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特開2023-145754無線周波数及び磁気エネルギーによる生物学的構造の美的処置の方法及びデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145754
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】無線周波数及び磁気エネルギーによる生物学的構造の美的処置の方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61N 2/04 20060101AFI20231003BHJP
   A61N 1/32 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
A61N2/04
A61N1/32
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128965
(22)【出願日】2023-08-08
(62)【分割の表示】P 2022120069の分割
【原出願日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】62/832,688
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/832,738
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/932,259
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.VELCRO
(71)【出願人】
【識別番号】522292596
【氏名又は名称】ビーティーエル メディカル ソリューションズ エー.エス.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラング フランチシェク
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ トマーシュ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】最大の相乗効果を伴ってRF及び磁気処置を提供し、送出される磁場及びRF(電磁)場の安全性及び効率も保持する解決策を提供する。
【解決手段】時変性磁場による筋肉収縮を誘起することによって磁気処置を提供し、生物学的構造を加熱することによってRF処置を提供するデバイスは、RF電極及び磁場発生デバイス900を有するアプリケーター800を備える。デバイスは、主ユニット、ヒューマンマシンインターフェース、及び制御ユニットを備えることもできる。制御ユニットは、RF電極に提供される信号を調整し、RF回路を作成し、また、磁場発生デバイスに提供される信号を調整し、RF回路から電気絶縁された磁気回路を作成する。RF回路は、電力源及び電力増幅器を備えることができ、磁気回路は、磁場発生デバイスに電流を供給するエネルギー貯蔵部を備えることができる。
【選択図】図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対して磁気及びRF処置を提供するデバイスであって、
磁場発生デバイスと、
RF電極と、
を備え、
前記磁場発生デバイスは筋肉収縮を提供し、
前記RF電極は患者の組織の加熱を提供する、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
美的医療(aesthetic medicine)は、患者の基準に従って視覚的外観を向上させることをもたらす全ての処置を含む。患者は、例えば、特定の身体エリアにおける望ましくない体脂肪(body fat)を含む全ての不完全さを最小にし、身体形状を改善させ、自然老化の影響を除去することを欲する。患者は、健康リスクが最小の状態で満足のいく結果を提供する迅速で非侵襲的な手順を要求する。
【0002】
非侵襲的な美的アプリケーションのために使用される最も一般的な方法は、超音波若しくはショック波(shock wave)治療等の機械波(mechanical wave)、又は、無線周波数
処置若しくはレーザー処置を含む光処置等の電磁波の印加に基づく。組織に対する機械波の効果は、キャビテーション、振動、及び/又は熱誘起効果に基づく。電磁波を使用するアプリケーションの効果は、生物学的構造における熱生成に基づく。
【0003】
機械波及び/又は圧力を使用する機械的処置は、セルライト又は脂肪細胞の処置のために使用することができる。しかしながら、そのような機械的処置は、脂肪組織炎(panniculitis)のリスク、ターゲット設定されていない組織の破壊、及び/又は不均一な結果等の幾つかの欠点を有する。
【0004】
加熱を含む熱処置(thermal treatment)は、例えば、コラーゲン及び/又はエラスチ
ンの産生を増加させること、皮膚を平滑化すること、セルライトを減少させること、及び/又は脂肪細胞を除去することによって、皮膚及び身体の視覚的外観を向上させるために患者に適用される。しかしながら、熱処置は、患者を過熱するリスク、又はさらに望ましくない生物学的構造の熱損傷を引き起こすこと等の幾つかの欠点を有する。脂肪組織炎のリスク及び/又は不均一な結果は、既存の熱処置の非常に一般的な副作用であり得る。さらに、処置中の及び/又は処置後の不十分な血流及び/又はリンパ流は、処置後に、脂肪組織炎及び他の健康合併症につながる場合がある。さらに、処置は、不快である場合があり、また、苦痛である場合がある。
【0005】
時変性磁場による筋肉刺激は、生物学的構造を処置するための既知の方法に優る幾つかの利益を提供し、他の筋肉の下に位置する筋肉の非侵襲的刺激を可能にする。さらに、時変性磁場は、脂肪組織の厚い層を通した筋肉収縮を引き起こす筋肉刺激を提供するために使用することができる。筋肉収縮を提供するための電気刺激は、電極から脂肪組織を通して、筋肉にリンクした神経及び/又は神経筋プレート(neuromuscular plate)まで電流
を送出する必要がある。脂肪組織は、筋肉組織よりも高い抵抗率を有し、電極から絶縁性の脂肪組織を通した筋肉組織までの電流の送出は効率的でない場合がある。標的対象に完全に一致する筋肉に対する電流のターゲット設定は、正確でない場合があり、筋肉を刺激することは、非常に難しく、ほぼ不可能である場合がある。さらに、脂肪組織が厚くなると、電気治療によって送出される電流は、より高くならなければならず、そのような大量の電流が伝播し長い距離の間に消散することは、患者にとって非常に不快である場合がある。一方、時変性磁場は、筋肉、神経筋プレート、及び/又は神経内で電流を誘起するため、時変性磁場によるターゲット設定及び筋肉刺激は、より容易で、より正確で、より快適で、より効果的である。時変性磁場は、多数の筋肉及び/又は筋肉群の快適な刺激も可能にし、アプリケーターは患者の身体と直接接触していなくてもよく、このことは、処置の衛生状態及び他のパラメーターを改善することもできる。
【0006】
患者の軟部組織の昇温を提供する無線周波数(RF)処置、及び、患者の筋肉組織の刺
激を提供する磁気処置の組み合わせは、顕著な相乗効果を有することができる。組み合わせ式処置は、改善された処置を提供することができ、改善された処置は、短い処置期間、処置中の患者の快適さの増加をもたらし、相乗結果を伴って異なる処置効果を組み合わせることを可能にし、患者安全性及び本文書で後に詳細に述べる他のものを改善することができる。
【0007】
最良の相乗効果に至るために、筋肉刺激を提供する磁気処置及びRF処置を1つの身体エリア(例えば、同じ身体エリア)にターゲット設定することが好ましく、そこでは、RF処置を提供する少なくとも1つのRF電極は、患者の軟部組織の均一な加熱を確実にするために、平坦である及び/又は患者の皮膚に対応するべきである。RF処置及び磁気処置を同じ身体エリアにターゲット設定することは、磁場発生デバイス及びRF電極を互いの近くに、例えば、磁場発生デバイス及びRF電極の少なくとも部分的な重なりがある状態で、位置決めすることを必要とする。しかしながら、RF電極及び磁場発生デバイスをすぐ近くに配置することは、問題となる場合があり、これはなぜならば、磁場発生デバイスによって生成される時変性磁場が、RF電極内に、渦電流、表皮効果(skin effect)
、及び/又は他の物理的効果等の望ましくない物理的効果を誘起する場合があるからである。望ましくない物理的効果は、著しいエネルギー損失、そのようなデバイス配置の非効率性、また同様に、RF電極を加熱すること、デバイスの正しくないチューニング、生成されるエネルギーの不正確なターゲット設定、生成される磁場、電磁場、及び/又はその他のものの劣化等のデバイス機能について影響を与えることを引き起こす場合がある。RF電極は磁場発生デバイスによって影響を受ける場合があり、またその逆も同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本文書で述べるデバイス及び方法は、最大の相乗効果を伴ってRF及び磁気処置を提供し、送出される磁場及びRF(電磁)場の安全性及び効率も保持する解決策を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、少なくとも1つの身体エリア内の少なくとも1つの生物学的構造に対して1つ以上の処置効果を提供する処置デバイス及び方法を提供する。処置デバイスは、人間又は動物の身体をどのように形作るか、視覚的外観をどのように改善するか、筋肉機能をどのように回復させるか、筋肉強度をどのように上げるか、筋肉体積をどのように変化させる(例えば、増加させる)か、筋緊張(muscle tonus)をどのように変化させる(例えば、増加させる)か、筋肉線維肥大(muscle fibre hypertrophy)をどのように引き起こすか、筋肉線維過形成(hyperplasia)をどのように引き起こすか、脂肪細胞及び脂肪組織
の数及び体積をどのように減少させるか、セルライト及び/又は他のものをどのように除去するか、のユニークな機会を提供する。処置デバイス及び方法は、無線周波数(RF)処置及び磁気処置の適用を使用して、身体エリア内の少なくとも1つのターゲット生物学的構造の加熱を引き起こし、近接する又は同じ身体エリア内での筋肉収縮を含む筋肉刺激を引き起こすことができる。処置デバイスは、RF処置を提供するRFエネルギー(RF場と呼ぶことができる)を生成するために、RF電極を処置エネルギー源として使用し、磁気処置を提供する時変性磁場を発生させるために、磁場発生デバイスを処置エネルギー源として使用することができる。
【0010】
処置の効率及び安全性を向上させて、エネルギー損失、及び、少なくとも1つのRF電極及び/又は磁場発生デバイス内で誘起される望ましくない物理的効果を最小にするために、デバイスは、1つ以上のセグメント化RF電極を使用することができ、セグメント化RF電極は、磁場発生デバイスによって生成される近傍の時変性磁場の効果を最小にするために、例えば、1つ以上のアパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部を有するRF電極を意味する。アパーチャは、RF電極の本体内の開口とすることができる。切り欠き部
は、RF電極の境界に沿うRF電極の本体内の開口とすることができる。RF電極の本体内の開口は、上からのRF電極のビューを示す、床面投影からのビューによって規定することができる(正:may be defined)。アパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部の外側のエリアは、空気、誘電体、及び/又は他の電気絶縁性材料で充填する(正:filled)ことができる。RF電極のアパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部は、RF電極内の渦電流の誘起を最小にし、エネルギー損失を最小にし、処置デバイスの過熱を阻止することができる。さらに、アパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部は、生成されるRF処置に対する磁気処置の影響を最小にすることができる。提案されるRF電極の設計は、アプリケーターの床面投影による少なくとも部分的な重なりがある状態で、同じアプリケーターが磁場発生デバイス及びRF電極を含むことを可能にし、一方、本明細書で述べるパラメーターを用いて患者の身体の同じエリアに対するRF処置及び磁気処置のターゲット設定を可能にする。RF電極及び磁場発生デバイスの1つのアプリケーター内への組み込みは、処置ターゲット設定の向上及び上記で述べたマイナスの影響が最小の状態でのプラスの処置結果を可能にする。
【0011】
また、少なくとも1つのRF回路及び少なくとも1つの磁気回路の相互絶縁は、電気信号及び/又は電磁信号の間の相互作用を防止する。
【0012】
磁場発生デバイスは、エネルギー貯蔵デバイスと組み合わせて、筋肉収縮を誘発する強度(磁束密度とすることができる)を有する磁場の生成を可能にする。エネルギー貯蔵デバイスは、電気エネルギーを貯蔵するために使用し、500V~15kVの範囲内の電圧を有する電場の蓄積を可能にすることができる。エネルギー貯蔵デバイスは、磁場発生デバイスに、貯蔵された電気エネルギーを数マイクロ秒~数ミリ秒のインパルスで供給することができる。
【0013】
処置方法は、少なくとも1つの身体エリアの加熱を可能にし、そこでは、断裂(tearing)又は炎症等の筋肉及び/又は靭帯損傷(ligament injury)を最小にする筋肉収縮も誘発される。皮膚、収縮した筋肉、収縮中の筋肉、弛緩した筋肉、脂肪組織、脂肪組織、及び/又は処置される身体エリアの隣接する生物学的構造の加熱は、処置が不快であると患
者が考える場合があるときに閾値をシフトすることができる。
【0014】
したがって、加熱は、大量の電磁エネルギー(例えば、RF及び/又は磁場)が、患者の身体に送出されて、筋肉収縮及びその後の弛緩を通してより多くの筋肉仕事を提供することを可能にすることができる。同じ身体エリア内でのRF処置及び磁気処置の適用の別の利点は、筋肉仕事(例えば、反復的な筋肉収縮及び弛緩によって提供される)が、ターゲット設定されたエリア内で血流及びリンパ流を加速するため、RF処置によって生成される熱エネルギーの消散を改善することである。RF処置及び磁気処置の適用は、生物学的構造加熱の均一性も改善し、それは、ホットスポット、エッジ効果(edge effects)、及び/又は他の望ましくない効果の生成を防止する。同じ身体エリアに対して筋肉刺激及び加熱を引き起こす処置方法は、脂肪組織のアポトーシス(apoptosis)又は壊死につな
がる細胞外マトリックスの酸過多(hyperacidity)をもたらすことができる。RF処置は、脂肪細胞のアポトーシス、壊死、その体積の減少、及びセルライト除去のうちの少なくとも1つにつながる、脂肪組織の選択的加熱を提供することができる。
【0015】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を例示し、さらに、本記載とともに、本開示の原理を説明することと、関連技術における当業者が本開示を製造及び使用することを可能にすることとに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1a】処置デバイスの例示的な図である。
図1b】処置デバイスの例示的な図である。
図1c】処置デバイスの例示的な図である。
図1d】処置デバイスの例示的な図である。
図1e】処置デバイスの例示的な図である。
図1f】処置デバイスの例示的な個々の部分を示す図である。
図2】アプリケーター、リモートコントロール、更なる処置デバイス、及び通信デバイス等のデバイスの複数の部分の間の例示的な通信図である。
図3】サーバーと、アプリケーター、リモートコントロール、及び更なる処置デバイス等のデバイスの部分との間の例示的な通信図である。
図4】通信媒体と処置デバイスの治療発生器とマスターユニットとの間の例示的な通信図である。
図5】通信媒体と処置デバイスの治療発生器との間の通信を示す図である。
図6】処置デバイスの例示的な主ユニットの異なる図である。
図7】例示的なヒューマンマシンインターフェース(HMI:human machine interface)を示す図である。
図8a】例示的なアプリケーターの複数の部分を外側から見た図である。
図8b】例示的なアプリケーターの複数の部分を外側から見た図である。
図8c】例示的なアプリケーターの複数の部分を外側から見た図である。
図8d】例示的なアプリケーターの複数の部分を外側から見た図である。
図9a】例示的な磁場発生デバイスをアプリケーターの床面投影から示す図である。
図9b】例示的な磁場発生デバイスの厚さを示す図である。
図10a】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10b】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10c】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10d】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10e】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10f】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図10g】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の考えられる場所を示す図である。
図11】例示的な磁場発生デバイスに対する例示的なRF電極の場所の床面投影を示す図である。
図12】アプリケーターの床面投影による部分的な重なりを有する、RF電極及び磁場発生デバイスを含むアプリケーターの床面投影を示す図である。
図13a】アパーチャを有する例示的なRF電極を示す図である。
図13b】アパーチャを有する例示的なRF電極を示す図である。
図13c】アパーチャ、突出部、及び切り欠き部を有する例示的なRF電極を示す図である。
図13d】アパーチャ及び切り欠き部を有する別の例示的なRF電極を示す図である。
図13e】突出部を有する例示的なRF電極を示す図である。
図14a】突出部を有するバイポーラRF電極の平行対を示す図である。
図14b】突出部を有するバイポーラRF電極の平行対を示す図である。
図14c】突出部を有するバイポーラRF電極の平行対を示す図である。
図14d】突出部を有するバイポーラRF電極の平行対を示す図である。
図14e】突出部を有するバイポーラRF電極の平行対を示す図である。
図15a】突出部を有するバイポーラRF電極対を示す図であり、第1のRF電極は、RF電極対の第2のRF電極を少なくとも部分的に囲む。
図15b】突出部を有するバイポーラRF電極対を示す図であり、第1のRF電極は、RF電極対の第2のRF電極を少なくとも部分的に囲む。
図15c】突出部を有するバイポーラRF電極対を示す図であり、第1のRF電極は、RF電極対の第2のRF電極を少なくとも部分的に囲む。
図16】0.1Tよりも大きい差を有する磁力線(magnetic field lines)と交差する1つの例示的な突出部を示す図である。
図17】磁気回路の例示的なスキーマである。
図18a】処置デバイスの電気素子の例示的なスキーマである。
図18b】RF回路の例示的なスキーマである。
図19】インパルス又はパルスを含む磁場の例示的な組成を示す図である。
図20】台形包絡線を示す図である。
図21】異なるタイプの筋肉刺激を示す図である。
図22】患者の身体にアプリケーター及び/又は更なる処置デバイスを取り付けるための支持マトリックスを示す図である。
図23】例示的な湾曲アプリケーターの第1の側面部の断面を示す図である。
図24】例示的な対称化(symmetrisation)素子SYMを示す図である。
図25】アプリケーター要素の分解図である。
図26】処置デバイスの主ユニット内のコンポーネントの例示的な空間配置を示す図である。
図27a】磁場の同期式印加の例を示す図である。
図27b】磁場の同期式印加の例を示す図である。
図27c】磁場の同期式印加の例を示す図である。
図27d】磁場の同期式印加の例を示す図である。
図27e】磁場の個別式印加の例を示す図である。
図28】磁場の例示的な増加する包絡線を示す図である。
図29】磁場の例示的な減少する包絡線を示す図である。
図30】磁場の例示的な矩形包絡線を示す図である。
図31】磁場の例示的な組み合わせ式包絡線を示す図である。
図32】磁場の別の例示的な組み合わせ式包絡線を示す図である。
図33】磁場の例示的な三角形包絡線を示す図である。
図34】磁場の例示的な台形包絡線を示す図である。
図35】磁場の別の例示的な台形包絡線を示す図である。
図36】磁場の別の例示的な台形包絡線を示す図である。
図37】磁場の例示的な階段状包絡線を示す図である。
図38】磁場の別の例示的な階段状包絡線を示す図である。
図39】磁場の別の例示的な台形包絡線を示す図である。
図40】反復レートの領域における変調を含む磁場の包絡線の例を示す図である。
図41】磁場の列から形成される例示的な台形包絡線を示す図である。
図42】磁場の別の例示的な組み合わせ式包絡線を示す図である。
図43】磁場の別の例示的な組み合わせ式包絡線を示す図である。
図44】包絡線間周期の例を有する磁場の2つの例示的な包絡線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本処置デバイス及び使用方法は、少なくとも1つの身体エリア内の患者の組織の少なくとも1つの生物学的構造の少なくとも一部を若返らせる(rejuvenate)、治癒する(heal)、及び/又はそれのリモデリングを提供する等の、種々の処置効果にターゲット設定され
た、RF処置及び筋肉刺激を提供する処置の組み合わせによって新しい理学療法(physiotherapy)及び/又は美的処置を提供する。
【0018】
生物学的構造は、同一の機能、構造、及び/又は組成を有することができる人間及び/又は動物身体内の任意の組織とすることができる。生物学的構造は、任意のタイプの組織少なくとも一部を含む又は一部であることができる。任意のタイプの組織とは、結合組織(例えば、腱、靭帯、コラーゲン、エラスチン線維)、脂肪組織(例えば、皮下脂肪組織及び/又は内臓脂肪組織の脂肪細胞)、骨、真皮、及び/又は、他の組織、例えば、少なくとも1つの神経細胞、神経筋プレート(神経筋接合部)、筋肉細胞、1つ以上の個々の筋肉、筋肉群、筋肉線維の少なくとも一部、所定の体積の細胞外マトリックス、内分泌腺、神経組織(例えば、末梢神経組織、神経細胞、神経膠(neuroglia)、神経筋プレート
)、及び/又は、関節又は関節の一部のようなものである。本出願に関して、生物学的構造をターゲット生物学的構造と呼ぶことができる。
【0019】
少なくとも1つのターゲット生物学的構造の少なくとも一部に提供される処置効果は、筋肉収縮(過最大収縮(supramaximal contractions)及び/又は強縮(tetanic contraction))、筋単収縮(muscle twitch)、筋肉弛緩、及び生物学的構造の加熱を含むこと
ができる。また、処置効果は、例えば、生物学的構造のリモデリング、アポトーシス及び/又は壊死による脂肪細胞の数及び/又は体積の減少、筋肉増強、筋肉体積増加、筋肉線維肥大、筋肉線維過形成を引き起こすこと、筋肉機能の回復、筋衛星細胞(myosatellite
cells)の増殖及び/又は筋肉細胞への分化、筋肉形状の改善、筋持久力の改善、筋肉ディフィニション(muscle definition)、筋肉弛緩、筋肉体積減少、コラーゲン線維の再
構築、ネオコラーゲネシス(neocollagenesis)、弾性線維形成、コラーゲン処置、血流
及びリンパ流の改善、少なくとも1つのターゲット生物学的構造の少なくとも一部の加速、及び/又は他の機能又は利益を含むことができる。処置デバイスによる身体エリアの処置中に、2つ以上の処置効果を提供することができ、可変の処置効果を組み合わせることができる。
【0020】
ターゲット生物学的構造に提供される処置効果は、身体整形、身体の輪郭の改善、身体引き締め(body toning)、筋肉トーニング、筋肉整形、身体整形、乳房リフト(breast lifting)、臀部リフト(buttock lifting)、臀部を丸めること(buttock rounding)、及び/又は臀部の引き締め(buttock firming)をもたらすことができる。さらに、処置
効果を提供することは、しわ取り(wrinkle reduction)、皮膚若返り、皮膚タイトニン
グ(skin tightening)、皮膚色の単一化(unification of skin colour)、たるんだ肌
(sagging flesh)の減少、口唇増大(lip enhancement)、セルライト除去、皮膚線条(stretch mark)の除去、及び/又は傷跡の除去等の身体若返り(rejuvenation)をもたらすことができる。処置効果は、治癒プロセス、抗浮腫(anti-edematic)効果、及び/又
は、他の理学療法及び処置結果の加速につながることもできる。
【0021】
処置デバイスは、1つ以上のタイプの処置エネルギーを提供することができ、処置エネルギーは、磁場(磁気エネルギーとも呼ばれる)及びRF場(RFエネルギーとも呼ばれる)及び/又は磁場(磁気エネルギーとも呼ばれる)を含むことができる。磁場は、磁気処置中に提供される。RF処置中に提供されるRF場は、RF場の電気成分及びRF場の磁気成分を含むことができる。RF場の電気成分は、単数又は複数のRF波と呼ぶことができる。RF電極は、RF場、RF波、及び/又はRF場の他の成分を生成することができる。
【0022】
磁場及び/又はRF場は、強度によって特徴付けることができる。磁場の場合、強度は磁束密度又は磁束密度の振幅を含むことができる。RF場の場合、強度はRF場又はRF波のエネルギー束密度(energy flux density)を含むことができる。
【0023】
身体エリアは、脂肪組織、皮膚、及び/又は他のもののような他の軟部組織構造によって覆われた少なくとも筋肉又は筋肉群を含む患者の身体の少なくとも一部を含むことができる。身体エリアは、処置デバイスによって処置することができる。身体エリアは、臀部、サドルバッグ、脇腹のぜい肉、腹部エリア、ヒップ、脚、ふくらはぎ、大腿部、腕、胴体、肩、膝、首、四肢、ブラファット(bra fat)、顔又は顎、及び/又は任意の他の組
織等の身体部分とすることができる。説明のために、用語「身体エリア(body area)」
は、用語「身体領域(body region)」と交換可能とすることができる。
【0024】
皮膚組織は、3つの基本要素、すなわち、表皮(epidermis)、真皮(dermis)、及び
皮下組織(hypodermis)いわゆる皮下組織(subcutis)から構成される。皮膚の外側の層であり、また最も薄い層は表皮である。真皮は、コラーゲン、弾性組織、及び細網線維からなる。皮下組織は、皮膚の最も下の層であり、毛包根、リンパ管、コラーゲン組織、神経、及び、皮下白色脂肪組織(SWAT:subcutaneous white adipose tissue)を形成
する脂肪も含む。脂肪組織は、少なくとも1つの脂質に富む細胞、例えば、含脂肪細胞(adipocyte)のような脂肪細胞を指すことができる。脂肪細胞は、結合組織、線維中隔(
皮膚支帯)によって境界付けられる小葉を形作る。
【0025】
脂肪組織の別の部分、いわゆる内臓脂肪組織は、腹腔内に位置し、皮下組織層に隣接する筋肉線維の下で接近して、壁側腹膜と臓側腹膜との間に位置する内臓白色脂肪組織(VWAT:visceral white adipose tissue)を形成する。
【0026】
筋肉は、筋肉線維、全筋(whole muscle)、筋肉群、神経筋プレート、末梢神経、及び/又は少なくとも1つの筋肉を神経支配する神経(nerve innervating)の少なくとも一
部を含むことができる。
【0027】
深部筋肉は、表面筋肉によって少なくとも部分的に覆われる筋肉、及び/又は、脂肪組織等の他の組織の厚い層によって覆われる筋肉を指すことができ、覆う層の厚さは、少なくとも4センチメートル、5cm、7cm、10cm、又はそれより長いcmから15cm厚までとすることができる。
【0028】
個々の筋肉は、腹直筋、外腹斜筋(正:obliquus abdominis)、腹横筋、及び/又は腰方形筋を含む腹筋であり得る。個々の筋肉は、大殿筋、中殿筋及び/又は小殿筋を含む臀部の筋肉であり得る。個々の筋肉は、大腿四頭筋、縫工筋、薄股筋、大腿二頭筋、長/短大内転筋、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、下腿三頭筋、外側腓腹筋(正:gastrocnemius lateralis)/内側腓腹筋、ヒラメ筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、短趾伸筋、短母趾伸
筋、母趾内転筋、母趾外転筋(正:abductor hallucis)、小指外/内転筋(ab/adductor
digiti minimi)、小指外転筋及び/又は底側骨間筋)を含む下肢の筋肉であり得る。靭帯は、胸部のクーパー靭帯であり得る。
【0029】
1つの例は、脂肪細胞の数及び体積の減少、筋肉増強、脂肪除去、コラーゲン線維の再構築、ネオコラーゲネシス及び弾性線維形成の加速、筋肉増強、筋肉機能、筋持久力、及び筋肉形状の改善等の処置効果を提供することができる(又は、処置が、最終的にそれをもたらすことができる)患者の腹部に対する処置デバイス及び方法の適用とすることができる。これらの処置効果は、腹部エリアの外周減少、下垂腹の除去及び/又は腹部エリアの引き締め、セルライト減少、瘢痕減少、並びに、身体の輪郭、身体外観、及び患者の健康を改善することもできる腹部筋肉の増強による身体姿勢の改善も引き起こすことができる。
【0030】
1つの他の例は、脂肪細胞の数及び体積の減少、コラーゲン線維の再構築、ネオコラー
ゲネシス及び弾性線維形成の加速、筋肉増強、筋肉引き締め(muscle toning)、及び筋
肉整形等の処置効果を提供することができる(又は、処置が、最終的にそれをもたらすことができる)臀部を含む身体エリアに対する処置デバイス及び方法の適用とすることができる。これらの処置効果は、ウエスト又は臀部外周減少、臀部リフト、臀部を丸めること、臀部の引き締め及び/又はセルライト減少を引き起こすことができる。
【0031】
別の例は、脂肪細胞の数及び体積の減少、筋肉増強、筋肉整形、及び筋肉引き締めを提供することができる(又は、処置が、最終的にそれをもたらすことができる)大腿部を含む身体エリアに対する処置デバイス及び方法の適用とすることができる。大腿部を含む身体エリアに対する処置デバイス及び方法の適用は、大腿部の外周減少、下垂腹の除去、及びセルライト減少を引き起こすことができる。
【0032】
更に別の例は、脂肪細胞の数及び体積の低減、筋肉増強、筋肉整形、及び筋肉引き締めを提供することができる(又は、処置が、最終的にそれをもたらすことができる)腕を含む身体エリアに対する処置デバイス及び方法の適用とすることができる。腕を含む身体エリアに対する処置デバイス及び方法の適用は、腹部の外周減少、下垂腹の除去、及びセルライト減少を引き起こすことができる。
【0033】
1つ以上のターゲット生物学的構造に提供される1つ以上の処置効果は、1つ以上の生物学的構造内へのRF場の選択的ターゲット設定及び筋肉刺激(筋肉収縮を含む)を引き起こす磁場の印加とともに加熱を提供することに基づくことができる。RF処置は、1つ以上の生物学的構造の選択的加熱、細胞外マトリックスの分極、及び/又は、患者の身体内の細胞膜電位の変化を引き起こすことができる。磁場は、時変性磁場又は静磁場とすることができる。時変性磁場が使用される場合、磁気処置は、時変性磁気処置と呼ぶことができる。磁気処置は、筋肉収縮、筋肉弛緩、細胞膜分極、渦電流誘起、及び/又は、1つ以上のターゲット生物学的構造の少なくとも一部において時変性磁場を生成することによって引き起こされる他の処置効果を引き起こすことができる。時変性磁場は、生物学的構造内に電流を誘起することができる。誘起された電流は筋肉収縮をもたらすことができる。筋肉収縮は反復的とすることができる。磁場によって提供される筋肉収縮は、過最大収縮、強縮、及び/又は不完全強縮を含むことができる。さらに、磁場は筋単収縮を提供することができる。
【0034】
磁気処置及びRF処置の適用による処置デバイスの使用によって提供される処置効果を組み合わせることができる。例えば、脂肪細胞の数及び体積の減少は、実際の処置中に又は処置後の時間(例えば3か月又は6か月)中に、筋肉増強、筋肉整形、及び/又は筋肉引き締めとともに達成することができる。さらに、磁気処置及びRF処置の適用による処置デバイスの使用によって提供される効果は累積的とすることができる。例えば、筋肉引き締めは、筋肉増強とともに達成することができる脂肪細胞の数及び体積の組み合わせ式低減によって達成することができる。
【0035】
処置方法は、適用される磁気処置と組み合わせてRF場によって提供される熱処置によって、少なくとも1つのターゲット生物学的構造(正:at least one target biological
structure)に対する処置効果を提供することができる。ターゲット生物学的構造に対する処置効果は、少なくとも1つのターゲット生物学的構造を加熱し、磁気処置によって筋肉の少なくとも部分的な筋肉収縮又は筋肉収縮を誘発することによって提供することができる。
【0036】
処置方法は、磁場による筋肉収縮が誘発される身体エリアの加熱を可能にすることができる。加熱は、断裂又は炎症を含む筋肉損傷及び/又は靭帯損傷を最小にすることができる。収縮中の筋肉及び/又は隣接する生物学的構造の加熱は、不快な処置の閾値をシフト
することもできる。したがって、RF場によって引き起こされる加熱は、大量の磁気エネルギーが、より多くの筋肉仕事を行うために、患者の生物学的構造内に送出されることを可能にすることができる。筋肉及び/又は隣接する生物学的構造の加熱は、筋肉収縮の質及び/又はレベルを改善することもできる。RF場によって提供される加熱のために、より多くの筋肉線維及び/又は筋肉線維のより長い部分は、磁気処置中に収縮することができる。加熱は、磁気処置によって生成される筋肉刺激の貫入(penetration)を改善する
こともできる。さらに、少なくとも部分的な筋肉収縮又は筋肉収縮が反復して誘発されると、不快な加熱の患者の閾値が、より高くシフトする場合もある。閾値のそのようなシフトは、より多くのRFエネルギーが患者の身体に送出されることを可能にすることができる。
【0037】
加熱と組み合わせた、筋肉弛緩が後続する反復的筋肉収縮は、筋肉刺激(例えば、筋肉収縮)によって引き起こされる不快な感じを抑制することができる。加熱と組み合わせた筋肉刺激は、処置後のより良好な再生及び/又は脂肪組織炎及び他の組織損傷のより良好な防止を提供することができる。
【0038】
RF加熱と組み合わせた、筋肉弛緩が後続する反復的筋肉収縮は、(予備試験によれば)糖尿病の処置及び/又は症状の抑制においてプラスの結果を有することができる。RF場による生物学的構造の加熱とともに磁場を提供することによって誘起される反復的筋肉収縮は、糖尿病症状のアウトカムを改善する又は糖尿病症状薬物処置の結果にプラスに影響を及ぼすこともできる。糖尿病症状の処置の成功を、患者の腹部エリアに対する深部への大量の無線周波数エネルギーの貫入によって引き起こすことができる。そのような貫入は、大量のRFエネルギー束密度に関連する患者の不快な感じの抑制を引き起こすことができる磁気処置と組織内の上昇した温度とのの同期適用によって引き起こすことができる。また、磁気処置は、患者の身体に対するRFエネルギー貫入を増加させることもできる患者の組織の分極及び脱分極を引き起こすことができる。RF処置及び/又は磁気処置は、糖代謝(glucose metabolism)に影響を及ぼす、又は、糖尿病症状を抑制することができる体重減少を支援することができる。糖尿病症状を有する患者の体重減少及び運動が糖尿病症状を抑制するのを支援することができると考えられている。
【0039】
磁場による磁気処置と組み合わせたRF場によるRF処置の適用は、筋衛星細胞の増殖及び筋肉細胞への分化にプラスに影響を及ぼすこともできる。異なる継続時間、反復レート、及び磁束密度を有する期間(例えば、以下で規定するパルス又は列)を含む磁気処置が、筋衛星細胞の増殖及び分化を開始するために必要とされる刺激を提供することができることを試験が示唆する。
【0040】
異なる継続時間、反復レート、及び磁束密度を有する少なくとも2つの又は少なくとも3つの連続する期間(例えば、以下で規定するパルス、バースト、又は列)を含む磁場を提供する処置方法が筋肉にショックを提供することができることも試験が示唆する。結果として、筋衛星細胞の増殖及び分化をもたらす再生プロセスを開始し、送出されるRF場によって更に加速することができる。筋衛星細胞の増殖及び分化は、筋肉増強、筋肉機能の回復、筋肉体積の増加、並びに、筋肉形状、身体引き締め、又は筋肉引き締めの改善をもたらすことができる。
【0041】
同じ身体エリアに対する加熱とともに、少なくとも部分的な筋肉刺激又は筋肉収縮を適用する方法は、細胞外マトリックスの酸過多をもたらすことができる。酸過多は、脂肪組織のアポトーシス並びに体重減少及び身体体積減少の加速につながる場合がある。酸過多を、細胞外マトリックス内への脂肪酸の放出によって引き起こすことができ、脂肪酸の放出を、集中した高負荷の(concentrated high intensity)筋肉仕事によって引き起こす
ことができる。集中した高負荷の筋肉仕事は、述べた磁場発生デバイス及び処置デバイス
によって生成される時変性磁場の印加によって引き起こされる(正:caused)多数回の反復的筋肉収縮によって提供することができる。
【0042】
RF処置の処置効果は、磁気処置、例えば脂肪組織炎又は局所的皮膚炎症のリスクを低減する又はなくすことによって高めることができる。なぜならば、処置される含脂肪細胞のいずれのクラスタリングも、改善された代謝によって防止することができるからである。改善された血流及び/又はリンパ流は含脂肪細胞を除去することに寄与することができる。含脂肪細胞の除去を、多数の細胞が含脂肪細胞を貪食することによっても促進することができる。磁気処置と無線周波数(RF)処置の相乗効果は代謝を著しく改善する。したがって、有害事象の発生の可能性は制限され、本発明によって誘起される処置結果に、より短い期間で達する。
【0043】
