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特開2023-145840プログラム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145840
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/20 20180101AFI20231004BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052704
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀和
(72)【発明者】
【氏名】和田 恒
(72)【発明者】
【氏名】岡林 慶
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】医用画像に対するコンピューター処理により得られた解析結果の見逃しを防止する。
【解決手段】情報処理装置は、患者の現在画像(第1の医用画像)に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得し(ステップS13)、現在画像と同一患者の過去画像(第2の医用画像)に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得し(ステップS14)、第1の解析結果と第2の解析結果とを比較して(ステップS15)、差異がある場合に(ステップS16;YES)、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する(ステップS17)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターに、
患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得機能と、
前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得機能と、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項2】
前記出力機能は、差異がある場合に、差異があることを示す情報を出力することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記出力機能は、前記差異があることを示す情報をユーザーに通知する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記出力機能は、差異がある場合に、マウスカーソルの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記出力機能は、差異がある場合に、ウィンドウの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記出力機能は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分を強調表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記強調表示は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分の色、形状、文字及びマークのうち、少なくとも一つを変更又は追加して表示することである請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記出力機能は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分のみを表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1の医用画像は、前記第2の医用画像と異なる日時に撮影された画像である請求項1から8のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピューター処理は、前記第1の医用画像又は前記第2の医用画像から病変候補を検出する処理を含み、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異には、前記第1の医用画像から検出された病変候補が前記第2の医用画像から検出されていないこと、又は、前記第1の医用画像から検出されていない病変候補が前記第2の医用画像から検出されたことが含まれる請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピューター処理は、前記第1の医用画像又は前記第2の医用画像から病変候補を検出する処理を含み、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異には、前記第1の医用画像から検出された病変候補と前記第2の医用画像から検出された病変候補との間で、大きさ又は範囲が所定量以上異なることが含まれる請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得手段と、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項13】
患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得工程と、
前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得工程と、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
患者の第1の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第1の解析結果を生成する第1の生成手段と、
前記患者の第2の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第2の解析結果を生成する第2の生成手段と、
前記第1の解析結果を取得する第1の取得手段と、
前記第2の解析結果を取得する第2の取得手段と、
前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力手段と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピューターを用いて医用画像を解析し、画像解析により検出された病変候補を医師に提示し、医師の判断を仰ぐという診断支援(CAD:Computer Aided Detection/Diagnosis)システムが実用化されている。
【0003】
例えば、医用画像に対して診断支援プログラムにより解析を行う診断支援システムにおいて、医師の診断が終了したことを示す付加情報(医師のサイン、医師が作成したアノテーション等)の存在を認定した後に、医用画像に対する解析結果を表示させる技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、医師の診断が終了した時点で、診断支援プログラムによる解析結果が表示されるため、医師はCADの結果に影響されずに公正な診断(読影)を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4651353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような従来技術において、CADが検出した病変候補が医用画像内に数多く存在する場合には、医師は、見るべき病変候補を見落としてしまう場合があった。
また、CADが検出した病変候補を提示する際に、病変候補の確信度や重要度に応じて、表示対象とする病変候補を絞り込むこともできるが、条件設定によっては、提示される病変候補の数が多くなってしまう。
【0006】
