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特開2023-145725ルテリオンおよびその分離・培養方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145725
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ルテリオンおよびその分離・培養方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/00 20060101AFI20231003BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20231003BHJP
   C12N 1/04 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
C12N5/00
C12N1/00 B
C12N1/00 L
C12N1/00 T
C12N1/04
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127378
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2021131664の分割
【原出願日】2016-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2015-0001195
(32)【優先日】2015-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0004288
(32)【優先日】2015-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517237148
【氏名又は名称】ルテリオン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LUTERION CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クォン ヨンア
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ウォンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ソクフン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ チャンフン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】植物または食品ルテリオンを効果的に分離する方法および培養する方法を提供する。
【解決手段】下記の段階を含む、ミトコンドリア類似微細物質であるルテリオンの分離方法を提供する:(a)食品または植物の抽出物を煮沸することで取得した蒸気または気体を冷却して得た凝縮液を、0.8~1.2μmの空隙サイズを有するフィルターを用いて濾過する段階;(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および(c)運動性を有するルテリオンを収集するために、200~600um波長のIR光線を照射して前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記で選択された一つ以上の特性を有するルテリオン:
(a)50~800nmの原形ないし楕円形で、運動性がある;
(b)核酸含有;
(c)免疫化学蛍光染色時ミトコンドリアと類似の反応を示す;
(d)融合(fusion)および/または分裂(fission)生態様式を示す;
(e)融合がない場合には大きさが500nmまで成熟して、DNA含有類似ミトコンド
リアに成熟して、SEMまたはTEM電子顕微鏡写真上でミトコンドリアと類似する構造
を示す;
(f)エキソソームとは異なる光反応を示す;
(g)IR照射時または加圧時分裂(fission)が発生する;
(h)表面抗原としてCD332、CD133、CD73またはCD39を発現する;
(i)自家蛍光(autofluorescence)を示す;
(j)200~400nm大きさでATPを産生する;
(k)二重膜または多重膜構造;
(l)付着性がある;
(m)癌細胞のテロメラーゼ活性抑制;
(n)正常細胞のテロメラーゼ活性化促進;
(o)細胞透過能保有;及び
(p)血液脳関門(BBB)透過能保有。
【請求項2】
ローダミン123(Rhodamine123)、ミトトラッカー(Mitotrac
ker)、アクリジンオレンジ(Acridine Orange)、DAPI、および
ヤヌスグリーンB(Janus green B)で構成される群から選択される一つ以
上の染色剤で染色する場合、陽性に染色される特性を有することを特徴とする請求項1に
記載のルテリオン。
【請求項3】
下記の段階を含むルテリオンの分離方法:
(a)植物または食品の水蒸気またはガス振盪抽出物を冷却して取得した凝縮液を0.8
~1.2μmの空隙を有するフィルターを利用して濾過する段階;
(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および
(c)前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階。
【請求項4】
前記植物は、表1~4で選択される薬用植物であることを特徴とする請求項3に記載の
分離方法。
【請求項5】
前記植物は、当帰、漆皮およびキウィで構成された群から選択されることを特徴とする
請求項3に記載の分離方法。
【請求項6】
前記段階(a)の振盪抽出は、植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体
を利用して間欠的にバブリングさせながら振盪するように進行することを特徴とする請求
項3に記載の分離方法。
【請求項7】
前記振盪抽出は、8~10時間振盪して、2~3時間毎に20~30分間バブリングし
て植物または食品のルテリオンがかたまらないようにすることを特徴とする請求項6に記
載の分離方法。
【請求項8】
前記(a)段階で取得された凝縮液にIR光線を照射する段階をさらに含むことを特徴
とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項9】
前記遠心分離は、1200~5000rpmで5~10分間繰り返し行われることを特
徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項10】
前記段階(c)は、遠心分離された上澄み液に200~600um波長のIR光線を照
射して運動性を有して集まるルテリオン粒子を分離すること、またはルテリオン表面抗原
CD39、CD73、CD133またはCD332を認知する結合体との結合の有無を確
認してルテリオン粒子を分離することを特徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項11】
前記分離されたルテリオン粒子を50nmフィルターで濾過した後、フィルターにかか
った部位を収集する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項12】
200nm、400nm、600nm、800nmおよび1000nmのフィルターを
順次利用して、それぞれ50~200nm、200~400nm、400~600nm、
600~800nmおよび800~1000nmの大きさのルテリオンに分類することを
さらに含むことを特徴とする請求項11に記載の分離方法。
【請求項13】
pH7以下および0℃以下の条件で固定させる段階をさらに含むことを特徴とする請求
項3に記載の分離方法。
【請求項14】
pH1~5および-90℃~0℃で固定させる段階をさらに含むことを特徴とする請求
項3に記載の分離方法。
【請求項15】
25,000~35,000psi(pound per square inch)
以上の圧力を加えて分裂を誘導する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の
分離方法。
【請求項16】
pH1~3および10~20℃で分裂を誘導して増殖させる段階をさらに含むことを特
徴とする請求項3に記載の分離方法。
【請求項17】
下記の段階を含むルテリオンの分離方法:
(a)ルテリオンを含有する抽出物にルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体または
アプタマーが固定された粒子を添加してルテリオンと粒子の結合を誘導する段階;および
(b)前記粒子に結合されたルテリオンを回収する段階。
【請求項18】
(c)粒子に結合されたルテリオンからルテリオンのみを分離する段階をさらに含むこ
とを特徴とする請求項17に記載のルテリオンの分離方法。
【請求項19】
前記ルテリオンを含有する抽出物は、植物抽出物または食品抽出物であることを特徴と
する請求項17に記載のルテリオンの分離方法。
【請求項20】
前記ルテリオンを含有する抽出物は、(i)植物または食品の熱水抽出物、(ii)植
物または食品の溶媒抽出物、または(iii)溶媒存在下に植物または食品の加熱によっ
て発生するガスの凝縮液であることを特徴とする請求項17に記載のルテリオンの分離方
法。
【請求項21】
前記凝縮液は、下記段階を経て製造されたことを特徴とする請求項20に記載の分離方
法:
(a)植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体を利用して間欠的にバブリ
ングしながら振盪する段階;および
(b)前記振盪によって気化される水蒸気またはガスを捕集した後、冷却させて凝縮液を
取得する段階。
【請求項22】
前記ルテリオン表面抗原は、CD39、CD73、CD133またはCD332である
ことを特徴とする請求項17に記載のルテリオンの分離方法。
【請求項23】
前記粒子は、磁性粒子、シリカ粒子、量子ドット粒子、ガラス粒子、高分子粒子、繊維
粒子および蛍光粒子で構成された群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の
ルテリオンの分離方法。
【請求項24】
前記磁性粒子は、鉄、アルミニウム、コバルト、ニッケル、マンガン、錫、亜鉛、カド
ミウム、マグネシウム、銅、バリウム、リチウムまたはイットリウムの酸化物で構成され
た群から選択されることを特徴とする請求項23に記載のルテリオンの分離方法。
【請求項25】
前記磁性粒子は、炭素および抗体またはアプタマー結合のための官能基で二重コーティ
ングされたことを特徴とする請求項23に記載のルテリオンの分離方法。
【請求項26】
前記官能基は、アミド基(amide group)、エステル基(ester gr
oup)、アミン基(amine group)およびカルボキシル基(carboxy
l group)で構成された群から選択されることを特徴とする請求項25に記載のル
テリオンの分離方法。
【請求項27】
前記粒子の大きさは、10~1,000nmであることを特徴とする請求項17に記載
のルテリオンの分離方法。
【請求項28】
前記粒子は、磁性ナノ粒子であり、前記(b)段階は、外部から磁力を加えてルテリオ
ンが結合された磁性ナノ粒子を集めた後、回収することを特徴とする請求項17に記載の
ルテリオンの分離方法。
【請求項29】
前記粒子は、蛍光粒子であり、前記(b)段階は、蛍光利用セルソーターを利用してル
テリオンが結合された蛍光粒子を回収することを特徴とする請求項17に記載のルテリオ
ンの分離方法。
【請求項30】
前記粒子は、静電気を帯びた粒子であり、前記(b)段階は、不均一な電場を形成して
静電気的引力でルテリオンが結合された粒子を回収することを特徴とする請求項17に記
載のルテリオンの分離方法。
【請求項31】
前記粒子は、イオン性粒子であり、前記(b)段階は、静電気的引力を利用してルテリ
オンが結合された粒子を回収することを特徴とする請求項17に記載のルテリオンの分離
方法。
【請求項32】
請求項1に記載のルテリオンに水分を添加してIR光線照射または加圧下に18~30
℃で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法。
【請求項33】
請求項1に記載のルテリオンを糖含有培地でpH5~9および18~30℃の条件で増
殖させる段階を含むルテリオンの培養方法。
【請求項34】
前記糖は、ラムノース(rhamnose)、グルコース(glucose)、ガラク
トース(galactose)、フルクトース(fructose)またはキシロース(
xylose)であることを特徴とする請求項33に記載の培養方法。
【請求項35】
前記培養前および後のルテリオンの大きさは、それぞれ50~200nmおよび300
