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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145834
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
A61L9/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052696
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】松本 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】松岡 俊介
(72)【発明者】
【氏名】石黒 真衣
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA10
4C180CA06
4C180EA58X
4C180GG17
4C180HH01
4C180HH05
4C180LL11
(57)【要約】
【課題】小物に活性酸素種を集中的に送風し除菌を行うスポット除菌と、部屋全体を除菌する空間除菌を行うことができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】吸気口7と吹出口8とを有する本体ケース2と、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、吸気口から吸い込んだ空気を、気液接触部分21を介して、吹出口8へ送風する送風機3と、小物を収納可能な中空である収納部材30と、を有し、収納部材30は、吹出口8に着脱自在であり、収納部材30を吹出口8に装着すると吹出口8から吹き出す空気が収納部材30内に入ることを特徴とする空気浄化装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、
活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、
前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記気液接触部分を介して、前記吹出口へ送風する送風機と、
小物を収納可能な中空である収納部材と、を有し、
前記収納部材は、前記吹出口に着脱自在であり、
前記収納部材を前記吹出口に装着すると前記吹出口から吹き出す空気が前記収納部材内に入ることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
前記収納部材は、筒形状のダクト部と、
前記ダクトにおける一方側に設けた着脱部と、
前記ダクトにおける他方側に設けた前記小物を収納可能な袋部と、を有し、
前記袋部には前記袋部内に送風された空気が吹き出す吐出口を設け、
前記着脱部は、前記吹出口に着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項3】
前記着脱部は、前記吹出口の一部を覆うことを特徴とする請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記着脱部は、前記着脱部によって覆われていない前記吹出口の開口面積を調整する開口調整部を有することを特徴とする請求項3に記載の空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気浄化装置は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、吸気口から吸い込んだ空気を、気液接触部分を介して、吹出口へ送風する送風機とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-52699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来例の空気浄化装置は、吹出口から部屋全体に広がるように活性酸素種を含む空気を送風するので、おもちゃ等の小物に集中して送風し、除菌することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記気液接触部分を介して、前記吹出口へ送風する送風機と、小物を収納可能な中空である収納部材と、を有し、前記収納部材は、前記吹出口に着脱自在であり、前記収納部材を前記吹出口に装着すると前記吹出口から吹き出す空気が前記収納部材内に入ることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明は、収納部材は、吹出口に着脱自在なので、収納部材を吹出口に装着すると、収納部材に入れた小物に活性酸素種を集中的に送風し、除菌を行うスポット除菌を行うことができ、収納部材を吹出口から外すと、空気浄化装置を置いた部屋全体を除菌する空間除菌を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態1の空気浄化装置の斜視図
図2】同空気浄化装置の断面図
図3】同空気浄化装置のタンク部材の斜視図
図4】同空気浄化装置の気液接触部分の斜視図
図5】同空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図
図6】同空気浄化装置の収納部材の斜視図
図7】同空気浄化装置に収納部材を装着した断面図
図8】同空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図
図9】同空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置の斜視図であり、空気浄化装置を前面側から見た図である。図2は、空気浄化装置を右側から見た断面図である。
【0009】