処置デバイス及び処置方法は、同じ患者の身体エリアの処置を提供することができ、磁気処置及びRF処置を、1つ以上の生物学的構造の少なくとも一部にターゲット設定することができる。ターゲット設定されるRF及び/又は磁気処置によって影響を受ける患者の身体組織の1つ以上の体積は、近接しているものとすることができる。患者の身体組織の少なくとも1つ以上の影響を受ける生物学的構造の少なくとも一部の体積は、上述した処置デバイス及び/又は処置方法によって提供される処置効果が起こる、影響を受ける組織体積として規定することができる。処置効果は、反復的筋肉収縮(例えば、磁気処置によって提供される)によって、組織温度の変更(例えば、RF処置によって提供される)によって、及び/又は、患者の組織内での分子の少なくとも部分的な分極及び加速(好ましくは、RF処置及び磁気処置によって提供される)によって引き起こすことができる。組織温度の変更は、例えば、通常の組織温度を基準として、少なくとも3℃又は4℃又は5℃又は6℃又は7℃又は10℃の組織温度増加を含むことができる。さらに、組織温度の変更は、同じ又は異なる身体エリア内に位置する未処置組織と比較して、1℃~50℃、2℃~30℃、又は2℃~25℃の範囲の組織温度の増加又は減少を含むことができる。変更された組織温度を、生物学的組織の任意の体積又は任意のエリアにおける温度変化として解釈することができる。
【0044】
少なくとも1回のRF処置による及び/又は少なくとも1回の磁気処置による、影響を受ける組織体積の近接性は、2つの影響を受ける組織体積間の距離を意味する。少なくとも2つの近接する影響を受ける組織体積は、少なくとも部分的な重なりを有する場合があり、影響を受ける小さい方の組織体積の2%~15%又は5%~30%又は2%~100%又は30%~60%又は80%~100%又は40%~85%が、影響を受ける大きい方の組織体積に重なる場合がある。同様に、影響を受ける組織の体積間の距離は、0.01cm~10cmの範囲内、又は、0.01cm~5cm、0.01cm~3cm、若しくは0.01cm~1cmの範囲内にあるものとすることができる。代替的に、上記で述べた範囲内の重なりは、小さい方の組織体積と大きい方の組織体積との区別なしで、同一体積を有する、2つ以上の影響を受ける組織体積について当てはまる場合がある。
【0045】
図1a~図1eは、処置デバイスの例示的な概略図を示す。これらの図は、主ユニット及びアプリケーターに対してのみ当てはまることができる。処置デバイスは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源105、電力ネットワーク106、1つ以上の処置クラスター107、及び、1つ以上の処置エネルギー源108を含むことができる。
【0046】
複数の処置エネルギー源108は、少なくとも1つの処置クラスター107に結合する又はそれと通信することができる。制御システム104は、各処置クラスターに結合し、それと通信することができる。
【0047】
図1a~図1eの処置デバイスの示す部分は、回路要素(circuitry)の電気素子とす
ることができる。また、図1a~図1eの図の1つ以上の示す部分は、複数の個々の電気素子を含むことができる。電気素子は、個々の電気素子間で電磁(例えば電気)信号を、生成、伝達、修正、受信又は送信することができる。電磁信号は、電流、電圧、位相、周波数、包絡線、電流の値、信号の振幅、及び/又はそれらの組み合わせによって特徴付けることができる。電磁信号が処置エネルギー源に達すると、それぞれの処置エネルギー源は、処置エネルギー及び/又は場を生成することができる。
【0048】
入力インターフェース103は、ユーザーからの入力を受信することができる。入力インターフェースは、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を含むことができる。HMIは、タッチスクリーンディスプレイを含むこともできる、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ等の1つ以上のディスプレイを含むことができる。HMIは、処置デバイスを調整又は制御する1つ以上の制御素子を含むことができる。制御素子は、少なくとも1つのボタン、レバー、ダイヤル、スイッチ、ノブ、スライドコントロール、ポインター、タッチパッド、及び/又はキーボードとすることができる。入力インターフェースは、制御システム、電力ネットワークと通信する又はそれに結合することができる。
【0049】
ユーザーは、オペレーター(例えば、医師、技術者、看護師)又は患者自身とすることができる。しかしながら、処置デバイスは患者のみが動作させることができる。ほとんどの場合、処置デバイスを、適切な訓練を受けたユーザーが動作させることができる。ユーザーは、患者を除いて、ほとんどの場合、処置前に又は処置中に処置パラメーターに影響を及ぼす任意の人とすることができる。
【0050】
制御システム104は、マスターユニット又は1つ以上の制御ユニットを含むことができる。制御システムは、入力インターフェース103の一体部分とすることができる。制御システム104は、入力インターフェース103を通して制御することができる。制御システムは、処置デバイスの任意の部分又は電気素子を調整又は制御するための1つ以上の制御要素を含むことができる。マスターユニットは、処置デバイス(例えば、アプリケーター及び/又は主ユニット)の一部、又は、高優先度命令を含むマスタースレーブ通信を処置デバイスの他の部分に提供するために、ユーザー及び/又は処置デバイスが選択することができる回路要素の電気素子である。例えば、マスターユニットは、制御ユニット、又は、高優先度命令を処置デバイスの他の部分に提供する入力インターフェースの部分とすることができる。処置デバイスは、マスタースレーブ通信のチェーンを含むことができる。例えば、処置クラスター107は、処置クラスター107の電気素子のための命令を提供する1つの制御ユニットを含むことができ、一方、処置クラスター107の制御ユニットは、マスターユニットに対するスレーブである。制御システム104は、入力インターフェース103、1つ又は全ての電力源105、電力ネットワーク106、及び/又は、処置デバイス内に存在する1つ又は全ての処置クラスターと結合又は通信することができる。制御システム104は、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)又はプロセス制御ブロック(PCB:process control blocks)を含むことができる。
【0051】
電力源105は、電気信号を含む電気エネルギーを1つ以上の処置クラスターに提供することができる。電力源は、AC電圧をDC電圧に変換するモジュールを含むことができる。
【0052】
電力ネットワーク106はプラグを示すことができる。電力ネットワークはパワーグリッドに対する接続を示すことができる。しかしながら、電力ネットワークは、パワーグリッドの必要性がない状態での処置デバイスの動作のための電池を示すことができる。電力ネットワークは、処置デバイス全体及び/又はその複数の部分に対して、動作に必要とさ
れる電気エネルギーを提供することができる。図1a~図1eの例示的な図上に示すように、電力ネットワークは、電気エネルギーを、入力インターフェース103、制御システム104、及び電力源105に提供する。
【0053】
処置クラスター107は、それぞれの処置エネルギーの生成に関連する1つ以上の電気素子を含むことができる。例えば、磁気処置のための処置クラスター(HIFEMと呼ばれる)は、例えば、エネルギー貯蔵素子及びスイッチングデバイスを含むことができる。別の例の場合、RF処置のための処置クラスター(RFクラスターと呼ばれる)は、例えば、電力増幅器及び/又はフィルターを含むことができる。
【0054】
処置エネルギー源108は、特定の処置エネルギー源を含むことができる。磁気処置の場合、磁場の処置エネルギー源は、磁場発生デバイス、例えば磁気コイルとすることができる。RF処置の場合、RFエネルギー(RF波を含む)の処置エネルギー源はRF電極とすることができる。
【0055】
処置デバイスは1つ以上の処置回路を含むことができる。1つの処置回路は、電力源、1つの処置クラスターの電気素子、及び1つのそれぞれの処置エネルギー源を含むことができる。磁気処置の場合、磁気回路は、電力源、HIFEMクラスター、及び磁場発生デバイスを含むことができる。RF処置の場合、RF回路は、電力源、RFクラスター、及び磁場発生デバイスを含むことができる。RF処置のために処置回路内で生成される及び/又は送信される電磁信号は、RF信号と呼ぶことができる。1つの処置クラスターのそれぞれの電気素子を接続する配線は、それぞれのクラスターに含めることもできる。以下で詳細に述べる図1a~図1eの処置クラスターのそれぞれは、HIFEM、RF、又はその組み合わせのうちの任意のものとすることができる。
【0056】
1つ以上の処置回路及び/又はその複数の部分を、制御システム104の任意の部分が、独立に制御又は調節することができる。例えば、1つの処置回路のHIFEMクラスターの動作の速度を、別の処置回路のHIFEMクラスターの動作と独立に調節することができる。別の例において、1つの処置回路のRF電極の動作によって送出されるエネルギー束密度の量を、別の処置回路のRF電極の動作と独立に設定することができる。
【0057】
図1aは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源105、電力ネットワーク106、処置クラスターA 107a、処置クラスターB 107bを含む2つの処置クラスター、処置エネルギー源A 108a及び処置エネルギー源B 108bを含む処置デバイスの例示的な図を示す。そのような場合、処置デバイスは2つの処置回路を含むことができる。1つの処置回路は、電力源105、処置クラスターA 107a、及び/又は処置エネルギー源A 108aを含むことができる。別の処置回路は、電力
源105、処置クラスターB 107b、及び/又は処置エネルギー源B 108bを含
むことができる。処置クラスター107a及び107bは互いに通信することができる。
【0058】
図1bは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源A 105a及び電力源B 105bを含む2つの電力源、電力ネットワーク106、処置クラスターA
107a及び処置クラスターB 107bを含む2つの処置クラスター、処置エネルギー源A 108a及び処置エネルギー源B 108bを含む処置デバイスの例示的な図を示す。そのような場合、処置デバイスは2つの処置回路を含むことができる。1つの処置回路は、電力源105a、処置クラスターA 107a、及び/又は処置エネルギー源A
108aを含むことができる。別の処置回路は、電力源B 105b、処置クラスターB 107b、及び/又は処置エネルギー源B 108bを含むことができる。処置クラ
スター107a及び107bは互いに通信することができる。
【0059】
図1cは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源105、電力ネットワーク106、処置クラスターA 107a及び処置クラスターB 107bを含む2つの処置クラスター、並びに1つの処置エネルギー源108を含む処置デバイスの例示的な図を示す。そのような場合、処置デバイスは2つの処置回路を含むことができる。1つの処置回路は、電力源105、処置クラスターA 107a、及び/又は処置エネルギ
ー源108を含むことができる。別の処置回路は、電力源105、処置クラスターB 107b、及び/又は処置エネルギー源108を含むことができる。処置クラスター107
a及び107bは互いに通信することができる。示す図は、RF処置及び磁気処置の両方を提供する磁場発生デバイスを含むことができる。
【0060】
図1dは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源105、電力ネットワーク106、処置クラスターA1 107a、処置クラスターA2 107aa、処置クラスターB1 107b、処置クラスターB2 107bbを含む4つの処置クラスター、並びに、処置エネルギー源A1 108a、処置エネルギー源A2 108aa、処置エネルギー源B1 108b、処置エネルギー源B2 108bbを含む4つの処置エネルギー源を含む処置デバイスの例示的な図を示す。そのような場合、処置デバイスは4つの処置回路を含むことができる。第1の処置回路は、電力源105、処置クラスターA1 107a、及び/又は処置エネルギー源108aを含むことができる。第2の処
置回路は、電力源105、処置クラスターA2 107aa、及び/又は処置エネルギー
源A2 108aaを含むことができる。第3の処置回路は、電力源105、処置クラスターB1 107b、及び/又は処置エネルギー源B1 108bを含むことができる。
第4の処置回路は、電力源105、処置クラスターB2 107bb、及び/又は処置エ
ネルギー源B2 108bbを含むことができる。第1の処置回路及び第2の処置回路の処置エネルギー源は、1つのアプリケーター内に位置決めすることができ、一方、第3の処置回路及び第4の処置回路の処置エネルギー源は、別のアプリケーター内に位置決めすることができる。
【0061】
図1eは、入力インターフェース103、制御システム104、電力源A 105a及び電力源B 105bを含む2つの電力源、電力ネットワーク106、処置クラスターA1 107a、処置クラスターA2 107aa、処置クラスターB1 107b、処置クラスターB2 107bbを含む4つの処置クラスター、並びに、処置エネルギー源A1 108a、処置エネルギー源A2 108aa、処置エネルギー源B1 108b、処置エネルギー源B2 108bbを含む4つの処置エネルギー源を含む処置デバイスの例示的な図を示す。そのような場合、処置デバイスは4つの処置回路を含むことができる。第1の処置回路は、電力源A 105a、処置クラスターA1 107a、及び/又は
処置エネルギー源108aを含むことができる。第2の処置回路は、電力源A 105a、処置クラスターA2 107aa、及び/又は処置エネルギー源A2 108aaを含
むことができる。第3の処置回路は、電力源B 105b、処置クラスターB1 107b、及び/又は処置エネルギー源B1 108bを含むことができる。第4の処置回路は
、電力源B 105b、処置クラスターB2 107bb、及び/又は処置エネルギー源
B2 108bbを含むことができる。第1の処置回路及び第2の処置回路の処置エネルギー源は、1つのアプリケーター内に位置決めすることができ、一方、第3の処置回路及び第4の処置回路の処置エネルギー源は、別のアプリケーター内に位置決めすることができる。
【0062】
図1fは、少なくとも1つのアプリケーター12に接続又は結合される主ユニット11、リモートコントロール13、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15を含む処置デバイスの個々の部分を示す。更なる処置デバイスは、処置デバイス全体と同じ独立レベルにあるものとすることができる。
【0063】
処置デバイスは、リモートコントロール13を含むことができる。リモートコントロール13は、安全のために不快ボタンを含むことができるため、患者が処置中に不快を感じると、ユーザーは不快ボタンを押すことができる。不快ボタンが押されると、リモートコントロール13は、主ユニットに信号を送信し、処置を停止することができる。また、リモートコントロール13は、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)を通してユーザーに通知することができる。不快の間、処置を停止するために、不快ボタンの動作は、マスターユニットからの命令に優先する(override)ことができる。代替的に、不快ボタンは、主ユニット11に結合する又はその一部であるものとすることができる。
【0064】
主ユニット11は、主ユニット11が電力供給することができる1つ以上の更なる処置デバイス14に結合又は接続することができる。しかしながら、主ユニット11を含む処置デバイスは、1つ以上の更なる処置デバイス14と、ソフトウェアによってペアリングすることができる。また、1つ以上の更なる処置デバイス14を、それら自身の単数又は複数のエネルギー源によって電力供給することもできる。通信デバイス15、更なる処置デバイス14、リモートコントロール13、及び少なくとも1つのアプリケーター12はそれぞれ、主ユニット11と通信することができる。通信は、情報を送信すること及び/又は受信することを含むことができる。通信は、インターネットネットワーク、ローカルネットワーク、RF波、音響波、光波、3G、4G、5G、GSM、HUBスイッチ、LTEネットワーク、GSMネットワーク、Bluetooth、及び/又は他の通信方法又はプロトコルによって等で、有線及び/又は無線で行うことができる。
【0065】
更なる処置デバイス14は、少なくとも1つのターゲット生物学的構造に対して処置効果を引き起こすように、少なくとも1つのタイプの処置エネルギー(例えば、RF場、磁場、超音波、光、時変式機械式圧力、ショック波、又は電流)を患者の身体に提供することができる任意のデバイスとすることができる。更なる処置デバイス14は、少なくとも1つの処置、例えば、磁気、無線周波数、光、超音波、加熱、冷却、マッサージ、プラズマ、及び/又は電気療法(electrotherapy)のために処置エネルギーを生成する少なくとも1つの電気素子を含むことができる。更なる処置デバイス14は、主ユニット11からの命令なしで、少なくとも1つの処置を提供することができる場合がある。更なる処置デバイス14は、主ユニット11、通信デバイス15、及び/又は他の更なる処置デバイス14と通信することができる。更なる処置デバイス14は、同じ会社又は他の会社の任意の他のデバイスとすることができ、デバイスは、特定の1つ以上のタイプの処置エネルギーを提供することができる。更なる処置デバイス14は、処置デバイスの拡張部分(extension)とすることができ、更なる処置デバイス14は、主ユニット11のHMIによっ
て規定されたパラメーターによって処置エネルギーを提供することができる。
【0066】
通信デバイス15は、有線で及び/又は無線で主ユニット11に接続することができる。通信デバイス15は、ラップトップ若しくはデスクトップコンピューター等のコンピューター(正:computer)、又は、スマートフォン若しくは電子タブレット等のモバイル電子デバイスとすることができる。通信デバイスは、処置、処置デバイスの機能にリンクした情報、及び/又は他の情報を送信及び/又は受信することができる。更なる処置デバイス14及び/又は通信デバイス15は、主ユニット11と直接的に、又は、1つ以上の更なる通信デバイス(正:one or more additional communication devices)を通して主ユニット11と間接的に通信することができる。通信を提供するために、通信デバイスは、受信機、送信機、及び、送信情報及び/又は受信情報を処理する制御ユニットを含むことができる。
【0067】
処置デバイスの個々の部分からの又はそこへの送信情報及び/又は受信情報は、通信デバイス15と主ユニット11との間の通信からのデータ、アプリケーター12と主ユニット11との間の通信からのデータ、更なる処置デバイス14と主ユニット11との間の通
信からのデータ、及び/又はリモートコントロール13と主ユニット11との間の通信からのデータを含むことができる。送信情報及び/又は受信情報は、ブラックボックス、クラウド記憶空間、及び/又は他の記憶デバイスに記憶することができる。ブラックボックスは、主ユニット11の一部又は処置デバイスの任意の他の部分とすることができる。他の記憶デバイスは、USB、他のメモリデバイス、及び/又は内部メモリを有する通信デバイスともすることができる。送信情報及び/又は受信情報の少なくとも一部は、HMIによって表示することもできる。送信情報及び/又は受信情報を、HMIを通してユーザーによって及び/又は制御システムによって自動的に、表示、評価、及び/又は変更することができる。1つのタイプの送信情報及び/又は受信情報は、所定の値若しくは現在の値、又は1つ以上の処置パラメーターの選択物、又は患者情報とすることができる。患者情報は、例えば、患者の性別、年齢、及び/又は患者の身体タイプを含むことができる。
【0068】
送信情報及び/又は受信情報は、通信デバイスのサブセットでもある、サポートセンター、例えば、サービス及び/又は販売部門のような外部機関に通知することもできる。外部機関に対する送信情報及び/又は受信情報は、処置デバイスの状態に関する情報、提供された1つ以上の処置の履歴、処置デバイスの動作履歴、ソフトウェア更新情報、摩耗情報、RF電極の耐久性、磁場発生デバイスの耐久性、処置警告、前払い処置(paid treatment)又はクレジットの番号の情報等の処置クレジット/ビリング情報、及び/又は、他の動作及び使用情報を含むことができる。
【0069】
考えられる1つのタイプの送信情報及び/又は受信情報は、1つ以上のアプリケーター12、リモートコントロール13、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15の接続の認識とすることができる。情報に従って、処置デバイスは、接続された更なる処置デバイス14及び/又はアプリケーター12のタイプを手動で又は自動で認識することができる。自動認識を制御システムによって提供することができる。1つ以上のアプリケーター12、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15の接続に関する情報に基づいて、処置デバイスは、HMIの具体化を提供し、アプリケーターに対する接続及び/又は新しい処置オプションの考えられる最適化に関する通知を示すことができる。新しい処置オプションの考えられる最適化は、例えば、少なくとも1つの処置パラメーターの調整、更なる処置エネルギー源の実装、新しい処置エネルギー源のパラメーターの変更、及び/又は他のものを含むことができる。処置デバイス(例えば、制御システム)は、新しく接続されたアプリケーター12及び/又は更なる処置デバイス14に基づいて処置パラメーターを自動的に調整する又は処置パラメーターの調整をオファーすることができる。接続されたアプリケーター12、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15の認識は、特定のコネクタ(例えば、特定のピンコネクタ)に基づくことができる。また、接続の認識は、接続された部分のインピーダンスのような特定の物理的特性によって、又は、アプリケーター又はその接続された部分によって主ユニット11に提供される特定の信号によって提供することができる。主ユニット11、アプリケーター12、リモートコントロール13、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15等の処置デバイスの個々の部分間の接続は、有線で及び/又は無線で(例えば、RFIDタグ、RF、Bluetooth、及び/又は光電磁パルスによって)提供することができる。アプリケーター12は、十分に電力供給されるためにワイヤによって主ユニット11に接続することができる(正:may be connected)。代替的に、アプリケーションは、無線接続を通して接続されて、主ユニット11及び/又は通信デバイス15と通信することができる。接続されたアプリケーター12、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15は、ソフトウェア認識、特定のバイナリID、処置デバイス内に実装されたリストから選択される部分の手作業による認識によって、及び/又は、ペアリングアプリケーションによって認識することができる。
【0070】
主ユニット11内のコネクタ側は、アプリケーターのコネクタ側及び/又は更なる処置
デバイスのコネクタ側に含まれる情報を読み取る及び/又は認識することができるユニットを含むことができる。読み取った情報及び/又は認識した情報に基づいて、アプリケーター及び/又は更なる処置デバイスを、主ユニット11が認識することができる(正:may be recognized by main unit 11)。主ユニット11内のコネクタ側は接続の第1の側
のコネクタとして役立つことができ、アプリケーター又は更なる処置デバイスの接続は接続の第2の側のコネクタとして役立つことができる。情報の送信、情報の受信、及び/又は第1の側のコネクタによる第2の側のコネクタの認識は、これらの2つのコネクタ側の間の導電性接触によって、光学的読み取りによって、及び/又は第1の側のコネクタによって提供される認識によって受信されるバイナリ情報に基づくものとすることができる。光学的認識は、例えば、特定のアプリケーター12についての特定のQRコード(登録商標)、バーコード等の読み取りに基づくことができる。
【0071】
主ユニット11内に位置する第1の側のコネクタは、アプリケーター12及び/又は更なる処置デバイス14からのケーブルの第2の側のコネクタ内に実装されるバイナリ情報を読み取る/認識することができるユニットを含むことができる。第2の側のコネクタ内の実装された情報を、SDカード内に記憶することができる。そのような実装された情報に基づいて、処置デバイスの任意の部分を、主ユニット11が認識することができる。
【0072】
処置デバイスの個々の部分(例えば、主ユニット11、リモートコントロール、1つ以上のアプリケーター、1つ以上の更なる処置デバイス、及び/又は通信デバイスを含む)の間の通信は、ピアツーピア(peer-to-peer)(P2Pと呼ばれる)及び/又はマスタースレーブ通信に基づくことができる。P2P通信中に、処置デバイスの個々の部分は、そのコマンドの同じ優先度を有する、及び/又は、互いの間で直接通信することができる。P2P通信は、処置デバイスの接続された個々の部分の初期認識中に使用することができる。P2P通信は、通信デバイス間等、処置中に処置デバイスの幾つかの部分間で使用することができる。
【0073】
マスタースレーブ通信は、個々の患者の各処置中に、各処置前に、及び/又は各処置後に、少なくとも短時間、処置デバイスの個々の部分間で使用することができる。マスタースレーブ通信中、処置デバイスの1つの部分は、最高優先度を有するコマンドを提供することができる。処置デバイスの個々の部分、例えば主ユニット11は、最高優先度を有するコマンドを提供することができ、マスターユニットと呼ばれる。処置デバイスは、電力源及び/又は1つ以上の制御ユニット等の、個々の電気素子間に少なくとも1つのマスタースレーブ通信を含むことができ、1つ以上の制御ユニットはマスターとして働く。
【0074】
マスターユニットを、処置前に、処置後に、及び/又は処置中にユーザーが選択することができる。ユーザーは、処置デバイスの利用可能な個々の部分又は電気素子からマスターユニットを選択することができる。したがって、ユーザーは、主ユニット11、アプリケーター12、リモートコントロール13、更なる処置デバイス14、又は通信デバイス15をマスターユニットとして選択することができる。マスターユニットは、処置デバイスの個々の部分内に存在する制御ユニット、例えば、主ユニット11内の制御ユニットとすることができる。ユーザーは、処置パラメーターの調整を容易にするために、マスターユニットを選択することができる。ユーザーは、通信デバイス15をマスターユニットとして選択することもでき、マスターデバイスとして選択された通信デバイスは2つ以上の処置デバイスの制御を提供することができる。主ユニット11は、マスターユニットとして制御ユニットを含むことができ、マスターユニットは、患者の温度、処置デバイスの個々の要素上の電圧、及び/又は他のもの等の処置の少なくとも1つのパラメーターをモニターし評価し、両者の間に接続があっても安全な処置を提供することを可能にする。また、マスターユニットは、ヒューマンマシンインターフェースの外にある独立した電気素子とすることができる。マスターユニットは、ヒューマンマシンインターフェースを通して
ユーザーが制御することができる。
【0075】
代替的に、マスターユニットを、処置デバイスの接続された部分の所定の優先度値に基づいて自動的に選択することができる。選択されたマスターユニットは、不変のままとすることができ、処置デバイスの既に選択された部分は、全体の処置の間、マスターユニットとして働くことができる。しかしながら、マスターユニットの選択は、コマンド優先度及び/又はユーザーの選択に基づいて処置中に変更することができる。マスターユニットを、製造上の構成(manufacturing configuration)に従って決定する又はファクトリー
リセット(factory reset)に頼ることもできる(正:may be dependent)。例えば、リ
モートコントロール13は、患者が不快を感じると処置を停止する、最高優先度を有するコマンドを提供することができ、処置は、処置デバイスのどの個々の部分がマスターユニットとして設定されたか、及び、設定された処置パラメーターによらずに停止されることになる。
【0076】
図2図5は、主ユニット11と、1つ以上のアプリケーター12、リモートコントロール13、更なる処置デバイス14、及び/又は通信デバイス15との間の通信において使用することができる幾つかの考えられるマスタースレーブ通信スキームを示す。図2によれば、1つ以上の治療発生器201は、RF電極及び/又は磁場発生デバイス等の処置エネルギー源に信号を提供するために、修正された電気信号を生成する。治療発生器201は、処置デバイス及び/又は主ユニットの回路要素内に存在する電気素子の群又は電気素子の群の少なくとも2つの部材を含むことができる。電気素子の群は、制御ユニット、電力源、同軸ケーブルのシステム、1つ以上のスイッチ、1つ以上のエネルギー貯蔵デバイス、1つ以上のピンダイオード、1つ以上のLC回路、1つ以上のLRC回路、1つ以上の電力増幅器、及び/又は制御された方式で電気信号を積極的に修正する処置デバイスの他の部分を含むことができる。治療発生器は、制御された方式で電気信号の修正を行うことができる。
【0077】
制御された方式で電気信号を修正することは、例えば、患者の組織及び/又はRF電極にわたって測定されるインピーダンス整合に基づいて、提供されるRF処置のインピーダンス調整を提供すること及び/又は制御することを含むことができる。積極的に修正される電気信号は、電気信号が、周波数、対称化、振幅、電圧、位相、強度等のような異なるパラメーターを有することができるように解釈することができる。電気信号のパラメーターは、患者のタイプ、処置パラメーターを含む処置の要件に基づくものとすることができる。さらに、電気信号のパラメーターは、RFエネルギーの測定された定在波(standing
wave)比、組織の温度、RF電極の温度、アプリケーターの内部の温度、アプリケータ
ーの表面の温度、処置デバイスの個々の素子の電流及び電圧、及び/又は他のもの等のフィードバック情報に基づいて修正することができる。
【0078】
図2の図は、処置デバイス通信に対する権限のないいずれの侵入も防止し、個人のユーザーデータ及び/又はアカウントを保護するセキュリティ203を示す。セキュリティ203は、コンピューターウィルス、権限のないアクセスから処置デバイスを保護する、及び/又は、権限のない媒体又は人による読み取り又は変更から、処置デバイスの個々の部分間の通信を保護することができる。セキュリティ203は、通信、及び/又は、処置デバイス及び/又は通信内への望ましくないバイナリコードの侵入を防止するアンチウィルスサービスにおいて使用される情報のコーディングを提供することができる。セキュリティ203は、通信中に生成される誤りを訂正することができる。セキュリティ203は、処置デバイスに対する、権限のない/望ましくない外部デバイスの接続を遮断することができる。
【0079】
図2のセキュリティ203は、通信図内でマスターユニット202と通信インターフェ
ース204との間に位置することができる。セキュリティ203は、素子ユーザー208、サービス207、及び/又は販売206の一部とすることもできる。セキュリティ203は、通信インターフェース204と通信媒体205、治療発生器201との間に位置することもできる、及び/又は、それらの一部とすることができる。
【0080】
通信インターフェース204は、処置デバイス及び/又は他の通信側又は媒体の少なくとも2つの部分の間での通信を可能にするために、電気、電磁、赤外、及び/又は他の信号を、読み取り可能な形態に変換することを可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを含むことができる。通信インターフェース204は、情報及び/又はデータの通信及び/又はコーディングを提供することができる。通信インターフェース204は、例えば、処置デバイスとオンラインネットワーク又はサーバーとの間で通信を提供するモデム又はGSMモジュールとすることができる。通信インターフェース204は、マスターユニット202、治療発生器201の一部、及び/又は処置デバイスの他の部分とすることができる。
【0081】
通信媒体205は通信データを伝達する媒体とすることができる。通信媒体205は、処置デバイスと、ユーザー208、サーバー207、及び/又は販売206との間の通信において使用することができる。通信媒体205は、ワイヤ、SDカード、フラッシュメモリ、同軸ワイヤ、任意の導電性接続、サーバー、RF波、音響波、光学波、GSM、3G、4G、5G、HUBスイッチ、Bluetooth、WiFi等の一定の法則に従う(on principle)或る種のネットワーク、及び/又は1つ以上のサーバーを含むことができる他の媒体とすることができる。
【0082】
通信データ/情報は、処置デバイスの個々の部分に、及び/又は、ユーザー208、サービス207、及び/又は販売206等の個々のユーザー又はサービスにリダイレクトすることができる。通信データ/情報を、マスターユニット202、通信媒体205、及び/又は治療発生器201がリダイレクトすることができる。例えば、サーバーは、ユーザー208のためのデータをフィルタリングし、サービス207制御ユニット及び/又は処置デバイスの他の部分にリダイレクトすることになる他の通信情報をフィルタリングすることができる。
【0083】
図2の「ユーザー208」と呼ぶ要素は、ユーザーによって制御されるHMIの表現とすることができる。代替的に、図2の「ユーザー208」と呼ぶ要素は、ユーザーによって制御される他の通信デバイス(パーソナルコンピューター、ラップトップ、モバイル、タブレット等)の表現とすることができ、通信デバイスは、処置デバイスの少なくとも1つの部分に情報を送信する、及び/又は、処置デバイスの少なくとも1つの部分から情報を受信することができる。この通信チャネルによって提供される情報は、或るタイプの処置プロトコル、処置効果に関する情報、1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値、フィードバック情報、処置される身体エリアの選択、処置前の及び処置後の行動の推奨、及び/又は他の情報とすることができる。情報の少なくとも一部は、モバイルフォン、タブレット、又はラップトップ用のソフトウェアアプリケーションによって等で、処置デバイスを制御するユーザーに、又同様に患者に送信することができる。
【0084】
図2のサービス207は、処置デバイスに関する情報に対する権限のあるアクセスを有するサービス部門を示すことができる。サービス207は、処置デバイスを提供又は製造する会社のサービス部門とすることができ、会社のサービス部門とユーザーとの間の通信は、HMI、通信デバイスを通して、及び/又は事前にプログラムされたソフトウェアインターフェースを通して自動的に提供することができる。この通信チャネルによって提供される情報は、処置デバイスの個々の電気素子の摩耗、任意のRF電極及び/又は磁場発生デバイスの耐久性、個々の電気素子の機能不全、考えられるソフトウェア最適化、及び
/又は、別の更なる処置デバイス及び/又は他のものの接続のためのアプリケーションを提供するデバイスの具体化を含むことができる。処置デバイスの最適化及び/又は具体化は、例えば、処置デバイスソフトウェアに対するリモートアクセス及び/又はエラーの修復を含むことができる。
【0085】
図2の販売206は、処置デバイスに関する情報に対する権限のあるアクセスを有する販売部門とすることができる。販売206は、処置デバイスに付加することができる或るタイプのアクセサリーについてユーザーに通知することができる。さらに、販売206は、プラグインモジュールの販売を仲介する及び/又は処置デバイスのアクセサリーの販売を仲介することができる。さらに、販売206は、ビリング及びレンティングシステム(billing and renting system)とリンクしたオファーを提供することができる。販売206への又は販売206からの通信によって交換される情報は、例えば、処置の回数、処置の時間、及び/又は、適用される処置のタイプ、アプリケーターに関する情報、及び/又は、他のものとすることができる。
【0086】
処置デバイスは、処置履歴に関するデータ、動作履歴、処置デバイスの個々の部分間の通信、ビリング及びレンティングシステムからの又はそこのためのデータ、動作エラー、及び/又は他の情報を記憶するためのブラックボックスを含むことができる。データは、通信媒体(例えば、ストレージクラウド及び/又はサーバー)を介して販売206にとって、サービス207にとって、及び/又はユーザー208にとってアクセス可能とすることができる。処置デバイスは、処置デバイス及び/又はそれぞれの更なる処置デバイスを使用するための料金を管理するビリング及びレンティングシステムを含むことができる。ビリング及びレンティングシステムは、そのような情報をプロバイダーに送信して、ビリングインボイス(billing invoice)を準備することができる。ブラックボックスからの
データを、管理者アクセスを有するサービス技術者、会計係、及び/又は他の人等の、検証された権限のある人員がダウンロードすることができる。権限のある人の検証は、特定の鍵、パスワード、数ビットのソフトウェアコードによって、及び/又は、特定の相互接続ケーブルによって提供することができる。
【0087】
ビリング及びレンティングシステムは、ユーザーアカウントから差し引かれるクレジットに基づくことができる。クレジットを、処置デバイスのプロバイダー、例えば、処置デバイスの生産者が予め規定することができる。クレジットを、処置デバイスが動作中である時間中に再チャージすることができる、及び/又は、ユーザー及び/又はプロバイダーの1つ以上の処置デバイスにリンクしたオンラインアカウントに再チャージすることができる。クレジットを、選択された処置プロトコル又は身体エリアに従って差し引くことができる。個々の1回以上の処置及び/又は処置の一部についてのクレジット値を、処置が開始する前に、処置中に、及び/又は処置後にユーザーに表示することができる。ユーザーのアカウント内のクレジットが底を突いた場合、処置デバイスは、クレジットが再チャージされるまでいずれの更なる処置も使用可能にすることができない。クレジットは、個々の処置のために交換される通貨として使用することができ、異なる処置は、処置のタイプ、処置の継続時間、使用されるアプリケーターの数、及び/又は他の要因に基づいて異なる量のクレジットを要する場合がある。クレジットは、処置デバイスの個々の部分、処置デバイス全体、処置デバイスのハードウェア又はソフトウェア拡張機能、及び/又は処置デバイスに属する他の消耗品及びスペア部品を賃借又は購入するために使用することもできる。クレジットシステムを再チャージすることができるインターフェースは、処置デバイスの一部、HMIである及び/又はウェブサイトインターフェースを通してオンラインアクセス可能であるものとすることができる。
【0088】
1つ以上のソフトウェア拡張機能(例えば、ソフトウェアアプリケーション)は、処置デバイス及び処置方法とリンクすることができる。1つ以上のソフトウェア拡張機能は、