~500nmであることを特徴とする請求項32または請求項33に記載の培養方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミトコンドリア類似微細物質であるルテリオン、これの分離方法および培養
方法に関し、具体的には特定の大きさの空隙を有するフィルターを利用してルテリオンを
分離する方法、このような方法によって分離された特定特性を有するルテリオンおよびこ
れを増殖させる培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願の発明者等は、患者または健常者で既排出された体液内に存在する微細物質であ
るルテリアルを効果的に分離できる方法を開発して、分離されたルテリアルの特性を解明
した内容を2014年5月9日付で特許出願した(WO2015/108246)。また
、患者で既排出された体液内に存在する微細物質の特性を観察することによって疾病を診
断および予測できることを発見してこれに対する内容を2014年1月14日付で特許出
願した(WO2015/005553)。
【0003】
このようなルテリアルは、(1)原核細胞と真核細胞の中間段階融合特性を有する細胞
または細胞類似体であって;(2)血液、精液、腸液、唾液、細胞液などの体液に存在し
て;(3)免疫蛍光試験でヤヌスグリーンB(Janus green B)、アクリジ
ンオレンジ(Acridine Orange)、およびローダミン123(Rhoda
mine123)に陽性の発色反応を示して;(4)最適状態(pH7.2~7.4)で
はベータ-プロテオバクテリアとガンマ-プロテオバクテリア由来遺伝子の発現特性を示
して、30~800nmの大きさを有し;(5)酸性化状態ではベータ-プロテオバクテ
リアとガンマ-プロテオバクテリア由来遺伝子だけでなく、真核細胞由来遺伝子の発現特
性を示すが、主にSterptophyta遺伝子とHomologue特徴が現れて、
400nm以上から2000nm以上まで大きくなって;(6)正常条件でATP生成に
関与し;および(7)ミトコンドリアとは異なり、エクソソームとは全く違う細胞または
細胞類似体である。
【0004】
このようなルテリアルは主にヒトを含む動物の血液内に存在するのに対して、ルテリア
ルと類似の構造と機能を有する微細物質である主に植物または食品に存在するルテリオン
(Luterion)の存在を確認した。
【0005】
このような技術的背景下、本出願の発明者は、ルテリオンを臨床に適用することができ
るように効果的に分離および培養するために鋭意努力した結果、植物または食品に溶媒を
添加して振盪させながら発生する気化ガスを収集した後、濾過および遠心分離を介して前
記気化ガスに含まれたルテリオンを効果的に分離することができて、これから分離したル
テリオンを特定条件および培地の中から培養する可能性があることを確認して、本発明を
完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ルテリオンを提供するところにある。
本発明の他の目的は、特定の大きさの空隙を有するフィルターを利用してルテリオンを
臨床に適用することができるように効果的に分離する方法を提供するところにある。
本発明のさらに他の目的は、ルテリオンの効率的な培養方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、下記で選択された一つ以上の特性を有するルテ
リオンを提供する:
(a)50~800nmの円形ないし楕円形で、運動性がある;
(b)核酸含有;
(c)免疫化学蛍光染色時ミトコンドリアと類似の反応を示す;
(d)融合(fusion)および/または分裂(fission)生態様式を示す;
(e)融合がない場合には大きさが500nmまで成熟して、DNA含有類似ミトコンド
リアに成熟して、SEMまたはTEM電子顕微鏡写真上でミトコンドリアと類似する構造
を示す;
(f)エキソソームとは異なる光反応を示す;
(g)IR照射時または加圧時分裂(fission)が発生する;
(h)表面抗原としてCD332、CD133、CD73またはCD39を発現する;
(i)自家蛍光(autofluorescence)を示す;
(j)200~400nm大きさでATPを産生する;
(k)二重膜または多重膜構造;
(l)付着性がある;
(m)癌細胞のテロメラーゼ活性抑制;
(n)正常細胞のテロメラーゼ活性化促進;
(o)細胞透過能保有;及び
(p)血液脳関門(BBB)透過能保有。
【0008】
本発明はまた、下記の段階を含むルテリオンの分離方法を提供する:
(a)植物または食品の水蒸気またはガス振盪抽出物を冷却して取得した凝縮液を0.8
~1.2μmの空隙を有するフィルターを利用して濾過する段階;
(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および
(c)前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階。
【0009】
本発明はまた、下記の段階を含むルテリオンの分離方法を提供する:(a)ルテリオン
を含有する抽出物にルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体またはアプタマーが固定
された粒子を添加してルテリオンと粒子の結合を誘導する段階;および(b)前記粒子に
結合されたルテリオンを回収する段階。
【0010】
本発明はまた、前記ルテリオンに水分を添加してIR光線照射または加圧下に18~3
0℃で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法を提供する。
【0011】
本発明はまた、前記ルテリオンを糖含有培地でpH5~9および18~30℃の条件で
増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ルテリオンを共焦点レーザー走査顕微鏡(Confocal Laser Scanning Microscope、Zeiss)で撮影した写真で、その大きさを共に示したものである。
図2】ルテリオンをミトトラッカー(Mito-tracker)で染色した後、その発色有無を観察した写真を示したものである。
図3】ルテリオンをローダミン123(Rhodamine123)で染色した後、その発色有無を観察した写真を示したものである。
図4】ルテリオンの蛍光/非蛍光写真を比較して示したものである(A:ヤヌスグリーンB(Janus Green B) Positive;B:ローダミン123(Rhodamine 123) Positive;C:ミトトラッカー(Mito-tracker) Red Positive;D:無染色)。
図5】ルテリオンがローダミン123、ミトトラッカーレッド、ヤヌスグリーンB(Janus green B)によって共通して染色した後、その発色有無を示したものである(A:ヤヌスグリーンB(Janus Green B) Positive;B:ローダミン123(Rhodamine 123) Positive;C:ミトトラッカー(Mito-tracker) Red Positive;D:無染色)。
図6】ルテリオンの蛍光染色部位の大きさを測定してルテリオンの大きさ(50~800nm)を示したものである(A:ヤヌスグリーンB(Janus Green B)反応大きさ測定;B:ローダミン123(Rhodamine 123)反応大きさ測定;C:ミトトラッカー(Mito-tracker) Red 反応大きさ測定;D:無染色反応大きさ測定)。
図7】正常なルテリオンのlife cycling Aと突然変異されたルテリオンのlife cycling Bを示したものである。
図8】ルテリオンが二重膜構造を有することを確認したTEM電子顕微鏡写真である。
図9】ルテリオンが内部に核酸を含有することを確認した原子顕微鏡写真である。
図10A】ルテリオンの内部にRNAが含まれているか否かを分析したバイオアナライザー結果である(L:Control;1:50nm以下、2:50~100nm、3:100~200nm、4:200~400nm)。
図10B】200~400nmのルテリオンの全体RNAを示したものである。
図11】5,000psiおよび10-20℃条件でルテリオンの分裂誘導結果を示したものである。
図12】15,000psiおよび10-20℃条件でルテリオンの分裂誘導結果を示したものである。
図13】35,000psiおよび10-20℃条件でルテリオンの分裂誘導結果を示したものである。
図14】ルテリオンをPKH26-1、PKH26-2、PKH26-3赤色蛍光で蛍光染色して核内にルテリオンが導入される結果を示したものである。
図15-16】赤色蛍光で蛍光染色されたルテリオンが細胞内核に導入されることを拡大して確認した結果を示したものである。
図17】蛍光染色されたルテリオンを経口胃管投与した結果を示したものである。
図18-19】蛍光染色されたルテリオンを腹腔内注射した結果を示したものである。
図20】ルテリオン処理による正常細胞(Fibroblast)および癌細胞(肺癌、乳癌、大腸癌)におけるテロメラーゼ活性を示したものである。
図21】ルテリオン処理濃度に応じた正常細胞(Fibroblast)および様々な癌細胞(肺癌、乳癌、大腸癌、肝臓癌、白血病)の細胞生存能を示したものである。
図22】多様な由来のルテリオンを処理したすい臓癌細胞株(AsPC-1)における細胞増殖抑制を示したものである。
図23】多様な由来のルテリオンを処理したすい肺癌細胞株(A549)における細胞増殖抑制を示したものである。
図24】多様な由来のルテリオンを処理したすい乳癌細胞株(BT-20)における細胞増殖抑制を示したものである。
図25】ルテリオン処理による正常細胞(Fibroblast)におけるテロメラーゼ活性を示したものである。
図26】ルテリオン処理によるATP生成および抑制の有無を確認するためのATPアッセイデザインに対する模式図である。
図27】Carl Zeissの走査電子顕微鏡(SEM)でルテリオンを撮影した結果を示したものである。
図28】Bruker Fast Scan AFM原子顕微鏡でルテリオンを撮影した結果を示したものである。
図29】ルテリオンを抗-CD39抗体結合およびミトトラッカー(Mito-tracker)、DAPIによって共通的に染色した後、その発色有無をそれぞれまたは併合して示したものである。
図30】ルテリオンを抗-CD73抗体結合およびミトトラッカー(Mito-tracker)、Hoechstによって共通的に染色した後、その発色有無をそれぞれまたは併合して示したものである。
図31】ルテリオンが、抗-CD332抗体に陽性であるか否かを蛍光発光を介して確認した結果を示したものである。
図32】ルテリオンが、抗-CD133抗体に陽性であるか否かを蛍光発光を介して確認した結果を示したもので、上段はPE(Phycoerythrin)蛍光染色した結果を示して、下段は抗-FITCで蛍光染色した結果を示したものである。
図33】ルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体が固定された粒子に炭素、カルボキシル基コートをする段階を示したものである。
図34】ルテリオンと磁性粒子が固定されたルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体が結合された複合体を磁石を使用して分離する段階を示したものである。
図35】ルテリオン分離後、蛍光顕微鏡で撮影した写真を示し、(a)はルテリオンをナノフィルターを使用して分離した後、蛍光顕微鏡で撮影した写真を示したもので、(b)はルテリオンをルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体が固定された粒子を利用した分離方法を使用して分離した後、蛍光顕微鏡で撮影した写真を示したもので、(c)はルテリオンをナノフィルターを使用して分離した後、電子顕微鏡で撮影した写真を示したもので、(d)はルテリオンをルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体が固定された粒子を使用した分離方法を使用して分離した後、電子顕微鏡で撮影した写真を示したものである。
図36】ルテリオンの抽出数水を示し、(a)はルテリオンをナノフィルターを使用して分離した後、ルテリオンの抽出数水を示したもので、(b)はルテリオンをルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体が固定された粒子を利用した分離方法を使用して分離した後、ルテリオンの抽出数水を示したものである。
図37】ルテリオンの抽出段階を具体的に図示した模式図である。
図38】ルテリオン処理による癌細胞におけるATP生成減少を示したものである。