このように、読影者にとって、コンピューターによる解析結果に含まれる全ての病変候補を確認することは負担が大きく、見落としが発生するおそれがある。そのため、読影者は、CAD解析結果の中から注目すべき解析結果を効率良く認識しながら、医用画像を読影することが求められる。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、医用画像に対するコンピューター処理により得られた解析結果の見逃しを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、コンピューターに、患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得機能と、前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得機能と、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力機能と、を実現させるためのプログラムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、差異がある場合に、差異があることを示す情報を出力することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、前記差異があることを示す情報をユーザーに通知する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、差異がある場合に、マウスカーソルの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、差異がある場合に、ウィンドウの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分を強調表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプログラムにおいて、前記強調表示は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分の色、形状、文字及びマークのうち、少なくとも一つを変更又は追加して表示することである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記出力機能は、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異がある部分のみを表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記第1の医用画像は、前記第2の医用画像と異なる日時に撮影された画像である。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記コンピューター処理は、前記第1の医用画像又は前記第2の医用画像から病変候補を検出する処理を含み、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異には、前記第1の医用画像から検出された病変候補が前記第2の医用画像から検出されていないこと、又は、前記第1の医用画像から検出されていない病変候補が前記第2の医用画像から検出されたことが含まれる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、前記コンピューター処理は、前記第1の医用画像又は前記第2の医用画像から病変候補を検出する処理を含み、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果の差異には、前記第1の医用画像から検出された病変候補と前記第2の医用画像から検出された病変候補との間で、大きさ又は範囲が所定量以上異なることが含まれる。
【0019】
請求項12に記載の発明は、患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得手段と、前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得手段と、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力手段と、を備える情報処理装置である。
【0020】
請求項13に記載の発明は、患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する第1の取得工程と、前記患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する第2の取得工程と、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力工程と、を含む情報処理方法である。
【0021】
請求項14に記載の発明は、患者の第1の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第1の解析結果を生成する第1の生成手段と、前記患者の第2の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第2の解析結果を生成する第2の生成手段と、前記第1の解析結果を取得する第1の取得手段と、前記第2の解析結果を取得する第2の取得手段と、前記第1の解析結果と前記第2の解析結果とを比較して、差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する出力手段と、を備える情報処理システムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、医用画像に対するコンピューター処理により得られた解析結果の見逃しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】医用画像表示システムのシステム構成図である。
図2】医用画像管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
図3】データ管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図4】情報処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5】医用画像管理サーバーにより実行される医用画像解析処理を示すフローチャートである。
図6】(a)は、医用画像に対する病変候補の位置が点で指定される場合の例である。(b)は、医用画像に対する病変候補の位置が円で指定される場合の例である。(c)は、医用画像に対する病変候補の位置が楕円で指定される場合の例である。
図7】情報処理装置により実行される解析結果出力処理を示すフローチャートである。
図8】解析結果比較処理を示すフローチャートである。
図9】過去画像の解析結果と現在画像の解析結果との比較を表すイメージ図である。
図10】出力例Aにおけるポップアップウィンドウの例である。
図11】出力例Bにおける読影画面の例である。
図12】出力例Cにおける読影画面の例である。
図13】(a)は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合の読影画面の例である。(b)は、出力例Dにおける現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合の読影画面の例である。
図14】出力例Eにおける読影画面の例である。
図15】出力例Fにおける読影画面の例である。
図16】出力例Gにおける読影画面の例である。
図17】出力例Hにおける読影画面の例である。
図18】出力例Iにおける読影画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るプログラム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムの一実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0025】
[医用画像表示システムの構成]
図1に、情報処理システムとしての医用画像表示システム100のシステム構成を示す。
図1に示すように、医用画像表示システム100は、医用画像管理サーバー10と、モダリティー20,20,・・・と、情報処理装置30と、から構成され、各装置は、通信ネットワークNを介してデータ通信可能となっている。なお、情報処理装置30は、必要に応じて医用画像管理サーバー10と通信ネットワークNを介して接続可能であればよい。医用画像表示システム100では、医用画像管理サーバー10に記憶されている医用画像や解析結果を情報処理装置30に表示可能となっている。医用画像表示システム100を構成する各装置は、HL7(Health Level Seven)やDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、HL7やDICOMに則って行われる。なお、情報処理装置30の台数は、特に限定されない。
【0026】
