(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145778
(43)【公開日】2023-10-11
(54)【発明の名称】抗体の開発可能性が最大化された抗体ライブラリー
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20231003BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20231003BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20231003BHJP
C40B 40/10 20060101ALI20231003BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20231003BHJP
C40B 40/08 20060101ALI20231003BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231003BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231003BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231003BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231003BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20231003BHJP
C12N 15/55 20060101ALN20231003BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
C40B40/10
C12N15/62 Z
C40B40/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C12N15/55
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129892
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2021523556の分割
【原出願日】2019-07-08
(31)【優先権主張番号】62/695,065
(32)【優先日】2018-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/822,671
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521014456
【氏名又は名称】スペシフィカ インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー レイモン モートン ブラッドバリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル フランク エラスムス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ テイシェイラ
(57)【要約】
【課題】抗体の開発可能性が最大化された抗体ライブラリーを提供すること。
【解決手段】天然に存在するヒト抗体にみられる相補性決定領域(CDR)を含む、複数の重鎖可変ドメイン及び/または複数の軽鎖可変ドメインを含む抗体ライブラリー、ならびにそのような抗体ライブラリーを作製する方法。抗体ライブラリーは、メンバーの1つ以上の特徴に影響を与える1つ以上のライアビリティを含むそのようなメンバーを含まない。さらに、抗体ライブラリーは、同じ天然に存在するヒト抗体にはみられない重鎖及び/または軽鎖CDRを有するメンバーを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗体ライブラリーを作製するための方法であって、
(a)天然に存在する抗体重鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第1の複数の核酸、及び/または、(b)天然に存在する抗体重鎖相補性決定領域2(CDR2)フラグメントの集団をコードする第2の複数の核酸、を提供すること、ならびに
前記第1の複数の核酸及び/または前記第2の複数の核酸を、抗体重鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域及び/またはCDR2領域にそれぞれ挿入し、それにより、抗体ライブラリーを作製すること、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記抗体ライブラリーがメンバーを含み、これらのそのそれぞれにおいて、前記重鎖CDR1及び重鎖CDR2が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない重鎖CDR1及び重鎖CDR2を含有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、天然に存在する重鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第3の複数の核酸を提供すること、及び前記第3の複数の核酸を前記重鎖可変領域遺伝子のCDR3領域に挿入すること、を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記抗体ライブラリーが、メンバーを含み、これらのそれぞれが、同じ天然に存在する抗体由来のものでない重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び重鎖CDR3を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を含有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリン以外の任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
(viii)の多重特異性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項7~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項7~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項7~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項7~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項7~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項7~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の複数の核酸が、
(a)天然に存在する抗体の集団の重鎖CDR1領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない(liability-free)重鎖CDR1配列を得るために、(a)から、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む前記重鎖CDR1アミノ酸配列を除外すること、及び
(c)前記ライアビリティのない重鎖CDR1領域をコードする前記第1の複数の核酸を合成すること、
を含むプロセスで生成される、請求項7~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の複数の核酸が、
(a)天然に存在する抗体の集団の重鎖CDR2領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない重鎖CDR2配列を得るために、(a)から、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む前記重鎖CDR2アミノ酸配列を除外すること、及び
(c)前記ライアビリティのない重鎖CDR2領域をコードする前記第2の複数の核酸を合成すること、
を含むプロセスで生成される、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第3の複数の核酸が、
(a)天然に存在する抗体の集団の重鎖CDR3領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない重鎖CDR3配列を得るために、(a)から、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む前記重鎖CDR3アミノ酸配列を除外すること、及び
(c)前記ライアビリティのない重鎖CDR3領域をコードする前記第2の複数の核酸を合成すること、
を含むプロセスで生成される、請求項3~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1、第2、及び/または第3の複数の核酸を生成するための前記プロセスがさらに、ステップ(c)の後に、前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域から機能的メンバーを単離することを含む、請求項20~25に記載の方法。
【請求項27】
前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、前記抗体が前記宿主の表面に提示される方法で、宿主細胞に前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させること、前記宿主細胞上に提示される前記抗体を単離すること、ならびに、前記提示された抗体の前記CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を同定することにより単離され、これらが、前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域の機能的メンバーである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記宿主細胞上に提示される前記単離抗体が、多重特異性試薬への結合の低下を示す、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、折りたたみレポーターと融合して、前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させることにより、単離され、前記折りたたみレポーターは、折りたたみが改善されたメンバーを得るために、任意に、βラクタマーゼもしくは緑色蛍光タンパク質、またはそれらのフラグメントである、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
ヒト抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、B細胞に由来する、請求項4~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗体重鎖可変領域遺伝子が、ヒト重鎖可変領域遺伝子であり、任意に、VH1-24、VH2-70、VH3-7、VH4-30-4、VH5-51、VH1-18、VH1-69、VH3-23、VH5-10-1、VH3-9、及びVH3-11からなる群より選択される、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記方法がさらに、
天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第4の複数の核酸、天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域2(CDR2)フラグメントの集団をコードする第5の複数の核酸、及び/または天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第6の複数の核酸を提供すること、ならびに
前記第4の複数の核酸、前記第5の複数の核酸、及び/または前記第6の複数の核酸を、抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域にそれぞれ挿入すること、
を含む、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記天然に存在する抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び/または
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリンを除く任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項35の方法。
【請求項37】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項35または請求項36に記載の方法。
【請求項38】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項35~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
(viii)の多重特異性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項35~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項35~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項35~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項35~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項35~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項35~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項35~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項35~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記第4の複数の核酸、前記第5の複数の核酸、及び/または前記第6の複数の核酸が、
(a)天然に存在する抗体の集団の軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列を得るために、(a)から、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む前記軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3アミノ酸配列を除外すること、ならびに
(c)前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域をコードする前記第4の複数の核酸、前記第5の複数の核酸、及び/または前記第6の複数の核酸を合成すること、
を含むプロセスで生成される、請求項35~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記第4、第5、及び/または第6の複数の核酸を製造するためのプロセスがさらに、ステップ(c)の後に、前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域から機能メンバーを単離することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、前記抗体が前記宿主の表面に提示される方法で、宿主細胞に前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させること、前記宿主細胞上に提示される前記抗体を単離すること、ならびに、前記提示された抗体の前記CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を同定することにより単離され、これらが、前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域の機能的メンバーである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記機能的メンバーが、多重特異性試薬への結合の低減を示す、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、折りたたみレポーターと融合して、前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させることにより、単離され、前記折りたたみレポーターは、折りたたみが改善されたメンバーを得るために、任意に、βラクタマーゼもしくは緑色蛍光タンパク質、またはそれらのフラグメントである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記抗体ライブラリーが、メンバーを含み、これらのそれぞれが、同じ天然に存在する抗体にみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む、請求項35~55のいずれか1項の方法。
【請求項57】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体にみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子が、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子であり、任意に、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、及びL2-14からなる群より選択される、請求項35~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメント、前記重鎖可変ドメイン遺伝子、ならびに任意に、前記軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメント、ならびに前記軽鎖可変ドメイン遺伝子が、哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記哺乳動物種が、ヒトまたはラクダ科動物である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記抗体ライブラリーが、全長抗体ライブラリー、Fab抗体ライブラリー、一本鎖抗体ライブラリー、または単一ドメイン抗体ライブラリーである、請求項1~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記抗体ライブラリーが、ヒト抗体ライブラリーである、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記抗体ライブラリーが、ラクダ科動物VHH抗体ライブラリーである、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
ヒト抗体軽鎖ライブラリーを調製するための方法であって、前記方法が、
(a)天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第1の複数の核酸、(b)天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域2(CDR2)の集団をコードする第2の複数の核酸、及び/または、(c)天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第3の複数の核酸、を提供すること、ならびに
前記第1の複数の核酸、前記第2の複数の核酸、及び/または前記第3の複数の核酸を、抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域にそれぞれ挿入して、それにより、前記ヒト抗体軽鎖ライブラリーを生成すること、を含む、前記方法。
【請求項67】
前記天然に存在する抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項50に記載の方法。
【請求項68】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリン以外の任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項67または請求項68に記載の方法。
【請求項70】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項67~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項67~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項67~71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
(viii)の多重特異性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項67~72のいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項67~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項67~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項67~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項67~76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項67~77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項67~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項67~79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の複数の核酸、前記第2の複数の核酸、及び/または前記第3の複数の核酸が、
(a)天然に存在する抗体の集団の軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列を得るために、(a)から、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む前記軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3アミノ酸配列を除外すること、ならびに
(c)前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域をコードする前記第1の複数の核酸、前記第2の複数の核酸、及び/または前記第3の複数の核酸を合成すること、
を含むプロセスで生成される、請求項66~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記第1、第2、及び/または第3の複数の核酸を生成するための前記プロセスがさらに、ステップ(c)の後に、前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域から機能的メンバーを単離することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、前記抗体が前記宿主の表面に提示される方法で、宿主細胞に前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させること、前記宿主細胞上に提示される前記抗体を単離すること、ならびに、前記提示された抗体の前記CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を同定することにより単離され、これらが、前記ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域の機能的メンバーである、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記機能的メンバーが、多重特異性試薬との結合の低減を示す、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の前記機能的メンバーが、折りたたみレポーターと融合して、前記ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させることにより、単離され、前記折りたたみレポーターは、折りたたみが改善されたメンバーを得るために、任意に、βラクタマーゼもしくは緑色蛍光タンパク質、またはそれらのフラグメントである、請求項65に記載の方法。
【請求項88】
前記抗体ライブラリーが、メンバーを含み、これらのそれぞれが、同じ天然に存在する抗体にみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む、請求項66~87のいずれか1項の方法。
【請求項89】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体にみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子が、ヒト抗体軽鎖可変ドメインであり、任意に、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、及びL2-14からなる群より選択される、請求項66~89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメントが、哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、請求項66~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記哺乳動物種が、ヒトである、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
