(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145827
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
B66C 15/00 20060101AFI20231004BHJP
E02F 9/08 20060101ALI20231004BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20231004BHJP
B60R 3/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B66C15/00 L
E02F9/08 Z
E02F9/16 B
B60R3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052687
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】503032946
【氏名又は名称】住友重機械建機クレーン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】久瀬 幸助
【テーマコード(参考)】
2D015
3D022
3F204
【Fターム(参考)】
2D015EB00
3D022AA02
3D022AC10
3D022AD01
3D022AE10
3D022AE22
3F204AA04
3F204CA07
(57)【要約】
【課題】手すりを備える足場を展開したり格納したりする作業を効率的に行うことが可能な作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械1は、作業機械1の本体部3と、本体部3に取り付けられ、作業機械1の側方に設けられた足場10と、足場10と一体に設けられた手すり11と、を備え、足場10は、作業機械1の側方に張り出される展開位置と、作業機械1の側面に近接した格納位置との間で回動可能に取り付けられており、足場10は、手すり11と一体の状態で格納位置に格納可能とされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械の本体部と、
前記本体部に取り付けられ、前記作業機械の側方に設けられた足場と、
前記足場と一体に設けられた手すりと、
を備え、
前記足場は、前記作業機械の側方に張り出される展開位置と、前記作業機械の側面に近接した格納位置との間で回動可能に取り付けられており、
前記足場は、前記手すりと一体の状態で前記格納位置に格納可能とされている、
作業機械。
【請求項2】
前記手すりは、前記展開位置の前記足場から立設された立設位置と、立設位置から前記足場に向けて倒伏した収納位置に切替可能とされている、
請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記足場は、前記展開位置のある状態で、第1位置と、前記第1位置よりも前記本体部の高さ方向に低い位置にある第2位置との間で位置を変えることができるように構成されている、
請求項1又は請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記手すりは、前記展開位置の前記足場から立設された立設位置と、立設位置から前記足場に向けて倒伏した収納位置に切替可能とされ、
前記手すりは、前記足場が前記第2位置にある状態で前記収納位置に切替可能とされている、
請求項3に記載の作業機械。
【請求項5】
前記足場は、前記本体部の前後方向に延びる軸周りに回転することにより前記第1位置と前記第2位置とに切替可能に構成されている、
請求項3又は請求項4に記載の作業機械。
【請求項6】
前記足場の前記回転を阻止することが可能なストッパが設けられている、
請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
前記ストッパは、前記足場の、前記本体部から遠い側に配置されている、
請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記手すりは、前記足場と一体の手すり本体部と、前記手すり本体部と連結される補助手すりと、を有する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項9】
前記補助手すりは、前記足場が前記展開位置にある場合には前記手すり本体部からの突出長さが長くされ、前記足場が前記格納位置にある場合には前記手すり本体部からの突出長さが短くされる、