モダリティー20は、患者(被検体)の撮影を行い、医用画像の画像データを生成する。モダリティー20として、例えば、CR(Computed Radiography)、DR(Digital Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、US(UltraSonography)、NM(Nuclear Medicine:核医学検査)、ES(Endoscope:内視鏡検査)等が用いられる。
また、モダリティー20は、医用画像に対して、当該医用画像に係る付帯情報を付帯させる。付帯情報には、患者ID、患者名、生年月日、性別、撮影日時、画像ID、モダリティー、部位、方向等が含まれる。
モダリティー20により生成された医用画像の画像データは、医用画像管理サーバー10に送信される。
【0027】
医用画像管理サーバー10は、モダリティー20において生成された医用画像の画像データを保存し、管理する。医用画像管理サーバー10としては、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)等が挙げられる。
【0028】
情報処理装置30は、PC(Personal Computer)やタブレット等のコンピューター装置である。情報処理装置30は、医師等のユーザーが医用画像を読影する際等に用いられる。
【0029】
[医用画像管理サーバーの構成]
図2に、医用画像管理サーバー10の機能的構成を示す。医用画像管理サーバー10は、制御部11、通信部12、画像解析部13、記憶部14等を備えて構成されており、各部はバス15により接続されている。
【0030】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、医用画像管理サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部14に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0031】
通信部12は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部12は、モダリティー20により患者を撮影して得られた医用画像を受信する。また、通信部12は、情報処理装置30から要求された医用画像や解析結果を情報処理装置30に送信する。
【0032】
画像解析部13は、患者を撮影して得られた医用画像に対してコンピューター処理を行い、解析結果のデータを生成する。コンピューター処理は、コンピューター診断支援(CAD:Computer Aided Detection/Diagnosis)処理である。画像解析部13は、医用画像から病変候補(異常陰影候補)を検出したり、アノテーションを付加したり、医用画像を定量的に評価するための指標を算出したりする。解析結果のデータは、例えば、DICOMのGSPS(Grayscale Softcopy Presentation State)データ、オーバーレイデータ等により構成される。画像解析部13は、記憶部14に格納されたプログラムと制御部11のCPUとの協働によってソフトウェア処理で実現される。
【0033】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
【0034】
また、記憶部14には、ユーザー管理テーブル141、データ管理テーブル142が記憶されている。また、記憶部14は、医用画像記憶領域143、解析結果記憶領域144を有する。
【0035】
ユーザー管理テーブル141は、医用画像表示システム100を利用するユーザー(医師等の医療従事者)を管理するためのテーブルである。ユーザー管理テーブル141には、ユーザーごとに、ユーザーID、パスワード、氏名、所属、メールアドレス、電話番号等が対応付けられて格納されている。
ユーザーIDは、ユーザーの識別情報である。
パスワードは、ユーザーが情報処理装置30から医用画像管理サーバー10にアクセスする際の認証に用いられる。
氏名は、ユーザーの氏名である。
所属は、ユーザーが所属する医療施設、診療科等の情報である。
メールアドレスは、ユーザーのメールアドレスである。
電話番号は、ユーザーの電話番号である。
【0036】
データ管理テーブル142は、医用画像管理サーバー10内のデータを管理するためのテーブルである。
図3に、データ管理テーブル142のデータ構成を示す。データ管理テーブル142には、医用画像記憶領域143に記憶されている医用画像ごとに、画像ID、患者ID、撮影日時、モダリティー、部位、方向、解析結果ID等が対応付けられて格納されている。
画像IDは、医用画像の識別情報である。
患者IDは、医用画像の撮影対象とされた患者の識別情報である。
撮影日時は、医用画像が撮影された日時である。
モダリティーは、医用画像が撮影されたモダリティーである。
部位は、医用画像の撮影対象とされた部位である。
方向は、医用画像の撮影方向である。
解析結果IDは、画像解析部13が医用画像を解析することで得られた解析結果の識別情報である。
【0037】
医用画像記憶領域143には、モダリティー20から受信された医用画像の画像データが記憶される。
【0038】
解析結果記憶領域144には、医用画像に対する解析結果のデータが記憶される。解析結果のデータには、医用画像から検出された病変候補の位置・大きさ・種類、医用画像に対して付加されたアノテーションの内容・位置、医用画像上に描画された計測線の位置、医用画像から算出された数値等が含まれる。
【0039】
制御部11は、通信部12を介してモダリティー20から医用画像を受信すると、当該医用画像を記憶部14に記憶させるとともに、画像解析部13に医用画像を解析させる。
【0040】
制御部11は、通信部12を介して情報処理装置30から医用画像に対する取得要求があった場合に、当該医用画像を記憶部14から読み出し、当該読み出された医用画像を通信部12を介して情報処理装置30に提供する。
制御部11は、通信部12を介して情報処理装置30から解析結果に対する取得要求があった場合に、当該解析結果を記憶部14から読み出し、当該読み出された解析結果を通信部12を介して情報処理装置30に提供する。
【0041】
[情報処理装置の構成]
図4に、情報処理装置30の機能的構成を示す。情報処理装置30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35等を備えて構成されており、各部はバス36により接続されている。
【0042】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、情報処理装置30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部35に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0043】
操作部32は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。また、操作部32が、表示部33に積層されたタッチパネルにより構成される場合には、ユーザーの指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0044】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0045】
通信部34は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0046】
記憶部35は、HDDや不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。例えば、記憶部35には、解析結果出力処理プログラム351が記憶されている。解析結果出力処理プログラム351は、情報処理装置30において医用画像が読影される際に、読影対象の医用画像及び解析結果を表示する処理を実行するためのプログラムである。
【0047】
制御部31は、患者の第1の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第1の解析結果を取得する。すなわち、制御部31は、第1の取得手段として機能する。
【0048】
制御部31は、第1の医用画像と同じ患者の第2の医用画像に対するコンピューター処理により得られた第2の解析結果を取得する。すなわち、制御部31は、第2の取得手段として機能する。
【0049】
第1の医用画像は、第2の医用画像と異なる日時に撮影された画像である。本実施の形態では、第1の医用画像が現在画像であり、第2の医用画像が過去画像である場合について説明する。現在画像は、新たに撮影された、読影対象とする医用画像である。過去画像は、現在画像と同一患者を撮影対象として過去に撮影された医用画像(撮影日時が現在画像より前の医用画像が複数ある場合には、一番最近のもの)であって、解析結果の比較対象とする医用画像である。