スマートフォン、タブレット、コンピューター、及び/又は他の電子デバイス等の任意の通信デバイスにダウンロードすることができる。ソフトウェア拡張機能は、処置デバイスの主ユニット及び/又は他の部分と通信することができる。インストールされたソフトウェア拡張機能を有する通信デバイスは、1つ以上の処置パラメーター又は処置に関連する情報を表示又は調整するために使用することができる。そのような表示可能な処置パラメーター又は処置に関連する情報は、例えば、処置の時間経過、個々の処置前の及び/又は処置後の処置された身体エリアの測定されたサイズ、印加されたバースト又は列の概略図、処置の残りの時間、患者の心拍数、患者の身体の温度、例えば身体表面の温度、提供される処置のタイプ、処置プロトコルのタイプ、以前の処置に対する患者の身体パラメーターの比較(例えば、体脂肪率(body fat percentage))、及び/又は処置の実際の処置
効果(例えば、筋肉収縮又は筋肉弛緩)を含むことができる。ソフトウェア拡張機能は、処置のスケジュール、個々の処置間のマッピング経過、他の人々と比較した処置結果のパーセンタイル値、及び/又は、処置前の及び/又は処置後の行動の推奨を患者に通知するために患者に提供することもできる。行動の推奨は、例えば、1日の間に患者がどれだけの体積の水を飲むべきか、患者の規定食はどのようなものにするべきか、処置前に及び/又は処置後にどのタイプでかつどれだけの量の運動を患者が行うべきかについての推奨(正:recommendation of)、及び/又は、処置の結果を改善することができる他の情報を
含むことができる。
【0089】
治療発生器201、マスターユニット202、セキュリティ203、通信インターフェース204、通信媒体205、ユーザー208,サービス207、及び/又は販売206等の、通信図の個々の要素間の通信は、双方向又は多方向とすることができる。
【0090】
ユーザー208、サービス207、販売206、通信媒体205の間の接続、及び/又は、治療発生器201とマスターユニット202との間の接続は、安全な通信を提供し、エラーをなくすためにセキュリティ203によってセキュア化することができる。セキュリティ203は、マスターユニット202と通信インターフェース204との間に及び/又は通信媒体205と通信インターフェース204との間に位置することができる。
【0091】
図3に示すように、ユーザー208、サービス207、及び/又は販売206と処置デバイスとの間のリモートアクセス通信の別のオプションを、サーバー301が提供することができる。サーバー301はセキュリティ203を含むことができる。セキュリティ203は、ユーザー208、サービス207、及び/又は販売206の個々のアクセスにおいて実装することができる。
【0092】
図4に示すように、通信媒体205は1つ以上の治療発生器201と通信することができる。1つ以上の治療発生器201はマスターユニット202と通信することができる。通信媒体205からの情報は、治療発生器201がマスターユニット202に情報を送信する前に、セキュリティ203によって検証することができる。
【0093】
図5は、通信媒体205と1つ以上の治療発生器201A~201Dとの間の通信の概略図を示す。治療発生器A 201Aは、少なくとも1つ以上の治療発生器201B~201Dと通信することができる。別の治療発生器B 201Bは、1つ以上の治療発生器201A、201C、201Dと通信することもできる。治療発生器C 201Cは、治療発生器A 201Aと直接通信することができず、治療発生器B 201Bを通して通信することができる。セキュリティ203は、各治療発生器201A~201Dの間及び/又は治療発生器201Aと通信媒体205との間の通信経路内に存在することができる。
【0094】
図6は、処置デバイスの主ユニット11を示す。主ユニット11は、HMI61、ベン
チレーターグリッド62、少なくとも1つのアプリケーターホルダー63a及び63b、少なくとも1つのデバイスコントロール64、アプリケーターコネクタ65a及び65b、少なくとも1つの主電源入力66、主ユニット11の湾曲カバー67、ホイール68、主ユニットカバー開口69、主ユニットハンドル70、及び/又はロゴエリア71を含むことができる。主電源入力66は、パワーグリッド又は電力ネットワークに対する結合又は接続を提供することができる。
【0095】
処置デバイスのベンチレーターグリッド62は、ワンピースとして設計することができる、及び/又は、熱消散を提供するために複数のベンチレーターグリッド62に分割することができる。ベンチレーターグリッド62は、主ユニット11を動作させる人の方に向くこともでき、床に向くとともに目に見えないものとすることもでき、及び/又は、ベンチレーターグリッド62は、主ユニット11の側面に存在することができる。ベンチレーターグリッドの床に向く位置付けは、患者のために耳ざわりなノイズを最小にするために使用することができ、これはなぜならば、電気エネルギーによって駆動される、主ユニット11及び/又は電気素子の冷却のようなプロセスがノイズを生成する場合があるからである。主ユニット11の表面上の全てのベンチレーターグリッド62の表面積は、100cm~15000cm、又は200cm~1000cm、又は300cm~800cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0096】
主ユニット11による操作は、主ユニット11の底部上でホイール68を回転させることによって及び/又は主ユニットハンドル70によって行うことができる。処置デバイスを提供する会社のロゴエリア71は、主ユニットハンドル70の下に及び/又は湾曲カバー67及びHMI61上の任意の場所に位置することができる。
【0097】
図6に示すように、患者に向く主ユニット11の前側は主ユニットの湾曲カバー67として設計することができる。患者に向く主ユニット11の前側は、主ユニット11の床面投影に従って直角を持たないとすることができる。患者に向く主ユニット11の前側は、主ユニット11の内部をカバーする1つ、2つ、又はそれより多い数のピースとして設計することができる。湾曲して向かい合う側を有する主ユニット11は、患者の支持体の近くで主ユニット11自身の操作を改善することができ、主ユニット11と患者の種々の傷つきやすい身体部分(例えば、指)との間の衝突(正:collision between)のリスクが
最小にされる。主ユニット11の向かい合う側は、主ユニットカバー開口69を含むこともできる。主ユニットカバー開口69は、患者又は処置される身体エリアの温度をモニターするサーマルカメラ、1つ以上のアプリケーターの場所、患者及び/又は他のものの移動をモニターするカメラを含むことができる。主ユニットカバー開口69は、主ユニットの湾曲カバー67内の開口によって示すことができる。主ユニットカバー開口69は、更なる処置デバイスに接続する1つ以上のコネクタを含むことができる。さらに、主ユニットカバー開口69は、患者の移動、処置される身体及び/又は生物学的構造の加熱をスキャンする、カメラ、赤外センサー等の1つ以上のセンサーを含むことができる。そのようなセンサーからの情報に基づいて、1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値は、患者が移動するとき、皮膚表面が温度閾値限界に達するとき、又は処置される身体エリア及び/又は他のものが決定されるとき、最適化することができる。主ユニット11の前側は、1つ以上のアプリケーターコネクタ65a及び/又は65bを含むこともできる。
【0098】
患者に向くアプリケーターコネクタ65a及び65bは、オペレーター(例えば、医師又は技術者)に向く側に接続されたアプリケーターよりも患者の身体に近いものとすることができる。したがって、アプリケーターを主ユニット11に接続する接続管814の長さを最小にすることができる。より短い接続管814によって接続される1つのアプリケーター及び/又は複数のアプリケーターを用いた操作は、より長い接続管814によって
接続されるアプリケーターを用いた操作よりも容易とすることができる。主ユニット11の前側は、角部及び/又は角度を全く持たない場合があり、少なくとも部分的に楕円の及び/又は円形の湾曲を含むことができる。湾曲は、20cm~150cm、30cm~100cm、30cm~70cm、又は40cm~60cmの範囲内の曲率半径を有することができる。主ユニット11前側湾曲の角度は、30度~200度、又は50度~180度、又は90度~180度の範囲内にあるものとすることができる。湾曲の角度は、以下で更に詳細に論じる図23のセクション26の角度30が規定されるのと同じ原理に従って規定することができる。
【0099】
主ユニット11は、1つ以上のアプリケーターホルダー、例えば、63a及び63bを含むことができる。代替的に、1つ以上のアプリケーターホルダーは主ユニット11に結合することができる。各アプリケーターホルダー63a及び63bは、異なるタイプのアプリケーターについて特定の設計を有することができる。アプリケーターホルダー63a及び63bはそれぞれ、単一のアプリケーター12a又は12bを保持することができる。各アプリケーターホルダー63a、63bは幾つかの機能を有することができる。例えば、アプリケーターホルダー63a及び63bは、アプリケーターの少なくとも一部の予熱又は予冷のために使用することができる。さらに、アプリケーターホルダー63a及び63bは、別のHMIを含み、選択された処置に関する情報、1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値を表示するために使用することができる。また、アプリケーターホルダー63a及び/又は63bは、アプリケーターが使用する準備ができているか否かの指示を提供することができる。さらに、アプリケーターホルダー63a及び/又は63bは、アプリケーターの少なくとも一部の温度の現在値(正:current value of
temperature)を示すことができる。その指示は、色点滅又は振動で提供することができる。アプリケーターホルダー63a及び/又は63bは、1つ以上の処置パラメーター及び/又は患者に接触するアプリケーターの部分の温度等のアプリケーターパラメーターの実際の値及び/又は所定の値を設定するために使用することができる。
【0100】
主ユニット11は、主ユニット11をスイッチオン及びオフするための、電力入力パラメーターの手動設定のための、及び/又は他の機能のためのデバイスコントロール64を含むことができる。アプリケーターコネクタ65a及び65bは、主ユニット11及びアプリケーターからの電気及び/又は電磁信号の伝達のために使用することができる。アプリケーターコネクタ65a及び65bは、1つ以上のアプリケーター(接続管814による)、通信デバイス、更なる処置デバイス及び/又は、USB、SSDディスク等のメモリ記憶デバイス、診断デバイス、及び/又は現在の技術水準において知られている他のメモリ記憶デバイスの接続のために使用することができる。1つ、2つ、又はそれより多い数のアプリケーターの接続のためのアプリケーターコネクタ65(例えば、65a及び/又は65b)は、主ユニット11内に又は主ユニット11の側面に位置することができる。同軸ケーブルの長さは、送信される電気信号の周波数にリンクすることができる。1つ以上のアプリケーター12a及び/又は12bを用いたより容易な操作を提供するために、主ユニット11から、例えばアプリケーター12a(したがって、接続管814)までの接続の長さは、できる限り長くあるべきである。しかしながら、主ユニット11内の電気素子間の少なくとも1つの同軸ケーブルの長さは、少なくとも処置エネルギー源(例えば、RFエネルギーを提供するRF電極)に送信される送信電気信号(例えば、RF信号)の周波数とリンクすることができる。したがって、主ユニット内の(例えば、電力源とアプリケーターコネクタ65a及び/又は65bとの間の)少なくとも1つの同軸ケーブルの長さは、できる限り短いものとすることができる。主ユニット11内に位置する同軸ケーブルの長さは、3cm~40cm、又は7cm~30cm、又は10cm~20cmの範囲内にあるものとすることができる。主ユニット11に接続された1つ以上のアプリケーター12a又は12bを用いた操作を最適化するために、アプリケーターコネクタ65a及び65bは、主ユニット11の湾曲した前側上に位置することができる。
【0101】
HMI61は、1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値を示すタッチスクリーンディスプレイを含むことができる。タッチスクリーンは、表示された処置パラメーターを選択する及び/又はそれらを調整するオプションを提供することができる。HMI61は、2つの表示セクション61a及び選択セクション61bに分割することができる。表示セクション61aは、1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値並びにユーザーのための他の情報を表示することができる。HMI61の選択セクション61bは、処置パラメーターの選択及び/又は処置の他の調整のために使用することができる。HMIは、1つ以上のアプリケーター12、主ユニット11、更なる処置デバイス14、及び/又は他の1つ以上の通信デバイス15に含まれる、それに結合される、又はその一部とすることができる。
【0102】
HMIを主ユニット11内に含めることができる。HMIは、主ユニット11上において水平向きで固定することができ、又は、HMI61は、床又は他の水平支持表面に対して0度~90度だけ方向付け又は傾斜することができる。HMI61平面と床との間の角度は、少なくとも1つの継手によって調整することができる、又は、少なくとも1つのデカルト座標の周りで回転することができる。HMI61は、取り外し可能なHMI、例えばタブレットの形態であるものとすることができる。HMI61は、主ユニット11からのHMI61の距離、及び/又は、主ユニット11及びユーザーに対するHMI61の向きを調整することができるホルダーによって、1つ、2つ、又は3つのデカルト座標に従って、伸縮式に及び/又は回転式に調整することができる。ホルダーは、少なくとも1つ、2つ、又は3つの実装された継手部材を含むことができる。
【0103】
1つのHMI61は、プロバイダーによって提供される2つ以上のタイプの処置デバイスのために使用することができる。HMIソフトウェアインターフェースは、主ユニットソフトウェアの一部、又は、1つ以上の更なる処置デバイス及び/又は通信デバイスに含まれるソフトウェアの一部とすることができる。ソフトウェアインターフェースは、通信デバイス、更なる処置デバイス、フラッシュメモリデバイスとの接続、販売、サービス、及び/又はインターネットとのリモート接続によってダウンロード及び/又は具体化することができる。
【0104】
図26は、主ユニット11の内部の例示的なレイアウトを示す。主ユニット11の内部は、複数の電気素子制御システム、1つ以上の制御RF回路、磁気回路、及び/又は処置デバイスの訂正機能のために必要とされる他の要素を含むことができる。主ユニット11内の個々の要素の位置付けは、患者に向く前側の底部縁をゼロ値とするデカルト座標によって記述することができる。主ユニット11は、1つ以上のストラット74を含むことができる。少なくとも2つのストラット74は、他の垂直ストラット74に対してその端で固定することができるX形状を作成して、主ユニット11のための構成を作成することができる。主ユニット11は、1つ以上の制御ユニット、PCB、電力源、スイッチ、エネルギー貯蔵デバイス等の電気素子、及び/又は処置デバイスの他の電気素子を冷却するように構成される少なくとも1つの冷却システム78を含むことができる。冷却システム78は、アプリケーターに提供される冷却流体を提供及び/又は冷却するために使用することができる。SYM要素79は、Z座標の上部3分の1でかつY座標によらずX座標の最初の3分の1のところに位置することができる。SYMの機能は以下で説明される。主ユニット11は、アルミニウム又は他の金属材料から形成される1つ以上のケース72を含むこともできる。1つ以上のケース72は、主ユニット11の1つ以上の内部部分の、主ユニット11の他の部分からの電気絶縁、電磁絶縁、及び/又は放射絶縁(以降で単に絶縁)を提供することができる。例えば、RF回路73の少なくとも一部は、ケースのうちの1つのケース内でX座標及びZ座標の最後の3分の1のところに位置することができる。RF回路及び/又は磁気回路の少なくとも一部に電力供給する電力源75は、X座標の
最後の3分の1でかつZ座標の最初の3分の1のところに位置することができる。エネルギー貯蔵デバイス76を、1つ以上のRF回路から少なくとも部分的に絶縁することができる。複数の磁気回路が使用されるとき、複数の磁気回路を、互いから少なくとも部分的に絶縁することができる。上記で述べたように、エネルギー貯蔵デバイス76からアプリケーターコネクタ65につながる同軸ケーブルの短い長さを確実にするために、両方の要素(エネルギー貯蔵デバイス76及びアプリケーターコネクタ65、例えば65a)は、X座標及びZ座標の最初の半分のところ等、X座標及びZ座標の同じ半分のところに位置することができる。磁気回路のボックス77によって示される他の電気素子は、X座標の最初の半分でかつZ座標の3分の2のところに位置することができる。
【0105】
図7は、HMI61の例示的なディスプレイインターフェース700を示す。HMI61は、1つ以上のアプリケーターシンボル701を表示することができる。1つ以上のアプリケーターシンボル701及びそれらの色は、利用可能な又は接続されたアプリケーター、主ユニット11に接続された及び/又は処置に関わる更なる処置デバイスの接続品質、数、及び/又はタイプを表すことができる。リスト702は、処置プロトコルのリストを記録又は調整することができるページ又は異なるディスプレイレイアウトにリダイレクトすることができる。処置プロトコルのリスト702は、1つ以上の処置パラメーター(例えば、磁場の強度、RF場の強度、磁気インパルスの強度、磁気パルスの強度、パルス継続時間、バースト継続時間、個々のバーストの組成、デューティサイクル、包絡線の形状、処置の時間、処置部分の組成、処置中の生物学的構造の閾値温度、及び/又は他のパラメーター)の1つ以上の所定の値を含むことができる。処置パラメーターのリストは、個々の患者又は身体エリアについて最適化された1つ以上の保存された処置プロトコルを含むことができる。処置プロトコルを選択した後、処置パラメーターを、ユーザーによって更に最適化することができる。また、処置パラメーターを、患者の身体タイプ(例えば、痩せこけた、ほっそりした、平均体重、太りすぎ、又は肥満)、又は、患者のBMI、性別、年齢層(例えば、30歳未満、30歳~39歳、40歳~49歳、50歳~59歳、60歳以上)等の更なる患者のパラメーターを選択することによって調整することができる。また、処置パラメーターを、処置プロトコルの一部のみを選択することによって更に最適化することができる。
【0106】
HMI61は、幾つかの機能を有することができる1つ以上のスライダーを含むことができる。例えば、スライダー703は、リスト702、治療アイコン704、又はレコード(records)707等、インターフェースのどのページを使用するかを選択するための
ナビゲーターとして使用することができる。また、スライダー703は、処置の終了までにどれだけの時間が残っているかを示すために使用することができる。
【0107】
治療アイコン704は図7に示すインターフェースを示すことができる。タイマー705は、処置継続時間、処置の残りの時間、及び/又は処置の経過時間を示すことができる。「プロトコル1」アイコン706は、選択された、及び/又は、現在適用されている又は適用されるように準備されているプロトコルのタイプの番号を示すことができる。「レコード」707は、記録された処置の履歴、処置される患者に関する情報、ビリング及びレンティングシステムに関する情報、ビリング情報に関する情報、及び/又は処置のクレジットコストを有する別のページのインターフェースにリダイレクトすることができる。「レコード」707は、どれほど多くのクレジットがクレジットアカウントに残っているか、どれほど多くのクレジットが費やされたか、処置デバイスがどれほど長く使用されたか、及び/又は、他のビリング情報を表示することができる。シンボル「設定(setting
)」708によって表されるアイコンは、例えば、デバイスによって生成される音のメロディー及び/又は強度、及び/又は、ディスプレイの輝度の設定を含む処置デバイスの設定にユーザーをリダイレクトさせることができる。処置デバイスによって生成される音及び/又はディスプレイの輝度は、処置の前において及び/又は処置中に異なるものとする
ことができる。「設定」708インターフェースは、日付け、時間、言語、主ユニットと、アプリケーター、更なる処置デバイス、及び/又は通信デバイスとの間の接続のタイプ及び/又はパラメーターを変更することが可能であるとすることもできる。「設定」708インターフェースは、処置デバイス及びその接続された部分の較正及び機能スキャンを開始するためのアイコンを含むことができる。「設定」708インターフェースは、ソフトウェア情報、ソフトウェア履歴、及び/又はソフトウェア具体化、サービスに連絡する及び/又はエラープロトコルを送信するためのボタン、動作モードのタイプ(例えば「基本(basic)」又は処置デバイスの許可された更なる設定を有する「エキスパート(expert)」)、処置のためにクレジットを再チャージする可能性、工場設定への回復及び/又
は他の設定を提供することができる。
【0108】
強度符号709は、パーセンタイル値、数字、パワーの形態で、及び/又は別の形態で示すことができる。強度符号709は、処置エネルギー源の強度を調整することができるアイコンに隣接して位置することができる。強度符号709は、処置エネルギー源の強度を調整することができるアイコンの下に、その上に、及び/又はその中に(例えば、強度バー710内の数字として及び/又は別の可視化として)位置することができる。提供されるエネルギーの1つの処置エネルギー源(例えば、RF場又は磁場)を示す各強度バー710は、それ自身の強度符号709を有することができる。処置デバイスは複数のアプリケーター714を含むことができ、例えば、第1のアプリケーターA及び第2のアプリケーターBは、処置デバイスの主ユニットに接続することができる。こうして、アプリケーターA及びBは、同じ筋肉群内の異なる筋肉に、又は、対形成した筋肉又は協働する筋肉の中でも、左及び右臀部、腹部の左側及び右側、左及び右大腿部等の対の筋肉に適用することができる。接続されたアプリケーター及び/又は処置エネルギーを提供する更なる処置デバイスの数は、2より少ない又は2より多いものとすることができる。
【0109】
図7に示すように、各アプリケーターは、磁気処置718(図7のためにHIFEM A及びHIFEM Bとしてマーク付けされ、例示的なヒューマンマシンインターフェースに示す左HMI部分)及び/又はRF処置712(図7のためにRF A及びRF Bとしてマーク付けされ、例示的なHMIに示す右HMI部分)を提供することができる。
【0110】
各RF場及び/又は磁場の強度は、例えば、強度バー710を通して個々の磁気強度スクローラー719及び/又はRF強度スクローラー711のスクロールによって独立に調節することができる。1つ以上のスクローラー又は強度バーは、独立に移動することもできるし、複数の磁場、複数のRF場をともに、及び/又は、1つのアプリケーターによって提供される複数のRF場及び磁場をともに調節するために、別のスクローラー又は強度バーとともに移動することもできる。また、1つ以上のスクローラー又は強度バーは、独立に制御することもできるし、複数の磁場、複数のRF場をともに、及び/又は、2つのアプリケーターによって提供される複数のRF場及び磁場をともに調節するために、別のスクローラー又は強度バーとともに移動することもできる。1つ以上の強度バー710は、色で区別することができ、強度スクローラー719又は711によって及び/又は強度ボタン720によって調整することができる。強度ボタン720は、RF場及び/又は磁場強度を、1%又は2%又は5%又は10%等の固定増分だけ、又は、考えられる最大の場の強度の1%~10%の範囲内又は1%~5%の範囲内で変更する(例えば、増加又は減少させる)ことができる。磁場及び/又はRF場の強度は、各処置エネルギー源について独立に調整することができる。また、磁場及び/又はRF場の強度は、1つ以上のアプリケーター、更なる処置デバイス、及び/又は処置エネルギー源の選択及び/又は接続によって調整することができる。
【0111】
1つ以上のRF電極及び/又は磁場発生デバイスの動作は、同期することができ、1つ、2つ、又はそれより多い数の強度スクローラー719及び/又は強度ボタン720によ
って制御することができる。処置は、ボタンスタート713によって開始することができ、ボタンスタート713は、(例えば、処置を開始した後)ボタンポーズになるように自動的に変更することができる。処置は、処置中に、ボタンストップ716によって再開及び/又は停止することができる。インターフェースは、処置が不快であるときにリモートコントロールを通して患者が作動することができる不快ボタン717のインジケーターを示すこともできる。不快ボタン717が作動されると、処置を、自動的にかつ即座に中断(例えば、一時停止又は停止)することができる。不快ボタン717が作動されると、処置デバイスは、音信号を含む可聴警報を含む人間が知覚可能な信号を提供することができる。さらに、人間が知覚可能な信号は、例えば、点滅する色を含む視覚的警報を含むことができる。患者の不快に基づいて、ユーザーは、例えば、処置パラメーター又は処理プロトコル、アプリケーターの取り付け又は結合を調整することができる。インターフェースは、処置デバイスをスイッチオン又はオフするソフトウェアパワースイッチ715を含むこともできる。
【0112】
図7に示すように、HMIは、RF処置用の2つの強度バー(例えば、710)及び磁気処置用の2つの強度バーを含むことができる。さらに、HMIは、RF処置用の2つの強度スクローラー(例えば、711)及び磁気処置用の2つの強度バー(例えば、719)を含むことができる。さらに、HMIは、RF処置用の4つの強度ボタン及び磁気処置用の4つの強度ボタン(例えば、720)を含むことができる。1つの強度スクローラー、1つの強度バー、及び/又は2つの強度ボタンを、1つの処置回路のために設けることができる。さらに、図7は、RF処置用の2つの処置回路及び磁気処置用の2つの処置回路を含む処置デバイスのHMIを示すことができる。
【0113】
処置デバイスは1つ以上のアプリケーターを含むことができる。処置デバイスは、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれより多い数のアプリケーターを含むことができる。各アプリケーターは、RF処置を提供する1つ以上のRF電極及び磁気処置を提供する1つ以上の磁場発生デバイス等の、少なくとも1つ、2つ、又はそれより多い数の異なる処置エネルギー源を含むことができる。例えば、第1のアプリケーターは1つのRF電極及び1つの磁場発生デバイスを含むことができ、一方、第2のアプリケーターは別のRF電極及び別の磁場発生デバイスを含むことができる。1のアプリケーターは、1つの接続管によって主ユニットに結合することができる。異なるアプリケーターの接続管は、各アプリケーターのために相互接続する又は分離することができる。代替的に、複数のアプリケーターは、1つの共通接続管によって主ユニットに結合することができる。少なくとも1つのアプリケーターの少なくとも1つの処置パラメーターを、他の1つ以上のアプリケーター及び/又は更なる処置デバイス上で独立に変更することができる。
【0114】
1つ以上のアプリケーター、更なる処置デバイス、及び/又は通信デバイスは、1つ以上のワイヤによって及び/又は流体導管によって主ユニットに機械的に接続することができる。1つ以上のワイヤ及び/又は流体導管が、接続管を通して位置し、つながることができる。主ユニットとアプリケーターとの間で結合した1つ以上のワイヤは、RFエネルギーを生成するために、アプリケーター内に位置決めされたRF電極に電気信号(例えば、RF信号を表す)を伝達するために使用することができる。1つ以上のワイヤは、磁場のインパルスを生成するために、アプリケーター内に位置決めされた磁場発生デバイスに電流を提供するために使用することができる。アプリケーター及び主ユニット11を結合する同じワイヤ及び/又は異なるワイヤは、主ユニット11とアプリケーター12との間の通信のために及び/又はフィードバック情報を収集するために使用することができる。フィードバックアプリケーションは、例えば、処置前の及び/又は処置中の、測定された信号パラメーター及び/又はワイヤのインピーダンス計測特性を含むことができる。主ユニット11とアプリケーター12との間の流体導管は、液体、油、水、蒸気、ガス、及び/又は他の温度調節用冷却流体を誘導することができる。
【0115】
1つ以上のアプリケーターは、1つ以上のストラップ、1つ以上のベルトによって、又は、アプリケーター下で負圧を生じさせることによって、患者の身体及び/又は身体エリアに結合することができる。また、アプリケーターは、支持マトリックスによって、又は、アプリケーターの表面の少なくとも一部上に位置し、患者の身体又は衣類に接触する接着剤層によって身体エリアに結合することができる。アプリケーターは、調整可能な機械式位置決めアームによって患者の身体エリア又は衣類にアプリケーターを押すことによって、身体エリアに結合することができ、アプリケーターは、少なくとも1つ、2つ、又はそれより多い数の継手を含む位置決めアームに取り外し可能に結合することができる。ベルトは、少なくとも部分的に弾性があるとすることができ、フック及びループファスナー(Velcroによる)、バックル、スタッドによって等で、閉ループを作成することができる、及び/又は、他の締結機構を、長さを調整するために使用することができる。ベルトは、身体エリアに結合することができ、アプリケーターをベルト及び/又は患者の皮膚又は衣類に結合するための締結機構を含むことができる。そのような締結機構は、例えば、アプリケーター用のポケットを有するベルトとすることができる。アプリケーターを身体エリアに結合することは、身体エリアとの近接部又は接触部にアプリケーターを取り付けること又は位置決めすることを含むことができる。1つ以上のアプリケーターは、1つ以上のタイプの処置(例えば、RF処置又は磁気処置)の適用前に又は適用中に身体エリアに結合することができる。また、アプリケーターは、軟質材料のカバーによって、身体エリア、皮膚、又は衣類に結合することができ、カバーは、アプリケーター及び/又は身体エリアの部分の周りに折り曲げることができる。さらに、アプリケーターは、軟質材料カバーで覆われ、ベルトの取り付けのための、軟質材料を折り曲げるための、又は本明細書で述べる任意の他の結合オプションのための他の結合ポイントを提供することができる。
【0116】
ベルトは、少なくとも部分的に柔軟性があるものとすることができる長さ調整可能なベルトとすることができる。1つ以上のベルトは、1つ、2つ、又はそれより多い数のアプリケーターを患者の身体又は身体エリアに結合するか、固定するか、及び/又は取り付けることができる。ベルトを1つのアプリケーター800に結合することができる、又は、1つのベルトは、2つ以上のアプリケーターを患者の身体に結合することができる。複数(例えば、2つ、3つ、又はそれより多い数)のアプリケーターが使用される場合、1つのアプリケーターを1つのベルトによって患者の身体エリアに結合することができ、一方、別のアプリケーターを異なるベルトによって身体エリアに結合することができる。代替的に、複数(例えば、2つ、3つ、又はそれより多い数)のアプリケーターを、1つの同じベルトによって患者の身体エリアに結合することができる。ベルトによって結合される少なくとも1つのアプリケーターは、処置の少なくとも一部について、患者の身体に対して静的に固定することができる。ベルトによって患者の身体に結合される少なくとも1つのアプリケーターを、処置中に1回以上、オペレーターによって手動で又は自動で再位置決めして、患者のための最適処置効果及び処置快適さを確実にすることができる。
【0117】
アプリケーター及び/又は更なる処置デバイスを患者の身体に結合することは、アプリケーターを、患者の身体及び/又は身体エリアに近接して設置することを含むことができる。近接結合の場合、アプリケーターと患者の皮膚との間の最短距離は、0.01cm~10cm、又は0.01cm~5cm、又は0.01cm~2cm、又は0.01cm~1cm、又は0.01mm~5mm、又は0.01mm~2mmの範囲内にあるものとすることができる。しかしながら、アプリケーターは、患者の皮膚と直接接触して設置することもできる。直接接触の場合、アプリケーターと患者の皮膚との間に有意な距離は存在しないものとすることができる。近接又は直接接触の場合、介在する材料は、アプリケーターと患者の皮膚又は衣類又は身体エリアとの間に位置決めすることができる。介在する材料は、空気ギャップ、ボーラス、支持マトリックス、ベルトの一部、テキスタイル、他
の衣類、ゲル、液体吸収材料、又は金属とすることができる。
【0118】
図22は、支持マトリックス22の使用による、患者の身体に対するアプリケーター及び/又は更なる(正:additional)処置デバイス21の例示的な取り付けを示す。支持マトリックス22は、図22に示すように、格子及び/又は足場として形作ることができる。格子及び/又は足場は、少なくとも部分的に柔軟性があり、患者の身体に取り付けられる。支持マトリックスは、アプリケーターのスポット24と呼ばれる規定された場所において患者の身体に近接してアプリケーター及び/又は更なる処置デバイス21を締結部材23によって結合するために使用することができる。支持マトリックスは、図22のポリマー足場様のもの、テキスタイル/ポリマーシート様の基材、及び/又は他のものとすることができる。締結部材は、アプリケーター及び/又は更なる処置デバイス21を締結するための係止機構、ヒンジ、バヨネット様システム、Velcro等(正:such as)の
1つ以上の要素とすることができる。
【0119】
図25に示すように、アプリケーター800は、接続管814によって主ユニットに接続することができる、アプリケーターのケーシングを画定する1つ以上の部分を含むことができる。また、アプリケーターは、アプリケーターの機能及び機能性を更に規定するアプリケーター内で隠蔽された1つ以上の部分を含むことができる。アプリケーターのケーシングは、異なる部分、例えば、ハンドルカバー512、ハンドル514、上部カバー516、アプリケーターの底部カバーを作成する第2の側面部802を含むことができる。ハンドルカバー512は、マーカー813、及び/又は、例えば1つ以上の処置パラメーターの実際の値及び/又は所定の値を表示及び/又は調整するHMI508を含むことができる。ハンドル514は、アプリケーター800を用いた操作のために及び/又はアプリケーター800を患者の身体エリアに結合するために使用することができる。上部カバー516はアプリケーターの内部を画定することができる。上部カバー516は、アプリケーターの内部へ又は内部から流れる空気が、アプリケーターの内部に位置する電気素子を冷却することを可能にする空気開口504を有することができる。アプリケーターの内部に位置する電気素子は、例えば、RF電極、磁場発生デバイス、及び/又は温度センサー510を含むことができる。第2の側面部802はアプリケーターの底部カバーを作成する。第2の側面部802は、1つ以上の突出形状、溝、及び/又は他のものを含むことができる。電力、エネルギー、1つ以上の電磁信号、及び/又は冷却流体は、接続管814を介してアプリケーターに送出することができる。さらに、アプリケーター内の1つ以上の電気駆動式素子(例えば、磁場発生デバイス900及び/又は少なくとも1つのRF電極を有する基材113a)の冷却は、上部カバー516及び/又は第2の側面部802に固定されたファン524によって提供することができる。RF電極基材113aは、アプリケーター内の温度、底部カバー526の少なくとも一部の温度、身体エリアの温度、及び/又は患者の生物学的構造の温度を決定するように構成される温度センサー510を含むことができる。基材上に位置するRF電極は、同軸ケーブルを再接続する対形成素子136に接続することができる。対形成素子136は、図24に関して更に述べられる。また、図25は、磁場発生デバイスを上部カバー516及び/又は第2の側面部802に固定するために使用することができるフレーム506を示す。フレーム506は、磁気処置中にノイズ及び振動をなくすように構成することができる。
【0120】
アプリケーターを、例示的な図8a~図8dに示すように設計することができる。図8a~図8dに示すアプリケーター800は、身体エリアの処置のために使用することができる。
【0121】
1つ以上のRF電極は、アプリケーター800内で磁場発生デバイスと患者の身体エリアとの間に位置することができる。RF電極は、第1の側面部801、第2の側面部802の湾曲、及び/又は、患者の身体エリアの湾曲に少なくとも部分的に適合するように形
作ることができる。磁場発生デバイスは、第1の側面部801の湾曲、第2の側面部802の湾曲、及び/又は、患者の身体エリアの湾曲に少なくとも部分的に適合することができる。RF電極及び/又は磁場発生デバイスは、RF処置及び/又は磁気処置のより良好なターゲット設定に集中する及び/又はそれを提供するために湾曲することができる。第1の側面部801は、処置中に第1の側面部801内に四肢の位置を維持するように構成することができる。第1の側面部801は、処置される身体エリアについて安定位置及び/又は平衡を提供することができる。患者の四肢の位置は、四肢が筋肉収縮によって移動しても第1の側面部801内に維持することができる。四肢の側方移動及び/又は回転は、四肢が安定位置にあり得るように第1の側面部801及び/又はベルト817によって制限することができる。アプリケーター800に対する回転運動は、アプリケーター800を身体エリア、処置される身体四肢の少なくとも一部(正:at least part of)にベルトによって結合することによって制限することができる。さらに、腕の一部が磁気処置及び/又はRF処置によって処置されるとき、四肢の少なくとも一部は、四肢の移動を最小にするために患者の胴体に取り付けることもできる。
【0122】
第2の側面部802は、第1の側面部801に対してアプリケーター800の反対側に位置することができる。第2の側面部802は実質的に平面とすることができる、又は、第2の側面部802は少なくとも部分的に凹状及び/又は凸状とすることができる。アプリケーター800は、ベルト817等の位置決め機構によって患者に結合することができ、それは図8a及び図8bに示される。
【0123】