請求項8に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械に関し、特に足場を備える作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業機械の足場(キャットウォーク等ともいう。)を、作業機械の側面に近接した格納位置から作業機械の側方に張り出される展開位置に展開できるように構成された作業機械が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1には記載がないが、足場に、作業者の安全のために手すりを設置する場合がある。その際、作業機械の搬送時に足場から手すりを外したり、作業時に足場に手すりを取り付けたりすることが必要になる。
しかし、このように構成すると、足場への手すりの脱着作業が煩雑になるとともに、脱着作業に時間がかかる等の問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、手すりを備える足場を展開したり格納したりする作業を効率的に行うことが可能な作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る作業機械の一観点によれば、
作業機械の本体部と、
前記本体部に取り付けられ、前記作業機械の側方に設けられた足場と、
前記足場と一体に設けられた手すりと、
を備え、
前記足場は、前記作業機械の側方に張り出される展開位置と、前記作業機械の側面に近接した格納位置との間で回動可能に取り付けられており、
前記足場は、前記手すりと一体の状態で前記格納位置に格納可能とされている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手すりを備える足場を展開したり格納したりする作業を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る作業機械としてのクレーンの側面図である。
【
図3】補助手すりを手すり本体部に押し込んで補助手すりを下げた状態を表す図である。
【
図4】補助手すりを手すり本体部から引き抜いた状態を表す図である。
【
図5】手すりを足場から立てた状態のまま足場を回動させて格納した状態を表す図である。
【
図6】手すりを外側に倒した状態で足場を回動させて格納した状態を表す図である。
【
図7】手すりを足場に向けて倒伏するように収納した状態で足場を回動させて格納した状態を表す図である。
【
図8】(a)足場の構成を示す斜視図であり、(b)前端側のフレームを取り外した状態を表す側面図である。
【
図9】(a)ストッパを解除した状態を表す斜視図であり、(b)足場が回転軸周りに回転可能な状態になることを表す側面図である。
【
図10】(a)足場を回転軸周りに180度回転させて上下を反転させた状態を表す斜視図であり、(b)側面図である。
【
図11】手すりを回動させて倒して足場の上側の窪みに収納した状態を表す斜視図である。
【
図12】(a)ストッパを外向きに回動させた状態を表す斜視図であり、(b)側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る作業機械の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、作業機械がクローラクレーン(以下、単にクレーンという。)である場合について説明するが、本発明は、この他にも、ホイールクレーンやトラッククレーン等の他の移動式クレーンを含む各種クレーンにも適用可能である。また、本発明は、油圧ショベルやホイールローダ等の他の作業機械にも適用可能である。
【0010】
図1は、本実施形態に係る作業機械としてのクレーンの側面図である。
なお、以下、クレーンの上下、左右、前後の各方向にあわせて「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等という。
【0011】
図1に示すように、クレーン1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とを備えて構成されている。
上部旋回体3の前側には、ブーム4が起伏可能に取り付けられている。上部旋回体3の後部には、ブーム4及び吊荷との重量バランスをとるためのカウンタウエイト5が取り付けられる。
【0012】
ブーム4の起伏動作は図示しない起伏ウインチによる起伏ロープ6の巻き取り、巻き出しにより行われる。先端にフック7を備える巻き上げロープ8の巻き取り、巻き出しは図示しない巻上ウインチより行われる。
また、上部旋回体3の右前側にはキャブ9が配置されている。
【0013】
クレーン1の側方には、足場10が設けられている。なお、
図1等では、クレーン1や上部旋回体3の右側の側面に設けられた足場10のみが示されているが、足場10がクレーン1等の左側の側面等に設けられていてもよい。
足場10は、上部旋回体3に取り付けられている。本実施形態では、足場10は、上部旋回体3の側面下部に、前後方向に延在するように取り付けられている。また、足場10には、手すり11が足場10に一体に設けられている。