請求項1~94のいずれか1項に記載の方法で調製される、抗体ライブラリー。
【請求項96】
抗体ライブラリーであって、第1の複数の核酸、または前記核酸を含む複数の遺伝子パッケージを含み、ここで、前記第1の複数の核酸が、抗体重鎖可変ドメインの集団をコードし、これが、共通の抗体重鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に位置する重鎖CDR1の集団、重鎖CDR2の集団、及び/または重鎖CDR3の集団を一括して含み、ここで、前記重鎖CDR1、前記重鎖CDR2、前記重鎖CDR3、及び任意に前記共通の抗体鎖可変ドメイン遺伝子が、同じ哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、前記抗体ライブラリー。
【請求項97】
前記重鎖CDR1の集団、前記重鎖CDR2の集団、及び/または前記重鎖CDR3の集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項96に記載の抗体ライブラリー。
【請求項98】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリンを除く任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項97の抗体ライブラリー。
【請求項99】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項97または請求項98に記載の抗体ライブラリー。
【請求項100】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項97~99のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項101】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項97~100のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項102】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項97~101のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項103】
(viii)の多重特異性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項97~102のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項104】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項97~103のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項105】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項97~104のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項106】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項97~105のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項107】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項97~106のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項108】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項97~107のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項109】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項97~108のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項110】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項97~109いずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項111】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項110に記載の抗体ライブラリー。
【請求項112】
前記抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体重鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項111に記載の抗体ライブラリー。
【請求項113】
前記重鎖CDR1の集団、前記重鎖CDR2の集団、及び/または前記重鎖CDR3の集団がさらに、非機能的メンバーを実質的に含まない、請求項97~112のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項114】
前記重鎖CDR1の集団及び/または前記重鎖CDR2の集団が、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まず、前記重鎖CDR3の集団が、ライアビリティの除去なく天然に存在する抗体に由来する、請求項97~113のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項115】
前記重鎖CDR3の集団が、ヒトB細胞に由来する、請求項114に記載の抗体ライブラリー。
【請求項116】
同じ天然に存在する抗体に由来しない、重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を有するメンバーを含む、請求項97~115のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項117】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を有する、請求項116に記載の抗体ライブラリー。
【請求項118】
前記抗体重鎖可変領域遺伝子が、ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子であり、任意に、VH1-24、VH2-70、VH3-7、VH4-117-4、VH5-51、VH1-18、VH1-69、VH3-23、VH5-10-1、VH3-9、及びVH3-11からなる群より選択される、請求項97~117のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項119】
前記ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項118に記載の抗体ライブラリー。
【請求項120】
前記ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項118に記載の抗体ライブラリー。
【請求項121】
さらに共通の軽鎖可変ドメインをコードする核酸を含む、請求項97~120のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項122】
前記共通の軽鎖可変ドメインが、VK3-20である、請求項121に記載の抗体ライブラリー。
【請求項123】
さらに、抗体軽鎖可変ドメインの集団をコードする第2の複数の核酸を含み、これが、共通の抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に位置する軽鎖CDR1の集団、軽鎖CDR2の集団、及び軽鎖CDR3の集団を一括して含み、ここで、前記軽鎖CDR1、CDR2、CDR3、及び、任意に、前記共通の抗体軽鎖ドメイン遺伝子が、同じ哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、請求項97~120のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項124】
前記軽鎖CDR1の集団、前記軽鎖CDR2の集団、及び/または前記軽鎖CDR3の集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項123に記載の抗体ライブラリー。
【請求項125】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリンを除く任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項124に記載の抗体ライブラリー。
【請求項126】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項124または請求項125に記載の抗体ライブラリー。
【請求項127】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項124~126のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項128】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項124~127のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項129】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項124~128のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項130】
(viii)のプロテアーゼ感受性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項124~129のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項131】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項124~130のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項132】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項124~131のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項133】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項124~132のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項134】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項124~133のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項135】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項124~134のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項136】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項124~135のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項137】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項124~136のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項138】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項138に記載の抗体ライブラリー。
【請求項140】
同じ天然に存在する抗体に由来しない、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を有するメンバーを含む、請求項123~139のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項141】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を有する、請求項140に記載の抗体ライブラリー。
【請求項142】
前記抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子が、ヒト軽鎖可変遺伝子であり、任意に、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、及びL2-14からなる群より選択される、請求項123~141のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項143】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項142に記載の抗体ライブラリー。
【請求項144】
前記ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項142に記載の抗体ライブラリー。
【請求項145】
前記重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメント、前記重鎖可変ドメイン遺伝子、前記軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメント、ならびに前記軽鎖可変ドメイン遺伝子が、哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、請求項96~144のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項146】
前記哺乳動物種が、ヒトまたはラクダ科動物である、請求項145に記載の抗体ライブラリー。
【請求項147】
前記抗体ライブラリーが、全長抗体ライブラリー、Fab抗体ライブラリー、一本鎖抗体ライブラリー、または単一ドメイン抗体ライブラリーである、請求項96~146のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項148】
前記抗体ライブラリーが、ヒト抗体ライブラリーである、請求項96~147のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項149】
前記抗体ライブラリーが、ラクダ科動物VHH抗体ライブラリーである、請求項97~120のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項150】
抗体軽鎖ライブラリーであって、複数の核酸、または前記核酸を含む複数の遺伝子パッケージを含み、前記複数の核酸が、抗体軽鎖可変ドメインの集団をコードし、これが、共通の抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に挿入される軽鎖CDR1の集団、軽鎖CDR2の集団、及び/または軽鎖CDR3の集団を一括して含み、ここで、前記軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、ならびに任意に、前記共通の抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子が、同じ哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来する、前記軽鎖抗体ライブラリー。
【請求項151】
前記軽鎖CDR1の集団、前記軽鎖CDR2の集団、及び/または前記軽鎖CDR3の集団が、
(i)グリコシル化部位、
(ii)脱アミド化部位、
(iii)異性化部位、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷、
(vi)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ、
(viii)多重特異性部位、
(ix)プロテアーゼ感受性部位、
(x)インテグリン結合部位、
(xi)リジン糖化部位、
(xii)金属触媒フラグメント化部位、
(xiii)多重特異性凝集部位、及び
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ
のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項150に記載の抗体ライブラリー。
【請求項152】
(i)のグリコシル化部位が、モチーフNXS、NXT、またはNXCを含み、Xが、プロリンを除く任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す、請求項151の抗体ライブラリー。
【請求項153】
(ii)の脱アミド化部位が、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、またはGNGのモチーフを含む、請求項151または請求項152に記載の抗体ライブラリー。
【請求項154】
(iii)の異性化部位が、DT、DH、DS、DG、またはDDのモチーフを含む、請求項151~153のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項155】
(vi)のトリペプチドが、HYFまたはHWHである、請求項151~154のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項156】
(vii)の凝集を促進するモチーフが、FHWのモチーフを含む、請求項151~155のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項157】
(viii)の多重特異性部位が、モチーフGG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXWを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項151~156のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項158】
(ix)のプロテアーゼ切断部位が、DXのモチーフを含み、Xが、P、G、S、V、Y、F、Q、K、L、またはDである、請求項151~157のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項159】
(x)のインテグリン結合部位が、RGD、RYD、LDV、またはKGDを含む、請求項151~158のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項160】
(xi)のリジン糖化部位が、KE、EK、またはEDを含む、請求項151~159のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項161】
(xii)の金属触媒フラグメント化部位が、HS、SH、KT、HXS、またはSXHのモチーフを含み、Xが、任意のアミノ酸残基を表す、請求項151~160のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項162】
(xiii)の多重特異性凝集部位が、X1X2X3のモチーフを含み、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、及びYからなる群より選択される、請求項151~161のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項163】
(xiv)のストレプトアビジン結合モチーフが、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、またはPWPWLG(配列番号120)を含む、請求項151~162のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項164】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない、請求項151~163のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項165】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団が、(i)~(ix)を含むメンバーを含まない、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、前記抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または前記抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団がさらに、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない、請求項165に記載の抗体ライブラリー。
【請求項167】
同じ天然に存在する抗体に由来しない、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を有するメンバーを含む、請求項150~166のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項168】
前記抗体ライブラリーの前記メンバーの少なくとも50%が、同じ天然に存在する抗体由来のものでない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を有する、請求項167に記載の抗体ライブラリー。
【請求項169】
前記抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子が、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子であり、任意に、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、及びL2-14からなる群より選択される、請求項150~168のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【請求項170】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項169に記載の抗体ライブラリー。
【請求項171】
前記ヒト抗体軽鎖可変領域遺伝子が、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、及びザノリムマブからなる群より選択される治療用抗体に由来する、請求項169に記載の抗体ライブラリー。
【請求項172】
前記哺乳動物種が、ヒトである、請求項150~171のいずれか1項に記載の抗体ライブラリー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月8日に出願された米国仮特許出願第62/695,065号及び2019年3月22日に出願された米国仮特許出願第62/822,971号の出願日の利益を主張し、これらのそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現在、(1)マウスモノクローナル抗体の「ヒト化」、(2)ヒト抗体遺伝子を含有するトランスジェニックマウスの免疫化、及び(3)巨大なヒト抗体ライブラリーからのin vitro選択という、ヒト治療的使用のヒト抗体を生成するために使用される3つの組み換え抗体プラットフォームがある。免疫化アプローチは、in vivoでの免疫応答の適切な発生に依存し、所望の特徴を有する抗体を生じない場合がある。対照的に、in vitro選択は、特定の特性を有する抗体を直接選択することができ、且つ一度選択すると、親和性または特異性に関して容易に改善することができるという利点がある。
【0003】
一般に、合成抗体ライブラリー及び天然抗体ライブラリーという2種類の抗体ライブラリーがある。合成抗体ライブラリーは、抗体フレームワークに、ランダム化された相補性決定領域(CDR)配列を導入することにより構築することができる。そのような抗体ライブラリーは、良好に作用するフレームワークを選択することにより、幅広い潜在的な遺伝的多様性及び改善された発現を有し得る。しかし、合成抗体ライブラリーは、多数の非機能的抗体メンバーも含み、限定されたセットのフレームワーク足場内に多様性を生じさせるために使用される定型的方法で多くの天然の多様性を除外する。天然抗体ライブラリーとして既知の天然源から作成された抗体ライブラリーは、再編成V遺伝子がB細胞で品質管理を受けるという利点を有し、その結果、潜在的な多様性が低くても、はるかに高い割合のV遺伝子が生物学的に機能する。短所は、多様性を増加させるために多数のB細胞を取得するという課題、ならびにE.coli、酵母、または哺乳動物細胞で組み換え発現される一部の抗体の発現不良及び不良な生物物理学的特性を含む。
【発明の概要】
【0004】
多様化重鎖可変ドメイン(VH)及び/または軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗体ライブラリーが本明細書で提供され、これは、天然に存在する抗体(例えば、天然に存在するヒト抗体または天然に存在するラクダ科動物抗体)から得られた相補性決定領域(CDR)を含む。任意に、VH CDR、及び/またはVL CDRのうちのいずれかは、それを有する抗体の1つ以上の特徴に影響を与える1つ以上のライアビリティを有するメンバーを少なくとも除外する。ヒト抗体などの天然抗体由来のCDRを含むそのような抗体ライブラリーは、多数の機能的メンバーを有し、ヒト抗体の天然の多様性を反映するであろう。本明細書に記載のように1つ以上のライアビリティを有するメンバーを除外すると、所望の特性、例えば、組み換え技術により産生された場合の高収率、高い安定性、凝集能力の低減、以下に記載のライアビリティの低減などを有するメンバーの割合が高まるであろう。従って、本明細書に記載の抗体ライブラリーは、抗体の開発可能性を最大化するであろう。
