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  • 特開-電池材料の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145730
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】電池材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0562 20100101AFI20231003BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
H01M10/0562
H01M4/62 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127576
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2020562333の分割
【原出願日】2019-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2018248604
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100168273
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 昌稔
(72)【発明者】
【氏名】筒井 靖貴
(57)【要約】
【課題】分散性に優れるとともに、電池におけるイオン伝導度を向上させることに適した電池材料を提供する。
【解決手段】本開示の電池材料は、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を含む。化合物は、例えば、2-ベンジルイミダゾリンである。電池材料は、例えば、固体電解質をさらに含む。固体電解質は、例えば、粒子の形状を有する。化合物は、例えば、複数の固体電解質の粒子の間に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電解質と、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物と、有機溶媒と、を含む混合材料を乾燥させることを含む、電池材料の製造方法。
【請求項2】
前記有機溶媒は、アニソールである、請求項1に記載の電池材料の製造方法。
【請求項3】
前記化合物は、2-ベンジルイミダゾリンである、請求項1または2に記載の電池材料の製造方法。
【請求項4】
前記固体電解質が粒子の形状を有し、
前記化合物は、複数の前記固体電解質の粒子の間に位置している、請求項1から3のいずれか1項に記載の電池材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池材料、電池及び電池材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池における電解質層、電極層などを形成するための電池材料は、分散剤を含んでいることがある。例えば、特許文献1には、分散剤を含む固体電解質組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-037229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、電池材料における分散性、及び、電池におけるイオン伝導度を向上させることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を含む、電池材料を提供する。なお、本開示の包括的または具体的な態様は、材料、電池、装置、システム、方法、またはこれらの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、分散性に優れるとともに、電池におけるイオン伝導度を向上させることに適した電池材料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見)
近年、大型化可能な塗工型の全固体電池の研究が盛んに行われている。塗工型全固体電池は、例えば、金属箔からなる正極集電体上に配置され、かつ正極活物質、固体電解質、バインダー及び分散剤を含む正極層と、金属箔からなる負極集電体上に配置され、かつ負極活物質、固体電解質、バインダー及び分散剤を含む負極層と、正極層と負極層との間に配置され、かつ固体電解質、バインダー及び分散剤を含む電解質層で構成されている。正極層、負極層及び電解質層に含まれる分散剤は、例えば、これらの層に含まれる粉体又は粒子を均一に分散させることによって、電池の特性を向上させるとともに、ばらつきを低減させる。これらの層に含まれる粒子の組み合わせとしては、例えば、正極層又は負極層に含まれる活物質の粒子と別の活物質の粒子との組み合わせ、活物質の粒子と固体電解質の粒子との組み合わせ、固体電解質の粒子と別の固体電解質の粒子との組み合わせ、及び、固体電解質の粒子同士の組み合わせが挙げられる。