なお、以下では、図1に示すように空気浄化装置が設置された状態(以下「設置状態」ともいう)での鉛直方向を上下方向として、水平方向を左右方向として記載する場合がある。また、以下では、設置状態において、空気浄化装置の、パネルが設けられている側の面を「前面」とし、空気浄化装置の前面に対向する面を「背面」とし、空気浄化装置の前面側から見て右側の側面を「右側面」、左側の側面を「左側面」とする。
【0010】
以下、空気浄化装置の詳細な構成について説明する。図1図2に示すように、本実施の形態の空気浄化装置1は、略箱形状の本体ケース2と、送風機3と、空気浄化部4と、制御部5と、操作部6とを備える。
【0011】
本体ケース2には、略箱形状であり、吸気口7と、吹出口8と、を有している。
【0012】
吸気口7は、本体ケース2における両側面(左右側面)に配置されている。
【0013】
吹出口8は、開閉式であって、本体ケース2の天面に設けられている。なお、図1図2では、吹出口8は開いた状態である。本体ケース2の天面における前面側には、操作部6が設けられている。
【0014】
本体ケース2の前面には、開閉可能なパネル9が設けられている。
【0015】
パネル9を開くと、空気浄化部4の一部であり、後述する貯水容器19と、タンク部材20と、気液接触部分21を本体ケース2外へ取り出すことが出来る。
【0016】
本体ケース2内には、吸気口7と吹出口8とを連通する風路12が設けられている。風路12には、吸気口7から順に、空気浄化部4の一部であり、後述する貯水容器19と、気液接触部分21、送風機3、吹出口8が設けられている。
【0017】
送風機3は、本体ケース2の中央部に設けられ、モータ部(図示せず)と、モータ部により回転するファン部14と、それらを囲むスクロール形状のケーシング部15とを備えている。
【0018】
モータ部は、ケーシング部15に固定されている。
【0019】
ファン部14は、シロッコファンで、モータ部(図示せず)から水平方向に延びた回転軸(図示せず)に固定されている。
【0020】
ケーシング部15には、吐出口17と、吸込口18とが設けられている。吐出口17は、ケーシング部15の本体ケース2における上面側に設けられている。また、吸込口18は、ケーシング部15の本体ケース2における背面側に設けられている。
【0021】
空気浄化部4は、貯水容器19と、タンク部材20と、気液接触部分21と、電解ユニット22とを備えている。
【0022】
貯水容器19は、天面に開口が設けられた箱形状をしており、水を貯水できる構造となっている。貯水容器19は、本体ケース2の下部に配置されており、水平方向にスライドして着脱可能となっている。貯水容器19は、タンク部材20から供給される水を貯水する。
【0023】
図3は、本発明の実施の形態1のタンク部材の斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1の気液接触部分21の斜視図であり、貯水容器19にフィルター26とフィルター枠27を装着した状態である。
【0024】
図3図4に示すように、タンク部材20は、本体ケース2内部の下部に設置され貯水容器19から着脱可能な構造となっている。タンク部材20は、貯水容器19の底面に設けられたタンク保持部23に装着されている。タンク部材20は、水を貯水するタンク24と、タンク24の開口(図示せず)に設けられた蓋25とを備えている。蓋25の中央には、開閉部(図示せず)が設けられており、この開閉部が開くと、タンク24内の水が、貯水容器19へ供給される。具体的には、タンク24の開口を下向きにして、タンク部材20を貯水容器19のタンク保持部23に取り付けると、タンク保持部23によって開閉部が開く。つまり、タンク部材20に水を入れてタンク保持部23に取り付けると、開閉部が開いてタンク部材20から貯水容器19に給水され、貯水容器19内に水が溜まる。貯水容器19内の水位が上昇して水が蓋25のところまで到達するとタンク部材20の開口が水封されるので給水が停止する。タンク部材20の内部には水が残っており、貯水容器19内の水位が下がった場合に都度、タンク24内部の水が貯水容器19に給水される。即ち、貯水容器19内の水位は一定に保たれる。
【0025】
気液接触部分21は、貯水容器19に貯水された水と、送風機3によって本体ケース2内に吸込まれた室内空気とを接触させる部材である。気液接触部分21は、フィルター26と、フィルター枠27と、駆動部(図示せず)とを有している。
【0026】
フィルター26は、円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔が設けられた構成である。フィルター26は、フィルター26の一端が貯水容器19の水に浸漬するように、フィルター枠27に装着されている。
【0027】
フィルター枠27は、貯水容器19に設けられた軸受け部28に回転支持されている。フィルター26とフィルター枠27とは、駆動部によって回転する構造となっている。
【0028】
図2に示すように、電解ユニット22は、本体ケース2に上下方向に移動可能に設けられている。図2は、電解ユニット22は、下方に移動された状態である。電解ユニット22は、第1の電極(図示せず)と、第2の電極(図示せず)とを有する。貯水容器19を、本体ケース2の下部に装着し、電解ユニット22を下方に移動させると、第1の電極と第2の電極とを貯水容器19内に浸らせた状態となる。第1の電極と第2の電極とを貯水容器内に浸らせた状態で第1の電極と第2の電極に電圧を印加すると、使用者によって投入された電解促進溶剤(図示せず)が入った貯水容器19内の水を電気化学的に処理するものである。なお、電解促進溶剤の一例は、塩化ナトリウムであり、電解ユニットによって、塩化ナトリウム水溶液から次亜塩素酸が発生する。
【0029】
