(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145639
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】画像デコード方法、及びその装置
(51)【国際特許分類】
H04N 19/70 20140101AFI20231003BHJP
H04N 19/186 20140101ALI20231003BHJP
H04N 19/124 20140101ALI20231003BHJP
【FI】
H04N19/70
H04N19/186
H04N19/124
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023124023
(22)【出願日】2023-07-31
(62)【分割の表示】P 2021573158の分割
【原出願日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/860,233
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】パルリ,シータル
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンファン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジエ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デコード装置によって実行される画像デコード方法を提供する。
【解決手段】画像デコード方法は、再構成された画像に関連するクロマタイプを決定することと、値が0以外であるクロマタイプに基づいて、コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを取得するステップと、量子化パラメータデータを取得するステップと、を含む。量子化パラメータデータは、シンタックスエレメントと、を含み、クロマ量子化パラメータマッピングテーブルは、量子化パラメータデータに基づいて導出され、コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータは、クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の輝度成分の量子化パラメータに対応する量子化パラメータに基づいて導出される。値が0であるクロマタイプは、モノクロフォーマットを示し、値が0以外であるクロマタイプはモノクロ以外のクロマフォーマットを示す。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復号装置によって行われる画像復号方法であって、
画像情報を取得することと、
前記画像情報に基づいて、コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータを導出することと、
コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータに基づいて、残余サンプルを導出すること、
前記残余サンプルに基づいて、再構成された画像を生成することと、を含み、
前記画像情報を取得することは、
前記再構成された画像に関連するクロマタイプを決定することと、
値が0以外である前記クロマタイプに基づいて、コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを取得することと、
前記フラグに基づいて、コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータデータを取得することと、を含み、
前記量子化パラメータデータは、クロマ量子化パラメータマッピングテーブルの開始量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、を含み、
前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブルは、前記量子化パラメータデータに基づいて導出され、
コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータは、前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の輝度成分の量子化パラメータに対応する量子化パラメータに基づいて導出され、
値が0である前記クロマタイプは、モノクロフォーマットを示し、値が0以外である前記クロマタイプはモノクロ以外のクロマフォーマットを示す、画像復号方法。
【請求項2】
符号化装置によって行われる画像符号化方法であって、
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータに基づいて、残余サンプルを導出することと、
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータを含む画像情報を符号化することと、
画像情報を含むビットストリームを生成することと、を含み、
前記画像情報を符号化することは、
再構成された画像に関連するクロマタイプを決定することと、
値が0以外であるクロマタイプに基づいて、コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータデータを生成することと、
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを生成することと、
前記量子化パラメータデータおよび前記フラグを含む画像情報を符号化することと、を含み、
前記量子化パラメータデータは、クロマ量子化パラメータマッピングテーブルの開始量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、を含み、
前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブルは、前記量子化パラメータデータに基づいて導出され、
コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータは、前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の輝度成分の量子化パラメータに対応する量子化パラメータに基づいて導出され、
値が0である前記クロマタイプは、モノクロフォーマットを示し、値が0以外である前記クロマタイプはモノクロ以外のクロマフォーマットを示す、画像符号化方法。
【請求項3】
画像データの送信方法であって、
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータと、フラグと、を含む画像情報のビットストリームを取得することと、
前記量子化パラメータデータと、前記フラグと、を含む前記画像情報のビットストリームを含むデータを送信することと、を含み、
フラグは、コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示し、
前記量子化パラメータデータは、クロマ量子化パラメータマッピングテーブルの開始量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の量子化パラメータに関するシンタックスエレメントと、を含み、
前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブルは、前記量子化パラメータデータに基づいて導出され、
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータは、前記クロマ量子化パラメータマッピングテーブル内の輝度成分の量子化パラメータに対応する量子化パラメータに基づいて導出され、
値が0であるクロマタイプは、モノクロフォーマットを示し、値が0以外である前記クロマタイプはモノクロ以外のクロマフォーマットを示す、画像データの送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は、画像コーディング技術に関し、より詳細には、画像コーディングシステムに
おいてハイレベルシンタックスを介してシグナリングされたクロマ量子化パラメータデー
タに基づいて画像情報をコーディングする画像デコード方法、及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、HD(High Definition)画像及びUHD(Ultra Hig
h Definition)画像のような高解像度、高品質の画像に対する需要が様々な
分野で増加している。画像データが高解像度、高品質になるほど、既存の画像データに比
べて相対的に送信される情報量またはビット量が増加するため、既存の有無線広帯域回線
のような媒体を利用して画像データを送信し、または既存の格納媒体を利用して画像デー
タを格納する場合、送信費用と格納費用が増加される。
【0003】
それによって、高解像度、高品質画像の情報を効果的に送信または格納し、再生するた
めに、高効率の画像圧縮技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本文書の技術的課題は、画像コーディング効率を上げる方法及び装置を提供することに
ある。
【0005】
本文書の他の技術的課題は、クロマ成分に対する量子化パラメータ導出に対するデータ
コーディングの効率を上げる方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本文書の一実施形態に係ると、デコード装置によって実行される画像デコード方法が提
供される。前記方法は、画像情報を取得するステップ、及び前記画像情報に基づいて、復
元ピクチャを生成するステップを含むことを特徴とする。
【0007】
本文書の別の一実施形態に係ると、画像デコードを実行するデコード装置が提供される
。前記デコード装置は、画像情報を取得するエントロピーデコード部、及び前記画像情報
に基づいて復元ピクチャを生成するレジデュアル処理部を含むことを特徴とする。
【0008】
本文書のまた別の一実施形態に係ると、エンコード装置によって実行されるビデオエン
コード方法を提供する。前記方法は、画像情報をエンコードするステップ、及び前記画像
情報を含むビットストリームを生成するステップを含むことを特徴とする。
【0009】
本文書のまた別の一実施形態に係ると、ビデオエンコード装置を提供する。前記エンコ
ード装置は画像情報をエンコードし、前記画像情報を含むビットストリームを生成するエ
ントロピーエンコード部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本文書にかかると、クロマ成分に対する量子化パラメータの導出のための量子化パラメ
ータデータの送信可否を示すフラグに基づいて、量子化パラメータの導出のための量子化
パラメータテーブルを決定することができ、画像の特性による量子化パラメータに基づい
てコーディングを実行し、コーディング効率を向上させることができる。
【0011】
本文書にかかると、シグナリングされるクロマ量子化データに基づいて、クロマ成分に
対する量子化パラメータテーブルを決定することができ、画像の特性による量子化パラメ
ータに基づいてコーディングを実行し、コーディング効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像コーディングシステムの例を概略的に示す。
【
図2】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像エンコード装置の構成を概略的に説明する図である。
【
図3】本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像デコード装置の構成を概略的に説明する図である。
【
図4】イントラ予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【
図5】イントラ予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【
図7】インター予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【
図8】インター予測基盤のビデオ/画像デコード方法の例を示す。
【
図10】本文書に係るエンコード装置による画像エンコード方法を概略的に示す。
【
図11】本文書に係る画像エンコード方法を行うエンコード装置を概略的に示す。
【
図12】本文書に係るデコード装置による画像デコード方法を概略的に示す。
【
図13】本文書に係る画像デコード方法を行うデコード装置を概略的に示す。
【
図14】本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本文書は、様々な変更を加えることができ、種々の実施形態を有することができ、特定
実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。しかしながら、これは、本文書を特
定実施形態に限定しようとするものではない。本明細書において常用する用語は、単に特
定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本文書の技術的思想を限定しよ
うとする意図で使用されるものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味
しない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」または「有する」などの用語
は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれら
を組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上
の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたもの
などの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0014】
一方、本文書において説明される図面上の各構成は、互いに異なる特徴的な機能に関す
る説明の都合上、独立的に図示されたものであって、各構成が互いに別個のハードウェア
や別個のソフトウェアで実現されるということを意味するものではない。例えば、各構成
のうち、2つ以上の構成が結合されて1つの構成をなすことができ、1つの構成を複数の
構成に分けることもできる。各構成が統合及び/又は分離された実施形態も本文書の本質
から逸脱しない限り、本文書の権利範囲に含まれる。
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本文書の好ましい実施形態をより詳細に説明する。以
下、図面上の同じ構成要素に対しては、同じ参照符号を使用し、同じ構成要素に対して重
なった説明は省略されることができる。
【0016】
図1は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像コーディングシステムの例を概
略的に示す。
【0017】
図1に示すように、ビデオ/画像コーディングシステムは、第1の装置(ソースデバイ
ス)及び第2の装置(受信デバイス)を含むことができる。ソースデバイスは、エンコー
ドされたビデオ(video)/画像(image)情報またはデータをファイルまたは
ストリーミング形態でデジタル格納媒体またはネットワークを介して受信デバイスに伝達
することができる。
【0018】
前記ソースデバイスは、ビデオソース、エンコード装置、送信部を備えることができる
。前記受信デバイスは、受信部、デコード装置、及びレンダラーを備えることができる。
前記エンコード装置は、ビデオ/画像エンコード装置と呼ばれることができ、前記デコー
ド装置は、ビデオ/画像デコード装置と呼ばれることができる。送信機は、エンコード装
置に含まれることができる。受信機は、デコード装置に含まれることができる。レンダラ
ーは、ディスプレイ部を備えることができ、ディスプレイ部は、別個のデバイスまたは外
部コンポーネントで構成されることもできる。
【0019】
ビデオソースは、ビデオ/画像のキャプチャ、合成、または生成過程などを介してビデ
オ/画像を取得することができる。ビデオソースは、ビデオ/画像キャプチャデバイス及
び/又はビデオ/画像生成デバイスを含むことができる。ビデオ/画像キャプチャデバイ
スは、例えば、1つ以上のカメラ、以前にキャプチャされたビデオ/画像を含むビデオ/
画像アーカイブなどを備えることができる。ビデオ/画像生成デバイスは、例えば、コン
ピュータ、タブレット、及びスマートフォンなどを備えることができ、(電子的に)ビデ
オ/画像を生成することができる。例えば、コンピュータなどを介して仮想のビデオ/画
像が生成されることができ、この場合、関連データが生成される過程にてビデオ/画像キ
ャプチャ過程が代替されることができる。
【0020】
エンコード装置は、入力ビデオ/画像をエンコードすることができる。エンコード装置
は、圧縮及びコーディング効率のために、予測、変換、量子化など、一連の手順を実行す
ることができる。エンコードされたデータ(エンコードされたビデオ/画像情報)は、ビ
ットストリーム(bitstream)形態で出力されることができる。
【0021】
送信部は、ビットストリーム形態で出力されたエンコードされたビデオ/画像情報また
はデータをファイルまたはストリーミング形態でデジタル格納媒体またはネットワークを
介して受信デバイスの受信部に伝達することができる。デジタル格納媒体は、USB、S
D、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、様々な格納媒体を含むことができ
る。送信部は、予め決められたファイルフォーマットを介してメディアファイルを生成す
るためのエレメントを含むことができ、放送/通信ネットワークを介しての送信のための
エレメントを含むことができる。受信部は、前記ビットストリームを受信/抽出してデコ
ード装置に伝達することができる。
【0022】
デコード装置は、エンコード装置の動作に対応する逆量子化、逆変換、予測など、一連
の手順を実行してビデオ/画像をデコードすることができる。
【0023】
レンダラーは、デコードされたビデオ/画像をレンダリングすることができる。レンダ
リングされたビデオ/画像は、ディスプレイ部を介してディスプレイされることができる
。
【0024】
この文書は、ビデオ/画像コーディングに関する。例えば、この文書において開示され
た方法/実施形態は、VVC(versatile video coding)標準、
EVC(essential video coding)標準、AV1(AOMedi
a Video 1)標準、AVS2(2nd generation of audi
o video coding standard)、または次世代ビデオ/画像コーデ
ィング標準(例えば、H.267またはH.268等)に開示される方法に適用されるこ
とができる。
【0025】
この文書では、ビデオ/画像コーディングに関する様々な実施形態を提示し、他の言及
がない限り、前記実施形態は、互いに組み合わせられて実行されることもできる。
【0026】
この文書においてビデオ(video)は、時間の流れによる一連の画像(image
)の集合を意味し得る。ピクチャ(picture)は、一般に特定の時間帯の1つの画
像を示す単位を意味し、サブピクチャ(subpicture)/スライス(slice
)/タイル(tile)はコーディングにおいてピクチャの一部を構成する単位である。
サブピクチャ/スライス/タイルは、1つ以上のCTU(coding tree un
it)を含んでもよい。1つのピクチャは1つ以上のサブピクチャ/スライス/タイルで
構成されてもよい。1つのピクチャは1つ以上のタイルのグループで構成されてもよい。
1つのタイルグループは1つ以上のタイルを含んでもよい。ブリックはピクチャ内のタイ
ル内のCTU行の長方形領域を示す(a brick may represent a
rectangular region of CTU rows within a
tile in a picture)。タイルは複数のブリックでパーティショニン
グされ、各ブリックは前記タイル内の1つ以上のCTU行で構成される(A tile
may be partitioned into multiple bricks,
each of which consisting of one or more
CTU rows within the tile)。複数のブリックによりパーテ
ィショニングされていないタイルもブリックと呼ばれてもよい(A tile that
is not partitioned into multiple bricks
may be also referred to as a brick)。ブリッ
クスキャンはピクチャをパーティショニングするCTUの特定の順次オーダリングを示し
、前記CTUはブリック内においてCTUラスタスキャンで整列され、タイル内のブリッ
クは前記タイルの前記ブリックのラスタスキャンで連続的に整列され、そして、ピクチャ
内のタイルは前記ピクチャの前記タイルのラスタスキャンで連続整列される(A bri
ck scan is a specific sequential orderin
g of CTUs partitioning a picture in whic
h the CTUs are ordered consecutively in
CTU raster scan in a brick, bricks withi
n a tile are ordered consecutively in a
raster scan of the bricks of the tile, a
nd tiles in a picture are ordered consec
utively in a raster scan of the tiles of
the picture)。また、サブピクチャはサブピクチャ内の1つ以上のスライ
スの長方形領域を示す(a subpicture may represent a
rectangular region of one or more slices
within a picture)。すなわち、サブピクチャはピクチャの長方形領
域を総括的にカバーする1つ以上のスライスを含む(a subpicture con
tains one or more slices that collective
ly cover a rectangular region of a pictu
re)。タイルは特定タイル列及び特定タイル列以内のCTUの長方形領域である(A
tile is a rectangular region of CTUs wit
hin a particular tile column and a parti
cular tile row in a picture)。前記タイル列はCTUの
長方形領域であり、前記長方形領域は前記ピクチャの高さと同じ高さを有し、幅はピクチ
ャパラメータセット内のシンタックス要素により明示される(The tile col
umn is a rectangular region of CTUs havi
ng a height equal to the height of the p
icture and a width specified by syntax e
lements in the picture parameter set)。前記
タイル行はCTUの長方形領域であり、前記長方形領域はピクチャパラメータセット内の
シンタックスエレメントにより明示される幅を有し、高さは前記ピクチャの高さと同一で
あり得る(The tile row is a rectangular regio
n of CTUs having a height specified by s
yntax elements in the picture parameter
set and a width equal to the width of th
e picture)。タイルスキャンはピクチャをパーティショニングするCTUの特
定の順次オーダリングを示し、前記CTUはタイル内のCTUラスタスキャンで連続整列
され、ピクチャ内のタイルは前記ピクチャの前記タイルのラスタスキャンで連続整列され
る(A tile scan is a specific sequential o
rdering of CTUs partitioning a picture i
n which the CTUs are ordered consecutive
ly in CTU raster scan in a tile whereas
tiles in a picture are ordered consecuti
vely in a raster scan of the tiles of th
e picture)。スライスはピクチャの整数個のブリックを含み、前記整数個のブ
リックは1つのNALユニットに含まれる(A slice includes an
integer number of bricks of a picture th
at maybe exclusively contained in a sing
le NAL unit)。スライスは複数の完全なタイルで構成され、または、1つの
タイルの完全なブリックの連続的なシーケンスであり得る(A slice may c
onsists of either a number of complete t
iles or only a consecutive sequence of c
omplete bricks of one tile)。この文書では、タイルグル
ープとスライスは混用されてもよい。例えば、本文書ではtile group/til
e group headerはslice/slice headerと呼ばれてもよ
い。
【0027】
ピクセル(pixel)またはペル(pel)は、1つのピクチャ(または、画像)を
構成する最小の単位を意味することができる。また、ピクセルに対応する用語として「サ
ンプル(sample)」が使用されることができる。サンプルは、一般的にピクセルま
たはピクセルの値を示すことができ、ルマ(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみ
を示すこともでき、クロマ(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこと
もできる。
【0028】
ユニット(unit)は、画像処理の基本単位を示すことができる。ユニットは、ピク
チャの特定領域及び当該領域に関連した情報のうち、少なくとも1つを含むことができる
。1つのユニットは、1つのルマブロック及び2つのクロマ(例えば、cb、cr)ブロ
ックを含むことができる。ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領
域(area)などの用語と混用して使用されることができる。一般的な場合、M×Nブ
ロックは、M個の列とN個の行からなるサンプル(または、サンプルアレイ)、または変
換係数(transform coefficient)の集合(または、アレイ)を含
むことができる。
【0029】
本明細書において「A又はB(A or B)」は「Aのみ」、「Bのみ」又は「Aと
Bの両方」を意味し得る。言い換えると、本明細書において、「A又はB(A or B
)」は「A及び/又はB(A and/or B)」と解され得る。例えば,本明細書に
おいて「A、B又はC(A,B or C)」は,「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」
又は「A、B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of
A,B and C)」を意味し得る。
【0030】
本明細書において使用されるスラッシュ(/)やコンマ(comma)は、「及び/又
は(and/or)」を意味し得る。例えば、「A/B」は「A及び/又はB」を意味し
得る。これにより、「A/B」は「Aのみ」、「Bのみ」、又は「AとBの両方」を意味
し得る。例えば、「A、B、C」は「A、B又はC」を意味し得る。
【0031】
本明細書において「少なくとも1つのA及びB(at least one of A
and B)」は、「Aのみ」、「Bのみ」又は「AとBの両方」を意味し得る。また
、本明細書において「少なくとも1つのA又はB(at least one of A
or B)」や「少なくとも1つのA及び/又はB(at least one of
A and/or B)」という表現は、「少なくとも1つのA及びB(at lea
st one of A and B)」と同様に解釈され得る。
【0032】
また、本明細書において「少なくとも1つのA、B及びC(at least one
of A, B and C)」は、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」又は「A、
B及びCの任意の全ての組み合わせ(any combination of A, B
and C)」を意味し得る。また、「少なくとも1つのA、B又はC(at lea
st one of A, B or C)」や「少なくとも1つのA、B及び/又はC
(at least one of A, B and/or C)」は「少なくとも1
つのA、B及びC(at least one of A, B and C)」を意味
し得る。
【0033】
また、本明細書において用いられる括弧は「例えば(for example)」を意
味し得る。具体的には、「予測(イントラ予測)」と表示されている場合、「予測」の一
例として「イントラ予測」が提案されているものであり得る。言い換えると、本明細書の
「予測」は「イントラ予測」に制限(limit)されず、「イントラ予測」が「予測」
