に結合されているトランスと、トランスの二次側と電気的に結合されているエネルギー回収回路とを含み得る。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、高電圧電源と電気的に結合されたインダクタと、トランスの二次側と並列に配置されたクローバーダイオードと、インダクタと直列に配置され、負荷から高電圧電源に電流を伝導するように配置された第2のダイオードとを備える。
【0005】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタは約50μHを超えるインダクタンスを有している。
【0006】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、約100kHzを超える周波数で高電圧電源からの電圧を切り替える。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、約0kHz~約500kHzの周波数で高電圧電源からの電圧を切り替える。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー回路は、約5kVを超える電圧を負荷に供給する。
【0007】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路はスイッチを備えている。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、第2のダイオード及びインダクタと直列の高電圧スイッチを更に備える。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチは、約5kVを超える電圧を切り替える。
【0008】
幾つかの実施形態では、負荷は容量性負荷を含む。幾つかの実施形態では、負荷はプラズマ成膜チャンバを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、高電圧電源は、500V、750V、1kV、1.5kV等を超える電圧の直流電力を供給する。
【0010】
幾つかの実施形態は回路を含み、回路は、ストレージコンデンサと、ストレージコンデンサに結合され、約1kVを超える電圧及び約1kHzを超える周波数を有する波形を出力するスイッチング回路と、一次側及び二次側を有するトランスであって、トランスの一次側にスイッチング回路が電気的に結合され得る、トランスと、トランスの二次側(例えば、エネルギー回収ダイオードを介して)及びストレージコンデンサと電気的に結合されたエネルギー回収回路とを備えている。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、高電圧電源と電気的に結合されたインダクタと、インダクタと直列に配置され、負荷から高電圧電源に電流を伝導するように配置された第2のダイオードとを備えている。
【0011】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、二次トランスと並列に配置されたクローバーダイオードを備えている。
【0012】
幾つかの実施形態では、インダクタは約50μHを超えるインダクタンスを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、スイッチング回路はナノ秒パルサーを含む。幾つかの実施形態では、スイッチング回路はRFドライバを備える。幾つかの実施形態では、RFドライバは、ハーフブリッジドライバ、フルブリッジドライバ、高周波ソリッドステートスイッチ(複数可)、RFジェネレータ、増幅管ベースのRFジェネレータ、又は管ベースのRFジェネレータの何れかを含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、回路は更に、バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、バイアス補償ダイオード及びバイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを含むバイアス補償回路を備える。
【0015】
幾つかの実施形態は、高電圧パルス発生方法を含む。この方法は、パルサースイッチを閉じた状態でバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、バイアス補償回路をトランスの2次側に結合するステップと、ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じてパルスを発生し、ナノ秒パルサーをトランスの1次側と直流電源に結合するステップであって、パルスはトランスの2次側で1kVを超える電圧を有するステップと、パルサースイッチを閉じた状態でエネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを開き、エネルギー回収回路はトランスの2次側と直流電源に結合されるステップと、約100ナノ秒未満の期間休止するステップと、ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じるステップと、パルサースイッチを閉じた状態でエネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを開くステップとを含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチは、直列に配置された複数のスイッチを含み、スイッチは複数の電圧分担抵抗器を有し、その複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置される。
【0018】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路は、バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、バイアス補償ダイオード及びバイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを備えている。
【0019】
幾つかの実施形態は、高電圧パルス発生方法を含む。この方法は、パルスのバーストの前に、トランスを介してナノ秒パルサーに結合されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、バイアス補償回路はトランスの二次側に結合されるステップと、パルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、ナノ秒パルサーはトランスの一次側と直流電源に結合され、パルサースイッチの開閉は約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、パルサースイッチの閉鎖はトランスの二次側に1kVを超える電圧でパルスを生成するステップと、パルスのバースト中に、エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチの開閉を繰り返し、パルサースイッチが開いているときにはエネルギー回収スイッチが閉じ、パルサースイッチが閉じているときにはエネルギー回収スイッチが開くようにし、エネルギー回収回路をトランスの2次側と直流電源に結合するステップと、パルスのバースト後に、バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップとを含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、方法は更に、約100マイクロ秒未満の期間、休止するステップと、第2のパルスのバーストの前にバイアス補償スイッチを開くステップと、第2のパルスのバースト中にパルサースイッチを開閉するステップと、第2のパルスのバースト中にエネルギー回収スイッチを開閉するステップと、第2のバーストの後にバイアス補償スイッチを閉じるステップを含んでもよい。
【0021】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチは、直列に配置された複数のスイッチを含み、複数のスイッチは複数の電圧分担抵抗器を有しており、複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置される。
【0023】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路は、バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、バイアス補償ダイオード及びバイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを備える。
【0024】
幾つかの実施形態は、高電圧電源と、高電圧電源と電気的に結合され、高電圧電源からの電圧を高周波で切り替えるように構成されたナノ秒パルサーと、一次側と二次側を有するトランスと、トランスの一次側と並列に配置されたエネルギー回収回路とを備えるナノ秒パルサー回路を含む。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、スイッチと、インダクタと、スイッチとインダクタに直列に配置され、スイッチが閉じたときにスイッチからインダクタに電流を伝導するように配置された第1のダイオードと、スイッチが閉じたときにスイッチと第1のダイオードとの間のナノ秒パルサー回路内のポイントから、高電圧電源とナノ秒パルサーとの間のナノ秒パルサー回路内のポイントに電流を伝導するように配置された第2のダイオードとを備える。
【0025】
幾つかの実施形態は、高電圧電源と、高電圧電源と電気的に結合され、高電圧電源からの電圧を高周波で切り替えるように構成されたナノ秒パルサーと、一次側と二次側を有するトランスであって、トランスの一次側にナノ秒パルサーが電気的に結合されている、トランスと、トランスの一次側と並列にトランスの二次側と電気的に結合されているエネルギー回収回路とを備えたナノ秒パルサー回路を含む。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、高電圧電源と電気的に結合されたインダクタと、トランスの2次側と並列に配置されたクローバーダイオードと、インダクタと直列に配置され、負荷から高電圧電源に電流を伝導するように配置された第2のダイオードとを備える。
【0026】
幾つかの実施形態では、インダクタは約1000nH未満のインダクタンスを含む。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、約100kHzを超える周波数で高電圧電源からの電圧を切り替える。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーは、約0kHz~約500kHzの周波数で高電圧電源からの電圧を切り替える。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー回路は、約5kVを超える電圧を負荷に供給する。幾つかの実施形態では、トランスの二次側は容量性負荷と結合される。幾つかの実施形態では、トランスの二次側は、プラズマを生成又は操作する1つ以上の電極と結合される。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路はスイッチを備える。
【0027】
これらの例示的な実施形態は、本開示を制限又は定義する為ではなく、本開示の理解を助ける為の例を提供する為に言及されている。追加の実施形態は、「発明を実施するための形態」で述べられており、更なる説明はそこで行われる。様々な実施形態のうち1つ以上によって提供される利点は、本明細書を検討することによって、又は提示された1つ以上の実施形態を実践することによって、更に理解され得る。
【0028】
幾つかの実施形態は高電圧・高周波スイッチング回路を含む。幾つかの実施形態では、高電圧・高周波スイッチング回路は、1kVを超える電圧を有し、10kHzを超える周波数(又は任意の周波数)のパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、一次側及び二次側を有するトランスと、トランスの二次側と電気的に結合された出力と、トランスの一次側と電気的に結合され、高電圧スイッチング電源と並列に接続された一次シンクとを含み、一次シンクは、出力と結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器を含む。
【0029】
幾つかの場合、一次シンクの抵抗は約400オーム未満の値を有する。
【0030】
幾つかの実施形態では、高電圧高周波スイッチング電源は、ピーク電力がより大きな実施形態を提供し、一次シンクは、約1キロワットを超える平均電力を散逸するように構成されている。幾つかの実施形態では、一次シンクは、30W~30kWの平均電力を散逸するように構成されている。
【0031】
幾つかの実施形態では、一次シンクは、少なくとも1つの抵抗器と直列に接続された少なくとも1つのインダクタを備える。
【0032】
幾つかの実施形態では、一次シンクは、少なくとも1つの抵抗器と直列に接続されたスイッチを含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、出力は、概ね容量性であるプラズマ負荷と結合される。
【0034】
幾つかの実施形態では、出力は、誘電体バリア放電を含むプラズマ負荷と結合される。
【0035】
幾つかの実施形態では、抵抗は100kWを超える。
【0036】
幾つかの実施形態では、一次シンク内の抵抗器は抵抗Rを含み、出力は、
【数1】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中tfはパルス立下り時間であり、
【数2】
である。
【0037】
幾つかの実施形態では、負荷は50nF未満の容量を有する容量性であり、負荷の容量は、1μsを超える時間は電荷を保持しない。
【0038】
幾つかの実施形態では、負荷は本質的に容量性であり、高電圧・高周波スイッチング回路は、負荷容量を急速に充電し、負荷容量を放電する。
【0039】
幾つかの実施形態では、出力は、高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを提供していないときに、-2kVよりも大きいプラズマ及びグランドに対する負のバイアス電圧を電極、基板、又はウェハ上に生成する。幾つかの実施形態では、バイアス電圧は正であってもよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、出力は、約400ns、40ns、4ns等よりも短いパルス立下り時間で、1kVよりも大きい電圧を有し、10kHzよりも大きい周波数を有する高電圧パルスを生成することができる。
【0041】
幾つかの実施形態は高電圧・高周波スイッチング回路を含む。幾つかの実施形態では、高電圧・高周波スイッチング回路は、1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、一次側と二次側を有するトランスと、トランスの二次側と電気的に結合された出力と、1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、トランスの一次側と電気的に結合され、高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクとを備え、一次シンクは、トランスの二次側と結合された出力と結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器と、少なくとも1つの抵抗器と直列に配置された少なくとも1つのインダクタとを含む。
【0042】
幾つかの実施形態では、一次シンクは、少なくとも1つの抵抗器及び/又は少なくとも1つのインダクタと直列に接続されたスイッチを含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、出力は、1kVを超える電圧を有し、10kHzを超える周波数を有し、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができる。
【0044】
幾つかの実施形態では、一次シンクは、約1キロワットを超える電力を散逸するように構成されている。
【0045】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチング電源は、電源と、少なくとも1つのスイッチと、昇圧トランスとを備える。
【0046】
幾つかの実施形態では、一次シンクは、10kWを超えるピーク電力を処理する。
【0047】
幾つかの実施形態では、一次シンク内の抵抗器の抵抗値は約400オーム未満である。
【0048】
幾つかの実施形態では、一次シンクはインダクタと抵抗器を含み、インダクタのインダクタンスLと抵抗器の抵抗値Rは、L/R≒tpを満たすように設定されており、tpはパルスのパルス幅である。
【0049】
幾つかの実施形態では、一次シンクの抵抗器は抵抗Rを含み、出力は、
【数3】
となるように、容量Cを有する負荷と結合され、式中tはパルスの立下り時間であり、
【数4】
である。
【0050】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチング電源は、イオンを表面に加速する為に使用されるプラズマ内の電位を確立する。
【0051】
幾つかの実施形態では、出力は、高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを提供していないときに、グランドに対する電極又は基板(又はウェハ及びプラズマ)からの、-2kVよりも大きい負の電位差を生成する。
【0052】
幾つかの実施形態は、高電圧・高周波スイッチング回路を含む。幾つかの実施形態では、高電圧・高周波スイッチング回路は、1kVよりも大きい電圧を有し、10kHzよりも大きい周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、一次側と二次側を有するトランスと、トランスの二次側と電気的に結合された出力と、トランスの一次側と電気的に結合され、高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクとを含み、一次シンクは、直列に配置された少なくとも1つの抵抗器、少なくとも1つのインダクタ、及びスイッチを含む。幾つかの実施形態では、出力は、10kHzを超える周波数で1kVを超える電圧を有し、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができ、出力は、プラズマ型負荷に電気的に結合される。
【0053】
幾つかの実施形態では、プラズマ型負荷は、20nF、10nF、100pF、10pF、1pF、0.5pF等未満の容量性要素を有するものとしてモデル化され得る。
【0054】
幾つかの実施形態では、プラズマ型負荷は、イオンを表面に加速するように設計されている。
【0055】
幾つかの実施形態では、高電圧高周波スイッチング電源の作用により、イオンを表面に加速する為の電位が確立される。
【0056】
幾つかの実施形態では、プラズマ型は、概ね本質的に容量性である。
【0057】
幾つかの実施形態では、プラズマ型負荷は誘電体バリア放電を含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、高電圧高周波スイッチング電源は、100kWを超えるピーク電力を供給する。
【0059】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチング電源は、電源と、少なくとも1つのスイッチと、昇圧トランスとを備える。
【0060】
これらの例示的な実施形態は、本開示を限定又は定義する為ではなく、本開示の理解を助ける為の例を提供する為に言及されている。追加の実施形態は「発明を実施するための形態」で述べられており、更なる説明がそこに記載されている。様々な実施形態のうち1つ以上によって提供される利点は、本明細書を検討することによって、又は提示された1つ以上の実施形態を実践することによって、更に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の「発明を実施するための形態」を読むことで、より良く理解される。
図1】幾つかの実施形態による、容量性負荷を駆動するエネルギー回収回路を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図2図1に示す回路図内の電圧及び電流の波形を示す図である。
図3】幾つかの実施形態による、エネルギー回収スイッチを有するエネルギー回収回路を備えたナノ秒パルサーを含むナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図4】幾つかの実施形態による、エネルギー回収回路を備えた受動バイアス補償回路を含むナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図5】幾つかの実施形態によるエネルギー回収回路を備えた能動バイアス補償回路を含むナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図6】幾つかの実施形態による、エネルギー回収回路を備えた能動バイアス補償回路を含むナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図7】幾つかの実施形態による、RFドライバ、能動バイアス補償回路、及びエネルギー回収回路を含むRFドライバシステムの回路図である。
図8】ナノ秒パルサーシステム内の電圧及び電流の波形の図である。
