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▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145746
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ニコチンおよび結合剤含有シート
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/14 20060101AFI20231003BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20231003BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20231003BHJP
【FI】
A24B15/14
A24B3/14
A24B15/16
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128444
(22)【出願日】2023-08-07
(62)【分割の表示】P 2019530130の分割
【原出願日】2017-12-20
(31)【優先権主張番号】16207613.7
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】デフォレル コリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーラー ジュディス
(72)【発明者】
【氏名】ズーバー ジェラール
(57)【要約】
【課題】従来的な紙巻たばこに類似したニコチン送達を提供し、ユーザーによる液剤の取り扱いを必要としないエアロゾル発生物品を提供する。
【解決手段】繊維質材料、一種以上のニコチン塩および結合剤を含み、一種以上のニコチン塩の少なくとも約20重量%が一塩基である、シート(2)。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維質材料、一種以上のニコチン塩および結合剤を含むシートであって、前記一種以上のニコチン塩の少なくとも約20重量%が一塩基である、シート。
【請求項2】
乾燥質量基準で約1重量%~約10重量%の結合剤含有量を有する、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
一つ以上のガム結合剤を含む、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
グアーガム、キサンタンガムおよびアラビアゴムから成る群から選択される一つ以上の天然ガム結合剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシート。
【請求項5】
前記シートにおける結合剤とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比が、約2:1~約1:2である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシート。
【請求項6】
酢酸ニコチン、安息香酸ニコチン、没食子ニコチン、乳酸ニコチン、ラウリン酸ニコチン、レブチン酸ニコチン、パルミチン酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、ソルビン酸ニコチン、およびステアリン酸ニコチンから成る群から選択される一種以上のニコチン塩を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシート。
【請求項7】
糖をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシート。
【請求項8】
前記シートにおける還元糖と総糖との乾燥質量基準での重量比が、約1:2未満である、請求項7に記載のシート。
【請求項9】
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンから成る群から選択される一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシート。
【請求項10】
乾燥質量基準で約5重量パーセント未満のたばこ材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のシート。
【請求項11】
ラッパーによって囲まれた請求項1~10のいずれか一項に記載のシートの集合体を含むエアロゾル発生ロッド。
【請求項12】
前記シートが捲縮される、請求項11に記載のエアロゾル発生ロッド。
【請求項13】
エアロゾル形成基体を備え、前記エアロゾル形成基体が請求項11または12に記載のエアロゾル発生ロッドを含む、エアロゾル発生物品。
【請求項14】
可燃性熱源と、前記可燃性熱源の下流に位置するエアロゾル形成基体とを備えるエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル形成基体が請求項11または12に記載のエアロゾル発生ロッドを含む、エアロゾル発生物品。
【請求項15】
電気加熱式エアロゾル発生システムで使用するためのエアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル形成基体が請求項11または12に記載のエアロゾル発生ロッドを含む、エアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチンを含むシートに関連する。本発明はまた、ニコチンを含むシートの集合体を含むエアロゾル発生ロッド、およびこうしたロッドを含むエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品に関連する。
【背景技術】
【0002】
ユーザーによって吸入されるニコチン含有エアロゾルを形成するためにニコチンを含む液剤を気化させる電子たばこ(いわゆる「電子たばこ」)およびその他の電気的に作動する喫煙装置は、当業界で公知である。例えば、WO2009/132793A1号は、シェルおよび交換可能なマウスピースを含む電気加熱式の喫煙システムであって、シェルが電源および電気回路を含む電熱喫煙装置を開示する。マウスピースは液体貯蔵部分、その中の液体との接触のための液体貯蔵部に延びる第一の端を有する毛細管芯、および毛細管芯の第二の端を加熱するための発熱体を含む。使用時に、液体は芯内での毛細管作用によって、液体貯蔵部から発熱体に向かって移動される。液体は芯の第二の端で発熱体によって気化される。
【0003】
電子たばこで使用される液剤の取り扱いは、ユーザーにとって煩わしいかまたは好ましくないことがある。従来的な紙巻たばこに類似したニコチン送達を提供し、ユーザーによる液剤の取り扱いを必要としないエアロゾル発生物品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、繊維質材料、一種以上のニコチン塩および結合剤を含むシートが提供されている。
【0005】
本発明によれば、ラッパーによって囲まれた本発明によるシートの集合体を含むエアロゾル発生ロッドも提供されている。
【0006】
本発明によれば、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品がさらに提供されており、ここでエアロゾル形成基体は本発明によるエアロゾル発生ロッドを備える。
【0007】
本発明に関連して本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さよりも実質的に大きい幅および長さを有する薄層状の要素を意味する。
【0008】
本発明に関連して本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形または楕円形の断面の一般的に円柱状の要素を記述するために使用される。
【0009】
