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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145659
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】歯科用ブランク
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/00 20060101AFI20231003BHJP
   A61C 5/70 20170101ALI20231003BHJP
   A61C 13/083 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61C13/00 Z
A61C5/70
A61C13/083
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023125929
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2021112675の分割
【原出願日】2021-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0105643
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516371391
【氏名又は名称】ハス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HASS CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】77-14,Gwahakdanji-ro Gangneung-si Gangwon-do 25452,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒョン ボン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ファン スン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハ、ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多角形状の素材部を用いて死腔を最小限に抑えるうえ、歯科補綴物の生産効率を向上させることができる歯科用ブランクを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による歯科用ブランク1は、断面が第1形状を有する装着溝21を含む装着部20に挿入され、装着部の内側に当接する複数の外接部を備え、断面が第1形状とは区別される多角形の第2形状を有する素材部10を含み、外接部は、装着部に挿入される挿入方向に沿って装着部の内側面に線接触し、装着溝の第1形状と素材部の第2形状との形状の差異により、装着溝と素材部との離隔空間に工具進入部が形成されることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が第1形状を有する装着溝を含む装着部に挿入され、前記装着部の内側に当接する複数の外接部を備え、断面が第1形状とは区別される多角形の第2形状を有する素材部を含み、
前記外接部は、前記装着部に挿入される挿入方向に沿って前記装着部の内側面に線接触し、前記装着溝の第1形状と前記素材部の第2形状との形状差異により、前記装着溝と前記素材部との離隔空間に工具進入部が形成されることを特徴とする、歯科用ブランク。
【請求項2】
前記素材部は、
前記素材部の上面、下面及び側面のうちの少なくとも一面に当接して位置するガード部によって保護され、
前記ガード部によって前記工具進入部に連続される開口部が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用ブランク。
【請求項3】
前記ガード部は前記素材部の側面を取り囲んで位置することを特徴とする、請求項2に記載の歯科用ブランク。
【請求項4】
前記ガード部は断面多角形の形状を有することを特徴とする、請求項3に記載の歯科用ブランク。
【請求項5】
前記装着部は、前記素材部が装着され且つ断面円形の形状を有する装着溝を含む、請求項1に記載の歯科用ブランク
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用ブランクに係り、より詳細には、素材部の破損を防止し且つ生産性を向上させる歯科用ブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
歯が破折、虫歯による損傷、欠損などにより失われた場合、歯科用修復または補綴施術を施行する。歯科補綴施術は、歯の一部または全体を削除した後、天然歯に類似するように人工的に歯を作製して付けたり被せたりするすべての施術を意味する。歯科補綴物は、患者の歯の形状を印象(impression)に再現し、これに石膏を注いで歯の形状を再生するか、口腔及び歯の形状をイントラオーラルスキャン過程を経て取得した後、これに基づいてCADデザイン過程によって所望の歯を画面上でデザインして、自動化されたCAD/CAM加工装置で加工することができる。
【0003】
一般的に、CAD/CAM加工装置は、図12に示すように、円形形状の加工対象素材91が装着台93に挿入された状態で、固定台94と装着台93をボルト95で締結して加工対象素材91を治具90に固定させた後、加工工具92で加工対象素材91を加工して歯科補綴物を作製する。
【0004】
従来の加工対象素材91は、円形の形状であって、加工工具92のツールが固定台94または装着台93と干渉していない状態で切削移動するためには、加工対象素材91の領域のうち、固定台94または装着台93に当接する部分の周辺領域を、加工が不可能な領域として設定するしかない。そのため、加工対象素材91は、歯科補綴物に加工することができない死腔(dead space)を必然的に含むので、歯科補綴物の生産性が低くなるという問題点がある。
【0005】