の一例として提案されるものであり得る。また、「予測(すなわち、イントラ予測)」と
表示されている場合にも、「予測」の一例として、「イントラ予測」が提案されているも
のであり得る。
【0034】
本明細書において1つの図面内で個別に説明される技術的特徴は、個別に実現されても
よく、同時に実現されてもよい。
【0035】
以下の図面は,本明細書の具体的な一例を説明するために作成された。図面に記載され
た具体的な装置の名称や具体的な信号/メッセージ/フィールドの名称は例示的に提示す
るものであるので、本明細書の技術的特徴が以下の図面に用いられた具体的な名称に制限
されない。
【0036】
図2は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像エンコード装置の構成を概略的
に説明する図である。以下、ビデオエンコード装置とは、画像エンコード装置を含むこと
ができる。
【0037】
図2に示すように、エンコード装置200は、画像分割部(image partit
ioner)210、予測部(predictor)220、レジデュアル処理部(re
sidual processor)230、エントロピーエンコード部(entrop
y encoder)240、加算部(adder)250、フィルタリング部(fil
ter)260、及びメモリ(memory)270を備えて構成されることができる。
予測部220は、インター予測部221及びイントラ予測部222を備えることができる
。レジデュアル処理部230は、変換部(transformer)232、量子化部(
quantizer)233、逆量子化部(dequantizer)234、逆変換部
(inverse transformer)235を備えることができる。レジデュア
ル処理部230は、減算部(subtractor)231をさらに備えることができる
。加算部250は、復元部(reconstructor)または復元ブロック生成部(
recontructged block generator)と呼ばれることができ
る。前述した画像分割部210、予測部220、レジデュアル処理部230、エントロピ
ーエンコード部240、加算部250、及びフィルタリング部260は、実施形態によっ
て1つ以上のハードウェアコンポーネント(例えば、エンコーダチップセットまたはプロ
セッサ)により構成されることができる。また、メモリ270は、DPB(decode
d picture buffer)を含むことができ、デジタル格納媒体により構成さ
れることもできる。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ270を内/外部コンポ
ーネントとしてさらに備えることもできる。
【0038】
画像分割部210は、エンコード装置200に入力された入力画像(または、ピクチャ
、フレーム)を1つ以上の処理ユニット(processing unit)に分割する
ことができる。一例として、前記処理ユニットは、コーディングユニット(coding
unit、CU)と呼ばれることができる。この場合、コーディングユニットは、コー
ディングツリーユニット(coding tree unit、CTU)または最大コー
ディングユニット(largest coding unit、LCU)からQTBTT
T(Quad-tree binary-tree ternary-tree)構造に
よって再帰的に(recursively)分割されることができる。例えば、1つのコ
ーディングユニットは、クアッドツリー構造、バイナリツリー構造、及び/又はターナリ
構造に基づいて下位(deeper)デプスの複数のコーディングユニットに分割される
ことができる。この場合、例えば、クアッドツリー構造が先に適用され、バイナリツリー
構造及び/又はターナリ構造が後ほど適用されることができる。または、バイナリツリー
構造が先に適用されることもできる。それ以上分割されない最終コーディングユニットに
基づいて本文書に係るコーディング手順が実行されることができる。この場合、画像特性
に応じるコーディング効率などに基づいて、最大コーディングユニットが直ちに最終コー
ディングユニットとして使用されることができ、または、必要に応じてコーディングユニ
ットは、再帰的に(recursively)、より下位デプスのコーディングユニット
に分割されて、最適のサイズのコーディングユニットが最終コーディングユニットとして
使用されることができる。ここで、コーディング手順とは、後述する予測、変換、及び復
元などの手順を含むことができる。他の例として、前記処理ユニットは、予測ユニット(
PU:Prediction Unit)または変換ユニット(TU:Transfor
m Unit)をさらに備えることができる。この場合、前記予測ユニット及び前記変換
ユニットは、各々前述した最終コーディングユニットから分割またはパーティショニング
されることができる。前記予測ユニットは、サンプル予測の単位であり、前記変換ユニッ
トは、変換係数を誘導する単位及び/又は変換係数からレジデュアル信号(residu
al signal)を誘導する単位である。
【0039】
ユニットは、場合によって、ブロック(block)または領域(area)などの用
語と混用して使用されることができる。一般的な場合、M×Nブロックは、M個の列とN
個の行からなるサンプルまたは変換係数(transform coefficient
)の集合を示すことができる。サンプルは、一般的にピクセルまたはピクセルの値を示す
ことができ、輝度(luma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すことができ、彩度
(chroma)成分のピクセル/ピクセル値のみを示すこともできる。サンプルは、1
つのピクチャ(または、画像)をピクセル(pixel)またはペル(pel)に対応す
る用語として使用することができる。
【0040】
エンコード装置200は、入力画像信号(原本ブロック、原本サンプルアレイ)から、
インター予測部221またはイントラ予測部222から出力された予測信号(予測された
ブロック、予測サンプルアレイ)を減算してレジデュアル信号(residual si
gnal、残余ブロック、残余サンプルアレイ)を生成することができ、生成されたレジ
デュアル信号は、変換部232に送信される。この場合、図示されたように、エンコーダ
200内において入力画像信号(原本ブロック、原本サンプルアレイ)から予測信号(予
測ブロック、予測サンプルアレイ)を減算するユニットは、減算部231と呼ばれること
ができる。予測部は、処理対象ブロック(以下、現在ブロックという)に対する予測を実
行し、前記現在ブロックに対する予測サンプルを含む予測されたブロック(predic
ted block)を生成することができる。予測部は、現在ブロックまたはCU単位
でイントラ予測が適用されるか、またはインター予測が適用されるかを決定することがで
きる。予測部は、各予測モードについての説明で後述するように、予測モード情報など、
予測に関する様々な情報を生成してエントロピーエンコード部240に伝達することがで
きる。予測に関する情報は、エントロピーエンコード部240でエンコードされてビット
ストリーム形態で出力されることができる。
【0041】
イントラ予測部222は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測す
ることができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって前記現在ブロックの周
辺(neighbor)に位置することができ、または、離れて位置することもできる。
イントラ予測において予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードとを含
むことができる。非方向性モードは、例えば、DCモード及びプラナーモード(Plan
ar Mode)を含むことができる。方向性モードは、予測方向の細かい程度によって
、例えば、33個の方向性予測モードまたは65個の方向性予測モードを含むことができ
る。ただし、これは、例示に過ぎず、設定によってそれ以上またはそれ以下の個数の方向
性予測モードが使用されることができる。イントラ予測部222は、隣接ブロックに適用
された予測モードを用いて、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもでき
る。
【0042】
インター予測部221は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロッ
ク(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導
することができる。このとき、インター予測モードで送信される動き情報の量を減らすた
めに、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて動き情報をブロ
ック、サブブロック、またはサンプル単位で予測することができる。前記動き情報は、動
きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インタ
ー予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。インタ
ー予測の場合に、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(sp
atial neighboring block)と参照ピクチャに存在する時間的隣
接ブロック(temporal neighboring block)とを含むことが
できる。前記参照ブロックを含む参照ピクチャと前記時間的隣接ブロックを含む参照ピク
チャとは同じであってもよく、異なってもよい。前記時間的隣接ブロックは、同一位置参
照ブロック(collocated reference block)、同一位置CU
(colCU)などの名称で呼ばれることができ、前記時間的隣接ブロックを含む参照ピ
クチャは、同一位置ピクチャ(collocated picture、colPic)
と呼ばれることもできる。例えば、インター予測部221は、隣接ブロックに基づいて動
き情報候補リストを構成し、前記現在ブロックの動きベクトル及び/又は参照ピクチャイ
ンデックスを導出するためにどのような候補が使用されるかを指示する情報を生成するこ
とができる。様々な予測モードに基づいてインター予測が実行されることができ、例えば
、スキップモードとマージモードの場合に、インター予測部221は、隣接ブロックの動
き情報を現在ブロックの動き情報として利用することができる。スキップモードの場合、
マージモードとは異なってレジデュアル信号が送信されないことがある。動き情報予測(
motion vector prediction、MVP)モードの場合、隣接ブロ
ックの動きベクトルを動きベクトル予測子(Motion Vector Predic
tor)として利用し、動きベクトル差分(motion vector differ
ence)をシグナリングすることによって現在ブロックの動きベクトルを指示すること
ができる。
【0043】
予測部220は、後述する様々な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる
。例えば、予測部は、1つのブロックに対する予測のために、イントラ予測またはインタ
ー予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測とを同時に適用
することができる。これは、combined inter and intra pr
ediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対
する予測のために、イントラブロックコピー(intra block copy、IB
C)予測モードに基づくこともでき、または、パレットモード(palette mod
e)に基づくこともできる。前記IBC予測モードまたはパレットモードは、例えば、S
CC(screen content coding)などのように、ゲームなどのコン
テンツ画像/動画像コーディングのために使用されることができる。IBCは、基本的に
現在ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点におい
てインター予測と類似して実行されることができる。すなわち、IBCは、本文書におい
て説明されるインター予測技法のうち、少なくとも1つを利用することができる。パレッ
トモードは、イントラコーディングまたはイントラ予測の一例と見ることができる。パレ
ットモードが適用される場合、パレットテーブル及びパレットインデックスに関する情報
に基づいてピクチャ内のサンプル値をシグナリングすることができる。
【0044】
前記予測部(インター予測部221及び/又は前記イントラ予測部222を含む)を介
して生成された予測信号は、復元信号を生成するために用いられ、またはレジデュアル信
号を生成するために用いられることができる。変換部232は、レジデュアル信号に変換
技法を適用して変換係数(transform coefficients)を生成する
ことができる。例えば、変換技法は、DCT(Discrete Cosine Tra
nsform)、DST(Discrete Sine Transform)、KLT
(Karhunen-Loeve Transform)、GBT(Graph-Bas
ed Transform)、またはCNT(Conditionally Non-l
inear Transform)のうち、少なくとも1つを含むことができる。ここで
、GBTは、ピクセル間の関係情報をグラフで表現するとするとき、このグラフから得ら
れた変換を意味する。CNTは、以前に復元された全てのピクセル(all previ
ously reconstructed pixel)を用いて予測信号を生成し、そ
れに基づいて取得される変換を意味する。また、変換過程は、正方形の同じサイズを有す
るピクセルブロックに適用されることもでき、正方形でない、可変サイズのブロックにも
適用されることもできる。
【0045】
量子化部233は、変換係数を量子化してエントロピーエンコード部240に送信され
、エントロピーエンコード部240は、量子化された信号(量子化された変換係数に関す
る情報)をエンコードしてビットストリームとして出力することができる。前記量子化さ
れた変換係数に関する情報は、レジデュアル情報と呼ばれることができる。量子化部23
3は、係数スキャン順序(scan order)に基づいてブロック形態の量子化され
た変換係数を1次元ベクトル形態で再整列することができ、前記1次元ベクトル形態の量
子化された変換係数に基づいて前記量子化された変換係数に関する情報を生成することも
できる。エントロピーエンコード部240は、例えば、指数ゴロム(exponenti
al Golomb)、CAVLC(context-adaptive variab
le length coding)、CABAC(context-adaptive
binary arithmetic coding)などのような様々なエンコード
方法を実行することができる。エントロピーエンコード部240は、量子化された変換係
数の他に、ビデオ/イメージ復元に必要な情報(例えば、シンタックス要素(synta
x elements)の値等)を共に、または別にエンコードすることもできる。エン
コードされた情報(例えば、エンコードされたビデオ/画像情報)は、ビットストリーム
形態でNAL(network abstraction layer)ユニット単位で
送信または格納されることができる。前記ビデオ/画像情報は、アダプテーションパラメ
ータセット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセ
ット(SPS)、またはビデオパラメータセット(VPS)など、様々なパラメータセッ
トに関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/画像情報は、一般制限情
報(general constraint information)をさらに含むこ
とができる。本文書においてエンコード装置からデコード装置に伝達/シグナリングされ
る情報及び/又はシンタックス要素は、ビデオ/画像情報に含まれることができる。前記
ビデオ/画像情報は、前述したエンコード手順を介してエンコードされて前記ビットスト
リームに含まれることができる。前記ビットストリームは、ネットワークを介して送信さ
れることができ、またはデジタル格納媒体に格納されることができる。ここで、ネットワ
ークは、放送網及び/又は通信網などを含むことができ、デジタル格納媒体は、USB、
SD、CD、DVD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、様々な格納媒体を含むことがで
きる。エントロピーエンコード部240から出力された信号は、送信する送信部(図示せ
ず)及び/又は格納する格納部(図示せず)がエンコード装置200の内/外部エレメン
トとして構成されることができ、または送信部は、エントロピーエンコード部240に含
まれることもできる。
【0046】
量子化部233から出力された量子化された変換係数は、予測信号を生成するために用
いられることができる。例えば、量子化された変換係数に逆量子化部234及び逆変換部
235を介して逆量子化及び逆変換を適用することによってレジデュアル信号(レジデュ
アルブロックまたはレジデュアルサンプル)を復元することができる。加算部250は、
復元されたレジデュアル信号をインター予測部221またはイントラ予測部222から出
力された予測信号に加えることによって復元(reconstructed)信号(復元
ピクチャ、復元ブロック、復元サンプルアレイ)が生成され得る。スキップモードが適用
された場合のように、処理対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブ
ロックが復元ブロックとして使用されることができる。加算部250は、復元部または復
元ブロック生成部と呼ばれることができる。生成された復元信号は、現在ピクチャ内の次
の処理対象ブロックのイントラ予測のために使用されることができ、後述するように、フ
ィルタリングを経て次のピクチャのインター予測のために使用されることもできる。
【0047】
一方、ピクチャエンコード及び/又は復元過程でLMCS(luma mapping
with chroma scaling)が適用されることもできる。
【0048】
フィルタリング部260は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質
を向上させることができる。例えば、フィルタリング部260は、復元ピクチャに様々な
フィルタリング方法を適用して修正された(modified)復元ピクチャを生成する
ことができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ270、具体的に、メモリ270のD
PBに格納することができる。前記様々なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキン
グフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive of
fset)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両
方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。フィルタ
リング部260は、各フィルタリング方法についての説明で後述するように、フィルタリ
ングに関する様々な情報を生成してエントロピーエンコード部240に伝達することがで
きる。フィルタリングに関する情報は、エントロピーエンコード部240でエンコードさ
れてビットストリーム形態で出力されることができる。
【0049】
メモリ270に送信された修正された復元ピクチャは、インター予測部221で参照ピ
クチャとして使用されることができる。エンコード装置は、これを介してインター予測が
適用される場合、エンコード装置200とデコード装置300での予測ミスマッチを避け
ることができ、符号化効率も向上させることができる。
【0050】
メモリ270DPBは、修正された復元ピクチャをインター予測部221での参照ピク
チャとして使用するために格納することができる。メモリ270は、現在ピクチャ内の動
き情報が導出された(または、エンコードされた)ブロックの動き情報及び/又は既に復
元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き
情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用
するために、インター予測部221に伝達することができる。メモリ270は、現在ピク
チャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部22
2に伝達することができる。
【0051】
図3は、本文書の実施形態が適用され得るビデオ/画像デコード装置の構成を概略的に
説明する図である。
【0052】
図3に示すように、デコード装置300は、エントロピーデコード部(entropy
decoder)310、レジデュアル処理部(residual processo
r)320、予測部(predictor)330、加算部(adder)340、フィ
ルタリング部(filter)350、及びメモリ(memory)360を備えて構成
されることができる。予測部330は、インター予測部331及びイントラ予測部332
を備えることができる。レジデュアル処理部320は、逆量子化部(dequantiz
er)321及び逆変換部(inverse transformer)322を備える
ことができる。前述したエントロピーデコード部310、レジデュアル処理部320、予
測部330、加算部340、及びフィルタリング部350は、実施形態によって1つのハ
ードウェアコンポーネント(例えば、デコーダチップセットまたはプロセッサ)により構
成されることができる。また、メモリ360は、DPB(decoded pictur
e buffer)を備えることができ、デジタル格納媒体により構成されることもでき
る。前記ハードウェアコンポーネントは、メモリ360を内/外部コンポーネントとして
さらに備えることもできる。
【0053】
ビデオ/画像情報を含むビットストリームが入力されると、デコード装置300は、図
2のエンコード装置でビデオ/画像情報が処理されたプロセスに対応して画像を復元する
ことができる。例えば、デコード装置300は、前記ビットストリームから取得したブロ
ック分割関連情報に基づいてユニット/ブロックを導出できる。デコード装置300は、
エンコード装置で適用された処理ユニットを用いてデコードを実行することができる。し
たがって、デコードの処理ユニットは、例えば、コーディングユニットであり、コーディ
ングユニットは、コーディングツリーユニットまたは最大コーディングユニットからクア
ッドツリー構造、バイナリツリー構造、及び/又はターナリツリー構造にしたがって分割
されることができる。コーディングユニットから1つ以上の変換ユニットが導出されるこ
とができる。そして、デコード装置300を介してデコード及び出力された復元画像信号
は、再生装置を介して再生されることができる。
【0054】
デコード装置300は、
図2のエンコード装置から出力された信号をビットストリーム
形態で受信することができ、受信された信号は、エントロピーデコード部310を介して
デコードされることができる。例えば、エントロピーデコード部310は、前記ビットス
トリームをパーシングして画像復元(または、ピクチャ復元)に必要な情報(例えば、ビ
デオ/画像情報)を導出できる。前記ビデオ/画像情報は、アダプテーションパラメータ
セット(APS)、ピクチャパラメータセット(PPS)、シーケンスパラメータセット
(SPS)、またはビデオパラメータセット(VPS)など、様々なパラメータセットに
関する情報をさらに含むことができる。また、前記ビデオ/画像情報は、一般制限情報(
general constraint information)をさらに含むことが
できる。デコード装置は、前記パラメータセットに関する情報及び/又は前記一般制限情
報に基づいてさらにピクチャをデコードすることができる。本文書において後述されるシ
グナリング/受信される情報及び/又はシンタックス要素は、前記デコード手順を介して
デコードされて前記ビットストリームから取得されることができる。例えば、エントロピ
ーデコード部310は、指数ゴロム符号化、CAVLCまたはCABAC等のコーディン
グ方法を基にビットストリーム内の情報をデコードし、画像復元に必要なシンタックスエ
レメントの値、レジデュアルに関する変換係数の量子化された値などを出力することがで
きる。より詳細に、CABACエントロピーデコード方法は、ビットストリームで各構文
要素に該当するビンを受信し、デコード対象構文要素情報と周辺及びデコード対象ブロッ
クのデコード情報、または以前ステップでデコードされたシンボル/ビンの情報を利用し
て文脈(context)モデルを決定し、決定された文脈モデルによってビン(bin
)の発生確率を予測し、ビンの算術デコード(arithmetic decoding
)を実行して各構文要素の値に該当するシンボルを生成することができる。このとき、C
ABACエントロピーデコード方法は、文脈モデル決定後、次のシンボル/ビンの文脈モ
デルのためにデコードされたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルをアップデート
することができる。エントロピーデコード部310でデコードされた情報のうち、予測に
関する情報は、予測部(インター予測部332及びイントラ予測部331)に提供され、
エントロピーデコード部310でエントロピーデコードが実行されたレジデュアル値、す
なわち、量子化された変換係数及び関連パラメータ情報は、レジデュアル処理部320に
入力されることができる。レジデュアル処理部320は、レジデュアル信号(レジデュア
ルブロック、レジデュアルサンプル、レジデュアルサンプルアレイ)を導出できる。また
、エントロピーデコード部310でデコードされた情報のうち、フィルタリングに関する
情報は、フィルタリング部350に提供されることができる。一方、エンコード装置から
出力された信号を受信する受信部(図示せず)がデコード装置300の内/外部エレメン
トとしてさらに構成されることができ、または、受信部は、エントロピーデコード部31
0の構成要素である。一方、本文書に係るデコード装置は、ビデオ/画像/ピクチャデコ
ード装置と呼ばれることができ、前記デコード装置は、情報デコーダ(ビデオ/画像/ピ
クチャ情報デコーダ)及びサンプルデコーダ(ビデオ/画像/ピクチャサンプルデコーダ
)に区分することもできる。前記情報デコーダは、前記エントロピーデコード部310を
備えることができ、前記サンプルデコーダは、前記逆量子化部321、逆変換部322、
加算部340、フィルタリング部350、メモリ360、インター予測部332、及びイ
ントラ予測部331のうち、少なくとも1つを備えることができる。
【0055】
逆量子化部321では、量子化された変換係数を逆量子化して変換係数を出力すること
ができる。逆量子化部321は、量子化された変換係数を2次元のブロック形態で再整列
することができる。この場合、前記再整列は、エンコード装置で実行された係数スキャン
順序に基づいて再整列を実行することができる。逆量子化部321は、量子化パラメータ
(例えば、量子化ステップサイズ情報)を利用して量子化された変換係数に対する逆量子
化を実行し、変換係数(transform coefficient)を取得すること
ができる。
【0056】
逆変換部322では、変換係数を逆変換してレジデュアル信号(レジデュアルブロック
、レジデュアルサンプルアレイ)を取得するようになる。
【0057】
予測部は、現在ブロックに対する予測を実行し、前記現在ブロックに対する予測サンプ
ルを含む予測されたブロック(predicted block)を生成することができ
る。予測部は、エントロピーデコード部310から出力された前記予測に関する情報に基
づいて、前記現在ブロックにイントラ予測が適用されるか、またはインター予測が適用さ
れるかを決定することができ、具体的なイントラ/インター予測モードを決定することが
できる。
【0058】
予測部320は、後述する様々な予測方法に基づいて予測信号を生成することができる
。例えば、予測部は、1つのブロックに対する予測のために、イントラ予測またはインタ
ー予測を適用することができるだけでなく、イントラ予測とインター予測とを同時に適用
することができる。これは、combined inter and intra pr
ediction(CIIP)と呼ばれることができる。また、予測部は、ブロックに対
する予測のために、イントラブロックコピー(intra block copy、IB
C)予測モードに基づくこともでき、またはパレットモード(palette mode
)に基づくこともできる。前記IBC予測モードまたはパレットモードは、例えば、SC
C(screen content coding)などのように、ゲームなどのコンテ
ンツ画像/動画コーディングのために使用されることができる。IBCは、基本的に現在
ピクチャ内で予測を実行するが、現在ピクチャ内で参照ブロックを導出する点においてイ
ンター予測と類似して実行されることができる。すなわち、IBCは、本文書において説
明されるインター予測技法のうち、少なくとも1つを利用することができる。パレットモ
ードは、イントラコーディングまたはイントラ予測の一例と見ることができる。パレット
モードが適用される場合、パレットテーブル及びパレットインデックスに関する情報が前