本発明に関連して本明細書で使用される「集合」という用語は、シートが、巻き込まれ、折り畳まれ、または他の方法でロッドの円筒軸方向に対して実質的に横方向に圧縮または収縮されていることを意味する。
【0010】
本発明によるシートは、流動性のある液体を含まない。その結果、本発明によるエアロゾル発生ロッドおよびエアロゾル発生物品のユーザーは、有利なことに、液剤を取り扱う必要がない。
【0011】
電子たばこは一般に、遊離ニコチン塩基を含む液剤を使用する。ニコチン塩は、遊離ニコチン塩基よりも安定しうる。結果として、本発明によるシートおよび本発明によるエアロゾル発生ロッドは、有利なことに、電子たばこで一般的に使用される液剤よりも長い貯蔵寿命を有しうる。
【0012】
本発明によるエアロゾル発生ロッドは、約300°C未満の温度にまで加熱された時にニコチン含有エアロゾルを生成しうる。例えば、本発明によるエアロゾル発生ロッドは、約250°C未満、または約220°C未満にまで加熱された時にニコチン含有エアロゾルを生成しうる。本発明によるエアロゾル発生ロッドは、低くとも約120°C~約140°Cの間にまで加熱された時にエアロゾルを生成しうる。その結果、有利なことに、本発明によるエアロゾル発生ロッドから高いレベルのニコチンを有するエアロゾルを生成するために、高い電池電力を備えた大規模な装置を使用する必要がなくなりうる。
【0013】
シートは一種以上のニコチン塩を含む。
【0014】
例えば、シートは、酢酸、安息香酸、炭酸、クエン酸、没食子酸、塩酸、乳酸、ラウリン酸、レブリン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、オキサロ酢酸、パルミチン酸、ピルビン酸、リン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ステアリン酸、硫酸および酒石酸から成る群から選択される酸の一種以上の塩を含んでもよい。
【0015】
有利なことに、シートはカルボン酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0016】
有利なことに、シートは、一種以上の一塩基ニコチン塩を含みうる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「一塩基ニコチン塩」という用語は、一塩基酸のニコチン塩を記述するために使用される。
【0018】
有利なことに、シートは一塩基カルボン酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0019】
有利なことに、シートは、酢酸、安息香酸、没食子酸、乳酸、ラウリン酸、レブリン酸、パルミチン酸、ピルビン酸、ソルビン酸、およびステアリン酸から成る群から選択される一塩基カルボン酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0020】
シートは、一種以上の多塩基ニコチン塩を含みうる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「多塩基ニコチン塩」という用語は、多塩基酸のニコチン塩を記述するために使用される。
【0022】
例えば、シートは、リンゴ酸、シュウ酸および酒石酸などの二塩基カルボン酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0023】
例えば、シートは、クエン酸などの三塩基カルボン酸のニコチン塩をさらに一つ含みうる。
【0024】
有利なことに、シートにおける一種以上のニコチン塩の少なくとも約20重量%は一塩基である。
【0025】
例えば、シートにおける一種以上のニコチン塩の少なくとも約30重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%は一塩基でありうる。
【0026】
有利なことに、シートは五つ以下のニコチン塩を含みうる。
【0027】
シートは、四つ以下のニコチン塩、三つ以下のニコチン塩、または二つ以下のニコチン塩を含みうる。
【0028】
有利なことに、シートにおける主要ニコチン塩と総ニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、少なくとも約2:3でありうる。
【0029】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「主要ニコチン塩」という用語は、シートにおける、乾燥質量基準で最大量のニコチン塩を記述するために使用される。
【0030】
シートにおける主要ニコチン塩と総ニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、少なくとも約3:4、少なくとも約4:5、または少なくとも約5:6であることが有利でありうる。
【0031】
有利には、シートは単一のニコチン塩を含みうる。
【0032】
シートは、単一の一塩基ニコチン塩を含みうることがより有利である。
【0033】
シートは、一塩基カルボン酸の単一のニコチン塩を含みうることが最も有利である。
【0034】
単一のニコチン塩を包含することにより、有利なことに、シートを含むエアロゾル発生ロッドを特定の温度および経時で加熱することによって形成されるエアロゾルをより良好に制御することが可能となりうる。
【0035】
有利なことに、シートは約150°C~約350°Cの大気沸点を有する酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0036】
有利なことに、シートは約230°C~約270°Cの大気沸点を有する酸の一種以上のニコチン塩を含みうる。
【0037】
有利なことに、シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約1重量%でありうる。
【0038】
有利なことに、シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約2重量%、または乾燥質量基準で少なくとも約3重量%でありうる。
【0039】
有利なことに、シートの総ニコチン塩含有量は乾燥質量基準で約30重量%未満でありうる。
【0040】
シートの総ニコチン塩含有量は、有利なことに、乾燥質量基準で約30重量%未満、乾燥質量基準で約20重量%未満、乾燥質量基準で約10重量%未満、または乾燥質量基準で約6重量%未満でありうる。
【0041】
シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約5重量%未満、または乾燥質量基準で約4重量%未満でありうる。
【0042】
シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約1重量%~約30重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約20重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約10重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約6重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約5重量%の間、または乾燥質量基準で約1重量%~約4重量%の間でありうる。
【0043】
シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約2重量%~約30重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約20重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約10重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約6重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約5重量%の間、または乾燥質量基準で約2重量%~約4重量%の間でありうる。