図9】幾つかの実施形態による、空間的可変ウェハバイアスシステムの模式図である。
図10】幾つかの実施形態によるエネルギー回収回路を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図11】ナノ秒パルサーシステム内の電圧及び電流の波形を示す図である。
図12】幾つかの実施形態による、容量性負荷を駆動するエネルギー回収回路を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図13】ナノ秒パルサーシステム内の電圧及び電流の波形を示す図である。
図14】幾つかの実施形態による、絶縁された電力を有する高電圧スイッチのブロック図である。
図15】幾つかの実施形態による、能動エネルギー回収回路及び能動バイアス補償回路を備えたナノ秒パルサーシステムを動作させるプロセスのブロック図である。
図16】本明細書に記載された実施形態の実施を容易にする為の機能を実行する為の例示的な計算システムの図である。
図17】幾つかの実施形態による、空間的可変ウェハバイアスシステムの模式図である。
図18】幾つかの実施形態による、RFドライバ、能動バイアス補償回路、及びエネルギー回収回路を含むRFドライバシステムの回路図である。
図19】幾つかの実施形態による、一次シンクを備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図20】幾つかの実施形態による、一次シンクを備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図21】幾つかの実施形態による、一次シンクを備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図22】幾つかの実施形態による、一次シンクを備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図23】ナノ秒パルサーシステムによって生成される波形の図である。
図24】幾つかの実施形態による、一次シンク、バイアス補償回路、及びプラズマ負荷を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図25】幾つかの実施形態による、一次シンク、バイアス補償回路、及びプラズマ負荷を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図26】幾つかの実施形態による、一次シンク、バイアス補償回路、及びプラズマ負荷を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図27】幾つかの実施形態による、一次シンク、バイアス補償回路、及びプラズマ負荷を備えたナノ秒パルサーシステムの回路図である。
図28】ナノ秒パルサーシステムによって生成される波形の図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
幾つかの実施形態は、エネルギー回収回路を用いて負荷(例えば、容量性負荷)からのエネルギー回収を行うナノ秒パルサーシステムを含む。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーシステムは、高電圧・高周波数ナノ秒パルサーを含んでもよく、このナノ秒パルサーは、例えば、プラズマ成膜システム、プラズマエッチングシステム、プラズマスパッタリングシステム、電子ビームシステム、イオンビームシステム等(負荷)を駆動してもよい。
【0063】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路は、負荷から電荷を回収してエネルギーストレージコンデンサを充電してもよい。例えば、エネルギー回収回路は、コンデンサやインダクタを含む様々な回路素子に蓄えられたエネルギーや、保持された電荷を回収してもよい。これらの素子には、例えば、通常は散逸又は浪費される可能性のある浮遊容量や寄生容量、インダクタンス等が含まれている場合がある。エネルギー回収回路は、例えば、エネルギーストレージコンデンサ及び/又はインダクタを再充電するように働くことで、エネルギーを回収することができる。このエネルギーは、回路によって利用可能及び/又は再利用されてもよい。
【0064】
図1は、エネルギー回収回路110、トランスT1、リードステージ103、直流バイアス回路104、及び負荷ステージ106を備えたナノ秒パルサーステージ101を含むナノ秒パルサーシステム100の回路図である。
【0065】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ106は、例えば、プラズマ成膜装置、半導体製造装置、プラズマスパッタリング装置等の半導体処理チャンバの理想化された回路又は有効な回路を表し得る。容量C2は、例えば、半導体プロセスウェハが載る静電チャックの容量を表し得る。チャックは、例えば、誘電体材料(例えば、酸化アルミニウム、又は他のセラミック材料、及び誘電体材料内に収容された導体)を含み得る。例えば、コンデンサC1は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0066】
コンデンサC3は、例えば、プラズマとウェハとの間のシース容量を表し得る。抵抗器R6は、例えば、プラズマとウェハとの間のシース抵抗を表し得る。インダクタL2は、例えば、プラズマとウェハとの間のシースインダクタンスを表し得る。電流源I2は、例えば、シースを流れるイオン電流を表し得る。例えば、コンデンサC1又はコンデンサC3は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0067】
コンデンサC9は、例えば、チャンバの壁とウェハの上面との間のプラズマ内の容量を表し得る。抵抗器R7は、例えば、チャンバの壁とウェハの上面との間のプラズマ内の抵抗を表し得る。また、電流源I1は、例えば、プラズマ内のイオン電流を表し得る。例えば、コンデンサC1又はコンデンサC9は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0068】
幾つかの実施形態では、プラズマ電圧は、グランドから回路点123まで測定された電圧であってもよく、ウェハ電圧は、グランドから回路点122まで測定された電圧であり、ウェハの表面における電圧を表していてもよく、チャッキング電圧は、グランドから回路点121まで測定された電圧であり、電極電圧は、グランドから、124と表示される回路点(例えば、電極上)まで測定された電圧であり、入力電圧は、グランドから回路点125まで測定された電圧である。
【0069】
この例では、直流バイアス回路104はバイアス補償を含まない。直流バイアス回路104は、例えば、出力電圧を正又は負の何れかにバイアスすることができるオフセット供給電圧V5を含む。幾つかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、ウェハ電圧とチャック電圧との間の電位を変更するように調整され得る。幾つかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、約±5kV、±4kV、±3kV、±2kV、±1kV等のkVの電圧を有し得る。
【0070】
幾つかの実施形態では、バイアスコンデンサC12は、DCバイアス電圧を他の回路要素から絶縁(又は分離)することができる。バイアスコンデンサC12は、例えば、回路のある部分から別の部分への電位シフトを可能にすることができる。幾つかの実施形態では、この電位シフトにより、チャック上の所定の位置にウェハを保持する静電力が電圧閾値未満に保たれるようにしてもよい。抵抗器R2は、ナノ秒パルサーステージ101からの高電圧パルス出力からDCバイアス供給を分離してもよい。
【0071】
バイアスコンデンサC12は、例えば、約100pF、10pF、1pF、100μF、10μF、1μF等未満の容量を有していてもよい。抵抗器R2は、例えば、約1kオーム、10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム等の高抵抗を有していてもよい。
【0072】
抵抗器R13は、例えば、高圧電源システムの出力から電極(例えば、負荷ステージ106)に接続するリード線や伝送路の抵抗を表していてもよい。例えば、コンデンサC1は、リード線又は伝送路の浮遊容量を表していてもよい。
【0073】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、高いパルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等を超える電圧)、高い周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等を超える周波数)、高速立上り時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns未満等の立上り時間)、高速立下り時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns未満等の立下り時間)及び/又は短いパルス幅(例えば、約1000ns、500ns、250ns、100ns、20ns未満等のパルス幅のパルスを生成してもよい)。
【0074】
例えば、ナノ秒パルサーステージ101は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれる「高電圧ナノ秒パルサー(High Voltage Nanosecond Pulser)」というタイトルの米国特許出願第14/542,487号に記載された任意のデバイスの全て又は任意の部分、又は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれる「ガルバニック絶縁された出力可変パルス発生器開示(Galvanically Isolated Output Variable Pulse Generator Disclosure)」というタイトルの米国特許出願第14/635,991号に記載された任意のデバイスの全て又は任意の部分を含んでもよく、又は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれる「可変パルス幅及びパルス繰り返し周波数の高電圧ナノ秒パルサー(High Voltage Nanosecond Pulser With Variable Pulse Width and Pulse Repetition Frequency)」というタイトルの米国特許出願第14/798,154号に記載されているデバイスの全て又は任意の部分を含み得る。
【0075】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、任意の数の方法で結合された1つ以上のナノ秒パルサーを含んでもよい。
【0076】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、スイッチS6によって切り替えられ、切り替えられた電力をトランスT1に供給する一貫した直流電圧を提供する直流電源を含んでもよい。直流電源は、電圧源V5及びエネルギーストレージコンデンサC7を含んでもよい。トランスT1が1:10の巻数比を有する場合、トランスは、負荷C1に10kVを発生させてもよい。
【0077】
幾つかの実施形態では、負荷の容量(例えば、容量C3及び容量C9)がエネルギーストレージコンデンサC7の容量と比較して小さい場合、トランスの入力で電圧の倍増が発生する可能性がある。例えば、エネルギーストレージコンデンサC7が500Vを供給する場合、トランスT1の入力で1kVが測定されることがある。
【0078】
スイッチS6は、例えば、IGBT、MOSFET、SiC-MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等の1つ以上のソリッドステートスイッチを含んでもよい。スイッチS6は、Sig6+及びSig6-と表示されたコントローラからの信号に基づいて切り替えられてもよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、スナバダイオードD4と並列に配置されたスナバ抵抗R3と、スナバコンデンサC5とを含み得るスナバ回路を含んでもよい。また、スナバ回路は、浮遊インダクタンスを含んでもよい。幾つかの実施形態では、スナバ抵抗R3及び/又はスナバダイオードD4は、スイッチS6のコレクタとトランスT1の一次巻線との間に配置されてもよい。スナバダイオードD4は、スイッチングの際の過電圧をスナブする為に使用されてもよい。スイッチS6のエミッタ側に大容量及び/又は高速のコンデンサC5を結合してもよい。スイッチS1のエミッタ側にはフリーホイールダイオードD2も結合され得る。図示されていない様々な他のコンポーネントが含まれていてもよい。1つ以上のスイッチ及び又は回路は、並列又は直列に配置され得る。
【0080】
幾つかの実施形態では、スイッチS6は、切り替えられた電圧が完全電圧(例えば、エネルギーストレージコンデンサC7及び/又は電圧源V5の電圧)になることがないように、非常に高速に切り替えてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチS6に結合されたゲート抵抗器は、短いターンオンパルスで設定されてもよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、フリーホイーリングダイオードD2を含んでもよい。幾つかの実施形態では、フリーホイーリングダイオードD2は誘導負荷と組み合わせて使用されてもよく、誘導負荷に蓄積されたエネルギーが、スイッチS6が開かれた後に、電流がインダクタを通って同じ方向に流れ続けるようにして、エネルギーが回路の抵抗素子に散逸されるようにすることができる。フリーホイーリングダイオードD2が含まれていない場合、これは例えば、スイッチS6に大きな逆電圧をもたらす可能性がある。
【0082】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーステージ101は、浮遊インダクタンスL1及び/又は浮遊抵抗R1を含んでいてもよい。浮遊インダクタンスL1は、例えば、約10nH、100nH、1000nH、10000nH等未満であってもよい。浮遊抵抗R1は、例えば、約1オーム、100mオーム、10mオーム等未満であってもよい。
【0083】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、トランスの二次側及び/又はエネルギーストレージコンデンサC7と電気的に結合されてもよい。エネルギー回収回路110は、例えば、トランスT1の二次側を横切るダイオード130(例えば、クローバーダイオード)を含んでいてもよい。エネルギー回収回路110は、例えば、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115(直列に配置)を含んでもよく、これにより、トランスT1の二次側から電流を流してエネルギーストレージコンデンサC7を充電することができる。エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115は、トランスT1の二次側及びエネルギーストレージコンデンサC7と電気的に接続されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、トランスT1の二次側と電気的に結合されたダイオード130及び/又はインダクタ140を含んでもよい。インダクタ140は、浮遊インダクタンスを表していてもよく、及び/又は、トランスT1の浮遊インダクタンスを含んでいてもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、例えば、フェライトインダクタや空芯インダクタ等の任意のタイプのインダクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約10μH、50μH、100μH、500μH等を超えるインダクタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約1μH~約100mHのインダクタンスを有していてもよい。
【0085】
ナノ秒パルサーがオンになると、電流が負荷ステージ106を充電し得る(例えば、コンデンサC3、コンデンサC2、又はコンデンサC9を充電する)。一部の電流は、例えば、トランスT1の二次側の電圧がエネルギーストレージコンデンサC7の充電電圧よりも上昇したときに、エネルギー回収インダクタ115を流れる可能性がある。ナノ秒パルサーがオフになると、エネルギー回収インダクタ115に亘る電圧がゼロになるまで、負荷ステージ106内のコンデンサ(例えば、コンデンサC1)からエネルギー回収インダクタ115を介して電流が流れることができ、それによってエネルギーストレージコンデンサC7を充電する。ダイオード130は、負荷ステージ106内のコンデンサが、負荷ステージ106又は直流バイアス回路104内のインダクタンスでリンギングすることを防止してもよい。
【0086】
また、エネルギー回収ダイオード120は、例えば、エネルギーストレージコンデンサC7から負荷ステージ106内のコンデンサに電荷が流れることを防止してもよい。
【0087】
エネルギー回収インダクタ115の値は、電流立下り時間を制御する為に選択され得る。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、1μH~600μHのインダクタンス値を有し得る。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、50μHよりも大きいインダクタンス値を有し得る。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、約50μH、100μH、150μH、200μH、250μH、300μH、350μH、400μH、500μH等未満のインダクタンスを有し得る。
【0088】
例えば、エネルギーストレージコンデンサC7が500Vを供給する場合、トランスT1の入力で1kVが測定される(例えば、上述のように、電圧の倍化により)。トランスT1での1kVは、スイッチS6が開いているときに、エネルギー回収回路110の構成要素の間で分割されてもよい。値が適切に選択された場合(例えば、インダクタL3は、エネルギー回収インダクタ115のインダクタンスよりも小さいインダクタンスを有する)、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115に亘る電圧は500Vよりも大きくてもよい。その後、電流がエネルギー回収ダイオード120を流れ、及び/又はエネルギーストレージコンデンサC7を充電してもよい。また、ダイオードD3及びインダクタL6にも電流が流れてもよい。エネルギーストレージコンデンサC7が充電されると、電流は最早ダイオードD3及びエネルギー回収インダクタ115を流れない場合がある。
【0089】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、例えば、高速時間スケール(例えば、1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns等の時間スケール)で、負荷ステージ106からエネルギーを転送(又は電荷を転送)してもよい。エネルギー回収回路の浮遊抵抗は、負荷ステージ106を横切るパルスが高速立下り時間tを有することを確実にする為に、低くてもよい。エネルギー回収回路110の浮遊抵抗は、例えば、約1オーム、100mオーム、10mオーム等よりも小さい抵抗を有してもよい。幾つかの実施形態では、負荷ステージ106からのエネルギーの抵抗性散逸は、例えば、約60%、70%、80%、又は90%未満等のように低くてもよい。
【0090】
図1に示された任意の数の構成要素は、例えば、ダイオード135又はダイオード130又はインダクタ140等、必要であってもよいし、必要でなくてもよい。
【0091】
幾つかの実施形態では、電圧源V1と、エネルギー回収回路110が電圧源V1及び/又はエネルギーストレージコンデンサC7と接続する箇所との間に、ダイオードを配置してもよい。このダイオードは、例えば、電圧源V1からエネルギーストレージコンデンサC7への電流の流れを許容するが、エネルギー回収回路からエネルギーストレージコンデンサC7への電流の流れを許容しないように配置されてもよい。
【0092】
図2は、図1に示すナノ秒パルサーシステム100内の電圧及び電流の波形を示す。波形205は、ナノ秒パルサーシステム100内の124と表示される点(例えば、電極上)で測定された負荷ステージ106への電圧を表している。波形220は、122と表示される点(例えば、ウェハ上)における電圧を表している。波形215は、エネルギー回収インダクタ115を通る電流を表している。波形215は、ナノ秒パルサーステージ101がオンになったときのエネルギー回収インダクタ115を通る電流を示している(例えば、水色の波形の立上りで示すように)。ナノ秒パルサーステージ101がオフになると、エネルギー回収インダクタ115を通る電流は、下降する前に最大まで上昇し続ける。エネルギー回収インダクタ115に亘る電圧がゼロになると、エネルギー回収インダクタ115を流れる電流は停止するはずであるが、この例では、エネルギー回収インダクタ115に亘る電圧がゼロになる前に、ナノ秒パルサーステージ101が再びオンになる。
【0093】
幾つかの実施形態では、図1の121と表示される点での電位は負として示されているが、チャッキング電位は正でもあり得る。
【0094】
図3は、幾つかの実施形態によるエネルギー回収スイッチS5を有する能動エネルギー回収回路111を備えたナノ秒パルサーステージ101を含むナノ秒パルサーシステム300の回路図である。エネルギー回収スイッチS5は、Sig5+及びSig5-と表示されたコントローラからの信号に基づいて切り替えられてもよい。