【0009】
分散剤を電池材料に添加すれば、例えば、電池材料に含まれる粒子の分散性が向上する。しかし、分散剤によって固体電解質のイオン伝導度が低下することがある。一般的なバインダー又は分散剤のイオン伝導度は低く、0に近い。そのため、バインダー又は分散剤は、固体電解質のイオン伝導を阻害し、電池の特性を劣化させることがある。例えば、固体電解質、バインダー及び分散剤が均一に分散されることによって、固体電解質のイオン伝導度がかえって低下することがある。
【0010】
本開示者は、鋭意検討の結果、分散剤として、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を用いることによって、電池材料における分散性を向上させるとともに、固体電解質のイオン伝導度の低下を抑制でき、これにより電池の特性を向上できることを見出した。
【0011】
すなわち、本開示は、分散剤が添加されることによって分散性が向上した電池材料による電池特性の向上と、分散剤によるイオン伝導度の低下の抑制とを両立させた電池を提供することも目的とする。この目的を達成するために、本開示では、分散剤としてイミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を用いる。
【0012】
本開示における電池材料によれば、例えば、トレードオフの関係にある分散性とイオン伝導度とを両立させることができる。
【0013】
(本開示に係る一態様の概要)
本開示の第1態様に係る電池材料は、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を含む。
【0014】
第1態様によれば、電池材料がイミダゾリン環及び芳香環を有する化合物を含むため、電池材料における分散性が優れている。さらに、この化合物の分子量が350未満であるため、電池材料から電池の部材を形成するときに当該化合物が容易に昇華又は蒸発する。すなわち、電池の部材における化合物の含有率を容易に低下できる。これにより、電池におけるイオン伝導度を容易に向上させることができる。
【0015】
本開示の第2態様において、例えば、第1態様に係る電池材料では、前記化合物は、2-ベンジルイミダゾリンであってもよい。第2態様によれば、電池材料における分散性が優れている。電池材料によれば、電池におけるイオン伝導度を容易に向上させることができる。
【0016】
本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様に係る電池材料は、固体電解質をさらに含んでいてもよい。第3態様によれば、電池材料における固体電解質の分散性が優れている。電池材料によれば、電池における固体電解質のイオン伝導度を容易に向上させることができる。
【0017】
本開示の第4態様において、例えば、第3態様に係る電池材料では、前記固体電解質が粒子の形状を有していてもよく、前記化合物は、複数の前記固体電解質の粒子の間に位置していてもよい。第4態様によれば、電池材料における固体電解質の分散性が優れている。電池材料によれば、電池における固体電解質のイオン伝導度を容易に向上させることができる。
【0018】
本開示の第5態様において、例えば、第1から第4態様のいずれか1つに係る電池材料は、スラリーであってもよい。第5態様によれば、電池材料から電池の部材を容易に作製できる。
【0019】
本開示の第6態様に係る電池は、
電極層と、
電解質層と、
を備え、
前記電極層及び前記電解質層からなる群より選ばれる少なくとも1つは、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を含む。
【0020】
第6態様によれば、電極層又は電解質層において、層の材料が均一に分散されている。さらに、電極層又は電解質層は、高いイオン伝導度を有する。
【0021】
本開示の第7態様に係る電池材料の製造方法は、固体電解質と、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物とを混合することを含む。
【0022】
第7態様によれば、電池材料における固体電解質の分散性が優れている。電池材料によれば、電池における固体電解質のイオン伝導度を容易に向上させることができる。
【0023】
(本開示の実施形態)
以下、本開示の実施形態における電池材料、電池、並びに、電池を構成する電解質層、正極層及び負極層について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0024】
[電池材料]
本実施形態の電池材料は、イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物を含む。イミダゾリン(imidazoline)は、例えば、イミダゾールから誘導される含窒素複素環化合物である。本明細書では、「イミダゾリン環及び芳香環を有し、かつ分子量が350未満である化合物」を「化合物A」と呼ぶことがある。