【0044】
シートの総ニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約3重量%~約30重量%の間、乾燥質量基準で約3重量%~約20重量%の間、乾燥質量基準で約3重量%~約10重量%の間、乾燥質量基準で約3重量%~約6重量%の間、乾燥質量基準で約3重量%~約5重量%の間、または乾燥質量基準で約3重量%~約4重量%の間でありうる。
【0045】
有利なことに、シートのたばこニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約0.5重量%未満でありうる。
【0046】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「たばこニコチン塩」という用語は、シートにおける任意のたばこ材料の天然のニコチン塩を記述するために使用される。
【0047】
シートのたばこニコチン塩含有量は、乾燥質量基準で約0.4重量%未満、乾燥質量基準で約0.3重量%未満、乾燥質量基準で約0.2重量%未満、または乾燥質量基準で約0.1重量%未満でありうる。
【0048】
有利なことに、シートにおけるたばこニコチン塩と総ニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約1:5未満でありうる。
【0049】
シートにおけるたばこニコチン塩と総ニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約1:10未満、約1:15未満、または約1:25未満でありうる。
【0050】
シートは実質的にたばこニコチン塩を含まない場合がある。
【0051】
本明細書で列挙したニコチン塩の重量パーセントおよび重量比は、液体クロマトグラフィーによって測定されるものである。
【0052】
シートは結合剤を含む。
【0053】
結合剤の包含により、有利なことに、シートの製造が容易になりうる。
【0054】
結合剤の包含により、結合剤が含まれていないシートと比較して、有利なことに、シートの均質性が改善しうる。
【0055】
シートはガム結合剤を含んでもよい。
【0056】
有利なことに、シートは天然ガム結合剤を含みうる。
【0057】
有利なことに、シートは、グアーガム、キサンタンガムおよびアラビアゴムから成る群から選択される一つ以上の天然ガム結合剤を含みうる。
【0058】
有利なことに、シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約1重量%でありうる。
【0059】
シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約2重量%でありうる。
【0060】
有利なことに、シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で約10重量%未満でありうる。
【0061】
シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で約8重量%未満、乾燥質量基準で約6重量%未満、または乾燥質量基準で約4重量%未満でありうる。
【0062】
シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で約1重量%~約10重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約8重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約6重量%の間、または乾燥質量基準で約1重量%~約4重量%の間でありうる。
【0063】
シートの結合剤含有量は、乾燥質量基準で約2重量%~約10重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約8重量%の間、乾燥質量基準で約2重量%~約6重量%の間、または乾燥質量基準で約2重量%~約4重量%の間でありうる。
【0064】
有利なことに、シートにおける結合剤とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約2:1~約1:2の間、または約3:2~約2:3の間でありうる。
【0065】
シートは繊維質材料を含む。
【0066】
有利なことに、繊維質材料はセルロース繊維またはナイロンを含みうる。
【0067】
繊維質材料はセルロース繊維を含みうることがより好ましい。
【0068】
有利なことに、シートの総繊維質材料含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約1重量%でありうる。
【0069】
有利なことに、シートの総繊維質材料含有量は、乾燥質量基準で約70重量%未満でありうる。
【0070】
シートの総繊維質材料含有量は、乾燥質量基準で約60重量%未満、乾燥質量基準で約50重量%未満、乾燥質量基準で約40重量%未満、乾燥質量基準で約30重量%未満、乾燥質量基準で約20重量%未満、または乾燥質量基準で約10重量%未満でありうる。
【0071】
シートの総繊維質材料含有量は、乾燥質量基準で約1重量%~約70重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約60重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約50重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約30重量%の間、乾燥質量基準で約1重量%~約20重量%の間、または乾燥質量基準で約30重量%~約10重量%の間でありうる。
【0072】
有利なことに、シートにおける繊維質材料とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約30:1~約1:5の間、または約15:1~約1:3の間でありうる。
【0073】
有利なことに、シートにおける繊維質材料と結合剤との乾燥質量基準での重量比は、約25:1~約1:3の間、または約10:1~約1:2の間でありうる。
【0074】
有利なことに、シートはセルロース粉末をさらに含みうる。
【0075】
有利なことに、セルロース粉末は約60ミクロン未満の平均粒子サイズを有しうる。約60ミクロン未満の平均粒子サイズを有するセルロース粉末の包含により、シートの形成が容易になりうる。
【0076】
有利なことに、シートにおけるセルロース粉末と総セルロース系材料との乾燥質量基準での重量比は、約1:2より大きくてもよい。
【0077】
シートにおけるセルロース粉末と総セルロース系材料との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約2:3より大きく、約3:4より大きく、約4:5より大きく、または約5:6より大きくてもよい。
【0078】
有利なことに、シートにおけるセルロース粉末とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約18:1~約5:1の間、または約16:1~約8:1の間でありうる。
【0079】
有利なことに、シート内のセルロース粉末と結合剤との乾燥質量基準での重量比は、約20:1~約10:1の間、または約18:1~約12:1の間でありうる。
【0080】
有利なことに、シートにおけるセルロース粉末と繊維質材料との乾燥質量基準での重量比は、約30:1~約10:1の間、または約25:1~約15:1の間でありうる。
【0081】
有利なことに、シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約30重量%でありうる。
【0082】
シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約35重量%、または乾燥質量基準で少なくとも約40重量%でありうる。
【0083】