【0014】
なお、本実施形態では、クレーン1が本発明における作業機械に相当し、上部旋回体3が本発明における作業機械の本体部に相当する。そして、本体部とは、作業機械のうち足場が取り付けられる部分をいう。
そのため、「作業機械」には、本実施形態における下部走行体2のように「本体部」以外の部分が含まれる場合がある。しかし、作業機械によっては、作業機械が本体部以外の部分を含まず、作業機械自体が本体部である場合もある。
【0015】
図2以下の各図を用いて、本実施形態に係る作業機械1の足場10について具体的に説明する。
足場10は、クレーン1の側方に張り出される展開位置と、クレーン1の側面に近接した格納位置との間で回動可能に取り付けられている。
【0016】
図2は、展開位置にある足場10を表す図である。なお、
図2等では上部旋回体3が簡略化されて示されている。
図2に示すように、上部旋回体3に支持された回動軸Aを中心に足場10を上下方向に回動させることで、足場10をクレーン1の側方に張り出すように展開させることができるようになっている。
【0017】
手すり11は、展開位置において、足場10の、上部旋回体3の側面から最も離れた位置に設けられており、足場10から起立した状態で配置することができるようになっている。
本実施形態では、手すり11は、足場10と一体の手すり本体部11Aと、手すり本体部11Aの足場10とは反対側の部分で手すり本体部11Aと連結される補助手すり11Bと、を有している。また、手すり本体部11Aには、手すり本体部11Aの強度を補強するための補強板11Cが取り付けられている。
【0018】
本実施形態では、手すり本体部11Aと補助手すり11Bは、いずれも鉄製のパイプ材で形成されている。
また、補助手すり11Bは手すり本体部11Aより一回り細く形成されており、補助手すり11Bの端部を手すり本体部11A内に挿入して、補助手すり11Bを手すり本体部11Aに連結することができるようになっている。
【0019】
そして、本実施形態では、
図3に示すように、補助手すり11Bの手すり本体部11Aへの挿入長さを変えることで、手すり11の足場10からの高さを変えることができるようになっている。すなわち、補助手すり11Bの手すり本体部11Aからの突出長さを変えることができるようになっている。
また、補助手すり11Bを、
図4に示すように手すり本体部11Aから引き抜いたり、
図2に示したように挿入したりすることで、手すり本体部11Aに対して着脱可能に構成することも可能である。
【0020】
なお、補助手すり11Bを手すり本体部11Aから引き抜いた際、前述した補強板11Cが補助手すり11Bに取り付けられていると、補助手すり11Bが、補強板11Cの分だけ重くなり、補助手すり11Bが扱いにくくなる可能性がある。
図4に示すように、補強板11Cを手すり本体部11A側に設ければ、補助手すり11Bをより軽量にすることが可能となる。
【0021】
一方、前述したように、足場10は、手すり11と一体の状態で展開位置から格納位置に回動させることができるようになっており、クレーン1の側面に近接させて格納するようになっている。
その際、例えば
図5に示すように、手すり11を足場10から立てた状態のまま回動軸A周りに足場10を回動させて格納するように構成することが可能である。この場合、格納位置では、手すり11が上部旋回体3の上方に位置する状態になる。
【0022】
このように構成すると、足場10を回動させれば、手すり11が自動的に上部旋回体3の上方に位置する状態になる。より詳細には、手すり11は、エンジンや油圧ポンプ等が配置されているハウスの上方に位置している。つまり、足場10の幅は、ハウス上面までの高さよりも大きいので、足場を回転した時に、手すり11が上部旋回体の3のハウスに干渉しない。
そのため、足場10を回動させるだけで足場10と手すり11を同時に格納することが可能となる。
【0023】
また、足場10を回動させて足場10を展開させれば、手すり11が取り付けられた状態の足場10を設置することができる。
そのため、足場10に手すり11を取り付けたり外したりすることなく、手すり11を備える足場10を展開したり格納したりすることが可能となり、展開作業や格納作業を非常に効率的に行うことが可能となる。
【0024】
また、例えば
図2に示した状態で手すり11を回動させて外側に倒し、その状態で足場10を回動させて
図6に示すようにクレーン1の側面に近接させて格納するように構成することも可能である。
この場合、格納位置では、手すり11が足場10の上方に位置する状態になる。なお、その際、
図3に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aに押し込んで補助手すり11Bを下げたり、