記ビデオ/画像情報に含まれてシグナリングされることができる。
【0059】
イントラ予測部331は、現在ピクチャ内のサンプルを参照して現在ブロックを予測す
ることができる。前記参照されるサンプルは、予測モードによって前記現在ブロックの周
辺(neighbor)に位置することができ、または離れて位置することもできる。イ
ントラ予測において予測モードは、複数の非方向性モードと複数の方向性モードとを含む
ことができる。イントラ予測部331は、隣接ブロックに適用された予測モードを用いて
、現在ブロックに適用される予測モードを決定することもできる。
【0060】
インター予測部332は、参照ピクチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロッ
ク(参照サンプルアレイ)に基づいて、現在ブロックに対する予測されたブロックを誘導
することができる。このとき、インター予測モードから送信される動き情報の量を減らす
ために、隣接ブロックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて動き情報をブ
ロック、サブブロック、またはサンプル単位で予測することができる。前記動き情報は、
動きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、イン
ター予測方向(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。イン
ター予測の場合に、隣接ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的隣接ブロック(s
patial neighboring block)と参照ピクチャに存在する時間的
隣接ブロック(temporal neighboring block)とを含むこと
ができる。例えば、インター予測部332は、隣接ブロックに基づいて動き情報候補リス
トを構成し、受信した候補選択情報に基づいて前記現在ブロックの動きベクトル及び/又
は参照ピクチャインデックスを導出できる。様々な予測モードに基づいてインター予測が
実行されることができ、前記予測に関する情報は、前記現在ブロックに対するインター予
測のモードを指示する情報を含むことができる。
【0061】
加算部340は、取得されたレジデュアル信号を予測部(インター予測部332及び/
又はイントラ予測部331を含む)から出力された予測信号(予測されたブロック、予測
サンプルアレイ)に加えることにより復元信号(復元ピクチャ、復元ブロック、復元サン
プルアレイ)を生成することができる。スキップモードが適用された場合のように、処理
対象ブロックに対するレジデュアルがない場合、予測されたブロックが復元ブロックとし
て使用されることができる。
【0062】
加算部340は、復元部または復元ブロック生成部と呼ばれることができる。生成され
た復元信号は、現在ピクチャ内の次の処理対象ブロックのイントラ予測のために使用され
ることができ、後述するように、フィルタリングを経て出力されることができ、または次
のピクチャのインター予測のために使用されることもできる。
【0063】
一方、ピクチャデコード過程でLMCS(luma mapping with ch
roma scaling)が適用されることもできる。
【0064】
フィルタリング部350は、復元信号にフィルタリングを適用して主観的/客観的画質
を向上させることができる。例えば、フィルタリング部350は、復元ピクチャに様々な
フィルタリング方法を適用して修正された(modified)復元ピクチャを生成する
ことができ、前記修正された復元ピクチャをメモリ360、具体的に、メモリ360のD
PBに送信することができる。前記様々なフィルタリング方法は、例えば、デブロッキン
グフィルタリング、サンプル適応的オフセット(sample adaptive of
fset)、適応的ループフィルタ(adaptive loop filter)、両
方向フィルタ(bilateral filter)などを含むことができる。
【0065】
メモリ360のDPBに格納された(修正された)復元ピクチャは、インター予測部3
32で参照ピクチャとして使用されることができる。メモリ360は、現在ピクチャ内の
動き情報が導出された(または、デコードされた)ブロックの動き情報及び/又は既に復
元されたピクチャ内のブロックの動き情報を格納することができる。前記格納された動き
情報は、空間的隣接ブロックの動き情報または時間的隣接ブロックの動き情報として活用
するために、インター予測部260に伝達することができる。メモリ360は、現在ピク
チャ内の復元されたブロックの復元サンプルを格納することができ、イントラ予測部33
1に伝達することができる。
【0066】
本明細書において、エンコード装置200のフィルタリング部260、インター予測部
221、及びイントラ予測部222で説明された実施形態は、各々デコード装置300の
フィルタリング部350、インター予測部332、及びイントラ予測部331にも同一ま
たは対応するように適用されることができる。
【0067】
本文書において量子化/逆量子化及び/又は変換/逆変換のうち、少なくとも1つは省
略されることができる。前記量子化/逆量子化が省略される場合、前記量子化された変換
係数は、変換係数と呼ばれることができる。前記変換/逆変換が省略される場合、前記変
換係数は、係数またはレジデュアル係数と呼ばれることができ、または、表現の統一性の
ために、変換係数と依然と呼ばれることもできる。
【0068】
本文書において量子化された変換係数及び変換係数は、各々変換係数及びスケーリング
された(scaled)変換係数と称されることができる。この場合、レジデュアル情報
は、変換係数(等)に関する情報を含むことができ、前記変換係数(等)に関する情報は
、レジデュアルコーディングシンタックスを介してシグナリングされることができる。前
記レジデュアル情報(または、前記変換係数(等)に関する情報)に基づいて変換係数が
導出され得るし、前記変換係数に対する逆変換(スケーリング)を介してスケーリングさ
れた変換係数が導出され得る。前記スケーリングされた変換係数に対する逆変換(変換)
に基づいてレジデュアルサンプルが導出され得る。これは、本文書の他の部分でも同様に
適用/表現されることができる。
【0069】
前述したように、ビデオコーディングを行うのにおいて、圧縮効率を上げるために予測
を行う。これを介してコーディング対象ブロックである現在ブロックに対する予測サンプ
ルを含む予測されたブロックを生成できる。ここで、前記予測されたブロックは、空間ド
メイン(または、ピクセルドメイン)での予測サンプルを含む。前記予測されたブロック
は、エンコード装置及びデコード装置で同一に導出され、前記エンコード装置は、原本ブ
ロックの原本サンプル値自体でない前記原本ブロックと前記予測されたブロックとの間の
レジデュアルに関する情報(レジデュアル情報)をデコード装置にシグナリングすること
により画像コーディング効率を上げることができる。デコード装置は、前記レジデュアル
情報に基づいてレジデュアルサンプルを含むレジデュアルブロックを導出し、前記レジデ
ュアルブロックと前記予測されたブロックとを合わせて復元サンプルを含む復元ブロック
を生成でき、復元ブロックを含む復元ピクチャを生成できる。
【0070】
前記レジデュアル情報は、変換及び量子化手順を介して生成されることができる。例え
ば、エンコード装置は、前記原本ブロックと前記予測されたブロックとの間のレジデュア
ルブロックを導出し、前記レジデュアルブロックに含まれたレジデュアルサンプル(レジ
デュアルサンプルアレイ)に変換手順を行って変換係数を導出し、前記変換係数に量子化
手順を行って量子化された変換係数を導出し、関連したレジデュアル情報を(ビットスト
リームを介して)デコード装置にシグナリングすることができる。ここで、前記レジデュ
アル情報は、前記量子化された変換係数の値情報、位置情報、変換技法、変換カーネル、
量子化パラメータなどの情報を含むことができる。デコード装置は、前記レジデュアル情
報に基づいて逆量子化/逆変換手順を行い、レジデュアルサンプル(または、レジデュア
ルブロック)を導出できる。デコード装置は、予測されたブロックと前記レジデュアルブ
ロックとに基づいて復元ピクチャを生成できる。エンコード装置は、さらに以後ピクチャ
のインター予測のための参照のために、量子化された変換係数を逆量子化/逆変換してレ
ジデュアルブロックを導出し、これに基づいて復元ピクチャを生成できる。
【0071】
イントラ予測は、現在ブロックが属するピクチャ(以下、現在ピクチャ)内の参照サン
プルに基づいて現在ブロックに対する予測サンプルを生成する予測を表すことができる。
現在ブロックにイントラ予測が適用される場合、現在ブロックのイントラ予測に使用する
周辺参照サンプルが導出され得る。前記現在ブロックの周辺参照サンプルは、nW×nH
サイズの現在ブロックの左側(left)境界に隣接したサンプル及び左下側(bott
om-left)に隣り合う合計2×nH個のサンプル、現在ブロックの上側(top)
境界に隣接したサンプル及び右上側(top-right)に隣り合う合計2xnW個の
サンプル及び現在ブロックの左上側(top-left)に隣り合う1個のサンプルを含
むことができる。または、前記現在ブロックの周辺参照サンプルは、複数列の上側周辺サ
ンプル及び複数行の左側周辺サンプルを含むこともできる。また、前記現在ブロックの周
辺参照サンプルは、nW×nHサイズの現在ブロックの右側(right)境界に隣接し
た合計nH個のサンプル、現在ブロックの下側(bottom)境界に隣接した合計nW
個のサンプル、及び現在ブロックの右下側(bottom-right)に隣り合う1個
のサンプルを含むこともできる。
【0072】
ただし、現在ブロックの周辺参照サンプルのうち一部は、まだデコードされていないか
、利用可能でないことができる。この場合、デコーダは、利用可能なサンプルに利用可能
でないサンプルを代替(substitution)して、予測に使用する周辺参照サン
プルを構成できる。または、利用可能なサンプルの補間(interpolation)
を介して予測に使用する周辺参照サンプルを構成できる。
【0073】
周辺参照サンプルが導出された場合、(i)現在ブロックの周辺(neighbori
ng)参照サンプルの平均(average)あるいはインターポレーション(inte
rpolation)に基づいて予測サンプルを誘導することができ、(ii)現在ブロ
ックの周辺参照サンプルのうち予測サンプルに対して特定(予測)方向に存在する参照サ
ンプルに基づいて前記予測サンプルを誘導することもできる。(i)の場合は、非方向性
(non-directional)モードまたは非角度(non-angular)モ
ード、(ii)の場合は、方向性(directional)モードまたは角度(ang
ular)モードと呼ばれることができる。
【0074】
また、前記周辺参照サンプルのうち、前記現在ブロックの予測サンプルを基準に前記現
在ブロックのイントラ予測モードの予測方向に位置する第1の周辺サンプルと前記予測方
向の反対方向に位置する第2の周辺サンプルとの補間によって前記予測サンプルが生成さ
れることもできる。前述した場合は、線形補間イントラ予測(Linear inter
polation intra prediction、LIP)と呼ばれることができ
る。また、線形モデル(linear model、LM)を利用し、ルマサンプルに基
づいてクロマ予測サンプルが生成されることもできる。この場合は、LMモードまたはC
CLM(chroma component LM)モードと呼ばれることができる。
【0075】
また、フィルタリングされた周辺参照サンプルに基づいて前記現在ブロックの臨時予測
サンプルを導出し、前記既存の周辺参照サンプル、すなわち、フィルタリングされなかっ
た周辺参照サンプルのうち、前記イントラ予測モードによって導出された少なくとも1つ
の参照サンプルと前記臨時予測サンプルとを加重合(weighted sum)して前
記現在ブロックの予測サンプルを導出することもできる。前述した場合は、PDPC(P
osition dependent intra prediction)と呼ばれる
ことができる。
【0076】
また、現在ブロックの周辺多重参照サンプルラインのうち、最も予測正確度が高い参照
サンプルラインを選択し、当該ラインで予測方向に位置する参照サンプルを用いて予測サ
ンプルを導出し、このとき、使用された参照サンプルラインをデコード装置に指示(シグ
ナリング)する方法にてイントラ予測符号化を行うことができる。前述した場合は、多重
参照ライン(multi-reference line)イントラ予測またはMRL基
盤イントラ予測と呼ばれることができる。
【0077】
また、現在ブロックを垂直または水平のサブパーティションに分けて同じイントラ予測
モードに基づいてイントラ予測を行うものの、前記サブパーティション単位で周辺参照サ
ンプルを導出して用いることができる。すなわち、この場合、現在ブロックに対するイン
トラ予測モードが前記サブパーティションに同様に適用されるものの、前記サブパーティ
ション単位で周辺参照サンプルを導出して用いることにより、場合によってイントラ予測
性能を高めることができる。このような予測方法は、ISP(intra sub-pa
rtitions)基盤イントラ予測と呼ばれることができる。
【0078】
前述したイントラ予測方法等は、イントラ予測モードと区分してイントラ予測タイプと
呼ばれることができる。前記イントラ予測タイプは、イントラ予測技法または付加イント
ラ予測モードなど、様々な用語と呼ばれることができる。例えば、前記イントラ予測タイ
プ(または、付加イントラ予測モードなど)は、前述したLIP、PDPC、MRL、I
SPのうち、少なくとも1つを含むことができる。前記LIP、PDPC、MRL、IS
Pなどの特定イントラ予測タイプを除いた一般イントラ予測方法は、ノーマルイントラ予
測タイプと呼ばれることができる。ノーマルイントラ予測タイプは、前記のような特定イ
ントラ予測タイプが適用されない場合、一般的に適用されることができ、前述したイント
ラ予測モードに基づいて予測が行われ得る。一方、必要に応じて導出された予測サンプル
に対する後処理フィルタリングが行われることもできる。
【0079】
具体的に、イントラ予測手順は、イントラ予測モード/タイプ決定ステップ、周辺参照
サンプル導出ステップ、イントラ予測モード/タイプ基盤の予測サンプル導出ステップを
含むことができる。また、必要に応じて、導出された予測サンプルに対する後処理フィル
タリング(post-filtering)ステップが行われることもできる。
【0080】
図4は、イントラ予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【0081】
図4に示すように、エンコード装置は、現在ブロックに対するイントラ予測を行う(S
400)。エンコード装置は、現在ブロックに対するイントラ予測モード/タイプを導出
し、現在ブロックの周辺参照サンプルを導出でき、前記イントラ予測モード/タイプ及び
前記周辺参照サンプルに基づいて前記現在ブロック内の予測サンプルを生成する。ここで
、イントラ予測モード/タイプ決定、周辺参照サンプル導出及び予測サンプル生成手順は
、同時に行われることができ、いずれか1つの手順が他の手順より先に行われることもで
きる。エンコード装置は、複数のイントラ予測モード/タイプのうち、前記現在ブロック
に対して適用されるモード/タイプを決定できる。エンコード装置は、前記イントラ予測
モード/タイプに対するRD costを比較し、前記現在ブロックに対する最適のイン
トラ予測モード/タイプを決定できる。
【0082】
一方、エンコード装置は、予測サンプルフィルタリング手順を行うこともできる。予測
サンプルフィルタリングは、ポストフィルタリングと呼ばれることができる。前記予測サ
ンプルフィルタリング手順によって前記予測サンプルのうち一部または全部がフィルタリ
ングされ得る。場合によって、前記予測サンプルフィルタリング手順は省略されることが
できる。
【0083】
エンコード装置は、(フィルタリングされた)予測サンプルに基づいて前記現在ブロッ
クに対するレジデュアルサンプルを生成する(S410)。エンコード装置は、現在ブロ
ックの原本サンプルで前記予測サンプルを位相基盤にて比較し、前記レジデュアルサンプ
ルを導出できる。
【0084】
エンコード装置は、前記イントラ予測に関する情報(予測情報)及び前記レジデュアル
サンプルに関するレジデュアル情報を含む画像情報をエンコードすることができる(S4
20)。前記予測情報は、前記イントラ予測モード情報、前記イントラ予測タイプ情報を
含むことができる。エンコード装置は、エンコードされた画像情報をビットストリーム形
態で出力することができる。出力されたビットストリームは、格納媒体またはネットワー
クを介してデコード装置に伝達されることができる。
【0085】
前記レジデュアル情報は、後述するレジデュアルコーディングシンタクスを含むことが
できる。エンコード装置は、前記レジデュアルサンプルを変換/量子化して、量子化され
た変換係数を導出できる。前記レジデュアル情報は、前記量子化された変換係数に関する
情報を含むことができる。
【0086】
一方、前述したように、エンコード装置は、復元ピクチャ(復元サンプル及び復元ブロ
ックを含む)を生成できる。このために、エンコード装置は、前記量子化された変換係数
を再度逆量子化/逆変換処理して(修正された)レジデュアルサンプルを導出できる。こ
のように、レジデュアルサンプルを変換/量子化後、再度逆量子化/逆変換を行う理由は
、前述したように、デコード装置から導出されるレジデュアルサンプルと同じレジデュア
ルサンプルを導出するためである。エンコード装置は、前記予測サンプルと前記(修正さ
れた)レジデュアルサンプルとに基づいて前記現在ブロックに対する復元サンプルを含む
復元ブロックを生成できる。前記復元ブロックに基づいて前記現在ピクチャに対する復元
ピクチャが生成され得る。前記復元ピクチャにインループフィルタリング手順などがさら
に適用され得ることは、前述したとおりである。
【0087】
図5は、イントラ予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【0088】
デコード装置は、前記エンコード装置で行われた動作と対応する動作を行うことができ
る。
【0089】
予測情報及びレジデュアル情報をビットストリームから取得することができる。前記レ
ジデュアル情報に基づいて現在ブロックに対するレジデュアルサンプルが導出され得る。
具体的に、前記レジデュアル情報に基づいて導出された量子化された変換係数に基づいて
、逆量子化を行って変換係数を導出し、前記変換係数に対する逆変換を行い、前記現在ブ
ロックに対するレジデュアルサンプルを導出できる。
【0090】
具体的に、デコード装置は、受信された予測情報(イントラ予測モード/タイプ情報)
に基づいて現在ブロックに対するイントラ予測モード/タイプを導出できる(S500)
。デコード装置は、前記現在ブロックの周辺参照サンプルを導出できる(S510)。デ
コード装置は、前記イントラ予測モード/タイプ及び前記周辺参照サンプルに基づいて前
記現在ブロック内の予測サンプルを生成する(S520)。この場合、デコード装置は、
予測サンプルフィルタリング手順を行うことができる。予測サンプルフィルタリングは、
ポストフィルタリングと呼ばれることができる。前記予測サンプルフィルタリング手順に
よって前記予測サンプルのうち一部または全部がフィルタリングされ得る。場合によって
、予測サンプルフィルタリング手順は省略されることができる。
【0091】
デコード装置は、受信されたレジデュアル情報に基づいて前記現在ブロックに対するレ
ジデュアルサンプルを生成する(S530)。デコード装置は、前記予測サンプル及び前
記レジデュアルサンプルに基づいて前記現在ブロックに対する復元サンプルを生成し、前
記復元サンプルを含む復元ブロックを導出できる(S540)。前記復元ブロックに基づ
いて前記現在ピクチャに対する復元ピクチャが生成され得る。前記復元ピクチャにインル
ープフィルタリング手順などがさらに適用され得ることは、前述したとおりである。
【0092】
前記イントラ予測モード情報は、例えば、MPM(most probable mo
de)が前記現在ブロックに適用されるか、それとも、リメイニングモード(remai
ning mode)が適用されるかの可否を表すフラグ情報(ex.intra_lu
ma_mpm_flag)を含むことができ、前記MPMが前記現在ブロックに適用され
る場合、前記予測モード情報は、前記イントラ予測モード候補(MPM候補)のうち1つ
を指すインデックス情報(ex.intra_luma_mpm_idx)をさらに含む
ことができる。前記イントラ予測モード候補(MPM候補)は、MPM候補リストまたは
MPMリストで構成されることができる。また、前記MPMが前記現在ブロックに適用さ
れない場合、前記イントラ予測モード情報は、前記イントラ予測モード候補(MPM候補
)を除いた残りのイントラ予測モードのうち1つを指すリメイニングモード情報(ex.
intra_luma_mpm_remainder)をさらに含むことができる。デコ
ード装置は、前記イントラ予測モード情報に基づいて前記現在ブロックのイントラ予測モ
ードを決定できる。
【0093】
また、前記イントラ予測タイプ情報は様々な形態で実現できる。一例として、前記イン
トラ予測タイプ情報は、前記イントラ予測タイプのいずれか1つを指示するイントラ予測
タイプインデックス情報を含む。他の例として、前記イントラ予測タイプ情報は、前記M
RLが前記現在ブロックに適用されるか否か及び適用される場合は何番目の参照サンプル
ラインが利用されるかを示す参照サンプルライン情報(ex.intra_luma_r
ef_idx)、前記ISPが前記ブロックに適用されるか否かを示すISPフラグ情報
(ex.intra_subpartitions_mode_flag)、前記ISP
が適用される場合はサブパーティションが分割タイプを指示するISPタイプ情報(ex
.intra_subpartitions_split_flag)、PDCPの適用
可否を示すフラグ情報又はLIPの適用可否を示すフラグ情報の少なくとも1つを含む。
また、前記イントラ予測タイプ情報は、前記現在ブロックにMIP(matrix-ba
sed intra prediction)が適用されるか否かを示すMIPフラグを
含む。
【0094】
前記イントラ予測モード情報及び/又は前記イントラ予測タイプ情報は、本文書におい
て説明したコーディング方法によってエンコード/デコードされることができる。例えば
、前記イントラ予測モード情報及び/又は前記イントラ予測タイプ情報は、エントロピー
コーディング(ex.CABAC、CAVLC)を介してエンコード/デコードされるこ
とができる。
【0095】
【0096】
図6を参照すれば、前述したようにイントラ予測手順は、イントラ予測モード/タイプ
決定ステップ、周辺参照サンプル導出ステップ、イントラ予測実行(予測サンプル生成)
ステップを含むことができる。前記イントラ予測手順は、前述したようにエンコード装置
及びデコード装置で行われることができる。本文書においてコーディング装置とは、エン
コード装置及び/又はデコード装置を含むことができる。
【0097】
図6に示すように、コーディング装置は、イントラ予測モード/タイプを決定する(S
600)。
【0098】
エンコード装置は、前述した様々なイントラ予測モード/タイプのうち、前記現在ブロ
ックに適用されるイントラ予測モード/タイプを決定でき、予測関連情報を生成できる。
前記予測関連情報は、前記現在ブロックに適用されるイントラ予測モードを表すイントラ
予測モード情報及び/又は前記現在ブロックに適用されるイントラ予測タイプを表すイン
トラ予測タイプ情報を含むことができる。デコード装置は、前記予測関連情報に基づいて
前記現在ブロックに適用されるイントラ予測モード/タイプを決定できる。
【0099】
前記イントラ予測モード情報は、例えば、MPM(most probable mo
de)が前記現在ブロックに適用されるか、それとも、リメイニングモード(remai
ning mode)が適用されるかの可否を表すフラグ情報(ex.intra_lu
ma_mpm_flag)を含むことができ、前記MPMが前記現在ブロックに適用され
る場合、前記予測モード情報は、前記イントラ予測モード候補(MPM候補)のうち1つ
を指すインデックス情報(ex.intra_luma_mpm_idx)をさらに含む
ことができる。前記イントラ予測モード候補(MPM候補)は、MPM候補リストまたは
MPMリストで構成されることができる。また、前記MPMが前記現在ブロックに適用さ
れない場合、前記イントラ予測モード情報は、前記イントラ予測モード候補(MPM候補
)を除いた残りのイントラ予測モードのうち1つを指すリメイニングモード情報(ex.
intra_luma_mpm_remainder)をさらに含むことができる。デコ
ード装置は、前記イントラ予測モード情報に基づいて前記現在ブロックのイントラ予測モ
ードを決定できる。
【0100】
また、前記イントラ予測タイプ情報は様々な形態で実現できる。一例として、前記イン
トラ予測タイプ情報は、前記イントラ予測タイプのいずれか1つを指示するイントラ予測
タイプインデックス情報を含む。他の例として、前記イントラ予測タイプ情報は、前記M
RLが前記現在ブロックに適用されるか否か及び適用される場合は何番目の参照サンプル
ラインが利用されるかを示す参照サンプルライン情報(ex.intra_luma_r
ef_idx)、前記ISPが前記現在ブロックに適用されるか否かを示すISPフラグ
情報(ex.intra_subpartitions_mode_flag)、前記I
SPが適用される場合はサブパーティションが分割タイプを指示するISPタイプ情報(
ex.intra_subpartitions_split_flag)、PDCPの
適用可否を示すフラグ情報又はLIPの適用可否を示すフラグ情報のうち少なくとも1つ
を含む。また、前記イントラ予測タイプ情報は、前記現在ブロックにMIP(matri
x-based intra prediction)が適用されるか否かを示すMIP
フラグを含む。
【0101】
例えば、イントラ予測が適用される場合、周辺ブロックのイントラ予測モードを用いて
現在ブロックに適用されるイントラ予測モードが決定され得る。例えば、コーディング装
置は、現在ブロックの周辺ブロック(ex.左側及び/又は上側周辺ブロック)のイント
ラ予測モード及び/又は追加的な候補モードに基づいて導出されたMPM(most p
robable mode)リスト内のMPM候補のうち1つを、受信されたMPMイン
デックスに基づいて選択することができ、または、前記MPM候補(及びプラナーモード
)に含まれなかった残りのイントラ予測モードのうち1つをMPMリメインダー情報(リ
メイニングイントラ予測モード情報)に基づいて選択することができる。前記MPMリス
トは、プラナーモードを候補として含むか、含まないように構成されることができる。例
えば、前記MPMリストがプラナーモードを候補として含む場合、前記MPMリストは、
6個の候補を有することができ、前記MPMリストがプラナーモードを候補として含まな
い場合、前記MPMリストは、5個の候補を有することができる。前記MPMリストがプ
ラナーモードを候補として含まない場合、現在ブロックのイントラ予測モードがプラナー
モードでないかを表すnotプラナーフラグ(ex.intra_luma_not_p
lanar_flag)がシグナリングされ得る。例えば、MPMフラグが先にシグナリ
ングされ、MPMインデックス及びnotプラナーフラグは、MPMフラグの値が1であ
る場合にシグナリングされることができる。また、前記MPMインデックスは、前記no
tプラナーフラグの値が1である場合にシグナリングされることができる。ここで、前記
MPMリストがプラナーモードを候補として含まないように構成されることは、前記プラ
ナーモードがMPMでないというよりは、MPMとして常にプラナーモードが考慮される
ので、先にフラグ(not planar flag)をシグナリングして、プラナーモ
ードであるか否かを先に確認するためである。
【0102】
例えば、現在ブロックに適用されるイントラ予測モードがMPM候補(及びプラナーモ
ード)の中にあるか、それとも、リメイニングモードの中にあるかは、MPMフラグ(e
x.intra_luma_mpm_flag)に基づいて指示されることができる。M
PMフラグの値1は、前記現在ブロックに対するイントラ予測モードがMPM候補(及び
プラナーモード)内にあることを表すことができ、MPMフラグの値0は、前記現在ブロ
ックに対するイントラ予測モードがMPM候補(及びプラナーモード)内にないことを表
すことができる。前記not planar flag(ex.intra_luma_
not_planar_flag)値0は、前記現在ブロックに対するイントラ予測モー
ドがプラナーモードであることを表すことができ、前記not planar flag
値1は、前記現在ブロックに対するイントラ予測モードがプラナーモードでないことを表
すことができる。前記MPMインデックスは、mpm_idxまたはintra_lum
a_mpm_idxシンタクス要素の形態でシグナリングされることができ、前記リメイ
ニングイントラ予測モード情報は、rem_intra_luma_pred_mode
またはintra_luma_mpm_remainderシンタクス要素の形態でシグ
ナリングされることができる。例えば、前記リメイニングイントラ予測モード情報は、全
体イントラ予測モードのうち、前記MPM候補(及びプラナーモード)に含まれない残り
のイントラ予測モードを予測モード番号順にインデクシングして、そのうち1つを指すこ
とができる。前記イントラ予測モードは、ルマ成分(サンプル)に対するイントラ予測モ
ードであることができる。以下、イントラ予測モード情報は、前記MPMフラグ(ex.