有利なことに、シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で約60重量%未満でありうる。
【0084】
シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で約55重量%未満、または乾燥質量基準で約50重量%未満でありうる。
【0085】
シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で約30重量%~約60重量%の間、乾燥質量基準で約30重量%~約55重量%の間、または乾燥質量基準で約30重量%~約50重量%の間でありうる。
【0086】
シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で約35重量%~約60重量%の間、乾燥質量基準で約35重量%~約55重量%の間、または乾燥質量基準で約35重量%~約50重量%の間でありうる。
【0087】
シートの総セルロース系材料含有量は、乾燥質量基準で約40重量%~約60重量%の間、乾燥質量基準で約40重量%~約55重量%の間、または乾燥質量基準で約40重量%~約50重量%の間でありうる。
【0088】
有利なことに、シートはさらに、糖を含んでもよい。
【0089】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「糖」という用語は、単糖類、二糖類、3~10個の単糖単位および糖アルコールを含む少糖類を記述するために使用される。
【0090】
糖の包含により、糖が含まれていないシートと比較して、有利なことに、シートの展性および柔軟性が有利に改善しうる。これは、シートの集合を容易にしてロッドを形成しうる。
【0091】
シートは、有利なことに、二糖類および糖アルコールから成る群から選択される一種以上の糖を含みうる。
【0092】
例えば、シートは、ラクトース、スクロースおよびトレハロースなどの一種以上の二糖類、マンニトールおよびソルビトールなどの一種以上の糖アルコール、または一種以上の二糖類および一種以上の糖アルコールの組み合わせを含みうる。
【0093】
有利なことに、シートにおける還元糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、約1:2未満でありうる。
【0094】
本明細書で列挙した糖の重量パーセントおよび重量比は、液体クロマトグラフィーによって測定されるものである。
【0095】
シートにおける還元糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約1:4未満、約1:6未満、約1:8未満、または約1:10未満でありうる。
【0096】
シートは、実質的に還元糖を含まない場合がある。
【0097】
有利なことに、シートにおける環式糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、約1:3未満でありうる。
【0098】
シートにおける環式糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約1:4未満、約1:6未満、約1:8未満、または約1:10未満でありうる。
【0099】
シートは、実質的に環式糖を含まない場合がある。
【0100】
有利なことに、シートにおけるホルムアルデヒド生成糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、約1:3未満でありうる。
【0101】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ホルムアルデヒド発生糖」という用語は、熱分解がホルムアルデヒドの形成につながる可能性がある糖を記述するために使用される。
【0102】
シートにおけるホルムアルデヒド生成糖と総糖との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約1:4未満、約1:6未満、約1:8未満、または約1:10未満でありうる。
【0103】
シートは、実質的にホルムアルデヒド発生糖を含まない場合がある。
【0104】
有利なことに、シートは一種以上の糖アルコールを含みうる。
【0105】
有利なことに、シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約10重量%でありうる。
【0106】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約15重量%、乾燥質量基準で少なくとも約20重量%、または乾燥質量基準で少なくとも約25重量%でありうる。
【0107】
有利なことに、シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約40重量%未満でありうる。
【0108】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約35重量%未満、または乾燥質量基準で約30重量%未満でありうる。
【0109】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約10重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約10重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約10重量%~約30重量%の間でありうる。
【0110】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約15重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約15重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約15重量%~約30重量%の間でありうる。
【0111】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約20重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約20重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約20重量%~約30重量%の間でありうる。
【0112】
シートの糖アルコール含有量は、乾燥質量基準で約25重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約25重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約25重量%~約30重量%の間でありうる。
【0113】
有利なことに、シートはマンニトール、ソルビトール、またはそれらの組み合わせを含みうる。
【0114】
シートはマンニトールを含みうることがより有利である。
【0115】
ソルビトールおよびマンニトールの熱分解は、有利なことに、ホルムアルデヒドの形成につながらない。
【0116】
有利なことに、シートにおける糖アルコールと総糖との重量比は、少なくとも約2:3でありうる。
【0117】
シートにおける糖アルコールと総糖との乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、少なくとも約3:4、少なくとも約4:5、または少なくとも約5:6でありうる。
【0118】
有利なことに、シートの総糖含有量は乾燥質量基準で少なくとも約15重量%でありうる。
【0119】
シートの総糖含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約20重量%、乾燥質量基準で少なくとも約25重量%、または乾燥質量基準で少なくとも約30重量%でありうる。
【0120】
有利なことに、シートの総糖含有量は乾燥質量基準で約45重量%未満でありうる。
【0121】
