特開 2023-145836 空気浄化装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023145836

(43)【公開日】2023-10-12

(54)【発明の名称】空気浄化装置

(51)【国際特許分類】

   A61L 9/01 20060101AFI20231004BHJP

   F24F 8/133 20210101ALI20231004BHJP

   F24F 8/24 20210101ALI20231004BHJP

   F24F 8/80 20210101ALI20231004BHJP

   F24F 11/65 20180101ALI20231004BHJP

   A61L 2/20 20060101ALI20231004BHJP

【ＦＩ】

A61L9/01 E

F24F8/133

F24F8/24

F24F8/80 260

F24F8/80 254

F24F11/65

A61L2/20

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022052698

(22)【出願日】2022-03-29

(71)【出願人】

【識別番号】314012076

【氏名又は名称】パナソニックＩＰマネジメント株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100106116

【弁理士】

【氏名又は名称】鎌田 健司

(74)【代理人】

【識別番号】100131495

【弁理士】

【氏名又は名称】前田 健児

(72)【発明者】

【氏名】松本 俊彦

(72)【発明者】

【氏名】松岡 俊介

(72)【発明者】

【氏名】石黒 真衣

【テーマコード（参考）】

3L260

4C058

4C180

【Ｆターム（参考）】

3L260AB18

3L260BA09

3L260CB62

4C058AA26

4C058BB07

4C058DD11

4C058EE26

4C058JJ06

4C058JJ16

4C058JJ26

4C180AA07

4C180AA16

4C180CB05

4C180CB08

4C180EA16X

4C180EA23X

4C180EA58X

4C180FF07

4C180HH01

4C180HH05

4C180KK05

4C180LL12

4C180LL15

(57)【要約】

【課題】収納部材内から小物を取り出す時に、収納部材内の活性酸素種である次亜塩素酸の臭いを感じることを抑制できる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】空気浄化装置は、吸気口７と、気液接触部分２１と、吹出口８とを順次連通する第１風路１２ａと、吸気口７と吹出口８とを順次連通する第２風路１２ｂと、を有している。制御部５は、使用者が吹出口８から収納部材４０を外した状態で、送風機３を運転する通常運転モードと、使用者が吹出口８に収納部材４０を装着した状態で、送風機３を運転するスポット運転モードと、を備えている。スポット運転モード時には、制御部５は、開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を狭め、送風機３を第１所定時間運転させ、次に開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を広げ、送風機３を第２所定時間運転させることを特徴とする。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、
活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、
前記吸気口と、前記気液接触部分と、前記吹出口とを順次連通する第１風路と、
前記吸気口と前記吹出口とを順次連通する第２風路と、
前記第２風路の開口面積を調整する開口調整部と、
前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記第１風路と前記第２風路とへ送風する送風機と、
小物を収納可能な中空である収納部材と、
前記送風機と前記開口調整部とを制御する制御部と、を有し、
前記収納部材は、前記吹出口に着脱自在であり、前記収納部材を前記吹出口に装着すると前記吹出口から吹き出す空気が前記収納部材内に入り、
前記収納部材には前記収納部材内に送風された空気が吹き出す吐出口を設け、
前記制御部は、
使用者が前記吹出口から前記収納部材を外した状態で、前記送風機を運転する通常運転モードと、
使用者が前記吹出口に前記収納部材を装着した状態で、前記送風機を運転するスポット運転モードと、を備え、
前記スポット運転モード時には、前記制御部は、前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を狭め、前記送風機を第１所定時間運転させ、次に前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を広げ、前記送風機を第２所定時間運転させることを特徴とする空気浄化装置。

【請求項2】

前記吹出口には、前記収納部材が装着されたことを検知する検知部を有し、
前記制御部は、前記検知部が前記吹出口に前記収納部材が装着されたことを検知すると前記スポット運転モードが可能となることを特徴とする請求項１に記載の空気浄化装置。

【請求項3】

前記第２所定時間は、前記第１所定時間より長いことを特徴とする請求項１または２に記載の空気浄化装置。

【請求項4】

前記制御部は、
前記スポット運転モード時には、前記制御部は、前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を狭め、前記送風機を前記第１所定時間運転させ、次に前記送風機の運転停止しを第３所定時間継続し、次に前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を広げ、前記送風機を前記第２所定時間運転させることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の空気浄化装置。