【0005】
従って、本開示の一態様は、複数の核酸、または核酸を含む複数の遺伝子パッケージを含む抗体重鎖ライブラリーを特徴とする。複数の核酸は、抗体重鎖可変ドメインの集団をコードし、これは、共通の抗体重鎖可変ドメイン遺伝子のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に、重鎖CDR1の集団、重鎖CDR2の集団、及び/または重鎖CDR3の集団を一括して(組み合わせて)含む。重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3は、哺乳動物種、例えば、ヒトまたはラクダ科動物の天然に存在する抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、複数の核酸は、抗体重鎖可変ドメインの集団(例えば、ヒト抗体重鎖可変ドメイン)をコードし、これは、重鎖CDR1の集団、重鎖CDR2の集団、及び重鎖CDR3の集団を一括して(組み合わせて)含む。
【0006】
一部の実施形態では、共通の抗体重鎖可変ドメイン遺伝子は、ヒト抗体重鎖可変ドメイン遺伝子であってよい。例としては、VH1-24、VH2-70、VH3-7、VH4-30-4、VH5-51、VH1-18、VH1-69、VH3-23、VH5-10-1、VH3-9、またはVH3-11が挙げられる。一部の場合では、ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子は、治療用抗体、例えば、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、エボクルマブ(evoculumab)、アビツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、バピネウズマブ、ベンラリズマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、セツリズマブ、クラザキズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダラツムマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、フィクラツズマブ、フレチクマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、ゲボキズマブ、イバリズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、モガムリズマブ、モタビズマブ、ナタリズマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オテリキシズマブ、オトレツズマブ(otlertuzumab)、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ(panobacumab)、ペルツズマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、ラドレツマブ(radretumab)、ラムシルマブ、レスリズマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シファリムマブ、タバルマブ、チガツズマブ(tigatuzumab)、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トベツマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ザルツムマブ、またはザノリムマブに由来してもよい。
【0007】
一部の実施形態では、重鎖CDR1の集団、重鎖CDR2の集団、及び/または重鎖CDR3の集団は、以下のライアビリティのうちの1つ以上を含むメンバーを含まない(例えば、実質的に含まない)ことができる:
(i)グリコシル化部位(例えば、モチーフNXS、NXT、もしくはNXC(式中、Xはプロリンを除く任意の天然に存在するアミノ酸残基を表す)を含む)、
(ii)脱アミド化部位(例えば、NG、NS、NT、NN、NA、NH、ND、GNF、GNY、GNT、もしくはGNGのモチーフを含む)、
(iii)異性化部位(例えば、DT、DH、DS、DG、もしくはDDのモチーフを含む)、
(iv)ペアになっていないシステイン、
(v)1を超える正味電荷(例えば、LCDR1-2及び/もしくはHCDR1-2におけるもの)、
(vi)粘度に影響を与え得る少なくとも2つの芳香族残基(例えば、HYFもしくはHWH)を含有するトリペプチドモチーフ、
(vii)凝集を促進するモチーフ(例えば、FHWのモチーフを含む)、
(viii)多重特異性部位(例えば、GG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、もしくはWXW(Xは任意のアミノ酸残基を指す))、
(ix)プロテアーゼ感受性部位(例えば、モチーフDX(式中、XはP、G、S、V、Y、F、Q、K、L、もしくはDであり得る)を含む)、
(x)インテグリン結合部位(例えば、モチーフRGD、LDV、もしくはKGDを含む)、
(xi)リジン糖化部位などのリジン糖化部位(例えば、KE、EK、もしくはED)、
(xii)金属触媒フラグメント化部位(例えば、HS、SH、KT、HXS、もしくはSXH(式中、Xは任意のアミノ酸残基を表す)のモチーフを含む)、
(xiii)多重特異性凝集部位(例えば、X1X2X3(式中、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、もしくはYである)のモチーフ)、ならびに/または
(xiv)ストレプトアビジン結合モチーフ(例えば、モチーフHPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xは任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、もしくはPWPWLG(配列番号120)を含む)。
【0008】
代わりにまたは加えて、本明細書に記載の抗体ライブラリー内の重鎖CDR1の集団、重鎖CDR2の集団、及び/または重鎖CDR3の集団が、非機能的メンバーを含まない。
【0009】
一部の実施形態では、抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まない。一部の例では、少なくとも抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、(i)~(ix)を含むメンバーを含まず、任意に、(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体ライブラリーは、(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない重鎖CDR1の集団及び/または重鎖CDR2の集団を含み、重鎖CDR3の集団は、(本明細書に開示の1つ以上のライアビリティ(i)~(xiv)を除去することなく)天然に存在するヒト抗体に由来し、例えば、ヒトBリンパ球またはその前駆細胞に由来する。
【0011】
一部の場合では、本明細書に記載の抗体ライブラリーのメンバーは、同じ天然に存在する抗体に由来しない重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を含む。例えば、抗体ライブラリーのメンバーの少なくとも50%は、同じ天然に存在する抗体に由来する重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を含まない。
【0012】
別の態様では、本開示は、複数の核酸、または核酸を含む複数の遺伝子パッケージを含む抗体軽鎖ライブラリーを提供する。複数の核酸は、抗体軽鎖可変ドメイン(例えば、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン)の集団をコードし、これらは、共通の抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子(例えば、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子)のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に位置する軽鎖CDR1の集団、軽鎖CDR2の集団、及び/または軽鎖CDR3の集団を一括して(組み合わせて)含む。軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、ならびに任意に共通の軽鎖可変ドメイン遺伝子は、同じ哺乳動物種、例えば、ヒト、の天然に存在する抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、ヒト抗体軽鎖可変ドメインの集団は、軽鎖CDR1の集団、軽鎖CDR2の集団、及び軽鎖CDR3の集団を一括して含む。一部の実施形態では、軽鎖CDR1の集団、軽鎖CDR2の集団、及び/または軽鎖CDR3の集団は、本明細書に記載のライアビリティ(例えば、本明細書に記載の(i)~(xiv))のうちの1つ以上を含むメンバーを含まない。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体軽鎖ライブラリーは、同じ天然に存在する抗体に由来しない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を有するメンバーを含んでもよい。例えば、抗体軽鎖ライブラリーのメンバーの少なくとも50%は、同じ天然に存在する抗体に由来する軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含まない。
【0014】
一部の実施形態では、抗体軽鎖ライブラリーで使用される共通の抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子は、ヒト抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子であってよい。例としては、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、またはL2-14が挙げられる。一部の場合では、ヒト抗体重鎖可変領域遺伝子は、本明細書に記載されるような治療用抗体に由来する。
【0015】
(i)本明細書に記載の抗体重鎖ライブラリーの抗体重鎖可変ドメインの集団をコードする第1の複数の核酸、及び、(ii)本明細書に記載の抗体軽鎖ライブラリーの抗体軽鎖可変ドメインの集団をコードする第2の複数の核酸、を含む抗体ライブラリーも本明細書で提供される。あるいは、本明細書で提供される抗体ライブラリーは、(i)本明細書に記載の抗体重鎖ライブラリーの抗体重鎖可変ドメインの集団をコードする第1の複数の核酸、及び、(ii)VK3-20であり得る共通の軽鎖可変ドメイン、を含んでもよい。
【0016】
本明細書に開示の抗体ライブラリーのうちのいずれも、好適な形式、例えば、全長抗体のライブラリー、Fabフラグメントなどの抗原結合フラグメントのライブラリー、一本鎖抗体のライブラリー、または一ドメイン抗体(例えば、VHH抗体)のライブラリーのものであってよい。一部の例では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、ヒト抗体ライブラリーであってよい。他の例では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、ラクダ科動物VHH抗体ライブラリーであってよい。
【0017】
別の態様では、本開示は、以下を含む抗体ライブラリーを作製するための方法を特徴とする:
(a)天然に存在する抗体重鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第1の複数の核酸、及び/または、(b)天然に存在する抗体重鎖相補性決定領域2(CDR2)フラグメントの集団をコードする第2の複数の核酸、を提供すること、ならびに
抗体重鎖可変ドメイン遺伝子(例えば、本明細書に記載のもの)のCDR1領域及び/またはCDR2領域に、それぞれ、第1の複数の核酸及び/または第2の複数の核酸を挿入し、それにより、抗体ライブラリーを作製すること。
【0018】
方法はさらに、以下を含んでもよい:
天然に存在する重鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第3の複数の核酸を提供すること、及び
重鎖可変領域遺伝子のCDR3領域に第3の複数の核酸を挿入すること。
【0019】
重鎖CDR1フラグメント、重鎖CDR2フラグメント、及び重鎖CDR3フラグメントは、本明細書に開示の哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメントは、同じ哺乳動物種に由来し得る。任意に、共通の重鎖可変領域遺伝子もまた、同じ哺乳動物種に由来してもよい。
【0020】
一部の実施形態では、抗体ライブラリーは、メンバーを含み、これらのそれぞれにおいて、重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3が同じ天然に存在する抗体に由来しない。例えば、抗体ライブラリーのメンバーの少なくとも50%は、同じ天然に存在する抗体由来の重鎖CDR1、重鎖CDR2、及び/または重鎖CDR3を含有しない。
【0021】
一部の実施形態では、抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、本明細書に記載のライアビリティ、例えば、本明細書に開示の(i)~(xiv)、のうちの1つ以上を含むメンバーを含まず、例えば、抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つを含むメンバーを含まなくてもよい。一部の場合では、抗体重鎖CDR1フラグメントの集団、抗体重鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、(i)~(ix)のうちのいずれかを含むメンバーを含まず、任意に、さらに(x)~(xiv)のうちの1つ以上を含まない。
【0022】
他の実施形態では、抗体重鎖CDR1フラグメントの集団及び/または抗体重鎖CDR2フラグメントの集団は、本明細書に記載のライアビリティのうちの1つ以上(例えば、(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つまたは(i)~(xiv)の全て)を含むメンバーを含まず、ヒト抗体重鎖CDR3フラグメントの集団は、天然に存在するヒト抗体に由来し(例えば、B細胞に由来し)、1つ以上のライアビリティが除外されなくてもよい。
【0023】
一部の実施形態では、第1の複数の核酸、第2の複数の核酸、及び/または第3の複数の核酸は、以下を含むプロセスで生成される:
(a)天然に存在する抗体(例えば、天然に存在するヒト抗体)の集団の重鎖CDR1領域、重鎖CDR2領域、及び/または重鎖CDR3領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない重鎖CDR1配列、重鎖CDR2配列、及び/または重鎖CDR3配列を得るために、(a)から、ライアビリティ(i)~(xiv)のうちの1つ以上を含む重鎖CDR1アミノ酸配列、重鎖CDR2アミノ酸配列、及び/または重鎖CDR3アミノ酸配列を除外すること、ならびに
(c)ライアビリティのない重鎖CDR1領域をコードする第1の複数の核酸、ライアビリティのない重鎖CDR2領域をコードする第2の複数の核酸、及び/またはライアビリティのない重鎖CDR3領域をコードする第3の複数の核酸を合成すること。
【0024】
一部の場合では、上記のプロセスはさらに、(d)ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域由来の機能的メンバーを単離すること、を含んでもよい。例えば、ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の機能的メンバーは、抗体が宿主細胞の表面に提示される方法で、宿主細胞にライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させること、宿主細胞上に提示され、折りたたみの改善を示し、及び/または多重特異性試薬への結合の低減を示す抗体を単離すること、ならびに、提示された抗体のCDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を同定することにより単離することができ、これらは、ライアビリティのない重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域の機能的メンバーである。
【0025】
本明細書に記載の抗体ライブラリーを作製するための方法はさらに、以下を含んでもよい:
(i)天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第4の複数の核酸、天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域2(CDR2)フラグメントの集団をコードする第5の複数の核酸、及び/または天然に存在するヒト抗体軽鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第6の複数の核酸を提供すること、ならびに
(ii)抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子(例えば、本明細書に記載されるもの)のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に、それぞれ、第4の複数の核酸、第5の複数の核酸、及び/または第6の複数の核酸を挿入すること。
【0026】
軽鎖CDR1フラグメント、軽鎖CDR2フラグメント、及び軽鎖CDR3フラグメントは、本明細書に開示の哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメントは、同じ哺乳動物種に由来し得る。任意に、共通の軽鎖可変領域遺伝子もまた、同じ哺乳動物種に由来してもよい。
【0027】
天然に存在する抗体軽鎖CDR1フラグメントの集団、抗体軽鎖CDR2フラグメントの集団、及び/または抗体軽鎖CDR3フラグメントの集団は、本明細書に記載のライアビリティのうちの1つ以上(例えば、本明細書に記載の(i)~(xiv)のうちの少なくとも2つまたは全て)を含むメンバーを含まなくてもよい。抗体ライブラリーは、メンバーを含んでもよく、これらのそれぞれは、同じ天然に存在する抗体にはみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む。例えば、抗体ライブラリーのメンバーの少なくとも50%は、同じ天然に存在する抗体にはみられない軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び/または軽鎖CDR3を含む。
【0028】
一部の実施形態では、第4の複数の核酸、第5の複数の核酸、及び/または第6の複数の核酸は、以下を含むプロセスで生成される:
(a)天然に存在する抗体(例えば、天然に存在するヒト抗体)の集団の軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域のアミノ酸配列を得ること、
(b)ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列を得るために、(a)から、(i)~(x)のうちの1つ以上を含む軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3アミノ酸配列を除外すること、ならびに
(c)ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域をコードする第4の複数の核酸、第5の複数の核酸、及び/または第6の複数の核酸を合成すること。
【0029】
上記のプロセスはさらに、(d)ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域から機能的メンバーを単離すること、を含んでもよい。例えば、ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の機能的メンバーは、抗体が宿主細胞の表面に提示される方法で、宿主細胞にライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を含む抗体を発現させること、宿主細胞上に提示され、折りたたみの改善を示し、及び/または多重特異性試薬への結合の低減を示す抗体を単離すること、ならびに、提示された抗体のCDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域を同定することにより単離され、これらは、ライアビリティのない軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3領域の機能的メンバーである。
【0030】
さらに、本開示は、抗体軽鎖ライブラリーを作製するための方法を特徴とし、本方法は、以下を含む:
(i)天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域1(CDR1)フラグメントの集団をコードする第1の複数の核酸、天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域2(CDR2)フラグメントの集団をコードする第2の複数の核酸、及び/または天然に存在する抗体軽鎖相補性決定領域3(CDR3)フラグメントの集団をコードする第3の複数の核酸を提供すること、ならびに
(ii)抗体軽鎖可変ドメイン遺伝子(例えば、本明細書に記載されるもの)のCDR1領域、CDR2領域、及びCDR3領域に、それぞれ、第1の複数の核酸、第2の複数の核酸、及び/または第3の複数の核酸を挿入すること。
【0031】
軽鎖CDR1フラグメント、軽鎖CDR2フラグメント、及び軽鎖CDR3フラグメントは、本明細書に開示の哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3フラグメントは、同じ哺乳動物種に由来し得る。任意に、共通の軽鎖可変領域遺伝子もまた、同じ哺乳動物種に由来してもよい。
【0032】
また、本開示の範囲内に、本明細書に記載の方法のうちのいずれかで作製される抗体ライブラリー(例えば、抗体重鎖ライブラリー、抗体軽鎖ライブラリー、またはそれらの組み合わせ)がある。
【0033】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、以下の明細書に記載される。本発明の他の特徴または利点は、以下の図面及びいくつかの実施形態の詳述される説明、ならびに添付の特許請求の範囲からも明らかであろう。
【0034】
本出願は、カラーで実行された少なくとも1つの図面を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】第2相もしくは第3相臨床試験の治療用抗体、または抗体ライブラリー構築のための足場として使用するのに好適もしくは不適な承認済みの治療用抗体のパーセンテージを示す図である。第2相、第3相、及び承認済みのそれぞれに適する足場:0~1つのフラグ(左のバー)。第2相、第3相、及び承認済みのそれぞれに不適な足場:2つを超えるフラグ(右のバー)。
【
図2】選択された治療用抗体のVH及び/またはVL遺伝子から開発された7つの足場を示す概略図である。LCDR2を除いて、全てのCDRは、IMGTで記載されるとおりである。LCDR2は、Kabatの記載を使用する。
【
図3】選択された軽鎖足場に(一例として)LDCR1をクローニングする例示的な設計を示す概略図である。例示的なベクター核酸及び対応するアミノ酸が示される。核酸配列は、配列番号1(上)及び配列番号2(下)に対応する。アミノ酸配列は、配列番号3に対応する。
【
図4】固有のCDRを同定し且つライアビリティ、発生率、及び/または異常な長さに基づいてCDRを情報的に除去する例示的なプロセスを記載するフローチャートである。
【
図5】脱アミド化部位、異性化部位、グリコシル化部位、またはペアになっていないシステインなどのライアビリティ(強調表示されている)を含む例示的なHCDR2配列を示す。各列の最初の配列は、コンセンサス配列のグラフ表示を示し、その後に、例示的なバリアント配列が続く。「脱アミド化列」に示される配列は、配列番号4~24に対応する(上から下)。「異性化列」に示される配列は、配列番号25~45に対応する(上から下)。「グリコシル化列」に示される配列は、配列番号46~66に対応する(上から下)。「ペアになっていないシステイン列」に示される配列は、配列番号67~87に対応する(上から下)。
【
図6】重鎖CDR3のシステイン残基の存在を示す図である。
【
図7】重鎖CDR3のシステイン残基の存在を示す。配列は、配列番号88~102に対応する(上から下)。
【
図8】CDRのペアになっているシステイン残基を示す図である。
【
図9-1】バイオインフォマティクス濾過前後の、重鎖CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)領域におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図9-2】バイオインフォマティクス濾過前後の、重鎖CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)領域におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図10-1】バイオインフォマティクス濾過前後の、VK CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)領域におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図10-2】バイオインフォマティクス濾過前後の、VK CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)領域におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図11-1】バイオインフォマティクス濾過前後の、Vλ CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図11-2】バイオインフォマティクス濾過前後の、Vλ CDR1(左パネル)及びCDR2(右パネル)におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図12-1】バイオインフォマティクス濾過前後の、VK CDR3(左パネル)及びVλCDR3(右パネル)におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図12-2】バイオインフォマティクス濾過前後の、VK CDR3(左パネル)及びVλCDR3(右パネル)におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図13】バイオインフォマティクス濾過前後の、HC CDR3におけるライアビリティの存在を示すグラフを含む。
