(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145695
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】NOx放出が低減されたバーナーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F23D 14/84 20060101AFI20231003BHJP
F23D 14/24 20060101ALI20231003BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20231003BHJP
F23N 1/00 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
F23D14/84 B
F23D14/24 A
F23N5/00 X
F23N1/00 104
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126887
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2021138488の分割
【原出願日】2016-07-19
(31)【優先権主張番号】62/199,546
(32)【優先日】2015-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505163578
【氏名又は名称】ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】リー,チージャン
(72)【発明者】
【氏名】ベフナム,モフセン
(72)【発明者】
【氏名】ガフリ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】マクギンティー,ジョーダン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】NOxの形成および/または放出が低減されたバーナーアセンブリおよびバーナーアセンブリを使用する方法を提供する。
【解決手段】第1の円状に配列された、空気流を放出する第1の複数の穴130と、第2の円状に配列された、燃料ガス流を別に放出する第2の複数の穴120と、センサーと、制御器とを含む燃焼プレートを有するバーナーアセンブリであって、第1の円および第2の円は同心円であり、第1の複数の穴と第2の複数の穴の1つまたはそれよりも多くが、穴の放出角度を調整できるように調整可能であり、制御器は、センサーからのフィードバックに応答して、燃焼中にNOxの放出を抑制するように穴の放出角度を調整するように設計されている、上記バーナーアセンブリ。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の円状に配列された、空気流を放出する第1の複数の穴と、
第2の円状に配列された、燃料ガス流を別に放出する第2の複数の穴と、
センサーと、
制御器と
を含む燃焼プレートを有するバーナーアセンブリであって、
第1の円および第2の円は同心円であり、
第1の複数の穴と第2の複数の穴の1つまたはそれよりも多くが、穴の放出角度を調整できるように調整可能であり、
制御器は、センサーからのフィードバックに応答して、燃焼中にNOxの放出を抑制するように穴の放出角度を調整するように設計されている、上記バーナーアセンブリ。
【請求項2】
第1及び第2の複数の穴が、各々の穴の放出角度を調整するための可動性の調整可能な装備を備える、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項3】
前記調整可能な装備が、回転可能である、請求項2に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項4】
第3の円状に配列された第3の複数の穴をさらに含み、ここで第1の円、第2の円、および第3の円は同心円であり、第2の円は、第1の円と第3の円との間に挟まれている、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項5】
第3の複数の穴が、穴の放出角度を調整できるように調整可能である、請求項4に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項6】
前記燃焼プレートに取り付けられ、第1の複数の穴に流体連結された端部を有する、第1のチャンバー、および
第1のチャンバーに空気流が供給されるように設計された第1の入口
をさらに含む、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項7】
前記燃焼プレートに取り付けられ、第2の複数の穴に流体連結された端部を有する、第2のチャンバー、および
第2のチャンバーに燃料ガス流が供給されるように設計された第2の入口
をさらに含む、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項8】
前記穴が、第1の複数の穴から排出された前記空気流と、第2の複数の穴から排出された前記燃料ガス流との混合を増加させ、前記燃料ガス流の燃焼中に旋回する燃焼炎を生成するように設計されている、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項9】
前記放出角度が、15゜から75゜の範囲である、請求項1に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項10】
改質器と、
バーナーアセンブリと、
センサーと、
制御器と
を有する水素を生成するための水素発生システムであって、
バーナーアセンブリは、第1の円状に配列された空気流を放出する第1の複数の穴と第2の円状に配列された燃料ガス流を別に放出する第2の複数の穴とを含む燃焼プレートを含み、
第1の円および第2の円は同心円であり、
第1及び第2の複数の穴の1つまたはそれよりも多くが、穴の放出角度を調整できるように調整可能であり、
該制御器は、該センサーからのフィードバックに応答して、燃焼中にNOxの放出を抑制するように穴の放出角度を調整するように設計されており、
該バーナーアセンブリは、第2の複数の穴を通った燃料ガス流と第1の複数の穴を通った空気流とを燃焼させて、該改質器に熱源として供給される燃焼排気ガス流を生成するように設計されている、上記システム。
【請求項11】
第1の円状に配列された空気流を放出する第1の複数の穴と第2の円状に配列された燃料ガス流を別に放出する第2の複数の穴とを含む燃焼プレート、
該燃焼プレートに隣接して配置された燃焼チャンバー、