図4に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aから引き抜いたりしてもよい。
【0025】
このように構成すると、足場10を回動させれば手すり11も同時に回動して上部旋回体3の側方に位置する状態になる。
そのため、足場10を回動させるだけで足場10と手すり11を同時に格納することが可能となる。
【0026】
また、足場10を回動させて足場10を展開させ、手すり11を起立させれば、足場10に手すり11が取り付けられた状態で設置することができる。
そのため、足場10に手すり11を取り付けたり外したりすることなく、手すり11を備える足場10を展開したり格納したりすることが可能となり、展開作業や格納作業を非常に効率的に行うことが可能となる。
【0027】
一方、例えば、手すり11を、クレーン1の側方に張り出された展開位置の足場10から立設された立設位置と、立設位置から足場10に向けて倒伏した収納位置に切り替えることができるように構成することも可能である。
そして、
図7に示すように、手すり11を足場10に向けて倒伏するように収納した状態で足場10を回動軸A周りに上向きに回動させることで、足場10をクレーン1の側面に近接させて格納するように構成することが可能である。
【0028】
以下、手すり11を足場10に向けて倒伏するように収納する仕方の一例やそのための構成例について、具体的に説明する。
まず、足場10等の構成例について説明する。
図8(a)は、足場10の構成を示す斜視図であり、
図8(b)は、後述する前端側のフレーム12を取り外した状態を表す側面図である。
【0029】
足場10は、グレーチング等の格子状の構造材で形成されている。
そして、足場10は、例えば鋼材や繊維強化プラスチック(FRP)等で構成することが可能である。足場10を繊維強化プラスチックで構成すれば、足場10が軽量になり、足場10の展開作業や格納作業を行いやすくなる。
【0030】
足場10の前端側及び後端側には、板状の各フレーム12がそれぞれ配置されている。
そして、各フレーム12の左右方向の一端側には、前述した回動軸Aがそれぞれ設けられている。
【0031】
また、各フレーム12の左右方向の他端側には、手すり11をフレーム12に回動可能に取り付けるための手すり回動軸13がそれぞれ設けられている。
なお、図示を省略するが、各フレーム12には、手すり回動軸13の部分やその近傍にピンやラッチ等の規制部材が設けられており、規制部材を操作することで手すり11が手すり回動軸13周りに回動できるようになったり回動が規制されたりするようになっている。
【0032】
足場10の左右方向(すなわち足場10の短手方向)の中心部分には、上部旋回体3(本体部)の前後方向に延びる足場10の回転軸14が設けられている。
具体的には、各フレーム12の内側(すなわち足場10に対向する側)に回転軸14がそれぞれ設けられている。
【0033】
また、足場10は、その前端部及び後端部(すなわち各フレーム12に対向する部分)がそれぞれ保持部材10Aで保持されている。
そして、保持部材10Aに回転軸14を受ける軸受10Bが形成されており、保持部材10Aがそれぞれ回転軸14を介して各フレーム12に回転可能に支持されている。
【0034】
そして、保持部材10Aは回転軸14周りに回転することで、足場10が、回転軸14周りに回転することができるようになっている。
なお、保持部材10Aや軸受10Bは、回転軸14が、足場10に対して、足場10の面方向(
図8(b)では左右方向)に対して面方向に直交する方向(
図8(b)では上下方向)にずれた位置に位置する状態になるように形成されている。
【0035】
各フレーム12の回動軸A側は、前後方向に延在する連結部材15で連結されている。
連結部材15は、足場10の左右方向の端部と係合する位置に配置されている。そのため、足場10は回転軸14周りに回転してその左右方向の端部が連結部材15の所まで回転すると、連結部材15に当接してそれ以上回転できない状態になる。
【0036】
また、連結部材15には、足場10が展開位置にある状態で、図示しない上部旋回体3に設けられた突状部材3Aが当接するようになっている。
そのため、前述したように足場10が回動軸A周りに回動して格納位置から展開位置に回動した際に連結部材15に突状部材3Aが当接するため、足場10がそれ以上下方に回動してしまうことが阻止され、足場10が展開位置に展開した状態が維持される。
【0037】
各フレーム12の手すり回動軸13側には、前後方向に延在する断面略矩形状(この例では一部が断面略コ字状)のストッパ16が設けられている。すなわちストッパ16は、足場10の、上部旋回体3から遠い側に配置されている。
ストッパ16の手すり回動軸13側には、ストッパ回動軸16Aが各フレーム12に回動可能に支持されている。そのため、ストッパ16はストッパ回動軸16A周り(すなわち前後方向に延在する軸周り)に回動することができるようになっている。