また、加工対象素材91は、装着台93または固定台94と円周に沿って広い領域にわたって相互直接当接している状態で治具90に固定される。つまり、加工対象素材91は、硬い装着台93または固定台94と直接面接触して固定されるが、このような状態で加工工具92のツールが加工対象素材91に接触する場合、瞬間的に応力が集中して加工対象素材91が破損してしまうという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10―1382382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、多角形状の素材部を用いて死腔(dead space)を最小限に抑えるうえ、歯科補綴物の生産効率を向上させることができる歯科用ブランクを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ガード部を用いて素材部が装着部または固定部に直接接触しないようにして、素材部を外力から保護してクラックによる素材部の消耗量を減らすことができる歯科用ブランクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による歯科用ブランクは、断面が第1形状を有する装着溝を含む装着部に挿入され、装着部の内側に当接する複数の外接部を備え、断面が第1形状とは区別される多角形の第2形状を有する素材部を含み、外接部は、装着部に挿入される挿入方向に沿って装着部の内側面に線接触し、装着溝の第1形状と素材部の第2形状との形状の差異により、装着溝と素材部との離隔空間に工具進入部が形成されることを特徴とする。
【0010】
素材部は、素材部の上面、下面及び側面のうちの少なくとも一面に当接して位置するガード部によって保護され、ガード部によって、工具進入部に連続される開口部が形成されてもよい。ガード部は素材部の側面を取り囲んで位置してもよく、断面多角形の形状を有してもよい。装着部は、素材部が装着され且つ断面円形の形状を有する装着溝を含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る歯科用ブランクは、多角形の素材部を介して、素材部に発生した外力の拡散を防止することができ、クラックによる素材部の消耗量を減らすことができる。
【0012】
また、本発明に係る歯科用ブランクは、工具進入部を形成して加工工具の進入負荷を下げることにより加工工具の摩耗を減らすことができ、素材部の縁部領域までも加工して素材部の死腔(dead space)を最小限に抑えるうえ、歯科補綴物の生産効率を高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る歯科用ブランクは、ガード部を介して加工装置から伝達される応力または衝撃などを緩和させて素材部を保護し、素材部の破損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの適用例を概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態による歯科用ブランクを概略的に示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部を概略的に示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及び装着溝を概略的に示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及び装着溝を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部、ガード部及び装着溝を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部、ガード部及び装着溝を概略的に示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部、ガード部及び装着溝を概略的に示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及びガード部を概略的に示す平面図である。
図10】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及びガード部を概略的に示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及びガード部を概略的に示す断面図である。
図12】従来の加工装置の加工治具と加工対象素材を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の利点、特徴、及びそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるだろう。
【0016】
しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現される。但し、本実施形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。本発明は、請求項の範疇によってのみ定められる。
【0017】
以下、図1乃至図11を参照して、本発明の一実施形態による歯科用ブランクについて詳細に説明する。本発明を説明するにあたり、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧にしないようにするために省略される。
【0018】
図1は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの適用例を概略的に示す図、図2は本発明の一実施形態による歯科用ブランクを概略的に示す分解斜視図、図3は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部を概略的に示す斜視図、図4は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及び装着溝を概略的に示す平面図、図5は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及び装着溝を概略的に示す断面図、図6及び図7は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部、ガード部及び装着溝を概略的に示す平面図、図8は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部、ガード部及び装着溝を概略的に示す断面図、図9は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及びガード部を概略的に示す平面図、図10及び図11は本発明の一実施形態による歯科用ブランクの素材部及びガード部を概略的に示す断面図である。