図39】ルテリオン処理による正常細胞(Fibroblast)におけるATP生成を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的・科学的用
語は、本発明が属する技術分野に熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味
を有する。通常、本明細書において使用された命名法及び以下で詳述する實驗方法は、本
技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。
【0014】
本発明で使用する用語「ルテリアル(luterial)」および「ルテリオン(lu
terion)」とは、動物および植物を含むすべての生命体に存在する50~400n
m大きさのナノ生命体で、ウイルスと類似する程度から融合時800~1200nmまで
の大きさを有する反面、1200nm以上で遺伝子異常および病理現象を発現する変異体
に分類される微細物質を本発明者が命名したものである。
【0015】
ルテリアルおよびルテリオンは、DNAとRNAを含み、運動性と付着性を有する点で
エキソソーム(exosome)や微小小胞体(microvesicle)とは区別さ
れる。ミトコンドリアは、ヤヌスグリーンB(Janus green B)および蛍光
染色であるローダミン123(Rhodamine123)、ミトトラッカー(Mito
tracker)、アクリジンオレンジ(Acridine Orange)、およびD
APIによって発色が確認されるが、前記ルテリオンおよびルテリアルもミトコンドリア
と同じ染色剤によって発色が確認されて(図1図6)、ミトコンドリアと類似して二重
膜を有する膜構造として内部クリステ(cristae)構造を完成しなかった状態の構
造を有して(図7)、ミトコンドリアと同じレーザー波長範囲で観察される点で「類似ミ
トコンドリア」、「ミトコンドリア類似体」あるいは「ミトコンドリア前駆体(prot
o-mitochondria)」とも称してもよい。
【0016】
ルテリアルは、生態系で宿主体内に存在するナノ生命体を意味して、ヒトを含む動物の
場合には、血液、唾液、リンパ管、精液、膣液、母乳(特に、初乳)、臍帯血、脳細胞、
脊髄、骨髄に存在することができる。一方、ルテリオンは宿主が食べ物などとして使用で
きるナノ生命体を意味して、植物や食品に主に存在することができる。
【0017】
ルテリオンは、血液由来ルテリアルとは違って室温でも速く溶解したり消滅はせず、長
期間保管しても融合(fusion)して突然変異化されない特性がある。
【0018】
一観点において、本発明は、下記で選択された一つ以上の特性を有する分離されたルテ
リオンに関する:
(a)50~800nmの円形ないし楕円形で、運動性がある;
(b)核酸含有;
(c)免疫化学蛍光染色時ミトコンドリアと類似の反応を示す;
(d)融合(fusion)および/または分裂(fission)生態様式を示す;
(e)融合がない場合には大きさが500nmまで成熟して、DNA含有類似ミトコンド
リアに成熟して、SEMまたはTEM電子顕微鏡写真上でミトコンドリアと類似する構造
を示す;
(f)エキソソームとは異なる光反応を示す;
(g)IR照射時または加圧時分裂(fission)が発生する;
(h)表面抗原としてCD332、CD133、CD73またはCD39を発現する;
(i)自家蛍光(autofluorescence)を示す;
(j)200~400nm大きさでATPを産生する;
(k)二重膜または多重膜構造;
(l)付着性がある;
(m)癌細胞のテロメラーゼ活性抑制;
(n)正常細胞のテロメラーゼ活性化促進;
(o)細胞透過能保有;及び
(p)血液脳関門(BBB)透過能保有。
【0019】
本発明の一実施例によると、ルテリオンは生命因子(living organism
)として、ウイルスと類似する程度から約500nmまで(正常分裂段階50~500n
m/異常融合段階800nm以上)の大きさを有する微細物質を本発明者が命名したもの
である。DNAおよび/またはRNAを含み、運動性を有する点で微小胞(microv
esicle)とは区別される。また、自家蛍光(autoflurescence)お
よび光合成の特性を有する。ミトコンドリアは蛍光染色剤であるローダミン123(Rh
odamine123)、ミトトラッカー(Mitotracker)、アクリジンオレ
ンジ(Acridine Orange)、DAPI、およびヤヌスグリーンB(Jan
us green B)により発色が確認されるが、ルテリオンもミトコンドリアと同じ
前記染色剤によって発色が確認されるので、前記染色剤によってルテリオンが正しく分離
されたか確認することができる(図1図6)。
【0020】
また、DAPIおよびアクリジンオレンジ(AO)染色法によってルテリオン内にRN
AだけでなくDNAも含まれていることを確認することができる。具体的に、RNAはア
クリジンオレンジ染色剤によって励起460nm、放出が650nmであるlevelで
オレンジに染色されて、DNAは、励起502nm、放出が525nmであるlevel
で緑色に染色されて、DAPI染色法によると、DNAが含まれていることを確認するこ
とができる。本発明のルテリオンは、前記染色法を利用してルテリオン内にRNAとDN
Aが含まれていることを確認することができる。
【0021】
本発明の一実施例では、ルテリオンの構造を確認した結果、二重膜または多重膜を有す
ることを確認することができ(図8)、ルテリオンの内部に核酸、特にRNAを含有する
ことを確認した(図9および図10)。
【0022】
従来、植物または食品内にルテリオンが存在する事実が知られていなかったため、ルテ
リオンの分離方法や培養する方法に対する技術は皆無であると言える。本発明によるとル
テリオンを効果的に分離・培養する方法を提供することができる。
【0023】
他の観点において、本発明は、下記の段階を含むルテリオンの分離方法に関する:(a
)植物または食品の水蒸気またはガス振盪抽出物を冷却して取得した凝縮液を0.8~1
.2μmの空隙を有するフィルターを利用して濾過する段階;(b)前記濾過された凝縮
液を遠心分離する段階;および(c)前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離
する段階。
【0024】
まず、前記段階(a)は、植物または食品の水蒸気またはガス振盪抽出物を冷却して取
得した凝縮液を0.8~1.2μmの空隙を有するフィルターを利用して濾過する段階で
ある。
【0025】
一実施例で、前記振盪抽出は、植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体
を利用して間欠的にバブリングさせながら振盪するように進行することができる。本発明
で使用されるルテリオンはその密度が1以下で脂肪および地質よりは高い密度を有してタ
ンパク質よりは低い密度を示すので、水蒸気蒸留法によって植物または食品から分離する
ことができるが、これに限定されない。
【0026】
50~90℃の気体を利用して間欠的にバブリングさせながら振盪すると、ルテリオン
が気体と共に水蒸気またはガス形態で遊離されるが、水蒸気またはガスと共に振盪すると
、ルテリオンを含む植物または食品の沸点が落ちるようになって、ルテリオンの分解、変
質または損傷を防ぐことができる。
【0027】
場合により、前記(a)段階で8~10時間振盪して、2~3時間毎に20~30分間
バブリングして植物または食品のルテリオンがかたまらないようにする段階を追加で行う
ことによって、ルテリオンの分離効率を増加させることができる。
【0028】
前記段階(a)における抽出-濾過に対する具体的内容は図37に示した。植物または
食品に溶媒、例えば蒸溜水を添加して、振盪を介して抽出した後、約100-250g、
好ましくは190gで一次遠心分離してスピンダウンして不純物を除去して、約1000
-5000g、好ましくは約3000gで二次遠心分離して数分~数十分(好ましくは二
時間内外)の間安定させた後、上澄み液を収集することができる。場合により、この時C
D332を染色して運動性を確認した後、ルテリオンの存在の有無を一次的に確認するこ
とができる。以後、純粋なルテリオンを得るために100,000-150,000g、
好ましくは120,000gで三次遠心分離する段階を行うことができる。
【0029】
以後、約800nmのフィルターで濾過された下層部を収集して、プラズマなど内部植
物またはエクソソームなど細胞死骸(Debris)ペレットを除去する。以後、再び1
40,000g以上で遠心分離してペレットが含まれない上澄み液を収集することができ
る。上澄み液を400nmのフィルターで濾過して下層部を収集した後、再びCD332
を染色して運動性を確認することができる。さらに、500nmのフィルターで濾過して
、フィルターの上にかかった上澄み液を集めてルテリオンを収集することができ、pH1
または-90℃以下の温度で保存することができる。
【0030】
一実施例で、前記植物は表1~4で選択された薬用植物を使用することができる。ルテ
リオンはすべての植物に存在するので、表1~4に記載された薬用植物に制限されない。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
また、植物に含まれたルテリオンは植物の幹の方に多量分布すると予想され、幹の部分
を含んでルテリオンを分離することが好ましい。
【0036】
前記凝縮液は、前記振盪によって気化される水蒸気またはガスを捕集した後、冷却させ
て取得することができる。捕集された気化水蒸気またはガスと分離された状態のルテリオ
ンを取得したり、これと混合された状態のルテリオンを取得することができ、気化水蒸気
またはガスとルテリオンが混合された場合、別の分離手順を追加で経てルテリオンを取得
することができる。
【0037】
場合により、前記(a)段階で取得された凝縮液にIR光線を照射する段階をさらに含
んでもよい。例えば、IR光線を20~60分、好ましくは30~40分照射してルテリ
オンが変形されることを防止できて、段階(c)を行う前にIR光線照射によって運動性
を有するルテリオンが集まるようにすることによって高濃度のルテリオンが取得できるよ
うにする。
【0038】
前記段階(b)は、0.8~1.2μmの空隙を有するフィルターを利用して前記取得
された凝縮液を濾過する段階である。0.8~1.2μmの空隙を有するフィルターは、
ルテリオンの長径を考慮して本出願の発明者によって導き出された最適な大きさで、これ
により前記(a)段階で取得された凝縮液中目的とするルテリオン含有溶液を濾過するこ
とができる。
【0039】
前記段階(c)は、前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階である。これにより、さ
らに純度の高いルテリオンを取得することができる。前記遠心分離は、1200~500
0rpmで5~10分間繰り返し行われるが、純度向上のためのいかなる遠心分離条件で
も調整して適用できる。
【0040】
前記段階(c)は、遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階である。例
えば、前記遠心分離された上澄み液に200~600um波長のIR光線を照射して運動
性を有して集まるルテリオン粒子を分離したり、ルテリオン表面抗原CD332、CD1
33、CD73またはCD39を認知する結合体との結合の有無を確認してルテリオン粒
子を分離することができるが、これに制限されない。
【0041】
このように段階(c)を介してルテリオンを分離した以後にも、分離されたルテリオン
粒子を50nm未満の空隙を有するフィルターで濾過した後、フィルターにかかった部位
を収集してフィルターにかかったルテリオンだけを分離することもできる。前記過程を介
してルテリオン以外の微細物質は除去することができ、50nm以上の大きさを有するル
テリオンを取得することができる。
【0042】
場合により、追加で200nm、400nm、600nm、800nmおよび1000
nmのフィルターを順次利用して、それぞれ50~200nm、200~400nm、4
00~600nm、600~800nmおよび800~1000nmの大きさのルテリオ
ンに分類することができる。本発明に係るルテリオンは、暗視野顕微鏡または共焦点顕微
鏡を介して観察が可能で、それぞれ200nm、400nm、600nmおよび800n
mのフィルターを順次利用して大きさにより50-200nm(発生期)/200-40
0nm(成熟期)/400-600nm(分裂期)/600-800nm(過分裂期)に
区分することができる(図27および図28)。
【0043】
以後、特定pH条件および温度条件でルテリオンを保存する段階を追加で含むことがで
きる。例えば、pH7以下および0℃以下の条件で保存することができる。好ましくは、