シートの総糖含有量は乾燥質量基準で約40重量%未満、乾燥質量基準で約35重量%未満、または乾燥質量基準で約30重量%未満でありうる。
【0122】
シートの総糖含有量は、乾燥質量基準で約15重量%~約45重量%の間、乾燥質量基準で約15重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約15重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約15重量%~約30重量%の間でありうる。
【0123】
シートの総糖含有量は、乾燥質量基準で約20重量%~約45重量%の間、乾燥質量基準で約20重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約20重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約20重量%~約30重量%の間でありうる。
【0124】
シートの総糖含有量は、乾燥質量基準で約25重量%~約45重量%の間、乾燥質量基準で約25重量%~約40重量%の間、乾燥質量基準で約25重量%~約35重量%の間、または乾燥質量基準で約25重量%~約30重量%の間でありうる。
【0125】
有利なことに、シートのフルクトースおよびグルコースの組み合わせの含有量は、乾燥質量基準で約5重量%未満でありうる。
【0126】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「組み合わされたフルクトースおよびグルコースの組み合わせの含有量」という用語は、シートにおけるフルクトースおよびグルコースの重量パーセントを記述するために使用される。
【0127】
シートのフルクトースとグルコースの組み合わせの含有量は、乾燥質量基準で約3重量%未満、乾燥質量基準で約2重量%未満、または乾燥質量基準で約1重量%未満でありうる。
【0128】
有利なことに、シートにおけるフルクトースおよびグルコースと総糖との乾燥質量基準での重量比は、約1:5未満でありうる。
【0129】
有利なことに、シートにおけるフルクトースおよびグルコースと総糖との乾燥質量基準での重量比は、約1:10未満、約1:15未満、または約1:25未満でありうる。
【0130】
シートは実質的にフルクトースまたはグルコースを含まない場合がある。
【0131】
有利なことに、シートにおける糖とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約12:1~約5:2の間、または約10:1~約5:1の間でありうる。
【0132】
有利なことに、シートにおける糖と結合剤との乾燥質量基準での重量比は、約15:1~約5:1の間、または約12:1~約8:1の間でありうる。
【0133】
有利なことに、シートにおける糖と繊維質材料との乾燥質量基準での重量比は、約25:1~約1:3の間、または約20:1~約1:2の間でありうる。
【0134】
有利なことに、シートにおける糖とセルロース粉末との乾燥質量基準での重量比は、約4:3~約1:2の間、または約1:1~約5:9の間でありうる。
【0135】
有利なことに、シートは少なくとも一つのエアロゾル形成体をさらに含みうる。
【0136】
エアロゾル形成体の包含により、有利なことに、シートを含むエアロゾル発生ロッド上の加熱に伴うニコチン含有エアロゾルの形成が容易になりうる。
【0137】
少なくとも一つのエアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、シートを含むエアロゾル形成基体を含むエアロゾル生成物品の使用温度で実質的に熱劣化耐性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物としうる。
【0138】
適切なエアロゾル形成体は当業界で公知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これらに限定されない。
【0139】
有利には、シートは、一種以上の多価アルコールを含みうる。
【0140】
シートは、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンから成る群から選択される一つ以上のエアロゾル形成体を含みうることがより有利である。
【0141】
シートのエアロゾル形成体含有量は、有利なことに、乾燥質量基準で少なくとも約5重量%でありうる。
【0142】
シートのエアロゾル形成体含有量は、乾燥質量基準で少なくとも約10重量%、または乾燥質量基準で少なくとも約15重量%でありうる。
【0143】
シートのエアロゾル形成体含有量は、有利なことに、乾燥質量基準で約35重量%未満でありうる。
【0144】
シートのエアロゾル形成体含有量は、乾燥質量基準で約30重量%未満、または乾燥質量基準で約25重量%未満でありうる。
【0145】
シートのエアロゾル形成体含有量は、乾燥質量基準で約5重量%~約35重量%の間、乾燥質量基準で約5重量%~約30重量%の間、または乾燥質量基準で約5重量%~約25重量%の間でありうる。
【0146】
シートのエアロゾル形成体含有量は、乾燥質量基準で約10重量%~約35重量%の間、乾燥質量基準で約10重量%~約30重量%の間、または乾燥質量基準で約10重量%~約25重量%の間でありうる。
【0147】
シートのエアロゾル形成体含有量は、乾燥質量基準で約15重量%~約35重量%の間、乾燥質量基準で約15重量%~約30重量%の間、または乾燥質量基準で約15重量%~約25重量%の間でありうる。
【0148】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比は、約15:1~約3:1の間、または約10:1~約4:1の間でありうる。
【0149】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体と結合剤との乾燥質量基準での重量比は、約15:1~約1:4の間、または約10:1~約1:3の間でありうる。
【0150】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体と繊維質材料との乾燥質量基準での重量比は、約15:1~約1:4の間、または約8:1~約1:2の間でありうる。
【0151】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体とセルロース粉末との乾燥質量基準での重量比は、約2:3~約1:3の間、または約1:2~約2:5の間でありうる。
【0152】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体と糖との乾燥質量基準での重量比は、約2:3~約1:3、または約1:2~約2:5の間でありうる。
【0153】
有利なことに、シートにおけるエアロゾル形成体と総ニコチンとの乾燥質量基準での重量比は、約15:1未満でありうる。
【0154】
シートにおけるエアロゾル形成体と総ニコチンとの乾燥質量基準での重量比は、有利なことに、約3:1~約10:1の間、または約4:1~約8:1の間でありうる。
【0155】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「総ニコチン」という用語は、シートにおけるニコチン、ニコチン塩基、およびニコチン塩を記述するために使用される。
【0156】
電子たばこは一般に、エアロゾル形成体とニコチンとの乾燥質量基準での重量比が約20:1~約100:1の範囲である液剤を使用する。こうした液剤を加熱すると、低いニコチン濃度を有するエアロゾルが発生されうる。その結果、ユーザーは所望のニコチン摂取量を提供するために、より深くより長い吸煙をするようになりうる。
【0157】
シートは、一つ以上の風味剤をさらに含んでもよい。
【0158】
本発明に関して本明細書に使用される場合、「風味剤」という用語は、使用時に、シートを含むエアロゾル形成基体によって生成されるエアロゾルに味覚または芳香の一方または両方を付与する任意の薬剤を記述するために使用される。