intra_luma_mpm_flag)、前記not planar flag(e
x.intra_luma_not_planar_flag)、前記MPMインデック
ス(ex.mpm_idxまたはintra_luma_mpm_idx)、前記リメイ
ニングイントラ予測モード情報(rem_intra_luma_pred_modeま
たはintra_luma_mpm_remainder)のうち、少なくとも1つを含
むことができる。本文書においてMPMリストは、MPM候補リスト、candMode
Listなど、様々な用語と呼ばれることができる。
【0103】
MIPが現在ブロックに適用される場合、MIPのための別途のMPM flag(e
x.intra_mip_mpm_flag)、MPMインデックス(ex.intra
_mip_mpm_idx)、リメイニングイントラ予測モード情報(ex.intra
_mip_mpm_remainder)がシグナリングされ得るし、前記not pl
anar flagはシグナリングされないことができる。
【0104】
言い換えれば、一般的に画像に対するブロック分割がなされると、コーディングしよう
とする現在ブロックと周辺(neighboring)ブロックとは、類似した画像特性
を有するようになる。したがって、現在ブロックと周辺ブロックとは、互いに同一である
か、類似したイントラ予測モードを有する確率が高い。したがって、エンコーダは、現在
ブロックのイントラ予測モードをエンコードするために、周辺ブロックのイントラ予測モ
ードを用いることができる。
【0105】
コーディング装置は、現在ブロックに対するMPM(most probable m
odes)リストを構成できる。前記MPMリストは、MPM候補リストと表すこともで
きる。ここで、MPMとは、イントラ予測モードコーディングの際、現在ブロックと周辺
ブロックとの類似性を考慮して、コーディング効率を向上させるために用いられるモード
を意味できる。前述したように、MPMリストは、プラナーモードを含んで構成されるこ
とができ、またはプラナーモードを除いて構成されることができる。例えば、MPMリス
トがプラナーモードを含む場合、MPMリストの候補の個数は、6個であることができる
。そして、MPMリストがプラナーモードを含まない場合、MPMリストの候補の個数は
、5個であることができる。
【0106】
エンコード装置は、様々なイントラ予測モードに基づいて予測を行うことができ、これ
に基づいたRDO(rate-distortion optimization)に基
づいて最適のイントラ予測モードを決定できる。エンコード装置は、この場合、前記MP
Mリストに構成されたMPM候補及びプラナーモードのみを用いて前記最適のイントラ予
測モードを決定することができ、または、前記MPMリストに構成されたMPM候補及び
プラナーモードだけでなく、残りのイントラ予測モードをさらに用いて前記最適のイント
ラ予測モードを決定することもできる。具体的に、例えば、仮りに前記現在ブロックのイ
ントラ予測タイプがノーマルイントラ予測タイプでない特定タイプ(例えば、LIP、M
RL、またはISP)である場合には、エンコード装置は、前記MPM候補及びプラナー
モードのみを前記現在ブロックに対するイントラ予測モード候補として考慮して前記最適
のイントラ予測モードを決定できる。すなわち、この場合には、前記現在ブロックに対す
るイントラ予測モードは、前記MPM候補及びプラナーモードの中で決定されることがで
き、この場合には、前記MPM flagをエンコード/シグナリングしないことができ
る。デコード装置は、この場合には、MPM flagを別途にシグナリングされなくと
も、MPM flagが1であることと推定することができる。
【0107】
一方、一般的に、前記現在ブロックのイントラ予測モードがプラナーモードでなく、前
記MPMリスト内にあるMPM候補のうち1つの場合、エンコード装置は、前記MPM候
補のうち1つを指すMPMインデックス(mpm idx)を生成する。仮りに、前記現
在ブロックのイントラ予測モードが前記MPMリスト内にもない場合には、前記MPMリ
スト(及びプラナーモード)に含まれなかった残りのイントラ予測モードの中で前記現在
ブロックのイントラ予測モードと同じモードを指すMPMリメインダー情報(リメイニン
グイントラ予測モード情報)を生成する。前記MPMリメインダー情報は、例えば、in
tra_luma_mpm_remainderシンタクス要素を含むことができる。
【0108】
デコード装置は、ビットストリームからイントラ予測モード情報を取得する。前記イン
トラ予測モード情報は、前述したように、MPMフラグ、notプラナーフラグ、MPM
インデックス、MPMリメインダー情報(リメイニングイントラ予測モード情報)のうち
、少なくとも1つを含むことができる。デコード装置は、MPMリストを構成できる。前
記MPMリストは、前記エンコード装置で構成されたMPMリストと同様に構成される。
すなわち、前記MPMリストは、周辺ブロックのイントラ予測モードを含むことができ、
予め決められた方法によって特定イントラ予測モードをさらに含むこともできる。
【0109】
デコード装置は、前記MPMリスト及び前記イントラ予測モード情報に基づいて現在ブ
ロックのイントラ予測モードを決定できる。一例として、前記MPMフラグの値が1であ
る場合、デコード装置は、プラナーモードを前記現在ブロックのイントラ予測モードとし
て導出するか(not planar flag基盤)、前記MPMリスト内のMPM候
補のうち、で前記MPMインデックスが指す候補を前記現在ブロックのイントラ予測モー
ドとして導出することができる。ここで、MPM候補とは、前記MPMリストに含まれる
候補のみを表すことができ、または、前記MPMリストに含まれる候補だけでなく、前記
MPMフラグの値が1である場合に適用されることができるプラナーモードも含まれるこ
とができる。
【0110】
他の例として、前記MPMフラグの値が0である場合、デコード装置は、前記MPMリ
スト及びプラナーモードに含まれなかった残りのイントラ予測モードの中で前記リメイニ
ングイントラ予測モード情報(mpm remainder情報と呼ばれることができる
)が指すイントラ予測モードを前記現在ブロックのイントラ予測モードとして導出するこ
とができる。一方、さらに他の例として、前記現在ブロックのイントラ予測タイプが特定
タイプ(ex.LIP、MRLまたはISP等)である場合、デコード装置は、前記MP
Mフラグのパーシング/デコード/確認なしにも、前記プラナーモードまたは前記MPM
リスト内で前記MPMフラグが指す候補を前記現在ブロックのイントラ予測モードとして
導出することができる。
【0111】
コーディング装置は、現在ブロックの周辺参照サンプルを導出する(S610)。現在
ブロックにイントラ予測が適用される場合、現在ブロックのイントラ予測に使用する周辺
参照サンプルが導出され得る。前記現在ブロックの周辺参照サンプルは、nW×nHサイ
ズの現在ブロックの左側(left)境界に隣接したサンプル及び左下側(bottom
-left)に隣り合う合計2×nH個のサンプル、現在ブロックの上側(top)境界
に隣接したサンプル及び右上側(top-right)に隣り合う合計2xnW個のサン
プル及び現在ブロックの左上側(top-left)に隣り合う1個のサンプルを含むこ
とができる。または、前記現在ブロックの周辺参照サンプルは、複数列の上側周辺サンプ
ル及び複数行の左側周辺サンプルを含むこともできる。また、前記現在ブロックの周辺参
照サンプルは、nW×nHサイズの現在ブロックの右側(right)境界に隣接した合
計nH個のサンプル、現在ブロックの下側(bottom)境界に隣接した合計nW個の
サンプル、及び現在ブロックの右下側(bottom-right)に隣り合う1個のサ
ンプルを含むこともできる。
【0112】
一方、MRLが適用される場合(すなわち、MRLインデックスの値が0より大きい場
合)、前記周辺参照サンプルは、左側/上側で現在ブロックに隣接した0番ラインでない
、1番ないし2番ラインに位置することができ、この場合、周辺参照サンプルの個数はさ
らに増えることができる。一方、ISPが適用される場合、前記周辺参照サンプルは、サ
ブパーティション単位で導出されることができる。
【0113】
コーディング装置は、現在ブロックにイントラ予測を行って予測サンプルを導出する(
S620)。コーディング装置は、前記イントラ予測モード/タイプ及び前記周辺サンプ
ルに基づいて前記予測サンプルを導出できる。コーディング装置は、現在ブロックの周辺
参照サンプルのうち、前記現在ブロックのイントラ予測モードによる参照サンプルを導出
でき、前記参照サンプルに基づいて前記現在ブロックの予測サンプルを導出できる。
【0114】
一方、インター予測が適用される場合、エンコード装置/デコード装置の予測部は、ブ
ロック単位でインター予測を行って予測サンプルを導出できる。インター予測は、現在ピ
クチャ以外のピクチャ(等)のデータ要素(ex.サンプル値、または動き情報)に依存
的な方法で導出される予測を表すことができる(Inter prediction c
an be a prediction derived in a manner t
hat is dependent on data elements(ex.sam
ple values or motion information) of pic
ture(s) other than the current picture)。
現在ブロックにインター予測が適用される場合、参照ピクチャインデックスが指す参照ピ
クチャ上で動きベクトルにより特定される参照ブロック(参照サンプルアレイ)に基づい
て、現在ブロックに対する予測されたブロック(予測サンプルアレイ)を導くことができ
る。このとき、インター予測モードで送信される動き情報の量を減らすために、周辺ブロ
ックと現在ブロックとの間の動き情報の相関性に基づいて現在ブロックの動き情報をブロ
ック、サブブロック、またはサンプル単位で予測することができる。前記動き情報は、動
きベクトル及び参照ピクチャインデックスを含むことができる。前記動き情報は、インタ
ー予測タイプ(L0予測、L1予測、Bi予測等)情報をさらに含むことができる。イン
ター予測が適用される場合、周辺ブロックは、現在ピクチャ内に存在する空間的周辺ブロ
ック(spatial neighboring block)と参照ピクチャに存在す
る時間的周辺ブロック(temporal neighboring block)とを
備えることができる。前記参照ブロックを備える参照ピクチャと前記時間的周辺ブロック
を備える参照ピクチャとは、同一であることができ、異なることもできる。前記時間的周
辺ブロックは、同一位置参照ブロック(collocated reference b
lock)、同一位置CU(colCU)などの名前と呼ばれることができ、前記時間的
周辺ブロックを含む参照ピクチャは、同一位置ピクチャ(collocated pic
ture、colPic)とも呼ばれることができる。例えば、現在ブロックの周辺ブロ
ックに基づいて動き情報候補リストが構成され得るし、前記現在ブロックの動きベクトル
及び/又は参照ピクチャインデックスを導出するために、いずれの候補が選択(使用)さ
れるかを指示するフラグまたはインデックス情報がシグナリングされ得る。様々な予測モ
ードに基づいてインター予測が行われ得るし、例えば、スキップモードとマージモードの
場合に、現在ブロックの動き情報は、選択された周辺ブロックの動き情報と同様であるこ
とができる。スキップモードの場合、マージモードとは異なり、レジデュアル信号が送信
されないことができる。動き情報予測(motion vector predicti
on、MVP)モードの場合、選択された周辺ブロックの動きベクトルを動きベクトル予
測子(motion vector predictor)として用い、動きベクトル差
分(motion vector difference)は、シグナリングされること
ができる。この場合、前記動きベクトル予測子及び動きベクトル差分の合計を利用して前
記現在ブロックの動きベクトルを導出できる。
【0115】
前記動き情報は、インター予測タイプ(L0予測、L1予測、Bi予測等)によってL
0動き情報及び/又はL1動き情報を含むことができる。L0方向の動きベクトルは、L
0動きベクトルまたはMVL0と呼ばれることができ、L1方向の動きベクトルは、L1
動きベクトルまたはMVL1と呼ばれることができる。L0動きベクトルに基づいた予測
は、L0予測と呼ばれることができ、L1動きベクトルに基づいた予測は、L1予測と呼
ばれることができ、前記L0動きベクトル及び前記L1動きベクトルの両方に基づいた予
測は、対(Bi)予測と呼ばれることができる。ここで、L0動きベクトルは、参照ピク
チャリストL0(L0)に連関した動きベクトルを表すことができ、L1動きベクトルは
、参照ピクチャリストL1(L1)に連関した動きベクトルを表すことができる。参照ピ
クチャリスストL0は、前記現在ピクチャより出力順序上、以前ピクチャを参照ピクチャ
として備えることができ、参照ピクチャリストL1は、前記現在ピクチャより出力順序上
、以後ピクチャを備えることができる。前記以前ピクチャは、順方向(参照)ピクチャと
呼ばれることができ、前記以後ピクチャは、逆方向(参照)ピクチャと呼ばれることがで
きる。前記参照ピクチャリストL0は、前記現在ピクチャより出力順序上、以後ピクチャ
を参照ピクチャとしてさらに備えることができる。この場合、前記参照ピクチャリストL
0内で前記以前ピクチャが先にインデクシングされ、前記以後ピクチャは、その次にイン
デクシングされることができる。前記参照ピクチャリストL1は、前記現在ピクチャより
出力順序上、以前ピクチャを参照ピクチャとしてさらに備えることができる。この場合、
前記参照ピクチャリスト1内で前記以後ピクチャが先にインデクシングされ、前記以前ピ
クチャは、その次にインデクシングされることができる。ここで、出力順序は、POC(
picture order count)順序(order)に対応することができる
。
【0116】
インター予測に基づいたビデオ/画像エンコード手順は、概略的に例えば、次を含むこ
とができる。
【0117】
図7は、インター予測基盤のビデオ/画像エンコード方法の例を示す。
【0118】
エンコード装置は、現在ブロックに対するインター予測を行う(S700)。エンコー
ド装置は、現在ブロックのインター予測モード及び動き情報を導出し、前記現在ブロック
の予測サンプルを生成できる。ここで、インター予測モード決定、動き情報導出、及び予
測サンプル生成手順は同時に行われることができ、いずれか1つの手順が他の手順より先
に行われることもできる。例えば、エンコード装置のインター予測部は、予測モード決定
部、動き情報導出部、予測サンプル導出部を備えることができ、予測モード決定部で前記
現在ブロックに対する予測モードを決定し、動き情報導出部で前記現在ブロックの動き情
報を導出し、予測サンプル導出部で前記現在ブロックの予測サンプルを導出できる。例え
ば、エンコード装置のインター予測部は、動き推定(motion estimatio
n)を介して参照ピクチャの一定領域(サーチ領域)内で前記現在ブロックと類似したブ
ロックをサーチし、前記現在ブロックとの差が最小または一定基準以下である参照ブロッ
クを導出できる。これに基づいて前記参照ブロックが位置する参照ピクチャを指す参照ピ
クチャインデックスを導出し、前記参照ブロックと前記現在ブロックとの位置差に基づい
て動きベクトルを導出できる。エンコード装置は、様々な予測モードのうち、前記現在ブ
ロックに対して適用されるモードを決定できる。エンコード装置は、前記様々な予測モー
ドに対するRD costを比較し、前記現在ブロックに対する最適の予測モードを決定
できる。
【0119】
例えば、エンコード装置は、前記現在ブロックにスキップモードまたはマージモードが
適用される場合、後述するマージ候補リストを構成し、前記マージ候補リストに含まれた
マージ候補が指す参照ブロックのうち、前記現在ブロックと、前記現在ブロックとの差が
最小または一定基準以下である参照ブロックとを導出できる。この場合、前記導出された
参照ブロックと連関したマージ候補が選択され、前記選択されたマージ候補を指すマージ
インデックス情報が生成されてデコード装置にシグナリングされることができる。前記選
択されたマージ候補の動き情報を利用して前記現在ブロックの動き情報を導出できる。
【0120】
他の例として、エンコード装置は、前記現在ブロックに(A)MVPモードが適用され
る場合、後述する(A)MVP候補リストを構成し、前記(A)MVP候補リストに含ま
れたmvp(motion vector predictor)候補のうち、選択され
たmvp候補の動きベクトルを前記現在ブロックのmvpとして用いることができる。こ
の場合、例えば、前述した動き推定によって導出された参照ブロックを指す動きベクトル
が前記現在ブロックの動きベクトルとして用いられることができ、前記mvp候補のうち
、前記現在ブロックの動きベクトルとの差が最も小さい動きベクトルを有するmvp候補
が前記選択されたmvp候補になり得る。前記現在ブロックの動きベクトルから前記mv
pを差し引いた差分であるMVD(motion vector difference
)が導出され得る。この場合、前記MVDに関する情報がデコード装置にシグナリングさ
れることができる。また、(A)MVPモードが適用される場合、前記参照ピクチャイン
デックスの値は、参照ピクチャインデックス情報で構成されて、別に前記デコード装置に
シグナリングされることができる。
【0121】
エンコード装置は、前記予測サンプルに基づいてレジデュアルサンプルを導出できる(
S710)。エンコード装置は、前記現在ブロックの原本サンプルと前記予測サンプルと
の比較を介して前記レジデュアルサンプルを導出できる。
【0122】
エンコード装置は、予測情報及びレジデュアル情報を含む画像情報をエンコードする(
S720)。エンコード装置は、エンコードされた画像情報をビットストリーム形態で出
力することができる。前記予測情報は、前記予測手順に関連した情報として予測モード情
報(ex.skip flag、merge flag or mode index等
)及び動き情報に関する情報を含むことができる。前記動き情報に関する情報は、動きベ
クトルを導出するための情報である候補選択情報(ex.merge index、mv
p flag or mvp index)を含むことができる。また、前記動き情報に
関する情報は、前述したMVDに関する情報及び/又は参照ピクチャインデックス情報を
含むことができる。また、前記動き情報に関する情報は、L0予測、L1予測、または、
対(bi)予測が適用されるか否かを表す情報を含むことができる。前記レジデュアル情
報は、前記レジデュアルサンプルに関する情報である。前記レジデュアル情報は、前記レ
ジデュアルサンプルに対する量子化された変換係数に関する情報を含むことができる。
【0123】
出力されたビットストリームは、(デジタル)格納媒体に格納されてデコード装置に伝
達されることができ、または、ネットワークを介してデコード装置に伝達されることもで
きる。
【0124】
一方、前述したように、エンコード装置は、前記参照サンプル及び前記レジデュアルサ
ンプルに基づいて復元ピクチャ(復元サンプル及び復元ブロックを含む)を生成できる。
これは、デコード装置で行われることと同じ予測結果をエンコード装置で導出するためで
あり、これを介してコーディング効率を上げることができるためである。したがって、エ
ンコード装置は、復元ピクチャ(または、復元サンプル、復元ブロック)をメモリに格納
し、インター予測のための参照ピクチャとして活用することができる。前記復元ピクチャ
にインループフィルタリング手順などがさらに適用され得ることは、前述したとおりであ
る。
【0125】
インター予測に基づいたビデオ/画像デコード手順は、概略的に例えば、次を含むこと
ができる。
【0126】
図8は、インター予測基盤のビデオ/画像デコード方法の例を示す。
【0127】
図8に示すように、デコード装置は、前記エンコード装置で行われた動作と対応する動
作を行うことができる。デコード装置は、受信された予測情報に基づいて現在ブロックに
対する予測を行い、予測サンプルを導出できる。
【0128】
具体的に、デコード装置は、受信された予測情報に基づいて前記現在ブロックに対する
予測モードを決定できる(S800)。デコード装置は、前記予測情報内の予測モード情
報に基づいて前記現在ブロックにいずれのインター予測モードが適用されるか決定するこ
とができる。
【0129】
例えば、前記merge flagに基づいて前記現在ブロックに前記マージモードが
適用されるか、または(A)MVPモードが決定されるかの可否を決定できる。または、
前記mode indexに基づいて様々なインター予測モード候補のうち1つを選択で
きる。前記インター予測モード候補は、スキップモード、マージモード、及び/又は(A
)MVPモードを含むことができ、または、後述する様々なインター予測モードを含むこ
とができる。
【0130】
デコード装置は、前記決定されたインター予測モードに基づいて前記現在ブロックの動
き情報を導出する(S810)。例えば、デコード装置は、前記現在ブロックにスキップ
モードまたはマージモードが適用される場合、後述するマージ候補リストを構成し、前記
マージ候補リストに含まれたマージ候補のうち1つのマージ候補を選択できる。前記選択
は、前述した選択情報(merge index)に基づいて行われることができる。前
記選択されたマージ候補の動き情報を利用して前記現在ブロックの動き情報を導出できる
。前記選択されたマージ候補の動き情報が前記現在ブロックの動き情報として利用される
ことができる。
【0131】
他の例として、デコード装置は、前記現在ブロックに(A)MVPモードが適用される
場合、後述する(A)MVP候補リストを構成し、前記(A)MVP候補リストに含まれ
たmvp(motion vector predictor)候補のうち、選択された
mvp候補の動きベクトルを前記現在ブロックのmvpとして用いることができる。前記
選択は、前述した選択情報(mvp flag or mvp index)に基づいて
行われることができる。この場合、前記MVDに関する情報に基づいて前記現在ブロック
のMVDを導出でき、前記現在ブロックのmvpと前記MVDに基づいて前記現在ブロッ
クの動きベクトルを導出できる。また、前記参照ピクチャインデックス情報に基づいて前
記現在ブロックの参照ピクチャインデックスを導出できる。前記現在ブロックに関する参
照ピクチャリスト内で前記参照ピクチャインデックスが指すピクチャが前記現在ブロック
のインター予測のために参照される参照ピクチャとして導出されることができる。
【0132】
一方、後述するように、候補リスト構成なしに前記現在ブロックの動き情報が導出され
得るし、この場合、後述する予測モードで開示された手順によって前記現在ブロックの動
き情報が導出され得る。この場合、前述したような候補リスト構成は省略されることがで
きる。
【0133】
デコード装置は、前記現在ブロックの動き情報に基づいて前記現在ブロックに対する予
測サンプルを生成できる(S820)。この場合、前記現在ブロックの参照ピクチャイン
デックスに基づいて前記参照ピクチャを導出し、前記現在ブロックの動きベクトルが前記
参照ピクチャ上で指す参照ブロックのサンプルを用いて前記現在ブロックの予測サンプル
を導出できる。この場合、後述するように、場合によって、前記現在ブロックの予測サン
プルのうち、全部または一部に対する予測サンプルフィルタリング手順がさらに行われる
ことができる。
【0134】
例えば、デコード装置のインター予測部は、予測モード決定部、動き情報導出部、予測
サンプル導出部を備えることができ、予測モード決定部で受信された予測モード情報に基
づいて前記現在ブロックに対する予測モードを決定し、動き情報導出部で受信された動き
情報に関する情報に基づいて前記現在ブロックの動き情報(動きベクトル及び/又は参照
ピクチャインデックス等)を導出し、予測サンプル導出部で前記現在ブロックの予測サン
プルを導出できる。
【0135】
デコード装置は、受信されたレジデュアル情報に基づいて前記現在ブロックに対するレ
ジデュアルサンプルを生成する(S830)。デコード装置は、前記予測サンプル及び前
記レジデュアルサンプルに基づいて前記現在ブロックに対する復元サンプルを生成し、こ
れに基づいて復元ピクチャを生成できる。(S840)。その後、前記復元ピクチャにイ
ンループフィルタリング手順などがさらに適用され得ることは、前述したとおりである。
【0136】
【0137】
図9を参照すれば、前述したように、インター予測手順は、インター予測モード決定ス
テップ、決定された予測モードによる動き情報導出ステップ、導出された動き情報に基づ
いた予測実行(予測サンプル生成)ステップを含むことができる。前記インター予測手順
は、前述したように、エンコード装置及びデコード装置で行われることができる。本文書
においてコーディング装置とは、エンコード装置及び/又はデコード装置を含むことがで
きる。
【0138】
図9に示すように、コーディング装置は、現在ブロックに対するインター予測モードを
決定する(S900)。ピクチャ内の現在ブロックの予測のために、様々なインター予測
モードが使用され得る。例えば、マージモード、スキップモード、MVP(motion
vector prediction)モード、アファイン(Affine)モード、
サブブロックマージモード、MMVD(merge with MVD)モードなど、様
々なモードが使用され得る。DMVR(Decoder side motion ve
ctor refinement)モード、AMVR(adaptive motion
vector resolution)モード、Bi-prediction wit
h CU-level weight (BCW)、Bi-directional o
ptical flow (BDOF)などが付随的なモードとしてさらにあるいは代わ
りに使用されることができる。アファインモードは、アファイン動き予測(affine
motion prediction)モードと呼ばれることもできる。MVPモード
は、AMVP(advanced motion vector prediction
)モードと呼ばれることもできる。本文書において一部モード及び/又は一部モードによ
って導出された動き情報候補は、他のモードの動き情報関連候補のうち、1つとして含ま
れることもできる。例えば、HMVP候補は、前記マージ/スキップモードのマージ候補
として追加されることができ、または、前記MVPモードのmvp候補として追加される
こともできる。前記HMVP候補が前記マージモードまたはスキップモードの動き情報候
補として使用される場合、前記HMVP候補は、HMVPマージ候補と呼ばれることがで
きる。
【0139】
現在ブロックのインター予測モードを指す予測モード情報がエンコード装置からデコー
ド装置にシグナリングされることができる。前記予測モード情報は、ビットストリームに
含まれてデコード装置に受信されることができる。前記予測モード情報は、複数の候補モ
ードのうち1つを指示するインデックス情報を含むことができる。または、フラグ情報の
階層的シグナリングを介してインター予測モードを指示することもできる。この場合、前
記予測モード情報は、1つ以上のフラグを含むことができる。例えば、スキップフラグを
シグナリングしてスキップモード適用可否を指示し、スキップモードが適用されない場合
に、マージフラグをシグナリングしてマージモード適用可否を指示し、マージモードが適
用されない場合に、MVPモードが適用されることと指示するか、追加的な区分のための
フラグをさらにシグナリングすることもできる。アファインモードは、独立的なモードで
シグナリングされることができ、または、マージモードまたはMVPモードなどに従属的
なモードでシグナリングされることもできる。例えば、アファインモードは、アファイン
マージモード及びアファインMVPモードを含むことができる。
【0140】
コーディング装置は、前記現在ブロックに対する動き情報を導出する(S910)。前
記動き情報導出を前記インター予測モードに基づいて導出することができる。
【0141】
コーディング装置は、現在ブロックの動き情報を利用してインター予測を行うことがで
きる。エンコード装置は、動き推定(motion estimation)手順を介し
て現在ブロックに対する最適の動き情報を導出できる。例えば、エンコード装置は、現在
ブロックに対する原本ピクチャ内の原本ブロックを用いて相関性の高い類似した参照ブロ
ックを参照ピクチャ内の決められた探索範囲内で分数ピクセル単位で探索することができ
、これを介して動き情報を導出できる。ブロックの類似性は、位相(phase)基盤の
サンプル値の差に基づいて導出することができる。例えば、ブロックの類似性は、現在ブ
ロック(または、現在ブロックのテンプレート)と参照ブロック(または、参照ブロック
のテンプレート)との間のSADに基づいて計算されることができる。この場合、探索領
域内のSADが最も小さい参照ブロックに基づいて動き情報を導出できる。導出された動
き情報は、インター予測モードに基づいて種々の方法によってデコード装置にシグナリン
グされることができる。
【0142】
コーディング装置は、前記現在ブロックに対する動き情報に基づいてインター予測を行
う(S920)。コーディング装置は、前記動き情報に基づいて前記現在ブロックに対す
る予測サンプル(等)を導出できる。前記予測サンプルを含む現在ブロックは、予測され
