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特開2023-145619動的環境データシステムを有する2次元バーコード、方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145619
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】動的環境データシステムを有する2次元バーコード、方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/02 20060101AFI20231003BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G06K19/02
G06K19/06 037
G06K19/06 075
G06K19/06 150
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122801
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2021081114の分割
【原出願日】2016-03-30
(31)【優先権主張番号】62/140,258
(32)【優先日】2015-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505289502
【氏名又は名称】テンプタイム コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】プルシク、タデウス
(72)【発明者】
【氏名】アブド、モハンナド
(72)【発明者】
【氏名】ホフベルガー、クライブ
(57)【要約】
【課題】動的環境データを含む2次元バーコードを提供する。
【解決手段】2Dバーコードを提供するための処理であって、永久的な色の状態のモジュールパターンで設けられた第1の層と、センサ色素モジュールパターンで設けられた第2の層とを設ける。センサ情報は、環境的、物理的又は生物学的性質のものであってもよく、検出された特性の特定の条件が発生すると、センサ色素モジュールの色状態が変化する。センサ情報は、バーコード読み取り中に誤り訂正機能を利用して回復される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた2次元誤り訂正バーコードシンボルであって、複数のモジュールをさらに備え、前記複数のモジュールは、選択的に正方形、長方形または円形であり、それぞれのモジュールは、第1の色の状態または第2の色の状態をとる、2次元誤り訂正バーコードシンボルと、
前記基板上に、永久的な色の状態で設けられた第1の層と、
選択的に前記第1の層を重ね印刷することにより、前記基板上に、センサ色素モジュールパターンで設けられた第2の層であって、前記センサ色素モジュールパターンはセンサディジタル情報を含み、前記第2の層は、環境的条件、物理的条件または生物的条件の発生に応答して、前記センサ色素の色の状態を変化させる化学的または物理的な状態変化を受けることにより、前記複数のモジュールのサブセットの色の状態を変化させるように構成された、化学作用を有するセンサ色素をさらに備える、第2の層と、を備える、
センサ付2次元バーコード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、2次元バーコード内に符号化された情報に関する。例えば、本開示は、2次元バーコード内に符号化された動的なセンサ情報とともに事前に印刷情報を組み合わせるための方法、システムおよび装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコードは、データの光学(optical)機械により可読な表現である。2次元(2D)バーコード(例えば、データマトリックス(登録商標)またはQRコード(登録商標))は、バーコードで2次元的に情報を表現する方法である。2Dバーコードは、一次元バーコードよりも単位面積当たりより多くのデータを表すことができる。バーコードは、在庫を文書化し、配送を追跡し、価格設定ファイルに製品を照合し、ユーザに情報を提供するなど、多くの用途を有する。一部のシステムでは、バーコードからのデータ復元はシステムにとって重要(system critical)であり得る。多くのバーコード技術は、強力な誤り訂正能力を提供し、典型的には、重複したバーコード、あるいは、より大きいサイズのバーコードの使用は、データ復元機能を増大させ得る。しかし、バーコードのために利用可能なスペースは、多くの面で制限され得る。また、現在のバーコード技術は、現在開示されているように向上され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、動的環境データを含む2Dバーコードを提供し、バーコードのモジュールが環境条件(conditions)に応じて応答の状態(state)を変更しうる新しく、革新的なシステム、方法および装置を提供する。本開示の例示的な態様において、センサ拡張2Dバーコードは、基板と、基板上に設けられた2次元誤り誤り訂正バーコードシンボルと、永久的な色の状態の基板上に設けられた第1の層と、基板上に設けられた第2層とを含む。本開示の例示的な態様において、センサ拡張2Dバーコードは、基板と、基板に設けられた2次元誤り訂正バーコードシンボルと、永久的な色の状態において、基板に設けられた第1の層と、基板に設けられた第2の層とを含む。さらに、バーコードシンボルは、正方形、長方形または円環状の複数のモジュールをさらに含み、モジュールそれぞれは、第1の色状態と第2の色状態とを有する。ディジタル情報を含むセンサの色素層のパターンの中において、第1の層を重ね印刷(overprint)することにより、選択的に第2の層が備えられる。第2の層は、センサ色素をさらに有し、このセンサ色素は、環境的、物理的または生物的な条件の発生に応じて、センサ色素の色の変化を生じさせる化学的または物理的な状態変化を受け、それによって、複数のモジュールのサブセットの色の状態を変化させる化学的性質を有する。
【0004】
本開示の別の例示的な態様によれば、製造物品は、薬品、生物製品または食品、好ましくはワクチンと、薬品、生物製品または食品、好ましくはワクチンの瓶を保持する容器とを含み、コンテナに備えられたセンサ拡張2Dバーコードシンボルは、好ましくは容器の外側の表面に適用される。
【0005】
本開示の別の例示的な態様では、センサ拡張2Dバーコードシンボルは、センサ拡張2Dバーコードシンボルの走査されたモジュールからの走査2値ビットマップの構築を含む。センサ拡張2Dバーコードシンボルの読み取り方法は、センサ拡張2Dバーコードシンボルの走査および光学画像処理を含む。この方法はさらに、走査2値ビットマップからシンボル符号語シーケンスを構築することを含む。次に、基礎となるデータ符号語は、シンボル符号語シーケンスについての誤り訂正処理、好ましくはリードソロモン符号を利用してシンボル符号語シーケンスから復元される。次に、基礎的な符号語は、基礎的なシンボル符号化シーケンスとの間で処理される。この方法は、基礎となるシンボル符号語シーケンスからの走査2値ビットマップ、好ましくは走査2値ビットマップと同じサイズの基礎となるシンボル符号語シーケンスから。基礎となる2値ビットマップを構築することをさらに含む。ビット位置それぞれにおける走査2値ビットマップと、基礎となる2値ビットマップとのの排他的論理和演算(exclusive-OR)は、センサディジタル情報ビットマップとの間で行われる。この方法は、センサディジタル情報ビットマップを処理して、符号化2値センサデータを組み込む2値情報シーケンスを復元することを選択的に含み、好ましくは、2値情報シーケンスを、誤り訂正符号シーケンスとして処理し、誤り訂正処理を利用することにより2値符号化センサデータを復元する。誤り訂正符号は、好ましくは、BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号、ゴレイ(Golay)符号、シンプレックス(Simplex)符号、リードミュラー(Reed-Muller)符号、ファイア(Fire)符号、畳込み符号、ハミング(Humming)符号およびリードソロモン(Reed-Solomon)符号のグループから選択される。
【0006】
本開示の別の例示的な態様では、2Dバーコードを生成する方法は、静的なデータのセットと動的データのセットとを含むペイロードデータを決めることと、符号化された冗長スペースを含む静的なデータの組み合わせのバージョンを含む2Dバーコードを生成することと、動的データのセットを記憶するように適応された動的領域として少なくとも冗長スペースの一部を割り当てることと、静的なインクを用いて2Dバーコードを印刷することと、動的データのセットの符号化バージョン(encoded version)を、少なくとも環境変化に応じて、動的データが複数の状態の1つをとるように、状態を変化させる動的インクを用いて動的領域に印刷することと、を含む。動的データのセットが複数のあり得る状態の1つにある場合に、動的データのセットは2Dバーコードの読み取り装置によって読み取り可能であり、静的データのセットは、2Dバーコードの読み取り装置によって読み取り可能である。
【0007】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用することができる本開示の別の例示的な態様において、2Dバーコードを提供する方法は、静的データのセットを決定することと、動的データのセットを決定することと、第1の2Dバーコードを生成することと、第2の2Dバーコードを生成することと、情報モジュールを、第1のグループと第2のグループとを比較して、情報モジュールを第1のグループおよび第2のグループに分類し、2Dバーコードを静的インクおよび動的インクで印刷することと、を含む。動的なデータのセットは、第1の状態と第2の状態とを有する。静的データのセットと第1の状態にある動的データのセットとは、第1の複数の情報モジュールと第2の複数の情報モジュールとを含む。第2の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第2の状態にある複数の動的データのセットとを含む。第3の複数の情報モジュールは、第1の複数の情報モジュールに加え1つ以上の情報モジュールのセットを含む。第2の複数の情報モジュールは、全ての第4の情報モジュールに加え1つ以上の情報モジュールのセットを含む。第1のグループは、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュール共通の情報モジュールの間で共通の情報モジュールと、第2のバーコードの第3の複数の情報モジュールとを含む。第2のグループは、2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールのユニークな情報モジュールを含む。第1のグループは静的なインクで印刷され、第2のグループは動的なインクで印刷される。動的なインクは、特定の環境要因(factor)の発生に応じて活性化するように適応される。
【0008】
前述の態様のいずれか1つ以上の方法と組み合わせて使用することができる本発明の別の例示的な態様によれば、2Dバーコードを提供する方法は、静的データのセットを決定することと、第1の2Dバーコードを生成することと、第2の2Dバーコードを生成することと、第1の2Dバーコードと第2の2Dバーコードとを比較し、情報モジュールを、第1のグループ、第2のグループおよび第3のグループに分類することと、2Dバーコードを、静的インクと、第1の動的インクと、第2の動的インクとで印刷することとを含む。動的データのセットは第1および第2の状態を有する。第1の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第1の状態の動的データのセットとを含む。静的データのセットと、第1の状態の動的データのセットとは、第1の複数の情報モジュールと、第2の複数の情報モジュールとを含む。第2の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第2の状態の動的データのセットとを含む。静的データのセットと、第2の状態の動的データとは、第3の複数の情報モジュールと、第4の複数の情報モジュールとを含む。第1のグループは、第2の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュールと、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールとの間で共通な情報モジュールを含む。第2のグループは、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールのユニークな情報モジュールと、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュールのユニークな情報モジュールとを含む。第1のグループは静的なインクで印刷され、第2のグループは第1の動的なインクで印刷され、第2のグループは第2の動的なインクで印刷される。第2の動的なインクは、特定な環境的要因の発生に応じて不活性になるよう適応され、第1の動的なインクは、特定な環境的要因の発生に応じて活性化するように適応される。
【0009】
前述の態様の1つ以上の方法と組み合わせて使用することができる本発明の別の例示的な態様によれば、2Dバーコードを提供する方法は、第1の状態と第2の状態を有する静的データのセットおよび動的データのセットペイロードデータのセットを決定することと、静的データのセットの符号化バージョンと、動的データを記憶するように適応された動的領域と、誤り検出および誤り訂正データとを含む2次元バーコートを生成することと、静的インクを用いて2Dバーコードを、少なくとも1つの環境的変化に応じて状態を変更させる動的インクを用いて、動的データのセットが第1の状態または第2の状態になるように、動的領域に動的データのセットを印刷することと、を含み、動的データのセットが第1の状態にあるときに、2Dバーコードが読み取り装置(reader)により読み取られ得て第1の出力を生成するように、および、動的データのセットが第2の状態にあるときに、2Dバーコードが読み取り装置により読み取られ得て第2の出力を生成するように、第1の状態にある動的データのセットが誤り検出および訂正データが動的領域における動的データのセットの変化に順応する。
【0010】
前述の態様の1つ以上の方法と組み合わせて使用することができる本発明の別の例示的な態様によれば、2Dバーコードを読み取る方法は、2Dバーコードに含まれる静的データのセットを走査することと、静的データのセットの第1の出力を生成することと、動的データのセットの第2の出力を生成することとを含む。2Dバーコードは、静的インクおよび動的インクで印刷され、静的データのセットの符号化バージョンは静的なインクで印刷される。動的データのセットの符号化バージョンは、動的データが複数の状態のいずれかとなるように、少なくとも1つの環境変化に応じて状態を変化させる動的インクで印刷される。動的データのセットは2Dバーコードの冗長なスペースに印刷される。第2の出力は、複数の状態のいずれに動的データがあるかを示す。
【0011】
前述の態様のいずれか1つ以上の方法と組み合わせて使用することができる本発明の別の例示的な態様によれば、2次元(バーコード)を読み取る方法は、2Dバーコードに含まれる静的データのセットを走査することと、2Dバーコードに含まれる動的データのセットを読み取ることと、静的データのセットと動的データのセットとに基づいて出力を生成することと、を含む。2Dバーコードは静的インクと動的インクとを含む。静的データの符号化バージョンは、静的インクで印刷される。動的データの符号化バージョンは、動的データが複数の状態のいずれかにあるように、少なくとも1つの環境変化に応じて状態を変化させる動的インクで印刷される。動的データのセットは動的領域に印刷される。動的データが複数の状態の第1の状態にあるときに、出力は第1の出力であり、動的データが複数の状態の第2の状態にあるときに、出力は第2の出力である。
【0012】
開示されたシステム、方法、および装置のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載および図面に記載されており、これらから明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードのバーコードデータのデータ構造例を示すブロック図である。
図1B】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの符号化データのデータ構造例を示すブロック図である。
図1C】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードのコンテンツデータのデータ構造例を示すブロック図である。
図1D】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの参照データのデータ構造例を示すブロック図である。
図1E】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの例のペイロードデータのデータ構造例を示すブロック図である。
図2A】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを示す図である。
図2B】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの参照データの一例を示す図である。
図2C】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの例を示す図である。
図2D】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの参照データの一実施形態を示す図である。
図3A】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの表現を示す図である。
図3B】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの表現を示す図である。
図3C】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの表現を示す図である。
図3D】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードの表現を示す図である。
図4】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を示すフローチャートを含む。
図5】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を用いて印刷された2Dバーコードを示すフローチャートである。
図6A】本開示の例示的な実施形態にかかる静的データのセットと動的データのセットのテキスト表現を示す図である。
図6B】本開示の例示的な実施形態にかかるバイナリ情報モジュールとして符号化されたテキストの動的データを例示する図である。
図6C】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を使用して印刷された2Dバーコードを示すフローチャート図である。
図6D】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を使用して印刷された2Dバーコードを示すフローチャート図である。
図7】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を示すフローチャートを含む図である。
図8】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を用いて印刷された2Dバーコードの一部を示すフローチャートである。
図9】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を示すフローチャートを含む図である。
図10A】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための例示的な処理を用いて印刷された情報モジュールのセットの例を示すブロック図である。
図10B】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための例示的な処理を用いて印刷された情報モジュールのセットの例を示すブロック図である。
図10C】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を用いて印刷された情報モジュールのセットの例を示すブロック図である。
図11】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを提供するための処理の例を示すフローチャートを含む図である。
図12】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを読み取るための処理の例を示すフローチャートを含む図である。
図13】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコードを読み取るための処理の例を示すフローチャートを含む図である。
図14】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコード提供システムのブロック図である。
図15A】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコード読み取りシステムのブロック図である。
図15B】本開示の例示的な実施形態にかかる2Dバーコード読み取りシステムのブロック図である。
図16】本開示の例示的な実施形態にかかるデータ「1234567890」をコードする14×14データマトリックス(登録商標)シンボルのブロック図である。
図17】本開示の例示的な実施形態にかかる14×14のデータマトリックス(登録商標)シンボルの符号語、ユタ配置(utah placement)およびビットマップマトリクスを示す図である。
図18】本開示の例示的な実施形態にかかる10×10データマトリックス(登録商標)のビットマップ内の一般的な符号語の配置の概略図である。
図19】本開示の例示的な実施形態にかかるデータマトリックス(登録商標)シンボルの全ての実用的なサイズの不変ユタ配置のブロック図である。
図20】本開示の例示的な実施形態にかかる16×16データマトリックス(登録商標)シンボル内の14×14ビットマップとユタ配置の表現を示す図である。
図21】本開示の例示的な実施形態によれば、15BCH(15,5,7)符号化ビットのGS1AI(90)文字シーケンスおよび配置に使用されるはユタ表現(Utahs)を示す図である。
図22】本開示の例示的な実施形態にかかるW→Xセンサ色素科学物質(chemistry)を使用し、GS1AI(90)文字シーケンスを符号化する16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