該燃焼チャンバー内の1つまたはそれより多くの温度センサー、及び
所定の温度を達成するために、該1つまたはそれより多くの温度センサーからのフィードバックに基づいて、第1の複数の穴及び第2の複数の穴の1つまたはそれより多くの放出角度を制御するように設計された制御器
を含む、バーナーアセンブリ。
【請求項12】
さらに1つ又はそれより多くのNOxセンサーを含み、
前記制御器が、所定のNOx濃度を達成するために、該1つ又はそれより多くのNOxセンサーからのフィードバックに基づいて、第1の複数の穴及び第2の複数の穴の1つまたはそれより多くの放出角度を制御するようにさらに設計されている、請求項11に記載のバーナーアセンブリ。
【請求項13】
改質器と、
バーナーアセンブリと
制御器と
を有する水素を生成するための水素発生システムであって、
該バーナーアセンブリは、
第1の円状に配列された空気流を放出する第1の複数の穴と第2の円状に配列された燃料ガス流を別に放出する第2の複数の穴とを含む燃焼プレートと、
該燃焼プレートに隣接して配置されており、1つまたはそれより多くの温度センサーを有する燃焼チャンバーと
を有し、
該制御器は、所定の温度を達成するために、該1つまたはそれより多くの温度センサーからのフィードバックに基づいて、第1の複数の穴のサイズ及び第2の複数の穴のサイズの1つまたはそれより多くの放出角度を制御するように設計されており、
該バーナーアセンブリは、第2の複数の穴を通った燃料ガス流と第1の複数の穴を通った空気流とを燃焼させて、該改質器に熱源として供給される燃焼排気ガス流を生成するように設計されている、上記システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001]本出願は、参照によりその全体が開示に組み入れられる2015年7月31日付
けで出願された米国仮出願第62/199,546号の利益を主張する。
[002]本発明の開示は、NOxの形成および/または放出が低減されたバーナーアセン
ブリおよびバーナーアセンブリを使用する方法に向けられる。
【背景技術】
【0002】
[003]水蒸気改質は、例えばメタンなどの炭化水素から水素を生産するために広く使用
されている方法である。水蒸気改質の基礎的な化学は、炭化水素供給材料と水蒸気との温度駆動式の反応であり、主として水素、水、一酸化炭素、および二酸化炭素の混合物(「合成ガス」)が生成され、これらは時には「改質物」(reformate)と称される。「水蒸
気改質器」は主として、2つのモジュール:バーナーアセンブリおよび改質器アセンブリを含む。バーナーアセンブリは、改質器アセンブリに熱エネルギー源を提供し、そこで炭化水素供給材料と水蒸気との間の水蒸気改質反応が起こる。バーナーアセンブリは、一般的に燃料ガスの燃焼によって熱を生成して燃焼排気ガスを生産し、これが放射熱および対流熱伝達を介して改質器アセンブリと相互作用する。
【0003】
[004]バーナーアセンブリの燃料ガスの燃焼は、高温の発熱反応であり、酸化体(oxidant)、典型的には大気中の空気を必要とする。燃料ガスの燃焼は、空気中に見出される2原子の窒素の高温酸化を介して窒素の熱酸化物(NOx)を生産することができ、これは、拡大ゼルドビッチ機構として公知である。NOxは、酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)の両方を包含し、これらは、互いに変換することができる。NOxは毒性であり、二酸化炭素やメタンより長い寿命を有する温室効果ガスとして分類される。NOxは反応して光化学スモッグや酸性雨を形成することができ、大気中にヒトにとって有毒な対流圏オゾンを形成することもできる。NOxはまた、有機化学物質またはオゾンと反応して、様々な毒性生成物や空気中に浮遊する発癌性物質も形成する。様々な国と州が、燃焼バーナー、炉、またはエンジンに関する許容されるNOxレベルの厳格な基準を設定している。例えば、カリフォルニア州の南岸大気管理局(Coast Air Quality Management District;SCAQMD)は、規則1146.2に従って、天然ガス燃焼炉のNOx放出に対
して14ナノグラム/ジュールの制限を設定している。
【0004】
[005]燃焼中の熱的なNOx生成は、高度に温度依存性である。火炎温度は、燃焼中の
熱的なNOx生成に影響を与える主要な変数である。火炎温度が高い程、燃焼排気ガス中のNOx濃度はより高くなり得る。したがって、燃焼炎の温度を低減させることにより、NOxの形成および/または放出の低減が起こる可能性がある。NOxの形成および/または放出を低減させる方法としては、バーナーアセンブリ中に例えば隔壁の設計を取り入れることによって、燃焼排気ガスを炎に再循環させ、燃料ガスと空気との混合を最適化して、火炎温度を低減させることが挙げられる。しかしながら、このようなバーナーアセンブリは、設計もしくは操作のいずれかが複雑になり過ぎたり、または高額になり過ぎたり、またはラージスケールの工業用水蒸気改質器またはスモールスケールの水蒸気改質器のいずれにとっても不適切になったりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[006]それゆえに、NOxの形成および/または放出が低減された熱エネルギー源を提
供するための改善されたバーナーアセンブリおよび方法への必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[007]上述の状況を考慮して、本発明の開示は、NOxの形成および/または放出が低
減されたバーナーアセンブリおよびバーナーアセンブリを使用する方法に向けられる。
[008]一形態において、本発明の開示は、バーナーアセンブリに向けられる。バーナー
アセンブリは、第1の表面および第2の表面を有する燃焼プレートを有していてもよい。燃焼プレートは、第1の円状に配列された、第1の表面から第2の表面に延在する(extending)第1の複数の穴を含んでいてもよい。燃焼プレートは、第2の円状に配列された
、第1の表面から第2の表面に延在する第2の複数の穴をさらに包含していてもよい。第1の円および第2の円は、同心円であってもよく、前記穴のうちの少なくとも1つは、燃焼プレートの面から鋭角で延在する縦軸を有していてもよい。
【0007】
[009]別の形態において、本発明の開示は、バーナーアセンブリから熱源を提供するた