たブロックと呼ばれることができる。
【0143】
一方、前述のように、エンコード装置の量子化部は、変換係数に量子化を適用して量子
化された変換係数を導出し、エンコード装置の逆量子化部又はデコード装置の逆量子化部
は、量子化された変換係数に逆量子化を適用して変換係数を導出することができる。
【0144】
一般的に、ビデオ/画像コーディングにおいては量子化率を変化させることができ、変
化した量子化率を利用して圧縮率を調節することができる。実現の観点からは、複雑度を
考慮して量子化率を直接使用する代わりに量子化パラメータ(quantization
parameter:QP)が使用される。例えば、0から63までの整数値の量子化
パラメータが使用され、各量子化パラメータ値は実際の量子化率に対応できる。また、例
えば、ルマ成分(ルマサンプル)に対する量子化パラメータ(QPY)とクロマ成分(ク
ロマサンプル)に対する量子化パラメータ(QPC)は異なる設定が可能である。
【0145】
量子化過程は、変換係数(C)を入力とし、量子化率(Qstep)で割って、これに基づ
いて量子化された変換係数(C‘)を得ることができる。この場合、計算複雑度を考慮し
て量子化率にスケールを乗算して整数形態にし、スケール値に該当する値の分だけシフト
演算を行うことができる。量子化率とスケール値の積に基づいて量子化スケール(qua
ntization scale)が導出できる。すなわち、QPによって前記量子化ス
ケールが導出されることができる。例えば、前記変換係数(C)に前記量子化スケールを
適用して、これに基づいて量子化された変換係数(C‘)が導出されることもできる。
【0146】
逆量子化過程は量子化過程の逆過程であり、量子化された変換係数(C‘)に量子化率
(Qstep)を乗算して、これに基づいて復元された変換係数(C‘‘)を得ることができ
る。この場合、前記量子化パラメータによってレベルスケール(level scale
)が導出され、前記量子化された変換係数(C‘)に前記レベルスケールを適用して、こ
れに基づいて復元された変換係数(C‘‘)が導出される。復元された変換係数(C‘‘
)は、変換及び/又は量子化過程での損失(loss)により最初の変換係数(C)と多
少の差があり得る。従って、エンコード装置においてもデコード装置と同様に逆量子化を
行う。
【0147】
一方、周波数に応じて量子化強度を調節する適応的周波数別加重量子化(adapti
ve frequency weighting quantization)技術が適
用されることができる。前記適応的周波数別加重量子化技術は、周波数別に異なる量子化
強度を適用する方法である。前記適応的周波数別加重量子化は、予め定義された量子化ス
ケーリングメトリクスを用いて各周波数別に異なる量子化強度を適用することができる。
すなわち、前述の量子化/逆量子化過程は、前記量子化スケーリングメトリクスに基づい
て行われることができる。例えば、現在ブロックのサイズ及び/又は前記現在ブロックの
レジデュアル信号を生成するために、前記現在ブロックに適用された予測モードがインタ
ー予測であるか、イントラ予測であるかによって異なる量子化スケーリングメトリクスが
使用される。前記量子化スケーリングメトリクスは、量子化メトリクス又はスケーリング
メトリクスと呼ばれてもよい。前記量子化スケーリングメトリクスは予め定義されてもよ
い。また、周波数適応的スケーリングのために、前記量子化スケーリングメトリクスに対
する周波数別量子化スケール情報がエンコード装置において構成/エンコードされてデコ
ード装置にシグナリングされる。前記周波数別量子化スケール情報は、量子化スケーリン
グ情報と呼ばれてもよい。前記周波数別量子化スケール情報は、スケーリングリストデー
タ(scaling_list_data)を含む。前記スケーリングリストデータに基
づいて(修正された)前記量子化スケーリングメトリクスが導出される。また、前記周波
数別量子化スケール情報は、前記スケーリングリストデータの存否を指示する存否フラグ
(present flag)情報を含む。または、前記スケーリングリストデータが上
位レベル(例えば、SPS)においてシグナリングされた場合、前記上位レベルの下位レ
ベル(例えば、PPS又はtile group headerなど)において前記スケ
ーリングリストデータが修正されるか否かを指示する情報などがさらに含まれる。
【0148】
前述のように、量子化パラメータに基づいてルマ成分及びクロマ成分に量子化/逆量子
化が適用される。
【0149】
コーディングユニット(coding unit)に対する量子化パラメータは、ピク
チャ及び/又はスライスレベルでシグナリングされる情報に基づいて決定される。例えば
、前記量子化パラメータは後述のように導出されることができる。
【0150】
例えば、SPS(sequence parameter set)を介して量子化パ
ラメータの導出に関する情報が次の表のようにシグナリングされる。
【0151】
【0152】
前述の表1のシンタックスエレメント(syntax elements)に対するセ
マンティック(semantics)は、次の表の通りである。
【0153】
【0154】
例えば、シンタックスエレメントbit_depth_luma_minus8は、ル
マアレイ(luma array)のサンプルのビットデプス(bit depth)で
あるBitDepthY及びルマ量子化パラメータレンジオフセット(luma qua
ntization parameter range offset)であるQpBd
OffsetYを示す。すなわち、例えば、前記シンタックスエレメントbit_dep
th_luma_minus8に基づいて前記BitDepthY及び前記QpBdOf
fsetYが導出されることができる。例えば、前記BitDepthYは、前記シンタッ
クスエレメントbit_depth_luma_minus8の値に8を加算した値とし
て導出され、前記QpBdOffsetYは、前記シンタックスエレメントbit_de
pth_luma_minus8の値に6を乗算した値として導出される。また、前記b
it_depth_luma_minus8は0ないし8の範囲にあり得る。
【0155】
また、例えば、シンタックスエレメントbit_depth_chroma_minu
s8は、クロマアレイ(chroma array)のサンプルのビットデプス(bit
depth)であるBitDepthc及びクロマ量子化パラメータレンジオフセット
(chroma quantization parameter range off
set)であるQpBdOffsetcを示す。すなわち、例えば、前記シンタックスエ
レメントbit_depth_chroma_minus8に基づいて前記BitDep
thc及び前記QpBdOffsetcが導出されることができる。例えば、前記BitD
epthcは前記シンタックスエレメントbit_depth_chroma_minu
s8の値に8を加算したた値として導出され、前記QpBdOffsetcは前記シンタ
ックスエレメントbit_depth_chroma_minus8の値に6を乗算した
値として導出される。また、前記bit_depth_chroma_minus8は0
ないし8の範囲にあり得る。
【0156】
また、例えば、PPS(picture parameter set)を介して量子
化パラメータの導出に関する情報が次の表のようにシグナリングされる。前記情報は、ク
ロマCbオフセット(Chroma Cb offset)、クロマCrオフセット(C
hroma Cr offset)、ジョイントクロマオフセット及びイニシャル量子化
パラメータを含む。すなわち、前記情報は、クロマCbオフセット(Chroma Cb
offset)、クロマCrオフセット(Chroma Cr offset)、ジョ
イントクロマオフセット及びイニシャル量子化パラメータに対するシンタックスエレメン
トを含む。
【0157】
【0158】
前述の表3のシンタックスエレメント(syntax elements)に対するセ
マンティック(semantics)は、次の表の通りである。
【0159】
【0160】
例えば、シンタックスエレメントinit_qp_minus26に26を加算した値
は、PPSを参照する各スライスに対するSliceQpYの初期値(initial
value)を示す。slice_qp_deltaの0でない値(non-zero
value)がデコードされる場合、前記SliceQpYの初期値はスライスレイヤに
おいて修正されることができる。前記init_qp_minus26 0は、-(26
+QpBdOffsetY)ないし+37の範囲にあり得る。
【0161】
また、例えば、シンタックスエレメントpps_cb_qp_offset及びpps
_cr_qp_offsetは、それぞれQp’Cb及びQp'Crの導出に使われるルマ量
子化パラメータQp’Yに対するオフセット(offset)を示す。前記pps_cb
_qp_offset及びpps_cr_qp_offsetは、-12ないし+12の
範囲にあり得る。また、ChromaArrayTypeが0である場合、デコード過程
でpps_cb_qp_offset及びpps_cr_qp_offsetは使用され
ない場合もあり、デコード装置は前記シンタックスエレメントの値を無視(ignore
)することができる。
【0162】
また、例えば、シンタックスエレメントpps_joint_cbcr_qp_off
setは、Qp'CbCrの導出に使われるルマ量子化パラメータQp’Yに対するオフセット
(offset)を示す。前記pps_joint_cbcr_qp_offsetは、
-12ないし+12の範囲にあり得る。また、ChromaArrayTypeが0であ
る場合、デコード過程でpps_joint_cbcr_qp_offsetは使用され
ない場合もあり、デコード装置は前記シンタックスエレメントの値を無視(ignore
)することができる。
【0163】
また、例えば、シンタックスエレメントpps_slice_chroma_qp_o
ffsets_present_flagは、シンタックスエレメントslice_cb
_qp_offset及びslice_cr_qp_offsetが関連するスライスヘ
ッダに存在(present)するか否かを示す。例えば、値が1であるpps_sli
ce_chroma_qp_offsets_present_flagは、slice
_cb_qp_offset及びslice_cr_qp_offsetに関連するスラ
イスヘッダに存在(present)することを示す。また、例えば、値が0であるpp
s_slice_chroma_qp_offsets_present_flagは、
slice_cb_qp_offset及びslice_cr_qp_offsetに関
連するスライスヘッダに存在しないことを示す。また、ChromaArrayType
が0である場合、デコード過程でpps_slice_chroma_qp_offse
ts_present_flagは0のようである。
【0164】
前述のようにPPSにおいてパーシングされるシンタックスエレメントはinit_q
p_minus26、pps_cb_qp_offset_pps_cr_qp_off
set、pps_joint_cbcr_qp_offset及びpps_slice_
chroma_qp_offsets_present_flagであり得る。シンタッ
クスエレメントinit_qp_minus26は、PPSを参照する各スライスに対す
るSliceQpYの初期値を示す。また、シンタックスエレメントpps_cb_qp
_offset、pps_cr_qp_offset及びpps_joint_cbcr
_qp_offsetは、ルマ量子化パラメータQp’Yに対するオフセットを示す。ま
た、シンタックスエレメントpps_slice_chroma_qp_offsets
_present_flagは、オフセットパラメータがスライスヘッダに存在するか否
かを示す。
【0165】
また、例えば、スライスヘッダ(slice header)を介して量子化パラメー
タの導出に関する情報が次の表のようにシグナリングされることができる。
【0166】
【0167】
前述の表5のシンタックスエレメント(syntax elements)に対するセ
マンティック(semantics)は次の表の通りである。
【0168】
【0169】
例えば、slice_qp_deltaはコーディングユニットレイヤにおいてCuQ
pDeltaValの値により修正(modified)されるまでスライス内のコーデ
ィングブロックに使用されるQpYの初期値を示す。例えば、スライスに対するQpYの初
期値、SliceQpYは26+init_qp_minus26+slice_qp_
deltaとして導出される。SliceQpYの値は、-QpBdOffsetYないし
+63の範囲にあり得る。
【0170】
また、例えば、slice_cb_qp_offsetは量子化パラメータQp'Cbの
値を決定する時にpps_cb_qp_offsetの値に追加される差(differ
ence)を示す。slice_cb_qp_offsetの値は-12ないし+12の
範囲にあり得る。また、例えば、slice_cb_qp_offsetが存在しない場
合、前記slice_cb_qp_offsetは0とみなされる(inferred)
。pps_cb_qp_offset+slice_cb_qp_offsetの値は、
12ないし+12の範囲にあり得る。
【0171】
また、例えば、slice_cr_qp_offsetは、量子化パラメータQp'Cr
の値を決定する時にpps_cr_qp_offsetの値に追加される差(diffe
rence)を示す。slice_cr_qp_offsetの値は、-12ないし+1
2の範囲にあり得る。また、例えば、slice_cr_qp_offsetが存在しな
い場合、前記slice_cr_qp_offsetは0とみなされる(inferre
d)。pps_cr_qp_offset+slice_cr_qp_offsetの値
は、12ないし+12の範囲にあり得る。
【0172】
また、例えば、slice_cbcr_qp_offsetは、量子化パラメータQp
'CbCrの値を決定する時にpps_cbcr_qp_offsetの値に追加される差(
difference)を示す。slice_cbcr_qp_offsetの値は、-
12ないし+12の範囲にあり得る。また、例えば、slice_cbcr_qp_of
fsetが存在しない場合、前記slice_cbcr_qp_offsetは0とみな
される(inferred)。pps_cbcr_qp_offset+slice_c
bcr_qp_offsetの値は、12ないし+12の範囲にあり得る。
【0173】
ルマ及びクロマ量子化パラメータに対する導出プロセスは、前記プロセスに対する入力
がルマ位置(luma location)、現在コーディングブロックの幅及び高さを
指定する変数及びシングルツリー(single tree)又はデュアルツリー(du
al tree)であるかを指定する変数であることから開始される。一方、前述のよう
に、ルマ量子化パラメータ、クロマ量子化パラメータ及びジョイントクロマ量子化パラメ
ータは、Qp’Y、Qp'Cb、Qp'Cr及びQp'CbCrと示すことができる。
【0174】
一方、例えば、CuQpDeltaValの符号(sign)を示すシンタックスエレ
メントcu_qp_delta_sign_flagがパーシングされる。例えば、前記
cu_qp_delta_sign_flagはCuQpDeltaValの符号(si
gn)を次のように示すことができる。
【0175】
例えば、前記cu_qp_delta_sign_flagが0である場合、前記cu
_qp_delta_sign_flagに対応するCuQpDeltaValは正数(
positive value)を有する。または、例えば、前記cu_qp_delt
a_sign_flagが1である場合、前記cu_qp_delta_sign_fl
agに対応するCuQpDeltaValは負数(negative value)を有
する。また、前記cu_qp_delta_sign_flagが存在しない場合、前記
cu_qp_delta_sign_flagは0とみなされる。
【0176】
また、例えば、cu_qp_delta_absが存在する場合、変数IsCuQpD
eltaCodedは1として導出され、変数CuQpDeltaValはcu_qp_
delta_abs*(1-2*cu_qp_delta_sign_flag)として
導出される。前記CuQpDeltaValは-(32+QpBdOffsetY/2)
ないし+(31+QpBdOffsetY/2)の範囲にあり得る。
【0177】
その後、例えば、前記ルマ量子化パラメータQp'Yは次の数式のように導出される。
【0178】
【0179】
また、ChromaArrayTypeが0ではなく、treeTypeがSINGL
E_TREE又はDUAL_TREE_CHROMAである場合、以下が適用される。
【0180】
-treeTypeがDUAL_TREE_CHROMAのようであると、変数QpY
はルマ位置(xCb+cbWidth/2,yCb+cbHeight/2)を含むルマ
コーディングユニットのルマ量子化パラメータQpYと同一に設定されることができる。
【0181】
-変数qPCb、qPCr及びqPCbCrは以下のように導出される。
【0182】
【0183】
例えば、ChromaArrayTypeが1であると、変数qPCb、qPCr及びqP
CbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPiCbCrと同一のインデックスqPiに基づい
て次の表7に指定されたQpC値と同一に設定されることができる。
【0184】
【0185】
または、ChromaArrayTypeが1でないと、変数qPCb、qPCr及びqP
CbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPiCbCrと同一のインデックスqPiに基づい
てMin(qPi,63)と同一に設定されることができる。
【0186】
-Cb成分及びCr成分に対するクロマ量子化パラメータ、Qp'Cb及びQp'Cr、ジョ
イントCb-Crコーディングに対するクロマ量子化パラメータQp'CbCrは以下の
ように導出される。
【0187】
【0188】
一方、本文書は、量子化/逆量子化過程でのコーディング効率を向上させるための方案
を提案する。
【0189】
一実施形態として、本文書は、ChromaArrayTypeが0でない場合(例え
ば、ChromaArrayTypeが1である場合)、既存のVVCドラフト5v.7
に予め定義されたクロマ量子化マッピングテーブルを介してルマ量子化パラメータ値から
クロマ量子化パラメータ値を得る方法ではなく、ユーザがクロマ量子化マッピングテーブ
ル(user defined Chroma Quantization Table
)を定義し、これを使用する方法を提案する。VVC説明テキスト(VVC speci
fication text)(例えば、VVCドラフト5v.7)においてはqPi(
ルマ量子化パラメータ値)が与えられた場合、予め定義されたクロマ量子化テーブル(例
えば、前述の表7)を介してQpc(クロマ量子化パラメータ値)が導出されるが、本文
書は、ユーザが新しく定義したクロマ量子化マッピングテーブルに基づいてqPiからQ
pcを導出する方法を提案する。本文書の実施形態によれば、Qpc値がqPi値の関数
(function)関係から導出され、ユーザ定義機能(user defined
functionality)方法により関数がAPS、SPS又はPPSなどのシンタ
ックスにシグナリングされることができ、関数関係は予め定義されたシンタックスエレメ
ントの値を送信し、送信された値に基づいてユーザがクロマ量子化テーブルマッピングを
定義する方法を提案する。1つの例として、Qpc値がqPi値の関数(functio
n)関係により導出できるので、当該関数を示すシンタックスエレメント値が送信される
場合、ユーザが定義するクロマ量子化マッピングテーブル(a user define
d Chroma Quantization Table)が表7のような形式で導出
されることができる。
【0190】
一実施形態としてAPS(adaptation parameter set)にお
いて後述する表のようにクロマ量子化マッピング関連関数を示すシンタックスエレメント
(Qpc_data)に関する情報をシグナリングする方案を提案する。
【0191】
【0192】
前述の表8を参照すると、前記aps_params_typeがQpc_APSを示
す場合、例えば、前記aps_params_typeの値が2である場合は、Qpc_
data()がシグナリングされる。
【0193】
前述の表8のシンタックスエレメント(syntax elements)に対するセ
マンティック(semantics)は、次の表の通りである。
【0194】
【0195】
例えば、シンタックスエレメントadaptation_parameter_set
_idは、他のシンタックスエレメントにより参照されるAPSの識別子(identi
fier)を提供する。
【0196】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_flagはAP
S RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_flagシン
タックスエレメントが存在するか否かを示す。例えば、値が1であるシンタックスエレメ
ントaps_extension_flagはAPS RBSPシンタックス構造にap
s_extension_data_flagシンタックスエレメントが存在することを
示し、値が0であるシンタックスエレメントaps_extension_flagはA
PS RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_flagシ
ンタックスエレメントが存在しないことを示す。
【0197】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_data_fl
agは任意の値を有することができる。前記aps_extension_data_f
lagの存在(presence)と価値(value)は、この規格のバージョンにお
いて明示されたプロファイルに対するデコーダ適合性に影響を及ぼさないことがある。例
えば、この規格のバージョンに従うデコード装置は、全てのシンタックスエレメントap
s_extension_data_flagを無視することができる。
【0198】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_params_typeは、後述の表
10に示すように、APSに含まれたAPSパラメータのタイプを示す。
【0199】
【0200】
例えば、表10を参照すると、シンタックスエレメントaps_params_typ
eの値が0であると、前記シンタックスエレメントaps_params_typeは、
APSパラメータのタイプがALFパラメータであることを示し、シンタックスエレメン
トaps_params_typeの値が1であると、前記シンタックスエレメントap
s_params_typeは、APSパラメータのタイプがLMCSパラメータである
ことを示し、シンタックスエレメントaps_params_typeの値が2であると
、前記シンタックスエレメントaps_params_typeは、APSパラメータの
タイプがQpcパラメータであることを示す。Qpcデータパラメータはクロマ量子化デ
ータパラメータを示すことができる。
【0201】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0202】
例えば、本実施形態においては、PPS(picture parameter se
t)においてユーザ定義QpCデータ(user defined QpC data)を
シグナリングする方案を提案する。本実施形態において提案した方案を実行するための一
例として、SPSにおいてPPSがユーザ定義データを含むか否かを示すフラグが導入さ
れることがある。すなわち、SPSにおいてPPSがユーザ定義データを含むか否かを示
すフラグがシグナリングされる。また、本実施形態によれば、PPSにおいて前記ユーザ
定義データがシグナリングされる。または、スライスヘッダ(slice header
)及び/又は他のヘッダセットにおいて前記ユーザ定義データがシグナリングされること
もある。
【0203】
PPSがユーザ定義データを含むか否かを示すフラグは、次の表のようにシグナリング
される。
【0204】
【0205】
例えば、シンタックスエレメントQpc_data_default_flagは、前
述のフラグのシンタックスエレメントであり得る。前記シンタックスエレメントQpc_
data_default_flagは、PPS RBSPシンタックス構造にQpc_
data()パラメータが存在するか否かを示す。例えば、0のQpc_data_de
fault_flagは、PPS RBSPシンタックス構造にQpc_data()パ
ラメータが存在せず、デフォルトテーブル(default table)がクロマ量子
化(chroma quantization)の決定を助けるために使用されることを
示す。ここで、前記デフォルトテーブルは前述の表7のようである。また、例えば、1の
Qpc_data_default_flagは、PPS RBSPシンタックス構造に
Qpc_data()パラメータが存在することを示す。
【0206】
また、本実施形態によるPPSにおいてシグナリングされる前記ユーザ定義データは、
次の表の通りである。
【0207】
【0208】
一方、例えば、Qpc_data()は、ChromaArrayTypeが1である
ときのクロマ量子化導出に必要な情報を含む。
【0209】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0210】
例えば、本実施形態においては、クロマ量子化係数(Quantization Pa
rameter:QP)導出とコンバイン(combined)クロマQP導出のための
柔軟な構造(flexible structure)を提案する。本実施形態は、SP
S及び/又はPPSにおいてクロマ量子化係数(QP)を導出するために使用される関数
を示すパラメータ(parameters)が使用できるユーザ定義モード(user
defined mode)の有無を示すイニシャルフラグ(initial flag
)をシグナリングする方案を提案する。
【0211】
例えば、本実施形態において提案したハイレベルシンタックス(high level
syntax)においてシグナリングされるフラグ情報は、後述の表の通りである。
【0212】
【0213】
例えば、Qpc_data_present_flagは、ハイレベルシンタックスR
BSPシンタックス構造にクロマ量子化係数を導出するためのパラメータが存在するか否
かを示す。例えば、0のQpc_data_present_flagは、ハイレベルシ
ンタックスRBSPシンタックス構造にクロマ量子化パラメータが存在しないことを示す
。また、例えば、1のQpc_data_present_flagは、ハイレベルシン
タックスRBSPシンタックス構造にクロマ量子化パラメータが存在することを示す。
【0214】
または、前記シンタックスエレメントQpc_data_present_flagは
、ビットストリームにおいてクロマ量子化導出の使用方案を示すために使われることもあ
る。例えば、Qpc_data_present_flagは次のようにクロマ量子化導
出のために使われるツール(tool)又はユーザ定義モードの使用を示すことができる
。
【0215】
例えば、Qpc_data_present_flagは、ビットストリームにおいて
ユーザ定義クロマ量子化(user defined chroma quantiza
tion)が使われるか否かを示す。例えば、0のQpc_data_present_
flagは、ユーザ定義クロマ量子化がビットストリームにおいて使用されないことを示
す。また、例えば、1のQpc_data_present_flagは、ユーザ定義ク
ロマ量子化が単独で又は他のフラグと一緒に使用されることを示す。
【0216】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0217】
例えば、本実施形態においては、1つの関数(function)においてシグナリン
グされるユーザ定義情報(user defined Information)を使っ
てクロマ量子化パラメータ(QP)、すなわち、Qp'Cb、Qp'Cr及びQp'CbCrがどの
ように導出されるかの一実施形態を提案する。例えば、本実施形態によれば、クロマ量子
化パラメータ(QP)を導出するための関数を示すデータがシグナリングされ、前記クロ
マ量子化データに基づいてクロマ量子化パラメータが導出される。前記クロマ量子化係数
導出のためのデータ(又は、ユーザ定義QPマッピングテーブル(user defin
ed QP mapping table))は、次の表のようにシグナリングされる。
【0218】
【0219】
前述の表14のシンタックスエレメント(syntax elements)に対する
セマンティック(semantics)は、次の表の通りである。
【0220】