図23】本開示の例示的な実施形態にかかる図7のユタ1~7の詳細図である。
図24】本開示の例示的な実施形態にかかる活性化されていない重ね印刷センサ色素モジュールと図7の16×16データマトリックス(登録商標)のブロックとの図である。
図25】本開示の例示的な実施形態にかかるX→Bセンサ色素科学物質を使用し、GS1AI(90)文字シーケンスを符号化する16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
図26】本開示の例示的な実施形態にかかる図25におけるユタ1~7の詳細図である。
図27】本開示の例示的な実施形態にかかる活性化されていない重ね印刷センサ色素モジュールと、図25の16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
図28】本開示の例示的な実施形態にかかる4×4フレームの領域を示す表8のデータを符号化する16×16データマトリックス(登録商標)の詳細図である。
図29】本開示の例示的な実施形態にかかる表8のデータを使用して符号化の基礎となる16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
図30】本開示の例示的な実施形態にかかる重ね印刷4×4ホワイトフレームを有する図29の16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
図31】本開示の例示的な実施形態にかかる重ね印刷および活性化センサ色素パッチを示す図30の16×16データマトリックス(登録商標)のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
従来の方法は、刺激で読み取り不能になるか変化する一次元(線状または1D)バーコードを含んできた。注目すべきは、バーコード(Varcode)株式会社によって提供されるフレッシュ符号(FreshCode)スマートバーコードラベルである。http://www.varcode.com/portforio_item/freshcod/を参照のこと。
【0015】
ネメット(Nemet)らの米国特許公開公報20140252096A1を含む複数のIDバーコード特許出願がなされてきた。IDバーコードのデータ値に環境測定を組み合わせることは一般的に記載されてきたが、IDバーコードに適用できる技術は、環境監視を有する2次元(2D)バーコードに適用できないようにみえる。
【0016】
IDバーコードによって占められる領域が、例えば、瓶などの用途の単位のスペースであったことは重大である。例えば、データマトリックス(登録商標)といった高密度符号化技術を有する2Dバーコードは、同じデータを表すIDバーコードよりも、実際に、スペースにおいて約1/30またはそれよりも小さい符号化された領域しか有さない。
【0017】
2Dバーコードを含む従来のアプリケーションは、環境監視に対処してこず、温度、時間、時間温度積、凍結、核放射線および有毒化学物質といった環境要因に敏感でなく静的に高密度記憶される情報に対処する。
【0018】
いくつかの解法は、一次的/二次的または秘密/自明の2つのデータのセットを有することを扱い、それによって、第2の情報のセットはバーコードの冗長なスペースに記憶され、従来の読み取り機で、または、独立して第2の読み取り機またはその他の復号方法で読み出される。二次的/秘密のデータを含むこれらの解法は、セキュリティや信頼性といった問題を扱うが、データが動的なときの環境モニタリングには対応しない。ポーターら(Porter et al.)による係属中の米国特許出願公開第20030015236A1号公報、高価値文書認証システムおよびその方法と、その引用文献中には、含まれる方法および参考文献には、一次および二次情報セットと、文書認証への応用が記載されている。
【0019】
他の解決策は、一次的/二次的/三次的など、データの複数のセットを扱い、それによって異なるデータセット(二次的、三次的など)を徐々に前にセット上に記憶する。複数の情報セットは、例えば、以前の異なる色のモジュール上に印刷し、そして、様々な色のモジュールを解釈するように構成された読み取り装置を利用してデータを復号することにより付加的に加えられる。例えばシムスケら(Simske et al.)、米国特許出願公開第20140339312A1号公報を参照のこと。これらの解法は、静的データと、追跡、トレース、検査および品質保証に付随するアドレス事項とを、一度に一層ずつ漸進的に導入し、動的な環境データを導入しない。
【0020】
本明細書に記載のいくつかの例示的な実施形態は、符号化されたセンサ情報とともに、予め印刷されたデータを結合するユニーク(unique)な方法を提供する。予め印刷されたデータおよび符号化されたセンサ情報は、第1の段階で組み合わされても、実際の計画センサの用途に応じて、予め印刷されたデータに符号化されたセンサ情報を、第2の段階で、予め印刷されたデータに動的に追加されてもよい。
【0021】
感知される特性が環境的、物理的または生物的特性であっても、センサ色素科学物質が用いられ得る。関知された特性の特定された特性(property)は、センサ色素の色の状態に変化を生じさせる化学的または物理的な状態変化を活性化する。色の状態の変化は、センサ付(sensor-augmented)2Dバーコードの中のセンサ色素モジュールのパターンで明らかにされる。使われる種類の2Dバーコードシンボルのための標準的な読み出しおよび誤り訂正アルゴリズムの拡張を使用して読み取られたとき、センサディジタル情報が復元される。
【0022】
環境センサの例は、熱への露出(expose)の累積値または設定された高温または低温の組み合わせの閾値を超えたことを計測する温度モニタ、時間、時間温度積、核放射露出モニタ、それぞれ累積的な露出の閾値または瞬間的な閾値を超えたかのガス(gas)または湿度露出モニタを含む。医療センサの例は、患者体温記録計と、アフラトキシンまたはボツリヌス毒素などの生物毒素のレベルを測定する閾値分析(assay)とを含み、プリオンまたは感染性細菌などの生物学的作用物質の存在を検知する比色免疫測定装置を含む。
【0023】
2次元(2D)バーコードのデータ構造例100のブロック図、2Dバーコードの符号化されたデータ構造例、2Dバーコードのコンテンツデータのデータ構造例、および、2Dバーコードの参照データ例の構造は、それぞれ図1A図1B図1Cおよび図1Dに示される。2Dバーコードは、符号化データ104、コンテンツデータ108およびフォーマットおよびバージョンデータ110を含み得る。符号化データ104は符号化データ104および参照データ106を含む。コンテンツデータ108は、ペイロードデータ112、パディングデータ114、誤り検出および訂正データ116および残りスペース118を含み得る。フォーマットおよびバージョンデータ110は、コンテンツデータ108を復号するために必要な情報を提供する。例えば、フォーマットおよびバージョンデータ110は、マスク情報を含み得る。参照データ106は、位置合わせデータ124と、ファインダデータ124と、タイミングデータ128と、位置決めデータ130と、定位データ132とを含み得る。ペイロードデータは、静的データ134と動的データ136とを含み得る。例えば、図2A図2B図2Cおよび図2Dに説明され、さらに、詳細に以下に議論されるように、位置決めデータ130は、位置ブロック138または位置決めモジュールを含み得て、ファインダデータ126は、ファインダパターン142またはファインダモジュールを含み得る。参照データ106は、また、セパレータ、識別モジュールおよび方向モジュールを含み得る。
【0024】
2Dバーコードの例は、図2Aおよび図2Cに示され、これらの参照データ106とフォーマットおよびバージョンデータ110は、図2Bおよび図2Dに示される。図2Aは、2Dバーコード156(例えば、データマトリックス(登録商標))のための全ての符号化データ104と参照データ106とを含む。図2Bは、2Dバーコード156のための参照データ106のみを示す。例えば、ファインダパターン142とタイミングパターン148とを含む参照データ106は、2Dバーコード158のコンテンツデータ108を含む。図2Cは、2Dバーコード158(例えば、QRコード(登録商標))のための符号化データ104と参照データ106とを含む。図2Dは、2Dバーコード158のための参照データ106のみを示す。例えば、参照データ106は、位置ブロック138とタイミングパターン148とを含み得る。
【0025】
2Dバーコード156の表現が図3Aおよび図3Bに示される。2Dバーコード156の表現は、図3Cおよび図3Dに示される。2Dバーコードそれぞれの表現は、参照データ領域160および符号化データ領域162を示す。符号化データ領域162は、静的データ134、動的データ136および誤り検出および訂正データ116を含み得る。また、2Dバーコード156は、符号化データ104または参照データ106のために使用されない複数の未使用ビットを含む。2Dバーコード158は、複数の未使用ビットを含んでよい残りスペース118を含み得る。
【0026】
本明細書に記載されるいくつかの例は、データマトリックス(登録商標)を採用するが、適用可能な2Dバーコード規格に準拠するアプローチを変更することによって、他の2Dバーコード方式と同様のアプローチを採用することができることは理解されよう。データマトリックス(登録商標)は、ISO/IEC16022情報技術(自動識別およびデータキャプチャ技術-データマトリックス(登録商標)バーコードシンボル仕様)に準拠して制定された2次元の誤り訂正バーコードシンボルである。ECC200データマトリックス(登録商標)シンボルは、リードソロモン誤り訂正を利用して、限られた量の偶然の損傷または故意を被ったシンボルから符号化データを回復する。本明細書で言及される全てのデータマトリックス(登録商標)は、ECC200シンボルタイプのものであり、正方形または長方形であり得、それぞれ、行および列の数によって識別される。
【0027】
データは、8ビット符号語またはシンボルキャラクタ値のシーケンスとしてデータマトリックス(登録商標)内にエンコードされる。符号語には、データまたはリードソロモン誤り訂正(RSEC)チェックキャラクタ値を含み得る。本明細書に記載される一般的なアプローチは、他の符号語サイズ、他のデータレイアウト、および他の形態の誤り訂正コードを使用することができ、この共通データマトリックス(登録商標)は一例としてのみ記載されることが理解されよう。
【0028】
モジュールそれぞれは、1ビットのデータを符号化するために使用されるデータマトリックス(登録商標)シンボルを含むマトリックス内の光学(視覚的:visual)セルである。モジュールそれぞれは、名目上(nominally)、黒色または名目上白色に着色される。モジュールマトリクスは、ファインダパターンで囲まれたシンボルの領域に含まれるバイナリビットマップマトリクスの光学的表現である。ファインダパターンは、シンボルモジュールマトリクスの2つのエッジに沿って接続された濃淡がない線(solid line;ソリッドライン)によって形成された「L」であり得、シンボルの反対側のエッジに沿って白黒モジュールの交互パターンを有する。図16を参照のこと。他のバーコードシンボルでは、他のファインダパターンを使用することができることが理解されよう。
【0029】
図16は、データ「1234567890」を符号化する14×14正方形のデータマトリックス(登録商標)320を示す。このデータマトリックス(登録商標)は2つの部分、つまり、シンボルの2つのエッジに沿って接続されたソリッドライン312aおよび312bによって形成された「L」を形成するファインダパターンと、シンボルの反対側のエッジに沿った白黒モジュール322aおよび322bの交互パターンを有する。シンボル符号語は、ファインダパターン内部の12×12モジュールマトリクス330で符号化される。
【0030】
14×14データマトリックス(登録商標)320の12×12モジュールマトリクス330の詳細な構造は、図17のビットマップマトリクス200として示される。14×14データマトリックス(登録商標)は、それぞれ「ユタ(utah)」と記載される8ビットの符号語に対応する18個の符号語を含む。12×12ビットマップマトリックスは、14×14データマトリックス(登録商標)内の18個の符号語の全てのレイアウトを示す。
【0031】
「ユタ」は、1つの符号語をエンコードする8つのモジュールの配列である。これは、頻繁に米国のユタ州(State of Utah)の形を有する単一の接続グループとして、または2つのパターンにまたがって分割された接続モジュールの2つのサブグループとして形成され得る。符号語9を符号化する連続するユタ270は、隣接するユタ内のビットの典型的な配置を示す。逆に、符号語4のユタは、2つの同じようなグループ、符号語4ビット4.1および4.2を符号化するビットマップマトリクスの底部の4.3~4.8を符号化するビットマップマトリクス200の上部にあるサブグループ272aと、ビット4.1,4.2を符号化するビットマップマトリクス200の上部にあるサブグループ272bとを含む。
【0032】
10×10データマトリックス(登録商標)の中の一般的な符号語ユタ配置は図18に示される。トレースライン310は、ビットマップマトリクスの中の符号語ユタの全体的配置方法を示す。図17図18との比較に当たり、
ユタ2の全てのビット(All bits of utah 2)、
ユタ3の3.6~3.8ビット(Utah 3 bits 3.6 - 3.8)、
ユタ4の4.3~4.8ビット(Utah 4 bits 4.3 - 4.8)、
ユタ5,6の全てのビット(All bits of utahs 5 and 6)
を留意されたい。
【0033】
これらのビット位置は、データマトリックス(登録商標)シンボルの左上隅(ULC)に対する相対位置にある。ISO/IEC16022標準附属書F.3に従い、全ての正方形のデータマトリックス(登録商標)シンボルは、サイズ26×26までであり、全ての長方形のデータマトリックス(登録商標)シンボルは、各データマトリックス(登録商標)シンボルのULCに対する配置において不変である。これらのビット位置は、データマトリックス(登録商標)シンボルのための「不変のビットマップ」を定義する。他のバーコード規格は、異なる不変のビットマップを有し得ることは理解されよう。図19において、不変ビットマップ410は、データマトリックス(登録商標)シンボル405のULCに示される。用語を定義するために、センサモジュールを用いて増強する前に印刷されたデータマトリックス(登録商標)シンボルは、「基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボル」と呼ばれ、その符号語シーケンスを、その基礎となるデータ符号語およびそのRSEC誤り訂正符号語を符号化する「下位のシンボル符号語シーケンス」として含む。使用される特定の誤り訂正のタイプに応じて、他のシンボル体系が、それ自身の基礎となるシンボル、基礎となる符号語シーケンス(codeword sequences)、基礎となるデータ符号語および誤り訂正符号語を有することが理解されよう。
【0034】
図4は、2Dバーコードを提供する例示的な処理400のフローチャートを含む。処理400は、図4に示されるフローチャートを参照して説明されるが、処理400に関連する動作を実行する他の多くの方法が使用され得ることが理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更されてもよく、多くのブロックが断続的に繰り返されてもよく、連続的に実行されてもよく、あるブロックは他のブロックと組み合わされてもよく、記載されるブロックの多くは任意であり、または、単に偶然に実行され得る。
【0035】
例示的な処理400は、静的データ134のセットおよび動的データ136のセットを含むペイロードデータ112のセットを決定することから始められる(ブロック402)。例えば、静的データ134のセットは、製品のシリアル番号、ロット番号、バッチ番号、および閾値露出温度(threshold exposure temperature)(例えば、30°C)を含み得る。さらに、動的データ136のセットは、読み取り装置により解読されたときに、製品が閾値露出温度を超えたかどうかをユーザに知らせる情報を含み得る。次に、静的データのセットの符号化バージョンを含む2Dバーコードが生成され、2Dバーコードは冗長スペースを含む(ブロック404)。例示的な実施形態では、冗長スペースは、複数の未使用ビット、パディング領域、および/またはエラー検出および訂正領域(例えば、残りスペース118)を含み得る。さらに、冗長スペースは、フォーマット情報領域、バージョン情報領域、および/または参照データ領域を含み得る。さらに、冗長スペースは、残りのスペースの全ておよび/または複数の未使用ビットの全てを含み得る。さらに、冗長スペースは、パディングデータの一部を含むことができ、またはパディングデータの全てを含み得る。冗長なスペースは、コンテンツデータの一部、基準データの一部、またはコンテンツデータおよび基準データに含まれる様々な部分および/または全てのデータの組み合わせも含み得る。次に、冗長スペースの少なくとも一部は、動的データ136のセットを格納するように適合された動的領域として指定される(ブロック406)。次に、2Dバーコードが静的インクを用いて印刷され、少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる動的インクを使用して動的領域上の動的データのセットの符号化バージョンが、動的データ136が複数の状態のいずれかをとるように印刷される(ブロック408)。例示的な実施形態では、動的データ136のセットは2Dバーコードの読み取り装置により読み取り可能であり、静的データ134のセットは、動的データ136のセットが複数の状態それぞれにあるときに2Dバーコードの読み取り装置により読み取り得る。例示的な実施形態では、動的インクは、温度、時間、時間および温度、凍結、放射線、毒性科学物質またはこれらの要因の組み合わせに敏感であり得る。一つの例示的な実施形態では、インクは、非可逆熱変色性インク(thermochromic ink)であり得る。例えば、動的インクは、40°Cで白から黒に恒久的に変化するように設定された水性の非可逆熱変色性インクであり得る。さらに、サーモクロミックインクは可逆的であり得る。例えば、可逆性熱変色性インクは、液晶インクまたはロイコ(leuco)色素インク(例えば、QCR Solutions Reversible Thermochromic InksおよびH. W. Sands Corporation Inkを含む)であってもよい。例示的な実施形態では、インクは、可逆的または不可逆的のいずれでもありうる光発光性インク(photochromic ink)であってもよい。例えば、動的インクは、UV光へ露出に基づいて状態を変えることができる。さらに、インクは、時間および温度に敏感なインク(OnVuインジケータを含む)であってもよい。動的インクは、より暗い色からより明るい色へ、より明るい色からより暗い色へ変化し、透明度または不透明度のレベルを変化させ、および/または反射率または吸収率のレベルを変化させるか、バーコードを読取装置によって1つ以上の状態で読取ることができる。例えば、動的インクは、より明るい色から暗い青色に変化する可能性があり、黒色として読み取り可能である場合がある。さらに、2つまたは複数の動的インクの状態には、任意の適切な色の組み合わせを使用することができる。
【0036】
例示的な実施形態では、動的インクは、環境要因に応じて永久に変化するか、または不可逆的に変化し得る。例えば、特定の化学物質は、ある温度にさらされたときに熱劣化を経験することがある。供給者は、輸送中および保管中に化学物質が30°Cを超える温度に達したかどうかを知りたがる。動的インクが不可逆的に変化する場合、動的データ136のセットは、化学物質が30°C以上の温度に曝され、解読されて、容器の内容物が熱劣化を経験した可能性があることを供給者に知らせる。冗長スペース内に動的データ136のセットを有する2Dバーコードを提供することは、動的インクが活性化される前と、動的インクが第1の状態にある動的データ136のセットから、第2の状態にある動的データ136のセットを表すように活性化された後の両方で、個人が2Dバーコードを読み出すために読み出し装置を使えるようにする。例えば、オリジナルの2Dバーコードは依然として読み取り可能であり、動的データ136のセットが第2の状態になった後であっても、読み取り装置が、シリアル番号、ロット番号およびバッチ番号などの静的データ134のセットを取得できるようにする。動的データ136のセットが第1の状態から第2の状態に変化する際に、静的データ134を失うことなく、静的データ134のセットと動的データ136のセットとの両方が、同じ2Dバーコードに印刷され得る。
【0037】
感知された環境または医療特性の状態の変化を検出するために、センサ色素化学が利用される。データマトリックス(登録商標)モジュールは、名目上、黒または白なので、表1に示されるように、6種類のセンサ色素化学が利用され得る。ここで「B」は黒色(black)の状態を示し、「W」は白色(white)の状態を指す。「X」は、色素が透明な(transparent)の状態にあることを意味する。
【0038】
表1:選択されたセンサ色素化学物質のタイプと色特性
【表1】
【0039】
黒と白の色素の色状態は不透明であり、従って黒または白の状態にあるときに下にある色を有すると仮定される。しかし、色素が透明な色の状態(X)にあるとき、そのとき、下の色が光学的に検出可能(visible)になる。
【0040】
センサ色素モジュールパターンは、データマトリックス(登録商標)シンボルの黒または白のモジュール上に重ねて印刷することができ、または、データマトリックス(登録商標)モジュールの代わりに印刷することができるので、データマトリックス(登録商標)シンボルのセンサ色素モジュールの色状態は、センサ色素の化学活性化の差異に変化する。異なるセンサ染料科学物質システムは、センサデータを符号化することに関して異なる特性を有する。
【0041】
着色状態から透明状態に移行するセンサ色素システムは、典型的には、データマトリックス(登録商標)に印刷された下にあるビットパターンとともに使用され、そのパターン内のビットの全ては、これらのモジュールが活性化されるまで、均一な黒または白を生成するセンサ色素で覆われる。一旦、活性化されると、センサ色素が透明になり、データマトリックス(登録商標)バーコードの下にあるビットパターンが光学的に検出可能になる。代わりに、透明な色状態から黒色または白色の色状態に移行する色素システムは、データマトリックス(登録商標)シンボルに印刷された均一な黒色または白色パターンのモジュールを選択的に覆い、活性化すると、センサ色素モジュールパターンでコード化されたデータが光学的に検出できるようになる。この後者のシステムは、センサ色素でコード化されたデータが、データマトリックス(登録商標)シンボルの前印刷とは異なる時間および場所にある可能性があり得るセンサマトリックスモジュールの印刷時に決定され得るという利点を有する。