【0095】
図3において、能動エネルギー回収回路111は、エネルギー回収インダクタ115を通る電流の流れを制御する為に使用され得るエネルギー回収スイッチS5を含んでもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチS5は、エネルギー回収スイッチを挟んで配置されたフリーホイーリングダイオードを含んでもよい。エネルギー回収スイッチS5は、例えば、エネルギー回収インダクタ115と直列に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチS5は、スイッチング入力V5からの信号に基づいて開閉されてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチング入力V5は、スイッチS1が開いているとき、及び/又は、最早パルシングしていないときにエネルギー回収スイッチを閉じて、負荷ステージ106から高電圧負荷C7に電流が還流することを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチング入力V5は、スイッチS1が閉じているとき及び/又はパルシングしているときにエネルギー回収スイッチを開いて、高電圧負荷C7に電流が流れることを抑止してもよい。
【0096】
図3のエネルギー回収スイッチS5は、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115と直列に示されており、トランスT1の二次側と、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115の両方との間に配置されている。幾つかの実施形態では、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115の両方が、エネルギー回収スイッチS5とトランスT1の二次側との間に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収スイッチS5は、エネルギー回収ダイオード120とエネルギー回収インダクタ115の間に配置されてもよい。エネルギー回収ダイオード120、エネルギー回収インダクタ115、及びエネルギー回収スイッチS5は、任意の順序で配置されてもよい。
【0097】
エネルギー回収スイッチS5は、例えば、高電圧スイッチ1400のような高電圧スイッチを含んでいてもよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ106は、エネルギー回収スイッチS5が開いている間にナノ秒パルサーステージ101によって充電されてもよい。例えば、高速の時間スケール(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns未満等)等で、負荷ステージ106から電荷を除去することが有益であり得る。負荷ステージ106から電荷を除去する為に、エネルギー回収スイッチS5を閉じてもよい。
【0099】
図4は、幾つかの実施形態による、エネルギー回収回路110と共に受動バイアス補償回路114を含むナノ秒パルサーシステム400の回路図である。
【0100】
この例では、受動バイアス補償回路114は受動バイアス補償回路であり、バイアス補償ダイオード405及びバイアス補償コンデンサ410を含み得る。バイアス補償ダイオード405はオフセット供給電圧V5と直列に配置され得る。バイアス補償コンデンサ410はオフセット電源電圧V5と抵抗器R2の何れか一方又は両方に渡って配置され得る。バイアス補償コンデンサ410は、例えば、約100μF、50μF、25μF、10μF、2μF、500nF、200nF等、100nF~100μF未満の容量を有し得る。
【0101】
幾つかの実施形態では、バイアス補償ダイオード405は、10Hz~500kHzの周波数で、10A~1kAの間の電流を流すことができる。
【0102】
幾つかの実施形態では、バイアスコンデンサC12は、ナノ秒パルサーステージ101の出力(例えば、125と表示される位置)と、電極上の電圧(例えば、124と表示の位置)との間の電圧オフセットを可能にすることができる。動作時、電極は、例えば、バースト時には-2kVの直流電圧であってもよく(1つのバーストは複数のパルスを含んでもよい)、一方、ナノ秒パルサーの出力は、パルス時には+6kV、パルス間には0kVと交互に変化する。
【0103】
バイアスコンデンサC12は、例えば、100nF、10nF、1nF、100μF、10μF、1μF等である。抵抗器R2は、例えば、約1kオーム、10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム程度の抵抗値等、高抵抗を有し得る。
【0104】
幾つかの実施形態では、バイアス補償コンデンサ410及びバイアス補償ダイオード405は、ナノ秒パルサーステージ101の出力(例えば、125と表示の位置)と、電極上の電圧(例えば、124と表示の位置)との間の電圧オフセットが、各バーストの開始時に確立され、必要な平衡状態に達することを可能にすることができる。例えば、電荷は、各バーストの初めに、複数のパルス(例えば、約5~100パルス程度)の間に、コンデンサC12からバイアス補償コンデンサ410に転送され、回路内に正しい電圧を確立する。
【0105】
幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周波数(例えば、1つのバースト内のパルスの周波数)は、例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz、60MHz、及び80MHz等の、200kHz~800MHzであってもよい。幾つかの実施形態では、バーストの繰り返し周波数(例えば、バーストの周波数)は、約10kHz、50Hz、100kHz、500kHz、1MHz等、例えば400kHz等であってもよい。
【0106】
エネルギー回収回路110は、図3に示すように、エネルギー回収スイッチを含んでいても含んでいなくてもよい。
【0107】
図5は、幾つかの実施形態による、エネルギー回収回路110と共に能動バイアス補償回路134を含むナノ秒パルサーシステム500の回路図である。
【0108】
能動バイアス補償回路134は、当技術分野で知られている任意のバイアス及び/又はバイアス補償回路を含んでもよい。例えば、能動バイアス補償回路134は、「ナノ秒パルサーバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」というタイトルの米国特許出願第16/523,840号に記載されている任意のバイアス及び/又はバイアス補償回路を含んでもよく、この特許出願は、あらゆる目的の為にその全体が本開示に組み込まれる。
【0109】
幾つかの実施形態では、図5に示すナノ秒パルサーシステム500の能動バイアス補償回路134は、バイアスコンデンサC7、ブロッキングコンデンサC12、ブロッキングダイオードD8、バイアス補償バイアス補償スイッチS8(例えば、高電圧スイッチ)、オフセット供給電圧V5、抵抗R2、及び/又は抵抗R4を含んでもよい。幾つかの実施形態では、スイッチS8は、例えば、図14に示す高電圧スイッチ1400のような高電圧スイッチを含んでもよい。バイアス補償スイッチS8は、Sig8+及びSig8-と表示されたコントローラからの信号に基づいて切り替えられてもよい。
【0110】
幾つかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、出力電圧を正又は負の何れかにバイアスすることができる直流電圧源を含んでもよい。幾つかの実施形態では、コンデンサC12は、オフセット供給電圧V5を他の回路要素から絶縁/分離してもよい。幾つかの実施形態では、能動バイアス補償回路134は、回路の一部分から別の部分への電力の潜在的なシフトを可能にしてもよい。幾つかの実施形態では、能動バイアス補償回路134は、プロセスウェハと静電チャックとの間の一定のチャッキング力を維持する為に使用されてもよい。抵抗器R2は、例えば、DCバイアス供給をドライバから保護/絶縁してもよい。別の例として、抵抗器R2は、直流電源V5が過電流障害に陥らないようにする為に使用されてもよい。
【0111】
幾つかの実施形態では、バイアス補償スイッチS8は、ナノ秒パルサーステージ101が10kHz以上のパルスを活発に生成していないか、パルスのバーストを提供していない間は開き、ナノ秒パルサーステージ101がパルスを出していないときは閉じていてもよい。閉じている間、バイアス補償スイッチS8は、例えば、ブロッキングダイオードD8によって阻止される方向の電流を許容してもよい。この電流を短絡させることで、ウェハとチャックの間のバイアスを2kV未満にすることができ、それは許容範囲内であり得る。
【0112】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ106は、能動バイアス補償回路134と結合してもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、図3に示すように、エネルギー回収スイッチを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0113】
図6は、幾つかの実施形態による、能動エネルギー回収回路111を備えた能動バイアス補償回路134を含むナノ秒パルサーシステム600の回路図である。
【0114】
図7は、幾つかの実施形態による、RFドライバ705、能動バイアス補償回路134、及びエネルギー回収回路110を含むマッチレスドライバシステム700の回路図である。
【0115】
この例では、マッチレスドライバシステム700は、ナノ秒パルサーステージ101ではなく、RFドライバ705を含んでいてもよい。RFドライバ705は、例えば、ハーフブリッジドライバ又はフルブリッジドライバであってもよい。RFドライバ705は、直流電圧源(例えば、容量性源、交流/直流コンバータ等)であり得る電圧源V1を含んでもよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ705は、4つのスイッチS1、S2、S3、及びS4を含んでもよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ705は、直列又は並列に配置された複数のスイッチS1、S2、S3、及びS4を含んでもよい。これらのスイッチS1、S2、S3、及びS4は、例えば、IGBT、MOSFET、SiC-MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等の任意の種類のソリッドステートスイッチを含んでもよい。これらのスイッチS1、S2、S3、S4は、高い周波数でスイッチングされても、及び/又は、高い電圧パルスを発生させてもよい。これらの周波数は、例えば、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等の周波数を含んでいてもよい。
【0116】
スイッチS1、S2、S3、及びS4の各スイッチは、夫々のダイオードD1、D2、D3、及びD4と並列に結合されてもよく、インダクタL1、L2、L3、及びL4で表される浮遊インダクタンスを含んでもよい。幾つかの実施形態では、インダクタL1、L2、L3、及びL4のインダクタンスは等しくてもよい。幾つかの実施形態では、インダクタL1、L2、L3、及びL4のインダクタンスは、約50nH、100nH、150nH、500nH、1000nH等より小さくてもよい。スイッチ(S1、S2、S3、又はS4)と夫々のダイオード(D1、D2、D3、又はD4)の組み合わせは、夫々のインダクタ(L1、L2、L3、又はL4)と直列に結合されてもよい。インダクタL3及びL4は、グランドと接続されている。インダクタL1は、スイッチS4及び共振回路710と接続されている。そして、インダクタL2は、スイッチS3と、共振回路710の反対側とに接続されている。
【0117】
スイッチS1、S2、S3、S4は、例えば、図14に示す高電圧スイッチ1400のような高電圧スイッチを含んでいてもよい。
【0118】
幾つかの実施形態では、RFドライバ705は、共振回路710と結合されてもよい。共振回路710は、トランスT1と結合された共振インダクタL5及び/又は共振コンデンサC2を含んでもよい。共振回路710は、例えば、RFドライバ705と共振回路710との間の任意のリード線の浮遊抵抗、及び/又は、例えば、トランスT1、コンデンサC2、及び/又はインダクタL5等の共振回路710内の任意の構成要素を含み得る共振抵抗R5を含んでもよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗R5は、ワイヤ、トレース、又は回路要素の浮遊抵抗のみを含む。他の回路要素のインダクタンスや容量が駆動周波数に影響を与える可能性があるが、駆動周波数は、概ね共振インダクタL5及び/又は共振コンデンサC2の選択によって設定することができる。浮遊インダクタンスや浮遊容量を考慮して適切な駆動周波数にする為には,更なる改良及び/又は調整が必要になることがある。更に、L5及び/又はC2を変更することで、トランスT1の立上り時間を調整することができるが、以下の条件を満たす必要がある。
【数5】
【0119】
幾つかの実施形態では、L5のインダクタンス値が大きいと、立上り時間が遅くなったり短くなったりすることがある。これらの値は、バーストエンベロープにも影響を与える可能性がある。図17に示すように、各バーストは、過渡的パルス及び定常的パルスを含み得る。各バースト内の過渡パルスは、定常パルスの間に完全な電圧に達するまで、L5及び/又はシステムのQによって設定され得る。
【0120】
RFドライバ705のスイッチが共振周波数、fresonantで切り替えられる場合、トランスT1での出力電圧は増幅される。幾つかの実施形態では、共振周波数は、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等であってもよい。
【0121】
幾つかの実施形態では、共振コンデンサC2は、トランスT1の浮遊容量及び/又は物理的なコンデンサを含んでもよい。幾つかの実施形態では、共振コンデンサC2は、約10μF、1μF、100nF、10nF等の容量を有していてもよい。幾つかの実施形態では、共振インダクタL5は、トランスT1の浮遊インダクタンス及び/又は物理的なインダクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、共振インダクタL5は、約50nH、100nH、150nH、500nH、1000nH等のインダクタンスを有していてもよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗器R5は、約10オーム、25オーム、50オーム、100オーム、150オーム、500オーム等の抵抗を有していてもよい。
【0122】
幾つかの実施形態では、共振抵抗器R5は、物理的回路内のワイヤ、トレース、及び/又はトランス巻線の浮遊抵抗を表していてもよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗器R5は、約10mオーム、50mオーム、100mオーム、200mオーム、500mオーム等の抵抗を有していてもよい。
【0123】
幾つかの実施形態では、トランスT1は、あらゆる目的の為に本書に組み込まれている「高電圧トランス(High Voltage Transformer)」というタイトルの米国特許出願第15/365094号に開示されているようなトランスを備えていてもよい。幾つかの実施形態では、共振回路710の出力電圧は、スイッチS1、S2、S3、及び/又はS4のデューティサイクル(例えば、スイッチの「オン」時間又はスイッチが導通している時間)を変更することによって変更され得る。例えば、デューティサイクルが長いほど出力電圧は高くなり、デューティサイクルが短いほど出力電圧は低くなる。幾つかの実施形態では、RFドライバ705内のスイッチングのデューティサイクルを調整することにより、共振回路710の出力電圧を変更又は調整することができる。
【0124】
例えば、スイッチS1を開閉する信号Sig1のデューティサイクルを変更し、スイッチS6を開閉する信号Sig2のデューティサイクルを変更し、スイッチS3を開閉する信号Sig3のデューティサイクルを変更し、スイッチS4を開閉する信号Sig4のデューティサイクルを変更することで、スイッチのデューティサイクルを調整することができる。スイッチS1、S2、S3、又はS4のデューティサイクルを調整することで、例えば、共振回路710の出力電圧を制御することができる。
【0125】
幾つかの実施形態では、共振回路710の各スイッチS1、S2、S3、又はS4は、独立して、又は1つ以上の他のスイッチと連動して切り替えられ得る。例えば、信号Sig1は信号Sig3と同じ信号であってもよい。別の例として、信号Sig2は信号Sig4と同じ信号であってもよい。別の例として、各信号は独立していてもよく、各スイッチS1、S2、S3、又はS4を独立又は別個に制御してもよい。
【0126】
幾つかの実施形態では、共振回路710は、ブロッキングダイオードD7を含み得る半波整流器715と結合してもよい。
【0127】
能動バイアス補償回路134は、図5と併せて説明した能動バイアス補償回路を含んでもよい。
【0128】
マッチレスドライバシステム700は、例えば、50オームマッチングネットワークや、外部マッチングネットワークや、スタンドアロンマッチングネットワーク等の従来のマッチングネットワークを含まない。幾つかの実施形態では、マッチレスドライバシステム700は、ウェハチャンバに印加されるスイッチング電力を調整する為に50オームのマッチングネットワークを必要としない。幾つかの実施形態では、マッチレスドライバシステム700は、従来のマッチングネットワークの無い可変出力インピーダンスRFジェネレータを含み得る。これにより、プラズマチャンバによって引き出される電力を迅速に変化させることができる。典型的には、マッチングネットワークのこの調整には少なくとも100μs~200μsかかる。幾つかの実施形態では、電力の変化は1又は2RFサイクル内で起こり得るものであり、例えば、400kHzで2.5μs~5.0μsである。
【0129】
この例では、エネルギー回収回路110は、トランスT1の二次側に配置されるか、又はそれと電気的に結合されてもよい。エネルギー回収回路110は、例えば、トランスT1の二次側に渡ってダイオード130(例えば、クローバーダイオード)を含んでいてもよい。エネルギー回収回路110は、例えば、エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115(直列に配置)を含んでもよく、これにより、トランスT1の二次側から電流を流してエネルギーストレージコンデンサC7を充電し、負荷ステージ106に電流を流すことができる。エネルギー回収ダイオード120及びエネルギー回収インダクタ115は、トランスT1の二次側と電気的に接続され、エネルギーストレージコンデンサC7と結合されてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、トランスT1の二次側と電気的に結合されたダイオード130及び/又はインダクタ140を含んでもよい。エネルギー回収インダクタ115は、浮遊インダクタンスを表してもよく、及び/又は、トランスT1の浮遊インダクタンスを含んでもよい。
【0130】
ナノ秒パルサーがオンになると、電流が負荷ステージ106のコンデンサを充電し得る(例えば、コンデンサC3、コンデンサC2、又はコンデンサC9を充電)。一部の電流は、例えば、トランスT1の二次側の電圧がエネルギーストレージコンデンサC7の充電電圧よりも上昇したときに、エネルギー回収インダクタ115を流れる可能性がある。ナノ秒パルサーがオフになると、エネルギー回収インダクタ115に亘る電圧がゼロになるまで、負荷ステージ106内のコンデンサ(例えば、コンデンサC1)からエネルギー回収インダクタ115を介して電流が流れ、エネルギーストレージコンデンサC7を充電してもよい。ダイオード130は、負荷ステージ106内のコンデンサが、負荷ステージ106内のインダクタンス又は能動バイアス補償回路134でリンギングすることを防止してもよい。
【0131】
エネルギー回収ダイオード120は、例えば、エネルギーストレージコンデンサC7から負荷ステージ106内のコンデンサに電荷が流れることを防止してもよい。
【0132】
エネルギー回収インダクタ115の値は、電流立下り時間を制御する為に選択され得る。幾つかの実施形態では、エネルギー回収インダクタ115は、1μH~500μHのインダクタンス値を有していてもよい。
【0133】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、エネルギー回収インダクタ115を通る電流の流れを制御する為に使用され得るスイッチを含んでもよい。スイッチは、例えば、エネルギー回収インダクタ115と直列に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、スイッチS1が開いているとき、及び/又は、最早パルシングしていないときにスイッチを閉じて、電流が負荷ステージ106からエネルギーストレージコンデンサC7に還流するようにしてもよい。
【0134】
エネルギー回収回路110のスイッチは、例えば、図14に示す高電圧スイッチ1400のような高電圧スイッチを含んでもよい。
【0135】