【0050】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果とを比較して、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。すなわち、制御部31は、出力手段として機能する。
【0051】
第1の解析結果と第2の解析結果の差異には、第1の医用画像から検出された病変候補が第2の医用画像から検出されていないこと、第1の医用画像から検出されていない病変候補が第2の医用画像から検出されたことが含まれる。
また、第1の解析結果と第2の解析結果の差異には、第1の医用画像から検出された病変候補と第2の医用画像から検出された病変候補との間で、大きさ又は範囲が所定量以上異なることが含まれる。
【0052】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、差異があることを示す情報を出力することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。「差異があることを示す情報を出力する」ことには、例えば、差異があることを示す情報を追加して表示することが含まれる。
【0053】
具体的には、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、差異があることを示す情報をユーザーに通知する。一方、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がない場合に、ユーザーに対する通知を行わない。差異があることを示す情報の通知には、ポップアップウィンドウによる通知、メールによる通知、電話等の通信手段による通知等が含まれる。
【0054】
例えば、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、差異があることを示す情報を含むポップアップウィンドウを表示部33に表示させる。
【0055】
また、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の医用画像の読影者に対応するメールアドレスの取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。第1の医用画像の読影者は、情報処理装置30において、読影対象として第1の医用画像を選択したユーザーでもよいし、第1の医用画像の読影者として指定されているユーザーでもよい。医用画像管理サーバー10の制御部11は、第1の医用画像の読影者に対応するメールアドレスを記憶部14のユーザー管理テーブル141から読み出し、このメールアドレスを通信部12を介して情報処理装置30に送信する。情報処理装置30の制御部31は、第1の医用画像の読影者に対応するメールアドレスを医用画像管理サーバー10から取得し、このメールアドレス宛てに、差異があることを示す情報を含むメールを、通信部34を介して送信する。
【0056】
また、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の医用画像の読影者に対応する電話番号の取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、第1の医用画像の読影者に対応する電話番号を記憶部14のユーザー管理テーブル141から読み出し、この電話番号を通信部12を介して情報処理装置30に送信する。情報処理装置30の制御部31は、第1の医用画像の読影者に対応する電話番号を医用画像管理サーバー10から取得し、この電話番号宛てに、差異があることを示す情報を含む音声データに基づいて、通話処理を行う。
【0057】
なお、差異があることを示す情報に関するメールや電話による通知は、医用画像管理サーバー10側で行うこととしてもよい。
【0058】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、マウスカーソルの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。具体的には、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、医用画像の表示画面におけるマウスカーソルの色、形状等を、差異がない場合(通常の場合)とは異ならせる。一方、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がない場合に、マウスカーソルの表示態様を通常どおり(デフォルトの色、形状等)とする。
【0059】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、ウィンドウの表示態様を変更することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。ウィンドウとは、アプリケーションの表示領域である。表示態様が変更されるウィンドウとして、例えば、医用画像及び解析結果を表示するためのアプリケーションの表示領域を用いる。ウィンドウの表示態様の変更としては、ウィンドウ枠(色・種類等)の変更や、医用画像表示領域に対して背景となる領域の色の変更等が挙げられる。背景となる領域には、ウィンドウ内のツール表示領域が含まれる。一方、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がない場合に、ウィンドウの表示態様を通常どおり(デフォルトの状態)とする。
【0060】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の解析結果と第2の解析結果の差異がある部分を強調表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。強調表示は、第1の解析結果と第2の解析結果の差異がある部分の色、形状、文字及びマークのうち、少なくとも一つを変更又は追加して表示することである。
差異がある部分の強調表示とは、例えば、第1の解析結果に含まれているが、第2の解析結果に含まれていない情報や、第1の解析結果に含まれていないが、第2の解析結果に含まれている情報を、差異がない部分と表示態様を異ならせることである。
具体的には、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の医用画像の表示画面において、第1の解析結果のうち、第2の解析結果と比較して差異がある部分を強調表示する。一方、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がない場合に、第1の医用画像の表示画面の表示態様を通常どおり(第1の医用画像上に第1の解析結果が重畳された状態等)とする。
【0061】
制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の解析結果と第2の解析結果の差異がある部分のみを表示することで、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する。例えば、制御部31は、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に、第1の医用画像の表示画面において、第1の解析結果と第2の解析結果の差異がある部分のみを第1の医用画像上に重畳表示させ、第1の解析結果と第2の解析結果とで差異がない部分は非表示とする。
【0062】
[医用画像表示システムにおける動作]
次に、医用画像表示システム100における動作について説明する。
図5は、医用画像管理サーバー10により実行される医用画像解析処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部11のCPUと記憶部14に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0063】
医用画像管理サーバー10では、通信部12を介して、モダリティー20から患者を撮影して得られた医用画像を受信すると(ステップS1)、制御部11は、受信した医用画像を記憶部14の医用画像記憶領域143に記憶させる(ステップS2)。また、制御部11は、受信した医用画像の付帯情報に含まれる画像ID、患者ID、撮影日時、モダリティー、部位、方向等を対応付けて、記憶部14のデータ管理テーブル142(図3参照)に格納する。