【0221】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小のqPiインデックスを示す。
【0222】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックス間のデルタ値
(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_idx
より大きいか等しい。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxId
xは、次の数式のように導出されることができる。
【0223】
【0224】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_val[i]は、i番目のイ
ンデックスに対するQpC値を示す。
【0225】
また、例えば、シンタックスエレメントQpOffsetCは、QpCの導出に使われる
オフセット値(offset value)を示す。
【0226】
また、例えば、qPiに対する変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出できる
。ここで、前記qPiは0からqPiMaxIdxであり得る。
【0227】
-qPi<qPi_min_idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0228】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_val[qPi]と同一に設定される。
【0229】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-QpO
ffsetCに設定される。
【0230】
その後、QpCの値はQpCIdx[qPi]として導出される。
【0231】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0232】
【0233】
前述の表16を参照すると、ルマ及びクロマ量子化パラメータに対する導出プロセスは
、前記プロセスに対する入力が、ルマ位置(xCb,yCb)、現在コーディングブロッ
クの幅及び高さを指定する変数cbWidth、cbHeight及びシングルツリー(
single tree)又はデュアルツリー(dual tree)であるかを指定す
る変数treeTypeであることから開始される。一方、前述のように、ルマ量子化パ
ラメータ、クロマ量子化パラメータは、Qp’Y、Qp'Cb及びQp'Crと示される。
【0234】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0235】
例えば、本実施形態は、SPS内のフラグがユーザ定義モード(user defin
ed mode)又はデフォルトモード(default mode)を有することによ
り量子化パラメータの導出を制御するために使用できるシンタックスエレメントを使用す
る例を提案する。量子化パラメータを導出するために使用できるシンタックスエレメント
の一例は、次の表の通りである。一方、前記シンタックスエレメントの構造は一例であり
、前記構造は、下記の表に示された構造に制限されない。
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
例えば、シンタックスエレメントQpc_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モードが使用されるか否かを示す。例えば、0
のQpc_data_default_flagは、量子化パラメータの導出のためにユ
ーザ定義モードが使用されることを示す。また、例えば、1のQpc_data_def
ault_flagは、デフォルトテーブルがクロマ量子化パラメータを導出するために
使用されることを示す。ここで、前記デフォルトテーブルは前述の表7の通りである。ま
た、前記シンタックスエレメントQpc_data_default_flagが存在し
ない場合、前記シンタックスエレメントQpc_data_default_flagは
1とみなされる。
【0240】
一方、前記ユーザ定義モードが使用される場合は、対応するスライスヘッダ、タイルグ
ループ/ヘッダ、又は他の適切なヘッダがAPS IDのシグナリングに使用される。例
えば、前記表18のようにスライスヘッダを介して前記APS IDを示すシンタックス
エレメントがシグナリングされることができる。
【0241】
例えば、シンタックスエレメントslice_QpC_aps_idは、スライスが参
照されるQpC APSのadaptation_parameter_set_idを
示す。slice_QpC_aps_idのようなadaptation_parame
ter_set_idを有するQpC APS NALユニットのTemporalId
は、コーディングされたスライスNALユニットのTemporalIdより小さいか等
しい。同一値のadaptation_parameter_set_idを有する複数
のQpC APSが同一のピクチャの2つ以上のスライスにより参照される場合、同一値
のadaptation_parameter_set_idを有する複数のQpC A
PSは同一のコンテンツ(content)を有することができる。
【0242】
また、本実施形態において提案されたクロマ量子化データを伝達するAPS構造は、前
述の表19の通りである。
【0243】
例えば、シンタックスエレメントadaptation_parameter_set
_idは、他のシンタックスエレメントにより参照されるAPSの識別子(identi
fier)を提供することができる。
【0244】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_flagは、A
PS RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_flagシ
ンタックスエレメントが存在するか否かを示す。例えば、値が1であるシンタックスエレ
メントaps_extension_flagは、APS RBSPシンタックス構造に
aps_extension_data_flagシンタックスエレメントが存在するこ
とを示し、値が0であるシンタックスエレメントaps_extension_flag
は、APS RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_fl
agシンタックスエレメントが存在しないことを示す。
【0245】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_data_fl
agは任意の値を有することができる。前記aps_extension_data_f
lagの存在(presence)と価値(value)は、この規格のバージョンにお
いて明示されたプロファイルに対するデコーダ適合性に影響を及ぼさない場合がある。例
えば、この規格のバージョンに従うデコード装置は、全てのシンタックスエレメントap
s_extension_data_flagを無視することができる。
【0246】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_params_typeは、前述の表
10に示しているように、APSに含まれたAPSパラメータのタイプを示す。
【0247】
前述の表19に開示されたQpC_data()は、次の表のようにシグナリングされ
る。
【0248】
【0249】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小のqPiインデックスを示す。
【0250】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックス間のデルタ値
(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_idx
より大きいか等しい。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxId
xは、前述の数式4のように導出されることができる。
【0251】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_prec_minus1に1を加えた
値は、シンタックスlmcs_delta_abs_cw[i]の表現(represe
ntation)に対して使われるビット(bits)の数を示す。QpC_prec_
minus1の値は0ないしBitDepthY-2の範囲にあり得る。
【0252】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_init_valはqPi_min_
idxに対応するQpC値を示す。
【0253】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値のデルタ(delta)を示す。
【0254】
また、例えば、シンタックスエレメントQpOffsetCは、QpCの導出に使われる
オフセット値(offset value)を示す。
【0255】
例えば、qPiに対する変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出される。ここ
で、前記qPiは0からqPiMaxIdxであり得る。
【0256】
-qPi<qPi_min_idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0257】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0258】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-QpO
ffsetCに設定される。
【0259】
その後、QpCの値はQpCIdx[qPi]と導出されることができる。
【0260】
前述の実施形態のように、クロマ量子化パラメータ、すなわち、Qp'Cb、Qp'Cr
及びQp'CbCrはシグナリングされるユーザ定義情報を使用して、又は、前述の表7
のようなデフォルトテーブルに示されたデフォルト値を使用して導出されることができる
。
【0261】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0262】
【0263】
前述の表21を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは本実施形態において提案しているようにシグナリングされるユーザ定義情
報に基づいて導出され、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_data
_default_flagが肯定(TRUE)を示す場合(すなわち、例えば、QpC
_data_default_flagが1である場合)、変数qPCb、qPCr及びqP
CbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPiCbCrと同一のインデックスqPiに基づい
てデフォルトテーブルにより導出される。
【0264】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0265】
例えば、本実施形態は、SPSのフラグがユーザ定義モード又はデフォルトモードを示
すことにより量子化パラメータの導出をコントロールするために使用できるシンタックス
エレメントを提案する。具体的に、本実施形態は、以下のようなシンタックス構造のシン
タックスエレメントをシグナリングする方案を提案する。一方、前記シンタックスエレメ
ントの構造は一例であり、前記構造は下記の表に示された構造に制限されない。
【0266】
【0267】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小のqPiインデックスを示す。
【0268】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxI
dxは、前述の数式4のように導出されることができる。
【0269】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値のデルタ(delta)を示す。
【0270】
また、例えば、シンタックスエレメントQpOffsetCは、前述のようなQpCの導
出に使われるオフセット値(offset value)を示す。
【0271】
前述の実施形態のように、クロマ量子化パラメータ、すなわち、Qp'Cb、Qp'Cr
及びQp‘CbCrはシグナリングされるユーザ定義情報を使用して又は前述の表7のよ
うなデフォルトテーブルに示されたデフォルト値を使用して導出されることができる。
【0272】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0273】
【0274】
前述の表23を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定義
情報に基づいて導出されることができる。例えば、ChromaArrayTypeが1
であり、QpC_data_default_flagが否定(FALSE)を示す場合
(すなわち、例えば、QpC_data_default_flagが0である場合)、
変数qPCb、qPCr及びqPCbCrは、次のようにそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPi
CbCrと同一のインデックスqPiに基づいてQpCの値と同一のに導出されることができ
る。
【0275】
例えば、変数QpCIdx[i]は以下のように導出される。
【0276】
-i<qPi_min_idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同一に
設定される。
【0277】
-i=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[
i]はQpC_qPi_delta_val[i]+QpCIdx[i-1]に設定される
。
【0278】
-i>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[i]はqPi-QpOffse
tCに設定される。
【0279】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[i]に設定されることができる。
【0280】
また、表23を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが肯定(TRUE)を示す場合(すなわち、例えば、
QpC_data_default_flagが1である場合)、変数qPCb、qPCr及
びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr、qPiCbCrと同一のインデックスqPiに基
づいてデフォルトテーブルにより導出される。
【0281】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0282】
例えば、本実施形態はAPS(Adaptation Parameter Set)
においてクロマ量子化(QpC)導出パラメータに対するシンタックスエレメントを提案
する。例えば、スライスヘッダにおいてAPS IDがシグナリングされることができる
。また、例えば、デフォルトテーブルが使われるか又はAPSにおいてシグナリングされ
る情報から導出されるテーブルが使われるかを示すPPS(picture param
eter set)内のフラグが提案される。また、例えば、前記デフォルトテーブルが
使用されない場合、スライスヘッダにQpCデータを含むAPSに対するアクセス(ac
cess)をサポートするための追加的な制御方案が加えられる。
【0283】
一方、既存のビデオ/画像標準によれば、クロマQPはルマQPから導出され、追加的
に、シグナリングされたクロマQPオフセットによりアップデートされることができる。
既存のクロマ量子化パラメータQpCテーブルは、前述の表7のようなデフォルトテーブ
ルであり得る。
【0284】
本実施形態は、インデックスqPiの関数としてクロマ量子化パラメータQpCをシグ
ナリングするための機能を追加することを提案する。APSは、QpC値のシグナリング
方案の統合に使用される。
【0285】
例えば、本実施形態によるAPSは、次の表の通りである。
【0286】
【0287】
例えば、シンタックスエレメントadaptation_parameter_set
_idは、他のシンタックスエレメントにより参照されるAPSの識別子(identi
fier)を提供する。
【0288】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_params_typeは、前述の表
10に示されているように、APSに含まれたAPSパラメータのタイプを示す。
【0289】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_flagは、A
PS RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_flagシ
ンタックスエレメントが存在するか否かを示す。例えば、値が1であるシンタックスエレ
メントaps_extension_flagは、APS RBSPシンタックス構造に
aps_extension_data_flagシンタックスエレメントが存在するこ
とを示し、値が0であるシンタックスエレメントaps_extension_flag
は、APS RBSPシンタックス構造にaps_extension_data_fl
agシンタックスエレメントが存在しないことを示す。
【0290】
また、例えば、シンタックスエレメントaps_extension_data_fl
agは任意の値を有する。前記aps_extension_data_flagの存在
(presence)と価値(value)は、この規格のバージョンにおいて明示され
たプロファイルに対するデコーダ適合性に影響を及ぼさない場合がある。例えば、この規
格のバージョンに従うデコード装置は、全てのシンタックスエレメントaps_exte
nsion_data_flagを無視することができる。
【0291】
前述の表24に開示されたQpC_data()は、次の表のようにシグナリングされ
る。
【0292】
【0293】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小のqPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は0ないし63の範囲
にあり得る。
【0294】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。また、例えば、qPi_delta_max_idxの値は0な
いし63の範囲にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMa
xIdxは、前述の数式4のように導出される。
【0295】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値の差(difference)を示す。前記差
はデルタと呼ばれてもよい。
【0296】
また、例えば、シンタックスエレメントQpCOffsetC_present_fla
gは、ビットストリームにQpOffsetCが存在するか否かを示す。例えば、1のQ
pCOffsetC_present_flagはビットストリームにQpOffsetC
が存在することを示す。また、例えば、0のQpCOffsetC_present_fl
agはビットストリームにQpOffsetCが存在しないことを示すこ。QpCOffs
etC_present_flagが存在しない場合、QpCOffsetC_prese
nt_flagは0とみなされる。
【0297】
また、例えば、シンタックスエレメントQpOffsetCは、QpCの導出に使われる
オフセット値(offset value)を示す。
【0298】
例えば、qPiに対する変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出される。ここ
で、前記qPiは0から63であり得る。
【0299】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0300】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0301】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCOffsetC_present_f
lagが1であると、QpCIdx[qPi]はqPi-QpOffsetCに設定され、
QpCOffsetC_present_flagが1でないと、すなわち、QpCOff
setC_present_flagが0であると、QpCIdx[qPi]はqPi-(
qPiMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0302】
その後、QpCの値はQpCIdx[qPi]と導出される。
【0303】
また、本実施形態は、次の表のようなPPSでシグナリングされるフラグを提案する。
【0304】
【0305】
例えば、シンタックスエレメントQpC_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モード(user defined mode
)が使用されるか否かを示す。例えば、0のQpC_data_default_fla
gは、量子化パラメータを導出するためにユーザ定義モードが使用されることを示す。ま
た、例えば、1のQpC_data_default_flagは、量子化パラメータを
導出するために前述したデフォルトテーブルが使用されることを示す。前記デフォルトテ
ーブルは、前述の表7のようである。QpC_data_default_flagが存
在しない場合、QpC_data_default_flagは1とみなされる。
【0306】
また、本実施形態は、次の表のようにスライスヘッダでシグナリングされるシンタック
スエレメントを提案する。
【0307】
【0308】
例えば、シンタックスエレメントslice_QpC_aps_idは、スライスが参
照するQpC APSのadaptation_parameter_set_idを示
す。slice_QpC_aps_idのようなadaptation_paramet
er_set_idを有するQpC APS NALユニットのTemporalIdは
、コーディングされたスライスNALユニットのTemporalIdより小さいか等し
い。同一値のadaptation_parameter_set_idを有する複数の
QpC APSが同一のピクチャの2つ以上のスライスにより参照される場合、同一値の
adaptation_parameter_set_idを有する複数のQpC AP
Sは同一のコンテンツ(content)を有することができる。
【0309】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表のように示すことができる。
【0310】
【0311】
前述の表28を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定義
情報に基づいて導出される。また、例えば、ChromaArrayTypeが1であり
、QpC_data_default_flagが肯定(TRUE)を示す場合(すなわ
ち、例えば、QpC_data_default_flagが1である場合)、変数qPC
b、qPCr及びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPiCbCrと同一のインデッ
クスqPiに基づいてデフォルトテーブルにより導出されることができる。
【0312】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0313】
例えば、本実施形態においては、SPSにおけるクロマ量子化のユーザ定義誘導を以下
のようにシグナリングすることが提案される。例えば、本実施形態はユーザ定義クロマ量
子化(QpC)を提案する。例えば、SPSのフラグがクロマ量子化導出のためにデフォ
ルトテーブルを使用するか又はクロマ量子化導出のためのテーブルの内容をSPSにおい
てシグナリングされた情報から導出するかを示すことができる。
【0314】
例えば、本実施形態は、次の表に示されたシンタックスエレメントを使用してインデッ
クスqPiの関数としてクロマ量子化を行う方案を提案する。
【0315】
【0316】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小qPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は0ないし63の範囲に
あり得る。
【0317】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。qPi_delta_max_idxの値は0ないし63の範囲
にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxIdxは、前
述の数式4のように導出されることができる。
【0318】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値のデルタ(delta)を示す。
【0319】
例えば、変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出される。
【0320】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0321】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0322】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-(qP
iMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0323】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[qPi]に設定される。
【0324】
また、本実施形態に提案されるクロマ量子化導出のためにデフォルトテーブルを使用す
るか又はクロマ量子化導出のためにシグナリングされる情報が使用されるかを示すSPS
のフラグは、次の表の通りである。
【0325】
【0326】
例えば、シンタックスエレメントQpC_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モードが使用されるか否かを示す。例えば、0
のQpC_data_default_flagは、量子化パラメータの導出のためにユ
ーザ定義モードが使用されることを示す。また、例えば、1のQpC_data_def
ault_flagは、量子化パラメータの導出のためにデフォルトテーブルが使用され
ることを示す。前記デフォルトテーブルは、前述の表7のようである。また、QpC_d
ata_default_flagが存在しない場合、前記QpC_data_defa
ult_flagは1とみなされる。
【0327】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0328】
【0329】
前述の表31を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは、本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定
義情報に基づいて導出されることができる。また、例えば、ChromaArrayTy
peが1であり、QpC_data_default_flagが肯定(TRUE)を示
す場合(すなわち、例えば、QpC_data_default_flagが1である場
合)、変数qPCb、qPCr及びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr、qPiCbCrと同
一のインデックスqPiに基づいてデフォルトテーブルにより導出されることができる。
【0330】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0331】
例えば、本実施形態はインデックスqPiの関数としてクロマ量子化パラメータQpC
をシグナリングするための機能を追加することを提案する。例えば、PPSにおいて量子
化パラメータを導出するためのユーザ定義テーブル(user defined tab
le)に対するシンタックスエレメントをシグナリングする方案が提案され、これにより
、PPSを参照する各ピクチャにユーザ定義テーブルとデフォルトテーブルの間を切り替
えできる柔軟性を提供することができる。
【0332】
本実施形態において提案されるPPSにおいてシグナリングされるユーザ定義テーブル
(user defined table)に対するシンタックスエレメントは、次の表
の通りである。
【0333】