【請求項5】

前記吹出口の上流側には風向を変更する風向変更部を有し、
前記風向変更部は、前記吹出口を開閉可能であり、
前記スポット運転モード時において前記第３所定時間前記送風機の運転停止時には、前記風向変更部は前記吹出口を閉じることを特徴とする請求項４に記載の空気浄化装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、空気浄化装置に関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来の空気浄化装置は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、吸気口から吸い込んだ空気を、気液接触部分を介して、吹出口へ送風する送風機とを有している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１２－５２６９９号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

このような従来例の空気浄化装置は、吹出口から部屋全体に広がるように活性酸素種を含む空気を送風するので、おもちゃ等の小物に集中して送風し、除菌することが困難であるという課題がある。

【課題を解決するための手段】

【0005】

そして、この目的を達成するために、本発明は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分と、前記吸気口と、前記気液接触部分と、前記吹出口とを順次連通する第１風路と、前記吸気口と前記吹出口とを順次連通する第２風路と、前記第２風路の開口面積を調整する開口調整部と、前記吸気口から吸い込んだ空気を、前記第１風路と前記第２風路とへ送風する送風機と、小物を収納可能な中空である収納部材と、前記送風機と前記開口調整部とを制御する制御部と、を有し、前記収納部材は、前記吹出口に着脱自在であり、前記収納部材を前記吹出口に装着すると前記吹出口から吹き出す空気が前記収納部材内に入り、前記収納部材には前記収納部材内に送風された空気が吹き出す吐出口を設け、前記制御部は、使用者が前記吹出口から前記収納部材を外した状態で、前記送風機を運転する通常運転モードと、使用者が前記吹出口に前記収納部材を装着した状態で、前記送風機を運転するスポット運転モードと、を備え、前記スポット運転モード時には、前記制御部は、前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を狭め、前記送風機を第１所定時間運転させ、次に前記開口調整部によって前記第２風路の開口面積を広げ、前記送風機を第２所定時間運転させることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。

【発明の効果】

【0006】

以上のように本発明は、収納部材に入れた小物の除菌であるスポット除菌を行うことができ、使用者が、収納部材内から小物を取り出す時に、収納部材内の活性酸素種である次亜塩素酸の臭いを感じることを抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【0007】

【図1】本発明の実施の形態１の空気浄化装置の斜視図

【図2】同空気浄化装置の断面図

【図3】同空気浄化装置のタンク部材の斜視図

【図4】同空気浄化装置の気液接触部分の斜視図

【図5】同空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図

【図6】同空気浄化装置の収納部材の斜視図

【図7】同空気浄化装置に収納部材を装着した断面図

【図8】同空気浄化装置に収納部材を装着した断面図

【発明を実施するための形態】

【0008】

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

【0009】

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１の空気浄化装置の斜視図であり、空気浄化装置を前面側から見た図である。図２は、空気浄化装置を右側から見た断面図である。

【0010】

なお、以下では、図１に示すように空気浄化装置が設置された状態（以下「設置状態」ともいう）での鉛直方向を上下方向として、水平方向を左右方向として記載する場合がある。また、以下では、設置状態において、空気浄化装置の、パネルが設けられている側の面を「前面」とし、空気浄化装置の前面に対向する面を「背面」とし、空気浄化装置の前面側から見て右側の側面を「右側面」、左側の側面を「左側面」とする。

【0011】

以下、空気浄化装置の詳細な構成について説明する。図１、図２に示すように、本実施の形態の空気浄化装置１は、略箱形状の本体ケース２と、送風機３と、空気浄化部４と、制御部５と、操作部６とを備える。

【0012】

本体ケース２には、略箱形状であり、吸気口７と、吹出口８と、を有している。

【0013】

吸気口７は、本体ケース２における両側面（左右側面）に配置されている。

【0014】

吹出口８は、開閉式であって、本体ケース２の天面に設けられている。なお、図１、図２では、吹出口８は開いた状態である。本体ケース２の天面における前面側には、操作部６が設けられている。