【0042】
この例では、使用されるセンサ色素化学物質は、モジュールベースでプレプリントされたデータマトリックス(登録商標)モジュール上に正確にプリントされ、または、データマトリックス(登録商標)モジュールの代わりにプリントされ得る。例えば、これは、マルチステーション印刷機(multi-station printing press)で行われ得る。これを行うもう他の方法は、一方のチャネルがデータマトリックス(登録商標)を印刷するための黒インクを含み、他方のチャネルが、データマトリックス(登録商標)モジュールの最上部またはデータマトリックス(登録商標)の代わりに印刷されるべきセンサ色素を含む2チャネル圧電インクジェットプリンタを介したオンデマンド印刷(on demand)である。データマトリックス(登録商標)モジュール。センサモジュールの追加によって補強された(augmented by the addition of sensor modules)最後のデータマトリックス(登録商標)モジュールは、「センサ付2Dバーコードシンボル("sensor-augmented two-dimensional barcode symbol")」の一例である。
【0043】
2チャンネルインクジェットプリンタが使用されるとき、特にセンサモジュールが通常印刷されたデータマトリックス(登録商標)シンボルモジュールの代わりに印刷されるときには、印刷時に使用されるセンサ色素化学物質は既知である必要がある。
【0044】
下にあるデータマトリックス(登録商標)を印刷する時にセンサ色素化学物質が既知のオーバープリントされたセンサモジュールの場合、使用中の色素系を特定するインジケータビット自体をエンコードできる。基礎となるデータマトリックス(登録商標)のインジケータビット(indicator bits)は、センサ色素モジュールで印刷される。これらのインジケータビットの使用により、データマトリックス(登録商標)読み取り装置は、どの色素システムが使用されるか、そのアクティベーション状態を知ることができ、従って、走査されたデータマトリックス(登録商標)シンボルの解釈方法を知り得る。
【0045】
表2において、各インジケータビットに対して0=白、および、1=黒であることに留意のこと。一方の状態が透明で他方が黒色または白色な4つの最も一般的な染料化学物質のみがインジケータビットにより符号化される。
【0046】
表2:最も一般的なセンサ色素化学物質のインジケータビット
【表2】
【0047】
印刷されたインジケータビットの値は、それがセンサ起動の前であるか後であるかにかかわらず、走査された画像から復元され得、基礎となるデータマトリックス(登録商標)から読み取られたインジケータビットと比較され得る。次に、色素系と活性化状態の両方が表3に従って決定される。
【0048】
表3:走査された画像からの活性化状態およびインジケータビットの復元
【表3】
【0049】
センサ色素モジュール色彩値(colors values)自体は、センサ色素の活性化の際のモジュールの色の状態により、単に光学的に検出可能とし、または、変化するセンサデータを符号化するために用いられ得る。
【0050】
このセンサデータ自体を誤り訂正符号で符号化することは、センサモジュールが紛失または損傷している可能性があるときに、センサ付(sensor-augmented)2Dバーコード全体が、センサ色素モジュールそれぞれを作動させる条件のために均一に露出されていない可能性がある点で、センサ色変化活性化閾値(sensor color change activation threshold)が、センサ色素モジュールそれぞれに対して正確でないときに有用である。
【0051】
ここでは、センサモジュールの色を0または1に2値化することができると仮定される。例えば、センサモジュール色データ(sensor module color data)の5ビットは、2つの有用なデータ、センサ製品タイプおよび活性化条件を符号化し得る。関連するパラメータは、5ビットのデータ値によってインデックスされた内部テーブルを使用して符号化され得る。
【0052】
センサディジタル情報を符号化するために、多くのタイプの誤り訂正符号が使用され得る。典型的には、バイナリ符号化センサデータのセンサ色素ビットパターンが符号化される。有用な誤り訂正符号は、ハミング符号、BCH符号、ゴレイ符号、シンプレックス符号、リードミュラー符号、ファイア符号、たたみ込み符号およびリードソロモン符号が含まれる。
【0053】
一例として、BCH(n,k,t)2値誤り訂正符号は、バイナリデータシーケンスを符号化するために周知である。ここでは、k個のビットのストリングは、T個の誤り訂正ビットを有するnビット長のコード内にある。最大(t div 2)ビットが誤り訂正される可能性がある。例えば、QRコード(登録商標)およびウルトラコード(Ultracode)の2Dバーコードシンボルは、n=15ビットでk=5ビットを符号化し、最大7div2=3ビットのエラーを修正できるBCH(15,5,7)コードを使用する。これらの符号の復号および誤り訂正のための標準的な復号および誤り訂正技術がある。ISO/IEC18004の附属書Cの表C.1情報技術-自動識別およびデータキャプチャ技術-QRコード(登録商標)2005バーコードシンボル仕様は、データ値0,1,・・・,31の完全な15ビットコードシーケンスを提供する。ISO/IEC18004のテーブルC.1は、表4に要約される。データ値0および31、W→ZおよびW→Bセンサ色素のためのデータ値0(全てBCHビット=0)と、B→XおよびB→Wセンサ色素化学物質のためのデータ値31(全てBCHビット=1)とは、不活性な色素モジュールの状態を示すので、符号化されないように取っておかれる。
【0054】
【表4】
【0055】
データマトリックス(登録商標)シンボルにおいてBCH(15,5,7)が符号化したときのセンサビットデータの再生(センサビットが起動されたか否かにかかわらず)は、最初に、センサ拡張2Dバーコードシンボルの走査および復号からセンサディジタルデータを再生することによりなされ得る。特定のセンサ色素モジュールパターンから15ビット符号化バイナリ番号を抽出する。BCH符号化データを復号し、誤り訂正するための多くの標準的な方法があることに留意されたい。古典的なピーターソン・ゴレンシュタイン・ツイーラー(Peterson-Gorenstein Zierler)復号器は、R. E. Blahut, "Theory and Practice of Error Control Codes (corr. edition)", 1983 (ISBN-10:0-201-10102-5), p.166で議論されている。有用的で実用的なBCH(15,5,7)復号は、S.A Vanstone and P.C. van Oorschot, "An Introduction to Error Correcting Codes with Applications", 1989 (ISBN-10: 0-7923-9017-2), p.219により与えられた。任意の復号およびBCH(15,5,7)符号化データの誤り訂正を用いることにより、5ビットのセンサデータを抽出する。
【0056】
他のタイプのセンサディジタル情報は、センサ色素モジュールパターンでコード化され得る。これには、ISO、ANSIまたはISOの警告サインやシンボルなどの光学的なパターンや画像、その他のデザインされたグラフィックが含まれる。符号化されるビット数と処理内で故意に壊されたユタの数(基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボル上のビジュアルパターンの物理的な範囲によって影響を受ける)ならびに基礎となるデータマトリックス(登録商標)のサイズと利用可能な数のRSEC符号語の全ては、光学的パターンおよび画像符号化能力に影響を及ぼす。
【0057】
センサ色素モジュールパターンはまた、基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボルが予め印刷された後にコード化され得る。これにより、基礎となるデータマトリックス(登録商標)を印刷し、後にセンサ色素モジュールパターンを印刷するために、異なる技術を使用することができる。これはまた、基礎となるデータマトリックス(登録商標)自体が印刷された時点で知られているセンサ色素化学物質なしに、以前に印刷されたデータマトリックス(登録商標)上に異なる種類のセンサ色素化学を使用できるようにする。
【0058】
例示的な実施形態では、非特権的(non-privileged)な読み取り装置は、静的データ134を読み取れ、2Dバーコードの動的データ136を読み取れないときがある。別の例示的な実施形態では、特権的(privileged)な読み取り装置のみが2Dバーコードの静的データ134および動的データ136を読み取れる。場合によっては、非特権的な読み取り装置が読み取れないバーコード上に動的データ136を有することは、メーカまたは供給者に、有利に、公衆または顧客に提供したくない情報を2Dバーコードに含むませることを可能にする。さらに、静的データ134および動的データ136の両方を読み取ることができる特権的な読み取り装置を有することは、特権的な読み取り装置を使用する個人は、複数の読み取り装置の使用の必要なく、静的データ134および動的データ136の両方を得られる。
【0059】
図5は、処理400を使用して印刷された2Dバーコードの一例を示すフローチャート500である。図5に示されるように、2Dバーコードは、処理502によって、この例では、動的データ136のセットは、2Dバーコードの右下隅の複数の未使用ビット120に印刷される。動的インク198は、複数の未使用ビット120の左上および右下の情報モジュール上で使用される。動的領域が動的インク198で印刷された後、バーコードは第1の状態504にある(つまり、動的インク198はまだ活性化していない)。動的領域192で使用される動的インク198は、特定の環境変化506に曝されると純粋な黒色に活性化する。一旦、2Dバーコードが環境変化506に露出されると、動的領域192内の動的データ136のセットが変化し、2Dバーコードは第2の状態508に変化し、環境変化506の情報を読み取り装置に伝える。
【0060】
図6Aは、2Dバーコードに符号化され得る静的データ134のセットおよび動的データ136のセットのテキスト表現であり、図6Bは、バイナリ情報モジュールとして符号化されたテキスト動的データの例である。図6Cおよび図6Dは、第1の状態から第2の状態に変化する2Dバーコードの動的データを示すフローチャート図である。例えば、一連の静的データ134は、シリアル番号(SN)、バッチ番号(BN)、ロット番号(LN)などの製品情報を含む。この例では、シリアル番号は49876003、バッチ番号は654およびロット番号は35A1である。静的データ134のセットは変更されない。さらに、動的データ136のセットは、図6Aの第1の状態210(上)および第2の状態212(下)に示される。例えば、動的データ136のセットは、30°Cを超える閾値露出温度に達すると、第1の状態210から第2の状態212に変化する動的インク198で印刷され得る。第1の状態210における動的データ136のセットのテキスト表現は、静的データ134のセットにおいて指定された閾値露出温度を「<」(つまり、より小さい)とする。また、動的データ136のテキスト表現は、第2の状態212は、静的データ134のセット(この場合は30°C)で指定された閾値露出温度よりも「>」(つまり、より大きい)。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、図6Bに示されるように、静的データ134のセットと動的データ136のセットのバイナリ8ビット表現を使用して符号化され得る。例えば、「<」のバイナリ表現は「00111100」であり、「>」のバイナリ表現は「00111110」であり得る。この例では、バイナリ・ゼロ(0)ビットは白色に着色され、バイナリ・ビット(1)は黒色に着色される。様々な他の色の組み合わせを使用して2Dバーコードを印刷することができ、様々な他の符号化方法を使用することができることを理解されたい。白黒およびバイナリ(8ビット)符号化の色は、説明のために示される。図6Cは、30°Cを超える温度上昇などの環境変化に応答して第1の状態210の動的データ136のセットが第2の状態212に移行する2Dバーコードを表す。例えば、図6Cに示される2Dバーコードに使用される動的インク198は、閾値露出温度より高い温度に応答して白から黒に活性化する。図6Dに示される別の例示的な実施形態では、凍結または0°C未満の閾値露出温度への露出などの環境変化506に応じて、動的インク198が黒から白に活性化し得る。
【0061】
図7は、図8に示される2Dバーコードを提供する例示的な処理420のフローチャートを含み、以下にさらに詳細に説明される。処理420は、図7に示されるフローチャートを参照して説明されるが、処理420に関連する動作を実行する他の多くの方法を使用することができることが理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更されてもよく、多くのブロックが断続的に繰り返されてもよく、連続的に実行されてもよく、あるブロックは他のブロックと組み合わされてもよく、説明されるブロックの多くは任意または偶然に(contingently)のみ実行される。
【0062】
例示的な処理420は、1組の静的データ134を決定することから開始し得る(ブロック422)。例えば、静的データ134のセットは、シリアル番号、バッチ番号、および/またはロット番号などであり得る。次に、1セットの動的データ136が決定される(ブロック424)。例示的な実施形態では、動的データ136のセットは、第1の状態210および第2の状態212を有し得る。例えば、第1の状態の動的データ136はUV光に曝されず、第2の状態の動的データ136は、UV光に曝される。さらに、第1の状態の動的データ136は30°C未満の温度であり、第2の状態の動的データ136は30°Cより高い温度であり得る。第1の2Dバーコードが生成される(ブロック426)。例えば、コンピュータは、第1の状態210における静的データ134のセットおよび動的データ136のセットの入力に基づいて、第1の2Dバーコードを生成し得る。例示的な実施形態では、第1の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第1の状態210の動的データ196のセットの符号化バージョンとを含み得る。第1の状態210における静的データのセットおよび動的データのセットのセットは、第1の状態210における第1の複数の情報モジュール218と、第2の複数の情報モジュール220とを含み得る。例えば、第1の複数の情報モジュール218は黒色のモジュールであり、第2の複数の情報モジュール220は白色情報モジュールであり得る。次に、第2の2Dバーコードが生成される(ブロック428)。例えば、コンピュータは、第2の状態212における静的データ134のセットおよび動的データ136のセットの入力に基づいて第2の2Dバーコードを生成し得る。例示的な実施形態では、第2の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第2の状態212における動的データのセットの符号化バージョンとを含み得る。さらに、第2の状態212における静的データ134のセットおよび動的データ136のセットは、第3の複数の情報モジュール224および第4の複数の情報モジュール226を含み得る。例えば、第3の複数の情報モジュール224は黒色のモジュールであり得、第4の複数の情報モジュール226は、白色情報モジュールであり得る。第1の複数の情報モジュール218および第3の複数の情報モジュール224は白色であり、第2の複数の情報モジュール220および第4の複数の情報モジュール226は黒色であり得ることを理解されたい。さらに、第1の複数の情報モジュール218および第3の複数の情報モジュール224および/または第2の複数の情報モジュール220および第4の複数の情報モジュール226は、様々な色、透明度および/または反射率または2Dバーコードが読み取り可能であることを可能にする任意の他の適切な特性を有し得る。例示的な実施形態では、第3の複数の情報モジュール224は、第1の複数の情報モジュール218の全てと、1つ以上の情報モジュール228のセットとを含み得る。さらに、第2の複数の情報モジュール220は、情報モジュール226と1つ以上の情報モジュール228とのセットを含む。次いで、第1の2Dバーコードと第2の2Dバーコードとを比較する(ブロック430)。例えば、第1の2Dバーコードおよび第2の2Dバーコードは、バイナリ値ゼロ(0)について白く、バイナリ値1について黒く着色される情報モジュールそれぞれに対応しうるゼロ(0)または1の値を含み得る。次に、情報モジュール214を第1のグループ230および第2のグループ232に分類する(ブロック432)。例示的な実施形態では、第1のグループ230は、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュール218と第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュール224との間に共通の情報モジュールを含み得る。さらに、第2のグループ232は、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュール224のユニークな情報モジュールを含み得る。例えば、コンピュータは、第1の2Dバーコードおよび第2の2Dバーコードに共通する全ての黒色の情報モジュールを第1のグループ230に分類し得る。さらに、コンピュータは、第2の2Dバーコードにユニークな全て黒色の情報モジュール(つまり、第1の2Dバーコードの白であり、第2の2Dバーコードの黒である情報モジュール)を第2のグループ232に分類し得る。次に、静的インク194および動的インク198を使用して2Dバーコードを印刷する(ブロック434)。例示的な実施形態では、第1のグループ230は静的インク194で印刷され、第2のグループ232は動的インク198で印刷され得る。さらに、動的インク198は、特定の環境要因の発生に応じて活性化するように調整され得る。例示的な実施形態では、動的インク198は、温度、時間、時間および温度、凍結、放射線、毒性化学物質またはそのような要因の組み合わせなどのような環境要因に敏感であり得る。
【0063】
例示的な実施形態では、第1の複数の情報モジュール218および第3の複数の情報モジュール224は、印刷面234および第3の複数の情報モジュール224および第4の複数の情報モジュールから光学的に区別できるように適合され得る印刷面234と光学的に区別できないことがある。インク、色素、塗料および/または任意の他の適切な材料などによる印刷を含む様々な印刷技術が使用され得ることを理解されたい。さらに、2Dバーコードの印刷面234の外観、例えば、エッチング、焼き付け、溶融、材料の除去、および/または2Dバーコードを印刷するように適合された他の処理を変更するために、様々な他の技術を使用することができる。例えば、印刷面234は、下にある白色の基材を露出するためにエッチングされて黒色の上層で覆われた白い基材を含むことができる。さらに、印刷面234は、様々な他の色の組み合わせと、黄色の最上層で覆われた青色の基板とを含むことができる。
【0064】
図8は、処理420を用いて印刷された2Dバーコードの部分の例を示すフローチャートである。図8に示されるように、第1の2Dバーコード部分216は、静的データのセットの符号化バージョンと、第1の状態210の動的データ196のセットの符号化バージョンとを含む例示的なバーコードの一部分である。第2の2Dバーコード部分222は、静的データのセットの一部の符号化バージョンと、第2の状態の動的データ196のセットの一部の符号化バージョンとを含む例示的なバーコードの一部である。黒色の情報モジュールの全ては、第1の複数の2Dバーコード部分216の第1の複数の情報モジュール218と、第2の2Dバーコード部分222の第3の複数の情報モジュール218との間の共通の情報の第1のグループ230である。さらに、点線で示された情報モジュールは、第2の2Dバーコード部分222の第3の複数の情報モジュール224のユニークな情報モジュールの第2のグループ232であり得る。例えば、情報モジュールの第2のグループ232は、動的データ136のセットが第1の状態210から第2の状態212に移行しているときに、白色から黒色に変化している全ての情報モジュールを含み得る。1つだけ動的インク198を用いることは、2Dバーコードを、より効率的かつ費用効果の高い方法で効果的に印刷されるようにする。さらに、1つの動的インク198のみの使用は、複数の動的インクのオフセットまたは遅延された活性化時間のためにコードが読めなくなるリスクを効果的に低減する。本明細書に開示される例示的な実施形態は、アズテック符号(Aztec Code)、符号1(Code 1)、クロントサイン(CrontoSign)、サイバー符号(CyberCode)、データグリフス(DataGlyphs)、データマトリックス(登録商標)、データストリップ(Datastrip)符号、EZ符号、大容量カラーバーコード(High Capacity Color Barcode)、インター符号(InterCode)、マキシ符号(MaxiCode)、MMCC、ネクス符号(NexCode)、PDF417、QRコード(QR code)(登録商標)、ショット符号(ShotCode)、SPARQ符号(SPARQCode)などを含む。
【0065】
図9は、2Dバーコードを生成する例示的な処理440のフローチャートを含む。処理440は、図9に示されるフローチャートを参照して説明されるが、処理440に関連する動作を実行する他の多くの方法が使用されてもよいことが理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更されてもよく、多くのブロックが断続的に繰り返されてもよく、連続的に実行されてもよく、あるブロックは他のブロックと組み合わされてもよく、説明されるブロックの多くは任意または偶然にのみ実行されうる。
【0066】