【0025】
化合物Aにおいて、芳香環は、例えば、炭素原子から構成されている。芳香環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。芳香環の炭素数は、特に限定されず、例えば6以上14以下である。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環及びアントラセン環が挙げられる。
【0026】
化合物Aにおいて、イミダゾリン環は、例えば、上記の芳香環を含む置換基を有している。本明細書では、「芳香環を含む置換基」を「置換基B」と呼ぶことがある。置換基Bは、芳香環を含む限り、特に限定されない。置換基Bは、例えば、炭素原子及び水素原子から構成されている。置換基Bの炭素数は、特に限定されず、6以上20以下であってもよく、6以上15以下であってもよい。置換基Bは、例えば、ベンジル基である。
【0027】
化合物Aにおいて、イミダゾリン環は、複数の置換基Bを有していてもよい。このとき、複数の置換基Bは、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。イミダゾリン環は、置換基B以外の他の置換基を有していてもよい。
【0028】
化合物Aの具体例としては、2-ベンジルイミダゾリンが挙げられる。
【0029】
化合物Aの分子量は、350未満であれば特に限定されない。化合物Aの分子量は、146以上200以下であってもよい。
【0030】
化合物Aの沸点は、250℃以下であってもよく、200℃以下であってもよい。化合物Aの沸点は、150℃以上であってもよい。
【0031】
電池材料における化合物Aの含有率は、0.1質量%以上20質量%以下であってもよく、0.1質量%以上1.0質量%以下であってもよい。
【0032】
本実施形態の電池材料は、正極層、負極層又は電解質層の作製に用いることができる。本明細書では、正極層及び負極層を単に「電極層」と呼ぶことがある。
【0033】
1.正極層の作製に用いられる電池材料
正極層の作製に用いられる電池材料は、化合物Aの他に、正極活物質、固体電解質及び溶媒をさらに含む。正極活物質及び固体電解質のそれぞれは、例えば、粒子の形状を有している。電池材料において、例えば、正極活物質の粒子及び固体電解質の粒子が溶媒中に分散されている。すなわち、電池材料は、正極活物質の粒子及び固体電解質の粒子のスラリーであってもよい。本明細書では、正極層の作製に用いられる電池材料を「正極スラリー」と呼ぶことがある。正極スラリーは、バインダーをさらに含んでいてもよい。
【0034】
(a)正極活物質
正極活物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸塩などが用いられる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24などが挙げられる。リチウム含有遷移金属リン酸塩としては、LiCoPO4、LiNiPO4、LiFePO4、LiMnPO4などが挙げられる。これらの化合物の遷移金属を1種又は2種以上の異種元素で置換することによって得られる化合物も正極活物質として使用できる。具体的には、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052、LiNi0.5Mn1.52などの化合物を正極活物質として使用できる。正極活物質は、レート特性の改善を目的として、酸化物固体電解質で表面が被覆されていてもよい。酸化物固体電解質としては、LiNbO3などが挙げられる。
【0035】
正極活物質の粒子の平均粒径は、特に限定されず、例えば、2μm以上20μm以下である。本明細書において、粒子の平均粒径は、次の方法によって算出されうる。粒子群を電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡像における特定の粒子の面積を画像処理にて算出する。算出された面積に等しい面積を有する円の直径をその特定の粒子の直径とみなす。任意の個数(例えば10個)の粒子の直径を算出し、それらの平均値を粒子の平均粒径とみなす。粒子の平均粒径は、画像解析式粒度分布計によって測定された粒度分布において、体積累積50%に相当する粒径(D50)であってもよい。
【0036】
(b)固体電解質
固体電解質としては、無機系の固体電解質を用いることができる。固体電解質は、硫化物固体電解質であってもよく、酸化物固体電解質であってもよく、ハロゲン化物固体電解質であってもよい。
【0037】