【0015】

本体ケース２の前面には、開閉可能なパネル９が設けられている。

【0016】

パネル９を開くと、空気浄化部４の一部であり、後述する貯水容器１９と、タンク部材２０と、気液接触部分２１を本体ケース２外へ取り出すことが出来る。

【0017】

本体ケース２内には、吸気口７と吹出口８とを連通する第１風路１２ａが設けられている。第１風路１２ａには、吸気口７から順に、空気浄化部４の一部であり、後述する貯水容器１９と、気液接触部分２１、送風機３、吹出口８が設けられている。

【0018】

送風機３は、本体ケース２の中央部に設けられ、モータ部（図示せず）と、モータ部により回転するファン部１４と、それらを囲むスクロール形状のケーシング部１５とを備えている。

【0019】

モータ部は、ケーシング部１５に固定されている。

【0020】

ファン部１４は、シロッコファンで、モータ部（図示せず）から水平方向に延びた回転軸（図示せず）に固定されている。

【0021】

ケーシング部１５には、吐出口１７と、吸込口１８とが設けられている。吐出口１７は、ケーシング部１５の本体ケース２における上面側に設けられている。また、吸込口１８は、ケーシング部１５の本体ケース２における背面側に設けられている。

【0022】

空気浄化部４は、貯水容器１９と、タンク部材２０と、気液接触部分２１と、電解ユニット２２とを備えている。

【0023】

貯水容器１９は、天面に開口が設けられた箱形状をしており、水を貯水できる構造となっている。貯水容器１９は、本体ケース２の下部に配置されており、水平方向にスライドして着脱可能となっている。貯水容器１９は、タンク部材２０から供給される水を貯水する。

【0024】

図３は、本発明の実施の形態１のタンク部材の斜視図である。図４は、本発明の実施の形態１の気液接触部分２１の斜視図であり、貯水容器１９にフィルター２６とフィルター枠２７を装着した状態である。

【0025】

図３、図４に示すように、タンク部材２０は、本体ケース２内部の下部に設置され貯水容器１９から着脱可能な構造となっている。タンク部材２０は、貯水容器１９の底面に設けられたタンク保持部２３に装着されている。タンク部材２０は、水を貯水するタンク２４と、タンク２４の開口（図示せず）に設けられた蓋２５とを備えている。蓋２５の中央には、開閉部（図示せず）が設けられており、この開閉部が開くと、タンク２４内の水が、貯水容器１９へ供給される。具体的には、タンク２４の開口を下向きにして、タンク部材２０を貯水容器１９のタンク保持部２３に取り付けると、タンク保持部２３によって開閉部が開く。つまり、タンク部材２０に水を入れてタンク保持部２３に取り付けると、開閉部が開いてタンク部材２０から貯水容器１９に給水され、貯水容器１９内に水が溜まる。貯水容器１９内の水位が上昇して水が蓋２５のところまで到達するとタンク部材２０の開口が水封されるので給水が停止する。タンク部材２０の内部には水が残っており、貯水容器１９内の水位が下がった場合に都度、タンク２４内部の水が貯水容器１９に給水される。即ち、貯水容器１９内の水位は一定に保たれる。

【0026】

気液接触部分２１は、貯水容器１９に貯水された水と、送風機３によって本体ケース２内に吸込まれた室内空気とを接触させる部材である。気液接触部分２１は、フィルター２６と、フィルター枠２７と、駆動部（図示せず）とを有している。

【0027】

フィルター２６は、円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔が設けられた構成である。フィルター２６は、フィルター２６の一端が貯水容器１９の水に浸漬するように、フィルター枠２７に装着されている。