例示的な処理440は、1組の静的データ134を決定することから始め得るブロック442)。例えば、静的データ134のセットは、シリアル番号、バッチ番号、および/またはロット番号などであってもよい。次に、1セットの動的データ136が決定される(ブロック444)。例示的な実施形態では、動的データ136のセットは、第1の状態210および第2の状態212を有し得る。動的データ136のセットは、3つ以上の状態を有し得る。動的データ136のセットは、第1の状態210、第2の状態212(例えば、25°Cを超えることによって活性化される)および第3の状態(例えば、40°Cを超えることによって活性化される)を有し得る。次に、第1の2Dバーコードが生成される(ブロック446)。例えば、コンピュータは、第1の状態210における静的データ134のセットおよび動的データ136のセットの入力に基づいて、第1の2Dバーコードを生成し得る。例示的な実施形態では、第1の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第1の状態の動的データ196のセットの符号化バージョンとを含み得る。さらに、静的データ134と第1の状態210の動的データ136とは、第1の複数の情報モジュール218と、第2の複数の情報モジュール220とを含み得る。例えば、第1の複数の情報モジュール218は黒色のモジュールであり得、第2の複数の情報モジュール220は白色の情報モジュールであり得る。次に、第2の2Dバーコードが生成される(ブロック448)。例えば、コンピュータは、静的データ134のセットと、第2の状態212の動的データ136との入力に基づいて第2の2Dバーコードを生成し得る。例示的な実施形態では、第2の2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョンと、第2の状態212の動的データのセット196の符号化バージョンとを含み得る。例えば、第3の複数の情報モジュール224は黒色のモジュールであり得、第4の複数の情報モジュール226は白色の情報モジュールであり得る。さらに、静的データ134のセットと、第2の状態212の動的データのセットとは、第3の複数の情報モジュール224と、第4の複数の情報モジュール226とを含み得る。例えば、第3の複数の情報モジュール224は黒色のモジュールであり得、第4の複数の情報モジュール226は白色の情報モジュールであり得る。第1の複数の情報モジュール218および第3の複数の情報モジュール224は白色であり得、第2の複数の情報モジュール220および第4の複数の情報モジュール226は黒色であり得ることを理解されたい。例えば、第3の複数の情報モジュール224は黒色のモジュールであり得、第4の複数の情報モジュール226は白色の情報モジュールであり得る。第1の複数の情報モジュール218と第3の複数の情報モジュール224とは白色であり得、第2の複数の情報モジュール220と第4の複数の情報モジュール226は黒色であり得ることを理解されたい。さらに、第1の複数の情報モジュール218と第3の複数の情報モジュール224および/または第2の複数の情報モジュール220と第4の複数の情報モジュール226とは、様々な色、透明度または不透明度および/または反射率または吸収率のレベルであってもよく、あるいは、バーコードを読み取り装置によって読み取り得る他の適切な特性を有し得る。次に、第1の2Dバーコードは、第2の2Dバーコードと比較される(ブロック450)。例えば、第1の2Dバーコードと第2の2Dバーコードとは、白色に着色されるゼロ(0)のバイナリ値および黒色のバイナリ値1に対応し得るゼロまたは1の値を有するバイナリデータを含み得る。次に、情報モジュールは、第1のグループ230と、第2のグループ232と、第3のグループに分類される(ブロック452)。例示的な実施形態では、第1のグループ230は、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュール218と第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュール224との間の共通の情報モジュールを含み得る。さらに、第2のグループ232は、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュール224の固有の情報モジュールを含み得る。例示的な実施形態では、第3のグループは、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュール218のユニークな情報モジュールを含み得る。例えば、コンピュータは、第1の2Dバーコードおよび第2の2Dバーコードに共通する全ての黒色の情報モジュールを第1のグループ230に分類し得る。さらに、コンピュータは、第1の2Dバーコードにユニークな全ての黒色の情報モジュールを第3のグループ(つまり、第1の2Dバーコードにおいて白色であるが、第2の2Dバーコードにおいて黒色である情報モジュール)に分類し得る。また、コンピュータは、第2の2Dバーコードにユニークな全ての黒色の情報モジュールを第2のグループ232(つまり、第1の2Dバーコードの白色であったが、第2の2Dバーコードにおいて黒色な情報モジュール)に分類し得る。そして、静的インク194、第2の動的インクおよび第2の動的インクを用いて2Dバーコードが印刷される(ブロック454)。例示的な実施形態では、第1のグループ230は静的インク194で印刷され得る。さらに、第2のグループ232は、第1の動的インクで印刷され得る。第1の動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して活性化するように適合され得る。さらに、第3のグループは、第2の動的インクで印刷され得、第2の動的インクは、特定の環境要因の発生に応じて活性化され得る。例えば、第1の動的インクは、白色に印刷され得、30°Cに達すると黒色に活性化され得、第2の動的インクは、黒色で印刷され得、30°Cに達すると白く活性化され得る。第1および第2の動的インクは、いくつかの色の組み合わせで印刷され得ることを理解されたい。例示的な実施形態では、第1の動的インクおよび第2の動的インクは、温度、時間、時間および温度などの環境要因、凍結、放射線、毒性化学物質またはそのような要因の組み合わせなどに敏感であり得る。さらに、例示的な実施形態では、第1の動的インクおよび第2の動的インクは同時に活性化し得る。例えば、第1の動的インクおよび第2の動的インクは、第1の動的インクが白から黒に変化し、第2の動的インクが黒から白に同時に変化するように、印刷後72時間で活性化し得る。さらに、第1の動的インクおよび第2の動的インクは、温度閾値が満たされた後(例えば、0.1°Cの温度範囲内の精度)の両方で同時に活性化し得る。第1の動的インクと第2の動的インクを同時にアクティブにさせることは、2Dバーコードが、第1の状態(つまり、第2の2Dバーコード)または第2の状態(つまり、第2の2Dバーコード)にあるので、2Dバーコードを常に読み取り可能とし得る。
【0067】
図10A図10Bおよび図10Cは、処理440を使用して印刷された2Dバーコードの情報モジュールのセットの例のブロック図である。具体的には、図10Aは、第1の複数の情報モジュール218および第1の2Dバーコード部分216の第2の複数の情報モジュール220(つまり、動的データ136のセットは第1の状態210にある)を含む。図10Bは、第2の2Dバーコード部分222の第3の複数の情報モジュール224および第4の複数の情報モジュール226(つまり、動的データ136のセットが第2の状態212にある)を示す。図10Cは、情報モジュールの第1のグループ230、第3のグループ238および第2のグループ232を上から下へそれぞれ示す。例えば、第1のグループ230は、第1の2Dバーコード部分216の第1の複数の情報モジュール218と、第2の2Dバーコード部分222の第3の複数の情報モジュール224との間で共通な情報ジュールを含み、これらの情報モジュールは、クロスハッチングされたモジュールとして描かれる。第2のグループ232は、第2の2Dバーコード部分222の第3の複数の情報モジュール224のユニークな情報モジュールを含み、この情報モジュールのグループは、図10Cの下部の図に黒いモジュールとして描かれる。さらに、第3のグループ238は、第1の2Dバーコード部分216の第1の複数の情報モジュール218のユニークな情報モジュールを含み、この情報モジュールのグループは、図10Cの中央の画像内の黒色モジュールによって描かれる。この例では、第1のグループ230は静的インク194で印刷され、第2のグループ232は第1の動的インク240で印刷され、第3のグループ238は第2動的インク242で印刷される。例えば、第2のグループ232は、特定の環境要因の発生に応答して活性化する(つまり、白色から黒色に移行する)ように適合された第1の動的インク240で印刷され得る。さらに、第3のグループ238は、特定の環境要因の発生に応答して活性化する(つまり、黒色から白色に移行する)ように適合された第2の動的インク242で印刷され得る。2つ以上の動的インクを有する2Dバーコードを生成することは、エラー検出および訂正データ116を含む変化する動的データのより大きな部分で2Dバーコードが有利に印刷され得るようにすることを理解されたい。例えば、複数の動的インクを用いることにより、2Dバーコードは、2Dバーコードのいくつかの異なる領域を変更でき、非特権的な読み取り装置が、静的データ134のセットと、複数の状態の動的データ136のセットとの両方を読み取り、指定された出力を上書きするエラー検出および訂正データ116なしに複数の指定された出力を与え得る。
【0068】
図11は、2Dバーコードを生成する例示的な処理460のフローチャートを含む。処理460は、図11に示されるフローチャートを参照して説明されるが、処理460に関連する動作を実行する他の多くの方法が使用され得ることは理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更され得、多くのブロックが断続的に繰り返されてもよく、連続的に実行され得、あるブロックは他のブロックと組み合わされ得、説明されるブロックの多くは任意であり、または、偶然にのみ実行され得る。
【0069】
例示的な処理460は、1セットのペイロードデータ112を決定することから開始し得る(ブロック462)。例示的な実施形態では、ペイロードデータ112のセットは、静的データ134のセットおよび動的データ136のセットを含み得る。さらに、動的データ136のセットは、第1の状態210および第2の状態212を有し得る。コンピュータは2Dバーコードを生成することができる(ブロック464)。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、静的データのセットの符号化バージョン、動的データのセットの符号化バージョン、動的データの符号化バージョン、および、誤り検出および訂正データ116を記憶するように適合された動的領域192を含み得る。そして、プリンタは、静的インク194を用いて2Dバーコードを印刷し、動的インク198を用いて動的領域192上の動的データの符号化されたセットを印刷し得る(ブロック466)。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、食品、医薬品などの様々な製品に取り付けられ得る。例示的な実施形態では、動的インク198は、少なくとも1つの環境変化に応じて、動的データ136のセットが第1の状態にあるか第2の状態にあるかといった状態を変化させ得る。さらに、例示的な実施形態では、エラー検出および訂正データ116は、動的領域192内の動的データ136のセットの変化に対応して、動的データ136のセットが第1の状態210にあるときに2Dバーコードが読み取り装置により読み取り可能であり第1の出力を生成でき、動的データ136のセットが第2の状態212にあるときに2Dバーコードが読み取り装置により読み取り可能であり第2の出力を生成できるように適応し得る。さらに、動的領域192は、データ領域の終わりに配置され得る。動的データ136のセットの変更に適応するエラー検出および訂正データ116を含む2Dバーコードを提供することは、個人が非特権的な読み取り装置を有利に用いられ得るようにし、個人が非特権的な読み取り装置を用いて2つの異なる読み取り出力を有利に得られるようにする。例えば、動的領域192内の動的データ136のセットにおけるに変化に適応した誤り検出および訂正データ116を有する2Dバーコードを生成することなしに、非特権的な読み取り装置は、2Dバーコードが第1の状態210の動的データ136のセットを含むか第2の状態212の動的データ136のセットを含むかにかかわらず、第1の出力を生成し得るだけである。
【0070】
図12は、2Dバーコードを読み取る例示的な処理470のフローチャートを含む。処理470は、図12に示されるフローチャートを参照して説明されるが、処理470に関連する動作を実行する他の多くの方法が使用され得ることが理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更されてもよく、多くのブロックが断続的に繰り返されてもよく、連続的に実行されてもよく、あるブロックは他のブロックと組み合わされてもよく、説明されるブロックの多くは任意であり、または、偶然にのみ実行され得る。
【0071】
例示的な処理470は、読み取り装置が2Dバーコードに含まれる静的データ134のセットを読み取ることから始め得る(ブロック472)。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、静的インク194および動的インク198で印刷され得る。さらに、静的データのセットの符号化バージョンは、静的インク194で印刷され得る。次に、読み取り装置は2Dバーコードに含まれる動的データ136のセットを読み出しうる(ブロック474)。例示的な実施形態では、動的データ196のセットの符号化バージョンを動的インク198で印刷し得る。さらに、動的データ136のセットは、2Dバーコード上の冗長スペースに印刷され得る。次に、読み出し装置は、静的データ134のセットの第1の出力を生成し得る(ブロック476)。そして、読み出し装置は、動的データ136のセットの第2の出力を生成し得る(ブロック478)。例示的な実施形態では、第2の出力は、複数の状態のうちの動的データが入っている1つの状態、例えば30°Cより高いか、30°Cより低いかに依存し得る。
【0072】
図13は、2Dバーコードを読み取る例示的な処理490のフローチャートを含む。処理490は、図13に示されたフローチャートを参照して説明されるが、処理490に関連する動作を実行する他の多くの方法が使用されて得ることが理解されよう。例えば、多くのブロックの順序が変更され得、多くのブロックが断続的に繰り返され得、連続的に実行され得、あるブロックは他のブロックと組み合わされ得、説明されるブロックの多くは任意であり得、または、偶然にのみ実行され得る。
【0073】
例示的な処理490は、読み取り装置が2Dバーコードに含まれる静的データ134のセットを読み取ることから始め得る(ブロック492)。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、静的インク194および動的インク198で印刷され得る。さらに、静的データのセットの符号化バージョンは静的インク194で印刷されてもよい。読み取り装置は、2Dバーコードに含まれる動的データ136を読み出す(ブロック494)。例示的な実施形態では、動的データ196のセットの符号化バージョンは、動的インク198で印刷され得る。さらに、動的データ136のセットは、2Dバーコードの動的領域192に印刷され得る。次に、読み取り装置は、静的データ134のセットおよび動的データ136のセットの出力を生成し得る(ブロック496)。例示的な実施形態では、動的データ136のセットが第1の状態210のときの出力は第1の出力であり得、動的データ136のセットが第2の状態212のときの出力は第2の出力であり得る。
【0074】
図14は、2Dバーコード提供システムのブロック図である。システムは、コンピュータ292およびプリンタ290を含み得る。システムは、バーコード102を提供するために使用され得る。コンピュータ292は、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを含み得る。以下に記載された開示された方法および手順の全ては、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることが理解されるであろう。これらの構成要素は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気または光学ディスク、光学メモリまたは他の記憶装置などの揮発性または不揮発性メモリを含む従来のコンピュータ可読媒体または機械可読媒体上の一連のコンピュータ命令として示され得る。命令は、ソフトウェアまたはファームウェアとして提供され得、および/または、ASIC、FPGA、DSPまたは他の同様のデバイスなどのハードウェアコンポーネントの全体または一部に実装され得る。命令は、一連のコンピュータ命令を実行するときに、開示された方法および手順の全部または一部の実行を実行または容易にする1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成され得る。さらに、コンピュータ292は、ディスプレイを含むことができ、限定ではないが、任意の適切なワイドエリアネットワークまたはローカルエリアネットワークを含むインターネットまたは他の音声および/またはデータネットワークなどの1つ以上の通信チャネルへの接続を有し得る。
【0075】
コンピュータ292は、アドレス/データバスにより1つ以上のメモリデバイス、他のコンピュータ回路および1つ以上のインタフェース回路に電気的に結合された1つ以上のプロセッサを含み得る。プロセッサは、マイクロプロセッサなどの任意の適切なプロセッサとし得る。メモリは、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含むことが好ましい。さらに、メモリは、バーコード提供システム内の他のデバイスと相互作用するソフトウェアプログラムを格納し得る。このプログラムは、任意の適切な方法でプロセッサによって実行され得る。メモリはまた、コンピュータまたはバーコードリーダから受信した文書、ファイル、プログラム、バーコードなどを示すデジタルデータを格納し得る。他のコンピュータ回路は、ASICまたはバーコードデータのような特定のフォーマットのデータを操作するための他の専用回路を含む様々なハードウェアコンポーネントを含み得る。
【0076】
1つ以上のディスプレイ、プリンタ290および/または他の出力デバイスはまた、インタフェース回路を介してコンピュータ292に接続され得る。ディスプレイは、液晶ディスプレイまたは他のタイプのディスプレイであり得る。プリンタ290は、コンピュータ292から生成され受信されたバーコードを印刷し得る。さらに、1つ以上の記憶装置はまた、インタフェース回路を介してコンピュータ292に接続され得る。例えば、ハードドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、および/または他の記憶装置がコンピュータ292に接続されてもよい。記憶装置は、バーコードデータ100、画像データ、履歴アクセスまたは使用などの任意のタイプのデータなどを記憶しうる。
【0077】
図15Aおよび図15Bは、2Dバーコード読み取りシステムのブロック図である。システムは、読み取り装置200を含み得、バーコード102を読み取るためにシステムを使用し得る。例示的な実施形態では、読み取り装置200は、特権的な読み取り装置であっても、非特権的な読み取り装置であってもよい。読み取り装置200は、専用のバーコードリーダ、モバイルデバイス、パーソナルデジタルアシスタントまたはPDA、スマートフォン、ラップトップ、タブレットコンピュータまたはデスクトップコンピュータなどのバーコードを読み取るように構成された装置であり得る。読み取り装置200は、IDおよび2Dバーコードを読み取るように、または、2Dバーコードのみを読み取るように構成され得る。読み取り装置200はまた、通信ネットワークを介して他のネットワーク装置とデータを送信、受信または交換し得る。ネットワークデバイスは、コンピュータ292、異なる読み取り装置200または通信ネットワークを介してアクセス可能な任意の他のデバイスとされ得る。また、特定のデータは、例えばメモリまたは記憶装置などの一時的または永続的にサーバに格納された読み取り装置200に格納され得る。ネットワーク接続は、セルラまたは無線接続、イーサネット(登録商標)接続、ディジタル加入者回線、電話回線、同軸ケーブルなどの任意のタイプのネットワーク接続でもあり得る。読み取り装置200または動的データ136へのアクセスは、適切なセキュリティソフトウェアまたはセキュリティ対策により制御されうる。個々のユーザのアクセスは、読み取り装置200によって定義され、特定のデータおよび/または動作に限定され得る。例えば、ユーザは、バーコード102上の静的データ134のみを読み取り得る非特権的な読み取り装置にアクセスし得る。さらに、ユーザは、バーコード102上の静的データ134を読み取り得る特権的な読み取り装置にアクセスできる。バーコード読取システムのユーザおよび/または管理者は、1つ以上の読取装置200に登録する必要があり得る。さらに、読み取り装置200内またはサーバ内に置かれ、データを管理するための様々なオプションを実装することができる。例えば、管理システムは、読み取り装置200またはサーバに実装され、任意の適切なデータ転送の方法を用いてバーコードデータ100をローカル/リモートにアップデート、記憶および/またはバックアップし得る。
【0078】
センサ付2Dバーコードシンボルの読み取り方法は、多くの要件を有する。センサが付けられたデータマトリックス(登録商標)シンボルを読み取ることは、
1.限定された数のモジュールのみがセンサ色素モジュールパターンの色状態を変化させる場合、
2.変更されたモジュールが少数のユタに限定される場合、
3.基礎となるデータマトリックス(登録商標)に十分なリードソロモン誤り訂正能力がある場合に、
RSEC処理が利用されて、センサ起動によって引き起こされるモジュールの色状態変化に先立って、基礎となるデータマトリックス(登録商標)内の基礎となる符号語データを復元する。
【0079】
表5は、26×26までの全ての正方データマトリックス(登録商標)シンボルおよび全ての長方データマトリックス(登録商標)シンボルのデータおよびRSEC符号語容量を示す。
【0080】
データ符号語は、通常、基礎をなすデータを回復するために2つのRSEC符号語を必要とする。一例として、12データ符号語(12データユタ)および12RSEC符号語(12RSEC)を有する16×16正方データマトリックス(登録商標)。従って、活性化されたセンサモジュールがその16×16シンボル内の4データユタを変更する場合、変更されたユタのデータを回復するために8つのRSEC符号語が利用される。これにより、他のシンボルの損傷を修正するための4つの追加のRSEC符号語が残される。
【0081】
表5:データマトリックス(登録商標)シンボルの異なるサイズに対する合計データおよびRSEC符号語
【表5】
【0082】
センサ付2次元バーコードの2つのタイプの読み取り処理が、センサ色素モジュールパターンの構造が基礎となるデータマトリックス(登録商標)にコード化されているかどうかに応じて利用される。センサ色素モジュールパターンの構造が、センサ付2Dバーコードの基礎となるデータマトリックス(登録商標)にコード化されていない最初の場合:

1.データマトリックス(登録商標)読み取り処理の一部として画像を走査し、光学的に処理し、走査された画像の走査バイナリビットマップを構築する。1つの方法論についてはISO/IEC16022を参照。

2.走査バイナリビットマップを処理して、基礎となるシンボル符号語シーケンスを構築する。

3.活性化されたセンサモジュールによる変更の前に、基礎となるデータ符号語を復元するために、シンボル符号語シーケンスに対するリードソロモン誤り訂正処理を利用する。1つの方法論についてはISO/IEC16022を参照。

4.走査バイナリビットマップと同じサイズの基になるデータ符号語シーケンスから、基礎となるバイナリビットマップを構築する。1つの方法論についてはISO/IEC16022を参照。

5.ビット位置それぞれで、走査バイナリビットマップとそのサイズと同じサイズのセンサディジタル情報ビットマップを形成するために、走査バイナリビットマップとその基礎となるバイナリビットマップとの排他的OR演算する。

6.状況の規則に従ってセンサディジタル情報ビットマップを処理する。
【0083】
センサ付2次元バーコードの基礎となるデータマトリックス(登録商標)にセンサ色素モジュールパターンの構造が符号化されている場合:

1.データマトリックス(登録商標)読み取り処理の一部として画像を走査し、光学的に処理し、走査された画像の走査バイナリビットマップを構築する。1つの方法論については、ISO/IEC16022を参照のこと。

2.走査バイナリビットマップを処理して、基礎となるシンボル符号語シーケンスを構築する。

3.活性化されたセンサモジュールによる変更の前に、基礎となるデータ符号語を回復するために、シンボル符号語シーケンスに対するリードソロモン誤り訂正プロセスを利用する。1つの方法論については、ISO/IEC16022を参照のこと。

4.基礎となるデータ符号語にコード化された情報を利用して、走査バイナリビットマップ内でセンサディジタル情報を含むセンサ色素ビットパターンを決定し、適切なビット順序でバイナリ情報シーケンスを抽出する。