めの方法に向けられる。本方法は、燃料ガス流を、燃焼プレートの第1の表面から第2の表面に延在する第1の複数の穴に通すことを包含していてもよい。本方法はまた、空気流を、燃焼プレートの第1の表面から第2の表面に延在する第2の複数の穴に通すことを包含していてもよい。本方法は、穴を通った燃料ガス流と空気流とを燃焼させることをさらに包含していてもよい。第1の複数の穴は、第1の円状に配列されていてもよい。第2の複数の穴はまた、第2の円状に配列されていてもよい。第1および第2の円は、同心円であってもよく、前記穴のうちの少なくとも1つは、燃焼プレートの面から鋭角で延在する縦軸を有していてもよい。
【0008】
[010]別の形態において、本発明の開示は、水素を生成するための水素発生システムに
向けられる。本システムは、改質器アセンブリと、バーナーアセンブリとを有していてもよい。バーナーアセンブリは、第1の表面および第2の表面を有する燃焼プレートを包含していてもよい。燃焼プレートは、第1の円状に配列された、第1の表面から第2の表面に延在する第1の複数の穴を包含していてもよい。燃焼プレートは、第2の円状に配列された、第1の表面から第2の表面に延在する第2の複数の穴をさらに包含していてもよい。第1の円および第2の円は、同心円であってもよく、前記穴のうちの少なくとも1つは、燃焼プレートの面から鋭角で延在する縦軸を有していてもよい。バーナーアセンブリは、第1の複数の穴を通った燃料ガス流と第2の複数の穴を通った空気流とを燃焼させて、改質器アセンブリに熱源として供給される燃焼排気ガス流を生成するように設計されていてもよい。
【0009】
[011]前述の一般的な説明と以下の詳細な説明はいずれも単に典型的で説明的なものに
すぎず、特許請求された本発明の開示を限定しないことが理解されるべきである。
[012]添付の図面は、本明細書に取り入れられ本明細書の一部を構成しており、本発明
の開示の数々の実施態様を例示し、その記載と共に本発明の開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[013]
図1は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの部分断面図である。
【
図2】[014]
図2は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの概略図である。
【
図3】[015]
図3は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの拡大部分断面図である。
【
図4】[016]
図4は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの例示的な穴の幾何学的な図解である。
【
図5】[017]
図5は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの例示的な穴の概略図である。
【
図6】[018]
図6は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリの燃料ガス流および空気流の例示的な速度の概略図である。
【
図7】[019]
図7は、通常のバーナーアセンブリと例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリとを比較する概略図である。
【
図8】[020]
図8は、例示的な実施態様に係る水素発生器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[021]本開示は、NOxの形成および/または放出が低減されたバーナーアセンブリの
例示的な実施態様を参照しながら本明細書に記載されるが、本開示のシステムおよび方法は、様々な種類のバーナーアセンブリ用途で採用することができることが理解される。当業界において通常の技術を有し本明細書で示された教示を利用する者は、全て本開示の範囲内に含まれる追加の改変、適用、実施態様、および等価体の置換を認識するだろう。したがって本開示は、前述のまたは以下の記載によって限定されると考えられるべきではない。
【0012】
[022]本開示の他の特徴および利点ならびに可能性のある使用は、以下に示す添付の図
面を参照した本開示の説明から、当業者には明らかになるだろう。
[023]
図1は、例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリ10の部分断面図を描写す
る。バーナーアセンブリ10は、とりわけ、燃焼プレート100、空気ガスチャンバー200、および燃料ガスチャンバー250を包含し得る。燃焼プレート100は、上面102、下面104、および上面102と下面104との間の予め決定された厚さを有していてもよい。燃焼プレート100は、上面102から下面104に延在する、複数の穴110、120、および/または130をさらに有していてもよい。一部の実施態様において、燃焼プレート100は、円形、楕円形、長方形、または他の幾何学的形状であってもよい。
【0013】
[024]空気ガスチャンバー200は、中空の円柱であってもよく、このような円柱は、
一方の端部が燃焼プレート100の下面104に取り外し可能にまたは取り外せないように取り付けられており、他方の端部が底部プレート210に取り外し可能にまたは取り外せないように取り付けられている。空気入口220は、空気ガスチャンバー200に取り付けられていてもよく、さらに、空気流を供給して、燃焼反応のための酸化体を提供するように設計されていてもよい。燃料ガスチャンバー250は、環状の中空管であってもよく、このような中空管は、一方の端部が燃焼プレート100の下面104に取り外し可能にまたは取り外せないように取り付けられており、他方の端部が底部プレート260に取り外し可能にまたは取り外せないように取り付けられている。燃料ガス入口270は、燃料ガスチャンバー250に取り付けられていてもよく、さらに、燃料ガス流を供給して、燃焼反応のための燃料を提供するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、空気チャンバー200中に、燃料ガスチャンバー250が封入されていてもよく、さらに、燃料ガス入口270は、例えば底部プレート210を通って空気ガスチャンバー200を貫通し、燃料ガスチャンバー250に到達してそこに取り付けられてもよい。他の実施態様において、空気チャンバー200は、中空の円柱形の燃料ガスチャンバー250中に封入された環状の中空管であってもよく、さらに、空気入口220は、例えば底部プレート260を通って燃料ガスチャンバー250を貫通し、空気チャンバー200に到達してそこに取り付けられてもよい。
【0014】
[025]
図1で示されるように、燃焼プレート100の複数の穴110、120、および