【0064】
次に、制御部11は、画像解析部13のCAD機能により、医用画像を解析させる(ステップS3)。画像解析部13は、AI(Artificial Intelligence)により医用画像を解析し、解析結果のデータを生成する。具体的には、画像解析部13は、医用画像から病変候補を検出し、病変候補の位置・大きさ・種類等を含む解析結果を生成する。
【0065】
解析結果に含まれる病変候補の位置は、点、円、楕円等で指定される。
(1)点(POINT)で指定される場合
医用画像に対する病変候補の位置が点で指定される場合、図6(a)に示すように、病変候補の中心である点P1の位置(縦方向の座標,横方向の座標)が指定される。この場合、病変候補の大きさや範囲は特定されず、医用画像の表示画面で病変候補の位置に表示されるアノテーション(円や四角形等)は、ビューアーに依存したものとなる。
【0066】
(2)円(CIRCLE)で指定される場合
医用画像に対する病変候補の位置が円で指定される場合、図6(b)に示すように、円C1の中心画素である点P2の位置(縦方向の座標,横方向の座標)と、円C1の円周上の画素の位置(縦方向の座標,横方向の座標)が指定される。
【0067】
(3)楕円(ELLIPSE)で指定される場合
医用画像に対する病変候補の位置が楕円で指定される場合、図6(c)に示すように、楕円E1を囲む最小矩形E2の各辺が楕円E1に接する4点P3~P6の位置(縦方向の座標,横方向の座標)が指定される。
【0068】
次に、制御部11は、画像解析部13により得られた解析結果を、医用画像と対応付けて記憶部14に記憶させる(ステップS4)。具体的には、制御部11は、解析結果を記憶部14の解析結果記憶領域144に記憶させるとともに、記憶部14のデータ管理テーブル142において、解析対象とされた医用画像に対応するレコードに解析結果の解析結果IDを格納する。
以上で、医用画像解析処理が終了する。
【0069】
このように、医用画像管理サーバー10の画像解析部13は、患者の第1の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第1の解析結果を生成する第1の生成手段として機能する。また、画像解析部13は、第1の医用画像と同じ患者の第2の医用画像に対してコンピューター処理を行い、第2の解析結果を生成する第2の生成手段として機能し得る。
【0070】
図7は、情報処理装置30により実行される解析結果出力処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部31のCPUと記憶部35に記憶されている解析結果出力処理プログラム351との協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0071】
ユーザー(医師)が情報処理装置30から医用画像管理サーバー10にアクセスするにあたり、操作部32からの操作により、ユーザーID及びパスワードを入力すると、制御部31は、入力されたユーザーID及びパスワードを、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。
医用画像管理サーバー10では、通信部12によりユーザーID及びパスワードを受信すると、制御部11は、受信されたユーザーID及びパスワードが、記憶部14のユーザー管理テーブル141に予め登録されているユーザーID及びパスワードの組み合わせのいずれかと一致するか否かを判断し、一致するものがある場合に、情報処理装置30のユーザーの利用を許可する。
【0072】
情報処理装置30の制御部31は、通信部34を介して、医用画像管理サーバー10から現在画像を取得する(ステップS11)。例えば、制御部31は、ユーザーの操作部32からの操作により指定された画像IDを含む医用画像の取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、取得要求に含まれる画像IDに対応する医用画像を医用画像記憶領域143から読み出し、当該医用画像を通信部12を介して情報処理装置30に送信する。
なお、情報処理装置30の制御部31は、モダリティー20から現在画像を取得することとしてもよい。
【0073】
次に、情報処理装置30の制御部31は、通信部34を介して、医用画像管理サーバー10から現在画像と同一患者の過去画像を取得する(ステップS12)。例えば、制御部31は、現在画像の画像IDを含む過去画像の取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、記憶部14のデータ管理テーブル142を参照して、「患者ID」、「モダリティー」、「部位」、「方向」が現在画像と共通であって、「撮影日時」が現在画像より前かつ一番最近のレコードを抽出し、抽出されたレコードに含まれる画像ID(過去画像の画像ID)を特定する。制御部11は、過去画像の画像IDに対応する医用画像を医用画像記憶領域143から読み出し、当該医用画像を通信部12を介して情報処理装置30に送信する。
なお、過去画像を特定する際に用いる条件については、上記の例に限定されない。
【0074】
次に、情報処理装置30の制御部31は、通信部34を介して、医用画像管理サーバー10から現在画像の解析結果を取得する(ステップS13)。例えば、制御部31は、現在画像の解析結果の取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、記憶部14のデータ管理テーブル142を参照して、現在画像の「画像ID」に対応するレコードから「解析結果ID」を特定し、この「解析結果ID」に対応する解析結果を解析結果記憶領域144から読み出し、当該解析結果を通信部12を介して情報処理装置30に送信する。
【0075】
次に、情報処理装置30の制御部31は、通信部34を介して、医用画像管理サーバー10から過去画像の解析結果を取得する(ステップS14)。例えば、制御部31は、過去画像の解析結果の取得要求を、通信部34を介して医用画像管理サーバー10に送信する。医用画像管理サーバー10の制御部11は、記憶部14のデータ管理テーブル142を参照して、過去画像の「画像ID」に対応するレコードから「解析結果ID」を特定し、この「解析結果ID」に対応する解析結果を解析結果記憶領域144から読み出し、当該解析結果を通信部12を介して情報処理装置30に送信する。
【0076】
次に、情報処理装置30の制御部31は、解析結果比較処理を行う(ステップS15)。解析結果比較処理は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とを比較する処理である。
【0077】
ここで、図8を参照して、解析結果比較処理について説明する。
情報処理装置30の制御部31は、現在画像と過去画像の位置合わせを行う(ステップS21)。具体的には、制御部31は、現在画像及び過去画像の両方又はいずれか一方に対して、拡大・縮小・回転処理等を施し、現在画像と過去画像との間で画像内の骨や臓器等の位置を合わせる。
【0078】
次に、制御部31は、現在画像と過去画像の位置合わせに伴い、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果の位置を調整する(ステップS22)。具体的には、制御部31は、現在画像の解析結果又は過去画像の解析結果に含まれる病変候補等の位置を、各画像の位置合わせ後の位置に変換する。
【0079】
次に、制御部31は、位置調整後の現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に基づいて、或る病変候補について、病変領域の重複度合いを算出する(ステップS23)。例えば、病変領域の重複度合いとして、「過去画像における病変領域」に対する「現在画像における病変領域と過去画像における病変領域の重複領域」の割合を用いる。
なお、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との間で、いずれか一方にのみ存在する病変候補については、病変領域の重複度合いは0とする。
【0080】
解析結果において、病変候補の位置が1点(中心位置)で指定されている場合には(図6(a)参照)、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果における病変中心位置から予め指定されている範囲(例えば、所定半径の円等)の領域同士が重複する割合(重複度合い)を算出する。ここで、予め指定されている範囲としては、医療施設(撮影が行われた医療施設、ユーザーが所属する医療施設等)、依頼科(撮影又は読影を依頼した医師が所属する診療科)、撮影部位ごとに変更可能とする。また、予め指定されている範囲として、ユーザー(医師)が任意の値を指定することとしてもよい。