【0334】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小qPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は0ないし63の範囲に
あり得る。
【0335】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。qPi_delta_max_idxの値は0ないし63の範囲
にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxIdxは、前
述の数式4のように導出されることができる。
【0336】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値のデルタ(delta)を示す。
【0337】
例えば、変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出されることができる。
【0338】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0339】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0340】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-(qP
iMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0341】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[qPi]に設定される。
【0342】
また、本実施形態に提案されるクロマ量子化導出のためにデフォルトテーブルを使用す
るか又はクロマ量子化導出のためにシグナリングされる情報が使用されるかを示すSPS
のフラグは、次の表の通りである。
【0343】
【0344】
例えば、シンタックスエレメントQpC_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モードが使用されるか否かを示す。例えば、0
のQpC_data_default_flagは、量子化パラメータの導出のためにユ
ーザ定義モードが使用されることを示す。すなわち、例えば、0のQpC_data_d
efault_flagは、前記のクロマ量子化パラメータデータQpC_data()
が使用されることを示す。前記QpC_data_default_flagが0である
場合、前記クロマ量子化パラメータデータQpC_data()がシグナリングされるこ
とができる。また、例えば、1のQpC_data_default_flagは、量子
化パラメータの導出のためにデフォルトテーブルが使用されることを示す。前記デフォル
トテーブルは、前述の表7のようである。また、QpC_data_default_f
lagが存在しない場合、前記QpC_data_default_flagは1とみな
される。
【0345】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0346】
【0347】
前述の表34を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは、本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定
義情報に基づいて導出されることができる。また、例えば、ChromaArrayTy
peが1であり、QpC_data_default_flagが肯定(TRUE)を示
す場合(すなわち、例えば、QpC_data_default_flagが1である場
合)、変数qPCb、qPCr及びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr、qPiCbCrと同
一のインデックスqPiに基づいてデフォルトテーブルにより導出されることができる。
【0348】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0349】
例えば、本実施形態は、クロマ量子化パラメータQpCを導出及びシグナリングする一
般的なモードを提案する。
【0350】
本実施形態において提案されるクロマ量子化パラメータに対するクロマ量子化パラメー
タデータ、QpC_data()は、次の表のようにシグナリングされる。
【0351】
【0352】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小qPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は0ないし63の範囲に
あり得る。
【0353】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。qPi_delta_max_idxの値は0ないし63の範囲
にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxIdxは、前
述の数式4のように導出されることができる。
【0354】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値のデルタ(delta)を示す。
【0355】
例えば、変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出されることができる。
【0356】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0357】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0358】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-(qP
iMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0359】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[qPi]に設定される。
【0360】
また、本実施形態は、クロマ量子化導出のためにデフォルトテーブルを使用するか又は
クロマ量子化導出のためにシグナリングされる情報が使用されるかを示すフラグをシグナ
リングする方案を提案する。前記フラグは、SPS(sequence paramet
er set)、又はPPS(picture parameter set)などのハ
イレベルシンタックス(high level syntax)を介してシグナリングさ
れることができる。ハイレベルシンタックスを介してシグナリングされる前記フラグは次
の表の通りである。
【0361】
【0362】
例えば、シンタックスエレメントQpC_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モードが使用されるか否かを示す。例えば、0
のQpC_data_default_flagは、量子化パラメータの導出のためにユ
ーザ定義モードが使用されることを示す。すなわち、例えば、0のQpC_data_d
efault_flagは、前記のクロマ量子化パラメータデータQpC_data()
が使用されることを示す。前記QpC_data_default_flagが0である
場合、前記クロマ量子化パラメータデータQpC_data()がシグナリングされるこ
とができる。また、例えば、1のQpC_data_default_flagは、量子
化パラメータの導出のためにデフォルトテーブルが使用されることを示す。前記のデフォ
ルトテーブルは、前述の表7のようである。また、QpC_data_default_
flagが存在しない場合、前記QpC_data_default_flagは1とみ
なされる。
【0363】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0364】
【0365】
前述の表37を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、変数qPCb、qPCr
及びqPCbCrは、本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定
義情報に基づいて導出される。また、例えば、ChromaArrayTypeが1であ
り、QpC_data_default_flagが肯定(TRUE)を示す場合(すな
わち、例えば、QpC_data_default_flagが1である場合)、変数q
PCb、qPCr及びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr及びqPiCbCrと同一のインデ
ックスqPiに基づいてデフォルトテーブルにより導出されることができる。
【0366】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0367】
例えば、本実施形態は、オフセットなしにクロマ量子化パラメータQpCテーブルを導
出する方案を提案する。本実施形態は、APSと共に使用されることができ、又は独立的
に使用されるように提案されることもできる。例えば、クロマ量子化データと統合された
APSのシンタックス構造は、次の表の通りである。
【0368】
【0369】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小qPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は0ないし63の範囲に
あり得る。
【0370】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。qPi_delta_max_idxの値は0ないし63の範囲
にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxIdxは、前
述の数式4のように導出されることができる。
【0371】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_delta_val[i]は
、i番目のインデックスに対するQpC値の差(difference)を示す。前記差
はデルタ(delta)と呼ばれてもよい。
【0372】
例えば、変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出される。ここで、前記qPi
は0から63であり得る。
【0373】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0374】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_delta_val[qPi]+QpCIdx[qPi-
1]に設定される。
【0375】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-(qP
iMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0376】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[qPi]に設定される。
【0377】
また、本文書は、量子化パラメータに関する情報をシグナリングする他の一実施形態を
提案する。
【0378】
例えば、本実施形態は、連続的なQpC値間のデルタ(又は差)が1に制限される方案
を一例として提示する。
【0379】
例えば、本実施形態は、既存の画像/ビデオ標準にユーザ定義クロマ量子化(QpC)
を追加する方案を提案する。例えば、本実施形態において提案されるSPS(seque
nce parameter set)のフラグは、クロマ量子化パラメータ導出のため
に既存のデフォルトテーブルを使用するか又はテーブルの内容をSPSにおいてシグナリ
ングされた情報に基づいて導出するかを示す。本実施形態によれば、ユーザ定義クロマ量
子化を受容してコーディングされる画像に適した方案が選択されることができ、コーディ
ング効率を向上させることができる。
【0380】
例えば、本実施形態は、次の表のようなシンタックスエレメントを使用してインデック
スqPiの関数としてクロマ量子化(Chroma Quantization)QpC
をシグナリングする機能を追加することを提案する。
【0381】
【0382】
例えば、シンタックスエレメントqPi_min_idxは、クロマ量子化に使用され
る最小qPiインデックスを示す。qPi_min_idxの値は1ないし63の範囲に
あり得る。
【0383】
また、例えば、シンタックスエレメントqPi_delta_max_idxは、Qp
i_min_idxとクロマQpC導出に使われる最大qPiインデックスの間のデルタ
値(delta value)を示す。qPiMaxIdxの値はqPi_min_id
xより大きいか等しい。qPi_delta_max_idxの値は1ないし63の範囲
にあり得る。例えば、QpC導出に使われる最大インデックスqPiMaxIdxは、前
述の数式4のように導出されることができる。
【0384】
また、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_flag[i]は、QpC値が
1増加するか否かを示す。すなわち、例えば、シンタックスエレメントQpC_qPi_
flag[i]は、i番目のQpC値が(i-1)番目のQpC値より1増加するか否かを
示すことができる。例えば、1のQpC_qPi_flag[i]はQpC値が1増加する
ことを示し、0のQpC_qPi_flag[i]はQpC値が増加していないことを示す
。
【0385】
例えば、変数QpCIdx[qPi]は以下のように導出されることができる。ここで
、前記qPiは0から63であり得る。
【0386】
-qPi<qPi_min_Idxである場合、QpCIdx[qPi]はqPiと同
一に設定される。
【0387】
-qPi=qPi_min_idx・・・qPiMaxIdxである場合、QpCId
x[qPi]はQpC_qPi_flag[qPi]+QpCIdx[qPi-1]に設定
される。
【0388】
-qPi>qPiMaxIdxである場合、QpCIdx[qPi]はqPi-(qP
iMaxIdx-QpCIdx[qPiMaxIdx])に設定される。
【0389】
その後、前記QpCは前記QpCIdx[qPi]に設定される。
【0390】
また、本実施形態は、クロマ量子化導出のためにデフォルトテーブルを使用するか又は
クロマ量子化導出のためにシグナリングされる情報が使用されるかを示すフラグをシグナ
リングする方案を提案する。前記フラグは、SPS(sequence paramet
er set)、又はPPS(picture parameter set)などのハ
イレベルシンタックス(high level syntax)を介してシグナリングさ
れることができる。ハイレベルシンタックスを介してシグナリングされる前記フラグは、
次の表の通りである。
【0391】
【0392】
例えば、シンタックスエレメントQpC_data_default_flagは、量
子化パラメータの導出のためにユーザ定義モードが使用されるか否かを示す。例えば、0
のQpC_data_default_flagは、量子化パラメータの導出のためにユ
ーザ定義モードが使用されることを示す。すなわち、例えば、0のQpC_data_d
efault_flagは、前記のクロマ量子化パラメータデータQpC_data()
が使用されることを示す。前記QpC_data_default_flagが0である
場合、前記クロマ量子化パラメータデータQpC_data()がシグナリングされるこ
とができる。また、例えば、1のQpC_data_default_flagは、量子
化パラメータの導出のためにデフォルトテーブルが使用されることを示す。前記デフォル
トテーブルは、前述の表7のようである。また、QpC_data_default_f
lagが存在しない場合、前記QpC_data_default_flagは1とみな
される。
【0393】
例えば、本実施形態によって量子化パラメータを導出する過程を標準形式で記載すると
、次の表の通りである。
【0394】
【0395】
前述の表41を参照すると、ChromaArrayTypeが1であり、QpC_d
ata_default_flagが否定(FALSE)を示す場合(すなわち、例えば
、QpC_data_default_flagが0である場合)、qPCb、変数qPCr
及びqPCbCrは、本実施形態において提案されているようにシグナリングされるユーザ定
義情報に基づいて導出されることができる。また、例えば、ChromaArrayTy
peが1であり、QpC_data_default_flagが肯定(TRUE)を示
す場合(すなわち、例えば、QpC_data_default_flagが1である場
合)、変数qPCb、qPCr及びqPCbCrはそれぞれqPiCb、qPiCr、qPiCbCrと同
一のインデックスqPiに基づいてデフォルトテーブルにより導出されることができる。
【0396】
図10は、本文書にかかるエンコード装置による画像エンコード方法を概略的に示す。
図10で開示された方法は、
図2で開示されたエンコード装置によって実行されることが
できる。具体的に、例えば、
図10のS1000乃至S1010は、前記エンコード装置
のエントロピーエンコード部によって実行されることができる。また、示してはいないが
、レジデュアルサンプルと予測サンプルに基づいて復元サンプル及び復元ピクチャを生成
する過程は、前記エンコード装置の加算部によって実行されることができる。
【0397】
エンコード装置は、画像情報をエンコードする(S1000)。例えば、エンコード装
置は、前記現在クロマブロックのクロマタイプに基づいて、コンバイン(combine
d)クロマコーディングに対する量子化パラメータデータを生成することができ、前記コ
ンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータデータが存在するか否かを示
すフラグを生成することができ、前記量子化パラメータデータ及び前記フラグを含む前記
画像情報をエンコードすることができる。
【0398】
具体的に、例えば、エンコード装置は、予測モードに基づいて、前記現在クロマブロッ
クの予測サンプルを導出することができる。この場合、インター予測又はイントラ予測等
の本文書で開示された多様な予測方法が適用できる。
【0399】
例えば、エンコード装置は、現在クロマブロックにインター予測を実行するか、又はイ
ントラ予測を実行するかの可否を決定することができ、具体的なインター予測モード又は
具体的なイントラ予測モードをRDコスト基盤で決定することができる。決定されたモー
ドによって、エンコード装置は前記現在クロマブロックに対する予測サンプルを導出する
ことができる。
【0400】
また、例えば、エンコード装置は、前記現在クロマブロックに対する原本サンプルと前
記予測サンプルの減算を介して、前記レジデュアルサンプルを導出することができる。
【0401】
また、例えば、エンコード装置は、クロマタイプに基づいて、前記レジデュアルサンプ
ルのコンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータデータを生成することがで
きる。ここで、前記クロマタイプは、前述したChromaArrayTypeを意味す
ることができる。例えば、前記クロマタイプの値が0ではない場合、エンコード装置は、
コンバイン(combined)クロマコーディングに対する量子化パラメータデータを
生成することができる。例えば、前記クロマタイプの値が1である場合、デコード装置は
、コンバイン(combined)クロマコーディングに対する量子化パラメータデータ
を生成することができる。ここで、前記クロマタイプの値が0である場合、前記クロマタ
イプは、Monochromeフォーマット(format)であり得、前記クロマタイ
プの値が1である場合、前記クロマタイプは4:2:0のフォーマットであり得、前記ク
ロマタイプの値が2である場合、前記クロマタイプは4:2:2のフォーマットであり得
、前記クロマタイプの値が3である場合、前記クロマタイプは4:4:4のフォーマット
であり得る。また、前記コンバイン(combined)クロマコーディングは、クロマ
成分のジョイントコーディング(joint coding)と呼ばれることもある。前
記クロマ成分は、Cb成分及び/又はCr成分を含むことができる。
【0402】
また、例えば、エンコード装置は、クロマタイプに基づいて(例えば、前記クロマタイ
プの値が0ではない場合)、前記クロマ成分に対する前記レジデュアルサンプルに対して
、コンバイン(combined)クロマコーディングを実行するか否かを決定すること
ができ、前記レジデュアルサンプルに対してコンバイン(combined)クロマコー
ディングを実行する場合、前記レジデュアルサンプルのコンバイン(combined)
クロマコーディングに対する量子化パラメータデータを生成することができる。例えば、
前記量子化パラメータデータは、ハイレベルシンタックス(high level sy
ntax)を介してシグナリングされることができる。例えば、前記量子化パラメータデ
ータは、SPS(sequence parameter set)、PPS(pict
ure parameter set)、スライスヘッダ(slice header)
、又はAPS(adaptation parameter set)等を介してシグナ
リングされることができる。
【0403】
例えば、前記量子化パラメータデータは、前記コンバインクロマコーディングに対する
クロマ量子化パラメータテーブルの開始インデックスを示すシンタックスエレメント(s
yntax element)及び/又は前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記開
始インデックスと最後インデックスとの差を示すシンタックスエレメントを含むことがで
きる。前記開始インデックスを示す前記シンタックスエレメントは、前述したqPi_m
in_idxであり得る。また、前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を
示す前記シンタックスエレメントは、qPi_delta_max_idxであり得る。
さらに、前記クロマ量子化パラメータテーブルは、クロマ量子化パラメータマッピングテ
ーブル(chroma quantization parameter mappin
g table)又はユーザ定義量子化パラメータマッピングテーブル(user de
fined quantization parameter mapping tab
le)と呼ばれることもある。また、前記開始インデックスは、最小インデックスと呼ば
れることもある。さらに、例えば、前記開始インデックスを示す前記シンタックスエレメ
ント及び/又は前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を示す前記シンタッ
クスエレメントは、ハイレベルシンタックス(high level syntax)を
介してシグナリングされることができる。例えば、前記開始インデックスを示す前記シン
タックスエレメント及び/又は前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を示
す前記シンタックスエレメントは、SPS(sequence parameter s
et)、PPS(picture parameter set)、スライスヘッダ(s
lice header)、又はAPS(adaptation parameter
set)等を介してシグナリングされることができる。
【0404】
また、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記クロマ量子化パラメータテーブル
のインデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントを含むことができ
る。すなわち、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記クロマ量子化パラメータテ
ーブルの各インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントを含むこ
とができる。前記インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは
、前述したQpC_qPi_val[i]であり得る。また、例えば、前記インデックス
の量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは、ハイレベルシンタックス(h
igh level syntax)を介してシグナリングされることができる。例えば
、前記インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは、SPS(
sequence parameter set)、PPS(picture para
meter set)、スライスヘッダ(slice header)、又はAPS(a
daptation parameter set)等を介してシグナリングされること
ができる。
【0405】
また、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記コンバインクロマコーディングに
対する量子化パラメータの導出のためのオフセット(offset)を示すシンタックス
エレメントを含むことができる。前記オフセットを示すシンタックスエレメントは、前述
したQpOffsetCであり得る。さらに、例えば、前記オフセットを示すシンタック
スエレメントは、ハイレベルシンタックス(high level syntax)を介
してシグナリングされることができる。例えば、前記オフセットを示すシンタックスエレ
メントは、SPS(sequence parameter set)、PPS(pic
ture parameter set)、スライスヘッダ(slice header
)、又はAPS(adaptation parameter set)等を介してシグ
ナリングされることができる。
【0406】
一方、例えば、エンコード装置は、前記量子化パラメータデータに基づいて、前記コン
バインクロマコーディングに対する量子化パラメータを導出することができる。前記コン
バインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータは、前述したQP`CbCrを示す
ことができる。
【0407】
例えば、前述した内容のように、クロマ量子化パラメータテーブルは、前記クロマ量子
化パラメータテーブルの前記開始インデックスを示すシンタックスエレメント、前記クロ
マ量子化パラメータテーブルの前記開始インデックスと最後インデックスとの差を示すシ
ンタックスエレメント及び/又は前記クロマ量子化パラメータテーブルのインデックスの
量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントに基づいて導出されることができる
。すなわち、例えば、前記量子化パラメータデータに基づいて、前記コンバインクロマコ
ーディングに対するクロマ量子化パラメータテーブルが導出できる。その後、ルマ成分に
対する量子化パラメータに基づいて、前記コンバインクロマコーディングに対するインデ
ックスが導出でき、前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記インデックスに対する量
子化パラメータに基づいて、前記コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラ
メータが導出できる。すなわち、例えば、前記クロマ量子化パラメータテーブルでルマ成
分の量子化パラメータと同一のインデックスに対する量子化パラメータに基づいて、前記
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータが導出できる。
【0408】
例えば、前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記インデックスに対する量子化パラ
メータ(例えば、QPCbCr)にオフセットを加えて、前記コンバインクロマコーディング
に対する前記量子化パラメータ(例えば、QP`CbCr)が導出できる。前記オフセットは
、前記コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータの導出のためのオフセッ
ト(offset)を示すシンタックスエレメントに基づいて導出されることができる。
【0409】
また、例えば、エンコード装置は、前記クロマタイプに基づいて、前記コンバインクロ
マコーディングに対する前記量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを生
成することができる。例えば、前記クロマタイプの値が0ではない場合、エンコード装置
は、コンバイン(combined)クロマコーディングに対する量子化パラメータデー
タが存在するか否かを示すフラグを生成することができる。例えば、前記クロマタイプの
値が1である場合、エンコード装置は、コンバイン(combined)クロマコーディ
ングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを生成することがで
