IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンメッド コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開-外科手術吸引システム 図1
  • 特開-外科手術吸引システム 図2
  • 特開-外科手術吸引システム 図3
  • 特開-外科手術吸引システム 図4
  • 特開-外科手術吸引システム 図5
  • 特開-外科手術吸引システム 図6
  • 特開-外科手術吸引システム 図7
  • 特開-外科手術吸引システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145710
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】外科手術吸引システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20231003BHJP
【FI】
A61M1/00 160
A61M1/00 130
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127049
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2020547195の分割
【原出願日】2018-09-14
(31)【優先権主張番号】62/642,693
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー ジェシカ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】外科手術吸引システムを提供する。
【解決手段】外科手術吸引システム10は、第一の直径を有する遠位先端と、外部ホースバーブ42および第二の直径を有する近位端とを有する大口径ヤンカウアー吸引装置12を含む。第二の直径は、大口径ヤンカウアー吸引装置を通って延びるチャネルが、遠位先端から近位端に向かって増加する直径を有しうるように、第一の直径よりも大きい。外科手術システムはまた、遠位端および近位端を有するカニューレ管24を含み、遠位端は、ヤンカウアー吸引装置の外部ホースバーブと嵌合するように構成される。外科手術システムは、外部ホースバーブを備えた遠位端、および近位端を有するアダプタ38をさらに含む。外部ホースバーブは、カニューレ管の近位端と嵌合するように構成されている。アダプタの近位端は、キャニスター、壁の真空、またはその他の生物学的物質収集装置へのポートに接続するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の直径を有する遠位先端および近位端を有するヤンカウアー吸引装置であって、前記近位端が第二の直径を有し、
前記第二の直径が前記第一の直径より大きい、ヤンカウアー吸引装置と、
遠位端および近位端を有するカニューレ管であって、前記遠位端が、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端と嵌合するように構成された、カニューレ管と、
遠位端および近位端を有するアダプタであって、前記遠位端が、前記カニューレ管の前記近位端と嵌合するように構成された、アダプタと、を備える、吸引システム。
【請求項2】
前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端に延在するチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記遠位先端から前記近位端に向かって増加する内径を有する、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項3】
前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記アダプタの前記近位端に延在するチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記アダプタの前記近位端に向かって増加する内径を有する、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項4】
前記カニューレ管が、前記第一の直径よりも大きな第三の直径を有する、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項5】
前記カニューレ管の前記遠位端が、第一のフレア端であり、前記カニューレ管の前記近位端が第二のフレア端である、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項6】
前記カニューレ管の内径が、中央位置から前記第一のフレア端に向かって、および前記第二のフレア端に向かって増加する、請求項5に記載の吸引システム。
【請求項7】
前記アダプタの前記遠位端が、第三の直径を有し、これは前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端の前記第一の直径よりも大きい、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項8】
前記アダプタの前記近位端が、第四の直径を有し、これは前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端の前記第一の直径よりも大きい、請求項7に記載の吸引システム。
【請求項9】
前記第四の直径が前記第三の直径よりも大きい、請求項8に記載の吸引システム。
【請求項10】
前記アダプタの前記近位端の長さに沿って延びる一つまたは複数のフラットをさらに備える、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項11】