図8は、マッチレスドライバシステム700内の電圧及び電流の波形である。波形805は、124と表示の位置(例えば、電極上)で測定されたウェハ上の電圧を表している。波形810は、122と表示の位置(例えば、ウェハ上)で測定された負荷ステージ106への電圧を表す。波形815は、エネルギー回収ダイオード120を通る電流を表している。
【0136】
図9は、幾つかの実施形態による空間的可変ウェハバイアスシステム900の模式図である。空間的可変ウェハバイアスシステム900は、第1のエネルギー回収回路926と結合した第1の高電圧パルサー925と、プラズマチャンバ935と結合した第2のエネルギー回収回路と結合した第2の高電圧パルサー930とを含んでもよい。第1のエネルギー回収回路926及び第2のエネルギー回収回路931の何れか又は両方は、エネルギー回収回路110又は能動エネルギー回収回路111の構成要素の全て又は一部を含んでもよい。
【0137】
この例では、第1の高電圧パルサー925は、第1のエネルギー回収回路926及び第1のバイアスコンデンサ915と結合される、及び/又は、第2の高電圧パルサー930は、第2のエネルギー回収回路931及び第2のバイアスコンデンサ921と結合される。
【0138】
プラズマチャンバ935内には、第1の電極950及び第2の電極955が配置されてもよい。この例では、第1の電極950は円盤状であり、第2の電極955の中央開口部内に配置されている。第1の高電圧パルサー925は、第1電極950と電気的に結合され、第2の高電圧パルサー930は、第2電極955と電気的に結合される。幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー925と第2の高電圧パルサー930との間に、浮遊結合容量965が存在し得る。浮遊結合容量965は、例えば、約100pF、約1nF、約10nF未満等であってもよい。
【0139】
幾つかの実施形態では、第1の高電圧パルサー925及び第2の高電圧パルサー930の何れか又は両方は、例えば、直流バイアス回路104、受動バイアス補償回路114、又は能動バイアス補償回路134等のバイアス回路と結合してもよい。
【0140】
幾つかの実施形態では、第1のナノ秒パルサー925のエネルギーストレージコンデンサC7は、第1の直流電源と結合され、第2のナノ秒パルサー930のエネルギーストレージコンデンサC7は、第2の直流電源と結合されてもよい。
【0141】
幾つかの実施形態では、第1のナノ秒パルサー925のエネルギーストレージコンデンサC7と、第2のナノ秒パルサー930のエネルギーストレージコンデンサC7とは、単一の直流電源と結合されてもよい。
【0142】
幾つかの実施形態では、第1のナノ秒パルサー925と第2のナノ秒パルサー930の両方が、同じエネルギーストレージコンデンサと結合されてもよく、このエネルギーストレージコンデンサは直流電源と結合されてもよい。
【0143】
幾つかの実施形態では、スイッチS6は、スイッチS7とは異なる期間オンにされてもよい。スイッチが閉じる時間量は、夫々の電極に印加される電圧に対応していてもよい。異なる電極に異なる電圧を提供する為に、各スイッチを異なる期間オンにしてもよい。
【0144】
第1のナノ秒パルサー925及び第2のナノ秒パルサー930の何れか又は両方は、受動バイアス補償回路114、能動バイアス補償回路134、又は直流バイアス回路104を含んでもよい。
【0145】
図10は、幾つかの実施形態によるエネルギー回収回路110を備えたナノ秒パルサーシステム1000の回路図である。この例では、ナノ秒パルサーシステム1005は、ナノ秒パルサーステージ101がエネルギーストレージコンデンサC7の他方の極性を切り替えることで、ナノ秒パルサーシステム100と同様になっている。スイッチS6が開いているとき、コンデンサC1の電荷は、エネルギー回収回路110を通って高電圧エネルギーストレージコンデンサC7に流れ、高電圧エネルギーストレージコンデンサC7を充電することができる。コンデンサC1の電荷が高電圧エネルギーストレージコンデンサC7の電荷よりも小さくなると、エネルギー回収回路110に電流が流れなくなる。幾つかの実施形態では、直流バイアス回路104は、受動バイアス補償回路114又は能動バイアス補償回路134に置き換えられてもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110は、能動エネルギー回収回路111と置き換えられてもよい。
【0146】
幾つかの実施形態では、電源V1及び/又はC7のグランド側(例えば、図1参照)又は正側を切り替えるナノ秒パルサー(又はスイッチ)が含まれる(例えば、図10参照)。何れの配置が使用されてもよい。一方の配置を示す図を、他方の配置に置き換えてもよい。
【0147】
図11は、図10に示すナノ秒パルサーシステム1000内の電圧と電流の波形を示す図である。波形1105は、エネルギー回収インダクタ115を通る電流を表している。波形1110は、位置ラベル124(例えば、電極上)で測定された負荷ステージ106への電圧を表している。波形1115は、122と表示の位置(例えば、ウェハ上)で測定されたウェハ電圧を表している。図示のように、パルスがオフになると、エネルギー回収インダクタ115に電流が流れ、それで高電圧エネルギーストレージコンデンサC7が充電される。この1つの具体例では、容量性負荷は500pFであり、エネルギー回収インダクタ115は10μHである。
【0148】
図12は、幾つかの実施形態による、エネルギー回収回路110が容量性負荷1205を駆動するナノ秒パルサーシステム1200の回路図である。この例では、ナノ秒パルサーシステム1200は、直流バイアス回路104のないナノ秒パルサーシステム100と同様であり、容量性負荷1205を駆動している。容量性負荷1205は、例えば、プラズマ負荷、複数のグリッド、複数の電極等の任意のタイプの負荷を含んでもよい。
【0149】
図13は、図12に示したナノ秒パルサーシステム1200内の電圧及び電流の波形を示す。波形1305は、容量性負荷1205における電圧を表し、波形1310は、エネルギー回収インダクタ115を通る電流を表している。図示されているように、パルスがオフにされると、電流がエネルギー回収インダクタ115を通って流れ、高電圧エネルギーストレージコンデンサC7を充電する。この1つの具体例では、負荷C1は500pFであり、エネルギー回収インダクタ115は10μHである。
【0150】
図14は、幾つかの実施形態による、絶縁された電力を有する高電圧スイッチ1400のブロック図である。高電圧スイッチ1400は、高電圧源1460からの電圧を高速立上り時間及び/又は高周波数及び/又は可変パルス幅で切り替えることができる複数のスイッチモジュール1405(集合的又は個別に1405、及び個別に1405A、1405B、1405C、及び1405D)を含んでもよい。各スイッチモジュール1405は、例えば、ソリッドステートスイッチのようなスイッチ1410を含んでもよい。
【0151】
幾つかの実施形態では、スイッチ1410は、電源1440及び/又は絶縁ファイバトリガ1445(ゲートトリガ又はスイッチトリガとも呼ばれる)を含み得るゲートドライバ回路1430と電気的に結合されてもよい。例えば、スイッチ1410は、コレクタ、エミッタ、及びゲート(又は、ドレイン、ソース、及びゲート)を含んでもよく、電源1440は、ゲートドライバ回路1430を介してスイッチ1410のゲートを駆動してもよい。ゲートドライバ回路1430は、例えば、高電圧スイッチ1400の他の構成要素から分離されていてもよい。
【0152】
幾つかの実施形態では、電源1440は例えば、絶縁トランスを用いて絶縁されてもよい。絶縁トランスは、低容量トランスを含んでもよい。絶縁トランスの低容量によって、例えば、電源1440が大きな電流を必要とせずに高速時間スケールで充電することが可能になり得る。絶縁トランスは、例えば、約100pF未満の容量を有してもよい。別の例として、絶縁トランスは、約30~100pF未満の容量を有してもよい。幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、1kV、5kV、10kV、25kV、50kV等までの電圧絶縁を提供してもよい。
【0153】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、低い浮遊容量を有していてもよい。例えば、絶縁トランスは、約1000pF、100pF、10pF等未満の浮遊容量を有していてもよい。幾つかの実施形態では、低容量は、低電圧コンポーネント(例えば、入力制御電力の源)への電気的結合を最小化する可能性がある、及び/又はEMIの発生(例えば、電気ノイズの発生)を低減する可能性がある。幾つかの実施形態では、絶縁トランスのトランス浮遊容量は、一次巻線と二次巻線の間で測定された容量を含んでもよい。
【0154】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスは、直流/直流コンバータ又は交流/直流トランスであってもよい。幾つかの実施形態では、トランスは、例えば、110VのACトランスを含んでもよい。何れにせよ、絶縁トランスは、高電圧スイッチ1400内の他のコンポーネントから絶縁された電力を提供することができる。幾つかの実施形態では、絶縁は、絶縁トランスの一次側の導体が、絶縁トランスの二次側の任意の導体を通過したり接触したりしないように、ガルバニックであってもよい。
【0155】
幾つかの実施形態では、トランスは、トランスコアの周りに確りと巻かれた、又は巻き付けられた一次巻線を含んでもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線は、トランスコアの周りに巻き付けられた導電性シートを含んでもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線は、1つ以上の巻線を含んでもよい。
【0156】
幾つかの実施形態では、二次巻線は、コアからできるだけ離れたところでコアに巻かれてもよい。例えば、二次巻線を構成する巻線の束は、トランスコアの開口部の中心を通って巻かれてもよい。幾つかの実施形態では、二次巻線は、1つ以上の巻線を含んでもよい。幾つかの実施形態では、二次巻線を構成する巻線の束は、浮遊容量を最小化する為に、例えば、円形又は正方形である断面を含んでもよい。幾つかの実施形態では、一次巻線、二次巻線、又はトランスコアの間に絶縁体(例えば、油又は空気)が配置されてもよい。
【0157】
幾つかの実施形態では、二次巻線をトランスコアから離しておくことに幾つかの利点があり得る。例えば、絶縁トランスの一次側と絶縁トランスの二次側との間の浮遊容量を低減することができる。別の例として、動作中にコロナ及び/又は絶縁破壊が形成されないように、絶縁トランスの一次側と絶縁トランスの二次側との間の高電圧スタンドオフを見込んでもよい。
【0158】
幾つかの実施形態では、絶縁トランスの一次側(例えば、一次巻線)と絶縁トランスの二次側(例えば、二次巻線)との間のスペーシングは、約0.1インチ、0.5インチ、1インチ、5インチ、又は10インチであり得る。幾つかの実施形態では、絶縁トランスのコアと絶縁トランスの二次側(例えば、二次巻線)との間の典型的な間隔は、約0.1インチ、0.5インチ、1インチ、5インチ、又は10インチであり得る。幾つかの実施形態では、巻線間のギャップは、例えば、真空、空気、任意の絶縁性ガス又は液体、又は3未満の比誘電率を有する固体材料等、可能な限り低い誘電体材料で満たされてもよい。
【0159】
幾つかの実施形態では、電源1440は、高電圧スタンドオフ(絶縁)を提供することができる、又は低容量(例えば、約1000pF、100pF、10pF等未満)を有する任意のタイプの電源を含んでもよい。幾つかの実施形態では、制御電圧電源は、60Hzで交流1420V又は交流240Vを供給してもよい。
【0160】
幾つかの実施形態では、各電源1440は、単一の制御電圧電源と誘導的に電気的に結合されてもよい。例えば、電源1440Aは、第1のトランスを介して電源と電気的に結合されてもよく、電源1440Bは、第2のトランスを介して電源と電気的に結合されてもよく、電源1440Cは、第3のトランスを介して電源と電気的に結合されてもよく、電源1440Dは、第4のトランスを介して電源と電気的に結合されてもよい。様々な電源間の電圧絶縁を提供することができる、例えば任意のタイプのトランスが使用され得る。
【0161】
幾つかの実施形態では、第1のトランス、第2のトランス、第3のトランス、及び第4のトランスは、単一のトランスのコアの周りに異なる二次巻線を含んでもよい。例えば、第1のトランスが第1の二次巻線を含み、第2のトランスが第2の二次巻線を含み、第3のトランスが第3の二次巻線を含み、第4のトランスが第4の二次巻線を含んでもよい。これらの二次巻線の各々は、単一のトランスのコアに巻かれていてもよい。幾つかの実施形態では、第1の二次巻線、第2の二次巻線、第3の二次巻線、第4の二次巻線、又は一次巻線は、単一の巻線又はトランスのコアの周りに巻かれた複数の巻線を含んでもよい。
【0162】
幾つかの実施形態では、電源1440A、電源1440B、電源1440C、及び/又は電源1440Dは、リターン基準グランド又はローカルグランドを共有しなくてもよい。
【0163】
例えば、絶縁ファイバトリガ1445は、高電圧スイッチ1400の他の構成要素から絶縁されていてもよい。絶縁ファイバトリガ1445は、各スイッチモジュール1405が、他のスイッチモジュール1405及び/又は高電圧スイッチ1400の他の構成要素に対して、及び/又は、例えば、各スイッチモジュール1405のゲートの能動的な制御を可能にしながら、相対的に浮くことを可能にする光ファイバ受信機を含んでもよい。
【0164】
幾つかの実施形態では、例えば、各スイッチモジュール1405のリターン基準グランド又はローカルグランド又は共通グランドは、例えば、絶縁トランスを使用して互いに絶縁されてもよい。
【0165】
各スイッチモジュール1405を共通グランドから電気的に絶縁することで、例えば、複数のスイッチを累積的な高電圧スイッチングの為に直列構成で配置することができる。幾つかの実施形態では、スイッチモジュールのタイミングの多少の遅れを許容又は設計することができる。例えば、各スイッチモジュール1405は、1kVを切り替えるような構成又は定格であってもよく、各スイッチモジュールは互いに電気的に絶縁されていてもよく、及び/又は、各スイッチモジュール1405を閉じるタイミングは、スナバコンデンサの容量及び/又はスイッチの電圧定格によって定義される期間、完全に一致している必要はない。
【0166】
幾つかの実施形態では、電気的絶縁は多くの利点を提供することができる。例えば、1つの可能な利点は、スイッチ間のジッタを最小化すること、及び/又は、任意のスイッチタイミングを可能にすることを含み得る。例えば、各スイッチ1410は、約500ns、50ns、20ns、5ns未満等のスイッチ遷移ジッタを有してもよい。
【0167】
幾つかの実施形態では、2つのコンポーネント(又は回路)間の電気的絶縁は、2つのコンポーネント間の極めて高い抵抗を意味し得るものである、及び/又は、2つのコンポーネント間の小さい容量を意味し得る。
【0168】
各スイッチ1410は、例えば、IGBT、MOSFET、SiC-MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等の任意のタイプのソリッドステートスイッチデバイスを含んでもよい。スイッチ1410は、例えば、高電圧(例えば、約1kVを超える電圧)を、高周波で(例えば、1kHz以上)、高速で(例えば、約500kHzを超える繰り返し率)、及び/又は高速の立上り時間で(例えば、約25ns未満の立上り時間)、及び/又は長いパルス長で(例えば、約10msを超える)切り替えることができてもよい。幾つかの実施形態では、各スイッチは、個別に1,200V~1,700Vを切り替えができるように設計されているが、組み合わせることで4,800V~6,800V(4スイッチの場合)超を切り替えることができる。他にも様々な電圧定格のスイッチが使用され得る。
【0169】
少数の高電圧スイッチではなく、多数の低電圧スイッチを使用することには幾つかの利点がある。例えば、低電圧スイッチは一般的に性能が高く、低電圧スイッチは高電圧スイッチよりも高速に切り替わる、遷移時間が早い、スイッチング効率が高い可能性がある。しかし、例えばスイッチの数が多くなると、スイッチのタイミング精度の必要性が高くなる。
【0170】
図14に示す高電圧スイッチ1400は、4つのスイッチモジュール1405を含む。本図では4つを示しているが、例えば、2、8、12、16、20、24等、任意の数のスイッチモジュール1405が使用され得る。例えば、各スイッチモジュール1405の各スイッチの定格が1200Vであり、16個のスイッチを使用する場合、高電圧スイッチは19.2kVまで切り替えることが可能である。別の例として、各スイッチモジュール1405内の各スイッチの定格が1700Vであり、16個のスイッチが使用される場合、高電圧スイッチは最大27.2kVまで切り替えることができる。
【0171】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ1400は、5kV、10kV、14kV、20kV、25kV等よりも大きい電圧を切り替えてもよい。
【0172】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ1400は高速コンデンサ1455を含んでもよい。高速コンデンサ1455は、例えば、直列及び/又は並列に配置された1つ以上のコンデンサを含んでもよい。これらのコンデンサは、例えば、1つ以上のポリプロピレンコンデンサを含んでもよい。高速コンデンサ1455は、高電圧源1460からのエネルギーを蓄積してもよい。
【0173】
幾つかの実施形態では、高速コンデンサ1455は低容量を有してもよい。幾つかの実施形態では、高速コンデンサ1455は、約1μF、約5μF、約1μF~約5μF、約100nF~約1000nF等の容量値を有してもよい。
【0174】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ1400は、クローバーダイオード1450を含んでもよいし、含まなくてもよい。クローバーダイオード1450は、例えば誘導性負荷の駆動に有益な直列又は並列に配置された複数のダイオードを含んでもよい。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード1450は、例えば、炭化ケイ素ショットキーダイオード等の1つ以上のショットキーダイオードを含んでもよい。クローバーダイオード1450は、例えば、高電圧スイッチのスイッチからの電圧が或る閾値を超えているかどうかを感知してもよい。閾値を超えていた場合、クローバーダイオード1450は、スイッチモジュールからの電力をグランドに短絡させてもよい。クローバーダイオードは、例えば、スイッチング後に誘導性負荷に蓄積されたエネルギーを散逸させる交流経路を可能にしてもよい。これは、例えば、大きな誘導電圧スパイクを防止することができる。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード1450は、例えば、1nH、10nH、100nH等の低インダクタンスを有してもよい。幾つかの実施形態では、クローバーダイオード1450は、例えば、100pF、1nF、10nF、100nF等の低容量を有してもよい。
【0175】
幾つかの実施形態では、例えば、負荷1465が主に抵抗性である場合等、クローバーダイオード1450を使用しなくてもよい。
【0176】
幾つかの実施形態では、各ゲートドライバ回路1430は、約1000ns、100ns、10.0ns、5.0ns、3.0ns、1.0ns未満等のジッタを生成してもよい。幾つかの実施形態では、各スイッチ1410は、最小スイッチオン時間(例えば、約10μs、1μs、500ns、100ns、50ns、10.5ns未満等)及び最大スイッチオン時間(例えば、25s、10s、5s、1s、500ms等を超える)を有してもよい。
【0177】
幾つかの実施形態では、動作中、各高電圧スイッチは、互いに1ns以内でスイッチオン及び/又はオフされてもよい。
【0178】
幾つかの実施形態では、各スイッチモジュール1405は、同じ又は実質的に同じ(±5%)の浮遊インダクタンスを有してもよい。浮遊インダクタンスは、例えば、リード線、ダイオード、抵抗、スイッチ1410、及び/又は回路基板トレース等のインダクタに関連していないスイッチモジュール1405内の任意のインダクタンスを含んでもよい。各スイッチモジュール1405内の浮遊インダクタンスは、例えば、約300nH、100nH、10nH、1nH等よりも小さいインダクタンス等の低インダクタンスを含んでもよい。各スイッチモジュール1405間の浮遊インダクタンスは、例えば、約300nH、100nH、10nH、1nH未満等のインダクタンス等の低インダクタンスを含んでもよい。
【0179】
幾つかの実施形態では、各スイッチモジュール1405は、同じ又は実質的に同じ(±5%)の浮遊容量を有してもよい。浮遊容量は、例えば、リード線、ダイオード、抵抗、スイッチ1410及び/又は回路基板のトレースにおける容量等、コンデンサに関連しないスイッチモジュール1405内に任意の容量を含んでもよい。各スイッチモジュール1405内の浮遊容量は、例えば、約1000pF、100pF、10pF未満等の低容量を含んでもよい。各スイッチモジュール1405間の浮遊容量は、例えば、約1000pF、100pF、10pF未満等の低容量を含んでもよい。
【0180】
電圧分担の不完全さは、例えば、受動スナバ回路(例えば、スナバダイオード1415、スナバコンデンサ1420、及び/又は、フリーホイールダイオード1425)で対処され得る。例えば、各スイッチ1410がオン又はオフになるタイミングの僅かな違いや、インダクタンスや容量の違いにより、電圧スパイクが発生することがある。これらのスパイクは、様々なスナバ回路(例えば、スナバダイオード1415、スナバコンデンサ1420、及び/又は、フリーホイールダイオード1425)によって緩和され得る。