【0159】
シートは、一つ以上の天然風味剤、一つ以上の人工風味剤または一つ以上の天然風味剤および一つ以上の人工風味剤の組み合わせをさらに含んでもよい。
【0160】
例えば、シートは、メントール、レモン、バニラ、オレンジ、ウインターグリーン、チェリー、およびシナモンから成る群から選択される風味を提供する一つ以上の風味剤を含みうる。
【0161】
シートは、一つ以上の化学感覚剤をさらに含んでもよい。
【0162】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「化学感覚剤」という用語は、使用時に、味覚受容体または嗅覚受容体細胞を介した知覚以外の、またはそれに加えた手段によってユーザーの口または嗅空洞において知覚される任意の薬剤を記述するために使用される。化学感覚剤の知覚は、三叉神経、舌咽神経、迷走神経またはこれらのいくつかの組み合わせのいずれかを経て、典型的には「三叉神経応答」を経る。典型的には、化学感覚剤は、辛い、香辛料のきいた、冷却するまたは和らげる感覚として知覚される。
【0163】
シートは、風味剤および化学感覚剤の両方である一つ以上の薬剤を含みうる。例えば、シートは、冷却する化学感覚効果を提供するメントールまたはもう一つの風味剤を含んでもよい。
【0164】
本発明に関して本明細書で使用される場合、「メントール」という用語は、その異性体のいずれかにおける化合物2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノールを記述するために使用される。
【0165】
有利なことに、シートは、乾燥質量基準で約15重量%未満のたばこ材料を含みうる。
【0166】
有利なことに、シートのたばこ材料含有量は、乾燥質量基準で約10重量%未満、乾燥質量基準で約5重量%未満、乾燥質量基準で約3重量%未満、乾燥質量基準で約2重量%未満、または乾燥質量基準で約3重量%未満でありうる。
シートは実質的にたばこ材料を含まない場合がある。
【0167】
シートの幅は少なくとも約20mmでありうる。
【0168】
有利なことに、シートの幅は、少なくとも約40mm、少なくとも約60mm、または少なくとも約80mmでありうる。
【0169】
シートの幅は、約20mm~約300mmの間、約40mm~約300mmの間、約60mm~約300mmの間、または約80mm~約300mmの間でありうる。
【0170】
シートの厚さは少なくとも約50ミクロンでありうる。
【0171】
有利なことに、シートの厚さは、少なくとも約75ミクロン、少なくとも約100ミクロン、または少なくとも約125ミクロンでありうる。
【0172】
シートの厚さは、約50ミクロン~約300ミクロンの間、約75ミクロン~約300ミクロンの間、約100ミクロン~約300ミクロンの間、または約125ミクロン~約300ミクロンの間でありうる。
【0173】
シートは、繊維質材料および結合剤を含む層状の基体に一種以上のニコチン塩および糖を塗布することによって形成されうる。例えば、シートは、一種以上のニコチン塩を含む液剤を結合剤を含む繊維質材料のシートに塗布することによって形成されうる。
【0174】
シートは、繊維質材料、一種以上のニコチン塩および結合剤を含むスラリーを支持面上に流し込み、キャストスラリーを乾燥してシートを形成し、シートを支持面から除去することで形成されうる。
【0175】
エアロゾル発生ロッドは、ラッパーによって囲まれた本発明によるシートの集合体を備える。
【0176】
シートの集合体は、実質的にエアロゾル発生ロッドの全長に沿って、かつ実質的にエアロゾル発生ロッドの断面積全体を横切って延びることが好ましい。
【0177】
有利なことに、シートはきめを施しうる。これは、シートの集合を容易にしてエアロゾル発生ロッドを形成する。
【0178】
本発明に関連して本明細書で使用される「きめのあるシート」という用語は、捲縮され、型押しされ、デボス加工され、穿孔され、または別途変形されたシートを説明するために使用される。きめのあるシートは、複数の間隔を置いたへこみ、突起、穿孔またはそれらの組み合わせを含みうる。
【0179】
シートは捲縮されうることがより有利である。
【0180】
本発明に関連して本明細書で使用される「捲縮したシート」という用語は、「しわ付けしたシート」という用語と同義語であることが意図され、複数の実質的に平行な隆起または波型形状を有するシートを記述するために使用される。
【0181】
有利なことに、捲縮したシートは、実質的にエアロゾル発生ロッドの円筒軸に平行な複数の隆起または波型形状を有しうる。これは、捲縮したシートの集合を容易にしてエアロゾル発生ロッドを形成する。
【0182】
シートは、フィルタートウ、紙およびその他の材料にきめを施すための適切な公知の機械類を使用してきめを施してもよい。
【0183】
シートは、回転可能な一対の捲縮ローラーを備えるCH-A-691156号に記載されているタイプの捲縮ユニットを使用して捲縮しうる。ところが、当然のことながら、シートは、シートを変形または穿孔するその他の適切な機械類およびプロセスを使用してきめを施してもよい。
【0184】
シート内の糖の包含により、有利なことに、シートにきめを施すことが容易になりうる。
【0185】
エアロゾル発生ロッドは、従来式の紙巻たばこフィルター製造機械を使用して製造されうる。
【0186】
例えば、ラッパーで囲まれた本発明によるシートの集合体を含むエアロゾル発生ロッドは、CH-A-691156号に記載されているタイプの捲縮した紙シートの集合体を含む、フィルターロッドを形成するための機械類を使用して製造されうる。
【0187】
エアロゾル発生ロッドを形成する方法は、本発明による連続的なシートを供給する工程と、連続的なシートをその長軸方向に対して横方向に集合させる工程と、集合させた連続的なシートをラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程と、連続的なロッドを複数の個々のエアロゾル発生ロッドに切断する工程と、を含みうる。
【0188】
有利なことに、エアロゾル発生ロッドは実質的に均一な断面でありうる。
【0189】
エアロゾル発生ロッドのロッド長さは、有利なことに、約5mm~約25mmの間、約5mm~約20mmの間、または約5mm~約15mmの間でありうる。
【0190】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ロッド長さ」という用語は、エアロゾル発生ロッドの円筒軸の方向における最大寸法を記述するために使用される。
【0191】
エアロゾル発生ロッドのロッド直径は、有利なことに、約6mm~約10mmの間、約6mm~約9mmの間、または約6mm~約8mmの間でありうる。
【0192】
本発明に関連して本明細書で使用される場合、「ロッド直径」という用語は、エアロゾル発生ロッドの円筒軸に対して実質的に直角をなす方向における最大寸法を記述するために使用される。
【0193】
エアロゾル発生ロッドは、多孔性ラッパーによって囲まれた本発明によるシートの集合体を含んでもよい。
【0194】
エアロゾル発生ロッドは、非多孔性ラッパーによって囲まれた本発明によるシートの集合体を含んでもよい。
【0195】
エアロゾル発生ロッドは、エアロゾル発生物品の構成部品として使用されうる。
【0196】
エアロゾル発生ロッドは、有利なことに、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用されうる。
【0197】
エアロゾル発生ロッドは、加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として特に有利に使用されうる。
【0198】
本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱に伴い揮発性化合物を放出してエアロゾルを生成する能力を有する物質を記述するために使用される。
【0199】