130は、異なる半径を有する同心円状に配列されていてもよい。例えば、第1の複数の穴110は、第1の半径を有する第1の円状に配列されていてもよく、第2の複数の穴120は、第2の半径を有する第2の円状に配列されていてもよく、第3の複数の穴130は、第3の半径を有する第3の円状に配列されていてもよい。一部の実施態様において、
第2の円を第1の円と第3の円との間に挟むことができるように、第2の円の半径は、第1の円の半径より小さく、第3の円の半径より大きくてもよい。一部の実施態様において、第1の複数の穴110は、空気チャンバー200に流体連結されていてもよく、第2の複数の穴120は、燃料ガスチャンバー250に流体連結されていてもよく、第3の複数の穴130は、空気チャンバー200または燃料ガスチャンバー250に流体連結されていてもよい。
【0015】
[026]一部の実施態様において、異なる半径を有する追加の円状に配列された追加の穴
が、燃焼プレート100中に形成されていてもよい。例えば、第1の円の半径より大きいまたは第3の円の半径より小さい半径を有する円状に配列された燃焼プレート100の追加の穴が、空気チャンバー200に流体連結されていてもよい。別の例において、第1の円の半径より小さい、または第3の円の半径より大きい半径を有する円状に配列された燃焼プレート100の追加の穴が、燃料ガスチャンバー250に流体連結されていてもよい。以下の記載において、本開示の例示的な実施態様を示す目的のために、穴110、120、および130を使用する。
【0016】
[027]一部の実施態様において、燃料ガスおよび空気の燃焼は、燃焼プレート100の
上面102の近傍で起こり得る。例えば、燃料ガス流は、燃料ガス入口270を介して燃料ガスチャンバー250に供給されてもよく、空気流は、空気入口220を介して空気チャンバー200に供給されてもよい。空気流は、第1および/または第3の複数の穴110および130を通じて排出されてもよく、燃料ガス流は、予め決定された速度で第2の複数の穴120を通じて排出されてもよい。燃料ガス流および空気流は、穴を通じて排出された後に混合されてもよく、例えば点火によって燃焼するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10は、燃焼チャンバー280をさらに包含していてもよい。
図2で示されるように、燃焼チャンバー280は、円柱管であってもよく、その一方の端部が、燃焼プレート100の上面102に取り外し可能にまたは取り外せないように取り付けられていてもよい。一部の実施態様において、燃料ガスおよび空気の燃焼は、燃焼チャンバー280中で燃焼炎を生じ、燃焼チャンバー280の他方の端部から排出される燃焼排気ガス290を生成することができる。一部の実施態様において、燃焼チャンバー280は、燃焼排気ガス290のための通路を提供するように設計された別の燃焼チャンバー285に連結されていてもよい。
【0017】
[028]燃焼炎の温度は、燃焼排気ガス290における熱的なNOxの形成および/また
は放出に影響を与えることができ、および/または決定することができる。本明細書で論じられるように、燃焼炎の温度が高い程、燃焼中により多くの熱的なNOxが形成される可能性があり、より高いNOx濃度が燃焼排気ガス290中に生じる可能性がある。燃焼炎の温度を低減させることで、NOx形成を制限する、抑制する、および/または最小化することができる。燃焼炎の温度を低減させるための1つの方法は、燃焼中、燃料ガス流と空気流との混合を増加させることであり、それによりNOx形成が低減される。加えて、燃焼中、燃料ガス流と空気流との十分なおよび/または完全な混合を引き起こすことは、燃焼炎の温度を最小化することができ、したがってNOx形成を抑制および/または最小化することができる。例示的な実施態様によれば、燃料ガス流および空気流の混合を増加させるための1つの方法は、選択された穴110、120、および130を傾斜させた燃焼プレート100の使用を包含していてもよい。穴を傾斜させると、燃料ガス流および空気流の接線速度が生じることから、燃焼中、燃料ガス流と空気流との混合を増加させたり、または燃料ガス流と空気流との十分なおよび/もしくは完全な混合をもたらすことができる。
【0018】
[029]一部の実施態様において、例えば、燃焼プレート100の穴110、120、お
よび130の少なくとも1つは、燃焼プレート100の面から傾斜するように設計されて
いてもよい。例えば、
図3で示されるように、燃焼プレート100は、上面102から下面104に延在する予め決定された厚さを有していてもよい。穴110、120、および130の少なくとも1つは、上面102から下面104への燃焼プレート100の厚さにわたり延在していてもよく、燃焼プレート100の面から傾斜していてもよい。本明細書で開示されたように、穴110、120、および130のうちのあらゆる数の選択された穴が、燃焼プレート100の面から傾斜していてもよい。例えば、第1の数の穴110が傾斜していてもよく、第2の数の穴120が傾斜していてもよく、および/または第3の数の穴130が傾斜していてもよい。本開示の例示の目的で、穴110、120、および/または130から選択される複数の選択された穴が、燃焼プレート100の面から傾斜している。一部の実施態様において、傾斜させた穴は、斜円柱の形態であってもよい。例えば、
図4は、複数の傾斜させた穴の中でも例示的な穴の傾斜の幾何学的な図解である。
【0019】
[030]
図4で示されるように、例示的な穴300は、燃焼プレート100の上面102
における例示的な穴300の上の端部301の第1の中心302から、燃焼プレート100の下面104における例示的な穴300の下の端部303の第2の中心304に延在する縦軸330を有していてもよい。例示的な実施態様において、縦軸330は、燃焼プレート100の面から、または3次元空間において燃焼プレート100の面に平行なあらゆる面から、第1の角度αで傾斜していてもよい。例えば、複数の例示的な穴300を配列させ、例示的な穴300の上の端部301の第1の中心302を通過する同心円310と、同心円310の半径350とが、上面102において燃焼プレート100の第1の面を画定することができる。燃焼プレート100の第2の面は、下面104における例示的な穴300の下の端部303の第2の中心304を通過する第1の面に平行な面として画定することができる。縦軸330は、燃焼プレート100の第1の面もしくは第2の面のいずれかから、または燃焼プレート100の面に平行な面から傾斜していてもよい。一部の実施態様において、例示的な穴300または縦軸330は、第1の角度αが鋭角、すなわち約90°未満である場合、燃焼プレート100の面へと内方向に傾斜していると記載される場合もあり、および/または、第1の角度αの補角が鋭角である場合、燃焼プレート100の面から外方向に傾斜していると記載される場合もある。一部の実施態様において、例示的な穴300の縦軸330に沿った区間は、第1の角度αで傾斜していてもよく、例示的な穴300の残りは、垂直であってもよい。