図8aは、第1の側面部801の第1の端部804にある窪み803及び第1の側面部801の第2の端部805にある窪み806内に固定することができる位置決め機構を含むアプリケーターを記載する。ベルト又はストラップ等の位置決め機構を締結することができる、又は、その長さを、クリップ807によって調整することができる。クリップ807は、時計回り又は反時計回り方向にピン808の周りに移動することができる。クリップ807を、ばねによって付勢することができる。代替的に、クリップ807を、適切な係止機構によって又は任意の他の移動制限方法によって係止することができる。クリップ807は、位置決め機構の正しい長さを固定するためにクリップ807の下側にファスナー809を含むことができる。ファスナー809は、他の機械式ファスナーの中でも面ファスナー(hook-and-loop fastener)、Velcroファスナー、ピンタイプファスナーとすることができる。上述したように患者の身体にアプリケーター800を結合することは、患者の身体エリアがアプリケーター800の第1の側面部801に取り付けられるときにたいていは使用することができる。RF電極及び/又は磁場発生デバイスは、第1の側面部801の湾曲に少なくとも部分的に適合するように形作ることができる。RF電極及び/又は磁場発生デバイスは、RF処置及び/又は磁気処置のより良好なターゲット設定に集中する及び/又はそれを提供するために湾曲しているものとすることができる。
【0124】
図8b及び図8cは、第1の側面部801の湾曲に垂直に及び/又はアプリケーターの軸810に垂直に誘導することができる位置決め機構を含むアプリケーターを示す。位置決め機構は、ハンドル812の凹部815を通して、及び/又は、ハンドル812の下に、それを通して、又はその上に位置決め又は誘導することができる。ベルト817を、患者の皮膚に対してアプリケーター800を保持するために、アプリケーター800を通して及び/又はその上に任意の方向に誘導することもできる。上述したように患者の身体にアプリケーター800を結合することは、患者の身体エリアがアプリケーター800の第2の側面部802に取り付けられるときにたいていは使用することができる。RFデバイス及び/又は磁場発生デバイスは、第1の側面部801に少なくとも部分的に適合するように形作ることができる。RF電極及び/又は磁場発生デバイスは、RF処置及び/又は磁気処置のより良好なターゲット設定に集中する及び/又はそれを提供するために平坦である又は湾曲しているものとすることができる。
【0125】
図8bは、アプリケーター800の上面図を示す。アプリケーター800は、アプリケーター800内の磁場発生デバイスの場所に対応するマーカー813を含むことができる。マーカー813は、磁場発生デバイスの中心の上に位置することができる。マーカー813は、ユーザーによるアプリケーター800の容易かつ快適な位置決めを可能にすることができる。アプリケーター800の表面内の窪みを、マーカー813として使用することができる。代替的に、マーカー813は、異なる色、異なる粗さ、1つ以上の(正:one or more)光源(例えば、発光ダイオードLED)の存在、アプリケーターのケーシン
グの特定の湾曲、製造又は流通会社のロゴ、及び/又はその他のもの等の、アプリケーターのカバーの一部の異なる表面修正とすることができる。アプリケーターのケーシングは少なくとも2つの色を有することができる。第1の色は、アプリケーターの正しい位置決めを可能にするために磁場発生デバイスの上でアプリケーターのケーシング上にあるものとすることができ、アプリケーターの残りの部分は、第1の色と異なる第2の色を有することができる。色は、光の特定の波長を反射及び/又は吸収する塗料と解釈することができる。マーカー813と同様に、アプリケーターは、少なくとも1つのRF電極の場所を示すために第2のマーカーを含むことができる。
【0126】
図8b及び図8cに示すように、アプリケーターは出口811を含むことができる。出口811は、アプリケーター800内の空気の循環、並びに、アプリケーター内に位置決めされた1つ以上の磁場発生デバイス及び/又はRF電極が生成し、接続管814の内部の1つ以上のワイヤを通るエネルギーが供給する熱の熱消散を可能にすることができる。接続管814は、主ユニット11からアプリケーター800に冷却流体を提供又は誘導することができる流体導管を含むこともできる。
【0127】
アプリケーター800は、例えば図8cに示すように、1つ以上の温度センサー816を更に含むことができる。温度センサー816は、アプリケーター800のケーシングから、例えば、第2の側面部802の表面から及び/又は第1の側面部801から突出することができる。温度センサー816は、アプリケーター800のケーシングから突出して、アプリケーター800によって、処置される身体エリアの部分に対するより高い圧力を生じさせ、生物学的構造内の温度、身体エリアの温度、及び/又は患者の身体上の温度のより良好な測定を提供することができる。
【0128】
第2の側面部802及び/又は第1の側面部801を加熱及び/又は冷却することができる。第2の側面部802及び/又は第1の側面部801の加熱は、例えば、処置温度により早く達するように処置の始めに使用することができる。処置温度は、磁場の印加のために適切とすることができる、RF波の印加によって上昇した身体エリア及び/又は生物学的構造の温度を含むことができる。アプリケーターの所定の部分による冷却又は加熱は、患者の皮膚上で一定温度を維持するために使用することができる。また、アプリケーターの所定の部分による冷却又は加熱は、患者の皮膚下の0.5cmよりも深いところで患者の生物学的構造内のより高い処置温度を達成するために使用することができる。患者と接触しているアプリケーターの部分(例えば、アプリケーターの第2の側面部802及び/又は第1の側面部801)を冷却することは、患者の発汗を最小にするために使用することができる。患者の皮膚は、アプリケーター及び/又は処置デバイスの他の部分から流れる及び/又は吹く冷却流体(例えば空気)によって冷却することができる。患者の皮膚の冷却は、患者の皮膚に接触するアプリケーターの冷却される部分と患者の皮膚との間の熱拡散によって提供することができる。アプリケーターの冷却される部分は、アプリケーター内を流れる冷却流体によって及び/又はペルチエ効果を使用するペルチエ素子によって冷却することができる。
【0129】
患者の発汗は、患者にとって不快である場合があり、また、フィードバック情報収集に
悪い影響を及ぼし、アプリケーター及び患者の皮膚に接触し、及び/又は患者の皮膚に対するアプリケーターの付着の低下につながる場合がある。患者の皮膚の発汗を防止するために、アプリケーターの接触エリア(例えば、第1の側面部801及び/又は第2の側面部802)の冷却を使用することができる。第2の側面部802及び/又は第1の側面部801は、図8dに示すように液体及び/又はガス(例えば、空気、油、又は水)が流れることができるアプリケーターのアパーチャ820を通して冷却流体を供給することができる溝819を有することができる。アプリケーターの第1の側面部又は第2の側面部は、アプリケーターの穴又はアプリケーターのアパーチャ820を有することができ、アプリケーター800からの空気を、患者の皮膚から熱、水分、及び/又は汗を除去するために誘導することができる。穴又はアパーチャは、溝819内に存在することができる。穴は、患者に対して作用物質(active substance)を提供するために使用することができる。身体エリアに接触しているアプリケーターの接触部分は、少なくとも部分的に、患者の皮膚から汗を除去する及び/又は患者とアプリケーター800との間の導電率を改善することができる、スポンジ、親水性材料、不織布、有機及び/又はポリマーテキスタイル等の流体吸収材料を含むことができる。処置される身体エリアの少なくとも一部における患者の発汗の低減は、汗腺(sweat gland)活動の低減によって行うことができる。汗腺の
活動の低減は、パルス状磁場、強い光、グリコピロニウムトシル酸塩(glycopyrronium tosylate)等の患者上への及び/又は患者に対する適用された作用物質による患者の皮膚
の周期的低体温症(hypothermia)によって及び/又は他の機構によって提供されるヒー
トショックの適用によって提供することができる。
【0130】
図23は、凹部を有する例示的なアプリケーターを示す。アプリケーターは、第1の側面部801が少なくとも部分的に凸状である状態で設計することができる。第1の側面部801は、代替的に、V字形状又はU字形状とすることができる。曲率半径は患者の四肢のサイズに対応することができる。第2の側面部802は、代替的に又は付加的に、少なくとも部分的に凸状とすることができる。
【0131】
患者は、ベッド、カウチ、又はチェアー等の患者支持体上に背臥位で横たわる又は座ることができる。患者の腕を、アプリケーター800の第1の側面部801上にセットすることができる。第1の側面部801は、患者と直接接触しているものとすることができ、RF処置は、磁気処置と組み合わせて適用することができる。また、ストラップ又はベルトは、アプリケーターを患者の身体に取り付けるために凹部815を通して誘導することができる。
【0132】
第1の側面部801は、垂直断面に従って、少なくとも部分的に楕円又は円形形状を有することができ、図23による全体の湾曲25は、第1の側面部801の少なくとも一部の湾曲に当てはめられる楕円又は円の一部として規定することができる。第1の側面部801の湾曲が、当てはめられる楕円又は円に適合するセクションは、セクション26と呼ぶことができる。セクション26は、2つの線28と線29との間の角度30として規定される。線28及び線29は、対称の中心27、並びにアプリケーター800の湾曲を複製する楕円又は円の当てはめられる部分に従って最長距離を有する、セクション26に位置するポイント31及び32と交差する。対称の中心27は、当てはめられる楕円及び/又は当てはめられる円の中心である。第1の側面部801のセクション26を画定する角度30は、少なくとも5度、又は、10度~270度、30度~235度、45度~180度、若しくは60度~135度の範囲内にあるものとすることができる。第1の側面部801に対する当てはめられる円の少なくとも一部の曲率半径は、50mm~1250mmの範囲内、又は10mm~750mmの範囲内、又は50mm~500mmの範囲内、又は60mm~250mmの範囲内にあるものとすることができる。第2の側面部802は、その表面の少なくとも一部上で湾曲状とすることができ、第2の側面部802のセクション26は、少なくとも5度、又は、10度~270度、30度~235度、45度~
180度、若しくは60度~135度の範囲内にあるものとすることができる。さらに、第2の側面部802に対する当てはめられる円の少なくとも一部の曲率半径は、50mm~1250mmの範囲内、10mm~750mm、50mm~500mm、又は60mm~250mmの範囲内にあるものとすることができる。
【0133】
1つ以上のアプリケーター及び/又は更なる処置デバイスは、例えば図23に示すようにボーラス32を含むことができる。ボーラス32は、アプリケーター又はアプリケーターの表面上に位置決めされたRF電極と患者の身体エリア又は皮膚(患者の皮膚の表皮又は衣類を含む)との間に位置する材料層を指すことができる。ボーラス32は、アプリケーターの表面上に位置決めされたRF電極と患者の身体エリア又は皮膚との間に位置する材料層を指すことができる。同様に、ボーラス32は、アプリケーター800から独立した部分とすることができる。ボーラス32は、アプリケーター800の第1の側面部801及び/又は第2の側面部802に取り付けることができる。ボーラス32は、アプリケーター800からリムーバブルかつ取り外し可能とすることができる。ボーラス32は、アプリケーター800の第1の側面部801及び/又は第2の側面部802に機械的に結合することができる。ボーラス32を、硬質材料、柔軟材料で作ることができる、及び/又は硬質材料及び柔軟材料の混合物をボーラスとして使用することができる。ボーラス32は、セラミック、金属、ポリマー、及び/又は生体適合性材料で作られた柔軟性サック内に封入される他の粒子を含む、水、ゲル、又は流体溶液等の流体材料を含むことができる。ボーラス32はプロフールを明らかにする(profile)ことができ、RF電極と患者
の皮膚との間の層としてのボーラス32の厚さは異なる厚さを有することができる。ボーラス32の厚さは、RF処置(RF場を含む)のエネルギー束密度が、不快なホットスポット及び/又は不均一な温度分布を生じるのに十分に高いことになる場所においてより厚いとすることができる。ボーラス32は、より均一な生物学的構造加熱を可能にし、エッジ効果を最小にする。エッジ効果は、ボーラス体積及び/又はボーラス面積にわたるボーラスの異なる誘電体特性によって最小にすることもできる。ボーラス32は、RF電極の縁の少なくとも一部の下でより大きい厚さを有することができる。RF電極の縁の少なくとも一部の下でのボーラスの厚さは、RF電極の中央の少なくとも一部の下でのボーラス32の厚さより少なくとも5%、10%、15%、又は20%大きいとすることができ、そこでは、アパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部は考慮されない。ボーラス32は、バイポーラRF電極の少なくとも一部の下で及び/又は少なくとも2つのバイポーラRF電極間の距離の少なくとも一部の下で大きい厚さを有することができる。ボーラス32は、2つの異なるバイポーラRF電極の最も近い2つのポイント間の距離が少なくとも5%、10%、15%、又は20%以上である場所において、ボーラス32の厚さより、ほぼ少なくとも5%、10%、15%、又は20%だけ厚いとすることができる。ボーラス32は、少なくとも1つの生物学的構造に対する処置エネルギー(例えば、磁場及び/又はRF場)の伝達を改善し、アプリケーター及び生物学的構造の異なる2つの界面の間で誘電体特性の段階的移行を提供することによってエネルギー反射を最小にすることもできる。ボーラス32は、処置効果を高める及び/又は処置のより深い組織貫入を提供するRF場及び/又は磁場のプロフィールを明らかにする又はそれに焦点を合わせることができる。
【0134】
ボーラス32は、アプリケーターと患者の身体との間の環境の良好な導電率を提供するために、発泡材料、テキスタイル材料、又はゲル材料等の流体吸収材料とすることもできる。アプリケーターの接触部分の良好な導電率は、患者の身体に適用されるRF処置のRF信号の良好な調整のために及び/又はフィードバック情報の良好な収集のために有用とすることができる。ボーラス32は、RF電極と患者の皮膚又は身体エリアとの間の導電性接触を仲介することができる。同様に、ボーラス32は、非導電性又は誘電体材料として役立つことができ、非導電性又は誘電体材料は、患者の身体に対するエネルギー伝達を修正する、患者の皮膚の冷却を提供する、患者の皮膚から汗を除去する、及び/又は患者
の身体の容量性加熱等の加熱を提供する。ボーラス32として役立つ流体吸収材料は、生物学的構造の良好な熱伝導率、したがって良好な温度を提供することもできる、及び/又は、アプリケーターを、より早く、より容易に、またより正確に調節することができる。ボーラス32は、RF処置を提供する更なるRF電極を含むこともできる。
【0135】
上記で述べたように、処置デバイスは、磁気処置及び/又はRF処置を提供する、1つ、2つ、3つ、4つ、6つ、又はそれより多い数のアプリケーター及び/又は更なる処置デバイスを含むことができる。各アプリケーター、更なる処置デバイス、及び/又は処置エネルギー源(例えば、磁場発生デバイス及び/又はRF電極)は、エネルギー伝達のために独自の処置回路を有することができ、各処理回路を、提供される処置エネルギーの各パラメーターにおいて制御システムが独立に調節することができる。各アプリケーター、処置デバイス、又は処置エネルギー源は、調整され、処置を独立に提供することができる、及び/又は、2つ以上のアプリケーター、処置エネルギー源、及び/又は更なる処置デバイスは、まとめて調整することができ、また、同時に、同期して調整することができる、及び/又は、互いに協働することができる。
【0136】
処置デバイスが2つ以上のアプリケーターを含むとき、アプリケーターは、身体の異なる部分に対して接触する又は近接するように結合することができる。1つの例において、第1のアプリケーターは、左臀部に対して接触する又は近接するように結合することができ、一方、第2のアプリケーターは、右臀部に対して接触する又は近接するように結合することができる。別の例において、第1のアプリケーターは、腹部エリアの左側に対して接触する又は近接するように結合することができ、一方、第2のアプリケーターは、腹部エリアの右側に対して接触する又は近接するように結合することができる。更に別の例において、第1のアプリケーターは、左大腿部に対して接触する又は近接するように結合することができ、一方、第2のアプリケーターは、右大腿部に対して接触する又は近接するように結合することができる。更に別の例において、第1のアプリケーターは、左ふくらはぎに対して接触する又は近接するように結合することができ、一方、第2のアプリケーターは、右ふくらはぎに対して接触する又は近接するように結合することができる。複数のアプリケーターは、協働する筋肉及び/又は対の筋肉の処置のために有益とすることができる。
【0137】
1つ以上のアプリケーター及び/又は更なる処置デバイスは、磁気処置のために磁場を生成する磁場発生デバイス(例えば、磁気コイル)を含むことができる。磁場発生デバイスは、RF処置のためにRF場を生成することができる。本質は、電磁場の生成される周波数が全く異なる値を有するということである。磁場発生デバイスは、低周波数の生成される電磁場の間に磁気処置のための支配的な磁場ベクトルを生成することができる。しかしながら、磁場発生デバイスは、RF処置のために使用することができる高周波数の電磁場の間に磁気処置のための支配的な磁場ベクトルを生成することができる。磁場発生デバイスは、高周波電磁場領域において、RF電極によって提供されるRF場と同様のRF場を提供することができる。1つの磁場発生デバイスがRF処置と磁気処置の両方を提供するために使用されるとき、RF処置生成のための周波数と磁気処置生成のための周波数との差は、500kHz~5GHz、又は500kHz~2.5GHz、又は400kHz~800kHz、又は2GHz~2.5GHzの範囲内にあるものとすることができる。同様に、1つの磁場発生デバイスがRF処置と磁気処置の両方を提供するために使用されるとき、RF処置のための周波数は、100kHz~3GHz、400kHz~900MHz、又は500kHz~3GHzの範囲内の周波数に対応することができる。
【0138】
1つ以上のアプリケーター及び/又は更なる処置デバイスは、1つ以上のRF電極及び1つ以上の磁場発生デバイスを含むことができ、RF電極は、磁場発生デバイスと異なる特性、構造、及び/又は設計を有する。RF電極は、ユニポーラ電極、モノポーラ―電極
、バイポーラ電極、及び/又はマルチポーラ電極として動作することができる。1つ以上のRF電極は、生物学的構造又は身体エリアの容量性及び/又は誘導性加熱のために使用することができる。
【0139】
アプリケーターは、2つのバイポーラ電極を含むことができる。バイポーラ電極は、少なくとも1つのアプリケーター内に位置する2つのバイポーラRF電極間でRF場を伝達することができる。バイポーラ電極は、モノポーラタイプの電極と比較して、提供されるRF処置の安全性及びターゲット設定を向上させることができる。バイポーラ電極は、RF電極の周りにかつその間に位置する患者の組織を通過する電磁場を提供することができ、インピーダンス整合によって、患者の組織内での定在電磁波(standing electromagnetic wave)の生成を防止し、非ターゲット組織の望ましくない熱損傷を防止することが可
能である。同様に、バイポーラ電極間の距離は、RF波貫入の深さに影響を及ぼし、RF処置のターゲット設定の向上を可能にする。
【0140】
アプリケーターは、1つのモノポーラRF電極又は2つ以上のモノポーラ電極を含むことができる。モノポーラ電極は、活性電極(active electrode)と不活性電極(passive electrode)との間で無線周波数エネルギーを伝達することができ、活性電極はアプリケ
ーターの一部とすることができ、より大きい表面積を有する不活性電極はアプリケーターから少なくとも5cm、10cm、又は20cmのところに位置することができる。接地された電極は、不活性電極として使用することができる。接地された電極は、患者の身体の、アプリケーターが取り付けられている側と反対側にあるものとすることができる。
【0141】
磁気処置は、例えば銅を含む金属等の導電性材料から作ることができる磁場発生デバイスによって提供することができる。磁場発生デバイスは、異なるサイズ及び形状のコイルとして形成することができる。磁場発生デバイスは、複数の巻線のコイルとすることができ、コイルの1つのループは1つ又は複数のワイヤを含むことができる。1つ以上のワイヤの個々のループは、1つ以上のワイヤの他のターン又はループから絶縁されているものとすることができる。磁気コイルに関して、ワイヤリングの各ループは、ターンと呼ぶことができる。さらに、1つのターン又はループ内の個々のワイヤは、互いから絶縁されているものとすることができる。磁場発生デバイスの形状は、アプリケーターサイズ及び設計に関して最適化することができる。コイルは、アプリケーターの床面投影に従ってアプリケーターの形状の少なくとも一部に適合するように巻くことができる。コイル巻線は少なくとも部分的に円形、長円形とすることができる、及び/又は、アプリケーター又はその或る部分の形状に適合する任意の他の形状を有することができる。巻線のループは互いの上部に積み重ねることができる、並べて配置することができる、又は、巻線の積み重ねは、並べてかつ他の巻線の上部に結合することができる。コイルは平坦とすることができる。
【0142】
図9は、例示的な円形平面磁場発生デバイス900の床面投影を示す。磁場発生デバイス900は、外側直径D、内側直径d、内側半径r、及び外側半径Rを含む寸法によって特徴付けることができる。磁場発生デバイス900は、エリアA1及びA2によって更に特徴付けることができる。エリアA2はコイルの巻線エリアを示すことができ、一方、A1は磁気コアを表すこともできるし、磁気コアも巻線もないエリアを表すこともできる。
【0143】
エリアA1は寸法r及びdに関連する。エリアA1は、コイルの巻線を含まないとすることができ、空気、油、ポリマー材料で充填することができる。エリアA1は、磁気コアを表すことができ、磁気コアは空気コアとすることができる。代替的に、磁気コアは、高い場の飽和度を有する透磁性材料、例えば、軟鉄、鉄合金、珪素鋼板、珪素合金、ガラス状金属、パーメンジュール、パーマロイ、粉末金属、又はセラミック、及び/又は他の材料からなる固体コアとすることができる。
【0144】
エリアA2は、外側半径R及び外側直径Dに関連する。
【0145】
内側半径rの寸法は、外側半径Rの寸法の1%~90%の範囲内、又は、外側半径Rの寸法の2%~80%若しくは3%~60%若しくは4%~50%若しくは8%~30%若しくは20%~40%若しくは30%~50%の範囲内にあるものとすることができる。内側半径r及び外側半径Rの寸法を、生成磁場の好都合な形状を達成するために使用することができる。
【0146】
磁気デバイスの外側直径Dは、30mm~250mm、又は40mm~150mm、又は50mm~135mm、又は90mm~125mmの範囲内にあるとすることができ、内側半径rの寸法は、外側半径Rの寸法の1%~70%、又は1%~50%、又は30%~50%、又は5%~25%、又は8%~16%の範囲内にあるものとすることができる。例えば、外側半径Rの寸法は50mmとすることができ、寸法rは5mmとすることができる。エリアA1を省略することができ、磁場発生デバイスは、コイル巻線を有するエリアA2のみを含むことができる。
【0147】
論じたように、エリアA2は複数の巻線を含むことができる。1つの巻線は1つ以上のワイヤを含むことができる。巻線は、緊密に配置することができ、1つの巻線は隣接する巻線に接触して、高い磁束密度を有する磁場を提供することができる。巻線エリアA2は、4cm~790cm、又は15cm~600cm、又は45cm~450cm、又は80m~300cm、又は80m~150cm、又は80m~130cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0148】
代替的に、巻線は、各巻線間にギャップを含むことができる。ギャップは、寸法R~rの0.01%~50%、又は0.1%~25%、又は0.1%~10%、又は0.1%~5%、又は0.001%~1%とすることができる。そのような構成は、磁場発生デバイスの個々の巻線の冷却及び絶縁を容易にすることができる。さらに、生成磁場の形状は、磁場発生デバイスのそのような構成によって修正することができる。
【0149】
コイル巻線のワイヤは異なる断面積を有することができる。巻線ワイヤの断面積は、巻線の中央において大きいとすることができ、コイル巻線半径はより小さい。ワイヤのそのような断面積は、磁場発生デバイスの外側巻線ターン上で測定した同じワイヤの断面積より2%~50%、5%~30%、又は10%~20%大きいとすることができ、コイル巻線半径はより大きい。磁場発生デバイスの巻線ワイヤの断面積は、磁場発生デバイスの外側コイル巻線ターン上でより大きいとすることができ、コイル巻線半径はより大きい。ワイヤのそのような断面積は、磁場発生デバイスの内側ターン上で測定した同じワイヤの断面積より2%~50%、5%~30%、又は10%~20%大きいとすることができ、コイル巻線半径はより小さい。
【0150】
上述した原理及びパラメーターが使用されて、患者の身体に対する提供される磁場の形状を修正する、より均一な及び/又はターゲット設定された筋肉刺激(例えば、筋肉収縮)を提供する、処置中に磁場発生デバイスの膨張を低減する、及び/又は、磁場発生デバイスの耐久性を上げることができる。磁場発生デバイスは、時変性磁場の生成中に膨張し収縮する場合があり、これは、磁場発生デバイスの損傷を引き起こす可能性がある。使用される導電性材料(例えば、磁場発生デバイスのワイヤ、金属ストリップ、又は巻線)の異なる断面積は、磁場発生デバイスの膨張及び収縮の破壊的効果を最小にすることができる。
【0151】
上記で論じたように、使用される導電性材料(例えば、磁場発生デバイスのワイヤ、金
属ストリップ、及び/又は巻線)の断面積は、提供される磁気処置の集中化(focusation)を改善する、磁場発生デバイスの耐久性を上げる、磁場発生デバイスの加熱を最小にする、及び/又は他の理由のために、ワイヤリングの個々のループの間で、2%~50%、又は5%~30%、又は10%~20%の範囲内で変動する場合がある。
【0152】
さらに、磁場発生デバイスの個々の導電性巻線の間でのワイヤリング及び/又は絶縁及び/又は膨張層の積み重ねは一定でなく、ワイヤ断面積、巻線の半径、提供される磁場の必要とされる形状、及び/又は他のパラメーターに基づいて異なるものとすることができる。
【0153】
図9bに示す磁場発生デバイス900の厚さ901は、アプリケーターの側から見て0.3cm~6cm、又は0.5cm~5cm、又は1cm~3cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0154】
アプリケーターの床面投影による磁場発生デバイス表面の全体表面、すなわち、エリアA1+A2は、5cm~800cm、10cm~400cm、20cm~300cm、又は50cm~150cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0155】
エリアA1と巻線エリアA2の比は、アプリケーターの床面投影によれば、0.01~0.8、又は0.02~0.5、又は0.1~0.3の範囲内にあるものとすることができる。アプリケーターの床面投影による、同じアプリケーター内に位置する磁場発生デバイスの巻線エリアA2とRF電極のエリアとの間の比は、0.01~4、又は0.5~3、又は0.5~2、又は0.3~1、又は0.2~0.5、又は0.6~1.7、又は0.8~1.5、又は0.9~1.2の範囲内にあるものとすることができる。
【0156】
図10a~図10gは、アプリケーター800内の少なくとも1つの磁場発生デバイス900に対する1つ以上のRF電極101の場所を示す。RF電極101、102及び/又は磁場発生デバイス900の場所は、処置エネルギー源の効果及びターゲット設定に非常に影響を及ぼす場合がある。RF電極及び磁場発生デバイスはアプリケーター内に位置することができる。
【0157】
1つ以上のRF電極101、102は、図10a、図10b、図10d、図10e、図10f、図10gに示すようにアプリケーター800の内部に及び/又は図10cに示すようにアプリケーター800の外側に位置することができる。
【0158】
図10a~図10e及び図10gに示すように、少なくとも1つのRF電極は、アプリケーターの床面投影によれば、少なくとも1つの磁場発生デバイスのエリアA2又はA1との少なくとも部分的な重なり内にあるものとすることができる。そのような配置は、磁気処置とRF処置の最良の相乗効果を可能にし、RF処置による組織加熱の均一性を改善し、磁気処置及びRF処置のターゲット設定を改善し、また同様に健康リスクを最小にすることができる。
【0159】
図10aは、少なくとも1つのRF電極及び磁場発生デバイスを含むアプリケーターの側面図を示す。示すアプリケーターは、アプリケーター800内の磁場発生デバイス900の下に位置することができる少なくとも1つのRF電極101を含むことができる。図10bは、RF電極及び磁場発生デバイスを含む同じタイプのアプリケーターの上面図を示す。図10a及び図10bに示すように、少なくとも1つのRF電極101は、時変性磁場によって引き起こされる望ましくない物理的効果を低減するために非常に薄いとすることができる。図10bは、少なくとも1つのRF電極101が、ほぼ完全に、磁場発生デバイス900との重なり内にあるとすることを示す。
【0160】
図10cは、少なくとも1つのRF電極101及び磁場発生デバイスを含む別の例示的なアプリケーターを示す。図10cによれば、少なくとも1つのRF電極101は、アプリケーター800の外側に、例えばアプリケーター800の外部表面上に又はそれに隣接して位置することができる。アプリケーターの外側のRF電極は、磁場発生デバイスからの、及び/又は、アプリケーターから電磁場を放射する他の導電性デバイスからの良好な絶縁を有することができる。良好な絶縁は、電磁場及び/又は時変性磁場を放射することによって少なくとも1つのRF電極101内に誘起される望ましくない物理的効果の影響を減少させることができる。図10cに示すアプリケーターの外側に位置する1つ以上のRF電極101は患者の身体との良好な接触を有することもできるため、RF回路の電気素子を調節する動作を改善することができる。さらに、少なくとも1つの患者のターゲット生物学的構造に対するRF処置の伝達を高めることができる。
【0161】
図10dは、少なくとも1つのRF電極及び磁場発生デバイスを含む別の例示的なアプリケーターを示す。少なくとも1つのRF電極101は、磁場発生デバイス900の下に位置決めすることができる。アプリケーター800は、磁場発生デバイス900の上に位置する別の少なくとも1つのRF電極102を含むこともでき、両方のRF電極及び磁場発生デバイスを1つのアプリケーター800内に位置決めすることができる。その表面に近接して又はその表面上に湾曲した少なくとも1つのRF電極102を有する第1の側面部801は、湾曲した身体エリア(例えば、少なくとも大腿部、ヒップ、首、及び/又は腕の部分)を処置するために使用することができる。その表面に近接して又はその表面上に平坦な少なくとも1つのRF電極101を有する第2の側面部802は、アプリケーターの平坦な又はほぼ平坦な側がより適切であることになる、腹部エリア又は臀部等の身体エリアを処置するために使用することができる。
【0162】
図10eは、図10dの場合と同様のアプリケーター800の正面図を示す。図10eは、RF電極101が実際には、2つの電極101a及び101bであるものとすることができることを示す。電極101a及び101bはバイポーラ電極とすることができる。したがって、アプリケーターは、磁場発生デバイス900の下に2つのバイポーラ電極101a及び101bを含むことができる。
【0163】
図10fは、RF電極及び磁場発生デバイスを含む別の例示的なアプリケーター800を示す。アプリケーターは、アプリケーターの床面投影によれば、少なくとも1つの磁場発生デバイス900との最小の重なりを持つ又は重なりを全く持たない1つ以上のRF電極101を含むことができる。アプリケーターは、磁場発生デバイスとの重なりを全く持たない又は最小の重なりを持つ2つのRF電極101を含むことができる。
【0164】
図10gは、RF電極及び磁場発生デバイスを含む別の例示的なアプリケーター800を示す。アプリケーターは、磁場発生デバイス900の上に位置することができる少なくとも1つのRF電極101を含むことができる。磁場発生デバイスの上に位置決めされたRF電極によって提供される加熱は、磁場発生デバイス自身にも提供される場合がある。
【0165】
1つのアプリケーター及び/又は2つ以上のアプリケーター800上に位置決めされた1つ以上のRF電極は、患者に接触して設置することができる。同様に、1つ以上のRF電極及び/又はアプリケーターを、空気ギャップ、ボーラス、誘電体材料、絶縁材料、及び/又は他の材料によって患者から分離することができる。
【0166】
1つのアプリケーター内の1つ以上のRF電極101、102及び/又は磁場発生デバイス900は、空気ギャップによって、プリント回路基板の材料、絶縁体、冷却流体、及び/又は他の材料によって互いから分離することができる。磁場発生デバイスの最近傍導
電性部分と最近傍RF電極との間の距離は、0.1mm~100mm、又は0.5mm~50mm、又は1mm~50mm、又は2mm~30mm、又は0.5mm~15mm、又は0.5mm~5mmの範囲内にあるものとすることができる。磁場発生デバイスとRF電極との間の間隔は、磁気回路からRF回路を分離し、1つの処置回路又は処置エネルギー源に他の処置回路又は他の処置エネルギー源が影響を及ぼすことを防止する絶縁バリアの形態で設けることもできる。患者の身体の近くに位置決めされた磁場発生デバイスは、患者の身体からより遠い距離にある磁場発生デバイスより効果的にかつ深く、少なくとも1つのターゲット生物学的構造の少なくとも一部に対して、刺激し、処置効果を提供することができる場合がある。
【0167】
アプリケーター内に又はその上に含まれる磁場発生デバイス及び/又は1つ以上のRF電極を処置中に冷却することができる。磁場発生デバイス及び/又は1つ以上のRF電極の冷却を、ペルチエ効果に基づく素子によって、及び/又は、アプリケーター内での又はアプリケーターに近接した、空気、水、油、及び/又は流体等の冷却流体の流動によって提供することができる。冷却流体を、磁場発生デバイスと少なくとも1つのRF電極の少なくとも一部との間で、1つ以上の磁場発生デバイス、1つ以上のRF電極の周りに流す又は誘導することができる。冷却流体は、磁場発生デバイスの上部及び/又は底部上でのみ流れることができる。冷却流体は、ガス、油、水、及び/又は液体等の流体とすることができる。冷却流体を、冷却流体をタンパー処理することができる主ユニットからアプリケーターに送出することができる。冷却流体を、アプリケーターに、また、磁場発生デバイス及び/又はRF電極の近接部に送出することができる。冷却流体を、主ユニットに結合された接続管によってアプリケーターに送出することができる。接続管は、アプリケーターと主ユニットとの間で冷却流体のための経路として役立つことができる流体導管を含むことができる。
【0168】
主ユニットは、冷却流体を貯蔵する及び/又は冷却することができる1つ以上の冷却タンクを含むことができる。各冷却タンクは、1つ以上のポンプを含むことができ、1つのポンプは1つのアプリケーターに冷却流体の流れを提供することができる。代替的に、1つのポンプは、複数のアプリケーター(例えば、2つのアプリケーター)に冷却流体の流れを提供することができる。さらに、主ユニットは、1つのそれぞれのアプリケーター又は複数のアプリケーターのために冷却流体を貯蔵する及び/又は冷却する1つの冷却タンクを含むことができる。例えば、処置デバイスが2つのアプリケーターを含むとき、主ユニットは、両方のアプリケーターのために冷却流体を提供する1つの冷却タンクを含むことができる。別の例において、処置デバイスが2つのアプリケーターを含むとき、主ユニットは、冷却流体の冷却を提供する2つの冷却タンクを含むことができる。各冷却タンクは、1つの特定のアプリケーターに同期して又は独立に冷却流体の冷却を提供することができる。冷却タンク又は流体導管は、冷却流体の温度を測定するための温度センサーを含むことができる。
【0169】
流体導管はプラスチック管とすることができる。プラスチック管は、冷却タンクからアプリケーターにつながり、その後冷却タンクに戻ることができる。処置デバイスが、例えば、2つのアプリケーターを含むとき、流体導管は、冷却タンクから1つのアプリケーターにつながり、その後冷却タンクに戻ることができ、一方、第2の流体導管は、同じ又は異なる冷却タンクから第2のアプリケーターにつながり、その後冷却タンクに戻ることができる。しかしながら、流体導管は、冷却タンクから第1のアプリケーターにつながり、その後、第2のアプリケーターにつながり、最後に、冷却タンクにつながることができる。
【0170】
RF電極が磁場発生デバイスに近接して位置決めされると、磁場発生デバイスによって生成される時変性磁場は、RF電極において望ましくない物理的効果を誘起する場合があ
る。時変性磁場によって誘起される望ましくない物理的効果は、例えば、渦電流の誘起、RF電極の過熱、表皮効果、及び/又は、RF電極における位相シフトのような他の電気及び/又は電磁効果の引き起こしを含むことができる。そのような望ましくない物理的効果は、処置デバイス機能不全、エネルギー損失、処置効果の低下、エネルギー消費の増加、少なくともアプリケーターの一部、例えば、RF電極の過熱、誤ったフィードバック情報の収集、RF電極に提供される信号調整の機能不全、及び/又は他の望ましくない効果をもたらす場合がある。
【0171】
述べる発明は、磁場によってRF電極内で誘起される1つ以上の望ましくない物理的効果をどのように防止するか及び/又は最小にするかについてのオプション、方法、又は設計を提供する。同じオプション、方法、又は設計は、RF電極によって磁場のシールドを最小にするのを助けることができる。1つのオプションは、アプリケーターの床面投影による、磁場発生デバイスと最小の重なりがある状態での又は重なりが全くない状態でのRF電極の配置を含むことができる。別のオプションは、以下で述べる特別な設計のRF電極を含むことができる。更に別のオプションは、RF電極の厚さの低減を含むことができる。更に別のオプションは、RF電極の望ましくない物理的効果及び加熱の誘起を低減する導電性材料からなるRF電極を設けることを含むことができる。述べた処置デバイスによる処置中にRFエネルギーを提供する1つ以上のRF電極は、これらのオプションの少なくとも1つのオプション、少なくとも2つのオプション、及び/又はこれらのオプションの組み合わせ、並びに、以下で述べるそれらの特徴付けを使用することができる。
【0172】
磁場によってRF電極において誘起される望ましくない物理的効果を最小にする又はなくす1つのオプションは、アプリケーターの床面投影による、磁場発生デバイスと最小の重なりがある状態で又は重なりが全くない状態でのRF電極の配置を含むことができる。