硫化物固体電解質としては、Li2S-SiS2、LiI-Li2S-SiS2、LiI-Li2S-P25、LiI-Li2S-P25、LiI-Li3PO4-P25、Li2S-P25などが挙げられる。硫化物固体電解質がLi、P及びSを含んでいる場合、リチウムイオン伝導性が高く、相対的に柔らかい硫化物固体電解質が得られる。固体電解質が適度に柔らかい場合、固体電解質と活物質との界面の面積を十分に稼ぐことができる。
【0038】
本実施形態において、硫化物固体電解質は、Li2S及びP25を含む硫化物ガラスセラミックでありうる。Li2SとP25との比率(Li2S:P25)は、モル換算にて、例えば、70:30から80:20の範囲にあり、75:25から80:20の範囲にあってもよい。Li2SとP25との比率を適切に調整することによって、電池の特性に影響するリチウム濃度を保ちながら、イオン伝導性の高い結晶構造を有する硫化物固体電解質が得られる。
【0039】
酸化物固体電解質としては、LiPON、Li3PO4、Li2SiO2、Li2SiO4、Li0.5La0.5TiO3、Li1.3Al0.3Ti0.7(PO43、La0.51Li0.34TiO0.74、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43などが挙げられる。
【0040】
ハロゲン化物固体電解質としては、Li3InBr6、Li3InCl6、Li2FeCl4、Li2CrCl4、Li3OClなどが挙げられる。
【0041】
正極スラリーにおいて、固体電解質と正極活物質との比率(固体電解質:正極活物質)は、質量換算にて、例えば、50:50から5:95の範囲にあり、30:70から10:90の範囲にあってもよい。固体電解質と正極活物質との比率を適切に調整することによって、正極層において、リチウムイオン伝導性と電子伝導性とを両立させることができる。
【0042】
固体電解質の粒子の平均粒径は、特に限定されず、例えば、0.1μm以上20μm以下である。
【0043】
(c)溶媒
溶媒の種類は特に限定されない。溶媒に要求される性質としては、固体電解質及び活物質と反応しにくいこと、極性が低いこと、スラリーを塗布しやすいこと、乾燥によって除去しやすい沸点を有することなどが挙げられる。溶媒は、有機溶媒であってもよい。具体的には、溶媒として、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、アニソール、キシレン、オクタン、ヘキサン、デカリン、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、トリプロピルアミンなどが挙げられる。テトラリンなどの非極性の溶媒を使用することが推奨される。
【0044】
(d)バインダー
バインダーは、電池を構成する材料の粒子間の接着性を向上させる。バインダーは、樹脂材料であってもよい。バインダーは、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド-テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
【0045】
正極スラリーは、他の材料として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電助剤を含んでいてもよい。
【0046】
2.負極層の作製に用いられる電池材料
負極層の作製に用いられる電池材料は、化合物Aの他に、負極活物質、固体電解質及び溶媒をさらに含む。負極活物質及び固体電解質のそれぞれは、例えば、粒子の形状を有している。電池材料において、例えば、負極活物質の粒子及び固体電解質の粒子が溶媒中に分散されている。すなわち、電池材料は、負極活物質の粒子及び固体電解質の粒子のスラリーであってもよい。本明細書では、負極層の作製に用いられる電池材料を「負極スラリー」と呼ぶことがある。負極スラリーは、バインダーをさらに含んでいてもよい。
【0047】
負極活物質としては、リチウム、リチウムと合金化しやすい金属、炭素材料、Li4Ti512、SiOx(x<2)などが使用されうる。リチウムと合金化しやすい金属としては、インジウム、スズ、ケイ素などが挙げられる。炭素材料としては、ハードカーボン、黒鉛などが挙げられる。
【0048】
負極活物質の粒子の平均粒径は、特に限定されず、例えば、2μm以上40μm以下である。
【0049】
固体電解質、溶媒及びバインダーとしては、正極スラリーに使用可能な材料を負極スラリーにも使用できる。ただし、正極スラリーに含まれた固体電解質の組成が負極スラリーに含まれた固体電解質の組成と異なっていてもよい。正極スラリーに含まれた溶媒の組成が負極スラリーに含まれた溶媒の組成と異なっていてもよい。正極スラリーに含まれたバインダーの組成が負極スラリーに含まれたバインダーの組成と異なっていてもよい。負極スラリーは、固体電解質を含んでいなくてもよい。
【0050】
負極スラリーにおいて、固体電解質と負極活物質との比率(固体電解質:負極活物質)は、質量換算にて、例えば、5:95から60:40の範囲にあり、30:70から50:50の範囲にあってもよい。固体電解質と負極活物質との比率を適切に調整することによって、負極層において、リチウムイオン伝導性と電子伝導性とを両立させることができる。