また、予め指定されている範囲の値は、医用画像の上部と下部で変更可能としてもよい。例えば、胸部画像の場合、患者の呼吸に応じて横隔膜の位置が変動するため、胸部画像の上部と比較して下部の方が、同一の病変であっても撮影されたタイミングによって、上下方向の位置が大きく変わり得る。
【0081】
解析結果において、病変候補の位置が円で指定されている場合には(図6(b)参照)、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果における病変候補の位置を示す円同士が重複する割合(重複度合い)を算出する。
【0082】
解析結果において、病変候補の位置が楕円で指定されている場合には(図6(c)参照)、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果における病変候補の位置を示す楕円同士が重複する割合(重複度合い)を算出する。
【0083】
次に、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果における病変領域の重複度合いが予め定められた閾値以上であるか否かを判断する(ステップS24)。この閾値に応じて、両画像における病変候補の有無を示す差異だけでなく、両画像における病変候補の大きさや範囲が所定量以上変化したという差異を検出することもできる。ここで用いる閾値としては、医療施設、依頼科、撮影部位、ユーザーごとに変更可能としてもよい。また、医用画像の上部と下部で、異なる閾値の値を用いてもよい。
【0084】
現在画像と過去画像における病変領域の重複度合いが閾値以上である場合には(ステップS24;YES)、制御部31は、現在画像から検出された病変候補と過去画像から検出された病変候補が一致すると判定する(ステップS25)。
【0085】
ステップS24において、現在画像と過去画像における病変領域の重複度合いが閾値未満である場合には(ステップS24;NO)、制御部31は、現在画像から検出された病変候補と過去画像から検出された病変候補が不一致であると判定する(ステップS26)。
【0086】
ステップS25又はステップS26の後、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に含まれる全ての病変候補について比較が終了したか否かを判断する(ステップS27)。
比較が終了していない病変候補が存在する場合には(ステップS27;NO)、ステップS23に戻り、制御部31は、別の病変候補を処理対象として、処理を繰り返す。
【0087】
ステップS27において、全ての病変候補について比較が終了した場合には(ステップS27;YES)、解析結果比較処理が終了する。
【0088】
なお、ステップS24の重複度合いを用いた処理に代えて、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との間で、病変候補の大きさ(長さ、面積等)の差が所定量以上である場合に、現在画像から検出された病変候補と過去画像から検出された病変候補が不一致である(大きな変化があった)と判定することとしてもよい。また、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との間で、病変候補の範囲の差(重複しない領域の面積等)が所定量以上である場合に、現在画像から検出された病変候補と過去画像から検出された病変候補が不一致である(大きな変化があった)と判定することとしてもよい。
【0089】
図9は、過去画像の解析結果40と現在画像の解析結果50との比較を表すイメージ図である。図9の例では、過去画像の解析結果40には、5個の病変候補41~45が含まれていたのに対し、現在画像の解析結果50には、6個の病変候補51~56が含まれている。現在画像の解析結果50に含まれる病変候補51~55は、それぞれ、過去画像の解析結果40に含まれる病変候補41~45に対応している(同じ病変である)と考えられる。現在画像の解析結果50には、新たに検出された病変候補56が含まれている。
【0090】
解析結果比較処理の後、図7に戻り、情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで、差異があるか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで、不一致と判定された病変候補がある場合には、差異があると判断する。一方、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで、全ての病変候補が一致すると判定された場合には、差異がないと判断する。
【0091】
現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合には(ステップS16;YES)、情報処理装置30の制御部31は、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力する(ステップS17)。例えば、制御部31は、現在画像及び現在画像の解析結果を表示部33に表示させる際に、後述する出力例に従った表示を行わせる。
【0092】
ステップS17の後、又は、ステップS16において、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には(ステップS16;NO)、解析結果出力処理が終了する。
【0093】
以下、解析結果出力処理(図7参照)のステップS17における具体的な出力例A~Iについて説明する。出力例A~Iにおいては、図9に示した現在画像の解析結果50と過去画像の解析結果40を用いることとする。出力例A~D(図10図13参照)は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異があることを示す例である。出力例E~H(図14図17参照)は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで差異がある部分を強調表示する例である。出力例I(図18参照)は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで差異がある部分のみを表示する例である。
【0094】
<出力例A>
情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、両者に差異があることを通知するためのメッセージを表示部33に表示させる。
【0095】
図10に、表示部33に表示されるポップアップウィンドウ331の例を示す。ポップアップウィンドウ331は、例えば、現在画像の読影画面(現在画像上に現在画像の解析結果が重畳された画面)上に表示される。ポップアップウィンドウ331には、メッセージ表示領域331A、OKボタン331B、キャンセルボタン331Cが含まれる。
メッセージ表示領域331Aには、過去画像(前回の撮影画像)からは検出されなかった病変候補が、現在画像(今回の撮影画像)では検出されたことを示すメッセージが表示されている。
【0096】
OKボタン331Bは、ユーザーが現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異があることを確認した旨の操作指示を行うためのボタンである。ユーザーが操作部32を操作してOKボタン331Bを押下すると、制御部31は、現在画像の解析結果(アノテーション)が重畳された現在画像と、過去画像の解析結果が重畳された過去画像と、を並べて表示部33に表示させる(比較読影画面)。
【0097】
キャンセルボタン331Cは、ユーザーが現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異があることを確認した上で、現在画像の読影を続行する旨の操作指示を行うためのボタンである。ユーザーが操作部32を操作してキャンセルボタン331Cを押下すると、制御部31は、ポップアップウィンドウ331を非表示とし、現在画像の解析結果が重畳された現在画像のみ、表示を継続させる。
【0098】
制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には、図10に示したようなメッセージを通知しない。
【0099】