【0173】
図11は、RF電極101aが、磁場発生デバイス900の下に、その隣に、及び/又はその上に位置し、また、アプリケーターの床面投影に従った磁場発生デバイス900との重なりを全く持たない又は最小の重なりを持つ例を示す。図11に示すように、電極101aはエリアA2の外側に位置することができる。
【0174】
図12は、磁場発生デバイス及び1つ以上のRF電極を含む別の例示的なアプリケーターを示す。アプリケーター800は、ギャップ113によって離間した2つのRF電極101a及び101bを含むことができる。2つのRF電極101a及び/又は101bは、アプリケーターの床面投影に従って磁場発生デバイス900の巻線エリアA2及び/又はエリアA1との少なくとも部分的な重なり112がある状態になることができる。部分的な重なり112は、図12において斜線エリアで示される。床面投影は、X線によってアプリケーターの底部から撮影されたアプリケーター800の映像によって示すことができる。そのような部分的な重なり112は、アプリケーターの床面投影に従って、1つのRF電極エリアの面積の1%~100%、又は1%~99%、又は1%~70%、又は5%~50%、又は5%~40%、又は10%~30%、又は25%~100%、又は10%~100%、又は30%~95%、又は40%~100%、又は70%~100か、又は80%~95%、又は30%~70%の範囲内にあるものとすることができる。2つのエリアの重なりは、これらの2つの異なるエリアの間の比を指すことができる。
【0175】
1つ以上の温度センサー816aは、図12に示すバイポーラRF電極101a、101bの間に位置することができる。1つ以上の温度センサー816aは、図12の温度センサー816aによって示すように、アプリケーターの床面投影に従って、少なくとも1つのRF電極101a及び101bによって少なくとも部分的に取り囲むことができる。最大量のRFエネルギーが、バイポーラ電極101aと101bとの間に流れることができる。したがって、バイポーラ電極の間の又はそのすぐ下の身体エリア又は処置される組
織の体積は、最高温度を有することができ、実際の温度、又は所定の温度に対する温度参照として測定されるべきである。しかしながら、温度センサーを、アプリケーターの内部に又はアプリケーターの表面上に設置することができる。
【0176】
RF電極の特徴的な形状は、処置中に熱の不均一な温度分布を生じる場合がある。温度センサーがバイポーラ電極101a、101bによって取り囲まれないように、RFバイポーラ電極101a、101bの間に位置しないように、温度センサー816bを配置することが有用である場合がある。温度センサーを、アプリケーターの内部に又はアプリケーターの表面上に設置することができる。同様に、温度センサー816cは、RF電極の下に位置することができる。温度センサー816(例えば、816a、816b、又は816c)の少なくとも一部を覆い、患者の身体に接触する第1の側面部801及び/又は第2の側面部802の材料は、第1の側面部801及び/又は第2の側面部802と同じ材料から製造することができる。しかしながら、温度センサー816を覆う第1の側面部801又は第2の側面部802の材料は、高い熱伝導率を有する材料、例えば、セラミック、チタン、アルミニウム、又は他の金属材料若しくは合金等の、第1の側面部801又は第2の側面部802の残りの部分と異なる材料から製造することができる。温度センサー816はサーミスタとすることができる。温度センサー816(例えば、816a、816b、又は816c)は、良好な(good)熱伝導率を有する熱エポキシ層等の熱伝導性材料によって第1の側面部801及び/又は第2の側面部802に固定又は結合することができる。温度センサー816と処置デバイスの残りの部分との間のワイヤ接続は、0.05mm~3mm、又は0.01mm~1mm、又は0.1mm~0.5mmの範囲内の直径を有する1つ、2つ、又はそれより多い数の導電性ワイヤによって示すことができる。述べた直径を有する導電性ワイヤを含むワイヤ接続は、ワイヤと温度センサー816との間の熱伝達を最小にするため有利であるものとすることができる。温度センサー816に対するワイヤ接続は、5W・m-1・K-1~320W・m-1・K-1、又は6W・m-1・K-1~230W・m-1・K-1、又は6W・m-1・K-1~160W・m-1・K-1、又は20W・m-1・K-1~110W・m-1・K-1、又は45W・m-1・K-1~100W・m-1・K-1、又は又は50W・m-1・K-1~95W・m-1・K-1の範囲内の熱伝導率を有することができる。ワイヤ接続の材料は、例えば、ニッケル、モネル、プラチナ、オスミウム、ニオブ、カリウム、鋼、ゲルマニウム、アルミニウム、コバルト、マグネシウム、銅、及び/又はそれらの合金とすることができる。温度センサー816に接続されるワイヤ接続の少なくとも一部は、シース又はシールド、例えばゴムチュービングによって熱絶縁することができる。温度センサー816は、アプリケーターの一部である及び/又は主ユニット内にあるものとすることができる、赤外IR温度センサー等の光温度センサーとすることができる。処置中に、光温度センサーは、患者の皮膚に接触して、又は、患者の皮膚から0.1cm~3cm又は0.2cm~2cmの範囲内に位置することができる。光温度センサーは、光ケーブルを通して患者の皮膚から情報を収集することができる。
【0177】
磁場発生デバイスの下に少なくとも部分的な重なりを持って位置する1つ以上のRF電極は、磁気処置及びRF処置の相乗効果を提供することができる。磁場発生デバイスの下に少なくとも部分的な重なりを持って位置するRF電極によって、より強い又はより徹底的な処置結果を提供することができる。そのような構成における処置エネルギー源からの生成されるRF場及び磁場を、同じ身体エリア及び/又はターゲット生物学的構造にターゲット設定することができる。これは、刺激される筋肉及び隣接する組織のより良好な加熱、筋肉刺激(例えば、筋肉収縮)によって引き起こされる不快な感覚のより良好な抑制、処置後の良好な再生、及び/又は脂肪組織炎及び他の組織損傷のより良好な防止をもたらすことができる。
【0178】
磁場によってRF電極において誘起される望ましくない物理的効果を最小にする又はな
くす別のオプションは、RF電極の特別な設計を含むことができる。
【0179】
磁場発生デバイスに近接して又はそれとの少なくとも部分的な重なりを持った状態で位置決めされたRF電極において磁場によって誘起される望ましくない物理的効果を、セグメント化RF電極を使用することによって更に最小にする又はなくすことができることは本発明の一部である。セグメント化RF電極は、アパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部を備えることができる。アパーチャ及び/又は切り欠き部のエリアは、空気、誘電体、及び/又は他の電気絶縁性材料によって形作ることができる。電極は種々の突出部を備えることができる。複数のアパーチャ及び/又は切り欠き部は、そのような電極の床面投影から見ることができる。望ましくない物理的効果の存在を最小にする又はなくす別のパラメーターはRF電極の厚さとすることができる。RF電極の導電性材料が薄く、RF電極のエリアが絶縁体によって少なくとも部分的に分離される場合、磁場によって誘起される渦電流のループは非常に小さいとすることができるため、そのようなエリアにおける誘起は最小になる。
【0180】
RF電極は、RF電極の導電性エリア及び/又はRF電極の周縁をセグメント化することができる1つ以上のアパーチャ又は切り欠き部を含むことができる。したがって、RF電極は、表面エリアの分裂(disruption)による規則的な電極(すなわち、アパーチャ又は切り欠き部を持たない電極)と比較してセグメント化される。1つのRF電極の2つ以上のアパーチャ又は切り欠き部は非対称とすることができる。1つ以上のアパーチャ及び切り欠き部は、例えば、矩形又は円形形状を有することができる。アパーチャは、アプリケーターの床面投影に従った、RF電極の電極エリア内の任意の穴及び/又は開口とすることができる。アパーチャ及び/又は切り欠き部は、規則的、不規則的、対称的、及び/又は非対称的形状を有することができる。アパーチャ及び/又は切り欠き部を、例えば、空気、誘電体、及び/又は他の電気絶縁性材料(例えば、プリント回路基板の誘電体材料)で充填することができる。RF電極が2つ以上のアパーチャ又は切り欠き部を含むとき、アパーチャ又は切り欠き部は、同じ対称ポイント及び/又は対称線を有することができる。RF電極の2つの異なるアパーチャ及び切り欠き部の境界上に位置する2つの最接近ポイント間の距離は、0.1mm~50mm、又は0.1mm~15mm、又は0.1mm~10mm、又は0.1mm~8mmの範囲内にあるものとすることができる。RF電極が磁場発生デバイスと少なくとも部分的な重なりを持つ状態であるとき、RF電極は、大きいアパーチャ及び切り欠き部を、磁場発生デバイスの中央に近い導電性表面の一部内に含むことができる。
【0181】
図13aは、RF電極101が、電極エリア119aを含み、RF電極の導電性エリア内に1つ以上のアパーチャ117を画定する例示的なRF電極を示す。アパーチャ117は、矩形形状を有する細長いスロットとすることができる。1つのアパーチャ117は別のアパーチャに平行とすることができる。
【0182】
図13bは、RF電極101が、電極エリア119a並びにRF電極の導電性エリア内の1つ以上のアパーチャ117a及び117bを含む別の例示的なRF電極を示す。アパーチャ117aはアパーチャ117bに平行でない。
【0183】
図13cは、RF電極101が、電極エリア119aと、導電性エリア内の1つ以上のアパーチャ117、導電性エリア内の切り欠き部115、及びRF電極の突出部114の組み合わせとを含む別の例示的なRF電極を示す。
【0184】
図13dは、RF電極101が、導電性エリアにおける1つ以上のアパーチャ117及び電極エリア内の切り欠き部115の組み合わせを含む別の例示的なRF電極を示す。線は、RF電極の電極エリア119aの細い線(例えば、単一ワイヤ)を示す。RF電極は
、導電性ワイヤの格子又は導電性ワイヤのメッシュとすることができる。突出部114は、電極の周縁において1つ以上の切り欠き部115を画定することができる。
【0185】
図13eは、突出部及び切り欠き部を含む別の例示的なRF電極を示す。RF電極101は、電極エリア119a、境界長さ119b、及びNとして示す複数の突出部を有する。突出部は、突出切り欠き部(例えば、開口又はギャップとすることができる切り欠き部115)を画定することができる。RF電極101は、少なくとも2つ、3つ、又は5つの突出部114(例えば、114a、114b)又はそれより多い数の突出部を含むことができる。突出部114は、切り欠き部115によって互いから分離することができる。同様に、RF電極101は、1つ、2つ、3つ、又はそれより多い数の突出切り欠き部を含むことができる。複数の突出部のうちの第1の突出部114a及び第2の突出部114bは、互いにほぼ平行に配置することができる。突出部114は、一定間隔で離間することができ、規則的に配置することができる。突出部114a、114bは、ほぼ直線状の形状を有するロッド又はピンとして形作ることができる。突出部114a及び114bは、導電性材料で作ることができる。切り欠き部115を、空気、誘電体、又は他の電気絶縁性材料で充填することができる。突出部間の距離は、切り欠き部115内でかつ2つの突出部114aと114bとの間に少なくとも1つの円118aが仮想的に内接することができる距離である。少なくとも1つの円118aは、0.001mm~30mm、又は0.005mm~15mm、又は0.01mm~10mm、又は0.01mm~8mm、又は0.01mm~7mm、又は0.01mm~5mm、又は0.01mm~3mm、又は0.01mm~2mmの範囲内の直径を有することができ、各円は、第1の突出部114a上に位置する少なくとも1つの接点(tangential point)及び第2の突出部114b上に位置する少なくとも1つの接点を有することができる。各円118aは、異なる接点を有することができる。切り欠き部115は、その長さに沿って対称及び/又は非対称とすることができる。切り欠き部115は突出部114aと114bとの間に一定の距離を作成することができる。突出部114aと114bとの間の距離は、突出部の長さに沿って一定でないとすることができる。2つの最近傍突出部114aと114bとの間の最短距離は、突出部の長さの増加とともに増加する及び/又は減少することができる。
【0186】
突出部114又は切り欠き部115は、対称的、非対称的、不規則的、及び/又は規則的形状を有することができる。個々の突出部114のサイズ、形状、及び/又は対称性は、RF電極101にわたって同じ及び/又は異なるものとすることができる。例えば、各突出部114は、同じ形状、同じ寸法、及び/又は対称性を有することができる。
【0187】
突出部114は、突出部内に直接入る仮想的内接円118bを特徴とすることができる。突出部114に対する仮想的内接円118bは、0.001mm~30mm、又は0.01mm~15mm、又は0.2mm~10mm、又は0.2mm~7mm、又は0.1mm~3mmの範囲内の直径を有することができる。仮想的内接円は、その縁が内接する先の突出部の境界を横切らないとすることができる。RF電極表面エリアの少なくとも一部上で測定される磁束密度Bは、0.1T~5Tの範囲内、又は0.2T~4Tの範囲内、又は0.3T~3Tの範囲内、又は0.5T~5Tの範囲内、又は0.7T~4Tの範囲内、又は1T~3Tの範囲内にあるものとすることができる。RF電極表面エリアの少なくとも一部上で測定される磁束密度Bは、処置中に測定することができる。RF電極表面エリアは、RF電極の導電性表面の表面エリアを含むことができる。
【0188】
1つのRF電極内に含まれる突出部Nの数は、RF電極の表面にわたる2つの平行カット111の間で及び/又はそれらによって作成することができる、互いから電気絶縁された導電性エリアの考えられる最大数を意味する。2つの平行カット111間の距離は、1mm~50mm、又は2mm~35mm、又は5mm~20mmの範囲内にあるものとすることができる。突出部Nの数は、5個~1000個、又は10個~600個、又は
20個~400個、又は50個~400個、又は100個~400個、又は15個~200個、又は30個~100個、又は40個~150個、又は25個~75個の範囲内にあるものとすることができる。
【0189】
平行カット111に関係ない1つのRF電極内の突出部の総数は、5個~1000個、又は10個~600個、又は20個~400個、又は50個~400個、又は100個~400個、又は15個~200個、又は30個~100個、又は40個~150個、又は25個~140個の範囲内にあるものとすることができる。
【0190】
平行カット111に関係ない1つのRF電極内のアパーチャ又は切り欠き部の総数は、5個~1000個、又は10個~600個、又は20個~400個、又は50個~400個、又は100個~400個、又は15個~200個、又は30個~100個、又は40個~150個、又は25個~140個の範囲内にあるものとすることができる。
【0191】
コアを含むコイルの下に位置する1つのRF電極内のアパーチャ、切り欠き部、及び/又は突出部の数は、5個~1000個、又は10個~600個、又は20個~400個、又は50個~400個、又は100個~400個、又は15個~200個、又は30個~100個、又は40個~150個、又は25個~140個の範囲内にあるものとすることができる。
【0192】
1つのRF電極に含まれる個々の突出部の数は、2cmに1cmを掛けたサイズのエリア内で、1個~8000個、又は2個~8000個、又は5個~8000個、又は3個~5000個、又は5個~1000個、又は5個~500個、又は10個~500個、又は5個~220個、又は10個~100個の範囲内にあるものとすることができる。
【0193】
RF電極101の少なくとも一部上で測定される磁束密度B及び/又は磁束密度の振幅は、処置中に0.1T~5T、0.2T~4T、0.3T~3T、0.7T~5T、1T~4T、又は1.5T~3Tの範囲内にあるものとすることができる。電極は、式1に従って、突出部密度(protrusion density)ρによって規定することができる。
【数1】
ここで、nは磁束密度B[T]の磁力線と交差する突出部の数のシンボルであり、l[cm]は、これらの突出部と交差する磁力線の長さのシンボルである。長さlは少なくとも1cmとすることができ、磁力線は、少なくとも0.3T又は0.7Tの磁束密度B[T]を有することができる。処置デバイスによる突出部密度は、RF電極の少なくとも一部内で、0.3cm-1・T-1~72cm-1・T-1、又は0.4cm-1・T-1~10cm-1・T-1、又は0.4cm-1・T-1~7cm-1・T-1、又は0.5cm-1・T-1~6cm-1・T-1、又は0.8cm-1・T-1~5.2cm-1・T-1の範囲内にあるものとすることができる。
【0194】
突出部は、磁束密度が低くなるほど、広くなることができ(すなわち、突出部はより大きい厚さを有することができ)、磁束密度が高くなるほど、薄くなることができる。さらに、突出部密度ρは、磁束密度が高くなるほど、高くなることができる。
【0195】
1つのアプリケーター又は1つの更なる処置デバイス内の1つ以上のRF電極の電極エリアは、アプリケーターの床面投影に従って、1cm~2500cm、又は25cm~800cm、又は30cm~600cm、又は30cm~400cm、又は50cm~300cm、又は40cm~200cmの範囲内にあるものとする
ことができる。
【0196】
RF電極は境界比(border ratio)を有することができる。境界比は、電極の周長と面積との間の比として規定することができる。境界比の例は図13eに示され、アプリケーターの床面投影に従って、周長は境界長さ119bとして示すことができ、RF電極の面積は、RF電極の電極エリア119aによって示される。電極エリア119aは、RF電極に給電するワイヤがなくかつ全てのアパーチャ及び/又は切り欠き部の周長の合計がないRF電極のエリアである。境界長さ119bは、電極の周長と、もし存在すれば、電極の内部で内接するアパーチャの全ての周長との合計である。RF電極の境界比は、150m-1~20000m-1、又は200m-1~10000m-1、又は200m-1~4000m-1、又は300m-1~10000m-1、又は300m-1~4000m-1、又は500m-1~4000m-1、又は10m-1~20000m-1、又は20m-1~10000m-1、又は30m-1~5000m-1の範囲内にあるものとすることができる。
【0197】
アプリケーターの床面投影に従って、RF電極の表面の少なくとも一部上の磁束密度Bが0.1T~7T、又は0.3T~5T、又は0.5T~3T、又は0.5T~7Tの範囲内、又は0.7T~5Tの範囲内、又は1T~4Tの範囲内にあるものとすることができる場所において、少なくとも1つのRF電極は、150m-1~20000m-1、又は250m-1~10000m-1、又は200m-1~4000m-1、又は300m-1~1000m-1、又は400m-1~4000m-1、又は400m-1~1200m-1、又は500m-1~2000m-1、又は10m-1~20000m-1、又は20m-1~10000m-1、又は30m-1~5000m-1の範囲内の境界比を有することができる。RF電極にわたる磁束密度Bの増加は境界比の増加になることができる。
【0198】
境界比とRF電極の表面積上の磁束密度Bとの比は、チャージング比(charging ratio)と呼ぶことができる。チャージング比は、少なくとも1.5cmのRF電極の正方形表面積及び0.1T~7T、又は0.3T~5T、又は0.5T~3T、又は1T~5T、又は1.2T~5Tの範囲内の磁束密度に関連するものとすることができる。RF電極の少なくとも一部のチャージング比は、70m-1・B-1~30000m-1・B-1、又は100m-1・B-1~5000m-1・B-1、又は100m-1・B-1~2000m-1・B-1、又は120m-1・B-1~1200m-1・B-1、又は120m-1・B-1~600m-1・B-1、又は230m-1・B-1~600m-1・B-1の範囲内にあるものとすることができる。RF電極の正方形表面積は、正方形形状を有する表面積を含むことができる。
【0199】
より高い境界比及び/又はチャージング比によって、RF電極における、誘起される望ましくない物理的効果は低くなるものとすることができる。なぜならば、RF電極が、互いからの部分的に絶縁された突出部を含むことができるからである。より高い境界比及び/又はチャージング比によって、突出部内への、考えられる仮想的内接円も、より小さくならなければならないため、誘起される渦電流のループはより小さくならなければならない。したがって、誘起される渦電流はより小さく、RF電極において誘起される望ましくない誘起物理的効果はより低い又は最小になる。
【0200】
1つのアプリケーター内でのかつその床面投影に従った、全てのRF電極の一方の側の面積(床面投影)と全ての磁場発生デバイスの全ての巻線エリア(図9aに示すエリアA2)の一方の側の面積との比は、0.1~15、又は0.5~8、又は0.5~4、又は0.5~2の範囲内にあるものとすることができる。
【0201】
図16に示すように、1つの突出部114と磁力線B及びBが交差し、ここで、絶対値│B│が絶対値│B│よりも大きく、│B│-│B0.05<│Tである場合、突出部は、磁力線B及びBによって3つのエリアに分割することができる。換言すれば、突出部114を、図16に示すように、磁場勾配の方向に従って同じ長さを有する3分の1S、S、Sに分割することができ、SはSよりも高い磁束密度にさらされる。エリアSは最大磁束密度内に設置することができ、Sは中間磁束密度内に設置することができ、Sは最小磁束密度内に設置することができる。エリアSに内接する直径dを有する最大仮想的内接円kは、エリアSに内接する直径dを有する最大内接円kよりも小さい直径を有することができる。直径dは、直径dと比べて、直径dの2%~1500%、又は5%~500%、又は10%~300%、又は10%~200%、又は10%~100%、又は5%~90%、又は20%~70%、又は5%~20%大きいものとすることができる。そのような場合、突出部は、磁束密度が大きいほど薄くなることができ、例えば、突出部の少なくとも部分的にピラミッド状の形状を作成することができる。さらに、突出部は、磁束密度が大きいほど薄くなることができる。
【0202】
RF電極は異なるサイズ及び形状を有することができる。本発明によれば、バイポーラ電極は、図14a~図14eに示すような平行電極、又は、図15a~図15cに示すような(正:as is shown)同心電極とすることができる。アプリケーターの第2の側面部
の近くに位置することができる図14a~図14e及び図15a~図15cに示す同じタイプのRF電極101は、第1の側面部の近くに位置するRF電極102として及び/又は任意の他の1つ以上のRF電極のために使用することができる。
【0203】
少なくとも1つのアプリケーターのRF電極の形状及び配置は、少なくとも1つのアプリケーターが取り付けられることになる身体場所(解剖学的構造)のサイズ、形状、及び対称性に基づくものとすることができる。RF電極の位置決め及び異なる形状は、ホットスポットの作成を回避する、できる限り大きい処置される身体エリア(正:as large treated body area as possible)の均一な加熱を提供する、1つ以上のアプリケーターに関する移動の必要性を回避するために有益とすることができる。
【0204】
図14aはRF電極の対称的位置決めの例を示す。図14bはRF電極の別の例の対称的位置決めを示す。図14cはRF電極の更に別の例の対称的位置決めを示す。図14dはRF電極の対称的位置決めを含むアプリケーターの図を示す。図14eはRF電極の対称的位置決めの例を含むアプリケーターの側面図を示す。
【0205】
図14a~図14eに示すRF電極の例によれば、アプリケーターは、ギャップ113で離間した少なくとも一対の平行バイポーラRF電極101a及び101bを備えることができる。RF電極は配線100a及び100bによって電力供給される。図14a、図14b、及び図14dに示すように、RF電極101a、101bは、対称とすることができ、また、鏡像とすることができる。個々のRF電極101a及び101bの形状は、不規則的、非対称とすることができ、1つのRF電極内の全ての突出部の少なくとも40%、50%、70%、90%、又は99%の長さ及び/又は面積は異なるものとすることができる。身体解剖学及び試験は、そのような種類のRF電極が、腹部エリア、臀部、腕、及び/又は大腿部等の身体エリアの最も快適かつ効率的な処置を提供する可能性があることを証明することができる。
【0206】
図14cに示すように、RF電極101a、101bは、線対称、点対称、及び回転対称に従って等で、少なくとも1つの対称軸又は対称点に従って少なくとも部分的に対称とすることができる。例えば、各電極は、半円又はC字形状とすることができる。さらに、RF電極101aと101bとの間のギャップ113は、不規則的とすることができ、及
び/又は、ミラー対称を有する直線の対称軸等、少なくとも1つの対称軸に従って設計することができる。こうして、電極101a及び101bを半円とすることができる場合、ギャップ113は円形とすることができる。そのような対称電極の使用は、身体エリア(例えば、臀部又はヒップ)の対称性を強調するために、そのような対称性を必要とする場合がある身体エリアを処置するために有益とすることができる。
【0207】
RF電極101aと101bとの間のギャップ113は、空気、冷却流体、油、水、誘電体材料、流体、及び/又は、プリント回路基板において使用される複合材料による基材等の任意の他の電気絶縁体を含むことができる。RF電極101a及び101bは、そのような基材上に堆積された銅箔及び/又は層から形成することができる。ギャップ113は、RF電極によって生成される電磁場(例えば、RF場)の形状、及び、患者の身体組織内への電磁場貫入の深さに影響を及ぼすことができる。また、少なくとも2つのRF電極101aと101bとの間の距離は、図14aに示すように、少なくとも部分的に円、楕円、及び/又は放物線形状を有することができるギャップ113を作成することができる。ギャップ113は、図14bに示すように、一定距離でRF電極を離間させるための規則的形状を有することができる。
【0208】
RF電極101aと101bとの間のギャップ113は、磁場発生デバイスによって生成される磁場の2%~70%、又は%~50%、又は15%~40%の範囲内の量の通過を提供するように設計することができる。1つのアプリケーター内の少なくとも2つの異なるRF電極の最近傍部分間の距離は、0.1cm~25cm、又は0.2cm~15cm、又は2cm~10cm、又は2cm~5cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0209】
2つのRF電極間のギャップ113は、RFバイポーラ電極の平面内で設計することができ、ギャップ113は、磁場発生デバイスによって生成される磁束密度が最大絶対値を有する場所に少なくとも部分的に重なることができる。ギャップ113は、処置効率を最適にするとともに、エネルギー損失を最小にするためにそのような場所に位置することができる。
【0210】
磁束密度の高次導関数dB/dtを有する強い磁場が、突出部、アパーチャ、及び/又は切り欠き部を有するRF電極の場合でも、望ましくない物理的効果を誘起する場合があることが留意されるべきである。ギャップ113は、磁束密度の絶対値が最大である場所に位置決めする又は位置することができる。結果として、ギャップ113の周りに位置決めされた複数のRF電極は、より少ない量の磁束密度によって影響を受ける場合がある。
【0211】
複数のRF電極(例えば、2つのRF電極101a及び101b)は、図14dに示すように、基材113a上に位置することができる。基材113aは、RF電極間のギャップ113の及び1つ以上の切り欠き部115の充填材として使用することができる。図14d及び図25に示すように、基材113a及び1つ以上のRF電極は、患者の身体エリアに当てはめるために、必要とされる形状及び/又は半径になるように湾曲することができる。RF電極101a又は101bは、アプリケーター800の下側カバー125に沿って、特に、下側カバー125の湾曲部126に沿って湾曲することができる。図14dに示すように、基材113aは、温度センサー等の少なくとも1つのセンサーのための基材ギャップ113bを画定することができる。基材ギャップ113bは、1つ以上のワイヤ、冷却流体の通過、及び/又は、生物学的構造及び/又は身体エリアの照明及び更なる加熱を提供する、光処置エネルギー源(例えば、LED、レーザーダイオード)等の別の処置エネルギー源の実装(正:and/or implementing)を更に可能にすることができる。
【0212】
図15a、図15b、及び図15cは、2つのRF電極101a及び101bを示し、
少なくとも1つのRF電極101aは別のRF電極101bを少なくとも部分的に囲むことができる。RF電極101a及び101bは、例えば、図14a~図14eに関して上述したのと同じ絶縁特性を有する基材113aを含むギャップ113で離間することができる。RF電極101bは、磁場のシールド、及び、RF電極101bにおいて誘起される望ましくない物理的効果の誘起を最小にするために穴116を含むことができる。穴116は、磁場発生デバイスによって生成される磁場の磁束密度が処置中に最大値に達するRF電極平面内に位置することができる。穴116は、円とすることができ、又は、とりわけ、長円形、正方形、三角形、又は矩形等の他の形状とすることができる。穴116は、0.05cm~1000cm、又は0.05cm~100cm、又は3cm~71cm、又は3cm~40cm、又は3cm~20cm、又は3cm~15cm、又は0.5cm~2.5cmの面積を有することができる。RF電極は、完全に又は部分的に同心とすることができる。
【0213】
図15aは、少なくとも1つの線対称及び/又は点対称を有する、非円形とすることができる(正:which may be)2つのRF電極101a及び101bを示す。示す電極101a及び101bは、対称中心を持たないものとすることができる。示すRF電極101aは、その中心に穴116を有することができ、そこで、磁場によるRF電極における望ましくない物理的効果の誘起を最小にするために磁束密度は最大である。
【0214】
図15bは、回転対称を有する、円形形状を有することができる2つのRF電極101a及び101bを示す。RF電極101a及び101bは、同じ対称中心を有することができる。示すRF電極101aは、その中心に穴116を有することができ、そこで、磁場によるRF電極における望ましくない物理的効果の誘起を最小にするために磁束密度は最大である。
【0215】
図15cは、対称性も対称中心も持たないものとすることができる2つのRF電極101a及び110bを示す。
【0216】
磁場によってRF電極において誘起される望ましくない物理的効果を最小にする又はなくす別のオプションは、RF電極の厚さを低減することを含むことができる。
【0217】
本発明のRF電極の導電性層の厚さは、0.01mm~10mm、又は0.01mm~5mm、又は0.01mm~3mm、又は0.01mm~1mm、又は0.1mm~1mm、又は0.005mm~0.1mm、又は0.01mm~0.2mmの範囲内にあるものとすることができる。1つのタイプのRF電極は、プリント回路基板(PCB)が調製されるのと同様な方法によって設計することができ、薄い導電性層を、絶縁特性を有する基材内に及び/又は基材上に堆積することができる。基材は、銅、銀、アルミニウム、ニッケル及び亜鉛の合金、オーステナイト系ステンレス鋼等の材料、及び/又は、RF電極を作製する他の材料からなる1つ、2つ、又はそれより多い数の導電性層を含むことができる。基材材料の厚さは、0.01mm~10mm、又は0.01mm~5mm、又は0.01mm~3mm、又は0.01mm~2mm、又は0.1mm~2mm、又は0.5mm~1.5mm、又は0.05mm~1mmの範囲内にあるものとすることができる。基材材料は、ポリマー、セラミック、コポリマーシート、フェノール樹脂層、エポキシ樹脂層、ガラス繊維ファブリック、テキスタイルファブリック、ポリマーファブリック、及び/又は他のものとすることができる。基材は、少なくとも部分的に柔軟性及び/又は硬質性があるものとすることができる。
【0218】
RF電極は、薄い導電性ワイヤ、平坦ストリップ、シート、又は同様なもののシステムとすることができる。
【0219】
磁場によってRF電極において誘起される望ましくない物理的効果を最小にする又はなくす更に別のオプションは、望ましくない物理的効果の誘起及びRF電極の加熱を低減する導電性材料からRF電極を形成することを含むことができる。
【0220】
RF電極を、RF電極における望ましくない物理的効果の誘起を低減する特定の導電性材料で作ることができる。そのような材料は、4~1000000、又は20~300000、又は200~250000、又は300~100000、又は300~18000、又は1000~8000の範囲内の比透磁率を有することができる。RF電極の材料は、炭素、アルミニウム、銅、ニッケル、コバルト、マグネシウム、亜鉛、鉄、チタン、銀、真鍮、プラチナ、パラジウム、及び/又は他のものを含むことができ、それらから、ミューメタル、パーマロイ、電磁鋼板、フェライト鋼、フェライト、ステンレス鋼等の合金を作製することができる。さらに、RF電極は、混合金属酸化物、及び/又は、金属酸化物からの固定粉末、m金属元素からなる金属から作られて、渦電流の誘起及びRF電極の加熱を最小にし、また同様に、時変性磁場のエネルギー損失を最小にすることができる。
【0221】
述べた処置デバイスによる処置中にRFエネルギーを提供する1つ以上のRF電極は、磁場によって誘起される望ましくない物理的効果をどのように最小にする又はなくすかの、上述した少なくとも1つのオプション、少なくとも2つのオプション、及び/又はオプションの組み合わせを使用することができる。同様に、オプションの1つ以上の特徴付けは、本発明の処置デバイスの製造、設計、及び動作のために使用することができる。
【0222】
RF処置を磁気処置と組み合わせる処置デバイスは、1つ以上の処置回路を含むことができる。RF処置のための処置回路は、電力源、RF電極、及び/又はRFクラスターのために本明細書で述べる全ての電気素子を含むことができる。磁気処置のための処置回路は、電力源、磁場発生デバイス、磁気クラスターHIFEMのために本明細書で述べる全ての電気素子を含むことができる。同じ又は異なる処置を提供する複数の処置回路は共通の電力源を含むことができる。代替的に、各処置回路はそれ自身の電力源を含むことができる。全ての処置回路の動作は、1つのマスターユニット又は1つ以上の制御ユニットによって調節することができる。HMI、マスターユニット、及び/又は1つ以上の制御ユニットは、各アプリケーター及び/又は各処置エネルギー源(例えば、RF電極又は磁場発生デバイス)のための1つ以上の処置パラメーターの選択、制御、及び/又は調整のために使用することができる。処置パラメーターを、各アプリケーターについて独立に、HMI、マスターユニット、及び/又は1つ以上の制御ユニットによって、選択、制御、及び/又は調整することができる。
【0223】
図17は、磁気回路400の例示的な電気素子を示す。磁気回路400を通過する電気信号は、電気信号の1つ以上のパルスの形態に変換することができる。電気パルスを磁場発生デバイスに提供して、時変性磁場のインパルスを生成することができる。磁気回路の個々の電気素子は、電力源(PS:power source)、エネルギー貯蔵デバイス(ESD:energy storage device)、スイッチ(SW:switch)、磁場発生デバイス(MFGD:magnetic field generating device)、及び磁気回路の制御ユニット(CUM:control unit of magnetic circuit)とすることができる。磁気回路は、HIFEMクラスターと
呼ぶ磁気処置のための処置クラスターを含むことができる。HIFEMクラスターは、例えば、ESD、SW、及び/又はCUMを含むことができる。磁気回路の制御ユニットCUMは制御システムの一部とすることができる。磁気クラスターの制御ユニットCUM及び/又は磁気回路の他の電気素子はマスターユニットのスレーブとすることができる。HIFEMクラスター、制御システム、及び/又はCUMは、貯蔵される電気エネルギーの量を制御することによってESDにおける電気エネルギーの貯蔵を提供又は制御することができる。HIFEMクラスター、制御システム、及び/又はCUMは、電気信号の修正、HIFEMクラスターを通して伝達される電気信号のパラメーターの調整、回路の安全
な動作、及び/又はESDの充電又は再充電を提供することができる。例えば、HIFEMクラスター又は制御システムは、MFGDに伝達される電気パルスの電圧及び/又は電流の調整によってMFGDによって提供される磁場の磁束密度の調整を提供することができる。電気信号の修正は、磁気回路において送信される信号の歪み、形状、振幅、及び/又は周波数領域における包絡線歪み、伝達される電気信号に対するノイズの付加、及び/又は磁気回路に入る、送信されたオリジナル信号の他の劣化を含むことができる。
【0224】
エネルギー貯蔵デバイスESDは、磁場発生デバイスにエネルギーの電気信号の形態で(例えば、大電力インパルスの形態で)提供することができる電気エネルギーを蓄積することができる。ESDは、1つ、2つ、3つ、又はそれより多い数のキャパシタを含むことができる。ESDは、図18aに示すように、電圧センサー、高電圧インジケーター、及び/又は放電抵抗器等の安全素子等の1つ以上の他の電気素子を含むこともできる。電圧センサー及び高電圧インジケーターは、スイッチSW及び/又は制御ユニットCUMにフィードバック情報を提供することができる。安全素子の一部である放電抵抗器は、危険な状況の場合、少なくとも1つのキャパシタの放電を提供することができる。1つ以上のESDの放電は、制御ユニットCUMによって制御することができる。ESDからの放出電気エネルギーは、大電力インパルス及び/又はパルスとして、磁気回路の少なくとも一部に、例えば、磁場発生デバイスMFGDに送出することができる。
【0225】
エネルギー貯蔵デバイスのキャパシタンスは、5nF~100mFの範囲内、又は25nF~50mFの範囲内、又は100nF~10mFの範囲内、又は1μF~1mFの範囲内、又は5μF~500μFの範囲内、又は10μF~180μFの範囲内、又は20μF~80μFの範囲内にあるものとすることができる。
【0226】
エネルギー貯蔵デバイスを、250V~50kV、700V~5kV、700V~3kV、又は1kV~1.8kVの範囲内の電圧で充電することができる。
【0227】
エネルギー貯蔵デバイスは、100A~5kA、200A~3kA、400A~3kA、又は700A~2.5kAの範囲内の電流パルス放電を提供することができる。電流は、磁場発生デバイスによって生成されるピーク磁束密度の値に対応することができる。
【0228】