5.センサデータがBCH(15,5,7)符号化されている場合は、BCH誤り訂正処理を使用して5ビットのバイナリ符号化センサデータを復元する(または、復号失敗(decoding fails)を複合する)。
【0084】
第1の好ましい実施形態は、温度閾値感受性のセンサ色素化学物質を利用する。センサ色素化学物質はW-Xである:白色印刷媒体上の印刷された基礎データマトリックス(登録商標)の黒色モジュール上に重ねて印刷された白色染料要素。使用されるセンサ色素化学物質は、データマトリックス(登録商標)シンボルの印刷時に既知であると仮定される。
【0085】
データマトリックス(登録商標)シンボルでコード化されたデータ構造がGS1アプリケーション識別子を利用し、GS1一般仕様書、第5版第2号(2015年1月)に準拠する(http://www.gsl.org/docs/barcodes/GSl_General_Specifications.pdf)。
【0086】
ここで、15ビットのBCH(15.5.7)誤り訂正は、5ビットのセンサデータを符号化するために使用された。重ね印刷された(overprinted)センサ色素モジュールは白色なので、15ビットのBCHエンコーディングのTビットに対応する黒色のモジュールは、基礎となるデータマトリックス(登録商標)に印刷される必要がある。
【0087】
使用中のセンサ色素化学を示す2つのインジケータビットとともに符号化されたセンサデータBCHは、例示的な目的のために図19に示される16×16のECC200データマトリックス(登録商標)シンボルのユタ3,5および6のみを利用する。ユタ5,6およびユタビット3.6~3.8は、図19の不変ビットマップ410の場合と同様に、シンボルULCに対して同じビットマップ位置にある。
【0088】
インジケータユタビット3.6および3.7は、表1のセンサ色素化学物質のうちのどれが使用中であるかを示す。使用されるセンサ色素化学物質は、データマトリックス(登録商標)の印刷時に既知であると仮定される。
【0089】
選択されたセンサ化学物質のモジュールは、ユタビット3.6および3.7の両方を重ね印刷する。選択されたセンサ色素の化学的性質に依存して、センサ色素が非活性化状態または活性化状態にあるとき、ビット3.6および3.7が表4におけるように現れる。
【0090】
図20は、ISO/IEC16022からのサイズ14のデータマトリックス(登録商標)ビットマップ505を示し、不変ビットマップ410のユタビット3.8およびユタ5および6を識別する。これらはそれぞれ参照符号510,520および530である。不変ビットマップ410にはない、ユタ3の上位5ビット、参照符号540のビット3.1~3.5は、使用中のセンサ色素化学物質および/またはセンサ色素ビットパターンに関する追加情報を符号化するために使用され得る。
【0091】
データマトリックス(登録商標)内の情報を符号化するために最も広く使用されるシステムのGS1一般仕様に定義されるGS1システムに従って、GS1アプリケーション識別子AI(90)が使用され得る。AI(90)は、取引先間で相互に合意された情報(センサ対応のデータマトリックス(登録商標)の存在など)に予約される。アプリケーション識別子はGS1データマトリックス(登録商標)内の任意のシーケンス内に現れ得るので、FNC1の直後にAI(90)が現れて、15個のBCH符号化センサビットB1~B15が不変ビットマップ410にあることを確実にする。文字はGS1アプリケーション識別子で符号化でき、520でのユタ5の最上位ビット5.1と530でのユタ6のビット6.1と、それらの活性化前後の色状態はここでは重要ではない。
【0092】
図21に示されるように、16×16データマトリックス(登録商標)600の不変ビットマップ部分410は、7つのユタ、610a、ユタ1ビット1.5および1.8、620ユタ2、630aユタ3ビット3.6~3.8、640aユタ4ビット4.3~4.8、650ユタ5、660ユタ6および670aユタ7ビット7.2,7.4,7.5,7.7および7.8を取り囲む他のユタビットが参照目的のために600に示され、図20のビットマップと容易に対応することに留意されたい。例えば、610aユタ1ビット1.1~1.4,1.6,1.7、640bユタ4ビット4.1および4.2、670bユタ7ビット7.1,7.3および7.6。
【0093】
最上位ビットB15は、630aで630aのユタビット3.8で符号化される。650ビット5.2~5.8でのユタ5は、BCH符号化センサビットのB14~B8を符号化する。660ビット6.2~6.8のユタ6は、BCH符号化センサビットのビットB7~B1を符号化する。
【0094】
第1の好ましい実施形態では、白色から透明のセンサ色素化学物質が利用されるので、符号化されたセンサデータビットの白黒パターンB15~B1は、データマトリックス(登録商標)に予め印刷されるべきである。W→Xセンサ色素は、これらの符号化されたビットに重ね印刷され、他の全てのビットB1~B15または少なくとも基礎となるデータマトリックス(登録商標)の黒色のビットB15~B1のビットのいずれかを選択する。
【0095】
センサデータ値が「4」である場合の一例を考える。表4から、B15~B1を符号化するBCHは「001000111101011」である。従って、図20のデータマトリックス(登録商標)サイズ14ビットマップでは、ユタビット3.8,5.2~5.8および6.2~8.8が、これらのビットB15~B1に対応する黒色のモジュールを符号化するように設定される。これらのモジュールは、白から透明のセンサ色素で印刷される。ユタビット5.1および6.1は、白色のモジュールが印刷されるように「0」に設定される。表6は、16×16データマトリックス(登録商標)の最初の7つのユタにAI(90)データ文字列が印刷されたことを示す。ユタそれぞれは1つの8ビット符号語をエンコードすることを思い起こされたい。
【0096】
表6:W→Xセンサ色素のAI(90)ASCIIおよびデータマトリックス(登録商標)符号語ストリングの例
【表6】
【0097】
630bでのユタ3のビット3.1~3.5は、全てのサイズのデータマトリックス(登録商標)のデータマトリックス(登録商標)シンボルの下端にあるので、不変ビットマップ410にはない。しかしながら、ここでは、使用中のセンサ色素の特性に関する特定の情報および増強されたデータマトリックス(登録商標)でコード化されたセンサ色素パターンを伝達するために有用なデータを符号化できる。
【0098】
ユタ4の一部640aのみが不変ビットマップ部分410に現れるので、ユタ4はスペーサとして使用され、ビットB14~B1が650および660でユタ5および6にそれぞれ印刷されることを保証する。任意の7ビットASCII文字は、ユタ4でエンコードされている可能性がある。これは、通常、製品関連の情報に使用される。
【0099】
表6の情報のみで印刷された16×16データマトリックス(登録商標)700が図22に示される。図23において、データマトリックス(登録商標)800は、データマトリックス(登録商標)600と構造において類似して示される。しかしながら、ここで、不変ビットマップ部分は、図22のデータマトリックス(登録商標)700の基礎となる符号化ごとに黒色または白色に設定される。残りのデータマトリックス(登録商標)符号語(ユタ8~12)は12個の使用可能なデータ符号語を埋めるためにパッド文字で埋められる。シンボルの最後の12個の符号語(ユタ13~24)は、RSEC誤り訂正符号語である。図23では、便宜上、ユタ8~24の内容は、AI(90)の符号化には関係しないので、灰色で示される。
【0100】
非活性化センサ付データマトリックス(登録商標)900の光学画像が図24に示される。白色のセンサ色素はオーバープリントインジケータビット910であることに留意されたい。センサデータのB15~B1の重ね印刷BCH符号化920は、ユタビット5.1および6.1において、印刷されていないおよび重ね印刷されていない白色の色素モジュールから区別できない白色の色素モジュールとして示される。これらは値「0000000000000」を有し、このセンサ色素化学物質系におけるB15~B1の活性化されていないデフォルトセンサデータ値「0」を示す。インジケータビットは、W→Xセンサ色素化学物質の非活性化状態を示す「00」であることに注意されたい。
【0101】
起動されると、全てのセンサモジュールが透明になり、光学画像は、センサデータ値「4」を復元するために上記されたBCH(15,5,7)の標準的方法の1つを使用して復号される正しい15ビットBCHビットパターン「00100011 1101011」を示す図22に戻る。
【0102】
第2の好ましい実施形態は、感熱紙を製造するために使用される熱活性化ロイコ色素システムによって頻繁に表されるように、温度閾値感受性センサ色素化学物質X→Bを利用する。ここでは、透明な色素モジュールが、白色の媒体に印刷された基礎となるデータマトリックス(登録商標)の白色の(印刷されていない)モジュールに重ね印刷される。
【0103】
ここでもまた、印刷された基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボルの上にセンサ色素モジュールを重ね印刷することによって符号化される5ビットのセンサデータを符号化するために使用される15ビットのBCH(15,5,7)誤り訂正は、センサ色素活性化時に現れる。また、ここでは、使用されるセンサ色素化学物質が、データマトリックス(登録商標)シンボルを印刷する時点で既知であると仮定される。
【0104】
基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボルを、最初に透明な任意のセンサ色素化学物質で印刷するために異なるプリンタが使用され得、その後、重ね印刷のときに既知のデータマトリックス(登録商標)情報を増強するために、別の処理としてセンサ色素モジュールで重ね印刷する。例示的な実施形態では、2Dバーコードは、食品、医薬品、生物製剤、または環境、物理的または生物学的モニタリングから利益を得ることができる任意の他の製品などの様々な製品に取り付けられ得る。例えば、バーコードは、そのような製品のための容器に印刷されるか、または適用され得る。
【0105】
センサデータ15ビットBCH符号化部分は、2つのインジケータビットとともに、第1の好ましい実施形態のものと同様である。表2から、X→Bセンサ色素化学物質の場合、印刷されたインジケータビット3.6および3.7は「10」である。第1の好ましい実施形態におけるように、ユタ3の上位5ビット、ビット3.1~3.5は、使用中のセンサ色素化学物質および/またはセンサ色素ビットパターンに関する追加の情報をコード化するために使用され得る。
【0106】
データマトリックス(登録商標)内の情報を符号化するための最も広く使用されるシステムに沿って、GS1アプリケーション識別子AI(90)が使用される。AI(90)は、取引先間で相互に合意された情報(センサ対応のデータマトリックス(登録商標)の存在など)用に予約されており、AI(90)は、第1の好ましい実施形態におけるように、ここでは表7において符号化された特定のデータとともに、ユタ1~7のデータ構造フォーマットで使用される。
【0107】
センサデータ値が4のときの第1の好ましい実施形態と同じ例を考慮されたい。表4から、BCH符号化B15~B1は「001000111101011」である。この第2の好ましい実施形態では、透明から黒色になるセンサ色素化学物質が利用されるので、一旦、基礎となるデータマトリックス(登録商標)の中で活性化されたB15~B1の黒色のモジュールとなるもののためのBCH符号化センサ色素モジュールは、選択的にB15~B1に重ね印刷されなければならない。インジケータビット3.6および3.7も、センサ色素モジュールで上書きされる。
【0108】
表7は、図25の16×16の基礎となるデータマトリックス(登録商標)1000の最初の7つのユタにおいて、この第2の好ましい実施例のために印刷されたAI(90)データシーケンスを示す。基礎となるデータマトリックス(登録商標)1000は、図25の表7の情報とともにのみ印刷される。
【0109】
図26のULC詳細1100を参照すると、インジケータビット3.6および3.7はそれぞれTおよび「0」に設定される。ユタビット3.8,5.2~5.8および6.2~6.8は、これらのビットB15~B1の全てについて「0」に対応する白色のモジュールである。BCHビット符号化シーケンスの一部ではないので、ユタビット5.1および6.1はTに設定され、データマトリックス(登録商標)標準ISO/IEC規格は、全てのユタが少なくとも1つのブラックモジュールを有することを要求する。残りのデータマトリックス(登録商標)符号語(ユタ8~12)はパッド文字で埋められ、12個の利用可能なデータ符号語を記入するために、ISO/IEC16022に従って具体的にコード化される。シンボルの最後の12個の符号語(ユタ13~24)はRSEC誤り訂正符号語である。ユタ8~24の内容はAI(90)のエンコードには関係しないので、図26では、便宜上グレーで示される。
【0110】
表7:X→Bセンサ色素のAI(90)ASCIIおよびデータマトリックス(登録商標)符号語ストリングの例
【0111】
【表7】
【0112】
センサ付データマトリックス(登録商標)バーコードシンボルが非活性化状態にあり、BCH符号化が「00000000000000」のB15~B1、または、図25のセンサ付データマトリックス(登録商標)1000および図26のデータマトリックス(登録商標)ULC詳細1100にあるようなセンサデータ値0を示すときに、基礎となるデータマトリックス(登録商標)の白色のモジュールが光学的に検出可能になる。
【0113】
一旦センサモジュールが活性化されると、光学センサ付データマトリックス(登録商標)1200が、図27に示されるように理想的に現れる。センサデータビットパターンB15~B1「001000111101011」が今、明らかになり、上述されたようなセンサ色素パターンへのBCH復号技術追加規格を用いたデータマトリックス(登録商標)の読み取りを通じて、センサデータ値4が復元される。データマトリックス(登録商標)1200は、いくつかのセンサビットパターンB15~B1、および、そのとき「11」であるようなインジケータビットパターンを明らかにするために、そのとき黒色に活性化された(しかし、明確化のために、図27の1220において濃い灰色で示される)重ね印刷されたセンサ色素モジュールを有する基礎となるデータマトリックス(登録商標)1000と同じである。
【0114】
第3の好ましい実施形態はまた、温度感受性センサ色素化学物質を利用する。ここで、活性化されていない色状態のセンサ色素モジュールは、白色の媒体上に印刷された基礎となるデータマトリックス(登録商標)の不変のビットマップ内の単一のセンサ色素パッチとして重ね印刷される。
【0115】
任意の色状態R→Sの両方が、1)十分な光学的色状態変化を有し、2)R色の状態がWまたはBとして走査し、S色の状態が相補的にBまたはWとして走査する660nm読み取り装置照射の下で十分なコントラストを有するなら、任意のセンサ色素化学物質R→Sが使用され得る。これは、センサ色素パッチが、非活性化された色状態にあろうと、活性化された色状態にあろうと、センサ色素モジュールとして前述のデータマトリックス(登録商標)読み取り技術を用いて画像としてセンサ色素モジュールを復元し、さらに、センサ色素パッチの活性化状態を判定するために光学的に識別でき、機械的に読み取り可能とする。
【0116】
異なるプリンタ、または、同じ印刷機の異なるステーションが使用され得る:最初に、基礎となるデータマトリックス(登録商標)シンボルを印刷し、その後、センサ色素パッチを別の処理で、それに重ね印刷し、画像としてセンサ色素モジュールを復元し、さらに、センサ色素パッチの活性化状態を検出する。
【0117】
この例では、X→Bセンサ色素化学物質が例示される。センサ色素パッチは、約2×2のサイズの正方形センサ色素モジュールである。それは、4×4白色フレームは、16×16データマトリックス(登録商標)の不変のビットマップ内に配置される。この4×4白色フレームは、この4×4白色フレームおよびこれらを囲むセンサ色素パッチが、ULCに対して広範囲のデータマトリックス(登録商標)シンボルサイズにわたって常に同じ位置になるようにする。
【0118】
図28は、例示的な16×16データマトリックス(登録商標)シンボル1300の中の(ビット3.6からビット5.8までの)4×4白色フレーム1310の位置を示す。4×4白色フレーム1310は、以下のように構成された4行のユタビットを含む。

行1:ビット3.6,3.7,3.8,4.3

行2:ビット2.5,5.1,5.2,4.6

行3:ビット2.8,5.3,5.4,5.5

行4:ビット6.2,5.6,5.7,5.8
【0119】
この第3の好ましい実施形態では、第1および第2の好ましい実施形態におけるように、ビット3.6および3.7がインジケータビットとして使用されないが、むしろそれらは4×4ホワイトフレームの一部であることに留意されたい。
【0120】
素朴なアプローチは、データ制限なしで基礎となる印刷データマトリックス(登録商標)シンボルを作成し、4×4白色フレーム1310の中の16個の基礎となるデータマトリックス(登録商標)モジュール上の白色モジュールに単に重ね印刷することであろう。符号化されたデータ、および、1310の中の任意のブロックモジュールが故意に重ね印刷されたか否かにより、最大5ユタおよびこれらの符号化された符号語が重ね印刷により故意に損傷を受ける可能性がある。リードソロモン誤り訂正を使用してデータマトリックス(登録商標)を読み取っている間に最大5つの損傷した符号語を回復する従来のアプローチは、16×16データマトリックス(登録商標)シンボル内の12の利用可能なRSEC符号語のうち最大10個を使用することを要する。これは、他の偶然のシンボルの損傷に対して利用可能なRSEC符号語をほとんど残さないであろう。
【0121】
第1および第2の好ましい実施形態に示される例と同様に、この例示的なシンボルデータ符号化もまた、GS1アプリケーション識別子AI(90)およびユタ1~7データ構造フォーマットを使用して実行される。第3の好ましい実施形態に特有のシンボルデータは、表8において符号化される。AI(90)の符号化に関連しないので、便宜上、ユタ8~24の内容は、データマトリックス(登録商標)1300内に灰色で示される。
【0122】
ユタ1および7は、1310内にビットを有しないので、4×4白色フレーム1310の生成に影響されない。ユタビット2.5および2.8は1310の中にある。AI(90)データ符号化ビット2.5=Tにおいては、そして従って、ユタ2は、白色のモジュールによって上書きされたときに意図的に損傷を受ける。ユタ5は完全に4×4白色フレーム1310の中にある。ところで、データはISO/IEC16022データマトリックス(登録商標)で符号化されるので、いずれの有効なユタにおいても、少なくとも1つの黒色モジュールが存在する:従って、どのような7ビットASCIIデータ文字がユタ5で符号化されようとも、ユタ5およびその符号語は、全てのユタ5モジュールを白色モジュールで重ね印刷することにより故意の損傷を受ける。
【0123】
しかしながら、ユタビット3.6~3.8,4.3,4.6および6.2の中に黒色モジュール(Tビット)が存在しないように、単に、これらの符号語の中に符号化されることを許可されたデータを制限するだけで、4×4白色フレームの中にあるユタ3.4および6のビット位置に対する意図的な損傷を回避することができる。
「x」がユタ内の各特定ビット位置における「don't care」ビット位置を表すと仮定すると、許容可能な8ビットデータマトリックス(登録商標)符号語の形式は、下記の通りである。