<出力例B>
情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、マウスカーソルの表示態様を通常の表示態様から変更する。
図11に、表示部33に表示される読影画面332の例を示す。読影画面332には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。また、読影画面332上のマウスカーソル332Aは、通常の場合と比較して、色が異なっている。また、マウスカーソル332Aの形状を変更してもよい。
【0100】
制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には、マウスカーソルの表示態様を変更しない。
【0101】
<出力例C>
情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、ウィンドウの表示態様を通常の表示態様から変更する。
図12に、表示部33に表示される読影画面333の例を示す。読影画面333には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。また、読影画面333のウィンドウ枠333Aは、通常の場合と比較して、色が異なっている。
【0102】
制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には、ウィンドウの表示態様を変更しない。
【0103】
<出力例D>
出力例Dも、出力例Cと同様、ウィンドウの表示態様を変更することで、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異があることを通知する場合の例である。
図13(a)に、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合の読影画面334の例を示し、図13(b)に、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合の読影画面335の例を示す。
【0104】
図13(a)に示すように、差異がない場合の読影画面334には、ウィンドウ枠334A、医用画像表示領域334B、画像外領域334C,334D、ツール表示領域334Eが含まれている。医用画像表示領域334Bには、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。画像外領域334C,334Dは、医用画像表示領域334Bに対して背景となる領域である。ツール表示領域334Eには、医用画像に対する処理を選択するためのツール選択ボタンが表示される。ツール表示領域334Eは、医用画像表示領域334Bに対して背景となる領域の一部である。
【0105】
図13(b)に示すように、差異がある場合の読影画面335には、ウィンドウ枠335A、医用画像表示領域335B、画像外領域335C,335D、ツール表示領域335Eが含まれている。ウィンドウ枠335A、医用画像表示領域335B、画像外領域335C,335D、ツール表示領域335Eは、それぞれ、読影画面334のウィンドウ枠334A、医用画像表示領域334B、画像外領域334C,334D、ツール表示領域334Eと同様である。
【0106】
図13(a)と比較して、図13(b)では、ウィンドウ枠335Aの色が変更されるとともに、医用画像表示領域335Bの背景となる領域(画像外領域335C,335D、ツール表示領域335E)の色が変更されている。これにより、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、現在画像の解析結果に注意を払うようユーザーに促すことができる。
【0107】
<出力例E>
情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで差異がある部分を強調表示する。特に、制御部31は、読影対象患者の前回の解析結果と比較して、今回の解析結果で新たに提示された病変候補を強調表示することが望ましい。出力例F~Hについても、同様である。
一方、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には、通常どおりの表示態様とする。
【0108】
図14に、表示部33に表示される読影画面336の例を示す。読影画面336には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。読影画面336では、過去画像の解析結果では検出されていなかった病変候補に対応するアノテーション66の色が、他のアノテーション61~65と異なる色で表現されることで、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との差異部分が強調表示される。
【0109】
なお、現在画像の解析結果にて新たに提示された病変候補だけでなく、過去画像の解析結果から現在画像の解析結果にかけて変化が大きかった病変候補(同一の病変であると考えられるが、大きさや範囲が所定量以上変化したもの)についても、差異がある部分として強調表示される。過去画像からは検出されていたが、現在画像からは検出されなかった病変候補については、過去画像上で差異部分が強調表示されてもよいし、過去画像と現在画像を含む比較読影画面上で差異部分が強調表示されてもよい。
【0110】
<出力例F>
図15に、表示部33に表示される読影画面337の例を示す。読影画面337には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。読影画面337では、過去画像の解析結果では検出されていなかった病変候補に対応するアノテーション76の形状(図15では四角形)が、他のアノテーション71~75(図15では円)と異なる形状で表現されることで、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との差異部分が強調表示される。
【0111】
<出力例G>
図16に、表示部33に表示される読影画面338の例を示す。読影画面338には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。読影画面338では、過去画像の解析結果では検出されていなかった病変候補に対応するアノテーション86の近傍に「新規検出」という文字338Aが追加されることで、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との差異部分が強調表示される。
【0112】
<出力例H>
図17に、表示部33に表示される読影画面339の例を示す。読影画面339には、現在画像上に現在画像の解析結果が重畳表示されている。さらに、読影画面339では、過去画像の解析結果では検出されていなかった病変候補に対応するアノテーション96の近傍にマーク339Aが追加されることで、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果との差異部分が強調表示される。
【0113】
<出力例I>
情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果とで差異がある部分のみを表示する。
一方、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がない場合には、現在画像上に現在画像の解析結果を重畳表示させる(通常どおりの表示)。あるいは、制御部31は、差異がない場合に、現在画像上に解析結果を表示させないこととしてもよい。
【0114】
図18に、表示部33に表示される読影画面340の例を示す。読影画面340には、現在画像が表示される。さらに、読影画面340において、過去画像からは検出されず、現在画像のみから検出された病変候補に対応するアノテーション340Aが、現在画像上に重畳表示される。なお、逆に、過去画像からは検出されていたが、現在画像からは検出されなかった病変候補については、破線等で領域を示したアノテーションが、現在画像上に重畳表示されることとしてもよい。
【0115】
以上説明したように、本実施の形態によれば、情報処理装置30の制御部31は、現在画像の解析結果(第1の解析結果)と過去画像の解析結果(第2の解析結果)とを比較して、両者に差異がある場合に、差異がない場合と出力態様を異ならせて出力するので、医用画像に対するコンピューター処理により得られた解析結果の見逃しを防止することができる。
【0116】