制御部5は、電解ユニット22と、気液接触部分21(駆動部)と、送風機3(モータ部)とを制御する。具体的には、制御部5は、操作部6の操作に応じて、電解ユニット22である第1の電極と第2の電極に印加する電圧、気液接触部分21である駆動部の動作、送風機3であるファン部14の回転数などを制御する。送風機3のモータ部によってファン部14が回転すると、風路に送風される風路12では、ファン部14が回転すると、吸気口7から本体ケース2内に入った外部の空気は、順に、空気浄化部4(貯水容器19、フィルター26)、送風機3、吹出口8を介して、本体ケース2から吹き出される。
【0030】
図5は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置の収納部材の斜視図である。図7は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置に収納部材を装着した断面図である。
【0031】
図5図6図7に示すように、本実施形態における特徴は、小物を収納可能な中空である収納部材30を有し、収納部材30は、吹出口8に着脱自在であり、収納部材30を吹出口8に装着すると吹出口8から吹き出す空気が収納部材30内に入る点である。
【0032】
具体的には、収納部材30は、ダクト部31と、着脱部32と、袋部33と、を有している。
【0033】
ダクト部31は、内部が風路となる筒形状であり、ダクト部31における一方側の開口端には着脱部32を有し、ダクト部31における他方側の開口端には小物を収納可能な袋部33を有している。ダクト部31は、着脱部32と袋部33とを連通し、吹出口8から着脱部32に吹き出した空気は、ダクト部31を介して、袋部33へ流れ込む。
【0034】
着脱部32は、中心軸が上下方向に延びる横長四角筒形状の吹出口8に着脱可能な構造である。着脱部32は、下面が開口した横長箱形状であり、上面には第1孔34を有している。第1孔34からは、ダクト部31が延びている。着脱部32は、横長四角筒形状の吹出口8より一回り小さい大きさであり、横長四角筒形状の吹出口8の上部開口から着脱部を吹出口8内に挿入すると、吹出口8内に嵌る構成である。
【0035】
袋部33は、略箱形状であり、上面には、開閉自在な開口部35を有している。開口部35から小物を出し入れすることが出来る。袋部33の一方側の側面には孔36を有し、孔36からはダクト部31が延び、袋部33の他方側の側面には袋部33内に送風された空気が吹き出す吐出口37を有している。吹出口8から吹き出した次亜塩素酸を含む空気は、着脱部32とダクト部31とを順次介して、袋部33内へ流れ込み、袋部33内の小物を除菌し、吐出口37から室内に流れ出す。なお、ダクト部31の一方側の開口端は、着脱部32の第1孔34に着脱自在であり、ダクト部31の他方側の開口端は、袋部33の孔36に着脱自在である。
【0036】
このように、収納部材30は、吹出口8に着脱自在なので、収納部材30を吹出口8に装着すると、収納部材30に入れた小物に次亜塩素酸を集中的に送風し、除菌を行うスポット除菌を行うことができる。また、収納部材30を吹出口8から外すと、空気浄化装置を置いた部屋全体を除菌する空間除菌を行うことができる。
【0037】
図8は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図であり、開口調整部39が開いた状態である。図9は、本発明の実施の形態1の空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図であり、開口調整部39が閉じた状態である。
【0038】
また、図8図9に示すように、着脱部32は、吹出口8の一部を覆う構成である。着脱部32は、上面には第2孔38を有している。これにより、吹出口8から着脱部32内に流れ込んだ次亜塩素酸を含む空気の一部は、第1孔34からダクト部31を介して、袋部33内へ流れ込み、袋部33内の小物を除菌し、吐出口37から室内に流れ出す。同様に、吹出口8から着脱部32内に流れ込んだ次亜塩素酸を含む空気の一部は、第2孔38を介して室内に流れ出す。このように、室内の空気を浄化しながら、収納部材内の小物も同時に除菌できる。
【0039】
また、着脱部32は、着脱部32によって覆われていない吹出口8の開口面積を調整する開口調整部39を有する。つまり、開口調整部39は、着脱部32の第2孔38の開口面積を調整する。具体的には、開口調整部39は、スライド板40と、ツマミ41と、を有している。スライド板40は、略板形状であり、第2孔38に左右方向に移動可能に着脱部32に設けられている。ツマミ41は、スライド板の上面から上方に突出した突起である。ツマミを掴んで左右方向に移動させることによって、第2孔38の開口面積を調整することができる。
【0040】
このように、着脱部の第2孔の開口面積を調整することによって、収納部材内へ流れ込む風量を調整でき、除菌時間を調整できる。袋部内の小物を速く除菌したい場合には、第2孔の開口面積を狭め、袋部内へ流れ込む風量を多くすることで除菌時間を短くすることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明にかかる空気浄化装置は、家庭用や事務所用などに使用される空気浄化装置等として有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 空気浄化装置
2 本体ケース
3 送風機
4 空気浄化部
5 制御部
6 操作部
7 吸気口
8 吹出口
9 パネル
12 風路
14 ファン部
15 ケーシング部
17 吐出口
18 吸込口
19 貯水容器
20 タンク部材
21 気液接触部分
22 電解ユニット
23 タンク保持部
24 タンク
25 蓋
26 フィルター
27 フィルター枠
28 軸受け部
30 収納部材
31 ダクト部
32 着脱部
33 袋部
34 第1孔
35 開口部
36 孔
37 吐出口
38 第2孔
39 開口調整部
40 スライド板
41 ツマミ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9