【0181】
スナバ回路は、例えば、スナバダイオード1415、スナバコンデンサ1420、スナバ抵抗器1416、及び/又は、フリーホイールダイオード1425を含んでもよい。幾つかの実施形態では、スナバ回路は、スイッチ1410と並列に一緒に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、スナバコンデンサ1420は、例えば、約100pF未満の容量等、低い容量を有してもよい。
【0182】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチ1400は、負荷1465(例えば、抵抗性又は容量性又は誘導性の負荷)と電気的に結合されるか、又はそれを含んでもよい。負荷1465は、例えば、50オームから500オームの抵抗を有してもよい。代替的又は付加的に、負荷1465は、誘導性負荷又は容量性負荷であってもよい。
【0183】
幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路110又は能動エネルギー回収回路111は、高電圧ナノ秒パルサーシステムのエネルギー消費量、及び/又は、エネルギー回収回路のないシステムと同じエネルギー出力性能で所定の負荷を駆動する為に必要な電圧を減少させることができる。例えば、エネルギー回収回路のないシステムと同じエネルギー出力性能の場合、エネルギー消費量は、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%等、又はそれ以上に低減され得る。
【0184】
幾つかの実施形態では、ダイオード130、ダイオード135、及び/又はエネルギー回収ダイオード120は、高電圧ダイオードで構成されていてもよい。
【0185】
図15は、幾つかの実施形態による、能動エネルギー回収回路及び能動バイアス補償回路を備えたナノ秒パルサーシステムを動作させる為のプロセス1500のブロック図である。プロセス1500は追加のブロックを含んでもよい。プロセス1500に示されたブロックは、削除されても、置き換えられても、スキップされても、又は任意の順序で実行されてもよい。
【0186】
プロセス1500は、例えば、能動エネルギー回収回路111及び能動バイアス補償回路134又は同様の回路を有するナノ秒パルサーシステム600を用いて実行されてもよい。
【0187】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサーを使用して複数のバーストを生成してもよく、各バーストは複数のパルスを含む。パルスは、ナノ秒パルサーのスイッチをオン/オフすることによって生成され得る。各パルスのパルス幅は、例えば、10秒から10nsの範囲で変化し得る。パルスの周波数は、例えば、10kHz~1MHz、例えば、400kHzのように変化してもよい。各バーストは、設定された数のパルスを含んでいてもよい。各バーストは、複数のパルスを完了する時間を定義するバースト幅を有してもよい。
【0188】
プロセス1500は、カウンタnを1に初期化して設定するブロック1505で開始してもよい。カウンタnは、所定のバースト内のパルス数をカウントする。
【0189】
ブロック1510で、バイアス補償スイッチ(例えばスイッチS8)を開いてもよい。
【0190】
ブロック1515で、ナノ秒パルサースイッチ(例えばスイッチS6)を閉じてもよい。
【0191】
ブロック1520で、エネルギー回収スイッチ(例えばスイッチS5)を開いてもよい。
【0192】
幾つかの実施形態では、ブロック1510、1515、及び1520は、実質的に同時に、又は10ns若しくは100ns等の範囲内で発生してもよい。幾つかの実施形態では、ブロック1515及び1520は実質的に同時に発生してもよい。
【0193】
ブロック1525で、プロセス1500は、各パルスのパルス幅を定義する時間の間、休止(例えば、パルス)してもよい。幾つかの実施形態において、パルスのパルス幅は、負荷が特定の電圧に充電される時間量を定義することによって、例えば容量性負荷等の負荷におけるパルスの電圧を定義してもよい。パルスによって生成される容量性負荷での出力電圧は、例えば、ナノ秒パルサースイッチが閉じられている時間量に依存する可能性があり、従って、パルスが容量性負荷を充電している時間量に依存する可能性がある。従って、パルスの負荷における出力電圧は、ナノ秒パルサーの最大出力電圧までの電圧休止時間、又は、何らかの電圧リングを生成するインダクタ及び/又はコンデンサにパルスを印加している場合は、ナノ秒パルサーの最大出力電圧の幾つかの倍数によって定義されてもよい。電圧休止は、例えば、約10ns~約500ns、又は約50ns~約200ns、又は500ns、73.75ns、27ns、16ns、又は12.5nsであってもよい。
【0194】
ブロック1530で、ナノ秒パルサースイッチ(例えばスイッチS6)を開いてもよい。
【0195】
ブロック1535で、エネルギー回収スイッチ(例えばスイッチS5)を閉じてもよい。
【0196】
幾つかの実施形態では、ブロック1530とブロック1535は実質的に同時に発生してもよい。
【0197】
ブロック1540で、カウンタnが所望のパルス数Nに等しいかどうかが判断され得る。バースト内のパルス数に制限はないが、所望のパルス数Nは、例えば、5~1000であってもよい。幾つかの実施形態では、パルスは連続的に実行されてもよい。その為、Nはほぼ無限であり得る。カウンタnが所望のパルス数Nに等しくない(すなわち、所望の数よりも少ないパルスがバーストで発生した)場合、プロセス1500はブロック1545に進む。
【0198】
ブロック1545で、プロセス1500は、部分的にパルス周波数を定義することができる期間、休止してもよい(例えば、パルス休止)。例えば、パルス休止の期間は、500ns、250ns、100ns、50ns、10ns、5ns等未満であってもよい。パルス休止期間は、例えば、任意の期間を含んでもよい。
【0199】
ブロック1550で、カウンタnがインクリメントされ、プロセス1500の一部は、ブロック1515に進むことによって繰り返して、追加のパルスを作成してもよい。ブロック1540で、カウンタnが所望のパルス数Nに等しい場合(すなわち、所望のパルス数が作成された場合)、プロセス1500はブロック1555に進む。ブロック1555で、バイアス補償スイッチ(例えば、スイッチS8)を閉じてもよい。
【0200】
ブロック1560で、プロセス1500は、バースト間の時間量を定義する期間、休止する(例えば、バースト休止)。バースト休止の期間は、例えば、1msと小さくてもよいし、20秒と長くてもよい。例えば、パルス休止は2.5マイクロ秒(パルス周波数200Hz)から100msの間の時間を含んでいてもよい。別の例として、パルス休止は10msから数時間までであってもよい。他の任意の期間を使用してもよい。その期間が経過した後、プロセス1500はブロック1505に戻ってもよく、そこでカウンタnが初期化され、プロセス1500を反復して、追加のパルスを有する追加のバーストを生じさせてもよい。
【0201】
ナノ秒パルサースイッチが閉じ、エネルギー回収スイッチが開き、バイアス補償スイッチが開いている場合、高電圧パルス(例えば、1kVを超える)が回路位置124で生成されてもよい。
【0202】
幾つかの実施形態では、パルス休止期間はバースト休止期間よりも短くてもよい。
【0203】
幾つかの実施形態では、ブロック1520及びブロック1535はプロセス1500から排除されてもよい。そのような実施形態では、エネルギー回収スイッチが使用されず、ナノ秒パルサースイッチが閉じ、バイアス補償スイッチが開いているとき、高電圧パルス(例えば、1kVを超える)が回路位置124で生成されてもよい。
【0204】
幾つかの実施形態では、プロセス1500のブロックは、例えば、図16に示される計算システム1600のようなコントローラ(又はプロセッサ)を用いて実行されてもよい。コントローラは、例えば、Sig6+及びSig6-を介してスイッチS6と、Sig8+及びSig8-を介してバイアス補償スイッチS8と、及び/又はSig5+及びSig5-を介してエネルギー回収スイッチS5と通信してもよい。コントローラは、ナノ秒パルサースイッチ、エネルギー回収スイッチ、及び/又はバイアス補償スイッチを開閉する信号を提供してもよい。
【0205】
図16に示す計算システム1600は、本発明の実施形態の何れかを実行する為に使用され得る。例えば、計算システム1600は、プロセス1500を実行する為に使用され得る。別の例として、計算システム1600は、ここで説明した任意の計算、識別及び/又は決定を実行する為に使用され得る。計算システム1600は、バス1605を介して電気的に結合され得る(又は、適宜、他の方法で通信してもよい)ハードウェア要素を含む。ハードウェア要素は、1つ以上の汎用プロセッサ及び/又は1つ以上の特殊目的プロセッサ(デジタル信号処理チップ、グラフィックスアクセラレーションチップ、及び/又は同様のもの等)を制限なく含む、1つ以上のプロセッサ1610と、マウス、キーボード及び/又は同様のものを制限なく含み得る、1つ以上の入力デバイス1615と、ディスプレイデバイス、プリンタ及び/又は同様のものを制限なく含み得る、1つ以上の出力デバイス1620とを含み得る。
【0206】
計算システム1600は、1つ以上のストレージデバイス1625を更に含む(及び/又はそれと通信する)場合があり、これは、限定されるものではないが、ローカル及び/又はネットワークアクセス可能なストレージを含むことができ、及び/又は、限定されるものではないが、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又はリードオンリーメモリ(「ROM」)等のソリッドステート記憶デバイスを含むことができ、これらは、プログラム可能、フラッシュアップデート可能、及び/又は同様のものであり得る。計算システム1600は、通信サブシステム1630を含む可能性があり、この通信サブシステム1630は、モデム、ネットワークカード(無線又は有線)、赤外線通信装置、無線通信装置及び/又はチップセット(Bluetooth装置、802.6装置、Wi-Fi装置、WiMax装置、セルラー通信設備等)、及び/又は同様のものを制限なく含み得る。通信サブシステム1630は、ネットワーク(一例を挙げると、以下に説明するネットワーク等)、及び/又は本明細書に記載されている任意の他のデバイスとデータを交換することを可能にしてもよい。多くの実施形態では、計算システム1600は、上述したように、RAM又はROMデバイスを含み得るワーキングメモリ1635を更に含むことになる。
【0207】
計算システム1600は、オペレーティングシステム1640及び/又は1つ以上のアプリケーションプログラム1645等の他のコードを含む、ワーキングメモリ1635内に現在位置するものとして示されるソフトウェア要素も含むことができ、これらのコードは、本発明のコンピュータプログラムを含み得るものであり、及び/又は本明細書に記載のように、本発明の方法を実施し、及び/又は本発明のシステムを構成するように設計され得る。例えば、上述した方法に関して記載された1つ以上の手順は、コンピュータ(及び/又はコンピュータ内のプロセッサ)によって実行可能なコード及び/又は命令として実装されてもよい。これらの命令及び/又はコードのセットは、上述のストレージデバイス(複数可)1625等のコンピュータ可読記憶媒体に格納されることもある。
【0208】
幾つかの事例では、記憶媒体は、計算システム1600内に組み込まれているか、又は計算システム1600と通信状態であり得る。他の実施形態では、記憶媒体は、記憶媒体がその上に記憶された命令/コードを用いて汎用コンピュータをプログラムする為に使用され得るように、計算システム1600とは別個に(例えば、コンパクトディスク等のリムーバブル媒体)、及び/又はインストールパッケージで提供されることもある。これらの命令は、計算システム1600によって実行可能な実行可能コードの形態をとる可能性があり、及び/又は、ソース及び/又はインストール可能コードの形態をとる可能性があり、このコードは、計算システム1600上でコンパイル及び/又はインストールされると(例えば、一般に利用可能な様々なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等の何れかを使用して)、次に実行可能コードの形態をとる。
【0209】
図17は、幾つかの実施形態による空間的可変ウェハバイアスシステム1700の模式図である。空間的可変ウェハバイアスシステム1700は、第1の高電圧パルサー1725、第2の高電圧パルサー1730、第1のエネルギー回収回路1726及び第2のエネルギー回収回路1731を含んでもよい。第1のエネルギー回収回路1726及び第2のエネルギー回収回路1731の両方は、単一のエネルギーストレージコンデンサC7と結合される。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路1726又はエネルギー回収回路1731の夫々は、各トランスの二次側に結合された1つ以上のダイオード及び/又はインダクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、エネルギー回収回路1726又はエネルギー回収回路1731は、各パルスの後にエネルギー回収回路に電流が流れるようにする為のスイッチ(例えば、上述のような)を含んでもよい。
【0210】
図18は、幾つかの実施形態による、RFドライバ1805、能動バイアス補償回路134、及びエネルギー回収回路110を含むRFドライバシステム1800の回路図である。この例では、RFドライバシステム1800は、RFドライバ705及び共振回路710をRFドライバ1805で置き換えたマッチレスRFシステム700と同様である。図7に示すRFドライバ705は、全波整流器と、RFドライバ1805に置き換わった共振回路710を備えている。
【0211】
幾つかの実施形態では、RFドライバ1805は、複数の高周波ソリッドステートスイッチ(複数可)、RF発生器、増幅管ベースのRF発生器、又は管ベースのRF発生器を含んでもよい。
【0212】
RFドライバシステム1800は、例えば、50オームのマッチングネットワークや、外部マッチングネットワーク又はスタンドアロンマッチングネットワーク等の従来のマッチングネットワークを含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、RFドライバシステム1800は、ウェハチャンバに印加されるスイッチング電力を調整する為に50オームマッチングネットワークを必要としない。従来のマッチングネットワークのないRF発生器は、プラズマチャンバによって引き出される電力を迅速に変化させることができる。典型的には、マッチングネットワークのこの調整は、少なくとも100μs~200μsかかる。幾つかの実施形態では、電力の変化は1つ又は2つのRFサイクル内で起こり得るものであり、それは例えば、400kHzで2.5μs~5.0μs(400kHzの場合)等である。
【0213】
幾つかの実施形態では、RFドライバ1805は、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等の周波数で動作してもよい。
【0214】
第1ナノ秒パルサー1725及び第2ナノ秒パルサー1730の何れか又は両方は、受動バイアス補償回路114、能動バイアス補償回路134、又は直流バイアス回路104を含んでもよい。
【0215】
図19は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム1900の回路図である。ナノ秒パルサーシステム1900は、ナノ秒パルサー105、一次シンク1906、トランスT1、及び負荷ステージ1915を含む。
【0216】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー105は、高いパルス電圧(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等より大きい電圧)、高周波数(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等より大きい周波数)、高速立上り時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns未満等の立上り時間)、高速立下り時間(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1000ns未満等の立下り時間)及び/又は短いパルス幅(例えば、約1000ns、500ns、250ns、100ns、20ns未満等のパルス幅)のパルスを生成してもよい。
【0217】
例えば、ナノ秒パルサー105は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれる「高電圧ナノ秒パルサー(High Voltage Nanosecond Pulser)」というタイトルの米国特許出願第14/542,487号に記載されている任意のデバイスの全て又は任意の部分、又は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれる「ガルバニック絶縁された出力可変パルス発生器開示(Galvanically Isolated Output Variable Pulse Generator Disclosure)」というタイトルの米国特許出願第14/635,991号に記載されているデバイスの全て又は任意の部分、又は全ての目的で本開示に組み込まれている「可変パルス幅及びパルス繰り返し周波数を伴う高電圧ナノ秒パルサー(High Voltage Nanosecond Pulser With Variable Pulse Width and Pulse Repetition Frequency」というタイトルの米国特許出願第14/798,154号に記載されているデバイスの全て又は任意の部分を含んでもよい。
【0218】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー105は、スイッチS1によって切り替えられ、切り替えられた電力をトランスT1に提供する一貫した直流電圧を提供し得る電源C7(例えば、電源と結合されてもよいエネルギーストレージコンデンサ)と結合されたスイッチS1を含む。スイッチS1は、例えば、IGBT、MOSFET、SiC-MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光導電スイッチ等の1つ以上のソリッドステートスイッチを含んでもよい。幾つかの実施形態では、スイッチS1に結合されたゲート抵抗は短いターンオンパルスで設定されてもよい。
【0219】
幾つかの実施形態では、抵抗器R8及び/又は抵抗器R5は、ナノ秒パルサー105内の浮遊抵抗を表してもよい。幾つかの実施形態では、インダクタL3及び/又はインダクタL1は、ナノ秒パルサー105内の浮遊インダクタンスを表してもよい。
【0220】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー105は、スナバダイオードD2と並列に配置され得るスナバ抵抗器R1及びスナバインダクタL3を両方含むスナバ回路を含んでいてもよい。スナバ回路は、スナバコンデンサC5も含み得る。幾つかの実施形態では、スナバ抵抗器R1とスナバインダクタL3及び/又はスナバダイオードD2は、スイッチS1のコレクタとトランスT1の一次巻線の間に配置されてもよい。スナバダイオードD2は、スイッチング時の過電圧をスナブアウトする為に使用されてもよい。スイッチS1のエミッタ側には、大容量且つ高速のコンデンサC5が結合されていてもよい。また、フリーホイールダイオードD1は、スイッチS1のエミッタ側に結合されてもよい。図示されていない様々な他のコンポーネントが含まれてもよい。
【0221】
幾つかの実施形態では、フリーホイーリングダイオードD1は、誘導負荷と組み合わせて使用されてもよく、インダクタを介して同じ方向に電流が流れ続けるようにすることで、スイッチS1が開かれた後にインダクタに蓄えられているエネルギーが散逸されるようにし、エネルギーが回路の抵抗素子に散逸されるようにする。それらが使用されない場合、これは、例えば、スイッチS1に大きな逆電圧をもたらし得る。
【0222】
幾つかの実施形態では、一次シンク1906は、スイッチS1(及びスナバ回路)と並列に配置されてもよい。一次シンク1906は、例えば、直列に配置されたシンクダイオードD6、抵抗器R2、及びシンクインダクタL6を含んでもよい。幾つかの実施形態では、抵抗器R2は、約100オームの抵抗値を有する1つ以上の抵抗器を含んでもよい。幾つかの実施形態では、シンクインダクタL6は、約100μHのインダクタンスを有する1つ以上のインダクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、抵抗器R2は、並列及び/又は直列に配置された複数の抵抗器を含んでもよい。幾つかの実施形態では、シンクインダクタL6は、並列及び/又は直列に配置された複数のインダクタを備えてもよい。
【0223】
幾つかの実施形態では、シンクダイオードD6は、トランスT1からグランドに電流が流れるように配置されてもよい。
【0224】
幾つかの実施形態では、シンクダイオードD6、抵抗器R2及びシンクインダクタL6はトランスT1と並列に配置されている。
【0225】
幾つかの実施形態では、抵抗器R2及びシンクインダクタL6はトランスT1の一次側に配置されている。
【0226】