前記アダプタの前記遠位端が、外部ホースバーブを含み、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端が、外部ホースバーブを有し、前記アダプタの前記外部ホースバーブが、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端の前記外部ホースバーブと嵌合する、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項12】
第一の直径を有する遠位先端および近位端を有するヤンカウアー吸引装置であって、前記近位端が第二の直径を有し、
前記第二の直径が前記第一の直径より大きい、ヤンカウアー吸引装置と、
遠位端および近位端を有するカニューレ管であって、前記遠位端が、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端と嵌合するように構成された、カニューレ管と、
遠位端および近位端を有する第一のアダプタであって、前記遠位端が、前記カニューレ
管の前記近位端と嵌合するように構成された、第一のアダプタと、
第二のアダプタの遠位端と嵌合するように構成された近位端を有する第二の器具であって、前記第二のアダプタが前記カニューレ管の前記遠位端と嵌合するように構成された近位端を有する、第二の器具と、を備え、
前記ヤンカウアー吸引装置および前記第二の器具が、第一の構成では、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端が、前記カニューレ管の前記遠位端に接続され、第二の構成では、前記第二の器具の前記近位端が、前記カニューレ管の前記遠位端に接続される前記第二のアダプタの前記遠位端に接続されるように交換可能である、吸引システム。
【請求項13】
前記第二の器具が小口径ヤンカウアー吸引装置である、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項14】
前記第二の器具が、前記ヤンカウアー吸引装置の内径よりも小さい内径を有する、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項15】
前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端に延在するチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端に向かって増加する内径を有する、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項16】
前記第一の構成では、前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記アダプタの前記近位端に延在するチャネルをさらに備え、前記チャネルが前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記アダプタの前記近位端に向かって増加する内径を有する、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項17】
前記第一の構成では、吸引の方向が、前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記第一のアダプタの前記近位端に向かってである、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項18】
前記第二の構成では、吸引の方向が、前記第二の器具から前記第一のアダプタの前記近位端に向かってである、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項19】
前記カニューレ管の内径が、中央位置からその遠位端に向かって、およびその近位端に向かって増加する、請求項12に記載の吸引システム。
【請求項20】
前記第一のアダプタの前記遠位端、前記第二のアダプタの前記遠位端、および前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端は、それぞれ外部ホースバーブを含み、前記第一のアダプタの前記外部ホースバーブが、前記第二のアダプタの前記外部ホースバーブ、および前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端の前記外部ホースバーブと嵌合する、請求項12に記載の吸引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月14日に出願された、「Large Bore Yankauer Kit」と題する米国仮特許出願第62/642693号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、外科手術処置中に使用される医療装置に関し、より具体的には、器具を交換し、様々な真空システムおよび収集装置に接続するためのアダプタを備えた外科手術吸引システムに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
様々な医療処置の実施中、例えば、整形外科処置中に吸引によって血液および骨片などの物質を除去することが、頻繁に必要となる。医療処置で使用される吸引器具に接続された従来の吸引キャニスターは、吸引管を受けるための標準的なフィッティングを有する。従来的な吸引管は、一般に1/8~9/32インチの範囲内の内径を有する。しかしながら、多くの整形外科処置では、吸引によって除去される物質の性質は、物質が、標準的な管、器具、および吸引管の接続に使用されるフィッティングを詰まらせるようなものである。
【0004】