【0020】
[031]一部の実施態様において、縦軸330は、同心円の1つの接線から第2の角度で
傾斜していてもよい。例えば、
図4で示されるように、燃焼プレート100の第1の面における同心円310の接線320は、例示的な穴300の下の端部303の第2の中心304を通過する第1の面に平行な第2の面上に射影340を有していてもよい。縦軸330はまた、第2の面上に射影335を有していてもよく、これは、第2の面上の接線320の射影340から第2の角度βを形成する。一部の実施態様において、第2の角度βは、第1の面上で同心円310の接線320から傾斜した縦軸330の第2の角度を説明するのに使用することができる。一部の実施態様において、接線320に平行な他の同心円の接線は同じ方向で並べることができるため、第2の角度βは、接線320に平行な接線のいずれかに対する縦軸330の傾斜を説明するのに使用することができる。
図5は、例示的な実施態様に係る縦軸330の傾斜を例示する。
図5の概略図は、燃焼プレート100の面の下面104から見た穴110、120、および130の例示的な配列を描写する。例示的な穴300は、穴110の1つとして示される。実線で描かれた円は、燃焼プレート100の下面104における穴の下の端部303を例示し、点線で描かれた円は、燃焼プレート100の上面102における穴の上の端部301を例示する。
図5で示されるように、例示的な穴300または例示的な穴300の縦軸330は、燃焼プレート100の面上に穴110を配列させた同心円310の接線320から傾斜していてもよい。一部の実施態様において、例示的な穴300は、燃焼プレート100の面において同心円310の半径350の周りに第3の角度β’で傾斜していると記載される場合もある。第2の
角度βと第3の角度β’とは、余角であり、合計90°になる角度であってもよい。一部の実施態様において、例示的な穴300の縦軸330に沿った区間は、第2の角度βまたは第3の角度β’で傾斜していてもよく、例示的な穴300の残りは、垂直であってもよいし、または第1の角度αでのみ傾斜していてもよい。
【0021】
[032]例示的な実施態様において、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜す
るように設計された選択された穴は、燃料ガス流および/または空気流のための経路を形成することができ、燃料ガス流または空気流を接線速度(tangential velocity)で排出
させて、燃料ガス流と空気流との混合を増加させたり、および/または燃料ガス流と空気流との十分な混合をもたらすことができる。一部の実施態様において、空気流のための経路を提供する穴110は、燃焼プレート100の面から第1の角度αで傾斜していてもよいし、および/または穴110を配列させた同心円の接線から第2の角度βで傾斜していてもよい。このような穴110の配置は、空気流を接線速度のセットで燃焼チャンバー280に排出させ、それを穴120から排出された燃料ガス流と混合し、燃焼させることを可能にする。一部の実施態様において、燃料ガス流のための経路を提供する穴120は、燃焼プレート100の面から第1の角度αで傾斜していてもよいし、および/または第2の角度βで穴120を配列させた同心円の接線から傾斜していてもよい。このような穴120の配置は、燃料ガス流を接線速度のセットで燃焼チャンバー280に排出させ、それを穴110から排出された空気流と混合し、燃焼させることを可能にする。一部の実施態様において、空気流のための経路を提供する穴110は、燃焼プレート100の面へと第1の角度αで内方向に傾斜していてもよく、空気流のための追加の経路を提供する穴130は、燃焼プレート100の面から別の第1の角度αで内方向にまたは外方向に傾斜していてもよい。このような穴110および穴130の配置は、空気流を、第1のセットの接線速度で穴110を通じて、および第2のセットの接線速度で穴130を通じて、燃焼チャンバー280に排出させることができる。第2のセットの接線速度の方向および/または大きさは、第1のセットの接線速度の方向および/または大きさと異なっていてもよい。一部の実施態様において、第1のセットおよび第2のセットの接線速度の両方が、空気流を、穴120から排出された燃料ガス流に方向付け、空気流を燃料ガス流と混合し、燃焼させることができる。
【0022】
[033]例示的な実施態様において、バーナーアセンブリ10の燃焼プレート100は、
燃焼チャンバー280中で燃料ガス流と空気流との混合を増加させ、燃料ガスおよび空気の燃焼中に旋回する燃焼炎を生成するように設計されていてもよい。例えば、
図6で示されるように、燃料ガス流および/または空気流の接線速度の例示的な方向は、矢印として示される。この接線速度の方向は、傾斜させた穴を通じて排出された燃料ガス流と空気流との即時反応を導入することによって混合を増加させることができる。例えば、垂直の穴を通じて空気流および燃料ガス流が排出されるバーナーアセンブリと比較して、バーナーアセンブリ10は、燃料ガス流と空気流との混合を増加させ、バーナーアセンブリ10によって生成した旋回する燃焼炎のピーク温度を約30℃~200℃低減させることができる。本明細書で説明されるように、一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10の燃焼プレート100は、燃料ガス流と空気流との十分なおよび/または完全な混合を可能にし、燃焼中に旋回する燃焼炎の形成を可能にするように設計されていてもよい。したがって、旋回する燃焼炎の温度を低減させることにより、燃焼中のNO
xの形成および/もしくは放出、または燃焼チャンバー280から排出される燃焼排気ガス290中のNOx濃度を制限または抑制することができる。
【0023】
[034]一部の実施態様において、穴120から排出された燃料ガス流の接線速度、なら
びに穴110および/または穴130から排出された空気流の接線速度は、制御および/または調節することができる。一部の実施態様において、燃料ガス流および/または空気流の接線速度を制御または調節することによって、燃料ガス流および空気流の流速のバラ
ンスをとる、燃焼中の燃料ガスおよび空気の化学量論を最適化する、燃料ガス流と空気流との混合を最適化する、および/または燃焼効率を最適化して燃焼炎の温度を低減することが可能になる。一部の実施態様において、燃料ガス流および/または空気流の接線速度を制御または調節することは、燃焼中のNOx形成、したがってバーナーアセンブリ10の燃焼チャンバー280からのNOx放出を、低減または最小化することができる。一部の実施態様において、穴120から排出された燃料ガス流の接線速度、ならびに穴110および/または穴130から排出された空気流の接線速度は、燃焼開始時における初期の乱流を低減することによって、燃焼中にNOx形成を低減することができる。