高速立上り/立下り時間、及び/又は短いパルス幅を有する高周波数の高電圧パルスを実現する為に一次シンクを使用すると、抵抗出力ステージの回路素子(例えば、R2及びL6)の選択が制約される場合がある。一次シンクは、高い平均電力、高いピーク電力、高速立上り時間及び/又は高速立下り時間に対応するように選択される場合がある。例えば、平均電力定格は、約10W、50W、100W、0.5kW、1.0kW、10kW、25kW等よりも大きく、ピーク電力定格は、約1kW、10kW、100kW、1MW等よりも大きく、及び/又は、立上り時間及び立下り時間は、1000ns、100ns、10ns、又は1nsよりも小さい場合がある。
【0227】
高い平均電力及び/又はピーク電力の要件は、負荷ステージ1915に蓄積されたエネルギーを迅速に散逸させる必要性、及び/又は、高周波数で散逸させる必要性の両方から生じる可能性がある。例えば、負荷ステージ1915が本質的に容量性であり(図1に示すように、容量C12を有する)、20nsでの放電を必要とする1nFの容量を有し、一次シンクが純粋な抵抗性(例えば、L6の最小値)であり得る場合、一次シンクは約12.5mオームの抵抗値を有していてもよい。負荷に印加される高電圧パルスが20kVで100nsの長さである場合、各パルスは、100nsのパルス幅の間に約2Jを散逸させて(例えば、E=t /R)、追加の0.2Jを散逸させ1nF容量性負荷から蓄積エネルギーを排出し(例えば、E=CV )、式中、tはパルス幅、Vはパルス電圧、R2は一次シンクの抵抗、Cは負荷の容量、Vはトランスの一次側の電圧、Vはトランスの二次側の電圧、Eはエネルギーである。10kHzで動作させた場合、1パルスあたりのエネルギー散逸の合計は2.2Jとなり、一次側シンクへの平均電力散逸は22kWとなり得る。パルス中の一次側シンクのピーク電力損失は約20mWとなり得、Power=V2/Rから計算され得る。
【0228】
高周波・高電圧動作と、例えば一次側シンク内の抵抗値を小さくする必要性が相まって、一次側シンク内のピーク電力と平均電力の何れか、又は両方が大きい例をもたらす。TTLタイプの電気回路やデータ収集タイプの回路で使用される標準的なプルダウン抵抗(例えば、約5ボルト)は、通常、平均電力とピーク電力散逸の両方で1Wを遙かに下回って動作する。
【0229】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ1915が散逸する総電力と比較して、一次シンク1906が散逸する電力の比率は、例えば、10%、20%、30%又はそれ以上であってもよい。標準的な低電圧の電子回路では、プルダウン抵抗は、消費する電力の1%未満、典型的にはそれより遙かに少ない電力を散逸する。
【0230】
高速立上り時間と高速立下り時間の要件は、一次シンク内の浮遊インダクタンスと浮遊容量の両方に制約を与える可能性がある。上記の例では、1nFの容量性負荷を約20nsで放電する為には、一次シンク内の直列浮遊インダクタンスは、約1000nH、500nH、300nH、100nH、30nH未満等の範囲内である必要がある。幾つかの実施形態では、L6/R2<tfである。幾つかの実施形態では、L/Rの時間は、一次シンクがその浮遊容量に起因する有意な追加エネルギーを浪費しない為に、例えば、負荷容量に蓄積された容量エネルギーの10%未満である場合、一次シンクの浮遊容量は100pF未満であってもよい。一次シンクは、高い放熱性が要求される為、物理的に大きくなる傾向があり、この低い浮遊インダクタンスと浮遊容量の両方を実現することは困難である。一般的に、この設計では、多数の離散的なコンポーネント(抵抗器等)を使用してかなりの並列及び直列動作を行う必要があり、コンポーネントは緊密にグループ化され、グランド面から離れていて浮遊容量を大幅に増加させる可能性がある。
【0231】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ1915は、誘電体バリア放電デバイスを含んでもよい。誘電体バリア放電における負荷ステージ1915は、容量性が支配的であり得る。幾つかの実施形態では、負荷は、例えば、誘電体バリア放電のように、純粋に容量性負荷CLとしてモデル化されてもよい。例えば、電源Pがオンにされると容量性負荷CLは充電され、電源Pがオンにされないと容量性負荷CLの充電は抵抗器Rを通ってドレインされ得る。更に、高電圧及び/又は高周波数及び/又は高速立下り時間の要件の為に、一次シンクは、容量性負荷CLからかなりの量の電荷を迅速に放電する必要がある場合があり、これは低電圧アプリケーション(例えば、標準的な5Vロジックレベル及び又は低電圧データパルサー)の場合とは異なる場合がある。
【0232】
例えば、典型的な誘電体バリア放電デバイスは、約10pFの容量を有する可能性がある、及び/又は、約20nsの立上り時間及び/又は約20nsの立下り時間で約20kVまで駆動される可能性がある。幾つかの実施形態では、所望のパルス幅は80nsの長さである。立下り時間を立上り時間と一致させる為に、抵抗器R2は約12.5オームを使用して所望の立下り時間をもたらすことができる。回路素子の抵抗器R2の様々な他の値は、負荷及び/又は他の回路素子及び/又は要求の立上り時間、立下り時間、及び/又はパルス幅等に応じて使用され得る。
【0233】
幾つかの実施形態では、容量性負荷、又は実効容量C(例えば、容量C12)を有する負荷の場合、特徴的なパルスの立下り時間はtfと指定され得、パルスの立上り時間はtrと指定され得る。幾つかの実施形態では、立上り時間trは駆動電源の仕様によって設定され得る。幾つかの実施形態では、パルス立下り時間tfは、抵抗器R2を選択することによって、パルス立上り時間trにほぼ一致させることができ、
【数6】
である。幾つかの実施形態では、R2は、パルス立上り時間trとパルス立下り時間tfとの間の特定の関係を提供する為に特に選択され得る。これは、プルダウン抵抗の概念とは異なり得るものであり、一般的に、プルダウン抵抗は、より長い時間スケールで、より低い電力レベルで電圧/電荷を伝達/散逸するように選択される。抵抗器R2は、パルス立上り時間trとパルス立下り時間tfの間に特定の関係を確立する為に、プルダウンスイッチの代わりとして特に使用され得る。
【0234】
幾つかの実施形態では、パルス幅tpと駆動電圧Vを有するパルス中に抵抗器R2に散逸する電力は、P=V2/Rから求まる。立下り時間tfは抵抗R(例えば、
【数7】
)に正比例するので、立下り時間tfに対する要求が減少すると、抵抗Rに対する要求も減少し、抵抗器R2に散逸する電力Pは、P=V2C/tfに従って増加する。従って、抵抗器R2は、適切な立下り時間tを確保しつつ、例えば、約1.0kWや100kWを超えるような高電力を処理できるように設計されてもよい。幾つかの実施形態では、抵抗器は、ピーク電力要件だけでなく、平均電力要件も処理できる。低い抵抗値の結果として生じる高速立下り時間tfの必要性と、その結果として生じる高い電力散逸は、容量性負荷C2から電荷を迅速に除去する方法として一次シンクを望ましくないものにする可能性がある課題である。幾つかの実施形態では、抵抗器Rは、低抵抗でありながら、高い平均電力定格及びピーク電力定格を有する抵抗器を含み得る。
【0235】
幾つかの実施形態では、抵抗器R2は、必要な抵抗値と電力定格を有する抵抗器の直列及び/又は並列スタックを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、抵抗器R2は、約2,000オーム、500オーム、250オーム、100オーム、50オーム、25オーム、10オーム、1オーム、0.5オーム、0.25オーム等よりも小さい抵抗値を有し、約0.5kW、1.0kW、10kW、25kW等よりも大きい平均電力定格を有し、約1kW、10kW、100kW、1MW等よりも大きいピーク電力定格を有する抵抗器を含んでもよい。
【0236】
上記の例を用いると、tp=80ns、V=500kV、抵抗器R2が12.5kオームの場合、負荷に印加される各パルスは、負荷内の容量が完全に充電されると、16mJを散逸する可能性がある。パルスがオフになると、負荷からの電荷は抵抗器R2で散逸する。100kHzで動作させた場合、抵抗器R2は1.6kWを散逸する。抵抗器R2が10nsのtfを生じさせるように選択されていた場合、抵抗器R2で散逸する電力は3.2kWとなる。幾つかの実施形態では、高電圧パルス幅は500nsまで延びることがある。500nsでtf=20nsの場合、抵抗器R2は10kWを散逸することになる。
【0237】
幾つかの実施形態では、抵抗器R2に散逸する電力は、負荷ステージ1915で消費される電力の10%又は20%を超える場合、大きいと考えることができる。
【0238】
高速立下り時間tfが必要な場合、電力散逸は、例えば、消費された総電力の約3分の1のように大きくすることができる。例えば抵抗器R2が、シンクインダクタL6と直列に接続された抵抗器R2を含む場合、シンクインダクタL6は、例えば、電圧Vが存在する間に抵抗器Rに流入する電力を減少させ、及び/又は、RC減衰によって設定された時間を超えて、立下り時間を早めることができる。
【0239】
例えば、時定数L6/R2は、パルス幅tpとほぼ同じに設定することができ、例えば、L6/R2≒tpである。これは、例えば、エネルギー散逸を低減し、及び/又は、立下り時間tfを短縮する(例えば、tfを減少させる)ことができる。幾つかの実施形態では、tfをtrに一致させたいとの仮定で、R2≒C/tf≒C/trである。本願、本開示、及び/又は特許請求の範囲において、記号「≒」は、10倍以内を意味する。
【0240】
幾つかの実施形態では、トランスT1はナノ秒パルサー105の一部であってもよい。
【0241】
図20は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2000の回路図である。ナノ秒パルサーシステム2000は、ナノ秒パルサー105、一次シンク2006、トランスT1、及び負荷ステージ1915を含む。
【0242】
幾つかの実施形態では、一次シンク2006は、シンクダイオードD6の代わりに、又はそれに加えて、シンクスイッチS2を含んでもよい。幾つかの実施形態では、シンクスイッチS2は、シンクインダクタL6及び/又はシンク抵抗器R2と直列に配置されてもよい。
【0243】
幾つかの実施形態では、シンクスイッチS2は、例えば、負荷容量C2がシンク抵抗器R2及び/又はシンクインダクタL6を介してダンピングされる場合に閉じられ得る。例えば、シンクスイッチS2は、各パルスの後に、負荷容量C2から電荷を捨てる為に、オン及び/又はオフを切り替えることができる。各パルスの間、例えば、シンクスイッチS2は開いていてもよい。各パルスの終了時にシンクスイッチS2を閉じて、負荷容量を抵抗器R2に捨てるようにしてもよい。例えば、スイッチS1が開いているときにシンクスイッチS2が閉じていてもよく、及び/又は、スイッチS1が閉じているときにシンクスイッチS2が開いていてもよい。
【0244】
幾つかの実施形態では、シンクスイッチS2は、図14で説明した高電圧スイッチ1400を含んでいてもよい。
【0245】
図21は、幾つかの実施形態による、ナノ秒パルサーシステム2100の回路図である。ナノ秒パルサーシステム2100は、ナノ秒パルサー2105、一次シンク2106、トランスT1、及び負荷ステージ1915を含む。
【0246】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサー2105は、シンクスイッチS2と一次シンク2106の間に配置されたダイオードD9を含んでもよい。ダイオードD9は、スイッチS1を通ってトランスT1に向かって電流が流れるのを許容し、トランスT1からスイッチS1に向かって電流が流れるのを制限するように配置されてもよい。
【0247】
一次シンク2106は、シンクダイオードD6を除く一次シンク1906の構成要素を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、一次シンク2106はシンクダイオードD6及び/又はシンクスイッチS2を含んでもよい。
【0248】
図22は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2200の回路図である。ナノ秒パルサーシステム2200は、ナノ秒パルサー105、一次シンク2206、トランスT1、及び負荷ステージ1915を含む。
【0249】
幾つかの実施形態では、一次シンク2206はシンクスイッチS2及びシンクダイオードD6を含んでもよい。幾つかの実施形態では、シンクスイッチS2は、シンクインダクタL6及び/又はシンク抵抗器R2と直列に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、クローバーダイオードD8がシンクスイッチS2を挟んで含まれていてもよい。
【0250】
幾つかの実施形態では、シンクスイッチS2は、例えば、負荷容量C2がシンク抵抗器R2及び/又はシンクインダクタL6を介してダンピングされる場合に閉じられ得る。例えば、シンクスイッチS2は、各パルスの後に、負荷容量C2から電荷を捨てる為に、オン及び/又はオフを切り替えることができる。各パルスの間、例えば、シンクスイッチS2は開いていてもよい。また、各パルスの終了時にシンクスイッチS2を閉じて、負荷容量を抵抗器R2に捨てるようにしてもよい。例えば、スイッチS1が開いているときにシンクスイッチS2が閉じていてもよく、及び/又は、スイッチS1が閉じているときにシンクスイッチS2が開いていてもよい。
【0251】
図23は、図21に示したナノ秒パルサーシステム2100を用いた場合のトランスT1への入力時の電圧を示す波形2305と、負荷ステージ1915の電圧を示す波形2310を示す図である。
【0252】
図24は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2400を示す。ナノ秒パルサーシステム2400は、ナノ秒パルサー105と、一次シンク1906と、トランスT1と、バイアス補償回路2410と、負荷ステージ2415とを含む。
【0253】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路2410は、バイアス補償ダイオードD8を挟んで結合され、オフセット電源V1及びバイアス補償抵抗器R9と直列に配置された高電圧スイッチS3を含んでもよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチS3は、高電圧をまとめて開閉する為に直列に配置された複数のスイッチを含んでもよい。例えば、高電圧スイッチS3は、図14で説明した高電圧スイッチ1400を含んでもよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチS3は、信号Sig3+及びSig3-に基づいて開閉されてもよい。
【0254】
高電圧スイッチS3は、インダクタL9及び抵抗器R11の何れか又は両方と直列に結合されてもよい。インダクタL9は、高電圧スイッチS3を通るピーク電流を制限してもよい。インダクタL9は、例えば、約250μH、100μH、50μH、25μH、10μH、5μH、1μH等、約100μH未満のインダクタンスを有していてもよい。抵抗器R11は、例えば、電力損失を一次シンクにシフトさせることができる。抵抗器R11の抵抗値は、例えば、約1000オーム、500オーム、250オーム、100オーム、50オーム、10オーム等未満の抵抗値を有していてもよい。
【0255】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチS3はスナバ回路を含んでいてもよい。スナバ回路は、抵抗器R9、スナバダイオードD8、スナバコンデンサC15、及びスナバ抵抗器R10を含んでもよい。
【0256】
幾つかの実施形態では、抵抗器R8はオフセット電源電圧V1の浮遊抵抗を表し得る。抵抗器R8は、例えば、約10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム、1Gオーム等の高抵抗値を有してもよい。
【0257】
幾つかの実施形態では、バイアス補償コンデンサC8は、例えば、約100μF、50μF、25μF、10μF、2μF、500nF、200nF等、100nF~100μF未満の容量を有していてもよい。
【0258】
幾つかの実施形態では、バイアス補償コンデンサC8及びバイアス補償ダイオードD8は、ナノ秒パルサー105の出力(例えば、125と表示の位置)と電極上の電圧(例えば、124と表示の位置)との間の電圧オフセットが、各バーストの開始時に確立され、必要な平衡状態に到達することを可能にし得る。例えば、電荷は、各バーストの開始時に、複数のパルス(例えば、約5~100程度)の間に、コンデンサC12からコンデンサC8に転送され、回路内に正しい電圧を確立する。
【0259】
幾つかの実施形態では、バイアスコンデンサC12は、ナノ秒パルサー105の出力(例えば、125と表示の位置)と、電極上の電圧(例えば、124と表示の位置)との間の電圧オフセットを許容してもよい。動作時、電極は、例えば、バースト時には-2kVの直流電圧であり、一方、ナノ秒パルサーの出力は、パルス時の+6kVと、パルス間の0kVとで交番する。
【0260】
バイアスコンデンサC12は、例えば、約100nF、10nF、1nF、100μF、10μF、1μF程度の容量を有していてもよい。抵抗器R9は、例えば、約1kオーム、10kオーム、100kオーム、1Mオーム、10Mオーム、100Mオーム程度の抵抗値等、高い抵抗値を有していてもよい。
【0261】
バイアス補償回路2410は、任意の数の他の要素を含んでも、又は任意の数の方法で配置されてもよい。
【0262】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチS3は、ナノ秒パルサー105がパルシングしている間は開いていて、ナノ秒パルサー105がパルシングしていないときは閉じていてもよい。高電圧スイッチS3が閉じているときには、例えば、電流がバイアス補償ダイオードD8を短絡することができる。この電流を短絡させることで、ウェハとチャックの間のバイアスを2kV(又は別の電圧値)未満にすることができ、これは許容範囲内であり得る。幾つかの実施形態では、バイアス補償ダイオードD8は、10Hzから10kHzの間の周波数で、10Aから1kAの間の電流を伝導してもよい。
【0263】
幾つかの実施形態では、高電圧スイッチS3は、図14で説明した高電圧スイッチ1400を含んでもよい。
【0264】
幾つかの実施形態では、負荷ステージ2415は、例えば、プラズマ成膜装置、半導体製造装置、プラズマスパッタリング装置等の半導体処理室の理想化された回路又は有効な回路を表し得る。容量C2は、例えば、ウェハが載っているチャックの容量を表し得る。チャックは、例えば、誘電体材料を含んでもよい。例えば、コンデンサC1は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0265】
コンデンサC3は、例えば、プラズマとウェハの間のシース容量を表し得る。抵抗器R6は、例えば、プラズマとウェハとの間のシース抵抗を表し得る。インダクタL2は、例えば、プラズマとウェハとの間のシースインダクタンスを表し得る。電流源I2は、例えば、シースを流れるイオン電流を表し得る。例えば、コンデンサC1又はコンデンサC3は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0266】
コンデンサC9は、例えば、チャンバの壁とウェハの上面との間のプラズマ内の容量を表していてもよい。抵抗器R7は、例えば、チャンバの壁とウェハの上面との間のプラズマ内の抵抗を表してもよい。電流源I1は、例えば、プラズマ内のイオン電流を表し得る。例えば、コンデンサC1又はコンデンサC9は、小さい容量(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等)を有していてもよい。
【0267】
本明細書で使用する場合、プラズマ電圧は、グランドから回路点123まで測定された電圧であり、ウェハ電圧は、グランドから回路点122まで測定された電圧であり、ウェハの表面での電圧を表してもよく、チャッキング電圧は、グランドから回路点121まで測定された電圧であり、電極電圧は、グランドから回路点124まで測定された電圧であり、入力電圧は、グランドから回路点125まで測定された電圧である。
【0268】
図25は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2500を示す。ナノ秒パルサーシステム2500は、ナノ秒パルサー105と、一次シンク2006と、トランスT1と、バイアス補償回路2410と、負荷ステージ2415とを含む。
【0269】
図26は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2600を示す。ナノ秒パルサーシステム2600は、ナノ秒パルサー2105、一次シンク1906、トランスT1、バイアス補償回路2410、及び負荷ステージ2415を含む。
【0270】
図27は、幾つかの実施形態によるナノ秒パルサーシステム2700を示す。ナノ秒パルサーシステム2700は、ナノ秒パルサー105、一次シンク2206、トランスT1、バイアス補償回路2410、及び負荷ステージ2415を含む。
【0271】
図28は、ナノ秒パルサーシステム2700を使用した場合の、トランスT1への入力における電圧の波形2805、チャック(121と表示される点)における電圧の波形2810、及びウェハ(122と表示される点)における電圧の波形2815を示している。
【0272】
幾つかの実施形態では、チャッキング電位は負として示されているが、チャッキング電位は正でもよい。
【0273】