一回の標準的な股関節または膝関節の置換(または再置換)処置では、外科医は吸引管の詰まりを最大15回取る場合がある。上述のように、吸引管は、血液、脂肪、骨片、および凝固血液などの固体および液体の生物学的物質の混合物で詰まる場合がある。吸引システムの詰まりを取るために、外科医はシステムの構成要素を分解および再構築する必要がある。従って、吸引システムの詰まりを取ることは、労働力および時間を要する。
【0005】
いくつかの事例では、外科手術処置は小型の吸引器具の使用を必要としうる。例えば、外科手術部位が小さく、かつ吸引が液体生物学的物質のみに使用される場合、外科手術処置の開始時に作られた小さな切開部に対して小型の吸引器具が必要とされうる。現在、小型および大型の吸引器具は、それぞれ別個の吸引システムの構成要素である。言い換えれば、外科医は吸引システムを切り替えて、異なるサイズの吸引器具を使用しなければならない。
【0006】
従って、詰まりを最小限にし、小型吸引器具および大型吸引器具の交換可能な使用を可能にする吸引システムが求められている。
【発明の概要】
【0007】
本本発明は、器具を交換し、様々な真空システムおよび収集装置に接続するためのアダプタを備えた外科手術吸引システムに関する。一態様によれば、吸引システムは、第一の直径を有する遠位先端と、外部ホースバーブ(または代替的に、ねじ山)および第二の直径を有する近位端とを有するヤンカウアー吸引装置を含む。第二の直径は第一の直径よりも大きい。吸引システムはまた、遠位端および近位端を有するカニューレ管を含む。カニューレ管の遠位端は、ヤンカウアー吸引装置の外部ホースバーブと嵌合するように構成されている。吸引システムは、外部ホースバーブを備えた遠位端、および近位端を有するアダプタをさらに含む。アダプタの外部ホースバーブは、カニューレ管の近位端と嵌合するように構成されている。
【0008】
別の態様によれば、吸引システムは、第一の直径を有する遠位先端と、外部ホースバーブおよび第二の直径を有する近位端とを有するヤンカウアー吸引装置を含む。第二の直径は第一の直径よりも大きい。吸引システムはまた、遠位端および近位端を有するカニューレ管を含む。カニューレ管の遠位端は、ヤンカウアー吸引装置の外部ホースバーブと嵌合するように構成されている。吸引システムは、外部ホースバーブを備えた遠位端、および近位端を有する第一のアダプタをさらに含む。アダプタの外部ホースバーブは、カニューレ管の近位端と嵌合するように構成されている。吸引システムはまた、第二のアダプタの近位端と嵌合するように構成された、近位端を有する第二の器具を含む。第二のアダプタは、カニューレ管の遠位端と嵌合するように構成された、外部ホースバーブを備えた近位端を有する。ヤンカウアー吸引装置および第二の器具は互換性がある。第一の構成では、ヤンカウアー吸引装置の近位端は、カニューレ管の遠位端に接続される。第二の構成では、第二の器具の近位端は、第二のアダプタの遠位端に接続され、第二のアダプタの近位端は、カニューレ管の遠位端に接続される。
【0009】
当然のことながら、以下でより詳細に考察した前述の概念および追加的概念のすべての組み合わせは(そのような概念は互いに矛盾していないとすると)、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。特に、本開示の最後に現れる請求項に記載された主題のすべての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。また、参照により組み込まれる任意の開示においても現れうる、本明細書において明示的に用いられる用語は、本明細書に開示される特定の概念と最も一致する意味と一致するものを理解されるべきである。
【0010】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の一つまたは複数の態様は、本明細書の終了時に特許請求の範囲の例として特に指摘され、特定的に特許請求される。本発明の前述およびその他の物体、特徴、および利点は、以下の記述から添付図面と併せて明らかである。
【0012】
図1図1は、一実施形態による吸引システムの分解側面概略図を示す。
図2図2は、一実施形態による、大口径ヤンカウアー吸引装置の正面(遠位)概略図である。
図3図3は、一実施形態による吸引システムの側面概略図である。
図4図4は、一実施形態による、可撓性アダプタの斜視側面概略図である。
図5図5は、実施形態による、可撓性アダプタの背面(近位)斜視概略図である。
図6図6は、一実施形態による、可撓性アダプタの側面概略図である。
図7図7は、図6の可撓性アダプタの横断面概略図である。
図8図8は、一実施形態による、注ぎ口アダプタの斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の態様および特定の特徴、利点、およびその詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかしながら、本発明の態様を示しつつ、詳細な説明および特定の非限定的な例は、例示のみによって与えられ、限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明の基礎となる概念の精神および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、図1は、一実施形態による、吸引システム10の分解側面概略図を示す。吸引システム10は、ヤンカウアー吸引ツール/装置(以下、「大口径ヤンカウアー」)などの大口径吸引器具12を備える。図2に示すように、大口径ヤンカウアー12は、それを通って延在する穴18を有する遠位先端16を備えた本体14を備える。図示した実施形態では、穴18は、外科手術部位から液体および固体両方の生物学的物質(例えば、血液、脂肪、骨片)を除去するために比較的大きい。一実施形態では、穴18は6.00mmの内径d1を有するが、内径が、液体および固体両方の生物学的物質の通過を可能にするほど十分に大きい限り、代替的なサイズの穴18を使用してもよい。具体的には、本明細書で使用される場合、「大口径」は、5~10mmの範囲内の直径を有する幅広い範囲の穴サイズを含むと定義され、穴18の内径d1は、好ましくは6~8mmの範囲内である。