pH1~5および-90℃~0℃で保存することができる。本発明の一実施例で、特にp
H1~3の条件で0℃以下の温度で保存する場合、運動性を有するルテリオンを保存する
ことができることを確認した。ルテリオンを保存すると分離効率を向上させることができ
る。
【0044】
また、追加増殖段階、例えば分裂(fission)誘導段階を含むことができる。2
5,000psi(pound per square inch)以上の圧力を加えて
分裂を誘導することができるが、本発明の一実施例で、特に25,000~35,000
psiの圧力を加えると、分裂が誘導されることを確認した。この時、温度は10~20
℃に維持し、保存時使用したpH1~3条件を維持した。
【0045】
他の観点において、本発明は、下記の段階を含むルテリオンの分離方法に関するもので
ある:(a)ルテリオンを含有する抽出物にルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体
またはアプタマーが固定された粒子を添加してルテリオンと粒子の結合を誘導する段階;
および(b)前記粒子に結合されたルテリオンを回収する段階。
【0046】
本発明ではルテリオン表面に特異抗原が発現することに基づいて大量のルテリオンを効
率的に分離しようと前記特異抗原に対する抗体またはアプタマーが固定された粒子を利用
してルテリオンの分離を試みた。その結果、本発明の一実施例では、従来の方法より短時
間で大量にルテリオンが分離できることを確認した。
【0047】
前記ルテリオンを含有する抽出物は、例えば、(i)植物または食品の熱水抽出物、(
ii)植物または食品の溶媒抽出物、または(iii)溶媒の抗生剤存在下に植物または
食品の加熱によって発生するガスの凝縮液であってもよい。
【0048】
前記熱水抽出物は、例えば40℃以上の水を利用して植物から生理活性物質を抽出した
ものであれば、特に制限されず熱水抽出を使用すると有機溶媒の毒性に起因した問題が発
生しない。前記溶媒抽出物は、例えば、エーテル(ether)、メタノール(meth
anol)、エタノール(ethanol)、ヘキサン(hexane)のような溶媒を
使用して抽出されたものであってもよい。
【0049】
前記凝縮液は、植物または食品に蒸溜水を添加して、50~90℃で気体を利用して間
欠的にバブリングしながら振盪して、前記振盪によって気化される水蒸気またはガスを捕
集した後、冷却させて取得した凝縮液であってもよい。
【0050】
本発明に係る「ルテリオン表面抗原」とは、ルテリオン膜の脂質層に置かれている疏水
性アミノ酸を含有するカルボキシ末端ドメインを介して細胞表面膜に接着されていて、生
物学的な抗原効果を発揮できるもので、例えばCD39(Ectonucleoside
triphosphate diphosphohydrolase 1;ENTPD
1)、CD73(Ecto-5’nucleotidase;NT5E)、HBsAg、
SLC3A2、CD109、LY9、CD332、CD133またはCD53であり、好
ましくはCD332、CD133、CD39またはCD73であってもよい。
【0051】
「抗体」とは、抗原性部位に対して指示されて特異的に結合するタンパク質分子を意味
する。本発明は、ルテリオン表面抗原に特異的に結合できる物質に粒子を固定して使用し
たが、前記抗原と特異的に結合する抗体を使用することができる。本発明で利用可能な抗
体は、例えば、抗-CD332抗体、抗-CD133抗体、抗-CD39抗体または抗-
CD73抗体であってもよい。抗体は、市販中の製造されたものを使用することができる
。このような抗体の代わりに前記表面発現される抗原に結合するアプタマーを利用しても
よい。
【0052】
「粒子」とは、特性により磁性特性、発光特性、静電気特性およびイオン性を帯びるこ
とができるものと、大きさによりマイクロまたはナノの大きさを有するものを意味して、
抗体との結合を介してルテリオンを分離することができるものであれば特に制限されない
が、例えば磁性粒子、シリカ粒子、量子ドット粒子、ガラス粒子、高分子粒子、繊維粒子
および蛍光粒子で構成された群から選択される。また、前記粒子は磁性特性と蛍光特性を
同時に有する粒子、磁性粒子に量子ドットおよび金、銀粒子を結合させた粒子を含むこと
ができる。
【0053】
前記粒子は、例えば、磁性粒子(magnetic particle)であり、前記
磁性粒子は、磁性を帯びて、磁場によって動く粒子を意味する。前記磁性とは、常磁性を
有するものであり得る。磁性粒子は、例えば、金属物質(metal material
)、磁性物質(magnetic material)または磁性合金(magneti
c alloy)を含むことができる。磁性粒子は、磁性を帯びる粒子であるが、本発明
で磁性粒子はこれに限定されず、それ自体が磁性を帯びないが、磁性を有することができ
るまたは磁力で引っ張られて金属粒子であってもよい。また、前記金属粒子は、例えば、
鉄、アルミ、コバルト、ニッケル、マンガン、錫、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、銅
、バリウム、リチウムまたはイットリウムの酸化物で構成された群から選択されたいずれ
か一つで製造できる。この中好ましくは鉄が選択される。前記粒子は、マイクロメートル
の大きさである場合には強磁性を帯びるが、ナノメートルの大きさの小さい粒子は、超磁
性を帯びる。このような粒子は合成が容易で、大きさを容易に調節することができる。例
えば、1~1,000nmの大きさを有して、好ましくは10~1,000nm、より好
ましくは10~500nm、さらに好ましくは10~100nmの大きさの粒子を使用す
ることができる。
【0054】
場合により、前記磁性粒子に分散性と安全性を維持するために、磁性粒子を改質させる
ことができて、例えば炭素をコートして改質することができる。
【0055】
追加で、抗体またはアプタマー結合に適した官能基をさらに含むことができる。前記官
能基は、例えば、アミド基(amide group)、エステル基(ester gr
oup)、アミン基(amine group)、カルボキシル基(carboxyl
group)、チオール基(SH)、エポキシ基(epoxy group)、フェニル
基(phenyl group)、スルフォン基(sulphone group)、ア
ルコキシ基(alkoxy group)、アルデヒド基(aldehyde grou
p)、ケトン基(ketone group)から選択されたものであってもよい。前記
アミン基(NH)は、モノアミン(monoamine)、ジアミン(diamine
)、トリアミン(triamine)、エチレンジアミン(ethylene diam
ine)またはジエチレントリアミン(diethylenetriamine)であっ
てもよい。
【0056】
前記粒子に結合されたルテリオンを回収する段階で、粒子が磁性粒子である場合、前記
(b)段階は、外部で磁性を加えてルテリオンが結合された磁性ナノ粒子を回収すること
を特徴とする。
【0057】
前記磁性を加えてルテリオンが結合された磁性ナノ粒子を集めた後、回収する方法は、
前記ルテリオンとルテリオン表面抗原に結合する抗体またはアプタマーが固定された磁性
粒子が含まれた試料を混合して反応した後、常温で磁石または磁気活性細胞分離器(Ma
gnetic-activated cell sorting:MACS)を利用して
収集後、上澄み液を除去して、緩衝溶液に再懸濁させた後、凝集用フィルムおよび捕獲用
ろ過膜に順次通過させて結果的にルテリオン-抗体-磁性粒子複合体を確認することがで
きる。
【0058】
本発明で、前記粒子が蛍光粒子である場合、前記(b)段階は、蛍光利用セルソーター
を利用してルテリオンが結合された粒子を回収することを特徴とする。
【0059】
前記蛍光利用セルソーターを利用した回収方法は、蛍光の種類と程度により細胞のよう
な形態の微細物質を分類する方法で、定量的分析と分類のために蛍光を帯びる細胞が所定
の管を介して流れるようにする「流れ制御系(fluidic system)」と、流
れ制御システムに制御により流れる微細物質を観察するための「光学系(optical
system)」と光学系の光信号を電気信号に変えて処理する「電子系(elect
ronic system)」からなる。蛍光活性細胞分類装置は、種々の細胞を特性に
より効率的に分類収集する装置であり、生命科学(動物学、植物学、微生物学、農学、水
産学、林学など)と医学研究において多く活用される装置である。本発明の蛍光粒子に含
まれる蛍光物質は、生体イメージングに使用できる蛍光物質ならいずれも使用可能である
。前記蛍光物質は、これに制限されないが、ローダミンとその誘導体、フルオレセインと
その誘導体、クマリンとその誘導体、アクリジンとその誘導体、ピレンとその誘導体、エ
リトロシンとその誘導体、エオシンとその誘導体、および4-アセトアミド-4’-イソ
シオチアナトスチルベン-2、2’ジスルホン酸で構成された群から選択されるものであ
ってもよい。蛍光物質をより具体的に例示すると、下記のとおりである:
ローダミンおよびその誘導体:6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボ
キシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(R
hod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホ
ローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド
誘導体(Texas Red)、N、N、N’、N’-テトラメチル-6-カルボキシロ
ーダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシ
アネート(TRITC)、リボフラビン、ロゾール酸、テルビウムキレート誘導体、Al
exa誘導体、Alexa-350、Alexa-488、Alexa-547、Ale
xa-647;フルオレセインおよびその誘導体:5-カルボキシ-フルオレセイン(F
AM)、5-(4、6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTA
F)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオセイン(JO
E)、フルオセイン、フルオセインイソチオシアナート、QFITC(XRITC)、フ
ルオレサミン、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアナート、4
-メチルウンベリフェロン、オルトクレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザ
ニリン、フェノールレッド、B-フィコエリトリン、o-フタルアルデヒド;クマリンお
よびその誘導体:クマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120
)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)、シアノサイン、
4’-6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、5’、5’’-ジブロモ
ピロガロール-スルホンフタレイン(Bromopyro-gallol Red)、7
-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリンジエ
チレントリアミンペンタアセテート、4-(4’-ジイソチオシアナトデヒドロ-スチル
ベン-2、2’-ジスルホン酸、4、4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2、2’-
ジスルホン酸、5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-塩化スルホニル(DNS、da
nsyl chloride)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(
DABCYL)4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアナート(
DABITC);アクリジンおよびその誘導体:アクリジン、アクリジンイソチオシアナ
ート、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)、
4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3、5ジスルホ
ネート(LuciferYellow VS)、N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マ