【0028】

フィルター枠２７は、貯水容器１９に設けられた軸受け部２８に回転支持されている。フィルター２６とフィルター枠２７とは、駆動部によって回転する構造となっている。

【0029】

図２に示すように、電解ユニット２２は、本体ケース２に上下方向に移動可能に設けられている。図２は、電解ユニット２２は、下方に移動された状態である。電解ユニット２２は、第１の電極（図示せず）と、第２の電極（図示せず）とを有する。貯水容器１９を、本体ケース２の下部に装着し、電解ユニット２２を下方に移動させると、第１の電極と第２の電極とを貯水容器１９内に浸らせた状態となる。第１の電極と第２の電極とを貯水容器内に浸らせた状態で第１の電極と第２の電極に電圧を印加すると、使用者によって投入された電解促進溶剤（図示せず）が入った貯水容器１９内の水を電気化学的に処理するものである。なお、電解促進溶剤の一例は、塩化ナトリウムであり、電解ユニットによって、塩化ナトリウム水溶液から次亜塩素酸が発生する。

【0030】

制御部５は、電解ユニット２２と、気液接触部分２１（駆動部）と、送風機３（モータ部）とを制御する。具体的には、制御部５は、操作部６の操作に応じて、電解ユニット２２である第１の電極と第２の電極に印加する電圧、気液接触部分２１である駆動部の動作、送風機３であるファン部１４の回転数などを制御する。送風機３のモータ部によってファン部１４が回転すると、風路に送風される第１風路１２ａでは、ファン部１４が回転すると、吸気口７から本体ケース２内に入った外部の空気は、順に、空気浄化部４（貯水容器１９、フィルター２６）、送風機３、吹出口８を介して、本体ケース２から吹き出される。

【0031】

以上の構成のように、図２に示すように、空気浄化装置は、吹出口８と吸気口７とを有する本体ケース２と、水を貯水する貯水容器１９と、貯水容器１９の水に一部が浸漬されたフィルター２６と、吸気口７から吸い込んだ空気を、フィルター２６を介して、吹出口８へ送風する送風機３と、を有している。複数の吸気口７は、本体ケース２における左右方向において対向した側面の上部に設けられ、フィルター２６は、本体ケース２における下部に配置されている。送風機３によって吸気口７から吸い込まれた空気は、吸気口７から下方へ流れ、次にフィルター２６における一方側の面である風上面２６ａから横方向に進み、フィルター２６における他方側の面である風下面２６ｂへ流れ、風下面２６ｂを通過した空気は、上方に進み、送風機３の吸込口１８へ流れる。吸気口７からフィルター２６の風上面２６ａまでの風路であるフィルタ上流側風路２９と、フィルター２６の風下面２６ｂから送風機３の吸込口１８までの風路であるフィルタ下流側風路３０と、を分離する分離板３１を有している。送風機３は、フィルタ上流側風路２９側に配置され、分離板３１は、送風機３の吸込口１８を有する吸込口面１８ｂの周縁から、本体ケース２の吸気口７を有する本体ケース２の両側面および下方に延びている。送風機３の吸込口１８は、左右方向における中央部に配置されている。

【0032】

図５は、本発明の実施の形態１の空気浄化装置に収納部材を装着した斜視図である。図６は、本発明の実施の形態１の空気浄化装置の収納部材の斜視図である。図７は、本発明の実施の形態１の空気浄化装置に収納部材を装着し、開口調整部が閉じた状態の断面図である。図８は、本発明の実施の形態１の空気浄化装置に収納部材を装着し、開口調整部が開いた状態の断面図である。

【0033】

図５、図６、図７、図８に示すように、空気浄化装置１は、吸気口７と吹出口８とを有する本体ケース２と、活性酸素種を含む水と空気とを接触させる気液接触部分２１と、吸気口７と気液接触部分２１と吹出口８とを順次連通する第１風路１２ａと、吸気口７と吹出口８とを順次連通する第２風路１２ｂと、吸気口７から吸い込んだ空気を、第１風路１２ａと第２風路１２ｂとへ送風する送風機３と、を有している。第２風路１２ｂを通過する空気は、気液接触部分２１を介さないので、第１風路１２ａを通過する空気に比べて、活性酸素種を含む水分が少ない空気である。

【0034】

更に、第２風路１２ｂの開口面積を調整する開口調整部３２と、小物を収納可能な中空である収納部材４０と、送風機３と開口調整部３２とを制御する制御部５と、を有している。