【0038】
また、上記のようにストッパ16を足場10の上部旋回体3から遠い側に配置すれば、ストッパ16を回動させるために作業員が足場10下方の奥側すなわちクレーン1や上部旋回体3に近い側に潜り込む必要がなくなり、作業がしやすくなる。
なお、図示を省略するが、前述した手すり11の場合と同様に、ストッパ16には、ストッパ回動軸16Aの部分やその近傍にピンやラッチ等の規制部材が設けられており、規制部材を操作することでストッパ16がストッパ回動軸16A周りに回動できるようになったり回動が規制されたりするようになっている。
【0039】
そして、ストッパ16は、ストッパ回動軸16A周りに回動されて
図8(b)に示すようにその先端側が足場10の回転軸14の方を向く状態に配置されている状態では、足場10が回転軸14周りに回転することを阻止することができるようになっている。
また、後述するように、ストッパ16をストッパ回動軸16A周りに回動させると、ストッパ16が解除されて足場10が回転軸14周りに回転することが可能となる(後述する
図9(b)参照)。
【0040】
次に、上記の構造の足場10に向けて倒伏するように手すり11を収納する仕方の一例について説明する。
図2や
図8(a)、(b)に示したように足場10がクレーン1の側方に張り出されて展開された状態で、
図3に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aに押し込んで補助手すり11Bを下げる。すなわち、補助手すり11Bの手すり本体部11Aからの突出長さを短くする。あるいは
図4に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aから引き抜いてもよい。
【0041】
続いて、
図9(a)、(b)に示すように、ストッパ16をストッパ回動軸16A周りに下向きに回動させてストッパ16を解除すると、
図9(b)に示すように、足場10が回転軸14周りに回転することができる状態になる。
続いて、足場10を回転軸14周りに180度回転させる。すなわち足場10を回転させて上下を反転させる。
【0042】
前述したように、回転軸14が足場10の面方向に直交する方向にずれた位置に位置している。
そのため、足場10は、回転軸14周りに180度回転すると、
図10(a)、(b)に示すように、
図8(a)、(b)に示した高い位置から低い位置に位置を変える。
【0043】
すなわち、
図8(a)、(b)に示した足場10の高い位置を第1位置、
図10(a)、(b)に示した足場10の低い位置を第2位置とすると、この例では、足場10は、展開位置のある状態で、第1位置と、第1位置よりも上部旋回体3の高さ方向(この場合は上下方向)に低い位置にある第2位置との間で位置を変えることができるように構成されている。
なお、第1位置は、足場10がその位置にあると足場10の上側を作業員等が歩行することができる位置であり、第2位置は、足場10がその位置にあると後述するように足場10の上側に窪みができ、そこに手すり11を収納することができる位置である。
【0044】
この例では、足場10を回転軸14周りに回転させることにより第1位置と第2位置との位置を変えることができるように構成されている。すなわち、足場10を、回転軸14周りに回転することにより第1位置と第2位置とに切り替えることができるように構成されている。
このようにして足場10の位置が第1位置より低い第2位置に変わると、
図10(a)、(b)に示すように、足場10の上側に、フレーム12や連結部材15で囲まれた窪みができる。
【0045】
続いて、このように足場10が第2位置にある状態で、手すり11を手すり回動軸13周りに回動させて倒して、
図11に示すように足場10の上側の窪みに収納する。
このように、上記の例では、足場10を回転軸14周りに回転させるなどして足場10の位置を第1位置からそれより低い第2位置に位置を変えて足場10の上側に窪みを形成し、そこに手すり11を収納するように構成される。
【0046】
そして、このように構成すると、手すり11を足場10が第2位置にある状態で収納位置に切り替えることが可能となる。
そのため、手すり11を足場10に向けて倒伏するようにコンパクトに収納することが可能となる。
【0047】
その際、
図3に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aに押し込んで手すり11の高さを低くしたり、
図4に示したように補助手すり11Bを手すり本体部11Aから引き抜いたりすることができるように構成してもよい。
このように構成されていれば、足場10の横幅に比べて手すり11の上下方向の長さが長い場合(すなわち手すり11が高い場合)でも、手すり11の上下方向の長さを短くして手すり11を足場10の上側の窪みに確実に収納させることが可能となる。