【
図14-1】様々な存在量のしきい値で除外された各ライブラリーのCDRのパーセンテージを示すグラフを含む。シーケンシングエラーで生じるCDRを除外するために、4回の読み取りのシングルスレッドが、様々なライブラリー間で使用される。
【
図14-2】様々な存在量のしきい値で除外された各ライブラリーのCDRのパーセンテージを示すグラフを含む。シーケンシングエラーで生じるCDRを除外するために、4回の読み取りのシングルスレッドが、様々なライブラリー間で使用される。
【
図14-3】様々な存在量のしきい値で除外された各ライブラリーのCDRのパーセンテージを示すグラフを含む。シーケンシングエラーで生じるCDRを除外するために、4回の読み取りのシングルスレッドが、様々なライブラリー間で使用される。
【
図15】様々なしきい値読み取りで除外した後に、重鎖CDR3を除く全てのプールされたCDRに対して残存するCDRの数を示すチャートを含む。
【
図16】ライブラリー1のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(アブリルマブ由来の足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図17】ライブラリー2のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(メポリズマブ由来の足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図18】ライブラリー3のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(クレネズマブ由来の足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図19】ライブラリー4のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(ネシツムマブに由来する足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図20】ライブラリー5のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(アニフロルマブに由来する足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図21】ライブラリー6のCDRの長さ分布を示すグラフを含む(エボクルマブに由来する足場を使用する)。各CDRの生殖細胞系列の長さは、各グラフの下に示され、強調された領域の外側のCDRは、長さが異常なために除外される。
【
図22A】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22B】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22C】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22D】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22E】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22F】良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングした前(赤)及び後(緑)のフィルタリング後(緑)の天然の分布(青)及び複製された天然の設計分布を示すグラフを含む。LCDR1-3及びHCDR1-2のそれぞれにおける6つの異なる足場/生殖細胞系列のデータが示される。結果は、
図25B~Gに示されるライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22G】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22H】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22I】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22J】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22K】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図22L】天然の分布(天然ライブラリー-青)、ならびに良好に折りたたまれた配列についてフィルタリングする前(赤)及び後(緑色)の複製された天然の設計分布について評価された各CDR位置での多様性の累積プロットを含む。結果は、
図25B~25Gに示されているライブラリーのシーケンシングに基づく。
【
図23】機能的CDR、例えば、良好に折りたたまれたLC CDR3について選択するための例示的なプロセスを示す図である。
【
図24】酵母ディスプレイベクターに、LC CDR1をコードするオリゴヌクレオチドを挿入する例示的なプロセスを示す図である。BsaI及びSfilで切断されるべき酵母ディスプレイベクターの一部を表す核酸配列は、配列番号103~104に対応する(上から下へ)。切断型ベクターの配列(中央)は、配列番号105~108に対応する(上から下、次に、左から右に標識付けされる)。増幅LCDR1オリゴ(中央)の配列は、配列番号109~112に対応する(上から下、次に、左から右に標識付けされる)。相同組み換えにより、酵母ディスプレイベクター(下)に挿入された増幅LCDR1が生成され、これは、配列番号113~116に対応する(上から下、次に、左から右に標識された)。
【
図25A】一例として機能的KCDR1を含むVK鎖を使用して、クローニング後に単一のCDRループライブラリーを提示する酵母を選別することにより、良好に発現された抗体CDRを単離する例示的なプロセスを示す図である。
【
図25B】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図25C】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図25D】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図25E】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図25F】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図25G】酵母に提示されたCDR(HCDR1-1、LCDR1-3)ライブラリーのそれぞれについて、提示された単一のCDRループライブラリーを単離する例示的なプロセスを適用した結果を示す。X軸は、抗体提示のレベルを示し、Y軸は、各特定の提示レベルでのクローンの数を示す。全てのヒストグラムでは、臨床候補の提示レベルは、青点線で示される。LCDR1-2及びHCDR1-2では、蛍光活性化細胞選別を使用して、酵母の最も蛍光性の高い2%を選別し、これは、最も高度に発現する抗体を提示する酵母に対応する。選別されたSV5(青プロット)及び最も蛍光性の高い2%(赤プロット)の提示レベルが示される。LCDR3では、磁気活性化細胞選別を使用して、最も高度に発現された抗体を提示する酵母を選別した。形質転換された酵母クローン(青プロット)は、磁気活性化細胞で選別された酵母クローン(赤)と比較される。
【
図26】一定のVH鎖及び機能的抗体を選択するLC CDRに多様性を有するVL鎖間のペアリングを示す図である。
【
図27】一定のVH鎖及び機能的抗体の選択するためのVH CDRに多様性を有するVH鎖間のペアリングを示す図である。
【
図28】酵母ディスプレイ及び未修飾VHドメインを介して選択された良好に折りたたまれたLC CDRを有するVL鎖を含む例示的な抗体ライブラリーの構築を示す図である。
【
図29】予め選択されたVHまたはVL足場に、VH及びVLのCDRを増幅して組み立てる例示的なプロセスを示す図である。
【
図30】VHドメインのライブラリー及びVLドメインのライブラリーを組み合わせることによる例示的なFab抗体ライブラリーの構築を示す図である。
【
図31】VHドメインのライブラリー及びVLドメインのライブラリーを組み合わせることによる例示的なscFv抗体ライブラリーの構築を示す図である。
【
図32】対応するライブラリーと比較した、足場として使用される臨床候補に対応するscFvのフロープロットである。ライブラリー5の二重ピークは、最終的なファージディスプレイライブラリーで除外された、より小さな切断型産物の存在によるものと考えられる。
【
図33】pIII及びscFv-pIIIバンドが示されたライブラリー1~3のウェスタンブロットを示す。
【
図34】様々な濃度で選択された、標的に結合する酵母上に提示された抗体の結合を示す。酵母上の提示後に、ファージディスプレイによる2ラウンドの選択、及び2ラウンドの酵母ディスプレイが続いた。ライブラリー1及びライブラリー2は、同じLCDR1-3及びHCDR1-2の多様性、ならびに異なるドナーからのHCDR3の多様性を使用して作成された2つの異なるライブラリーを表す。
【
図35】VLシャッフリングを介した例示的な親和性成熟アプローチを示す図である。
【
図36】
図32に示されたVLシャッフリングの後の、さらなるHC CDR1及びHC CDR2シャッフリングを示す図である。
【
図37】ライブラリーAまたはライブラリーBから単離された種々の濃度(100nM、10nM、1nm、または0nM)で示された抗原に結合するクローンを示す図を含む。
【
図38A】本明細書に開示のライブラリーからの高親和性抗体(ナノモル以下のレベルでの結合親和性を有する)の単離を示す図を含む。
【
図38B】本明細書に開示のライブラリーからの高親和性抗体(ナノモル以下のレベルでの結合親和性を有する)の単離を示す図を含む。
【
図38C】本明細書に開示のライブラリーからの高親和性抗体(ナノモル以下のレベルでの結合親和性を有する)の単離を示す図を含む。
【
図39】本明細書に開示のライブラリーからの、追加の抗原、PDGF、TGFBR2、及びTGFBR3に対して高い結合親和性を有する抗体の単離を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
抗体ライブラリーが、様々な抗体の数に関して測定して、より大きくまたはより多様であるほど、それから選択することができる抗体がより優れていることが一般に認められている。Griffiths et al.,EMBOJ 13(14):3245-3260,1994及びPerelson et al.,J Theor Biol.,81(4):645-70,1979。ほとんどの抗体ライブラリーの多様性は、各コロニーが異なる抗体を表すと仮定して、形質転換体の数を数えることにより推定されている。
【0037】
VH遺伝子多様性が、得られたコロニーの数、例えば、Sblattero et al.,Nat Biotechnol.,18(1):75-80,2000に記載のライブラリーの場合、約108、と同じであると一般に仮定された。しかし、次世代シーケンシング(NGS)は、VHクローン多様性(固有のHCDR3アミノ酸配列)が実際には約30分の1(3x106)であったことを示した。D’Angelo et al.,MAbs.,6(1):160-72,2014。この明らかな低い多様性にも関わらず、多くの抗体が、このライブラリーから選択されている。例えば、以下を参照のこと、Sblattero et al.,Nat Biotechnol.,18(1):75-80,2000、Glanville et al.,Curr Opin Struct Biol.,33:146-60,2015、Lou et al.,Journal of immunological methods;253(1-2):233-42,2001、Kehoe et al.,Mol Cell Proteomics,5(12):2350-63,2006、Ayriss et al.,J Proteome Res.6(3):1072-82,2007、Velappan et al.,Journal of immunological methods,321(1-2):60-9,2007、Lillo et al.,PLoS One,6(12):e27756,2011、Ferrara et al.,PLoS One,7(11):e49535,2012、Close et al.,BMC Microbiol.13:270,2013、及びFerrara et al.,MAbs,7(1):32-41,2015。
【0038】
別の天然の抗体ライブラリーのNGSシーケンシングは、使用されたドナーの数が非常に高かった(654)にも関わらず、測定されたより低いVH多様性(2×105)を示し、コロニーの推定数は、3×1010であった。Glanville et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,106(48):20216-21,2009。さらに、Fantini et al.PLoS One.12(5):e0177574,2017は、最大の多様性を有する3つのライブラリー(コロニーの数)6~16x106について記載し、3~9x106のNGS多様性を推定していた。
【0039】
遺伝的多様性は必須であるが、有効な機能的多様性がさらに重要である:コードされた抗体が非機能的であり且つ適切に折りたたむことができない場合、高い遺伝的多様性は、有用性がないものである。実に、抗体の単一アミノ酸の変化が、発現レベル及び安定性の劇的な変化をもたらし得る。一部の刊行物は、合成のものよりも天然の抗体ライブラリーの優位性を示している。Hugo et al.,Protein Eng.,16(5):381-6,2003;Wang et al.,Proteins,82(10):2620-30,2014、及びChan et al.,Journal of immunological methods,373(1-2):79-88,2011。天然の多様性は、免疫系により機能が事前にスクリーニングされているという利点を有する。しかし、一部の抗体が、in vitroディスプレイシステムで良好に発現されず、折りたたまれ、且つ、多様性が少数のクローンにより支配される可能性があるという欠点がある。
【0040】
本開示は、少なくとも部分的に、天然の多様性を含む抗体ライブラリーの構築を目的とし、その結果、ライブラリーのメンバーが機能性について免疫系により事前にスクリーニングされるであろうが、潜在的なライアビリティを含有するメンバーを除外すると、一般的なスクリーニングシステムにおいては良好に発現されず、凝集し、及び/または良好に折りたたまれないであろう(例えば、酵母ディスプレイ、ファージディスプレイ、もしくはβ-ラクタマーゼなどのフォールディングレポーター;例えば、以下を参照のこと、Saunders et al.,Nat.Che Biol.,12:94-101;1988、及びD’Angelo et al.,BMC genomics 12,suppl.1,S1-S5;2011、または緑色蛍光タンパク質、例えば、以下を参照のこと、Waldo,et al.,Nat.Biotechnol.,17:691-5;1999、Cabantous,et al.,PLoS ONE.,3:e2387;2008、及びCabantous,et al.,J Struct Funct Genomics,6:113-9;2005)。従って、本開示は、一部の実施形態では、抗体ライブラリーのメンバーが十分に発現され及び/または折りたたまれることが予想されるように、抗体足場内でin vivoで生成された体細胞変異を含有する天然に存在するCDRを含む天然に存在するCDRを組み合わせること、ならびに、ライアビリティを欠くことにより、非常に多様で高度に機能的な抗体ライブラリーを作製する方法を特徴とする。
【0041】
本明細書で使用される場合、「ライアビリティ」という用語は、抗体の1つ以上の所望の特徴(例えば、安定性、発現もしくはディスプレイシステムにおける良好な発現、適切な折りたたみ、凝集がないかもしくは低減する、溶解性、インテグリン結合がないかもしくは低減する、グリコシル化がないかもしくは低減する、脱アミド化がないかもしくは低減する、異性化がないかもしくは低減する、ペアになっていないシステインがない、またはプロテアーゼ感受性がないかもしくは低減するなど)に悪影響を与える抗体内のモチーフ(例えば、重鎖または軽鎖CDR領域に位置する)を指す。高度に機能的なメンバーで構成されているので、そのような抗体ライブラリーは、これらのライアビリティのうちのいずれかを含有する抗体が存在する同様の遺伝子サイズのライブラリーよりも機能的にはるかに大きいと予想されるであろう。換言すれば、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、はるかに大きな有効な多様性を有するであろう。
【0042】
I.抗体ライブラリー及び構築の方法
本明細書に記載の重鎖及び/または軽鎖CDR集団を含む抗体ライブラリー(重鎖CDR及び/または軽鎖CDRは、本明細書にも記載される事前に選択された重鎖可変ドメイン遺伝子及び/または事前に選択された軽鎖可変ドメイン遺伝子に挿入される)、ならびにそのような抗体ライブラリーを作製する方法が本明細書で提供される。重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3、ならびに事前に選択された重可変ドメインは、哺乳動物種、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、またはラクダ科動物、例えば、ラクダもしくはラマのものであってよい。一部の場合では、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3は、同じ哺乳動物種(例えば、ヒトまたはラクダ科動物)の抗体に由来してもよい。任意に、事前に選択された重鎖可変ドメイン遺伝子は、同じ哺乳動物種に由来してもよい。あるいは、重鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3、ならびに、任意に、事前に選択された重鎖可変ドメイン遺伝子は、様々な哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来してもよい。
【0043】
同様に、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3、ならびに事前に選択された軽鎖可変ドメイン遺伝子は、本明細書に記載されるような哺乳動物種のものであってよい。一部の場合では、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3は、同じ哺乳動物種(例えば、ヒトまたはラクダ科動物)の抗体に由来してもよい。任意に、事前に選択された軽鎖可変ドメイン遺伝子は、同じ哺乳動物種に由来してもよい。あるいは、軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3、ならびに、任意に、事前に選択された軽鎖可変ドメイン遺伝子は、様々な哺乳動物種の天然に存在する抗体に由来してもよい。
【0044】
一部の実施形態では、重鎖CDR及び事前に選択された可変ドメイン遺伝子、ならびに軽鎖CDR及び事前に選択された可変ドメイン遺伝子は、全て同じ哺乳動物種、例えば、ヒト、である。
【0045】
抗体(複数の形態で交換可能に使用される)は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する、少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合することが可能な免疫グロブリン分子である。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、インタクト(例えば、全長)抗体だけでなく、その抗原結合フラグメント(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv)、一本鎖抗体(scFv)、抗体部分を含む融合タンパク質、ダイアボディ、ナノボディ、単一ドメイン抗体(ナノボディとしても知られる、例えば、ラクダ科動物にみられるVhH抗体などのVHのみ抗体)、または多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)も包含する。
【0046】
代表的な抗体分子は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、これらは通常、抗原結合に関与する。VH及びVL領域はさらに、「相補性決定領域」(「CDR」)としても知られる超可変性の領域に細分化することができ、それらの間に「フレームワーク領域」(「FR」)として知られる、より保存された領域が点在する。各VH及びVLは通常、アミノ末端からカルボキシ末端に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配置される、3つのCDR及び4つのFRで構成される。フレームワーク領域及びCDRの範囲は、例えば、Kabat定義、Chothia定義、AbM定義、及び/またはcontact定義(これらの全てが当該技術分野で周知である)で、当該技術分野で周知の方法を使用して正確に識別することができる。例えば、以下を参照のこと、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242、Chothia et al.,(1989)Nature 342:877、Chothia,C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917,Al-lazikani et al(1997)J.Molec.Biol.273:927-948及びAlmagro,J.Mol.Recognit.17:132-143(2004)。hgmp.mrc.ac.uk and bioinf.org.uk/absも参照のこと。
【0047】
ナノボディとしても知られる単一ドメイン抗体もまた、本開示の範囲内にある。一部の実施形態では、単一ドメイン抗体は、重鎖(VHH)のみを含有する。重鎖のみ抗体(HcAb)は、ラクダ科動物及びサメにより天然で産生される。HcAbの抗原結合部分は、VHHフラグメントで構成される。Vincke et al.,Methods Mol Biol.911:15-26(2012)。
【0048】
本明細書に開示の抗体ライブラリーは、任意の好適な形式の抗体の集団を含有してもよい。一部の実施形態では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、任意の好適なファミリー(例えば、IgG、またはIgA)のものであり得る全長抗体の集団を含む。他の実施形態では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、抗原結合フラグメント、例えば、Fabフラグメント、の集団を含む。さらに他の実施形態では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、一本鎖抗体の集団を含む。あるいは、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、VHHフラグメントなどの単一ドメイン抗体の集団を含んでもよい。
【0049】
本明細書に記載の抗体ライブラリーを構築するための例示的なステップは、以下を含んでもよい:
(1)可変遺伝子足場として使用するのに適するVH/VLペアを同定すること、
(2)各CDRに単一の挿入部位を含有する足場に基づいてベクターを生成すること(残存するCDRが、不変のままであってよい)、
(3)天然に存在する抗体配列(これは、天然抗体ライブラリーのシーケンシングメンバーから得られ得る)のデータベースの分析により天然に存在するCDRを同定すること、
(4)天然に存在するCDR配列のデータベースから、ライアビリティをコードする可能性のあるそれらの配列を除外すること、
(5)オリゴヌクレオチドとして、CDRの残りのセットを合成すること、
(6)前に改変された足場内の適切な部位にCDRを挿入すること(各足場が、唯一の部位にCDRを含有し、例えば、HCDR1の同定された集合が、改変足場のHCDR1部位に挿入される)。
【0050】
一部の実施形態では、本明細書に記載の同定されたCDR(例えば、CDR1、CDR2、CDR3、またはそれらの組み合わせ)は、良好な折りたたみ及び/または発現について実験的にスクリーニングまたは選択されてもよく、且つ、良好でない折りたたみ、良好でない発現、他反応性、または凝集などのライアビリティに対してスクリーニングまたは選択されてもよい。選択されたCDRは、足場の構成内の完全なVドメインに挿入されてもよい。得られた完全なVドメインはさらに、良好な折りたたみ及び/または発現についてスクリーニング及び選択することができ、及び/あるいは良好でない折りたたみもしくは発現、多反応性、または凝集などのライアビリティに対してスクリーニング及び選択することができる。選択されたVH/VLの完全な足場ペアは、所望の結合特異性を有する抗体のスクリーニングのために組み立て、適切なディスプレイベクター(例えば、ファージまたは酵母)にクローニングすることができる。
【0051】
A.重鎖及び軽鎖可変ドメインフレームワーク足場の選択