幾つかの実施形態では、一次シンク1906、一次シンク2006、又は一次シンク2206は、高電圧ナノ秒パルサーシステムのエネルギー消費及び/又は所定の負荷を駆動する為に必要な電圧を減少させることができる。例えば、エネルギー消費量は、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%等、又はそれ以上に減少させることができる。
【0274】
幾つかの実施形態では、ダイオードD9及び/又はダイオードD6は高電圧ダイオードを備えていてもよい。
【0275】
別段の定めがない限り、「実質的に」という用語は、言及された値の5%又は10%以内、或いは製造上の許容範囲内を意味する。別段の定めがない限り、「約」という用語は、言及された値の5%又は10%以内、或いは製造公差内にあることを意味する。
【0276】
「又は」という用語は包括的である。
【0277】
請求項に記載の主題の完全な理解を提供する為に、多数の具体的な詳細が本明細書に記載されている。しかし、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても、請求項に記載の主題を実施することができることを理解するであろう。他の例では、当業者が知り得る方法、装置、又はシステムは、請求項に記載の主題を不明瞭にしないように、詳細には記載されていない。
【0278】
本明細書に開示されている方法の実施形態は、そのような計算装置の動作において実行され得る。上記の例で提示されたブロックの順序は変えてもよく、例えば、ブロックを再順序付け、組み合わせ、及び/又はサブブロックに分割してもよい。特定のブロックやプロセスを並行して実行してもよい。
【0279】
本明細書での、「適合される(adapted to」又は「構成される(configured to」の使用は、追加のタスクやステップを実行するように適合又は構成されたデバイスを排除しない、オープンで包括的な言葉として意図されている。
【0280】
更に、「基づく(based on」の使用は、1つ以上の記載された条件又は値に「基づく」プロセス、ステップ、計算、又はその他のアクションが、実際には記載された条件又は値以外の追加の条件又は値に基づいている可能性があるという意味で、オープンで包括的であることを意味する。本明細書に記載の見出し、リスト、及び番号は、説明を容易にする為のものであり、限定することを意図していない。
【0281】
本発明の主題を、その特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、当業者ならば、前述の理解を得た上で、そのような実施形態に対する変更、変形、及び同等物を容易に創製できることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されており、当業者に容易に明らかになるような変更、変形、及び/又は追加を本主題に含めることを排除するものではないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0282】
100、600、1000、1200、2000、2100、2200、2400、2500、2600、2700 ナノ秒パルサーシステム
101 ナノ秒パルサーステージ
103 リードステージ
104 直流バイアス回路
106 負荷ステージ
110 エネルギー回収回路
111 能動エネルギー回収回路
114 受動バイアス補償回路
115 エネルギー回収インダクタ
120 エネルギー回収ダイオード
130、135 ダイオード
134 能動バイアス補償回路
405 バイアス補償ダイオード
410 バイアス補償コンデンサ
700 マッチレスドライバシステム
705 RFドライバ
710 共振回路
900 ウェハバイアスシステム
921 第2のバイアスコンデンサ
925 高電圧パルサー
926 第1のエネルギー回収回路
930 第2の高電圧パルサー
931 第2のエネルギー回収回路
935 プラズマチャンバ
950 第1の電極
955 第2の電極
1205 容量性負荷
1400 高電圧スイッチ
1405 スイッチモジュール
1410 スイッチ
1415 スナバダイオード
1420 スナバコンデンサ
1425 フリーホイールダイオード
1440 電源
1445 絶縁ファイバトリガ
1450 クローバーダイオード
1600 計算システム
1625 ストレージデバイス
1630 通信サブシステム
1635 ワーキングメモリ
1640 オペレーティングシステム
1645 アプリケーションプログラム
1700 空間的可変ウェハバイアスシステム
1725 第1の高電圧パルサー
1726 第1のエネルギー回収回路
1730 第2の高電圧パルサー
1731 第2のエネルギー回収回路
1800 RFドライバシステム
1805 RFドライバ
1906、2006、2106、2206 一次シンク
1915、2415 負荷ステージ
2105 ナノ秒パルサー
2410 バイアス補償回路
C5 スナバコンデンサ
C7 エネルギーストレージコンデンサ
C12 バイアスコンデンサ
D2 フリーホイールダイオード
D4 スナバダイオード
D7 ブロッキングダイオード
L1 浮遊インダクタンス
R1 浮遊抵抗
R3 スナバ抵抗
R5 共振抵抗
S1、S6 スイッチ
S5 エネルギー回収スイッチ
T1 トランス

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2023-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧パルス発生方法であって、
パルサースイッチを閉じた状態でバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路をトランスの二次側に結合するステップと、
ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じた状態でパルスを発生するステップであって、前記ナノ秒パルサーはトランスの一次側と直流電源に結合され、パルスは前記トランスの二次側で1kVを超える電圧を有する、ステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態でエネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを開くステップであって、前記エネルギー回収回路は前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されているステップと、
約100ナノ秒未満の期間で休止するステップと、
前記ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じるステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態で前記エネルギー回収回路内の前記エネルギー回収スイッチを開くステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、請求項1に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項3】
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置された複数の電圧分担抵抗器を有する複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、請求項1に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項4】
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオードと前記バイアス補償スイッチとに直列に配置された直流電源とを備えている請求項1に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項5】
高電圧パルス発生方法であって、
パルスのバーストの前に、トランスを介してナノ秒パルサーに結合されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの二次側に結合されるステップと、
前記パルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは、前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は、約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は、前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生成するステップと、
前記パルスのバースト中に、エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチの開閉を繰り返し、前記パルサースイッチが開いているときには前記エネルギー回収スイッチを閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときには前記エネルギー回収スイッチを開くようにし、前記エネルギー回収回路を前記トランスの2次側と前記直流電源に結合するステップと、
前記パルスのバーストの後で、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
【請求項6】
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に前記バイアス補正スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバースト時に前記エネルギー回収スイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を更に含む請求項5に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項7】
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、請求項5に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項8】
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置され複数の電圧分担抵抗器を有している複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が、前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、請求項5に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項9】
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオード及び前記バイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを含む、請求項5に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項10】
高電圧パルス発生方法であって、
第1のパルスのバースト前に、トランスを介してナノ秒パルサーに接続されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの2次側に接続されるステップと、
前記第1のパルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、前記パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生じさせるステップと、
前記パルスのバースト後に、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に、前記バイアス補償スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で、前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記パルサースイッチが開いているときにエネルギー回収スイッチが閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときにエネルギー回収スイッチが開くように、前記第1のパルスのバースト中に、前記エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを繰り返し開閉するステップを更に含み、前記エネルギー回収回路が前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されている、請求項10に記載の高電圧パルス発生方法
【請求項12】
前記第2のパルスのバースト中に前記エネルギー回収スイッチを開閉する、請求項11に記載の高電圧パルス発生方法。
【請求項13】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源と並列に接続された一次シンクであって、前記出力と結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器を含む、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項14】
前記一次シンクは、約1キロワットを超える平均電力を散逸するように構成されている、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項15】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続された少なくとも1つのインダクタを備えている、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項16】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続されたスイッチを含む、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項17】
前記出力は、概ね容量性であるプラズマ負荷と結合される、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項18】
前記出力は、誘電体バリア放電を含むプラズマ負荷と結合される、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項19】
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値は約400オーム未満の値を有する、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項20】
前記高電圧・高周波スイッチング電源は、100kWを超えるピーク電力を供給する、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項21】
前記一次シンク内の抵抗は抵抗Rを含み、出力は、
【数1】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中tはパルス立下り時間である、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項22】
前記負荷は50nF未満の容量を有する容量性であり、前記負荷の容量は10μsを超える時間は電荷を保持しない、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項23】
前記負荷は本質的に容量性であり、前記高電圧・高周波スイッチング回路は前記負荷容量を急速に充放電する、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項24】
前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないとき、前記出力は、プラズマ内で-2kVを超える負のバイアス電圧を生成する、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項25】
前記出力は、1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有する高電圧パルスを、約400ns未満のパルス立下り時間で生成することができる、請求項13に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項26】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側に電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記出力に結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器と、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に配置された少なくとも1つのインダクタとを備える、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項27】
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器及び/又は前記少なくとも1つのインダクタと直列に接続されたスイッチを含む、請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項28】
前記出力は、1kVを超える電圧を有し、10kHzを超える周波数を有し、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができる、請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項29】
前記一次シンクは、約1キロワットを超える電力を散逸するように構成されている、請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項30】
前記高電圧スイッチング電源は、電源、少なくとも1つのスイッチ、及び昇圧トランスを備えている、請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項31】
前記一次シンクは10kWより大きいピーク電力を処理する、請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項32】
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値が約400オーム未満である請求項26に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項33】
前記一次シンクはインダクタと抵抗器を含み、前記インダクタのインダクタンスLと前記抵抗器の抵抗値Rは、L/R≒tpを満たすように設定されており、式中tpはパルスのパルス幅である、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項34】
前記一次シンクの抵抗器は抵抗Rを含み、前記出力は、
【数2】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中tはパルス立下り時間である、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項35】
前記出力は、イオンを表面に加速する為に使用される負のバイアス電圧をプラズマ内に生成する、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項36】
前記出力は、前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないときに、前記電極又は前記基板(又はウェハ及びプラズマ)からグランドに対して-2kVよりも大きい負の電位差を生成する、請求項12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項37】
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数のパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記一次シンクは、直列に配置された少なくとも1つの抵抗器、少なくとも1つのインダクタ、及びスイッチを含む、一次シンクと、を備え、
前記出力は、1kVを超える電圧、10kHzを超える周波数、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができ、前記出力は、プラズマ型負荷に電気的に接続されている、高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項38】
前記プラズマ型負荷は、大きさが20nF未満の容量性素子を有するものとしてモデル化され得る、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項39】
前記プラズマ型負荷は、イオンを表面に加速するように設計されている、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項40】
高電圧高周波スイッチング電源の作用により、イオンを表面に加速する為の電位が確立される、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項41】
前記プラズマ型は概ね本質的に容量性である、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項42】