【0035】

開口調整部３２は、連通開口３３と、開閉板３４とを有する。連通開口３３は、分離板３１の下部に設けられ、フィルタ上流側風路２９とフィルタ下流側風路３０とを連通する横長四角形状である開口である。開閉板３４は、本体ケース２に回動自在に設けられ、連通開口３３の開口面積を調整する。

【0036】

図５、図６に示すように、収納部材４０は、吹出口８に着脱自在であり、収納部材４０を吹出口８に装着すると吹出口８から吹き出す空気が収納部材４０内に入る。収納部材４０には収納部材４０内に送風された空気が吹き出す吐出口４１を有している。

【0037】

具体的には、収納部材４０は、ダクト部４２と、着脱部４３と、袋部４４と、を有している。

【0038】

ダクト部４２は、内部が風路となる筒形状であり、ダクト部４２における一方側の開口端には着脱部４３を有し、ダクト部４２における他方側の開口端には小物を収納可能な袋部４４を有している。ダクト部４２は、着脱部４３と袋部４４とを連通し、吹出口８から着脱部４３に吹き出した空気は、ダクト部４２を介して、袋部４４へ流れ込む。

【0039】

着脱部４３は、中心軸が上下方向に延びる横長四角筒形状の吹出口８に着脱可能な構造である。着脱部４３は、下面が開口した横長箱形状であり、上面には第１孔４５を有している。第１孔４５からは、ダクト部４２が延びている。着脱部４３は、横長四角筒形状の吹出口８より一回り小さい大きさであり、横長四角筒形状の吹出口８の上部開口から着脱部を吹出口８内に挿入すると、吹出口８内に嵌る構成である。

【0040】

袋部４４は、略箱形状であり、上面には、開閉自在な開口部４６を有している。開口部４６から小物を出し入れすることが出来る。袋部４４の一方側の側面には孔４７を有し、孔４７からはダクト部４２が延び、袋部４４の他方側の側面には袋部４４内に送風された空気が吹き出す吐出口４１を有している。吹出口８から吹き出した次亜塩素酸を含む空気は、着脱部４３とダクト部４２とを順次介して、袋部４４内へ流れ込み、袋部４４内の小物を除菌し、吐出口４１から室内に流れ出す。なお、ダクト部４２の一方側の開口端は、着脱部４３の第１孔４５に着脱自在であり、ダクト部４２の他方側の開口端は、袋部４４の孔４７に着脱自在である。

【0041】

図２、図７、図８に示すように、制御部５は、使用者が吹出口８から収納部材４０を外した状態で、送風機３を運転する通常運転モードと、使用者が吹出口８に収納部材４０を装着した状態で、送風機３を運転するスポット運転モードと、を備えている。

【0042】

このように、収納部材４０は、吹出口８に着脱自在なので、収納部材４０を吹出口８に装着すると、収納部材４０に入れた小物に次亜塩素酸を集中的に送風し、除菌を行うスポット除菌であるスポット運転モードができる。また、収納部材４０を吹出口８から外すと、空気浄化装置を置いた部屋全体を除菌する空間除菌である通常運転モードができる。

【0043】

図７、図８に示すように、本実施形態における特徴は、スポット運転モード時には、制御部５は、開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を狭め、送風機３を第１所定時間運転させ、次に開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を広げ、送風機３を第２所定時間運転させる点である。なお、第２風路１２ｂを通過する空気は、第１風路１２ａを通過する空気に比べて、活性酸素種を含む水分が少ない空気である。

【0044】

具体的には、制御部５は、スポット運転モード時には、まず、使用者が、吹出口８に収納部材４０を装着し、収納部材４０内に小物を入れ、本体ケース２に設けられた操作部６のスイッチによって、スポット運転モードを選択する。スポット運転モードが選択されると、制御部５は、送風機３によって吸気口から吸い込んだ空気を、第１風路１２ａと第２風路１２ｂとへ送風する。ここで、開口調整部３２によって第２風路１２ｂの連通開口３３の開口面積を狭め、送風機３を第１所定時間運転させる（図７参照）。これにより、吸気口７から吸い込まれた空気は、気液接触部分２１を介さない第２風路１２ｂを流れる風量が減少し、主に気液接触部分２１を介する第１風路１２ａを流れ、活性酸素種を含む水と接触し、活性酸素種を含む空気となり送風される。収納部材４０内に送風された活性酸素種は、収納部材４０内の小物を除菌する。