吸入可能なニコチン含有エアロゾルは、エアロゾル発生ロッドを含むエアロゾル発生基体の加熱に伴い生成される。
【0200】
エアロゾル形成基体が燃焼するよりはむしろ加熱される多くのエアロゾル発生物品が、当業界において提唱されてきた。加熱式エアロゾル発生物品では通常、エアロゾルは、熱源、例えば、化学的、電気的または可燃性の熱源から、熱源の内部、周囲、または下流に位置しうる物理的に分離されたエアロゾル発生基体に熱伝達することにより生成される。
【0201】
エアロゾル発生ロッドは、可燃性熱源および可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基体を含む加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として使用されうる。
【0202】
例えば、エアロゾル発生ロッドは、WO2009/022232A2号で開示されたタイプの加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として使用されうるが、これは可燃性炭素系熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基体と、可燃性炭素系熱源の後方部分およびエアロゾル発生基体の隣接した前方部分の周りにありそれらと接触した熱伝導性要素と、を備える。当然のことながら、エアロゾル発生ロッドはまた、その他の構造を有する可燃性熱源を含む加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として使用されうる。
【0203】
エアロゾル発生ロッドは、加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体が電気的な熱源により加熱される電気的に作動するエアロゾル発生システムで使用するための加熱式エアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として使用されうる。
【0204】
例えば、エアロゾル発生ロッドは、EP0822760A2号で開示されたタイプのエアロゾル発生物品でエアロゾル発生基体として使用されうる。
【0205】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生ロッドおよび一つ以上のその他の要素を含むエアロゾル形成基体を備えうる。
【0206】
一つ以上のその他の要素には、支持要素、スペーサー要素、エアロゾル冷却要素、およびマウスピースのうちの一つ以上が含まれうる。
【0207】

本発明によるシートは、表1に示す組成物を有して調製される。
【0208】
【表1】

シートを調製するために、セルロース繊維、グリセリン、ニコチン乳酸(溶液)および水をタンク内に配置し、1000rpmの速度で1分間攪拌する。別の容器では、セルロース粉末、ソルビトールおよびグアーガムが手動で予混合される。予混合されたセルロース粉末、ソルビトールおよびグアーガムは、セルロース繊維、グリセリン、ニコチン乳酸(溶液)および水を含むタンクに添加される。得られた混合物を、5000rpmの速度で4分間、真空(0.8mbar)下で攪拌する。
【0209】
得られたスラリーを、支持面上に流し込んだ後に乾燥させてシートを形成する。
【0210】
シートの厚さは約175ミクロンである。
【0211】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0212】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生ロッドを形成するための器具の概略断面を示す。
図2図2は、本発明によるエアロゾル発生物品の実施形態を示す。
図3図3は、本発明によるエアロゾル発生物品の実施形態を示す。
図4図4は、本発明によるエアロゾル発生物品の実施形態を示す。
図5図5は、図2に示した電気的に作動するエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムを示す。
図6図6は、図5に示した電気的に作動するエアロゾル発生装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0213】
図1に示す器具は一般的に、本発明による連続的なシートを供給する供給手段と、連続的なシートを捲縮する捲縮手段と、連続的な捲縮したシートを集合させて、集合した材料をラッパーで囲んで連続的なロッドを形成するロッド形成手段と、連続的なロッドを複数の個々のエアロゾル発生ロッドに切断する切断手段と、を含む。器具はまた、供給手段からロッド形成手段へ捲縮手段を経由して、器具を通して下流に、連続的なシートを搬送する搬送手段を含む。
【0214】
図1に示す通り、連続的なシートを供給するための供給手段は、ボビン4に取り付けられた本発明による連続的なシート2を含む。
【0215】
捲縮手段は1対の回転可能な捲縮ローラー6を含む。使用中、連続的なシート2は第一のボビン4から引き出され、一対の捲縮ローラー6まで、一連のガイドおよびテンションローラーを経由して搬送機構によって下流に搬送される。連続的なシート2が一対の捲縮ローラー6間に供給されると、捲縮ローラーが噛み合い、シート2を捲縮して、器具を通して、シートの長軸方向軸に対して実質的に平行な複数の間隙を介した隆起または波型形状を有する、連続的な捲縮したシート8を形成する。
【0216】
連続的に捲縮したシート8は、1対の捲縮ローラー6からロッド形成手段へと下流に搬送され、そこで先細の漏斗またはホーン10を通して供給される。先細の漏斗10は、連続的なシート8をその長軸方向の軸に対して横方向に集合させる。材料シート8は、先細の漏斗10を通過する際は実質的に円筒形の構造であると想定される。
【0217】
先細の漏斗10を出ると、シートの集合体は、ラッパー材料12の連続的なシートで包まれる。ラッパーは紙ラッパーであり、ボビン14から供給され、エンドレスベルトコンベアまたは装具によって、連続的に捲縮したシートの集合体の周りで包まれる。図1に示す通り、ロッド形成手段は、ラッパーの対向にある長軸方向の端が接触すると互いに接着して連続的なロッドを形成するように、ラッパーの長軸方向の端のうち片方に接着剤を塗布する接着剤塗布手段16を含む。
【0218】
ロッド形成手段は、接着剤塗布手段16の下流にある乾燥手段18をさらに含むが、これは使用中に、連続的なロッドがロッド形成手段から切断手段へと下流に搬送される際に、連続的なロッドの継ぎ目に塗布された接着剤を乾燥させる。
【0219】
切断手段は、連続的なロッドを単位ロッド長さまたは複数単位ロッド長さの複数の個々のエアロゾル発生ロッド22に切断するロータリーカッター20を含む。
【0220】
図2は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品1000を示す。エアロゾル発生物品1000は、エアロゾル発生ロッドを含むエアロゾル形成基体1020、中空のセルロースアセテートチューブ1030、スペーサー要素1040、およびマウスピースフィルター1050を備える。エアロゾル形成基体1020、中空のセルロースアセテートチューブ1030、スペーサー要素1040およびマウスピースフィルター1050は、順に同軸に配置され、外側ラッパー1060によって囲まれて、エアロゾル発生物品1000を形成する。エアロゾル発生物品1000は、ユーザーが使用中に自分の口の中へと挿入する口側の端1012と、エアロゾル発生物品100の口側の端1012の反対側の端に位置する遠位端1013とを有する。図2に示したエアロゾル発生物品1000は、エアロゾル形成基体1020を加熱するためのヒーターを含む電気的に作動するエアロゾル発生装置との併用に特に適切である。
【0221】
エアロゾル形成基体1020は、ラッパーによって囲まれた本発明による捲縮したシートの集合体を含む、本発明によるエアロゾル発生ロッドを含む。
【0222】