きる。例えば、前記フラグに対するシンタックスエレメントは、前述したQpC_dat
a_present_flagであり得る。
【0410】
例えば、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記コンバインクロマコーデ
ィングに対する前記量子化パラメータデータが存在しないことを示すことができ、前記フ
ラグの値が1である場合、前記フラグは、前記コンバインクロマコーディングに対する前
記量子化パラメータデータが存在することを示すことができる。
【0411】
また、例えば、前記フラグは、ハイレベルシンタックス(high level sy
ntax)を介してシグナリングされることができる。例えば、前記フラグは、SPS(
sequence parameter set)、PPS(picture para
meter set)、スライスヘッダ(slice header)、又はAPS(a
daptation parameter set)等を介してシグナリングされること
ができる。
【0412】
また、例えば、エンコード装置は、前記現在クロマブロックに対する予測情報、レジデ
ュアル情報、前記量子化パラメータデータ及び/又は前記フラグを含む画像情報をエンコ
ードすることができる。エンコード装置は、前記画像情報をエンコードすることができる
。前記画像情報は、前記現在クロマブロックに対する予測情報、レジデュアル情報、前記
量子化パラメータデータ及び/又は前記フラグを含むことができる。
【0413】
例えば、エンコード装置は、前記現在ブロックに対する予測情報を生成及びエンコード
することができる。前記予測情報は、前記現在ブロックの予測モードを示す予測モード情
報を含むことができる。前記画像情報は、前記予測情報を含むことができる。
【0414】
また、例えば、エンコード装置は、前記レジデュアルサンプルに対するレジデュアル情
報をエンコードすることができる。例えば、エンコード装置は、前記レジデュアルサンプ
ルに基づいて変換係数を導出することができ、前記変換係数に基づいて前記レジデュアル
情報を生成することができる。前記画像情報は、前記レジデュアル情報を含むことができ
る。例えば、前記レジデュアル情報は、現在クロマブロックの変換係数に対するシンタッ
クスエレメントを含むことができる。例えば、前記シンタックスエレメントは、code
d_sub_block_flag、sig_coeff_flag、coeff_si
gn_flag、abs_level_gt1_flag、par_level_fla
g、abs_level_gtX_flag、abs_remainder及び/又はc
oeff_sign_flag等のシンタックスエレメント(syntax eleme
nts)を含むことができる。
【0415】
また、例えば、エンコード装置は、前記量子化パラメータデータ及び前記フラグを含む
画像情報をエンコードすることができる。
【0416】
エンコード装置は、前記画像情報を含むビットストリームを生成する(S1010)。
例えば、エンコード装置は、予測情報、レジデュアル情報、前記量子化パラメータデータ
及び/又は前記フラグを含む画像情報を含むビットストリームで出力することができる。
前記ビットストリームは、予測情報、レジデュアル情報、前記量子化パラメータデータ及
び/又は前記フラグを含むことができる。
【0417】
一方、前記ビットストリームは、ネットワーク又は(デジタル)格納媒体を介してデコ
ード装置に送信されることができる。ここで、ネットワークは、放送網及び/又は通信網
等を含むことができ、デジタル格納媒体は、USB、SD、CD、DVD、ブルーレイ、
HDD、SSD等の多様な格納媒体を含むことができる。
【0418】
また、例えば、エンコード装置は、画像情報をエンコードし、ビットストリームの形態
で出力することができる。
【0419】
一方、前記画像情報を含むビットストリームは、ネットワークまたは(デジタル)格納
媒体を介してデコード装置に送信されることができる。ここで、ネットワークは、放送網
及び/又は通信網などを含むことができ、デジタル格納媒体は、USB、SD、CD、D
VD、ブルーレイ、HDD、SSDなど、様々な格納媒体を含むことができる。
【0420】
図11は、本文書による画像エンコード方法を実行するエンコード装置を概略的に示す
。
図10において開示された方法は、
図11において開示されたエンコード装置によって
実行されることができる。具体的に、例えば、
図11の前記エンコード装置のエントロピ
ーエンコード部は、S1000乃至S1010を実行することができる。また、示しては
いないが、前記レジデュアルサンプルと予測サンプルに基づいて復元サンプル及び復元ピ
クチャを生成する過程は、前記エンコード装置の加算部によって実行されることができる
。
【0421】
図12は、本文書によるデコード装置による画像デコード方法を概略的に示す。
図12
において開示された方法は、
図3において開示されたデコード装置により行われることが
できる。具体的に、例えば、
図12のS1200は前記デコード装置のエントロピーデコ
ード部により行われ、
図12のS1210は前記デコード装置のレジデュアル処理部によ
り行われる。
【0422】
デコード装置は、画像情報を取得する(S1200)。デコード装置は、ビットストリ
ームを介して画像情報を取得することができる。
【0423】
例えば、前記画像情報は、クロマ量子化パラメータに対する情報を含むことができる。
例えば、前記画像情報は、コンバイン(combined)クロマコーディングに対する
量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを含むことができる。例えば、デ
コード装置は、クロマタイプに基づいてコンバイン(combined)クロマコーディ
ングに対する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを取得することがで
きる。ここで、前記クロマタイプは、前述したChromaArrayTypeを意味す
ることができる。例えば、前記クロマタイプの値が0ではない場合、デコード装置は、コ
ンバイン(combined)クロマコーディングに対する量子化パラメータデータが存
在するか否かを示すフラグを取得することができる。例えば、前記クロマタイプの値が1
である場合、デコード装置は、コンバイン(combined)クロマコーディングに対
する量子化パラメータデータが存在するか否かを示すフラグを取得することができる。こ
こで、前記クロマタイプの値が0である場合、前記クロマタイプは、Monochrom
eフォーマット(format)であり得、前記クロマタイプの値が1である場合、前記
クロマタイプは4:2:0のフォーマットであり得、前記クロマタイプの値が2である場
合、前記クロマタイプは4:2:2のフォーマットであり得、前記クロマタイプの値が3
である場合、前記クロマタイプは4:4:4のフォーマットであり得る。また、前記コン
バイン(combined)クロマコーディングは、クロマ成分のジョイントコード(j
oint coding)と呼ばれることもある。前記クロマ成分は、Cb成分及び/又
はCr成分を含むことができる。例えば、前記フラグに対するシンタックスエレメントは
、前述したQpC_data_present_flagであり得る。
【0424】
例えば、前記フラグの値が0である場合、前記フラグは、前記コンバインクロマコーデ
ィングに対する前記量子化パラメータデータが存在しないことを示すことができ、前記フ
ラグの値が1である場合、前記フラグは、前記コンバインクロマコーディングに対する前
記量子化パラメータデータが存在することを示すことができる。
【0425】
また、例えば、前記フラグは、ハイレベルシンタックス(high level sy
ntax)を介してシグナリングされることができる。例えば、前記フラグは、SPS(
sequence parameter set)、PPS(picture para
meter set)、スライスヘッダ(slice header)、又はAPS(a
daptation parameter set)などを介してシグナリングされるこ
とができる。
【0426】
また、例えば、前記フラグの値が1である場合、前記画像情報は、前記コンバインクロ
マコーディングに対する前記量子化パラメータデータを含むことができる。すなわち、例
えば、デコード装置は、前記フラグに基づいて、前記コンバインクロマコーディングに対
する前記量子化パラメータデータを取得することができる。例えば、デコード装置は、前
記コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータデータが存在することを
示す前記フラグに基づいて、前記コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラ
メータデータを取得することができる。すなわち、例えば、前記フラグの値が1である場
合、デコード装置は、前記コンバインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータ
データを取得することができる。また、例えば、前記量子化パラメータデータは、ハイレ
ベルシンタックス(high level syntax)を介してシグナリングされる
ことができる。例えば、前記量子化パラメータデータは、SPS(sequence p
arameter set)、PPS(picture parameter set)
、スライスヘッダ(slice header)、又はAPS(adaptation
parameter set)等を介してシグナリングされることができる。
【0427】
例えば、前記量子化パラメータデータは、前記コンバインクロマコーディングに対する
クロマ量子化パラメータテーブルの開始インデックスを示すシンタックスエレメント(s
yntax element)及び/又は前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記開
始インデックスと最後インデックスとの差を示すシンタックスエレメントを含むことがで
きる。前記開始インデックスを示す前記シンタックスエレメントは、前述したqPi_m
in_idxであり得る。また、前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を
示す前記シンタックスエレメントは、qPi_delta_max_idxであり得る。
また、前記クロマ量子化パラメータテーブルは、クロマ量子化パラメータマッピングテー
ブル(chroma quantization parameter mapping
table)又はユーザ定義量子化パラメータマッピングテーブル(user def
ined quantization parameter mapping tabl
e)と呼ばれることもある。また、前記開始インデックスは、最小インデックスと呼ばれ
ることもある。さらに、例えば、前記開始インデックスを示す前記シンタックスエレメン
ト及び/又は前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を示す前記シンタック
スエレメントは、ハイレベルシンタックス(high level syntax)を介
してシグナリングされることができる。例えば、前記開始インデックスを示す前記シンタ
ックスエレメント及び/又は前記開始インデックスと前記最後インデックスとの差を示す
前記シンタックスエレメントは、SPS(sequence parameter se
t)、PPS(picture parameter set)、スライスヘッダ(sl
ice header)、又はAPS(adaptation parameter s
et)等を介してシグナリングされることができる。
【0428】
また、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記クロマ量子化パラメータテーブル
のインデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントを含むことができ
る。すなわち、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記クロマ量子化パラメータテ
ーブルの各インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントを含むこ
とができる。前記インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは
、前述したQpC_qPi_val[i]であり得る。また、例えば、前記インデックス
の量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは、ハイレベルシンタックス(h
igh level syntax)を介してシグナリングされることができる。例えば
、前記インデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメントは、SPS(
sequence parameter set)、PPS(picture para
meter set)、スライスヘッダ(slice header)、又はAPS(a
daptation parameter set)等を介してシグナリングされること
ができる。
【0429】
また、例えば、前記量子化パラメータデータは、前記コンバインクロマコーディングに
対する量子化パラメータの導出のためのオフセット(offset)を示すシンタックス
エレメントを含むことができる。前記オフセットを示すシンタックスエレメントは、前述
したQpOffsetCであり得る。さらに、例えば、前記オフセットを示すシンタック
スエレメントは、ハイレベルシンタックス(high level syntax)を介
してシグナリングされることができる。例えば、前記オフセットを示す シンタックスエ
レメントは、SPS(sequence parameter set)、PPS(pi
cture parameter set)、スライスヘッダ(slice heade
r)、又はAPS(adaptation parameter set)等を介してシ
グナリングされることができる。
【0430】
一方、例えば、前記画像情報は、前記現在クロマブロックに対する予測情報及び/又は
レジデュアル情報を含むことができる。例えば、前記画像情報は、前記現在ブロックに対
する予測情報を含むことができ、前記予測情報は、前記予測モード情報を含むことができ
る。前記予測モード情報は、前記現在ブロックにインター予測が適用されるか、イントラ
予測が適用されるかの可否を示すことができる。また、例えば、前記レジデュアル情報は
、現在クロマブロックの変換係数に対するシンタックスエレメントを含むことができる。
例えば、前記シンタックスエレメントは、coded_sub_block_flag、
sig_coeff_flag、coeff_sign_flag、abs_level
_gt1_flag、par_level_flag、abs_level_gtX_f
lag、abs_remainder及び/又はcoeff_sign_flag等のシ
ンタックスエレメント(syntax elements)を含むことができる。
【0431】
デコード装置は、前記画像情報に基づいて、復元ピクチャを生成する(S1210)。
【0432】
例えば、デコード装置は、前記画像情報に基づいて、現在クロマブロックの変換係数を
導出することができ、前記量子化パラメータデータに基づいて、クロマ量子化パラメータ
テーブル(chroma quantization parameter table
)を導出することができ、前記クロマ量子化パラメータテーブルに基づいて、前記現在ク
ロマブロックに対する量子化パラメータを導出することができ、前記量子化パラメータに
基づいて、前記変換係数を逆量子化してレジデュアルサンプルを導出することができ、前
記レジデュアルサンプルに基づいて、前記復元ピクチャを生成することができる。
【0433】
例えば、デコード装置は、前記画像情報に含まれたレジデュアル情報に基づいて、前記
現在クロマブロックの変換係数を導出することができる。前記レジデュアル情報は、前記
変換係数に対する係数レベル情報及びサインフラグ情報を含むことができる。
【0434】
例えば、変換係数の絶対レベル(absolute level)は、前記レジデュア
ル情報に含まれた係数レベル情報が示す値で導出されることができ、変換係数の符号(s
ign)は、前記サインフラグ情報が示す符号で導出されることができる。
【0435】
また、例えば、デコード装置は、前記量子化パラメータデータに基づいて、クロマ量子
化パラメータテーブル(chroma quantization parameter
table)を導出することができる。
【0436】
例えば、前述した内容のようにクロマ量子化パラメータテーブルは、前記コンバインク
ロマコーディングに対するクロマ量子化パラメータテーブルの前記開始インデックスを示
すシンタックスエレメント、前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記開始インデック
スと最後インデックスとの差を示すシンタックスエレメント及び/又は前記クロマ量子化
パラメータテーブルのインデックスの量子化パラメータ値に対するシンタックスエレメン
トに基づいて導出されることができる。すなわち、例えば、前記量子化パラメータデータ
に基づいて、前記コンバインクロマコーディングに対するクロマ量子化パラメータテーブ
ルが導出できる。
【0437】
その後、デコード装置は、前記クロマ量子化パラメータテーブルに基づいて、前記コン
バインクロマコーディングに対する量子化パラメータを導出することができる。前記コン
バインクロマコーディングに対する前記量子化パラメータは、前述したQP`CbCrを示す
ことができる。
【0438】
例えば、ルマ成分に対する量子化パラメータに基づいて、前記現在クロマブロックに対
するインデックスが導出でき、前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記インデックス
に対する量子化パラメータに基づいて、前記現在クロマブロックに対する前記量子化パラ
メータが導出できる。すなわち、例えば、前記クロマ量子化パラメータテーブルでルマ成
分の量子化パラメータと同一のインデックスに対する量子化パラメータに基づいて、前記
コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータが導出できる。
【0439】
また、例えば、前記クロマ量子化パラメータテーブルの前記インデックスに対する量子
化パラメータ(例えば、QPCbCr)にオフセットを加えて、前記コンバインクロマコーデ
ィングに対する前記量子化パラメータ(例えば、QP`CbCr)が導出できる。前記オフセ
ットは、前記コンバインクロマコーディングに対する量子化パラメータの導出のためのオ
フセット(offset)を示すシンタックスエレメントに基づいて導出されることがで
きる。
【0440】
さらに、例えば、デコード装置は、前記量子化パラメータに基づいて、レジデュアルサ
ンプルを導出することができる。例えば、デコード装置は、前記量子化パラメータに基づ
いて、前記変換係数を逆量子化して、前記レジデュアルサンプルを導出することができる
。或いは、例えば、デコード装置は、前記変換係数を逆変換し、逆変換された変換係数を
導出することができ、前記量子化パラメータに基づいて、前記逆変換された変換係数を逆
量子化し、前記レジデュアルサンプルを導出することができる。
【0441】
また、例えば、デコード装置は、前記レジデュアルサンプルに基づいて、前記復元ピク
チャを生成することができる。例えば、デコード装置は、ビットストリームを介して受信
された予測情報に基づいて、前記現在ブロックに対するインター予測モード又はイントラ
予測モードを実行して予測サンプルを導出することができ、前記予測 サンプルと前記レ
ジデュアルサンプルの加算を介して、前記復元サンプルを生成することができる。
【0442】
その後、必要に応じて主観的/客観的画質を向上させるために、デブロッキングフィル
タリング、SAO、及び/又はALF手順のようなインループフィルタリング手順が前記
復元サンプルに適用され得ることは、上述したとおりである。
【0443】
図13は、本文書による画像デコード方法を行うデコード装置を概略的に示す。
図12
において開示された方法は、
図13において開示されたデコード装置により行われる。具
体的には、例えば、
図13の前記デコード装置のエントロピーデコード部は
図12のS1
200を行い、
図13の前記デコード装置のレジデュアル処理部は
図12のS1210を
行うことができる。
【0444】
前述した本文書によると、クロマ成分に対する量子化パラメータの導出のための量子化
パラメータデータの送信可否を示すフラグに基づいて、量子化パラメータの導出のための
クロマ量子化パラメータテーブルを決定することができ、画像の特性による量子化パラメ
ータに基づいてコーディングを実行してコーディング効率を向上させることができる。
【0445】
また、本文書によると、シグナリングされるクロマ量子化データに基づいて、クロマ成
分に対するクロマ量子化パラメータテーブルを決定することができ、画像の特性による量
子化パラメータに基づいてコーディングを実行してコーディング効率を向上させることが
できる。
【0446】
前述した実施形態において、方法は、一連のステップまたはブロックで流れ図を基に説
明されているが、本文書は、ステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは
、前述と異なるステップと異なる順序でまたは同時に発生することができる。また、当業
者であれば、流れ図に示されたステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、または
流れ図の1つまたはそれ以上のステップが本文書の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であ
ることを理解することができる。
【0447】
本文書において説明した実施形態は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ
、またはチップ上で実現されて実行されることができる。例えば、各図面において図示し
た機能ユニットは、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、ま
たはチップ上で実現されて実行されることができる。この場合、実現のための情報(例え
ば、information on instructions)またはアルゴリズムが
デジタル格納媒体に格納されることができる。
【0448】
また、本文書の実施形態が適用されるデコード装置及びエンコード装置は、マルチメデ
ィア放送送受信装置、モバイル通信端末、ホームシネマビデオ装置、デジタルシネマビデ
オ装置、監視用カメラ、ビデオ対話装置、ビデオ通信のようなリアルタイム通信装置、モ
バイルストリーミング装置、格納媒体、カムコーダ、注文型ビデオ(VoD)サービス提
供装置、OTTビデオ(Over the top video)装置、インターネット
ストリーミングサービス提供装置、3次元(3D)ビデオ装置、画像電話ビデオ装置、運
送手段端末(例えば、車両端末、飛行機端末、船舶端末等)、及び医療用ビデオ装置など
に含まれることができ、ビデオ信号またはデータ信号を処理するために使用されることが
できる。例えば、OTTビデオ(Over the top video)装置として、
ゲームコンソール、ブルーレイプレーヤ、インターネット接続TV、ホームシアターシス
テム、スマートフォン、タブレットPC、DVR(Digital Video Rec
oder)などを備えることができる。
【0449】
また、本文書の実施形態が適用される処理方法は、コンピュータで実行されるプログラ
ムの形態で生産されることができ、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納される
ことができる。本文書に係るデータ構造を有するマルチメディアデータもコンピュータが
読み取り可能な記録媒体に格納されることができる。前記コンピュータが読み取り可能な
記録媒体は、コンピュータで読み出すことができるデータが格納される全ての種類の格納
装置及び分散格納装置を含む。前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、例えば、
ブルーレイディスク(BD)、汎用直列バス(USB)、ROM、PROM、EPROM
、EEPROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光学的
データ格納装置を含むことができる。また、前記コンピュータが読み取り可能な記録媒体
は、搬送波(例えば、インターネットを介しての送信)の形態で実現されたメディアを含
む。また、エンコード方法で生成されたビットストリームがコンピュータが読み取り可能
な記録媒体に格納され、または有無線通信ネットワークを介して送信されることができる
。
【0450】
また、本文書の実施形態は、プログラムコードによるコンピュータプログラム製品で実
現されることができ、前記プログラムコードは、本文書の実施形態によってコンピュータ
で実行されることができる。前記プログラムコードは、コンピュータにより読み取り可能
なキャリア上に格納されることができる。
【0451】
図14は、本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステム構造図を
例示的に示す。
【0452】
本文書の実施形態が適用されるコンテンツストリーミングシステムは、大別して、エン
コードサーバ、ストリーミングサーバ、ウェブサーバ、メディア格納所、ユーザ装置、及
びマルチメディア入力装置を含むことができる。
【0453】
前記エンコードサーバは、スマートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメ
ディア入力装置から入力されたコンテンツをデジタルデータで圧縮してビットストリーム
を生成し、これを前記ストリーミングサーバに送信する役割をする。他の例として、スマ
ートフォン、カメラ、カムコーダなどのようなマルチメディア入力装置がビットストリー
ムを直接生成する場合、前記エンコードサーバは省略されることができる。
【0454】
前記ビットストリームは、本文書の実施形態が適用されるエンコード方法またはビット
ストリーム生成方法により生成されることができ、前記ストリーミングサーバは、前記ビ
ットストリームを送信または受信する過程で一時的に前記ビットストリームを格納するこ
とができる。
【0455】
前記ストリーミングサーバは、ウェブサーバを介したユーザ要請に基づいてマルチメデ
ィアデータをユーザ装置に送信し、前記ウェブサーバは、ユーザにどのようなサービスが
あるかを知らせる媒介体役割をする。ユーザが前記ウェブサーバに所望のサービスを要請
すると、前記ウェブサーバは、これをストリーミングサーバに伝達し、前記ストリーミン
グサーバは、ユーザにマルチメディアデータを送信する。このとき、前記コンテンツスト
リーミングシステムは、別の制御サーバを含むことができ、この場合、前記制御サーバは
、前記コンテンツストリーミングシステム内の各装置間命令/応答を制御する役割をする
。
【0456】
前記ストリーミングサーバは、メディア格納所及び/またはエンコードサーバからコン
テンツを受信することができる。例えば、前記エンコードサーバからコンテンツを受信す
るようになる場合、前記コンテンツをリアルタイムで受信することができる。この場合、
円滑なストリーミングサービスを提供するために、前記ストリーミングサーバは、前記ビ
ットストリームを一定時間の間格納することができる。
【0457】
前記ユーザ装置の例として、携帯電話、スマートフォン(smartphone)、ノ
ートブックコンピュータ(laptop computer)、デジタル放送用端末、P
DA(personal digital assistants)、PMP(port
able multimedia player)、ナビゲーション、スレートPC(s
late PC)、タブレットPC(tablet PC)、ウルトラブック(ultr
abook)、ウェアラブルデバイス(wearable device、例えば、ウォ
ッチ型端末(smartwatch)、グラス型端末(smart glass)、HM
D(head mounted display))、デジタルTV、デスクトップコン
ピュータ、デジタルサイニジなどがある。前記コンテンツストリーミングシステム内の各
サーバは、分散サーバで運営されることができ、この場合、各サーバで受信するデータは
分散処理されることができる。
【0458】
本明細書に記載された請求項は様々な方式で組み合わせることができる。例えば、本明
細書の方法請求項の技術的特徴が組み合わせられて装置として実現されることもでき、本
明細書の装置請求項の技術的特徴が組み合わせられて方法として実現されることもできる
。また、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の技術的特徴が組み合わせられ
て装置として実現されることもでき、本明細書の方法請求項の技術的特徴と装置請求項の
技術的特徴が組み合わせられて方法として実現されることもできる。