【0045】

次に、制御部５は、開口調整部３２によって第２風路１２ｂの連通開口３３の開口面積を広げ、送風機３によって吸気口７から吸い込んだ空気を、第１風路１２ａと第２風路１２ｂとへ第２所定時間送風する（図８参照）。これによって、主に気液接触部分２１を介さない第２風路１２ｂを流れるので、第２風路１２ｂの連通開口３３の開口面積を狭めた場合に比べ、活性酸素種の濃度が低い空気を送風することができる。収納部材４０内は、活性酸素種の濃度が低い空気が入り、収納部材４０内で次亜塩素酸が消費されずに残った次亜塩素酸が吐出口４１を介して収納部材４０外に吹き出す。結果として、使用者が、収納部材４０内から小物を取り出す時に、収納部材４０内の活性酸素種である次亜塩素酸の臭いを感じることを抑制できる。更に、収納部材４０内を乾燥させることが出来る。

【0046】

また、吹出口８には、収納部材４０が装着されたことを検知する検知部４８を有している。検知部４８の一例は、リミットスイッチである。吹出口８に収納部材４０の着脱部４３を装着すると、吹出口８に設けられたリミットスイッチに着脱部４３が接触し、リミットスイッチから制御部５に信号が送られる。制御部５は、検知部４８が吹出口８に着脱部４３が装着されたことを検知するとスポット運転モードが可能となる。これによって、吹出口８に収納部材４０を装着せずに、スポット運転モードを実行することを抑制できる。

【0047】

また、第２所定時間は、第１所定時間より長い。これにより、収納部材４０内に残る次亜塩素酸の量が減少するので、収納部材４０の開口部４６から小物を出し入れする際に、開口部４６から漏れ出す収納部材４０内に残った次亜塩素酸を含む空気の臭いを抑制することが出来る。

【0048】

また、制御部５は、スポット運転モード時には、開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を狭め、送風機３を第１所定時間運転させ、次に送風機３の運転停止しを第３所定時間継続し、次に開口調整部３２によって第２風路１２ｂの開口面積を広げ、送風機３を第２所定時間運転させる。具体的には、吹出口８の上流側には風向を変更する風向変更部４９を有し、風向変更部４９は、吹出口８を開閉可能であり、スポット運転モード時において第３所定時間送風機の運転停止時には、風向変更部４９は吹出口８を閉じる。

【0049】

これにより、第３所定時間の間に、収納部材４０内で次亜塩素酸が消費され、収納部材４０の開口部４６から小物を出し入れする際に、開口部４６から漏れ出す収納部材４０内に残った次亜塩素酸を含む空気の臭いを抑制することが出来る。

【産業上の利用可能性】

【0050】

本発明にかかる空気浄化装置は、家庭用や事務所用などに使用される空気浄化装置等として有用である。

【符号の説明】

【0051】

１ 空気浄化装置
２ 本体ケース
３ 送風機
４ 空気浄化部
５ 制御部
６ 操作部
７ 吸気口
８ 吹出口
９ パネル
１２ａ 第１風路
１２ｂ 第２風路
１４ ファン部
１５ ケーシング部
１７ 吐出口
１８ 吸込口
１８ｂ 吸込口面
１９ 貯水容器
２０ タンク部材
２１ 気液接触部分
２２ 電解ユニット
２３ タンク保持部
２４ タンク
２５ 蓋
２６ フィルター
２６ａ 風上面
２６ｂ 風下面
２７ フィルター枠
２８ 軸受け部
２９ フィルタ上流側風路
３０ フィルタ下流側風路
３１ 分離板
３２ 開口調整部
３３ 連通開口
３４ 開閉板
４０ 収納部材
４１ 吐出口
４２ ダクト部
４３ 着脱部
４４ 袋部
４５ 第１孔
４６ 開口部
４７ 孔
４８ 検知部
４９ 風向変更部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】