【0019】
図1乃至図3に示すように、歯科用ブランク1は、人工歯加工装置に適用でき、人工歯加工装置は、例えば、CAD(computer-aided design)/CAM(computer-aided manufacturing)加工装置80であることができる。CAD/CAM加工装置80は、グラインディング(grinding)、ミリング(milling)、カッティング(cutting)などで歯科用ブランク1を加工することができる。歯科用ブランク1は素材部10、装着部20及び固定部40を含むことができる。
【0020】
素材部10は、ガラス(glass)またはガラスセラミック(glass-ceramic)、ポリマー浸透ガラス(polymer infiltrated glass)、複合樹脂またはハイブリッド材料(composite resin or hybrid material)、セラミック材(unsintered or apartially sintered or a densely-sintered ceramic)、金属(metal)または金属合金(metal alloy)のうちの少なくとも1種の素材で構成できる。素材部10は、高強度性、熱安定性及び高耐食性などの特性を有し、白色又は有色を単独で使用するか、或いは白色及び有色を混合したものを使用することができる。
【0021】
素材部10は、CAD/CAM加工装置80によって歯科補綴物11に加工できる。例えば、歯科用ブランク1がCAD/CAM加工装置80に装着されると、スキャンを介して得られた歯模型の外部表面座標を介して変換されたデータに基づいて加工装置80の加工工具81が作動しながら、歯科用ブランク1の素材部10を切削して歯科補綴物11に加工することができる。
【0022】
ここで、歯科補綴物11は、歯の破折、虫歯による損傷または欠損などで歯の喪失が発生する場合には、歯の部位を再生させるか、失われた歯の代わりをすることができる歯科用修復物、充填物または鋳造物を呼ぶものであり得る。例えば、歯科補綴物11は、奥歯、犬歯などの様々な歯の形態のクラウン(crown)、インレー(inlay)、アンレー(onlay)、ベニア(veneer)、コーピング(Coping)、ポンティック(Pontic)またはラミネート(laminate)などであり得る。
【0023】
素材部10には、歯科補綴物11に連結される連結バー12がさらに加工されてもよい。連結バー12は、素材部10の内部と加工された歯科補綴物11とを相互連結させることができ、歯科補綴物11を素材部10から容易に分離させることができる役割を果たすことができる。素材部10は、CAD/CAM加工装置80によって機械加工される物体(body)を意味することもあり、加工された歯科補綴物11を含んだ状態の物体(body)を意味することもある。
【0024】
装着部20は、CAD/CAM加工装置80に連結され、装着溝21、結合溝22及び結合ホール23を含むことができる。装着溝21は、装着部20の内側方向に凹んだ円形の溝形状を有することができる。装着溝21は、素材部10が装着される空間であり得る。素材部10が装着溝21に位置する場合、装着溝21の内側面の円周は素材部10の外側角に当接することができる。
【0025】
結合溝22は、装着部20の内側方向に凹んだ溝形状を有することができる。結合溝22は、固定部40が装着される空間であることができる。結合ホール23は、装着部20の内側方向に設けられたホール形状を有することができる。
【0026】
固定部40は、締結具41及び締結ホール42を含むことができる。締結具41は、ボルトなどの締結装置であって、固定部40を貫通する締結ホール42に挿入された状態で結合ホール23に連結できる。
【0027】
素材部10と固定部40がそれぞれ装着溝21と結合溝22に装着されると、締結具41は、締結ホール42を通過して結合ホール23と結合することができる。つまり、固定部40が素材部10の一部と当接した状態で、締結具41は結合ホール23にボルト締めされるので、固定部40は素材部10を装着部20に固定させることができる。
以下、図4及び図5を参照して、歯科用ブランク1の素材部10の構造をより詳細に説明する。
【0028】
図4及び図5に示すように、素材部10は、断面多角形の形状であって、周縁に位置する複数の外接部13を含むことができる。外接部13は、素材部10の多角に対応して形成できる。例えば、素材部10が八角形である場合、外接部13は8個であり得る。
【0029】
素材部10が装着溝21に収容される場合、外接部13a、13b、13c、13dはそれぞれ装着溝21の内側に当接することができる。素材部10は、多角形の形状を有するので、外接部13a、13b、13c、13dは、それぞれ素材部10が装着溝21に挿入される挿入方向に沿って装着溝21の内側面と線接触することができる。つまり、素材部10が装着溝21に挿入されると、図5の拡大円に示されているように、装着溝21の内面と外接部13aとの間には、z軸方向に沿って相互線接触する線接触部14が形成できる。
【0030】
従来の加工対象素材は、円板形の形状であって、装着台に収容される場合、円周全体が装着台の内面と面接触して固定される。この状態で加工対象素材に外力が発生すると、加工対象素材と硬い装着台との間の広い面接触面積に沿って外力が加工対象素材の全体に拡散して加工対象素材の全領域が破損するおそれがある。
【0031】
一方、本発明の素材部10は、多角形の形状であって、装着溝21に収容される場合、外接部13と装着溝21とは互いに線接触する。つまり、素材部10と装着溝21との間には比較的狭い線接触部14が形成されることで、素材部10に外力が発生しても、素材部10全体に拡散しない。このため、本発明の素材部10は全体的に破損してしまうことを未然に防止して、クラックによる素材部10の消耗量を減らすことができる。