エネルギー貯蔵デバイスの放電によって、5J~300J、10J~200J、又は30J~150Jの範囲内のエネルギーを有する大電力電流パルスを生成することができる。
【0229】
スイッチSWは、ダイオード、ピンダイオード、MOSFET、JFET、IGBT、BJT、サイリスタ、及び/又はその組み合わせ等の任意のスイッチングデバイスを含むことができる。スイッチは、電気信号の修正を提供するパルスフィルターを含むことができる。パルスフィルターは、ESDの放電中にスイッチによって生成されるスイッチング電圧リップルを抑制することができる。
【0230】
磁気回路は、時変性磁場を生成するために、スイッチSWを反復的にスイッチオン/オフし、磁場発生デバイス、例えばコイルに対してエネルギー貯蔵デバイスESDを放電させるように指令されることができる。
【0231】
磁場発生デバイスのインダクタンスは、最大1Hまで、又は、1nH~500mH、1nH~50mH、50nH~10mH、500nH~1mHの範囲内、又は、1μH~500μHの範囲内若しくは10μH~60μHの範囲内にあるものとすることができる。
【0232】
磁場発生デバイスは放射線(例えば、ガンマ線)を放出しないものとすることができる
【0233】
磁気回路は、スイッチSW及び磁場発生デバイスの直列接続を含むことができる。スイッチSW及び磁場発生デバイスはともに、エネルギー貯蔵デバイスESDに並列に接続することができる。エネルギー貯蔵デバイスESDを電力源PSによって充電することができる。その後、エネルギー貯蔵デバイスESDは、スイッチSWを通して磁場発生デバイスMFGDに放電することができる。LC共振の第2の半周期中に、エネルギー貯蔵デバイスESD上の極性は、電力源PSと比較して反転することができる。結果として、電力源の電圧の2倍が存在することができる。したがって、電力源及び磁気回路において接続される全ての部分は、高電圧負荷のために設計することができ、保護抵抗器を、電力源とエネルギー貯蔵デバイスとの間に設置することができる。
【0234】
磁場発生デバイスMFGD及びエネルギー貯蔵デバイスESDは直列に接続することができる。磁場発生デバイスMFGDはスイッチSWに並列に配設することができる。エネルギー貯蔵デバイスESDは磁場発生デバイスを通して充電することができる。磁気パルスを生成するためにエネルギーインパルス(又は、磁気パルスを生成するためにパルス)を提供するために、電力源の制御された短絡がスイッチSWを通して起こる。こうして、知られているデバイスに関連するLC共振の第2の半周期中における電力源PSの端子における高電圧負荷が回避される。LC共振の第2の半周期中における電力源PSの端子上の電圧は、スイッチSW上の電圧降下に等しい電圧を有することができる。
【0235】
スイッチは、任意の種類のスイッチングデバイスとすることができる。スイッチのタイプに応じて、電力源の負荷は、数ボルト、例えば、1ボルト~10ボルトに減少することができる。その結果、電力源を、高電圧負荷、例えば、数千ボルトから保護することは必要ない。したがって、保護抵抗器及び/又は保護回路の使用を低減する又はなくすことができる。
【0236】
図18bは、RF回路480の例示的な電気素子を示す。RF回路は、調整された及び/又は修正された電磁信号(電気信号)をRF電極(RFE:RF electrode)に提供することができる。RF回路は、電力源(PS)、RF処置のための処置クラスター(RFとしてマーク付けされたエリア)、RFクラスターの制御ユニット(CURF:control unit of RF cluster)、電力増幅器(PA:power amplifier)、フィルター、電力と組み
合わせた定在波比計(SWR+電力計:standing wave ratio combined with power meter)、チューニング素子(チューニング)、スプリッター、絶縁体、対称化素子(SYM
)、プレマッチ(pre-match)、及びRF電極(RFE)を含むことができる。RF処置
のための処置クラスターは、例えば、RFクラスターの制御ユニット(CURF)、電力増幅器(PA)、フィルター、電力と組み合わせた定在波比計(SWR+電力計)、及び/又はチューニング素子(チューニング)を含むことができる。RF回路の制御ユニットCURFは制御システムの一部とすることができる。RF回路の制御ユニットCURF及び/又はRF回路の他の電気素子は、マスターユニットのスレーブとすることができる。RF回路の一部として述べる1つ以上の電気素子をなくすことができ、電気素子の一部を、同様の機能を有する素子に統合することができ、及び/又は、電気素子の一部を、回路の機能を改善するために付加することができる。
【0237】
RF回路の電力源は、1V~5kV、又は5V~140V、又は10V~120V、又は15V~50V、又は20V~50Vの範囲内の電圧の電気信号を提供することができる。
【0238】
CURFは、RF回路の任意の電気素子の動作を制御することができる。CURFは、RF回路を通して伝達される電気信号のパラメーターを調節又は修正することができる。
信号のパラメーター、例えば、電圧、位相、周波数、包絡線、電流値、信号の振幅、及び/又は他のものは、CURFが制御することができるRF回路の個々の電気素子、制御システム、及び/又はRF回路の個々の電気素子の電気特性によって影響を受ける場合がある。RF回路内の信号に影響を及ぼす電気素子は、例えば、電力源(PS)、電力増幅器(PA)、フィルター、SWR+電力計、チューニング、スプリッター、絶縁体、不平衡信号を平衡信号に変更する対称化素子(SYM)、プレマッチ、及び/又はRF波を生成するRF電極とすることができる。電気信号の修正は、RF回路において送信される信号の歪み、形状、振幅、及び/又は周波数領域における包絡線歪み、伝達される電気信号に対するノイズの付加、及び/又はRF回路に入る、送信されたオリジナル信号の他の劣化を含むことができる。
【0239】
電力増幅器PAは、RF電極によるRF波の発生のためにそれぞれの周波数のRF信号を生成することができる。電力増幅器は、MOSFET、LDMOSトランジスタ、又は真空管とすることができる。PAは、提供される信号及び/又は修正される信号の振幅を電気信号(例えば、RF信号)まで増加させることができるものとすることができる。
【0240】
フィルターは、電力増幅器から送信される信号の望ましくない周波数を抑制することができる1つ以上のフィルターを含むことができる。1つ以上のフィルターは、フィルタリングし、規定された周波数帯を用いる処置を提供することができる。1つ以上のフィルターは、望ましい周波数帯のみを通過させるために、信号周波数領域に応じて、RF回路内の電気信号等の電気信号をフィルタリングするために使用することができる。フィルターは、フィルターの内部ソフトウェア及び/又はハードウェア設定に基づいて、適さない信号周波数をフィルタリング除去することができるものとすることができる。フィルターは、他の1つ以上の電気素子、例えば、CURFとの通信に従って動作することができる。1つ以上のフィルターは、RF信号の電力源PSRFとRFEとの間に位置することができる。
【0241】
SWR+電力計は、RFエネルギーの出力電力を測定し、電力増幅器とアプリケーターとの間のインピーダンス整合の品質を評価することができる。SWR+電力計は、送波(wave transmission)の方向における定在波比を測定することができるSWR計を含むこ
とができる。SWR+電力計は、そのような定在波の振幅を測定することができる電力計を含むことができる。SWR+電力計は、CURF及び/又はチューニング素子と通信することができる。SWR+電力計は、フィードバック情報を提供して、患者の身体内での定在波の作成を防止し、チューニング素子によるより良好な信号調整を提供し、生物学的構造に対してより良くターゲット設定された方法でより効率的により安全な処置及びエネルギー伝達を提供することができる。
【0242】
チューニング素子は、インピーダンス整合の改善を提供することができる。チューニング素子は、例えば、キャパシタ、LC、及び/又はRLC回路を含むことができる。チューニング素子は、RF回路システムがRF回路の個々の電気素子を含むRF回路システム容量についての、また、提供されるRF波の影響下での現在処置されている患者の組織についての制御されたチューニングを提供することができる。RF回路のチューニングは、処置の前に及び/又はその間に提供することができる。チューニング素子は、トランスマッチ(transmatch)と呼ぶこともできる。
【0243】
対称化素子SYMは、信号を不平衡入力から平衡出力に変換することができる。SYMは、RF電極間の信号を平衡させる巻回式同軸ケーブル(wound coaxial cable)を含む
バラン及び/又はバラン変圧器とすることができる。SYM素子は、例えば、同軸ケーブルを通して第1のバイポーラRF電極及び第2のバイポーラRF電極に誘導されるRF信号のλ/2位相シフトを作成することによって、第1のバイポーラRF電極と第2のバイ
ポーラRF電極との間の信号対称化を提供することができる。
【0244】
スプリッターは、RF回路内で伝達される/送出されるRF信号を同軸ケーブルによって分割することができる。分割された信号は、分割された各信号部分の同じ位相を有することができ、及び/又は、分割された信号は、互いからの一定位相シフトを有することができる。例えば、スプリッターは、RF信号の1つの部分をバイポーラ電極の第1のRF電極に、また、RF信号の第2の部分をバイポーラ電極の第2のRF電極に提供することができる。スプリッターを、1つ、2つ、又はそれより多い数の独立したRF回路が共有することができ、又は、各RF回路は、それ自身のスプリッターを有することができる。
【0245】
絶縁体は、スプリッターと組み合わせることができ、及び/又は、RF信号をRF電極に輸送することに関してスプリッターの前に及び/又はその後ろに位置することができる。絶縁体は、磁気回路からの、RF回路の少なくとも一部の電気絶縁とすることができる。絶縁体は、RF回路に対する磁気回路の影響を最小にするために使用することができる。
【0246】
プレマッチは、同軸ケーブルを使用するデバイスにおいて使用することができる。プレマッチは、小さいコイル、コンデンサー(condenser)、及び/又は抵抗器を含むことが
できる。
【0247】
処置エネルギー源として働くRF電極(RFE)は、1つ以上のユニポーラRF電極、1つ以上のモノポーラRF電極、及び/又は1つ以上の対のバイポーラRF電極を含むことができる。
【0248】
RF回路の電力源PS、電力増幅器PA、フィルター、SWR+電力計、チューニング、SYM、スプリッター、絶縁体、及び/又はプレマッチは、RF電極を含む回路の残りの部分に高周波電気信号によって給電するHF発生器によって、少なくとも部分的に及び/又は完全に置換することができる。
【0249】
図24は、対称化素子SYMの例のうちの1つを示す。入力同軸ケーブル130は、スプリッター131に電気信号(例えば、RF信号)を提供し、スプリッター131はRF信号を2つの分岐に分割することができる。スプリッター131は、4mm~100mm、又は20mm~50mmの範囲内の絶縁長を作成する、少なくとも1つの、2つ、3つ、又はそれより多い数の直列接続されたキャパシタ等の、絶縁素子を含むこともできる。SYMは、バイポーラRF電極の対に誘導される又はつながる異なる長さの同軸ケーブルによって確立又は示すことができる。場所lにおける同軸ケーブル132と133との間の長さの差は、λの0.4~0.6、又は0.46~0.55の範囲内にあるとすることができ、λは、同軸ケーブル132及び/又は同軸ケーブル133における誘導されるRF信号の波長とすることができる。同軸ケーブル132の長さは1cm~5m、5cm~90cm、又は10cm~50cmの範囲内にあるものとすることができる。同軸ケーブル132+135bの長さは、λ/4±10%若しくは±5%又はそれらの正整数倍の範囲内にあるものとすることができる。同軸ケーブル133の長さは2m~12m又は2.2m~8mの範囲内にあるものとすることができる。同軸ケーブル133の長さは、λ/2±10%又は±5%+ケーブル132の長さの範囲内にあるものとすることができる。同軸ケーブル133+135aの長さは、3λ/4±10%又は±5%の範囲内にあるものとすることができる。要約すると、同軸ケーブル132+135bは、同軸ケーブル133+135aに対してλ/2±10%又は±5%だけシフトする。SYMのこの部分は、1つのRF電極101a及び101bに送出されるRF信号の位相シフト180度を引き起こすことができる。RF電極101a及び101bは1つのアプリケーターの一部とすることができ、又は、RF電極101aは第1のアプリケーターの一部とすることが
でき、RF電極101bは第2のアプリケーターの一部とすることができる。コネクタ134は、1つ以上のアプリケーターを主ユニットに接続するために使用することができる。部分lは、アプリケーターの接続管を示すことができる。この接続管内の同軸ケーブル135a及び135bの長さは、1m~6m若しくは1.1m~4m、又は、λ/4±10%若しくは±5%の範囲内にあるものとすることができる。対形成素子136は、同軸ケーブル135a及び135bの導電性シールド部分の導電性接続とすることができる。対形成素子136は、0.5cm~100cm、1cm~80cm、又は1.5cm~50cmの範囲内の表面積を有することができる。対形成素子136は、銅、銀、金、ニッケル、又はアルミニウム等の高(正:high)電気伝導率材料を含むことができ、対形成素子136のインピーダンスはほぼゼロとすることができる。対形成素子と電極との間に、キャパシタ、抵抗器、及び/又はインダクタを設置することができる。
【0250】
RF回路及び/又は磁気回路は、1つ以上のアプリケーター内に少なくとも部分的に位置することができる。アプリケーター、更なる処置デバイス、及び/又は主ユニットの間のワイヤ接続は、ワイヤ接続のインピーダンス、抵抗率、及び/又は長さのために、RF回路及び/又は磁気回路要素の一部として考慮することもできる。図17に示す磁気回路、図18a及び図18bに示すRF回路の1つ以上の電気素子をなくすことができ、異なる順序でソートすることができ、及び/又は、2つ以上の電気素子が1つの個々の組み合わせ式電気素子を作成することができる。RF回路に提供される信号の調整は、処置デバイスの別の異なる回路、例えば、磁気回路及び/又は他の回路によって、又は、その内部で少なくとも部分的に提供することができる。
【0251】
図18aは、処置デバイスの電気素子の例示的なスキーマ180を示す。例示的なスキーマは、1つの電力ネットワーク(PN:power network)に接続されたRF処置のため
の電力源(PSRF:power source for RF treatment)及び磁気処置のための電力源(
PSM:power source for magnetic treatment)を含む2つの独立した電力源を含む。
PSRFは、RF処置のための2つの独立した処置クラスターRF A及び/又はRF Bに電磁信号を提供することができる。PSMは、磁気処置の1つ以上のクラスターHIFEM A及び/又はHIFEM Bに電磁信号を提供することができる。1つ以上の電力源は、とりわけ、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)又はマスターユニット等の処置デバイスの他の部分に電力供給することもできる(正:may also power)。各磁気回路及び/又はRF回路はそれ自身の制御ユニット(CUM A、CUM B並びにCURF A及びCURF B)を有することができ、CURF A及びCURF Bは、RF処置のためのRF処置クラスターA(RF A)及びRF処置のための処置クラスターB(RF B)の制御ユニットとすることができる。
【0252】
制御ユニットは、1つ以上のPCB又はマイクロプロセッサを含むことができる。1つ以上の制御ユニットは、互いの間で、及び/又は、マスタースレーブ通信において他の制御ユニットのためのマスターユニットとして選択することができるマスターユニットと通信することができる。マスターユニットを、HMIと通信する第1の又は唯一の制御ユニットとすることができる。マスターユニットは、ユニットCUM A及びCUM Bを制御することができる。マスターユニットは、1つ以上のPCB及び/又はマイクロプロセッサを含む制御ユニットとすることができる。マスターユニット又は制御ユニットA(CUM A)若しくは制御ユニットB(CUM B)は、ヒューマンマシンインターフェースに結合することができる。また、マスターユニットは、ヒューマンマシンインターフェースHMIとし、又はヒューマンマシンインターフェースHMIに結合することができる。
【0253】
図18aは、処置デバイスの2つの部分を示し、第1の部分はRF処置を提供することができ、第2の部分は磁気処置を提供することができる。処置デバイスの2つの部分は、
互いから絶縁されるものとすることができる。処置デバイスは、電圧バリア、距離バリア、及び/又は放射バリアをシールドするように、処置デバイス及び個々の回路の、互いから絶縁された1つ以上の電気素子及び/又は部分を含むことができる。絶縁された部分の例は、図18aにおいて破線で示すことができる。処置デバイスの個々の電気素子を処置デバイスの少なくとも1つの部分から絶縁することができることも可能である。そのような部分及び/又は電気素子の絶縁は、高誘電率材料によって、個々の部分及び/又は電気素子の距離によって、キャパシタ又は抵抗器のシステムによって提供することができる。また、アルミニウムボックスによる及び/又は他の方法による、電子工学、物理学から知られている任意のシールドを使用することができる。
【0254】
RF処置及び/又は磁気処置は、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の処置回路(主ユニット内に位置することができる)及び/又はアプリケーターによって提供することができ、1つの処置回路はRFクラスター又は磁気クラスターを含むことができる。各アプリケーターA及びB(AP A及びAP B)は、1つ、2つ、又はそれより多い数の処置回路の少なくとも1つの電気素子を含むことができる。各アプリケーターは、RF処置を提供する1つ以上のRF電極及び磁気処置を提供する1つ以上の磁場発生デバイス等の、少なくとも1つ、2つ、又はそれより多い数の異なる処置エネルギー源を含むことができる。図18aに示すように、処置デバイスは、第1のアプリケーター(AP A)及び第2のアプリケーター(AP B)を備えることができる。第1のアプリケーター(AP A)は、第1のRF回路からの第1のRF電極(RFE A)及び第1の磁気回路からの第1の磁場発生デバイス(MFGD A)を備えることができる。第2のアプリケーター(AP B)は、第2のRF回路からの第2のRF電極(RFE B)及び第2の磁気回路からの第2の磁場発生デバイス(MFGD B)を備えることができる。異なる例において、第1のアプリケーターは、第1の磁場発生デバイス及び第1の対のバイポーラRF電極を備えることができ、一方、第2のアプリケーターは、第2の磁場発生デバイス及び第2の対のバイポーラRF電極を備えることができる。2つのアプリケーターは、主ユニットに別々に接続することができ、処置の前に又は処置中に身体エリアの近接部に個々に位置決めすることができ、そのとき、2つのアプリケーターは身体エリアに接触して身体エリアに結合される。
【0255】
図18aは、RF処置のための処置クラスター(RF A)、RF処置のための処置クラスター(RF B)、磁気回路内の磁気処置のための処置クラスター(HIFEM A)、磁気処置のための処置クラスター(HIFEM B)、RF処置のための電力源(PSRF)、磁気処置のための電力源(PSM)、アプリケーターA(AP A)、アプリケーターB(AP B)等の処置デバイスの他の個々の部分も示す。全ての部分は、アプリケーターを除いて、主ユニット内に位置することができる。示すスプリッター、対称化素子(SYM A)、及び対称化素子(SYM B)は、2つのRF回路の複数の部分である。図18a上に示すスプリッターはRF回路のために共通とすることができる。RF処置のための電力源(PSRF)は、RF回路の定常電力源(SPSRF:steady power
source of RF circuit)、RF回路の補助電力源(APS RF:auxiliary power source of RF circuit)、電力ネットワークフィルター(PNFLT:power network filter)、及び/又は電力ユニット(PU:power unit)を含むことができる。個々の電気素
子は、PSRF内に他の電気素子とともに含まれないとすることができる。磁気処置のための電力源(PSM:power source for magnetic treatment)は、補助電力源A(AP
S A)、補助電力源B(APS B)、磁気回路の定常電力源(SPSM:steady power source of magnetic circuit)、電力ポンプ(PP:power pump)、ボード電力源(board power source)A(BPS A)、及び/又はボード電力源B(BPS B)を含
むことができる。個々の電気素子は、PSM内に他の電気素子とともに含まれないものとすることができる。磁気回路の磁気処置のための処置クラスターHIFEM Aは、制御ユニットA(CUM A)、エネルギー貯蔵デバイスA(ESD A)、スイッチA(S
W A)、安全素子(SE:safety element)、及び/又はパルスフィルター(PF:pulse filter)を含むことができる。磁気回路の磁気処置のための処置クラスターHIFEM Bは、制御ユニットB(CUM B)、エネルギー貯蔵デバイスB(ESD A)、及び/又はスイッチB(SW A)を含むことができる。図18aに示さないが、磁気処置のための処置クラスターHIFEM Bも、パルスフィルター(PF)及び/又は安全素子(SE)を含むことができる。個々の電気素子は、互いから絶縁されるものとすることができる。しかしながら、個々の電気素子及び/又は回路部分を、他の回路部分と統合及び/又は共有することができる。1つの例として、1つの制御ユニットを、2つ以上のRF回路及び/又は磁気回路と少なくとも部分的に共有することができ、1つの制御ユニットは、RF回路のために、また磁気回路のためにも、電力を、又は、電力を提供する電力ネットワーク若しくは電力源を調節することができる。別の例は、少なくとも2つのRF及び/又は磁気回路とともに共有される少なくとも1つの補助電力源及び/又は定常電力源とすることができる。
【0256】
磁気処置のための処置クラスターHIFEM Aは、磁気処置のための処置クラスターHIFEM Bと独立に磁気処置を提供することができる。代替的に、処置デバイスは、磁気処置のためのたった1つの処置クラスターHIFEMを含むことができ、又は、処置デバイスは、磁気処置のための2つ以上の個々の処置クラスターHIFEMを含むことができ、その場合、磁気処置のための処置クラスターHIFEMの一部は、制御ユニット、エネルギー貯蔵デバイス、パルスフィルター、及び/又は他のもの等の個々の電気素子を共有することができる。
【0257】
図18aに示すように、磁気処置のための処置クラスターHIFEM、例えば、HIFEM Aは、制御ユニット、例えばCUM Aを含むことができる。制御ユニット、例えばCUM Aは、エネルギー貯蔵デバイス、例えば、ESD Aの充電及び/又は放電、フィードバック情報の処理、及び/又は、個々の電気素子及び/又は磁気処置のための処置クラスターHIFEMのパラメーターの調整を制御することができる。さらに、制御ユニット(例えば、CUM A)は、電気素子、例えば、回路部分PSMからのBPS A、スイッチ、PF、磁気処置のための処置クラスターHIFEM AからのESD Aのパラメーター又は動作の調整、及び/又は、アプリケーターAP A及び/又はAP B内のセンサーからの情報の処理を制御することができる。また、制御ユニット(例えば、CUM A)は、別の1つ以上の磁気及び/又はRF回路、及び/又は、マスターユニットと通信することができる。電力源PSM、エネルギー貯蔵デバイスESD、及び/又はスイッチSWを、磁気回路の制御ユニット、例えば、CUM Aによって少なくとも部分的に調節することができる。制御ユニット(例えばCUM A)又はマスターユニット及び/又は回路の1つ以上の個々の電気素子を、任意の他の電気素子によって、両者間の相互通信に基づいて調節することができる。マスターユニットは、センサーから提供されるフィードバック情報に基づいて及び/又は他の制御ユニット、例えば、マスターユニットとの通信に基づいて磁気処置及び/又はRF処置の処置パラメーターを調整することができるものとすることができる。1つの制御ユニットCUM又はCURFは、磁気及び/又はRF処置を提供する1つ以上の回路を独立に調節することができる。少なくとも1つの制御ユニットは、他の制御ユニットとのピアツーピア通信及び/又はマスタースレーブ通信を使用することができる(例えば、CUM Aは、マスターユニットのスレーブ制御ユニットとすることができる)。
【0258】
処置デバイスは、1つ、2つ、3つ、又はそれより多い数のESDを含むことができ、各ESDは、1つ、2つ、3つ、又はそれより多い数のキャパシタを含むことができる。1つのESDは、磁気処置を提供する磁場発生デバイス等の、1つ、2つ、3つ、又はそれより多い数の処置エネルギー源にエネルギーを提供することができる。各コイルは、それ自身のそれぞれのESD又は2つ以上のESDに結合することができる。ESDは、図
18aに示すように、電圧センサー、高電圧インジケーター、及び/又は放電抵抗器等の安全素子SE等の1つ以上の他の電気素子を含むことができる。電圧センサー及び高電圧インジケーターは、スイッチSW及び/又は制御ユニット、例えば、CUM Aにフィードバック情報を提供することができる。SEの一部としての放電抵抗器は、危険な状況の場合、少なくとも1つのキャパシタの放電を提供することができる。1つ以上のESDの放電は、制御ユニット、例えば、CUM A又はCUM Bによって制御することができる。エネルギー貯蔵デバイスESDからスイッチSWを通して磁場発生デバイスに提供される信号は、パルスフィルター(PF)によって修正することができる。PFは、スイッチSWの一部とすることができ、及び/又は、スイッチSWと、磁場発生デバイス、例えば、MFGD Aとの間に位置決めすることができる。PFは、ESDの放電中にスイッチによって生成されるスイッチング電圧リップルを抑制することができる。提案される回路は、時変性磁場を生成するために、スイッチSWを反復的にスイッチオン/オフし、磁場発生デバイス、例えば、MGFD Aに対してエネルギー貯蔵デバイスESDを放電させることができる。図18aに示すように、磁気回路及び/又はRF回路の1つ以上の電気素子を、省略する及び/又は別の電気素子と組み合わせることができる。例えば、PSRF及び/又はPSMの1つ以上の個々の電気素子を、1つになるように組み合わせることができるが、個々の回路と独立に、減らすことができる。また、電気素子、PF、SE、及び/又は他のものは独立の電気素子とすることができる。また、個々の処置回路、例えば、RF回路は、図18a及び図18bに見られるように、互いと異なるものとすることができ、フィルター、SWR+電力計、チューニング、スプリッター、絶縁体、SYM、及び/又はプレマッチ等の電気素子は、なくすことができ、及び/又は、1つになるように組み合わせることができる。個々の電気素子をなくすこと及び/又は組み合わせることは、チューニングがない状態での患者身体に対するエネルギー伝達の効率の低下、SYM、プレマッチ、及び/又はチューニングの非存在(正:absence of)によるより大きいエネルギー損失、回路における信号調整の機能不全、及び、SWR+電力計、スプリッター、及び絶縁体がない状態での不正確なフィードバック情報をもたらす場合があり、及び/又は、処置デバイスは、フィルター、SWR+電力計、SYM、及び/又はチューニング素子がない状態では患者にとって危険になり得る。
【0259】
制御ユニットCUM A及びCUM Bは、それぞれの磁場発生デバイス(例えば、MFGD A及びMFGD B)に対して電流を放出するように両方の制御ユニットCUM
A及びCUM Bに指令することができるマスターユニットのスレーブとして役立つことができる。したがって、各制御ユニットCUM A及びCUM Bの制御は独立である。代替的に、CUM BはCUM Aのスレーブとすることができ、一方、CUM A自身はマスターユニットのスレーブとすることができる。したがって、磁場発生デバイス(例えば、MFGD A)内に電流を放出するようにマスターユニットがCUM Aに指令すると、CUM Aは、異なるアプリケーター内に位置決めされた別の磁場発生デバイス(例えば、MFGD B)に対して電流を放出するようにCUM Bに指令することができる。別の代替法において、更なる制御ユニットを、マスターユニットと制御ユニットCUM A及びCUM Bとの間に位置決めすることができ、そのような更なる制御ユニットは、例えば、放電のタイミングを提供することができる。これらの手法の両方によって、磁場のパルスを、同期して又は同時に印加することができる。
【0260】
処置デバイスが2つ以上の磁場発生デバイスを含み、処置方法が2つ以上の磁場発生デバイス(例えば、コイル)を使用することを含むとき、各コイルはそれぞれの磁気回路に接続することができる。しかしながら、1つのコイルは複数の磁気回路に接続することができる。また、電力源PSMは、少なくとも2つの磁場発生デバイスのために使用することができる。
【0261】
電力源、例えば、PSM及び/又はPSRFは、RF回路、磁気回路の少なくとも1つ
の又は少なくとも1つの個々の電気素子に、及び/又は、処置デバイスの他の部分に、例えば、マスターユニット、HMI、エネルギー貯蔵デバイス(例えば、ESD A及び/又はESD B)に、制御ユニット(例えば、CUM A及び/又はCUM B)に、及び/又はスイッチ(例えば、SW A及び/又はSW B)に電気エネルギーを提供することができる。電力源は、図18aに示すように、電力ネットワークPN接続からの電気エネルギーを変換する1つ以上の素子を含むことができる。RF回路及び/又は磁気回路の電力源の幾つかの個々の電気素子は、1つの共通電気素子として構築することができ、図18aに示すように個々の電気素子として構築される必要はない。各RF及び/又は磁気回路は、それ自身の電力源、及び/又は、RF及び/又は磁気回路の一方のみに電力供給する電力源の少なくとも1つの電気素子を有することができる。同様に、1つの電力源の少なくとも一部は、処置の少なくとも一部の前に及び/又はその間に少なくとも2つの異なる回路に電力供給することができる(正:may power)。電力源は、少なくとも部分
的に互いから電気絶縁することができる個々の電気回路と共有される1つ以上の部分を含むことができる。
【0262】
RF処置のための電力源の1つ以上の電気素子(例えば、磁気回路の定常電力源(SPSM)、補助電力源APS A及び/又はAPS B、電力ポンプPP、ボード電力源BPS A及び/又はBPS B)は、RF回路及び/又は磁気回路の個々の電気素子に直接的に及び/又は間接的に電気エネルギーを提供することができる。直接的に提供される電気エネルギーは、2つの電気素子間の導電性接続を通して提供され、回路の他の電気素子は、直接的に電力供給される電気素子間に直列接続されない。抵抗器、絶縁キャパシタ等の回路の絶縁用の及び/又は他の電気素子は、電気素子であると考えないものとすることができる。間接的に電力供給される電気素子は、電流値、周波数、位相、振幅、及び/又は他のもの等の、提供される(正:provided)電気エネルギーのパラメーターを変更することができる任意の他の素子を通して電気エネルギーを提供する1つ以上の他の素子によって電力供給することができる。
【0263】
図18aにより詳細に示す電力源PSMは、電力ネットワークPNに対する接続を含むことができる。PNは、周波数及び電流値等、電力ネットワークからの入力電気信号のフィルタリング及び/又は他の調整を提供することができる。PNは、処置デバイスと電力ネットワークとの間のバリアを作成する絶縁素子として使用することもできる。PNは、キャパシタ、抵抗器、及び/又は、処置デバイスから戻る信号をフィルタリングするフィルターのうちの1つ以上を含むことができる。PNは、プラグ又はプラグに対する接続を含むことができる。PNは、プラグ又はパワーグリッドに結合することができる。PSMは、1つ以上の定常電力源(例えば、磁気回路の定常電力源SPSM)、補助電力源(例えば、APS A及び/又はAPS B)、1つ以上の電力ポンプPP、及び/又は1つ以上のボード電力源(例えば、BPS A及び/又はBPS B)を含むことができる。図18aに示すように、処置デバイスは、少なくとも部分的に独立に制御することができる少なくとも2つの電気絶縁された磁気及び/又はRF回路を含むことができ、例えば、磁気処置のための処置クラスターHIFEM A及びHIFEM Bに接続される磁場発生デバイスMFGD A及びMFGD Bによる生成磁場の強度は異なるものとすることができる。定常電力源(SPSM)は、異なる電力ネットワーク条件下で定常出力電圧を提供することができる。定常電力源SPSMは、補助電力源(例えば、APS A及び/又はAPS B)に接続することができる。2つの補助電力源は、組み合わされ、1つの電気素子を作成することができる。定常電力源によって及び/又は補助電力源によって生成される定常出力電圧は、1V~1000V、又は20V~140V、又は50V~700V、又は120V~500V、又は240V~450Vの範囲内にあるものとすることができる。
【0264】
1つ以上の補助電力源は、個々の回路の1つ以上の制御ユニットに電力供給することが
できる(正:may power)。APSは、1つ以上のボード電力源BPS、例えば、BPS
A及び/又はBPS Bに電力供給することもできる。APSは、マスターユニットHMI及び/又は処置デバイスの他の素子に電力供給することもできる。APSがあるため、少なくとも1つの制御ユニット及び/又はマスターユニットは、RF及び/又は磁気回路内の電気信号の処理/調整を正確に独立に提供することができ、及び/又は、処置デバイスの個々の電気素子を、過負荷から保護することもできる。ボード電力源(例えば、素子BPS A及び/又はBPS B)は、磁気回路の少なくとも1つの素子のための電気エネルギー源(例えば、エネルギー貯蔵デバイスESD A及び/又はESD B)として使用することができる。代替的に、電力源PSMの1つ以上の素子を、組み合わせる及び/又はなくすことができる。
【0265】
電力源は、磁気回路及び/又はRF回路に電圧を提供する高電圧発生器として役立つことができる。電力源によって提供される電圧は、500V~50kV、又は700V~5kV、又は700V~3kV、又は1kV~1.8kVの範囲内であるものとすることができる。電力源は、任意の電気素子(例えば、エネルギー貯蔵デバイスESD A)に、また磁場発生デバイス(例えば、MFGD A)に等、各回路に十分な量の電気エネルギーを送出することができる。磁場発生デバイスは、筋肉収縮を引き起こすのに十分なパラメーターを有する時変性磁場を反復して生成することができる。
【0266】
図18aによれば、RF回路は、PSMと少なくとも部分的に異なるものとすることができるそれら自身の電力源PSRFを有する。PSRFは、PNの内部部分から及び/又はRF回路の任意の部分からの電磁放出を抑制する電気素子(正:electrical element)PNFLTを含むことができる。電気素子PNFLTは電力ネットワークフィルターを示すことができる。しかしながら、PNFLTは、PNの一部とすることもできる。PSRFは、RF回路の補助電力源APS RF、RF回路の制御ユニット、電力ユニットPU、及び/又は直流供給電を使用する他の電気素子に対して、異なる電力ネットワーク条件下で定常出力電圧を提供するSPSRFを含むことができる。図18aに更に示すように、APS RFは、SPSRFと独立に、交流を直流に変換するそれ自身の機構を含むことができる。APS RFは、RF処置のための処置クラスターRF Aの制御ユニット及び/又はマスターユニットに電力供給することができるとすることができ、一方、SPSRFは、RF処置のための処置クラスターRF Bの制御ユニットに独立に電力供給することができる。RF回路の電力ユニットPUは、1つ以上のRF回路、又は、電力増幅器等のRF回路の少なくとも1つの電気素子、及び/又は、高周波信号を作成及び/又は調整するRF処置のための処置クラスターRF A及び/又はRF処置のための処置クラスターRF Bの他の電気素子に電力供給することができる。
【0267】
PSM、PSRF、APS、SPSM、及び/又はSPSRFとして述べる少なくとも1つの電気素子は、少なくとも1つのRF回路及び磁気回路によって共有することができる。
【0268】
制御ユニットCURFは、マスターユニットのスレーブとして働くことができ、マスターユニットは、RF回路を通してRF電極にRF信号を提供するようにCURFに指令することができる。2つの制御ユニットCURFの場合、両方の制御ユニットは、マスターユニットのスレーブとして働き、マスターユニットは、それぞれのRF電極にRF信号を提供するように両方の制御ユニットCURFに指令することができる。したがって、各制御ユニットの制御は独立とすることができる。代替的に、第1のCURFは第2のCURFのスレーブとすることができ、一方、第1のCURF自身はマスターユニットのスレーブとすることができる。したがって、第1のRF電極内に電流を放出するようにマスターユニットが第1のCURFに指令すると、第1のCURFは、異なるアプリケーター内に位置決めされた第2のRF電極に電流を放出するように第2のCURFに指令することが
できる。別の代替法において、更なる制御ユニットを、マスターユニットと複数の制御ユニットCURFとの間に位置決めすることができ、そのような更なる制御ユニットは、例えば、放電のタイミングを提供することができる。これらの両方の原理によって、RF場のパルスを、連続して又はパルス方式で(正:in pulsed manner)印加することができる。
【0269】
図17図18a、及び図18bに示す磁気のための処置クラスターHIFEM A及びHIFEM Bは、図7上に示すHIFEM A及びHIFEM B 718としてマーク付けされるHMI部分に関連する1つ以上のスライダー又はスクローラーを通して制御することができる。ヒューマンマシンインターフェースHMI上に示す、関連する強度スクローラー、強度バー、及び/又は強度スライダーを通して、ユーザーは、磁気エネルギーのための処置クラスターHIFEM A及び/又はHIFEM Bの1つ以上の電気素子の動作速度を制御又は調整することができる。
【0270】
同様に、図17図18a、及び図18bに示すRF処置のための処置クラスターRF
A及びRF処置のための処置クラスターRF Bは、図7上に示すRF A及びRF B 712としてマーク付けされるHMI部分に関連するスライダー、バー、又は強度スクローラーを通して制御することができる。ヒューマンマシンインターフェースHMI上に示す、関連する強度スクローラー、強度バー、及び/又は強度スライダーを通して、ユーザーは、RF処置のための処置クラスターRF A及び/又はRF Bの1つ以上の電気素子の動作速度を制御又は調整することができる。同様に、関連する強度スクローラー、強度バー、及び/又は強度スライダーを使用することによって、ユーザーは、RF処置のための処置クラスターRF A又はRF Bの1つ以上の電気素子を通した又は電気素子の間の電気信号送信速度を制御又は調整することができる。