レイミド、アントラニルアミド、Brilliant Yellow;ピレンおよびその
誘導体:ピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1-ピレンブチレート、Reac
tive Red 4(Cibacron Brilliant Red 3B-A);
エリスロシンおよびその誘導体:エリスロシンB、エリスロシンイソチオシアナート、エ
チジウム;エオシンおよびその誘導体:エオシン、エオシンイソチオシアナート;4-ア
セトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2、2’ジスルホン酸。
【0060】
本発明で、前記粒子が静電気を帯びた粒子である場合、前記(b)段階は、不均一な電
場を形成して粒子に双極子モーメントを形成させて、静電気的引力でルテリオンが結合さ
れたイオン性粒子を回収することを特徴とする。
【0061】
前記不均一な電場を形成して粒子に双極子モーメントを形成させて、静電気的引力でル
テリオンが結合されたイオン性粒子を回収する方法は、粒子分離装置の一種である電気的
粒子分級装置(Different mobility analyzer;DMA)を
介して可能となる。電気的粒子分級装置は、静電気力による粒子の移動度差を利用して粒
子を分類する装置で、微分型電気移動度分析機または微分型静電分級機とも呼ばれる。具
体的に電気的粒子分級装置は、荷電された粒子の移動速度が粒子径の関数であることを利
用して、多分散(poly-disperse)粒子から所望の径を有する単分散(mo
no-disperse)粒子を選別する装備である。
【0062】
本発明で、前記粒子がイオン性粒子、例えば、陰イオン性または、陽イオン性粒子であ
る場合、前記(b)段階は、静電気的引力を利用してルテリオンが結合されたイオン性粒
子を回収することができる。
【0063】
前記静電気的引力でルテリオンが結合された繊維粒子を回収する方法は、前記電気的粒
子分級装置(Different mobility analyzer;DMA)を介
して可能となる。
本発明は、粒子に結合されたルテリオンからルテリオンのみを分離する段階を追加で含
むことができる。
【0064】
前記粒子に結合されたルテリオンにBSA/PBS緩衝溶液を加えて25℃でインキュ
ベーティング(incubating)させた後、磁性またはイオン性を利用してBSA
が吸着された粒子だけを分離して、BSA(Bovine Serum Albumin
)が吸着された粒子に再びPBSを加えてインキュベーティング(incubating
)をして粒子を脱着させてルテリオンのみを分離することができる。
【0065】
さらに他の観点において、本発明は、ルテリオンに水分を添加してIR光線照射または
加圧下に18~30℃で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法に関する。
【0066】
一実施例で、前記培養時添加される水分は、食塩水またはPBS溶液であってもよいが
、これに限定されない。
【0067】
さらに他の観点において、本発明は、ルテリオンを糖含有培地でpH5~9(保存時は
pH1~3)および18~30℃の条件で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法に
関する。
【0068】
一実施例で、前記糖は、ラムノース(rhamnose)、グルコース(glucos
e)、ガラクトース(galactose)、フルクトース(fructose)または
キシロース(xylose)であってもよく、好ましくはグルコースであってもよい。本
発明の一実施例で、グルコースを含む培地、例えばDMEM培地または血液培地にグルコ
ースを約1~10%、好ましくは2~8%の濃度で添加して、pH7および約20℃の条
件を維持する最適にルテリオンを培養することができることを確認した。培養されたルテ
リオンの数は、ルテリオン特異的表面抗原であるCD332、CD133、CD73また
はCD39を含むルテリオンとミトトラッカーレッドに染色されたルテリオン数をカウン
トして確認した。
【0069】
培養前のルテリオンは、その大きさが50~200nmであってもよいが、本発明の培
養方法により培養されたルテリオンの培養後大きさは、300~500nmであってもよ
い。この時、顕微鏡で観察しながらルテリオンの大きさが500nmを越えないようにす
ることができ、培養が終了すると、大きさ別に分類して-80℃に冷却して保管するか、
窒素で充填して保管または0℃以上で保管でき、保管時保存剤を添加することができる。
【0070】
前記の通り培養されたルテリオンは、一定期間特性への変化なしに所望の大きさ(50
0nm以下)で保管が可能でルテリオンを利用した疾病の治療に効果的に活用することが
できる。
【0071】
具体的に、本発明に係るルテリオンは、細胞内核に導入されることができる。ルテリオ
ンを赤色蛍光で蛍光染色してルテリオンが細胞内核に導入されるか否かを確認した結果、
ルテリオンがDAPIで染色された細胞内核に導入されることを確認した。
【0072】
また、本発明に係るルテリオンを蛍光染色して、蛍光染色されたルテリオンを腹腔内注
射(IP)および経口胃管投与法で投与した結果、経口投与時には少なくとも3時間以後
、腹腔内注射時5分以内にBBBを通過することを確認することができる。このような特
性を活用して本発明に係るルテリオンは、退行性脳疾患などの治療に当たり血液脳関門を
通過できなくて治療剤として使用できなかった薬物の限界を克服することができて、これ
を利用して血液脳関門通過可能な退行性脳疾患治療剤として使用したり、従来既知の薬物
が血液脳関門に通過できるようにする薬物伝達体としても使用できる。
【0073】
また、本発明によるルテリオンは、癌細胞でテロメラーゼ活性を阻害して、正常細胞で
は影響がないかまたはテロメラーゼ活性を増進させて、効果的に癌細胞の増殖だけを抑制
させる抗癌効果がある。
【0074】
一方、正常細胞ではルテリオン処理によってテロメラーゼ発現が増加してテロメアの長
さが増加して、ルテリオンは正常細胞ではテロメラーゼ活性を増進させる抗老化活性を示
すことを確認することができた。
【0075】
本発明で「正常細胞」とは、癌細胞と共に増加したテロメラーゼ活性を有して、無限増
殖をする表現型を有する細胞でなく正常な老化プロセスを有する細胞を意味する。
【0076】
本発明の用語「テロメラーゼ」とは、テロメアの末端に対するテロメア(telome
ric)反復の添加を触媒するリボ核酸タンパク質を意味する。テロメアは、染色体の末
端を覆う反復配列の長い拡張であり、染色体を安定させるものであると考えられる。人に
おいて、テロメアは、典型的に長さが7-10kbで、配列-TTAGGG-の多重反復
を含む。テロメラーゼは多くの成人細胞で発現されず、テロメアの長さは、連続的な原形
の複製を減少させる。細胞複製が特定回数以上になると、テロメアは次第に縮小されて、
細胞が末端崩壊段階に入ることになり、これによって細胞は老化することになる。テロメ
ラーゼは、体細胞で不活性であるが、癌細胞の90%では活性であり、テロメラーゼ抑制
剤は癌と戦うのに有用であり得る。
【0077】
さらに、健常者線維芽細胞にルテリオンを処理した結果、前記ヒト正常細胞のテロメラ
ーゼ発現が増加して、ATP生成が増加することを確認することができた。すなわち、ル
テリオンが正常細胞のテロメラーゼ活性増加を介して老化を抑制できることを確認するこ
とができた。従って、本発明に係るルテリオンは、増大されたテロメラーゼ発現および/
またはテロメラーゼ活性によって影響されやすい疾患または症状の治療に使用でき、治療
が必要な患者に投与することを含む患者の細胞または組織内テロメラーゼ活性を増加させ
ることができる。
【0078】
「老化に伴う疾病または疾患」とは、腫瘍形成及び癌の悪性発展、心筋梗塞(臓内麻痺
)、小脳梗塞、脳卒中、パーキンソン病、心不全、アテローム性動脈硬化症、高血圧、白
内障、老化に伴う視力減退、筋減少症、骨関節炎、骨粗鬆症、骨髄損失、多発性硬化症、
シェーグレン症候群、リュウマチ性関節炎、免疫機能低下、糖尿病、特発性肺線維症、及
び神経退行性疾病、アルツハイマー病、ハンチントン病、及びテストステロン、エストロ
ゲン、成長ホルモン、IGF-I、またはエネルギー生成の減少によりもたらされた障害
を意味する。
【0079】
「老化防止効果」とは、増加されたミトコンドリア生物発生および機能、減少されたR
OSレベル、老化細胞およびニューロン細胞のような体細胞分裂後細胞の延びた寿命、腫
瘍形成、癌の悪性発展、小脳梗塞および心筋梗塞といった老化に伴う現象の防止を含む表
現型を意味する。
【0080】
細胞の発電所であるミトコンドリア(mitochondria)は、呼吸作用が最も
活発な酸素消耗処としてすべての細胞が新陳代謝活動を行う場所であり、この活動は細胞
外他のすべての活動に必要なエネルギーを供給する(Boveris A et al.
、Biochem.J.134:707-716、2973)。ミトコンドリアの酸素で
運搬される電子伝達過程で生成されるO2・-またはOH・のようなreactive
oxygen species(ROS)は、ミトコンドリアの構造と成分を破壊して、
これは呼吸率と酸化的リン酸化反応に変化を誘発して結果的に細胞代謝を決定するATP
生成やNADH/NAD+比に影響を与えるようになる。高等動物の多くのエネルギーは
、ミトコンドリアで合成されるATPに充てて、ミトコンドリアで起きるエネルギー代謝
作用は、老化と密接な関係にあるとされている(Lee JW et al.、J Ko
rean Med Assoc.52(10):1007-19、2009)。
【0081】
ルテリオン処理による正常細胞におけるATP生成増加を確認した。本明細書で使用さ
れた、用語「老化に伴う疾病または症状を予防すること」とは、それが発生する場合を減
らし、老化に関連した疾病を遅延させたりひっくり返すことを指し示す。
【0082】
本明細書で使用された、用語「老化」または「老化細胞」とは、テロメア機能障害、D
NA損傷、または腫瘍遺伝子(oncogene)活性化によって誘発され得る、有糸分
裂細胞における細胞サイクル停止状態を示す。出芽酵母で、テロメア機能障害によっても
たらされた老化細胞が細胞サイクルのG2/M期に停止している。哺乳類細胞では、老化
細胞が細胞サイクルの外部の非-分裂期であるG0期に停止している。WI-38線維芽
細胞における老化は、顕微鏡で観察時パッセージ以後10日間その数が増加せずβ-ガラ
クトシダーゼ(galactosidase)陽性着色を示す細胞を意味する。
【0083】
本明細書で使用された、用語「細胞分裂以後細胞」とは、細胞サイクル外部の非-分裂
期であるG0期に停止しているが、残りの生物の生命のためにその主な機能は行う細胞の
グループを指し示す。体細胞分裂以後細胞はニューロン細胞、心臓筋肉細胞、および筋肉
細胞を含む。肝および腎臓の組織実質(parenchymal)細胞のように、成熟し
た生物の一部細胞の種類は半-永久的にG0期に入って、非常に特別な環境でだけ再び分
裂を始めるように誘発されることができる。このような種類の細胞は、それらがG0期に
ある時体細胞分裂以後細胞と考慮される。
【0084】
前記老化に伴う疾病または症状は、ミトコンドリア機能損失、テロメア機能障害、老化
細胞退化および寿命-依存的(age-dependent)細胞損失、またはミトコン
ドリア退化または体細胞分裂後細胞の細胞サイクル停止状態と関連する。
【0085】
一実施様態で、ルテリオンは、テロメラーゼ酵素と相互作用して、個体の組織または細
胞でテロメラーゼ発現および/または活性を刺激および/または増加させる。一部実施様
態で、このような活性は減少されるかないことがあり、これによって個体の疾患、または
症状と関連した病因または症候群の増大または発達を招く。このような疾患または症状は
、特に、健康な組織におけるテロメラーゼ発現および/または活性を増加させることによ
って、個体の寿命を延ばすと共に個体の健康を維持するか/して、本願に記載されたよう
な「治療」とは、用語に含まれる任意の実施様態をはじめとする臨床治療および/または
診断分野を含むことができる。
【実施例0086】
以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に
説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者
において通常の知識を有する者にとって自明である。
【0087】
実施例1:ルテリオンの分離
(1)ルテリオン抽出
薬用植物である漆(Rhus verniciflua stokes)100gを2
0-30倍の大きさ、すなわち2-3リットル容器の大きさに合わせて切断して容器に入