ユタ3:xxxxx000

ユタ4:xx0xx0xx

ユタ6:x0xxxxxx
【0124】
表8は、図29の16×16の基礎となるデータマトリックス(登録商標)1400の最初の7つのユタにおけるこの第3の好ましい実施例のAI(90)データシーケンスを示す。
【0125】
表8:AI(90)ASCIIおよびデータマトリックス(登録商標)符号化語列の例示的なパッチセンサ
【0126】
【表8】
【0127】
図29において、基礎となるデータマトリックス(登録商標)1500は、表8の情報とともにのみ印刷される。残りのデータマトリックス(登録商標)データ符号語(ユタ8~12)は、データマトリックス(登録商標)パッド文字が書き込まれる。シンボルの最後の12個の符号語(ユタ13~24)は、RSEC誤り訂正符号語誤り訂正符号語である。
【0128】
図30において、図28の4×4白色フレーム1310に対応するデータマトリックス(登録商標)1400の不変ビットマップの中の4×4白色フレーム(white frame)1510が示される。この4×4白色フレーム1510を生成するいくつかの方法があり、これらの方法は、基礎となるデータマトリックス(登録商標)1400上の白色モジュールを物理的に重ね印刷することを含む。よりよい方法は、基礎となるシンボルデータマトリックス(登録商標)符号化の変更であり、基礎となるシンボルのためのシンボル生成ソフトウェアが、データマトリックス(登録商標)の符号化された14×14ビットマップを変更することにより、黒色および白色モジュールへの変換に先立って1510の全ての位置を「0」に設定すること、または、代わりにデータマトリックス(登録商標)1400の印刷に先だって4×4白色フレーム(white area)1510において全てのモジュールを白色に設定することである。従って、白色モジュールの重ね印刷ステップは要求されず、黒色モジュールは、最初の段階で、4×4白色フレーム1510(white area)に印刷されない。
【0129】
第2の好ましい実施形態においてと同様に、第3の好ましい実施形態では、図31に示されるように、2×2センサ色素パッチ1620を4×4白色フレーム1510の中に印刷するために、第2の印刷ステップが用いられる。ここでセンサ色素パッチ1620は、(紫色で明瞭にするために)活性化された状態で示される。
【0130】
第3の好ましい実施形態の目的の1つは、センサ色素活性化の際に、4×4白色フレーム1510の中にセンサ色素パッチ1520の色状態の光学的な変化があることである。第2の目的は、センサ色素パッチ1620が非活性化されたときにWまたはBモジュールとして読み取られ、相補的なBまたはWモジュールとして読み取られるように、上述したようにデータマトリックス(登録商標)読み取り装置に十分なコントラストを有するセンサ色素化学物質が使用されることである。そして、非活性化および活性化されたセンサ色素パッチの存在は、上記の読み取り方法を使用してデータマトリックス(登録商標)読み取り機により機械的に読み取とられることが可能である。
【0131】
第3の好ましい実施形態に対するさらなる改良点は、データマトリックス(登録商標)読み取りプロセスである:ユタ2および5の符号化語が意図的に損傷されたという知識を適用して、シンボル符号語シーケンス復元において、リードソロモン誤り訂正プロセスの効率を改善する。結合されたデータに加えて、RSEC符号語シーケンスの未知の場所で誤りがある符号語の検出および訂正は、損傷した符号語当たり2つのRSEC文字の使用を要する。しかし、リードソロモン誤り訂正処理(この場合、符号語2および5)を適用する前に、損傷した符号語の位置がわかっている場合、各識別された損傷した符号語の正しい符号語値を復元するために、RSEC符号語が1つだけ必要とされる。これにより、他の未使用のRSEC符号語が、他の偶発的なデータマトリックス(登録商標)シンボルダメージ補正用に利用可能になる。
【0132】
代替的な実施形態は、以下の1つ以上を含む。

・QRコード(登録商標)、アズテック(Aztec)符号、マキシ(Maxi)符号、PDF417およびドットコードを含むデータマトリックス(登録商標)に代わる他の誤り訂正バーコードシンボル;

・黒色、白色または透明以外の色の状態を利用した代替のセンサ色素化学物質;

・シンボルの第1の色状態または第2の色状態が黒色または白色以外の色の基礎となる印刷された2次元誤り訂正バーコードシンボル;