【0015】
図1を再び参照すると、大口径ヤンカウアー12の本体14は、中央長手方向y-y軸に沿って、遠位先端16から近位端20に延びる。大口径ヤンカウアー12の近位端20は、外部ホースバーブ22を備える。ホースバーブ22は、各プッシュ接続を可能にし、管に対する容易な接続解除を防止するバーブ様リングとして当業者に理解される。図3に示されるように、近位端20における外部ホースバーブ22は、カニューレ可撓性管24に取り外し可能に取り付けられるようなサイズおよび構成にされる。図3にも示されるように、チャネル26は、遠位先端16の穴18から近位端20へ大口径ヤンカウアー12の本体14を通って、中央長手方向y-y軸に沿って延びる。一実施形態では、チャネル26の内径は、遠位先端16で最小である(すなわち、図2の穴18のd1)。例えば、一実施形態では、チャネル26の内径は遠位先端16の内径d1から近位端20での内径d2(図3)まで増加する。遠位先端16から近位端20まで、大口径ヤンカウアー12の吸引方向f(図1)に従って増加する内径は、生物学的物質を流すための余分な空間を提供し、詰まりを最小限にする。
【0016】
上述のように、大口径ヤンカウアー12の近位端16は、カニューレ可撓性管24と嵌合するか、さもなければ接続するようなサイズおよび構成にされる。図1に示す実施形態では、カニューレ可撓性管24は、可撓性管24の遠位端32および可撓性管24の近位端34にそれぞれある、フレア端28、30の対を備える。フレア端28、30は、可撓性管24の部分であり、可撓性管24は先細りであるか、さもなければ変化する内径を有する。フレア端28、30は、可撓性管24と、器具および/またはコネクタとの間の接続に適合し、フレア端に隣接する管の挟み込み、またはねじれを防止するように構成および/または構造化される(フレア端のない従来の管は、管の接続された端に隣接するセクションでねじれたり、挟み込んだりする)。従って、遠位端および近位端32、34が、器具および/またはコネクタへの安定した接続に適している限り、可撓性管24の他の寸法および構成が使用されてもよい。
【0017】
図1に図示した実施形態では、カニューレ可撓性管24の内径は、遠位端32に向かって増加し、第一のフレア端28を作り出し、近位端34に向かって反対方向に増加し、第二のフレア端30を作り出す。カニューレ可撓性管24の内径が、遠位端および近位端32、34の両方に向かって増加するにつれて、図3に示すように、可撓性管24の内径は、遠位端32、34の間の可撓性管24の中央部分36で最小である。図3では、中央部分36は、遠位端および近位端32、34に延びて内径d3を有し、これは大口径ヤンカウアー12の遠位先端16での穴18の内径d1よりも大きい。例えば、一実施形態では、第一の穴の内径d1は6.00mmであり、可撓性管24の中央部分36の内径d3は8.38mmである。代替的な実施形態では、吸引システム10の内径が吸引の方向fに従って増加するように、d3>d2>d1である(図1)。別の実施形態では、中央部分36の内径d3は11/32インチであり、これはヤンカウアー吸引装置で通常使用される管の内径よりも大きい。可撓性管24の比較的大きな内径は、吸引方向f(図1)の流
れを増加させ、これが詰まりを最小限にする。
【0018】
さらに図3を参照すると、カニューレ可撓性管24の第一のフレア端28は、大口径ヤンカウアー12の近位端20を取り外し可能に受けるようなサイズおよび構成にされている。特に、図3は、第一のフレア端28が、大口径ヤンカウアー12の近位端20の各バーブ22に係合するか、またはこれらを捕捉することを示す。カニューレ可撓性管24の第二のフレア端30は、可撓性アダプタ38(図1にも示される)を取り外し可能に受けるようなサイズおよび構成にされている。図1に示すように、アダプタ38は、外部ホースバーブ42を有する遠位端40を備える。外部ホースバーブ42は、図3に示す通り、カニューレ可撓性管24の第二のフレア端30と嵌合するか、さもなければ接続するようなサイズおよび構成にされる。図示した実施形態では、第二のフレア端30は、可撓性アダプタ38の遠位端40の各バーブ42に係合するか、またはこれらを捕捉する。
【0019】
ここで図4図5を参照すると、一実施形態による、可撓性アダプタ38の様々な概略図が示されている。図4は、可撓性アダプタ38の斜視側面図を示す。図示した実施形態では、上述のように、可撓性アダプタ38は、その遠位端40上に外部ホースバーブ42を有する。一実施形態では、可撓性のアダプタ38の外部ホースバーブ42は、大口径ヤンカウアー12の近位端20の外部ホースバーブ22と一致するか、または実質的に類似している。図5は、可撓性アダプタ38の斜視背面(近位)概略図である。図4および図5は、可撓性アダプタ38の近位端46から遠位端40まで延在する穴44を示す。図3はまた、それを通って延在する穴44を示す。組み立てられた時、吸引システム10は、大口径ヤンカウアー12の遠位先端16から可撓性アダプタ38の近位端46までの生物学的物質のための経路を備える。経路は、図3に示すように、大口径ヤンカウアー12の穴18およびチャネル26、カニューレ可撓性管24、および可撓性アダプタ38の穴44を含む。
【0020】