れて、植物の5~8倍である500~800g(好ましくは植物の6倍、すなわち600
g)の蒸溜水を容器に投入した後、80℃以下で全湯を行った。約8時間程度全湯をする
が、約3時間毎に20~30分間酸素でバブルリングを加えて植物のルテリオンがかたま
らないようにした。前記バブリング後抽出時スチームされる気化した水蒸気をフラスコに
収集した。前記収集した水蒸気を冷却して凝縮させて取得した凝縮液にIR光線(波長:
3~1000um内外、好ましくは200~600um)を1-2時間照射してルテリオ
ンが変異されず分裂が誘導されるようにした。このような過程を図37に模式的に示した
【0088】
(2)遠心分離および濾過による分離
(1)で収集した凝縮液を190gで一次遠心分離してスピンダウンして不純物を除去
して、3000gで二次遠心分離して数分~数十分(好ましくは二時間内外)の間安定さ
せた後、上澄み液を収集した。この時CD332を染色して運動性を確認した後、ルテリ
オンの存在の有無を一次的に確認した。以後、純粋なルテリオンを得るために、120,
000gで三次遠心分離した。
【0089】
約800nmのフィルターで濾過された下層部を収集して、プラズマなど内部植物また
はエクソソームなど細胞死骸(Debris)ペレットを除去した後、再び140,00
0g以上で遠心分離してペレットが含まれない上澄み液を収集した。上澄み液を400n
mのフィルターで濾過して下層部を収集した後、再びCD332を染色して運動性を確認
した。500nmのフィルターで濾過して、フィルターの上にかかった上澄み液を集めて
ルテリオンを収集して、pH1または-90℃以下の温度で保存した。
【0090】
前記過程によって長径50~800nmのルテリオンを取得することができ、これは暗
視野顕微鏡または共焦点顕微鏡を介して観察確認が可能であった。前記取得したルテリオ
ンは大きさにより50~200nm(発生期)/200~400nm(成熟期)/400
~600nm(分裂期)/600~800nm(過分列期)に区分した。
同様の方法で表1~4に記載された薬用植物、当帰、漆皮およびキウィからルテリオン
を取得した。
【0091】
(3)表面抗原特異的抗体による分離
3-1)ルテリオン表面抗原確認
植物から分離したルテリオンに抗-CD39抗体(sc-18766、Santa C
ruz Biotechnology)、抗-CD73抗体(sc-25603、San
ta Cruz Biotechnology)または抗-CD332抗体(BS-06
75R、Bioss Inc)を結合させて、抗-FITCを結合させて発色有無を観察
(青色蛍光:CD133/1-VIOBRIGHT-FITC製造)した。赤色蛍光は、
PE(Phycoerythrin:Miltenyi Bitech GmbH製造)
で染色した。また、ミトトラッカー(Mito-tracker)とDAPI、Hoec
hstで染色した後、その発色有無を蛍光顕微鏡を介して観察した。
【0092】
その結果、ミトトラッカーとDAPIまたはHoechstによって染色されたルテリ
オンに抗-CD39抗体、抗-CD73抗体、抗-CD133抗体または抗-CD332
抗体が結合することを確認することによって、CD39、CD73、CD133またはC
D332がルテリオンの表面抗原であることを確認することができた(図29乃至図32
)。
【0093】
3-2)抗体が固定された粒子製造
段階1.炭素がコートされた鉄(Fe)磁性ナノ粒子の製造
鉄アセチルアセトネートヒドレート(0.5)mmolをオクチルエーテル10mLが
入っている三角フラスコに入れて撹はんしながら金属前駆体溶液を製造した後、超音波照
射機を利用して10分間20kHz(50%)強度で超音波を照射した。金属前駆体溶液
に超音波を照射するにつれ初期に橙色であった溶液が時間が過ぎると黒褐色に変わること
を観察することができたが、前記のような変化は酸化鉄(Fe)磁性ナノ粒子が成
功的に製造されたことを意味する。前記酸化鉄磁性ナノ粒子が製造された混合溶液に過量
のエタノールを添加して生成された磁性ナノ粒子を析出した後、遠心分離を行って磁性ナ
ノ粒子と上澄み液を分離して、上澄み液は除去した。前記の洗浄過程を3回以上繰り返し
た後、磁性ナノ粒子を50℃の温度で12時間乾燥して300nmの大きさを有する酸化
鉄磁性ナノ粒子を製造した。前記製造された酸化鉄磁性ナノ粒子を600℃で3時間アル
ゴン(Ar)雰囲気下で熱処理して炭素がコートされた鉄-磁性ナノ粒子を得た。
【0094】
段階2.カルボキシル基がコートされた磁性ナノ粒子製造
段階1で得た炭素がコートされた鉄-磁性ナノ粒子(0.5g)とsuccinic
anhydride 1gをシランポリエチレングリコールカルボキシル酸5mlと共に
エタノール25mlに分散させた後、24時間反応した。反応が終了した後、遠心分離し
て得られた沈殿物はエタノールを利用して洗浄した後、真空オーブンで乾燥して炭素とカ
ルボキシル基が二重コートされた鉄-磁性ナノ粒子を得た。前記二重コートされた粒子製
造段階を模式図で示した(図33の前方)。
【0095】
段階3:抗体が固定された粒子製造
抗-CD39抗体、抗-CD73抗体、抗-CD133抗体または抗-CD332抗体
をチオール反応性試薬と反応させてチオール化させた。段階2で製造されたカルボキシル
基官能基が導入された鉄磁性ナノ粒子と前記チオール基を有する抗体を反応させて前記鉄
磁性ナノ粒子に前記抗体を付着させた。前記抗体が固定された粒子を模式図で示した(図
33の後方)。
【0096】
3-3)植物または食品由来ルテリオンの分離
100~200ul植物抽出物と5ul CD39抗体-鉄磁性ナノ粒子またはCD7
3抗体-鉄磁性ナノ粒子をビーカーに入れて、30分間結合させた後、磁石分離器に1~
2分置いてルテリオン-磁性ナノ粒子を集めて上澄み液を捨てて洗浄した。前記ルテリオ
ンと結合された鉄磁性ナノ粒子に0.033wt% BSA(Bovine Serum
Albumin)/PBS緩衝溶液を加えて、25℃で1時間インキュベーティング(
incubating)させた後、磁石を利用してBSAが吸着された鉄磁性ナノ粒子の
みを分離して、BSAが吸着された鉄磁性ナノ粒子に再び一定量のPBSを加えてインキ
ュベーティング(incubating)を介して脱着させた。吸着されたBSAは、F
P-640分光蛍光光度計(spectrofluorometer)(JASCO)に
より280nmで標準検量線法を利用して定量分析を行った(放出スリット:0.5nm
、吸収スリット:0.5nm)。前記鉄磁性ナノ粒子を使用した植物または植物のルテリ
オン分離段階を模式図で示した(図34)。
【0097】
3-4)分離されたルテリオンの確認
前記3-3)で分離したルテリオンと(2)濾過による分離方法で分離したルテリオン
の中でCD39、CD73、CD133またはCD332に結合する抗体に抗-FITC
を結合させて発色有無を観察した(図35の(a)、(b)、(c)、(d))。蛍光活
性化セルソーターを介して前記二つの分離方法の抽出収を比較した。
【0098】
その結果、ナノフィルタリング方法を利用して分離した場合、ルテリオン数は1.5×
10個/mlである反面、CD39、CD73、CD133またはCD332表面抗原
に結合する粒子を利用して分離した場合ルテリオンの数は7.18×10個/mlでナ
ノフィルタリング方法に比べてルテリオンの数が4倍以上増加したことを確認した(図3
6の(a)および(b))。
【0099】
【表5】
【0100】
表5に示された通り、ナノフィルタリング方法を利用する場合、50~400nmの大
きさのルテリオン最終抽出率は40~45%、紛失率は50~60%である反面、本発明
のCD39、CD73、CD133またはCD332表面抗原に結合する抗体-鉄ナノ粒
子分離方法を利用する場合、50~400nmの大きさのルテリオン最終抽出率は90~
95%以上であり、紛失率は10%以下で、抽出率および効率が非常に高まることを確認
することができた。
【0101】
このような結果から、ナノフィルターを使用した従来のルテリオン分離方法より本発明
のルテリオン表面抗原に結合する抗体またはアプタマーが固定された粒子を利用した分離
方法が最終抽出率は増加し分離過程中生じる紛失率は低下することを確認することができ
た。
【0102】
(4)植物ミトコンドリアとルテリオンの差確認
表6でのように植物ミトコンドリアは、CD332、CD39、CD73、CD133
およびCD326中いずれか一つの表面抗原も発現できないだけでなく、140,000
g以上で遠心分離時ミトコンドリアは裂けるが、ルテリオンは形状を維持したまま存在す
ることを確認した。また、分裂を誘導するための加圧、例えば、35,000psi以上
を適用すると、ミトコンドリアは裂けるが、ルテリオンは形状を維持したまま存在するこ
とを確認した。
【0103】
【表6】
【0104】
実施例2:ルテリオンの保存
運動性があるルテリオンおよびCD39、CD73、CD133またはCD332を表
面抗原として含むルテリオンを保存して数を確認した。IRを照射して集まるルテリオン
を確認して、ルテリオンに抗-CD332、抗-CD39、抗-CD133または抗-C
D73抗体を結合させて、抗-FITCを結合させて発色が確認されたルテリオン、ミト
トラッカーで染色して染色されたルテリオンの数をカウトした。この時、pH1~3、0
℃以下、-90~0℃条件でルテリオンを保存してルテリオン数をカウントした結果をp
Hおよび温度条件により下記の表7および8に示した(+はカウントされたルテリオンの
数を示す)。
【0105】
【表7】
【0106】
【表8】
【0107】
表7および8によると、pH1~3および-90~0℃条件で1~3ヶ月維持する場合
、ルテリオン数に影響せずに保存を維持できることを確認することができる。
【0108】
実施例3:圧力を利用したルテリオンの分裂誘導
実施例1で分離されたルテリオンに表9のようにフレンチプレス(french pr
ess)を介して圧力を加えた。また、温度によりルテリオンの分裂誘導への影響を確認
した(+は分裂程度を示す)。
【0109】
【表9】
【0110】
表9および図11乃至13によると、pH1~3、25000~35,000psi、
10~20℃の温度条件で分裂が誘導されて、ルテリオンの増殖が行われることを確認す
ることができる。
【0111】
実施例4:ルテリオンの特性
(1)構造
実施例1で取得されたルテリオン中約50~400nmの大きさを有するルテリオンを
共焦点レーザー走査顕微鏡(Confocal Laser Scanning Mic
roscope、Zeiss)、透過電子顕微鏡(Transmission Elec
tron Microscope)、走査電子顕微鏡(Scanning Electr
on Microscope)、原子力顕微鏡(Atomic Force Micro
scope)および共焦点スキャナ(Leica TCS-SP8)で撮影して、ルテリ
オンもミトコンドリアと類似するように二重膜または多重膜を有する膜構造として内部ク
リステ(cristae)構造を完成しなかった状態の構造を有して、ミトコンドリアと
同じレーザー波長範囲で観察されることを確認した。また、その形態は円形ないし楕円形
であることを観察することができた(図6)。
【0112】
さらに、実施例1で分離されたルテリオンをTEM電子顕微鏡で撮影した結果、図8
示された通り、二重膜または多重膜構造を有することを確認することができた。
【0113】
(2)染色特性
実施例1で取得されたルテリオン中約50~800nmの大きさを有するルテリオンを
ミトトラッカー(Mito-tracker)、ローダミン123(Rhodamine
123)、ヤヌスグリーンB(Janus green B)で染色した後、その発色有
無を観察した。その結果、ルテリオンもミトトラッカー、ローダミン123、ヤヌスグリ
ーンBによって発色が確認されることを確認した(図2図3および図5参照)。
【0114】
(3)自家蛍光
実施例1で取得されたルテリオン中約50~800nmの大きさを有するルテリオンは
、光反応を示すことを蛍光写真で確認した(図4参照)。
【0115】
(4)ルテリオンにRNA含有の有無分析
実施例1で分離された200~400nmのルテリオンの原子顕微鏡撮影結果、図9
示された通り、ルテリオンにRNAやDNAのような核酸が含まれていると推定すること
ができる。
【0116】
実施例1で分離された200~400nmのルテリオンから総RNAとDNAを分離す
るために、QIAGENキット(AllPrep DNA/RNA icro kit:
Cat 80284)を使用して分離した後、Experion RNA(DNA) S
tdSens(Bio-Rad社)チップを利用して定量した。
【0117】
ルテリオンを遠心分離(8000g、1時間30分)して回収した後、キット内分解緩