【0271】
処置デバイスは2つ以上のアプリケーターを含むことができ、各アプリケーターは、1つの磁場発生デバイス及び1つ又は2つのRF電極を含むことができる。第1のアプリケーター内に位置決めされた第1の磁場発生デバイスのインダクタンスは、第2のアプリケーター内に位置決めされた第2の磁場発生デバイスのインダクタンスと同一とすることができる。また、第1のアプリケーター内の第1の磁場発生デバイスのターン数、巻線エリア、及び/又は巻線なしのエリアは、第2のアプリケーター内の第2の磁場発生デバイスのターン数、巻線エリア、及び/又は巻線なしのエリアと同一とすることができる。第1のアプリケーター内の第1の磁場発生デバイスは、第2のアプリケーター内の第2の磁場発生デバイスと同一の磁場を提供することができる。同じ又は別の処置セッション中に複数の磁場発生デバイスによって提供される同一の磁場は、同じ処置パラメーター、例えば、列内のパルス数、バースト内のパルス数、同じ振幅の磁束密度のインパルス、同じ形状の包絡線、又は他のものを有することができる。しかしながら、例えば、磁束密度の振幅からの妥当な偏差を、同一の磁場において許容することができる。磁束計又はオシロスコープによって測定される磁束密度の振幅又は平均磁束密度の偏差は、0.1%~10%、又は0.1%~5%の範囲内にあるものとすることができる。
【0272】
代替的に、両方のアプリケーター内の磁場発生デバイスのインダクタンスは異なるものとすることができる。また、同じ又は別の処置セッション中に複数の磁場発生デバイスによって提供される磁場は、異なる処置パラメーターを有することができる。
【0273】
処置デバイスが2つ以上のアプリケーターを有するとき、各アプリケーターは、1つの磁場発生デバイス及び1つ又は2つのRF電極を含むことができる。第1のアプリケーター内に位置決めされた1つのRF電極のサイズ又は面積は、第2のアプリケーター内に位置決めされた(正:positioned)別のRF電極のサイズ又は面積と同一とすることができる。第1のアプリケーター及び第2のアプリケーターは、同じ又は別の処置セッション中
に提供される同一のRF場を提供することができ、同一のRF場は、RF場の同じ処置パラメーター、例えば、波長、位相、継続時間、及び強度を有することができる。
【0274】
代替的に、両方のアプリケーター内のRF電極のサイズ又は面積は異なるものとすることができる。同様に、同じ又は別の処置セッション中に複数の磁場発生デバイスによって提供される磁場は、異なる処置パラメーターを有することができる。
【0275】
図19は、磁場発生デバイスによって提供される磁場(例えば、時変性磁場)の例示的な組成を示す。同様に、図19は、RF場の組成を示すこともできる。したがって、特に図19の説明において、用語「インパルス(impulse)」は「磁気インパルス(magnetic impulse)」又は「RFインパルス(RF impulse)」を指すことができる。同様に、用語
「パルス(pulse)」は、「磁気パルス(magnetic pulse)」又は「RFパルス(RF pulse)」を指すことができる。同様に、用語「列」は「磁気列(magnetic train)」を指す
ことができる。用語「磁気列」は、磁気パルスの列を含むことができ、磁気パルスの列は、1つのパルスが別のパルスに追従する複数の磁気後続パルス(magnetic subsequent pulses)として理解することができる。磁気パルスが1つの磁気インパルスを含むことができるため、用語「磁気列」は、磁気インパルスの列を含むこともできる。用語「バースト(burst)」は「磁気バースト(magnetic burst)」を指すことができる。
【0276】
図19に示すように、インパルスは、少なくとも部分的な筋肉収縮、筋肉収縮、生物学的構造の温度の変化、及び/又は神経刺激等の少なくとも部分的な処置効果を引き起こすのに十分な強度を有する印加処置エネルギー(例えば、磁場)の期間を指すことができる。磁気インパルスは、図19に示すように1つの2相形状を含むことができる。磁気インパルスは、所定の振幅の磁束密度を含むことができる。
【0277】
磁気パルスは、インパルスを含む期間及びパルスのパッシブ期間を指すことができる。磁気パルスは、1つの磁気インパルスの期間、及び、パッシブ期間、すなわち、立ち上がり/立ち下がりエッジから後続の立ち上がり/立ち下がりエッジまでの2つのインパルス間の継続時間を指すことができる。パルスのパッシブ継続時間は、患者の身体に対して処置エネルギーを全く適用しないこと、及び/又は、送出される処置エネルギーの処置エネルギー強度(例えば、磁束密度)及び/又は周波数が不十分であるため、少なくとも部分的な処置効果を引き起こすのに不十分な処置エネルギーを適用することを含むことができる。そのような期間は、パルス継続時間(pulse duration)と呼ぶことができる。図19に示すように、各パルスは、インパルス継続時間(impulse duration)と呼ぶ期間中の1つの2相永続部(biphasic lasting)を含むことができる。代替的に、インパルス又はパルスは単相とすることができる。
【0278】
図19に更に示すように、複数のパルスは列を形成することができる。列は、複数のパルスを指すことができ、1つの列は、パルスが次々に追従する少なくとも2つのパルスを含むことができる。列は、図19に示す期間永続部Tだけ続くことができる。
【0279】
磁気列は、2磁気パルス~200000磁気パルス、又は2磁気パルス~150000磁気パルス、又は2磁気パルス~100000磁気パルスの範囲内の複数の磁気パルスを含むことができる。磁気列は、次々に続く複数回の少なくとも部分的な筋肉収縮又は筋肉収縮、少なくとも1つの不完全強縮性筋肉収縮、少なくとも1つの過最大収縮、少なくとも1つの完全強縮性筋肉収縮を引き起こすことができる。1つの列の印加中に、磁場は、筋肉弛緩が後続する1回の筋肉収縮を提供することができる。筋肉弛緩には、1つの列の印加中に別の筋肉収縮が後続することができる。1つの列中に、筋肉仕事サイクル(筋肉弛緩が後続する筋肉収縮を含むことができる)は、少なくとも2回、3回、4回、又はそれより多い回数反復することができる。
【0280】
バーストは、期間T、及び、処置効果が引き起こされない期間を示すことができる期間Tの間に提供される1つの列を指すことができる。期間Tは、処置エネルギーが患者の身体に印加されない及び/又は印加される処置エネルギーが処置効果を引き起こすのに不十分である、パッシブ処置(passive treatment)を提供する期間とすることができ
る。図19に示す期間Tは、バーストの継続時間を示すことができる。
【0281】
時変性磁場の磁気列には、静磁場が後続することができる、及び/又は、磁気列には、少なくとも部分的な筋肉収縮又は筋肉収縮を引き起こすのに不十分な周波数の時変性磁場及び/又は不十分な磁束密度が後続することができる。例えば、バーストは、筋肉収縮が後続しない少なくとも1回の少なくとも部分的な筋肉収縮を提供することができる。別の例において、バーストは、筋肉収縮が後続しない少なくとも1回の筋肉収縮を提供することができる。処置は、15回~25000回の範囲内、又は40回~10000回の範囲内、又は75回~2500回の範囲内、又は150回~1500回の範囲内、又は300回~750回の範囲内の、又は100000回までの複数回の磁気バーストを含むことができる。後続バーストの反復レートは、1Hz~200Hz、又は2Hz~20Hz、又は5Hz~15Hzの、又は5Hzよりも大きい値の増分で、増分的に増減することができる。代替的に、磁束密度の振幅は、後続バーストにおいて変動する、例えば、直前のパルス周波数の、少なくとも1%、2%、又は5%以上の増分で増分的に増減することができる。1つのバーストの印加中に、磁場は、筋肉弛緩が後続する1回の筋肉収縮を提供することができる。筋肉弛緩は、同じバーストの印加中に、別の筋肉収縮が後続することができる。1つのバースト中に、筋肉仕事サイクル(筋肉弛緩が後続する筋肉収縮を含むことができる)は、少なくとも2回、3回、4回、又はそれより多い回数反復することができる。
【0282】
また、処置デューティサイクルは、図19に示すように磁場のパルス状処置エネルギーの印加に関連することができる。処置デューティサイクルは、アクティブ処置時間Tと、1サイクルT中のアクティブ処置時間及びパッシブ処置時間の和との間の比を指すことができる。
【0283】
例示的な処置デューティサイクルは図19に示される。10%のデューティサイクルは、アクティブ処置のTが2s続き、パッシブ処置Tが18s続くことを意味する。この例示的な処置において、アクティブ処置期間及びパッシブ処置期間を含む期間Tは20秒続く。処置デューティサイクルはTとTとの間の比として規定することができる。処置デューティサイクルは、1:100(1%を意味する)~24:25(96%を意味する)、又は1:50(2%を意味する)~4:6(67%を意味する)、又は1:50(2%を意味する)~1:2(50%を意味する)、又は1:50~1:3(33%を意味する)、又は1:50(2%を意味する)~1:4(25%を意味する)、又は1:20(5%を意味する)~1:8(12.5%を意味する)、又は1:100(1%を意味する)~1:8(12.5%を意味する)の範囲内にある、又は少なくとも1:4(少なくとも25%を意味する)であるものとすることができる。
【0284】
4Hzのバースト反復レートの例示的な適用は、200Hzの反復レートで、かつ、列における50%の処置デューティサイクルが125ms続く、すなわち、各列が25パルスを含む状態で、時変性磁場が患者に適用されるものとすることができる。1分につき6バーストのバースト反復レートの代替の例示的な適用は、1Hzの反復レートで、かつ、列における30%の処置デューティサイクルが3s続く、すなわち、各列が3パルスを含む状態で、時変性磁場が患者に適用されるものとすることができる。
【0285】
図19は、RF電極によって提供される磁気成分の例示的な組成を示すこともできる。
【0286】
処置デバイスが複数(例えば、2つ)のアプリケーターを使用するとき、各アプリケーターは、1つの磁場発生デバイスを含むことができる。各磁場発生デバイスが1つのそれぞれの磁場を提供することができるため、複数のアプリケーターは異なる磁場を含むことができる。その場合、磁気インパルス又はパルスの磁束密度の振幅は、HMIを通してユーザーによって及び/又は1つ以上の制御ユニットによって指定されるように、同じ又は異なるものとすることができる。
【0287】
1つの磁場発生デバイス(例えば、磁気コイル)によって提供される1つの磁場のインパルスを、別の磁場発生デバイスによって提供される別の磁場のインパルスと同期して生成し印加することができる。処置デバイスが2つの磁場発生デバイスを含む状態での処置セッション中に、1つの磁場発生デバイスによって提供される1つの磁場のインパルスは、第2の磁場発生デバイスによって提供される第2の磁場のインパルスと同期して生成することができる。同期生成は同時生成を含むことができる。
【0288】
磁気インパルスの同期生成は、複数の磁気処置回路のスイッチ、エネルギー貯蔵デバイス、磁場発生デバイス、及び/又は他の電気素子の同期動作によって提供することができる。しかしながら、磁気処置回路の電気素子の同期動作を、HMIを通したユーザー、マスターユニット、及び/又は1つ以上の(正:one or more)制御ユニットが、指令する
、調整する、又は制御することができる。
【0289】
図27aは、2つの例示的な磁場発生デバイス上での同時タイプの磁気インパルスの同期生成を示す。磁場発生デバイスA(MFGD A)は、複数の2相磁気インパルス271aを含む第1の磁場を生成することができる。磁場発生デバイスB(MFGD B)は、複数の磁気インパルス271bを含む第2の磁場を生成することができる。両方の磁場の磁気インパルスは、第1の磁場の磁気インパルス271aのインパルス継続時間272中に生成される。また、両方の磁場のインパルスは、第1の磁場のパルス継続時間273内で生成される。磁場の同時生成は、第1の時変性磁場の磁気インパルス271aが第2の時変性磁場の磁気インパルス271bと同時に生成されることを意味する。
【0290】
磁場の同期生成は、第1の時変性磁場の第1のインパルスの始まりから第1の時変性磁場の次の連続するインパルスの始まりまで続く期間の間、第1のパルスが続くように、第1の時変性磁場の第1のパルスを生成すること、及び、第2の時変性磁場の第1のインパルスの始まりから第2の時変性磁場の次の連続するインパルスの始まりまで、第2のパルスが続くように、第2の磁場発生デバイスによって第2の時変性磁場の第2のパルスを生成することを含むことができる。磁場の同期生成は、第2の時変性磁場の第1のインパルスが第1のパルスの期間中に生成されることを意味する。
【0291】
図27bは、磁気インパルスの同期生成の例を示す。磁場発生デバイスA(MFGD A)は、複数の2相磁気インパルス271aを含む第1の磁場を生成することができる。磁場発生デバイスB(MFGD B)は、複数の磁気インパルス271bを含む第2の磁場を生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bは、第1の磁場のパルスのパルス継続時間273中であるが、第1の磁場のインパルスのインパルス継続時間272の外で生成することができる。
【0292】
図27cは、磁気インパルスの同期生成の別の例を示す。磁場発生デバイスA(MFGD A)は、複数の2相磁気インパルス271aを含む第1の磁場を生成することができる。磁場発生デバイスB(MFGD B)は、複数の磁気インパルス271bを含む第2の磁場を生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bは、第1の磁場のパルスのパルス継続時間273の間に生成することができる。同様に、第2の磁場の磁気
インパルス271bは、第1の磁場のパルスのインパルス継続時間272の間に生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bの始まりは、第1の磁場のインパルス271aの始まりからインパルスシフト274と呼ぶ期間だけ離れているものとすることができる。インパルスシフトは51~10ms、又は5μs~1000μs、又は1μs~800μsの範囲内にあるものとすることができる。
【0293】
図27dは、磁気インパルスの同期生成の更に別の例を示す。磁場発生デバイスA(MFGD A)は、複数の2相磁気インパルス271aを含む第1の磁場を生成することができる。磁場発生デバイスB(MFGD B)は、複数の磁気インパルス271bを含む第2の磁場を生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bは、第1の磁場のパルスのパルス継続時間273内に生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bは、第1の磁場のインパルスのインパルス継続時間272の外で生成することができる。第2の磁場の磁気インパルス271bの始まりは、第1の磁場の磁気インパルス271aの終わりからインパルス距離期間275と呼ぶ期間だけ離れているものとすることができる。インパルス距離期間は、51~10ms、又は5μs~1000μs、又は1μs~800μsの範囲で続くことができる。
【0294】
同期生成の他に、複数の磁場の磁気インパルスを別々に生成することができる。磁場の磁気インパルスの分離式生成(separated generation)は、1つの磁場のインパルスの生成が別の磁場のパルス継続時間の外で生成されることを含むことができる。
【0295】
図27eは、磁気インパルスの分離生成の例を示す。磁場発生デバイスAは、インパルス継続時間272aを有する2相磁気インパルス271aの列を含む第1の磁場を生成することができる。各磁気インパルス271aはパルス継続時間273aを有するパルスの一部である。第1の磁場のインパルス継続時間272aは第1の磁場のパルス継続時間273aの一部とすることができる。第1の磁場の列は、列継続時間276aを有することができる。磁場発生デバイスBは、インパルス継続時間272bを有する複数の磁気インパルス271bの別の列を含む別の磁場を生成することができる。各磁気インパルス271bは、パルス継続時間273bを有するパルスの一部である。第2の磁場のインパルス継続時間272bは第2の磁場のパルス継続時間273bの一部とすることができる。第2の磁場の列は、列継続時間276bを有することができる。列継続時間276aを有する列は、列継続時間276bを有する列が磁場発生デバイスBによって生成されるのと異なる時間に、磁場発生デバイスAによって生成される。両方の列は、1ms~30sの範囲内にあるものとすることができる分離期間277によって分離することができる。分離期間277中に、どの磁場発生デバイスもアクティブでないものとすることができ、これは、電流パルスを提供するエネルギー貯蔵デバイスがエネルギーを全く貯蔵しないことを意味する。
【0296】
磁気インパルスの同期又は分離式生成の全ての例は、1つの処置セッション中に適用することができる。また、インパルスシフト及び/又はインパルス距離期間は、図27B図27Eによって与えられる任意の例に従って位置決めすることができる第2の又は別の磁場の任意の磁気インパルス271bについて計算することができる。インパルスシフト及び/又はインパルス距離期間は、オシロスコープ測定から測定し計算することができる。磁気インパルスの同期生成は、2つ以上の磁場発生デバイスによる磁気パルス及び/又は列の同期生成をもたらし、及びこれに外挿することができる。同様に、磁気インパルスの分離式生成は、2つ以上の磁場発生デバイスによる磁気パルス及び/又は列の同期生成をもたらし、及びこれに外挿することができる。
【0297】
マスターユニット及び/又は1つ以上の制御ユニットによって提供される調整又は制御は、磁気包絡線又はRF包絡線の作成又は整形のために使用することができる。例えば、
磁気インパルス又はRFインパルスは、種々の包絡線の構築を可能にするために、各インパルス又は複数のインパルスの振幅を変調することができる。同様に、RFエネルギーの振幅は、種々の包絡線を構築するために振幅を変調することができる。マスターユニット及び/又は1つ以上の制御ユニットは、本明細書で述べる1つ以上の包絡線の構築を提供するように構成することができる。異なるように整形された磁気包絡線及び/又はRF包絡線(本明細書で包絡線とも呼ぶ)を、患者が異なるように知覚することができる。本出願の図に示す包絡線(又は全ての包絡線)は、インパルス、パルス、又は列の磁束密度の振幅、及び/又は、RF波のRFインパルスの電力出力の振幅による当てはめられた曲線とすることができる。
【0298】
包絡線は、磁気インパルスから形成される磁気包絡線とすることができる。インパルスから形成される磁気包絡線は、複数のインパルス、例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の後続の磁気インパルスを含むことができる。そのような磁気包絡線の(正:of such magnetic envelope)後続の磁気インパルスは、互いに追従すること
ができる。そのような包絡線の場合、包絡線継続時間は、複数のインパルスのうちの第1のインパルスで始まり、最後のインパルスで終わることができる。包絡線は、磁気インパルスの1つの列を含むことができる。包絡線は、インパルスの磁束密度の振幅による当てはめられた曲線とすることができる。したがって、磁気インパルスによって形成される磁気包絡線は、磁気インパルスの磁束密度の変調、反復レート、及び/又はインパルス継続時間に従って列形状を規定することができる。したがって、包絡線は、RFインパルス及びそれらの包絡線の変調、RF波のRFインパルスの反復レート又はインパルス継続時間によって形成されるRF包絡線とすることができる。
【0299】
包絡線は、磁気パルスによって形成される磁気包絡線とすることができる。パルスによって形成される磁気包絡線は、複数のパルス(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の後続の磁気パルス)を含むことができ、パルスは、紛失(missing)
パルスがない状態で互いに追従する。そのような場合、包絡線継続時間は、複数のパルスの(正:of the plurality of pulses)第1のパルスのインパルスで始まり、最後のインパルスのパッシブ継続時間で終わることができる。したがって、磁気パルスによって形成される包絡線は、磁束密度の変調、反復レート、及び/又はインパルス継続時間に従って列形状を規定することができる。包絡線は磁気パルスの1つの列を含むことができる。列は、プロトコル中に少なくとも2回反復するパターンの磁気パルスからなる。磁気包絡線は、パルスの磁束密度の振幅による当てはめられた曲線とすることができる。
【0300】
包絡線は、磁気列から形成される磁気包絡線とすることができる。列から形成される磁気包絡線は、複数の列(例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の後続の磁気列)を含むことができ、列は、列間の所定の継続時間を持って互いに追従する。そのような場合、包絡線継続時間は、複数のパルスの第1の列の第1のパルスのインパルスで始まり、パッシブ継続時間で終わることができる。1つの包絡線内の複数の列は、インパルスを含む紛失パルスによって分離することができる。紛失パルスの数は、1個~20個、又は1個~10個の範囲内にあるものとすることができる。
【0301】
包絡線を、磁束密度の種々のオフセット値に対して変調することができる。オフセット値は、0.01T~1T、又は0.1T~1T、又は0.2T~0.9Tの範囲内にあるものとすることができる。オフセット値は、磁束密度の非ゼロ値に対応することができる。
【0302】
1回の処置セッション中に、処置デバイスは、種々の数の包絡線を適用することができる。磁場の2つ以上の包絡線を組み合わせて、考えられる結果として得られる形状を作成することができる。
【0303】
上記で述べた例において、包絡線は第1のインパルスで始まることができる。さらに、包絡線は、第1のインパルスを含む第1のそれぞれのパルスの継続時間を通して継続する。さらに、包絡線は、最後のパルスのパッシブ継続時間で終わることができ、最後のパルスは第1のパルスに追従することができる。このオプションは、磁気パルスの包絡線の例示的な形状を示す以下の図に示される。以下の図に示すように、包絡線の形状は、磁束密度の変調によって提供することができる。RF包絡線の形状は、RF波の電力又はインパルスの振幅の変調によって提供することができる。
【0304】
図28は、磁気インパルス282から形成される増加する包絡線281の例示的な図であり、1つの磁気インパルス282は、磁気パルスの1つのパッシブ期間が後続する。増加する包絡線における後続のインパルスの磁束密度の振幅は増加する。1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅よりも大きい。同様に、第2のインパルスの磁束密度の振幅は、第1のインパルスの磁束密度の振幅よりも大きい。増加する振幅は筋肉準備(muscle preparation)のために使用することができる。増加する包絡線281の包絡線継続時間283は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、増加する包絡線281を構築するために振幅変調することができる。
【0305】
図29は、磁気インパルス292から形成される減少する包絡線291の例示的な図である。減少する包絡線における後続のインパルスの磁束密度の振幅は減少する。1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅よりも小さい。同様に、第2のインパルスの磁束密度の振幅は、第1のインパルスの磁束密度の振幅よりも小さい。減少する包絡線291の包絡線継続時間293は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、減少する包絡線291を構築するために振幅変調することができる。
【0306】
図30は、磁気インパルス303から形成される矩形包絡線302の例示的な図である。矩形包絡線におけるインパルスの磁束密度の振幅は一定とすることができる。しかしながら、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。第1のインパルスの磁束密度の振幅は、第2のインパルスの磁束密度の振幅と同一とすることができ、第2のインパルスは第1のインパルスに追従する。矩形包絡線302の包絡線継続時間304は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。矩形包絡線は、筋肉収縮又は筋単収縮の誘起のために使用することができる。同様に、RF波の振幅は、矩形包絡線302を構築するために振幅変調することができる。
【0307】
図31は、増加する包絡線と矩形包絡線との組み合わせとして仮想的に見ることができる組み合わせ式包絡線311の例示的な図である。組み合わせ式包絡線311は磁気インパルス312を含む。組み合わせ式包絡線におけるインパルスの磁束密度の振幅は、組み合わせ式包絡線全体の継続時間の1%~95%、又は5%~90%、又は10%~80%の範囲内について、増加することができる。組み合わせ式包絡線の矩形部分における後続のインパルスの磁束密度の振幅は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。組み合わせ式包絡線311の包絡線継続時間313は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。図31に示す組み合わせ式包絡線は、筋肉の準備及び筋肉収縮又は筋単収縮の誘起のために使用することができる。同様に、RF波の振幅は、包絡線311を構築するために振幅変調することができる。
【0308】
図32は、矩形包絡線と減少する包絡線との組み合わせとして仮想的に見ることができ
る組み合わせ式包絡線321の例示的な図である。組み合わせ式包絡線321は磁気インパルス322を含む。組み合わせ式包絡線におけるインパルスの磁束密度の振幅は、組み合わせ式包絡線全体の継続時間の1%~95%、又は5%~90%、又は10%~80%の範囲内について、減少することができる。組み合わせ式包絡線の矩形部分における後続のインパルスの磁束密度の振幅は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。組み合わせ式包絡線321の包絡線継続時間323は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。図32に示す組み合わせ式包絡線は、筋肉収縮又は筋単収縮の誘起及びその後の筋肉刺激の終了のために使用することができる。同様に、RF波の振幅は、包絡線321を構築するために振幅変調することができる。
【0309】
図33は、増加する包絡線と、すぐその後に続く減少する包絡線との組み合わせとして理解することができる三角形包絡線331の例示的な図である。三角形包絡線331は磁気インパルス332を含むことができる。包絡線の三角形形状は、対称でないものとすることができる。また、三角形形状の1つ以上の線の真直度(straightness)を、本明細書で述べる別のタイプの包絡線、例えば、矩形包絡線によって中断することができる。1つの三角形包絡線は、別の三角形包絡線に密接に追従する、又は、別の三角形包絡線に接合することができる。2つの三角形包絡線を接合することによって、結果として得られる包絡線は、鋸歯状形状を有することができる。三角形包絡線331の包絡線継続時間333は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、三角形包絡線331を構築するために振幅変調することができる。
【0310】
図34は、台形包絡線341の例示的な図である。台形包絡線341は磁気インパルス342を含むことができる。台形包絡線は、増加(立ち上がり)期間T、ホールド期間T、及び減少(立ち下がり)期間Tを含むことができる。増加期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は増加する。さらに、増加期間中、1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅よりも大きい。ホールド期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。減少期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は減少する。さらに、減少期間中、1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅より小さい。ホールド期間を、磁束密度の異なる所定の値を有する別のホールド期間によって中断することができる。台形包絡線341の包絡線継続時間343は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、台形包絡線341を構築するために振幅変調することができる。
【0311】
台形包絡線は、筋肉組織刺激にとって最も快適であると患者が知覚することができる。台形包絡線は、筋肉収縮の自然な経過に配慮する。すなわち、筋肉収縮は時変性とすることができる。自然な筋肉収縮の強度は、増加し、最大強度を保持し、減少する。台形包絡線は自然な筋肉収縮に対応する。すなわち、筋肉収縮の強度は磁束密度に対応する。台形包絡線の継続時間中の磁束密度は、増加し、保持し、減少する。同じ形状の包絡線は、適切な振幅を有するRFインパルスから形成されるRF電極を有することができる。
【0312】
台形包絡線は、台形包絡線形状に当てはまらない、1つ以上のインパルス、パルス、バースト、及び/又は列によって少なくとも1回中断される場合があるが、この中断後、台形包絡線は継続する。
【0313】
同様に、台形包絡線は、複数の列、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数の列を含むことができる。台形包絡線の場合、包絡線は3つの列を含むことができる。第1
の列は、増加する磁束密度を有するインパルスを含むことができる。1つのインパルスの磁束密度は、第1のインパルスに後続する第2のインパルスの磁束密度よりも大きいものとすることができる。第2の列は、一定の磁束密度を有するインパルスを含むことができる。しかしながら、処置デバイスの動作は、各インパルスについて厳密に一定の磁束密度を提供することができず、したがって、磁束密度は0.1%~5%の範囲内で振動する場合がある。第3の列は、減少する磁束密度を有するインパルスを含むことができる。1つのインパルスの磁束密度は、第1のインパルスに後続する第2のインパルスの磁束密度よりも小さいものとすることができる。
【0314】
さらに、台形包絡線は、複数のバースト、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれより多い数のバーストを含むことができる。台形包絡線の場合、包絡線は3つのバーストを含むことができる。第1のバーストは、増加する磁束密度を有するインパルスを含むことができる。1つのインパルスの磁束密度は、第1のインパルスに後続する第2のインパルスの磁束密度よりも大きいものとすることができる。第2のバーストは、一定の磁束密度を有するインパルスを含むことができる。しかしながら、処置デバイスの動作は、各インパルスについて厳密に一定の磁束密度を提供することができず、したがって、磁束密度は0.1%~5%の範囲内で振動する場合がある。第3のバーストは、減少する磁束密度を有するインパルスを含むことができる。1つのインパルスの磁束密度は、第1のインパルスに後続する第2のインパルスの磁束密度よりも小さいものとすることができる。
【0315】
図20は、別の例示的な台形包絡線を示す。縦軸は磁束密度を示すことができ、横軸は時間を示すことができる。台形包絡線は、列中に印加されたインパルスの磁束密度の振幅による当てはめられた曲線とすることができ、Tは、増加遷移時間と呼ぶ、増加する磁束密度を有する期間であり、すなわち、磁束密度の振幅は増加することができる。Tは、最大磁束密度を有する期間であり、すなわち、磁束密度の振幅は一定とすることができる。Tは、減少する磁束密度を有する期間であり、すなわち、磁束密度の振幅は減少することができる。T、T、及びTの合計は、筋肉収縮に対応することができる台形包絡線継続時間とすることができる。
【0316】
台形包絡線はエネルギー消費を減少させることができる。低エネルギー消費のため、台形形状は、磁場発生デバイスの冷却の改善を可能にすることができる。さらに、抵抗損失は、磁場発生デバイスの低温によって低減することができる。異なる反復レートは、異なるタイプの筋肉収縮を引き起こすことができる。各タイプの筋肉収縮は、異なる量のエネルギーを消費する場合がある。
【0317】
図35は、増加期間T、第1の減少期間T、及び第2の減少期間Tを含む台形包絡線351の例示的な図である。台形包絡線351は磁気インパルス352を含む。増加期間は、磁束密度の増加する振幅を有するインパルスを含む。第1の減少期間及び第2の減少期間は、磁束密度の減少する振幅を有するインパルスを含む。示す例に関して、第1の減少期間は、増加期間に追従し、第2の減少期間に先行する。後続のインパルスの磁束密度の振幅は、第2の減少期間中により急峻に減少することが示される。代替的に、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、第1の減少期間中により急峻に減少することができる。台形包絡線351の包絡線継続時間353は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。したがって、包絡線は、RFインパルスから形成される磁気包絡線とすることができる。同様に、RF波の振幅は、台形包絡線351を構築するために振幅変調することができる。
【0318】
図36は、第1の増加期間、第2の増加期間、及び減少期間を含む台形包絡線361の例示的な図である。台形包絡線361は磁気インパルス362を含む。第1の増加期間及び第2の増加期間は、磁束密度の増加する振幅を有するインパルスを含む。第1の増加期
間及び第2の増加期間は、磁束密度の増加する振幅を有するインパルスを含む。示す例に関して、第2の増加期間は、第1の増加期間に追従し、減少期間に先行する。後続のインパルスの磁束密度の振幅は、第1の増加期間中により急峻に増加することが示される。代替的に、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、第2の増加期間中により急峻に増加することができる。台形包絡線361の包絡線継続時間363は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、台形包絡線361を構築するために振幅変調することができる。
【0319】
図37は、第1の増加期間T、第1のホールド期間T、第2の増加期間、第2のホールド期間、及び減少期間を含む階段状包絡線371の例示的な図である。階段状包絡線371は磁気インパルス372を含む。第1の増加期間及び第2の増加期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は増加することができる。減少期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は減少することができる。ホールド期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、一定とすることができ、又は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。階段状包絡線371の包絡線継続時間373は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、台形包絡線371を構築するために振幅変調することができる。
【0320】
図38は、第1の増加期間T、第1のホールド期間T、第1の減少期間T、第2のホールド期間T、及び第2の減少期間Tを含む階段状包絡線381の例示的な図である。階段状包絡線381は磁気インパルス382を含む。増加期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は増加することができる。第1の減少期間及び第2の減少期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は減少することができる。ホールド期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、一定とすることができ、又は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。階段状包絡線381の包絡線継続時間383は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波の振幅は、台形包絡線381を構築するために振幅変調することができる。
【0321】
図39は、磁気インパルス392を含む別のタイプの台形包絡線391の例示的な図である。台形包絡線は、増加期間T、ホールド期間T、及び減少期間Tを含むことができる。増加期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は増加する。さらに、増加期間中、1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅よりも大きい。ホールド期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は、0.01%~5%の範囲内の磁束密度の振幅の所定の値の周りで振動する場合がある。減少期間中、後続のインパルスの磁束密度の振幅は減少する。さらに、減少期間中、1つのインパルスの磁束密度の振幅は、先行するインパルスの磁束密度の振幅よりも小さい。ホールド期間は、磁束密度の異なる所定の値を有する別のホールド期間Tを含むことができる。包絡線391の包絡線継続時間393は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波及び/又はRFインパルスの振幅は、台形包絡線391を構築するために振幅変調することができる。
【0322】
包絡線は、磁束密度と反復レートとの組み合わせ式変調を含むことができる。図40は、一定振幅の磁束密度を有する矩形包絡線401の例示的な図を示す。矩形包絡線401は磁気インパルス402を含むことができる。期間TRR2及びTRR3は、矩形包絡線において示す(正:shown in)TRR1中の磁気インパルスの残りの部分よりも高い反復周波数を有するインパルスを示す。示す期間TRR2及びTRR3は、示す矩形包絡線の残りの部分よりも強い筋肉収縮を提供することができる。しかしながら、示す全ての包絡線は、反復レート領域における変調を含むことができる。矩形包絡線401の包絡線継続