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体ライブラリーを構築するのに使用される重鎖及び/または軽鎖フレームワーク足場は、市販の治療用抗体(例えば、販売承認が米国食品医薬品局もしくは/もしくは欧州医薬品庁により承認されているもの)または現在臨床試験中、例えば、第II相もしくは第III相治験中である治療用抗体に由来してもよい。本明細書で使用される場合、治療用抗体は、(例えば、US、EP、またはCAもしくはJPなどの他の司法管轄の)承認済みの薬物製品の抗体分子、あるいは、例えば、USまたは欧州での好適な司法管轄において臨床試験中であったかまたは現在臨床試験中である抗体分子を指す。
【0052】
そのような治療用抗体で使用される生殖細胞系列重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメイン遺伝子は、凝集、疎水性相互作用、多重特異性、単量体性、哺乳動物宿主細胞(例えば、HEK細胞またはCHO細胞)における発現レベル、そのFab形態のTm、及び精製特性などの特徴について試験することができる。表1を参照のこと。望ましい特徴、例えば、哺乳動物細胞において高い発現レベル(例えば、HEK細胞において50mg/L以上)、高いFabのTm(例えば、64℃を超える)、加速された安定性の低い勾配(例えば、0.09未満)などを有するものを、ライブラリー構築のフレームワーク足場として選択することができる。追加の特徴及び選択基準が表1に提供され、これは、例示的な例として、最良の特性を有するそれらの治療用抗体、及び良好でない治療特性を有する3つの追加の抗体を示す。このデータは、JJain,T.et al.Biophysical properties of the clinical-stage antibody landscape.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 114,944-949,doi:10.1073/pnas.1616408114(2017)から導出される。
【0053】
評価される各特徴は、評価された治療用抗体の最悪10%にフラグを割り当てることができる。
図1を参照のこと。一部の場合では、2つ未満のフラグを有する(例えば、1つのフラグを有するかまたはフラグを全く有さない)それらの治療用抗体は、重鎖及び/または軽鎖フレームワーク足場として使用するために選択されてもよい。
【0054】
一部の実施形態では、重鎖フレームワーク足場として使用するための重鎖可変ドメイン遺伝子は、VH1-24、VH2-70、VH3-7、VH4-30-4、VH5-51、VH1-18、VH1-69、VH3-23、VH5-10-1、VH3-9、またはVH3-11であり得る。代わりにまたは加えて、軽鎖フレームワーク足場として使用される軽鎖可変ドメイン遺伝子は、K1-12、K4-1、K2D-29、K3-11、K3-20、またはL2-14とすることができる。そのような重鎖及び/または軽鎖フレームワーク足場は、生殖細胞系列VH及び/またはVL遺伝子であってよい。あるいは、重鎖及び/または軽鎖フレームワーク足場は、生殖系列遺伝子対応物と比較して、1つ以上のフレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、またはFR4)に1つ以上の変異を含有してもよい。そのような変異は、治療用抗体内に存在し得るか、または特定のライアビリティ、例えば、メチオニン酸化、凝集、インテグリン結合、グリコシル化、脱アミド化、異性化、ペアになっていないシステイン、またはプロテアーゼ感受性、を回避するために導入されてもよい。特定の例では、本明細書に記載の抗体ライブラリーは、以下のVH及びVLフレームワーク足場ペアを使用する:VH1-24/VK1-12、VH2-70/VK4-1、VH3-7/VK2D-29、VH4-30-4/VK3-11、VH5-51/VK3-20、またはVH1-18/VL2-14。
【0055】
一部の特定の例では、本明細書に記載の抗体ライブラリーに使用されるVH及び/またはVLフレームワーク足場は、アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、またはエボクルマブに由来し、これらのそれぞれの特徴が表2に提供される。本明細書で使用される場合、「に由来する」は、改変がないか、またはフレームワーク領域のうちの1つ以上に1つ以上の変異が導入される、例えば、VH遺伝子に(例えば、フレームワーク領域のうちの1つ以上に)及び/またはVL遺伝子に(例えば、フレームワーク領域のうちの1つ以上に)最大5つのアミノ酸置換(例えば、最大4、3、2、または1つのアミノ酸置換)が導入される、これらの治療用抗体のうちのいずれかのVH及び/またはVL遺伝子の使用を指す。
【0056】
一部の例では、生殖細胞系列VH及び/もしくはVL遺伝子に導入された、または参照治療用抗体(例えば、表2に記載のもの)のVH及び/もしくはVL遺伝子に導入された変異は、保存的置換であってよい。本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸置換が行われるタンパク質の相対的な電荷またはサイズ特性を変化させないアミノ酸置換を指す。バリアントは、そのような方法を編集する参考文献にみられるような当業者に既知のポリペプチド配列を変更するための方法、例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,J.Sambrook,et al.,eds.,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1989,or Current Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel,et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,New York、に従って調製することができる。アミノ酸の保存的置換は、以下の群内のアミノ酸間で行われる置換を含む:(a)M、I、L、V、(b)F、Y、W、(c)K、R、H、(d)A、G、(e)S、T、(f)Q、N、及び(g)E、D。
【0057】
例示的なVH及びVLフレームワーク足場のアミノ酸配列(太字で示される改変されるCDR及び下線が引かれた表2に記載の親治療用抗体と比較した変異を有する)が、以下に提供される:
アブリルマブに由来する足場:
●CDRは、太字で下線が引かれる
●元の抗体由来の変異は、イタリック体にされる(全Jκは、Jκ4に置換されている)。
【化1】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
本明細書に記載のVH及び/またはVLフレームワーク足場のうちのいずれも、対応するフレームワーク足場に、対応するCDR位置で重鎖CDRまたは軽鎖CDRの多様な集団をそれぞれコードする複数の核酸のうちの1つ以上のクローニングを可能にするカセットを構築するために使用することができる。
【0064】
一部の場合では、制限部位を、それぞれ、重鎖CDR1、重鎖CDR2、または重鎖CDR3の多様な集団をコードする複数の核酸をクローニングするためにCDR1領域、CDR2領域、またはCDR3領域に隣接する重鎖足場に導入することができる。一部の場合では、制限部位を、フレームワーク足場に対応するCDR領域の組み合わせをクローニングするために、CDR1、CDR2、及びCDR3のうちの少なくとも2つ(例えば、CDR1+CDR2、CDR1+CDR3、またはCDR2+CDR3)に隣接する重鎖フレームワーク足場に導入することができる。一例では、制限部位を、対応する位置の多様な重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3をクローニングするために、CDR1、CDR2、及びCDR3領域の全てに隣接する重鎖フレームワーク足場に導入することができる。
【0065】
一部の場合では、制限部位を、それぞれ、軽鎖CDR1、重鎖CDR2、または重鎖CDR3の多様な集団をコードする複数の核酸をクローニングするためにCDR1領域、CDR2領域、またはCDR3領域に隣接する軽鎖足場に導入することができる。一部の場合では、制限部位を、フレームワーク足場に対応するCDR領域の組み合わせをクローニングするために、CDR1、CDR2、及びCDR3のうちの少なくとも2つ(例えば、CDR1+CDR2、CDR1+CDR3、またはCDR2+CDR3)に隣接する軽鎖フレームワーク足場に導入することができる。一例では、制限部位を、対応する位置の多様な軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3をクローニングするために、CDR1、CDR2、及びCDR3領域の全てに隣接する軽鎖フレームワーク足場に導入することができる。
【0066】
図2及び3は、重鎖足場に重鎖CDR1、CDR2、またはCDR3の多様性を導入するためのカセット、及び/または軽鎖足場に軽鎖CDR1、CDR2、もしくはCDR3の多様性を導入するためのカセットを構築するための例示的なスキームを示す。
【0067】
得られたカセットは、好適な発現、ディスプレイ、または折りたたみレポーターシステムでコードされた抗体を産生するために好適な発現ベクターに配置することができる。
【0068】
B.重鎖及び軽鎖CDR集団
抗体ライブラリーの重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3集団は、天然に存在するヒト抗体に由来し得る。そのようなCDR配列は、既存の天然抗体ライブラリーで、天然に存在する抗体(例えば、ヒト抗体)をシーケンシングすること、ならびに重鎖及び/または軽鎖CDR配列を同定する従来の方法でこうして得られた重鎖及び軽鎖配列を分析することにより得ることができる。代わりにまたは加えて、天然に存在する抗体CDR配列は、天然に存在する抗体配列(例えば、ヒト抗体配列またはラクダ科動物VHH抗体配列)の公的に利用可能なデータベース、例えば、NCBIデータベース、IMGTデータベース、Jackson et al.,J.Immunol.Methods,324:26,2007の配列、及び/またはLee et al.,Immunogenetics,57:917,2006の配列、Kovaltsuk,A.et al.Observed Antibody Space:A Resource for Data Mining Next-Generation Sequencing of Antibody Repertoires.Journal of Immunology,doi:10.4049/jimmunol.1800708(2018)に記載のThe Observed Antibody Space(antibodymap.org)、及び/またはCorrie,B.D.et al.iReceptor:A platform for querying and analyzing antibody/B-cell and T-cell receptor repertoire data across federated repositories.Immunol Rev 284,24-41,doi:10.1111/imr.12666(2018)に記載のiReceptorデータベース(ireceptor.irmacs.sfu.ca)、及び/またはBriney,B.et al.,Commonality despite exceptional diversity in the baseline human antibody repertoire.Nature,doi:10.1038/s41586-019-0879-y(2019)に記載の配列データベース、におけるそのような抗体の配列を分析することにより得ることができる。
【0069】
フレームワーク領域及びCDRの範囲は、例えば、Kabat定義、IMGT定義、Chothia定義、AbM定義、及び/またはcontact定義(これらの全てが当該技術分野で周知である)で、当該技術分野で周知の方法を使用して正確に識別することができる。例えば、以下を参照のこと、Kabat,E.A.,et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242、Chothia et al.,(1989)Nature 342:877、Chothia,C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901-917,Al-lazikani et al(1997)J.Molec.Biol.273:927-948、Lefranc,M.P.et al.IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains.Dev Comp Immunol 27,55-77(2003)及び Almagro,J.Mol.Recognit.17:132-143(2004)。hgmp.mrc.ac.uk,IMGT.org and bioinf.org.uk/absも参照のこと。
【0070】
こうして得られた重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列はさらに、ライアビリティを含むもの、例えば、表4に記載のもの、を除去するために分析されてもよい。一部の場合では、表4(例えば、グリコシル化部位、脱アミド化部位、異性化部位、ペアになっていないシステイン、1を超える正味の電荷(例えば、LCDR1-2及び/またはHC CDR1-2における)、(粘度に影響を与え得る)少なくとも2つの芳香族残基を含有するトリペプチドモチーフ、凝集を促進するモチーフ、(viii)GG、GGG、RR、VG、W、WV、WW、WWW、YY、またはWXW(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)のモチーフを含有するような多重特異性部位;プロテアーゼ感受性部位(フラグメント化感受性部位)、またはインテグリン結合部位)ならびに/または
図5(例としてHC CDR2を使用する)に記載のライアビリティのうちの1つを含む重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列は、得られた抗体ライブラリーが除外されたライアビリティを含むメンバーを含まない(実質的に含まないまたは完全に含まない)ように除去することができる。
【0071】
代わりにまたは加えて、リジン糖化部位などの潜在的な糖化部位が除去されてもよい。糖化部位とは、非酵素的プロセスを介して糖分子に結合することができるタンパク質分子内の部位を指す。例示的な糖化部位としては、KE、EK、及びEDが挙げられるが、これらに限定されない。追加のライアビリティは、金属触媒フラグメント化部位(例えば、HS、SH、KT、HXS、またはSXH(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、多重特異性凝集部位(例えば、X1X2X3のモチーフを有する(式中、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、またはYである)、ならびにストレプトアビジン結合モチーフ(例えば、HPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、及びPWPWLG(配列番号120))を含む。
【0072】
実質的に含まないとは、ライアビリティを含む重鎖または軽鎖CDRの数が、ライブラリー中で20%未満、例えば、15%未満または10%未満、であることを意味する。
【0073】
一部の例では、上記のライアビリティのうちの2つ以上(例えば、3、4、5、6、7、またはそれ以上)を含む重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列は、得られるライブラリーが除外されたライアビリティを含むメンバーが含まれない(実質的に含まれないか、または完全に含まれない)ように除去することができる。一例では、表4に記載のライアビリティの全てを含む重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列は、得られるライブラリーがライアビリティのうちのいずれかを含むメンバーを含まない(実質的に含まないか、または完全に含まない)ように除去することができる。代わりにまたは加えて、結果として得られるライブラリーが、ライアビリティのうちのいずれかを含むメンバーを含まない(実質的に含まない、または完全に含まない)ように
図5に記載のライアビリティの全てを含む重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列を除去することができる。一具体例では、本明細書に開示のライアビリティの全てを含む重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列は、得られるライブラリーがライアビリティのうちのいずれかを含むメンバーを含まない(実質的に含まないか、または完全に含まない)ように除去することができる。
【0074】
一部の例では、ライアビリティ、例えば、表4及び/または
図5に記載のものなど、のうちの1つ以上を含む重鎖CDR1及びCDR2配列を除去することができるが、重鎖CDR3配列は、ライアビリティを有するメンバーを除去することなく、天然に存在するヒト抗体に由来し得る。あるいは、1つ以上のライアビリティを含む重鎖CDR3配列を除去することもできる。あるいはまたは加えて、ライアビリティ、例えば、表4に記載の及び
図5に例として示されるもの、のうちの1つ以上を含む軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3配列を除去することができる。
【0075】
一部の例では、異常な長さを有する重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列を除外することもできる。例えば、生殖細胞系列の長さ±2-aaの範囲を超える長さを有する軽鎖CDR1及び/またはCDR2を除外することができる。
図16~21を参照のこと。
【0076】
一部の例では、脱アミド化部位(例えば、NG、NS、NT、NN、GNF、GNY、GNT、GNG)、異性化部位(例えば、DG、DS、DD)、凝集部位(FHW);粘度に影響を与えるモチーフ(例えば、HYF及びHWH)、良好でない開発可能性を示すモチーフ(例えば、LCDR1-2及び/またはHCDR1-2の正味電荷≧+1)、ペアになっていないシステリン、多重特異性部位(例えば、GGG、RR、VG、VV、VVV、WW、WWW、YY、WXW(Xが、任意のアミノ酸残基を指す)、及びGG)、ならびにグリコシル化部位(例えば、NXSまたはNXT(式中、Xが、プロリンを除く任意のアミノ酸残基である)を含有する重鎖CDR1及びCDR2メンバーを除外することができる。一部の例では、重鎖CDR1及び重鎖CDR2メンバーにおける以下のライアビリティのうちの1つ以上を除外することもできる:追加のグリコシル化部位(例えば、NXC、Xが、プロリン以外の任意のアミノ酸残基である)、追加の脱アミノ化部位(例えば、NA、NH、及び/もしくはND)、追加の異性化部位(例えば、DT及び/もしくはDH)、リジン糖化部位(例えば、KE、EK、及びED)、インテグリン結合部位(例えば、RGD、RYD、LDV、及びKGD)、プロテアーゼ感受性部位(フラグメント化部位)(例えば、DP、DG、DS、DV、DY、DF、DQ、DK、DL、及びDD)、金属触媒フラグメント化部位(例えば、HS、SH、KT、HXS、及びSXH(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、多重特異性凝集部位(例えば、X1X2X3(式中、各X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、もしくはYである)のモチーフを有する)、ならびに/またはストレプトアビジン結合部位(例えば、HPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、及びPWPWLG(配列番号120))。
【0077】
一部の例では、本明細書に記載の1つ以上のライアビリティを有する重鎖CDR3メンバーを除外することもできる。あるいは、重鎖CDR3メンバーは、本明細書に記載の1つ以上のライアビリティを除去することなく、直接、天然に存在する抗体に由来するものを含んでもよい。
【0078】
代わりにまたは加えて、脱アミド化部位(例えば、NG、NS、NT、NN、GNF、GNY、GNT、GNG)、異性化部位(例えば、DG、DS、DD)、凝集部位(FHW);粘度に影響を与えるモチーフ(例えば、HYF及びHWH)、良好でない開発可能性を示すモチーフ(例えば、LCDR1-2、HCDR1-2の正味電荷≧+1)、ペアになっていないシステリン、多重特異性部位(例えば、GGG、RR、VG、VV、VVV、WW、WWW、YY、WXW(Xが、任意のアミノ酸残基を指す)、及びGG)、ならびにグリコシル化部位(例えば、NXSまたはNXT(式中、Xが、プロリンを除く任意のアミノ酸残基である)を含有する軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3メンバーを除外することができる。一部の例では、軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3メンバーにおける以下のライアビリティのうちの1つ以上を除外することもできる:追加のグリコシル化部位(例えば、NXC、Xが、プロリン以外の任意のアミノ酸残基である)、追加の脱アミド化部位(例えば、NA、NH、及び/またはND)、追加の異性化部位(例えば、DT及び/またはDH)、リジン糖化部位(例えば、KE、EK、及びED)、インテグリン結合部位(例えば、RGD、RYD、LDV、及びKGD)、プロテアーゼ感受性部位(フラグメント化部位)(例えば、DP、DG、DS、DV、DY、DF、DQ、DK、DL、及びDD)、金属触媒フラグメント化部位(例えば、HS、SH、KT、HXS、及びSXH(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、多重特異性凝集部位(例えば、X1X2X3のモチーフを有する(式中、X1、X2、及びX3のそれぞれが独立して、F、I、L、V、W、またはYである)、ならびに/またはストレプトアビジン結合部位(例えば、HPQ、EPDW(配列番号117)、PWXWL(配列番号118)(式中、Xが、任意のアミノ酸残基を表す)、GDWVFI(配列番号119)、及びPWPWLG(配列番号120))。
【0079】
一部の例では、本明細書に記載の1つ以上のライアビリティは、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3メンバーの全てから除外されてもよい。
【0080】
1つ以上のライアビリティを含む配列を除外するか、または全ての配列を維持する、天然に存在する抗体から得られた、得られた重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3配列は、CDR配列をコードし且つ複製する核酸を合成するために、テンプレートとして使用することができる。そのような核酸は、本明細書に開示のVH及び/またはVL足場の対応するCDRの位置に挿入することができ、「複製された天然CDR」と呼ばれる。
【0081】
必要に応じて、1つ以上の重鎖及び/または軽鎖CDRが挿入されたVH及び/またはVL足場を有する発現ベクターは、機能的メンバーを単離するのに適する発現/ディスプレイシステムに導入することができる。機能的メンバーは、1つ以上の優れた特徴、例えば、好適なディスプレイシステムにおける良好な発現及びディスプレイ、折りたたみの改善、凝集の低減、もしくは多反応性、及び/またはより大きいTm、を有するものを含む。そのような機能メンバーは、発現ベクターから産生された抗体を提示する宿主細胞を収集すること、ならびに、収集された宿主細胞における発現ベクターにコードされる対応する重鎖及び/または軽鎖CDR配列をシーケンシングすることにより同定することができる。
【0082】
例えば、最初の抗体ライブラリーはまた、適切な抗体折りたたみを検出するコンフォメーションプローブで染色されている抗体を提示する酵母について選別されてもよい。Traxlmayr et al.,Arch Biochem Biophys.526(2):174-80,2012。そのようなコンフォメーションプローブの例としては、それぞれVH3及びVKドメインに結合することが可能なプロテインA(Hillson et al.,The Journal of experimental medicine.178(1):331-6,1993、Akerstrom et al.,1994、J.Imm Methods,177(1-2):151-63,1994、及びRoben et al.,J.Immunology 154(12):6437-45,1995)またはプロテインL(Charbit et al.,Gene,70(1):181-9,1988、Graille et al.,Structure,9(8):679-87,2001、及びEnever et al.,Journal of molecular biology,347(1):107-20,2005)、ならびに全ての抗体にみられる「ヌクレオチド結合部位」に結合するインドール3-酪酸の誘導体(Alves et al.,Langmuir,28(25):9640-8,2012、Alves et al.,Anal Chem.,84(18):7721-8,2012、Alves et al.,Bioconjug Chem.,25(7):1198-202,2014、及びMustafaoglu et al.,Biotechnol Bioeng.,112(7):1327-34,2015)が挙げられる(Rajagopalan et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,93(12):6019-24,1993)。
【0083】