図6図7はまた、一実施形態による、可撓性アダプタ38の様々な概略図を示す。図6は、可撓性アダプタ38の側面概略図を示し、図7は、図6の可撓性アダプタ38の断面概略図を示す。図示した実施形態では、上述のように、穴44は、可撓性アダプタ38の近位端46から遠位端40に延在する。一実施形態では、可撓性アダプタ38の最小内径は、大口径ヤンカウアー12の遠位先端16の穴18の内径d1よりも大きい。例えば、可撓性アダプタ38の最小内径は7.24mmであり、大口径ヤンカウアー12の遠位先端16の穴18の内径d1は6.00mmである。
【0021】
一実施形態では、可撓性アダプタ38の遠位端40での内径d4は、可撓性アダプタ38の近位端46での内径d5よりも小さい。いくつかの実施形態では、吸引システム10の最大内径は、吸引システム10の内径が、大口径ヤンカウアー12の遠位先端16から可撓性アダプタ38の近位端46まで増加するように、可撓性アダプタ38の近位端46での内径d5である。吸引方向f(図1)において吸引システム10の内径が増加することにより、様々なサイズおよび密度の生物学的物質が吸引システム10を通過することを可能にし、近位端46への流れを増加させ、詰まりを最小限にする。図6図7に示される代替的な実施形態では、可撓性アダプタ38の遠位端40での内径d4は、可撓性アダプタ38の近位端46での内径d5よりも大きい。例えば、遠位端40での内径d4は、11.43mmであり、近位端46での内径d5は、9.73mmである。
【0022】
図4を再び参照すると、可撓性のアダプタ38の近位端46は、カニューレ可撓性管24を、吸引収集キャニスター、その他の容器、または比較的小さな直径を有する既存の器具とインターフェースするように構成されている(以下に詳細に記載され、本開示の概説に関連して、当業者によって理解されるべきであるように)。例えば、可撓性のアダプタ38の近位端46は、カート上の収集キャニスター(例えば、ポータブル真空システム)
などの収集キャニスター上のポートに接続することができる。別の例では、カニューレ可撓性管24は、図8に示すように、収集キャニスターの注ぎ口アダプタ50のポート52に(永久的にまたは取り外し可能に)固定された可撓性アダプタ38とインターフェースするように構成される。当業者であれば理解するように、注ぎ口アダプタ50は、吸引システム10によって除去された生物学的物質を、そのリッド(またはその他のカバー)を取り外すことなく収集キャニスターから注ぐことができるように、吸引収集キャニスター(図示せず)に接続される。別の実施形態では、可撓性アダプタ38の近位端46は、壁の真空用のポートに接続するように構成される。可撓性アダプタ38の近位端46は、当業者によって理解されるように、上述の任意の例のポートに接続することができる。
【0023】
図4図7に示すように、可撓性アダプタ38の近位端46は、一つまたは複数のフラット48を有する。図示した実施形態では、フラット48は間隙を介し、可撓性アダプタ38の長さに沿って延びる。フラット48は、可撓性アダプタ38(または吸引システム10)が使用されていない時に、可撓性アダプタ38が器具テーブルまたはその他の表面から転がり落ちることを防止するように構成および/または構造化される。一実施形態では、フラット48は、可撓性アダプタ38を通って延在する中央長手方向y-y軸と実質的に平行な方向に延在する。
【0024】
図1に戻ると、追加的な可撓性アダプタ38’を使用して、小口径ヤンカウアー12’を、カニューレ可撓性管24の第一のフレア端32(すなわち、遠位端28)と接続することができる。上述のように、可撓性アダプタ38’は、可撓性管24を(大口径ヤンカウアー12と比較して)小型の器具に接続するために使用することができる。追加の可撓性アダプタ38’が使用される場合、図4図7に示す可撓性アダプタと同じであることに注意することが重要であるが、可撓性アダプタ38の遠位端40は、追加の可撓性アダプタ38’の近位端40’と同じであり、可撓性アダプタ38の近位端46は、追加の可撓性アダプタ38’の遠位端46’と同じである。言い換えれば、一実施形態では、追加の可撓性アダプタ38’は、図4図7の可撓性アダプタ38の回転した構成(180°)である。
【0025】
図1に示すように、可撓性アダプタ38’の遠位端46’は、小口径ヤンカウアー12’(またはその他の小型器具)の近位端20’に接続し、可撓性アダプタ38’の近位端42’は可撓性管24の第一のフレア端32に接続する。従って、図1に示すように、可撓性アダプタ38’および接続された小口径ヤンカウアー12’は、大口径ヤンカウアー12と交換可能である。小口径ヤンカウアー12’は、小さな切開部などの外科手術領域から液体を吸引または除去するために使用することができる。大口径ヤンカウアー12をより小型の器具12’と素早く交換する能力により、ユーザーが、外科手術部位のサイズおよび外科手術部位から取り除かれる生物学的物質などの要因に基づいて、器具(例えば、大口径ヤンカウアー12または小口径ヤンカウアー12’)を選択することができる。
【0026】
本明細書で定義され使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するために理解されるべきである。
【0027】
本明細書で様々な実施形態が説明され、図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施し、および/または結果および/または一つもしくは複数の利点を得るための様々な他の手段、および/または構造を容易に想起するであろうし、そのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つまたは複数の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業