【0051】
負極スラリーは、他の材料として、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの導電助剤を含んでいてもよい。
【0052】
3.電解質層の作製に用いられる電池材料
電解質層の作製に用いられる電池材料は、化合物Aの他に、固体電解質及び溶媒をさらに含む。固体電解質は、例えば、粒子の形状を有している。電池材料において、例えば、固体電解質の粒子が溶媒中に分散されている。すなわち、電池材料は、固体電解質の粒子のスラリーであってもよい。本明細書では、電解質層の作製に用いられる電池材料を「電解質スラリー」と呼ぶことがある。電解質スラリーは、バインダーをさらに含んでいてもよい。
【0053】
固体電解質、溶媒及びバインダーとしては、正極スラリーに使用可能な材料を電解質スラリーにも使用できる。ただし、正極スラリーに含まれた固体電解質の組成が電解質スラリーに含まれた固体電解質の組成と異なっていてもよい。正極スラリーに含まれた溶媒の組成が電解質スラリーに含まれた溶媒の組成と異なっていてもよい。正極スラリーに含まれたバインダーの組成が電解質スラリーに含まれたバインダーの組成と異なっていてもよい。
【0054】
次に、電池材料の製造方法を説明する。
【0055】
本実施形態の電池材料の製造方法は、固体電解質及び化合物Aを混合することを含む。詳細には、化合物A、正極活物質、固体電解質、バインダー及び溶媒を混合することによって、正極スラリーを得ることができる。化合物A、負極活物質、固体電解質、バインダー及び溶媒を混合することによって、負極スラリーを得ることができる。化合物A、固体電解質、バインダー及び溶媒を混合することによって、電解質スラリーを得ることができる。
【0056】
材料を混合する方法は、特に限定されない。例えば、ボールミル、回転式ミキサ、双腕式ミキサ、ニーダーなどの混合装置を用いて材料を混合してもよい。
【0057】
本実施形態の電池材料は、化合物Aを含むため、固体電解質の粒子及び活物質の粒子の分散性に優れている。例えば、化合物Aにおいて、イミダゾリン環は、固体電解質の粒子及び活物質の粒子に対して、高い親和性を有する。化合物Aにおいて、芳香環は、溶媒に対して、高い親和性を有する。置換基Bがベンジル基である場合、置換基Bは、溶媒に対して、特に高い親和性を有する。そのため、化合物Aのイミダゾリン環及び芳香環によって、固体電解質の粒子及び活物質の粒子は、溶媒中に容易に分散される。電池材料において、化合物Aは、複数の固体電解質の粒子の間に位置していてもよく、複数の活物質の粒子の間に位置していてもよく、固体電解質の粒子と活物質の粒子との間に位置していてもよい。
【0058】
上述のとおり、本実施形態の電池材料は、固体電解質の粒子及び活物質の粒子の分散性に優れている。そのため、本実施形態の電池材料における固体電解質の粒子のD10、D50及びD90は、それぞれ、化合物Aを含まない電池材料における固体電解質の粒子のD10、D50及びD90より小さい。本実施形態の電池材料における活物質の粒子のD10、D50及びD90は、それぞれ、化合物Aを含まない電池材料における活物質の粒子のD10、D50及びD90より小さい。ただし、D10は、画像解析式粒度分布計によって測定された粒度分布において、体積累積10%に相当する粒径を意味する。D50は、上記の粒度分布において、体積累積50%に相当する粒径を意味する。D90は、上記の粒度分布において、体積累積90%に相当する粒径を意味する。
【0059】
電池材料において、固体電解質の粒子の粒度分布、及び、活物質の粒子の粒度分布は、シャープなピークを有している。例えば、固体電解質の粒子の粒度分布、及び、活物質の粒子の粒度分布のそれぞれにおいて、(D90-D10)/D50の値は、3.0以下であってもよく、2.0以下であってもよい。(D90-D10)/D50の下限値は、特に限定されず、例えば0.5である。
【0060】
[電池]
次に、本実施形態の電池について説明する。
【0061】
図1は、本開示の一実施形態に係る電池100の断面を示している。電池100は、正極10、負極20及び電解質層30を備えている。電解質層30は、正極10と負極20との間に配置されている。正極10、電解質層30及び負極20がこの順番で積層されている。正極10は、正極集電体12及び正極層14を有する。正極層14は、正極集電体12の上に配置されている。負極20は、負極集電体22及び負極層24を有する。負極層24は、負極集電体22の上に配置されている。正極層14と負極層24との間に電解質層30が配置されている。電解質層30は、正極層14及び負極層24のそれぞれに接している。電解質層30は、固体電解質で構成されていてもよく、液状電解質で構成されていてもよい。電池100に使用された電解質が全て固体電解質である場合、電池100は、全固体電池でありうる。例えば、電極層及び電解質層30からなる群より選ばれる少なくとも1つが化合物Aを含んでいる。正極層14、負極層24及び電解質層30のそれぞれが化合物Aを含んでいてもよい。