コンフォメーションプローブの以前の使用は、酵母ディスプレイにおける高い発現及び熱安定性を予測することが示されている(Traxlmayr et al.,2012、Shusta et al.,J Mol Biol.292(5):949-56,1999、Traxlmayr et al.,Biochim Biophys Acta.,1824(4):542-9,2012、Traxlmayr et al.,Protein Eng Des Sel.,26(4):255-65,2013、及びHasenhindl et al.,Protein Eng Des Sel.,26(10):675-82,2013)。このアプローチは、十分に発現され且つ良好に折りたたまれている抗体フラグメントについて選択する。良好な提示のための積極的な選択の代わりに、個々の各CDRライブラリーは、ライアビリティを含むCDRを枯渇させることができる。例えば、抗体スクリーニングに使用されるスクリーニング(Yang et al.,MAbs.,5(5):787-94,2013、Kelly et al.,MAbs,7(4):770-7,2015、Kohli et al.,MAbs.7(4):752-8,2015、Obrezanova et al.,MAbs.,7(2):352-63,2015、Wu et al,Protein Eng Des Sel.,28(10):403-14,2015、Yang et al.,MAbs.,9(4):646-53,2017、Xu et al.,Protein Eng Des Sel.,26(10):663-70,2013、及びKelly et al.,MAbs.,9(7):1036-40,2017)を、酵母ディスプレイの選別に適合させること、及びより「開発可能な」表現型に対応する酵母ディスプレイ抗体を単離することにより、高機能ライブラリーを作成するために組み合わせることができる好適なCDRが選択される。
【0084】
そのような選択の例としては、多重特異性試薬、ヘパリン、またはシャペロンが挙げられ、そのような物質に結合しない抗体のみを保持する。熱ショックステップを適用することにより、さらなる安定性の増加を生じさせることができる(Traxlmayr et al.,2012、Shusta et al.,J Mol Biol.292(5):949-56,1999、Traxlmayr et al.,Biochim Biophys Acta.,1824(4):542-9,2012、Traxlmayr et al.,Protein Eng Des Sel.,26(4):255-65,2013、及びHasenhindl et al.,Protein Eng Des Sel.,26(10):675-82,2013)。
図23も参照のこと。
【0085】
重鎖及び/または軽鎖CDR1、CDR2、及び/またはCDR3の機能的メンバーをコードする配列は、そのような機能的メンバーをコードする核酸を合成するためのテンプレートとして使用することができ、または直接使用することができる。次に、得られた核酸は、本明細書に記載のVH及び/またはVL足場に挿入し、また本明細書に記載されるととおり抗体ライブラリーを作製することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示の抗体ライブラリーは、非機能的メンバーを実質的に含まず、例えば、10%未満(例えば、8%未満、5%未満、3%未満、1%未満、またはそれ以下)の非機能的メンバーを有する。
【0086】
C.抗体ライブラリー
本明細書に記載の抗体ライブラリーは、複数の抗体重鎖及び/または抗体軽鎖可変ドメインをコードする複数の核酸を含んでもよく、これは一括して、対応するCDR位置に挿入された重鎖または軽鎖CDR1の多様な集団、重鎖または軽鎖CDR2の多様な集団、及び/または重鎖または軽鎖CDRの多様な集団を有する共通のVH及び/またはVLフレームワーク足場(例えば、それらは、本明細書に記載のもの)を含む。
【0087】
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体ライブラリーは、複数の抗体重鎖可変ドメインをコードする複数の核酸を含む重鎖ライブラリーである。一部の例では、重鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の重鎖CDR1配列を有する)重鎖CDR1の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、または少なくとも106の多様性、を含んでもよい。代わりにまたは加えて、重鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の重鎖CDR2配列を有する)重鎖CDR2の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、または少なくとも106の多様性、を含んでもよい。他の例では、重鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の重鎖CDR3配列を有する)重鎖CDR3の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、少なくとも106の多様性、少なくとも107の多様性、または少なくとも108多様性、を含んでもよい。
【0088】
一部の例では、重鎖ライブラリーは、重鎖CDR1、重鎖CDR2、または重鎖CDR3にのみ多様性を含んでもよい。他の例では、重鎖ライブラリーは、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3領域のうちの少なくとも2つ(例えば、CDR1+CDR2、CDR1+CDR3、またはCDR2+CDR3)に多様性を含んでもよい。一具体例では、重鎖ライブラリーは、重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3領域の全てに多様性を含む。
【0089】
一部の実施形態では、重鎖ライブラリーは、標的抗原への結合活性を有する事前に選択された抗体(親抗体)の親和性成熟のために生成された2次ライブラリーである。そのような2次ライブラリーは、親抗体の他のCDR配列(複数可)を維持しながら、重鎖CDR領域の1つまたは2つに多様性を含んでもよい。例えば、2次ライブラリーは、親抗体と同じ重鎖CDR1及びCDR2配列、ならびに重鎖CDR3配列の多様な集団を含んでもよい。あるいは、2次ライブラリーは、親抗体と同じ重鎖CDR3配列、ならびに重鎖CDR1及び/またはCDR2配列の多様な集団を含んでもよい。
【0090】
本明細書に開示の重鎖ライブラリーのうちのいずれも、共通の軽鎖可変領域とペアになっていてもよい。あるいは、本明細書にも記載される軽鎖抗体ライブラリーのうちのいずれかとペアになっていてもよい。
【0091】
複数の抗体軽鎖可変ドメインをコードする複数の核酸を含む抗体軽鎖ライブラリーも本明細書で提供される。一部の例では、軽鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の軽鎖CDR1配列を有する)軽鎖CDR1の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、または少なくとも106の多様性、を含んでもよい。代わりにまたは加えて、軽鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の軽鎖CDR2配列を有する)軽鎖CDR2の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、または少なくとも106の多様性、を含んでもよい。他の例では、軽鎖ライブラリーは、(少なくとも102の固有の軽鎖CDR3配列を有する)軽鎖CDR3の少なくとも102の多様性、例えば、少なくとも103、104、105の多様性、少なくとも106の多様性、少なくとも107の多様性、または少なくとも108多様性、を含んでもよい。
【0092】
一部の例では、軽鎖ライブラリーは、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、または軽鎖CDR3にのみ多様性を含んでもよい。他の例では、軽鎖ライブラリーは、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3領域のうちの少なくとも2つ(例えば、CDR1+CDR2、CDR1+CDR3、またはCDR2+CDR3)に多様性を含んでもよい。一具体例では、軽鎖ライブラリーは、軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3領域の全てに多様性を含む。
【0093】
一部の実施形態では、軽鎖ライブラリーは、標的抗原への結合活性を有する事前に選択された抗体(親抗体)の親和性成熟のために生成された2次ライブラリーである。そのような2次ライブラリーは、親抗体の他のCDR配列(複数可)を維持しながら、軽鎖CDR領域のうちの1つまたは2つに多様性を含んでもよい。例えば、2次ライブラリーは、親抗体と同じ軽鎖CDR1及びCDR2配列、ならびに軽鎖CDR3配列の多様な集団を含んでもよい。あるいは、2次ライブラリーは、親抗体と同じ軽鎖CDR3配列、ならびに軽鎖CDR1及び/またはCDR2配列の多様な集団を含んでもよい。
【0094】
図35及び
図36に示されるように、2次ライブラリーは、VLシャッフリング及び/またはVH CDR1及び/またはCDR2シャッフリングを介して生成されてもよい。
【0095】
本明細書に開示の軽鎖ライブラリーのうちのいずれも、共通の重鎖可変領域とペアになっていてもよい。例えば、
図26を参照のこと。あるいは、本明細書にも記載される重鎖抗体ライブラリーのうちのいずれかとペアになっていてもよい。例えば、
図27を参照のこと。
【0096】
II.抗体ライブラリースクリーニング
本明細書に記載の抗体ライブラリーのうちのいずれも、目的の抗原に結合特異性を有する抗体をスクリーニングするために使用されてもよい。ライブラリーの核酸でコードされる抗体は、好適な発現/ディスプレイシステム、例えば、無細胞ディスプレイシステム(例えば、リボソームディスプレイ)、ファージディスプレイシステム、原核細胞ベースのディスプレイシステム(例えば、細菌ディスプレイ)、または原核細胞ベースのディスプレイシステム(例えば、酵母ディスプレイまたは哺乳動物細胞ディスプレイ)を使用して発現及び提示させることができる。ある特定の実施形態では、抗体ライブラリーは、酵母細胞上で発現及び提示される。他の実施形態では、抗体ライブラリーは、ファージ粒子上で発現及び提示される(ファージディスプレイ)。他の実施形態では、2つ以上のディスプレイシステム、例えば、ファージディスプレイとそれに続く酵母ディスプレイが使用される。
【0097】
抗体のライブラリーは、任意の形式の、好適なシステム、例えば、本明細書に記載のもので発現/提示されてもよい。例としては、インタクト抗体(全長抗体)、その抗原結合フラグメント(例えば、Fab)、または一本鎖抗体(scFv)が挙げられる。
【0098】
ファージディスプレイは、バクテリオファージ(例えば、ファージf1、fd、及びM13)を使用するタンパク質ディスプレイ形式である。このシステムでは、少なくとも1つの抗体鎖(例えば、重鎖及び/または軽鎖)が通常、バクテリオファージコートタンパク質、例えば、遺伝子IIIタンパク質、遺伝子VIIIタンパク質、または主要コートタンパク質、に共有結合している(例えば、WO00/71694を参照のこと)。ファージディスプレイは、例えば、U.S.5,223,409、Smith(1985)Science 228:1315-1317、WO92/18619、WO91/17271、WO92/20791、WO92/15679、WO93/01288、WO92/01047、WO92/09690、WO90/02809、de Haard et al.(1999)J.Biol.Chem 274:18218-30、Hoogenboom et al.(1998)Immunotechnology 4:1-20、Hoogenboom et al.(2000)Immunol Today 2:371-8、Fuchs et al.(1991)Bio/Technology 9:1370-1372、Hay et al.(1992)Hum Antibod Hybridomas 3:81-85、Huse et al.(1989)Science 246:1275-1281、Griffiths et al.(1993)EMBO J 12:725-734、Hawkins et al.(1992)J Mol Biol 226:889-896、Clackson et al.(1991)Nature 352:624-628、Gram et al.(1992)PNAS 89:3576-3580、Garrard et al.(1991)Bio/Technology 9:1373-1377、及びHoogenboom et al.(1991)Nuc Acid Res 19:4133-4137に記載される。
【0099】
タンパク質構成要素を提示するバクテリオファージは、標準的なファージ調製法、例えば、成長培地のPEG沈殿、を使用して成長させて、採取することができる。個々のディスプレイファージを選択した後、選択されたタンパク質構成要素をコードする核酸は、増幅後に、選択されたファージに感染された細胞またはファージ自体から単離することができる。個々のコロニーまたはプラークを選択することができ、核酸を単離してシーケンシングすることができる。
【0100】
他の実施形態では、真核生物の発現/ディスプレイシステム、例えば、酵母細胞または哺乳動物細胞を、本明細書に記載の抗体のライブラリーを発現及び提示するために使用することができる。酵母ディスプレイは、タンパク質構成要素(例えば、抗体構成要素)が酵母細胞壁タンパク質(例えば、Aga1pまたはAga2p)に直接的または間接的に結合しているタンパク質ディスプレイ形式である。一部の場合では、抗体の1つの鎖を、直接提示するために酵母細胞壁タンパク質に共有結合的に融合させることができる。他の例では、抗体構成要素及び酵母細胞壁構成要素間の会合は、仲介物質により媒介することができる。酵母ディスプレイは、例えば、Cho et al.,J.Immunol.Methods,220(1-2):179-188,1998、Boder et al.,Methods Enzymol.192(2):243-248,2000、van den Beucken et al.,FEBS Lett 546(2-3):288-294,2003、及びBoder et al.,Arch Biochem Biophys 526(2):99-106,2012に記載される。
【0101】
標的抗原に結合することが可能な抗体を単離するために本明細書に記載の抗体ライブラリーをスクリーニングするために、抗体のライブラリーは、抗体-抗原結合を可能にする好適な条件下で標的抗原と接触させることができる。標的抗原に結合する抗体を提示するファージ粒子または宿主細胞は、例えば、保持または標的抗原が固定化され、必要に応じて増幅されるサポートメンバーにより単離することができ、提示された抗体をコードする核酸を決定することができる。スクリーニングプロセスを複数回繰り返すことができ、ディスプレイシステムを組み合わせて使用することができる。必要とされる場合、様々な抗原を、所望の結合特異性を有する抗体メンバーを選択するために、または非標的抗原への結合活性を有する抗体メンバーを除外する負の選択のために使用することができる。
【0102】
本明細書に記載のライブラリーに由来する抗体のスクリーニングは、任意の適切な手段により実施することができる。例えば、結合活性は、標準的なイムノアッセイ及び/またはアフィニティークロマトグラフィーで評価することができる。治療標的に結合する候補抗体の能力を決定することは、例えば、表面プラズモン共鳴に基づいて所与の標的抗原への抗体の結合速度を測定するBIACORE(商標)機器を使用してin vitroアッセイすることができる。in vivoアッセイは、多数の動物モデルのうちのいずれかを使用して実施し、その後、続いて、必要に応じてヒトにおいて試験することができる。細胞ベースの生物学的アッセイも企図される。
【0103】
抗体ライブラリースクリーニングから同定されたリード抗体は、本明細書に記載の親和性成熟を受け得る。親和性成熟から生じる2次ライブラリーは、本明細書で提供される日常的な実施及び/または開示に従って、所望の特徴、例えば、高い結合親和性及び/または結合特異性を有する結合体についてスクリーニングされてもよい。
【0104】
一般的手法
本開示の実施は、別途指示のない限り、当業者の技能範囲内の分子生物学(組み換え手法を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来の手法を用いるであろう。そのような手法は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,second edition(Sambrook,et al.,1989)Cold Spring Harbor Press、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1989)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.1987)、Introuction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.1993-8)J.Wiley and Sons、Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.)、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.):Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis,et al.,eds.1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:a practice approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988-1989)、Monoclonal antibodies:a practical approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using antibodies:a laboratory manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.Harwood Academic Publishers,1995)、DNA Cloning:A practical Approach,Volumes I and II(D.N.Glover ed.1985)、Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.(1985))、Transcription and Translation(B.D.Hames & S.J.Higgins,eds.(1984))、Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1986))、Immobilized Cells and Enzymes(lRL Press,(1986))、及び B.Perbal,A practical Guide To Molecular Cloning(1984)、F.M.Ausubel et al.(eds.)などの文献で十分に説明される。
【0105】
さらなる詳説なしに、当業者は、上記の説明に基づいて、本発明を最大限に利用することができると考えられている。それ故、以下の具体的な実施形態は、単なる例示であり、いかなる方法であれ、本開示の残部を限定するものではないと解釈すべきである。本明細書で引用される全ての刊行物は、本明細書で参照される目的または主題のために参照により組み込まれる。
【実施例0106】
実施例1:足場としての使用に適するVH VLペアを同定する
CDR挿入の足場として好適なVH/VLペアは、非常に多様で機能性の高い抗体ライブラリーを作成するために非常に重要である。足場を選択するための通常の理由は、以下のとおりである:(i)足場は、自然で通常使用される(例えば、VH1-69、VH3-23)、(ii)足場は、既知の抗体から選択される、(iii)足場は、他のものより広く使用されている、(iv)足場は、コンセンサス生殖細胞系列配列を含有する、及び(v)足場のVH及びVLペアは、安定し、十分に発現され、及び非凝集であると考えられる。
【0107】
抗体ライブラリー構築のための足場として使用される好適なVH/VLペアを同定するための代替アプローチが本明細書で提供される。ある特定の承認済み抗体及び現在承認された、または第2相もしくは第3相の臨床試験中の抗体について記載する近年の刊行物を分析した(Jain,T.et al.Biophysical properties of the clinical-stage antibody landscape.Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 114,944-949,doi:10.1073/pnas.1616408114(2017))。これらの抗体のVH及びVL生殖細胞系列遺伝子を決定した。論文の各臨床抗体について提供された開発可能性データ(例えば、凝集、疎水性相互作用、多重特異性、単量体性、HEK細胞における発現レベル、及びFab Tm)に基づいて、臨床抗体におけるこれらの生殖細胞系列遺伝子の頻度及び開発可能性を評価した。試験された標準のそれぞれに対して最悪の10%の値を示す抗体にフラグを付け(表1で太字及び斜体で強調される)、1つ以下のフラグを有する抗体のみを開発可能とみなした。表1では、1つ以下のフラグを含有する全ての臨床抗体が、2~69行に示される。70~72行では、2つ以上のフラグを有する抗体の例が、示される(表1)。例示的な例として選択された抗体が、太字で強調される。抗体の臨床開発期及びこれらの抗体のフラグのパーセンテージの相関関係が
図1に示される。
【0108】
6つの治療用抗体(アブリルマブ、メポリズマブ、クレネズマブ、ネシツムマブ、アニフロルマブ、及びエボクルマブ)が本発明者らの最終的な足場の選択肢として選択される(表1で太字及びイタリック体で強調され、さらに表2に記載される)。それらは十分に発現され、ライアビリティを全く示さないか、または最小限のライアビリティを示し、ごく少ないフレームワーク変異を含有し、これらの抗体に好適な抗体足場の存在を示す低免疫原性を有する。
【0109】
表2に記載の治療用抗体のそれぞれのために、実施例2に記載されるように、7つのベクターを設計及び合成した。表2に記載の6つの元の足場に由来する元の足場、重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、及び軽鎖CDR3足場をコードするベクターの概略図が、
図2に示される。足場は、5つのVH遺伝子ファミリー(VH1-5)及び5つのVLファミリー(VK1-4;Vλ2)を表す。表2。天然に存在する複製CDRを、さらなる試験のために、十分に発現され、折りたたまれ、ライアビリティがないことが確認されたこれらの選択された例示的な抗体足場に挿入することができる。
【0110】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【0111】
【表2】
*これらの同定されたCDRは、同一であるが、様々なVH1遺伝子(VH1-18及びVH1-24)に対応する様々な隣接領域と共に合成される。
^これらの同定されたCDRは、同一であるが、様々なVK3遺伝子(VK3-20及びVK3-11)に対応する様々な隣接領域と共に合成される。
【0112】
実施例2:実験的CDRスクリーニング用のベクターの作成
表2に示される6つの足場を使用して作成された6つのライブラリーのそれぞれに対して、足場のそれぞれに対応する一本鎖可変フラグメント(scFv)をコードする7つのポリヌクレオチドを合成した。7つの合成されたポリヌクレオチドのうちの1つが、未改変scFvをコードし、他の6つのポリヌクレオチドを、元のCDRのうちの1つが、2つの逆のBsaI部位(認識配列の外部で切断するIIs型酵素)、ベクターの切断を確実にし、且つBsaI部位間のスペーサーとして機能する追加のSfiI部位、フレームシフト、及びバックグラウンド配列の発現を防止するオーカー終止コドンを含む制限部位の組み合わせで置換されるように改変した(
図2~3)。足場をコードするこれらの改変ヌクレオチドのそれぞれを酵母ディスプレイベクターにクローニングし、この配列中の終止コドンの存在により、改変CDRが機能的CDRと置換されるまで、酵母表面上の足場の発現が防止された。
【0113】
実施例3:CDR配列のデータベースの生成及び潜在的なライアビリティを示すCDRの情報科学的除外
本明細書で例示されるライブラリーの使用に適するCDRを同定するために採用されたプロセスが
図4に示される。天然に存在するCDR(ヒト抗体などの天然に存在する抗体にみられるCDR)のデータベースを生成するために、合計1億4千万超の読み取りを含む、合計40人のドナーに由来する可変遺伝子の次世代シーケンシング(NGS)を実施した。NovaSeq分析をLCDR3シーケンシングデータに適用し、MiSeq分析を重鎖及び軽鎖CDR1及びCDR2シーケンシングデータに適用した。可変遺伝子配列の分析により、表3に示されるCDRの数を特定することが可能になった。
【0114】
全体として、以下の重鎖及び軽鎖CDRに対応する固有のCDRを同定し、固有のCDR及び潜在的な隣接足場オリゴを含むCDRの両方が示された(括弧内)。様々な足場に対応する様々な隣接配列を有する一部のCDRを合成する必要があるので、オリゴの数は、CDRの数よりも多い:
●約52,675(66,020)のLCDR1、
●約19,550(23,854)のLCDR2、
●約2,180,922(2,617,051)のLCDR3、
●約147,741(167,376)のHCDR1、
●約170,758(202,170)のHCDR2、及び
●約13,588,754のHCDR3。
【0115】
短い配列に低減させたライアビリティを使用して、それらを含有するCDRを同定した。例えば、脱アミド化、異性化、グリコシル化、またはペアになっていないシステインなどのライアビリティを含有するHCDR2配列は、ピンク色で強調される(
図5)。ライアビリティを同定し、ライブラリーのライアビリティを含有するCDRを除外する重要性を強調するために、HCDR3におけるペアになっていないシステインを一例として