時間403は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。したがって、包絡線は、RFインパルスから形成される磁気包絡線とすることができる。それらの振幅は、RF包絡線と呼ぶ振幅を形成することもできる。同様に、RF波の振幅及び/又は反復レートは、包絡線401を構築するために振幅変調することができる。
【0323】
述べたように、包絡線は、1つ以上の紛失パルスによって分離される磁気列から形成することができる。図41は、磁気インパルス412を含む磁気列から形成された包絡線を示す。示すように、増加する磁束密度を有するインパルス列を含む第1の列は継続時間Tを有する。一定の又は振動する磁束密度を有するインパルス列を含む第2の列は継続時間Tを有する。減少する磁束密度を有するインパルス列を含む第3の列は継続時間Tを有する。複数の列を含む包絡線411は台形形状を有する。継続時間TとTとの間又は継続時間TとTとの間の継続時間は、紛失インパルスを含む紛失パルスが位置決めされることになる時間ギャップを示すことができる。包絡線411の包絡線継続時間413は、第1のパルスの第1のインパルスから始まり、最後のパルスのパッシブ継続時間の終了に至る。同様に、RF波又はRFインパルスの振幅は、包絡線411を構築するために振幅変調することができる。
【0324】
処置中に、磁気包絡線を組み合わせることができる。図42は、磁気包絡線の組み合わせの例を示す。増大する形状を有する増加する包絡線422は磁気インパルス421の列を含む。増加する包絡線422は継続時間TE1を有することができる。矩形包絡線423は磁気インパルス421の列を含む。矩形包絡線は継続時間TE2を有することができる。減少する包絡線424は磁気インパルス421の列を含む。減少する包絡線424は継続時間TE3を有することができる。第1の包絡線、第2の包絡線、及び第3の包絡線の組み合わせによって形成される処置プロトコルの結果として得られるサブ期間は、例えば、図34及び図20に関して示す台形包絡線と同じ又は同様の処置効果を提供することができる。処置プロトコルの結果として得られるサブ期間は、処置サブ期間の第1のパルスの第1のインパルスから最後のパルスのパッシブ継続時間の終了までの継続時間425を有する。同様に、RF波及び/又はRFインパルスの振幅は、包絡線の組み合わせを構築するために振幅変調することができる。
【0325】
図43は、磁気包絡線の組み合わせの別の例を示し、減少期間は、矩形包絡線と異なる磁束密度を有する。この例は、磁気包絡線の組み合わせが、異なる磁束密度を有する包絡線を含むことができることを示すことができる。増大する形状を有する増加する包絡線432は磁気インパルス431の列を含む。増加する包絡線は継続時間TE1を有することができる。矩形包絡線433は磁気インパルス431の列を含む。矩形包絡線は継続時間TE2を有することができる。減少する包絡線は磁気インパルス431の列を含む。減少する包絡線434は継続時間TE3を有することができる。第1の包絡線、第2の包絡線、及び第3の包絡線の組み合わせによって形成される処置プロトコルの結果として得られるサブ期間は、例えば、図34及び図20に関して示す台形包絡線と同じ又は同様の処置効果を提供することができる。処置プロトコルの結果として得られるサブ期間は、処置サブ期間の第1のパルスの第1のインパルスから最後のパルスのパッシブ継続時間の終了までの継続時間435を有する。同様に、RF波又はRFインパルスの振幅は、包絡線の組み合わせを構築するために振幅変調することができる。
【0326】
図44は、包絡線間期間、すなわち、包絡線の間の期間の例を有する磁場の2つの例示的な包絡線である。包絡線の間の期間は、磁気刺激なしの時間を含むことができる。しかしながら、包絡線の間の期間は、不十分な又は認識不能な筋肉刺激(例えば、筋肉収縮及び筋肉弛緩を含む)を提供する磁気インパルスを含むことができる。包絡線の間の期間中に生成される磁気インパルスも包絡線を形成することができる。不十分な又は認識不能な
筋肉刺激を提供する磁気インパルスは、残存容量(resting capacity)を放出するために、磁場発生コイルに対するエネルギー貯蔵デバイスの放電によって生成することができる。エネルギー貯蔵デバイスは、その後、大電力電流インパルスを磁場発生デバイスに提供するために、電力源によってより大量の電流及び/又は電圧まで充電することができる。継続時間Tを有する矩形包絡線442は磁気インパルス441を含むことができる。継続時間Tを有する台形包絡線444は磁気インパルス441を含むことができる。継続時間TEPを有する包絡線間期間は、包絡線間期間内で磁気インパルス441の磁束密度によって与えられる包絡線443(例えば、縮小する形状を有する)を含むことができる。代替的に、包絡線間期間は、筋単収縮を提供する単一インパルスを含むことができる。したがって、包絡線は、RFインパルスから形成される磁気包絡線とすることができる。それらの振幅は、RF包絡線と呼ぶ振幅を形成することもできる。RF包絡線間の期間は加熱なし時間を含むことができる。
【0327】
RF処置(RF場)を、継続的動作(continual operation)、パルス状動作、又は複
数のサイクルを含む動作で、処置エネルギー源(例えば、RF電極)によって生成することができる。継続的動作は、継続的RF処置中に提供される。パルス状動作は、パルス状RF処置中に提供される。
【0328】
継続的動作中に、RF電極は、マスターユニット又は1つ以上の制御ユニットによって指令されるRF場を、処置全体にわたって、又は、処置中の1つの継続時間内に生成することができる。RF電極は、正弦形状を有するRF波を生成することができる。換言すれば、RF電極は、正弦形状を有する無線周波数波形を生成することができる。他の形状、例えば、RF波の振幅に応じて、鋸歯状、三角形、又は正方形が可能である。
【0329】
継続的RF処置は、患者のターゲット生物学的構造の継続的加熱による、提供される磁気処置との最大の相乗効果、患者のターゲット生物学的構造を分極し、深部磁場貫入を確実にする最大の効果、及び、筋肉収縮を促進するため等、患者の組織に対する生成磁場の高い効果のうちの1つを有することができる。
【0330】
パルス状生成中に、RF電極は、処置の2つ以上のアクティブ期間の間、RF場を生成することができ、期間をパッシブ期間によって分離することができる。パルス状RF処置のアクティブ期間は、RF電極がアクティブでありかつRF場を生成する期間を示すことができる。アクティブ期間は、1s~15分、又は30s~10分、又は5s~900s、又は30s~300s、又は60s~360sの範囲内にあるものとすることができる。RFパルス状処置のパッシブ期間は、RF電極が非アクティブでありかつRF場を生成しない期間を示すことができる。RFパルス状処置のパッシブ期間は、1s~15分、又は10s~10分、又は5s~600s、又は5s~300s、又は10s~180sの範囲内にあるものとすることができる。パルス状生成及びそのパラメーターは、処置中に変化し得る。
【0331】
ユーザーは、処置デバイスの制御ユニット又はマスターユニットを通して、処置デバイスの種々の処置プロトコルを選択、制御、又は調整することができる。同様に、マスターユニット及び/又は制御ユニットは、処置プロトコル、身体エリア、又はユーザーが選択した別のオプションを選択、制御、又は調整することができる。さらに、マスターユニット及び/又は制御ユニットは、上述した任意のセンサーによって提供されるフィードバックに応じて種々の処置パラメーターを選択、制御、又は調整することができる。
【0332】
処置プロトコルは、それぞれのプロトコルに割り当てられた1つ以上の処置パラメーター及びそれらの所定の値の選択を含むことができる。さらに、処置プロトコルは、磁気処置及びRF処置による種々のタイプの組み合わせ式処置を含むことができる。
【0333】
処置パラメーターに関して、ユーザーは、処置デバイスのマスターユニット又は1つ以上の制御ユニットを含む制御システムを通して、処置デバイスの種々の処置パラメーターを制御又は調整することができる。マスターユニット及び/又は制御ユニットは、処置プロトコル、身体エリア、又はユーザーが選択した別のオプションに応じて処置パラメーターを制御又は調整することができる。さらに、マスターユニット及び/又は制御ユニットは、上述した任意のセンサーによって提供されるフィードバックに応じて種々の処置パラメーターを制御又は調整することができる。マスターユニット又は1つ以上の制御ユニットは、磁場の処置パラメーターの調整を提供することができ、磁場の処置パラメーターは、磁束密度、磁束密度の振幅、インパルス継続時間、パルス継続時間、インパルスの反復レート、パルスの反復レート、列継続時間、列内のインパルス及び/又はパルスの数、バースト継続時間、磁気バーストの組成、磁気列の組成、包絡線の数、デューティサイクル、包絡線の形状、及び/又は、磁束密度導関数の最大を含む。マスターユニット又は1つ以上の制御ユニットは、RF場の処置パラメーターの調整を提供することができ、RF場の処置パラメーターは、RF場の周波数、RF場のデューティサイクル、RF場の強度、RF場によって提供されるエネルギー束、RF場の電力、RF場の電力の振幅、及び/又はRF波の電力の振幅を含み、RF波は、RF場の電気成分を指すことができる。処置パラメーターを以下の範囲内で制御又は調整することができる。
【0334】
さらに、処置パラメーターは、例えば、処置時間、磁場発生デバイスの温度、RF電極の温度、アプリケーターの温度、冷却タンクの温度、ターゲット設定された身体エリアの選択、接続されたアプリケーターの数、冷却流体の温度(適切な温度センサーによって流体導管、接続管、アプリケーター、又は冷却タンク内で測定される)、選択された身体エリア、及び/又は他のものを含むことができる。
【0335】
異なる磁束密度、パルス継続時間、列及び/又はバーストの組成は、筋肉組織に異なる影響を及ぼすことができる。磁気処置の1つの部分は、例えば、筋肉強度、筋肉体積、筋肉引き締めを増すために筋肉トレーニングを引き起こすことができ、磁気処置の他の部分は、筋肉弛緩を引き起こすことができる。RF電極に提供される信号は、2つのバイポーラRF電極によって作成される回路及び患者の身体の容量に関して変調することができ、アプリケーター及び/又は患者における定在無線周波数波又は他のものの作成が防止される。無線周波数場の変調は、周波数領域、強度領域、インパルス継続時間、及び/又は他のパラメーターにおいて提供することができる。個々の無線周波数処置、磁気処置、及び/又はそれらの組み合わせの目標は、ターゲット生物学的構造についての最も複雑な及び/又は効率的な処置に達することである。時間領域における変調は、アクティブ刺激期間及びパッシブ刺激期間を提供することができる。パッシブ期間は、RF処置及び/又は磁気処置が、筋肉刺激がない、及び/又は、ターゲット生物学的構造のRF場によって提供される温度の変化又は他の処置効果がない期間を含むときに起こるものとすることができる。パッシブ期間中に、磁場及び/又はRF場は生成されないものとすることができる。また、パッシブ期間中に、磁場及びRF場を生成することができるが、磁場及び/又はRF場の強度は、ターゲット生物学的構造の少なくとも1つの処置効果を提供するのに十分でないものとすることができる。
【0336】
磁場の磁束密度は、0.1T~7Tの範囲内、又は0.5T~7Tの範囲内、又は0.5T~5Tの範囲内、又は0.5T~4Tの範囲内、又は0.5T~2Tの範囲内にあるものとすることができる。そのような規定は、磁場の磁束密度の振幅を含むことができる。磁束密度の示す範囲は、筋肉収縮を引き起こすために使用することができる。磁束密度及び/又は磁束密度の振幅は、磁束計又はオシロスコープによって測定することができる。
【0337】
反復レートは、磁気インパルスを発火させる周波数を指すことができる。反復レートは、磁気パルスの継続時間から導出することができる。磁気インパルスの反復レートは、0.1Hz~700Hz、又は1Hz~700Hz、又は1Hz~500Hzの範囲内、又は1Hz~300Hz、又は1Hz~150Hzの範囲内であるものとすることができる。各磁気パルスが1つの磁気インパルスを含むため、磁気パルスの反復レートは磁気インパルスの反復レートに等しい。磁気インパルスの継続時間は、1μs~10ms、又は3μs~3ms、又は3μs~3ms、又は3μs~1ms、又は10μs~2000μs、又は50μs~1000μs、又は100μs~800μsの範囲内であるものとすることができる。インパルスの反復レートは、オシロスコープ測定の記録から測定することができる。
【0338】
列継続時間は、1ms~300s、又は1ms~80s、又は2ms~60s、又は4ms~30s、又は8ms~10s、又は25ms~3sの範囲内であるものとすることができる。2つの後続列間の時間は、5ms~100s、又は10ms~50s、又は200ms~25s、又は500ms~10s、又は750ms~5s、又は300ms~20sの範囲内であるものとすることができる。反復レートは、オシロスコープ測定の記録から測定することができる。
【0339】
バースト継続時間は、10ms~100秒、又は100ms~15s、又は500ms~7s、又は500ms~5sの範囲内であるものとすることができる。磁気バーストの反復レートは、0.01Hz~150Hz、又は0.02Hz~100Hzの範囲内、又は0.05Hz~50Hz、又は0.05Hz~10Hz、又は0.05Hz~2Hzの範囲内であるものとすることができる。反復レートは、オシロスコープ測定の記録から測定することができる。
【0340】
有効な磁気処置を提供し、筋肉収縮を引き起こす(正:to cause)別のパラメーターは、dB/dtで規定される磁束密度の導関数であり、dBは磁束密度導関数[T]であり、dtは時間導関数[s]である。磁束密度導関数は磁場に関連する。磁束密度導関数は、組織内の誘導電流の量として規定することができるため、筋肉収縮を提供するときの重要なパラメーターの1つとして役立つことができる。磁束密度導関数が大きいほど、筋肉収縮が強い。磁束密度導関数は、上記で述べた式から計算することができる。
【0341】
磁束密度導関数の最大値は、最大5MT/sまで、又は、0.3kT/s~800kT/s、0.5kT/s~400kT/s、1kT/s~300kT/s、1.5kT/s~250kT/s、2kT/s~200kT/s、2.5kT/s~150kT/sの範囲内であるものとすることができる。
【0342】
RF場(例えば、RF波)の周波数は、数百kHz~数十GHzの範囲内であり、例えば、100kHz~3GHz、500kHz~3GHz、400kHz~900MHz、若しくは500kHz~900MHzの範囲内であり、又は、約13.56MHz、40.68MHz、27.12MHz、若しくは2.45GHzであるものとすることができる。
【0343】
RF場(例えば、RF波)によって提供されるエネルギー束は、0.001W/cm~1500W/cm、又は0.001W/cm~15W/cm、又は0.01W/cm~1000W/cm、又は0.01W/cm~5W/cm、又は0.08W/cm~1W/cm、又は0.1W/cm~0.7W/cmの範囲内にあるものとすることができる。用語「約(around)」は、列挙される値の5%の範囲内にあるとして解釈されるべきである。
【0344】
RF処置のための処置回路の電力源によって提供される電磁信号の電圧は、1V~5kV、又は5V~140V、又は10V~120V、又は15V~50V、又は20V~50Vの範囲内にあるものとすることができる。
【0345】
生物学的構造内の温度、処置される身体エリアの表面上の温度、身体エリア内の温度、アプリケーターの内部の温度、RF電極の温度、及び/又は磁場発生デバイスの温度は、例えば、図8cに示すアプリケーター内に実装された温度センサー816によって測定することができる。RF電極及び/又は磁場発生デバイスの温度は、38℃~150℃、38℃~100℃、又は40℃~80℃、40℃~60℃、又は41℃~60℃、又は42℃~60℃の範囲内に維持することができる。処置される身体エリアの表面上の温度、処置される身体内及び/又は生物学的構造内の温度は、38℃~60℃、又は40℃~52℃、又は41℃~50℃、又は41℃~48℃、又は42℃~48℃、又は42℃~45℃の範囲内の温度まで上げることができる。上述した温度の値は、RF処置及び/又は磁場処置が開始した後、5s~600s、10s~300s、又は30s~180sの間に達成することができる。その後、温度の値(正:value of temperature)を、5℃、3℃、又は2℃、又は1℃の範囲内の最大温度偏差を持って、処置中に一定に維持することができる。
【0346】
処置の始めに、患者の皮膚上の及び/又は生物学的構造内の開始温度を、42℃~60℃、又は45℃~54℃、又は48℃~60℃、又は48℃~52℃の範囲内の開始温度まで、及び/又は、アポトーシスプロセスが始まるときの温度より3℃、又は5℃、又は8℃高いが60℃を超えない温度まで上げることができる。開始温度に達してから45s~360s後、又は60s~300s後、又は120s~400s後、又は300s~500s後に、RF場の強度を減少することができ、患者の皮膚上の温度及び/又は生物学的構造内の温度を、41℃~50℃又は42℃~48℃の範囲内の温度に維持することができる。処置の別の方法によれば、少なくとも1つのアプリケーターが、腹部エリア、臀部、腕、脚、及び/又は他の身体エリア等の同じ患者の身体エリアに取り付けられている間に、生物学的構造の温度は、処置中に少なくとも2回、2℃~10℃、2℃~8℃、又は3℃~6℃の範囲内で減少及び増加することができる。
【0347】
生物学的構造内の温度を、少なくとも1つ以上の測定された特性と組み合わせて、数学モデル、相関関数に従って、計算することができる。そのような測定された特性は、患者の皮膚上の温度、RF電極間のキャパシタンス、RFバイポーラ電極のボルトアンペア特性、及び/又はRF電極に対する接続された電気素子のボルトアンペア特性を含むことができる。
【0348】
処置継続時間は、5分~120分、又は5分~60分、又は15分~40分とすることができる。1週間中に、同じ身体エリアの1回、2回、又は3回の処置を行うことができる。同様に、2回の後続する処置の間の1回の休止は、1週間、2週間、又は3週間とすることができる。
【0349】
処置中に患者に適用されるRF処置及び磁気処置のエネルギー束密度の合計は、0.03mW/mm~1.2W/mmの範囲、又は0.05mW/mm~0.9W/mmの範囲、又は0.01mW/mm~0.65W/mmの範囲内にあるものとすることができる。RF処置及びアクティブ磁気処置の同時適用中の磁気処置のエネルギー束密度の部分は、処置時間の1%~70%、3%~50%、5%~30%、又は1%~20%の範囲内にあるものとすることができる。
【0350】
1つのRF電極によって提供されるRFエネルギー(すなわち、RF場)の電力出力は、0.005W~350W、又は0.1W~200W、又は0.1W~150Wの範囲内
にあるものとすることができる。
【0351】
図21は、処置デバイスによって提供するとともに、磁場又は磁場とRF場との組み合わせの適用によって達成することができる異なるタイプの筋肉収縮を示す。筋肉収縮は、エネルギー消費、及び、筋肉ターゲット設定、例えば、筋肉強化、筋肉体積増加/減少、筋持久力、筋肉弛緩、筋肉のウォーミングアップ、及び/又は他の効果において異なり得る。縦軸は筋肉収縮の強度を示すことができ、横軸は時間を示すことができる。矢印は、患者の筋肉に印加される磁気インパルス及び/又はパルスを示すことができる。
【0352】
例えば、1Hz~15Hzの範囲内の時変性磁場パルスの低い反復レートは、単収縮を引き起こすことができる。低い反復レートは、処置される筋肉が完全に弛緩することを可能にするのに十分に低いものとすることができる。処置される筋肉のエネルギー消費は、低い反復レートのため、低いものとすることができる。しかしながら、低い反復レートは、例えば、2つの収縮の間に筋肉の積極的弛緩(active relaxation)を引き起こすこと
ができる。
【0353】
時変性磁場パルスの中間反復レートは不完全強縮性筋肉収縮を引き起こすことができ、中間反復レートは15Hz~29Hzの範囲内にあるものとすることができる。不完全強縮性筋肉収縮は、10Hz~30Hzの範囲内の反復レートによって規定することができる。筋肉は完全に弛緩することができない。筋肉は部分的に弛緩することができる。筋肉収縮強度は、一定の磁束密度が印加される状態で増加することができる。
【0354】
時変性磁場パルスの高い反復レートは完全強縮性筋肉収縮を引き起こすことができる。高い反復レートは、例えば、30Hz~150Hz、又は30Hz~90Hz、又は30Hz~60Hzの範囲内にあるものとすることができる。完全強縮性筋肉収縮は、最強の過最大筋肉収縮を引き起こすことができる。過最大筋肉収縮は意志的(volitional)筋肉収縮より強いものとすることができる。エネルギー消費はより大きいものとすることができる。強化効果を改善することができる。さらに、少なくとも30Hzの反復レートにおいて、脂肪細胞の体積及び/又は数を減少することができると思われる。
【0355】
90Hzを超える時変性磁場パルスの更に高い反復レートは、異なるレベル又は神経系及び/又は疼痛受容体における疼痛励起伝達(pain excitement transmission)を抑制及び/又は阻止することができる。高い反復レートは、少なくとも100Hz、少なくとも120Hz、若しくは少なくとも140Hzであり、又は、100Hz~230Hz、若しくは120Hz~200Hz、若しくは140Hz~180Hzの範囲内にあるものとすることができる。患者の筋肉に対する時変性磁場の印加は、疼痛緩和効果(pain relieving effect)を引き起こすことができる。
【0356】
120Hz~300Hz、又は150Hz~250Hz、又は180Hz~350Hzの範囲内の又は200Hzよりも高い時変性磁場パルスの高い反復レートは、筋肉弛緩効果を引き起こすことができる。
【0357】
時変性磁場によって引き起こされる筋肉収縮の品質は、筋肉収縮の収縮力、筋肉・腱長、筋肉の相対的短縮、又は筋肉の短縮速度(shortening velocity)等のパラメーターに
よって特徴付けることができる。
【0358】
筋肉収縮の収縮力は、少なくとも0.1N/cm及び最大250N/cmまでの収縮力に達することができる。収縮力は、0.5N/cm~200N/cmの範囲内、又は1N/cm~150N/cmの範囲内、又は2N/cm~100N/cmの範囲内にあるものとすることができる。
【0359】
筋肉・腱長は、残りの筋肉・腱長の最大65%までに達することができる。筋肉・腱長は、残りの筋肉・腱長の1%~65%の範囲内、又は残りの筋肉・腱長の3%~55%の範囲内、又は残りの筋肉・腱長の5%~50%の範囲内にあるものとすることができる。
【0360】
筋肉は、筋肉収縮中に、残りの筋肉長の60%まで短縮することができる。筋肉短縮は、残りの筋肉長の0.1%~50%の範囲内、又は残りの筋肉長の0.5%~40%の範囲内、又は残りの筋肉長の1%~25%の範囲内にあるものとすることができる。
【0361】
筋肉は、10cm/sまでの速度で短縮することができる。筋肉短縮速度は、0.1cm/s~7.5cm/sの範囲内、又は0.2cm/s~5cm/sの範囲内、又は0.5cm/s~3cm/sの範囲内にあるものとすることができる。
【0362】
時変性磁場は、筋肉収縮による筋肉整形効果を引き起こすために患者に適用することができる。筋肉は、緊張及び/又は体積の増大を得ることができる。筋肉の強度も増加することができる。
【0363】
RF処置及び磁気処置による組み合わせ式処置のタイプに関して、処置デバイスは、1回の処置セッション中の種々の期間において異なる処置エネルギー(例えば、RF場及び磁場)を提供するように構成することができる。ユーザーは、HMIを通して処置を制御又は調整することができる。HMIを、マスターユニット及び/又は1つ以上の制御ユニットに結合することができる。また、マスターユニット及び/又は制御ユニットは、処置プロトコル、身体エリア、又はユーザーによって選択される別のオプションに従って、異なる処置エネルギーの適用を制御又は調整することができる。さらに、マスターユニット及び/又は制御ユニットは、上記で述べた任意のセンサーによって提供されるフィードバックに従って異なる処置エネルギーの適用を制御又は調整することができる。したがって、マスターユニット及び/又は1つ以上の制御ユニットは、1回の処置セッション中の種々の期間において処置及び処置エネルギー(例えば、RF処置及び磁気処置)の提供を制御又は調整することができる。磁気処置及びRF処置の示す全てのタイプの適用を、処置デバイスが提供することができる。
【0364】
磁気処置とRF処置との1つのタイプの組み合わせ式適用は同時適用とすることができる。同時適用中に、磁気処置及びRF処置はともに、処置セッションの全体又はほとんどの間、同じ時間に適用することができる。1つの例において、同時適用は、連続するRF場の適用を伴う磁場の1つ以上のセクションの適用によって達成することができる。別の例において、パルス状磁気処置は、継続的RF処置中に適用することができる。更に別の例において、同時適用は、例えば、磁気パルスの1つ又は2つの長い列と一緒のRF処置の継続的適用によって達成することができる。そうした場合、磁気パルスの長い列は、1Hz~15Hz又は1Hz~10Hzの範囲内の値の反復レートを有する磁気パルスを含むべきである。1つ又は2つの長い磁気列のみが、処置セッション全体のために使用される場合、そのような列の列継続時間は、5s~90分、又は10s~80分、又は15分~45分の範囲内にあるものとすることができる。
【0365】
同時RF処置を伴う又はその間の時変性磁場によって引き起こされる筋肉収縮は、影響を受けるより多くの筋肉線維を含むことができる。また、ターゲット設定された生物学的構造(例えば、筋肉)は、同時RF処置がない状況と比較して、磁場のより低い印加磁束密度によってより収縮することができる。
【0366】
同じ身体エリア内へのRF処置と磁気処置との同時適用は、RF処置によって生じる熱の消散を改善することができる。この効果は、処置される身体エリア内での又は処置され
るエリアの近傍での血液循環の増大に基づく。また、誘起される筋肉仕事は、RF場によって誘起され提供される加熱の均一性及び熱の消散を改善することができる。
【0367】
磁気処置とRF処置との別のタイプの組み合わせ式適用は分離適用とすることができる。分離適用中に、磁気処置及びRF処置をともに、処置セッション中の異なる時間に適用することができる(正:may be applied)。RF処置を、磁気処置の(正:of)、磁気包絡線、バースト、列、パルス、及び/又はインパルスの前に、その後に、及び/又はその間に提供することができる。
【0368】
磁気処置が適用される時間とRF処置が適用される時間との間の比は、0.2%~80%、又は2%~60%、又は5%~50%、又は20%~60%の範囲内にあるものとすることができる。この計算についての適用される磁気処置の時間は、処置中の全てのパルス継続時間の合計である。
【0369】
磁気処置とRF処置との別のタイプの組み合わせ式適用は依存適用(dependent application)とすることができる。1つの処置エネルギーの適用は、別の処置エネルギーの開
始又は1つ以上の処置パラメーターに依存するものとすることができる。依存適用は、1つ以上のセンサーからのフィードバックに応じて開始又は調節することができる。例えば、RF処置の適用の開始は、磁気処置の開始、又は、列、バースト、及び/又は包絡線の開始に依存するものとすることができる。筋肉仕事(筋肉収縮及び/又は筋肉弛緩を含む)によって提供される熱消散が提供されないとき、過熱によって引き起こされる望ましくない組織損傷の健康リスクが起こる場合がある。別の例において、磁気処置の適用の開始は、RF処置の開始、継続時間、又は強度に依存するものとすることができる。磁気処置は、好ましくは、生物学的構造が十分に加熱された後に開始することができる。少なくとも部分的な筋肉収縮又は筋肉収縮を提供する磁気処置は、血流及びリンパ流を改善するとともに、隣接組織のマッサージを提供することができ、また、RF処置によって患者の身体内に誘起される熱のより良好な再分配を提供する。
【0370】
処置プロトコルは、2つ以上の処置セクションに分割することができる。処置セクションの数は、1つのプロトコルについて2個~50個、又は2個~30個、又は2個~15個の範囲内にあるものとすることができる。
【0371】
処置プロトコルの各処置セクションは、上述したように、異なる処置パラメーター、及び/又は、磁気処置及びRF処置の組み合わせ式処置のタイプを含むことができる。
【0372】
1つの処置セクションは、セクション時間の間、続くことができ、セクション時間は、10s~30分、又は15s~25分、又は20s~20分の範囲内にあるものとすることができる。異なるセクションは、1つ以上の処置される生物学的構造、例えば、筋肉及び脂肪組織において異なる処置効果を有することができる。例えば、1つの処置セクションは、筋肉収縮が強くかつ多数回のそのような収縮が提供される高い強度の筋肉運動を提供することができ、高いエネルギー束密度を有する高い反復レートの磁気パルスを1つの処置セクション中に使用することができる。別の処置セクションは、筋肉弛緩効果を有することができ、低い及び/又は高い反復レートの磁気パルスを使用することができ、及び/又は、磁場の低い磁束密度も使用することができる。
【0373】
処置プロトコルは、処置デバイスの制御システムによって指令又は制御される、RF処置の電力出力の異なる設定を含むことができる。1つの設定は、処置プロトコル中の電力出力を同じとすることができる一定電力出力とすることができる。別の設定は、RF処置の振動性電力出力とすることができる。RF処置の電力出力は、所定の電力出力の0.1%~5%の範囲内の電力出力の所定の値の周りで振動する場合がある。更に別の設定は、
RF処置の電力出力が処置プロトコル中に変動する、RFエネルギーの変動性電力出力とすることができる。RF処置の電力出力の変動を、1つ以上の電力出力変動ステップで提供することができ、1つの電力出力変動ステップは、1つ以上のRF電極によって適用されるRF処置の電力出力の値の1つの変化を含むことができる。電力出力変動ステップ中の1つの値から別の値へのRF処置の電力出力の変化は、0.1W~50W、又は0.1W~30W、又は0.1W~20Wの範囲内にあるものとすることができる。電力出力変動ステップは、0.1s~10min又は0.1s~5minの範囲内の継続時間を有することができる。
【0374】
RFエネルギーの電力出力の変動に関して、RFエネルギーの電力出力は、処置プロトコルの異なる期間の間に異なる値を有することができる。したがって、RF処置は、第1の期間中に電力出力の異なる値を有し、それに続いて、RF処置の電力出力の異なる値を有する第2の期間が後続する電力出力変動ステップが起こることができる。RF処置の電力出力の1つの値を有する第1の期間は、1s~15min又は10s~10minの範囲内にあるものとすることができる。RF処置の電力出力の別の値を有する第2の期間は、1s~45min、又は4s~59min、又は5s~35minの範囲内にあるものとすることができる。例えば、RF処置は、第1の時間の間、約20W、また、第2の期間の間、10Wの電力出力の値を有することができる。
【0375】
第1の例示的な処置プロトコルは2つの処置セクションを含むことができる。第1の処置セクションは、磁気パルスの包絡線を含むことができ、包絡線は、1Hz~10Hzの範囲内の反復レートを有するパルスを含むことができる。第1の処置セクションの包絡線は、矩形又は台形形状を有することができる。第1の処置セクションの継続時間は、3分~15分とすることができる。第2の処置セクションは、磁気パルスの包絡線を含むことができ、包絡線は、15Hz~45Hzの範囲内の反復レートを有するパルスを含むことができる。第2の処置セクションの包絡線は、矩形又は台形形状を有することができる。第1の処置セクションの継続時間は、3分~15分とすることができる。処置セクションを、次々に反復することができる。RF処置は、処置プロトコル全体の間に連続して適用することができる。RF処置は、1つ又は2つの電力出力変動ステップを含むことができる。
【0376】
第2の例示的な処置プロトコルは3つの処置セクションを含むことができる。第1の処置セクションは、磁気パルスの包絡線を含むことができ、包絡線は、5Hz~50Hzの範囲内の反復レートを有するパルスを含むことができる。第1の処置セクションの包絡線は、矩形又は台形形状を有することができる。第1の処置セクションの継続時間は、3分~15分とすることができる。第2の処置セクションは、磁気パルスの包絡線を含むことができ、包絡線は、15Hz~45Hzの範囲内の反復レートを有するパルスを含むことができる。第2の処置セクションの包絡線は、矩形又は台形形状を有することができる。第1の処置セクションの継続時間は、3分~15分とすることができる。第3の処置セクションは、磁気パルスの包絡線を含むことができ、包絡線は、10Hz~40Hzの範囲内の反復レートを有するパルスを含むことができる。第3の処置セクションの包絡線は、矩形又は台形形状を有することができる。第3の処置セクションの継続時間は、3分~15分とすることができる。処置セクションを、次々に反復することができる。RF処置は、処置プロトコル全体の間に連続して適用することができる。RF処置は、1つ又は2つの電力出力変動ステップを含むことができる。1つの電力出力変動ステップを、処置プロトコルの開始後、1分又は20分の範囲内で始動することができる。1つの例において、1つの電力出力変動ステップを、処置プロトコルの開始後、3分で始動することができる。
【0377】
例、実施形態、及び方法の全てを、別々に又は任意の組み合わせで使用することができ
る。
【0378】
新規なシステム及び方法が述べられた。本発明は、最も広い意味で解釈されるべきであり、したがって、もちろん、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び置換を行うことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物による以外、制限されるべきでない。
【0379】
略語のリストは図17図18、及び図18aに関連する。(A/B)は、リストのそれぞれの要素をそれぞれの文字で示すことができることを意味する。例えば、ESD(A/B)は、ESD A及び/又はESD Bが少なくとも1つの図において示されることを意味する。
【0380】
PS 電力源
ESD(A/B) エネルギー貯蔵デバイス
SW(A/B) スイッチ
HIFEM(A/B) 磁気処置のための処置クラスター
MFGD(A/B) 磁場発生デバイス
CUM(A/B) 磁気回路の制御ユニット
APS RF RF回路の補助電力源
PU 電力ユニット
SPSRF RF回路の定常電力源
PNFLT 電力ネットワークフィルター
PSRF RF処置のための電力源
RF(A/B) RF処置のための処置クラスター
SYM(A/B) 対称化素子
AP(A/B) アプリケーター
RFE(A/B) RF電極
APS(A/B) 補助電力源
PSM 磁気処置のための電力源
BPS(A/B) ボード電力源
SPSM 磁気回路の定常電力源
PN 電力ネットワーク
PF パルスフィルター
SE 安全素子
PA 電力増幅器
CURF RF回路の制御ユニット
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図2
図3
図4
図5
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図7
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図10a
図10b
図10c
図10d
図10e
図10f
図10g
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図14a
図14b
図14c
図14d
図14e
図15a
図15b
図15c
図16
図17
図18a
図18b
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26
図27a
図27b
図27c
図27d
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図28
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図43
図44
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体エリアに対して磁気処置及び無線周波数処置を提供する処置デバイスであって、該デバイスは、
電気エネルギーを貯蔵するように構成されたエネルギー貯蔵デバイスと、
磁場発生デバイスと、
時変性磁場が生成され、前記患者の前記身体エリア内の筋肉の筋収縮をもたらすように、前記エネルギー貯蔵デバイスから前記磁場発生デバイスに前記電気エネルギーを放電するように構成されたスイッチングデバイスであって、
前記時変性磁場は、0.5テスラ~7テスラの範囲内の磁束密度及び0.1Hz~700Hzの範囲内の反復レートを有する、スイッチングデバイスと、
前記患者の前記身体エリア内の組織を加熱するように無線周波数場を生成するように構成された無線周波数電極であって、
該無線周波数電極は、無線周波数電極のバイポーラ対の第1の無線周波数電極であり、
該無線周波数電極は、前記磁場発生デバイスと前記患者の前記身体エリアとの間に位置決めされるように構成される、無線周波数電極と、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記磁場発生デバイス及び前記無線周波数電極は、空気ギャップによって分離される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記磁場発生デバイス及び前記無線周波数電極は、絶縁性材料によって分離される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記絶縁性材料は、プリント回路基板の一部である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記磁場発生デバイスと前記無線周波数電極との間の距離は、0.5mm~50mmの範囲内にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記無線周波数電極は、導電性ワイヤを含む、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記無線周波数電極は、0.01mm~5mmの範囲内の厚みを有する導電性層を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記無線周波数電極は、0.01mm~10mmの範囲内の厚みを有する絶縁基材上に堆積される、請求項7に記載のデバイス。