【0048】
続いて、
図12(a)、(b)に示すように、ストッパ16をストッパ回動軸16A周りに外向きに、すなわち手すり回動軸13側に回動させる。
ストッパ16をこのように回動させると、手すり11を
図12(a)、(b)に示した状態から手すり回動軸13周りに回動させて足場10に対して起立させようとしても、ストッパ16が邪魔になって起立させることができなくなる。
【0049】
そのため、
図12(a)、(b)に示したように、収納された手すり11が足場10に向けて倒伏した状態が維持され、足場10の格納作業や展開作業時に不意に足場10に対して手すり11が起立してしまうことがなくなり、安定して作業を行うことが可能となる。
また、このようにストッパ16をストッパ回動軸16A周りに外向きに回動させることで、ストッパ16がフレーム12よりも下側に突出しないようになる。
【0050】
続いて、
図12(a)、(b)に示したように手すり11を収納した足場10を回動軸A周りに上向きに回動させることで、
図7に示したように足場10をクレーン1の側面に近接させて格納することが可能となる。
その際、上記のように展開位置でストッパ16がフレーム12よりも下側に突出しないようになっていると、足場10を格納した際に、ストッパ16が足場10から左右方向に突出しない状態になり、足場10をコンパクトに格納することが可能となる。
【0051】
なお、以上の各操作を逆に行うことで、クレーン1の側面に近接した格納位置に格納されている足場10を回動させて、クレーン1の側方に張り出して展開させることができる。
そして、展開位置で、足場10から手すり11を立設させることが可能となる。
【0052】
その際、補助手すり11Bを手すり本体部11Aから引き出すなどして、
図2等に示したように、補助手すり11Bの手すり本体部11Aからの突出長さを長くする。
このように、上記の例では、補助手すり11Bは、足場10が展開位置にある場合には手すり本体部11Aからの突出長さが長くされ、足場10が格納位置にある場合には手すり本体部11Aからの突出長さが短くされるようになっている。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る作業機械(クレーン1)によれば、手すり11と一体の状態で足場10を回動させて作業機械の側方に張り出して展開させたり、足場10を回動させて作業機械の側面に近接させて格納することが可能となる。
そのため、作業機械の搬送時に足場10から手すり11を外したり、作業時に足場10に手すり11を取り付けたりする必要がなくなり、手すり11を備える足場10を展開したり格納したりする作業を効率的に行うことが可能となる。
【0054】
なお、上記の実施形態では、足場10が展開位置のある状態で、足場10を、第1位置と、第1位置よりも上部旋回体3の高さ方向に低い位置にある第2位置との間で位置を変えることができるように構成されている場合を示した。
しかし、この他にも、例えば、足場10を、第1位置から上下方向に平行移動させて第2位置に位置を変えるように構成することも可能である。
【0055】
また、上記の実施形態では、足場10を第1位置から第2位置に位置を変え、手すり11を第2位置の足場10に向けて倒伏させて足場10の上側に収納する場合について説明した。
しかし、この他にも、例えば、足場10が第1位置にある状態のまま、手すり11を、上記とは逆向きに回動させて(すなわち例えば
図10(b)に示した状態から反時計回りに回動させて)、足場10の下側の窪みに収納するように構成してもよい。このように構成すれば、足場10の位置を第1位置から第2位置に変える作業が不要になる。
【0056】
一方、上記の実施形態では、展開位置にある足場10を回動軸A周りに上向きに回動させて(すなわち足場10の回動軸Aとは反対側の手すり11が設けられている側が上方に移動するように足場10を回動させて)クレーン1(作業機械)の側面に近接させて格納する場合について説明した。
しかし、展開位置にある足場10を下向きに回動させて(すなわち足場10の回動軸Aとは反対側が下方に移動するように足場10を回動させて)クレーン1(作業機械)の側面に近接させて格納するように構成することも可能である。その際、上記のように手すり11を足場10の窪みに収納した状態で足場10を下向きに回動させてもよく、あるいは下向きに回動させた足場10の下側に手すり11が取り下げられた状態としてもよい。
【0057】
また、本発明が上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
1 クレーン(作業機械)
3 上部旋回体(本体部)
10 足場
11 手すり
11A 手すり本体部
11B 補助手すり
14 回転軸
16 ストッパ