図6~8に示した。システインは、最大4%のHCDR3アミノ酸を成し、それらは、ペアになって、構造的に配置される必要があり、そうでなければ、ペアになっていないシステインまたは配置が良好でないなシステインが存在することにより、CDRに望ましくない構造的または化学的反応性が導入され、それにより、CDRが非機能的また開発不能になるであろう。同定された例示的なライアビリティの一覧が表4に記載され、追加の配列ベースのライアビリティが同様にスクリーニングすることができることが明らかである。記載されたライアビリティの出現について、先に表3で同定された固有のCDRの一覧を試験し、ライアビリティを含有する全てのCDRを固有のCDRの一覧から計算的に除外した。
図9~13は、様々なCDR集団からのライアビリティの除外の程度を反映する。
【0116】
【0117】
【0118】
実施例4:シーケンシングエラー除外
上記の実施例3に開示の潜在的なライアビリティを含有するCDRの除去後に、シーケンシングエラーの結果として生じている可能のあるCDRもまた計算的に除外した。シーケンシングされたCDRがオーバーサンプリングされる場合、シーケンシングエラーの可能性が高い。一般に、特定のCDRのコピーが多いほど、それが真正であり、シーケンシングエラーの結果ではない可能性が高い。
【0119】
データセットの各固有のCDRの存在量を、ライアビリティを含有するものが除去された後に評価した。様々なライブラリー及び個々のCDRのそれぞれに対し、様々な存在量(読み取り数)で保持された配列のパーセンテージを評価した。保持される情報が多いほど、CDRがシーケンシングエラーの結果であることはまれで、天然に存在するCDRではない可能性が高い。各ライブラリーに様々なしきい値を適用した時の、HCDR3を除く様々なCDRに対し除外された配列のパーセンテージが
図14に示される。固有のCDRの数と保持された配列情報の良好なバランスを表すために、それぞれの固有のCDRに対し、4回以上の読み取りのしきい値を評価した。読み取りの総数、及び同定された固有のCDRの総数に応じて、様々なしきい値を選択することができることは明らかである。各ライブラリーに対し、個々のCDRそれぞれに対して異なるしきい値を使用することができるが、4回の読み取りの単一のしきい値を一貫性があるように選択した。4回未満の読み取りを有するCDRをライブラリーから除去した。
【0120】
図15に示されるように、様々なしきい値を使用すると、様々な配列を有する様々な数のCDRを得ることが予想されるであろう。
【0121】
実施例5:長さの異常に基づくCDRの除外
生殖細胞系列CDRの長さが保存されるが、親和性成熟中に変動し得る。長さが異常なCDRは、それらを含有する抗体の折りたたみ及び発現を低減させることが予想される。長さが異常なCDRも
図4に記載の規則の下で計算的に除外し、
図16~21に示されるように、ピンクの網掛け領域の外側の長さを有するCDRを除外した。保持されるCDRの数への影響が表5及び表6に示される。代替規則が、ライアビリティを欠く天然に存在するCDRの同定に適用され得ること、及び新しいライアビリティが同定されると、それらを同様に除外することができることは明らかである。さらに、多反応性または凝集挙動などのライアビリティの存在について実験的に選択されたCDRで次世代シーケンシングを実施することにより、追加の配列ライアビリティを同定することができ、このアプローチを使用して作成された他のライブラリーで除外することができる。シーケンシングされたCDRの数が増加するにつれて、固有のCDRの数、及びライアビリティを欠く固有のCDRの数の両方が増加することが予想され、潜在的なライブラリーの多様性が増加する。
【0122】
これらの様々な情報操作の完了後、ライアビリティを全く含有しないと確認された固有のCDRの最終の数は、この例示的なライブラリーの各足場について、固有のCDR及び隣接足場オリゴを含むCDRの両方を示す表3(括弧内)に示される:
●約3,566(5,476)のLCDR1、
●約2,972(3,944)のLCDR2、
●約218,471(297,509)のLCDR3、
●約14,340(17,200)のHCDR1、
●約11,397(13,568)のHCDR2、及び
●約1,791,801のHCDR3。
【0123】
【0124】
【0125】
実施例6:最終のCDRに対応するオリゴヌクレオチドの合成及び増幅
上記の実施例に記載の除外ステップ後にHCDR1-2及びLCDR1-3について同定されたものに対応するオリゴヌクレオチドを合成し(Twist,Inc.、カリフォルニア州サンフランシスコ)、選択されたCDRをコードする合計337,697のオリゴヌクレオチドが得られた。これらのオリゴヌクレオチドのCDRコード配列を、フレームワークベクターに相同の5’及び3’配列に隣接させて、CDRコード配列をフレームワークベクターにクローン化した。増幅と酵母ディスプレイベクターへのオリゴヌクレオチドの挿入の両方のために、相同配列を使用した。
【0126】
各ライブラリー足場及びCDR位置に特異的なプライマーペアを使用して、複製された天然CDRの組み合わせたプールを増幅し、相同組み換えにより実施例2に記載の酵母ディスプレイベクターにクローン化し、30の異なる単一CDRループライブラリー(6つのライブラリー、LCDR1-3、HCDR1-2)が得られた。蛍光活性化細胞選別により、SV5タグを認識するモノクローナル抗体を使用して、提示のためにこれらを選別した。これらのライブラリーのそれぞれに対し、これは、任意のレベルの提示を可能にする使用される特定のプライマーペア(以下を参照のこと)を使用して増幅される複製天然CDRの多様性を表し、
図22では、「フィルタリング前の複製天然のもの」として示される。
【0127】
図22A~Fは、HCDR1-2及びLCDR1-3の複製された天然の多様性をコードするために、合成オリゴヌクレオチドを使用する例示的な利点を示す。特に、CDR1-2の場合、存在量が最も多いCDR及び存在量が最も少ないCDRの存在量の差は、300,000倍を超え得、生殖細胞系列CDR1-2配列の存在量が圧倒的に最も多い。天然CDRを合成する場合、
図22A~Fに示されるように、分布は常に、はるかにより均一になり、存在量が最も多いCDR及び存在量が最も少ないCDRの存在量の差は、CDR及びライブラリーに応じて10~200倍の範囲である。本明細書に記載のアプローチを使用した各CDRでの多様性の改善はさらに、
図22G~Lに示され、そこでは累積分布が、ライブラリー及びCDR位置毎に示される。各プロットに対する数値は、存在量が最も多い50%のクローンを成すクローンの数であるD50を示し、全てのライブラリーの全てのCDRについて、複製された天然の多様性が、天然の多様性よりも大幅に高い。HCDR3の場合、VDJ再構成プロセス(VD及びDJ接合部でのヌクレオチドの除去の追加を含む)により、様々なHCDR3間の存在量の変動性が少なくなる。
【0128】
以下のプライマーを使用して、オリゴヌクレオチドのプールを増幅に供した:
LCDR1の場合:F-L1-LCDR1~F-L6-LCDR1及びR-L1-LCDR1~R-L6-LCDR1
LCDR2の場合:F-L1-LCDR2~F-L6-LCDR2及びR-L1-LCDR2~R-L6-LCDR2
LCDR3の場合:F-L1-LCDR3~F-L6-LCDR3及びR-L1-LCDR3~R-L6-LCDR3
HCDR1の場合:F-L1-HCDR1~F-L1-HCDR1及びR-L1-HCDR1~R-L1-HCDR1
HCDR2の場合:F-L1-HCDR2~F-L1-HCDR2及びR-L1-HCDR2~R-L1-HCDR2。
【0129】
例示的な増幅プライマー配列及びアセンブリプライマー配列が、それぞれ表7及び表8に提供される。
【0130】
【0131】
【0132】
HCDR1-2及びLCDR1-3にみられる多様性は、アレイベースのオリゴヌクレオチド合成で比較的容易に網羅することができるが、一部の場合では、HCDR3ではそうではない可能性があり、元の多様性は、108の異なるHCDR3を容易に超え得る。ライアビリティ及び4回未満みられたCDRを除外し得る後でも、異なるHCDR3の数は、NovaSeq(3x109の読み取り)が多様性を評価されるために使用される場合、107を超え得る。これは、合成HCDR3の多様性を、アレイベースの合成で扱いやすい106未満の配列に制限することにより、または、合成HCDR1-2及びLCDR1-3の多様性を、ドナーリンパ球から増幅させた天然に多様なHCDR3と組み合わせることにより対処することができる。
【0133】
Miltenyi StraightFrom LeukoPak CD19キットを使用して、合計109を超えるB細胞を含む10人のドナーに由来するLeuko PakのBリンパ球のRNAを単離した。IgM定常領域でのプライマーアニーリングを使用して、cDNAを調製した。表7及び表8に記載の6つのフォワードプライマー(F-L1-HCDR3~F1-L6-HCDR3)及び2つのリバースプライマー(R-JH4及びRJH6)の全ての可能な組み合わせを使用して、HCDR3をcDNAから増幅した。この増幅は、フレームワークベクターに相同の5’及び3’末端に配列を付加して、HCDR3がクローン化されることになる。
【0134】
実施例7:単一部位CDRベクターへのCDRのクローニング及び機能的CDRの選択
天然の複製CDRは、機能を保証するはずである基準(例えば、ライアビリティの除去)に基づいて合成され、オリゴヌクレオチド合成は、100%正確ではないことがある。不正確な配列の問題に加えて、良好でない発現または多反応性を引き起こす他の未同定のライアビリティが、合成されたオリゴヌクレオチドでコードされ得る。機能的なCDRの選択は、この問題に対処するための選択肢であり得る。
【0135】
上記の除外ステップで残存するCDRのそれぞれを、適切な酵母ディスプレイ足場ベクターにクローン化した。例示的な足場のコード配列が以下に提供される:
>1-アブリルマブ
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号139)
>1a-アブリルマブdLCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号140)
>1b-アブリルマブdLCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACagagaccatggccagtaaggccggtctctGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号141)
>1c-アブリルマブdLCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号142)
>1d-アブリルマブdHCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号143)
>1e-アブリルマブdHCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTagagaccatggccagtaaggccggtctctATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTACCGGTTCTTCTTCTTCTTGGTTCGATCCATGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号144)
>1f-アブリルマブdHCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCCAGATGACCCAGTCTCCATCTTCTGTTTCTGCTTCTGTTGGTGATCGTGTTACTATTACCTGTCGTGCTTCTCAGGGTATCTCTTCTTGGCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTAAAGCTCCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTAACCTGGAATCTGGTGTTCCATCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGCCAGAAGATTTCGCTAACTACTACTGTCAGCAGGCTAACTCTTTCCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGTTTCTGGTTACACCCTGTCTGATCTGTCTATCCACTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATGGGTGGTTTCGATCCACAGGATGGTGAAACCATCTACGCTCAGAAATTCCAGGGTCGTGTTACCATGACCGAAGATACCTCTACCGATACCGCTTACATGGAACTGTCTTCTCTGAAATCTGAGGACACGG
CCGTGTATTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号145)
>2-メポリズマブ
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号146)
>2a-メポリズマブdLCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号147)
>2b-メポリズマブdLCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACagagaccatggccagtaaggccggtctctGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号148)
>2c-メポリズマブdLCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号149)
>2d-メポリズマブdHCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号150)
>2e-メポリズマブdHCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGagagaccatggccagtaaggccggtctctATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTGCTGGTGATGGTTACTACCCATACGCTATGGATAACTGGGGTCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号151)
>2f-メポリズマブdHCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCAGATTCTCTGGCTGTTTCTCTGGGTGAACGTGCTACCATCAACTGCAAATCTTCTCAGTCTCTGCTGAACTCTGGTAACCAGAAAAACTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGCCACCAAAACTGCTGATCTACGGTGCTTCTACCCGTGAATCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGCAGGCTGAAGATGTTGCTGTTTACTACTGTCAGAACGTTCACTCTTTCCCATTCACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTACCCTGCGTGAATCTGGTCCAGCTCTGGTTAAACCAACCCAGACCCTGACCCTGACCTGTACCGTTTCTGGTTTCTCTCTGTCTGCTTACTCTGTTAACTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGCTCTGGAATGGCTGGCTATGATCTGGGGTGATGGTAAAATCGTTTACAACTCTGCTCTGAAATCTCGTCTGACCATCTCTAAAGATACCTCTAAAAACCAGGTTGTTCTGACCATGACCAACATGGATCCTGTGGACACAGCCACATATTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号152)
>3-クレネズマブ
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCACTGTCTCTGCCAGTTACCCCAGGTGAACCAGCTTCTATTTCTTGTCGTTCTTCTCAGTCTCTGGTTTACTCTAACGGTGATACCTACCTGCACTGGTACCTGCAGAAACCAGGTCAGTCTCCACAGCTGCTGATCTACAAAGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGAAAATCTCTCGTGTTGAAGCTGAAGATGTTGGTGTTTACTACTGTTCTCAGTCTACCCACGTTCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTGAATCTGGTGGTGGTCTGGTTCAGCCAGGTGGTTCTCTGCGTCTGTCTTGTGCTGCTTCTGGTTTCACCTTCTCTTCTTACGGTATGTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAACTGGTTGCTTCTATCAACTCTAACGGTGGTTCTACCTACTACCCAGATTCTGTTAAAGGTCGTTTCACCATCTCTCGTGATAACGCTAAAAACTCTCTGTACCTGCAGATGAACTCTCTGCGTGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCTTCTGGTGATTACTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号153)
>3a-クレネズマブdLCDR1cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGATATCGTTATGACCCAGTCTCCACTGTCTCTGCCAGTTACCCCAGGTGAACCAGCTTCTATTTCTTGTCGTTCTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctCTGCACTGGTACCTGCAGAAACCAGGTCAGTCTCCACAGCTGCTGATCTACAAAGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTGTTCCAGATCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGAAAATCTCTCGTGTTGAAGCTGAAGATGTTGGTGTTTACTACTGTTCTCAGTCTACCCACGTTCCATGGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTGAATCTGGTGGTGGTCTGGTTCAGCCAGGTGGTTCTCTGCGTCTGTCTTGTGCTGCTTCTGGTTTCACCTTCTCTTCTTACGGTATGTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTAAAGGTCTGGAACTGGTTGCTTCTATCAACTCTAACGGTGGTTCTACCTACTACCCAGATTCTGTTAAAGGTCGTTTCACCATCTCTCGTGATAACGCTAAAAACTCTCTGTACCTGCAGATGAACTCTCTGCGTGCCGAGGACACGGCTGTGTATTACTGTGCTTCTGGTGATTACTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号154)
>3b-クレネズマブdLCDR2
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>3c-クレネズマブdLCDR3
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>3d-クレネズマブdHCDR1
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>3e-クレネズマブdHCDR2
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>3f-クレネズマブdHCDR3
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>4-ネシツムマブ
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>4a-ネシツムマブdLCDR1
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>4b-ネシツムマブdLCDR2
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>4c-ネシツムマブdLCDR3
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>4d-ネシツムマブdHCDR1
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>4e-ネシツムマブdHCDR2
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>4f-ネシツムマブdHCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAAATCGTTATGACCCAGTCTCCAGCTACCCTGTCTCTGTCTCCAGGTGAACGTGCCACTCTGTCTTGTCGTGCTTCTCAGTCTGTTTCTTCTTACCTGGCTTGGTACCAGCAGAAACCAGGTCAGGCTCCACGTCTGCTGATCTACGATGCTTCTAACCGTGCTACCGGTATCCCAGCTCGTTTCTCTGGTTCTGGTTCTGGTACCGATTTCACCCTGACCATCTCTTCTCTGGAACCAGAAGATTTCGCTGTTTACTACTGTCACCAGTACGGTTCTACCCCACTGACCTTCGGTGGTGGTACCAAAGTTGAAATCAAATCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCCAGGTTCAGCTGCAGGAATCTGGTCCAGGTCTGGTTAAACCATCTCAGACCCTGTCTCTGACCTGTACCGTTTCTGGTGGTTCTATCTCTTCTGGTGATTACTACTGGTCTTGGATCCGTCAGCCACCAGGTAAAGGTCTGGAATGGATCGGTTACATCTACTACTCTGGTTCTACCGATTACAACCCATCTCTGAAATCTCGTGTTACCATGTCTGTTGATACCTCTAAAAACCAGTTCTCTCTGAAAGTTAACTCTGTTACCGCCGCGGACACGGCTGTGTATTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号166)
>5-アニフロルマブ
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>5a-アニフロルマブdLCDR1
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>5b-アニフロルマブdLCDR2
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>5c-アニフロルマブdLCDR3
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>5d-アニフロルマブdHCDR1
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>5e-アニフロルマブdHCDR2
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>5f-アニフロルマブdHCDR3
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>6-エボロクマブ
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号174)
>6a-エボロクマブdLCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCagagaccatggccagtaaggccggtctctGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号175)
>6b-エボロクマブdLCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACagagaccatggccagtaaggccggtctctGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号176)
>6c-エボロクマブdLCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号177)
>6d-エボロクマブdHCDR1
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTagagaccatggccagtaaggccggtctctATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号178)
>6e-エボロクマブdHCDR2
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGagagaccatggccagtaaggccggtctctAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTGCTCGTGGTTACGGTATGGATGTTTGGGGTCAGGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号179)
>6f-エボロクマブdHCDR3