【0024】
[035]例示的な実施態様において、燃焼プレート100のいずれの選択された穴110
、120、および130またはその組合せならびに追加の穴は、燃焼プレート100の面において、燃焼プレート100の面から第1の角度αで、および/または同心円の1つの接線から第2の角度βで延在するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、穴110のうち選択された穴は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、穴120のうち選択された穴は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、穴130のうち選択された穴は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、穴110および穴130のうち選択された穴は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、選択された穴110および穴120は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、選択された穴120および穴130は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、選択された穴110、120、および130は、第1の角度αおよび/または第2の角度βで傾斜していてもよい。一部の実施態様において、穴110および穴130は、異なる第1の角度αおよび/または異なる第2の角度βで傾斜するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、穴110および穴120は、異なる第1の角度αおよび/または異なる第2の角度βで傾斜するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、穴120および穴130は、異なる第1の角度αおよび/または異なる第2の角度βで傾斜するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、穴110、120、および130は、異なる第1の角度αおよび/または異なる第2の角度βで傾斜するように設計されていてもよい。
【0025】
[036]一部の実施態様において、いずれの選択された穴110、120、および130
のが、燃焼プレート100の面から第1の角度αで傾斜するように設計されていてもよい。一部の実施態様において、第1の角度αまたはその補角は、鋭角であってもよい。一部の実施態様において、第1の角度αまたはその補角は、約0°から約15°、約0°から約30°、約0°から約45°、約0°から約60°、約0°から約75°、約0°から約90°、約15°から約30°、約15°から約45°、約15°から約60°、約15°から約75°、約15°から約90°、約30°から約45°、約30°から約60°、約30°から約75°、約30°から約90°、約45°から約60°、約45°から約75°、約45°から約90°、約75°から約90°、約90°から約105°、約90°から約135°、約90°から約165°、約105°から約135°、約105°から約165°、約135°から約165°、約105°から約180°、または約90°から約180°、約105°から約180°、約135°から約180°、または約165°から約180°の範囲であってもよい。例示的な実施態様において、第1の角度αまたはその補角は、約0°、90°、および/または180°にならないように設計されていてもよい。一部の実施態様において、いずれの選択された穴110、120、および130の第1の角度αが鋭角になるように、すなわち約90°未満になるように設計されている場合、選択された穴は、燃焼プレート100の面へと1の角度αで内方向に傾斜していると記載される場合もある。一部の実施態様において、いずれの選択された穴1
10、120、および130の第1の角度αの補角が鋭角になるように設計されている場合、選択された穴は、燃焼プレート100の面から第1の角度αで外側に傾斜していると記載される場合もある。
【0026】
[037]一部の実施態様において、いずれの選択された穴110、120、および130
は、同心円の1つの接線から第2の角度βで傾斜しているか、または燃焼プレート100の面において半径350の周りに第3の角度β’で傾斜していると記載される場合もある。一部の実施態様において、第2の角度βおよび第3の角度β’は、互いに余角であり、合計90°になる角度であってもよい。一部の実施態様において、第2の角度βまたは第3の角度β’は、鋭角であってもよい。例示的な実施態様において、第2の角度βまたは第3の角度β’は、約0°から約15°、約0°から約30°、約0°から約45°、約0°から約60°、約0°から約75°、約0°から約90°、約15°から約30°、約15°から約45°、約15°から約60°、約15°から約75°、約15°から約90°、約30°から約45°、約30°から約60°、約30°から約75°、約30°から約90°、約45°から約60°、約45°から約75°、約45°から約90°、約75°から約90°の範囲であってもよい。例示的な実施態様において、第2の角度βまたは第3の角度β’は、約0°および/または90°にならないように設計されていてもよい。一部の実施態様において、同心円の1つに配列された穴110、120、または130の数は、3から300個の範囲であってもよい。一部の実施態様において、追加の同心円の1つに配列された追加の穴の数は、3から300個の範囲であってもよい。一部の実施態様において、同心円の1つに配列された穴は、円の周長に沿って均一に分布していてもよい。
【0027】
[038]一部の実施態様において、いずれの選択された穴110、120、および130