【0032】
一方、素材部10が装着溝21に収容される場合、装着溝21と外接部13との間には工具進入部15が形成できる。工具進入部15は、多角形の素材部10と円形の装着溝21との間の離隔空間であることができる。例えば、工具進入部15aは、一対の外接部13a、13bと装着溝21の内面との間に形成された円弧(circular arc)辺を有する空間であることができる。素材部10が八角形である場合、工具進入部15は8個形成できる。工具進入部15は、加工装置80の加工工具81が進入するか或いは加工工具81が収容される空間であることができる。
【0033】
従来の円形の加工対象素材は、円形の装着台と密着して、相互離隔空間が形成できないので、加工工具は、加工対象素材の上部で加工対象素材を加工し始めるが、加工対象素材の上部に加工工具が接触すると、瞬間的に接触部位に応力が集中してクラックが発生することにより加工対象素材が破損するおそれがある。また、従来では、加工対象素材が装着台または固定台に当接する領域とその周辺領域を、加工が不可能な死腔(dead space)として設定するので、歯科補綴物の生産性が低い。
【0034】
これに対し、本発明で提案する歯科用ブランク1は、多角形の素材部10と円形の装着溝21との間に工具進入部15を形成して、素材部10の側面に加工工具81が進入した状態で加工し始めるので、加工工具81の進入負荷が低く、加工素材10と加工工具81との間の応力集中現象を未然に防止することができる。また、加工工具81が工具進入部15で加工し始めると、素材部10の縁部領域までも加工が可能であるので、素材部10の死腔(dead space)を最小限に抑えるうえ、歯科補綴物11の生産効率を高めることができる。また、素材部10の縁部に歯科補綴物11を加工する場合、加工工具81に発生する抵抗力が、素材部10の中央部に歯科補綴物11を形成するときよりも小さいので、加工工具81の摩耗を減らし且つ歯科補綴物11の作製速度を向上させることができる。
【0035】
素材部10は、断面が4角乃至32角を有する多角形の形状であることができ、好ましくは、断面八角形の形状を有することができる。ここで、八角形は、数学的に完全な意味の八角形ではなく、全体的に一見して八角形として認識できるものを意味し、本発明では、すべて同じ意味で使用される。
【0036】
素材部10の八角断面の最も長い直径である素材部10の直径は、50mm以上、好ましくは80mm乃至150mmであることができる。素材部10の厚さ、すなわち、z軸方向の高さは5mm以上であることができる。素材部10の厚さは素材部10の直径よりも小さいことができる。
【0037】
図6乃至図11に示すように、素材部10は、ガード部30を含むことができる。ガード部30は、素材部10の一側に当接して位置することができる。ガード部30は、プラスチック、ゴム、シリコーンなどで製造され、加工装置80から伝達される応力、衝撃などを緩和させて素材部10を保護することができる。ガード部30は、素材部10に対して着脱でき、再使用も可能である。
【0038】
ガード部30は、一側に開口部31を形成することができる。開口部31は、工具進入部15と対向して位置することができるので、加工工具81が工具進入部15に位置した状態で加工を開始しても、開口部31を介して直接素材部10を加工することができる。
【0039】
図6に示すように、ガード部30は、円形の形状であって、素材部10の側面を取り囲み、装着溝21と素材部10との間に位置することができる。ガード部30の外側は装着溝21と面接触することができ、ガード部の内側は素材部10の多角形の形状と線接触することができる。この場合、ガード部30は、加工装置80から伝達される外力から素材部10を保護することができる。
【0040】
図7に示すように、ガード部30は、素材部10の多角形形状と対応することができる。例えば、素材部10が八角形である場合、ガード部30の断面も八角形であることができる。この場合、ガード部30は、素材部10の側面を取り囲んで位置するので、素材部10が加工されるときに発生する加工振動を減衰させることができ、加工振動が加工装置80へと拡散することを防止することができる。
【0041】
図8に示すように、ガード部30は、素材部10の側面の一部を取り囲んで位置することができる。つまり、ガード部30の厚さ、すなわちz軸方向の高さは、素材部10の厚さよりも小さいことができる。この場合、加工工具81が素材部10において切削移動するとき、ガード部30と加工工具81との間の干渉が発生することを防止することができる。
【0042】
図9及び図10に示すように、ガード部30は、素材部10の上面に位置することができる。この場合、ガード部30は、素材部10と固定部40との間に位置し、固定部40が装着部20にボルト締めされるときに発生しうる締結圧力から素材部10を保護することができる。
【0043】
図11に示すように、ガード部30は、素材部10の下面に位置することができる。この場合、ガード部30は、素材部10と装着部20との間に位置し、加工工具81が素材部10を加工するときに発生する応力を素材部10の下側で吸収して素材部10にクッショニング効果を提供することができる。
【0044】
まとめると、ガード部30は、素材部10の一側と当接して素材部10を保護することができ、素材部10の側面、下面または上面に位置することができる。本発明で提案する歯科用ブランク1は、ガード部30を含むことで素材部10が装着部20または固定部40と直接接触しないようにするので、素材部10を外力から保護して破損を未然に防止することができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するというべきである。
【符号の説明】
【0046】
1 歯科用ブランク
10 素材部
11 歯科補綴物
12 連結バー
13 外接部
14 線接触部
15 工具進入部
20 装着部
21 装着溝
22 結合溝
23 結合ホール
30 ガード部
31 開口部
40 固定部
41 締結具
42 締結ホール
80 加工装置
81 加工工具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12