図2に示すエアロゾル発生物品1000は、エアロゾル形成基体1020をエアロゾルを形成するのに十分な温度にまで加熱するための手段を含むエアロゾル発生装置と係合するように設計されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体1020に隣接したエアロゾル発生物品1000を囲む発熱体、またはエアロゾル形成基体1020に挿入される発熱体を備えうる。
【0223】
エアロゾル発生装置と係合すると、エアロゾル形成基体1020は約220°Cの温度にまで加熱される。この温度でニコチン含有エアロゾルが生成される。ユーザーはエアロゾル発生物品1000の口側の端1012で吸い込み、エアロゾルが中空のセルロースアセテートチューブ1030、スペーサー要素1040およびマウスピースフィルター1050を通して下流に引き出され、ユーザーの口内に入る。
【0224】
図3は、本発明の第二の実施形態によるエアロゾル発生物品5000を示す。エアロゾル発生物品5000は、エアロゾル形成基体5020、支持要素5030、エアロゾル冷却要素5040およびマウスピース5050を備える。エアロゾル形成基体5020、支持要素5030、エアロゾル冷却要素5040、およびマウスピース5050は、同軸に順番どおりに配置され、外側ラッパー5060によって囲まれて、エアロゾル発生物品5000を形成する。エアロゾル発生物品5000は口側の端5070を有し、ユーザーは使用中にその端を口の中に挿入し、遠位端5080は口側の端5070に対してエアロゾル発生物品5000の反対側の端に位置する。
【0225】
使用においては、エアロゾル形成基体5020から放出される揮発性物質は、エアロゾル発生物品5000の口側端5070に向かって、エアロゾル冷却要素5040に沿って通過する。揮発性物質は、エアロゾル冷却要素5040内で冷却してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成してもよい。図5に示した実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ラッパーによって囲まれたポリ乳酸の捲縮したシートの集合体を含む。エアロゾル形成基体5020は、ラッパーによって囲まれた本発明による捲縮したシートの集合体を含む、本発明によるエアロゾル発生ロッドを含む。
【0226】
図4は、本発明の第三の実施形態によるエアロゾル発生物品1001を示す。図2および3に示す本発明の第一および第二の実施形態によるエアロゾル発生物品とは異なり、図4に示すエアロゾル発生物品1001は、点火されるとエアロゾル形成基体1020への伝導によって熱を伝達して吸入可能なエアロゾルを発生させる、可燃性熱源1080を含む。可燃性熱源1080は、エアロゾル発生物品1001の遠位端1013でエアロゾル形成基体に近接して位置する炭素質熱源である。図2に示すエアロゾル発生物品の要素と本質的に同じ図4に示すエアロゾル発生物品の要素には、図2の物品と同じ番号が付けられている。
【0227】
図5は、エアロゾル発生物品1000のエアロゾル発生基体1020を加熱するための加熱用ブレード2100を使用した電気的に作動するエアロゾル発生システム2000の一部を示す。加熱用ブレードは、電気的に作動するエアロゾル発生装置2010のエアロゾル物品受入れチャンバ内に取り付けられる。エアロゾル発生装置2010は、空気がエアロゾル発生物品1000に流れるようにするための複数の空気穴2050を画定する。空気の流れは、図5で矢印で表示されている。エアロゾル発生装置2100は電源および電子部品を含むが、図5では図示されていない。図5に示すエアロゾル発生物品1000の構造は、図2に示す第一の実施形態によるエアロゾル発生物品1000と同一である。
【0228】
図6において、エアロゾル発生装置2010の構成要素は、簡略化された方法で示されている。エアロゾル発生装置2010の構成要素は、図6におけるスケールで描かれておらず、実施形態の理解に関連しない構成要素は図6を簡略化するために省略されている。
【0229】
図6に示したように、エアロゾル発生装置2010はハウジング6130を含む。発熱体6120は、ハウジング6130内のエアロゾル発生物品受入れチャンバ内に取り付けられる。エアロゾル発生物品1000(図6に破線によって示す)は、発熱体6120がエアロゾル発生物品1000のエアロゾル形成基体1020の中に直接挿入されるように、エアロゾル発生装置2010のハウジング6130内のエアロゾル発生物品受入れチャンバの中に挿入される。
【0230】
ハウジング6130内には、電気エネルギー供給源6140、例えば再充電可能リチウムイオン電池がある。コントローラ6150は、発熱体6120、電気エネルギー供給源6140およびユーザーインタフェース6160、例えばボタンまたはディスプレイに接続される。コントローラ6150は、その温度を調節するために発熱体6120に供給される電力を制御する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基体を含むエアロゾル発生物品であって、前記エアロゾル発生基体は、繊維質材料、一種以上のニコチン塩および結合剤を含むシートを含み、前記シートの総ニコチン塩含量が乾燥質量基準で1重量%~6重量%であり、乾燥質量基準で8重量%未満の結合剤含有量を有する、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記シートが乾燥質量基準で1重量%~8重量%の結合剤含有量を有する、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記シートが一つ以上のガム結合剤を含む、請求項1または2に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
前記シートがグアーガム、キサンタンガムおよびアラビアゴムから成る群から選択される一つ以上の天然ガム結合剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項5】
前記シートにおける結合剤とニコチン塩との乾燥質量基準での重量比が、2:1~1:2である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記シートが酢酸ニコチン、安息香酸ニコチン、没食子ニコチン、乳酸ニコチン、ラウリン酸ニコチン、レブチン酸ニコチン、パルミチン酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、ソルビン酸ニコチン、およびステアリン酸ニコチンから成る群から選択される一種以上のニコチン塩を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記シートが糖をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記シートがプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンから成る群から選択される一つ以上のエアロゾル形成体をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記シートが乾燥質量基準で2重量パーセント未満のたばこ材料を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記シートがたばこ材料を含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記シートが集合され、集合された前記シートがラッパーによって囲まれて、エアロゾル発生ロッドを形成する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
可燃性熱源と、前記可燃性熱源の下流に位置する前記エアロゾル発生基体とを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
電気加熱式エアロゾル発生システムで使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。