またはその組合せの第1の角度αおよび/または第2の角度βは、調整することができる。例えば、選択された穴は、第1の角度αおよび/または第2の角度βを個々にまたは組み合わせて調整するために可動性のおよび/または回転可能な調整可能な装備を備えていてもよい。それぞれの調整可能な装備は、装備の動きおよび/または回転を調整するように設計されたモーターを有していてもよい。一部の実施態様において、それぞれの調整可能な装備は、非一時的メモリデバイスに格納されたプログラム可能な命令のセットに従って作動可能な制御器またはプロセッサーに作動可能に連結されるように設計されていてもよい。一部の実施態様において、調整可能な装備は、制御器またはプロセッサーの命令のもとで、選択された穴を、個々にまたは組み合わせて、開いたり、または閉じたりできる。一部の実施態様において、いずれの選択された穴110、120、および130または組合せの第1の角度αおよび/または第2の角度βを個々にまたは集合的に調整して、旋回する燃焼炎を安定化させる、燃料ガス流と空気流との混合を最適化する、旋回する燃焼炎の温度を低減する、および/または燃焼中の最適なNOx低減もしくは抑制を達成することができる。
【0028】
[039]例示的な実施態様において、燃焼プレート100の厚さは、例えば、約2mmか
ら約40mm、約4mmから約35mm、約6mmから約30mm、約8mmから約25mm、約10mmから約20mm、約12mmから約15mmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、燃焼プレートの直径は、約10mmから約2000mm、約100mmから約1500mm、約200mmから約1000mm、約300mmから約900mm、約400mmから約800mm、約500mmから約700mmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、穴110の直径は、約0.2mmから約100mm、約0.5mmから約50mm、約1mmから約25mm、約2mmから約12mm、約4mmから約10mm、約6mmから約8mmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、穴120の直径は、約0.2mmから約100mm、約0.5mmから約50mm、約1mmから約25mm、約2mmから約12mm、約4mmから約10mm、約6m
mから約8mmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、穴130の直径は、約0.2mmから約100mm、約0.5mmから約50mm、約1mmから約25mm、約2mmから約12mm、約4mmから約10mm、約6mmから約8mmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、穴110、120、および/または130のうちの選択された穴の断面積は、縦軸に沿って下面104から上面102に減少していてもよく、それにより燃料ガス流および/または空気流を排出させるためのノズルが生成される。一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10は、金属、金属合金、および無機材料、例えばガラス、磁器、セラミック、炭化ケイ素、ならびにこれらの組合せなどから選択される少なくとも1つの材料で作製されていてもよい。一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10は、鋳造、射出成形、または例えば3D印刷などの積層造形加工技術によって作製されていてもよい。一部の実施態様において、穴110、120、および130の数、角度、配列、および/または配置は、コンピューター支援の設計ツールによって、設計、モデリング、および最適化が可能である。一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10は、空気ガスチャンバー200および燃料ガスチャンバー250を燃焼プレート100に溶接またはボルト締めすることによって製作されていてもよい。
【0029】
[040]一部の実施態様において、燃焼プレート100の上面104の近くの旋回する燃
焼炎の温度は、約20℃から約1900℃の範囲であってもよい。一部の実施態様において、旋回する燃焼炎の温度は、上面104から離れた旋回する燃焼炎の距離に依存する場合がある。例えば、燃焼チャンバー280中の旋回する燃焼炎の温度は、上面104から離れて約0cmから約1cmの範囲の距離で、約20℃から約1400℃の範囲であってもよいし、上面104から離れて約1cmから約15cmの範囲の距離で、約20℃から約1900℃の範囲であってもよい。一部の実施態様において、1つまたはそれより多くの温度センサーを、温度センサーの位置の近傍で旋回する燃焼炎の温度を検出するために、燃焼チャンバー280および/または追加の燃焼チャンバー285の壁の近傍に設置し、分布させてもよい。一部の実施態様において、温度センサーは、1つまたはそれより多くのフィードバックシグナルを生成し、それを制御器に送るように設計されていてもよく、ここで制御器は、予め決定された閾値温度に到達するまで、燃料ガス流および空気流の流速を制御したり、および/または穴110、120、および/または130のサイズ、角度、開放および/または閉鎖を制御したりするように設計されている。
【0030】
[041]一部の実施態様において、燃焼排気ガス290中のNOx濃度は、上面104か
らの距離に依存する可能性がある。例えば、一部の実施態様において、燃焼排気ガス290中のNOx濃度は、上面104から約0cmから約20cmの範囲の距離で約0ppmから約30ppmの範囲であってもよく、上面104から約30cmから約50cmの範囲の距離で約0ppmから約15ppmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、燃焼排気ガス290中のNOx濃度は、燃焼プレート100の上面104から距離が離れるにつれて、より低くなっていてもよい。例えば、燃焼排気ガス290中のNOx濃度は、上面104から約50cmから約100cmの範囲の距離で約0ppmから約7ppmの範囲であってもよい。一部の実施態様において、1つまたはそれより多くのNOxセンサーを、燃焼チャンバー280および/または追加の燃焼チャンバー285の出口の近傍に設置及び分布させて、NOxセンサーの近傍で燃焼排気ガス290中のNOx濃度を検出することもできる。一部の実施態様において、NOxセンサーは、1つまたはそれより多くのフィードバックシグナルを生成し、それを制御器に送るように設計されていてもよく、ここで制御器は、予め決定された閾値レベルを満たすまで燃焼排気ガス290中のNOx濃度を低減するために、燃料ガス流および空気流の流速を制御したり、および/または穴110、120、および/または130のサイズ、角度、開放および/または閉鎖を制御したりするように設計されている。一部の実施態様において、燃焼排気ガス290中のNOx濃度は、様々な大気質基準、例えば国家環境大気質基準(National Ambient Air Quality Standard;NAAQS)、カリフォルニア州環境保護庁大気資源委員会(Cal