・第1の色状態がマークされていない媒体表面であり、第2の色状態が直接的にマークされた媒体表面変化であり、またはその逆の2次元誤り訂正バーコードシンボル。
【0133】
本開示の例示的な態様では、センサ付次元バーコードは、基板と、2次元誤り訂正バーコードが基板を含み、基板上に設けられた2次元誤り訂正バーコードシンボル;永久的な色状態で基板上に設けられた第1の層と、基板上に設けられた第2の層とを含む。バーコードシンボルは、複数のモジュールをさらに含み、モジュールは、選択的に正方形、長方形または円形であり、モジュールそれぞれは、第1の色状態または第2の色状態を有する。第2の層は、センサ色素モジュールパターンにおいて、センサディジタル情報を含むセンサ色素モジュールパターンを第1の層に重ね印刷することによって選択的に提供される。第2の層は、さらに、環境、物理的または生物的状態の発生に応答して、化学的または物理的状態変化を起こしてセンサ色素の色状態の変化を生じるように構成された化学物質を有するセンサ色素を含み、それによって、複数のモジュールのサブセットの色状態を示す。
【0134】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、環境条件は、時間、温度、時間温度積、温度生成物、光、湿度、ガス蒸気(gas vapor)および核放射からなるグループから選択され、好ましくは、環境条件が閾値を交差するときにセンサ色素が色状態を永久に変化させることが好ましい。
【0135】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の層は、2次元バーコードのシンボルで読み取り可能なバーコードシンボルを形成する。
【0136】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、2次元誤り訂正バーコードシンボルは、データマトリックス(登録商標)、QRコード(登録商標)、アズテック符号(Aztec Code)、マキシ符号(MaxiCode)、PDF417およびドットコードのシンボルを含む。
【0137】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、2次元誤り訂正バーコードシンボルは、リードソロモン誤り訂正を利用する。
【0138】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、不活性のときにはセンサ色素は、最初は黒色、白色または透明の色状態であり、活性化時に異なる色状態に変化する。
【0139】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、センサ色素は、感知された特性の特定された条件が閾値の上か下かのときに、色状態を永久的に変更する。
【0140】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、感知された特性の特定の条件は、生物的有機体、生物的作用物質または生物的毒素を、好ましくは比色免疫測定法を利用して検出する。
【0141】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第2の層は、センサディジタル情報を提供し、センサディジタル情報は、好ましくは、2次元シンボルの不変のビットマップに符号化され、さらに好ましくは、バイナリ符号化センサデータとして符号化され、また、さらに好ましくは、からなるグループから選択される。バイナリ符号化されたセンサデータは、好ましくは、ハミング符号(Hamming Codes)、BCH符号、ゴレイ符号(Golay Codes)、シンプレックス符号(Simplex Codes)、リードミュラー符号(Reed-Muller Codes)、ファイア符号(Fire Codes)、畳み込み符号(Convolutional Codes)およびリードソロモン符号(Reed-Solomon Codes)を含む。
【0142】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、センサ色素モジュールパターンにコード化されたセンサディジタル情報は、光学的パターンまたは画像である。
【0143】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、製品は、医薬品、生物学的または食品製品、好ましくはワクチン;医薬品、生物学的または食品、好ましくはワクチン瓶を保持する容器;好ましくはコンテナの外面に塗布された、センサ上にまたはセンサ内に設けられたセンサ付2次元バーコードシンボルとを含み、好ましくは、容器の外側の表面に適用される。
【0144】
本開示の別の例示的な態様によれば、センサ付2次元バーコードシンボルを読み取る方法は、センサ付きの2次元バーコードシンボルの画像を走査し、光学的(optically)に処理することを含み、センサ付きの2次元バーコードシンボルの走査されたモジュールからバイナリビットマップを走査することを含む。この方法は、走査バイナリビットマップからシンボル符号語シーケンスを構築することをさらに含む。次に、好ましくはリードソロモン符号であるシンボルコードワードシーケンスに対する誤り訂正プロセスを利用して、シンボル符号語シーケンスから基礎となるデータ符号語を復元する。次に、基礎となるデータ符号語が処理されて、基礎となるシンボル符号語シーケンスが形成される。この方法はさらに、基礎となるシンボル符号語シーケンスからの走査バイナリビットマップから、基礎となるバイナリビットマップを構築することを含み、好ましくは、基礎となるバイナリビットマップは走査バイナリビットマップとサイズが等しい。ビット位置それぞれにおいて、走査バイナリビットマップとその基礎となるバイナリビットマップの排他的論理和演算を実行して、センサディジタル情報ビットマップを形成する。選択的には、この方法は、好ましくはバイナリ情報シーケンスを誤り訂正符号シーケンスとして処理し、誤り訂正処理を利用してバイナリ符号化されたセンサデータを復元するバイナリ符号化センサデータを組み込んだバイナリ情報シーケンスを復元するセンサディジタル情報ビットマップを含む。誤り訂正符号は、ハミング符号、BCH符号、ゴレイ符号、シンプレックス符号、リードミュラー符号、ファイア符号、畳み込み符号およびリードソロモン符号からなるグループから選択される。
【0145】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、方法は、センサディジタル情報ビットマップを処理して、センサ色素パッチを識別し、センサ色素の活性化が環境条件に応答して起こったか否かにかかわらず、センサ色素パッチの状態を判定することを含み得る。
【0146】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、センサ色素パッチは、データマトリックス(登録商標)バーコードシンボルの不変領域に位置する。
【0147】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、方法は、センサディジタル情報ビットマップから光学的パターンまたは画像を回復するステップを含む。
【0148】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、装置は、2Dバーコードを生成する方法を実行してもよく、静的データのセットと動的データのセットとを含むペイロードデータを決定することと、静的データのセットの符号化バージョンと、動的データのセットとを含み、冗長領域を含む2Dバーコードを生成することと、少なくとも冗長領域の一部を動的データを記憶するように適応するように適応された動的領域として割り当てることと、静的インクを用いて2Dバーコードを印刷し、動的データのセットが複数の状態のいずれかにあるように、少なくとも1つの環境の変化に応じて状態を変化させる動的インクを用いて動的領域に動的データを印刷することと、を含む。動的データのセットが複数の状態の1つにあるときに、動的データのセットは2Dバーコードの読み取り装置により読み出され得、静的データのセットは2Dバーコードの読み取り装置により読み出され得る。
【0149】
前述の態様と組み合わせて使用することができる本開示の別の例示的な態様によれば、動的インクは、温度、時間、放射線、光および毒性化学物質の少なくとも1つを含む環境要因に応答する。
【0150】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的インクは時間および温度に応答する。
【0151】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的インクは凍結に反応する。
【0152】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的インクは、環境要因に応じて永続的に変化する。
【0153】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して、第1の状態から第2の状態へ移行し、特定の環境要因がもはや発生していないときには第1の状態に戻る。
【0154】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、冗長スペースは、少なくとも1つの未使用ビット、パディング領域およびエラー検出および訂正領域を含む。
【0155】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、冗長スペースは、フォーマット情報領域、バージョン情報領域、バージョン情報領域および参照データ領域のうちの少なくとも1つを含む。
【0156】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、非特権的な読み取り装置は、2Dバーコードの静的データを読み取れ、動的データを読み取れない。
【0157】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、特権的な読み取り装置のみが静的データを読み取れ、動的データを読み取れない。
【0158】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、2Dバーコードを提供する方法を実行する装置は、静的データのセットを決定することと、動的データのセットを決定することと、第1の2Dバーコードを生成することと、第2の2Dバーコードを生成することと、第1のバーコードと第2のバーコードとを比較して、情報モジュールを第1のグループと第2のグループとに分類することと、2Dバーコートを静的インクおよび動的インクで印刷することとを含む。第1の状態における静的データのセットおよび動的データのセットは、第1の複数の情報モジュールおよび第2の複数の情報モジュールを含む。第2の2Dバーコードは、第2の状態の静的データのセットの符号化バージョンおよび動的データのセットを含む。第2の状態における静的データのセットおよび動的データのセットは、第3の複数の情報モジュールおよび第4の複数の情報モジュールを含む。第3の複数の情報モジュールは、第1の複数の情報モジュールの全てと、1つ以上の情報モジュールのセットとを含む。第2の複数の情報モジュールは、全ての第4の複数の情報モジュールと、1つ以上の情報モジュールのセットとを含む。第1のグループは、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュールと第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールとの間に共通な情報モジュールを含む。第2のグループは、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールの固有情報モジュールを含む。第1のグループは静的インクで印刷され、第2のグループは動的インクで印刷される。動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して活性化するように適合される。
【0159】
上記の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の複数の情報モジュールおよび第3の複数の情報モジュールは黒色である
【0160】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の複数の情報モジュールおよび第3の複数の情報モジュールは、印刷面、第3の複数の情報モジュールおよび第4の複数の情報モジュールと、光学的に識別可能に適応される。
【0161】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、装置は、2Dバーコードを提供する方法を実行することができ、静的データのセットを決定することと、動的データのセットを決定することと、第2の2Dバーコードを生成することと、第2の2Dバーコードを生成することと、比較することと、前記第1の2Dバーコードと前記第2の2Dバーコードとを分類することと、前記情報モジュールを第1のグループに分類することと、第2のグループおよび第3のグループのうちの少なくとも1つのグループを選択することと、第1の動的インクと、第2の動的インクとを含み、動的データのセットは、第1の状態および第2の状態を有する。第1の2Dバーコードは、第1の状態の静的データのセットの符号化バージョンおよび動的データのセットを含む。第1の状態における静的データのセットおよび動的データのセットは、第1の複数の情報モジュールおよび第2の複数の情報モジュールを含む。第2の2Dバーコードは、第2の状態の静的データのセットの符号化バージョンおよび動的データのセットを含む。第2の状態における静的データのセットおよび動的データのセットは、第3の複数の情報モジュールおよび第4の複数の情報モジュールを含む。第1のグループは、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュールと第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールとの間の共通情報モジュールを含む。第2のグループは、第2の2Dバーコードの第3の複数の情報モジュールの固有情報モジュールを含み、第3のグループは、第1の2Dバーコードの第1の複数の情報モジュールの固有情報モジュールを含む。第1のグループは静的インクで印刷され、第2のグループは第1の動的インクで印刷され、第3のグループは第2の動的インクで印刷される。第1の動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して不活性化するように適合され、第2の動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して活性化するように適合される。
【0162】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の動的インクおよび第2の動的インクは温度、時間、放射線、光、および毒性化学物質に応答する。
【0163】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の動的インクおよび第2の動的インクは、時間および温度に応答する。
【0164】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の動的インクおよび第2の動的インクは凍結に反応する。
【0165】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、第1の動的インクと第2の動的インクとは同時に活性化される。
【0166】
上記の態様の任意の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、装置は、2Dバーコードを提供する方法を実行することができ、動的データのセットが第1の状態または第2の状態にあるように、2Dバーコードが読み出し装置により読み出し可能で、動的データのセットが2Dバーコードが読み取り装置により読み出し可能で第1の状態にあり、第2の状態にある動的データを生成するように、誤り検出および訂正データが、動的領域内の動的データのセットに中の変化に適応するように、静的データのセットと、第1の状態および第2の状態を有する1組の動的データを含むペイロードデータのセットを決定することと、静的インクを用いて2Dバーコードを印刷し、動的データの符号化バージョンを、少なくとも1つの環境変化に応じて状態を変更させる動的インクを用いて動的領域に印刷することとを含む。
【0167】
上記の態様のいずれか1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的領域は、パディング領域に提供される。
【0168】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、動的領域はデータ領域の端部に提供される。
【0169】
上記の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、装置は、2Dバーコードを読み取る方法を実行することができ、この方法は、2Dバーコードに含まれる静的データのセットを走査することと、2Dバーコードに含まれる動的データのセットを走査し、1組の静的データの第1の出力を生成することと、動的データセットの第2の出力を生成することとを含む。2Dバーコードは静的インクおよび動的インクで印刷され、静的データのセットの符号化バージョンは静的インクで印刷される。一組の動的データの符号化バージョンは、動的データが複数の状態のうちの1つにあるように、少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる動的インクに印刷される。動的データのセットは、2Dバーコード上の冗長なスペースに印刷される。第2の出力は、動的データがどの状態にあるかを示す。
【0170】
前述の態様の1つ以上と組み合わせて使用され得る本開示の別の例示的な態様によれば、装置は、2次元(2D)を読み取る方法を実行でき、この方法は、前記2Dバーコードに含まれる動的データをセットすることと、静的データのセットおよび動的データのセットに基づいて出力を生成することとを含む。2Dバーコードは、静的インクおよび動的インクを含む。静的データセットの符号化バージョンが静的インクで印刷される。動的データのセットの符号化バージョンが、動的インクが複数の状態のうちの1つにあるように、少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる動的インクで印刷される。動的データセットは動的領域に印刷される。動的データのセットが複数の状態の第1の状態にあるとき出力は第1の出力であり、動的データのセットが複数の状態の第2の状態にあるとき出力は第2の出力である。
【0171】
本明細書に記載された例示的な実施形態に対する様々な変更および改変は、当業者には明らかであろうと理解されるべきである。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつ意図された利点を損なうことなく行うことができる。従って、そのような変更および修正は添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図される。また、従属請求項の特徴は、独立請求項の各々のシステム、方法、および装置において具体化されてもよいことを理解されたい。
【0172】
本明細書に記載された本発明の多くの変更および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面の教示の恩恵を受けると、これらの発明が関係する当業者には思い浮かぶであろう。従って、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、修正および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることが理解される。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。
【0173】
(付記)
(付記1)
基板と、
前記基板上に設けられた2次元誤り訂正バーコードシンボルであって、複数のモジュールをさらに備え、前記複数のモジュールは、選択的に正方形、長方形または円形であり、それぞれのモジュールは、第1の色の状態または第2の色の状態をとる、2次元誤り訂正バーコードシンボルと、
前記基板上に、永久的な色の状態で設けられた第1の層と、
選択的に前記第1の層を重ね印刷することにより、前記基板上に、センサ色素モジュールパターンで設けられた第2の層であって、前記センサ色素モジュールパターンはセンサディジタル情報を含み、前記第2の層は、環境的条件、物理的条件または生物的条件の発生に応答して、前記センサ色素の色の状態を変化させる化学的または物理的な状態変化を受けることにより、前記複数のモジュールのサブセットの色の状態を変化させるように構成された、化学作用を有するセンサ色素をさらに備える、第2の層と、を備える、
センサ付2次元バーコード。
【0174】
(付記2)
前記環境的条件は、時間、温度、時間温度積、光、湿度、ガス蒸気(gas vapor)および核放射線からなるグループから選択され、
前記センサ色素は、好ましくは、前記環境的条件が閾値を通るときに永久に色の状態を変化させる、
付記1に記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0175】
(付記3)
前記第1の層は、2次元バーコードの記号論内の可読バーコードシンボルを形成する、
付記1または2に記載のセンサ付2次元バーコード。
【0176】
(付記4)
2次元誤り訂正バーコードシンボルは、データマトリックス(登録商標)、QRコード(登録商標)、アズテックコード、マキシコード、PDF417およびドットコードからなる記号論のグループからのものである、
付記1~3のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0177】
(付記5)
2次元誤り訂正バーコードシンボルは、リードソロモン誤り訂正を利用する、
付記1~3のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0178】
(付記6)
前記センサ色素は、活性化されていないときには、最初は、黒色、白色または透明の色状態であり、活性化されたときには異なる色状態に変化する、
付記1~5のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0179】
(付記7)
感知された特性の特定された状態が、閾値を上回るか下回るとき、前記センサ色素が色状態を永久に変化させる、
付記6に記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0180】
(付記8)
感知された特性の特定された状態は、好ましくは、比色免疫測定法を利用することによって生物的な有機体、生物的作用物質または生物学的毒素の存在の検出である、
付記1~7のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0181】
(付記9)
前記第2の層はセンサディジタル情報を提供し、
前記センサディジタル情報は、好ましくは2次元シンボルの不変ビットマップで符号化され、
より好ましくはバイナリ符号化されたセンサデータとして符号化され、
より好ましくは、前記バイナリ符号化されたセンサデータは、ハミング符号(Humming Codes)、BCH符号(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem Codes)、ゴレイ符号(Codes)、シンプレックス符号(Simplex Codes)、リードミュラー符号(Reed-Muller Codes)、ファイア符号(Fire Codes)、畳み込み符号(Convolutional Codes)、およびリードソロモン符号(Reed-Solomon Codes)からなるグループから選択される、
付記1~8のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0182】
(付記10)
前記センサ色素モジュールパターンに符号化された前記センサディジタル情報が、光学的パターンまたは画像である、
付記1~9のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル。
【0183】
(付記11)
医薬品、生物学的製品または食品、好ましくはワクチン、
医薬品、生物学的製品または食品を保持する容器、好ましくはワクチン瓶、および、
前記容器上または内部、好ましくは前記容器の外面に設けられた付記1~10のいずれか1つに記載のセンサ付2次元バーコードシンボル、を備える、
製品。
【0184】
(付記12)
センサ付2次元バーコードシンボルの読み取り方法であって、
前記センサ付2次元バーコードシンボルの画像を走査し、選択的に処理して、前記センサ付2次元バーコードシンボルの走査されたモジュールからの走査バイナリビットマップを構築することと、
前記走査バイナリビットマップからシンボル符号語シーケンスを構築することと、
好ましくはリードソロモン符号であるシンボル符号語シーケンスに基づく誤り訂正プロセスを好ましくは利用することによって、前記シンボル符号語シーケンスから基礎となるデータ符号語を復元することと、
前記基礎となるデータ符号語を処理して前記基礎となるシンボル符号語シーケンスを形成することと、
前記走査バイナリビットマップからの前記基礎となるシンボル符号語シーケンスから、好ましくは、前記走査バイナリビットマップとサイズが等しい基礎となるバイナリビットマップを構築することと、
前記走査バイナリビットマップと、前記基礎となるバイナリビットマップとの排他的論理和演算(exclusive-OR)を各ビット位置で実行してセンサディジタル情報ビットマップを形成することと、
選択的に、前記センサディジタル情報ビットマップを処理して、バイナリ符号化センサデータを組み込むバイナリ情報シーケンスを、好ましくは当該バイナリ情報シーケンスを誤り訂正符号シーケンスとして処理することにより復元し、誤り訂正プロセスを利用してバイナリ符号化センサデータを復元することと、
を備え、
誤り訂正符号は、好ましくは、ハミング符号(Humming Codes)、BCH符号(Bose-Chaudhuri Hocquenghem Codes)、ゴレイ符号(Golay Codes)、シンプレクス符号(Simplex Codes)、リードミュラー符号(Reed-Muller Codes)、ファイア符号(Fire Codes)、畳み込み符号(Convolutional Codes)およびリードソロモン符号(Reed-Solomon Codes)からなるグループから選択される、
方法。
【0185】
(付記13)
前記センサディジタル情報ビットマップを処理してセンサ色素パッチを識別し、センサ色素パッチの色状態から、前記センサ色素の活性化が環境条件に応答して生じたか否かを決定することをさらに備える、
付記12に記載の方法。
【0186】
(付記14)
前記センサ色素パッチは、データマトリックス(登録商標)バーコードシンボルの不変領域に位置する、
付記12に記載の方法。
【0187】
(付記15)
前記センサディジタル情報ビットマップから光学的なパターンまたは画像を復元すること、
をさらに含む付記12に記載の方法。
【0188】
(付記16)
2次元(2D)バーコードを提供する方法であって、
静的データのセットおよび動的データのセットを含むペイロードデータのセットを決定することと、
前記静的データのセットの符号化バージョンを含み、冗長スペースを含む2Dバーコードを生成することと、
前記冗長スペースの少なくとも一部を、前記動的データのセットを格納するように適合された動的領域として指定することと、
前記動的データのセットが複数の状態の1つにあるように、静的インクを使用して前記2Dバーコードを、少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる動的インクを使用して前記動的領域上の前記動的データのセットの符号化バージョンを印刷することと、
を備え、
前記動的データのセットが前記複数の状態の1つにある場合に、前記動的データのセットは前記2Dバーコードの読み取り装置によって読み取り可能であり、前記静的データのセットは、前記2Dバーコードの前記読み取り装置によって読み取り可能である、
方法。
【0189】
(付記17)
前記動的インクが、温度、時間、放射線、光および毒性化学物質の少なくとも1つを含む環境要因に応答する、
付記16に記載の方法。
【0190】
(付記18)
前記動的インクが、時間および温度に応答する、
付記16または17に記載の方法。
【0191】
(付記19)
前記動的インクが凍結に応答する、
付記16~18のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
(付記20)
前記動的インクは、環境要因に応答して永久的に変化する、
付記16~19のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
(付記21)
前記動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して第1の状態から第2の状態に移行し、前記特定の環境要因がもはや発生していないときに前記第1の状態に戻る、
付記16~19のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
(付記22)
前記冗長スペースは、複数の未使用ビット、パディング領域、エラー検出および訂正領域のうちの少なくとも1つを含む、
付記16~21のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
(付記23)
前記冗長スペースは、フォーマット情報領域、バージョン情報領域および参照データ領域のうちの少なくとも1つを含む、
付記16~22のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
(付記24)
非特権的な読み取り装置は、前記2Dバーコードの前記静的データを読み取ることができ、前記動的データを読み取ることができない、
付記16~23のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
(付記25)
特権的な読み取り装置だけが、前記2Dバーコードの前記静的データおよび前記動的データを読み取ることができる、
付記16~23のいずれか1つに記載の方法。
【0198】
(付記26)
2次元(2D)バーコードを提供する方法であって、
静的データのセットを決定することと、
第1の状態および第2の状態を有する動的データのセットを決定することと、
第1の複数の情報モジュールを含む前記静的データのセットおよび第2の複数の情報モジュールを含む前記第1の状態の前記動的データのセットの符号化バージョンを含む第1の2Dバーコードを生成することと、
前記静的データのセットおよび前記第2の状態の前記動的データのセットの符号化バージョンを含む第2の2Dバーコードと生成することであって、前記静的データのセットおよび前記第2の状態の前記動的データのセットは、第3の複数の情報モジュールおよび第4の複数の情報モジュールを含み、前記第3の複数の情報モジュールは、前記第1の複数の情報モジュールの全てと、1つ以上の情報モジュールのセットとを含み、前記第2の複数の情報モジュールは、前記第4の複数の情報モジュールの全てと、1つ以上の情報モジュールのセットとを含む、当該生成することと、
前記第1の2Dバーコードと、前記第2の2Dバーコードとを比較し、前記情報モジュールを第1のグループおよび第2のグループに分類することであって、前記第1のグループは、前記第1の2Dバーコードの前記第1の複数の情報モジュールと前記第2の2Dバーコードの前記第3の複数の情報モジュールとの間に共通の情報モジュールを含み、前記第2のグループは、前記第2の2Dバーコードの前記第3の複数の情報モジュールの共通でない情報モジュールを含む、当該比較および分類することと、
静的インクおよび動的インクを使用して前記2Dバーコードを印刷することであって、前記第1のグループは前記静的インクで印刷され、前記第2のグループは前記動的インクで印刷され、前記動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して活性化されるように適合される、当該印刷することと、
を備える方法。
【0199】
(付記27)
前記第1の複数の情報モジュールおよび前記第3の複数の情報モジュールは黒色のモジュールであり、前記第2の複数の情報モジュールおよび前記第4の複数の情報モジュールは白色のモジュールである、
付記26に記載の方法。
【0200】
(付記28)
前記第1の複数の情報モジュールおよび前記第3の複数の情報モジュールは、印刷面から光学的に区別可能であるように適合され、前記第3の複数の情報モジュールおよび前記第4の複数の情報モジュールは、前記印刷面から光学的に区別できないように適合される、
付記26に記載の方法。
【0201】
(付記29)
2次元(2D)バーコードを提供する方法であって、
静的データのセットを決定することと、
第1の状態および第2の状態を有する動的データのセットを決定することと、
第1の複数の情報モジュールを含む前記静的データのセットおよび第2の複数の情報モジュールを含む前記第1の状態の前記動的データのセットの符号化バージョンを含む第1の2Dバーコードを生成することと、
第3の複数の情報モジュールを含む前記静的データのセットおよび第4の複数の情報モジュールを含む前記第2の状態の前記動的データのセットを含む第2の2Dバーコードを生成することと、
前記第1の2Dバーコードと前記第2の2Dバーコードとを比較し、前記情報モジュールを第1のグループ、第2のグループおよび第3のグループに分類することであって、前記第1のグループは、前記第1の2Dバーコードの前記第1の複数の情報モジュールと前記第2の2Dバーコードの前記第3の複数の情報モジュールとの間に共通の情報モジュールを含み、前記第2のグループは、前記第1の2Dバーコードの前記第1の複数の情報モジュールの共通でない情報モジュールを含み、前記第3のグループは、前記第2の2Dバーコードの前記第3の複数の情報モジュールの共通でない情報モジュールを含む、当該比較および分類することと、
静的インク、第1の動的インク、および第2の動的インクを使用して前記2次元バーコードを印刷することであって、前記第1のグループは前記静的インクで印刷されており、前記第2のグループは、前記第1の動的インクで印刷されており、前記第1の動的インクは、特定の環境要因の発生に応答して活性化するように適合され、前記第3のグループは第2の動的インクで印刷され、前記第2の動的インクは前記特定環境要因の発生に応答して活性化するように適合される、当該印刷することと、
を備える方法。
【0202】
(付記30)
前記第1の動的インクおよび前記第2の動的インクは、温度、時間、放射線、光および毒性化学物質の少なくとも1つを含む環境要因に応答する、
付記29に記載の方法。
【0203】
(付記31)
前記第1の動的インクおよび前記第2の動的インクは、時間および温度に応答する、
付記29または30に記載の方法。
【0204】
(付記32)
前記第1の動的インクおよび前記第2の動的インクが凍結に応答する、
付記29~31のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
(付記33)
前記第1の動的インクおよび前記第2の動的インクが同時に活性化する、
付記29~32のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
(付記34)
2次元(2D)バーコードを提供する方法であって、
静的データのセットおよび第1の状態および第2の状態を有する動的データのセットを含むペイロードデータのセットを決定することと、
前記静的データのセットの符号化バージョン、前記動的データセットの符号化バージョンを格納するように適合された動的領域と、エラー検出および訂正データとを含む前記2Dバーコードを生成することと、
前記第1の状態および前記第2の状態の1つにあるように、前記エラー検出および訂正データは、前記2Dバーコードが読み取り装置によって読み取られるように前記動的領域内の前記動的データの前記セットの変化に対応し、前記動的データのセットが前記第1の状態にあり、前記2Dバーコードが読み取り装置によって読み取り可能であり、前記動的データのセットが前記第2の状態にあるときに第2の出力を生成するとき、第1の出力を生成するように、静的インクを使用して前記2Dバーコードを、少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる動的インクを使用して、前記動的領域上の前記動的データの符号化されたセットを印刷することであって、前記エラー検出および訂正データは、前記2Dバーコードが読み取り装置によって読み取られるように前記動的領域内の前記動的データの前記セットの変化に対応し、前記動的データのセットが前記第1の状態にあり、前記2Dバーコードが読み取り装置によって読み取り可能であり、前記動的データのセットが前記第2の状態にあるときに第2の出力を生成するとき、第1の出力を生成する、当該印刷することと、
を備える方法。
【0207】
(付記35)
前記動的領域は、パディング領域に設けられる、
付記34に記載の方法。
【0208】
(付記36)
前記動的領域は、データ領域の端部に設けられる、
付記34に記載の方法。
【0209】
(付記37)
2Dバーコードを読み取る方法であって、
前記2Dバーコードに含まれる静的データのセットを走査することであって、前記2Dバーコードは静的インクと動的インクで印刷されており、前記静的データのセットの符号化バージョンが前記静的インクで印刷されている、当該走査することと、
前記2Dバーコードに含まれる動的データのセットを走査することであって、前記動的データが複数の状態の1つにあるように、前記動的データのセットの符号化バージョンが少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる前記動的インクに印刷されており、前記動的データのセットは、前記2Dバーコード上の冗長スペースに印刷されている、当該走査することと、
前記静的データのセットの第1の出力を生成することと、
前記動的データが前記複数の状態のどの状態にあるかを示す、前記動的データのセットの第2の出力を生成することと、
を備える方法。
【0210】
(付記38)
2Dバーコードを読み取る方法であって、
前記2Dバーコードに含まれる静的データのセットを走査することであって、前記2Dバーコードは静的インクと動的インクで印刷されており、前記静的データのセットの符号化バージョンが前記静的インクで印刷されている、当該走査することと、
前記2Dバーコードに含まれる動的データのセットを走査することであって、前記動的データが複数の状態の1つにあるように、前記動的データのセットの符号化バージョンが少なくとも1つの環境変化に応答して状態を変化させる前記動的インクに印刷されており、前記動的データのセットは動的領域に印刷されている、当該走査することと、
前記静的データのセットおよび前記動的データのセットに基づく出力を生成することであって、前記動的データのセットが前記複数の状態の第1の状態にあるとき出力は第1の出力であり、前記動的データのセットが複数の状態の第2の状態にあるとき出力は第2の出力である、当該生成することと、
を備える方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図26
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図29
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図31