衝液RLT plus(Guanidine isothiocycanate、det
ergents)50ulにベーターメルカプトエタノール3.5ulを添加して20ゲ
ージ針付き注射器を利用して5~10回通過させてルテリオンを溶解させた。サンプル分
解緩衝液をAllPrep DNA spinカラムに移した後、遠心分離(≧8000
g、15秒)してカラムにかかっているDNAとカラムを通過したRNAが含まれたバッ
ファーでそれぞれ分離した。
【0118】
まずカラムを通過したバッファーに同じ体積の350ul 70%エタノールを入れて
よく混ぜた後、700ulの混合液をRNease MinElute spinカラム
に移して遠心分離(≧8000g、15秒)してカラムを通過したバッファーは除去した
。それぞれの700ul RW1、500ulのRPEバッファーと80%エタノールを
利用して段階的にカラム洗浄を進行した。前記で使用されたすべての遠心分離(≧800
0g、15秒)は、同じ条件で進行した。RNAを得るために、14ul RNeasy
-free溶液をカラムに入れた後、遠心分離(≧8000g、60秒)してルテリオン
RNAを分離した。
【0119】
ゲノムDNAは前記最初の過程でAllPrep DNA spinカラムに付着され
たDNAをそれぞれの500ul AW1と500ul AW2バッファーを利用して洗
浄した。前記使用されたすべての遠心分離(≧8000g、15秒)速度と時間は、RN
A分離過程と同じ条件下で進行した。50ul EBバッファーをカラムに入れた後、室
温に2~5分間放置後、遠心分離(≧8000g、60秒)してルテリオンDNAを分離
した。Experion RNA(DNA)StdSens(Bio-Rad社)チップ
を利用して定量した結果、図10Aおよび図10Bに示された通り、ルテリオンにRNA
が含まれているだけでなく、図10Cに示された通り、DNAも含まれていることを確認
することができた。特に、200~400nmのルテリオンにRNAとDNAが含まれて
いることを確認することができた。
【0120】
実施例5:ルテリオンの培養
(1)実施例1で取得されたルテリオン中大きさが約50~200nmのルテリオンに
PBSを添加してIR光線を照射した後、約3時間18~30℃で培養した。IR光線を
照射した直後から約1時間間隔でルテリオンの大きさを顕微鏡で確認した。約1~6時間
後、培養前のその大きさが約200nmであるルテリオンが約500nmに成長している
ことを確認することができた。これにより、ルテリオンに水分を添加してIR光線照射下
に18~30℃で培養する場合、その大きさを500nm程度まで成長させることができ
ることが分かった。
【0121】
(2)実施例1で取得されたルテリオン中大きさが約400~800nmのルテリオン
にPBSを添加してIR光線を照射した後、約3時間18~30℃で培養した。IR光線
を照射した直後から約1時間間隔でルテリオンの大きさと状態を顕微鏡で確認した。約1
~6時間後、培養前のその大きさが約400~800nmのルテリオンが成長はせず分裂
(fission)されることを確認した。
【0122】
(3)グルコースを5%濃度で添加した培地(DMEMまたは血液培地)を使用して、
pH7および20℃条件でルテリオンを培養した。IRを照射して集まるルテリオンを確
認して、ルテリオンに抗-CD332、抗-CD73、抗-CD133、抗-CD39抗
体を結合させて、抗-FITCを結合させて発色が確認されたルテリオン、ミトトラッカ
ーで染色して染色されたルテリオンの数をカウントした。その結果を下記の表10に示し
た(+はルテリオン数の相対的比を示す)。
【0123】
【表10】
【0124】
実施例6:細胞内導入の有無確認
ルテリオンをPKH26-1、PKH26-2、PKH26-3赤色蛍光で蛍光染色し
て、A549ヒ素細胞性肺癌細胞(ATCC♯:CCL-185)と24時間インキュベ
ーションした。細胞を固定して形態を顕微鏡で観察した。その結果を図14乃至図16
示した。
【0125】
図14を参照すると、PKH26-1、PKH26-2、PKH26-3赤色蛍光で染
色されたルテリオンがDAPIで染色された細胞内核に導入されることを確認することが
でき、図15および16の拡大イメージを確認した結果、細胞内核にルテリオンが導入さ
れることをより具体的に確認することができる。
【0126】
実施例7:BBB(blood-brain barrier)透過の有無確認
マウスにPKH26で蛍光染色されたルテリオンを腹腔内注射(IP)および経口胃管
投与法で投与して、投与されたルテリオンがBBBを通過するか否かを確認した。図17
によると、経口胃管投与時少なくとも3時間以後BBBを通過することを確認することが
できる。
【0127】
また、図18によると、腹腔内注射時5分以内にBBBを通過することを確認すること
ができ、図19によると、腹腔内注射後24時間経過後にも心臓、肺、脾臓、肝、すい臓
、腎臓、睾丸、腹部および臓前身に分布することを確認することができる。
【0128】
実施例8:ルテリオンの坑癌(テロメア/テロメラーゼ活性)効果確認
(1)癌細胞のテロメラーゼ活性阻害
正常細胞(Fibroblast)および癌細胞(NCl-H1975、MDA-MA
-468、WiDr)1×10細胞/mlをそれぞれ60mmプレートに接種した後、
約12時間後に実施例1で分離されたルテリオンを50μg/mlの濃度で処理して培養
した。細胞培養は、抗生剤PSF(antibiotic-antimycotic)が
ない条件で、1%FBS条件で37℃、5%CO培養器で行って、1% FBS DM
EM培地を使用して細胞接種48hr後にそれぞれ収穫してテロメラーゼ活性を測定した
【0129】
TRAP分析で(TRAPeze(登録商標) Telomerase Detect
ion Kit(Millipore))テロメラーゼ活性を分析した結果、ルテリオン
処理によって癌細胞(NCl-H1975、MDA-MA-468、WiDr)のテロメ
ラーゼ発現および活性が減少することを確認することができた(図20のB)。
【0130】
また、正常細胞であるFibroblastを対象に、同じ実験と分析を行った結果、
ヒト正常細胞では対照群(ルテリオン未処理群)に比べてテロメラーゼ発現および活性が
増加することを確認することができた(図20のA)。
【0131】
(2)ルテリオン処理による癌細胞増殖抑制
種々のヒト癌細胞株(肺癌(NCI-H1975)、大腸癌(WiDr)、乳癌(MD
A-MB-486)、肝臓癌(HCC38)、白血病(AGH-77))および正常細胞
株(fibroblast)でルテリオンの癌細胞に対する細胞毒性を測定するためにM
TT分析を実施した。
【0132】
5×10細胞/ml(8×10/well)の細胞浮遊物を96-ウェル(wel
l)底が平らなマイクロタイター板の各ウェル(well)に100ulずつ接種して2
4時間培養させた後、様々な濃度のルテリオンを含んでいる培地に取り替えた後、さらに
48時間培養させた。その後、各ウェルに培地で10倍希釈された非水溶性の黄色MTT
(3-(4、5-dimethylthiazole-2-yl)-2、5-diphe
nyltetrazolium bromide)溶液100ulを添加する。細胞内の
ホルマザン結晶が生成されるように、37℃温度および5%二酸化炭素濃度のインキュベ
ーターに保管した。約4時間後、余分の培地を除去した後、細胞内形成された非水溶性の
ホルマザンを溶解させるために各ウェルにDMSOを200ulずつ添加した後、マイク
ロプレートリーダーを利用して595nmで吸光度を分析した。
【0133】
ルテリオンを処理しなかった対照群の吸光度を100%にして、各濃度に対する癌細胞
の生存率を測定した結果、濃度依存的に癌細胞の生存率を減少させた。一方、正常細胞で
は細胞毒性がなかった(図21)。
【0134】
さらに、前記癌細胞株の他にAsPC-1すい臓癌細胞株、A549肺癌細胞株、BT
-20乳癌細胞株で多様な由来のルテリオンの癌細胞増殖抑制効果を確認した。細胞生存
率測定は、前記MTT分析法と同様に行って、実施例1の方法で分離した多様な由来のル
テリオンは、癌細胞に対して細胞増殖抑制効果を示した(図22乃至図24)。
【0135】
従って、本発明のルテリオンは、癌細胞の増殖を抑制して癌を予防または治療すること
ができることが分かった。
【0136】
実施例9:ルテリオンの正常細胞でテロメラーゼ活性増加
正常細胞(Fibroblast)1×10細胞/mlをそれぞれ60mmプレート
に接種した後、約12時間後に実施例1で分離されたルテリオンを50μg/mlの濃度
で処理して培養した。細胞培養は抗生剤PSF(antibiotic-antimyc
otic)がない条件で、1% FBS DMEM培地を使用して37℃、5%CO
養器で行った。細胞接種48時間後に収穫してテロメラーゼ活性を測定した。
【0137】
TRAPeze(登録商標) Telomerase Detection Kit(
Millipore)を利用したTRAP分析でテロメラーゼ活性を分析した結果、ルテ
リオン処理によって正常細胞であるFibroblastのテロメラーゼ発現および活性
が増加することを確認することができた(図25)。
【0138】
実施例10:ルテリオンのATP生成への影響
ルテリオン処理による癌細胞およびFibroblast正常細胞におけるATP生成
増加を確認するために、癌細胞3種A549、WTM266-4およびAsPC-1およ
び正常細胞(MRC-5)1×10細胞/mlを一般DMEM培地の60mmプレート
に接種して1日間培養した後、抗生剤PSF(antibiotic-antimyco
tic)がない条件で、0.1% FBS DMEM培地を使用して栄養飢餓(seru
m starvation)状態で再び1日間培養した。次に3日目、実施例1で分離し
たルテリオンを50μg/mlの濃度で処理した後、0、10、30、120分にATP
生成を測定した(図26)。ATP測定kitは、Abcam(Cambridge、M
A、USA)社から購入して使用した。
【0139】
その結果、ルテリオンを処理した正常細胞でATPの生成が顕著に増加したことを確認
した(図39)。また、ルテリオンを処理した癌細胞でATP生成が低下することを確認
した(図38)。
【0140】
従って、本発明のルテリオンは、正常細胞のエネルギー生成を増加させて老化を抑制す
ることができることが分かった。また、癌細胞のエネルギー生成を低下させて癌治療に適
用することができる。これにより、正常細胞には影響を及ぼすことなく癌細胞特異的坑癌
治療を考慮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明によると、植物または食品内に存在する微細物質であるルテリオンを効果的に分
離することができ、前記分離されたルテリオンを一定の大きさに成長するように培養する
ことができて、疾病の予防および治療のための様々な用途開発に利用することができる。
【0142】
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者
にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明
の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲
は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
【手続補正書】
【提出日】2023-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の段階を含む、ミトコンドリア類似微細物質であるルテリオンの分離方法:
(a)食品または植物の抽出物を煮沸することで取得した蒸気または気体を冷却して得た凝縮液を、0.8~1.2μmの空隙サイズを有するフィルターを用いて濾過する段階;
(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および
(c)運動性を有するルテリオンを収集するために、200~600um波長のIR光線を照射して前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階。
【請求項2】