前記プラズマ型負荷は誘電体バリア放電を含む、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項43】
前記高電圧高周波スイッチング電源は100kWを超えるピーク電力を供給する、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【請求項44】
前記高電圧スイッチング電源は、電源と、少なくとも1つのスイッチと、昇圧トランスとを備えている、請求項37に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0281
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0281】
本発明の主題を、その特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、当業者ならば、前述の理解を得た上で、そのような実施形態に対する変更、変形、及び同等物を容易に創製できることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されており、当業者に容易に明らかになるような変更、変形、及び/又は追加を本主題に含めることを排除するものではないことを理解すべきである。
〔付記1〕
ナノ秒パルサー回路であって、
高電圧電源と、
前記高電圧電源と電気的に結合され、前記高電圧電源からの電圧を高周波数で切り替えるナノ秒パルサーと、
一次側と二次側を有するトランスであって、前記トランスの一次側に前記ナノ秒パルサーが電気的に結合されている、トランスと、
前記トランスの二次側と電気的に結合されたエネルギー回収回路とを備え、前記エネルギー回収回路が、
高電圧電源と電気的に結合されたエネルギー回収インダクタと、
前記トランスの2次側と並列に配置されたクローバーダイオードと、
前記エネルギー回収インダクタと直列に配置され、負荷から前記エネルギー回収インダクタを介して前記高電圧電源に電流を流すように配置された第2のダイオードとを備えている、ナノ秒パルサー回路。
〔付記2〕
前記エネルギー回収インダクタは約50μHを超えるインダクタンスを有している、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記3〕
前記ナノ秒パルサーは、前記高電圧電源からの電圧を約400kHzの周波数で切り替える、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記4〕
前記ナノ秒パルサー回路は、5kVを超える電圧を負荷に供給する、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記5〕
前記負荷が容量性負荷を含む、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記6〕
前記負荷がプラズマ成膜室を含む、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記7〕
前記エネルギー回収回路は、前記第2のダイオード及び前記エネルギー回収インダクタと直列に接続された高電圧スイッチを更に備えている、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記8〕
前記高電圧スイッチは5kVを超える電圧を切り替える、付記7に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記9〕
前記高電圧電源は1kVを超える電圧の直流電力を供給する、付記1に記載のナノ秒パルサー回路。
〔付記10〕
回路であって、
ストレージコンデンサと、
前記ストレージコンデンサに接続されたスイッチング回路であって、1kVを超える電圧と1kHzを超える周波数の波形を出力するスイッチング回路と、
一次側と二次側を有するトランスであって、前記トランスの一次側に前記スイッチング回路が電気的に結合されている、トランスと、
前記トランスの2次側及び前記ストレージコンデンサと電気的に結合されたエネルギー回収回路とを備え、前記エネルギー回収回路が、
高電圧電源と電気的に結合されたエネルギー回収インダクタと、
前記エネルギー回収インダクタと直列に配置され、負荷から前記エネルギー回収インダクタを経由して前記高圧電源に電流を流すように配置された第2のダイオードとを備えている回路。
〔付記11〕
前記エネルギー回収回路は、前記トランスの二次側と並列に配置されたクローバーダイオードを備えている、付記10に記載の回路。
〔付記12〕
前記スイッチング回路はナノ秒パルサーを備えている、付記10に記載の回路。
〔付記13〕
前記スイッチング回路は、約400kHzを超える周波数で動作するRFドライバを備えている、付記10に記載の回路。
〔付記14〕
前記RFドライバは、ハーフブリッジドライバ又はフルブリッジドライバの何れかを含む付記13に記載の回路。
〔付記15〕
バイアス補償回路を更に備え、前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオード及び前記バイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源と含む、付記10に記載の回路。
〔付記16〕
前記エネルギー回収インダクタは50μHを超えるインダクタンスを含む、付記10に記載の回路。
〔付記17〕
高電圧パルス発生方法であって、
パルサースイッチを閉じた状態でバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路をトランスの二次側に結合するステップと、
ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じた状態でパルスを発生するステップであって、前記ナノ秒パルサーはトランスの一次側と直流電源に結合され、パルスは前記トランスの二次側で1kVを超える電圧を有する、ステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態でエネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを開くステップであって、前記エネルギー回収回路は前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されているステップと、
約100ナノ秒未満の期間で休止するステップと、
前記ナノ秒パルサーのパルサースイッチを閉じるステップと、
前記パルサースイッチを閉じた状態で前記エネルギー回収回路内の前記エネルギー回収スイッチを開くステップと、を含む方法。
〔付記18〕
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、付記17に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記19〕
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置された複数の電圧分担抵抗器を有する複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、付記17に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記20〕
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオードと前記バイアス補償スイッチとに直列に配置された直流電源とを備えている付記17に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記21〕
高電圧パルス発生方法であって、
パルスのバーストの前に、トランスを介してナノ秒パルサーに結合されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの二次側に結合されるステップと、
前記パルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは、前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は、約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は、前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生成するステップと、
前記パルスのバースト中に、エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチの開閉を繰り返し、前記パルサースイッチが開いているときには前記エネルギー回収スイッチを閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときには前記エネルギー回収スイッチを開くようにし、前記エネルギー回収回路を前記トランスの2次側と前記直流電源に結合するステップと、
前記パルスのバーストの後で、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
〔付記22〕
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に前記バイアス補正スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバースト時に前記エネルギー回収スイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を更に含む付記21に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記23〕
前記エネルギー回収回路は、前記エネルギー回収スイッチと直列に接続されたインダクタとダイオードを含む、付記21に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記24〕
前記エネルギー回収スイッチは、直列に配置され複数の電圧分担抵抗器を有している複数のスイッチを含み、前記複数の電圧分担抵抗器の各電圧分担抵抗器が、前記複数のスイッチの対応するスイッチを挟んで配置されるようになっている、付記21に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記25〕
前記バイアス補償回路は、前記バイアス補償スイッチと並列に配置されたバイアス補償ダイオードと、前記バイアス補償ダイオード及び前記バイアス補償スイッチと直列に配置された直流電源とを含む、付記21に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記26〕
高電圧パルス発生方法であって、
第1のパルスのバースト前に、トランスを介してナノ秒パルサーに接続されたバイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを開き、前記バイアス補償回路は前記トランスの2次側に接続されるステップと、
前記第1のパルスのバースト中に、ナノ秒パルサーのパルサースイッチの開閉を繰り返して、前記パルスのバースト内に複数のパルスを生成し、前記ナノ秒パルサーは前記トランスの一次側と直流電源に結合され、前記パルサースイッチの開閉は約1kHzを超えるパルス繰り返し周波数で発生し、前記パルサースイッチの閉鎖は前記トランスの二次側に1kVを超える電圧のパルスを生じさせるステップと、
前記パルスのバースト後に、前記バイアス補償回路内のバイアス補償スイッチを閉じるステップと、
約100マイクロ秒未満の期間休止するステップと、
第2のパルスのバーストの前に、前記バイアス補償スイッチを開くステップと、
前記第2のパルスのバースト中に前記パルサースイッチを開閉するステップと、
前記第2のバーストの後で、前記バイアス補正スイッチを閉じるステップと、を含む方法。
〔付記27〕
前記パルサースイッチが開いているときにエネルギー回収スイッチが閉じ、前記パルサースイッチが閉じているときにエネルギー回収スイッチが開くように、前記第1のパルスのバースト中に、前記エネルギー回収回路内のエネルギー回収スイッチを繰り返し開閉するステップを更に含み、前記エネルギー回収回路が前記トランスの2次側と前記直流電源に結合されている、付記26に記載の高電圧パルス発生方法
〔付記28〕
前記第2のパルスのバースト中に前記エネルギー回収スイッチを開閉する、付記27に記載の高電圧パルス発生方法。
〔付記29〕
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源と並列に接続された一次シンクであって、前記出力と結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器を含む、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記30〕
前記一次シンクは、約1キロワットを超える平均電力を散逸するように構成されている、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記31〕
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続された少なくとも1つのインダクタを備えている、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記32〕
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に接続されたスイッチを含む、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記33〕
前記出力は、概ね容量性であるプラズマ負荷と結合される、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記34〕
前記出力は、誘電体バリア放電を含むプラズマ負荷と結合される、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記35〕
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値は約400オーム未満の値を有する、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記36〕
前記高電圧・高周波スイッチング電源は、100kWを超えるピーク電力を供給する、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記37〕
前記一次シンク内の抵抗は抵抗Rを含み、出力は、
【数1】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中t はパルス立下り時間である、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記38〕
前記負荷は50nF未満の容量を有する容量性であり、前記負荷の容量は10μsを超える時間は電荷を保持しない、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記39〕
前記負荷は本質的に容量性であり、前記高電圧・高周波スイッチング回路は前記負荷容量を急速に充放電する、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記40〕
前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないとき、前記出力は、プラズマ内で-2kVを超える負のバイアス電圧を生成する、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記41〕
前記出力は、1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有する高電圧パルスを、約400ns未満のパルス立下り時間で生成することができる、付記29に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記42〕
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数を有するパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側に電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記出力に結合された負荷を放電する少なくとも1つの抵抗器と、前記少なくとも1つの抵抗器と直列に配置された少なくとも1つのインダクタとを備える、一次シンクと、を備えた高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記43〕
前記一次シンクは、前記少なくとも1つの抵抗器及び/又は前記少なくとも1つのインダクタと直列に接続されたスイッチを含む、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記44〕
前記出力は、1kVを超える電圧を有し、10kHzを超える周波数を有し、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができる、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記45〕
前記一次シンクは、約1キロワットを超える電力を散逸するように構成されている、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記46〕
前記高電圧スイッチング電源は、電源、少なくとも1つのスイッチ、及び昇圧トランスを備えている、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記47〕
前記一次シンクは10kWより大きいピーク電力を処理する、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記48〕
前記一次シンク内の抵抗器の抵抗値が約400オーム未満である付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記49〕
前記一次シンクはインダクタと抵抗器を含み、前記インダクタのインダクタンスLと前記抵抗器の抵抗値Rは、L/R≒tpを満たすように設定されており、式中tpはパルスのパルス幅である、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記50〕
前記一次シンクの抵抗器は抵抗Rを含み、前記出力は、
【数2】
となるような容量Cを有する負荷と結合され、式中t はパルス立下り時間である、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記51〕
前記出力は、イオンを表面に加速する為に使用される負のバイアス電圧をプラズマ内に生成する、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記52〕
前記出力は、前記高電圧スイッチング電源が高電圧パルスを供給していないときに、前記電極又は前記基板(又はウェハ及びプラズマ)からグランドに対して-2kVよりも大きい負の電位差を生成する、付記12に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記53〕
高電圧・高周波スイッチング回路であって、
1kVを超える電圧と10kHzを超える周波数のパルスを生成する高電圧スイッチング電源と、
一次側と二次側を有するトランスと、
前記トランスの2次側と電気的に結合された出力と、
前記トランスの一次側と電気的に結合され、前記高電圧スイッチング電源の出力と並列に配置された一次シンクであって、前記一次シンクは、直列に配置された少なくとも1つの抵抗器、少なくとも1つのインダクタ、及びスイッチを含む、一次シンクと、を備え、
前記出力は、1kVを超える電圧、10kHzを超える周波数、約400ns未満のパルス立下り時間を有する高電圧パルスを生成することができ、前記出力は、プラズマ型負荷に電気的に接続されている、高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記54〕
前記プラズマ型負荷は、大きさが20nF未満の容量性素子を有するものとしてモデル化され得る、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記55〕
前記プラズマ型負荷は、イオンを表面に加速するように設計されている、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記56〕
高電圧高周波スイッチング電源の作用により、イオンを表面に加速する為の電位が確立される、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記57〕
前記プラズマ型は概ね本質的に容量性である、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記58〕
前記プラズマ型負荷は誘電体バリア放電を含む、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記59〕
前記高電圧高周波スイッチング電源は100kWを超えるピーク電力を供給する、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
〔付記60〕
前記高電圧スイッチング電源は、電源と、少なくとも1つのスイッチと、昇圧トランスとを備えている、付記53に記載の高電圧・高周波スイッチング回路。
【外国語明細書】