ifornia Environmental Protection Agency Air Resources Board;CARB)、および
南岸大気管理局(SCAQMD)の規制などに準拠していてもよい。
【0031】
[042]一部の実施態様において、第1のバルブは、燃料チャンバー250に取り付けら
れた入口270への燃料ガス流の流速を制御するように設計されていてもよく、第2のバルブは、空気チャンバー200に取り付けられた入口220への空気流の流速を制御するように設計されていてもよい。第1および第2のバルブを制御して、穴120から排出される燃料ガス流ならびに穴110および/または130から排出される空気流の流速を調節することができ、そうすることにより、燃焼中の燃料ガス流および空気流の混合および相対的な供給量もしくは化学量論を調整する、増加させる、および/または最適化して、旋回する燃焼炎の温度を低減することによりNOx形成を制限または最小化することができる。一部の実施態様において、入口270への燃料ガス流および入口220への空気流の流速は、温度センサーおよび/またはNOxセンサーからのフィードバックシグナルに基づいて調節することができる。一部の実施態様において、接線速度と、それによる穴120から排出された燃料ガス流と穴110および/または穴130から排出された空気ガス流との混合は、温度センサーおよび/またはNOxセンサーからのフィードバックシグナルに基づいて調節することができる。
【0032】
[043]バーナーアセンブリ10を、燃料ガス流および空気流の燃焼反応を模擬するよう
にモデリングした。穴110を、燃焼プレート100の面へと約60°の第1の角度αで内方向に傾斜するように設計し、穴130を、燃焼プレート100の面に向かって約25°の第1の角度αで内方向に傾斜するように設計した。穴110および130のそれぞれを、穴110または穴130を配列させた同心円の接線から約50°の第2の角度βで傾斜するように設計した。穴120を、上面102から下面104まで垂直に延在するように設計した。さらに、上面102から下面104まで垂直に延在するように設計された穴110、120、および130を有する通常のバーナーアセンブリもモデリングして、これをバーナーアセンブリ10と比較し、バーナーアセンブリ10の利点を実証した。
図7で示されるように、傾斜させた穴110および130を有するバーナーアセンブリ10は、垂直の穴を有する通常のバーナーアセンブリより低温で旋回する燃焼炎を生成することができ、このようにして、傾斜させた穴110および130を有するバーナーアセンブリ10は、燃焼中により少ないNO
xを形成することができ、燃焼チャンバー280から排出される燃焼排気ガス290中に、垂直の穴を有する通常のバーナーアセンブリより低い濃度のNO
xを放出することができる。
図7のシミュレーション結果から、本発明の開示に係るバーナーアセンブリ10は、燃料ガス流および空気流の排出のための垂直の穴を有する通常のバーナーアセンブリと比較して、NO
xの形成および/または放出をより低くできることが実証される。
【0033】
[044]一部の実施態様において、バーナーアセンブリ10は、熱または熱エネルギーを
水素発生器における水蒸気改質器に提供するように設計されていてもよい。
図8で示されるように、水素発生器600は、バーナーアセンブリ10および水蒸気改質器610を含んでいてもよい。バーナーアセンブリ10には、例えば入口220を介して空気流を供給することができ、例えば入口270を介して燃料ガス流を供給することができる。バーナーアセンブリ10中で燃料ガス流と空気流とが燃焼して、熱または熱エネルギーを運ぶ燃焼排気ガス290を生成することができる。水蒸気改質器610は、バーナーゾーン620、熱交換境界630、および改質ゾーン640を含んでいてもよい。燃焼排気ガス290は、バーナーゾーン620に供給されてもよく、燃焼排気ガス290によって運ばれた熱または熱エネルギーは、熱交換境界630を介して、放射熱および/または対流熱伝達により改質ゾーン640に移動させてもよい。改質ゾーン640には、炭化水素供給材料流および水蒸気を供給してもよく、これらが水蒸気改質反応を受けると、水素改質物または「合成ガス」を生産することができる。一部の実施態様において、水蒸気改質器610
には、1つまたはそれより多くのバーナーアセンブリ10が使用されてもよい。
【0034】
[045]例示的な実施態様に係るバーナーアセンブリ10を使用して熱源を提供する方法
は、上述したように、穴110および/または穴130に空気流を通すこと、および穴120に燃料ガス流を通すことを含んでいてもよい。一部の実施態様において、本方法は、燃焼プレート100の上面102の近傍で、穴を通った燃料ガス流および空気流を燃焼させることを含んでいてもよい。一部の実施態様において、本方法は、穴120を通じて、接線速度で燃料ガス流を排出させること、および穴110および/または130を通じて、接線速度で空気流を排出させることをさらに含んでいてもよい。一部の実施態様において、本方法は、燃料ガス流および空気流の混合を増加させるおよび/または最適化すること、したがって旋回する燃焼炎の温度を、閾値レベルまたはそれ未満に低減および/または制御することをさらに含んでいてもよい。一部の実施態様において、本方法は、旋回する燃焼炎の温度を低減および/または制御することによって、バーナーアセンブリ10からのNOxの形成および/または放出を制限または抑制することをさらに含んでいてもよい。
【0035】
[046]開示されたシステムおよび方法に様々な改変およびバリエーションを施すことが
できることは、当業者には明らかであろう。当業者には、開示されたシステムおよび方法の詳細と実施の考察から、他の実施態様が明らかであろう。明細書および実施例は単なる例示とみなされ、真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらと等価なものによって示されることが意図されている。
【符号の説明】
【0036】
10 バーナーアセンブリ
100 燃焼プレート
102 上面
104 下面
110、120、130 穴
200 空気ガスチャンバー
210 底部プレート
220 空気入口
250 燃料ガスチャンバー
260 底部プレート
270 燃料ガス入口
280 燃焼チャンバー
285 燃焼チャンバー
290 燃焼排気ガス
300 穴
301 上の端部
302 第1の中心
303 下の端部
304 第2の中心
310 同心円
320 接線
330 縦軸
335 射影
340 射影
350 半径
600 水素発生器
610 水蒸気改質器
620 バーナーゾーン
630 熱交換境界
640 改質ゾーン