者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することができ、または確認することができる。従って、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に説明および請求された以外のその他の方法で、実行できることが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0028】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(および「備える(comprises)」や「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形式)、「有する(have)」(および「有する(has)」や「有する(having)」などのhaveの任意の形式)、「含む(include)」(および「含む(includes)」や「含む(including)」などのincludeの任意の形式)、および「包含する(contain)」(および「包含する(contains)」や「包含する(containing)」などのcontainの任意の形式)は、オープンエンドのリンク動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、一つまたは複数のステップまたは要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法またはデバイス。同様に、一つまたは複数の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、またはデバイスの要素は、それら一つまたは複数の特徴を有するが、それらの一つまたは複数の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成されるデバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成することもできる。
【0029】
以下の特許請求の範囲の全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に請求される他の特許請求の要素と組み合わせて、機能を実行するための構造、材料または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明に開示された形態で網羅的または限定されるものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つまたは複数の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の一つまたは複数の態様を理解できるように選択および説明された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の内径を有する遠位先端および第二の内径を有する近位端を有するヤンカウアー吸引装置であって前記第二の内径が前記第一の内径より大きい、ヤンカウアー吸引装置と、
遠位端および近位端を有するカニューレ管であって、前記遠位端が前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端と嵌合するように構成された、カニューレ管と、
遠位端および近位端を有する第一のアダプタであって、前記遠位端が、前記カニューレ管の前記近位端と嵌合するように構成された、第一のアダプタと、
第二のアダプタの遠位端と嵌合するように構成された近位端を有する第二の器具であって、前記第二のアダプタが前記カニューレ管の前記遠位端と嵌合するように構成された近位端を有する、第二の器具と、
を備え、
前記ヤンカウアー吸引装置および前記第二の器具が、第一の構成では、前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端が、前記カニューレ管の前記遠位端に接続され、第二の構成では、前記第二の器具の前記近位端が、前記カニューレ管の前記遠位端に接続される前記第二のアダプタの前記遠位端に接続されるように交換可能である、吸引システム。
【請求項2】
前記第二の器具が小口径ヤンカウアー吸引装置である、請求項に記載の吸引システム。
【請求項3】
前記第二の器具が、前記ヤンカウアー吸引装置の内径よりも小さい内径を有する、請求項に記載の吸引システム。
【請求項4】
前記第一の構成では、前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記第一のアダプタの前記近位端に延在するチャネルをさらに備え、
前記チャネルが前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記第一のアダプタの前記近位端に向かって増加する内径を有する、請求項に記載の吸引システム。
【請求項5】
前記第一の構成では、吸引の方向が、前記ヤンカウアー吸引装置の前記遠位先端から前記第一のアダプタの前記近位端に向かってである、請求項1に記載の吸引システム。
【請求項6】
前記第二の構成では、吸引の方向が、前記第二の器具から前記第一のアダプタの前記近位端に向かってである、請求項に記載の吸引システム。
【請求項7】
前記カニューレ管の内径が、中央位置から前記カニューレ管の前記遠位端に向かって、および前記カニューレ管の前記近位端に向かって増加する、請求項に記載の吸引システム。
【請求項8】
前記第一のアダプタの前記遠位端、前記第二のアダプタの前記近位端、および前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端は、それぞれ外部ホースバーブを含み、
前記第一のアダプタの前記外部ホースバーブが、前記第二のアダプタの前記外部ホースバーブおよび前記ヤンカウアー吸引装置の前記近位端の前記外部ホースバーブと一致する、請求項に記載の吸引システム。
【外国語明細書】