【0062】
1.集電体
正極集電体12及び負極集電体22は、それぞれ、電子伝導性を有する材料で作られている。正極集電体12の材料は、負極集電体22の材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。電子伝導性を有する材料としては、金属、炭素及び導電性樹脂が挙げられる。金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、チタン、リチウム及びインジウムが挙げられる。正極集電体12及び負極集電体22のそれぞれの材料として、典型的には、銅又は銅合金が使用されうる。正極集電体12及び負極集電体22のそれぞれの形状は、特に限定されず、箔状であってもよく、メッシュ状であってもよい。
【0063】
2.正極層
正極層14は、例えば、化合物A、正極活物質16、バインダー18及び固体電解質32を含む。ただし、後述するとおり、正極スラリーに含まれる化合物Aは、正極層14を作製するときに、昇華又は蒸発することがある。正極層14における化合物Aの含有率は、1質量%以下であってもよい。正極層14は、化合物Aを実質的に含んでいなくてもよい。正極層14における化合物Aの含有率が低いことによって、正極層14は、高いイオン伝導度を示す。
【0064】
バインダー18によって、正極活物質16と固体電解質32とが接着されていてもよい。図1には表されていないが、バインダー18によって、正極活物質16と正極集電体12とが接着され、固体電解質32と正極集電体12とが接着され、正極活物質16と正極活物質16とが接着され、固体電解質32と固体電解質32とが接着されていてもよい。言い換えれば、正極10において、バインダー18は、正極活物質16と正極集電体12との間、固体電解質32と正極集電体12との間、正極活物質16と正極活物質16との間、及び、固体電解質32と固体電解質32との間に存在しうる。正極層14は、上述した導電助剤をさらに含んでいてもよい。
【0065】
正極層14において、正極活物質16の粒子及び固体電解質32の粒子は、例えば、均一に分散されている。そのため、正極層14は、例えば、平滑な表面を有する。
【0066】
3.負極層
負極層24は、例えば、化合物A、負極活物質26、バインダー18及び固体電解質32を含む。負極層24における化合物Aの含有率は、1質量%以下であってもよい。負極層24は、化合物Aを実質的に含んでいなくてもよい。負極層24における化合物Aの含有率が低いことによって、負極層24は、高いイオン伝導度を示す。
【0067】
バインダー18によって、負極活物質26と固体電解質32とが接着されていてもよい。図1には表されていないが、バインダー18によって、負極活物質26と負極集電体22とが接着され、固体電解質32と負極集電体22とが接着され、負極活物質26と負極活物質26とが接着され、固体電解質32と固体電解質32とが接着されていてもよい。言い換えれば、負極20において、バインダー18は、負極活物質26と負極集電体22との間、固体電解質32と負極集電体22との間、負極活物質26と負極活物質26との間、及び、固体電解質32と固体電解質32との間に存在しうる。
【0068】
負極層24において、負極活物質26の粒子及び固体電解質32の粒子は、例えば、均一に分散されている。そのため、負極層24は、例えば、平滑な表面を有する。
【0069】
負極活物質26の形状は粒子状に限定されない。箔、メッシュなどの他の形状を有する負極活物質を負極層24に用いることができる。負極層24は、上述した導電助剤をさらに含んでいてもよい。
【0070】
4.電解質層
電解質層30は、正極10と負極20とを電気的に絶縁する役割を担う。電解質層30は、イオン伝導性を有する材料によって構成されている。電池100がリチウムイオン電池であるとき、電解質層30は、リチウムイオン伝導性を有する。
【0071】
電解質層30は、例えば、化合物A、バインダー18及び固体電解質32を含む。電解質層30における化合物Aの含有率は、1質量%以下であってもよい。電解質層30は、化合物Aを実質的に含んでいなくてもよい。電解質層30における化合物Aの含有率が低いことによって、電解質層30は、高いイオン伝導度を示す。
【0072】
バインダー18によって、固体電解質32と固体電解質32とが接着されていてもよい。言い換えれば、電解質層30において、バインダー18は、固体電解質32と固体電解質32との間に存在しうる。
【0073】
電解質層30において、固体電解質32の粒子は、例えば、均一に分散されている。そのため、電解質層30は、例えば、平滑な表面を有する。
【0074】
次に、電池100の製造方法を説明する。
【0075】