例えば、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、差異があることを示す情報を出力するので、ユーザーが現在画像の解析結果を参照しながら現在画像を読影する際や、現在画像と過去画像を比較読影する際に、ユーザーに注意を喚起することができる。
具体的には、ポップアップウィンドウ、メール、電話等により、差異があることを示す情報をユーザーに通知することができる。
【0117】
また、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、マウスカーソルの表示態様を変更することで、ユーザーに解析結果に対する注意を促すことができる。
また、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異がある場合に、ウィンドウの表示態様を変更することで、ユーザーに解析結果に対する注意を促すことができる。
【0118】
また、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果の差異がある部分を強調表示することで、過去画像から現在画像にかけて変化があった箇所に、ユーザーの注意を向けることができる。具体的には、差異がある部分のアノテーションの色、形状等を変更したり、差異がある部分に文字、マーク等を追加したりすることで、差異がある部分を分かりやすく示すことができる。
【0119】
また、制御部31は、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果の差異がある部分のみを表示することで、過去画像から現在画像にかけて変化があった箇所のみに、ユーザーの注意を向けることができる。
【0120】
このように、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果の差異がある部分を強調表示したり、差異がある部分のみを表示したりすることで、これまでにチェックされていないと考えられる箇所を目立たせることができる。これにより、ユーザーは、注目すべき解析結果を効率良く認識することができる。
【0121】
また、過去画像から検出されていなかった病変候補が現在画像から検出された場合、過去画像から検出されていた病変候補が現在画像から検出されなかった場合、過去画像から検出された病変候補と現在画像から検出された病変候補との間で、大きさ又は範囲が所定量以上異なる場合等に、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果に差異があると判断することができる。
【0122】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るプログラム、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0123】
例えば、解析結果出力処理(図7参照)のステップS17において、各出力例A~Iを組み合わせて実施してもよい。
また、モダリティー20ごとに各出力例A~Iを予め対応付けておき、処理対象の医用画像が生成されたモダリティー20に対応付けられた出力例を適用することとしてもよい。
また、情報処理装置30の表示部33に医用画像が表示された状態で、ユーザーが操作部32において所定のボタンを押す度に、適用される出力例A~Iを切り替えてもよい。
【0124】
また、医用画像及び解析結果の表示についての使用用途に応じて、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合に適用される出力例A~Iを変更してもよい。例えば、通常の用途の場合には、出力例F(図15参照)のように、アノテーション76の形状を変更して表示させ、カンファレンスに用いる場合には、出力例H(図17参照)のように、差異がある部分にマーク339Aを付加して表示させ、レポートに用いる場合には、出力例I(図18参照)のように、差異がある部分のアノテーション340Aのみを表示させる。
【0125】
また、各出力例A~Iにおいて、解析結果の表示が不要となる場合は、解析結果を自動的に非表示にしてもよい。解析結果の表示が不要となる場合の例として、アノテーションが心胸郭比等の計測線と重なった場合や、CINE(動画)再生時等が挙げられる。
【0126】
また、解析結果比較処理(図8参照)において、病変領域の重複度合いによって、現在画像の解析結果と過去画像の解析結果における病変候補の「一致」、「不一致」を判定するだけでなく、「一致」、「不一致の疑いあり」、「不一致」のように、3段階以上に分けて区別してもよい。
また、「不一致の疑いあり」と「不一致」とで、病変候補に対応するアノテーションの色を変える等(例えば、「不一致」の場合には「赤」、「不一致の疑いあり」の場合には「青」等)、解析結果の表示を区別してもよい。
【0127】
また、上記実施の形態では、情報処理装置30の制御部31が第1の取得手段、第2の取得手段及び出力手段として機能することとしたが、情報処理装置30以外の装置が各手段を備えることとしてもよい。
また、上記実施の形態では、医用画像に対してコンピューター処理を行い、解析結果を生成するCAD機能(第1の生成手段、第2の生成手段)を医用画像管理サーバー10が備えることとしたが、医用画像管理サーバー10以外の装置がCAD機能を備えることとしてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態では、医用画像として胸部画像を用いた場合の例を図示したが、撮影部位は胸部に限定されない。また、処理対象とされる医用画像は、CT等により得られた複数のスライス画像、マルチフレーム画像(動画)、CTやMRI等により得られた画像を3D変換した画像であってもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、医用画像管理サーバー10において、医用画像の画像データと解析結果のデータとを別の領域(医用画像記憶領域143、解析結果記憶領域144)に格納することとしたが、解析結果のデータが、医用画像の画像データを含む医用画像ファイルに組み込まれることとしてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合の出力態様を、差異がない場合と異ならせて出力する例として、主に、表示画面上での表示態様を異ならせる場合について説明したが、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合の表示態様を、差異がない場合と異ならせて表示させるための表示用データを出力することとしてもよい。また、第1の解析結果と第2の解析結果に差異がある場合の印刷態様を、差異がない場合と異ならせて印刷させるための印刷用データを出力することとしてもよい。
【0131】
なお、第1の解析結果と第2の解析結果は、いずれも医用画像管理サーバー10の画像解析部13のコンピューター処理により、同じルールに従って画一的に生成されているため、第1の解析結果と第2の解析結果との間の差異を検出しやすい。
仮に、医師が医用画像から病変候補を検出し、手動で操作してアノテーションを付加することで解析結果を得る場合、第1の医用画像と第2の医用画像に含まれる病変の状態が同じであったとしても、両画像に対して同じ位置に同じ大きさでアノテーションを付加することは困難である。そのため、手動により生成された解析結果同士、又は、手動により生成された解析結果とコンピューター処理による解析結果との間からは、本来の意味での差異を検出することは難しい。
したがって、第1の解析結果と第2の解析結果とを比較する際には、コンピューター処理による解析結果を用いることが重要である。
【0132】
また、各装置において各処理を実行するためのプログラムは、可搬型記録媒体に格納されていてもよい。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0133】
10 医用画像管理サーバー
11 制御部
12 通信部
13 画像解析部
14 記憶部
20 モダリティー
30 情報処理装置
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
100 医用画像表示システム
141 ユーザー管理テーブル
142 データ管理テーブル
143 医用画像記憶領域
144 解析結果記憶領域
351 解析結果出力処理プログラム
N 通信ネットワーク
図1
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