cagttagataaaagaggcgcggcagcaagcggcgcgcatgccGAATCTGCTCTGACCCAGCCAGCTTCTGTTTCTGGTTCTCCAGGTCAGTCTATCACCATCTCTTGTACCGGTACCTCTTCTGATGTTGGTGGTTACAACTCTGTTTCTTGGTACCAGCAGCACCCAGGTAAAGCTCCAAAACTGATGATCTACGAAGTTTCTAACCGTCCATCTGGTGTTTCTAACCGTTTCTCTGGTTCTAAATCTGGTAACACCGCTTCTCTGACCATCTCTGGTCTGCAGGCTGAAGATGAAGCTGATTACTACTGTAACTCTTACACCTCTACCTCTATGGTTTTCGGTGGTGGTACCAAACTGACCGTTCTGTCCGGAGGGTCGACCATAACTTCGTATAATGTATACTATACGAAGTTATCCTCGAGCGGTACCGAAGTTCAGCTGGTTCAGTCTGGTGCTGAAGTTAAAAAACCAGGTGCTTCTGTTAAAGTTTCTTGTAAAGCTTCTGGTTACACCCTGACCTCTTACGGTATCTCTTGGGTTCGTCAGGCTCCAGGTCAGGGTCTGGAATGGATGGGTTGGGTTTCTTTCTACAACGGTAACACCAACTACGCTCAGAAACTGCAGGGTCGTGGTACCATGACCACCGATCCATCTACCTCTACCGCTTACATGGAACTGCGTTCTCTGCGTTCTGACGACACGGCCGTGTATTACTGTagagaccatggccagtaaggccggtctctGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAgctagcggcaaaccaatcccaaacccactgctgggc(配列番号180)
【0136】
配列1~6は、示される例示的な足場のコード配列を指し、配列1a~1f、2a~2f、3a~3f、4a~4f、5a~5f、及び6a~6fは、示される例示的な足場それぞれの対応するCDRに隣接するクローニング部位が挿入された配列を指す。
【0137】
図24に示されるように、一例としてライブラリー1のLCDR1を使用して、LCDR1足場ベクターをBsaI及びSfilで消化し、LCDR1の部位にギャップが残った。次に、切断されたベクター及びLCDR1オリゴヌクレオチドの集合を酵母に形質転換した。酵母細胞内では、ベクター及びLCDR1オリゴヌクレオチド間の相同組み換えにより、LCDR1足場ベクターへのLCDR1オリゴヌクレオチドの挿入がもたらされる。上で同定されたLCDR1オリゴヌクレオチドのそれぞれを有するLCDR1酵母足場ベクターの集団全体は、LCDR1酵母ディスプレイライブラリーを構成する(
図25)。LCDR1足場ベクターの場合、評価されるLCDR1を除いて、VH及びVLドメインの全ての部分が一定である。機能的なLCDR1の選択を、提示(すなわち、発現)について選別することにより実施した。scFvの提示が誘導された後、酵母細胞は、scFv提示を検出する蛍光標識抗体で染色される(SV5タグを認識するmAbを使用する)。CDR1-2のライブラリーでは、集団は、フローサイトメトリーで分析され、陽性集団の中で上位2%の最も蛍光細胞をゲーティングすることにより、蛍光活性化細胞選別により選別される。これにより、高レベルの提示を促進するCDRの濃縮が確実になる。
図22A~Lでは、この厳密な2%の選別後の集団は、「フィルタリング後に複製された天然のもの」として示される。理論上の多様性と比較して少なくとも10倍の細胞数が選別され、全ての起こりうるクローンの回収を確実とする。LCDR3の場合、scFvディスプレイの誘導及びscFvディスプレイ(SV5)を検出する蛍光標識抗体を用いる染色の後、陽性集団(scFvディスプレイ)は、使用される1次抗体(SV5)を認識する磁性ナノ粒子を用いるMACS(磁気活性化細胞選別)を使用して精製される。特に、上記のCDR1-2についての最も蛍光性の高い2%の蛍光活性化細胞選別と同様に、ナノ粒子の結合能をはるかに超える多数の細胞を有し、これにより、十分に提示された配列を濃縮することによる競合が用いられる場合、scFvディスプレイのレベルが高いほど、細胞がナノ粒子に結合する可能性が高くなる。LCDR3の理論的多様性はCDR1-2の数倍であるので、MACS手法は、短時間で多数の細胞を精製する能力があるので、LCDR3の場合に、優先的に用いられる。
【0138】
scFvが酵母ディスプレイのためにこの例で使用されるが、CDR特異的足場ベクターの形式は、VH、VL、scFv、Fab、または全長免疫グロブリンであり得、要件は、提示を実施することができることである。良好に折りたたまれた足場にクローン化された単一のCDRのライブラリーを選別することにより、終止コドン、フレームシフトを含有するか、または発現が良好でないもしくは多反応性であるCDRが除外され得る。酵母表面上の効果的な提示は、以前に多様なタンパク質の安定性及び折りたたみの改善と相関関係が見出されている(Cherf、GM and R Cochran(2015).“Applications of Yeast Surface Display for Protein Engineering.”Methods Mol Biol 1319:155-175、Pavoor,T.V.,et al.,(2012).“An enhanced approach for engineering thermally stable proteins using yeast display.”Protein engineering,design & selection :PEDS 25(10):625-630、Pepper,L.R.,et al.,(2008).“A decade of yeast surface display technology:where are we now?”Comb Chem High Throughput Screen 11(2):127-134、Xu,L.,et al.,(2013).“Rapid optimization and prototyping for therapeutic antibody-like molecules.”MAbs 5(2):237-254.)。各CDRライブラリーが選別された後、良好に折りたたまれたCDRを発現する酵母細胞からDNAを単離することにより、良好に発現され、非多反応性のCDRの集合が得られる。機能的CDRライブラリーがクローン化及び選別される方法の図解が
図23~25に示される。6つの異なる足場のフィルタリングされていないライブラリー及びフィルタリングされたライブラリーが
図25B~Gに示される。集団がフローサイトメトリーにより分析され、発現レベル(x軸)がヒストグラムとして表される。分析は、濃縮後に明らかな改善を示し(CDR1-2の場合、蛍光活性化細胞選別による上位2%及びLCDR3の場合磁気活性化細胞選別よる上位2%)、ほとんどのライブラリーは、足場が生成された元の臨床候補の提示レベルを超える提示レベルを示す。
【0139】
本明細書で提供される例では、本発明者らは、改善された発現レベルについて選別している。しかし、望ましい特性(例えば、高発現、低多反応性、良好な開発可能性)を有する酵母ディスプレイ抗体を、望ましくない特性(例えば、低発現、高多反応性、良好でない開発可能性)を有する酵母ディスプレイ抗体と区別する任意の選択的方法を使用して同様のアプローチを採用することができる。例えば、多反応性が低減した抗体を選択するために、多重特異性試薬に結合しない抗体(scFv、Fab、IgG、または他の抗体フラグメント)を提示するクローンが選択されるであろう。そのような多重特異性試薬の例としては、以下に記載されるものが挙げられる:Hotzel,I.et al.A strategy for risk mitigation of antibodies with fast clearance.MAbs 4,753-760,doi:10.4161/mabs.22189(2012)、Xu,Y.et al.Addressing polyspecificity of antibodies selected from an in vitro yeast presentation system:a FACS-based,high-throughput selection and analytical tool.Protein Eng Des Sel 26,663-670,doi:10.1093/protein/gzt047(2013)、Kelly,R.L.et al.Chaperone proteins as single component reagents to assess antibody nonspecificity.MAbs 9,1036-1040,doi:10.1080/19420862.2017.1356529(2017)。
【0140】
実施例8:全長scFvライブラリーの組み立て
個々のCDRライブラリーそれぞれを発現及び開発可能性についてスクリーニングした時点で、VH及びVL CDRを全長VHまたはVLドメインに組み立てた。表7及び表8に記載のプライマーを使用して隣接配列を用いて、VL及びVHの個々のCDRを増幅した。
図29~31に示されるように、これを実施し、VH及びVLを最初に、それらの構成要素CDRフラグメント及び隣接フレームワーク領域から組み立て、次に、完全なscFvまたはFabに組み合わせた。代替アプローチは、
図26~28に示されるように、未改変VLまたはVHパートナー鎖の構成内で、各全長VHまたはVLを組み立てることであろう。この代替アプローチは、未改変パートナー鎖の構成内で機能するVHまたはVLライブラリーについて(FACSまたはMACSにより)選別することを可能にするであろう。しかし、
図32に示されるように、フィルタリングされたCDRのライブラリーに直接由来する完全なscFvを直接組み立てると、この中間ステップを必要とせずに高機能scFvライブラリーがもたらされ、これは、足場として使用される臨床抗体に由来するscFvのピークディスプレイレベルが、ライブラリーディスプレイレベルの分布が足場として使用される臨床候補抗体のものよりも広いことを除いて、対応するライブラリーに対するものと類似することを示し、親臨床足場のscFvよりもよく提示される一部のscFvを含むことを、本発明者らは見出した。機能的抗体ライブラリーは、ファージ、酵母、または哺乳動物のディスプレイベクターを含む様々なディスプレイベクターの構成内で組み立てることができる。
【0141】
実施例9:ファージディスプレイベクター(pDAN5)へのクローニング
scFvまたはFabライブラリーを組み立てた時点で、それらをpDAN5などのファージディスプレイベクターにライゲーションして、それらの機能を調べた。このベクターは、BssHII及びNheIの制限酵素部位に含まれる、繊維状ファージのg3の上流にクローニング部位を含有する。軽鎖の上流のBssHII制限部位及び重鎖の下流のNheIを含有する隣接プライマーを用いて、実施例8で作成されたscFv/Fabを増幅した。次に、PCR産物を同じ酵素で消化して、粘着末端を生成した。pDAN5プラスミドをE.coli中で培養し、アルカリ溶解で抽出し、塩化セシウム/臭化エチジウム勾配で精製した。プラスミドを同じ酵素で消化し、バックボーンをアガロースゲル電気泳動抽出とそれに続くクロマトグラフィーで精製して、汚染物質を除去した。T4 DNAリガーゼを使用して、バックボーンをscFv/Fabライブラリーに16℃で一晩ライゲーションした。ライゲーションを精製し、エレクトロコンピテントE.coli TG1細胞に電気的形質転換した。形質転換された細胞を、カルベニシリン及びグルコースを含有する寒天プレート上にプレーティングして、プラスミドが導入された細菌を選択した。PacBioシーケンシングによるscFvライブラリーの分析により、90%を超えるオープンリーディングフレームが明らかになり(表9)、クローン重複は基本的になかった(表10)。
【0142】
【0143】
【0144】
実施例10:ウェスタンブロットを含むバクテリオファージ粒子の作成
OD600nmが0.5に達するまで、液体2xYT培地+カルベニシリン+グルコース(グルコースは、scFv/Fab発現を阻害するためのものである)を含有する振とうフラスコ内で、形質転換された細菌を37℃で培養した。M13KO7ヘルパーファージ(感染の多重度5で)を用いて、振とうせずに、細菌を37℃で30分間重複感染させた。細菌を遠心分離し、培地を除去し、2×YT培地+カルベニシリン+カナマイシンと交換し、シェーカーインキュベーター内、25℃で16時間培養した。
【0145】
ファージ粒子を回収するために、培養物を遠心分離して、細菌及びファージが見出される上清を分離した。上清を20%のPEG8000+2.5MのNaCl溶液と、5:1の比率で混合した。これにより、ファージが沈殿し、遠心分離によりファージを回収することが可能になる。上清を廃棄し、ファージペレットをPBS溶液に再懸濁した。
図33に示されるように、発現タグ(SV5)を特異的に認識する抗体を使用して、ファージによるscFv/Fabの提示を、SDS-PAGE+ウェスタンブロットで評価した。
【0146】
実施例11:ライブラリーを使用したファージ及び酵母ディスプレイの組み合わせによる抗体選択
構築及びファージ粒子の生成後、目的の標的に対してライブラリーをスクリーニングした。ファージディスプレイのみを使用して、選択を実施することができる(Sblattero,D.& Bradbury,A.Exploiting recombination in single bacteria to make large phage antibody libraries.Nat Biotechnol 18,75-80(2000))が、本発明者らは、ファージ及び酵母ディスプレイ技術を組み合わせることを選ぶ(Ferrara,F.et al.Using phage and yeast display to select hundreds of monoclonal antibodies:application to antigen 85,a tuberculosis biomarker.PLoS One 7,e49535(2012))。Kingfisher磁気ビーズシステムを使用して、scFvライブラリーを提示する10
12のファージ粒子を臨床目的のビオチン化組み換えヒト抗原、すなわちインターロイキン6、インターフェロンアルファ、及びGM-CSFに対する2ラウンドの選択に使用した。ビオチン化タンパク質(100~400nM)でコーティングされた2×10
7のストレプトアビジン結合磁気ビーズ(Dynabeads M-280)を洗浄し、抗原でコーティングし、ファージ粒子と共にインキュベートし、再度洗浄して非結合物を除去した。次に、pHを低減させること及びF’線毛を有する細菌に感染させることにより、ファージ粒子を溶出させた(Ominmax-2T1、Thermo Fisher Scientific)。ファージを増殖させ、選択サイクルを繰り返した。2ラウンドのファージ濃縮後、scFvをPCR増幅し、相同組み換え(pSpec酵母ディスプレイベクター)によりN末端酵母ディスプレイシステムに移した。そこではAga-2のN末端に融合されたscFvを提示する。次に、培地にガラクトースを添加することにより、形質転換された酵母をscFvディスプレイのために誘導した。次に、蛍光活性化細胞選別によるビオチン化組み換えヒト抗原に対するさらに2~3ラウンドの濃縮のために、誘導された酵母ミニライブラリーを使用した。陽性の抗原結合シグナルを有する最大10,000の酵母細胞を選別し、各ラウンドで増殖させた。最初の選別ラウンドでの標的濃度は、100nMであったが、10nM、次に、1nMに低減させた。これらのラウンドのファージ及び酵母選別濃縮の後、回収された集団をフローサイトメトリーで分析して、漸減濃度の抗原で、抗原に対する結合を試験し、抗原の不存在下で、2次試薬への非特異的結合をチェックした(
図34)。結果は、ライブラリーが、試験された全ての抗原に対して高親和性結合体を効率よく生じることができることを示す。
【0147】
実施例12:選択された抗体の親和性決定
実施例11に記載のファージ+酵母ディスプレイプロトコールを使用して、ナイーブライブラリーから選択される抗体の親和性決定を、本明細書に記載のアプローチに従って実施した。Carterra LSAマシンを使用して、種々の標的(例えば、GM-CSF、IFN-a 2A、及びIL-6)へのこのようにして得られた抗体バリアントの結合親和性を試験した。要約すると、GM-CSF、IFN-a 2A、及びIL-6に対する選択からのscFv-Fc融合体を発現する酵母の上清を、抗ヒトFcを含むCarterra LSA HC200Mチップに固定化した。1:1:1の100mMのMES(pH5.5)、100mMのS-NHS、400mMのEDC(MES 5.5で再構成された全て)でチップを活性化し、アッセイを実行する直前に、それぞれ100μLをバイアル中で混合した。ポリクローナルヤギ抗ヒトIgGを、50μg/mLで10分間固定化し、続いて、1Mのエタノールアミン(pH8.5)で7分間失活させた。
【0148】
scFv-Fcの上清を、HBSTE緩衝液への2または3倍に希釈し、抗Fc表面に12分間循環させた。IFN-2Aの場合6nM及びIL-6/GM-SCFの場合167nMで開始する3倍希釈系列で、抗原を試験した。最低濃度から最高濃度までの抗原試料を試験した。
図37。
【0149】
結合サイクル間で完全に解離しなかったIFN-2A及びGM-SCFクローンのためにRmaxパラメータを使用して、データを処理し、バルクシフトパラメータを使用して、データの一部も適合させた。
【0150】
図38A~38Cに示されるように、実施例1~10に記載される、構築されたライブラリーから直接選択された抗体の親和性は、非常に強力であることが示され、多くのナノモル以下の抗体が選択された。
【0151】
このアプローチを使用して、PDGF、TGFBR2、及びTGFBR3を含む、追加の標的に対する抗体を調査し、同様の結果を観察した。
図39。
【0152】
実施例13:抗体の成熟
最適化されたVL及びVHペアを選択し、成熟抗体にCDRを組み立てるには、以下のアプローチを使用することができる。最初に、VHが、未改変形態で保持されるが、LCDRライブラリーのVLが、シャッフリングされる。残存する機能的VLが、未改変VHと共に組み立てられ、形成された抗体は、機能性について試験される(
図35)。同様に、VLが、未改変のままであり、VHライブラリーに合成HCDR1/2及び天然HCDR3を含むVHが、シャッフリングされる。残存する機能的VHのそれぞれは、未改変VHをと共に組み立てることができ、新しく形成された抗体の機能を、機能性について試験する(
図36)。
【0153】
他の実施形態
本明細書に開示の特徴の全ては、任意の組み合わせで組み合わされてもよい。本明細書で開示の各特徴が、同じ、同等、または類似の目的を果たす代替特徴で置き換えられてもよい。従って、別途明記のない限り、開示の各特徴は、一般的な一連の同等または類似の特徴の例にすぎない。
【0154】
上の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の用途及び条件に適合させるために、本発明の種々の変更及び修正を行うことができる。従って、他の実施形態も特許請求の範囲内にある。
【0155】
均等物
いくつかの発明の実施形態が本明細書に記載及び例示されているが、当業者らは、機能を実施するための、ならびに/または結果及び/もしくは本明細書に記載の利点のうちの1つ以上を得るための様々な他の手段及び/または構造を容易に想定することになり、そのような変形及び/または修正のそれぞれは、本明細書に記載の発明の実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般に、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示的であることが意図されること、ならびに実際のパラメータ、寸法、材料、及び/または構成は、本発明の教示が使用される特定の用途(複数可)に依存するであろうことは、当業者らは容易に理解するであろう。当業者らは、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載の特定の発明の実施形態との多くの均等物を認識することになるか、またはそれを確認することができるであろう。それ故、上述の実施形態が、ほんの一例として、示されること、ならびに添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明の実施形態が実施され得ることが理解されるべきである。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法それぞれに関する。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法の任意の組み合わせが、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法が相互に矛盾しなければ、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0156】
本明細書で定義及び使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、及び/または定義された用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0157】
本明細書に開示の全ての参考文献、特許、及び特許出願は、それぞれが引用される主題に関して参照により組み込まれ、これは、一部の場合では、文書全体を包含してもよい。
【0158】
本明細書で、明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反対の指示のない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0159】
本明細書で、明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/または」という表現は、そのように結合された要素、すなわち、一部の場合には共同して存在し、他の場合には選言的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「及び/または」と共に記載される複数の要素は、同じ方法で解釈されるべきであり、すなわち、要素の「1つ以上」がそのように結合される。「及び/または」節で具体的に同定される要素以外の他の要素が、具体的に同定されるそれらの要素に関連するまたは関連しないに関わらず、任意に存在してもよい。従って、非限定例として、「A及び/またはB」への言及は、「含むこと(comprising)」などの制約のない文言と組み合わせて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意に、B以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意に、A以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意に、他の要素を含む)などを指し得る。
【0160】
本明細書で、明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上で定義された「及び/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、一覧内の項目を分ける場合、「または」または「及び/または」は、要素の数または一覧、及び、任意に、追加の一覧にない項目を含んでおり、すなわち、これらの少なくとも1つを含むが、2つ以上も含むと解釈されるべきである。「のうちの1つのみ」または「のうちのちょうど1つ」または特許請求の範囲で使用される場合、「からなること(consisting of)」などの、明確に反対が指示される用語のみが、要素の数または一覧のうちのちょうど1つの要素を含むことを指すであろう。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は単に、排他性のある用語、例えば、「いずれか」、「のうちの一方」、「のうちの一方のみ」、または「のうちのちょうど一方」、が先行する場合、排他的代替(すなわち、「一方または他方であるが両方ではない」)を指すと解釈されるものとする。特許請求の範囲で使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0161】
本明細書で、明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素の一覧に関して「少なくとも1つ」という表現は、要素の一覧の要素のうちの任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素の一覧内に具体的に記載されるありとあらゆる要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、要素の一覧の要素の任意の組み合わせを除外しないと理解されるべきである。この定義により、「少なくとも1つ」の表現が指す要素の一覧内に具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に同定されるそれらの要素に関連するまたは関連しないに関わらず、任意に、存在してもよいことも可能になる。従って、非限定例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(または、同等に「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、または、同等に「A及び/またはBのうちの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在しない(及び任意にB以外の要素を含む)任意に2つ以上を含む少なくとも1つのA、別の実施形態では、Aが存在しない(及び任意にA以外の要素を含む)任意に2つ以上を含む少なくとも1つのB、さらに別の実施形態では、任意に2つ以上を含む少なくとも1つA及び任意に2つ以上を含む少なくとも1つのB(及び任意に他の要素を含む)などを指し得る。
【0162】
明確に反対の指示のない限り、複数のステップまたは行為を含む本明細書で特許請求される任意の方法では、本方法のステップまたは行為の順序は必ずしも、方法のステップまたは行為が参照される順序に限定されないことも理解されるべきである。