まず、正極10、負極20及び電解質層30を以下の方法で作製する。
【0076】
正極10を作製するために、上述した方法で正極スラリーを調製する。次に、正極スラリーをブレードコート法などの塗布方法によって正極集電体12に塗布し、塗布膜を形成する。塗布膜を乾燥させることによって、正極層14が形成される。これにより、正極10が得られる。塗布膜の乾燥は、例えば、塗布膜を加熱することによって行う。塗布膜の加熱温度は、80℃以上250℃以下であってもよく、130℃以上230℃以下であってもよい。塗布膜の加熱時間は、例えば、5分以上1時間以下である。化合物Aの分子量が小さいため、化合物Aは、塗布膜の加熱によって容易に昇華又は蒸発する。そのため、塗布膜の加熱によって、塗布膜における化合物Aの含有率が容易に低下する。形成された正極層14では、化合物Aの含有率が低いため、高いイオン伝導度が達成されうる。
【0077】
正極スラリーを負極スラリーに変更すること、及び、正極集電体12を負極集電体22に変更することを除き、正極10と同じ方法で負極20も作製できる。
【0078】
正極スラリーを電解質スラリーに変更することを除き、正極10と同じ方法で電解質層30も作製できる。電解質層30は、正極層14又は負極層24の上に直接形成してもよい。あるいは、樹脂フィルムなどの支持体上に電解質層30を形成してもよい。
【0079】
次に、正極層14と負極層24との間に電解質層30が配置されるように、正極10、電解質層30及び負極20を積層し、積層体を作製する。正極10、電解質層30及び負極20が相互に密着するように、積層体をプレスして成形する。これにより、電池100が得られる。正極10及び負極20のそれぞれに端子を取り付けたのち、電池100をケースに収容させてもよい。電池100のケースの材料としては、樹脂フィルムでラミネートされたアルミニウム箔、ステンレス、鉄、アルミニウムなどの金属、樹脂などが挙げられる。
【0080】
本開示は、正極スラリー、負極スラリー及び電解質スラリーの全てに化合物Aが含まれていることを必要としない。正極スラリー、負極スラリー及び電解質スラリーから選ばれる少なくとも1つに化合物Aが含まれていることによって、所望の効果が得られる。
【0081】
電池100は、全固体電池に限定されない。固体電解質に代えて、電池100に電解液が使用されている場合であったとしても、化合物Aが正極スラリー及び/又は負極スラリーに含まれている限り、所望の効果が得られる。
【0082】
電池100が全固体電池である場合、全固体電池は、例えば、金属箔からなる正極集電体12と、正極集電体12上に形成した正極活物質を含む正極層14と、金属箔からなる負極集電体22と、負極集電体22上に形成した負極活物質を含む負極層24と、正極層14と負極層24との間に配置された、少なくともイオン伝導性を有する固体電解質を含む電解質層30によって構成される。本実施形態では、正極層14、負極層24及び電解質層30からなる群より選ばれる少なくとも1つの層に2-ベンジルイミダゾリンが含まれていてもよい。
【実施例0083】
以下、本開示の実施例について説明する。以下の実施例は一例であって、本開示は以下の実施例のみに限定されない。各工程は、グローブボックス内又はドライルーム内で実施した。グローブボックスの露点及びドライルームの露点は、それぞれ、-45℃以下に管理した。
【0084】
(実施例1)
(1)固体電解質75Li2S-25P25の作製
まず、Li2SとP25との比率(Li2S:P25)がモル換算で75:25になるように、Li2S及びP25を秤量した。次に、乳鉢を用いて、Li2S及びP25を粉砕し、これらを混合した。次に、得られた混合物について、遊星型ボールミルによって、10時間ミリング処理を行った。これにより、ガラス状態の固体電解質を得た。次に、ガラス状態の固体電解質について、不活性ガス雰囲気中でアニール処理を行った。これにより、ガラスセラミックス状態の固体電解質を得た。アニール処理の温度は、示差熱分析測定により得られる固体電解質の結晶化ピークの温度を参考に決定した。
【0085】
次に、得られた固体電解質のイオン伝導度を交流インピーダンス法によって測定した。固体電解質のイオン伝導度は、7.5×10-4S/cmであった。
【0086】
(2)イオン伝導度を測定するための固体電解質サンプルの作製
まず、上記(1)で得られた固体電解質75Li2S-25P25を2g秤量した。分散剤として、2-ベンジルイミダゾリンを0.06g秤量した。2-ベンジルイミダゾリンの分子量は、160である。溶媒として、アニソールを4g秤量した。次に、遊星ミルを用いて、固体電解質、分散剤及び溶媒を1600rpmで15分間混練した。これにより、電池材料を得た。電池材料を100℃で1時間加熱し、乾燥させることによって、イオン伝導度を測定するための固体電解質サンプルを作製した。さらに、電池材料の加熱温度を150℃又は200℃に変更して、他の固体電解質サンプルも作製した。
【0087】
(比較例1-1)