前記植物は、表1~4から選択される薬用植物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記植物は、当帰(angelica gigas)、漆皮(rhois vernicifluae cortex)およびキウィからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記煮沸抽出は、植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体を利用して間欠的にバブリングさせながら煮沸することで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記煮沸抽出は、8~10時間振盪して、2~3時間毎に20~30分間バブリングして植物または食品のルテリオンがかたまらないようにすることで行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記段階(a)で取得された凝縮液にIR光線を照射する段階をさらに含む、請求項1に記載の分離方法。
【請求項7】
前記段階(b)の遠心分離は、1200~5000rpmで5~10分間繰り返し行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
200nm、400nm、600nm、800nmおよび1000nmのフィルターを順次利用して、それぞれ50~200nm、200~400nm、400~600nm、600~800nmおよび800~1000nmの大きさのルテリオンに分類することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
pH7以下および0℃以下の条件で保存する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
pH1~5および-90℃~0℃で保存する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
25,000~35,000psi(pound per square inch)以上の圧力を加えて分裂を誘導する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
pH1~3および10~20℃で分裂を誘導してルテリオンを増殖させる段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ルテリオンに水分を添加してIR光線照射または加圧下に18~30℃で増殖させる段階を含む、請求項1に記載のルテリオンを培養する方法。
【請求項14】
ルテリオンを糖含有培地でpH5~9および18~30℃の条件で増殖させる段階を含む、請求項1に記載のルテリオンを培養する方法。
【請求項15】
前記糖は、ラムノース(rhamnose)、グルコース(glucose)、ガラクトース(galactose)、フルクトース(fructose)またはキシロース(xylose)である、請求項14に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0142
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0142】
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業界における通常の知識を持った者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。
一態様において、本発明は以下を提供する。
[項目1]
下記で選択された一つ以上の特性を有するルテリオン:
(a)50~800nmの円形ないし楕円形で、運動性がある;
(b)核酸含有;
(c)免疫化学蛍光染色時ミトコンドリアと類似の反応を示す;
(d)融合(fusion)および/または分裂(fission)生態様式を示す;
(e)融合がない場合には大きさが500nmまで成熟して、DNA含有類似ミトコンドリアに成熟して、SEMまたはTEM電子顕微鏡写真上でミトコンドリアと類似する構造を示す;
(f)エキソソームとは異なる光反応を示す;
(g)IR照射時または加圧時分裂(fission)が発生する;
(h)表面抗原としてCD332、CD133、CD73またはCD39を発現する;
(i)自家蛍光(autofluorescence)を示す;
(j)200~400nm大きさでATPを産生する;
(k)二重膜または多重膜構造;
(l)付着性がある;
(m)癌細胞のテロメラーゼ活性抑制;
(n)正常細胞のテロメラーゼ活性化促進;
(o)細胞透過能保有;及び
(p)血液脳関門(BBB)透過能保有。
[項目2]
ローダミン123(Rhodamine123)、ミトトラッカー(Mitotracker)、アクリジンオレンジ(Acridine Orange)、DAPI、およびヤヌスグリーンB(Janus green B)で構成される群から選択される一つ以上の染色剤で染色する場合、陽性に染色される特性を有することを特徴とする項目1に記載のルテリオン。
[項目3]
下記の段階を含むルテリオンの分離方法:
(a)植物または食品の水蒸気またはガス振盪抽出物を冷却して取得した凝縮液を0.8~1.2μmの空隙を有するフィルターを利用して濾過する段階;
(b)前記濾過された凝縮液を遠心分離する段階;および
(c)前記遠心分離された上澄み液からルテリオンを分離する段階。
[項目4]
前記植物は、表1~4で選択される薬用植物であることを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目5]
前記植物は、当帰、漆皮およびキウィで構成された群から選択されることを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目6]
前記段階(a)の振盪抽出は、植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体を利用して間欠的にバブリングさせながら振盪するように進行することを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目7]
前記振盪抽出は、8~10時間振盪して、2~3時間毎に20~30分間バブリングして植物または食品のルテリオンがかたまらないようにすることを特徴とする項目6に記載の分離方法。
[項目8]
前記(a)段階で取得された凝縮液にIR光線を照射する段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目9]
前記遠心分離は、1200~5000rpmで5~10分間繰り返し行われることを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目10]
前記段階(c)は、遠心分離された上澄み液に200~600um波長のIR光線を照射して運動性を有して集まるルテリオン粒子を分離すること、またはルテリオン表面抗原CD39、CD73、CD133またはCD332を認知する結合体との結合の有無を確認してルテリオン粒子を分離することを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目11]
前記分離されたルテリオン粒子を50nmフィルターで濾過した後、フィルターにかかった部位を収集する段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目12]
200nm、400nm、600nm、800nmおよび1000nmのフィルターを順次利用して、それぞれ50~200nm、200~400nm、400~600nm、600~800nmおよび800~1000nmの大きさのルテリオンに分類することをさらに含むことを特徴とする項目11に記載の分離方法。
[項目13]
pH7以下および0℃以下の条件で保存する段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目14]
pH1~5および-90℃~0℃で保存する段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目15]
25,000~35,000psi(pound per square inch)以上の圧力を加えて分裂を誘導する段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目16]
pH1~3および10~20℃で分裂を誘導して増殖させる段階をさらに含むことを特徴とする項目3に記載の分離方法。
[項目17]
下記の段階を含むルテリオンの分離方法:
(a)ルテリオンを含有する抽出物にルテリオン表面抗原に特異的に結合する抗体またはアプタマーが固定された粒子を添加してルテリオンと粒子の結合を誘導する段階;および
(b)前記粒子に結合されたルテリオンを回収する段階。
[項目18]
(c)粒子に結合されたルテリオンからルテリオンのみを分離する段階をさらに含むことを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目19]
前記ルテリオンを含有する抽出物は、植物抽出物または食品抽出物であることを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目20]
前記ルテリオンを含有する抽出物は、(i)植物または食品の熱水抽出物、(ii)植物または食品の溶媒抽出物、または(iii)溶媒存在下に植物または食品の加熱によって発生するガスの凝縮液であることを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目21]
前記凝縮液は、下記段階を経て製造されたことを特徴とする項目20に記載の分離方法:
(a)植物または食品に溶媒を添加して、50~90℃で気体を利用して間欠的にバブリングしながら振盪する段階;および
(b)前記振盪によって気化される水蒸気またはガスを捕集した後、冷却させて凝縮液を取得する段階。
[項目22]
前記ルテリオン表面抗原は、CD39、CD73、CD133またはCD332であることを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目23]
前記粒子は、磁性粒子、シリカ粒子、量子ドット粒子、ガラス粒子、高分子粒子、繊維粒子および蛍光粒子で構成された群から選択されることを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目24]
前記磁性粒子は、鉄、アルミニウム、コバルト、ニッケル、マンガン、錫、亜鉛、カドミウム、マグネシウム、銅、バリウム、リチウムまたはイットリウムの酸化物で構成された群から選択されることを特徴とする項目23に記載のルテリオンの分離方法。
[項目25]
前記磁性粒子は、炭素および抗体またはアプタマー結合のための官能基で二重コーティングされたことを特徴とする項目23に記載のルテリオンの分離方法。
[項目26]
前記官能基は、アミド基(amide group)、エステル基(ester group)、アミン基(amine group)およびカルボキシル基(carboxyl group)で構成された群から選択されることを特徴とする項目25に記載のルテリオンの分離方法。
[項目27]
前記粒子の大きさは、10~1,000nmであることを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目28]
前記粒子は、磁性ナノ粒子であり、前記(b)段階は、外部から磁力を加えてルテリオンが結合された磁性ナノ粒子を集めた後、回収することを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目29]
前記粒子は、蛍光粒子であり、前記(b)段階は、蛍光利用セルソーターを利用してルテリオンが結合された蛍光粒子を回収することを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目30]
前記粒子は、静電気を帯びた粒子であり、前記(b)段階は、不均一な電場を形成して静電気的引力でルテリオンが結合された粒子を回収することを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目31]
前記粒子は、イオン性粒子であり、前記(b)段階は、静電気的引力を利用してルテリオンが結合された粒子を回収することを特徴とする項目17に記載のルテリオンの分離方法。
[項目32]
項目1に記載のルテリオンに水分を添加してIR光線照射または加圧下に18~30℃で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法。
[項目33]
項目1に記載のルテリオンを糖含有培地でpH5~9および18~30℃の条件で増殖させる段階を含むルテリオンの培養方法。
[項目34]
前記糖は、ラムノース(rhamnose)、グルコース(glucose)、ガラクトース(galactose)、フルクトース(fructose)またはキシロース(xylose)であることを特徴とする項目33に記載の培養方法。
[項目35]
前記培養前および後のルテリオンの大きさは、それぞれ50~200nmおよび300~500nmであることを特徴とする項目32または項目33に記載の培養方法。
【外国語明細書】