2-ベンジルイミダゾリンに代えて、2-(1-ヘプタデセニル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-エタノール(BYK社製DisperBYK109)を分散剤として加えたことを除き、実施例1と同じ方法によって、比較例1-1の固体電解質サンプルを準備した。DisperBYK109の分子量は、350である。
【0088】
(比較例1-2)
2-ベンジルイミダゾリンを用いないことを除き、実施例1と同じ方法によって、比較例1-2の固体電解質サンプルを準備した。
【0089】
(Liイオンの伝導度測定)
交流インピーダンス法によって、実施例1、比較例1-1及び比較例1-2で得られた固体電解質サンプルにおけるLiイオンの伝導度を測定した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
表1に示すように、2-ベンジルイミダゾリンを分散剤として使用した実施例1の固体電解質サンプルは、DisperBYK109を分散剤として使用した比較例1-1に比べて、高いイオン伝導度を有していた。さらに、表1からわかるとおり、加熱温度が高ければ高いほど、実施例1の固体電解質サンプルのイオン伝導度が向上する。加熱温度が200℃である場合、実施例1の固体電解質サンプルは、分散剤を含まない比較例1-2の固体電解質サンプルと同程度のイオン伝導度を有していた。
【0092】
(実施例2)
実施例1で作製した固体電解質75Li2S-25P25を0.1g秤量した。分散剤として、2-ベンジルイミダゾリンを0.003g秤量した。溶媒として、アニソールを4g秤量した。次に、遊星ミルを用いて、固体電解質、分散剤及び溶媒を1600rpmで15分間混練した。これらの混合物をアニソールで希釈した。希釈された混合物における固体電解質の濃度は、0.01wt%であった。希釈された混合物について、15分間超音波分散を行った。これにより、スラリー状の電池材料を得た。
【0093】
(比較例2-1)
2-ベンジルイミダゾリンに代えて、2-(1-ヘプタデセニル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-1-エタノール(BYK社製DisperBYK109)を分散剤として加えたことを除き、実施例2と同じ方法によって、比較例2-1の電池材料を準備した。
【0094】
(比較例2-2)
2-ベンジルイミダゾリンを用いないことを除き、実施例2と同じ方法によって、比較例2-2の電池材料を準備した。
【0095】
(粒度分布測定)
日本ルフト社製の画像解析式粒度分布計XPT-Cを用いて、実施例2、比較例2-1及び比較例2-2で得られた電池材料における固体電解質の粒度分布を測定した。さらに、得られた粒度分布において、体積累積10%に相当する粒径(D10)、体積累積50%に相当する粒径(D50)、体積累積90%に相当する粒径(D90)、及び、(D90-D10)/D50の値を算出した。結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】
表2に示すとおり、2-ベンジルイミダゾリンを分散剤として使用した実施例2の電池材料におけるD10、D50、D90及び(D90-D10)/D50の値は、DisperBYK109を分散剤として使用した比較例2-1の電池材料及び分散剤を使用していない比較例2-2の電池材料に比べて小さかった。特に、実施例2の電池材料における(D90-D10)/D50の値は、比較例2-1の電池材料における(D90-D10)/D50の値の1/2程度であった。これらの結果から、2-ベンジルイミダゾリンは、固体電解質の粒子をより分散させる効果を有していることがわかる。
【0098】
以上のとおり、本実施形態の電池材料では、化合物Aによって、電池材料に含まれる粒子同士が凝集し、粗大化することを抑制できる。すなわち、本実施形態の電池材料において、粒子が均一に分散されている。さらに、本実施形態の電池材料によれば、電池の部材における化合物Aの含有率を容易に低下できる。そのため、イオン伝導度の低下が抑制され、良好な電池特性を有する電池を実現することができる。
【0099】
以上、本開示に係る電池について、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態及び実施例に施したものや、異なる実施の形態及び実施例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本開示の技術は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの電池に有用である。
【符号の説明】
【0101】
10 正極
12 正極集電体
14 正極層
16 正極活物質
18 バインダー
20 負極
22 負極集電体
24 負極層
26 負極活物質
30 電解質層
32 固体電解質
100 電池
図1